説明

徘徊防止システム

【課題】 痴呆老人等の夜間に於ける徘徊行動をより確実に且つ安価な設備でもって検知することにより、徘徊を有効に防止すると共に、PHS装置を活用して早期の被介護者の徘徊等の異常を介護者へ伝達できるようにする。
【解決手段】 徘徊防止システムを、被介護者の体重により接点が作動をする体圧感知センサーを備えた体圧センサー付きベッドと、前記体圧センサー付きベッドからの被介護者の離脱による体圧感知センサーの接点作動により異常信号を発信する異常信号発信装置と、前記異常信号を受信して探索開始信号を発信する異常信号受信装置とから構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、老人病院や徘徊性被介護者の養護施設等において利用される人の徘徊防止システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
痴呆性老人や徘徊性のある老人等(以下、被介護者と呼ぶ)を介護する病院や介護施設では、被介護者の衣服等に本人に判らない状態で発信器やマーカー等を固着させると共に、施設の玄関や出入口門にセンサー装置を設置し、被介護者が無断で外出するような場合には、センサ装置から警報を発しその無断外出を防止するようにした無断外出防止システムが多く採用されている。
【0003】
しかし、上記無断外出防止システムにおいては、万一被介護者がセンサ装置の設置外の場所等から施設外へ出てしまった場合には、徘徊性被介護者の探索に多くの手数を要するだけでなく、被介護者自身が事故等にあう危険性が高まると云う問題がある。
【0004】
そのため、一部の病院や介護施設では、被介護者の衣服等に携帯端末装置を判らないように固着すると共に、病院や施設内に携帯端末装置への受発信装置を設け、万一被介護者が無断外出等により行方不明になった場合には、前記受発信装置から携帯端末装置へ送信をすると共に携帯端末装置からの位置信号を受信して、被介護者の現在位置を検知するようにした徘徊性被介護者の探索システムが採用されている。
【0005】
しかし、この徘徊性被介護者の探索システムにおいても、夜間等に被介護者がベッドから離脱して無断外出をしたときに、万一その無断外出の事実の確認が遅れた場合には、その間に被介護者が事故に巻き込まれてしまう可能性があり、問題の基本的な解決にならないと云う難点がある。
また、被介護者が自らの衣服等に固着した携帯端末器を取り外したり、衣服を脱いでしまった場合には、探索システムそのものが機能しなくなると言う問題がある。
【0006】
ところで、上述の如き問題を基本的に解決するためには、先ず第1に、(1)夜間等における被介護者の異常行動や異常状態を、可能な限り早期に且つ正確に検知する方法を確立することが必要でなる。何故なら、被介護者の徘徊等は、主として夜間の介護者の少ない時に多発するものであり、昼間の介護者などが多数居るときには殆ど発生しないからである。
また、第2に必要なことは、(2)検知した被介護者の異常を迅速且つ正確に介護者へ伝達して、介護者が必要な対応を直ちに取れるようにすることである。何故なら、夜間等には介護者の人数が少なくなり、介護者室が空になることが多くなるからである。
【0007】
一方、老人病院や徘徊性のある老人等を看護する介護施設では、テレビカメラシステムが病室内における入院患者等の遠隔観察に多く利用されており、看護士室や介護人室に設置したモニタにより病室内の状況が連続的に観察されている。
また、各病室等には、押釦操作やマイク操作により患者等が意思を看護士室や管理人室等へ伝達するナースコール装置や通報設備が設備されており、患者や被介護人は個々に各人の意志を伝達できるようになっている。
【0008】
しかし、前記テレビモニタシステムでは、個々の患者や被介護者の細かな状態を正確に識別することが困難で、特に夜間等に於ける徘徊性被介護者の挙動等を正確に把握することは著しく困難であり、モニターをチェックする看護士や介護者に大きな負担を強いることになる。
尚、このことはナースコールシステムや通報設備の運営に於いても同様であり、痴呆性被介護者にはナースコールシステムや通報設備を活用できないと云う問題がある。
【0009】
その結果、病院や養護施設、特に痴呆性や徘徊性の被介護者を多く収容する老人病院や介護施設では、看護士や介護者が手薄となる夜間における患者や被介護者の介護管理に様々な困難が生じており、特にその中でも徘徊性被介護者の異常行動の早期検知策の確立と、検知した被介護者の異常を確実に介護者へ伝達して、必要な対応を早期に取れるようにすることが、前述の通り緊急の課題となっている。
【0010】
而して、上述の如き徘徊性被介護者の異常行動の早期検知策や、検知した異常の介護者への伝達策については、これ迄にも各種の方法や装置が開発され、公開されている。
