説明

懸垂式軌道搬送台車及び搬送システム

【課題】半導体製造工場で用いられる搬送システムにおいて、棚装置の全ての棚にスライド機構を設けることで起こるコストの上昇と信頼性の低下を回避するとともに、搬送台車の真下より外れて位置する高さの異なる複数の棚に対して搬送台車が直接的に被搬送物の載置及び搬出が可能な懸垂式搬送台車及び搬送システムを提供する。
【解決手段】天井に敷設された軌道上を懸垂状態で走行し、昇降自在な把持機構22で被搬送物を把持して搬送する懸垂式軌道搬送台車において、その把持機構22に、水平方向に伸縮自在なスライド機構23と、前記スライド機構23の先端に支持され被搬送物を狭持及び開放自在なグリッパ24とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体や液晶表示装置製造工場で用いられる搬送台車及びこの搬送台車を用いた搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体や液晶表示装置製造工場においては、生産量の増大に対処するため、生産効率の向上が強く求められており、この一環として搬送時間の短縮化が求められている。搬送時間の短縮化では、半導体基板の一時的な保管場所であるストッカへのキャリアの載置に要する時間や、ストッカからのキャリアの搬出に要する時間などをいかに短縮するかが重要なポイントとなる。
【0003】
半導体製造工場で製造される半導体集積回路素子は、搬送システムによって搬送され、CVDによる薄膜形成、イオン注入、フォトリソグラフィー、エッチング、検査などの半導体製造プロセスに特有な様々な処理工程を処理装置から受け、最終製品が製造される。この製造プロセスにおいて、半導体基板はFOUPと呼ばれる収容容器内に複数枚収納され、搬送台車により処理装置間を移送され、各処理装置から各処理装置固有の処理を受ける。しかし、この時各処理装置が処理に必要とされる処理時間は装置毎に異なるので、通常、半導体基板には次工程の処理を受けるまでの不定期間の待ち時間が発生する。この待ち時間の間、半導体基板はFOUPに収納され、搬送装置によって一旦ストッカや簡易棚バッファに搬入保管される。次の工程を受けられる状況になると半導体基板は再度、搬送装置によりストッカや簡易棚バッファから搬出され、次工程の処理装置に搬送される。このときのFOUPの保管場所が、各処理装置に近接した簡易棚バッファの場合は入出庫時間が短いが、保管場所が処理装置と離れているストッカの場合は入出庫に長時間を要してしまう。したがってストッカに代えて、簡易棚バッファを多用することが搬送時間の短縮化に有効となる。このFOUPの入出庫に要する時間の短縮化により、生産効率の向上が期待される。
【0004】
従来、半導体製造工場で用いられるFOUP17の搬送システムにおける簡易棚バッファとして、図6に示す構成の棚装置13があった(特許文献1参照)。6の棚装置13は、図1にレイアウトが示された半導体製造工場において、工程内軌道11に隣接して配置される処理装置15の近傍に配置されるため、棚装置13から処理装置15までの搬送台車16の走行距離は極めて短くなる。これにより搬送台車16の走行時間の短縮を図ることができる。さらに、棚装置13へのFOUP17の載置と搬出は、図6に示すように、搬送台車に配設された懸垂ベルト21と、固定棚板25の上層に設置され水平方向に移動可能なスライド棚板50の搬送台車方向への進退動作とが連動されることで容易に実行される。これにより、走行時間の短縮に加えて、移載時間の短縮化も図ることができる。
【0005】
一方、棚装置13にスライド棚板50を設けず、図7に示すように懸垂機構63自体がスライド機構62により移動する発明が開示されている(特許文献2、特許文献3参照)。図7は特許文献2に開示された懸垂機構63をスライドさせる搬送装置の機構説明図である。搬送台車はレール20内をリニアモータが備えられた走行機構60で走行し、位置合わせ機構61の下部に設けられるスライド機構62により、懸垂機構63をレール20の真下から外れた横位置にスライドさせる。懸垂機構63からは懸垂ベルト21が巻き取られ、または繰り出され、先端に設置された把持機構22を昇降させる。これにより搬送台車16がレール20の真下より外れて位置するポートにも直接アクセスすることができる。
【特許文献1】特開2005−150129号公報
【特許文献2】特開2005−206371号公報
