説明

情報通知方法および装置

【課題】 建物に異常が発生した場合に、ユーザ、若しくはユーザの代理人に確実に当該異常を認識させ、発生した異常に即座に対応させることのできる情報通知方法および端末を提供する。
【解決手段】 セキュリティサーバ1は、センサ21により建物の異常を検知すると、異常を検知した時点で監視カメラ22で撮像された画像情報へのリンク、およびセキュリティサーバ1のメールアドレスを埋め込んだ異常通知メールを携帯電話端末3に送り、携帯電話端末3からの画像情報へのアクセス、および返信メールのどちらも確認されなかった場合に、異常通知メールがユーザに確認されていないと判定し、セキュリティセンタ4に異常の発生を通知する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、情報通知方法および装置に関し、特に、各家庭等のセキュリティに関する情報を携帯電話端末等に通知することでセキュリティの確保を図った情報通知方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物内に異常が発生した場合にユーザの保有する携帯電話端末に建物の異常を音声または映像で送信し、それにより、ユーザに建物の異常を通知するセキュリティシステムが提供されており、このようなセキュリティシステムによれば、ユーザが外出している場合においても、建物に発生した異常をユーザが即座に認識することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のセキュリティシステムでは、携帯電話の電源が入っていなかったり、携帯電話に異常が通知されたことにユーザが気付かなかった場合に、発生した異常に即座に対応することができない。
【0004】そこで、この発明は、建物に異常が発生した場合に、ユーザ、若しくはユーザの代理人に確実に当該異常を認識させ、発生した異常に即座に対応させることのできる情報通知方法および端末をを提供すること目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成するため、請求項1記載の発明は、所定の監視対象域の物理現象を監視し、監視により物理現象が検出された場合、物理現象が検出されたことを示す検出情報を第1の外部装置に通知し、通知された検出情報に、前記第1の外部装置の利用者がアクセスしたか否かを判断し、アクセスしていないと判断された場合、物理現象が検出されたことを示す検出情報を第2の外部装置に対して通知することを特徴とする。
【0006】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の外部装置に検出情報を通知してから所定時間経過した時点でアクセスしていないと判断された場合に、前記第2の外部装置に検出情報を通知することを特徴とする。
【0007】また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の外部装置に検出情報を所定回数通知し、所定回数通知してもアクセスしていないと認識された場合に、前記第2の外部装置に検出情報を通知することを特徴とする。
【0008】また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、検出された物理現象が特定の内容である場合は、前記第1の外部装置の利用者が検出情報にアクセスしたか否かの判断を待たずに、検出情報を前記第2の外部装置に対して通知することを特徴とする。
【0009】また、請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の外部装置に通知する検出情報と、前記第2の外部装置に通知する検出情報とは、それぞれ内容が異なることを特徴とする。
【0010】また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記第2の外部装置に通知する検出情報は、前記第1の外部装置が前記検出情報を確認したか否かを示す情報を含むことを特徴とする。
【0011】また、請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の外部装置に通知された検出情報にアクセスしたことを示すアクセス済情報を、前記第1の外部装置から受信し、該アクセス済情報が受信された場合、検出情報に前記第1の外部装置の利用者がアクセスしたと判断することを特徴とする。
【0012】また、請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記アクセス済情報とは、電子メールであることを特徴とする。
【0013】また、請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の外部装置に通知する検出情報には、検出された物理現象の静止画像または動画像を含むことを特徴とする。
【0014】また、請求項10記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第2の外部装置に通知する情報は、非画像であることを特徴とする。
