説明

成膜装置及び基板処理装置

【課題】互いに反応する処理ガスを順番に供給して基板の表面に反応生成物を積層するにあたり、処理ガスが各々供給される処理領域同士の間に分離ガスを供給して処理ガス同士が処理雰囲気において互いに混合することを防止しながら、分離ガスの供給流量を抑える。
【解決手段】処理領域P1、P2の間に分離ガスノズル41、42を配置し、分離ガスノズル41、42から分離ガスを各々供給して処理領域P1、P2同士を分離する。この時、分離ガスノズル41、42における回転テーブル2の回転方向下流側に、回転テーブル2の上面との間に狭隘な空間S1を形成するための第1の天井面44を設ける。また、この第1の天井面44における回転テーブル2の回転方向上流側に、第1の天井面44よりも高い第2の天井面45をこの第1の天井面44に隣接するように設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに反応する処理ガスを順番に供給して基板の表面に反応生成物を積層する成膜装置及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハなどの基板(以下「ウエハ」と言う)に例えばシリコン酸化膜(SiO2)などの薄膜をALD(Atomic Layer Deposition)法により成膜する装置として、例えば特許文献1に記載されているように、複数枚のウエハを周方向に並べて公転させる回転テーブルを真空容器内に配置した構成が知られている。この装置では、回転テーブルに対向するように設けられた複数のガス供給部から、互いに反応する処理ガスがウエハに対して順番に供給される。
【0003】
このような装置では、処理ガスの供給される領域同士の間には、これら領域同士を区画するために、例えばN2(窒素)ガスなどが分離ガスとして供給される。この時、分離ガスの供給量を大流量に設定すると、装置のランニングコスト(分離ガスのコスト)が嵩んでしまう。また、処理ガスが分離ガスにより希釈されてしまうおそれもある。一方、分離ガスの流量を絞ろうとすると、処理雰囲気において処理ガス同士が互いに混合してしまうおそれがある。
特許文献2〜4には、ALD法により薄膜を成膜する装置について記載されているが、既述の課題については記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−239102
【特許文献2】米国特許公報7,153,542号
【特許文献3】特許3144664号公報
【特許文献4】米国特許公報6,869,641号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、互いに反応する処理ガスを順番に供給して基板の表面に反応生成物を積層するにあたり、処理ガスが各々供給される処理領域同士の間に分離ガスを各々供給して処理ガス同士が処理雰囲気において互いに混合することを防止しながら、分離ガスの供給流量を抑えることのできる成膜装置及び基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の成膜装置は、
真空容器内にて複数種類の処理ガスを順番に基板に供給するサイクルを複数回繰り返して薄膜を形成する成膜装置において、
前記真空容器内に設けられ、周方向に沿って基板を載置する基板載置領域をその上面に備えると共に、この基板載置領域を公転させるための回転テーブルと、
この回転テーブルの周方向に互いに離間した処理領域に互いに異なる処理ガスを夫々供給する複数の処理ガス供給部と、
各処理領域の雰囲気を分離するために各処理領域の間に形成された分離領域に対して分離ガスを供給するために、前記回転テーブルの中央側から外周側に亘って伸びるように分離ガスノズルが配置された分離部と、
前記回転テーブルの外縁側に設けられ、前記真空容器内の雰囲気を真空排気するための排気口と、を備え、
前記分離部は、
前記分離ガスノズルにおける前記回転テーブルの回転方向下流側に設けられ、前記回転テーブルの上面との間に当該回転テーブルの中央側から外周側に亘って狭隘な空間を形成して、この狭隘な空間への処理ガスの侵入を阻止するための第1の天井面と、
前記分離ガスノズルにおける前記回転テーブルの回転方向上流側に設けられ、前記回転テーブルの中央側から外周側に亘って前記第1の天井面よりも高くなるように形成された第2の天井面と、を備え、
前記排気口は、前記第2の天井面と前記回転テーブルとの間の領域であるガス滞留空間に連通するように設けられていることを特徴とする。
【0007】
前記成膜装置は、以下のように構成しても良い。
前記ガス滞留空間における前記回転テーブルの回転方向上流側には、前記ガス滞留空間に処理ガスが侵入することを抑えるために、前記第2の天井面から前記回転テーブルに向かって伸びる壁面部が前記回転テーブルの中央側から外周側に亘って形成されている構成。
前記ガス滞留空間よりも外周側における前記回転テーブルの外縁部と前記真空容器の内壁面との間には、前記分離ガスノズルから吐出される分離ガスを前記排気口に案内するために、前記分離ガスノズルの側方側から前記排気口に向かって当該分離ガスノズルの長さ方向に対して交差するように伸びる案内面が設けられている構成。
