情報出力システム、携帯入出力機器およびプログラム
【課題】ユーザに煩雑な操作を強いることのない容易な操作で目的の情報を検索して表示すること。
【解決手段】印刷媒体上に記された位置を示す座標値に変換可能なパターンと地図とが重ねて印刷された地図帳15B(地図印刷媒体)と、パターンを読み取るパターン読取部と、読み取ったパターンから座標値を生成する生成部と、座標値を地図上の位置情報に変換できる変換部と、変換された位置情報に基づき算出された所定の範囲に含まれる目的の情報を検索する情報検索部と、地図帳15B(地図印刷媒体)の地図に対応した電子的な地図を表示すると共に、情報検索部により検索された目的の情報を電子的な地図に重ね合わせて表示する表示部42と、を有するカーナビゲーションシステム(情報出力システム)とする。
【解決手段】印刷媒体上に記された位置を示す座標値に変換可能なパターンと地図とが重ねて印刷された地図帳15B(地図印刷媒体)と、パターンを読み取るパターン読取部と、読み取ったパターンから座標値を生成する生成部と、座標値を地図上の位置情報に変換できる変換部と、変換された位置情報に基づき算出された所定の範囲に含まれる目的の情報を検索する情報検索部と、地図帳15B(地図印刷媒体)の地図に対応した電子的な地図を表示すると共に、情報検索部により検索された目的の情報を電子的な地図に重ね合わせて表示する表示部42と、を有するカーナビゲーションシステム(情報出力システム)とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力システム、携帯入出力機器およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、液晶ディスプレイなどの地図表示手段に地図を表示させ、その表示画面上で、指またはペンを用いて経路を概略的に入力できるナビゲーション装置を開示する。このナビゲーション装置は、ユーザが表示画面に表示された地図データを見ながら、正確に経路を入力しなくともほぼ正しい経路として入力することができる。
【0003】
特許文献2は、電子的な地図を電子ペーパ上に印刷して電子ペーパの保持するドットパターンと電子ペーパ上に印刷された地図の地理座標値とを対応付けるデータベースを用いて、電子ペンで電子ペーパ上の一点を指示すると即座にその一点に対応する地理座標値に変換できる機能を備えた地図情報処理システムを開示する。この地図情報処理システムは、上述した機能により目的地を設定することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−074481号公報(段落番号0008など)
【特許文献2】特開2004−294−942号公報(要約書の解決手段、請求項10など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されるナビゲーション装置は、ディスプレイ上で経路を概略的になぞるだけで経路をほぼ正しく入力することができるが、そのディスプレイの大きさと解像度が問題となる。ナビゲーション装置で使用されるディスプレイの大きさは、センターコンソールに組み込んだり、ダッシュボード上に配置されたりするため、最大でも7インチ程度である。したがって、経路の一部分を拡大して表示した場合には、すべての経路を見るために地図の縮尺の変更や表示範囲の変更をする必要が生じ、ユーザに対して煩雑な操作を強いることになる。
【0006】
特許文献2に開示される地図情報処理システムは、電子ペーパ上で俯瞰的に経路を確認しながら操作を行なうことができるため、ユーザにとってはわかりやすく、上述した問題は解消されるとも考えられる。しかし、特許文献2に開示される地図情報処理システムであっても、電子ペンで行なう操作は経路の目的値を設定することのみであるため、上述した問題を解消し得ない。つまり、たとえばその目的地までの経路上に存在する施設情報などを検索する際には、電子ペンで経路を設定した後に、ディスプレイを見ながら検索操作をする必要がある。したがって、特許文献2に開示される地図情報処理システムにおいても7インチ程度のディスプレイを見ながら、ユーザは煩雑な操作を強いられることになる。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を鑑み、ユーザに煩雑な操作を強いることなく、簡単な操作で地図上の目的の情報を検索して表示することができる情報出力システム、携帯入出力機器およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る情報出力システムは、印刷媒体上に記された位置を示す座標値に変換可能なパターンと地図とが重ねて印刷された地図印刷媒体と、パターンを読み取るパターン読取部と、読み取ったパターンから座標値を生成する生成部と、座標値を地図上の位置情報に変換できる変換部と、変換された位置情報に基づき算出された所定の範囲に含まれる目的の情報を検索する情報検索部と、地図印刷媒体の地図に対応した電子的な地図を表示すると共に、情報検索部により検索された目的の情報を電子的な地図に重ね合わせて表示する表示部と、を有するものである。
【0009】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、地図印刷媒体に印刷されている道路に沿ってパターンを読み取って、パターンを位置情報へ変換し、変換した位置情報に基づき算出された道路周辺の施設を検索して施設情報を表示するものである。
【0010】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、電子的な地図上に表示する施設情報のジャンルを指定できる施設ジャンル選択手段を有するものである。
【0011】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、変換部の有する変換情報を入れ替えることができる外部データ入力手段を有するものである。
【0012】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、変換部は、パターン読取部が地図印刷媒体上のパターンを連続的に読み取った場合には、連続的に読み取られたパターンを位置情報に順次変換し、情報検索部は、所定の範囲を順次変化させて、施設情報の検索処理と表示処理を連続的に行なうものである。
【0013】
本発明に係る携帯入出力機器は、地図印刷媒体から位置を示す座標値に変換可能なパターンを読み取るパターン読取部と、読み取ったパターンから座標値を生成する生成部と、座標値を電子的な地図上の位置情報に変換できる変換部と、変換された位置情報に基づき算出された所定の範囲に含まれる目的の情報を検索する情報検索部と、情報検索部により目的の情報があると判定されたときに、ユーザへその旨を通知するユーザ通知手段と、を有するものである。
【0014】
本発明に係る携帯入出力機器は、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、変換部の有する変換情報を入れ替えることができる外部データ入力手段を有するものである。
【0015】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを上述した情報出力システムのいずれか一つとして機能させるためのプログラムである。
【0016】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを上述した携帯入出力機器のいずれか一つとして機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、ユーザに煩雑な操作を強いることなく、簡単な操作で地図上の目的の情報を検索して表示することができる情報出力システム、携帯入出力機器およびプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る情報出力システム、携帯入出力機器およびプログラムを図面に基づいて説明する。なお、情報出力システムは、自動車などに設置され、地図帳に携帯入出力機器で描いた軌跡情報を読み取り、その読み取った軌跡情報を電子的な地図に表示するカーナビゲーションシステム10を例に説明する。携帯入出力機器は、カーナビゲーションシステム10の電子ペン20として説明する。プログラムは、カーナビゲーションシステム10の動作の一部として説明する。
【0019】
(カーナビゲーションシステム10の全体説明)
図1は、本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステム10を示すシステム構成図である。カーナビゲーションシステム10は、地図印刷媒体としての地図帳15と、この地図帳15中の位置を選択するための携帯入出力機器としての電子ペン20と、電子ペン20と通信可能なカーナビゲーション装置40と、を主要な構成要素とする。なお、カーナビゲーション装置40は、車両に対して固定的に設置されるものであっても、車両からはずすことができるように設置されるものであってもよい。
【0020】
(地図帳15の説明)
図2は、図1中の地図帳15と同様の地図帳15Aを示す説明図である。図2の地図帳15Aには、全面に渡って複数のドット16からなるドットパターン17が印刷されている。ドットパターン17は、たとえば赤外線を吸収するインクでシートに印刷され、たとえば6×6個のドット16により地図帳15A中の各位置を示す座標値へ変換可能なものである。
【0021】
この座標値は、たとえば図2での地図帳15Aの左上隅を基準とした(x,y)による二次元の座標値で表現できる。なお、座標系の原点は左上以外にも中央や右上などの他の箇所としても勿論よい。
【0022】
携帯入出力機器としての電子ペン20は、ドットパターン17以外の部分で反射されてくる赤外線を赤外線カメラ23(図3参照)で受光してドットパターン17を認識する。そして、当該ドットパターン17を電子ペン20で読み取ることにより、地図帳15A上における当該読み取ったドットパターン17が示している一意の座標値を得ることができる。
【0023】
このドットパターン17は、非常に多数のドット16から構成され、図2の中央に拡大して示すように、0.3mm間隔で赤外線を吸収するインクによりドット16が印刷されている。これらのドット16は、図2中の右にさらに拡大して示すように、格子の中心から上下左右のいずれかの方向に所定量だけずれて印刷されている。
【0024】
このドット16は、6×6=36ドットが集まって1つのドットパターン17を構成しており、1つのドット16は、4通りの組合せを有することから、1.8mm×1.8mmサイズの1つのドットパターン17には4の36乗通りの組合せが存在するため、同じドットパターン17を使用しないことで1つのドットパターン17を一意に識別することが可能となる。
【0025】
なお、地図帳15Aが複数ページある場合、どのページが指定されたかを知る方法としては、例えば、ドットパターン17にページに関する情報を記憶する方法がある。また、全てのページに対して同一の座標系の座標値を用いて記憶する方法もある。すなわち、全てのページを平面上に並べて大きな用紙とした場合に、この大きな用紙の左上隅が原点となるように座標系を設定することができる。なお、座標系の原点は左上以外にも中央や右上などの他の箇所としても勿論よい。また、A4サイズで仮に1000枚分の領域に対して、その識別単位をページ番号で定義したとすると、電子ペン20で指し示した地点は、ページ番号(1〜1000)+A4サイズ内でのXY座標を表現することで、どのページのどの位置であるかを特定することができる。
