説明

情報処理システム、情報処理装置、認証装置、認証方法および認証プログラム

【課題】高いセキュリティを保って認証を行なうことができる情報処理システムを提供する。
【解決手段】第1ユニット1001内のロック部352は、ユニット内の情報へのアクセス制限を行い、指示作成部353は、鍵データの作成指示を第2ユニット1002に送信し、書込部354は、第2ユニット1002からの鍵データを記憶装置に格納し、要求作成部355は、アクセス制限の解除要求を受け付けると、記憶部330に格納された鍵データ333を第2ユニット1002に送信し、ロック解除部356は、認証が成功したとの認証結果を受け取ると、アクセス制限を解除する。第2ユニット1002内の鍵作成部452は、暗号を施した鍵データを作成し、第1ユニット1001に送信し、認証部453は、第1ユニット1001からの鍵データ333を復号化して認証し、認証結果を第1ユニット1001に送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理ユニットと認証ユニットとを含む情報処理システム、情報処理装置、認証装置、その情報処理システムを用いた認証方法および認証プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ノートパソコンなどの携帯型の情報処理装置の多くは、ポインティングデバイスとしてタッチ式ポインティングデバイスを有している。タッチ式ポインティングデバイスの代表的なものの1つとしては、静電容量の変化を検出するタッチパッドがある。
【0003】
近年、表示一体型のポインティングデバイスを備える情報処理装置が開発されている。例えば、特許文献1(特開2004−5212号公報)には、表示一体型のポインティングデバイスを有する情報処理装置が開示されている。この情報処理装置は、表示一体型のポインティングデバイス専用のコントローラを備える。
【0004】
特許文献2(特開2004−5105号公報)に記載の情報処理装置は、表示一体型のポインティングデバイス専用のコントローラを用いて、メイン表示装置のコントローラの起動状態や処理状況と独立に、表示一体型のポインティングデバイス(サブ表示装置)を用いてユーザに対する表示を行なう。この装置のBIOS(Basic Input/Output System)は、OS(Operating System)の起動前の段階でBIOSにパスワードが設定されていた場合に、ポインティングデバイスおよびそのコントローラを制御し、設定されたパスワードの入力要求をポインティングデバイスに表示する。
【0005】
また、特許文献2に記載されているようなパスワード認証ではなく、タブレットなどの手書き入力装置あるいは指紋入力装置に入力されたパターン(サイン、指紋など)を用いて、認証を行なう情報処理装置も知られている。このような情報処理装置は、入力パターンを予め登録された照合用パターンと照合して、認証を行なう。
【特許文献1】特開2004−5212号公報
【特許文献2】特開2004−5105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
入力パターンによる認証の際に、従来の情報処理装置は、予め情報処理装置内に格納している照合用データに基づいて、入力パターンの認証を行なっていた。このような認証方法には、セキュリティが確実でないという問題がある。正当なユーザ以外の者が、装置内のデータを解析することで照合用パターンを得られるためである。
【0007】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、高いセキュリティを保って認証を行なうことができる情報処理システム、情報処理装置、認証装置、認証方法および認証プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの局面に従うと、情報処理ユニットと認証ユニットとを備える情報処理システムであって、情報処理ユニットは、認証ユニットとの間の情報の授受を行なう第1のインターフェースと、外部からの指示を受け付ける入力手段と、記憶手段と、情報処理ユニット内の情報へのアクセス制限を設定するロック手段と、認証ユニットに対する鍵データの作成命令を作成し、作成命令を認証ユニットに送信する指示作成手段と、第1のインターフェースが受け付けた鍵データを記憶手段に格納する書込手段と、入力手段が受け付けたアクセス制限の解除要求に応じて、記憶手段に格納された鍵データを認証ユニットに送信する鍵送信手段と、第1のインターフェースが受け付けた認証の成功を表わすデータに基づいて、アクセス制限を解除するロック解除手段とを含み、認証ユニットは、情報処理ユニットとの間の情報の授受を行なう第2のインターフェースと、第2のインターフェースが受け付けた作成命令に応じて、認証用データを暗号化したデータを鍵データとして作成し、鍵データを情報処理ユニットに送信する鍵作成手段と、第2のインターフェースが受け付けた鍵データを復号し、復号された鍵データを認証する認証手段と、認証手段による認証結果を情報処理ユニットに送信する結果送信手段とを含む。
【0009】
好ましくは、認証ユニットは、外部からの入力を受け付ける入力手段をさらに含み、鍵作成手段は、入力に基づいて認証用データを作成する。
【0010】
さらに好ましくは、入力手段は、タブレットを含み、鍵作成手段は、作成命令に応じてタブレットに入力されたパターンに基づいて認証用データを作成し、認証手段は、認証要求に応じてタブレットに入力されたパターンに基づいて復号された鍵データを認証する。
【0011】
さらに好ましくは、タブレットは、光センサ内蔵液晶パネルである。
好ましくは、認証ユニットは、認証ユニットを特定する識別データを格納する記憶手段をさらに含み、認証用データは、識別データを含み、認証手段は、記憶手段に格納された識別データに基づいて復号された鍵データを認証する。
【0012】
本発明の他の局面に従うと、情報処理装置であって、認証装置との間の情報の授受を行なうインターフェースと、外部からの指示を受け付ける入力手段と、記憶手段と、情報処理装置内の情報へのアクセス制限を設定するロック手段と、認証装置に対する鍵データの作成命令を作成し、作成命令を認証装置に送信する指示作成手段と、インターフェースが受け付けた鍵データを記憶手段に格納する書込手段と、入力手段が受け付けたアクセス制限の解除要求に応じて、記憶手段に格納された鍵データを認証装置に送信する鍵送信手段と、インターフェースが受け付けた認証の成功を表わすデータに基づいて、アクセス制限を解除するロック解除手段とを備える。
【0013】
本発明のさらに他の局面に従うと、認証装置であって、情報処理装置との間の情報の授受を行なうインターフェースと、インターフェースが情報処理装置から受け付けた鍵データの作成命令に応じて、認証用データを暗号化したデータを鍵データとして作成し、鍵データを情報処理装置に送信する鍵作成手段と、インターフェースが受け付けた鍵データを復号し、復号された鍵データを認証する認証手段と、認証手段による認証結果を情報処理装置に送信する結果送信手段とを備える。
【0014】
本発明のさらに他の局面に従うと、認証装置と情報の授受を行なうインターフェースと、外部からの指示を受け付ける入力手段と記憶手段とを有する情報処理ユニットと認証ユニットとを備える情報処理システムを用いた認証方法であって、情報処理ユニットが、情報処理ユニット内の情報へのアクセス制限を行なうステップと、情報処理ユニットが、認証装置に対する鍵データの作成命令を作成するステップと、情報処理ユニットは、作成命令を認証ユニットに送信するステップと、認証ユニットが、作成命令に応じて、認証用データを暗号化したデータを鍵データとして作成するステップと、認証ユニットが、鍵データを情報処理ユニットに送信するステップと、情報処理ユニットが、認証ユニットから受け付けた鍵データを記憶手段に格納するステップと、情報処理ユニットが、入力手段が受け付けたアクセス制限の解除要求に応じて、記憶手段に格納された鍵データを認証ユニットに送信するステップと、認証ユニットが、情報処理ユニットから受け付けた鍵データを復号するステップと、認証ユニットが、復号された鍵データを認証するステップと、情報処理ユニットが、認証ユニットから受け付けた認証の成功を表わすデータに基づいて、アクセス制限を解除するステップとを備える。
【0015】
本発明のさらに他の局面に従うと、外部からの指示を受け付ける入力手段と記憶手段とを有する情報処理ユニットと認証ユニットとを備える情報処理システムに認証を実行させる認証プログラムであって、情報処理ユニットが、情報処理ユニット内の情報へのアクセス制限を行なうステップと、情報処理ユニットが、認証装置に対する鍵データの作成命令を作成するステップと、情報処理ユニットは、作成命令を認証ユニットに送信するステップと、認証ユニットが、作成命令に応じて、認証用データを暗号化したデータを鍵データとして作成するステップと、認証ユニットが、鍵データを情報処理ユニットに送信するステップと、情報処理ユニットが、認証ユニットから受け付けた鍵データを記憶手段に格納するステップと、情報処理ユニットが、入力手段が受け付けたアクセス制限の解除要求に応じて、記憶手段に格納された鍵データを認証ユニットに送信するステップと、認証ユニットが、情報処理ユニットから受け付けた鍵データを復号するステップと、認証ユニットが、復号された鍵データを認証するステップと、情報処理ユニットが、認証ユニットから受け付けた認証の成功を表わすデータに基づいて、アクセス制限を解除するステップとを、情報処理システムに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、情報処理ユニットは、情報処理ユニット内の情報へのアクセス制限を行なう。また、情報処理ユニットは、アクセス制限を解除する鍵データの作成指示を認証ユニットに送信する。認証ユニットは、暗号を施した鍵データを作成し、情報処理ユニットに送信する。情報処理ユニットは、認証ユニットからの鍵データを記憶装置に格納する。情報処理ユニットは、アクセス制限の解除要求を受け付けると、記憶装置に格納された鍵データを認証ユニットに送信する。認証ユニットは、情報処理ユニットからの鍵データを復号化して認証し、認証結果を情報処理ユニットに送る。情報処理ユニットは、認証が成功したとの認証結果を受け取ると、アクセス制限を解除する。その結果、本発明によれば、セキュリティを保って認証を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部分には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0018】
[第1の実施の形態]
<電子機器の外観>
図1は、本実施の形態に係る電子機器100の外観を示した図である。図1を参照して、電子機器100は、第1の筐体100Aと第2の筐体100Bとを含む。
【0019】
第1の筐体100Aと第2の筐体100Bとは、ヒンジ100Cにより折畳み可能に接続されている。第1の筐体100Aは、光センサ内蔵液晶パネル140を備える。第2の筐体100Bは、光センサ内蔵液晶パネル240を備える。このように、電子機器100は、光センサ内蔵液晶パネルを2つ備える。
【0020】
なお、電子機器100は、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型のパーソナルコンピュータ、携帯型電話機、電子辞書などの表示機能を有する携帯型デバイスとして構成される。
【0021】
<ハードウェア構成について>
次に、図2を参照して、電子機器100の具体的構成の一態様について説明する。図2は、電子機器100のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【0022】
電子機器100は、第1ユニット1001と、第2ユニット1002とを含む。第2ユニット1002は、電子機器100から着脱可能に第1ユニット1001に接続されている。第1ユニット1001は、本体装置101と、表示装置102とを含む。第2ユニット1002は、表示装置103と、本体装置104とを含む。
【0023】
第1の筐体100Aは、表示装置102を含む。第2の筐体100Bは、本体装置101を含む。また、第2の筐体100Bは、第2ユニット1002を含む。
【0024】
(第1ユニットについて)
本体装置101は、CPU(Central Processing Unit)110と、RAM(Random Access Memory)171と、ROM(Read-Only Memory)172と、メモリカードリーダライタ173と、外部通信部174と、マイク175と、スピーカ176と、操作キー177と、電源スイッチ191と、電源回路192と、電源検出部193と、USB(Universal Serial Bus)コネクタ194と、アンテナ195と、LAN(Local Area Network)コネクタ196とを含む。各構成要素(110,171〜177,193)は、相互にデータバスDB1によって接続されている。メモリカードリーダライタ173には、メモリカード1731が装着される。
【0025】
CPU110は、プログラムを実行する。操作キー177は、電子機器100の使用者による指示の入力を受ける。RAM171は、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、または操作キー177を介して入力されたデータを揮発的に格納する。ROM172は、データを不揮発的に格納する。また、ROM172は、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリなどのデータの書込みおよび消去が可能なROMである。
【0026】
外部通信部174は、他の電子機器と通信を行なう。具体的には、外部通信部174は、USBコネクタ194を介して、たとえば第2ユニット1002と通信を行なう。また、外部通信部174は、アンテナ195を介して、たとえば第2ユニット1002と無線通信を行なう。さらに、外部通信部174は、LANコネクタ196を介して、他の電子機器との間で有線通信を行なう。
【0027】
なお、本体装置101は、Bluetooth(登録商標)以外の無線通信により、他の電子機器と通信を行なってもよい。たとえば、外部通信部174は、図示しない無線LANアンテナを介して、LANに接続された他の電子機器との間で無線通信を行なってもよい。あるいは、図示しない赤外線ポートを介して、他の電子機器との間で無線通信を行なってもよい。
【0028】
電源スイッチ191は、電子機器100を起動させるためのスイッチである。
電源スイッチ191がオンすると、電源回路192は、電源検出部193を介して、データバスDB1に接続されている各構成要素と表示装置102とに電力を供給する。また、電源スイッチ191がオンすると、電源回路192は、電源検出部193を介することなく、外部通信部174に電力を供給する。
【0029】
電源検出部193は、電源回路192からの出力を検出する。また、電源検出部193は、当該検出した出力に関する情報(たとえば、電圧値や電流値)を、CPU110に送る。
【0030】
USBコネクタ194は、第1ユニット1001を第2ユニット1002に接続するために用いられる。なお、本体装置101は、USBコネクタ194に加えて他のUSBコネクタを備えていてもよい。
【0031】
第1ユニット1001は、USBコネクタ194を介して、第2ユニット1002にデータを送信する。また、第1ユニット1001は、USBコネクタ194を介して、第2ユニット1002からデータを受信する。さらに、第1ユニット1001は、USBコネクタ194を介して、第2ユニット1002に電力を供給する。
【0032】
アンテナ195は、第1ユニット1001と、他の通信装置(たとえば第2ユニット1002)との間における、Bluetooth(登録商標)の規格に沿った通信に用いられる。LANコネクタ196は、電子機器100をLANに接続するために用いられる。
【0033】
表示装置102は、ドライバ130と、光センサ内蔵液晶パネル140(以下、液晶パネル140と称する)と、内部IF178と、バックライト179と、画像処理エンジン180とを含む。
【0034】
ドライバ130は、液晶パネル140およびバックライト179を駆動するための駆動回路である。ドライバ130に含まれる各種の駆動回路については、後述する。
【0035】