【特許文献3】特開2005−530361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図6に示した前記特許文献1参照の棚装置13は最上部に位置する棚を除き全てにスライド棚板50の設置が必須要件となるため、これらのスライド棚板50にギア及び駆動モータ等を基本構成とする駆動機構の設置が必要となるため、棚装置13のコストが大きく上昇してしまうという欠点があった。また、複数の駆動機構を用いると、その中の一つでも故障してしまえばシステム全体に悪影響を及ぼすことになり、駆動機構を複数用いることがシステムの信頼性を低下させることにつながるという欠点があった。
【0007】
一方、図7に示すようにFOUP17が入出庫する棚装置13は複数のFOUP17を保管することができるよう、複数の棚を設けてあるのが通常であり、図7に示した前記特許文献2参照の懸垂機構63にスライド機構62を設けた構成では、搬送台車がレール20の真下より外れて位置するポートに直接アクセスすることができるものの、高さの違った格段の全ての棚に対しては、搬送台車が直接的にFOUP17を載置及び搬出することができないという欠点があった。
【0008】
この発明はこのような課題を解決せんと発明されたものであり、搬送台車の真下より外れて位置する高さの異なる棚に対して搬送台車が直接的に被搬送物を移載することを可能とするとともに、コストの低下と信頼性の向上を図ることのできる懸垂式軌道搬送台車及び搬送システムの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、この発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明の懸垂式軌道搬送台車は、天井に敷設された軌道上を懸垂状態で走行し、昇降自在な把持機構で被搬送物を把持して搬送する懸垂式軌道搬送台車において、前記懸垂式軌道搬送台車は、前記把持機構に、水平方向に伸縮自在なスライド機構と、前記スライド機構の先端に支持され被搬送物を狭持及び開放自在なグリッパとを備えていることを特徴とするものである。
【0010】
把持機構が降下した際に水平方向にスライド機構を繰り出し、先端に備えたグリッパが被搬送物を挟持することで、懸垂式軌道搬送台車の真下より外れた位置に対して被搬送物の載置及び搬出をすることができる。
【0011】
また、前記懸垂式軌道搬送台車を用いた搬送システムは、前記懸垂式軌道搬送台車と、被搬送物を一時的に保管する複数台の棚装置とを備えている搬送システムにおいて、前記棚装置は、前記搬送物を載置するための棚が、垂直方向に間隔をおいて複数枚配置されていることを特徴とする。
【0012】
棚装置の各棚にスライド機構を設けると、それだけ構成する部品の数も多くなりコストが上昇してしまう。さらに複数の駆動機構が必要になるため、その中の一つでも故障すればシステム全体に悪影響を及ぼすことになり、システムの信頼性を低下させることになる。本発明に係る搬送システムでは搬送台車側の把持機構がスライドできるため、棚装置に複数備えられた棚毎にスライド機構を設ける必要がなくなり、システム全体としてスライド機構の数を大幅に削減することができ、その結果、コストの低減とともに信頼性の向上を図ることができる。
【0013】
また、その搬送システムにおいては、前記把持機構と前記棚装置との間に、前記把持機構を前記棚装置に係脱可能に固定する姿勢保持手段を備えてもよい。
【0014】
これにより、懸垂式軌道搬送台車の真下から比較的遠方にある棚に対して被搬送物を載置及び搬出するためにスライド機構が伸張する距離を長くする場合や、また、重量の重い被搬送物を把持してスライド機構を伸張する場合であっても、把持機構の姿勢を保持し安定した被搬送物の載置及び搬出が可能となる。
【0015】
前記姿勢保持手段は、前記把持機構に設けられいずれかの棚の上又は下に侵入可能なロッドと、各棚に設けられ前記ロッドを保持可能な係止部とからなるものであってもよい。
【0016】
把持機構のスライド機構が伸張した際に、把持機構のロッドが棚装置の係止部と接合することによって、容易に把持機構が棚装置に固定され姿勢保持することができるとともに、各棚に係止部が設けられていることで、いずれの棚に被搬送物を移載する際でも把持機構を固定することが可能となる。
【0017】
また、その搬送システムにおいて、前記姿勢保持手段は、前記把持機構が前記棚装置のいずれかの棚に被搬送物を移載する際に、前記ロッドが、前記いずれかの棚の直上の棚に備えられた前記係止部と係合するものであってもよい。
【0018】