【0015】また、請求項11記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の外部装置に対する検出情報の通知は、電子メールを用いて行なわれることを特徴とする。
【0016】また、請求項12記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の外部装置に対する検出情報の通知は、電話回線を利用した音声を用いて行なわれることを特徴とする。
【0017】また、請求項13記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の外部装置に対する検出情報の通知を、電子メールを用いて行ない、該電子メールを用いて通知された検出情報に、前記第1の外部装置の利用者がアクセスしていないと判断された場合は、前記第1の外部装置に対する検出情報の通知を、電話回線を利用した音声を用いて行なうことを特徴とする。
【0018】また、請求項14記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の外部装置は、複数の外部装置からなり、前記検出情報は、前記複数の外部装置にそれぞれ通知され、前記複数の外部装置のいずれの外部装置も前記検出情報を確認していないと判別された場合は、該検出情報を前記第2の外部装置に通知することを特徴とする。
【0019】また、請求項15記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記複数の外部装置は、それぞれ携帯端末であり前記複数の外部装置に対する前記検出情報の通知は、前記携帯電話端末のそれぞれの位置検出機能を用いて検出された各携帯電話端末の位置情報に基づき前記監視対象領域に最も近い携帯電話端末を優先して行なわれることを特徴とする。
【0020】また、請求項16記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記検出情報を前記第2の外部装置に通知した旨の情報を前記第1の外部装置に通知することを特徴とする。
【0021】また、請求項17記載の発明は、請求項1記載の発明において、検出情報には、物理現象の内容を把握できる情報が含まれていることを特徴とする。
【0022】また、請求項18記載の発明は、請求項1記載の発明において、 前記第1の外部装置が前記検出情報を確認したかの判別は、前記第1の外部装置が前記検出情報を受信可能な状態にあるか否かを示す情報に基づき行われることを特徴とする。
【0023】また、請求項19記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の外部装置は、携帯端末であることを特徴とする。
【0024】また、請求項20記載の発明は、情報通知方法において、所定の監視対象域の物理現象を監視し、監視により物理現象が検出された場合、物理現象が検出されたことを示す第1の検出情報を第1の外部装置に通知し、物理現象が検出されたことを示す第2の検出情報を第2の外部装置に通知し、該第1の検出情報と該第2の検出情報とは、内容が異なることを特徴とする。
【0025】また、請求項21記載の発明は、情報通知装置は、所定の監視対象域の物理現象を監視する監視手段と、監視により物理現象が検出された場合、物理現象が検出されたことを示す検出情報を第1の外部装置に通知する第1の通知手段と、通知された検出情報に、前記第1の外部装置の利用者がアクセスしたか否かを判断する判断手段と、アクセスしていないと判断された場合、物理現象が検出されたことを示す検出情報を第2の外部装置に対して通知する第2の通知手段とを具備することを特徴とする。
【0026】また、請求項22記載の発明は、請求項21記載の発明において、前記第2の通知手段は、前記第1の外部装置に検出情報を通知してから所定時間経過した時点でアクセスしていないと判断された場合に、前記第2の外部装置に検出情報を通知することを特徴とする。
【0027】また、請求項23記載の発明は、請求項21記載の発明において、前記第1の通知手段は、前記第1の外部装置に検出情報を所定回数通知し、前記第2の通知手段は、所定回数通知してもアクセスしていないと認識された場合に、前記第2の外部装置に検出情報を通知することを特徴とする。
【0028】また、請求項24記載の発明は、請求項21記載の発明において、前記第2の通知手段は、検出された物理現象が特定の内容である場合は、前記第1の外部装置の利用者が検出情報にアクセスしたか否かの判断を待たずに、検出情報を前記第2の外部装置に対して通知することを特徴とする。
【0029】また、請求項25記載の発明は、請求項21記載の発明において、前記第1の外部装置に通知する検出情報と、前記第2の外部装置に通知する検出情報とは、それぞれ内容が異なることを特徴とする。
【0030】また、請求項26記載の発明は、請求項25記載の発明において、前記第2の通知手段は、前記判別手段により判別された前記第1の外部装置が前記検出情報を確認したか否かを示す情報を含む検出情報を前記第2の外部装置に通知することを特徴とする。