液晶パネル140は、液晶ディスプレイの機能と光センサの機能とを備えたデバイスである。つまり、液晶パネル140は、液晶を用いた画像の表示と、光センサを用いたセンシングとを行うことができる。液晶パネル140の詳細については、後述する。
【0036】
内部IF(Interface)178は、本体装置101と表示装置102との間で、データの遣り取りを仲介する。
【0037】
バックライト179は、液晶パネル140の裏面に配置された光源である。バックライト179は、当該裏面に対して均一な光を照射する。
【0038】
画像処理エンジン180は、ドライバ130を介して液晶パネル140の動作を制御する。ここで、当該制御は、内部IF178を介して本体装置101から送られてくる各種データに基づいて行われる。なお、当該各種データは、後述するコマンドを含む。また、画像処理エンジン180は、液晶パネル140から出力されるデータを処理し、処理したデータを内部IF178を介して本体装置101に送る。さらに、画像処理エンジン180は、ドライバ制御部181と、タイマ182と、信号処理部183とを含む。
【0039】
ドライバ制御部181は、ドライバ130に対して制御信号を送ることによりドライバ130の動作を制御する。また、ドライバ制御部181は、本体装置101から送られてくるコマンドを解析する。そして、ドライバ制御部181は、当該解析の結果に基づいた制御信号をドライバ130に送る。ドライバ130の動作の詳細については、後述する。
【0040】
タイマ182は、時刻情報を生成し、信号処理部183に対して時刻情報を送る。
信号処理部183は、上記光センサから出力されるデータを受け取る。ここで、上記光センサから出力されるデータはアナログデータであるため、信号処理部183は、まず当該アナログデータをデジタルデータに変換する。さらに、信号処理部183は、当該デジタルデータに対して、本体装置101から送られてくるコマンドの内容に応じたデータ処理を行う。そして、信号処理部183は、上記データ処理を行った後のデータと、タイマ182から取得した時刻情報とを含んだデータ(以下、応答データと称する)を本体装置101に送る。また、信号処理部183は、後述するスキャンデータを連続して複数格納できるRAM(図示せず)を備えている。
【0041】
上記コマンドは、上記光センサによりセンシングを指示するセンシングコマンドを含む。当該センシングコマンドの詳細および上記応答データの詳細については、後述する(図7,図8,および図14)。
【0042】
なお、タイマ182は、必ずしも画像処理エンジン180に備えられている必要はない。たとえば、タイマ182は、表示装置102内における、画像処理エンジン180の外部に備えられていてもよい。あるいは、タイマ182は、本体装置101に備えられていてもよい。また、マイク175およびスピーカ176は、電子機器100が常に備える構成ではなく、電子機器100の実施例によっては、マイク175およびスピーカ176のいずれかあるいは両方を有さない構成であってもよい。
【0043】
ここで、表示装置102は、システム液晶を含んでいる。なお、システム液晶とは、液晶パネル140の周辺機器を当該液晶パネル140のガラス基板上に一体形成することにより得られるデバイスである。本実施の形態では、ドライバ130(バックライト179を駆動する回路を除く)と、内部IF178と、画像処理エンジン180とが、液晶パネル140のガラス基板上に一体形成されている。なお、表示装置102が、必ずしもシステム液晶を用いて構成されている必要はなく、ドライバ130(バックライト179を駆動する回路を除く)と、内部IF178と、画像処理エンジン180とが、上記ガラス基板以外の基板に構成されていてもよい。
【0044】
(第2ユニットについて)
第2ユニット1002は、第1ユニット1001から電力の供給を受ける。具体的には、後述するUSBコネクタ294と第1ユニット1001のUSBコネクタ194とを接続することにより、第2ユニット1002は、第1ユニット1001の電源回路192から電力の供給を受ける。
【0045】
本体装置104は、CPU210と、RAM271と、ROM272と、外部通信部274と、電源検出部293と、USBコネクタ294と、アンテナ295と、信号強度検出部297とを含む。各構成要素(210,271,272,274,293)は、相互にデータバスDB2によって接続されている。
【0046】
CPU210は、プログラムを実行する。RAM271は、CPU210によるプログラムの実行により生成されたデータを揮発的に格納する。ROM272は、データを不揮発的に格納する。また、ROM272は、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリなどのデータの書込みおよび消去が可能なROMである。
【0047】
外部通信部274は、他の電子機器との間で通信を行なう。具体的には、外部通信部274は、USBコネクタ294を介して、たとえば第1ユニット1001と通信を行なう。また、外部通信部274は、アンテナ295を介して、たとえば第1ユニット1001と通信を行なう。
【0048】
なお、本体装置104は、Bluetooth(登録商標)以外の無線通信により、他の電子機器(たとえば、第1ユニット1001)と通信を行なってもよい。たとえば、外部通信部274は、図示しない赤外線ポートを介して、他の電子機器との間で無線通信を行なってもよい。
【0049】
信号強度検出部297は、アンテナ295を介して受信した信号についての強度を検出する。そして、信号強度検出部297は、検出した強度を外部通信部274に送る。
【0050】
USBコネクタ294は、第2ユニット1002を第1ユニット1001に接続するために用いられる。
【0051】
第2ユニット1002は、USBコネクタ294を介して、第1ユニット1001にデータを送信する。また、第2ユニット1002は、USBコネクタ294を介して、第1ユニット1001からデータを受信する。さらに、第2ユニット1002は、上述したように、USBコネクタ294を介して、第1ユニット1001から電力の供給を受ける。なお、第2ユニット1002は、第1ユニット1001から供給された電力を、図示しないバッテリに蓄電する。
【0052】
アンテナ295は、第2ユニット1002と、たとえば第1ユニット1001との間における、Bluetooth(登録商標)の規格に沿った通信に用いられる。
【0053】
電源検出部293は、USBコネクタ294を介して給電された電力を検出する。また、電源検出部293は、当該検出した電力についての情報を、CPU210に送る。
【0054】
また、本体装置104は、赤外線通信を行なう機能を備えていてもよい。
表示装置103は、ドライバ230と、光センサ内蔵液晶パネル240(以下、「液晶パネル240」と称する)と、内部IF278と、バックライト279と、画像処理エンジン280とを含む。画像処理エンジン280は、ドライバ制御部281と、タイマ282と、信号処理部283とを含む。
【0055】
表示装置103は、表示装置102と同様な構成を有する。つまり、ドライバ230、液晶パネル240、内部IF278、バックライト279、および画像処理エンジン280は、表示装置102における、ドライバ130、液晶パネル140、内部IF178、バックライト179、画像処理エンジン180と同じ構成をそれぞれ有する。ドライバ制御部281、タイマ282、および信号処理部283は、表示装置102における、ドライバ制御部181、タイマ182、信号処理部183と同じ構成をそれぞれ有する。したがって、表示装置103に含まれる各機能ブロックについての説明は、繰り返さない。
【0056】
ところで、電子機器100における処理は、各ハードウェアおよびCPU110により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、ROM172に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、メモリカード1731その他の記憶媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。このようなソフトウェアは、メモリカードリーダライタ173その他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信部174または通信IF(図示せず)を介してダウンロードされた後、ROM172に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU110によってROM172から読み出され、RAM171に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU110は、そのプログラムを実行する。
【0057】
図2に示される電子機器100の本体装置101を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、RAM171、ROM172、メモリカード1731その他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、電子機器100の本体装置101のハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0058】
なお、記憶媒体としては、メモリカードに限られず、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを格納する媒体でもよい。
【0059】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0060】
<光センサ内蔵液晶パネルの構成および駆動について>
次に、液晶パネル140の構成と、当該液晶パネル140の周辺回路の構成とについて説明する。図3は、液晶パネル140の構成と、当該液晶パネル140の周辺回路とを示した図である。
【0061】
図3を参照して、液晶パネル140は、画素回路141と、光センサ回路144と、走査信号線Giと、データ信号線SRjと、データ信号線SGjと、データ信号線SBjと、センサ信号線SSjと、センサ信号線SDjと、読出信号線RWiと、リセット信号線RSiとを含む。なお、iは、1≦i≦mを満たす自然数であり、jは1≦j≦nを満たす自然数である。
【0062】
また、図2に示した表示装置102のドライバ130は、液晶パネル140の周辺回路として、走査信号線駆動回路131と、データ信号線駆動回路132と、光センサ駆動回路133と、スイッチ134と、アンプ135とを含む。
【0063】
走査信号線駆動回路131は、図2に示すドライバ制御部181から制御信号TC1を受ける。そして、走査信号線駆動回路131は、制御信号TC1に基づき、各走査信号線(G1〜Gm)に対して、走査信号線G1から順に予め定められた電圧を印加する。より詳しくは、走査信号線駆動回路131は、単位時間毎に走査信号線(G1〜Gm)の中から1つの走査信号線を順次選択し、当該選択した走査信号線に対して後述するTFT(Thin Film Transistor)142のゲートをターンオンできるだけの電圧(以下、ハイレベル電圧)を印加する。なお、選択されていない走査信号線に対しては、ハイレベル電圧を印加することなく、ローレベル電圧を印加したままとする。
【0064】
データ信号線駆動回路132は、図2に示すドライバ制御部181から画像データ(DR,DG,DB)を受ける。そして、データ信号線駆動回路132は、3n個のデータ信号線(SR1〜SRn,SG1〜SGn,SB1〜SBn)に対して、上記単位時間毎に、1行分の画像データに対応する電圧を順次印加する。
【0065】
なお、ここでは、いわゆる線順次方式と呼ばれる駆動方式を用いて説明したが、駆動方式はこれに限定されるものではない。
【0066】
画素回路141は、1つの画素の輝度(透過率)を設定するための回路である。また、画素回路141は、マトリクス状にm×n個配されている。より詳しくは、画素回路141は、図3の縦方向にm個、横方向にn個配されている。
【0067】
画素回路141は、Rサブピクセル回路141rと、Gサブピクセル回路141gと、Bサブピクセル回路141bとからなる。これら3つの回路(141r,141g,141b)は、それぞれ、TFT142と、画素電極と対向電極とからなる1組の電極対143と、図示しないコンデンサとを含む。
【0068】
なお、n型のトランジスタとp型のトランジスタとを作れるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を実現できること、キャリア(電子または正孔)の移動速度がアモルファスシリコン薄膜トランジスタ(a-Si TFT)に比べて数百倍早いことなどから、表示装置102では、TFT142として多結晶シリコン薄膜トランジスタ(p-Si TFT)が用いられる。なお、TFT142は、n型チャネルの電界効果トランジスタであるとして説明する。ただし、TFT142がp型チャネルの電界効果トランジスタであってもよい。
【0069】
Rサブピクセル回路141r内のTFT142のソースはデータ信号線SRjに接続されている。また、当該TFT142のゲートは走査信号線Giに接続されている。さらに、当該TFT142のドレインは、電極対143の画素電極に接続される。そして、画素電極と対向電極との間には、液晶が配される。なお、Gサブピクセル回路141gおよびBサブピクセル回路141bについても、各TFT142のソースが接続されるデータ信号線が異なる以外は、Rサブピクセル回路141rと同じ構成である。このため、これら2つの回路(141g,141b)についての説明は、繰り返さない。
【0070】
ここで、画素回路141における輝度の設定について説明する。まず、走査信号線Giに上記ハイレベル電圧を印加する。当該ハイレベル電圧の印加により、TFT142のゲートがターンオンする。このようにTFT142のゲートがターンオンした状態で、各データ信号線(SRj,SGj,SBj)に対して、それぞれ指定された電圧(1画素分の画像データに対応する電圧)を印加する。これにより、当該指定された電圧に基づいた電圧が画素電極に印加される。その結果、画素電極と対向電極との間に電位差が生じる。この電位差に基づいて、液晶が応答し、画素の輝度は予め定められた輝度に設定される。なお、当該電位差は、上記図示しないコンデンサ(補助容量)によって、次のフレーム期間において走査信号線Giが選択されるまで保持される。
【0071】
光センサ駆動回路133は、図2に示すドライバ制御部181から制御信号TC2を受ける。
【0072】
そして、光センサ駆動回路133は、制御信号TC2に基づき、単位時間毎にリセット信号線(RS1〜RSm)の中から1つの信号線を順次選択し、当該選択した信号線に対して、予め定められたタイミングで通常よりもハイレベルな電圧VDDRを印加する。なお、選択されていないリセット信号線に対しては、選択されたリセット信号線に印加した電圧よりも低い電圧VSSRを印加したままとする。たとえば、電圧VDDRを0Vに、電圧VSSRを−5Vに設定すればよい。
【0073】
また、光センサ駆動回路133は、制御信号TC2に基づき、単位時間毎に読出信号線(RW1〜RWm)の中から1つの信号線を順次選択し、当該選択した信号線に対して、予め定められたタイミングで通常よりもハイレベルな電圧VDDを印加する。なお、選択されていない読出信号線に対しては、上記電圧VSSRを印加したままとする。たとえば、VDDの値を8Vに設定すればよい。
【0074】
なお、電圧VDDRを印加するタイミング、および電圧VDDを印加するタイミングについては、後述する。
【0075】
光センサ回路144は、フォトダイオード145と、コンデンサ146と、TFT147とを含む。なお、以下では、TFT147がn型チャネルの電界効果トランジスタであるとして説明する。ただし、TFT147がp型チャネルの電界効果トランジスタであってもよい。
【0076】
フォトダイオード145のアノードは、リセット信号線RSiに接続されている。一方、フォトダイオード145のカソードは、コンデンサ146の一方の電極に接続されている。また、コンデンサ146の他方の電極は、読出信号線RWiに接続されている。なお、以下では、フォトダイオード145とコンデンサ146との接続点をノードNと称する。
【0077】