前記分離部は、各処理領域の間に個別に設けられ、
前記排気口は、各分離部に夫々独立して設けられている構成。
【0008】
また、本発明の基板処理装置は、
真空容器内にて複数種類の処理ガスを順番に供給するサイクルを複数回繰り返して基板に対して処理を行う基板処理装置において、
前記真空容器内に設けられ、周方向に沿って基板を載置する基板載置領域をその上面に備えると共に、この基板載置領域を公転させるための回転テーブルと、
この回転テーブルの周方向に互いに離間した処理領域に互いに異なる処理ガスを夫々供給する複数の処理ガス供給部と、
各処理領域の雰囲気を分離するために各処理領域の間に形成された分離領域に対して分離ガスを供給するために、前記回転テーブルの中央側から外周側に亘って伸びるように分離ガスノズルが配置された分離部と、
前記回転テーブルの外縁側に設けられ、前記真空容器内の雰囲気を真空排気するための排気口と、を備え、
前記分離部は、
前記分離ガスノズルにおける前記回転テーブルの回転方向下流側に設けられ、前記回転テーブルの上面との間に当該回転テーブルの中央側から外周側に亘って狭隘な空間を形成して、この狭隘な空間への処理ガスの侵入を阻止するための第1の天井面と、
前記分離ガスノズルにおける前記回転テーブルの回転方向上流側に設けられ、前記回転テーブルの中央側から外周側に亘って前記第1の天井面よりも高くなるように形成された第2の天井面と、を備え、
前記排気口は、前記第2の天井面と前記回転テーブルとの間の領域であるガス滞留空間に連通するように設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、処理ガスが各々供給される処理領域同士の間に、回転テーブルの中央側から外周側に伸びる分離ガスノズルを配置し、この分離ガスノズルから分離ガスを供給して処理領域同士を分離している。この時、分離ガスノズルにおける回転テーブルの回転方向下流側に、回転テーブルの上面との間に狭隘な空間を形成するための第1の天井面を設けている。また、分離ガスノズルにおける回転テーブルの回転方向上流側に、第1の天井面よりも高い第2の天井面をこの第1の天井面に隣接するように設けている。そのため、第2の天井面と回転テーブルとの間の領域であるガス滞留空間のガスは、下流側の狭隘な空間に侵入しにくくなり、しかもこれら空間の間には分離ガスが供給されているので、このガス滞留空間に連通する排気口に向かって分離ガスと共に排気されていく。従って、処理ガス同士が処理雰囲気において互いに混合することを防止しながら、分離ガスの供給流量を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の成膜装置の一例を示す縦断面図である。
【図2】前記成膜装置の横断平面図である。
【図3】前記成膜装置の横断平面図である。
【図4】前記成膜装置の一部を模式的に示す斜視図である。
【図5】前記成膜装置の一部を示す縦断面図である。
【図6】前記成膜装置の一部を示す縦断面図である。
【図7】前記成膜装置の一部を示す縦断面図である。
【図8】前記成膜装置の一部を示す分解斜視図である。
【図9】前記成膜装置の作用を示す縦断面図である。
【図10】前記成膜装置の作用を示す縦断面図である。
【図11】前記成膜装置の作用を示す横断平面図である。
【図12】前記成膜装置において得られた薄膜の特性を示す特性図である。
【図13】前記成膜装置の他の例を示す一部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態の基板処理装置の一例について、図1〜図8を参照して説明する。この基板処理装置の一態様である成膜装置は、図1及び図2に示すように、平面形状が概ね円形である真空容器1と、この真空容器1内に設けられ、当該真空容器1の中心に回転中心を有する回転テーブル2と、を備えている。そして、この成膜装置では、後で詳述するように、互いに反応する複数例えば2種類の処理ガスをウエハWに順番に供給してALD法により薄膜を成膜すると共に、分離ガスを用いてこれら処理ガス同士が夫々供給される領域同士を互いに区画している。この時、処理雰囲気における処理ガス同士の混合を防止しながら、分離ガスの供給流量を少なく抑えている。続いて、成膜装置の各部について詳述する。
【0012】
真空容器1は、天板11及び容器本体12を備えており、天板11が容器本体12から着脱できるように構成されている。天板11の上面側における中央部には、真空容器1内の中心部領域Cにおいて互いに異なる処理ガス同士が混ざり合うことを抑制するために、N2(窒素)ガスを分離ガスとして供給するための分離ガス供給管51が接続されている。図1中13は、容器本体12の上面の周縁部にリング状に設けられたシール部材例えばOリングである。真空容器1内において前記分離ガスの供給される領域の外側には、天板11から下方に向かってリング状に伸びる突出部5が形成されている。
【0013】