【0031】また、請求項27記載の発明は、請求項21記載の発明において、前記判断手段は、前記第1の外部装置に通知された検出情報にアクセスしたことを示すアクセス済情報を、前記第1の外部装置から受信し、該アクセス済情報が受信された場合、検出情報に前記第1の外部装置の利用者がアクセスしたと判断することを特徴とする。
【0032】また、請求項28記載の発明は、請求項27記載の発明において、前記アクセス済情報とは、電子メールであることを特徴とする。
【0033】また、請求項29記載の発明は、請求項21記載の発明において、前記第1の外部装置に通知する検出情報には、検出された物理現象の静止画像または動画像を含むことを特徴とする。
【0034】また、請求項30記載の発明は、請求項21記載の発明において、前記第2の外部装置に通知する情報は、非画像であることを特徴とする。
【0035】また、請求項31記載の発明は、請求項21記載の発明において、前記第1の外部装置に対する検出情報の通知は、電子メールを用いて行なわれることを特徴とする。
【0036】また、請求項32記載の発明は、請求項21記載の発明において、前記第1の外部装置に対する検出情報の通知は、電話回線を利用した音声を用いて行なわれることを特徴とする。
【0037】また、請求項33記載の発明は、請求項21記載の発明において、前記第1の通知手段は、前記第1の外部装置に対する検出情報の通知を、電子メールを用いて行ない、該電子メールを用いて通知された検出情報に、前記第1の外部装置の利用者がアクセスしていないと判断された場合は、前記第1の外部装置に対する検出情報の通知を、電話回線を利用した音声を用いて行なうことを特徴とする。
【0038】また、請求項34記載の発明は、請求項21記載の発明において、前記第1の外部装置は、複数の外部装置からなり、前記検出情報は、前記複数の外部装置にそれぞれ通知され、前記複数の外部装置のいずれの外部装置も前記検出情報を確認していないと判別された場合は、該検出情報を前記第2の外部装置に通知することを特徴とする。
【0039】また、請求項35記載の発明は、請求項24記載の発明において、前記複数の外部装置は、それぞれ携帯端末であり前記複数の外部装置に対する前記検出情報の通知は、前記携帯電話端末のそれぞれの位置検出機能を用いて検出された各携帯電話端末の位置情報に基づき前記監視対象領域に最も近い携帯電話端末を優先して行なわれることを特徴とする。
【0040】また、請求項36記載の発明は、請求項21記載の発明において、前記検出情報を前記第2の外部装置に通知した旨の情報を前記第1の外部装置に通知することを特徴とする。
【0041】また、請求項37記載の発明は、請求項21記載の発明において、検出情報には、物理現象の内容を把握できる情報が含まれていることを特徴とする。
【0042】また、請求項38記載の発明は、請求項21記載の発明において、前記第1の外部装置が前記検出情報を確認したかの判別は、前記第1の外部装置が前記検出情報を受信可能な状態にあるか否かを示す情報に基づき行われることを特徴とする。
【0043】また、請求項39記載の発明は、請求項21記載の発明において、前記第1の外部装置は、携帯端末であることを特徴とする。
【0044】また、請求項40記載の発明は、情報通知装置において、所定の監視対象域の物理現象を監視する監視手段と、監視により物理現象が検出された場合、物理現象が検出されたことを示す第1の検出情報を第1の外部装置に通知する第1の通知手段と、物理現象が検出されたことを示す第2の検出情報を第2の外部装置に通知する第2の通知手段とを具備し、該第1の検出情報と該第2の検出情報とは、内容が異なることを特徴とする。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係わる文書管理方法および装置の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0046】図1は、この発明に係わる情報通知システムの一例を示すシステム構成図である。
【0047】図1において、この実施の形態の情報通知システムは、セキュリティサーバ1、携帯電話端末3(3−1乃至3−n)、セキュリティセンタ4、警察や消防署などの公的機関5を、公衆電話網、無線通信網、インターネット等から構成される公衆ネットワーク6を介して接続することにより構成されている。また、各種センサ21(21−1乃至21−l)、監視カメラ22(22−1乃至22−m)は、監視対象の建物内外に設置され、セキュリティサーバ1に接続される。
【0048】セキュリティサーバ1は、監視対象の建物内(若しくは外)に設置され、監視カメラ22で撮像された画像を録画する。また、センサ21から出力された警告信号に応じた警告メッセージを載せた異常通知メールを作成し、異常の発生時に監視カメラ22によって撮像された静止画像や動画像へのリンクを埋め込んで、携帯電話端末3、セキュリティセンタ4に送信する。なお、セキュリティサーバ1は、異常の発生時に監視カメラ22によって撮像された静止画像や動画像を添付ファイルとして異常通知メールとともに送信することもできる。
