説明

抗菌性組成物

本発明は、酸化亜鉛、硫酸バリウム、および結合銀イオンを含む組成物、ならびに、化粧品、インク、ラッカー、またはプラスチック等の様々な用途におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化亜鉛、硫酸バリウム、および結合銀イオンを含む組成物、ならびに、化粧品、インク、ラッカー、またはプラスチック等の様々な用途におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品、浴室の表面領域、手術器具、または壁塗料に関連するかを問わず、微生物汚染は、我々の日々の生活において不可欠な関心事である。保存料の使用は、微生物汚染予防のための一般的方法である。しかし、現在の動向は、規制問題を考慮すると、有機保存料がそのようなものとして良くないと思われていることを示している。したがって、無害で適合性のある新たな抗菌物質が真に求められている。
【0003】
銀は、抗菌性金属として知られており、過去に適用組成物中への銀の組込みの様々な提案が提唱されている。EP0190504は、抗菌剤としての銀と、抗菌効果を高めるための促進剤としての水和性または水和酸化物とを含む、抗菌性組成物を開示している。そのような組成物は、カテーテル等の器具を被覆するために使用可能であり、または骨セメント中に組み込むことができる。例示的な水和性または水和酸化物は、ケイ素、チタン、アルミニウム、または亜鉛から選択される元素から形成される。
【0004】
EP0251783は、微粒子形態のチタン、アルミニウム、またはケイ素の酸化物等、生理学的に不活性な合成支持材料上に堆積した、塩化銀またはリン酸銀等の抗菌性銀化合物を含む抗菌性組成物を開示している。好適な支持材料の表面積は拡張されるはずである。得られる抗菌性組成物は、ポリマー材料中に分散して抗微生物汚染を防止することができる。
【0005】
制菌作用と電気伝導性の組合せが、EP0427858に記載されている。雲母、アルミナ、または酸化チタン等の無機微粒子が、銀、銅、亜鉛、もしくは鉛等の制菌性金属、および/または制菌性金属化合物で被覆される。得られる粒子は、合成ポリマーに導入することができ、これにより制菌性および電気伝導性のポリマーが得られる。
【0006】
EP0677989は、銀、銅、酸化銀、ハロゲン化銀、酸化銅、ケイ酸亜鉛、酸化亜鉛またはこれらの混合物等の、金属または金属化合物の1次表面コーティングと、シリカおよびアルミナ等の、保護機能を提供する2次コーティングとを有する、チタン、アルミニウム、もしくは亜鉛の酸化物、雲母、またはシリカ等の無機粒子を含む抗菌性粉末組成物を開示している。2次コーティングは、抗菌性粒子と、該粒子が組み込まれ得るポリマーマトリックスとの間のバリアとして機能する。さらに、2次コーティングの層は、抗菌成分が、分散した粒子からポリマー中に拡散する速度に影響すると考えられる。
【0007】
EP0665004は、無機化粧品顔料と、該無機化粧品顔料の表面上に形成された金属酸化物の非晶質ガラスコーティング層と、金属酸化物の該コーティング層の格子内に挿入された抗菌性金属または抗菌性金属イオンとを含む、抗菌性化粧品顔料を開示している。化粧品顔料上に追加の層を形成することにより、顔料の色が変化する。追加の層を有する顔料で達成され得る色に制限されるため、これは、適用剤または製剤の製造者にとって望ましくない。
【0008】
上述のすべての引用文献において、抗菌効果のみを有する材料を介して抗菌作用が適用剤系に導入されるか、または追加の層が顔料の特性を改変する。
【0009】
WO2004/092283は、銀イオンが無機顔料に結合した抗菌性顔料を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】EP0190504
【特許文献2】EP0251783
【特許文献3】EP0427858
【特許文献4】EP0677989
【特許文献5】EP0665004
【特許文献6】WO2004/092283
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、抗菌作用を有する代替の組成物を提供することである。
【0012】
驚くべきことに、本発明による組成物は、上に挙げたすべての目的を満たすことができることが見出された。したがって、本発明は、酸化亜鉛、硫酸バリウム、および結合銀イオンを含む組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】例1の組成物に対し行った、異なる微生物による負荷試験結果を示す図である。
【図2】例1の組成物に対し行った、負荷試験結果でのスタフィロコッカス・アウレウスに対する相乗抗菌効果を示す図である。
【図3】例1の組成物に対し行った、負荷試験結果でのカンジダ・アルビカンスに対する相乗抗菌効果を示す図である。
【図4】例1の組成物に対し行った、負荷試験結果でのマラセチア・フルフルに対する相乗抗菌効果を示す図である。
【図5】例1の組成物に対し行った、負荷試験結果でのスタフィロコッカス・エピデルミデスに対する相乗抗菌効果を示す図である。
【図6】例1の組成物に対し行った、負荷試験結果でのプロピオニバクテリウム・アクネスに対する相乗抗菌効果を示す図である。
【図7】例1の組成物に対し行った、負荷試験結果でのコリネバクテリウム・キセロシスに対する相乗抗菌効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明において、「結合銀イオン」は、イオン形態の銀が、共有結合またはイオン結合、好ましくはイオン結合により結合しており、特に好ましくは後述の例1に従い調製された酸化亜鉛および/または硫酸バリウムに結合していることを意味する。「結合銀イオン」の別の好ましい形態は、追加の化合物を水中に懸濁させ、酢酸銀を水中に溶解させ、溶解した酢酸銀を第1の懸濁液に移した後、20℃から45℃で加熱し、銀イオンで被覆された追加の化合物である沈殿物を吸引濾過して乾燥することにより調製された、銀イオンで被覆された下に定義されるような追加の化合物である。
【0015】
本発明の組成物において、酸化亜鉛対硫酸バリウム対結合銀イオンの比は、重量に基づき、12000:2000:1から8:1:1の範囲内である。好ましくは、酸化亜鉛対硫酸バリウム対結合銀イオンの比は、成分の重量に基づき、8000:1000:1から12:2:1の範囲内であり、特に、この比は2500:500:1である。この文脈において、結合銀イオンの量は、酸化銀として計算される。
【0016】
説明された組成物は、例えば、抗菌性であるという追加の利益を有する放射線不透過性の歯科材料としての使用に特に好適である。前記組成物は、免疫系を強化する抗菌物質としての能力により、風邪および上部気道の予防および治療に使用することができる。さらなる用途では、その抗菌機能と組み合わせて、潜在的な歯垢抑制力が用いられる。これらの上述の用途すべてにおいて、銀イオンの抗菌作用および酸化亜鉛の免疫系強化能力等、本発明による組成物の単一成分の相補的効果が用いられる。
【0017】
特に、酸化亜鉛、硫酸バリウム、および結合銀イオンが、さらなる相乗的な抗菌作用を有することが見出された。好ましくは、本発明による組成物はまた、相乗的な抗刺激性、相乗的な抗炎症性、相乗的な創傷治癒特性、相乗的な抗座瘡特性、相乗的な抗抜け毛特性、皮脂分泌の低減における相乗的な特性、相乗的なUV保護特性、および/または皮膚病、特にアトピー性皮膚炎に対する相乗的な効果を有し、抗菌作用が直接的または間接的な役割を果たす。銀イオンの抗菌作用と、イオンが結合し得る物質との間の関係が知られていないため、この相乗効果は驚くべきことである。
【0018】
本発明のさらなる実施形態において、組成物は、組成物を基準として、好ましくは30重量パーセントから50重量パーセントの量の追加の化合物をさらに含む。結果として、本発明の好ましい組成物は、組成物を基準として、30重量パーセントから50重量パーセントの追加の化合物、40重量パーセントから60重量パーセントの酸化亜鉛、5重量パーセントから10重量パーセントの硫酸バリウム、および0.001重量パーセントから5重量パーセントの酸化銀として計算される結合銀イオンを含む。特に好ましい組成物は、0.005重量パーセントから0.06重量パーセントの酸化銀として計算される結合銀イオン、なかでも特に好ましくは、0.01重量パーセントから0.04重量パーセントの酸化銀として計算される結合銀イオンを含む。これらの追加の化合物は、任意の既知の規則的または不規則的な形状、例えば血小板、球、または針の形状を有し得る。好ましくは、追加の化合物は、血小板状、球状、または針状である。
【0019】
好ましくは、追加の化合物は、天然もしくは人工雲母、SiO2、TiO2、BiOCl、酸化アルミニウム、ガラス、雲母状酸化鉄、黒鉛、酸化黒鉛、酸化アルミニウム被覆黒鉛、塩基性炭酸鉛、硫酸バリウム、酸化クロム、BN、MgO、フッ化マグネシウム、Si34、および/または金属の群から選択される。金属の例は、アルミニウム、チタン、銀、銅、青銅、合金または金であり、好ましくはアルミニウムまたはチタンである。金属は、無機処理により不動態化されてもよい。
【0020】
特に、追加の化合物は、天然または人工雲母、SiO2、TiO2、酸化アルミニウム、ガラス、または雲母状酸化鉄の群から選択され、最も好ましくは、追加の化合物は雲母である。後者の場合、本発明による組成物は、好ましくは、40重量パーセントの雲母、50重量パーセントの酸化亜鉛、9.98重量パーセントの硫酸バリウム、および0.02重量パーセントの酸化銀として計算される結合銀イオンを含む。酸化亜鉛および硫酸バリウムは、好ましくは、追加の化合物の表面上、特に雲母の表面上に堆積される。
【0021】
さらに、上述の追加の化合物は、BiOCl、ならびに/または、透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属サルフェート、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物の、1つまたは複数の層または堆積物で被覆されてもよい。
【0022】
透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属サルフェート、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物の、1つまたは複数の層または堆積物として、すべての既知の材料を選択することができる。透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物の、1つまたは複数の層または堆積物は、高屈折率(n>1.8)または低屈折率(n≦1.8)を有し得る。金属酸化物または水和金属酸化物は、任意の既知の金属酸化物または水和金属酸化物、例えば、SiO2、Al23、TiO2、ZnO、ZrO2、Ce23、FeO、Fe23、Cr23、SnO2、酸化ケイ素水和物、酸化アルミニウム水和物、酸化チタン水和物、および/またはこれらの混合物、例えばイルメナイトもしくは偽板チタン石(pseudobrookite)等から選択することができる。金属は、任意の既知の金属、例えば、クロム、モリブデン、アルミニウム、銀、白金、ニッケル、銅、金、および/または合金等から、好ましくはアルミニウムおよび/または銀から選択することができる。金属フッ化物の例は、フッ化マグネシウムである。金属サルフェートの例は、硫酸バリウムである。金属窒化物または金属オキシニトリドとして、例えば、チタン、ジルコニウム、および/またはタンタルの窒化物またはオキシニトリドを使用することができる。好ましくは、1つまたは複数の層または堆積物は、金属酸化物、水和金属酸化物、金属、金属サルフェート、および/または金属フッ化物、特に、金属酸化物、水和金属酸化物、および金属サルフェートからなる。さらに、追加の化合物は、高屈折率および低屈折率を有する材料を含む多層組成物を有し得る。多層効果化合物(multilayer effect compound)を含む組成物は、強い光沢を有する外観および角度依存性干渉色により特徴付けられる。好ましくは、BiOCl、ならびに/または、透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物の、1つまたは複数の層は、屈折率nが1.8を超える、透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物、またはBiOCl、ならびに、屈折率nが1.8以下の、透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物の交互の層として、特に、高屈折率を有する材料の1層と、低屈折率を有する材料の1層とを備える2つの層のスタックとして配置され、これらのスタックの1つまたは複数を、追加の化合物に施すことができる。高屈折率を有する材料および低屈折率を有する材料の層の順番は、追加の化合物の材料に適応させることができ、このように追加の化合物が多層組成物中に組み込まれる。
【0023】
屈折率nが1.8を超える材料の好ましい例は、酸化チタン、酸化鉄、チタン酸鉄、鉄、クロム、銀、および/またはニッケル、好ましくは酸化チタン、酸化鉄、チタン酸鉄である。屈折率nが1.8以下の材料の好ましい例は、酸化ケイ素、酸化ケイ素水和物、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、アルミニウムおよび/またはマグネシウムフッ化物である。別の実施形態において、透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物は、有機および/もしくは無機着色剤またはドーパントとしての元素を追加的に含有してもよい。有機または無機着色剤の吸収色は、金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物の、1つまたは複数の層の干渉効果と組み合わされ、これにより特殊な色効果を有する顔料が生成される。有機着色剤の例は、アゾ顔料、アントラチノン顔料(anthrachinonepigment)、インジゴもしくはチオインジゴ誘導体、ジケト−ピロロ−ピロール顔料、ペリレン顔料、またはフタロシアニン顔料である。カーボンブラック、プルシアンブルー、ターンブルブルー(Turnbulls blue)、リンマングリーン(Rinnmanns green)、テナルドブルー(Thenards Blue)、および有色金属酸化物は、無機着色剤のほんの一例であり、1つまたは複数の層中に導入され得る。イットリウムまたはアンチモンをドーパントとして使用することができる。これらの組成物の使用は、製剤および適用剤に添加される保存料の含量の低減をもたらし、したがって、生産コスト、ならびに製剤および適用剤が微生物で汚染されるのを防ぐために必要な適用者による尽力の低減を可能とする。
【0024】
上述の材料および追加の化合物の例および実施形態は、例えば、研究の開示RD471001およびRD472005に記載されており、これらの明細は、参照することにより本明細書に組み入れられる。
【0025】
血小板状の追加の化合物の平均直径は、1μmから200μmの間、好ましくは10μmから150μmの間で変動し得る。所望の用途に依存して、追加の化合物のサイズは、適宜最適化され得る。追加の化合物の全体的な厚さは、0.05μmから6μmの間、特に0.1μmから4.5μmの間の範囲内である。
【0026】
透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属サルフェート、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物の、1つまたは複数の層または堆積物の厚さは、3nmから300nmの間、好ましくは20nmから200nmの間で変動し得る。金属層または堆積物の厚さは、好ましくは、4nmから50nmの範囲内である。金属酸化物および金属サルフェートを含む堆積物の厚さは、好ましくは、4nmから50nmの範囲内である。層の厚さを調節することにより、吸収色または干渉色の強さおよび角度を調整することができる。
【0027】
追加の化合物、およびその上に被覆される層または堆積物の材料に依存して、可変の色、隠蔽力(hiding strength)、光沢、および角度依存性の色の印象を有する組成物を得ることができる。
【0028】
上述の層または堆積物の調製は、湿式化学処理から、ゾルゲルプロセスから、または化学もしくは物理蒸着(CVD/PVD)により得ることができる。堆積の後、得られた顔料を乾燥または焼成することができる。
【0029】
本明細書に記載された追加の化合物の例は、Merck KGaA製のIriodin(登録商標)、Candurin(登録商標)、Timiron(登録商標)、Colorstream(登録商標)およびXirallic(登録商標)顔料、Engelhard Corp.製のMearlin(登録商標)およびDynacolor(登録商標)顔料、BASF製Variochrom(登録商標)およびPaliochrom(登録商標)顔料、またはFlex Products製Spectraflair(登録商標)顔料等の顔料を含む。
【0030】
本発明の別の好ましい実施形態において、追加の化合物は、金属酸化物、例えばSiO2、TiO2、酸化アルミニウム、ガラス、MgO、酸化鉄等、さらにBiOCl、炭酸マグネシウム、黒鉛、酸化黒鉛、酸化アルミニウム被覆黒鉛、塩基性炭酸鉛、硫酸バリウム、酸化クロム、BN、フッ化マグネシウム、Si34、および/または金属の球状粒子を含む。好ましくは、球状粒子は、SiO2、TiO2、Al23、ZnO、Fe23、FeO、および/またはこれらの混合物を含む。さらに、球状粒子は、透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属サルフェート、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物の、1つまたは複数の層または堆積物で被覆することができる。透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属サルフェート、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物の、1つまたは複数の層または堆積物のための材料は、効果顔料に関して説明されたものから選択することができる。
【0031】
有機および/または無機化合物または材料をカプセル化する、上述の材料の球状カプセルもまた、本明細書において適用される追加の化合物の定義の意味で好適である。例えば、カプセル化された化合物または材料は、例えばUVフィルタから選択され得る。特に好ましく使用されるカプセルは、例えば特許出願WO00/09652、WO00/72806、およびWO00/71084に記載のプロセスにより得ることができる壁を有する。本明細書では、その壁がシリカゲルでできているカプセルが好ましい。
【0032】
本発明の一実施形態において、球状粒子は、透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属サルフェート、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物の、1つまたは複数の層で被覆される。外層として、透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物の層が好ましい。上述の粒子は、例えば、Merck KGaA(Darmstadt)製Ronaspheres(登録商標)またはEusolex(登録商標)UV−Pearls(商標)として、商業的に得ることができる。これらの追加の化合物は、その球形状に関連した化粧品または薬学的製剤において有利である。これらの追加の化合物に基づく組成物は、材料に依存して、良好な皺隠蔽効果および良好な皮膚感触を示し、充填剤として、またはカプセルの場合には、さらに抗菌作用および例えばUVフィルタ作用等の組み合わされた機能を備えた有効成分としても使用可能である。さらに、これらの追加の化合物に基づく組成物はまた、皮膚のてかりを低減し、皮膚表面により滑らかな外観を与える。加えて、「抗菌性球体」の滑りおよび転がり効果により、皮膚感触が改善される。口腔ケア用適用剤では、例えば抗菌性の低摩耗球体を有利に使用することができる。これらの粒子は、抗菌作用を球体の低摩耗特性と組み合わせる。
【0033】
球状粒子またはカプセルの平均直径は、5nmから100μmの間、好ましくは8nmから50μmの間、最も好ましくは8nmから5μmの間で変動し得る。球状金属酸化物、特にUVフィルタ作用を有する金属酸化物は、好ましくは、5nmから100nm、特に8nmから50nm、最も好ましくは8nmから30nmの平均直径を有する。これらの粒子は大きな表面積を特徴とし、したがって本発明による組成物のための追加の基材として有利に使用することができる。抗菌作用は、例えばUVフィルタ作用と組み合わされ、これにより多機能性材料が提供される。
【0034】
酸化亜鉛および/または硫酸バリウムは、好ましくは、追加の化合物の表面上に、粒子の形態で堆積される。
【0035】
より詳細には、本発明の最も好ましい実施形態は、追加の化合物として、0.1μm(ミクロン)から2.0μmの平均直径を有する硫酸バリウムの粒子、および0.05μm(ミクロン)から1.5μmの平均長軸直径を有する酸化亜鉛の針状結晶粒子で被覆された粒子表面を有するフレーク状粉末を含み、前記フレーク状粉末の量に対して、前記硫酸バリウムの重量部単位の量が、前記酸化亜鉛の重量部単位の量より少ない。本発明の目的で使用されるフレーク状粉末は、例えば、0.5μm(ミクロン)から100μmの粒子直径を有する、雲母、絹雲母、タルク、またはカオリンであってもよく、好ましくは雲母(白雲母)である。
【0036】
これらの基本材料は、例えば、Merck KGaA(ドイツ)製Shadeleaf A(登録商標)として知られており、例えばEP889099B1に記載のような既知の方法により調製され得る。一般に、そのような材料は、上述のようなフレーク状粉末を水中に懸濁させてその懸濁液を形成し;(a)水溶性バリウム化合物と、(b)硫酸、硫酸ナトリウム、および硫酸カリウムからなる群の一要素を含有し、また(a)におけるバリウムイオンよりも高い化学量論的当量比の硫酸イオンを含有する溶液とを、(a)の適量を添加した後に(b)を滴下するか、または(a)および(b)を同時に滴下するような手法で、前記懸濁液に滴下し、それにより、前記懸濁液中の前記フレーク状粉末の粒子が、硫酸バリウムの粒子で被覆され;(c)硫酸亜鉛および酢酸亜鉛からなる群からの水溶性亜鉛化合物と、(d)塩基性溶液とを、(c)の適量を添加した後に(d)を滴下するか、または(c)および(d)を同時に滴下するような手法で、前記懸濁液に滴下し、それにより、前記フレーク状粉末の前記粒子が、亜鉛の水酸化物または炭酸塩で被覆され;前記被覆された粒子を濾過により収集し;それらを洗浄し;それらを乾燥させ;またそれらを焼成することで、調製される。これらの材料の調製方法のさらなる詳細は、参照することにより本明細書に組み入れられるEP889099B1の2〜5ページに見出すことができる。これらの好ましい材料上に銀イオンが結合し、上述の利点を有する本発明による組成物が得られる。この場合、組成物は、抗菌作用を提供するだけでなく、酸化亜鉛および硫酸バリウムで被覆された雲母フレークという完全な組成物の構成に起因して、得られたこれらの材料は、UV遮蔽特性を有する効果的な充填材として使用することができる。
【0037】
したがって、本発明による好ましい組成物は、組成物を基準として、30重量パーセントから50重量パーセントの追加の化合物、40重量パーセントから60重量パーセントの酸化亜鉛、5重量パーセントから10重量パーセントの硫酸バリウム、および0.005重量パーセントから5重量パーセントの酸化銀として計算される結合銀イオンを含み、好ましくは、組成物は、組成物を基準として、40重量パーセントの追加の化合物、50重量パーセントの酸化亜鉛、9.98重量パーセントの硫酸バリウム、および0.02重量パーセントの酸化銀として計算される結合銀イオンを含む。
【0038】
本発明による組成物は、単純な様式で得ることができる。したがって、組成物の調製方法もまた、本発明の一部である。本発明による組成物の生成のための好ましいプロセスは、酸化亜鉛、硫酸バリウム、および抗菌成分としての銀塩を含む懸濁液の撹拌を含む。一般に、本発明による方法において、いかなる銀塩でも使用可能であり、好ましくは、銀塩は酸化銀または酢酸銀である。
【0039】
プロセスは、A.Goetz、E.C.Y.Inn、「Reversible Photolysis of Ag Sorbed on Collodial Metal Oxides」、Rev.Modem Phys.1948、20、131〜142に記載のプロセスに基づく。
【0040】
好ましくは、EP889099B1に記載の顔料がこのプロセスにおいて使用される。結果として、本発明の好ましい方法は、上述のような酸化亜鉛および硫酸バリウム、ならびに抗菌成分としての銀塩で被覆された雲母フレークを含む懸濁液の撹拌を含む。
【0041】
調製は、水、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、および/またはこれらの混合物中で行うことができ、好ましくは水が使用される。調製温度は、10℃から60℃の間、好ましくは20℃から45℃の間で変動することができ、最も好ましくは、37℃に保持される。
【0042】
懸濁液は、4時間から24時間まで、好ましくは8時間から20時間、最も好ましくは10時間から18時間撹拌される。
【0043】
反応の進行は、容易に制御可能である。酸化銀の濃度に依存する反応混合物の最初の暗色は、反応の終了時には無色に変化する。
【0044】
抗菌性化合物の量は、組成物を基準として、0.005重量%から5重量%、好ましくは0.005重量%から0.6重量%、特に好ましくは0.01重量%から0.04重量%の範囲である。
【0045】
得られる組成物は、当業者に知られたいかなる方法を使用しても分離することができる。好ましくは、生成物は、濾過または吸引濾過され、水で洗浄される。さらに、銀処理組成物は、残留した水を除去するために、アセトン等の有機溶媒でさらに洗浄されてもよい。本発明による組成物は、乾燥されてもよい。好ましくは、組成物は、オーブン内で、最も好ましくは50℃未満の温度で乾燥されるか、または、真空ポンプもしくは連続フラッシュ蒸発器を使用して、最も好ましくは真空下での溶媒の蒸発により、乾燥される。
【0046】
記載された生成プロセスは容易に行うことができ、また抗菌作用を追加する。
【0047】
本発明による組成物は、酸化亜鉛および/または硫酸バリウムの表面上のプロトンまたはイオンと、銀イオンとの間の交換反応を介して形成され、結果として銀イオンが組成物の部分、例えばZn−O-部分に結合すると考えられる。これらの微量作用構造(oligodynamically active structure)は、亜鉛酸銀(silver zincate)として近似的に説明され得る。反応のための銀イオンの源は、極めて水に難溶性の酸化銀である。しかし、任意の時点で溶液中に存在するいくつかの銀イオンは、例えば酸化亜鉛の表面領域上のプロトンと交換することができ、抗菌性組成物の他に、唯一の反応生成物として水を形成する。調査の過程において、さらなる分析的実験で、表面上に単純に堆積した金属銀または酸化銀が存在しないことが明らかとなり、これは、亜鉛酸銀が最も関連性のある構造であることを裏付けている。