図4は、この種問題の解決のために開発されたシステムの一例を示すものであり、超音波振動感知センサを用いて被介護者の挙動状態を判別する方法を開示するものである。
即ち、このシステムにあっては、図4に示すように、超音波振動感知センサFと超音波制御装置Gとから成る超音波計測装置をベッドMに取り付け、夜間における人の挙動等の状態変化(振動状態の変化)を超音波振動感知センサFによって検出し、これを超音波制御装置Gに於いて解析することにより、被介護者の状態の正常、異常や挙動内容を判別するようにしたものである。
【0011】
尚、図5は、図4の被介護者の挙動状態の判別方法で使用されている超音波振動感知センサFの構成を示すものであり、当該センサFは容器本体21と、容器本体21の中に液面22aを有するように密封された液体22と、液体22の中に超音波cを送信して液面で反射された超音波dを受信する超音波振動子23とから構成されている。
更に、前記超音波制御装置Gは、超音波振動子23から超音波c、dを液体22中に送受信させるように超音波振動感知センサFを制御するものであり、ケーブル24を介して送受信信号a、bを入出力すると共に、入力信号bを解析して被介護者25の状態の正常、異常を判別するよう構成されている。
【0012】
前記図4及び図5に示した被介護者の状態判別方法は、超音波振動感知センサF自体の感度が高感度であるうえ、超音波制御装置GにおいてセンサFの検出精度や検出感度を調整することにより、ベッドM上における被介護者25の幅広い状態変化(例えば、センサFの検出感度を上げることにより、ベッド上で身動きの全く出来ない人の呼吸状態やその人の生・死の検出を行うことが出来ると共に、センサFの検出感度を下げることにより、比較的元気な人のベッドMにおける立上りや就寝中の寝返り動作を検出することができる。)を正確に検出することができ、優れた実用的効用を有するものである。
【0013】
しかし、この種の被介護者の状態判別方法にも解決すべき多くの問題が残されており、その中でも特に解決を急がれる問題は、徘徊性被介護者の異常行動・動作の検出の問題である。
例えば、被介護者25が夜間に徘徊行為に移る場合、先ず徘徊者はベッドM上に起き上がり、次にベッドMから床上へ移動し、その後ベッドMを離れて他の場所へ移動する。
ところが、身体的運動に支障のない徘徊性被介護者25の場合には、検出センサFの感度は通常大幅に低下させてあり、被介護者25のベッドM上での起き上がりやベッドM上から床面への移動のみを検出できるレベルに調整されている。何故なら、身体的には健常者と同等であるから、検出センサFの感度レベルを上げて呼吸状態や心臓鼓動の状態までをも監視できる高感度レベルに設定しておくと、夜間に異常状態を示す信号が常時発信されることになり、介護者がたびたびチェックの為に病室へ行かねばならなくなって、センサー設備としての機能を果たせなくなるからである。
【0014】
そのため、従前の超音波検出センサFでは、徘徊性被介護者25のベッドM上での起き上がりやベッドMから床上への移動は確実に検知することができるものの、徘徊性被介護者25がベッドMを一旦離れてしまったり、或いは一旦ベッドCから離れたものの直ぐにベッドM上へ戻って就寝したような場合には、前述のような理由からセンサAの感度が下げられているため、被介護者25がベッドMの上で就寝して居るのか、或いは徘徊に出てしまってベッドMが空の状態になっているのかを正確に判別することが出来ず、その結果、センサFの発信の毎に介護者が徘徊性被介護者のベッドMを目視で確認しに行かねばならないと云う問題があった。
【0015】
また、超音波センサFを用いたこの種の徘徊性被介護者等の状態判別装置は比較的高価であり、且つその保守管理にも相当の手数がかかるため、設備経費等の面でも問題がある。
更に、徘徊性被介護者25のベッドMから異常信号が発信された場合には、直ちに介護者が目視による確認を行う必要があるが、万一異常信号の受信装置を設けた介護人室等に介護人が居なかった場合には、被介護者25がベッドMから離れて室外へ出てしまうことになり、被介護者25の探索に多くの手数がかかることになる。
【0016】
【特許文献1】特開2003−36492号
【特許文献2】特開2003−16187号