【0049】センサ21(21−1乃至21−l)は、火事やガス漏れを検知する煙感知センサやガス感知センサ、侵入者を検知するドアセンサや赤外線センサ等から構成され、異常を検知して警告信号を出力する。なお、センサ21は、必要なセンサの種類および数を、目的に応じて任意に設置することができる。
【0050】監視カメラ22(22−1乃至22−m)は、デジタルカメラやビデオカメラで構成され、室内における異常の有無を監視するための撮影を行う。なお、監視カメラ22は、目的に応じて任意の場所に任意の数設置することができる。
【0051】ここで、センサ21と監視カメラ22は、少なくとも1対1対応して設置される。即ち、センサ21で検知された異常は、必ず監視カメラ22で撮像されるように設置される。例えば、近接して設置される複数のセンサについては1台の監視カメラで対応させても良いし、また、1つのセンサに複数の監視カメラを対応させることで異なる視点から多面的に異常を撮像させることもできる。
【0052】携帯電話端末3(3−1乃至3−n)は、監視対象の建物の所有者や住人や管理者(以下、単にユーザという)が所持する一般的な携帯電話端末で、その電話番号は、予めセキュリティサーバ1に登録される。また、携帯電話端末3のうちの、固有のメールアドレスを有してメールや画像の送受信が可能な端末については、そのメールアドレスも予めセキュリティサーバ1に登録される。
【0053】セキュリティセンタ4は、セキュリティサーバ1からの異常通知の受け付けが可能な機関であり、専門の警備会社、或いは自治体単位の自主的な組織であっても良いし、防犯・防火の通報を受け付ける市町村単位の公的な組織、即ち、警察、消防、病院等の公的機関5そのものであっても良い。
【0054】図2は、セキュリティサーバ1の構成の一例を示すブロック図である。
【0055】図2において、セキュリティサーバ1は、通信制御部11、警告信号受信部12、カメラ制御部13、画像記憶部14、画像解析部15、メール通知制御部16、音声通知制御部17、端末情報保持部18、通知状況監視部19を少なくとも有して構成される。
【0056】カメラ制御部13は、撮像領域の変更やズーミング等、監視カメラ22の制御を行うとともに、監視カメラ22で撮像された画像情報を、画像記憶部14に録画する。
【0057】警告信号受信部12は、センサ21から警告信号を受信し、受信した警告信号の発信元であるセンサ21の設置場所に基づいて異常事態の発生した場所を特定し、画像解析部15、メール通知制御部16、音声通知制御部17に通知する。ここで、警告信号受信部12は、受信した警告信号の発信元のセンサ21の種類によって、発生した異常事態のおおよその内容を特定するようにしても良い。例えば、警告信号の発信元のセンサ21がガス感知センサであった場合、発生した異常事態は「ガス漏れ」であると特定できる。
【0058】画像解析部15は、警告信号受信部12から異常事態の発生、および発生場所を通知されると、異常事態の発生場所に設置されている監視カメラ22により撮像されて画像記憶部14に録画されている画像情報に識別子を付ける。そして、この識別子をメール通知制御部16に通知する。
【0059】メール通知制御部16は、異常事態の発生、および発生場所を本文中に記述した異常通知メールを作成するとともに、画像解析部15から通知された識別子に基づいて、発生した異常事態が写り込んでいる画像情報への参照情報(URL等)を作成してメール本文に埋め込み、また、セキュリティサーバ1のメールアドレスをメール本文に埋め込んで、端末情報保持部18に登録されたアドレスを宛先として、通信制御部11を介してインターネット等の公衆ネットワーク6に送信する。なお、メール通知制御部16で作成される異常通知メールの一例を図6に示す。
【0060】音声通知制御部17は、異常事態の発生および発生場所を通知する音声情報(以下、異常通知アナウンスという)を作成し、端末情報保持部18に登録された電話番号に発呼して、当該異常通知アナウンスを送信する。この異常通知アナウンスは、例えば、予め登録された音声情報を選択することによって作成する。例えば、「玄関で異常事態が発生しました」や、「キッチンでガス漏れを検知しました」等、センサ21毎に適切な音声情報を予め登録しておき、受信した警告信号の発信元のセンサ21に対応する音声情報を選択して異常通知アナウンスとする。
【0061】端末情報保持部18は、ユーザの所持する携帯電話端末3の電話番号とメールアドレス、および、セキュリティセンタ4の電話番号とメールアドレスを記憶保持する。これらは、予めユーザによって登録され、携帯電話端末3の電話番号とメールアドレスは、複数登録することができる。したがって、例えば、家族全員の電話番号とメールアドレスを登録することで、より確実に異常事態の発生をユーザに通知することができる。また、メールアドレスのない携帯電話端末については電話番号だけを、電話機能のないネットワーク端末についてはメールアドレスだけを登録することも可能である。