【0048】
本発明による組成物は、微生物の成長および/もしくは後代の抑制のため、刺激、炎症、座瘡形成、皮脂分泌、抜け毛の抑制のため、UV保護のため、ならびに/または創傷治癒のために使用可能である。本発明における意味での微生物は、例えば、細菌(グラム陽性およびグラム陰性菌)、酵母、真菌およびウイルス等である。本明細書に記載の微生物の例は、例えば、ブドウ球菌属(Staphylococci)、小球菌属(Micrococci)、大腸菌属(Escherichia)、シュードモナス属(Pseudomonas)、バチルス属(Bacilli)、サルモネラ属(Salmonella)、赤痢菌属(Shigella)、ポルフィロモナス属(Porphyromonas)、プレボテラ属(Prevotella)、ウォリネラ属(Wolinella)、カンピロバクター属(Campylobacter)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、連鎖球菌属(Streptococci)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、トレポネーマ属(Treponema)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、アクチノミセス属(Actinomyces)、カンジダ属(Candida)、マラゼシア(Malazessia)、アスペルギルス属(Aspergillus)、単純ヘルペス1および2等から選択される微生物である。
【0049】
本発明による組成物は、良好な抗菌作用を示し、これは、媒体中の病原菌の数が再現可能に減少され得ることを意味する。特に、細菌の数は、14日の期間にわたり少なくとも103倍減少され得る(105〜106細菌/g/mlの接種材料で開始)。特に、酵母および真菌の数は、14日の期間にわたり少なくとも10倍減少され得る(105〜106真菌または酵母/g/mlの接種材料で開始)。
【0050】
本発明による組成物の抗菌作用は、例えばDIN58940および58944に基づく試験等、当業者に知られた試験により示され得る。
【0051】
したがって、本発明の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、例えば、化粧品製剤、塗料、インク、食品着色剤、ホームケア製品、動物ケア製品、個人衛生および職場衛生用製品、コンタクトレンズ、クロマトグラフィー材料、医療機器、保護局所薬、薬学的製剤、特に皮膚用製剤、ラッカー、コーティング、および/またはプラスチック等の製剤または適用剤において使用可能である。
【0052】
より詳細には、製剤および適用剤は、例えば、抗菌クレンザー、石鹸、殺菌剤、屋内および屋外用途防汚および抗菌塗料、抗菌壁紙、抗菌包帯材およびギブス、抗菌作用を有する人工器官および骨セメント、歯科充填材、歯科補綴物、胃腸感染症に対する製剤、活性炭、抗菌猫用トイレ、抗菌オムツ、タンポンまたは生理用ナプキン、室内または車内用空気芳香剤、口腔またはボディケア用製剤、吸収パッド、空調設備(フィルタおよびダクト)、空気膜構造(エアホール)、農業用および根覆い用フィルム、万能接着剤、機器および器具、機器用接着剤および封止剤、エプロン、人工皮革、人工植物、人工木材、およびプラスチック木材、アストロターフ(astroturf)、自動車部品、自動車およびトラック用車内装飾、日よけ、袋、包帯、遮蔽用布地、浴室備品、浴槽、寝具類、飲料自動販売機、よだれ掛け、ボート、ボートカバー、ブックカバー、ボトル、ブラシの毛、ブラシの柄、箒、建築部材(壁、壁板、床、コンクリート、羽目板、屋根材、こけら板、金物類、カーペットクリーナー、天井、および商業的および工業的用途)、ケーブル被覆材料、キャップ(帽子)、ボール紙、カーペットおよびカーペット下敷、キャスターの車輪、猫用トイレ、体温計、コート、コンパクトディスク、自動車用幌、調理器具、冷却器、冷却塔、カウンターおよびテーブルトップ、コンベヤベルト、カウンタートップ、クレジットカード、クレート(食品用および非食品用)、コップ、貨幣、カーテン、クッションパッド、まな板、甲板用材料、皿、皿拭き用布、皿洗い機部品、潜水器具またはシュノーケル、排水下水管、掛け布、運動器具、食肉処理場または酪農場または乳製品製造所用器具、ジム、サウナまたはマッサージ用器具、ファンの羽根、繊維充填材、フィルタ、接続金具、フェンス、床の敷物、床およびカーペットの裏地、床張り材、フォーム(クッション、マットレス)、食品調理用機器、食品および飲料処理器具、食品および飲料用容器、貯蔵庫および袋、食品取扱い器具、食品包装、食品および肉用クレート、食品トレイおよびカバー、食品用ラップ、履物(ブーツ、スポーツ用品、およびツールを含む)、果物および野菜用ブラシ、果物用クレート、家具、ゴミ袋、ゴミ箱、衣装袋、ガスケット、多目的容器、手袋、ガウン(医療用および一般消費者用)、グリーストラップ、固定温室(rigid greenhouse)、温室フィルム、グラウトおよび接合コンパウンド、暖房、換気および空調設備、ホース、製氷器具およびトレイ、失禁ケア製品、屋内および屋外用家具、工業用機材、エアベッド、ワイヤおよびケーブル用絶縁材、インシュレータ、肌着類(intimate apparel)、ジャケット裏地、清掃用器具、台所および浴室用金物類、台所のシンクおよび備品、キッチンタオル、ラミネートおよびタイル接着剤、敷設電池(laying batteries)、救命胴衣、裏地、マット、マットレスカバーパッドおよび詰め物、マットレス接着剤、医療および歯科用衣料、移動住宅、移動トイレ、モップ、通貨、天然および合成の繊維および布地、不織布、上着、包装、パレット、紙製品(ワイプ、ティッシュ、壁装材、タオル、ブックカバー、根覆い材)、枕カバー、パイプ、パイプ封止剤および絶縁材料、石膏、プラスチックフィルム、食器類、運動場の用具、配管サプライおよび備品(便座を含む)、配管用接着剤および封止剤、プールの内張り、処理槽、保護カバー、冷蔵庫部品、屋根板、膜、こけら板および雨よけ、ロープ、絨毯、販売カウンター、帆、衛生管、浴室、キッチンまたはガラス用封止コンパウンド、シーツおよびブランケット、靴、靴の中敷き、シャワーカーテン、シャワータブ、住宅用羽目板、サイレージラップ、サイロ、シンク、サイフォン、天窓、寝袋、寝間着、ソックスおよび靴下、スポンジ、スプリンクラー、スポーツウェアおよびスポーツ用品、貯蔵容器、スタッコ、サンルーフ、日よけ、ナプキン、タンク、テープ、タープ、電話ボックスまたは公衆電話、テントおよび他のアウトドア用品、布団地(マットレス枕)、タイル、タイルグラウト、歯ブラシの柄および毛、トイレットペーパーおよびハンカチ、トイレブロック(toilet block)およびクリーナー、タオル、歯ブラシタンブラー(toothbrush tumbler)、玩具、上着および衣類のトリム、トランクの内張り、管、傘、下着、制服、室内装飾品、掃除機バッグ、壁装材および床の敷物、壁紙、廃棄物用袋、水タンク、廃棄物用容器、水処理、水および氷取扱い器具およびフィルタ、ウェットスーツ、ワイプ、ワイヤおよびケーブル、木材、木材充填プラスチック(wood filled plastics)を意味し得る。
【0053】
好ましくは、本発明による組成物を含む製剤は、化粧品製剤である。化粧品製剤は、溶液、懸濁液、エマルジョン、パスタ、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、粉末、オイル、ペンシル、デオドラントクリーム、ゲル、ローション、エマルジョン、デオドラントスティック、ロールオン、スプレーおよびポンプスプレー、またはラッカー、特にネイルラッカーの形態となり得る。本発明による組成物を含むネイルラッカーの場合、爪の真菌症の治療または予防のためだけでなく、同様に化粧品の観点からの使用も可能である。したがって、色効果の抗菌作用との組合せは有利である。これらの適用剤のすべてにおいて、本発明による組成物の抗菌作用は、有利に使用され得る。例えば、組成物を含む顔料調製物または混合物は安定であり、長期間にわたり保存することができ、これにより、使用者のためのそれらの混合物および調製物の保存および消費を促進する。特に、水系のインク、塗料、および調製物の場合、これらの適用分野における材料のバクテリアによる急速な汚損および汚染のために、抗菌作用は非常に重要である。これらすべての製剤および適用剤における組成物の量は、本質的に重大ではなく、最も効果的な結果を得るようにそれぞれの場合で適応され得る。製剤または適用剤に依存して、含量は、製剤または適用剤を基準として、好ましくは、0.1重量%から70重量%の範囲内にある。
【0054】
上記のすべての適用剤において、本発明による組成物は、例えば、フェノキシエタノール、トリクロサン、7−エチルビシクロオキサゾリジン、安息香酸、ブロノポール、ブチルパラベン、クロルフェネシン、ジアゾリジニル尿素、ジクロロベンジルアルコール、ジメチルオキサゾリジン、DMDMヒダントイン、エチルパラベン、ヘキサミジンジイセチオネート、イミダゾリジニル尿素、イミダゾリジニル尿素NF、ヨードプロピニルブチルカルバメート、イソブチルパラベン、メチルパラベン、ソルビン酸カリウムNF FCC、プロピルパラベン、クオタニウム−15、安息香酸ナトリウムNF FCC、カプリル酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウムFCC、ヒドロキシメチルグリシンナトリウム、ヒドロキシメチルグリシンナトリウム、メチルパラベンナトリウム、プロピルパラベンナトリウム、ソルビン酸NF FCC、アニス酸、塩化ベンゼトニウム、カプリル酸/カプリン酸グリセリド、カプリリルグリコール、ジ−アルファ−トコフェロール、エチルヘキシルグリセリン、カプリン酸グリセリル、メチルイソチアゾリノン、ポリメトキシ二環式オキサゾリジン等、すべての既知の保存料または抗菌剤と有利に組み合わせることができる。酢酸トコフェロール、アルコール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、チャノキ(camellia sinensis)葉抽出物、カンジダボンビコラ/グルコース/ナタネ油脂肪酸メチル(candida bombicola/glucose/methyl rapeseedate)、過酸化水素、メチルベンゼトニウムクロリドフェノール、フランス海岸松(pinus pinaster)樹皮抽出物、ポロクサマー188、PVP−ヨウ素、ローズマリー(Rosmarinus officinalis)葉抽出物、ヨーロッパブドウ(Vitis vinifera)種抽出物、安息香酸アンモニウム、プロピオン酸アンモニウム、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、クロロキシレノール、エチルアルコール、グルタラール、ヨードプロピニルブチルカルバメート、イソチアゾリノン、パラベン、ピロクトンオラミン、二硫化セレン、ソルビン酸(モールド)、亜鉛ピリチオン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、デヒドロ酢酸、ジメチルヒドロキシメチルピラゾール、ホルムアルデヒド、ヘキセチジン、メチルジブロモグルタロニトリル、サリチル酸、ヒドロキシメチルグリシンナトリウム、ヨウ素酸ナトリウム、酸化亜鉛、ベンジルアルコール(モールド)、ホウ酸(酵母)、クロロアセトアミド、フェノキシエタノール、オルトフェニルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、ブロノポール、ジアゾリジニル尿素、ジメチルヒドロキシメチルピラゾール、ジメチルオキサゾリジン、DMDMヒダントイン、エチルアルコール、7−エチルビシクロオキサゾリジン、ホルムアルデヒド、グルタラール、イミダゾリジニル尿素、イソチアゾリノン、メテンアンモニウムクロリド、メチルブロモグルタロニトリル、パラベン、ポリメトキシビシクロオキサゾリジン、クオタニウム−15、ヒドロキシメチルグリシンナトリウム、チメロサール、安息香酸、ベンジルアルコール、クロルヘキシジン、ヘキセチジン、フェネチルアルコール、ポリアミノプロピルビグアニド、ポリクオタニウム−42、サリチル酸、ヨウ素酸ナトリウム、トリクロカルバン、トリクロサン、フェノールスルホン酸亜鉛、クロロアセトアミド、クロロブタノール、デヒドロ酢酸、ニーム種油、パラベン、フェノキシエタノール、ティーツリーオイル、ウスニン酸、安息香酸アンモニウム、プロピオン酸アンモニウム、ベンズイソチアゾリノン、安息香酸、ベンゾトリアゾール、ベンジルアルコール、ベンジルヘミホルマル、ベンジルパラベン、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、安息香酸ブチル、ブチルパラベン、安息香酸カルシウム、カルシウムパラベン、プロピオン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム、キャプタン、クロラミンT、クロルヘキシジンジアセテート、クロルヘキシジンジグルコネート、
クロルヘキシジンジヒドロクロリド、クロロアセタミン(Chloroacetamine)、クロロブタノール、p−クロロ−m−クレゾール、クロロフェン、p−クロロフェノール、クロロチモール、クロロキシレノール、シトラスグランディス(Citrus Grandis)(グレープフルーツ)果実抽出物、シトラスグランディス(グレープフルーツ)種抽出物、ウスニン酸銅、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、DEDMヒダントイン、DEDMヒダントインジラウレート、デヒドロ酢酸、ジアゾリジニル尿素、ジブロモプロパミジンジイセチオネート、ジメチルヒドロキシメチルピラゾール、ジメチロールエチレンチオ尿素、ジメチルオキサゾリジン、ジチオメチルベンズアミド、DMDMヒダントイン、DMHF、臭化ドミフェン、フェルラ酸エチル、エチルパラベン、フェルラ酸、ホルムアルデヒド、グルタラール、グリセロールホルマル、グリオキサル、ヘキサミジン、ヘキサミジンジパラベン、ヘキサミジンパラベン、4−ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシメチルジオキサザビシクロオクタン(Hydroxymethyl Dioxazabicyclooctane)、イミダゾリジニル尿素、ヨードプロピニルブチルカルバメート、イソブチルパラベン、イソデシルパラベン、イソプロピルクレゾール、イソプロピルパラベン、イソプロピルソルベート、安息香酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、MDMヒダントイン、MEA−ベンゾエート、MEA o−フェニルフェネート、MEA−サリチレート、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルジブロモグルタロニトリル、メチルイソチアゾリノン、メチルパラベン、混合クレゾール、ナイシン、PEG−5 DEDMヒダントイン、PEG−15 DEDMヒダントイン、PEG−5ヒダントインオレエート、PEG−15 DEDMヒダントインステアレート、フェネチルアルコール、フェノール、フェノキシエタノール、フェノキシエチルパラベン、フェノキシイソプロパノール、安息香酸フェニル、酢酸フェニル水銀、安息香酸フェニル水銀、ホウ酸フェニル水銀、臭化フェニル水銀、塩化フェニル水銀、フェニルパラベン、o−フェニルフェノール、ポリアミノプロピルビグアニド、ポリアミノプロピルビグアニドステアレート、ポリメトキシ二環式オキサゾリジン、ポリクオタニウム−42;安息香酸カリウム、カリウムエチルパラベン、カリウムメチルパラベン、カリウムパラベン、カリウムフェノキシド、カリウムo−フェニルフェネート、プロピオン酸カリウム、カリウムプロピルパラベン、サリチル酸カリウム、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸、安息香酸プロピル、プロピルパラベン、クオタニウム−8、クオタニウム−14、クオタニウム−15、ホウケイ酸銀、銀マグネシウムアルミニウムリン酸塩(Silver Magnesium Aluminium Phosphate)、安息香酸ナトリウム、ナトリウムブチルパラベン、ナトリウムp−クロロ−m−クレゾール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ナトリウムエチルパラベン、ギ酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシメチルグリシンナトリウム、ナトリウムイソブチルパラベン、ナトリウムメチルパラベン、ナトリウムパラベン、フェノールスルホン酸ナトリウム、ナトリウムフェノキシド、ナトリウムo−フェニルフェネート、プロピオン酸ナトリウム、ナトリウムプロピルパラベン、ナトリウムピリチオン、サリチル酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸、TEA−ソルベート、チメロサール、トリクロカルバン、トリクロサン、ウンデシレノイルPEG−5パラベン、亜鉛ピリチオンまたはこれらの組合せ、例えば、ベンジルアルコール/メチルクロロイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノン、ベンジルアルコール/PPG−2メチルエーテル/ブロノポール/デセス−8/ヨードプロピニル/ブチルカルバメート、クロロアセトアミド安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸/ベンジルアルコール、ジアゾリジニル尿素/ヨードプロピニルブチルカルバメート、ジアゾリジニル尿素/メチルパラベン/エチルパラベン/ブチルパラベン/プロピルパラベン/イソブチルパラベン/2−フェノキシエタノール、DMDMヒダントイン/ヨードプロピニルブチルカルバメート、グリセリン/水/エトキシジグリコール/カプリリルグリコール/ポリアクリル酸ナトリウム、ラウリン酸グリセリル/カプリルイル/フェニルプロパノール/ジプロピレングリコール、イソプロピルパラベン/イソブチルパラベン/ブチルパラベン、メチルクロロイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノン、メチルジブロモグルタロニトリル/メチルクロロイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノン/フェノキシエタノール、メチルジブロモグルタロニトリル/フェノキシエタノール、メチルクロロイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノン、メチルパラベン/エチルパラベン/ブチルパラベン/プロピルパラベン/ブチレングリコール、メチルパラベン/エチルパラベン/ブチルパラベン/プロピルパラベン/イソブチルパラベン、メチルパラベン/エチルパラベン/ブチルパラベン/プロピルパラベン/イソブチルパラベン/2−フェノキシ−エタノール/ブロノポール、メチルパラベン/エチルパラベン/ブチルパラベン/プロピルパラベン/1,3−ブチレングリコール異性体、メチルパラベン/プロピルパラベン、メチルパラベン/プロピルパラベン/ベンジルアルコール、メチルパラベン/プロピルパラベン/ブロノポール/フェノキシエタノール、メチルパラベン/プロピルパラベン/ブロノポール/プロピレングリコール、メチルパラベン/プロピルパラベン/エチルパラベン、メチルパラベン/プロピルパラベン/プロピレングリコール/ジアゾリジニル尿素、フェノキシエタノール/安息香酸/ジヒドロ酢酸、フェノキシエタノール/ベンジルアルコール/ソルビン酸カリウム/トコフェロール、フェノキシルエタノール/クロルフェネシン/グリセリン/メチルパラベン/安息香酸、フェノキシエタノール/DMDMヒダントイン/ヨードプロピニルブチルカルバメート、フェノキシエタノール/DMDMヒダントイン/メチルパラベン/プロピルパラベン、フェノキシエタノール/イソプロピルパラベン/イソブチルパラベン/ブチルパラベン、フェノキシエタノール/メチルジブロモグルタロニトリル/ヨードプロピニルブチルカルバメート、フェノキシエタノール/メチルパラベン/ブチルパラベン/エチルパラベン/プロピルパラベン、フェノキシエタノール/メチルパラベン/ブチルパラベン/エチルパラベン/プロピルパラベン/イソブチルパラベン、フェノキシエタノール/メチルパラベン/イソブチルパラベン/ブチルパラベン、フェノキシエタノール/トリエチレングリコール/ジクロロベンジルアルコール、ポリアミノプロピルビグアニド/パラベン/フェノキシエタノール、PPG−2メチルエーテル/安息香酸ナトリウム/ソルビン酸カリウム/ヨードプロピニルブチルカルバメート、プロピレングリコール/ベンジルアルコール/メチルクロロイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノン、プロピレングリコール/ジアゾリジニル尿素/ヨードプロピニルブチルカルバメート、プロピレングリコール/ジアゾリジニル尿素/メチルパラベン/プロピルパラベン、プロピレングリコール/MDMDヒダントイン/メチルパラベン、プロピレングリコール/MDMDヒダントイン/メチルパラベン/プロピルパラベン、プロピレングリコール/地衣類抽出物、プロピレングリコール/フェノキシエタノール/クロルフェネシン/メチルパラベン、レブリン酸ナトリウム/フェニルプロパノールの組合せ等である。本発明による組成物の、上に挙げた保存料または抗菌剤との組合せは、製剤または適用剤における保存料または抗菌剤の量を低減させるのに役立ち、これは、規制状況および皮膚との適合性の点で、特に局所適用剤において有利である。
【0055】
さらに、本発明による製剤中の組成物は、抗生物質と有利に組み合わせることができる。この場合の抗生物質は、例えば、ベータラクタム、バンコマイシン、マクロライド、テトラサイクリン、キノロン、フルオロキノロン、ニトロ化化合物(例えば、ニトロキソリン、チルボキノール(Tilboquinol)、またはニトロフラントインとして)、アミノグリコシド、フェニコール、リンコサミド、シネルジスチン(Synergistins)、ホスホマイシン、フシジン酸、オキサゾリジノン、リファマイシン、ポリミキシン、グラミシジン、チロシジン、糖ペプチド、スルホンアミド、またはトリメトプリムの群から選択される、すべての既知の抗生物質を意味する。ある特定の抗生物質に対するいくつかの微生物の耐性の点で、組成物と抗生物質の組合せは有利である。抗生物質の本発明による組成物との組合せは、抗生物質に影響されなかった微生物の数を単に減らすことにより、耐性を克服するのに役立つ。
【0056】
いくつかの適用分野において、抗菌作用が、処理のいくつかの段階において有用となり得る。例えば、本発明による組成物を含むプラスチックまたはポリマーは、マスターバッチの形態で、微生物によるマスターバッチの汚染の危険性なしに長期間保存することができる。マスターバッチは、すべての既知のマスターバッチと同じ様式で処理することができる。それにより得られる生成物は、ここでも抗菌作用を示す表面を有する、建築および建設、家庭用品および家具、電気および電子部品、衣料、紡織物および布地、コーティングおよびラミネート、輸送および娯楽、接着剤、封止剤およびグラウト、食品と接触する品物および水と接触する品物、例えばプラスチックボトル、ボトルキャップ、フィルム、共押出フィルム、自動車用外装および内装部品等において有用である。特に、本発明による組成物を備えるボトルおよびフィルムは、その中に包装される製品および消費財における微生物の数の低減の点で興味深い。また、浴場、スイミングプール、台所、接合コンパウンド、封止コンパウンド、またはその他一般に湿度のある環境にあるものに使用されるプラスチックまたはポリマーに、本発明による組成物を有利に施すことができる。物品が製造される元となる好適なプラスチックおよびポリマーは、合成、天然および半合成有機ポリマーを含む。本発明を実践するために使用可能なポリマーの例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、および高性能樹脂や繊維用の液晶性ポリマーを含む、脂肪族および芳香族ポリエステル;ポリエステルブロックコポリマー;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン1212、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドを含む脂肪族および芳香族ポリアミド;共重合ポリアミド;ポリエチレン、ポリプロピレン、およびこれらのコポリマーを含むポリオレフィン;ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂、およびアクリル樹脂を含むビニルポリマー;エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、およびポリフッ化ビニルを含むフルオロカーボンポリマー;ポリウレタン;セグメント化ポリウレタンエラストマー、スパンデックス、またはエラスタンエラストマー;ポリアセタールを含むポリエーテル;ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK);ポリエーテルおよびポリエステルブロックポリマー;ポリスルフィド;ポリスルホン;ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン;ポリカーボネート;フェノール−ホルムアルデヒドコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルウレタン尿素、ポリエステルウレタン尿素等の熱硬化性合成ポリマー;セルロース誘導体、綿、およびウール等の天然ポリマー;ならびに、レーヨン、銅アンモニアレーヨン、アセテートレーヨン、トリアセテートレーヨン、再生シルクおよび多糖類等の再生または半合成ポリマーを含むが、これらに限定されない。この群は、妥当なコポリマー、ターポリマー、および列挙した種のうちの多数のブレンドを含む。スパンデックスは、本明細書において、少なくとも85重量%のセグメント化ポリウレタンを含む長鎖合成ポリマーでできた繊維またはフィラメントを指すものとして定義される。
【0057】
本発明のポリマー品は、例えば、フィルム、繊維、粉末、顆粒、またはこれらでできた物品、例えば容器、パイプ、およびブラシ用モノフィラメント等の形態であってもよい。高度の抗菌効果が望まれる場合、成形品は、好ましくは広い表面積を有する。
【0058】
抗菌特性を有する本発明のポリマー品は、上述の組成物のうちの少なくとも1種と、少なくとも1種の有機ポリマーとを含む。
【0059】
抗菌性組成物が約0.1重量%未満の量で組み込まれた場合、ポリマー品は、いかなる有用な用途においても不十分な抗菌作用を有する。しかし、極めて微細な粒子がポリマーマトリックスに組み込まれた場合、約0.1%未満でも許容され得ることが、当業者には理解される。約60重量%を超えると、ポリマー品の抗菌作用において有意な増加はなく、ポリマー品の物理的特性がある程度の低下を示し始める。これは、物品の有用性を制限する。さらに、経済的な観点から、また複合物の特性に対する望ましくない効果のために、高レベルの抗菌性組成物の組込みは望ましくない。抗菌性組成物の好ましい上限レベルは、約15重量%であり、このレベル未満に、抗菌作用、ポリマー品の特性、および費用効率の最適な組合せが存在する。