把持機構に備えられたロッドが一段上の棚に備えられた係止部と係合する機構とすることで、被搬送物を移載しようとしている棚の前方は開放状態となるため、スライド機構が棚に侵入する動きを妨げることはなくなり、移載作業を容易にしながら姿勢保持を確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる懸垂式軌道搬送台車及び搬送システムによって、被搬送物を載置する棚装置の複数の棚毎にスライド機構を設けることなく、棚の任意の段にアクセスして被搬送物を載置及び搬出することが可能となるため、システムとしてのトータルコストを低減させ、またシステムの信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る懸垂式軌道搬送台車及び搬送システムを実施するための形態について、図1から図4を用いて詳細に説明する。図1は搬送台車を備えた搬送システムが用いられる半導体製造施設のレイアウト図、図2は本願発明に係る搬送システムにおいて搬送台車が棚装置の任意の棚位置に被搬送物を移載する方法の説明図、図3は本願発明に係る搬送台車に姿勢保持手段を用いて被搬送物を移載する方法の説明図、図4及び図5は姿勢保持手段の具体的構成例である。
【0021】
本実施形態にかかる搬送システムは、半導体製造工場のように、工程内や工程間を搬送台車で製造処理を受ける被搬送物を搬送して、順次処理を施しながら、最終製品を製造する際に用いられる。図1に示すように半導体製造施設は、複数の処理工程の異なる処理装置15と棚装置13とを備える処理部18が複数配置された構成となっている。各処理部18内の処理装置15及び棚装置13は、工程内軌道11及び分岐軌道12を介して工程間軌道10と連結されている。
【0022】
図1に示すように、搬送システムは、工程間軌道10、工程内軌道11、分岐軌道12から構成された走行路を複数の搬送台車16が走行する構成となっている。前記走行路は半導体製造工場の上方(天井側)に配設され、FOUP17(Front Opening Unified Pod)が搬送台車16に吊り下げされるように搭載されて搬送される。ここでFOUP17とは、複数の半導体基板を収納することができる収納容器である。FOUP17は略直方体の形状をしており、その上面中央にはFOUP17を把持して搬送するためのフランジ27が配設されている。半導体基板はFOUP17に収納されて搬送され、各処理部18における処理装置15によってCVDによる薄膜形成、イオン注入、フォトリソグラフィー、エッチング等の処理が施される。また、ストッカ14は工程間軌道10と連結されて配置されており、複数のFOUP17が収納可能な保管手段であって、各処理工程の待ち時間の間、FOUP17を保管する役割を有する。
【0023】
搬送台車16は図2に示すように、搬送路のレール20上を、例えばリニアモータが備えられている走行機構(図示省略)で走行し、目標となる位置まで移動することが可能となっている。また、搬送台車16は、懸垂ベルト21及び把持機構22を備えている。
【0024】
懸垂ベルト21は、1つの搬送台車16に4本が備えられており、搬送台車16内部の図示しないリールに巻回している。懸垂ベルト21の先端には4本の懸垂ベルト21に吊るされて把持機構22が設置されており、図示しないモータ等の駆動装置によるリールの正逆回転により、懸垂ベルト21を介して把持機構22が上下移動するようになっている。また、懸垂ベルト21は、把持機構22が棚装置13の固定棚板25の中で最下部に位置するものの高さまでFOUP17を上下移動させることができる長さを有している。
【0025】
把持機構22はスライド機構23及びグリッパ24を備えている。スライド機構23は、図示しないボールねじ駆動機構によって水平方向に伸縮することができ、下部にはFOUP17に配設されたフランジ27を把持することが可能なグリッパ24が設けられている。グリッパ24は、FOUP17のフランジ27を狭持可能な開閉機能を有しており、スライド機構23が伸張しFOUP17の真上の位置に移動すると、グリッパ24が開閉してフランジ27を狭持するようになっている。
【0026】
棚装置13は、図2に示すように支柱26と垂直方向に間隔をおいて複数枚が配置された固定棚板25とから構成されている。処理装置15による処理は各工程によって処理内容が異なるため処理時間もまた異なっており、次工程の処理を受けるまでの不定期間の待ち時間が発生する。この間にFOUP17を保管できる装置として前記ストッカ14もあるが、処理装置15と距離が離れている上に、入出庫にも手間がかかるため、迅速に対応できないという欠点がある。したがって、この待ち時間の間の簡易なFOUP17の保管箇所として棚装置13が処理装置15の近傍に配置されている。
【0027】