【0026】
(電子ペン20の説明)
携帯入出力機器としての電子ペン20は、地図帳15に印刷されたドットパターン17を読み取ることで、地図帳15上でのペン先の位置を特定するデータ(座標値)を取得できるものである。これを応用すると、電子ペン20で読み取った複数の座標値を、それらのデータの取得時刻に基づいてカーナビゲーション装置40側でプロットすると、それらの座標値を軌跡情報として再現することができる。
【0027】
図3は、図1中の電子ペン20およびカーナビゲーション装置40の詳細な構成を示すブロック図である。なお、この図3に示す構成では、電子ペン20からカーナビゲーション装置40へ座標値などの情報が送信されるが、カーナビゲーション装置40から電子ペン20へ情報を送信することも可能である。
【0028】
電子ペン20は、図1に示すようにペン形状のハウジング21を有し、図3に示すように、赤外線LED(Light Emitting Diode)22、赤外線カメラ23、通信I/F(Inter Face)24、これらが接続されるマイクロコンピュータ25、これらに給電するバッテリ(不図示)などを主要な構成要素とする。
【0029】
赤外線カメラ23は、たとえば赤外線用のCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)センサであり、受光した赤外線のパターンデータを後述するパターン読取部29へ周期的に出力する。そして、赤外線LED22および赤外線カメラ23は、電子ペン20のペン先に向けて配設される。これにより、電子ペン20の赤外線カメラ23は、赤外線LED22がペン先に向けて照射した赤外線の地図帳15Aによる反射光を受光し、そのペン先付近のドットパターン16を周期的に読み取ることができる。
【0030】
通信I/F24は、たとえばブルートゥース、赤外線通信、無線LAN(Local Area Network)などのインターフェースであり、後述する送信部31からの送信信号により他の機器(ここでは図3に示すカーナビゲーション装置40の通信I/F41)との間でデータを送信するものである。なお、通信I/F24は、この他にもたとえばUSB(Universal Serial Bus)I/FやE/N(Ethernet(登録商標))ケーブルなどの有線の通信ケーブルにより他の機器と接続されることにより通信をするものであってもよい。
【0031】
マイクロコンピュータ25は、時刻や経過時間などを計測するタイマ26、メモリ27、パターン読取部29、生成部30、送信部31、図示外のCPU(Central Processing Unit)などを主要な構成要素とする。
【0032】
メモリ27は、読取データ28などの各種のデータを記憶する。CPUは、メモリ27に記憶される図示外のプログラムを読み込んで実行する。これにより、電子ペン20のマイクロコンピュータ25には、パターン読取部29、生成部30、送信部31などの機能が実現される。
【0033】
パターン読取部29は、赤外線カメラ23から周期的に出力される各パターンデータを読み取って、パターンデータをメモリ27に保存する。生成部30は、パターン読取部29により読み取られたパターンをメモリ27から読み出して、解析して座標値を生成する。なお、マイクロコンピュータ25は、生成した座標値に、タイマ26で計測される現在時刻とを対応付けて、メモリ27に記憶させる。これにより、メモリ27には、読取データ28が記憶される。読取データ28は、生成部30が生成した複数の座標値と、各座標値の読取時刻を示す複数の時刻情報などを含む。
【0034】
送信部31は、電子ペン20の通信I/F24による通信を管理する。送信部31は、メモリ27に記憶させる読取データ28を、送信のために電子ペン20の通信I/F24へ供給する。
【0035】
(カーナビゲーション装置40の説明)
カーナビゲーション装置40は、通信I/F41、表示部としての液晶デバイス42、外部データ入力手段としての入力デバイス43、GPS受信デバイス45、これらが接続される制御部としてのマイクロコンピュータ46などを主要な構成要素とする。
【0036】
通信I/F41は、携帯入出力機器の通信I/F24と同様であるため、説明を省略する。表示部としての液晶デバイス42は、地図や経路案内結果等のデータや画像などを表示させるものである。外部データ入力手段としての入力デバイス43は、カーナビゲーション装置40内に保存されるデータを書き換えるためのCDドライブやDVDドライブ、USBメモリ等の外部記録媒体から入力すらためのデバイスである。GPS受信デバイス45は、GPSによる交通情報などを受信できるデバイスである。
【0037】
制御部としてのマイクロコンピュータ46は、図示外のCPU、データ取得部47、メモリ48、UI(User Interface)部49、位置情報生成部50、軌跡データ解析部51、データ記録部52、経路探索部53、施設探索部54などを主要な構成要素とする。
【0038】
CPUは、メモリ48に記憶される図示外のプログラムを読み込んで実行する。これにより、カーナビゲーション装置40のマイクロコンピュータ46は、データ取得部47、UI部49、位置情報生成部50、軌跡データ解析部51、データ記録部52、経路探索部53、施設探索部54などの機能を実現する。
【0039】
データ取得部47は、カーナビゲーション装置40の通信I/F41による通信を管理する。なお、カーナビゲーション装置40の通信I/F41が、電子ペン20の通信I/F24からデータを受信する。
【0040】
メモリ48は各種のデータを記憶するものであり、具体的には施設情報変換テーブル55、縮尺テーブル56、変換部としての座標変換テーブル57などの各種データベースや、受信データ58、ナビゲーションデータ59、案内経路データ60や、カーナビゲーション装置40の各機能を動作させるプログラム(不図示)などの各種のデータが記憶されている。
【0041】
UI部49は、上述した液晶デバイス42、外部データ入力手段としての入力デバイス43、GPS受信デバイス45とマイクロコンピュータ46とのインターフェースを提供する機能を有する。
【0042】
位置情報生成部50は、GPS受信デバイス45が受信した電波に基づいて車両の現在位置の緯度値と経度値を生成する機能を有する。なお、位置情報生成部50は、カーナビゲーション装置40にジャイロセンサやD−GPS(Differential―Global Positioning System)用のFM(Freqency Modulation)電波などを受信する機能を有する場合、これらの機能により得られる情報に基づいて車両の現在位置の緯度値と経度値を生成したり、これらの機能に基づいてGPS受信デバイス45に基づいて生成した緯度値と経度値を補正したりするようにしてもよい。
【0043】
軌跡データ解析部51は、複数の座標値を1つの軌跡情報として纏める機能を有する。また、軌跡データ解析部51は、メモリ48に読取データ28としての受信データ58が記憶されている場合に、座標変換テーブル57および縮尺テーブル56とこの受信データ58を用いて、地点を抽出するための条件を決定する機能を有する。
【0044】
データ記録部52は、軌跡データ解析部51によって纏められた軌跡情報などを、メモリ48に保存する機能を有する。これにより、メモリ48には、受信データ58などが記憶される。
【0045】
経路探索部53は、ナビゲーションデータ59を用いて、案内経路を探索する機能を有する。たとえば、経路探索部53は、探索により生成した案内経路をメモリ48に記憶させる。これにより、メモリ48には、案内経路データ60が記憶される。
【0046】
情報検索部としての施設情報変換テーブル55は、緯度・経度に紐つけられた施設情報が記録されているデータベースである。
【0047】
図4は、図3中の施設情報変換テーブル55のデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、施設情報変換テーブル55には、施設ジャンルを識別するID、名前(ジャンル名)、緯度・経度、住所、電話番号などを有している。なお、緯度・経度については、所定の計算式により整数値化したものが記憶されている。たとえば、図4のID=502に示す緯度および緯度(125996788、488705777)は、以下の計算式により整数値化されたものである。なお、式1は、緯度X時Y分Z秒の場合の整数値(P)を求めるための式であり、式2は、経度A時B分C秒の場合の整数値(Q)を求めるための式である。
【0048】
〔式1〕
P=(X×60×60+Y×60+Z)×1000
【0049】
〔式2〕
Q=(A×60×60+B×60+C)×1000
【0050】
これらの整数値化された緯度および経度は、地図帳15の座標値と適宜関連付けられて変換された値である。なお、地図帳15の座標値との変換方法の詳細については省略する。
【0051】
また、施設情報変換テーブル55は、マイクロコンピュータ46などの制御によりこれらの情報の選択、結合、射影などの情報処理を行なって施設情報を提供する。
【0052】
縮尺テーブル56は、複数の縮尺の異なる電子的な地図を有しているデータベースである。
【0053】
図5は、図3中の縮尺テーブル56のデータ構造の一例を示す図である。図5に示すように、縮尺テーブル56は、地図帳15に印刷される複数の地図の縮尺を記憶する。
【0054】
縮尺テーブル56に記録されている各縮尺には、抽出範囲のサイズ(半径)を示す抽出範囲サイズ情報が対応付けられている。たとえば、10万分の1の縮尺には、半径2キロメートルの抽出範囲サイズ情報が対応付けられている。この複数の抽出範囲サイズ情報は、地図の縮尺に応じた複数の抽出範囲の情報となる。なお、この図5中の複数の抽出範囲のサイズ(半径)は、地図帳15Aにおいて所定の共通のサイズ(たとえば半径2センチメートル)となるものである。なお、縮尺テーブル56は、施設情報変換テーブル55と同様に、マイクロコンピュータ46などの制御によりこれらの情報の抽出範囲サイズ情報を決定する。
【0055】
変換部としての座標変換テーブル57は、電子ペン20から送信されてきた読取データ28としての座標値から地図上の緯度値および経度値の情報(位置情報)へ変換するためのデータベースである。
【0056】
図6は、図3中の座標変換テーブル57のデータ構造の一例を示す図である。図6に示すように、座標変換テーブル57は、ページ番号と、基準緯度と、基準経度と、緯度X座標間隔と、経度Y座標間隔と、を有している。ページ番号は、地図帳15をページ単位で定義した情報である。基準緯度は、地図帳15の所定のX座標値に対応する緯度である。また、基準経度は、地図帳15の所定のY座標値に対応する経度である。緯度X座標間隔は、経度のX座標1ポイントあたりの間隔を示す情報であり、図6では、X座標1ポイントあたり3.1秒変化することを示している。また、経度Y座標間隔は、緯度のY座標1ポイントあたりの間隔を示す情報であり、経度Y座標が1ポイントあたり2.5秒変化することを示している。なお、基準緯度および基準経度は、図4において説明したように、所定の計算式で整数値化して処理を行なっている。また、座標変換テーブル57の各座標値には、その座標値がコード化されたドットパターン16と重ねて印刷される地図中の地点の緯度値と経度値が対応付けられている。なお、座標変換テーブル57は、施設情報変換テーブル55と同様に、マイクロコンピュータ46などの制御によりこれらの情報の変換処理を行ない、緯度値と経度値を提供する。