【0060】
本発明によるポリマー品は、抗菌性組成物だけでなく、他の添加剤を含有してもよい。例えば、それらは、重合触媒、安定剤、つや消し剤、蛍光増白剤、有機または無機顔料、無機充填材、可塑剤等を含有してもよい。本明細書において使用可能なプラスチックの例は、調製および処理方法と同様に、RD472005またはR.Glausch、M.Kieser、R.Maisch、G.Pfaff、J.Weitzel、Perlglanzpigmente、Curt R.Vincentz Verlag、1996、83 ffに見出すことができる。
【0061】
本発明による組成物を含む塗料およびラッカーは、水性または溶媒系であってもよい。それらは、例えば、アクリルポリマー、ビニルポリマー、アルキド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、硝酸セルロース、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、瀝青、タール、シェラック、天然ゴム、または樹脂等の、合成または化学改質天然ポリマーをベースとすることができ、例えば、乾燥促進剤(sikkative)、ワックス、分散剤、ブロッキング防止剤、または乾燥剤等の、すべての既知の添加剤およびアジュバントを含むことができる。組成物が加えられた塗料およびラッカーは、例えば、自動車分野もしくは工業分野、粉末コーティング、木、スチール、内壁、床、ブランケット、ファサード、または湿度のある環境におけるコーティングとしての建築用途に使用可能であり、それにより表面に抗菌作用を提供する。さらに、コーティングは微生物の攻撃に対し安定化され、これによりコーティングの耐久性を高める。
【0062】
本発明による抗菌性組成物は、液体インク、UV硬化性インク、ペーストインク、および紙コーティング等のすべての種類の印刷用インクに有利に適用され得る。これらの適用分野のための既知の調製物は、特に水系システムにおいて、抗微生物汚染に対する十分な安定性を欠いている。本発明による組成物の使用は、微生物による汚染の最小限化を助けることができ、したがって保存料の必要含量を減少させることができる。それにより提供される調製物は、長期間安定である。液体インクは、水系、水/アルコール混合液系、または溶媒系であってもよい。水性インク用の好適な結合剤は、アクリレート、メタクリレート、ポリエステル、およびポリウレタンである。溶媒系インク用の結合剤は、ニトロセルロース、エチルセルロース、ポリアミド、PVC/PVA−コポリマー、ポリビニルブチレート、塩化ゴム、ロジン改質フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、カルシウム/亜鉛−樹脂酸−EHEC、アクリレート、およびこれらの混合物である。溶媒系インクにおいて使用可能な溶媒は、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、トルエン、脂肪族炭化水素、および混合物である。UV硬化性印刷用インクは、基本的に、結合剤および液体モノマー、例えばエポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、反応性モノマーとしてのポリエステルアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ジ/トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチルプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、およびこれらの混合物等で構成される。本発明による組成物を含有するペーストインクは、溶媒として、ロジン改質フェノール樹脂、マレイン酸改質樹脂、アルキド樹脂、亜麻仁/大豆油系樹脂、炭化水素系樹脂および鉱油、亜麻仁油、または大豆油をさらに含有し得る。抗菌性組成物を含有する紙コーティングは、デンプン、タンパク質/カゼイン、ポリビニルアルコール、ラテックス、カルボキシメチルセルロース、またはアクリレート結合剤をさらに含有してもよい。印刷用インクは、既知の充填材およびレオロジー調整剤をさらに含有してもよい。印刷用インクの技術および組成物に関するさらなる情報は、R.L.Leach、R.J.Pierce、The Printing Ink Manual、第5版、Blueprint、London、1993により提供されている。
【0063】
さらに、本発明による組成物でデオドラントを着色することができる。デオドラント−クリーム、ゲル、ローション、エマルジョン、デオドラントスティック、ロールオン、スプレー、およびポンプスプレー等、異なる形態のデオドラントが想定される。組成物は、デオドラントにおいて使用される好適なキャリア材料と組み合わされる。好適なキャリア材料の例は、ステアリン酸グリセリル、アルミニウムクロロハイドレート、プロピレングリコール、カルボマー、グリセリン、ジカプリルエーテル、エタノール、グリセリルココエート、シクロメチコン、ジメチコン、ジプロピレングリコール、ステアリルアルコール、鉱油、フェニルトリメチコン、またはステアリン酸ナトリウムである。皮膚の臭気生成は、アポクリン腺からの最初は無臭の分泌物、例えば脂質、タンパク質、アンモニア、ステロイド、および還元糖等の、ブドウ球菌(Staphylococcus)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、またはマラセチア等の微生物による改質に起因する。抗菌性組成物は、これらの組成物を含むデオドラントにより低減可能な皮膚の悪臭の原因となる、グラム陽性球菌、例えばミクロコッカス(Micrococcaceae)科(スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・エピデルミデス(staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・ホミニス(staphylococcus hominis))に対し、またグラム陽性桿菌、例えばコリネ型(Coryneforms)細菌(例えばブレビバクテリウム(Brevibacterium)および/またはコリネバクテリウム)に対し効果的である。デオドラントは、例えば、芳香剤もしくは香料、保存料、電解質、シリコーン誘導体、組成物自体を着色する染料および/もしくは顔料、または、デオドラントに慣例的に使用される他の成分等、この種類の組成物において使用される様々なアジュバントを含み得る。製剤中に組み込まれ得るさらなる成分は、本出願において後により詳細に説明される。
【0064】
本発明による組成物はまた、口腔ケア、例えば歯垢、虫歯、または口臭の予防および/または治療に使用可能である。口臭、虫歯、および歯垢は、微生物、例えば、ストレプトコッカス・ソブリナス(Streptococcus sobrinus)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカス・ゴルドニ(Streptococcus gordonii)、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivaris)、ストレプトコッカス・サンギス(Streptococcus sanguis)、アクチノマイセス(Actinomyces)、ラクトバチルス(Lactobacilli)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、ベイロネラ(Veillonella)、トレポネーマ・デンティコラ(Treponema.denticola)、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas.gingivalis)、バクテロイデス(Bacteroides)、またはペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)等が原因となる。
【0065】
口腔用組成物は、歯間または歯周治療の任意の形態での使用のために調合することができ、例えば、歯磨剤、マウスウォッシュ、歯磨粉、チューインガム、トローチ剤、マウススプレー、フロス、歯用ペイント、またはグラスアイオノマーセメント等の形態であってもよい。本発明の抗菌性材料のグラスアイオノマーセメントにおける使用は、抗菌作用だけでなくX線不透過性を提供するという利点を有する。
【0066】
そのような組成物は、必要に応じて、従来の材料、例えば、保湿剤、界面活性剤、ゲル化剤、研磨剤または低摩耗性球体、フッ化物源、脱感作剤、香味料、着色剤、甘味料、保存料、構造化剤(structuring agent)、殺菌剤、抗歯石剤、および抗歯垢剤等を含有する。
【0067】
歯磨剤組成物における使用に好適な保湿剤は、キシリトール、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール等の多価アルコールを含む。グリセロールとソルビトールの混合物が特に効果的である。保湿剤は、空気への曝露による歯磨剤組成物の硬化を防ぐのを助け、また、しっとりした感触、滑らかな質感、流動性、および望ましい甘さを口内に提供することができる。好適には、そのような保湿剤は、口腔衛生組成物の約0重量%〜85重量%、好ましくは約0重量%〜60重量%を構成し得る。
【0068】
歯磨剤、マウスウォッシュ等における使用に好適な界面活性剤は、通常、水溶性有機化合物であり、アニオン性、非イオン性、カチオン性、または両性の種であってもよい。使用される界面活性剤は、好ましくは、適度に安定であり、広いpH領域にわたり泡を形成することが可能であり、使用時にフォームを生成することが可能であるべきである。
【0069】
アニオン性界面活性剤は、C1018アルキルサルフェートの水溶性塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム等)、C1018エトキシル化アルキルサルフェートの水溶性塩、C1018アルキルサルコシネートの水溶性塩、C1018脂肪酸のスルホン化モノグリセリドの水溶性塩(例えばココナツモノグリセリドスルホン酸ナトリウム等)、アルキルアリールスルホネート(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、およびN−メチルタウリンのココナツ脂肪酸アミドのナトリウム塩を含む。
【0070】
口腔用組成物における使用に好適な非イオン性界面活性剤は、アルキレンオキシド基と脂肪族またはアルキル芳香族種との縮合生成物を含み、例えば、アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー(BASF Wyandotte Chemical Corporationから「Pluronic」の商品名で入手可能)、エチレンオキシド/エチレンジアミンコポリマー、脂肪族アルコールのエチレンオキシド縮合物、長鎖第三級アミンオキシド、長鎖第三級ホスフィンオキシド、長鎖ジアルキルスルホキシド、およびこれらの混合物であってもよい。代替物質は、ICIから「Tween」の商品名で入手可能なもの等の、エトキシル化ソルビタンエステルを含む。
【0071】
カチオン性界面活性剤は、一般に、1つのC818アルキル鎖を有する第四級アンモニウム化合物であり、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルピリジニウムクロリド、ジ−イソブチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ココナツアルキルトリメチルアンモニウムニトライト、およびセチルピリジニウムフルオリド等を含む。また、ベンジルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド、ならびに、1つのC118炭化水素基および2つの(ポリ)オキシエチレン基を有する第三級アミンも有用である。
【0072】
両性界面活性剤は、一般に、分岐鎖であっても非分岐鎖であってもよい脂肪族種を含む脂肪族第二級および第三級アミンであり、脂肪族種の一方はC818種であり、他方はアニオン性親水基、例えばスルホネート、カルボキシレート、サルフェート、ホスホネート、またはホスフェートを含有する。第四級アンモニウム化合物の例は、「Miranol」の商品名でMiranol Chemical Companyから入手可能な四級化イミダゾール誘導体である。
【0073】
好適には、界面活性剤は、口腔衛生組成物の0重量%〜20重量%、好ましくは0重量%〜10重量%の量で含まれる。
【0074】
構造化剤は、例えば歯磨剤およびガムにおいて、望ましい質感特性および「口当たり」を提供するために必要となり得る。好適な薬剤は、トラガカントガム、キサンタンガム、カラヤガムおよびアラビアガム等の天然ゴム結合剤、アイリッシュモスおよびアルギン酸塩等の海藻誘導体、ベントナイトまたはヘクトライト等のスメクタイト粘土、カルボキシビニルポリマー、ならびに、ヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム等の水溶性セルロース誘導体を含む。改善された質感は、例えば、コロイド状ケイ酸マグネシウムアルミニウムを含めることによっても達成され得る。好適には、構造化剤は、口腔衛生組成物の0重量%〜5重量%、好ましくは0重量%〜3重量%の量で含まれる。
【0075】
研磨剤は、好ましくは、歯のエナメル質または象牙質に害をもたらすことなく歯を清浄化および/または研磨することが可能であるべきである。それらは、歯磨剤および歯磨粉に最も一般的に使用されるが、マウスウォッシュ等に使用されてもよい。好適な研磨剤は、シリカ研磨剤、例えば水和シリカおよびシリカゲル、特に、「Syloid」の商品名でW.R.Grace and Companyから入手可能なもの等のシリカキセロゲルを含む。また、「Zeodent」の商品名でJ.M.Huber Corporationから入手可能なもの等の沈降シリカ材料、および「Celite」の商品名でJohns−Manville Corporationから入手可能なもの等の珪藻土も好適である。代替の研磨剤は、アルミナ、不溶性メタリン酸ナトリウム等の不溶性メタホスフェート、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム(二水和物および無水物の形態)、ピロリン酸カルシウム(β相カルシウムを含む)、ポリメトキシレート、ならびに微粒子状熱硬化性重合樹脂、例えば、メラミン−尿素、メラミン−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド、架橋エポキシド、メラミン、フェノール類、「Elcema」の商品名でDegussa AGから入手可能なもの等の高純度セルロース、および架橋ポリエステルを含む。好適には、研磨剤は、口腔衛生組成物の0重量%〜80重量%、好ましくは0重量%〜60重量%の量で含まれる。研磨剤と同様に、低研磨性球体も添加することができる。
【0076】
本発明のすべての口腔衛生組成物における使用に好適なフッ化物源は、フッ化ナトリウム、フッ化亜鉛、フッ化カリウム、フッ化アルミニウム、フッ化リチウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、酸性フッ素リン酸、フッ化スズ、フッ化アンモニウム、重フッ化アンモニウム、およびフッ化アミンを含む。
【0077】
好ましくは、フッ化物源は、使用されると約50ppmから約4,000ppmのフッ化物イオンを提供するために十分な量で存在する。フッ化物イオンは歯のエナメル質のヒドロキシアパタイト中に組み込まれ、これにより腐食に対するエナメル質の耐性を増加させることが知られているため、フッ化物源の含有は有益である。また、現在、フッ化物は、歯のエナメル質上で局所的に作用し、再ミネラル化−脱ミネラル化のバランスを、再ミネラル化の方向に改質すると考えられている。フッ化物源の含有はまた、唾液ホスファターゼ酵素によるポリホスフェートの酵素加水分解を抑制するために、そのようなポリホスフェートの抗歯石沈着剤が含まれる場合に望ましい。
【0078】
好適な脱感作剤は、例えば、ホルムアルデヒド、硝酸カリウム、クエン酸三カリウム、塩化カリウムおよび塩化ストロンチウム(好適には六水和物として)、酢酸ストロンチウム(好適には半水和物として)、ならびにクエン酸ナトリウム/Pluronicゲルを含む。
【0079】
味の良さを増すために香味剤が添加さてもよく、例えば、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ササフラス、およびクローブの油を含んでもよい。甘味剤が使用されてもよく、これらは、D−トリプトファン、サッカリン、デキストロース、アスパルテーム、果糖、アセサルフェーム、ジヒドロカルコン、およびシクラミン酸ナトリウムを含む。典型的には、そのような香味剤は、口腔衛生組成物の0重量%〜5重量%、好ましくは0重量%〜2重量%の量で含まれる。組成物の視覚的魅力を改善するために、着色剤および顔料が添加されてもよい。好適な着色剤は、FD&CブルーNo.1、D&CイエローNo.10およびD&CイエローNo.3等の染料を含む。好適で一般的に使用される顔料は、強い白色を提供する顔料グレード二酸化チタンである。
【0080】
好適には、上述のように、本発明の製剤は、本発明による組成物と組み合わせて、保存料および/または抗歯垢剤としてさらなる抗菌剤を含み得る。好適な抗菌剤は、亜鉛塩(クエン酸亜鉛等)、セチルピリジニウムクロリド、ビス−ビグアニド(クロルヘキシジン等)、脂肪族アミン、ブロモクロロフェン、ヘキサクロロフェン、サリチルアニリド、第四級アンモニウム化合物、およびトリクロサンを含む。列挙された殺生物剤の代替として、またはそれと組み合わせて、天然殺生物剤の源を提供する酵素系が使用されてもよい。例えば、グルコース、水、および酸素の存在下で抗菌作用量の過酸化水素を生成するために、ラクトペルオキシダーゼおよびグルコースオキシダーゼを含む系が使用されてもよい。
【0081】
製剤はまた、抗歯石沈着剤を含んでもよい。好適な抗歯石沈着剤は、クエン酸亜鉛および塩化亜鉛等の亜鉛塩、ならびにポリホスフェートを含む。好適なピロホスフェートは、ピロリン酸ナトリウムおよびカリウム、好ましくはピロリン酸二ナトリウム、ピロリン酸二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、およびピロリン酸四カリウムを含む。ピロホスフェートの好ましい源は、ピロリン酸四ナトリウムおよびピロリン酸四カリウムの混合物である。好適には、ピロリン酸四カリウムに対するピロリン酸四ナトリウムの比は、0:1から3:1、好ましくは0:1から1:1である。好ましくは、ピロリン酸四カリウムが主要な種である。
【0082】
製剤はまた、アルコールを含んでもよい。この成分は、マウスウォッシュ製剤において特に有用であり、水に対する溶解度が低い成分を可溶化するために使用され得る。
【0083】
特に好適な口腔用組成物は、マウスウォッシュまたは練り歯磨きの形態のものである。
【0084】
本発明による組成物はまた、ふけの予防および/または治療に使用可能である。ふけは、軽いかゆみを伴う白色または灰色の薄片の形成により特徴付けられる頭皮の疾患である。薄片は、散在し、また所々に存在する。ふけは、若年男性に最も頻繁に、または最も重度に発生し、子供および高年者では稀で、その他、世界中の成人人口にわたり一般的である。ふけは、これまで、赤くなった皮膚領域上に重なった脂性薄片の産生で知られる炎症性皮膚疾患である、脂漏症と結び付けられていた。しかし、脂漏症は、ふけを伴わずに生じる場合もあり、またふけは明らかな脂漏症が存在しなくても発生し得る。現在の知識では、「ふけ」という用語は、具体的な病気の実体である脂漏症の同義語としてではなく、頭皮剥離およびかゆみの症状群を説明するための使用が最適であることが示されている。ふけは、脂漏症の考えられる一症状であるが、過度の日光曝露、空中に浮遊する環境物質、およびヘア化粧品を原因とする頭皮刺激にも潜在的に起因し得る。ふけは、毛の生えた頭頂部を覆う皮膚(「頭皮」)の死んだ外層における基本的な異常を反映する。関与する皮膚細胞は、互いに適切に付着する能力を欠いている。結果として、細胞塊が薄片として頭皮表面から分離する。これらの薄片の脱落が、ふけの断片を生成する。ふけと、マラセチア・フルフル(malassezia furfur)およびマラセチア・グロボサ(malassezia globosa)と呼ばれる酵母の種類との間の関係は、長い間認識されている。細菌および酵母は、人間の頭皮を通常占有しているものである。しかし、ふけを有する個人においては、酵母は、通常予測される数よりも著しく多い数で存在する。多くの医師および研究者は、酵母に対する免疫応答によりもたらされる炎症がふけ症状を発生させると考えている。この場合、好適な製剤は、洗い流し用のシャンプーまたはローションの形態であり、かかる製剤は、シャンプーの前もしくは後、着色もしくは脱色の前もしくは後、またはパーマネントウェーブの前もしくは後に適用される。また、毛髪のスタイリングもしくは手入れ用のローションもしくはゲルの形態、ブラッシングもしくはブローウェーブ用のローションもしくはゲルの形態、毛髪用のヘアラッカー、パーマネントウェーブ組成物、着色剤、または漂白剤の形態の製剤を選択することも可能である。化粧品製剤は、例えば、表面活性剤、増粘剤、ポリマー、柔軟剤、保存料、フォーム安定剤、電解質、有機溶媒、シリコーン誘導体、抗グリース剤(antigrease agent)、組成物自体もしくは毛髪を着色する染料および/もしくは顔料、または、ヘアケアに慣例的に使用される他の成分等、この種類の組成物において使用される様々なアジュバントを含み得る。製剤中に組み込まれ得るさらなる成分は、本出願において後により詳細に説明される。
【0085】
さらに、本発明による組成物はまた、刺激、炎症、抜け毛、皮膚病、特にアトピー性皮膚炎、座瘡、および/もしくは高皮脂分泌の予防および/もしくは治療に使用可能であり、または創傷治癒として使用可能であり、またはUV保護(特にUV誘発ヘルペス)にも使用可能である。
【0086】
抜け毛は、頭皮上の毛髪が薄くなることである。脱毛症は、一時的または永久的となり得る。抜け毛は、病気の後、または大手術があった後に、ホルモンの変化に起因して、またある特定の真菌感染症に罹患した後のある特定の医薬品の摂取後に生じ得る。また、マラセチア種の比率が、毛髪の脱落および脱毛症の一因となり得ることがいくつか示唆されている[American journal of clinical dermatology、(2006) Vol.7、No.4、263〜6ページ、Dermatology (Basel) (1998)、196(4)、474〜477)、WO02/07248、Nematianら、Am.J.Clin.Dermatol.、2006、7(4)、263〜266、Pierard-Franchimontら、Int J.Cosmet.Sci.2006、28、311〜318]。
【0087】
さらに、本発明による組成物はまた、ヘルペス、例えば口唇ヘルペスまたは陰部ヘルペスの予防および/または治療に使用可能である。潜伏性汎流行単純ヘルペスウイルス(HSV)感染は治癒不可能であり、これは、1次感染または初感染後、潜在した形態でウイルスが一生存在することを意味し、周期的に再活性化して、しばしば患者に大きな心理社会的苦難をもたらす。高い発生率を有する最も関連性のあるヘルペスウイルス科(Herpesviridae)の亜型は、HSV−1およびHSV−2である。ウイルスは、口部顔面感染(例えば、主にHSV−1により引き起こされる口唇ヘルペス、疱疹性咽頭炎、もしくは疱疹性歯肉口内炎)、皮膚感染(例えば、疱疹性ひょう疽および剣状ヘルペス(herpes gladiatorum))、陰部ヘルペスまたは肛門周辺ヘルペス(HSV−2により引き起こされる症例の大部分)等の粘膜皮膚感染の原因である。いくつかのインビトロ試験は、特に銀イオンがHSVに対し効果的であることを示している(例えば、F.Shimizu、Y.Shimizu、K.Kumagai、Antimicrob.Agents Chemother.1976、57〜63)。したがって、本発明による抗菌性組成物は、ヘルペスの治療に使用することができる。治療は、好ましくは、本発明による組成物を含む製剤の局所投与により達成され得る。製剤は、例えば、クリーム、溶液、軟膏、ゲル、バルム、またはスティックの形態となり得る。唇の感染の治療用には、クリーム、ゲル、バルム、軟膏またはスティックが特に好ましい。これらのすべての製剤において、本発明による組成物は、ヘルペス感染の治療に好適なすべての既知の物質、例えば、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ペニシクロビル、イドクスリジン、ビダラビン、トリフルリジン、ホスカルネット、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、ドコサノール、二フッ化スズ、酸化亜鉛、またはベンゾカイン等と有利に組み合わせることができる。本発明による組成物の量は、組成物を基準として、0.5%から20%の間、特に1%から10%の間で変動し得る。製剤中に組み込まれ得るさらなる成分は、本出願において後により詳細に説明される。
【0088】
本発明はまた、本発明による組成物を含む製剤または適用剤に関連する。好ましくは、製剤または適用剤は、微生物に好適な基材、例えば有機化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物をさらに含み得る。微生物に好適な基材は、例えば、官能基を有するまたは有さないアルカン、アルケン、アルキン、砂糖、ポリオール、アルコール、飽和または不飽和のカルボン酸、タンパク質、アミノ酸、水、脂肪酸、ワックス、脂肪、鉱油、塩、ホルモン、ステロイド、ビタミン、および/またはこれらの誘導体もしくは塩からなる群から選択される。本発明の組成物のこれらの基材との組合せにより、例えば化粧品製剤におけるこれらの基材の適用分野の拡大が可能となる。これらの基材を含有する製剤の汚染は、もはやその使用における障害とはならない。概して、本発明による組成物の製剤における使用は、さらに製剤中に添加する必要のある保存料の量または数の低減を可能とする。特に、製剤中にいかなる保存料もさらに添加する必要はない。
【0089】
本発明による組成物を含有する製剤または調製物は、通常、いくつかの成分を含む。以下に、特に化粧品製剤に一般に使用される成分の例を示す。
【0090】
好ましい製剤または適用剤は、光保護特性を有する抗菌性調製物をもたらす、少なくとも1種のUVフィルタを追加的に含む。UVフィルタは、好ましくは、ジベンゾイルメタン誘導体の群から選択され得る。本発明の範囲内で使用されるジベンゾイルメタン誘導体は、それ自体すでに周知であり、特に明細書FR-A-2326405、FR-A-2440933、およびEP-A-0114607に記載されている生成物である。
【0091】
本発明に従い使用可能なジベンゾイルメタン誘導体は、特に、下記式:
【0092】
【化1】