【0062】画像記憶部14は、監視カメラ22から送られてくる画像情報を記憶保存するとともに、携帯電話端末3からの要望に応じて該当する画像情報をストリーミングビデオ形式やアニメーションGIF、JPEG等に変換してHTMLに組み込み、HTMLファイル(または、それに準ずるデータファイル)として提供する。なお、提供する画像情報は、監視領域で異常が発生した時点の静止画像、または、異常が発生した時点から録画された動画像である。さらに、携帯電話端末3からの要求により、現在の制止画や動画像を提供しても良い。
【0063】通知状況監視部19は、このセキュリティサーバ1に特徴的な構成要素であり、タイマ19t、およびカウンタ19cを有し、セキュリティサーバ1から発信された異常通知メールをユーザが確認したか否かを判定する。ここで、ユーザが異常通知メールを確認したか否かの判定は、携帯電話端末3から画像記憶部14へのアクセスがあったか否か、若しくは、携帯電話端末3からの返信メールを着信したか否かを判定することによって行う。なお、セキュリティサーバ1への返信メールは、空メール(本文がないメール)で良い。
【0064】図3は、図1の情報通知システムにおける情報通知処理の一例を示す図である。
【0065】図3において、セキュリティサーバ1は、センサ21から警告信号を受信すると、異常事態の発生時に監視カメラ22で撮像されて画像記憶部14に録画されている画像へのリンク(URL)と、セキュリティサーバ1のメールアドレスとを埋め込んだ異常通知メールを携帯電話端末3宛に送信するとともに、通知状況監視部19においてタイマ19tによる計時、およびカウンタ19cによる異常通知メール送信回数のカウントを開始する。
【0066】ユーザは、携帯電話端末3においてセキュリティサーバ1からの異常通知メールを確認する。そして、異常事態発生時の画像を確認したい場合は、この異常通知メールに埋め込まれたURLから画像記憶部14上の該当する画像情報にアクセスする。また、画像を確認するまでもないと判断した場合は、この異常通知メールに埋め込まれたセキュリティサーバ1のメールアドレスに返信する。そして、状況に応じて公的機関5に異常事態の発生を通報する。
【0067】携帯電話端末3には、警察通報ボタン、消防署通報ボタン、セキュリティセンタ通報ボタン、無視(対応せず)ボタンから構成される対応選択画面が液晶画面上に表示される。携帯電話端末3のユーザは、画像を確認した上で、いずれかのボタンを選択して決定する。警察通報ボタンが決定された場合には警察に、消防署通報ボタンが決定された場合には消防署に、セキュリティセンタ通報ボタンが決定された場合にはセキュリティセンタ4に、無視ボタンが決定された場合はセキュリティサーバ1にそれぞれ情報が通知される。
【0068】セキュリティサーバ1は、携帯電話端末3からの画像記憶部14へのアクセス、若しくは返信メールの着信を確認すると、タイマ19tによる計時、およびカウンタ19cによるカウントを終了する。
【0069】図4は、ユーザがセキュリティサーバ1からの異常通知メールを確認できなかった場合における情報通知処理の一例を示す図である。
【0070】図4において、セキュリティサーバ1は、センサ21から警告信号を受信すると、異常事態の発生時に監視カメラ22で撮像されて画像記憶部14に録画されている画像へのリンクと、セキュリティサーバ1のメールアドレスとを埋め込んだ異常通知メールを携帯電話端末3宛に送信するとともに、通知状況監視部19においてタイマ19tによる計時、およびカウンタ19cによる異常通知メール送信回数のカウントを開始する。
【0071】そして、所定時間が経過しても携帯電話端末3からの画像記憶部14へのアクセス、若しくは返信メールの着信が確認されなかった場合には、カウンタ19cを+1して、メール通知制御部16に異常通知メールを再送するよう命令する。
【0072】そして、異常通知メールを予め設定された所定回数再送しても、携帯電話端末3からの画像記憶部14へのアクセス、若しくは返信メールの着信が確認されなかった場合、この異常通知メールをセキュリティセンタ4に送信する。
【0073】セキュリティセンタ4は、セキュリティサーバ1から送信された異常通知メールを確認し、異常事態発生時の画像を確認したい場合は、この異常通知メールに埋め込まれたURLから画像記憶部14上の該当する画像情報にアクセスし、状況に応じて公的機関5に通報する。そして、異常通知メールを受け付けた旨を、携帯電話端末3に通知する。
【0074】なお、セキュリティセンタ4に異常通知メールを送信した旨については、セキュリティサーバ1から携帯電話端末3に通知しても良い。
【0075】また、セキュリティセンタ4がセキュリティサーバ1上で確認できる画像情報に制限を設けても良い。例えば、セキュリティサーバ1は、画像記憶部14へのアクセスを誰が要求してきたかを判断し、セキュリティセンタ4からの要求である場合には、予め設定された所定の画像へのアクセスを禁止する。これにより、ユーザが他人に見られたくない画像情報をセキュリティセンタ4において見られてしまうことを防ぐことができる。