【0057】
受信データ58は、携帯入出力機器としての電子ペン20から送信されてきた読取データ28をメモリ48に記録したものである。また、受信データ58は、携帯入出力機器としての電子ペン20以外から受信したデータも含み、たとえば入力デバイス44から入力されたデータなども受信データ58として扱うものとする。
【0058】
ナビゲーションデータ59は、たとえば地図表示データ、複数のノードデータ、複数のリンクデータ、複数の施設データなどを有する。地図表示データは、たとえば、表示部としての液晶デバイス42に地図を表示させるためのデータであり、また、地図帳15に掲載される地図などを画像データ化したものである。
【0059】
ノードデータは、交差点や曲がり角の地点のデータであり、たとえばその地点の名称や緯度値と経度値などの属性情報を有する。リンクデータは、交差点と交差点とを結ぶ道路区間に対応付けられるデータであり、たとえばそれが接続される複数のノードの情報や道路名などの属性情報を有する。施設データは、会社、ビル、展示場などの施設に関するデータであり、たとえば各施設の名称を示すテキストデータや緯度値と経度値などの属性情報を有する。
【0060】
続いて、上述したカーナビゲーションシステム10の具体的な動作について説明する。
【0061】
図7は、図1に示すカーナビゲーション装置40が行なう第一の検索処理を示すフローチャートである。
【0062】
カーナビゲーション装置40の制御部としてのマイクロコンピュータ46は、電源が投下されるまたは第一の検索処理を開始する設定になると第一の検索処理を開始し(START)、軌跡情報が入力されたか否かの判定を行なう(ステップS100)。
【0063】
マイクロコンピュータ46は、軌跡情報が入力されていない場合には(ステップS100でNo)、ステップS100の判定処理を繰り返す。一方、マイクロコンピュータ46は、軌跡情報が入力された場合には(ステップS100でYes)、軌跡情報を構成するデータの中に座標値があるか否かの判定処理を行なう(ステップS101)。マイクロコンピュータ46は、軌跡情報を構成するデータの中に座標値がない場合には(ステップS101でNo)、第一の検索処理を終了する(END)。一方、マイクロコンピュータ46は、軌跡情報を構成するデータの中に座標値がある場合には(ステップS101でYes)、軌跡情報を構成する座標値の一つを緯度経度の情報に変換する(ステップS102)。
【0064】
そして、マイクロコンピュータ46は、ステップS102で変換した緯度経度に関連付けられて登録されている施設があるか否かを判定する(ステップS103)。マイクロコンピュータ46は、ステップS102で変換した緯度経度に関連付けられて登録されている施設がある場合には(ステップS103でYes)、その施設情報を液晶デバイスに表示する(ステップS104)。
【0065】
一方、マイクロコンピュータ46は、ステップS102で変換した緯度経度の情報に関連付けられて登録されている施設がない場合には(ステップS103でNo)、更に軌跡情報を構成する座標値に未変換のデータがないか否かを判定する(ステップS105)。なお、上述したステップS104の処理後もこのステップS105の処理に移行する。
【0066】
マイクロコンピュータ46は、軌跡情報を構成する座標値に未変換のデータがある場合には(ステップS105でNo)、ステップS102の処理に戻る。一方、マイクロコンピュータ46は、軌跡情報を構成する座標値に未変換のデータがない場合には(ステップS105でYes)、第一の検索処理を終了する(END)。
【0067】
この第一の検索処理の一例を図面で示す。図8に示すように、地図帳15Bに印刷されている道路線上を電子ペン20でなぞる。カーナビゲーション装置40は、電子ペン20から送信されてきた座標値を緯度経度の情報に変換して、その電子的な地図の道路上を進行するカーソルCとして液晶デバイス42上にプロットする。同時に、カーナビゲーション装置40は、その変換した緯度経度の情報に関連付けられている施設情報Pを液晶デバイス42に表示させる。
【0068】
このような第一の検索処理により、携帯入出力機器としての電子ペン20から受信した軌跡情報から施設情報を検索して液晶デバイス42に表示させることができる。したがって、ユーザに煩雑な操作を強いることなく、電子ペン20で地図帳15Bの所望の箇所を指し示すという容易な操作のみで情報を検索することができる。
【0069】
また、この第一の検索処理を繰り返して連続的に行なうことで、電子ペン20をなぞる動作に連動しながら、カーナビゲーション装置40の液晶デバイス42に施設情報を表示させることができる。つまり、図9に示すように、カーナビゲーション装置40は、パターン読取部29で地図帳15B上のドットパターン17を連続的に読み取った場合には、連続的に読み取られたドットパターン17から表示座標変換テーブル57を用いて緯度・経度の情報に順次変換し、情報検索部54でその変換される緯度・経度の情報を中心点として任意の範囲Mを決定して、任意の範囲Mを電子ペン20の動作に連動して順次変化させながら、施設情報の検索処理と表示処理を連続的に行なうものである。
【0070】
続いて、カーナビゲーションシステム10の第二の検索処理について説明する。この第二の検索処理は、第一の検索処理と異なり、地図上の道路付近を電子ペン20でなぞるのではなく、所定の領域(任意の範囲)について施設情報を検索したい場合に有効である。
【0071】
図10は、図1に示すカーナビゲーション装置40が行なう第二の検索処理を示すフローチャートである。
【0072】
カーナビゲーション装置40の制御部であるマイクロコンピュータ46は、電源が投下されるまたは第二の検索処理を開始する設定になると(START)、軌跡情報が入力されたか否かの判定を行なう(ステップS110)。マイクロコンピュータ46は、軌跡情報が入力されていない場合には(ステップS110でNo)、ステップS110の判定処理を繰り返す。
【0073】
一方、マイクロコンピュータ46は、軌跡情報が入力された場合には(ステップS110でYes)、軌跡情報を構成するデータの中に座標値があるか否かの判定処理を行なう(ステップS111)。マイクロコンピュータ46は、軌跡情報を構成するデータの中に座標値がない場合には(ステップS111でNo)、第二の検索処理を終了する(END)。一方、マイクロコンピュータ46は、軌跡情報を構成するデータの中に座標値がある場合には(ステップS111でYes)、軌跡情報に含まれる複数の座標値から最大値および最小値を抽出する処理を行なって検索領域を決定する(ステップS112)。ここで、ステップS112で行なう最大値および最小値を抽出する処理について図を用いて説明する。
【0074】
図11は、図1に示すカーナビゲーション装置40が行なう座標値の最大値および最小値を抽出する処理を概念的に示す図である。たとえば、地図印刷媒体としての地図帳15C上において左隅の角所定の1点を始点(0、0)として定め、横方向位置をXn、縦方向位置をYmとする座標体系とする。
【0075】
この地図帳15Cに印刷されている地図には、地点S、地点A、地点Gが印刷されている。そして、ユーザが地点Sから地点Aまでに含まれる施設情報を検索したいと考え、電子ペン20で軌跡βを描いたとする。すると、電子ペン20は、その軌跡βから構成される複数の座標値(Xn,Ym)を取得して、カーナビゲーション装置40に送信する。
【0076】
カーナビゲーション装置40の制御部であるマイクロコンピュータ46は、検索範囲決定部(不図示)を用いてその軌跡βを構成する複数の座標値(Xn,Ym)を取得したときに、それらの座標値の中から横方向の最小値(Xmin)および最大値(Xmax)と縦方向の最小値(Ymin)および最大値(Ymax)を検出する。
【0077】
そして、マイクロコンピュータ46は、地図帳15C上のT1(Xmin,Ymin),T2(Xmin,Ymax),T3(Xmax,Ymin),T4(Xmax,Ymax)を特定して検索領域を決定する。なお、マイクロコンピュータ46は、上述したT1〜T4の4つの座標値のうち対角線2つに対応した座標値(たとえば、T1とT4)を算出することにより、検索領域を決定することとしてもよい。
【0078】
マイクロコンピュータ46は、ステップS112において算出された検索領域を構成する座標値をそれぞれ緯度経度に変換する処理を行なう(ステップS113)。そして、マイクロコンピュータ46は、ステップS113で変換した緯度経度で囲まれる検索理領域内に含まれる座標値に関連付けて登録されている施設があるか否かを判定する(ステップS114)。
【0079】
マイクロコンピュータ46は、登録されている施設がある場合には(ステップS114でYes)、液晶デバイス42に当該施設情報を表示して(ステップS115)、第二の検索処理を終了する(END)。一方、マイクロコンピュータ46は、登録されている施設がない場合には(ステップS114でNo)、そのまま第二の検索処理を終了する(END)。
【0080】
このような第二の検索処理により、電子ペン20で地図帳15Cに表示されている道路上をなぞる以外にも、所定の範囲内に含まれる地域の施設情報を検索することができる。したがって、ユーザに煩雑な操作を強いることなく、電子ペン20で地図帳15Cの所望の範囲を囲むという容易な操作のみで情報を検索することができる。
【0081】
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や変更が可能である。
【0082】
上述した実施形態は、座標値に関連付けられて登録されている施設情報であれば、すべて液晶デバイス42に表示させるものである。この他にもたとえば、電子的な地図上に表示する施設のジャンルを指定できる施設ジャンル選択手段を備えてもよい。
【0083】
図12は、図1に示す地図帳15と同様の地図帳15Dに地図Mと、施設ジャンル選択手段S1,S2,S3とが印刷されている図である。この施設ジャンル選択手段S1,S2,S3は、電子ペン20で選択された範囲に含まれる施設であって、かつそのジャンルに属する施設である施設のみを表示させるために使用する領域である。この施設ジャンル選択手段S1,S2,S3は、図12に示すように、地図帳15Dの地図Mを印刷している領域以外に設けられる。
【0084】
この施設ジャンル選択手段S1,S2,S3で囲まれた特定の領域に含まれる座標値には、施設ジャンルIDが関連付けて保存されている。そして、施設ジャンル選択手段S1,S2,S3の座標値を電子ペン20が一度読み取ると、その後に電子ペン20で読み取った複数の座標値から施設検索部54により検索された施設情報の有する施設ジャンルIDのなかから、一致する施設ジャンルIDである施設情報のみを最終的に表示する。つまり、両者の施設情報IDの有無を0,1のフラグで判定し、そのフラグの論理積を求めることにより、最終的に表示する施設情報を決定して施設情報を表示させることができる。