【0093】
(式中、互いに同一または異なるR1、R2、R3、およびR4は、水素、直鎖もしくは分岐鎖C18アルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖C18アルコキシ基である)のジベンゾイルメタン誘導体から選択され得る。本発明に従い、当然ながら、1種のジベンゾイルメタン誘導体または複数種のジベンゾイルメタン誘導体を使用することが可能である。本発明がより特に関連するジベンゾイルメタン誘導体のうち、特に、2−メチルジベンゾイルメタン、4−メチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチルジベンゾイルメタン、2,4−ジメチルジベンゾイルメタン、2,5−ジメチルジベンゾイルメタン、4,4’−ジイソプロピルジベンゾイルメタン、4,4’−メトキシ−tert−ブチルジベンゾイルメタン、2−メチル−5−イソプロピル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,4−ジメチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、および2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを挙げることができるが、このリストは非限定的である。
【0094】
上述のジベンゾイルメタン誘導体のうち、本発明に従い、4,4’−メトキシ−tertブチルジベンゾイルメタン、特に、Eusolex(登録商標)9020の商品名でMerck KGaAから市販されている4,4’−メトキシ−tertブチルジベンゾイルメタンが特に好ましく、このフィルタは、下記構造式:
【0095】
【化2】

【0096】
に適合する。
【0097】
本発明に従う好ましいさらなるジベンゾイルメタン誘導体は、4−イソプロピルジベンゾイルメタンである。
【0098】
さらに、本発明の同様に好ましい実施形態において、本発明による調製物はまた、UV−Aおよび/またはUV−B領域にUV吸収を有する、式I:
【0099】
【化3】