TFT147のゲートは、ノードNに接続されている。また、TFT147のドレインは、センサ信号線SDjに接続されている。さらに、TFT147のソースは、センサ信号線SSjに接続されている。光センサ回路144を用いたセンシングの詳細については、後述する。
【0078】
スイッチ134は、センサ信号線(SD1〜SDn)に対して、予め定められた電圧を印加するか否かを切り換えるために設けられたスイッチである。スイッチ134の切り換え動作は、光センサ駆動回路133により行われる。なお、スイッチ134が導通状態となった場合にセンサ信号線(SD1〜SDn)に印加される電圧については、後述する。
【0079】
アンプ135は、各センサ信号線(SS1〜SSn)から出力された電圧を増幅する。なお、増幅された電圧は、図2に示した信号処理部183に送られる。
【0080】
なお、画素回路141を用いて画像を液晶パネル140に表示させるタイミングと、光センサ回路144を用いてセンシングするタイミングとについては、画像処理エンジン180が制御する。
【0081】
図4は、液晶パネル140とバックライト179との断面図である。図4を参照して、液晶パネル140は、アクティブマトリクス基板151Aと、対向基板151Bと、液晶層152とを含む。対向基板151Bは、アクティブマトリクス基板151Aに対向して配されている。液晶層152は、アクティブマトリクス基板151Aと対向基板151Bとに挟まれている。バックライト179は、アクティブマトリクス基板151Aに関し液晶層152と反対側に配されている。
【0082】
アクティブマトリクス基板151Aは、偏光フィルタ161と、ガラス基板162と、電極対143を構成する画素電極143aと、フォトダイオード145と、データ信号線157と、配向膜164とを含む。さらに、図4には示していないが、アクティブマトリクス基板151Aは、図3に示した、コンデンサ146と、TFT147と、TFT142と、走査信号線Giとを含む。
【0083】
また、アクティブマトリクス基板151Aにおいては、バックライト179側から、偏光フィルタ161、ガラス基板162、画素電極143a、および配向膜164が、この順に配されている。フォトダイオード145とデータ信号線157とは、ガラス基板162の液晶層152側に形成されている。
【0084】
対向基板151Bは、偏光フィルタ161と、ガラス基板162と、遮光膜163と、カラーフィルタ(153r,153g,153b)と、電極対143を構成する対向電極143bと、配向膜164とを含む。
【0085】
また、対向基板151Bにおいては、液晶層152側から、配向膜164、対向電極143b、カラーフィルタ(153r,153g,153b)、ガラス基板162、および偏光フィルタ161が、この順に配されている。遮光膜163は、カラーフィルタ(153r,153g,153b)と同一の層に形成されている。
【0086】
カラーフィルタ153rは、赤色の波長の光を透過させるフィルタである。カラーフィルタ153gは、緑色の波長の光を透過させるフィルタである。カラーフィルタ153bは、青色の波長の光を透過させるフィルタである。ここで、フォトダイオード145は、カラーフィルタ153bに対向する位置に配されている。
【0087】
液晶パネル140は、外光やバックライト179などの光源により発せられた光を遮ったり又は当該光を透過させたりすることによって、画像の表示をする。具体的には、液晶パネル140は、画素電極143aと対向電極143bとの間に電圧を印加することにより液晶層152の液晶分子の向きを変化させ、上記光を遮ったり、あるいは透過させる。ただし、液晶だけでは光を完全に遮ることができないため、特定の偏光方向の光のみを透過させる偏光フィルタ161を配置している。
【0088】
なお、フォトダイオード145の位置は、上記の位置に限定されるものではなく、カラーフィルタ153rに対向する位置やカラーフィルタ153gに対向する位置に設けることも可能である。
【0089】
ここで、光センサ回路144の動作について説明する。図5は、光センサ回路144を動作させる際のタイミングチャートを示した図である。図5において、電圧VINTは、光センサ回路144内のノードNにおける電位を示している。また、電圧VPIXは、図3に示したセンサ信号線SSjからの出力電圧であって、アンプ135によって増幅される前の電圧を示している。
【0090】
以下では、光センサ回路144をリセットするためのリセット期間と、光センサ回路144を用いて光をセンシングするためのセンシング期間と、センシングした結果を読み出す読出期間とに分けて説明する。
【0091】
まず、リセット期間について説明する。リセット期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧を、ローレベル(電圧VSSR)からハイレベル(電圧VDDR)へと瞬間的に切り換える。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VSSR)のままとする。このように、リセット信号線RSiに上記ハイレベルの電圧を印加することにより、フォトダイオード145の順方向(アノード側からカソード側)に電流が流れ始める。その結果、ノードNの電位である電圧VINTは、以下の式(1)で示す値となる。なお、式(1)では、フォトダイオード145における順方向の電圧降下量をVfとしている。
【0092】
VINT=VSSR+|VDDR−VSSR|−Vf … (1)
それゆえ、ノードNの電位は、図5に示すとおり、電圧VDDRよりもVfだけ小さな値となる。
【0093】
ここで、電圧VINTは、TFT147のゲートをターンオンさせる閾値以下であるため、センサ信号線SSjからの出力はない。このため、電圧VPIXは変化しない。また、コンデンサ146の電極間には、上記電圧VINT分の差が生じる。このため、コンデンサ146には、当該差に応じた電荷が蓄積される。
【0094】
次に、センシング期間について説明する。リセット期間に続くセンシング期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧は、ハイレベル(電圧VDDR)からローレベル(電圧VSSR)へと瞬間的に切り換わる。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VSSR)のままとする。
【0095】
このように、リセット信号線RSiに印加する電圧をローレベルに変化させることにより、ノードNの電位は、リセット信号線RSiの電圧および読出信号線RWiの電圧よりも高くなる。このため、フォトダイオード145においては、カソード側の電圧がアノード側の電圧よりも高くなる。つまり、フォトダイオード145は、逆バイアスの状態となる。このような逆バイアスの状態において、光源からの光をフォトダイオード145が受光すると、フォトダイオード145のカソード側からアノード側へと電流が流れ始める。その結果、図5に示すとおり、ノードNの電位(つまり、電圧VINT)は時間の経過とともに低くなる。
【0096】
なお、このように電圧VINTが低下し続けるため、TFT147のゲートはターンオンした状態にはならない。それゆえ、センサ信号線SSjからの出力はない。このため、電圧VPIXは変化しない。
【0097】
次に、読出期間について説明する。センシング期間に続く読出期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧をローレベル(電圧VSSR)のままとする。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VSSR)からハイレベル(電圧VDD)へと瞬間的に切り換わる。ここで、電圧VDDは、電圧VDDRよりも高い値である。
【0098】
このように、読出信号線RWiにハイレベルの電圧を瞬間的に印加することにより、図5に示すとおり、コンデンサ146を介してノードNの電位が引き上げられる。なお、ノードNの電位の上昇幅は、読出信号線RWiに印加する電圧に応じた値となる。ここで、ノードNの電位(つまり、電圧VINT)が、TFT147のゲートをターンオンさせる閾値以上まで引き上げられるため、TFT147のゲートがターンオンする。
【0099】
この際、TFT147のドレイン側に接続されたセンサ信号線SDj(図3参照)に予め一定電圧を印加しておけば、TFT147のソース側に接続されたセンサ信号線SSjからは、図5のVPIXのグラフに示すとおり、ノードNの電位に応じた電圧が出力される。
【0100】
ここで、フォトダイオード145が受光する光の量(以下、受光量と称する)が少ないと、図5のVINTのグラフに示す直線の傾きが緩やかになる。その結果、電圧VPIXは、受光量が多い場合に比べて高くなる。このように、光センサ回路144は、フォトダイオード145の受光量に応じて、センサ信号線SSjに出力する電圧の値を変化させる。
【0101】
ところで、上記においては、m×n個存在する光センサ回路のうち、1つの光センサ回路144に着目して、その動作を説明した。以下では、液晶パネル140における各光センサ回路の動作について説明する。
【0102】
まず、光センサ駆動回路133は、n個のセンサ信号線(SD1〜SDn)の全てに対して、予め定められた電圧を印加する。次に、光センサ駆動回路133は、リセット信号線RS1に対して、通常よりもハイレベルな電圧VDDRを印加する。なお、他のリセット信号線(RS2〜RSm)および読出信号線(RW1〜RWm)については、ローレベルの電圧を印加したままの状態とする。これにより、図3における1行目のn個の光センサ回路が、上述したリセット期間に入る。その後、1行目のn個の光センサ回路は、センシング期間に入る。さらに、その後、1行目のn個の光センサ回路は、読出期間に入る。
【0103】
なお、n個のセンサ信号線(SD1〜SDn)の全てに対して予め定められた電圧を印加するタイミングは、上記のタイミングに限定されず、少なくとも読出期間前に印加されるタイミングであればよい。
【0104】
1行目のn個の光センサ回路の読出期間が終了すると、光センサ駆動回路133は、リセット信号線RS2に対して、通常よりもハイレベルな電圧VDDRを印加する。つまり、2行目のn個の光センサ回路のリセット期間に入る。リセット期間が終了すると、2行目のn個の光センサ回路は、センシング期間に入り、その後は、読出期間に入る。
【0105】
以降は、上述した処理が、順に、3行目のn個の光センサ回路、4行目のn個の光センサ回路、…m行目のn個の光センサ回路に対して行われる。その結果、センサ信号線(SS1〜SSn)からは、1行目のセンシング結果、2行目のセンシング結果、…、m行目のセンシング結果が、この順に出力される。
【0106】
なお、表示装置102においては、上記のように行毎にセンシングが行われるとともに、行毎にセンシング結果が液晶パネル140から出力される。このため、以下では、液晶パネル140から出力される1行目からm行目までのm行分の電圧に関するデータに対して、信号処理部183が上述したデータ処理を行った後のデータを、「スキャンデータ」と称する。つまり、スキャンデータとは、スキャン対象物(たとえば、ユーザの指)をスキャンすることにより得られる画像データを指す。また、当該スキャンデータに基づいて表示された画像を、「スキャン画像」と称する。さらに、以下では、センシングを「スキャン」と称する。
【0107】
また、上記においては、m×n個の光センサ回路全てを用いてスキャンを行う構成を例に挙げたが、これに限定されるものではない。予め選択された光センサ回路を用いて、液晶パネル140の表面の一部の領域に関してスキャンを行うことも構成としてもよい。
【0108】
以下では、電子機器100が、両構成のいずれの構成をも採れるものとする。さらに、当該構成間の切り換えは、操作キー177を介した入力などに基づく本体装置101から送られてくるコマンドにより行われるものとする。なお、液晶パネル140の表面の一部の領域に関してスキャンを行う場合、画像処理エンジン180が、スキャン対象領域の設定を行う。なお、当該領域の設定を、操作キー177を介してユーザが指定できる構成としてもよい。
【0109】
このように、液晶パネル140の表面の一部の領域に関してスキャンを行う場合には、画像の表示に関し、以下のような利用の態様がある。1つ目は、上記一部の領域(以下、スキャン領域と称する)以外の表面の領域において、画像を表示させる態様である。2つ目は、上記スキャン領域以外の表面の領域において、画像を表示させない態様である。いずれの態様とするかは、本体装置101から画像処理エンジン180に送られてくるコマンドに基づく。
【0110】
図6は、液晶パネル140とバックライト179との断面図であって、スキャンの際にフォトダイオード145がバックライト179からの光を受光する構成を示した図である。
【0111】
図6を参照して、ユーザの指900が液晶パネル140の表面に接触している場合、バックライト179から発せられた光の一部は、当該接触している領域ではユーザの指900(略平面)にて反射される。そして、フォトダイオード145は、当該反射された光を受光する。
【0112】
また、指900が接触していない領域においても、バックライト179から発せられた光の一部は、ユーザの指900にて反射される。この場合においても、フォトダイオード145は、当該反射された光を受光する。ただし、当該領域においては液晶パネル140の表面に指900が接触していないため、指900が接触している領域よりも、フォトダイオード145の受光量は少なくなる。なお、バックライト179から発せられた光のうち、ユーザの指900に到達しない光のほとんどについては、フォトダイオード145は受光できない。
【0113】
ここで、バックライト179を、少なくともセンシング期間においては点灯させておくことにより、光センサ回路144は、ユーザの指900により反射した光の光量に応じた電圧をセンサ信号線SSjから出力することができる。このように、バックライト179の点灯と消灯とを制御することにより、液晶パネル140では、指900の接触位置、指900の接触している範囲(指900の押圧力によって定まる)、液晶パネル140の表面に対する指900の方向などに応じて、センサ信号線(SS1からSSn)から出力される電圧が変化することになる。
【0114】
以上により、表示装置102は、指900によって光が反射されることにより得られる像(以下、反射像とも称する)をスキャンすることができる。
【0115】
なお、指900以外のスキャン対象物としては、スタイラスなどが挙げられる。
ところで、本実施の形態においては、電子機器100の表示装置として液晶パネルを例に挙げて説明しているが、液晶パネルの代わりに有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどの他のパネルを用いてもよい。
【0116】
<データについて>
次に、第1ユニット1001と第2ユニット1002との間でやり取りされるコマンド、および第1ユニット1001内の本体装置101と表示装置102との間でやり取りされるコマンドについて説明する。
【0117】
図7は、コマンドの概略構成を示した図である。図7を参照して、コマンドは、ヘッダDA01と、第1フィールドDA02と、第2フィールドDA03と、第3フィールドDA04と、第4フィールドDA05と、第5フィールドDA06と、予備のデータ領域DA07とを含む。
【0118】
図8は、種別「000」のコマンド(つまり、センシングコマンド)を説明するための図である。CPU110は、種別「000」のコマンド(以下、「第1コマンド」と称する)を、第1ユニット1001の本体装置101から第2ユニット1002に送る。あるいは、CPU110は、第1コマンドを、本体装置101から表示装置102に送る。なお、以下においては、CPU110が第1コマンドを第1ユニット1001の本体装置101から第2ユニット1002に送る場合を例に挙げて説明する。
【0119】
CPU110は、ヘッダDA01に、コマンドの種別(「000」)、コマンドの送信先等を書き込む。CPU110は、第1フィールドDA02に、番号が「1」のタイミングの値を書き込む。CPU110は、第2フィールドDA03に、番号が「2」のデータ種別の値を書き込む。CPU110は、第3フィールドDA04に、番号が「3」の読取方式の値を書き込む。CPU110は、第4フィールドDA05に、番号が「4」の画像階調の値を書き込む。CPU110は、第5フィールドDA06に、番号が「5」の解像度の値を書き込む。