回転テーブル2は、中心部にて概略円筒形状のコア部21に固定されており、このコア部21の下面に接続されると共に鉛直方向に伸びる回転軸22によって、鉛直軸周りこの例では時計周りに回転自在に構成されている。図1中23は回転軸22を鉛直軸周りに回転させる駆動部であり、20は回転軸22及び駆動部23を収納するケース体である。このケース体20は、上面側のフランジ部分が真空容器1の底面部14の下面に気密に取り付けられている。また、このケース体20には、回転テーブル2の下方領域にN2ガスをパージガスとして供給するためのパージガス供給管72が接続されている。真空容器1の底面部14におけるコア部21の外周側は、回転テーブル2に下方側から近接するようにリング状に形成されて突出部12aをなしている。尚、以下の説明において、回転テーブル2の回転方向上流側及び回転方向下流側を夫々単に「上流側」及び「下流側」と呼ぶ場合がある。
【0014】
回転テーブル2の表面部には、図2及び図3に示すように、直径寸法が例えば300mmサイズのウエハWを載置するための円形状の凹部24が基板載置領域として回転方向(周方向)に沿って複数箇所例えば5箇所に設けられている。凹部24は、ウエハWを当該凹部24に落とし込む(収納する)と、ウエハWの表面と回転テーブル2の表面(ウエハWが載置されない領域)とが揃うように、直径寸法及び深さ寸法が設定されている。凹部24の底面には、ウエハWを下方側から突き上げて昇降させるための例えば後述する3本の昇降ピンが貫通する貫通孔(図示せず)が形成されている。
【0015】
図2及び図3に示すように、回転テーブル2における凹部24の通過領域と各々対向する位置には、各々例えば石英からなる4本のノズル31、32、41、42が真空容器1の周方向(回転テーブル2の回転方向)に互いに間隔をおいて放射状に配置されている。これら各ノズル31、32、41、42は、例えば真空容器1の外周壁から中心部領域Cに向かってウエハWに対向して水平に伸びるように各々取り付けられている。従って、これらノズル31、32、41、42は、各々回転テーブル2の中央側から外周側に亘って伸びるように配置されている。この例では、後述の搬送口15から見て時計周りに分離ガスノズル41、第1の処理ガスノズル31、分離ガスノズル42及び第2の処理ガスノズル32がこの順番で配列されている。尚、図2は図5及び図6におけるA−A線にて真空容器1を切断した横断平面、図3は図5及び図6におけるB−B線にて真空容器1を切断した横断平面を示している。また、図3における各ノズル31、32、41、42については内部の構造を省略している。
【0016】
各ノズル31、32、41、42は、流量調整バルブを介して夫々以下の各ガス供給源(図示せず)に夫々接続されている。即ち、第1の処理ガスノズル31は、Si(シリコン)を含む第1の処理ガス例えばBTBAS(ビスターシャルブチルアミノシラン:SiH2(NH−C(CH3)3)2)ガスなどの供給源に接続されている。第2の処理ガスノズル32は、第2の処理ガスである例えばO2ガス及びO3ガスの混合ガス(以下記載の簡略化のため「O3ガス」と言う)の供給源に接続されている。分離ガスノズル41、42は、分離ガスであるN2(窒素)ガスの供給源に各々接続されている。第1の処理ガスノズル31及び第2の処理ガスノズル32は、夫々第1の処理ガス供給部及び第2の処理ガス供給部をなしている。また、分離ガスノズル41、42は、各々分離ガス供給部をなしている。
【0017】
ガスノズル31、32、41、42の下面側には、回転テーブル2の半径方向に沿って複数箇所にガス吐出孔33が例えば等間隔に形成されている。これら各ノズル31、32、41、42は、当該ノズル31、32、41、42の下端縁と回転テーブル2の上面との離間距離が例えば1〜5mm程度となるように配置されている。処理ガスノズル31の下方領域は、Si含有ガスをウエハWに吸着させるための第1の処理領域P1であり、第2の処理ガスノズル32の下方領域は、ウエハWに吸着したSi含有ガスとO3ガスとを反応させるための第2の処理領域P2となる。分離ガスノズル41、42は、各々第1の処理領域P1と第2の処理領域P2とを分離する分離領域Dを形成するためのものである。
【0018】
これら2つの分離領域Dについて、始めに分離ガスノズル41(第2の処理ガスノズル32よりも下流側且つ第1の処理ガスノズル31よりも上流側)における分離領域Dについて説明する。分離ガスノズル41における回転テーブル2の回転方向上流側及び下流側には、図2に示すように、真空容器1の天板11から下方側に向かって回転テーブルの半径方向に亘って突出する凸状部4、4が各々設けられており、これら凸状部4、4は、回転テーブルの回転方向に広がるように形成されて概略扇形状をなしている。従って、分離ガスノズル41は、いわば凸状部4、4間において回転テーブル2の半径方向に伸びるように形成された溝部43内に収納されている。凸状部4、4における回転テーブル2の回転中心側の部位は、既述の突出部5に接続されている。各々の凸状部4、4の回転テーブルの回転方向における幅寸法Lは、ウエハWの中心部が通過する位置では例えば50mmとなっている。
【0019】