【0100】
(式中、R1からR10は、同一または異なり、また
− H
− OR11
− 直鎖もしくは分岐鎖のC1からC20アルキル基、
− 直鎖もしくは分岐鎖のC3からC20アルケニル基、
− 直鎖もしくは分岐鎖のC1からC20ヒドロキシアルキル基(ヒドロキシル基は、鎖の第1もしくは第2炭素原子に結合していてもよく、さらにアルキル鎖もまた酸素により中断されていてもよい)、ならびに/または、
− C3からC10シクロアルキル基および/もしくはC3からC12シクロアルケニル基(環はまたそれぞれ−(CH2n−基により架橋されていてもよく、nは1から3である)から選択され、
− ここで、すべてのOR11は、互いに独立して、
− OH
− 直鎖もしくは分岐鎖のC1からC20アルコキシ基、
− 直鎖もしくは分岐鎖のC3からC20アルケニルオキシ基、
− 直鎖もしくは分岐鎖のC1からC20ヒドロキシアルコキシ基(ヒドロキシル基(複数を含む)は、鎖の第1もしくは第2炭素原子に結合していてもよく、さらにアルキル鎖もまた酸素により中断されていてもよい)、ならびに/または、
− C3からC10シクロアルコキシ基および/もしくはC3からC12シクロアルケニルオキシ基(環はまたそれぞれ−(CH2n−基により架橋されていてもよく、nは1から3である)、ならびに/または、
− モノおよび/もしくはオリゴグリコシル基であり、
ただし、R1からR7のうちの少なくとも3つの基がOHであり、隣り合う−OH基の対の少なくとも2つの対が分子中に存在し、
または、R2、R5、およびR6がOHであり、基R1、R3、R4、およびR710がHである)の化合物を含有し得る。
【0101】
本発明に従い使用される式Iのフラボノイドは、単独で、またはさらなるUVフィルタと組み合わせて使用可能な広帯域UVフィルタを含む。その他、同様に好ましい式Iの化合物は、UV−BとUV−A照射との間の遷移領域に最大吸収を示す。したがって、それらは、UV−A−IIフィルタとして、市販のUV−BおよびUV−A−Iフィルタの吸収スペクトルを有利に補完する。それらは、調製マトリックスに対し不溶であるか、または溶解度が低い。この場合、化合物は、好ましくは、微粉化された形態で化粧品調製物中に分散している。さらに、この種類の好ましい化合物は、調製物中への組込みに対し、
− モノおよび/またはオリゴグリコシル基が、本発明に従い使用される化合物の水溶解度を改善する;
− 直鎖または分岐鎖のC1からC20アルコキシ基、特に長鎖アルコキシ官能基、例えばエチルヘキシルオキシ基が、化合物の油溶解度を増加させる;
すなわち、本発明による化合物の親水性または親油性は、置換基の好適な選択により制御され得る、という利点を有する。
【0102】
好ましい単糖またはオリゴ糖基は、ヘキソシル基、特にラムノシル基およびグルコシル基である。しかし、他のヘキソシル基、例えばアロシル、アルトロシル、ガラクトシル、グロシル、イドシル、マンノシル、およびタロシルもまた有利に使用され得る。ペントシル基を使用することも有利となり得る。グリコシル基は、α−またはβ−グリコシド連結によって基本構造に連結され得る。好ましい二糖類は、例えば、6−O−(6−デオキシ−α−L−マンノピラノシル)−β−D−グルコピラノシドである。
【0103】
UV−Aフィルタとして特に好ましいジベンゾイルメタン誘導体を式Iの化合物と組み合わせて使用すると、追加の利点、つまりUV感受性ジベンゾイルメタン誘導体が式Iの化合物の存在により追加的に安定化されるという利点が生じる。したがって、本発明は、さらに、調製物中のジベンゾイルメタン誘導体の安定化のための式Iの化合物の使用に関する。
【0104】
原則的に、すべての既知のUVフィルタ、例えば、UV−A領域および/またはUV−B領域および/またはIRおよび/またはVIS領域において効果的な、1種または複数種の追加の親水性または親油性日光保護フィルタ(吸収剤)等が、ジベンゾイルメタン誘導体、および本発明による式Iの化合物との組合せに好適である。これらの追加のフィルタは、特に、桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、カンファー誘導体、トリアジン誘導体、β,β−ジフェニルアクリレート誘導体、p−アミノ安息香酸誘導体、ならびに、出願WO93/04665に記載のポリマーフィルタおよびシリコーンフィルタから選択され得る。有機フィルタのさらなる例は、特許出願EP-A0487404に示されている。生理学的な許容性がすでに実証されているUVフィルタが特に好ましい。UVAおよびUVBフィルタの両方において、専門家の文献から知られている検証済みの多くの物質、例えば、
3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−カンファー(例えばEusolex(登録商標)6300)、3−ベンジリデンカンファー(例えばMexoryl(登録商標)SD)、N−{(2および4)−[(2−オキソボルニ−3−イリデン)メチル]−ベンジル}アクリルアミドのポリマー(例えばMexoryl(登録商標)SW)、N,N,N−トリメチル−4−(2−オキソボルニ−3−イリデンメチル)アニリニウムメチルサルフェート(例えばMexoryl(登録商標)SK)、または(2−オキソボルニ−3−イリデン)トルエン−4−スルホン酸(例えばMexoryl(登録商標)SL)等の、ベンジリデンカンファー誘導体、
1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン(例えばEusolex(登録商標)9020)または4−イソプロピルジベンゾイルメタン(例えばEusolex(登録商標)8020)等の、ベンゾイル−またはジベンゾイルメタン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(例えばEusolex(登録商標)4360)または2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびそのナトリウム塩(例えばUvinul(登録商標)MS−40)等の、ベンゾフェノン、
メトキシ桂皮酸オクチル(例えばEusolex(登録商標)2292)、例えば異性体の混合物としての4−メトキシ桂皮酸イソペンチル(例えばNeo Heliopan(登録商標)E1000)等の、メトキシ桂皮酸エステル、
サリチル酸2−エチルヘキシル(例えばEusolex(登録商標)OS)、サリチル酸4−イソプロピルベンジル(例えばMegasol(登録商標))、またはサリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(例えばEusolex(登録商標)HMS)等の、サリチレート誘導体、
4−アミノ安息香酸、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル(例えばEusolex(登録商標)6007)、またはエトキシル化4−アミノ安息香酸エチル(例えばUvinul(登録商標)P25)等の、4−アミノ安息香酸および誘導体、
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ならびにそのカリウム、ナトリウム、およびトリエタノールアミン塩(例えばEusolex(登録商標)232)、2,2−(1,4−フェニレン)ビスベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸およびその塩(例えばNeoheliopan(登録商標)AP)、または2,2−(1,4−フェニレン)ビスベンズイミダゾール−6−スルホン酸等の、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、
ならびに、さらなる物質、例えば、
− 2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(例えばEusolex(登録商標)OCR)、
− 3,3’−(1,4−フェニレンジメチレン)ビス(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イルメタンスルホン酸およびその塩(例えばMexoryl(登録商標)SX)、
− 2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(例えばUvinul(登録商標)T150)、および
− 2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシル(例えばUvinul(登録商標)UVA Plus、BASF)等がある。
【0105】
リストに挙げた化合物は、単に例としてみなされるべきである。当然ながら、他のUVフィルタを使用することも可能である。特に、WO99/66896に記載のような有機特殊UVフィルタは、本発明による組成物を含む製剤中に有利に使用することができる。
【0106】
これらの有機UVフィルタは、一般に、0.5重量パーセントから10重量パーセント、好ましくは1%〜8%の量で化粧品製剤中に組み込まれる。
【0107】
さらなる好適な有機UVフィルタは、例えば、
− 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール(例えばSilatrizole(登録商標))、
− 2−エチルヘキシル4,4’−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス(ベンゾエート)(例えばUvasorb(登録商標)HEB)、
− α−(トリメチルシリル)−ω−[トリメチルシリル)オキシ]ポリ[オキシ(ジメチル[および約6%のメチル[2−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル]ビニル]フェノキシ]−1−メチレンエチル]および約1.5%のメチル[3−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル)ビニル]フェノキシ]プロペニル]および0.1%から0.4%の(メチル水素]シリレン]](n≒60)(CAS No.207574−74−1)、
− 2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール)(CAS No.103597−45−1)、
− 2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸、モノナトリウム塩)(CAS No.180898−37−7)、ならびに、
− 2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(CAS No.103597−45−、187393−00−6)である。
【0108】
さらなる好適なUVフィルタは、先のドイツ特許出願DE10232595.2に相当するメトキシフラボンである。
【0109】
有機UVフィルタは、一般に、0.5重量パーセントから20重量パーセント、好ましくは1重量%〜15重量%の量で化粧品製剤中に組み込まれる。
【0110】
さらに、本発明に従い、調製物がさらなる無機UVフィルタを含むことが好ましくなり得る。本明細書において、ともに、例えば被覆二酸化チタン(例えばEusolex(登録商標)T−2000もしくはEusolex(登録商標)T−AQUA)等の二酸化チタン、酸化亜鉛(例えばSachtotec(登録商標))、酸化鉄、さらに酸化セリウムからなる群からのものが好ましい。これらの無機UVフィルタは、一般に、0.5重量パーセントから20重量パーセント、好ましくは2重量%〜10重量%の量で化粧品製剤中に組み込まれる。特に、本明細書において、UVフィルタがエマルジョンの1つの相に組み込まれ、さらなる無機UVフィルタが他の相に組み込まれることが好ましくなり得る。
【0111】
UVフィルタ特性を有する好ましい化合物は、3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−カンファー、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ならびにそのカリウム、ナトリウム、およびトリエタノールアミン塩である。
【0112】
上述のUVフィルタの1種または複数種の化合物を組み合わせることで、UV照射の傷害効果に対する保護作用を最適化することができる。
【0113】
最適化された組成物は、例えば、有機UVフィルタ、4’−メトキシ−6−ヒドロキシフラボンの、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオンおよび3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−カンファーとの組合せを含み得る。この組合せにより、二酸化チタン微小粒子等の無機UVフィルタの添加により補完され得る広帯域保護が生じる。
【0114】
すべての上記UVフィルタはまた、カプセル化形態で使用され得る。特に、カプセル化形態の有機UVフィルタを使用することが有利である。詳細には、以下の利点が生じる。
【0115】
− カプセル壁の親水性が、UVフィルタの溶解度と独立して設定され得る。したがって、例えば、疎水性UVフィルタを、純粋に水性の調製物中に組み込むことも可能である。さらに、疎水性UVフィルタを含む調製物の適用時の、不快とみなされることが多い油っぽい印象が抑制される。
【0116】
− ある特定のUVフィルタ、特にジベンゾイルメタン誘導体は、化粧品調製物中で非常に低減された光安定性を示す。これらのフィルタの光安定性を損なうこれらのフィルタまたは化合物、例えば桂皮酸誘導体等のカプセル化は、調製物全体の光安定性の増加を可能とする。
【0117】
− 有機UVフィルタによる皮膚浸透、およびそれに関連した人間の皮膚への直接適用による刺激の可能性は、文献において繰り返し議論されている。本明細書において提案される該当物質のカプセル化は、この効果を抑制する。
【0118】
− 一般に、個々のUVフィルタまたは他の成分のカプセル化によって、個々の調製物構成物質同士の相互作用が抑制されるため、結晶化プロセス、沈降、および凝集物形成等の、当該相互作用により引き起こされる調製上の問題を回避することが可能となる。
【0119】
したがって、本発明に従い、UVフィルタの1種または複数種がカプセル化された形態であることが好ましい。本明細書において、カプセルが肉眼で見ることができない程小さいことが有利である。上述の効果を達成するためには、カプセルが十分に安定であり、カプセル化された有効成分(UVフィルタ)が、環境に僅かに放出されるのみであるか、または全く放出されないことがさらに必要である。
【0120】
好適なカプセルは、無機または有機ポリマーの壁を有し得る。例えば、US6,242,099B1は、キチン、キチン誘導体、またはポリヒドロキシル化ポリアミンの壁を有する好適なカプセルの生成について記載している。本発明に従い特に好ましく使用され得るカプセルは、出願WO00/09652、WO00/72806、およびWO00/71084に記載されるように、ゾル−ゲルプロセスにより得ることができる壁を有する。本明細書において、その壁がシリカゲル(シリカ;不定の酸化ケイ素水酸化物)から構築されるカプセルがまた好ましい。該当するカプセルの生成は、例えば、その内容がまた明らかに本出願の主題に属する引用特許出願から、当業者に知られている。
【0121】
本発明による調製物中のカプセルは、好ましくは、カプセル化UVフィルタが上述の量で調製物中に存在することが確実となる量で存在する。
【0122】
また、本発明に従い、上述のUVフィルタには、親水性または疎水性を強化する表面処理が施されていてもよい。疎水性改質に好適なのは、例えば、シリコーンまたはシランコーティングである。
【0123】
既知のように、シリコーンは、様々な分子量を有する、直鎖もしくは環状、分岐鎖、または架橋構造を有する有機ケイ素ポリマーまたはオリゴマーであり、これは好適に官能化されたシランとの重合および/もしくは重縮合により得られ、また本質的に反復主要単位から形成され、ケイ素原子が酸素原子を介して互いに連結(シロキサン結合)しており、任意選択で置換されていてもよい炭化水素基が炭素原子を介してケイ素原子に直接結合している。最も一般的な炭化水素基は、アルキル基、特にメチル基、フルオロアルキル基、アリール基、特にフェニル基、さらにアルケニル基、特にビニル基である。直接または炭化水素基を介してシロキサン鎖に結合し得るさらなる種類の基は、特に、水素、ハロゲン、特に塩素、臭素もしくはフッ素、チオール、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基(もしくはポリエーテル)、特にポリオキシエチレンおよび/もしくはポリオキシプロピレン、ヒドロキシル基もしくはヒドロキシアルキル基、任意選択で置換されていてもよいアミノ基、アミド基、アシルオキシ基もしくはアシルオキシアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノ基もしくはアミノアルキル基、第四級アンモニウム基、両性基もしくはベタイン基、カルボキシレート、チオグリコレート、スルホサクシネート、チオサルフェート、ホスフェートおよびサルフェート等のアニオン性基である(いわゆる「有機改質」シリコーン)が、当然ながらこのリストは決して限定的ではない。
【0124】
本発明の目的において、「シリコーン」という用語はまた、その調製に必要なシラン、特にアルキルシランを含み、それらを対象とするように意図される。
【0125】
本発明に好適であり、UV保護剤を包むために使用され得るシリコーンは、好ましくは、アルキルシラン、ポリジアルキルシロキサン、およびポリアルキル水素シロキサンから選択される。より好ましくは、シリコーンは、オクチルトリメチルシラン、ポリジメチルシロキサン、およびポリメチル水素シロキサンから選択される。
【0126】
UV保護剤は、本発明による組成物中に、一般に0.15重量%から50重量%の範囲内の量で、好ましくは0.5重量%から20重量%の範囲内の量で存在し得るが、これらの量は、組成物の総重量を基準とする。
【0127】
同様に好ましい本発明のさらなる実施形態において、本発明による調製物は、少なくとも1種のセルフタンニング剤を含む。
【0128】
使用可能な有利なセルフタンニング剤は、とりわけ、
【0129】
【化4】

【0130】
である。
【0131】
また、新鮮なクルミの殻から抽出される5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(ジュグロン)
【0132】
【化5】

【0133】
およびヘンナ葉中に生じる2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(ローソン)
【0134】
【化6】

【0135】
も挙げるべきである。
【0136】
人体中に生じる三官能性糖、1,3−ジヒドロキシアセトン(DHA)
【0137】
【化7】

【0138】
およびその誘導体が、極めて特に好ましい。
【0139】
したがって、本発明はさらに、本発明による抗菌性組成物の、セルフタンニング剤、特にジヒドロキシアセトンまたはジヒドロキシアセトン誘導体と組み合わせた使用に関する。
【0140】
さらに、本発明による調製物はまた、一般にいかなる抗菌作用も示さない染料および有色顔料を含んでもよい。染料および有色顔料は、例えば、ドイツ化粧品規定(German Cosmetics Regulation)における該当ポジティブリスト、または化粧品着色剤のEUリストから選択することができる。ほとんどの場合、これらは食品用に認可された染料と同一である。有利な有色顔料は、例えば、二酸化チタン、雲母、酸化鉄(例えばFe23、Fe34、FeO(OH))、および/または酸化スズである。有利な染料は、例えば、カルミン、ベルリンブルー、酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルー、および/またはマンガンバイオレットである。以下のリストから染料および/または有色顔料を選択するのが特に有利である。カラーインデックス番号(CIN)は、Rowe Colour Index、第3版、Society of Dyers and Colourists、Bradford、英国、1971からの抜粋である。
【0141】
【表1−1】

【0142】
【表1−2】

【0143】
【表1−3】

【0144】
【表1−4】

【0145】
【表1−5】

【0146】
さらに、染料として、以下の群、すなわち、
2,4−ジヒドロキシアゾベンゼン、1−(2’−クロロ−4’−ニトロ−1’−フェニルアゾ)−2−ヒドロキシナフタレン、セレスレッド、2−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−1−ナフトール−4−スルホン酸、2−ヒドロキシ−1,2’−アゾナフタレン−1’−スルホン酸のカルシウム塩、1−(2−スルホ−4−メチル−1−フェニルアゾ)−2−ナフチルカルボン酸のカルシウムおよびバリウム塩、1−(2−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ヒドロキシナフタレン−3−カルボン酸のカルシウム塩、1−(4−スルホ−1−フェニルアゾ)−2−ナフトール−6−スルホン酸のアルミニウム塩、1−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸のアルミニウム塩、1−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸、4−(4−スルホ−1−フェニルアゾ)−2−(4−スルホフェニル)−5−ヒドロキシピラゾロン−3−カルボン酸のアルミニウム塩、4,5−ジブロモフルオレセインのアルミニウムおよびジルコニウム塩、2,4,5,7−テトラブロモフルオレセインのアルミニウムおよびジルコニウム塩、3’,4’,5’,6’−テトラクロロ−2,4,5,7−テトラブロモフルオレセインおよびそのアルミニウム塩、2,4,5,7−テトラヨードフルオレセインのアルミニウム塩、キノフタロンジスルホン酸のアルミニウム塩、インジゴジスルホン酸のアルミニウム塩、赤色および黒色酸化鉄(CIN:77491(レッド)および77499(ブラック))、酸化鉄水和物(CIN:77492)、二リン酸マンガンアンモニウムおよび二酸化チタンから、1種または複数種の物質を選択することが有利となり得る。
【0147】
また、例えばパプリカ抽出物、β−カロテンまたはコチニール等の油溶性天然染料も有利である。
【0148】
また、本発明の目的において、効果顔料を含むゲルクリームも有利である。以下に列挙する効果顔料の種類が特に好ましい。
1.天然効果顔料、例えば、
a)「パールエッセンス」(魚類の鱗からのグアニン/ヒポキサンチン混合結晶)、および
b)「マザーオブパール」(貝殻粉末)
2.単結晶効果顔料、例えばオキシ塩化ビスマス(BiOCl)、
3.層状基材顔料:例えば雲母/金属酸化物
効果顔料の基礎は、例えば、微粉顔料、またはオキシ塩化ビスマスおよび/もしくは二酸化チタンのヒマシ油分散液、ならびに雲母上のオキシ塩化ビスマスおよび/もしくは二酸化チタンにより形成される。例えば、CIN77163に挙げられた光沢顔料が特に有利である。
【0149】
また、例えば、雲母/金属酸化物をベースとした以下の種類の効果顔料も有利である。
【0150】
【表2】