ここで本願発明に係る搬送台車16によるFOUP17の棚装置13への載置及び搬出の原理を、図2を参照しつつ説明する。
【0028】
FOUP17の搬出動作は以下のようになる。工程内軌道11を走行し、棚装置13の対向位置に停止した搬送台車16は、駆動モータ等でリールを回転させることにより懸垂ベルト21を繰り出す。これによりFOUP17を把持していない把持機構22を所定の高さ位置まで降下させる。目的とする所定の固定棚板25の位置まで下降後、スライド機構23を伸張させ、棚装置13内の所定のFOUP17の直上まで侵入させて、グリッパ24でFOUP17に配設されたフランジ27を把持する。FOUP17を把持した後、スライド機構23を縮退させ、続いてリールを回転させることで懸垂ベルト21を巻き上げ、把持機構22とともにFOUP17を上昇させる。その後、搬送台車16はFOUP17の次の搬送先に向かい工程内軌道11を走行する。
【0029】
また、搬送台車16が棚装置13にFOUP17を載置する場合も前記搬出の逆の順序で同様に載置作業を実施することができる。即ち、FOUP17をグリッパ24により把持し工程内軌道11を走行してきた搬送台車16は、FOUP17を載置する棚装置13の所定の対向位置に停止する。次いで、リールを回転させることで懸垂ベルト21を繰り出し、FOUP17を把持した把持機構22を、FOUP17を載置する固定棚板25の高さ位置まで降下させる。その後、スライド機構23を伸張させてFOUP17を固定棚板25の真上に移動させ、グリッパ24を開放することでFOUP17が棚装置13に載置される。
【0030】
以上が本願発明によるFOUP17の棚装置13への移載原理であるが、移載の際には、搬送台車の真下からより遠方の位置にある棚装置13に移載する場合や、より重量の重いものを棚装置に移載する必要がある場合もある。すなわち、スライド機構23が遠方まで伸張する場合や、スライド機構23が伸張する際に重量物を把持している場合であっても、安定した移載を可能とするため、本搬送システムでは以下で説明する姿勢保持手段を設けている。
【0031】
図3に示す搬送システムは、図2に示した搬送システムとは、把持機構22に配設されたロッド30と固定棚板25に配設された係止部31からなる姿勢保持手段を備えている点で相違する。ロッド30は把持機構22の上部に配設され、スライド機構23が伸張した際に、移載対象の固定棚板25の直上に配置された固定棚板25の係止部31と係合し、搬送台車16を棚装置13に固定することにより姿勢保持を可能とする。
【0032】
以下、図3を参照しつつ、姿勢保持手段によるFOUP17を把持した把持機構22の姿勢保持について説明する。搬送台車16が、棚装置13の所定の対向位置に停止し、把持機構22を移載対象となるAに位置した固定棚板25の位置まで下降させた後、スライド機構23を伸張させると同時に、ロッド30が棚方向に繰り出される。この際、ロッド30がAに位置した移載対象となる固定棚板25の直上のBに位置した固定棚板25の係止部31と係合される。これにより把持機構22が固定され、スライド機構23が遠方まで伸張する場合や、スライド機構23が伸張する際に重量物を把持している場合であっても、安定した移載が可能となる。
【0033】
図4(a)に示した姿勢保持手段は、二組の突き出しロッド40とロッド受け44から構成されるものである。突き出しロッド40は棒状部材で構成され、ロッド受け44は固定棚板25の把持機構22が侵入する側の端部に垂直に配設された凹部48をもった板状部材から構成される。スライド機構23を伸張させると同時に突き出しロッド40は、図4(a)の二点鎖線で示した位置から、実線で示した位置へ水平方向に突き出る機構となっており、この突き出しロッド40がロッド受け44の凹部48と係合することによって、把持機構22が棚装置13に固定される構成となっている。
【0034】
図4(b)に示した姿勢保持手段は、二組の回転ロッド41と、係止部となるロッド受け45とから構成されるものである。ロッド受け45は、ロッド受け44同じく、固定棚板25の把持機構22が侵入する側の端部に垂直に配設された凹部49をもった板状部材から構成される。一方、回転ロッド41は、形状は突き出しロッド40と同じく棒状部材で構成されるが、突き出しロッド40が水平方向に突き出る機構であるのに対して、回転ロッド41は一方の端部が把持機構22に回動自在に支持されており、半円形の軌跡を描くように半回転する機構となっている。即ち、回転ロッド41は把持機構22に支持された端部を支点として半円形の軌跡を描くように図4(b)の二点鎖線の位置から実線の位置に移動し、ロッド受け45の凹部49と係合することによって、把持機構22が棚装置13に固定される構成となっている。