【0120】
第1フィールドDA02に「00」が設定された第1コマンドは、画像処理エンジン280に対して、そのときのスキャンデータの送信を要求する。つまり、センシング第1コマンドは、当該第1コマンドを画像処理エンジン280が受信した後に、液晶パネル240の光センサ回路を用いてスキャンすることにより得られるスキャンデータの送信を要求する。また、第1フィールドDA02に「01」が設定された第1コマンドは、スキャン結果に変化があったときのスキャンデータの送信を要求する。さらに、第1フィールドDA02に「10」が設定された第1コマンドは、一定周期毎にスキャンデータの送信を要求する。
【0121】
第2フィールドDA03に「001」が設定された第1コマンドは、部分画像における中心座標の座標値の送信を要求する。また、第2フィールドDA03に「010」が設定された第1コマンドは、スキャン結果が変化した部分画像のみの送信を要求する。なお、スキャン結果が変化したとは、前回のスキャン結果と今回のスキャン結果が異なっていることを指す。さらに、第2フィールドDA03に「100」が設定された第1コマンドは、全体画像の送信を要求する。
【0122】
ここで、「全体画像」とは、m×n個の光センサ回路を用いてスキャンした際に、各光センサ回路から出力される電圧に基づいて、画像処理エンジン280により生成された画像である。また、「部分画像」とは、全体画像の一部である。部分画像に関して、スキャン結果が変化した部分画像のみの送信を要求する構成とした理由については後述する。
【0123】
なお、上記座標値と上記部分画像または上記全体画像とを同時に要求する構成としてもよい。また、液晶パネル240の表面の一部の領域に関してスキャンを行う構成の場合には、上記全体画像はスキャンが行われる領域に対応した画像となる。
【0124】
第3フィールドDA04に「00」が設定されたセンシング第1コマンドは、バックライト279を点灯してスキャンすることを要求する。また、第3フィールドDA04に「01」が設定された第1コマンドは、バックライト279を消灯してスキャンすることを要求する。なお、バックライト279を消灯してスキャンする構成については後述する(図17)。さらに、第3フィールドDA04に「10」が設定された第1コマンドは、反射と透過とを併用してスキャンすることを要求する。なお、反射と透過とを併用するとは、バックライト279を点灯してスキャンする方式と、バックライトを消灯してスキャンする方式とを切り換えて、スキャン対象物のスキャンを行うことを指す。
【0125】
第4フィールドDA05に「00」が設定された第1コマンドは、白黒の2値の画像データを要求する。また、第4フィールドDA05に「01」が設定された第1コマンドは、多階調の画像データを要求する。さらに、第4フィールドDA05に「10」が設定された第1コマンドは、RGBのカラーの画像データを要求する。
【0126】
第5フィールドDA06に「0」が設定された第1コマンドは、解像度の高い画像データを要求する。また、第5フィールドDA06に「1」が設定された第1コマンドは、解像度の低い画像データを要求する。
【0127】
また、上記第1コマンドには、図8に示したデータ以外に、スキャンを行う領域(光センサ回路144を駆動する画素の領域)の指定、スキャンを行うタイミング、バックライト179の点灯のタイミングなどが記述されている。
【0128】
なお、画像処理エンジン280は、第1コマンドの内容を解析し、当該解析の結果に従ったデータ(つまり、応答データ)を本体装置101に送り返す。
【0129】
図9は、種別「001」のコマンド(以下、「第2コマンド」と称する)を説明するための図である。CPU110は、第2コマンドを、第1ユニット1001の本体装置101から第2ユニット1002に送る。
【0130】
CPU110は、ヘッダDA01に、コマンドの種別(「001」)、コマンドの送信先等を書き込む。CPU110は、第1フィールドDA02に、番号が「1」の表示要求の値を書き込む。CPU110は、第2フィールドDA03に、番号が「2」の個数/種類に関する情報を書き込む。CPU110は、第3フィールドDA04に、番号が「3」の表示範囲の値を書き込む。CPU110は、第4フィールドDA05に、番号が「4」の画像データに関する情報を書き込む。
【0131】
第1フィールドDA02に「001」が設定された第2コマンドは、液晶パネル240(サブ画面)に画像を表示させることを画像処理エンジン280に対して要求する。また、第1フィールドDA02に「010」が設定された第2コマンドは、液晶パネル240にアイコンを表示させることを画像処理エンジン280に対して要求する。さらに、第1フィールドDA02に「011」が設定された第2コマンドは、液晶パネル240に手書領域を表示させることを画像処理エンジン280に対して要求する。
【0132】
第2フィールドDA03には、液晶パネル240に表示させる画像の個数、および手書言語の種類を指定する番号が格納される。画像処理エンジン280は、当該画像の個数、または言語の種類に応じた処理を行う。
【0133】
第3フィールドDA04に「01」が設定された第2コマンドは、液晶パネル240における表示範囲を座標にて指定することを、画像処理エンジン280に対して要求する。また、第3フィールドDA04に「10」が設定された第2コマンドは、液晶パネル240における表示範囲を表示領域の全体にすることを、画像処理エンジン280に対して要求する。
【0134】
第4フィールドDA05には、液晶パネル240に表示させる画像データと、当該画像データを表示する位置情報とが格納される。画像処理エンジン280は、当該位置情報で特定される位置に当該画像データを表示する処理を行う。
【0135】
図10は、種別「010」のコマンド(以下、「第3コマンド」と称する)を説明するための図である。CPU110は、第3コマンドを、第1ユニット1001の本体装置101から第2ユニット1002に送る。あるいは、CPU210は、第3コマンドを、第2ユニット1002の本体装置104から第1ユニット1001に送る。
【0136】
CPU110,210は、ヘッダDA01に、コマンドの種別(「010」)、コマンドの送信先等を書き込む。CPU110,210は、第1フィールドDA02に、番号が「1」のOS(Operating System)処理要求の値を書き込む。CPU110,210は、第2フィールドDA03に、番号が「2」のOS情報の値を書き込む。
【0137】
第1フィールドDA02に「01」または「10」が設定された第3コマンドは、第2ユニット1002から第1ユニット1001に送信される。
【0138】
第1フィールドDA02に「01」が設定された第3コマンドは、第1ユニット1001に対して、当該第1ユニット1001(メイン装置)のOSの種類を示した情報の送信を要求する。また、第1フィールドDA02に「10」が設定された第3コマンドは、第1ユニット1001に対して、OS情報にて指定されたOSの起動を要求する。
【0139】
第2フィールドDA03に「000」、「001」、または「010」が設定された第3コマンドは、第2ユニット1002から第1ユニット1001に送信される。
【0140】
第2フィールドDA03に「000」が設定された第3コマンドは、第1ユニット1001におけるOSの起動を要求しない。また、第2フィールドDA03に「001」が設定された第3コマンドは、第2ユニット1002が第1OSの起動を選択したことを示す。さらに、第2フィールドDA03に「010」が設定された第3コマンドは、第2ユニット1002が第2OSの起動を選択したことを示す。
【0141】
図11は、種別「011」のコマンド(以下、「第4コマンド」と称する)を説明するための図である。CPU210は、第4コマンドを、第2ユニット1002の本体装置104から第1ユニット1001に送る。
【0142】
CPU210は、ヘッダDA01に、コマンドの種別(「011」)、コマンドの送信先等を書き込む。CPU210は、第1フィールドDA02に、番号が「1」の起動アプリに関する情報を書き込む。CPU210は、第2フィールドDA03に、番号が「2」の起動時情報を書き込む。
【0143】
第1フィールドDA02には、第1ユニット1001において起動させるアプリを指定する情報が格納される。第2フィールドDA03には、起動設定時に用いる情報、および起動後に用いる情報が格納される。
【0144】
図12は、種別「100」のコマンド(以下、「第5コマンド」と称する)を説明するための図である。CPU210は、第5コマンドを、第2ユニット1002の本体装置104から第1ユニット1001に送る。
【0145】
CPU210は、ヘッダDA01に、コマンドの種別(「100」)、コマンドの送信先等を書き込む。CPU210は、第1フィールドDA02に、番号が「1」の受信要求に関する情報を書き込む。CPU210は、第2フィールドDA03に、番号が「2」の個数に関する情報を書き込む。CPU210は、第3フィールドDA04に、番号が「3」のファイルに関する情報を書き込む。
【0146】
第1フィールドDA02に「01」が設定された第5コマンドは、第1ユニット1001に対してファイルの受信を要求する。また、第2フィールドDA03には、第2ユニット1002が第1ユニット1001に送信するファイルの個数が格納される。さらに、第3フィールドDA04には、第2ユニット1002が第1ユニット1001に送信するファイルが格納される。
【0147】
図13は、種別「101」のコマンド(以下、「第6コマンド」と称する)を説明するための図である。CPU110は、第6コマンドを、第1ユニット1001の本体装置101から第2ユニット1002に送る。あるいは、CPU210は、第6コマンドを、第2ユニット1002の本体装置104から第1ユニット1001に送る。
【0148】
CPU110,210は、ヘッダDA01に、コマンドの種別(「101」)、コマンドの送信先等を書き込む。CPU110,210は、第1フィールドDA02に、番号が「1」の通信種別の値を書き込む。CPU110,210は、第2フィールドDA03に、番号が「2」の接続先の値を書き込む。CPU110,210は、第3フィールドDA04に、番号が「3」の転送先の値を書き込む。CPU110,210は、第4フィールドDA05に、番号が「4」の信号強度の取得タイミングの値を書き込む。
【0149】
第1フィールドDA02に「001」が設定された第6コマンドは、相手側の装置に対して赤外線通信を行なうことを要求する。また、第1フィールドDA02に「010」が設定された第6コマンドは、相手側の装置に対してBluetooth(登録商標)による無線通信を行なうことを要求する。さらに、第1フィールドDA02に「011」が設定された第6コマンドは、相手側の装置に対してLAN通信を行なうことを要求する。
【0150】
第2フィールドDA03に「000」が設定された第6コマンドは、通信の接続先を指定する情報を有していないことを示す。
【0151】
また、第2フィールドDA03に「001」が設定された第6コマンドは、第1ユニット1001によって、当該第1ユニット1001の接続先の装置に送信される。そのような第6コマンドは、第1ユニット1001が接続する装置に関する情報の送信を要求する。
【0152】
さらに、第2フィールドDA03に「010」が設定された第6コマンドは、第2ユニット1002によって、当該第2ユニット1002の接続先の第1ユニット1001に送信される。そのような第6コマンドは、第2ユニット1002が接続する第1ユニット1001に関する情報の送信を要求する。
【0153】
また、第2フィールドDA03に「011」が設定された第6コマンドは、第2ユニット1002によって、当該第2ユニット1002の接続先の第1ユニット1001に送信される。そのような第6コマンドは、第2ユニット1002に関する情報を接続先の機器情報として設定することを要求する。
【0154】
さらに、第2フィールドDA03に「100」が設定された第6コマンドは、第1ユニット1001によって、当該第1ユニット1001の接続先の装置(たとえば、第2ユニット1002)に送信される。そのような第6コマンドは、第1ユニット1001に関する情報を接続先の機器情報として設定することを要求する。
【0155】
第3フィールドDA04に「000」が設定された第6コマンドは、データ(たとえば、ファイル)の転送先を指定する情報を有していないことを示す。
【0156】
また、第3フィールドDA04に「001」が設定された第6コマンドは、第1ユニット1001によって、データ転送先の装置に送信される。そのような第6コマンドは、データ転送先の装置に関する情報の送信を要求する。
【0157】
さらに、第3フィールドDA04に「010」が設定された第6コマンドは、第2ユニット1002によって、データ転送先の第1ユニット1001に送信される。そのような第6コマンドは、データ転送先の第1ユニット1001に関する情報の送信を要求する。
【0158】
また、第3フィールドDA04に「011」が設定された第6コマンドは、第2ユニット1002によって、データ転送先の第1ユニット1001に送信される。そのような第6コマンドは、第2ユニット1002に関する情報をデータ転送元の機器情報として設定することを要求する。
【0159】
さらに、第3フィールドDA04に「100」が設定された第6コマンドは、第1ユニット1001によって、データ転送先の装置(たとえば、第2ユニット1002)に送信される。そのような第6コマンドは、第1ユニット1001に関する情報をデータ転送元の機器情報として設定することを要求する。
【0160】
第4フィールドDA05に「00」、「01」、「10」、または「11」が設定された第6コマンドは、第1ユニット1001によって、第2ユニット1002に送信される。
【0161】
第4フィールドDA05に「00」が設定された第6コマンドは、第2ユニット1002に対して、信号強度を示したデータの送信を要求しない。また、第4フィールドDA05に「01」が設定された第6コマンドは、信号強度検出部297に対して、そのときの信号強度を示したデータの送信を要求する。さらに、第4フィールドDA05に「10」が設定された第6コマンドは、信号強度に変化があったときの信号強度を示したデータの送信を要求する。また、第4フィールドDA05に「11」が設定された第6コマンドは、一定周期毎に信号強度を示したデータの送信を要求する。
【0162】
図14は、応答データの概略構成を示した図である。応答データは、第1コマンド(センシングコマンド)の内容に応じたデータである。
【0163】
第1コマンドが本体装置101から第2ユニット1002に送信された場合、CPU210は、応答データを、表示装置103から第1ユニット1001に送信する。また、第1コマンドが本体装置101から第1ユニット1001の表示装置102に送信された場合、画像処理エンジン180は、応答データを、画像処理エンジン180から本体装置101に送信する。なお、以下では、第1コマンドが本体装置101から第2ユニット1002に送信された場合を例に挙げて説明する。
【0164】
図14を参照して、応答データは、ヘッダのデータ領域DA11と、座標を示すデータ領域DA12と、時刻を示すデータ領域DA13と、画像を示すデータ領域DA14とを含む。ここで、座標を示すデータ領域DA12には、部分画像の中心座標の値が書き込まれる。また、時刻を示すデータ領域には、画像処理エンジン280のタイマ282から取得した時刻情報が書き込まれる。さらに、画像を示すデータ領域には、画像処理エンジン280により処理がされた後の画像データ(つまり、スキャンデータ)が書き込まれる。
【0165】
図15は、指900をスキャンすることにより得られた画像(つまり、スキャン画像)を示した図である。図15を参照して、太実線で囲まれた領域W1の画像が全体画像であり、破線で囲まれた領域P1の画像が部分画像である。また、太線で示した十字の中心点C1が、中心座標となる。
【0166】
本実施の形態では、矩形の領域であって、かつセンサ信号線SSjからの出力電圧が予め定められた値以上となった光センサ回路が備えられた画素(つまり、予め定められた階調または予め定められた輝度以上の画素)全てを含む領域を、部分画像の領域としている。
【0167】