【0151】
例えば、Merck KGaAからTimiron(登録商標)、Colorona(登録商標)、またはDichrona(登録商標)という商品名で入手可能な真珠光沢顔料が特に好ましい。
【0152】
当然ながら、上記効果顔料のリストは、限定を意図しない。本発明の目的において有利な効果顔料は、それ自体既知の数多くの経路で得ることができる。さらに、雲母以外の他の基材は、例えば、さらなる金属酸化物、例えばシリカ等で被覆することもできる。例えば、Merck KGaAにより市販され、微細な皺の光学的な低減に特に好適な、TiO2およびFe23被覆SiO2粒子(「Ronasphere」グレード)が有利である。
【0153】
雲母等の基材を完全に省略することがさらに有利となり得る。SiO2を使用して調製された効果顔料が特に好ましい。さらに角度変色(goniochromatic)効果もまた有し得るそのような顔料は、例えば、BASFからSicopearl(登録商標)Fantasticoの商品名で入手可能である。
【0154】
また、二酸化チタンで被覆されたホウケイ酸カルシウムナトリウムをベースとしたEngelhard顔料を使用するのも有利となり得る。これらは、Reflecks(登録商標)という名称で入手可能である。その40〜80μmという粒子サイズにより、それらは、色に加えて光輝効果を有する。
【0155】
また、Flora TechからMetasomes(登録商標)Standard/Glitterの商品名で入手可能な各種の色(イエロー、レッド、グリーン、およびブルー)の効果顔料が特に有利である。本明細書において、光輝性粒子は、各種助剤および染料(例えば、カラーインデックス(CI)番号が19140、77007、77289、および77491の染料等)との混合物の形態である。
【0156】
染料および顔料は、個別の形態または混合物の形態であってもよく、相互に一方のもので被覆されてもよく、一般に、異なる色効果は、異なるコーティング厚によりもたらされる。染料および着色顔料の総量は、それぞれ調製物の総重量を基準として、例えば、0.1重量%から30重量%、好ましくは0.5重量%から15重量%、特に1.0重量%から10重量%の範囲から有利に選択される。
【0157】
さらに、本発明による組成物を、抗酸化剤の抗酸化特性と組み合わせることが好ましい。したがって、本発明の別の主題は、少なくとも1種の抗酸化剤、例えば上述のような式Iの化合物を含む、抗酸化特性を有する調製物である。これらの化合物は、UVフィルタだけでなく抗酸化剤としても使用され得る。
【0158】
したがって、基R1からR4のうちの少なくとも2つの隣接基がOHであり、また基R5からR7のうちの少なくとも2つの隣接基がOHであることを特徴とする、少なくとも1種の式Iの化合物を含む調製物も好ましい。
【0159】
特に好ましい調製物は、基R1からR4のうちの少なくとも3つの隣接基がOHであり、好ましくは基R1からR3がOHであることを特徴とする、少なくとも1種の式Iの化合物を含む。
【0160】
式Iの化合物が皮膚上においてフリーラジカルスカベンジャーとしてのプラスの作用を特に良好に展開できるために、式Iの化合物をより深い皮膚層に浸透させることが好ましくなり得る。この目的のために、いくつかの可能性を利用することができる。まず、式Iの化合物は、皮膚外層を通って表皮層に浸透することができるように、適切な親油性を有することができる。さらなる可能性として、皮膚外層を通した式Iの化合物の輸送を可能とする、対応する輸送剤、例えばリポソームを、調製物に提供することもできる。最後に、式Iの化合物の全身輸送もまた考えられる。この場合、調製物は、例えば経口投与に好適となるように設計される。
【0161】
一般に、式Iの物質は、フリーラジカルスカベンジャーとして作用する。この種類のフリーラジカルは、日光によってのみ生成されるのではなく、様々な条件下で形成される。その例は、シトクロムオキシダーゼの上流側の電子の流れを遮断し、スーパーオキシドフリーラジカルアニオンの形成をもたらす無酸素症;とりわけ白血球の膜NADPHオキシダーゼによるスーパーオキシドアニオンの形成に関連し、さらにヒドロキシルフリーラジカル、および食作用現象に通常関与する他の反応種の(鉄(II)イオンの存在下での不均衡化を介した)形成に関連する炎症;ならびに、一般にヒドロキシルフリーラジカルにより開始され、脂質アルコキシフリーラジカルおよびヒドロペルオキシドを生成する、脂質自動酸化である。
【0162】
好ましい式Iの化合物は、酵素阻害剤としても作用することが想定される。それらはおそらく、ヒスチジンデカルボキシラーゼ、タンパク質キナーゼ、エラスターゼ、アルドースリダクターゼ、およびヒアルロニダーゼを阻害し、したがって、血管鞘の基本物質の正常性が維持されることを可能とする。さらに、それらはおそらく、非特異的にカテコールO−メチルトランスフェラーゼを阻害し、利用可能なカテコールアミンの量、ひいては血管強度を増加させる。さらに、それらはAMPホスホジエステラーゼを阻害し、物質に血小板の凝集を阻害する可能性を与える。
【0163】
これらの特性により、本発明による調製物は、一般に、免疫保護、ならびにDNAおよびRNAの保護に好適である。特に、調製物は、酸化攻撃、フリーラジカル、および、照射、特にUV照射による損傷からのDNAおよびRNAの保護に好適である。本発明による調製物のさらなる利点は、細胞保護、特に上述の影響による損傷からのランゲルハンス細胞の保護である。これらのすべての使用、および、対応して用いることができる調製物の調製のための式Iの化合物の使用もまた、明らかに本発明の主題である。
【0164】
抗酸化作用を有するフェノールのうち、天然に存在するものもあるポリフェノールが、製薬、化粧品、または栄養学的分野での適用において特に興味深い。例えば、主に植物染料として知られているフラボノイドまたはバイオフラボノイドは、抗酸化剤としての可能性を有することが多い。K.Lemanska、H.Szymusiak、B.Tyrakowska、R.Zielinski、I.M.C.M.Rietjens; Current Topics in Biophysics 2000、24(2)、101〜108は、モノ−およびジヒドロキシフラボンの置換パターンの効果に関連する。そこでは、ケト官能基に隣接するOH基、または3’,4’−もしくは6,7−もしくは7,8−位にあるOH基を含有するジヒドロキシフラボンは抗酸化特性を有し、一方他のモノ−およびジヒドロキシフラボンは抗酸化特性を有さない場合があることが観察されている。
【0165】
クエルセチン(シアニダノール、シアニデノロン1522、メレチン、ソホレチン、エリシン、3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラボン)は、特に効果的な抗酸化剤として言及されることが多い(例えば、C.A.Rice-Evans、N.J.Miller、G.Paganga、Trends in Plant Science 1997、2(4)、152〜159)。K.Lemanska、H.Szymusiak、B.Tyrakowska、R.Zielinski、A.E.M.F.Soffers、I.M.C.M.Rietjens; Free Radical Biology&Medicine 2001、31(7)、869〜881は、ヒドロキシフラボンの抗酸化作用のpH依存性について調査している。クエルセチンは、調査された構造の中で全pH範囲にわたり最も強い活性を示した。
【0166】
本発明の目的において、フラボン誘導体という用語は、フラボノイドおよびクマラノンを意味すると解釈される。本発明の目的において、フラボノイドという用語は、フラボノン、フラボン、3−ヒドロキシフラボン(=フラボノール)、アウロン、イソフラボン、およびロテノイドのグリコシドを意味すると解釈される[Rompp Chemie Lexikon [Rompp’s Lexicon of Chemistry]、Volume 9、1993]。しかし、本発明の目的において、これは、アグリコン、すなわち糖を含まない構成物質、ならびにフラボノイドおよびアグリコン誘導体を意味するとも解釈される。本発明の目的において、フラボノイドという用語は、さらに、アントシアニジン(シアニジン)を意味するとも解釈される。本発明の目的において、クマラノンという用語は、その誘導体を意味するとも解釈される。
【0167】
好ましいフラボノイドは、フラボノン、フラボン、3−ヒドロキシフラボン、アウロン、およびイソフラボンから、特にフラボノン、フラボン、3−ヒドロキシフラボン、およびアウロンから得られる。
【0168】
フラボノイドは、好ましくは、次の物質、すなわち4,6,3’,4’−テトラヒドロキシアウロン、クエルセチン、ルチン、イソクエルセチン、エリオジクチオール、タキシホリン、ルテオリン、トリスヒドロキシエチルクエルセチン(トロキセクエルセチン)、トリスヒドロキシエチルルチン(トロキセルチン)、トリスヒドロキシエチルイソクエルセチン(トロキセイソクエルセチン)、トリスヒドロキシエチルルテオリン(トロキセルテオリン)、α−グリコシルルチン、チリロシド、ならびにこれらのサルフェートおよびホスフェートから選択される。フラボノイドのうち、本発明による活性化合物として、ルチン、チリロシド、α−グリコシルルチン、およびトロキセルチンが特に好ましい。
【0169】
クマラノンのうち、4,6,3’,4’−テトラヒドロキシベンジル−3−クマラノンが好ましい。
【0170】
クロモン誘導体という用語は、好ましくは、人間の皮膚および人間の毛髪を老化プロセスおよび有害な環境の影響から予防的に治療するための有効成分として好適な、ある特定のクロメン−2−オン誘導体を意味すると解釈される。同時に、それらは、皮膚を刺激する低い可能性を示し、皮膚における水の結合に対するプラスの効果を有し、皮膚の弾性を維持および向上させ、これにより皮膚の滑らかさを促進する。これらの化合物は、好ましくは、式II
【0171】
【化8】

【0172】
(式中、
1およびR2は、同一または異なってもよく、また、
− H、−C(=O)−R7、−C(=O)−OR7
− 直鎖もしくは分岐鎖のC1からC20アルキル基、
− 直鎖もしくは分岐鎖のC3からC20アルケニル基、
− 直鎖もしくは分岐鎖のC1からC20ヒドロキシアルキル基(ヒドロキシル基は、鎖中の第1もしくは第2炭素原子に結合していてもよく、さらにアルキル鎖もまた酸素により中断されていてもよい)、ならびに/または、
− C3からC10シクロアルキル基および/もしくはC3からC12シクロアルケニル基(環はまたそれぞれ−(CH2n−基により架橋されていてもよく、nは1から3である)から選択され、
3は、Hまたは直鎖もしくは分岐鎖のC1からC20アルキル基であり、
4は、HまたはOR8であり、
5およびR6は、同一または異なってもよく、また、
− −H、−OH、
− 直鎖もしくは分岐鎖のC1からC20アルキル基、
− 直鎖もしくは分岐鎖のC3からC20アルケニル基、
− 直鎖もしくは分岐鎖のC1からC20ヒドロキシアルキル基(ヒドロキシル基は、鎖中の第1もしくは第2炭素原子に結合していてもよく、さらにアルキル鎖もまた酸素により中断されていてもよい)から選択され、
7は、H、直鎖もしくは分岐鎖のC1からC20アルキル基、ポリヒドロキシ化合物、例えば好ましくはアスコルビン酸基もしくはグリコシド基であり、
8は、H、または直鎖もしくは分岐鎖のC1からC20アルキル基であり、置換基R1、R2、およびR4〜R6のうちの少なくとも2つはHではないか、またはR1およびR2からの少なくとも1つの置換基は−C(=O)−R7もしくは−C(=O)−OR7である)に適合する。
【0173】
フラボノイド、クロモン誘導体、およびクマラノンから選択される1種または複数種の化合物の、本発明による調製物中での割合は、調製物全体を基準として、好ましくは0.001重量%から5重量%、特に好ましくは0.01重量%から2重量%である。
【0174】
すでに述べたように、本発明による好ましい組成物は、分化および細胞増殖に影響する角質化における欠陥に関連した皮膚疾患の治療、特に、尋常性座瘡、面皰座瘡、多形座瘡、酒さ性座瘡、小結節性座瘡、集簇性座瘡、加齢誘発座瘡、副作用として生じる座瘡、例えば太陽性座瘡、薬物誘発座瘡もしくは職業性座瘡等の治療、角質化におけるその他の欠陥、特に魚鱗癬、魚鱗癬様状態、ダリエ症、掌蹠角化症、白斑症、白斑症様状態、皮膚および粘膜のヘルペス(口内)(苔癬)の治療、角質化における欠陥に関連し、炎症および/または免疫アレルギー要素、特に皮膚、粘膜、および手足の爪に影響を及ぼす乾癬のすべての形態を有するその他の皮膚疾患、ならびに乾癬性リウマチおよび湿疹もしくは呼吸アトピー等の皮膚アトピー、または歯肉肥大の治療にも好適であり、さらに、角質化と関連しないいくつかの炎症のため、尋常性疣贅、扁平疣贅、疣贅状表皮発育異常症、口腔乳頭腫症、乳頭腫症フロリダ等、ウイルス起源であってもよい真皮または表皮の良性または悪性増殖物のすべて、およびUV照射により引き起こされ得る増殖物、特に基底細胞上皮腫および脊髄細胞上皮腫の治療、水泡性皮膚炎等のその他の皮膚疾患およびコラーゲンに影響する疾患の治療、ある特定の眼疾患、特に角膜疾患の治療、老化に伴う光誘発皮膚老化の克服もしくはそれへの対抗、着色および化学線角化症の低減、ならびに通常の老化もしくは光誘発性老化に関連したすべての疾患の治療、局所または全身に適用されたコルチコステロイドにより生じる表皮および/もしくは真皮萎縮症ならびにその他すべての種類の皮膚萎縮症の創傷/傷跡の予防または回復、創傷回復における欠陥の予防もしくは治療、妊娠で生じる伸縮痕の予防もしくは除去、または創傷回復の促進、座瘡での過脂漏症もしくは単純脂漏症などの脂肪産生における欠陥への対抗、癌状態もしくは前癌状態、特に前骨髄球性白血病への対抗もしくは予防、関節炎等の炎症性疾患の治療、皮膚もしくはその他の身体部位のすべてのウイルス誘発疾患の治療、脱毛症の予防または治療、免疫要素による皮膚疾患またはその他の身体部位の疾患の治療、動脈硬化症もしくは高血圧症等の心臓血管疾患、およびインスリン非依存性糖尿病の治療、ならびに、UV照射により生じる皮膚の問題の治療のために、化合物を使用することも可能である。
【0175】
したがって、調製物が1種または複数種のさらなる抗酸化剤を含むと、酸化ストレスまたはフリーラジカルの効果に対する保護作用がさらに改善され得る。当業者には、即効性または遅効性の抗酸化剤の好適な選択において全く困難は生じない。
【0176】
したがって、本発明の好ましい実施形態において、調製物は、1種または複数種の式Iの化合物に加え、1種または複数種のさらなる抗酸化剤を好ましく含むことを特徴とする、酸化ストレスに対する身体細胞の保護のため、特に皮膚老化の低減のための調製物である。
【0177】
抗酸化剤として使用することもできる、専門家の文献から知られている多くの検証済みの物質、例えば、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびそれらの誘導体、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシン等のペプチドおよびそれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えば、α−カロテン、β−カロテン、リコペン)およびそれらの誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよびその他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、ならびにそれらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびそれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、ならびに非常に低い耐量(例えばpmolからμmol/kg)のスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−およびヘプタチオニンスルホキシイミン)、さらに(金属)キレート剤(例えば、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(例えばビタミンAパルミテート)、およびベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤレチック酸、トリヒドロキシブチロフェノン、クエルセチン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、trans−スチルベンオキシド)がある。
【0178】
抗酸化剤の混合物も同様に、本発明による化粧品調合物における使用に好適である。既知の市販の混合物は、例えば、有効成分として、レシチン、L−(+)−パルミチン酸アスコルビル、およびクエン酸を含む混合物(例えばOxynex(登録商標)AP)、天然トコフェロール、L−(+)−パルミチン酸アスコルビル、L−(+)−アスコルビン酸、およびクエン酸を含む混合物(例えばOxynex(登録商標)K LIQUID)、天然源からのトコフェロール抽出物、L−(+)−パルミチン酸アスコルビル、L−(+)−アスコルビン酸、およびクエン酸を含む混合物(例えばOxynex(登録商標)L LIQUID)、DL−α−トコフェロール、L−(+)−パルミチン酸アスコルビル、クエン酸、およびレシチンを含む混合物(例えばOxynex(登録商標)LM)、または、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、L−(+)−パルミチン酸アスコルビル、およびクエン酸を含む混合物(例えばOxynex(登録商標)2004)である。この種類の抗酸化剤は、通常、この種類の組成物中で、式Iの化合物と、1000:1から1:1000の範囲の比率で、好ましくは100:1から1:100の量で使用される。
【0179】
さらなる抗酸化剤は、参照することによりその開示が組み込まれる、WO2006/111233に記載されているような化合物である。特に、これらの抗酸化剤は、一般式III
【0180】
【化9】

【0181】
(式中、
Arは、非置換芳香環、または一置換もしくは多置換芳香環、または6個から18個のC原子を有する縮合環系(そのうち少なくとも1個の環は芳香環である)を表し、また1つの環あたり、1個または2個のCH−基がC=O、N、O、またはSで置換されていてもよく、1個の縮合環系においても、1個または2個のCH2−基がC=OまたはC=CH2で置換されていてもよく、
1は、H、または分岐鎖もしくは非分岐鎖のC130アルキルもしくはC130ヒドロキシアルキル基、または、基RaもしくはRb
【0182】
【化10】

【0183】
(式中、mは、1から30の範囲内の整数であり、A1〜A3は、互いに独立して、ベンジル基または−(CH2O)n(CH2o(O)pH基であり、mおよびoはそれぞれ、互いに独立して、0から30の範囲内の整数であり、pは、0または1を表す)であり、
Xは、−H、−CN、−C(=O)−R1、および−C(=O)−Z2−R1から選択される基を表し、
Yは、HまたはArを意味し、
1およびZ2はそれぞれ、互いに独立して、O、S、CR78、NR7、または単結合であり、
7およびR8はそれぞれ、互いに独立して、H、OH、非分岐鎖もしくは分岐鎖のC1からC20アルコキシ基、非分岐鎖もしくは分岐鎖のC1からC20アルキル基、非分岐鎖もしくは分岐鎖のC3からC20アルケニル基、非分岐鎖もしくは分岐鎖のC1からC20ヒドロキシアルキル基(ヒドロキシ基は、鎖の第1もしくは第2炭素原子に結合し、アルキル鎖は酸素により中断されていてもよい)、非分岐鎖もしくは分岐鎖のC1からC20ヒドロキシアルコキシ基(ヒドロキシル基(複数を含む)は、鎖の第1もしくは第2炭素原子に結合していてもよく、アルキル鎖は酸素により中断されていてもよい)、および、それぞれ式IIIの化合物の塩から選択される)の抗酸化剤である。
【0184】
式IIIの好ましい化合物は、式B
【0185】
【化11】

【0186】
(式中、
1は、−C(O)CH3、−CO23、−C(O)NH2、および−C(O)N(R42を含む群から選択され、
Xは、OまたはNHであり、
2は、1個から30個のC原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、
3は、1個から20個のC原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、
4は、互いに独立して、H、または1個から8個のC原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルであり、
5は、1個から8個のC原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、または1個から8個のC原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシであり、
6は、1個から8個のC原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル、好ましくは2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジル)−マロン酸の誘導体、特に好ましくはビス−(2−エチルヘキシル)2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジル)−マロネート(例えばRonaCare(登録商標)AP)である)の化合物である。
【0187】
本発明による調製物は、さらなる成分としてビタミンを含んでもよい。本発明による調製物は、好ましくは、ビタミンA、ビタミンAプロピオネート、ビタミンAパルミテート、ビタミンAアセテート、レチノール、ビタミンB、塩化チアミン塩酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ニコチンアミド、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、ビタミンE、DL−α−トコフェロール、トコフェロールEアセテート、トコフェロールコハク酸水素、ビタミンK1、エスクリン(ビタミンP有効成分)、チアミン(ビタミンB1)、ニコチン酸(ナイアシン)、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン、(ビタミンB6)、パントテン酸、ビオチン、葉酸、およびコバラミン(ビタミンB12)、特に好ましくは、ビタミンAパルミテート、ビタミンCおよびその誘導体、DL−α−トコフェロール、トコフェロールEアセテート、ニコチン酸、パントテン酸およびビオチンから選択されるビタミンおよびビタミン誘導体を含む。本明細書において、ビタミンは、通常、式Iの化合物と、1000:1から1:1000の範囲の比率で、好ましくは100:1から1:100の量で使用される。
【0188】
さらに、本発明による調製物は、さらなる従来の皮膚保護または皮膚ケア有効成分を含んでもよい。これらは、原則として、当業者に知られたいかなる有効成分であってもよい。
【0189】
特に好ましい有効成分は、ピリミジンカルボン酸および/またはアリールオキシムである。
【0190】
ピリミジンカルボン酸は、好塩性微生物中に生じ、これらの生物の浸透調節に関与している(E.A.Galinskiら、Eur.J.Biochem.、149 (1985)、ページ135〜139)。本明細書においては、ピリミジンカルボン酸のうち、エクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびそれらの誘導体を挙げるべきである。これらの化合物は、水溶液および有機溶媒中の酵素およびその他の生体分子を安定化する。さらに、それらは、特に、塩、極端なpH値、界面活性剤、尿素、グアニジニウムクロリド、およびその他の化合物等の変性条件に対し、酵素を安定化する。
【0191】
エクトイン、およびヒドロキシエクトイン等のエクトイン誘導体は、薬物に有利に使用することができる。特に、ヒドロキシエクトインは、皮膚疾患の治療のための薬物の調製に使用することができる。ヒドロキシエクトインおよびその他のエクトイン誘導体の他の適用分野は、典型的には、例えばトレハロースが添加剤として使用される分野にある。したがって、ヒドロキシエクトイン等のエクトイン誘導体は、乾燥酵母および細菌細胞における保護剤として使用することができる。非グリコシル化の、薬学的に活性なペプチドおよびタンパク質、例えばt−PA等の医薬品を、エクトインまたはその誘導体で保護することもできる。
【0192】
化粧品用途のうち、老化した、乾燥した、または刺激を受けた皮膚のケアのためのエクトインおよびエクトイン誘導体の使用を特に挙げるべきである。したがって、欧州特許出願EP-A-0671161は、特に、粉末、石鹸、界面活性剤含有洗浄製品、リップスティック、ルージュ、メイクアップ、ケアクリーム、および日焼け止め調製物等の化粧品調製物に、エクトインおよびヒドロキシエクトインが使用されることを記載している。
【0193】
本明細書において、下記式IV
【0194】
【化12】

【0195】
(式中、R1は、基HまたはC1〜8アルキルであり、R2は、基HまたはC1〜4アルキルであり、R3、R4、R5、およびR6はそれぞれ、互いに独立して、H、OH、NH2、およびC1〜4アルキルからなる群からの基である)のピリミジンカルボン酸の使用が好ましい。R2がメチルまたはエチル基であり、R1またはR5およびR6がHであるピリミジンカルボン酸の使用が好ましい。ピリミジンカルボン酸エクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)の使用が特に好ましい。本発明による調製物は、好ましくは、この種類のピリミジンカルボン酸を、15重量%までの量で含む。式Iの化合物との組合せにおいて、ピリミジンカルボン酸は、好ましくは、式Iの化合物に対して100:1から1:100の比率で使用され、1:10から10:1の範囲内の比率が特に好ましい。
【0196】
アリールオキシムのうち、HMLO、LPO、またはF5としても知られる2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムの使用が好ましい。化粧品組成物における使用のためのその適性は、例えば、DE-A-4116123に開示されている。したがって、2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムを含む調製物は、炎症が伴う皮膚疾患の治療に好適である。この種類の調製物は、例えば、乾癬、各種形態の湿疹、刺激および毒物による皮膚炎、UV皮膚炎、ならびに皮膚および外皮付属物のさらなるアレルギー性および/または炎症性皮膚疾患の治療に使用できることが知られている。式Iの化合物に加えて、アリールオキシム、好ましくは2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムを追加で含む本発明による調製物は、驚くべき抗炎症適性を示す。本明細書における調合物は、好ましくは、0.01重量%から10重量%のアリールオキシムを含み、調製物が0.05重量%から5重量%のアリールオキシムを含むのが特に好ましい。
【0197】
調製物中に使用可能な化合物または成分はすべて、既知であるか、市販されているか、または既知のプロセスにより合成され得る。
【0198】
本明細書に記載された化合物の他に、本発明による調製物はまた、好ましくは式V
【0199】
【化13】