分離ガスノズル41の左右両側の凸状部4、4のうち回転テーブル2の回転方向下流側の凸状部4は、当該凸状部4の下流側の第1の処理ガスノズル31の処理ガスが分離ガスノズル41側に回り込むことを阻止するためのものである。そのため、この凸状部4の下端面は、図5及び図6に示すように、回転テーブル2の表面との間に狭隘な空間S1を形成するために、回転テーブル2の表面に近接するように配置されて第1の天井面44をなしている。第1の天井面44は、回転テーブル2の中央側から外周側に亘って形成されている。この第1の天井面44と回転テーブル2との間の離間距離hは、例えば0.5mm〜10mmこの例では約4mmとなっている。この凸状部4の外縁部(回転テーブル2の外縁部と真空容器1の内壁面との間の部位)は、図4に示すように、回転テーブル2の外縁部側をガスが通過することを抑えるために、当該回転テーブル2の外端面側に回り込むようにL字型に屈曲して屈曲部46をなしている。この屈曲部46と回転テーブル2や後述のサイドリング100との間の隙間寸法は、既述の離間距離hと同程度に設定されている。
【0020】
ここで、第1の天井面44よりも回転テーブルの回転方向下流側の領域である既述の第1の処理ガスノズル31が配置された領域では、図5及び図6に示すように、天板11の下面が当該第1の天井面44よりも高くなっている。従って、第1の処理ガスノズル31から分離ガスノズル41側を見ると、狭隘な空間S1が回転テーブル2の半径方向に亘って形成されると共に、この狭隘な空間S1から分離ガスノズル41の分離ガスが当該第1の処理ガスノズル31に向かって吹き出すので、第1の処理ガスが分離ガスノズル41側に回り込むことが阻止されている。
【0021】
次に、分離ガスノズル41の左右両側の凸状部4、4のうち回転テーブル2の回転方向上流側の凸状部4について説明する。この凸状部4は、例えば第2の処理ガスノズル32から吐出される処理ガスが既述の狭隘な空間S1に侵入することを阻止するためのものであり、当該凸状部4の下方においてガスが滞留するように、狭隘な空間S1よりも広いガス滞留空間(キャビティ)S2が形成されている。即ち、この凸状部4では、図3及び図5に示すように、分離ガスノズル41の収納された溝部43の天井面が上流側に向かって水平方向に伸び出して、第1の天井面44よりも高い第2の天井面45が形成されている。従って、ガス滞留空間S2は、回転テーブル2の中央側から外周側(半径方向)に亘って形成されると共に、当該回転テーブル2の回転方向に広がるようにいわば扇形状となっている。これら第1の天井面44、第2の天井面45及び分離ガスノズル41により分離部が構成されている。尚、図5は回転テーブル2の中心部領域C寄りの位置で真空容器1を周方向に切断した縦断面、図6は回転テーブル2の外縁部よりも外側にて真空容器1を周方向に切断した縦断面を示している。
【0022】
そして、この第2の天井面45における回転テーブル2の回転方向上流側の端部は、第2の処理ガスノズル32から真空容器1内に供給される処理ガスがガス滞留空間S2に侵入することを抑えるために、回転テーブル2に向かって垂直に伸び出して壁面部47をなしている。この壁面部47は、図3に示すように、回転テーブル2の中央側から外周側に亘って形成されており、具体的には回転テーブル2の中心部側における既述の突出部5から回転テーブル2の外縁部に対向する位置までに亘って配置されている。この壁面部47と回転テーブル2との間の離間距離は、既述の離間距離hと同程度の寸法に設定されている。
【0023】
また、ガス滞留空間S2におけるガスを回転テーブル2の外周側に排出するために、凸状部4の外周面(真空容器1の内壁面に対向する面)は、図3及び図6に示すように、回転テーブル2の回転方向上流側の部位が概略矩形に切り欠かれて開口部48をなしている。そして、この開口部48よりも回転テーブル2の回転方向下流側における凸状部4の外周側の部位は、図7に示すように、分離ガスノズル41の下流側の凸状部4と同様に、回転テーブル2の外縁部と真空容器1の内壁面との間に伸び出して既述の屈曲部46をなしている。尚、図3及び図6において屈曲部46については図示の関係上省略している。また、図7は、凸状部4を第2の処理ガスノズル32側から見た様子を示している。
【0024】
そして、開口部48と分離ガスノズル41との間において中心部領域Cに対向する凸状部4の内壁面は、分離ガスノズル41から吐出される分離ガスを開口部48に向かって案内するために、図3に示すように、分離ガスノズル41の側方側から後述の排気口62に向かって伸び出して案内面49をなしている。即ち、開口部48の下流側における前記凸状部4の内壁面は、平面で見た時に開口部48側の部位が排気口62に向かって斜めに切り欠かれている。従って、開口部48の下流側の前記凸状部4(屈曲部46)は、回転テーブル2の外縁部よりも真空容器1の内壁面寄りの領域に配置されると共に、分離ガスノズル41から開口部48に向かうにつれて幅寸法が小さくなっている。また、案内面49は、分離ガスノズル41の長さ方向に対して交差するように形成されている。
【0025】
分離ガスノズル42においても、回転テーブル2の回転方向上流側及び下流側に各々凸状部4、4が配置されており、これら凸状部4、4のうち第2の処理ガスノズル32側の凸状部4には狭隘な空間S1が形成されている。また、この分離ガスノズル42と第1の処理ガスノズル31との間の凸状部4には、ガス滞留空間S2、壁面部47、開口部48及び案内面49が形成されている。尚、図4は凸状部4の一部を切り欠いており、また凸状部4を模式的に描画している。