また、中心座標は、部分画像の領域における各画素の階調を考慮して決定される座標である。具体的には、中心座標は、部分画像内の各画素に関し、画素の階調と、当該画素と上記矩形の中心点(つまり図心)との距離とに基づき、重み付け処理を行うことにより決定される。つまり、中心座標は、部分画像の図心とは必ずしも一致しない。
【0168】
ただし、必ずしも中心座標の位置は上記に限定されるものではなく、中心座標を上記図心の座標あるいは図心の近傍の座標としてもよい。
【0169】
第1コマンドのデータ種別を示すデータ領域に「001」が設定されている場合には、画像処理エンジン280は、座標を示すデータ領域DA12に上記中心座標の値を書き込む。この場合、画像処理エンジン280は、画像を示すデータ領域DA14には画像データを書き込まない。画像処理エンジン280は、上記中心座標の値の書き込みを行なった後、当該中心座標の値を含む応答データを本体装置104に送る。本体装置104は、当該中心座標の値を含む応答データを第1ユニット1001の本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「001」が設定されている場合には、第1コマンドは、画像データの出力を要求せずに、中心座標の値の出力を要求する。
【0170】
また、第1コマンドのデータ種別を示すデータ領域に「010」が設定されている場合には、画像処理エンジン280は、画像を示すデータ領域DA14に、スキャン結果が変化した部分画像の画像データを書き込む。この場合、画像処理エンジン280は、中心座標の値を座標を示すデータ領域DA12に書き込まない。画像処理エンジン280は、上記スキャン結果が変化した部分画像の画像データの書き込みを行なった後、当該部分画像の画像データを含む応答データを本体装置104に送る。本体装置104は、当該部分画像の画像データを含む応答データを第1ユニット1001の本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「010」が設定されている場合には、第1コマンドは、中心座標の値の出力を要求せずに、スキャン結果が変化した部分画像の画像データの出力を要求する。
【0171】
なお、上記のように、スキャン結果が変化した部分画像のみの送信を要求する構成とした理由は、スキャンデータのうち部分画像の領域のスキャンデータが、当該領域以外のスキャンデータよりも重要度の高いデータであること、および、指900などのスキャン対象物との接触状態により、スキャンデータのうち部分画像の領域に相当する領域のスキャンデータが変化しやすいことによる。
【0172】
また、第1コマンドのデータ種別を示すデータ領域に「011」が設定されている場合には、画像処理エンジン280は、座標を示すデータ領域DA12に中心座標の値を書き込むとともに、画像を示すデータ領域DA14にスキャン結果が変化した部分画像の画像データを書き込む。その後、画像処理エンジン280は、当該中心座標の値と当該部分画像の画像データとを含む応答データを本体装置104に送る。本体装置104は、当該中心座標の値と当該部分画像の画像データとを含む応答データを第1ユニット1001の本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「011」が設定されている場合には、第1コマンドは、中心座標の値の出力と、スキャン結果が変化した部分画像の画像データの出力とを要求する。
【0173】
また、第1コマンドのデータ種別を示すデータ領域に「100」が設定されている場合には、画像処理エンジン280は、図14に示した応答データの画像を示すデータ領域DA14に、全体画像の画像データを書き込む。この場合、画像処理エンジン280は、中心座標の値を座標を示すデータ領域DA12に書き込まない。画像処理エンジン280は、上記全体画像の画像データの書き込みを行なった後、当該全体画像の画像データを含む応答データを本体装置104に送る。本体装置104は、当該全体画像の画像データを含む応答データを第1ユニット1001の本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「100」が設定されている場合には、第1コマンドは、中心座標の値の出力を要求せずに、全体画像の画像データの出力を要求する。
【0174】
また、第1コマンドのデータ種別を示すデータ領域に「101」が設定されている場合には、画像処理エンジン280は、座標を示すデータ領域DA12に中心座標の値を書き込むとともに、画像を示すデータ領域DA14に全体画像の画像データを書き込む。その後、画像処理エンジン280は、当該中心座標の値と当該全体画像の画像データとを含む応答データを本体装置104に送る。本体装置104は、当該中心座標の値と当該全体画像の画像データとを含む応答データを第1ユニット1001の本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「101」が設定されている場合には、第1コマンドは、中心座標の値の出力と、全体画像の画像データの出力とを要求する。
【0175】
<構成の第1の変形例について>
ところで、液晶パネル140の構成は、図3に示した構成に限定されるものではない。以下では、図3とは異なる態様の液晶パネルについて説明する。
【0176】
図16は、上記異なる態様である光センサ内蔵液晶パネル140Aの回路図である。図16を参照して、光センサ内蔵液晶パネル140A(以下、液晶パネル140Aと称する)は、1画素内に3つの光センサ回路(144r,144g,144b)を含んでいる。このように液晶パネル140Aが1画素内に3つの光センサ回路(144r,144g,144b)を備える点において、液晶パネル140Aは、1画素内に1つの光センサ回路を備える液晶パネル140と異なる。なお、光センサ回路144の構成と、3つの各光センサ回路(144r,144g,144b)との構成は同じである。
【0177】
また、1画素内における3つのフォトダイオード(145r,145g,145b)は、それぞれ、カラーフィルタ153r、カラーフィルタ153g、カラーフィルタ153bに対向する位置に配されている。それゆえ、フォトダイオード145rは赤色の光を受光し、フォトダイオード145gは緑色の光を受光し、フォトダイオード145bは青色の光を受光する。
【0178】
また、液晶パネル140は1画素内において1つの光センサ回路144しか含まないため、1画素内に配設されるTFT147用のデータ信号線は、センサ信号線SSjとセンサ信号線SDjとの2本であった。しかしながら、液晶パネル140Aは1画素内において3つの光センサ回路(144r,144g,144b)を含むため、1画素内に配設されるTFT(147r,147g,147b)用のデータ信号線は6本となる。
【0179】
具体的には、カラーフィルタ153rに対向する位置に配されたフォトダイオード145rのカソードに接続されたTFT147rに対応して、センサ信号線SSRjとセンサ信号線SDRjとが配設される。また、カラーフィルタ153gに対向する位置に配されたフォトダイオード145gのカソードに接続されたTFT147gに対応して、センサ信号線SSGjとセンサ信号線SDGjとが配設される。さらに、カラーフィルタ153bに対向する位置に配されたフォトダイオード145bのカソードに接続されたTFT147bに対応して、センサ信号線SSBjとセンサ信号線SDBjとが配設される。
【0180】
このような液晶パネル140Aにおいては、バックライト179から照射された白色光は、3つのカラーフィルタ(153r,153g,153b)を透過し、液晶パネル140Aの表面では、赤、緑、および青とが混ざり白色光となる。ここで、スキャン対象物により白色光が反射されると、スキャン対象物の表面の色素に白色光の一部が吸収され、また一部が反射される。そして、反射された光は、再度、3つのカラーフィルタ(153r,153g,153b)を透過する。
【0181】
この際、カラーフィルタ153rは赤色の波長の光を透過し、フォトダイオード145rは、当該赤色の波長の光を受光する。また、カラーフィルタ153gは緑色の波長の光を透過し、フォトダイオード145gは、当該緑色の波長の光を受光する。また、カラーフィルタ153bは青色の波長の光を透過し、フォトダイオード145bは、当該青色の波長の光を受光する。つまり、スキャン対象物によって反射された光は3つのカラーフィルタ(153r,153g,153b)によって3原色(R,G,B)に色分解され、各フォトダイオード(145r,145g,145b)は、それぞれに対応した色の光を受光する。
【0182】
スキャン対象物の表面の色素に白色光の一部が吸収されると、各フォトダイオード(145r,145g,145b)の受光量が各フォトダイオード(145r,145g,145b)で異なることになる。このため、センサ信号線SSRjとセンサ信号線SSGjとセンサ信号線SSBjとの出力電圧は互いに異なる。
【0183】
それゆえ、各出力電圧に応じて、Rの階調とGの階調とBの階調とを画像処理エンジン180が決定することにより、画像処理エンジン180はRGBのカラー画像を本体装置101へ送ることができる。
【0184】
以上述べたように、電子機器100が液晶パネル140Aを備えた構成とすることにより、スキャン対象物をカラーでスキャンできることになる。
【0185】
次に、図17を参照して、前述のスキャンの方法(つまり、図6における反射像をスキャンする方法)とは異なるスキャンの方法について説明する。
【0186】
図17は、スキャンの際にフォトダイオードが外光を受光する構成を示した断面図である。同図に示すとおり、外光の一部は、指900によって遮られる。それゆえ、指900と接触している液晶パネル140の表面領域の下部に配されたフォトダイオードは、ほとんど外光を受光できない。また、指900の影が形成された表面領域の下部に配されたフォトダイオードは、ある程度の外光を受光できるものの、影が形成されていない表面領域に比べると外光の受光量が少ない。
【0187】
ここで、バックライト179を、少なくともセンシング期間においては消灯させておくことにより、光センサ回路144は、液晶パネル140の表面に対する指900の位置に応じた電圧をセンサ信号線SSjから出力することができる。このように、バックライト179を点灯と消灯とを制御することにより、液晶パネル140では、指900の接触位置、指900の接触している範囲(指900の押圧力によって定まる)、液晶パネル140の表面に対する指900の方向などに応じて、センサ信号線(SS1からSSn)から出力される電圧が変化することになる。
【0188】
以上により、表示装置102は、指900によって外光が遮られることにより得られる像(以下、影像とも称する)をスキャンすることができる。
【0189】
さらに、表示装置102を、バックライト179を点灯させてスキャンを行った後に、バックライト179を消灯させて再度スキャンを行う構成としてもよい。あるいは、表示装置102を、バックライト179を消灯させてスキャンを行った後に、バックライト179を点灯させて再度スキャンを行う構成としてもよい。
【0190】
この場合には、2つのスキャン方式を併用することになるため、2つのスキャンデータを得ることができる。それゆえ、一方のスキャン方式のみを用いてスキャンする場合に比べて、精度の高い結果を得ることができる。
【0191】
<表示装置について>
表示装置103の動作は、表示装置102の動作と同様、本体装置101からのコマンド(たとえば、第1コマンド)に応じて制御される。表示装置103は表示装置102と同様な構成を有する。それゆえ、表示装置103が表示装置102と同じコマンドを本体装置101から受け付けた場合、表示装置103は表示装置102と同様の動作を行う。このため、表示装置103の構成や動作についての説明は繰り返さない。
【0192】
なお、本体装置101は、表示装置102と表示装置103とに対して、命令が異なるコマンドを送ることができる。この場合、表示装置102と表示装置103とは別々の動作を行う。また、本体装置101は、表示装置102および表示装置103のいずれかに対して、コマンドを送ってもよい。この場合、一方の表示装置のみがコマンドに応じた動作を行う。また、本体装置101が、表示装置102と表示装置103とに命令が同じコマンドを送ってもよい。この場合、表示装置102と表示装置103とは、同じ動作を行う。
【0193】
なお、表示装置102の液晶パネル140のサイズと表示装置103の液晶パネル240のサイズとは、同じであってもよいし又は異なっていてもよい。また、液晶パネル140の解像度と液晶パネル240の解像度とは、同じであってもよいし又は異なっていてもよい。
【0194】
<構成の第2の変形例について>
本実施の形態では、電子機器100が、液晶パネル140と液晶パネル240といったそれぞれに光センサを内蔵した液晶パネルを備える構成について説明するが、一方の液晶パネルのみが光センサを内蔵している構成であってもよい。
【0195】
図18は、電子機器1300のハードウェア構成を表すブロック図である。電子機器1300は、電子機器100と同様、第1の筐体100Aと、第2の筐体100Bとを含む。また、図18を参照して、電子機器1300は、第1ユニット1001Aと、第2ユニット1002とを含む。第1ユニット1001Aは、本体装置101と、表示装置102Aとを含む。第2ユニット1002は、本体装置104と、表示装置103とを含む。
【0196】
表示装置102Aは、光センサを内蔵しない液晶パネル(つまり、表示機能のみを有する液晶パネル)を含む。電子機器1300は、第1ユニット1001Aが光センサを内蔵しない液晶パネルを含む点で、第1ユニット1001が光センサを内蔵した液晶パネル240を含む電子機器100と異なる。このような電子機器1300は、第2ユニット1002の表示装置103を用いて上述したセンシングを行なう。
【0197】
また、第1ユニット1001は、光センサを内蔵した液晶パネル140の代わりに、たとえば抵抗膜方式や静電容量方式のタッチパネルを備えてもよい。
【0198】
また、本実施の形態では、表示装置102がタイマ182を備え、表示装置103がタイマ282を備える構成として説明するが、表示装置102と表示装置103とが1つのタイマを共有する構成としてもよい。
【0199】
また、本実施の形態では、電子機器100を折畳型の機器として説明するが、電子機器100は必ずしも折畳型に限定されるものではない。たとえば、電子機器100は、第1の筐体100Aが第2の筐体100Bに対してスライドする構成のスライド式の機器であってもよい。
【0200】
本実施の形態に係る電子機器100は、上記のように構成されているため、第2ユニット1002が、USBコネクタ194,294を介して第1ユニット1001に着脱自在になっている。
【0201】
そして、本実施の形態に係る電子機器100は、たとえば電源投入時において、以下のような機能を発揮することができる。まず、ユーザが第1ユニット1001の電源スイッチ191を押下すると、第1ユニット1001は電源回路192からの電力を利用することによってBIOS(Basic Input/Output System)を起動させる。
【0202】
第2ユニット1002は、USBコネクタ194,294を介して第1ユニット1001から電力を取得する。第2ユニット1002は、当該電力を利用することによって、第1ユニット1001との間でデータを送受信することができる。このとき、第2ユニット1002のCPU210は、USBコネクタ194,294からの電力を使用することによって、液晶パネル240にOS(Operation System)の種類を選択可能に表示させることができる。
【0203】
ユーザは、液晶パネル240を介して、起動したいOSを選択する。CPU210は、ユーザの選択に応じ、USBコネクタ194,294を介して第1ユニット1001へと、起動すべきOSを指定するコマンド(たとえば、図10に示す「第1のOS」コマンド)を送信する。第1ユニット1001は、当該コマンドに応じて、OSを起動する。
【0204】
また、たとえば、第2ユニット1002は、アンテナ295を介して外部の携帯電話などとの間でデータの送受信を行う。第2ユニット1002のCPU210は、アンテナ295を介して、外部の携帯電話から写真画像データや対応するサムネイルデータを取得して、当該写真画像データや対応するサムネイルデータをRAM271などに格納する。CPU210は、RAM271からサムネイルデータを読み出して、液晶パネル240に写真のサムネイル画像を選択可能に表示させる。