【0085】
また、カーナビゲーション装置40の液晶デバイス42に複数の施設情報が表示されている場合には、この施設ジャンル選択手段S1,S2,S3のいずれかを電子ペン20で読み取ることにより、不要な施設情報を液晶デバイス42から消し去り、必要な施設情報のみを表示させることもできる。なお、施設ジャンル選択手段S1,S2,S3の領域に描く文字、図形、記号、模様は、その施設ジャンルをユーザが連想しやすいものが好ましい。たとえば、ガソリンスタンドであれば施設ジャンル選択手段S2のように「GS」が含まれる図形とするなどである。
【0086】
このような施設ジャンル選択手段S1,S2,S3を備えることにより、上述した効果に加え、ユーザの検索したい施設情報に合致した結果を得ることができる。たとえば、登録されている施設情報が多数ある都心などの場所であっても、ユーザが検索したい所望の施設ジャンルに属する施設情報のみを検索結果として表示させることができる。
【0087】
また、上述した実施形態は、カーナビゲーション装置40側に座標変換テーブル57および情報検索部54を備えるものである。この他にもたとえば、電子ペン20にこれらの機能を持たせた上で、更にユーザ通知手段を有する電子ペン20としてもよい。このユーザ通知手段は、たとえば振動デバイスであり、電子ペン20で指し示した座標値から所定の範囲内に施設情報があるときに、振動デバイスを振動させて、その付近に施設情報があることをユーザに知らせるものである。なお、ユーザ通知手段は、振動させて知らせるもののほか、LEDを点滅させたり、音を出力させたりするものでもよい。
【0088】
このようなユーザ通知手段を備えることにより、上述した効果に加え、検索結果を端的に知り得るきっかけとなり、ユーザが液晶デバイス42の表示画面を常に注視していなくともよい。
【0089】
また、上記実施の形態に係るカーナビゲーション装置40のメモリ48に記憶される施設情報変換テーブル55もしくは座標変換テーブル57、または電子ペン20のメモリ27にこの施設情報変換テーブル55もしくは座標変換テーブル57を備えさせた場合に、これらに記録されている施設情報、電子的な地図情報、緯度経度の情報は予め保存されているものである。したがって、これらの情報を容易に入れ替え可能とするためにカーナビゲーション装置40または電子ペン20に外部データ入力手段を備えていてもよい。外部データ入力手段は、たとえば、カーナビゲーション装置40であれば、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブ、SDカードなどの外部メモリ接続装置であってもよいし、電子ペン20であればSDカードなどの外部メモリ接続装置であってもよい。
【0090】
また、上記実施の形態に係る携帯入出力機器としての電子ペン20のメモリ27に記憶されるプログラムおよびカーナビゲーション装置40のメモリ48に記憶されるプログラムは、これらの機器の出荷前にメモリ27,48に記憶されたものであっても、これらの機器の出荷後にメモリ27,48に記憶されたものであってもよい。また、これらのプログラムの一部が、これらの機器の出荷後に記憶されたものであってもよい。このように出荷後にメモリ27,48に記憶されるプログラムは、たとえばCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)や半導体メモリなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してサーバ装置などからダウンロードしたものであってもよい。
【0091】
また、上記実施の形態に係るカーナビゲーション装置40のメモリ48に記憶されるプログラムおよび上述した各種のデータは、その一部あるいは全部が、マイクロコンピュータ46外のたとえばHDDなどの外部記憶デバイスや、カーナビゲーション装置40と着脱可能なたとえばメモリカードやCD−ROMに記憶されていてもよい。特に、施設情報変換テーブル55、座標変換テーブル57および縮尺テーブル56のいずれか一つまたは複数が、地図帳15の印刷内容と密接に関連するデータを有する場合は、そのデータは、カーナビゲーション装置40から着脱可能なメモリカードに記憶され、地図帳15とともにユーザへ提供されるようにするとよい。これにより、カーナビゲーション装置40は、各地図帳15などに対応するメモリカードが交換して装着されることで、複数の地図帳15などに対応することができる。
【0092】
また、上記実施の形態に係るカーナビゲーションシステム10が有する各構成ブロックの機能は、全てまたはその一部をソフトウェアによって実現しても、あるいはその少なくとも一部をハードウェアで実現しても良い。例えば、制御部46における処理の全部またはその一部は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現してもよく、その少なくとも一部をハードウェアで実現してもよい。
【0093】
また、上記実施の形態に係るカーナビゲーションシステム10のカーナビゲーション装置40を装置の全部または一部として動作させるためのコンピュータプログラムを、メモリカード、CD(compact disc)、DVD(digital versatile disk)、MO(magneto−optical)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータ、例えば、携帯電話、オーディオ機器、電子時計等にインストールし、カーナビゲーション装置40として動作させ、あるいは、カーナビゲーション装置40が行なう工程を実行させてもよい。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、カーナビゲーション装置40となるコンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0094】
また、上記実施の形態は、カーナビゲーションシステム10を例に説明したが、船用などの他のナビゲーションシステムにも本発明を適用できる。また、ナビゲーションシステムではなく、単に施設その他を検索する検索システムにも本発明を適用できる。たとえば、弁護士事務所、医院、老人が住んでいる家など登録できる情報全てについて検索対象とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、目的の情報を検索するための全てのシステムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステムを示すシステム構成図である。
【図2】図1中の地図帳と同様の地図帳を示す説明図である。
【図3】図1中の電子ペンおよびナビゲーション装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】図3中の施設情報変換テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図5】図3中の縮尺テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図6】図3中の座標変換テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図7】図1に示すナビゲーション装置が行なう第一の検索処理を示すフローチャートである。
【図8】図7に示す第一の検索処理の一例を示す図である。
【図9】図7に示す第一の検索処理を繰り返して連続的に行なった場合の任意の範囲の変化を示す図である。
【図10】図1に示すナビゲーション装置が行なう第二の検索処理を示すフローチャートである。
【図11】図1に示すナビゲーション装置が行なう座標値の最大値および最小値を抽出する処理を概念的に示す図である。
【図12】図1に示す地図帳と同様の地図帳に地図と、施設ジャンル選択手段とが印刷されている図である。
【符号の説明】
【0097】
10 カーナビゲーションシステム(情報出力システム)、15,15A〜D 地図帳(地図印刷媒体)、20 電子ペン(携帯入出力機器)、29 パターン読取部、30 生成部、42 液晶デバイス(表示部)、43 入力デバイス(外部データ入力手段)、46 マイクロコンピュータ(制御部)、55 施設情報変換テーブル(情報検索部)、57 緯度・経度変換テーブル(変換部)、S1〜S3 施設ジャンル選択手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力システム、携帯入出力機器およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、液晶ディスプレイなどの地図表示手段に地図を表示させ、その表示画面上で、指またはペンを用いて経路を概略的に入力できるナビゲーション装置を開示する。このナビゲーション装置は、ユーザが表示画面に表示された地図データを見ながら、正確に経路を入力しなくともほぼ正しい経路として入力することができる。
【0003】
特許文献2は、電子的な地図を電子ペーパ上に印刷して電子ペーパの保持するドットパターンと電子ペーパ上に印刷された地図の地理座標値とを対応付けるデータベースを用いて、電子ペンで電子ペーパ上の一点を指示すると即座にその一点に対応する地理座標値に変換できる機能を備えた地図情報処理システムを開示する。この地図情報処理システムは、上述した機能により目的地を設定することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−074481号公報(段落番号0008など)
【特許文献2】特開2004−294−942号公報(要約書の解決手段、請求項10など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されるナビゲーション装置は、ディスプレイ上で経路を概略的になぞるだけで経路をほぼ正しく入力することができるが、そのディスプレイの大きさと解像度が問題となる。ナビゲーション装置で使用されるディスプレイの大きさは、センターコンソールに組み込んだり、ダッシュボード上に配置されたりするため、最大でも7インチ程度である。したがって、経路の一部分を拡大して表示した場合には、すべての経路を見るために地図の縮尺の変更や表示範囲の変更をする必要が生じ、ユーザに対して煩雑な操作を強いることになる。
【0006】