【0076】さらに、発生した異常が火事、ガス漏れ等の特定の内容である場合には、携帯電話端末3に異常を通知すると同時にセキュリティセンタ4にも通知を行うようにすると良い。
【0077】図5は、携帯電話端末3とセキュリティセンタ4に同時に異常通知を行う場合の情報通知処理の一例を示す図である。
【0078】図5において、セキュリティサーバ1は、センサ21から警告信号を受信すると、異常の発生時に監視カメラ22で撮像されて画像記憶部14に記録されている画像へのリンクを埋め込んだ異常通知メールを、携帯電話端末3、およびセキュリティセンタ4に同時に送信する。なお、携帯電話端末3に送信する異常通知メールには、セキュリティサーバ1のメールアドレスも埋め込む。
【0079】そして、画像記憶部14へのアクセス要求が携帯電話端末3からのものであった場合には、制限無しに画像記憶部14へのアクセスを許可し、画像記憶部14へのアクセス要求がセキュリティセンタ4からのものであった場合には、予め設定された所定の画像情報へのアクセスを禁止する等の制限付きでアクセスを許可する。
【0080】さらに、セキュリティサーバ1は、携帯電話端末3において異常通知メールが確認された場合、その旨をセキュリティセンタ4に通知する。これにより、ユーザが異常の発生を認識しているにもかかわらず、セキュリティセンタ4においてユーザの意図にそぐわない対処が為されてしまうことを防止できる。
【0081】なお、上記の各実施例において、端末情報保持部18に複数の携帯電話端末3が登録されていた場合、登録されている全ての携帯電話端末3に異常通知メールを送信し、少なくとも1つの携帯電話端末3から画像記憶部14へのアクセス、若しくは返信メールの着信があれば、異常通知メールは確認されたと判定するようにしても良い。
【0082】そして、異常通知メールの確認がなされた時点で、異常通知メールを送信した他の携帯電話端末に対して、異常通知の確認を行った旨を通知すると尚良い。このように、複数の携帯電話端末3の全てに異常通知メールを送信しても良いし、あるいは、各携帯電話端末3の位置情報に基づいて、監視対象場所に近い携帯電話端末3に優先的に異常通知メールを送信しても良い。
【0083】また、所定回数異常通知メールを再送した後、携帯電話端末3に発呼し、(1)所定時間発呼を続けても応答がない(2)携帯電話端末が電波を受信できない状態にある(電源が切れている、電波の届かない場所にある等)
(3)話し中等の場合に、ユーザによって異常通知メールが確認されていないと判定することもできる。
【0084】また、上記の各実施例では、異常事態の発生時に監視カメラ22で撮像されて画像記憶部14に録画された画像へのリンクを異常通知メール本文に埋め込み、携帯電話端末3から画像記憶部14にアクセスさせることで、発生した異常状態が写り込んだ画像をユーザに提供したが、この画像を異常通知メールの添付ファイルとして送信しても良い。
【0085】また、上記の各実施例では、センサ21を用いて異常を検知したが、監視カメラ22で撮像された画像を解析することによって、画像から直接異常の発生を検知するようにしても良い。
【0086】さらに、上記各実施例において、携帯電話端末3への異常通知メールとセキュリティセンタ4への異常通知メールとで、その内容を異ならせても良い。例えば、携帯電話端末3への異常通知メールには画像を添付し、セキュリティセンタ4への異常通知メールには画像を添付しない。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、携帯端末を所持するユーザが検出情報を確認しないかできない場合でも、発生した異常に対処することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる情報通知方法および装置を適用して構成したセキュリティシステムの一例を示す図である。
【図2】図1のセキュリティサーバ1の要部の詳細構成を示すブロック図である。
【図3】図1のセキュリティシステムにおける情報通知方法の一例を示す図である。
【図4】図1のセキュリティシステムにおける情報通知方法の一例を示す図である。
【図5】図1のセキュリティシステムにおける情報通知方法の一例を示す図である。
【図6】セキュリティサーバ1が携帯電話端末3に送信する異常通知メールの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 セキュリティサーバ
21 センサ
22 監視カメラ
3 携帯電話端末
4 セキュリティセンタ
5 公的機関
6 公衆ネットワーク
11 通信制御部
12 警告信号受信部
13 カメラ制御部
14 画像記憶部
15 画像解析部
16 メール通知制御部
17 音声通知制御部
18 端末情報保持部
19 通知状況監視部
19c カウンタ