【0026】
続いて、成膜装置の説明に戻る。回転テーブル2の外周側において当該回転テーブル2よりも僅かに下位置には、図2、図3及び図10に示すように、カバー体であるサイドリング100が配置されている。このサイドリング100は、例えば装置のクリーニング時において、各処理ガスに代えてフッ素系のクリーニングガスを通流させた時に、当該クリーニングガスから真空容器1の内壁を保護するためのものである。即ち、サイドリング100を設けないと、回転テーブル2の外周部と真空容器1の内壁との間には、横方向に気流(排気流)が形成される凹部状の気流通路が周方向に亘ってリング状に形成されていると言える。そのため、このサイドリング100は、気流通路に真空容器1の内壁面ができるだけ露出しないように、当該気流通路に設けられている。この例では、各分離領域Dにおける外縁側の領域(屈曲部46)は、このサイドリング100に向かって伸び出している。
【0027】
サイドリング100の上面には、互いに周方向に離間するように2箇所に排気口61、62が形成されている。言い換えると、前記気流通路の下方側に2つの排気口が形成され、これら排気口に対応する位置におけるサイドリング100に、排気口61、62が形成されている。これら2つの排気口61、62のうち一方及び他方を夫々第1の排気口61及び第2の排気口62と呼ぶと、第1の排気口61は、図2に示すように、第1の処理ガスノズル31と、当該第1の処理ガスノズル31よりも回転テーブルの回転方向下流側における凸状部4との間において、当該凸状部4側に寄った位置に形成されている。従って、第1の排気口61は、図3に示すように、当該第1の排気口61と分離ガスノズル42との間のガス滞留空間S2に連通するように配置されている。
【0028】
また、第2の排気口62は、第2の処理ガスノズル32と、当該ノズル32よりも回転テーブルの回転方向下流側における凸状部4との間において、当該凸状部4側に寄った位置に形成されている。従って、この第2の排気口62についても、第2の排気口62と分離ガスノズル41との間のガス滞留空間S2に連通するように配置されている。第1の排気口61は、Si含有ガス及び分離ガスを排気するためのものであり、第2の排気口62は、O3ガス及び分離ガスを排気するためのものである。これら第1の排気口61及び第2の排気口62は、図1に示すように、各々バタフライバルブなどの圧力調整部65の介設された排気管63により、真空排気機構である例えば真空ポンプ64に接続されている。
【0029】
回転テーブル2と真空容器1の底面部14との間の空間には、図1に示すように、加熱機構であるヒータユニット7が設けられ、回転テーブル2を介して回転テーブル2上のウエハWを例えば300℃に加熱するようになっている。図1中71aはヒータユニット7の側方側に設けられたカバー部材、7aはこのヒータユニット7の上方側を覆う覆い部材である。また、真空容器1の底面部14には、ヒータユニット7の下方側において、ヒータユニット7の配置空間をパージするためのパージガス供給管73が周方向に亘って複数箇所に設けられている。
【0030】
真空容器1の側壁には、図2及び図3に示すように図示しない外部の搬送アームと回転テーブル2との間においてウエハWの受け渡しを行うための搬送口15が形成されており、この搬送口15はゲートバルブGより気密に開閉自在に構成されている。また、回転テーブル2の凹部24は、この搬送口15に臨む位置にて搬送アームとの間でウエハWの受け渡しが行われることから、回転テーブル2の下方側において当該受け渡し位置に対応する部位には、凹部24を貫通してウエハWを裏面から持ち上げるための受け渡し用の昇降ピン及びその昇降機構(いずれも図示せず)が設けられている。
【0031】
また、この成膜装置には、装置全体の動作のコントロールを行うためのコンピュータからなる制御部120が設けられており、この制御部120のメモリ内には後述の成膜処理を行うためのプログラムが格納されている。このプログラムは、装置の各動作を実行するようにステップ群が組まれており、ハードディスク、コンパクトディスク、光磁気ディスク、メモリカード、フレキシブルディスクなどの記憶媒体である記憶部121から制御部120内にインストールされる。
【0032】
次に、上述実施の形態の作用について説明する。先ず、ゲートバルブGを開放して、回転テーブル2を間欠的に回転させながら、図示しない搬送アームにより搬送口15を介して回転テーブル2上に例えば5枚のウエハWを載置する。次いで、ゲートバルブGを閉じ、真空ポンプ64により真空容器1内を引き切りの状態にすると共に、回転テーブル2を時計周りに回転させながらヒータユニット7によりウエハWを例えば300℃に加熱する。
【0033】
続いて、処理ガスノズル31からSi含有ガスを吐出すると共に、第2の処理ガスノズル32からO3ガスを吐出する。更に、分離ガスノズル41、42から分離ガスを所定の流量で吐出し、分離ガス供給管51及びパージガス供給管72、72からもN2ガスを所定の流量で吐出する。そして、圧力調整部65により真空容器1内を予め設定した処理圧力に調整する。