【0205】
そして、外部からの選択命令に応じて、CPU210は、液晶パネル240に写真画像を表示させる。あるいは、CPU210は、USBコネクタ294を介して、写真画像を液晶パネル140あるいは表示装置102Aに表示させる。
【0206】
<機能的構成>
図19は、本実施の形態に係る電子機器100の機能的構成をブロック図形式で示す図である。電子機器100は、すでに説明したとおり、第1ユニット1001と、第2ユニット1002とを含む。以下、図19を参照して、電子機器100の機能的構成について説明する。
【0207】
第1ユニット1001は、表示部310と、入力部320と、記憶部330と、インターフェース部340と、制御部350とを含む。第1ユニット1001は、電子機器1001の主要な動作を行なう。
【0208】
表示部310は、第1ユニット1001内部の情報を外部に表示する。入力部320は、外部からの指示を受け付ける。本実施の形態では、液晶パネル140が、表示部310および入力部320の機能を兼ね備える。ただし、表示部310としては、他の表示装置、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイを用いてもよい。また、操作キー177も入力部320の機能を果たす。
【0209】
記憶部330は、ロック情報332などの情報を格納する。ロック情報332は、第1ユニット1001内の情報へのアクセスを制限するための情報である。ロック情報332は、アクセス制限の解除にあたり用いられる鍵データ333を含む。ロック情報332の詳細については、後述する。
【0210】
インターフェース部340は、第2ユニット1002側のインターフェース部440との間で情報の授受を行なう。本実施の形態では、第1ユニット1001と第2ユニット1002が直接接続されている場合、USBコネクタ194がインターフェース部340として機能する。第1ユニット1001と第2ユニット1002が直接接続されていない場合、アンテナ195がインターフェース部340として機能する。ただし、インターフェース部340による情報の授受方法は、これに限られるわけではない。
【0211】
制御部350は、入力部320からの指示等に基づいて、表示部310、記憶部330、および、インターフェース部340の動作を制御する。制御部350は、表示制御部351と、ロック部352と、指示作成部353と、書込部354と、要求作成部355と、ロック解除部356とを含む。
【0212】
表示制御部351は、記憶部330に格納される表示データに基づいて、表示部310の動作を制御する。
【0213】
ロック部352は、入力部320からの指示に基づいて、第1ユニット1001の情報へのアクセス制限(以下、ロックとよぶ)を設定するロック処理を行なう。例えば、ロック部352は、アプリケーションファイルの起動制限、アプリケーションのユーザの制限、電子機器100へのログインの制限、などを行なう。
【0214】
指示作成部353は、ロック部352がロック処理を開始すると、ロック解除のための鍵データ333の作成命令(鍵作成命令とよぶ)を作成する。そして、指示作成部353は、インターフェース部340に、鍵作成命令を第2ユニット1002へ宛てて送信させる。
【0215】
書込部354は、インターフェース部340が第2ユニット1002から受け取った鍵データに含まれる鍵データ333を、ロック情報332内に書き込む。
【0216】
要求作成部355は、入力部320が受けつけたアクセス制限の解除要求の指示に基づいて、認証要求命令を作成する。認証要求命令は、鍵データ333を含む。要求作成部355は、インターフェース部340に、認証要求命令を第2ユニット1002へ宛てて送信させる。
【0217】
ロック解除部356は、インターフェース部340が第2ユニット1002から認証が成功した旨の認証結果を受け付けると、ロックを解除する。具体的には、ロック解除部356は、認証結果に対応するロック情報332を変更する。
【0218】
第2ユニット1002は、表示部410と、入力部420と、記憶部430と、インターフェース部440と、制御部450とを含む。第2ユニット1002は、認証処理において中心的な動作を行なう。
【0219】
表示部410は、第2ユニット1002内部の情報を外部に表示する。入力部420は、外部からの指示を受け付ける。本実施の形態では、光センサ内蔵液晶パネル240が、表示部410および入力部420の機能を兼ね備える。ただし、表示部410としては、他の表示装置、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイを用いてもよい。また、入力部320としては、光センサ内蔵液晶パネル240に限られず、図形パターンを認識する機能を有するデバイス(タブレット)を用いることができる。例えば、入力部420として、静電容量型のタッチパネルを用いてもよい。
【0220】
記憶部430は、入力部420への入力パターン431および、第2ユニットのユニットID432などの情報を格納する。
【0221】
インターフェース部440は、第1ユニット1001側のインターフェース部340との間で情報の授受を行なう。本実施の形態では、第1ユニット1001と第2ユニット1002が直接接続されている場合、USBコネクタ294がインターフェース部440として機能する。第1ユニット1001と第2ユニット1002が直接接続されていない場合、アンテナ295がインターフェース部440として機能する。ただし、インターフェース部440による情報の授受方法は、これに限られるわけではない。
【0222】
制御部450は、入力部420が受け付けた指示等に基づいて、表示部410、記憶部430、および、インターフェース部440の動作を制御する。制御部450は、表示制御部451と、鍵作成部452と、認証部453とを含む。
【0223】
表示制御部451は、表示データに基づいて、表示部410の動作を制御する。表示制御部451は、例えば、表示部410に、入力部420へのパターンの入力をユーザに促す画面などを表示する。
【0224】
鍵作成部452は、インターフェース部440が第1ユニット1001から鍵作成命令を受け取ると、鍵作成処理を開始する。鍵作成部452は、まず、表示制御部451を制御し、表示部410に、入力部420へのパターンの入力をユーザに促す画面などを表示する。また、鍵作成部452は、入力部420への入力パターン431および/またはユニットID432に基づいて、鍵データを作成する。鍵データの基となる入力パターン431および/またはユニットID432を認証用データと呼ぶ。
【0225】
さらに、鍵作成部452は、インターフェース部440を制御し、作成した鍵データを第1ユニット1001に宛てて送る。
【0226】
認証部453は、インターフェース部440が受けつけた認証要求命令に基づいて、認証処理を開始する。すなわち、認証部453は、まず、表示制御部451を制御し、表示部410に、入力部420へのパターンの入力をユーザに促す画面などを表示する。また、認証部453は、認証要求命令に含まれる鍵データを認証する。具体的には、例えば、認証部453は、認証要求に応じて入力された入力パターン431と、鍵データに含まれる入力パターン431とを照合する。
【0227】
<ロック処理>
電子機器100を用いた認証動作には、大きく分けて、ロック処理と、ロック解除処理とが必要となる。ここでは、ロック処理について、図20を参照して説明する。図20は、ロック処理の流れを模式的に示す図である。
【0228】
(1) ロック指示
ロック処理にあたっての一連の処理は、第1ユニット1001が、ロック指示を外部から受け付けたことに応じて開始する。ロック指示は、ロック処理を行なう範囲(ロック範囲)を含む。ここでは、入力部320が、1つのアプリケーションファイル(アプリケーションファイル1)をロックする指示を受け付けたものとして説明を行なう。
【0229】
(2) 鍵作成指示
入力部320がロック指示を受け付けると、ロック部352は、ロック指示の内容をロック情報332の一部として記憶部330に格納する。また、ロック部352は、指示作成部353に、ロック処理の開始を伝える。
【0230】
ロック処理の開始の旨を受け取った指示作成部353は、インターフェース部340を制御し、第2ユニット1002に宛てて、鍵データの作成指示を送る。インターフェース部340は、第1ユニット1001および第2ユニット1002との接続状態に応じて、USBコネクタ294およびアンテナ295のいずれかにより鍵データの作成指示を送る。なお、以下の第1ユニット1001および第2ユニット1002の間のデータのやり取りも、接続状態に応じてUSBコネクタまたはアンテナにより行なわれる。
【0231】
鍵データの作成指示のデータ構造を図21に示す。図21を参照して、鍵データの作成指示は、ヘッダと、命令本体と、予備データとを含む。命令本体は、鍵作成命令と、命令IDと、ロック範囲とを含む。
【0232】
鍵作成命令は、このデータが、第2ユニット1002に鍵作成を指示するものであることを表わす。鍵作成命令は、第1ユニット1001および第2ユニット1002に共通する規格に沿って記述される。
【0233】
命令IDは、鍵データの作成指示を特定するデータである。第1ユニット1001は、たとえば、複数のアプリケーションに対するロック指示を受け付けた場合など、複数の鍵作成命令指示を作成することがある。命令IDは、このような場合に、各鍵作成命令指示を区別するために用いられる。指示作成部353は、作成した鍵作成命令の命令IDを、ロック範囲と対応付けて、ロック情報332の一部として、記憶部330に格納する。
【0234】
ロック範囲は、第1ユニット1001が鍵データの作成指示を作成するきっかけになったロック指示によるロック範囲を表わす。
【0235】
(3) サイン入力
第2ユニット1002は、鍵作成指示を受け取ると、液晶パネル240へのサインの入力をユーザに促す画面を液晶パネル240に表示する。具体的には、鍵作成部452は、インターフェース部440が鍵作成指示を受け取ると、表示制御部451を制御し、液晶パネル240に、サインの入力を促す画面を表示する。ここで、サインは、鍵データの基となる認証用データの一例である。認証用データは、サインに限られるわけではない。例えば、第2ユニット1002が指紋検出装置を備える場合、指紋データを認証用データとして用いてもよい。
【0236】
鍵作成部452は、鍵作成指示に含まれるロック範囲に基づいて、「“アプリケーションファイル1”のロックに用いるサインを入力してください」などの画面を液晶パネル240に表示させてもよい。鍵作成部452がこのような処理を行なわない場合(例えば、ロック範囲にかかわらず同じ画面を表示する場合)、鍵作成命令は、ロック範囲を含まなくてもよい。
【0237】
なお、第2ユニット1002は、その液晶パネル240にこのような画面を表示する必要は必ずしもない。例えば、第1ユニット1001および第2ユニット1002が直接接続されている場合には、第1ユニット1001が、その液晶パネル140に、第2ユニット1002への認証用データの入力を促す画面を表示してもよい。
【0238】
また、鍵作成部452は、鍵作成指示を受け取ると、鍵作成モードに切り替わる。鍵作成モードでは、鍵作成部452は、鍵作成モード中に液晶パネル240に入力された入力パターン431を取得する。
【0239】
(4) 鍵作成
鍵作成部452は、鍵作成モード中に入力された入力パターン431に基づいて鍵データ333を含む送信データを作成する。鍵データを含む送信データのデータ構造を図22に示す。図22を参照して、送信データは、ヘッダと、鍵データ本体と、予備データとを含む。鍵データ本体は、サインデータと命令IDとを含む。サインデータは、入力パターン431を暗号化したものである。サインデータは、鍵データ333の一例である。命令IDは、鍵作成部452が受け取った鍵作成指示に含まれる命令IDと同一のデータである。
【0240】
また、鍵作成部452は、送信データを作成すると、入力パターン431を記憶部430から削除する。サインデータが記憶部430に格納されている場合は、データ作成部は、鍵データを作成すると、サインデータを記憶部430から削除する。この処理により、第2ユニット1002からサインデータが盗まれるおそれがなくなる。
【0241】
(5) 鍵送信
鍵作成部452は、鍵データ333を含む送信データを、鍵作成指示を送信した第1ユニット1001に宛てて送る。鍵データ333は、暗号化されている。したがって、第1ユニット1001および第2ユニット1002の間の通信が、無線など傍受可能な方式で行なわれても、外部に入力パターンそのものが漏れることはない。
【0242】
サインなどの入力パターンは、電子機器100内のロック処理のみならず、他の装置での認証処理にも用いられる可能性がある。本実施の形態に係る電子機器100は、このような入力パターンの流出を防ぐことができる。よって、ユーザは、キー入力などのわずらわしい操作を必要としない入力パターンを用いた認証を、安全に行なうことができる。
【0243】
(6) ロック処理
第1ユニット1001は、第2ユニット1002から鍵データを受け付けるとロック処理を行なう。書込部354は、ロック指示に含まれる命令IDと鍵データに含まれる命令IDとに基づいて、ロック指示と鍵データとを対応付ける。書込部354は、ロック指示に含まれるロック範囲と鍵データに含まれるサインデータとを、ロック情報332として、記憶部330に格納する。
【0244】
ロック情報332のデータ構造を図23に示す。図23を参照して、ロック情報332は、ロックID332aと、ロック範囲332bと、サインデータ332cとを含む。
【0245】
ロックID332aは、各ロック処理を特定するデータである。ロック部352は、例えば、ロック処理を実行した順番に基づいて、各ロック処理にロックID332aを与える。あるいは、ロック部352は、鍵データに含まれる命令IDをロックID332aとして、記憶部330に格納する。
【0246】
ロック情報332に含まれるサインデータ332cは、暗号化されている。したがって、記憶部330に格納されているデータが読み出されたとしても、サインデータそのものが流出することはない。
【0247】
ロック部352は、書き込み部332が記憶部330に書き込んだロック情報332を読み出し、ロック情報332で指定されるロック範囲332bに対しロック処理を行なう。
【0248】
<ロック解除処理>
ここからは、ロック解除処理について、図24を参照して説明する。図24は、ロック解除処理の流れを模式的に示す図である。
【0249】
(7) ロック解除指示
ロック処理にあたっての一連の処理は、第1ユニット1001の入力部320が、ロック解除指示を外部から受け付けたことに応じて開始する。ロック解除指示には、たとえば、ロックされたファイルの実行指示、ロックされたアプリケーションの起動指示、ロックされたデータエリアへのアクセス指示などが含まれる。ここでは、入力部320が、アプリケーションファイル1のロックの解除指示を受け付けたものとして説明を行なう。
【0250】
(8) 認証要求
要求作成部355は、入力部320がロック解除指示を受け付けると、インターフェース部340を制御し、第2ユニット1002に宛てて、認証要求を送信する。認証要求は、記憶部330に格納されているサインデータを含む。
【0251】
認証要求のデータ構造を図25に示す。図25を参照して、認証要求は、ヘッダと、命令本体と、予備情報とを含む。命令本体は、認証命令と、サインデータと、ロックIDと、ロック範囲とを含む。
【0252】
認証命令は、このデータが、第2ユニット1002にデータの認証を指示するものであることを表わす。認証命令は、第1ユニット1001および第2ユニット1002に共通する規格に沿って記述される。認証命令は、ロックの解除にあたり第2ユニット1002に入力すべき鍵の種類を指定する情報を含んでもよい。
【0253】
ロックIDは、認証要求のきっかけとなった解除指示で指定されているロックのロックID332aである。第1ユニット1001が、複数の鍵作成命令指示を出した場合には、第1ユニット1001は、複数種類の解除指示および複数種類の認証要求を出すことがある。ロックIDは、このような場合に、各認証要求を区別するために用いられる。
【0254】
ロック範囲は、ロック情報332上で、ロックID332aに対応するロック範囲332bである。