19t タイマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の監視対象域の物理現象を監視し、監視により物理現象が検出された場合、物理現象が検出されたことを示す検出情報を第1の外部装置に通知し、通知された検出情報に、前記第1の外部装置の利用者がアクセスしたか否かを判断し、アクセスしていないと判断された場合、物理現象が検出されたことを示す検出情報を第2の外部装置に対して通知することを特徴とする情報通知方法。
【請求項2】 前記第1の外部装置に検出情報を通知してから所定時間経過した時点でアクセスしていないと判断された場合に、前記第2の外部装置に検出情報を通知することを特徴とする請求項1記載の情報通知方法。
【請求項3】 前記第1の外部装置に検出情報を所定回数通知し、所定回数通知してもアクセスしていないと認識された場合に、前記第2の外部装置に検出情報を通知することを特徴とする請求項1記載の情報通知方法。
【請求項4】 検出された物理現象が特定の内容である場合は、前記第1の外部装置の利用者が検出情報にアクセスしたか否かの判断を待たずに、検出情報を前記第2の外部装置に対して通知することを特徴とする請求項1記載の情報通知方法。
【請求項5】 前記第1の外部装置に通知する検出情報と、前記第2の外部装置に通知する検出情報とは、それぞれ内容が異なることを特徴とする請求項1記載の情報通知方法。
【請求項6】 前記第2の外部装置に通知する検出情報は、前記第1の外部装置が前記検出情報を確認したか否かを示す情報を含むことを特徴とする請求項5記載の情報通知方法。
【請求項7】 前記第1の外部装置に通知された検出情報にアクセスしたことを示すアクセス済情報を、前記第1の外部装置から受信し、該アクセス済情報が受信された場合、検出情報に前記第1の外部装置の利用者がアクセスしたと判断することを特徴とする請求項1記載の情報通知方法。
【請求項8】 前記アクセス済情報とは、電子メールであることを特徴とする請求項7記載の情報通知方法。
【請求項9】 前記第1の外部装置に通知する検出情報には、検出された物理現象の静止画像または動画像を含むことを特徴とする請求項1記載の情報通知方法。
【請求項10】 前記第2の外部装置に通知する情報は、非画像であることを特徴とする請求項1の情報通知方法。
【請求項11】 前記第1の外部装置に対する検出情報の通知は、電子メールを用いて行なわれることを特徴とする請求項1記載の情報通知方法。
【請求項12】 前記第1の外部装置に対する検出情報の通知は、電話回線を利用した音声を用いて行なわれることを特徴とする請求項1記載の情報通知方法。
【請求項13】 前記第1の外部装置に対する検出情報の通知を、電子メールを用いて行ない、該電子メールを用いて通知された検出情報に、前記第1の外部装置の利用者がアクセスしていないと判断された場合は、前記第1の外部装置に対する検出情報の通知を、電話回線を利用した音声を用いて行なうことを特徴とする請求項1記載の情報通知方法。
【請求項14】 前記第1の外部装置は、複数の外部装置からなり、前記検出情報は、前記複数の外部装置にそれぞれ通知され、前記複数の外部装置のいずれの外部装置も前記検出情報を確認していないと判別された場合は、該検出情報を前記第2の外部装置に通知することを特徴とする請求項1記載の情報通知方法。
【請求項15】 前記複数の外部装置は、それぞれ携帯端末であり前記複数の外部装置に対する前記検出情報の通知は、前記携帯電話端末のそれぞれの位置検出機能を用いて検出された各携帯電話端末の位置情報に基づき前記監視対象領域に最も近い携帯電話端末を優先して行なわれることを特徴とする請求項14記載の情報通知方法。
【請求項16】 前記検出情報を前記第2の外部装置に通知した旨の情報を前記第1の外部装置に通知することを特徴とする請求項1記載の情報通知方法。
【請求項17】 検出情報には、物理現象の内容を把握できる情報が含まれていることを特徴とする請求項1記載の情報通知方法。
【請求項18】 前記第1の外部装置が前記検出情報を確認したかの判別は、前記第1の外部装置が前記検出情報を受信可能な状態にあるか否かを示す情報に基づき行われることを特徴とする請求項1記載の情報通知方法。
【請求項19】 前記第1の外部装置は、携帯端末であることを特徴とする請求項1記載の情報通知方法。
【請求項20】 所定の監視対象域の物理現象を監視し、監視により物理現象が検出された場合、物理現象が検出されたことを示す第1の検出情報を第1の外部装置に通知し、物理現象が検出されたことを示す第2の検出情報を第2の外部装置に通知し、該第1の検出情報と該第2の検出情報とは、内容が異なることを特徴とする情報通知方法。
【請求項21】 所定の監視対象域の物理現象を監視する監視手段と、監視により物理現象が検出された場合、物理現象が検出されたことを示す検出情報を第1の外部装置に通知する第1の通知手段と、通知された検出情報に、前記第1の外部装置の利用者がアクセスしたか否かを判断する判断手段と、アクセスしていないと判断された場合、物理現象が検出されたことを示す検出情報を第2の外部装置に対して通知する第2の通知手段とを具備することを特徴とする情報通知装置。