【0034】
処理ガスノズル31、32から真空容器1内に供給された処理ガスは、例えば回転テーブル2の回転に連れられて、下流側の凸状部4に到達する。この時、凸状部4では既述のように回転テーブル2の回転方向上流側に壁面部47を形成しているので、この凸状部4に到達した処理ガスは、図9〜図11に示すように、壁面部47に衝突して大部分が回転テーブル2の外縁側(排気口61、62)に向かって排気されていく。
【0035】
一方、処理ガスの一部については壁面部47の下方を潜り込んでガス滞留空間S2に侵入する。既述のように、このガス滞留空間S2が壁面部47と回転テーブル2との間の狭い空間よりも広くなっていることから、壁面部47の下方側からガス滞留空間S2に侵入したガスは、ガス滞留空間S2に到達する前と比べて流速が遅くなり、いわばガス滞留空間S2において滞留する。また、このガス滞留空間S2の下流側には狭隘な空間S1が形成されており、ガスが入り込みにくくなっていることから、ガス滞留空間S2に侵入した処理ガスは、当該狭隘な空間S1よりも広い空間である開口部48に向かって通流しようとする。
【0036】
この時、分離ガスノズル41、42から見て下流側には狭隘な空間S1が形成されている一方、上流側には当該狭隘な空間S1よりも広いガス滞留空間S2が形成されている。従って、分離ガスノズル41、42から吐出される分離ガスのうち大部分が広い空間であるガス滞留空間S2に向かって、いわば回転テーブル2の回転方向とは逆向きに通流する。そのため、ガス滞留空間S2に入り込んだ処理ガスは、分離ガスと共に開口部48を介して排気口61、62に向かって排気されていく。
【0037】
そして、ガス滞留空間S2に案内面49を設けているので、当該ガス滞留空間S2から排気口61、62に向かって通流する処理ガス及び分離ガスは、例えば乱流や淀みの形成が抑えられながら、案内面49により案内されていく。また、凸状部4における外縁側を回り込んで処理領域P1(P2)側に向かおうとするO3ガス(Si含有ガス)は、案内面49によってガス流れが規制されて、排気口62(61)に向かって排気される。また、分離ガスノズル41、42から供給される分離ガスのうち一部が狭隘な空間S1を介して下流側に各々吐出しているので、当該下流側からの狭隘な空間S1への処理ガスの侵入が阻止される。従って、各処理ガスは、真空容器1内の処理雰囲気において互いに混合しないように排気される。
【0038】
また、回転テーブル2の下方側にパージガスを供給しているため、回転テーブル2の下方側に拡散しようとするガスは、前記パージガスにより排気口61、62側へと押し戻される。更に、中心部領域Cに分離ガスを供給しているので、当該中心部領域Cにおいても各処理ガス同士が互いに混ざり合うことが防止される。
【0039】
一方、ウエハWの表面では、回転テーブル2の回転によって第1の処理領域P1においてSi含有ガスが吸着し、次いで第2の処理領域P2においてウエハW上に吸着したSi含有ガスがO3ガスにより酸化され、薄膜成分であるシリコン酸化膜(Si−O)の分子層が1層あるいは複数層形成されて反応生成物が形成される。この時、既述のように処理ガス同士が互いに混合することが阻止されており、更には分離ガスの流量を少なく抑えることによって処理領域P1、P2において各処理ガスが分離ガスにより希釈されにくくなるので、ウエハW上に形成される反応生成物は、後述の図12から分かるように、良好に反応(シリコン含有ガスの酸化)が起こって電気特性が良好となる。こうして回転テーブル2の回転により、電気特性の良好な反応生成物が多層に亘って積層されて薄膜が形成される。
【0040】
上述の実施の形態によれば、処理領域P1、P2の間に分離ガスノズル41、42を配置し、分離ガスノズル41、42から分離ガスを各々供給して処理領域P1、P2同士を分離している。この時、分離ガスノズル41、42における回転テーブル2の回転方向下流側に、回転テーブル2の上面との間に狭隘な空間S1を形成するための第1の天井面44を各々設けている。また、この第1の天井面44における回転テーブル2の回転方向上流側に、第1の天井面44よりも高い第2の天井面45をこの第1の天井面44に隣接するように各々設けている。そのため、第2の天井面45と回転テーブル2との間の領域であるガス滞留空間S2のガスは、下流側の狭隘な空間S1に侵入しにくくなり、しかもこれら空間S1、S2の間には分離ガスが供給されているので、このガス滞留空間S2に連通する排気口61、62に向かって分離ガスと共に排気されていく。従って、処理ガス同士が処理雰囲気において互いに混合することを防止しながら、分離ガスの供給流量を抑えることができる。そのため、処理領域P1、P2において各処理ガスが分離ガスにより希釈されることを抑制できるので、良好な膜質の薄膜を形成できる。また、処理雰囲気におけるパーティクルの発生を抑制できる。
【0041】