【特許文献3】特開2004−216006号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本願発明は、従前のこの種徘徊性被介護者等のベッド上に於ける異常状態判別方法や徘徊性被介護者等の探捜システムにおける上述の如き問題、即ち(イ)従前の探索システムにあっては、一旦徘徊性被介護者が施設外へ出てしまった場合や衣服を脱いでしまった場合には、探索が困難になること、(ロ)また、従前の徘徊性被介護者のベッド上における異常状態判別方法にあっては、状態判別用センサの作動毎に徘徊性被介護者の状態を目視で確認する必要があり、実質的に介護者の負担の軽減を図れないこと、状態判別装置やその維持管理費の削減を図り難いこと、及び介護者による目視チェックが遅れて徘徊性被介護者が室外へ出てしまった場合には、被介護者の探索に手数がかかること、更に、(3)介護人室に介護人が居ない場合には、必要な対応が全くとれないこと、等の問題を解決せんとするものであり、徘徊性被介護者が夜間等にベッドを離れたような場合には、直ちにその行動を確実且つ正確にキャッチして異常信号を継続的に所定箇所へ発信すると共に、当該異常信号の受信と同時又は一定時間経過後にPHS送受信装置を作動させて介護者が保持するPHS受信端末機へ信号を送り、介護者に異常の発生とその異常者を特定する情報を通報することにより、徘徊性被介護者の安全性がより高められると共に介護者の負担を大幅に軽減することができるようにした、安価で経済性に優れた徘徊防止システムを提供することを発明の主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
請求項1の発明は、被介護者の体重により接点が作動をする体圧感知センサーを備えた体圧センサー付きベッドと、前記体圧センサー付きベッドからの被介護者の離脱による体圧感知センサーの接点作動により異常信号を発信する異常信号発信装置と、前記異常信号を受信して探索開始信号を発信する異常信号受信装置とを発明の基本構成とするものである。
【0019】
請求項2の発明は請求項1の発明において、体圧感知センサーの接点作動より一定時間経過後に異常信号の発信若しくは探索信号の発信を行う構成としたものである。
【0020】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、異常信号発信装置を、無線異常信号を発信する装置としたものである。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、探索開始信号の発信によりPHS送受信装置を作動させ、介護者が保持するPHS端末機へ被介護者の異常を通報する構成としたものである。
【0022】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、探索開始信号の発信によりPHS送受信装置を作動させ、介護者が保持するPHS端末機との通話を可能とする構成としたものである。
【0023】
請求項6の発明は、請求項4の発明において、PHS送受信装置にPHS送信機構とGPS測位装置と地図画像表示位置と識別信号発信装置とを設けると共に、PHS端末機にPHS応答装置とGPS測位装置を設け、PHS端末機からの位置情報信号をPHS送受信装置の地図画像表示装置に自動表示する構成としたものである。
【0024】
請求項7の発明は、請求項4の発明において、PHS送受信装置を移動型の装置としたものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明の徘徊防止システムにおいては、体圧センサー付きベッドを用い、これを使用する被介護者の体重を利用して体圧センサーの接点を作動させ、当該体圧センサーの接点作動によって被介護者がベッドから離脱したか否かを判定し、その離脱時間が所定の設定時間を経過すれば、被介護者が徘徊に入ったと判断して必要な警報信号を発信すると共に、PHS送受信装置と介護人が保持するPHS端末機との組み合せに係るPHS探索システムを作動させて、介護者に異常の発生及び異常者が誰であるかを通報する構成としている。その結果、徘徊性被介護者の徘徊をより早期に且つ確実に、しかもより安価な設備をもって検知できると共に、少ない人数の介護人でもって介護人に過重な負担をかけることなしに、徘徊者が事故などに巻き込まれる危険を効率よく防止することができ、優れた実用的効用が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係る徘徊性被介護者等の徘徊防止システムの全体構成を示すブロック線図であり、当該徘徊防止システムは体圧センサー付ベッドAと異常信号発信装置Bと異常信号受信装置CとPHS送受信装置DとPHS端末機Eと電路L1 、L2 等から構成されている。
【0027】
前記体圧センサー付きベッドAは、徘徊性被介護者が使用するものであり、被介護室(図示省略)内に1台又は複数台設置されている。
当該体圧センサー付きベッドAは図2に示すようにベッドフレーム2aと、2枚のセンサー支持板2b・2bと、各センサー支持板2b・2b間に介設した複数の体圧センサー2c・2cと、センサー支持板2b上に設けたベッド用マット2d等から形成されており、各体圧センサ2c・2cの接点信号は体圧センサー制御箱3へ入力されている。