特許文献2に開示される地図情報処理システムは、電子ペーパ上で俯瞰的に経路を確認しながら操作を行なうことができるため、ユーザにとってはわかりやすく、上述した問題は解消されるとも考えられる。しかし、特許文献2に開示される地図情報処理システムであっても、電子ペンで行なう操作は経路の目的値を設定することのみであるため、上述した問題を解消し得ない。つまり、たとえばその目的地までの経路上に存在する施設情報などを検索する際には、電子ペンで経路を設定した後に、ディスプレイを見ながら検索操作をする必要がある。したがって、特許文献2に開示される地図情報処理システムにおいても7インチ程度のディスプレイを見ながら、ユーザは煩雑な操作を強いられることになる。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を鑑み、ユーザに煩雑な操作を強いることなく、簡単な操作で地図上の目的の情報を検索して表示することができる情報出力システム、携帯入出力機器およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る情報出力システムは、印刷媒体上に記された位置を示す座標値に変換可能なパターンと地図とが重ねて印刷された地図印刷媒体と、パターンを読み取るパターン読取部と、読み取ったパターンから座標値を生成する生成部と、座標値を地図上の位置情報に変換できる変換部と、変換された位置情報に基づき算出された所定の範囲に含まれる目的の情報を検索する情報検索部と、地図印刷媒体の地図に対応した電子的な地図を表示すると共に、情報検索部により検索された目的の情報を電子的な地図に重ね合わせて表示する表示部と、を有するものである。
【0009】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、地図印刷媒体に印刷されている道路に沿ってパターンを読み取って、パターンを位置情報へ変換し、変換した位置情報に基づき算出された道路周辺の施設を検索して施設情報を表示するものである。
【0010】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、電子的な地図上に表示する施設情報のジャンルを指定できる施設ジャンル選択手段を有するものである。
【0011】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、変換部の有する変換情報を入れ替えることができる外部データ入力手段を有するものである。
【0012】
本発明に係る情報出力システムは、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、変換部は、パターン読取部が地図印刷媒体上のパターンを連続的に読み取った場合には、連続的に読み取られたパターンを位置情報に順次変換し、情報検索部は、所定の範囲を順次変化させて、施設情報の検索処理と表示処理を連続的に行なうものである。
【0013】
本発明に係る携帯入出力機器は、地図印刷媒体から位置を示す座標値に変換可能なパターンを読み取るパターン読取部と、読み取ったパターンから座標値を生成する生成部と、座標値を電子的な地図上の位置情報に変換できる変換部と、変換された位置情報に基づき算出された所定の範囲に含まれる目的の情報を検索する情報検索部と、情報検索部により目的の情報があると判定されたときに、ユーザへその旨を通知するユーザ通知手段と、を有するものである。
【0014】
本発明に係る携帯入出力機器は、上述した発明の構成に加えて以下の特徴を有するものである。すなわち、変換部の有する変換情報を入れ替えることができる外部データ入力手段を有するものである。
【0015】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを上述した情報出力システムのいずれか一つとして機能させるためのプログラムである。
【0016】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを上述した携帯入出力機器のいずれか一つとして機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、ユーザに煩雑な操作を強いることなく、簡単な操作で地図上の目的の情報を検索して表示することができる情報出力システム、携帯入出力機器およびプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る情報出力システム、携帯入出力機器およびプログラムを図面に基づいて説明する。なお、情報出力システムは、自動車などに設置され、地図帳に携帯入出力機器で描いた軌跡情報を読み取り、その読み取った軌跡情報を電子的な地図に表示するカーナビゲーションシステム10を例に説明する。携帯入出力機器は、カーナビゲーションシステム10の電子ペン20として説明する。プログラムは、カーナビゲーションシステム10の動作の一部として説明する。
【0019】
(カーナビゲーションシステム10の全体説明)
図1は、本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステム10を示すシステム構成図である。カーナビゲーションシステム10は、地図印刷媒体としての地図帳15と、この地図帳15中の位置を選択するための携帯入出力機器としての電子ペン20と、電子ペン20と通信可能なカーナビゲーション装置40と、を主要な構成要素とする。なお、カーナビゲーション装置40は、車両に対して固定的に設置されるものであっても、車両からはずすことができるように設置されるものであってもよい。
【0020】
(地図帳15の説明)
図2は、図1中の地図帳15と同様の地図帳15Aを示す説明図である。図2の地図帳15Aには、全面に渡って複数のドット16からなるドットパターン17が印刷されている。ドットパターン17は、たとえば赤外線を吸収するインクでシートに印刷され、たとえば6×6個のドット16により地図帳15A中の各位置を示す座標値へ変換可能なものである。
【0021】
この座標値は、たとえば図2での地図帳15Aの左上隅を基準とした(x,y)による二次元の座標値で表現できる。なお、座標系の原点は左上以外にも中央や右上などの他の箇所としても勿論よい。
【0022】
携帯入出力機器としての電子ペン20は、ドットパターン17以外の部分で反射されてくる赤外線を赤外線カメラ23(図3参照)で受光してドットパターン17を認識する。そして、当該ドットパターン17を電子ペン20で読み取ることにより、地図帳15A上における当該読み取ったドットパターン17が示している一意の座標値を得ることができる。
【0023】
このドットパターン17は、非常に多数のドット16から構成され、図2の中央に拡大して示すように、0.3mm間隔で赤外線を吸収するインクによりドット16が印刷されている。これらのドット16は、図2中の右にさらに拡大して示すように、格子の中心から上下左右のいずれかの方向に所定量だけずれて印刷されている。
【0024】
このドット16は、6×6=36ドットが集まって1つのドットパターン17を構成しており、1つのドット16は、4通りの組合せを有することから、1.8mm×1.8mmサイズの1つのドットパターン17には4の36乗通りの組合せが存在するため、同じドットパターン17を使用しないことで1つのドットパターン17を一意に識別することが可能となる。
【0025】
なお、地図帳15Aが複数ページある場合、どのページが指定されたかを知る方法としては、例えば、ドットパターン17にページに関する情報を記憶する方法がある。また、全てのページに対して同一の座標系の座標値を用いて記憶する方法もある。すなわち、全てのページを平面上に並べて大きな用紙とした場合に、この大きな用紙の左上隅が原点となるように座標系を設定することができる。なお、座標系の原点は左上以外にも中央や右上などの他の箇所としても勿論よい。また、A4サイズで仮に1000枚分の領域に対して、その識別単位をページ番号で定義したとすると、電子ペン20で指し示した地点は、ページ番号(1〜1000)+A4サイズ内でのXY座標を表現することで、どのページのどの位置であるかを特定することができる。
【0026】
(電子ペン20の説明)
携帯入出力機器としての電子ペン20は、地図帳15に印刷されたドットパターン17を読み取ることで、地図帳15上でのペン先の位置を特定するデータ(座標値)を取得できるものである。これを応用すると、電子ペン20で読み取った複数の座標値を、それらのデータの取得時刻に基づいてカーナビゲーション装置40側でプロットすると、それらの座標値を軌跡情報として再現することができる。
【0027】
図3は、図1中の電子ペン20およびカーナビゲーション装置40の詳細な構成を示すブロック図である。なお、この図3に示す構成では、電子ペン20からカーナビゲーション装置40へ座標値などの情報が送信されるが、カーナビゲーション装置40から電子ペン20へ情報を送信することも可能である。
【0028】
電子ペン20は、図1に示すようにペン形状のハウジング21を有し、図3に示すように、赤外線LED(Light Emitting Diode)22、赤外線カメラ23、通信I/F(Inter Face)24、これらが接続されるマイクロコンピュータ25、これらに給電するバッテリ(不図示)などを主要な構成要素とする。
【0029】
赤外線カメラ23は、たとえば赤外線用のCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)センサであり、受光した赤外線のパターンデータを後述するパターン読取部29へ周期的に出力する。そして、赤外線LED22および赤外線カメラ23は、電子ペン20のペン先に向けて配設される。これにより、電子ペン20の赤外線カメラ23は、赤外線LED22がペン先に向けて照射した赤外線の地図帳15Aによる反射光を受光し、そのペン先付近のドットパターン16を周期的に読み取ることができる。
【0030】
通信I/F24は、たとえばブルートゥース、赤外線通信、無線LAN(Local Area Network)などのインターフェースであり、後述する送信部31からの送信信号により他の機器(ここでは図3に示すカーナビゲーション装置40の通信I/F41)との間でデータを送信するものである。なお、通信I/F24は、この他にもたとえばUSB(Universal Serial Bus)I/FやE/N(Ethernet(登録商標))ケーブルなどの有線の通信ケーブルにより他の機器と接続されることにより通信をするものであってもよい。
【0031】
マイクロコンピュータ25は、時刻や経過時間などを計測するタイマ26、メモリ27、パターン読取部29、生成部30、送信部31、図示外のCPU(Central Processing Unit)などを主要な構成要素とする。
【0032】
メモリ27は、読取データ28などの各種のデータを記憶する。CPUは、メモリ27に記憶される図示外のプログラムを読み込んで実行する。これにより、電子ペン20のマイクロコンピュータ25には、パターン読取部29、生成部30、送信部31などの機能が実現される。
【0033】
パターン読取部29は、赤外線カメラ23から周期的に出力される各パターンデータを読み取って、パターンデータをメモリ27に保存する。生成部30は、パターン読取部29により読み取られたパターンをメモリ27から読み出して、解析して座標値を生成する。なお、マイクロコンピュータ25は、生成した座標値に、タイマ26で計測される現在時刻とを対応付けて、メモリ27に記憶させる。これにより、メモリ27には、読取データ28が記憶される。読取データ28は、生成部30が生成した複数の座標値と、各座標値の読取時刻を示す複数の時刻情報などを含む。
【0034】
送信部31は、電子ペン20の通信I/F24による通信を管理する。送信部31は、メモリ27に記憶させる読取データ28を、送信のために電子ペン20の通信I/F24へ供給する。