即ち、従来の方式では、処理領域P1、P2同士の間に極めて狭い空間(狭隘な空間S1)を形成すると共に、分離ガスを速い流速で当該空間に形成することによって処理領域P1、P2同士を互いに分離していた。従って、このような方式では、分離ガスの流量を絞っていくと分離ガスの流速が遅くなり、処理領域P1、P2同士を十分に分離できないおそれがあった。一方、分離ガスの流量を大流量に設定すると、各処理ガス同士の混合を防止することができたとしても、処理領域P1、P2において各処理ガスが分離ガスにより希釈されることによってウエハWの表面において十分な反応(Si含有ガスの吸着や当該ガスの酸化)が起こらないおそれがあった。
そこで、本発明では、このような狭い空間(狭隘な空間S1)よりも広いガス滞留空間S2を分離ガスノズル41、42の上流側に各々形成して、分離ガスノズル41、42から各々吐出される分離ガスの大部分がガス滞留空間S2に通流するようにしている。従って、ガス滞留空間S2では、既述のように回転テーブル2の回転方向とは逆向きのガス流れが形成され、これによりガス滞留空間S2に入り込んだ処理ガスを速やかに排気できる。そのため、前記従来の方式と比べて分離ガスの流量を抑えながらも、処理領域P1、P2同士を分離できる。この時、分離ガスノズル41、42から供給される分離ガスのうち一部は狭隘な空間S1を通過して下流側に吹き出しているので、狭隘な空間S1においても当然に処理ガスの侵入を阻止できる。
【0042】
図12は、既述の成膜装置を用いて、分離ガスノズル41、42から供給する分離ガスの流量を種々変えた条件において薄膜を各々成膜すると共に、各々の条件において得られた薄膜について電気抵抗を測定した結果を示している。この実験では、既述の第1の処理ガス及び第2の処理ガスとして、夫々TiCl4(塩化チタン)ガス及びNH3(アンモニア)ガスを用いて、Ti−N(窒化チタン)膜を成膜した例を示している。分離ガスの流量が多くなるにつれて、電気抵抗が上昇して膜質が悪くなっていることが分かる。一方、分離ガスの流量が少ない(10000sccm以下)時には、電気抵抗が小さく良好な膜質となっている。即ち、分離ガスの流量が多いと、NH3ガスが希釈されてウエハWの表面に吸着したTiCl4ガスを十分に窒化できていないことが分かる。従って、既述のように、分離ガスの流量を少なく抑えながらも各処理ガス同士の混合を防止することにより、処理ガスの希釈を抑えて良好な膜質の薄膜が得られる。
【0043】
以上の例では、凸状部4に壁面部47を設けると共に案内面49を配置したが、図13に示すように、これら壁面部47及び案内面49を設けなくても良い。即ち、例えば分離ガスノズル41を例に挙げると、この分離ガスノズル41の左右両側の凸状部4、4のうち右側(上流側)の凸状部4では、回転テーブル2の回転方向及び半径方向に亘ってガス滞留空間S2が形成されるように構成しても良い。
【0044】
また、第2の天井面45について、処理ガスノズル31、32の配置された領域の天井面と同じ高さとなるようにしても良い。更に、分離ガスノズル41、42のガス吐出孔33が下方側を向くように形成したが、ガス吐出孔33が下方側且つ回転テーブル2の回転方向上流側を向くように形成しても良い。更にまた、排気口61、62についてはサイドリング100に設けることに代えて、真空容器1の側面に形成しても良い。また、案内面49については、既述の例では垂直に形成したが、例えば当該案内面49が下方側を向くように、鉛直面に対して傾斜させても良い。
【0045】
ここで、回転テーブル2の回転数が速くなればなる程、回転テーブル2の回転に連れられて処理ガス同士が互いに混合しやすくなり、また各処理ガスの流量が多くなる程、処理ガスが分離領域Dに侵入しやすくなる。従って、本発明は、回転テーブル2の回転数が5rpm以上の場合、あるいは各処理ガスの流量が夫々50sccm(Si含有ガス)以上及び5000sccm(O3ガス)以上の場合に特に大きな効果が得られる。また、分離ガスノズル41、42から各々供給される分離ガスの流量について一例を挙げると、1000〜10000sccmであり、処理ガスの流量(Si含有ガス及びO3ガスの合計流量)Qで規定すると10000〜40000×Qsccmである。
分離ガスとしては、N2ガスに代えて、あるいはN2ガスと共に、Ar(アルゴン)ガスなどの不活性ガスを用いても良い。
【0046】
本発明の基板処理装置としては、既述の例では成膜装置を例に挙げたが、成膜処理以外にも例えばエッチング処理を行う装置として構成しても良い。この場合には、既述の第1の処理ガスとして、例えばポリシリコン膜をエッチングするためのBr(臭素)系のエッチングガスが用いられると共に、第2の処理ガスとして、例えばシリコン酸化膜をエッチングするための例えばCF系のエッチングガスが用いられる。そして、各処理領域P1、P2には、各々の処理ガスをプラズマ化するために、高周波電圧を印加するプラズマ源が各々設置される。
ウエハW上には、例えばポリシリコン膜とシリコン酸化膜とが交互に複数層に亘って積層されると共に、この積層膜の上層側に、ホールや溝のパターニングされたレジスト膜が形成されている。このウエハWに対して既述の基板処理装置を用いてエッチング処理を行うと、例えば第1の処理領域P1において、レジスト膜を介して積層膜の上層側のポリシリコン膜がエッチングされる。次いで、第2の処理領域P2において、このポリシリコン膜の下層側のシリコン酸化膜がレジスト膜を介してエッチングされ、こうして回転テーブル2の回転により、共通のレジスト膜を介して積層膜が上層側から下層側に向かって順番にエッチングされていく。この場合においても、処理領域P1、P2同士の間に分離領域Dを設けているので、処理ガス同士が混合することが防止されると共に、分離ガスにより処理ガスが希釈することが抑制されて良好なエッチング処理が行われる。