【0035】
図4(c)に示した姿勢保持手段は、二組の挿入ロッド42と筒状ロッド受け46から構成されるものである。挿入ロッド42は円柱形の棒状部材で構成され、筒状ロッド受け46は内部に空洞を有する筒状部材で構成される。スライド機構23を伸張させるとともに、挿入ロッド42は図4(c)の二点鎖線の位置から実線の位置に水平方向に移動する機構となっており、この挿入ロッド42の端部が、筒状ロッド受け46に挿入されることで、把持機構22が棚装置13に固定される構成となっている。
【0036】
その他、姿勢保持手段は、把持機構22を棚装置13に固定し姿勢保持ができる限り、前記の例に限定されることはなく、例えば図4(d)に示すように、先端に電磁石又は吸盤を備えた吸着ロッド43と、磁性体又は平滑面を有した部材からなり係止部となる被吸着部材47から構成されるものであってもよい。あるいは、図5に示すように固定板25が十分厚いものである場合には、固定板25の把持機構22が侵入する側の側面に穴を開口させ、突き出しロッド51の挿入部52としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】搬送台車を備えた搬送システムが用いられる半導体製造施設のレイアウト図である。
【図2】本願発明に係る搬送システムにおいて搬送台車が棚装置の任意の棚位置に被搬送物を移載する方法の説明図である。
【図3】本願発明に係る搬送台車に姿勢保持手段を用いて被搬送物を移載する方法の説明図である。
【図4】本願発明に係る姿勢保持手段の具体的構成例である。
【図5】本願発明に係る姿勢保持手段の具体的構成例である。
【図6】特許文献1記載に開示された棚装置にスライド機構を設けた搬送システムの説明図である。
【図7】特許文献2に開示された懸垂機構をスライドさせる搬送装置の説明図である。
【符号の説明】
【0038】
10 工程間軌道
11 工程内軌道
12 分岐軌道
13 棚装置
14 ストッカ
15 処理装置
16 搬送台車
17 FOUP
18 処理部
20 レール
21 懸垂ベルト
22 把持機構
23 スライド機構
24 グリッパ
25 固定棚板
26 支柱
30 ロッド
31 係止部
40 突き出しロッド
41 回転ロッド
42 挿入ロッド
43 吸着ロッド
44 ロッド受け
45 ロッド受け
46 筒状ロッド受け
47 被吸着部材
48 凹部
49 凹部
50 スライド棚板
51 突き出しロッド
52 挿入部
60 走行機構
61 位置合わせ機構
62 スライド機構
63 懸垂機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に敷設された軌道上を懸垂状態で走行し、昇降自在な把持機構で被搬送物を把持して搬送する懸垂式軌道搬送台車において、
前記把持機構は、水平方向に伸縮自在なスライド機構と、前記スライド機構の先端に支持され被搬送物を狭持及び開放自在なグリッパとを備えていることを特徴とする懸垂式軌道搬送台車。
【請求項2】
請求項1記載の懸垂式軌道搬送台車と、被搬送物を一時的に保管する複数台の棚装置とを備えている搬送システムにおいて、
前記棚装置は、前記搬送物を載置するための棚が、垂直方向に間隔をおいて複数枚配置されていることを特徴とする搬送システム。
【請求項3】
前記把持機構と前記棚装置との間に、前記把持機構を前記棚装置に係脱可能に固定する姿勢保持手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の搬送システム。
【請求項4】
前記姿勢保持手段は、前記把持機構に設けられいずれかの棚に係合可能なロッドと、各棚に設けられ前記ロッドを保持可能な係止部と、からなることを特徴とする請求項3記載の搬送システム。
【請求項5】
請求項4記載の姿勢保持手段は、前記把持機構が前記棚装置のいずれかの棚に被搬送物を移載する際に、前記ロッドが、前記いずれかの棚の直上の棚に設けられた前記係止部と係合することを特徴とする請求項4記載の搬送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−222346(P2008−222346A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60512(P2007−60512)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(302059274)アシスト テクノロジーズ ジャパン株式会社 (146)
【Fターム(参考)】