【請求項22】 前記第2の通知手段は、前記第1の外部装置に検出情報を通知してから所定時間経過した時点でアクセスしていないと判断された場合に、前記第2の外部装置に検出情報を通知することを特徴とする請求項21記載の情報通知装置。
【請求項23】 前記第1の通知手段は、前記第1の外部装置に検出情報を所定回数通知し、前記第2の通知手段は、所定回数通知してもアクセスしていないと認識された場合に、前記第2の外部装置に検出情報を通知することを特徴とする請求項21記載の情報通知装置。
【請求項24】 前記第2の通知手段は、検出された物理現象が特定の内容である場合は、前記第1の外部装置の利用者が検出情報にアクセスしたか否かの判断を待たずに、検出情報を前記第2の外部装置に対して通知することを特徴とする請求項21記載の情報通知装置。
【請求項25】 前記第1の外部装置に通知する検出情報と、前記第2の外部装置に通知する検出情報とは、それぞれ内容が異なることを特徴とする請求項21記載の情報通知装置。
【請求項26】 前記第2の通知手段は、前記判別手段により判別された前記第1の外部装置が前記検出情報を確認したか否かを示す情報を含む検出情報を前記第2の外部装置に通知することを特徴とする請求項25記載の情報通知装置。
【請求項27】 前記判断手段は、前記第1の外部装置に通知された検出情報にアクセスしたことを示すアクセス済情報を、前記第1の外部装置から受信し、該アクセス済情報が受信された場合、検出情報に前記第1の外部装置の利用者がアクセスしたと判断することを特徴とする請求項21記載の情報通知装置。
【請求項28】 前記アクセス済情報とは、電子メールであることを特徴とする請求項27記載の情報通知装置。
【請求項29】 前記第1の外部装置に通知する検出情報には、検出された物理現象の静止画像または動画像を含むことを特徴とする請求項21記載の情報通知装置。
【請求項30】 前記第2の外部装置に通知する情報は、非画像であることを特徴とする請求項21の情報通知装置。
【請求項31】 前記第1の外部装置に対する検出情報の通知は、電子メールを用いて行なわれることを特徴とする請求項21記載の情報通知装置。
【請求項32】 前記第1の外部装置に対する検出情報の通知は、電話回線を利用した音声を用いて行なわれることを特徴とする請求項1記載の情報通知装置。
【請求項33】 前記第1の通知手段は、前記第1の外部装置に対する検出情報の通知を、電子メールを用いて行ない、該電子メールを用いて通知された検出情報に、前記第1の外部装置の利用者がアクセスしていないと判断された場合は、前記第1の外部装置に対する検出情報の通知を、電話回線を利用した音声を用いて行なうことを特徴とする請求項21記載の情報通知方法。
【請求項34】 前記第1の外部装置は、複数の外部装置からなり、前記検出情報は、前記複数の外部装置にそれぞれ通知され、前記複数の外部装置のいずれの外部装置も前記検出情報を確認していないと判別された場合は、該検出情報を前記第2の外部装置に通知することを特徴とする請求項21記載の情報通知方法。
【請求項35】 前記複数の外部装置は、それぞれ携帯端末であり前記複数の外部装置に対する前記検出情報の通知は、前記携帯電話端末のそれぞれの位置検出機能を用いて検出された各携帯電話端末の位置情報に基づき前記監視対象領域に最も近い携帯電話端末を優先して行なわれることを特徴とする請求項34記載の情報通知方法。
【請求項36】 前記検出情報を前記第2の外部装置に通知した旨の情報を前記第1の外部装置に通知することを特徴とする請求項21記載の情報通知装置。
【請求項37】 検出情報には、物理現象の内容を把握できる情報が含まれていることを特徴とする請求項21記載の情報通知装置。
【請求項38】 前記第1の外部装置が前記検出情報を確認したかの判別は、前記第1の外部装置が前記検出情報を受信可能な状態にあるか否かを示す情報に基づき行われることを特徴とする請求項21記載の情報通知装置。
【請求項39】 前記第1の外部装置は、携帯端末であることを特徴とする請求項21記載の情報通知装置。
【請求項40】 所定の監視対象域の物理現象を監視する監視手段と、監視により物理現象が検出された場合、物理現象が検出されたことを示す第1の検出情報を第1の外部装置に通知する第1の通知手段と、物理現象が検出されたことを示す第2の検出情報を第2の外部装置に通知する第2の通知手段とを具備し、該第1の検出情報と該第2の検出情報とは、内容が異なることを特徴とする情報通知装置。

【図1】
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【図6】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2003−16553(P2003−16553A)
【公開日】平成15年1月17日(2003.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−200066(P2001−200066)
【出願日】平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】