【0028】
前記体圧センサー2cは、被介護者の体重がかかると接点を構成(on)し、被介護者の体重が除かれると接点がoffとなる。
本実施形態では、センサー支持板2b・2b間に4〜6個のストレンゲージ型の半導体センサが体圧センサー2cとして配設されており、その内の2個以上が同時にoffになったときに、体圧センサー制御箱3から異常発信装置Bへ電路L1 を通して異常信号Qが発信される。
【0029】
即ち、被介護者が夜間等に体圧センサー付きベッドAから離れたときには、複数個(少なくとも2個以上)の体圧センサー2cが同時にoffとなり、これによって被介護者1のベッドAからの離脱が感知される。
尚、前記体圧センサー2cの型式や種類、使用個数等は任意に選定することができ、また、体圧センサー2cの全数の内のいくらの数のセンサー2cがoffになったときに、被介護者がベッドAを離脱したと判断するか否かは、適宜に設定される。
【0030】
更に、前記体圧センサー制御箱3では、異常発信装置Bへの異常信号Qの発信が制御されており、昼間等の被介護者が徘徊を殆ど行わない時間帯においては、異常信号Qの伝送が遮断状態に保持されていることは勿論である。
加えて、夜間等に被介護者が徘徊目的以外で体圧センサー付きベッドAを離れる場合、例えば小用や水飲み等で短い時間Tの間だけ離れるような場合には、後述するように異常信号発信装置Bに於いてタイマー機構を介して異常無線信号Sの発信開始時間を制御することにより、所謂誤報の発信となることを避けるようにしている。
【0031】
前記異常信号発信装置Bは、被介護室内に設けられており、複数台の体圧センサー付きベッドAからの異常信号Qが電路L1 を介して入力されている。
即ち、電路L1 を介して異常信号Qが入力されると、異常信号発信装置Bから無線の異常信号S0が発信され、これが介護人室や管理人室に設置されている異常信号受信装置Cへ入力される。
尚、前記異常信号発信装置Bには、前述の如くタイマー機構(図示省略)が設けられており、一定の可変設定時間の後に異常無線信号S0を発信するようにしている。
【0032】
前記本実施形態では、異常信号発信装置Bを無線信号S0を発信する構造のものとしているが、無線信号S0に代えて通常の電路を介して送信をする電気信号を発信する方式の装置としてもよいことは勿論である。
また、本実施形態では、異常信号発信装置Bに前記タイマー機構を設けるようにしているが、当該タイマー機構は、体圧センサー制御装置3又は異常信号受信装置C側に設けるようにしてもよい。
【0033】
前記異常信号受信装置Cは、中央管理棟の介護人室や看護人室等に設けられており、異常発信装置Bからの異常無線信号S0(又は異常電気信号)が入力されると、これを表示すると共に必要なアラームを出力する。
また、異常信号受信装置Cから、同じ介護人室等の内部に設けたPHS送受信装置Dへ徘徊性被介護者の探索開始信号Kを電路L2 を介して入力する。
当該探索開始信号KがPHS送受信装置Dへ入力されることにより、後述するPHS探捜システムが作動を開始する。
【0034】
尚、前記異常信号発信装置B及び異常信号受信装置Cそのものは、公知の単なる無線発信及び無線受信装置と同じであるから、ここではその説明を省略する。
【0035】
図3は、本発明の実施形態で使用をする被介護者のPHS探索システムの一例を示す構成系統図であり、PHS端末機Eは各介護者1が夫々保持している。
このPHS端末機Eには、公知のPHS応答装置4とGPS測位置器5等が設けられており、またPHS送受信装置Dには、公知のPHS送受信機構6、GPS測位装置7、識別信号発信機構8、地図画像表示装置9等が設けられている。
尚、図3において、10a・10bは公知の所謂GPS衛星、11はPHS中継設備、11a・11bはターミナル局である。また、本発明の最も簡単化された探索システムにおいては、前記PHS中継設備やターミナル局を、介護設備や病院構内の専用として設けらることになる。
【0036】
いま、ベッドM上の被介護者25が徘徊に出たとすると、体圧感知センサー2cが作動することにより、異常信号発生装置Bが作動する。この異常信号発信装置Bの作動(即ち、異常信号受信装置Cの作動)から設定時間(具体的には、小用やその他の通常考えられる一時的なベッドAからの離間時間を越えた相当の時間、例えば10〜15分)が経過しても、異常信号発信装置Bの作動が継続されていると、被介護者が徘徊に入ったと判断してPHS送信装置Dが自動的に作動され、PHS送受信機構6からターミナル局11a、PHS中継設備11、ターミナル局11bを通してPHS端末機EのPHS応答装置4へ当該被介護者を示す識別信号Hを含む無線信号S1が入力される。