【0200】
(式中、
1は、−C(O)CH3、−CO23、−C(O)NH2、および−C(O)N(R42から選択され、
Xは、OまたはNHであり、
2は、直鎖または分岐鎖のC130アルキル基であり、
3は、直鎖または分岐鎖のC120アルキル基であり、
すべてのR4は、互いに独立して、H、または直鎖もしくは分岐鎖のC18
アルキル基であり、
5は、H、直鎖もしくは分岐鎖のC18アルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の−O−C18アルキル基であり、
6は、C18アルキル基である)に適合する少なくとも1種の光安定剤を含んでもよく、
光安定剤は、特に好ましくは、ビス(2−エチルヘキシル)2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジリデン)マロネートである。該当する光安定剤ならびにその調製および使用は、国際特許出願WO03/007906に記載されており、その開示内容はまた、明らかに本出願の主題に属する。
【0201】
本発明による製剤は、当業者に周知のプロセス、特に、水中油型エマルジョンまたは油中水型エマルジョンの調製に役立つプロセスにより調製することができる。
【0202】
さらに、本発明は、本発明による組成物と、化粧品として、または皮膚科学的に好適な1種または複数種のビヒクルとを含む、抗菌特性を有する調製物、本発明による組成物が、化粧品として、または皮膚科学的に好適なビヒクルと混合されることを特徴とする、調製物の生成方法、および、抗菌特性を有する調合物の生成のための、本発明による組成物の使用に関する。
【0203】
これらの調合物は、特に、クリーム、乳液、ゲル、またはゲル−クリーム、粉末、および固形スティック等、単純または複合エマルジョン(O/W、W/O、O/W/OまたはW/O/W)の形態であってもよく、また望ましい場合は、エアロゾルとして調合されてもよく、またフォームまたはスプレーの形態であってもよい。
【0204】
本発明による化粧品製剤は、人間の表皮または毛髪のUV照射からの保護のための調製物として、日焼け止めまたはメイクアップ製品として使用することができる。
【0205】
水中油エマルジョン型のビヒクルを有する日光保護用の本発明による製剤において、水相(特に親水性フィルタを含む)は、一般に、製剤全体を基準として、50重量%から95重量%、好ましくは70重量%から90重量%を構成し、油相(特に親油性フィルタを含む)は、製剤全体を基準として、5重量%から50重量%、好ましくは10重量%から30重量%を構成し、(共)乳化剤(複数を含む)は、製剤全体を基準として、0.5重量%から20重量%、好ましくは2重量%から10重量%を構成する。
【0206】
例えば、1種または複数種の式Iの化合物を、慣例的様式で化粧品または皮膚科学的調製物中に組み込むことができる。好適な調製物は、外用の調製物、例えばクリーム、ローション、もしくはゲルの形態、または皮膚上に噴霧可能な溶液としての調製物である。内用には、カプセル、被覆錠剤、粉末、錠剤溶液(tablet solutions)または溶液等の投与形態が好適である。
【0207】
挙げることができる本発明による調製物の適用形態の例は、溶液、懸濁液、エマルジョン、PITエマルジョン、ペースト、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、粉末、石鹸、界面活性剤含有洗浄調製物、オイル、エアロゾル、およびスプレーである。他の適用形態の例は、スティック、シャンプー、およびシャワー調製物である。任意の所望の慣例的な賦形剤、補助剤、および、望ましい場合はさらなる有効成分が、調製物に添加されてもよい。
【0208】
好ましい補助剤は、保存料、抗酸化剤、安定剤、可溶化剤、ビタミン、着色剤および消臭剤からなる群から派生する。
【0209】
軟膏、ペースト、クリーム、およびゲルは、例えば動物および植物脂肪、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルクおよび酸化亜鉛、またはこれらの物質の混合物等の慣例的な賦形剤を含んでもよい。
【0210】
粉末およびスプレーは、例えば乳糖、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物等の慣例的な賦形剤を含んでもよい。スプレーは、例えばクロロフルオロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテル等の慣例的な噴射剤を追加で含んでもよい。
【0211】
溶液およびエマルジョンは、溶媒、可溶化剤、および乳化剤、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコール、油、特に綿実油、落花生油、小麦麦芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油、グリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物等の慣例的な賦形剤を含んでもよい。
【0212】
懸濁液は、液体希釈剤、例えば水、エタノールもしくはプロピレングリコール、懸濁化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステルおよびポリオキシエチレンソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム(aluminium metahydroxide)、ベントナイト、寒天およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物等の慣例的な賦形剤を含んでもよい。
【0213】
石鹸は、例えば、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸モノエステルの塩、脂肪酸タンパク質加水分解物、イセチオネート、ラノリン、脂肪アルコール、植物油、植物抽出物、グリセロール、糖、またはこれらの物質の混合物等の慣例的な賦形剤を含んでもよい。
【0214】
界面活性剤含有洗浄製品は、例えば、脂肪アルコールサルフェート、脂肪アルコールエーテルサルフェート、スルホコハク酸モノエステルの塩、卵白脂肪酸加水分解物、イソチオネート、イミダゾリニウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物および合成油、ラノリン誘導体、エトキシル化グリセロール脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物等の従来のキャリアを含み得る。
【0215】
フェイスオイルおよびボディオイルは、例えば、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、シリコーン油等の合成油、植物油および油性植物抽出物、パラフィン油もしくはラノリン油等の天然油、またはこれらの物質の混合物等の慣例的な賦形剤を含んでもよい。
【0216】
さらなる典型的な化粧品の適用形態はまた、リップスティック、リップケアスティック、マスカラ、アイライナー、アイシャドー、ルージュ、粉末メイクアップ、エマルジョンメイクアップおよびワックスメイクアップ、ならびに日焼け止め、日光照射前および日光照射後に適用する調製物である。
【0217】
本発明による好ましい調製形態は、特に、エマルジョンを含む。
【0218】
本発明によるエマルジョンは、有利であり、水および乳化剤に加え、この種類の調製物に通常使用されるような、例えば上記の脂肪、油、ワックス、およびその他の脂肪性物質を含む。
【0219】
脂質相は、以下の物質群から有利に選択され得る。
− 鉱油、ミネラルワックス;
− カプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリド等の油、さらに、例えばヒマシ油等の天然油;
− 脂肪、ワックス、ならびに他の天然および合成脂肪性物質、好ましくは脂肪酸と低炭素数のアルコール、例えばイソプロパノール、プロピレングリコール、もしくはグリセロールとのエステル、または、脂肪アルコールと低炭素数のアルカン酸もしくは脂肪酸とのエステル;
− シリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、およびこれらの混合形態。
【0220】
本発明の目的において、エマルジョン、オレオゲル、または水性分散液もしくは油性分散液の油相は、飽和および/もしくは不飽和の、分岐鎖および/もしくは非分岐鎖の、3個から30個の炭素原子の鎖長を有するアルカンカルボン酸と、飽和および/もしくは不飽和の、分岐鎖および/もしくは非分岐鎖の、3個から30個の炭素原子の鎖長を有するアルコールとのエステルからなる群から、または、芳香族カルボン酸と、飽和および/もしくは不飽和の、分岐鎖および/もしくは非分岐鎖の、3個から30個の炭素原子の鎖長を有するアルコールとのエステルからなる群から、有利に選択される。したがって、この種類のエステル油は、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n−ブチル、ラウリン酸n−ヘキシル、オレイン酸n−デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、ならびに、合成、半合成、および天然のこの種類のエステルの混合物、例えばホホバ油からなる群から、有利に選択することができる。
【0221】
油相は、さらに、分岐鎖および非分岐鎖の炭化水素およびワックス、シリコーン油、ジアルキルエーテルからなる群、または、飽和および不飽和の、分岐鎖および非分岐鎖のアルコール、ならびに脂肪酸トリグリセリド、具体的には、飽和および/もしくは不飽和の、分岐鎖および/もしくは非分岐鎖の、8個から24個、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有するアルカンカルボン酸のトリグリセロールエステルからなる群から有利に選択され得る。脂肪酸トリグリセリドは、例えば、合成、半合成、および天然油、例えばオリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、落花生油、菜種油、アーモンド油、パーム油、ココナツ油、パーム核油等からなる群から有利に選択され得る。
【0222】
この種類の油およびワックス成分の任意の所望の組合せもまた、本発明の目的において有利に使用され得る。また、油相の唯一の脂質成分として、ワックス、例えばパルミチン酸セチルを使用することも有利となり得る。
【0223】
油相は、イソステアリン酸2−エチルヘキシル、オクチルドデカノール、イソノナン酸イソトリデシル、イソエイコサン、ヤシ脂肪酸2−エチルヘキシル、安息香酸アルキル(C1215)、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、およびジカプリルエーテルからなる群から有利に選択される。
【0224】
特に有利なのは、安息香酸アルキル(C1215)とイソステアリン酸2−エチルヘキシルの混合物、安息香酸アルキル(C1215)とイソノナン酸イソトリデシルの混合物、および、安息香酸アルキル(C1215)とイソステアリン酸2−エチルヘキシルとイソノナン酸イソトリデシルの混合物である。
【0225】
炭化水素のうち、パラフィン油、スクアラン、およびスクアレンが、本発明の目的において有利に使用され得る。
【0226】
さらに、油相は、有利に、環状または直鎖シリコーン油の含有成分を有してもよく、または全体がこの種類の油から構成されてもよいが、シリコーン油または複数種のシリコーン油に加えて、追加量の他の油相成分を使用するのが好ましい。
【0227】
本発明に従い使用されるシリコーン油は、有利には、シクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)である。しかし、本発明の目的において、その他のシリコーン油、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリメジチルシロキサン、またはポリ(メチルフェニルシロキサン)を使用するのもまた有利である。
【0228】
また、シクロメチコンとイソノナン酸イソトリデシルの混合物、およびシクロメチコンとイソステアリン酸2−エチルヘキシルの混合物も特に有利である。
【0229】
本発明による調製物の水相は、任意選択で、炭素数の低いアルコール、ジオールもしくはポリオール、およびこれらのエーテル、好ましくは、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルもしくはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチルもしくはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、および類似生成物、さらに、炭素数の低いアルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、1,2−プロパンジオールもしくはグリセロール、ならびに、特に、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、多糖類およびこれらの誘導体、例えばヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から有利に選択され得る、特に、ポリアクリレート、好ましくはいわゆるカーボポール、例えばカーボポールグレード980、981、1382、2984または5984からなる群からのポリアクリレートからなる群から有利に選択され得る(それぞれ個々に、または組み合わせて)、1種または複数種の増粘剤を有利に含む。
【0230】
特に、上述の溶媒の混合物が使用される。アルコール系溶媒の場合、水がさらなる構成物質となり得る。
【0231】
本発明によるエマルジョンは、有利であり、水および乳化剤に加え、この種類の製剤に通常使用されるような、例えば上記の脂肪、油、ワックス、およびその他の脂肪性物質を含む。
【0232】
好ましい実施形態において、本発明による調製物は、親水性界面活性剤を含む。
【0233】
親水性界面活性剤は、好ましくは、アルキルグルコシド、アシルラクチレート、ベタイン、およびココナツアンホアセテートからなる群から選択される。
【0234】
アルキルグルコシドは、それ自体、構造式
【0235】
【化14】

【0236】
(式中、Rは、4個から24個の炭素原子を有する分岐鎖または非分岐鎖のアルキル基であり、
【0237】
【数1】

【0238】
は、2までの平均グルコシル化度を意味する)で区別されるアルキルグルコシドからなる群から有利に選択される。
【0239】

【0240】
【数2】

【0241】
は、本発明に従い使用されるアルキルグルコシドのグルコシド化度を表し、
【0242】
【数3】

【0243】
(式中、p1、p2、p3・・・piは、単一、二重、三重・・・i重にグリコシル化された生成物の重量パーセントでの割合を表す)と定義される。本発明に従い、1〜2、特に有利には1.1から1.5、極めて特に有利には1.2〜1.4、特に1.3のグルコシル化度を有する生成物が有利である。
【0244】
値DPは、アルキルグルコシドが、概して、その調製の結果として、モノ−およびオリゴグルコシドの混合物の形態であることを考慮している。本発明に従い、比較的高い含量、典型的には約40重量%〜70重量%のモノグルコシドが有利である。
【0245】
本発明の目的において特に有利に使用されるアルキルグリコシドは、オクチルグルコピラノシド、ノニルグルコピラノシド、デシルグルコピラノシド、ウンデシルグルコピラノシド、ドデシルグルコピラノシド、テトラデシルグルコピラノシドおよびヘキサデシルグルコピラノシドからなる群から選択される。
【0246】
同様に、本発明に従い使用される効果的な含量の有効成分により区別される、天然もしくは合成の原料および補助剤または混合物、例えば、Plantaren(登録商標)1200(Henkel KGaA)、Oramix(登録商標)NS10(Seppic)等を使用するのも有利である。
【0247】
アシルラクチレートは、それ自体、構造式
【0248】
【化15】

【0249】
(式中、R1は、1個から30個の炭素原子を有する分岐鎖または非分岐鎖のアルキル基であり、M+は、アルカリ金属イオンからなる群、ならびに1種もしくは複数種のアルキルおよび/または1種もしくは複数種のヒドロキシアルキル基で置換されたアンモニウムイオンからなる群から選択されるか、あるいは、半当量のアルカリ土類金属に相当する)により区別される物質からなる群から有利に選択される。
【0250】
例えば、ナトリウムイソステアリルラクチレート、例えばAmerican Ingredients Company製の製品Pathionic(登録商標)ISLが有利である。
【0251】
ベタインは、構造式
【0252】
【化16】