【0255】
(9) 復号処理
認証部453は、インターフェース部440が、第1ユニット1001から認証要求を受け取ると、認証要求に含まれるサインデータを復号する。ここでの復号方式は、鍵作成にあたって用いられた暗号化方式に対応するものである。
【0256】
(10) サイン入力
認証部453は、インターフェース部440が、第1ユニット1001から認証要求を受け取ると、表示制御部451を制御し、液晶パネル240に、サインの入力を促す画面を表示する。
【0257】
この表示に関しては、(3)サイン入力と同様の変形例をとりうる。例えば、認証部453は、認証要求に含まれるロック範囲に基づいて、「“アプリケーションファイル1”のロック解除用のサインを入力してください」などの画面を液晶パネル240に表示させてもよい。また、第2ユニット1002が、その液晶パネル240にこのような画面を表示する必要は必ずしもない。
【0258】
認証部453は、認証要求を受け取ると、認証モードに切り替わる。認証モードでは、認証部453は、認証モード中に液晶パネル240に入力された入力パターン431を取得する。
【0259】
なお、第2ユニット1002が、(9)(10)の処理を行なう順序は、前後してもよい。また、第2ユニット1002は、(9)(10)の処理を並行して行なってもよい。
【0260】
(11) 認証
認証部453は、認証モード中に入力された入力パターン431に基づいて、復号化されたサインデータを認証する。具体的には、認証部453は、例えば、入力パターン431と復号化されたサインデータとのパターンマッチングを行ない、一致率が所定の閾値以上である場合に、認証成功であると判断する。逆に、認証部453は、一致率が、閾値未満である場合に、認証失敗であると判断する。
【0261】
第2ユニット1002は、第1ユニット1001から送られてきた鍵データを復号して得られるサインデータと、認証処理の際に入力された入力パターンとによって、ユーザの認証を行なう。したがって、第2ユニット1002の装置構成を簡易にできる。
【0262】
まず、第2ユニット1002は、サインデータ(認証用データ)を格納しておく必要がないため、記憶装置の容量を少なくできる。特に、第1ユニット1001が様々なロック範囲(ファイル、アプリケーションなど)にロックをする場合であっても、各ロック範囲に応じた認証用データを格納しておく必要がない。
【0263】
さらに、複数のロック範囲が指定されている場合であっても、第2ユニット1002は、ロック範囲と認証用データとを対応付けておく必要がない。第1ユニット1001が、ロック範囲と鍵データとを対応付けて管理しているためである。
【0264】
(12) 認証結果送信
認証部453は、インターフェース部440を制御し、第1ユニット1001に宛てて、認証結果を送る。認証結果のデータ構造を図26に示す。認証結果は、ヘッダと、認証結果本体と、予備データとを含む。認証結果本体は、結果フラグと、ロックIDとを含む。
【0265】
結果フラグは、認証部453による認証結果を表わす。例えば、認証部453は、認証成功である場合に、結果フラグを“1”に、認証失敗である場合に、結果フラグを“0”に設定する。判断結果とフラグとの対応付けは、上の説明と逆であってもよい。ただし、結果フラグの扱いは、第1ユニット1001および第2ユニット1002で一致しているものとする。
【0266】
なお、認証部453は、認証の成功、失敗を表わすデータを含む認証結果を送るのではなく、認証成功のときのみ認証結果を第1ユニット1001に送ってもよい。
【0267】
ロックIDは、認証結果に対応する認証要求に含まれるロックIDと同じものである。認証部453は、インターフェース部440が受け取った認証要求からロックIDを読出し、読み出したロックIDを、認証結果に書き込む。
【0268】
(13) ロック解除/非解除
ロック解除部356は、インターフェース部340が認証結果を第2ユニット1002から受け取ると、受け取った認証結果が認証の成功を表わすかどうかを判断する。なお、第2ユニット1002が、認証成功のときのみ認証結果を送る場合は、ロック解除部356は、インターフェース部340が受け取った認証結果を、常に、認証の成功を表わす認証結果とみなす。
【0269】
受け取った認証結果が認証の成功を表わす場合、ロック解除部356は、認証結果に含まれるロックIDと一致するロックID332aに対応するロック範囲332bのロックを解除する。ロック範囲が1種類である場合には、ロック解除部356は、ロックIDを利用せずに、成功を表わす認証結果を受け取ったことに応じて、ロックを解除してもよい。
【0270】
受け取った認証結果が認証の成功を表わすものでない場合、ロック解除部356は、ロックを解除しない。この場合、ロック解除部356は、表示制御部351を制御して、表示部310に、認証失敗を表わす画面を表示してもよい。
【0271】
<処理の流れ>
第1の実施の形態に係る電子機器100が行なう処理の流れを図27を参照してまとめて説明しておく。図27は、第1の実施の形態に係る電子機器100が行なう処理の流れを表わすシーケンス図である。
【0272】
ステップS101において、第1ユニット1001の指示作成部353は、入力部320が受け付けたロック指示に応じて、鍵作成指示を作成する。また、指示作成部353は、インターフェース部340を制御し、第2ユニット1002に宛てて、鍵作成指示を送信する。
【0273】
ステップS201において、第2ユニット1002のインターフェース部440は、ステップS101で第1ユニット1001が送信した鍵作成指示を受け取る。
【0274】
ステップS203において、鍵作成部452は、表示制御部451を制御し、液晶パネル240にサイン入力を要求する画面を表示する。
【0275】
ステップS205において、鍵作成部452は、液晶パネル240に入力された入力パターン431に基づいて、鍵データを作成する。具体的には、鍵作成部452は、入力パターン431を暗号化したサインデータ(ロック解除用データ)を含む鍵データを作成する。
【0276】
ステップS207において、鍵作成部452は、インターフェース部440を制御し、第1ユニット1001に、鍵データを送る。ステップS209において、第1ユニット1001側のインターフェース部340は、第2ユニット1002からの鍵データを受け取る。
【0277】
ステップS105において、書込部354は、第2ユニット1002からの鍵データに含まれるロック解除用データと、ロック指示に応じたロック範囲とを対応付けて、ロック情報332として、記憶部330に格納する。ロック部352は、ロック解除用データと対応付けられたロック範囲に対してロック処理を行なう。
【0278】
ステップS107において、要求作成部355は、入力部320が受け付けたロック解除指示に応じて、インターフェース部340を制御し、認証要求を第2ユニット1002に送信する。認証要求は、記憶部330に格納されているロック解除用データを含む。ステップS209において、第2ユニット1002側のインターフェース部440は、第1ユニット1001からの認証要求を受け取る。
【0279】
ステップS211において、認証部453は、認証要求に含まれるロック解除用データを復号する。
【0280】
ステップS213において、認証部453は、表示制御部451を制御し、液晶パネル240に液晶パネル240への入力をユーザに促す画面を表示する。
【0281】
ステップS215において、認証部453は、認証要求に応じて液晶パネル240に入力された入力パターン431に基づいて、復号したロック解除用データを認証する。
【0282】
ステップS217において、認証部453は、インターフェース部440を制御し、認証結果を、第1ユニット1001に宛てて送る。ステップS109において、第1ユニット1001側のインターフェース部340は、第2ユニット1002からの認証結果を受けとる。
【0283】
ステップS111において、ロック解除部356は、認証結果が認証の成功を表わすかどうかを判断する。認証結果が認証成功を表わす場合(ステップS111においてYES)、ロック解除部356は、ステップS113において、ロック解除指示に対応するロックを解除する。認証結果が認証成功を表わさない場合(ステップS111においてNO)、ロック解除部356は、ステップS115において、認証失敗を表わすエラー表示を、液晶パネル140に表示する。
【0284】
本実施の形態に係る電子機器100は、鍵作成時および認証処理時を除いて、暗号化されていない認証用データを電子機器100が内蔵する記憶装置に格納しない。したがって、本実施の形態に係る電子機器100によれば、記憶装置から認証用データを盗まれることを防ぐことができる。
【0285】
特に、タブレットに入力されたサインや、指紋データを認証用データとして用いる場合、認証用データが盗まれると、電子機器100内のロックのみならず、他の装置のセキュリティが破られるおそれがある。本実施の形態に係る電子機器100によれば、このような危険を防ぐことができる。
【0286】
また、電子機器100は、第1ユニット1001と第2ユニット1002との間で、認証用データをやりとりしない。そのため、第1ユニット1001と第2ユニット1002との間の通信が傍受されたとしても、認証用データそのものが流出することはない。したがって、電子機器100は、第1ユニット1001と第2ユニット1002との間で無線通信などを用いつつ、安全に認証を行なうことができる。
【0287】
これは、認証処理にあたり、第1ユニット1001と第2ユニット1002との位置関係の制約が少なくなることを意味する。本実施の形態に係る電子機器100によれば、例えば、認証用の第2ユニット1002を手にもって、認証処理を行なうといったことが可能になる。
【0288】
さらに、本実施の形態に係る認証方法では、システム全体の処理能力を有効に活用することができる。第1ユニット1001が行なう処理(鍵作成指示の作成および送信、認証要求の作成および送信、第2ユニット1002からの認証結果に基づくロック解除など)は、負荷が少ない。入力パターンの認識、パターンマッチングなどの負荷が重い処理は、第2ユニット1002が行なう。したがって、認証処理の途中であっても、第1ユニット1001のCPUは、認証処理以外の処理、例えば、第1ユニット1001(電子機器100の本体)の制御を行なうことができる。
【0289】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係る電子機器100では、図28に示すように、第2ユニット1002を他の第2ユニット1002#に入替えることができる。図28は、第2の実施の形態に係る電子機器100の使用形態を模式的に示した図である。
【0290】
第1ユニット1001および第2ユニット1002の構成は、第1の実施の形態と同様であるので繰り返さない。また、第2ユニット1002#の構成は、第2ユニット1002の構成と同様であるので、繰り返さない。
【0291】
電子機器100が行なう処理の流れも、第1の実施の形態とほぼ同様である。ただし、第2の実施の形態に係る電子機器100は、認証にあたって、認証処理を行なう第2ユニット(第2ユニット1002および第2ユニット1002#)を区別する。つまり、電子機器100は、あるロックの解除のための認証処理を行なう第2ユニットが、そのロックの鍵データを作成した第2ユニットでない場合、認証が失敗であると判断し、ロックを解除しない。
【0292】
電子機器100は、第2ユニットに格納されているユニットIDを利用して、第2ユニットを区別する。以下、第2ユニット1002が鍵データを作成するとして、本実施の形態に係る電子機器100の動作について説明する。
【0293】
(1)ロック指示、(2)鍵作成指示、(3)サイン入力に関する電子機器100の動作、(7)ロック解除指示、(10)サイン入力、(12)認証結果送信、(13)ロック解除/非解除は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を繰り返さない。
【0294】
(4)鍵作成において、鍵作成部452は、鍵作成モード中に入力された入力パターン431および記憶部430に格納されているユニットID432に基づいて、鍵データを作成する。第2の実施の形態に係る鍵データのデータ構造を図29に示す。図29を参照して、鍵データは、ヘッダと、鍵データ本体と、予備データとを含む。鍵データ本体は、サインデータと命令IDとユニットIDとを含む。鍵データ中のユニットIDは、ユニットID432を暗号化したものである。ユニットID以外のデータは、第1の実施の形態と同様であるので、説明を繰り返さない。
【0295】
(5)鍵送信に関する電子機器100の動作は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を繰り返さない。鍵データは、暗号化されていない認証用データ(入力パターンおよびユニットID)を含まない。したがって、第1ユニット1001および第2ユニット1002の間の通信が、無線など傍受可能な方式で行なわれても、外部に認証用データそのものが漏れることはない。
【0296】
(6)ロック処理において、書込部354は、ロック指示に含まれる命令IDと鍵データに含まれる命令IDとに基づいて、ロック指示と鍵データとを対応付ける。書込部354は、ロック指示に含まれるロック範囲332bと鍵データに含まれるサインデータおよびユニットIDとを、ロック情報332として、記憶部330に格納する。
【0297】
第2の実施の形態に係るロック情報332のデータ構造を図30に示す。図30を参照して、ロック情報332は、ロックID332aと、ロック範囲332bと、サインデータ332cと、ユニットID332dを含む。サインデータ332cおよびユニットID332dが、鍵データ333に相当する。
【0298】
ロック情報332に含まれるサインデータ332cおよびユニットID332dは、暗号化されている。したがって、記憶部330に格納されているデータが読み出されたとしても、サインデータそのものが流出することはない。
【0299】
(8)認証要求において、要求作成部355は、第1の実施の形態と同様に認証要求を送信する。ただし、第1の実施の形態とは、認証要求のデータ構造が異なる。第2の実施の形態に係る認証要求のデータ構造を図31に示す。図31を参照して、認証要求は、ヘッダと、命令本体と、予備情報とを含む。命令本体は、認証命令と、サインデータと、ロックIDと、ロック範囲と、サインデータと、ユニットIDとを含む。認証要求は、ユニットIDを含む点が、第1の実施の形態のものと異なる。ユニットIDは、ロック情報332においてロックIDと対応付けられているユニットIDである。
【0300】
(9)復号処理において、まず、認証部453は、認証要求に含まれるユニットIDを復号する。続いて、認証部453は、復号したユニットIDと記憶部430に格納されたユニットID432とを比較する。
【0301】
復号したユニットIDと記憶部430に格納されたユニットID432とが一致する場合、認証部453は、サインデータを復号する。そして、認証部453は、第1の実施の形態と同様、(10)サイン入力、(11)認証、(12)認証結果送信を行なう。
【0302】
一方、復号したユニットIDと記憶部430に格納されたユニットID432とが一致しない場合、認証は失敗とみなし、サインデータの復号処理および認証処理は行なわない。このような処理により、第2ユニット1002の処理負荷を減らすことができる。また、このようにすれば、不適切なユニットは、サインデータを復号しない。したがって、システムによる認証処理の安全性が保たれる。
【0303】
<処理の流れ>
第2の実施の形態に係る電子機器100が行なう処理の流れを図32を参照してまとめて説明しておく。図32は、第2の実施の形態に係る電子機器100が行なう処理の流れを表わすシーケンス図である。
【0304】
ステップS301において、第1ユニット1001の指示作成部353は、入力部320が受け付けたロック指示に応じて、鍵作成指示を作成する。また、指示作成部353は、インターフェース部340を制御し、第2ユニット1002に宛てて、鍵作成指示を送信する。
【0305】
ステップS401において、第2ユニット1002のインターフェース部440は、ステップS301で第1ユニット1001が送信した鍵作成指示を受け取る。
【0306】