【0035】
(カーナビゲーション装置40の説明)
カーナビゲーション装置40は、通信I/F41、表示部としての液晶デバイス42、外部データ入力手段としての入力デバイス43、GPS受信デバイス45、これらが接続される制御部としてのマイクロコンピュータ46などを主要な構成要素とする。
【0036】
通信I/F41は、携帯入出力機器の通信I/F24と同様であるため、説明を省略する。表示部としての液晶デバイス42は、地図や経路案内結果等のデータや画像などを表示させるものである。外部データ入力手段としての入力デバイス43は、カーナビゲーション装置40内に保存されるデータを書き換えるためのCDドライブやDVDドライブ、USBメモリ等の外部記録媒体から入力すらためのデバイスである。GPS受信デバイス45は、GPSによる交通情報などを受信できるデバイスである。
【0037】
制御部としてのマイクロコンピュータ46は、図示外のCPU、データ取得部47、メモリ48、UI(User Interface)部49、位置情報生成部50、軌跡データ解析部51、データ記録部52、経路探索部53、施設探索部54などを主要な構成要素とする。
【0038】
CPUは、メモリ48に記憶される図示外のプログラムを読み込んで実行する。これにより、カーナビゲーション装置40のマイクロコンピュータ46は、データ取得部47、UI部49、位置情報生成部50、軌跡データ解析部51、データ記録部52、経路探索部53、施設探索部54などの機能を実現する。
【0039】
データ取得部47は、カーナビゲーション装置40の通信I/F41による通信を管理する。なお、カーナビゲーション装置40の通信I/F41が、電子ペン20の通信I/F24からデータを受信する。
【0040】
メモリ48は各種のデータを記憶するものであり、具体的には施設情報変換テーブル55、縮尺テーブル56、変換部としての座標変換テーブル57などの各種データベースや、受信データ58、ナビゲーションデータ59、案内経路データ60や、カーナビゲーション装置40の各機能を動作させるプログラム(不図示)などの各種のデータが記憶されている。
【0041】
UI部49は、上述した液晶デバイス42、外部データ入力手段としての入力デバイス43、GPS受信デバイス45とマイクロコンピュータ46とのインターフェースを提供する機能を有する。
【0042】
位置情報生成部50は、GPS受信デバイス45が受信した電波に基づいて車両の現在位置の緯度値と経度値を生成する機能を有する。なお、位置情報生成部50は、カーナビゲーション装置40にジャイロセンサやD−GPS(Differential―Global Positioning System)用のFM(Freqency Modulation)電波などを受信する機能を有する場合、これらの機能により得られる情報に基づいて車両の現在位置の緯度値と経度値を生成したり、これらの機能に基づいてGPS受信デバイス45に基づいて生成した緯度値と経度値を補正したりするようにしてもよい。
【0043】
軌跡データ解析部51は、複数の座標値を1つの軌跡情報として纏める機能を有する。また、軌跡データ解析部51は、メモリ48に読取データ28としての受信データ58が記憶されている場合に、座標変換テーブル57および縮尺テーブル56とこの受信データ58を用いて、地点を抽出するための条件を決定する機能を有する。
【0044】
データ記録部52は、軌跡データ解析部51によって纏められた軌跡情報などを、メモリ48に保存する機能を有する。これにより、メモリ48には、受信データ58などが記憶される。
【0045】
経路探索部53は、ナビゲーションデータ59を用いて、案内経路を探索する機能を有する。たとえば、経路探索部53は、探索により生成した案内経路をメモリ48に記憶させる。これにより、メモリ48には、案内経路データ60が記憶される。
【0046】
情報検索部としての施設情報変換テーブル55は、緯度・経度に紐つけられた施設情報が記録されているデータベースである。
【0047】
図4は、図3中の施設情報変換テーブル55のデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、施設情報変換テーブル55には、施設ジャンルを識別するID、名前(ジャンル名)、緯度・経度、住所、電話番号などを有している。なお、緯度・経度については、所定の計算式により整数値化したものが記憶されている。たとえば、図4のID=502に示す緯度および緯度(125996788、488705777)は、以下の計算式により整数値化されたものである。なお、式1は、緯度X時Y分Z秒の場合の整数値(P)を求めるための式であり、式2は、経度A時B分C秒の場合の整数値(Q)を求めるための式である。
【0048】
〔式1〕
P=(X×60×60+Y×60+Z)×1000
【0049】
〔式2〕
Q=(A×60×60+B×60+C)×1000
【0050】
これらの整数値化された緯度および経度は、地図帳15の座標値と適宜関連付けられて変換された値である。なお、地図帳15の座標値との変換方法の詳細については省略する。
【0051】
また、施設情報変換テーブル55は、マイクロコンピュータ46などの制御によりこれらの情報の選択、結合、射影などの情報処理を行なって施設情報を提供する。
【0052】
縮尺テーブル56は、複数の縮尺の異なる電子的な地図を有しているデータベースである。
【0053】
図5は、図3中の縮尺テーブル56のデータ構造の一例を示す図である。図5に示すように、縮尺テーブル56は、地図帳15に印刷される複数の地図の縮尺を記憶する。
【0054】
縮尺テーブル56に記録されている各縮尺には、抽出範囲のサイズ(半径)を示す抽出範囲サイズ情報が対応付けられている。たとえば、10万分の1の縮尺には、半径2キロメートルの抽出範囲サイズ情報が対応付けられている。この複数の抽出範囲サイズ情報は、地図の縮尺に応じた複数の抽出範囲の情報となる。なお、この図5中の複数の抽出範囲のサイズ(半径)は、地図帳15Aにおいて所定の共通のサイズ(たとえば半径2センチメートル)となるものである。なお、縮尺テーブル56は、施設情報変換テーブル55と同様に、マイクロコンピュータ46などの制御によりこれらの情報の抽出範囲サイズ情報を決定する。
【0055】
変換部としての座標変換テーブル57は、電子ペン20から送信されてきた読取データ28としての座標値から地図上の緯度値および経度値の情報(位置情報)へ変換するためのデータベースである。
【0056】
図6は、図3中の座標変換テーブル57のデータ構造の一例を示す図である。図6に示すように、座標変換テーブル57は、ページ番号と、基準緯度と、基準経度と、緯度X座標間隔と、経度Y座標間隔と、を有している。ページ番号は、地図帳15をページ単位で定義した情報である。基準緯度は、地図帳15の所定のX座標値に対応する緯度である。また、基準経度は、地図帳15の所定のY座標値に対応する経度である。緯度X座標間隔は、経度のX座標1ポイントあたりの間隔を示す情報であり、図6では、X座標1ポイントあたり3.1秒変化することを示している。また、経度Y座標間隔は、緯度のY座標1ポイントあたりの間隔を示す情報であり、経度Y座標が1ポイントあたり2.5秒変化することを示している。なお、基準緯度および基準経度は、図4において説明したように、所定の計算式で整数値化して処理を行なっている。また、座標変換テーブル57の各座標値には、その座標値がコード化されたドットパターン16と重ねて印刷される地図中の地点の緯度値と経度値が対応付けられている。なお、座標変換テーブル57は、施設情報変換テーブル55と同様に、マイクロコンピュータ46などの制御によりこれらの情報の変換処理を行ない、緯度値と経度値を提供する。
【0057】
受信データ58は、携帯入出力機器としての電子ペン20から送信されてきた読取データ28をメモリ48に記録したものである。また、受信データ58は、携帯入出力機器としての電子ペン20以外から受信したデータも含み、たとえば入力デバイス44から入力されたデータなども受信データ58として扱うものとする。
【0058】
ナビゲーションデータ59は、たとえば地図表示データ、複数のノードデータ、複数のリンクデータ、複数の施設データなどを有する。地図表示データは、たとえば、表示部としての液晶デバイス42に地図を表示させるためのデータであり、また、地図帳15に掲載される地図などを画像データ化したものである。
【0059】
ノードデータは、交差点や曲がり角の地点のデータであり、たとえばその地点の名称や緯度値と経度値などの属性情報を有する。リンクデータは、交差点と交差点とを結ぶ道路区間に対応付けられるデータであり、たとえばそれが接続される複数のノードの情報や道路名などの属性情報を有する。施設データは、会社、ビル、展示場などの施設に関するデータであり、たとえば各施設の名称を示すテキストデータや緯度値と経度値などの属性情報を有する。
【0060】
続いて、上述したカーナビゲーションシステム10の具体的な動作について説明する。
【0061】
図7は、図1に示すカーナビゲーション装置40が行なう第一の検索処理を示すフローチャートである。
【0062】
カーナビゲーション装置40の制御部としてのマイクロコンピュータ46は、電源が投下されるまたは第一の検索処理を開始する設定になると第一の検索処理を開始し(START)、軌跡情報が入力されたか否かの判定を行なう(ステップS100)。
【0063】
マイクロコンピュータ46は、軌跡情報が入力されていない場合には(ステップS100でNo)、ステップS100の判定処理を繰り返す。一方、マイクロコンピュータ46は、軌跡情報が入力された場合には(ステップS100でYes)、軌跡情報を構成するデータの中に座標値があるか否かの判定処理を行なう(ステップS101)。マイクロコンピュータ46は、軌跡情報を構成するデータの中に座標値がない場合には(ステップS101でNo)、第一の検索処理を終了する(END)。一方、マイクロコンピュータ46は、軌跡情報を構成するデータの中に座標値がある場合には(ステップS101でYes)、軌跡情報を構成する座標値の一つを緯度経度の情報に変換する(ステップS102)。
【0064】
そして、マイクロコンピュータ46は、ステップS102で変換した緯度経度に関連付けられて登録されている施設があるか否かを判定する(ステップS103)。マイクロコンピュータ46は、ステップS102で変換した緯度経度に関連付けられて登録されている施設がある場合には(ステップS103でYes)、その施設情報を液晶デバイスに表示する(ステップS104)。
【0065】
一方、マイクロコンピュータ46は、ステップS102で変換した緯度経度の情報に関連付けられて登録されている施設がない場合には(ステップS103でNo)、更に軌跡情報を構成する座標値に未変換のデータがないか否かを判定する(ステップS105)。なお、上述したステップS104の処理後もこのステップS105の処理に移行する。
【0066】
マイクロコンピュータ46は、軌跡情報を構成する座標値に未変換のデータがある場合には(ステップS105でNo)、ステップS102の処理に戻る。一方、マイクロコンピュータ46は、軌跡情報を構成する座標値に未変換のデータがない場合には(ステップS105でYes)、第一の検索処理を終了する(END)。