【符号の説明】
【0047】
W ウエハ
D 分離領域
P1、P2 処理領域
S1 狭隘な空間
S2 ガス滞留空間
1 真空容器
2 回転テーブル
4 凸状部
31、32 処理ガスノズル
41、42 分離ガスノズル
44 第1の天井面
45 第2の天井面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空容器内にて複数種類の処理ガスを順番に基板に供給するサイクルを複数回繰り返して薄膜を形成する成膜装置において、
前記真空容器内に設けられ、周方向に沿って基板を載置する基板載置領域をその上面に備えると共に、この基板載置領域を公転させるための回転テーブルと、
この回転テーブルの周方向に互いに離間した処理領域に互いに異なる処理ガスを夫々供給する複数の処理ガス供給部と、
各処理領域の雰囲気を分離するために各処理領域の間に形成された分離領域に対して分離ガスを供給するために、前記回転テーブルの中央側から外周側に亘って伸びるように分離ガスノズルが配置された分離部と、
前記回転テーブルの外縁側に設けられ、前記真空容器内の雰囲気を真空排気するための排気口と、を備え、
前記分離部は、
前記分離ガスノズルにおける前記回転テーブルの回転方向下流側に設けられ、前記回転テーブルの上面との間に当該回転テーブルの中央側から外周側に亘って狭隘な空間を形成して、この狭隘な空間への処理ガスの侵入を阻止するための第1の天井面と、
前記分離ガスノズルにおける前記回転テーブルの回転方向上流側に設けられ、前記回転テーブルの中央側から外周側に亘って前記第1の天井面よりも高くなるように形成された第2の天井面と、を備え、
前記排気口は、前記第2の天井面と前記回転テーブルとの間の領域であるガス滞留空間に連通するように設けられていることを特徴とする成膜装置。
【請求項2】
前記ガス滞留空間における前記回転テーブルの回転方向上流側には、前記ガス滞留空間に処理ガスが侵入することを抑えるために、前記第2の天井面から前記回転テーブルに向かって伸びる壁面部が前記回転テーブルの中央側から外周側に亘って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
【請求項3】
前記ガス滞留空間よりも外周側における前記回転テーブルの外縁部と前記真空容器の内壁面との間には、前記分離ガスノズルから吐出される分離ガスを前記排気口に案内するために、前記分離ガスノズルの側方側から前記排気口に向かって当該分離ガスノズルの長さ方向に対して交差するように伸びる案内面が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の成膜装置。
【請求項4】
前記分離部は、各処理領域の間に個別に設けられ、
前記排気口は、各分離部に夫々独立して設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の成膜装置。
【請求項5】
真空容器内にて複数種類の処理ガスを順番に供給するサイクルを複数回繰り返して基板に対して処理を行う基板処理装置において、
前記真空容器内に設けられ、周方向に沿って基板を載置する基板載置領域をその上面に備えると共に、この基板載置領域を公転させるための回転テーブルと、
この回転テーブルの周方向に互いに離間した処理領域に互いに異なる処理ガスを夫々供給する複数の処理ガス供給部と、
各処理領域の雰囲気を分離するために各処理領域の間に形成された分離領域に対して分離ガスを供給するために、前記回転テーブルの中央側から外周側に亘って伸びるように分離ガスノズルが配置された分離部と、
前記回転テーブルの外縁側に設けられ、前記真空容器内の雰囲気を真空排気するための排気口と、を備え、
前記分離部は、
前記分離ガスノズルにおける前記回転テーブルの回転方向下流側に設けられ、前記回転テーブルの上面との間に当該回転テーブルの中央側から外周側に亘って狭隘な空間を形成して、この狭隘な空間への処理ガスの侵入を阻止するための第1の天井面と、
前記分離ガスノズルにおける前記回転テーブルの回転方向上流側に設けられ、前記回転テーブルの中央側から外周側に亘って前記第1の天井面よりも高くなるように形成された第2の天井面と、を備え、
前記排気口は、前記第2の天井面と前記回転テーブルとの間の領域であるガス滞留空間に連通するように設けられていることを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−69909(P2013−69909A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207990(P2011−207990)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】