これにより、介護者1が保持するPHS端末機Eに、異常状態にある被介護者25に関する必要な情報が表示される。
また、必要な場合には、介護者1はPHS応答装置4を介してその測位信号P1 をターミナル局11bへ返信し、PHS中継設備11、ターミナル局11a、PHS送受信機構、GPS測位装置7を通して表示装置9上に介護者の位置等の必要な情報を表示する様にしても良い。
尚、異常信号発信装置Bの作動時に管理人室に介護者が居る場合には、その介護者1が直ちに被介護者の室内へ行き、被介護者25の状態を目視によりチェックすることは勿論である。
【0037】
また、PHS送受信装置Dを移動式(例えば自動車のカーナビゲーションタイプのもの)とした場合には、GPS測位装置7からの位置信号P2 とPHS端末機EのGPS測位装置5の位置信号P1 を表示装置9に相対表示させるようなシステム構成にすることも可能である。
【0038】
尚、PHS設備の利用形態としては他にも様々な方式が存在するが、如何なる利用形態であってもよいことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、主として痴呆性老人等の徘徊性被介護者を介護若しくは治療する介護施設や病院に於いて、主として利用されているものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る徘徊防止システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】体圧センサー付きベッドAの断面概要図である。
【図3】本発明での使用に適したPHS探索システムの一例を示す構成系統図である。
【図4】従前の人の状態判別方法の説明図である。
【図5】従前の人の状態判別方法に於いて使用している超音波振動感知センサの説明図である。
【符号の説明】
【0041】
A 体圧センサー付きベッド
B 異常信号発信装置
C 異常信号受信装置
D PHS送受信装置
E PHS端末機
1 ・L2 電路
1 ・M2 無線路
Q 異常信号
1 異常無線信号
0 無線信号
K 探捜開始信号
H 識別信号
1 ・P2 測位信号
1 介護者
2a ベッドフレーム
2b センサー支持板
2c 体圧センサー
2d ベッド用マット
3 体圧センサー制御箱
4 PHS応答装置
5 GPS測位装置
6 PHS送受信機構
7 GPS測位装置
8 識別信号発信装置
9 地図画像表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被介護者の体重により接点が作動をする体圧感知センサーを備えた体圧センサー付きベッドと、前記体圧センサー付きベッドからの被介護者の離脱による体圧感知センサーの接点作動により異常信号を発信する異常信号発信装置と、前記異常信号を受信して探索開始信号を発信する異常信号受信装置とから構成したことを特徴とする徘徊防止システム。
【請求項2】
体圧感知センサーの接点作動より一定時間経過後に異常信号の発信若しくは探索信号の発信を行う構成とした請求項1に記載の徘徊防止システム。
【請求項3】
異常信号発信装置を無線異常信号を発信する装置とした請求項1に記載の徘徊防止システム。
【請求項4】
請求項1の発明において、探索開始信号の発信によりPHS送受信装置を作動させ、介護者が保持するPHS端末機へ被介護者の異常を通報する構成とした徘徊防止システム。
【請求項5】
探索開始信号の発信によりPHS送受信装置を作動させ、介護者が保持するPHS端末機との通話を可能とする構成とした請求項4に記載の徘徊防止システム。
【請求項6】
PHS送受信装置にPHS送信機構とGPS測位装置と地図画像表示位置と識別信号発信装置とを設けると共に、PHS端末機にPHS応答装置とGPS測位装置を設け、PHS端末機からの位置情報信号をPHS送受信装置の地図画像表示装置に自動表示する構成とした請求項4に記載の徘徊防止システム。
【請求項7】
PHS送受信装置を移動型の装置とするようにした請求項4に記載の徘徊防止システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−146543(P2006−146543A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−335531(P2004−335531)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(390031668)株式会社日本技術開発センター (19)
【出願人】(594038542)株式会社ハンディネットワーク インターナショナル (2)
【出願人】(392016591)オリックス・インテリア株式会社 (4)
【Fターム(参考)】