【0067】
この第一の検索処理の一例を図面で示す。図8に示すように、地図帳15Bに印刷されている道路線上を電子ペン20でなぞる。カーナビゲーション装置40は、電子ペン20から送信されてきた座標値を緯度経度の情報に変換して、その電子的な地図の道路上を進行するカーソルCとして液晶デバイス42上にプロットする。同時に、カーナビゲーション装置40は、その変換した緯度経度の情報に関連付けられている施設情報Pを液晶デバイス42に表示させる。
【0068】
このような第一の検索処理により、携帯入出力機器としての電子ペン20から受信した軌跡情報から施設情報を検索して液晶デバイス42に表示させることができる。したがって、ユーザに煩雑な操作を強いることなく、電子ペン20で地図帳15Bの所望の箇所を指し示すという容易な操作のみで情報を検索することができる。
【0069】
また、この第一の検索処理を繰り返して連続的に行なうことで、電子ペン20をなぞる動作に連動しながら、カーナビゲーション装置40の液晶デバイス42に施設情報を表示させることができる。つまり、図9に示すように、カーナビゲーション装置40は、パターン読取部29で地図帳15B上のドットパターン17を連続的に読み取った場合には、連続的に読み取られたドットパターン17から表示座標変換テーブル57を用いて緯度・経度の情報に順次変換し、情報検索部54でその変換される緯度・経度の情報を中心点として任意の範囲Mを決定して、任意の範囲Mを電子ペン20の動作に連動して順次変化させながら、施設情報の検索処理と表示処理を連続的に行なうものである。
【0070】
続いて、カーナビゲーションシステム10の第二の検索処理について説明する。この第二の検索処理は、第一の検索処理と異なり、地図上の道路付近を電子ペン20でなぞるのではなく、所定の領域(任意の範囲)について施設情報を検索したい場合に有効である。
【0071】
図10は、図1に示すカーナビゲーション装置40が行なう第二の検索処理を示すフローチャートである。
【0072】
カーナビゲーション装置40の制御部であるマイクロコンピュータ46は、電源が投下されるまたは第二の検索処理を開始する設定になると(START)、軌跡情報が入力されたか否かの判定を行なう(ステップS110)。マイクロコンピュータ46は、軌跡情報が入力されていない場合には(ステップS110でNo)、ステップS110の判定処理を繰り返す。
【0073】
一方、マイクロコンピュータ46は、軌跡情報が入力された場合には(ステップS110でYes)、軌跡情報を構成するデータの中に座標値があるか否かの判定処理を行なう(ステップS111)。マイクロコンピュータ46は、軌跡情報を構成するデータの中に座標値がない場合には(ステップS111でNo)、第二の検索処理を終了する(END)。一方、マイクロコンピュータ46は、軌跡情報を構成するデータの中に座標値がある場合には(ステップS111でYes)、軌跡情報に含まれる複数の座標値から最大値および最小値を抽出する処理を行なって検索領域を決定する(ステップS112)。ここで、ステップS112で行なう最大値および最小値を抽出する処理について図を用いて説明する。
【0074】
図11は、図1に示すカーナビゲーション装置40が行なう座標値の最大値および最小値を抽出する処理を概念的に示す図である。たとえば、地図印刷媒体としての地図帳15C上において左隅の角所定の1点を始点(0、0)として定め、横方向位置をXn、縦方向位置をYmとする座標体系とする。
【0075】
この地図帳15Cに印刷されている地図には、地点S、地点A、地点Gが印刷されている。そして、ユーザが地点Sから地点Aまでに含まれる施設情報を検索したいと考え、電子ペン20で軌跡βを描いたとする。すると、電子ペン20は、その軌跡βから構成される複数の座標値(Xn,Ym)を取得して、カーナビゲーション装置40に送信する。
【0076】
カーナビゲーション装置40の制御部であるマイクロコンピュータ46は、検索範囲決定部(不図示)を用いてその軌跡βを構成する複数の座標値(Xn,Ym)を取得したときに、それらの座標値の中から横方向の最小値(Xmin)および最大値(Xmax)と縦方向の最小値(Ymin)および最大値(Ymax)を検出する。
【0077】
そして、マイクロコンピュータ46は、地図帳15C上のT1(Xmin,Ymin),T2(Xmin,Ymax),T3(Xmax,Ymin),T4(Xmax,Ymax)を特定して検索領域を決定する。なお、マイクロコンピュータ46は、上述したT1〜T4の4つの座標値のうち対角線2つに対応した座標値(たとえば、T1とT4)を算出することにより、検索領域を決定することとしてもよい。
【0078】
マイクロコンピュータ46は、ステップS112において算出された検索領域を構成する座標値をそれぞれ緯度経度に変換する処理を行なう(ステップS113)。そして、マイクロコンピュータ46は、ステップS113で変換した緯度経度で囲まれる検索理領域内に含まれる座標値に関連付けて登録されている施設があるか否かを判定する(ステップS114)。
【0079】
マイクロコンピュータ46は、登録されている施設がある場合には(ステップS114でYes)、液晶デバイス42に当該施設情報を表示して(ステップS115)、第二の検索処理を終了する(END)。一方、マイクロコンピュータ46は、登録されている施設がない場合には(ステップS114でNo)、そのまま第二の検索処理を終了する(END)。
【0080】
このような第二の検索処理により、電子ペン20で地図帳15Cに表示されている道路上をなぞる以外にも、所定の範囲内に含まれる地域の施設情報を検索することができる。したがって、ユーザに煩雑な操作を強いることなく、電子ペン20で地図帳15Cの所望の範囲を囲むという容易な操作のみで情報を検索することができる。
【0081】
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や変更が可能である。
【0082】
上述した実施形態は、座標値に関連付けられて登録されている施設情報であれば、すべて液晶デバイス42に表示させるものである。この他にもたとえば、電子的な地図上に表示する施設のジャンルを指定できる施設ジャンル選択手段を備えてもよい。
【0083】
図12は、図1に示す地図帳15と同様の地図帳15Dに地図Mと、施設ジャンル選択手段S1,S2,S3とが印刷されている図である。この施設ジャンル選択手段S1,S2,S3は、電子ペン20で選択された範囲に含まれる施設であって、かつそのジャンルに属する施設である施設のみを表示させるために使用する領域である。この施設ジャンル選択手段S1,S2,S3は、図12に示すように、地図帳15Dの地図Mを印刷している領域以外に設けられる。
【0084】
この施設ジャンル選択手段S1,S2,S3で囲まれた特定の領域に含まれる座標値には、施設ジャンルIDが関連付けて保存されている。そして、施設ジャンル選択手段S1,S2,S3の座標値を電子ペン20が一度読み取ると、その後に電子ペン20で読み取った複数の座標値から施設検索部54により検索された施設情報の有する施設ジャンルIDのなかから、一致する施設ジャンルIDである施設情報のみを最終的に表示する。つまり、両者の施設情報IDの有無を0,1のフラグで判定し、そのフラグの論理積を求めることにより、最終的に表示する施設情報を決定して施設情報を表示させることができる。
【0085】
また、カーナビゲーション装置40の液晶デバイス42に複数の施設情報が表示されている場合には、この施設ジャンル選択手段S1,S2,S3のいずれかを電子ペン20で読み取ることにより、不要な施設情報を液晶デバイス42から消し去り、必要な施設情報のみを表示させることもできる。なお、施設ジャンル選択手段S1,S2,S3の領域に描く文字、図形、記号、模様は、その施設ジャンルをユーザが連想しやすいものが好ましい。たとえば、ガソリンスタンドであれば施設ジャンル選択手段S2のように「GS」が含まれる図形とするなどである。
【0086】
このような施設ジャンル選択手段S1,S2,S3を備えることにより、上述した効果に加え、ユーザの検索したい施設情報に合致した結果を得ることができる。たとえば、登録されている施設情報が多数ある都心などの場所であっても、ユーザが検索したい所望の施設ジャンルに属する施設情報のみを検索結果として表示させることができる。
【0087】
また、上述した実施形態は、カーナビゲーション装置40側に座標変換テーブル57および情報検索部54を備えるものである。この他にもたとえば、電子ペン20にこれらの機能を持たせた上で、更にユーザ通知手段を有する電子ペン20としてもよい。このユーザ通知手段は、たとえば振動デバイスであり、電子ペン20で指し示した座標値から所定の範囲内に施設情報があるときに、振動デバイスを振動させて、その付近に施設情報があることをユーザに知らせるものである。なお、ユーザ通知手段は、振動させて知らせるもののほか、LEDを点滅させたり、音を出力させたりするものでもよい。
【0088】
このようなユーザ通知手段を備えることにより、上述した効果に加え、検索結果を端的に知り得るきっかけとなり、ユーザが液晶デバイス42の表示画面を常に注視していなくともよい。
【0089】
また、上記実施の形態に係るカーナビゲーション装置40のメモリ48に記憶される施設情報変換テーブル55もしくは座標変換テーブル57、または電子ペン20のメモリ27にこの施設情報変換テーブル55もしくは座標変換テーブル57を備えさせた場合に、これらに記録されている施設情報、電子的な地図情報、緯度経度の情報は予め保存されているものである。したがって、これらの情報を容易に入れ替え可能とするためにカーナビゲーション装置40または電子ペン20に外部データ入力手段を備えていてもよい。外部データ入力手段は、たとえば、カーナビゲーション装置40であれば、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブ、SDカードなどの外部メモリ接続装置であってもよいし、電子ペン20であればSDカードなどの外部メモリ接続装置であってもよい。
【0090】
また、上記実施の形態に係る携帯入出力機器としての電子ペン20のメモリ27に記憶されるプログラムおよびカーナビゲーション装置40のメモリ48に記憶されるプログラムは、これらの機器の出荷前にメモリ27,48に記憶されたものであっても、これらの機器の出荷後にメモリ27,48に記憶されたものであってもよい。また、これらのプログラムの一部が、これらの機器の出荷後に記憶されたものであってもよい。このように出荷後にメモリ27,48に記憶されるプログラムは、たとえばCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)や半導体メモリなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してサーバ装置などからダウンロードしたものであってもよい。
【0091】