ステップS403において、鍵作成部452は、表示制御部451を制御し、液晶パネル240にサイン入力を要求する画面を表示する。
【0307】
ステップS405において、鍵作成部452は、液晶パネル240に入力された入力パターン431およぶ記憶部430に格納されているユニットID432に基づいて、鍵データを作成する。具体的には、鍵作成部452は、入力パターン431およびユニットID432を暗号化したデータ(ロック解除用データ)を含む鍵データを作成する。
【0308】
ステップS407において、鍵作成部452は、インターフェース部440を制御し、第1ユニット1001に、鍵データを送る。ステップS409において、第1ユニット1001側のインターフェース部340は、第2ユニット1002からの鍵データを受け取る。
【0309】
ステップS305において、書込部354は、第2ユニット1002からの鍵データに含まれるロック解除用データと、ロック指示に応じたロック範囲とを対応付けて、ロック情報332として、記憶部330に格納する。ロック部352は、ロック解除用データと対応付けられたロック範囲に対してロック処理を行なう。
【0310】
ステップS307において、要求作成部355は、入力部320が受け付けたロック解除指示に応じて、インターフェース部340を制御し、認証要求を第2ユニット1002に送信する。認証要求は、記憶部330に格納されているロック解除用データを含む。ステップS409において、第2ユニット1002側のインターフェース部440は、第1ユニット1001からの認証要求を受け取る。
【0311】
ステップS411において、認証部453は、認証要求に含まれる暗号化されたユニットIDを復号する。また、認証部453は、復号したユニットIDと、記憶部430に格納したユニットID432とを照合する。
【0312】
ステップS413において、認証部453は、ステップS411における照合結果に基づいて、ユニットの認証が成功したかどうか判断する。
【0313】
ユニットの認証が失敗した場合(ステップS413においてNO)、第2ユニット1002は、処理をステップS419に進める。
【0314】
ユニットの認証が成功した場合(ステップS413においてYES)、ステップS415において、認証部453は、表示制御部451を制御し、液晶パネル240に液晶パネル240への入力をユーザに促す画面を表示する。
【0315】
ステップS417において、認証部453は、認証要求に含まれる暗号化された入力パターンを復号する。また、認証部453は、認証要求に応じて液晶パネル240に入力された入力パターン431に基づいて、復号した入力パターンを認証する。
【0316】
ステップS419において、認証部453は、インターフェース部440を制御し、認証結果を、第1ユニット1001に宛てて送る。ユニットの認証が失敗した場合(ステップS413においてNO)、認証部453は、認証が失敗した旨の認証結果を送る。ユニットの認証が成功したものの(ステップS413においてYES)、ステップS417のサイン認証処理が失敗した場合も、認証部453は、認証が失敗した旨の認証結果を送る。ユニットの認証が成功し(ステップS413においてYES)、かつ、ステップS417のサイン認証処理が成功した場合に、認証部453は、認証が成功した旨の認証結果を送る。
【0317】
ステップS309において、第1ユニット1001側のインターフェース部340は、第2ユニット1002からの認証結果を受けとる。
【0318】
ステップS311において、ロック解除部356は、認証結果が認証の成功を表わすかどうかを判断する。認証結果が認証成功を表わす場合(ステップS311においてYES)、ロック解除部356は、ステップS313において、ロック解除指示に対応するロックを解除する。認証結果が認証成功を表わさない場合(ステップS311においてNO)、ロック解除部356は、ステップS315において、認証失敗を表わすエラー表示を、液晶パネル140に表示する。
【0319】
第2の実施の形態に係る電子機器100によれば、鍵データを作成した第2ユニットで認証処理を行なったときに限り、第1ユニット1001内のデータのロックを解除できる。つまり、第2の実施の形態に係る電子機器100によれば、ユニットによる認証を行なうことができる。
【0320】
[その他]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0321】
【図1】本実施の形態に係る電子機器の外観を示す概略図である。
【図2】電子機器のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【図3】表示パネルの構成と当該表示パネルの周辺回路とを示した図である。
【図4】表示パネルとバックライトとの断面図である。
【図5】光センサ回路を動作させる際のタイミングチャートを示した図である。
【図6】スキャンの際にフォトダイオードがバックライトからの光を受光する構成を示した断面図である。
【図7】コマンドの概略構成を示した図である。
【図8】種別「000」のコマンドを説明するための図である。
【図9】種別「001」のコマンドを説明するための図である。
【図10】種別「010」のコマンドを説明するための図である。
【図11】種別「011」のコマンドを説明するための図である。
【図12】種別「100」のコマンドを説明するための図である。
【図13】種別「101」のコマンドを説明するための図である。
【図14】応答データの概略構成を示した図である。
【図15】指をスキャンすることにより得られた画像(スキャン画像)を示した図である。
【図16】光センサ内蔵液晶パネル140Aの回路図である。
【図17】スキャンの際にフォトダイオードが外光を受光する構成を示した断面図である。
【図18】電子機器の変形例のハードウェア構成を表すブロック図である。
【図19】電子機器100の機能的構成をブロック図形式で示す図である。
【図20】ロック処理の流れを模式的に示す図である。
【図21】鍵データの作成指示のデータ構造を示す図である。
【図22】鍵データを含む送信データのデータ構造を示す図である。
【図23】ロック情報332のデータ構造を示す図である。
【図24】ロック解除処理の流れを模式的に示す図である。
【図25】認証要求のデータ構造を示す図である。
【図26】認証結果のデータ構造を示す図である。
【図27】第1の実施の形態に係る電子機器100が行なう処理の流れを表わすシーケンス図である。
【図28】第2の実施の形態に係る電子機器100の使用形態を模式的に示した図である。
【図29】第2の実施の形態に係る鍵データのデータ構造を示す図である。
【図30】第2の実施の形態に係るロック情報332のデータ構造を示す図である。
【図31】第2の実施の形態に係る認証要求のデータ構造を示す図である。
【図32】第2の実施の形態に係る電子機器100が行なう処理の流れを表わすシーケンス図である。
【符号の説明】
【0322】
100 電子機器、100A 筐体、100B 筐体、100C ヒンジ、101 本体装置、102 表示装置、102A 表示装置、103 表示装置、104 本体装置、130 ドライバ、131 走査信号線駆動回路、132 データ信号線駆動回路、133 光センサ駆動回路、134 スイッチ、135 アンプ、140 光センサ内蔵液晶パネル、140A 光センサ内蔵液晶パネル、141 画素回路、141b サブピクセル回路、141g サブピクセル回路、141r サブピクセル回路、141r 画素回路、143 電極対、143a 画素電極、143b 対向電極、144 光センサ回路、145 フォトダイオード、145b フォトダイオード、145g フォトダイオード、145r フォトダイオード、146 コンデンサ、151A アクティブマトリクス基板、151B 対向基板、152 液晶層、153b カラーフィルタ、153g カラーフィルタ、153r カラーフィルタ、157 データ信号線、161 偏光フィルタ、162 ガラス基板、163 遮光膜、164 配向膜、173 メモリカードリーダライタ、174 外部通信部、175 マイク、176 スピーカ、177 操作キー、179 バックライト、180 画像処理エンジン、181 ドライバ制御部、182 タイマ、183 信号処理部、191 電源スイッチ、192 電源回路、193 電源検出部、194 コネクタ、195 アンテナ、196 コネクタ、230 ドライバ、240 光センサ内蔵液晶パネル、240 液晶パネル、274 外部通信部、279 バックライト、280 画像処理エンジン、281 ドライバ制御部、282 タイマ、283 信号処理部、293 電源検出部、294 コネクタ、295 アンテナ、297 信号強度検出部、310 表示部、320 入力部、330 記憶部、332 ロック情報、333 鍵データ、340 インターフェース部、350 制御部、351 表示制御部、352 ロック部、353 指示作成部、354 書込部、355 要求作成部、356 ロック解除部、410 表示部、420 入力部、430 記憶部、431 入力パターン、440 インターフェース部、450 制御部、451 表示制御部、452 鍵作成部、453 認証部、900 指、1001 第1ユニット、1002 第2ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理ユニットと認証ユニットとを備える情報処理システムであって、
前記情報処理ユニットは、
前記認証ユニットとの間の情報の授受を行なう第1のインターフェースと、
外部からの指示を受け付ける入力手段と、
記憶手段と、
前記情報処理ユニット内の情報へのアクセス制限を設定するロック手段と、
前記認証ユニットに対する鍵データの作成命令を作成し、前記作成命令を前記認証ユニットに送信する指示作成手段と、
前記第1のインターフェースが受け付けた前記鍵データを前記記憶手段に格納する書込手段と、
前記入力手段が受け付けた前記アクセス制限の解除要求に応じて、前記記憶手段に格納された前記鍵データを前記認証ユニットに送信する鍵送信手段と、
前記第1のインターフェースが受け付けた認証の成功を表わすデータに基づいて、前記アクセス制限を解除するロック解除手段とを含み、
前記認証ユニットは、
前記情報処理ユニットとの間の情報の授受を行なう第2のインターフェースと、
前記第2のインターフェースが受け付けた前記作成命令に応じて、認証用データを暗号化したデータを前記鍵データとして作成し、前記鍵データを前記情報処理ユニットに送信する鍵作成手段と、
前記第2のインターフェースが受け付けた前記鍵データを復号し、復号された前記鍵データを認証する認証手段と、
前記認証手段による認証結果を前記情報処理ユニットに送信する結果送信手段とを含む、情報処理システム。
【請求項2】
前記認証ユニットは、外部からの入力を受け付ける入力手段をさらに含み、
前記鍵作成手段は、前記入力に基づいて前記認証用データを作成する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記入力手段は、タブレットを含み、
前記鍵作成手段は、前記作成命令に応じて前記タブレットに入力されたパターンに基づいて前記認証用データを作成し、
前記認証手段は、前記認証要求に応じて前記タブレットに入力されたパターンに基づいて前記復号された鍵データを認証する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記タブレットは、光センサ内蔵液晶パネルである、請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記認証ユニットは、前記認証ユニットを特定する識別データを格納する記憶手段をさらに含み、
前記認証用データは、前記識別データを含み、
前記認証手段は、前記記憶手段に格納された前記識別データに基づいて前記復号された鍵データを認証する、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
情報処理装置であって、
認証装置との間の情報の授受を行なうインターフェースと、
外部からの指示を受け付ける入力手段と、
記憶手段と、
前記情報処理装置内の情報へのアクセス制限を設定するロック手段と、
前記認証装置に対する鍵データの作成命令を作成し、前記作成命令を前記認証装置に送信する指示作成手段と、
前記インターフェースが受け付けた前記鍵データを前記記憶手段に格納する書込手段と、
前記入力手段が受け付けた前記アクセス制限の解除要求に応じて、前記記憶手段に格納された前記鍵データを前記認証装置に送信する鍵送信手段と、
前記インターフェースが受け付けた認証の成功を表わすデータに基づいて、前記アクセス制限を解除するロック解除手段とを備える、情報処理装置。
【請求項7】
認証装置であって、
情報処理装置との間の情報の授受を行なうインターフェースと、
前記インターフェースが前記情報処理装置から受け付けた鍵データの作成命令に応じて、認証用データを暗号化したデータを前記鍵データとして作成し、前記鍵データを前記情報処理装置に送信する鍵作成手段と、
前記インターフェースが受け付けた前記鍵データを復号し、復号された前記鍵データを認証する認証手段と、
前記認証手段による認証結果を前記情報処理装置に送信する結果送信手段とを備える、認証装置。
【請求項8】
認証装置と情報の授受を行なうインターフェースと、外部からの指示を受け付ける入力手段と記憶手段とを有する情報処理ユニットと認証ユニットとを備える情報処理システムを用いた認証方法であって、
前記情報処理ユニットが、前記情報処理ユニット内の情報へのアクセス制限を行なうステップと、
前記情報処理ユニットが、前記認証装置に対する鍵データの作成命令を作成するステップと、
前記情報処理ユニットは、前記作成命令を前記認証ユニットに送信するステップと、
前記認証ユニットが、前記作成命令に応じて、認証用データを暗号化したデータを前記鍵データとして作成するステップと、
前記認証ユニットが、前記鍵データを前記情報処理ユニットに送信するステップと、
前記情報処理ユニットが、前記認証ユニットから受け付けた前記鍵データを前記記憶手段に格納するステップと、
前記情報処理ユニットが、前記入力手段が受け付けた前記アクセス制限の解除要求に応じて、前記記憶手段に格納された前記鍵データを前記認証ユニットに送信するステップと、
前記認証ユニットが、前記情報処理ユニットから受け付けた前記鍵データを復号するステップと、
前記認証ユニットが、復号された前記鍵データを認証するステップと、
前記情報処理ユニットが、前記認証ユニットから受け付けた認証の成功を表わすデータに基づいて、前記アクセス制限を解除するステップとを備える、認証方法。
【請求項9】
外部からの指示を受け付ける入力手段と記憶手段とを有する情報処理ユニットと認証ユニットとを備える情報処理システムに認証を実行させる認証プログラムであって、
前記情報処理ユニットが、前記情報処理ユニット内の情報へのアクセス制限を行なうステップと、
前記情報処理ユニットが、前記認証装置に対する鍵データの作成命令を作成するステップと、
前記情報処理ユニットは、前記作成命令を前記認証ユニットに送信するステップと、
前記認証ユニットが、前記作成命令に応じて、認証用データを暗号化したデータを前記鍵データとして作成するステップと、
前記認証ユニットが、前記鍵データを前記情報処理ユニットに送信するステップと、
前記情報処理ユニットが、前記認証ユニットから受け付けた前記鍵データを前記記憶手段に格納するステップと、
前記情報処理ユニットが、前記入力手段が受け付けた前記アクセス制限の解除要求に応じて、前記記憶手段に格納された前記鍵データを前記認証ユニットに送信するステップと、
前記認証ユニットが、前記情報処理ユニットから受け付けた前記鍵データを復号するステップと、
前記認証ユニットが、復号された前記鍵データを認証するステップと、
前記情報処理ユニットが、前記認証ユニットから受け付けた認証の成功を表わすデータに基づいて、前記アクセス制限を解除するステップとを、前記情報処理システムに実行させる、認証プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2010−108098(P2010−108098A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277205(P2008−277205)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】