また、上記実施の形態に係るカーナビゲーション装置40のメモリ48に記憶されるプログラムおよび上述した各種のデータは、その一部あるいは全部が、マイクロコンピュータ46外のたとえばHDDなどの外部記憶デバイスや、カーナビゲーション装置40と着脱可能なたとえばメモリカードやCD−ROMに記憶されていてもよい。特に、施設情報変換テーブル55、座標変換テーブル57および縮尺テーブル56のいずれか一つまたは複数が、地図帳15の印刷内容と密接に関連するデータを有する場合は、そのデータは、カーナビゲーション装置40から着脱可能なメモリカードに記憶され、地図帳15とともにユーザへ提供されるようにするとよい。これにより、カーナビゲーション装置40は、各地図帳15などに対応するメモリカードが交換して装着されることで、複数の地図帳15などに対応することができる。
【0092】
また、上記実施の形態に係るカーナビゲーションシステム10が有する各構成ブロックの機能は、全てまたはその一部をソフトウェアによって実現しても、あるいはその少なくとも一部をハードウェアで実現しても良い。例えば、制御部46における処理の全部またはその一部は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現してもよく、その少なくとも一部をハードウェアで実現してもよい。
【0093】
また、上記実施の形態に係るカーナビゲーションシステム10のカーナビゲーション装置40を装置の全部または一部として動作させるためのコンピュータプログラムを、メモリカード、CD(compact disc)、DVD(digital versatile disk)、MO(magneto−optical)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータ、例えば、携帯電話、オーディオ機器、電子時計等にインストールし、カーナビゲーション装置40として動作させ、あるいは、カーナビゲーション装置40が行なう工程を実行させてもよい。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、カーナビゲーション装置40となるコンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0094】
また、上記実施の形態は、カーナビゲーションシステム10を例に説明したが、船用などの他のナビゲーションシステムにも本発明を適用できる。また、ナビゲーションシステムではなく、単に施設その他を検索する検索システムにも本発明を適用できる。たとえば、弁護士事務所、医院、老人が住んでいる家など登録できる情報全てについて検索対象とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、目的の情報を検索するための全てのシステムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステムを示すシステム構成図である。
【図2】図1中の地図帳と同様の地図帳を示す説明図である。
【図3】図1中の電子ペンおよびナビゲーション装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】図3中の施設情報変換テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図5】図3中の縮尺テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図6】図3中の座標変換テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図7】図1に示すナビゲーション装置が行なう第一の検索処理を示すフローチャートである。
【図8】図7に示す第一の検索処理の一例を示す図である。
【図9】図7に示す第一の検索処理を繰り返して連続的に行なった場合の任意の範囲の変化を示す図である。
【図10】図1に示すナビゲーション装置が行なう第二の検索処理を示すフローチャートである。
【図11】図1に示すナビゲーション装置が行なう座標値の最大値および最小値を抽出する処理を概念的に示す図である。
【図12】図1に示す地図帳と同様の地図帳に地図と、施設ジャンル選択手段とが印刷されている図である。
【符号の説明】
【0097】
10 カーナビゲーションシステム(情報出力システム)、15,15A〜D 地図帳(地図印刷媒体)、20 電子ペン(携帯入出力機器)、29 パターン読取部、30 生成部、42 液晶デバイス(表示部)、43 入力デバイス(外部データ入力手段)、46 マイクロコンピュータ(制御部)、55 施設情報変換テーブル(情報検索部)、57 緯度・経度変換テーブル(変換部)、S1〜S3 施設ジャンル選択手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体上に記された位置を示す座標値に変換可能なパターンと地図とが重ねて印刷された地図印刷媒体と、
上記パターンを読み取るパターン読取部と、
読み取った上記パターンから上記座標値を生成する生成部と、
上記座標値を上記地図上の位置情報に変換できる変換部と、
変換された上記位置情報に基づき算出された所定の範囲に含まれる目的の情報を検索する情報検索部と、
上記地図印刷媒体の地図に対応した電子的な地図を表示すると共に、上記情報検索部により検索された上記目的の情報を上記電子的な地図に重ね合わせて表示する表示部と、
を有することを特徴とする情報出力システム。
【請求項2】
前記地図印刷媒体に印刷されている道路に沿って前記パターンを読み取って、前記パターンを前記位置情報へ変換し、変換した前記位置情報に基づき算出された上記道路周辺の施設を検索して施設情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項3】
前記電子的な地図上に表示する施設情報のジャンルを指定できる施設ジャンル選択手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項4】
前記変換部の有する変換情報を入れ替えることができる外部データ入力手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項5】
前記変換部は、前記パターン読取部が前記地図印刷媒体上の前記パターンを連続的に読み取った場合には、連続的に読み取られた前記パターンを前記位置情報に順次変換し、
前記情報検索部は、前記所定の範囲を順次変化させて、施設情報の検索処理と表示処理を連続的に行なうことを特徴とする請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項6】
地図印刷媒体から位置を示す座標値に変換可能なパターンを読み取るパターン読取部と、
読み取った上記パターンから上記座標値を生成する生成部と、
上記座標値を上記電子的な地図上の位置情報に変換できる変換部と、
変換された上記位置情報に基づき算出された所定の範囲に含まれる目的の情報を検索する情報検索部と、
上記情報検索部により上記目的の情報があると判定されたときに、ユーザへその旨を通知するユーザ通知手段と、
を有することを特徴とする携帯入出力機器。
【請求項7】
前記変換部の有する変換情報を入れ替えることができる外部データ入力手段を有することを特徴とする請求項6に記載の携帯入出力機器。
【請求項8】
コンピュータを前記請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報出力システムとして機能させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータを前記請求項6または請求項7のいずれか1項に記載の携帯入出力機器として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
印刷媒体上に記された位置を示す座標値に変換可能なパターンと地図とが重ねて印刷された地図印刷媒体と、
上記パターンを読み取るパターン読取部と、
読み取った上記パターンから上記座標値を生成する生成部と、
上記座標値を上記地図上の位置情報に変換できる変換部と、
変換された上記位置情報に基づき算出された所定の範囲に含まれる目的の情報を検索する情報検索部と、
上記地図印刷媒体の地図に対応した電子的な地図を表示すると共に、上記情報検索部により検索された上記目的の情報を上記電子的な地図に重ね合わせて表示する表示部と、
を有することを特徴とする情報出力システム。
【請求項2】
前記地図印刷媒体に印刷されている道路に沿って前記パターンを読み取って、前記パターンを前記位置情報へ変換し、変換した前記位置情報に基づき算出された上記道路周辺の施設を検索して施設情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項3】
前記電子的な地図上に表示する施設情報のジャンルを指定できる施設ジャンル選択手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項4】
前記変換部の有する変換情報を入れ替えることができる外部データ入力手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項5】
前記変換部は、前記パターン読取部が前記地図印刷媒体上の前記パターンを連続的に読み取った場合には、連続的に読み取られた前記パターンを前記位置情報に順次変換し、
前記情報検索部は、前記所定の範囲を順次変化させて、施設情報の検索処理と表示処理を連続的に行なうことを特徴とする請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項6】
地図印刷媒体から位置を示す座標値に変換可能なパターンを読み取るパターン読取部と、
読み取った上記パターンから上記座標値を生成する生成部と、
上記座標値を上記電子的な地図上の位置情報に変換できる変換部と、
変換された上記位置情報に基づき算出された所定の範囲に含まれる目的の情報を検索する情報検索部と、
上記情報検索部により上記目的の情報があると判定されたときに、ユーザへその旨を通知するユーザ通知手段と、
を有することを特徴とする携帯入出力機器。
【請求項7】
前記変換部の有する変換情報を入れ替えることができる外部データ入力手段を有することを特徴とする請求項6に記載の携帯入出力機器。
【請求項8】
コンピュータを前記請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報出力システムとして機能させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータを前記請求項6または請求項7のいずれか1項に記載の携帯入出力機器として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図9】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図9】
【図12】
【公開番号】特開2009−244731(P2009−244731A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−93190(P2008−93190)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]