【0253】
(式中、R2は、1個から30個の炭素原子を有する分岐鎖または非分岐鎖のアルキル基である)により区別される物質からなる群から有利に選択される。
【0254】
2は、特に有利には、6個から12個の炭素原子を有する分岐鎖または非分岐鎖のアルキル基である。
【0255】
例えば、カプラミドプロピルベタイン、例えばTh.Goldschmidt AG製の製品Tego(登録商標)Betain810が有利である。
【0256】
本発明の目的において有利なココナツアンホアセテートは、例えば、Miranol(登録商標)Ultra C32の名称でMiranol Chemical Corp.から入手可能なナトリウムココナツアンホアセテートである。
【0257】
本発明による調製物は、有利には、親水性界面活性剤(複数を含む)が、いずれの場合も調製物の総重量を基準として、0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.05重量%〜10重量%、特に好ましくは0.1重量%〜5重量%の濃度で存在することを特徴とする。
【0258】
使用においては、本発明による化粧品および皮膚科学的調製物は、化粧品として通常の様式で、適切な量で皮膚および/または毛髪に適用される。
【0259】
本発明による化粧品および皮膚科学的調製物は、様々な形態で存在し得る。したがって、それらは、例えば、溶液、無水調製物、油中水(W/O)型もしくは水中油(O/W)型エマルジョンもしくはマイクロエマルジョン、例えば水中油中水(W/O/W)型等の多重エマルジョン、ゲル、固形スティック、軟膏、またはエアロゾルであってもよい。また、例えば、コラーゲンマトリックスおよび例えばセルロースカプセル化等の他の従来のカプセル化材料、ゼラチン、ワックスマトリックスまたはリポソームでカプセル化された、カプセル化形態のエクトインを投与することが有利である。特に、DE-A4308282に記載のようなワックスマトリックスが有利であることが判明している。エマルジョンが好ましい。O/Wエマルジョンが特に好ましい。エマルジョン、W/OエマルジョンおよびO/Wエマルジョンは、従来の様式で得ることができる。
【0260】
使用可能な乳化剤は、例えば、既知のW/OおよびO/W乳化剤である。本発明による好ましいO/Wエマルジョンにおいて、さらに従来の共乳化剤を使用することが有利である。市販の製品Ceralution C(Sasol)が、乳化剤として特に有利であることが判明している。
【0261】
本発明による有利な共乳化剤は、例えば、O/W乳化剤が飽和した基RおよびR’を有する限り、主として11〜16のHLB値を有する、極めて特に有利には、14.5〜15.5のHLB値を有する物質からなる群からのO/W乳化剤である。O/W乳化剤が不飽和の基Rおよび/もしくはR’を有する場合、またはイソアルキル誘導体の場合は、そのような乳化剤の好ましいHLB値は、それより低くても高くてもよい。
【0262】
エトキシル化ステアリルアルコール、セチルアルコール、セチルステアリルアルコール(セテアリルアルコール)からなる群からの脂肪アルコールエトキシル化物を選択することが有利である。特に好ましいのは、ポリエチレングリコール(13)ステアリルエーテル(ステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)ステアリルエーテル(ステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)ステアリルエーテル(ステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)ステアリルエーテル(ステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)ステアリルエーテル(ステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)ステアリルエーテル(ステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)ステアリルエーテル(ステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)ステアリルエーテル(ステアレス−20)、ポリエチレングリコール(12)イソステアリルエーテル(イソステアレス−12)、ポリエチレングリコール(13)イソステアリルエーテル(イソステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソステアリルエーテル(イソステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソステアリルエーテル(イソステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソステアリルエーテル(イソステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソステアリルエーテル(イソステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソステアリルエーテル(イソステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソステアリルエーテル(イソステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソステアリルエーテル(イソステアレス−20)、ポリエチレングリコール(13)セチルエーテル(セテス−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルエーテル(セテス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルエーテル(セテス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルエーテル(セテス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルエーテル(セテス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルエーテル(セテス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルエーテル(セテス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルエーテル(セテス−20)、ポリエチレングリコール(13)イソセチルエーテル(イソセテス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソセチルエーテル(イソセテス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソセチルエーテル(イソセテス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソセチルエーテル(イソセテス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソセチルエーテル(イソセテス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソセチルエーテル(イソセテス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソセチルエーテル(イソセテス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソセチルエーテル(イソセテス−20)、ポリエチレングリコール(12)オレイルエーテル(オレス−12)、ポリエチレングリコール(13)オレイルエーテル(オレス−13)、ポリエチレングリコール(14)オレイルエーテル(オレス−14)、ポリエチレングリコール(15)オレイルエーテル(オレス−15)、ポリエチレングリコール(12)ラウリルエーテル(ラウレス−12)、ポリエチレングリコール(12)イソラウリルエーテル(イソラウレス−12)、ポリエチレングリコール(13)セチルステアリルエーテル(セテアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルステアリルエーテル(セテアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルステアリルエーテル(セテアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルステアリルエーテル(セテアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルステアリルエーテル(セテアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルステアリルエーテル(セテアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルステアリルエーテル(セテアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルステアリルエーテル(セテアレス−20)である。
【0263】
さらに、
ポリエチレングリコール(20)ステアレート、ポリエチレングリコール(21)ステアレート、ポリエチレングリコール(22)ステアレート、ポリエチレングリコール(23)ステアレート、ポリエチレングリコール(24)ステアレート、ポリエチレングリコール(25)ステアレート、ポリエチレングリコール(12)イソステアレート、ポリエチレングリコール(13)イソステアレート、ポリエチレングリコール(14)イソステアレート、ポリエチレングリコール(15)イソステアレート、ポリエチレングリコール(16)イソステアレート、ポリエチレングリコール(17)イソステアレート、ポリエチレングリコール(18)イソステアレート、ポリエチレングリコール(19)イソステアレート、ポリエチレングリコール(20)イソステアレート、ポリエチレングリコール(21)イソステアレート、ポリエチレングリコール(22)イソステアレート、ポリエチレングリコール(23)イソステアレート、ポリエチレングリコール(24)イソステアレート、ポリエチレングリコール(25)イソステアレート、ポリエチレングリコール(12)オレエート、ポリエチレングリコール(13)オレエート、ポリエチレングリコール(14)オレエート、ポリエチレングリコール(15)オレエート、ポリエチレングリコール(16)オレエート、ポリエチレングリコール(17)オレエート、ポリエチレングリコール(18)オレエート、ポリエチレングリコール(19)オレエート、ポリエチレングリコール(20)オレエートの群から脂肪酸エトキシル化物を選択することが有利である。
【0264】
使用されるエトキシル化アルキルエーテルカルボン酸またはその塩は、有利には、ラウレス−11カルボン酸ナトリウムであってもよい。有利に使用することができるアルキルエーテルサルフェートは、ラウレス−14硫酸ナトリウムである。有利に使用することができるエトキシル化コレステロール誘導体は、ポリエチレングリコール(30)コレステリルエーテルである。ポリエチレングリコール(25)大豆ステロールが良好な結果を示すことが判明している。有利に使用することができるエトキシル化トリグリセリドは、月見草脂肪酸ポリエチレングリコール(60)グリセリズである。
【0265】
さらに、ラウリン酸ポリエチレングリコール(20)グリセリル、ラウリン酸ポリエチレングリコール(21)グリセリル、ラウリン酸ポリエチレングリコール(22)グリセリル、ラウリン酸ポリエチレングリコール(23)グリセリル、カプリン酸ポリエチレングリコール(6)グリセリル/カプリネート、オレイン酸ポリエチレングリコール(20)グリセリル、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(20)グリセリル、オレイン酸/ヤシ脂肪酸ポリエチレングリコール(18)グリセリルからなる群から、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルを選択することが有利である。
【0266】
同様に、モノラウリン酸ポリエチレングリコール(20)ソルビタン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(20)ソルビタン、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール(20)ソルビタン、モノパルミチン酸ポリエチレングリコール(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(20)ソルビタンからなる群から、ソルビタンエステルを選択することが有利である。
【0267】
任意選択であるが、本発明の目的においてやはり有利となり得るW/O乳化剤は、
8個から30個の炭素原子を有する脂肪アルコール、飽和および/もしくは不飽和の、分岐鎖および/または非分岐鎖の、8個から24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有するアルカンカルボン酸の、モノグリセロールエステル、飽和および/もしくは不飽和の、分岐鎖および/または非分岐鎖の、8個から24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有するアルカンカルボン酸の、ジグリセロールエステル、飽和および/もしくは不飽和の、分岐鎖および/または非分岐鎖の、8個から24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有するアルコールの、モノグリセロールエーテル、飽和および/もしくは不飽和の、分岐鎖および/または非分岐鎖の、8個から24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有するアルコールの、ジグリセロールエーテル、飽和および/もしくは不飽和の、分岐鎖および/または非分岐鎖の、8個から24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有するアルカンカルボン酸の、プロピレングリコールエステル、ならびに、飽和および/もしくは不飽和の、分岐鎖および/または非分岐鎖の、8個から24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有するアルカンカルボン酸の、ソルビタンエステルである。
【0268】
特に有利なW/O乳化剤は、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノイソステアリン酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノカプリル酸ソルビタン、モノイソオレイン酸ソルビタン、ジステアリン酸スクロース、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、べへニルアルコール、イソベヘニルアルコール、セラキルアルコール、キミルアルコール、ポリエチレングリコール(2)ステアリルエーテル(ステアレス−2)、モノラウリン酸グリセリル、グリセリルモノカプリネート、およびモノカプリル酸グリセリルである。
【0269】
本発明による好ましい調製物は、老化プロセスから、および酸化ストレスから、すなわち、例えば太陽照射、熱、またはその他の影響により生成されるようなフリーラジカルにより引き起こされる損傷から、人間の皮膚を保護するために特に好適である。これに関連して、調製物は、この用途に通常使用される各種の投与形態である。例えば、調製物は、特に、クリームもしくは乳液(O/W、W/O、O/W/O、W/O/W)の形態、油−アルコール性、油−水性もしくは水−アルコール性のゲルもしくは溶液の形態等の、ローションもしくはエマルジョンの形態、固形スティックの形態であってもよく、またはエアロゾルとして調合されてもよい。
【0270】
調製物は、この種類の調製物に通常使用される化粧品アジュバント、例えば、増粘剤、柔軟剤、保湿剤、表面活性剤、乳化剤、保存料、消泡剤、香料、ワックス、ラノリン、噴射剤、組成物自体または皮膚を着色する染料および/または顔料、ならびに、化粧品に通常使用されるその他の成分を含んでもよい。
【0271】
使用される分散剤または可溶化剤は、油、ワックスもしくはその他の脂肪性物質、低級モノアルコールもしくは低級ポリオール、またはそれらの混合物であってもよい。特に好ましいモノアルコールまたはポリオールは、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、およびソルビトールを含む。
【0272】
本発明の好ましい実施形態は、水の存在下で、式Iの化合物(複数種を含む)の他に、例えば、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、特に脂肪酸のトリグリセリド、ラノリン、天然および合成油またはワックス、ならびに乳化剤を含む、保護クリームまたは乳液の形態のエマルジョンである。
【0273】
さらなる好ましい実施形態は、天然もしくは合成油およびワックス、ラノリン、脂肪酸エステル、特に脂肪酸のトリグリセリドをベースとした油性ローション、または、エタノール等の低級アルコール、もしくはプロピレングリコール等のグリセロール、および/もしくはグリセロール等のポリオール、および油、ワックス、および脂肪酸のトリグリセリド等の脂肪酸エステルをベースとした油−アルコール性ローションである。
【0274】
また、本発明による調製物は、エタノール、プロピレングリコール、またはグリセロール等、1種または複数種の低級アルコールまたはポリオール、および珪質土等の増粘剤を含む、アルコール性ゲルの形態であってもよい。油−アルコール性ゲルもまた、天然または合成油またはワックスを含む。
【0275】
固形スティックは、天然または合成ワックスおよび油、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリン、ならびにその他の脂肪性物質からなる。
【0276】
調製物がエアロゾルとして調合される場合、アルカン、フルオロアルカン、およびクロロフルオロアルカン等の慣例的な噴射剤が一般に使用される。
【0277】
化粧品調製物はまた、変色、脱色または機械的性質の損傷を防止するための、光化学的損傷からの毛髪保護に使用することもできる。この場合、好適な製剤は、洗い流し用のシャンプー、ローション、ゲル、またはエマルジョンの形態であり、かかる調合物は、シャンプーの前もしくは後、着色もしくは脱色の前もしくは後、またはパーマネントウェーブの前もしくは後に適用される。また、毛髪のスタイリングもしくは手入れ用のローションもしくはゲルの形態、ブラッシングもしくはブローウェーブ用のローションもしくはゲルの形態、毛髪用のヘアラッカー、パーマネントウェーブ組成物、着色剤、または漂白剤の形態の調製物を選択することも可能である。式Iの化合物の他に、光保護特性を有する調製物は、例えば、界面活性剤、増粘剤、ポリマー、柔軟剤、保存料、フォーム安定剤、電解質、有機溶媒、シリコーン誘導体、油、ワックス、抗グリース剤、組成物自体もしくは毛髪を着色する染料および/もしくは顔料、または、ヘアケアに通常使用される他の成分等、この種類の組成物において使用される様々なアジュバントを含み得る。
【0278】
上で引用されたすべての出願、特許、および出版物の開示は、参照することによりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0279】
本発明による組成物およびその生成方法をより例示的に示すが、それらは以下の例により制限されない。
【0280】
例:
例1:組成物の調製
雲母/ZnO/硫酸バリウム/Ag+
50gのShadeleaf A(酸化亜鉛および硫酸バリウムで被覆された雲母、Merck KGaA製、ドイツ)を、水200mlに懸濁させる。酢酸銀0.033gを水100mlに入れ、超音波バスを使用して溶解させる。Shadeleaf Aの懸濁液に水100mlを添加する。溶解した酢酸銀を、水70mlの添加後にShadeleaf懸濁液に移す。これは、38〜39℃(丸底フラスコ中の内部温度)での一晩の反応である。次いで懸濁液を吸引濾過する。フィルタ上に残ったケーキを水80mlで3回洗浄し、次いでアセトン80mlで3回洗浄する。生成物を、乾燥炉中で、真空下で3日間乾燥させる(40℃)。次いで、最終生成物を、100マイクロメートルの篩を用いて篩過する。
【0281】
抗菌効能を以下のように試験した。
【0282】
試験デザイン「抗菌効能」:
以下の水性分散液を、保存負荷試験に供する。
【0283】
負荷試験手順は、本発明による非汚染抗菌性生成物に、好適な微生物の所定の接種材料で負荷を与え、接種された生成物を所定の温度、例えば室温で保存することである。試験生成物において生存した生物の数は、特定の時間間隔で決定される。
【0284】
欧州薬局方に記載の説明(Ph.Eur.5 Ausgabe、Grundwerk 2005、§5.1.3)に従い、以下に記載の手順により負荷試験を行う。
【0285】
接種材料の生成
特定の微生物の新鮮な保存培養物を、細菌用の寒天培地Bの表面上、および真菌用の寒天培地Cの表面上に接種する。細菌培養物を、十分な胞子形成(30〜35℃で18〜24時間)までインキュベートする。細菌を採取するために、塩化ナトリウム(9g/l)を含有する滅菌溶液で寒天培地の表面を洗浄し、適切な容器に注ぎ入れる。懸濁液中の病原菌濃度は、濃度が108微生物/mlに近い濃度まで同じ溶液で調節する。その操作の直後、この懸濁液の試料を採取し、CFU/ml単位の病原菌濃度を、膜濾過または寒天平板上での計数の方法により測定する。この値は、接種材料の値の決定に役立つ。懸濁液はすぐに使用されなければならない。
【0286】
病原菌数の決定方法
接種された調製物(本発明による抗菌性生成物も含有する)中の微生物の数を決定するために、接種材料の調製の場合と同じ寒天培地を使用する。
【0287】
本発明および例1による抗菌性生成物1%、またはZnO0.5%、またはBaSO40.1%、または未処理組成物(結合銀なし)1%を含有する水懸濁液/水溶液に、濃度が105から106微生物/調製物1mlに達するように、試験微生物(我々の場合では、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)または大腸菌(Escherichia coli)または黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)またはカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)またはマラセチア・フルフルまたはスタフィロコッカス・エピデルミデスまたはプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)またはコリネバクテリウム・キセロシス(Corynebacterium xerosis))の懸濁液を接種する。接種容積は、試験溶液全体の1%v/vを超えるべきではない。良好な均質化を得るために、懸濁液を混合する。
【0288】
接種された調製物を、日光を避けて20〜25℃で保存する。試験を開始するために、試験調製物(接種された微生物および本発明の抗菌性生成物を含有する)からの1gまたは1mlの試料を、異なる時間間隔(我々の場合では、0分、2分、5分、30分、1時間、3時間、6時間、24時間、48時間、7日、14日、および28日)で採取し、寒天平板または膜濾過法を用いて微生物の数を測定する。希釈、濾過、または特定の不活性化により、いかなる残留した抗菌作用をも確実に除去することが重要である。
【0289】
単一化合物分散液:
− 酸化亜鉛(0.5g/100mL)
− 硫酸バリウム(0.1g/100mL)
三種化合物分散液:
− 例1に従い調製された組成物([酸化亜鉛0.5g+硫酸バリウム0.1g+酸化銀0.02g]/100mL)
結合銀イオンがない組成物、または図に説明されたような単一化合物と比較した、例1による組成物の相乗的な抗菌効果について、表1、表2、および図1から図6の結果を参照されたい。組成物を基準とした結合Agイオンのそのような低い重量パーセントで、有利な抗菌効果が用いられる。
【0290】
【表3−1】

【0291】
【表3−2】

【0292】
【表4】

【0293】
図1は、ZnO[0.5%]/BaSO4[0.4%]+結合Agの組成物(例1の組成物)に対し行った、1%水中懸濁液で試験した、上述の負荷試験に従う異なる微生物による負荷試験結果を説明している。病原菌数を表している結果は、対数スケールで示されている。
【0294】
図2は、純粋なBaSO4、純粋なZnO、およびZnO[0.5%]/BaSO4[0.4%]+結合Ag(例1の組成物)に対し行った、スタフィロコッカス・アウレウスに対する相乗抗菌効果の試験の対数スケールでの負荷試験結果を説明している。結果は対数スケールで示されている。
【0295】
図3は、純粋なBaSO4、純粋なZnO、およびZnO[0.5%]/BaSO4[0.4%]+結合Agイオン(例1の組成物)に対し行った、カンジダ・アルビカンスに対する相乗抗菌効果の試験の対数スケールでの負荷試験結果を説明している。結果は対数スケールで示されている。
【0296】
図4は、純粋なBaSO4、純粋なZnO、およびZnO[0.5%]/BaSO4[0.4%]+結合Agイオン(例1の組成物)に対し行った、マラセチア・フルフルに対する相乗抗菌効果の試験の対数スケールでの負荷試験結果を説明している。結果は対数スケールで示されている。
【0297】
図5は、純粋なBaSO4、純粋なZnO、およびZnO[0.5%]/BaSO4[0.4%]+結合Agイオン(例1の組成物)に対し行った、スタフィロコッカス・エピデルミデスに対する相乗抗菌効果の試験の対数スケールでの負荷試験結果を説明している。結果は対数スケールで示されている。
【0298】
図6は、純粋なBaSO4、純粋なZnO、およびZnO[0.5%]/BaSO4[0.4%]+結合Agイオン(例1の組成物)に対し行った、プロピオニバクテリウム・アクネスに対する相乗抗菌効果の試験の対数スケールでの負荷試験結果を説明している。結果は対数スケールで示されている。
【0299】
図7は、純粋なBaSO4、純粋なZnO、およびZnO[0.5%]/BaSO4[0.4%]+結合Agイオン(例1の組成物)に対し行った、コリネバクテリウム・キセロシスに対する相乗抗菌効果の試験の対数スケールでの負荷試験結果を説明している。結果は対数スケールで示されている。
【0300】
適用例:
【0301】
【表5】

【0302】
【表6】

【0303】
上記製剤AまたはBは、当然ながら、以下のリスト、つまりクエン酸トリエチル、アルミニウムクロロハイドレート、エチルヘキシルグリセロール、ファルネソール、ポリアミノプロピルビグアニド、アルミニウムジルコニウム、テトラクロロハイドレックスGLY、ペンテト酸、ジイソプロピルアミンアミノエチルプロパノール、リシノレイン酸亜鉛、アルミニウム塩、乳酸、トリクロサンの中からの1種または複数種の有効成分を含有してもよい。
【0304】
【表7】

【0305】
手順:A相を室温で混合する。B相を室温で混合し、撹拌しながらA相に加える。
【0306】
上記製剤は、当然ながら、以下のリスト、つまりミルトリモニウムブロミド、乳酸、クロロヘキシジンジグルコネート、サリチル酸、フェノキシイソプロパノール、イソプロパノール、ファルネソール、グリコール酸、タンニン酸、硫黄、アルコール、トリクロサン、グルコン酸亜鉛、亜鉛PCA、カンファー、アルミニウム塩、乳酸ナトリウム、ポリアミノプロピルビグアニド、酢酸亜鉛、ピリチオン亜鉛、ピロクトンオラミン、ケトコカンゾール(Ketocokanzole)、トロポロン、ヒノキトール、硫化セレン、クリンバゾール、サリチル酸ナトリウム、シクロピロクスオラミン、ニーム、バジル油、イクタモール、メラレウカ・アルテルニフォリア(Melaleuca Alternifolia)、セントーレア・キアヌス(Centaurea Cyanus)、メリア・アザジラクタ(Melia Azadirachta)、硫黄、クロトリマゾール、クロタミトン、サリチル酸亜鉛、硫化セレン、ツシラゴ・ファルファラ(Tussilago farfara)、アルクティウム・ラッパ(Arctium lappa)、ピロクトンオラミン、サリチル酸、硫酸亜鉛、ローズマリー、ケトコナゾールの中からの1種または複数種の有効成分を含有してもよい。
【0307】
【表8】

【0308】
手順:撹拌しながらB相をA相に加える。C相を、組み合わせたA相およびB相に混合添加する。均質となるまで撹拌する。
【0309】
上記製剤は、当然ながら、以下のリスト、つまり、
ピリチオン亜鉛、ピロクトンオラミン、ケトコナゾール、トロポロン、ヒノキトール、硫化セレン、サリチル酸、クリンバゾール、サリチル酸ナトリウム、シクロピロクスオラミン、ニーム、バジル油、イクタモール、メラレウカ・アルテルニフォリア、セントーレア・キアヌス、メリア・アザジラクタ、ファルネソール、硫黄、クロトリマゾール、クロタミトン、サリチル酸亜鉛、ツシラゴ・ファルファラ、アルクティウム・ラッパ、硫酸亜鉛、ローズマリー、ケトコナゾールの中からの1種または複数種の有効成分を含有してもよい。
【0310】
【表9−1】

【0311】
【表9−2】

【0312】
上記製剤は、当然ながら、以下のリスト、つまり、
ピリチオン亜鉛、ピロクトンオラミン、ケトコナゾール、トロポロン、ヒノキトール、硫化セレン、サリチル酸、クリンバゾール、サリチル酸ナトリウム、シクロピロクスオラミン、ニーム、バジル油、イクタモール、メラレウカ・アルテルニフォリア、セントーレア・キアヌス、メリア・アザジラクタ、ファルネソール、硫黄、クロトリマゾール、クロタミトン、サリチル酸亜鉛、ツシラゴ・ファルファラ、アルクティウム・ラッパ、硫酸亜鉛、ローズマリー、ミルトリモニウムブロミド、乳酸、クロロヘキシジンジグルコネート、フェノキシイソプロパノール、イソプロパノール、ファルネソール、グリコール酸、タンニン酸、アルコール、トリクロサン、グルコン酸亜鉛、亜鉛PCA、カンファー、アルミニウム塩、乳酸ナトリウム、ポリアミノプロピルビグアニド、酢酸亜鉛、クエン酸トリエチル、エチルヘキシルグリセロール、アルミニウムジルコニウム、テトラクロロハイドレックスGLY、ペンテト酸、ジイソプロピルアミンアミノエチルプロパノール、リシノレイン酸亜鉛、アルミニウムセスキクロロハイドレート、乳酸、トリクロサンの中からの1種または複数種の有効成分を含有してもよい。
【0313】
【表10】

【0314】
【表11】

【0315】
上記製剤は、当然ながら、以下のリスト、つまり、
ピリチオン亜鉛、ピロクトンオラミン、ケトコナゾール、トロポロン、ヒノキトール、硫化セレン、サリチル酸、クリンバゾール、サリチル酸ナトリウム、シクロピロクスオラミン、ニーム、バジル油、イクタモール、メラレウカ・アルテルニフォリア、セントーレア・キアヌス、メリア・アザジラクタ、ファルネソール、硫黄、クロトリマゾール、クロタミトン、サリチル酸亜鉛、ツシラゴ・ファルファラ、アルクティウム・ラッパ、硫酸亜鉛、ローズマリーの中からの1種または複数種の有効成分を含有してもよい。
【0316】
【表12−1】

【0317】
【表12−2】

【0318】
【表13−1】

【0319】
【表13−2】

【0320】
【表14−1】

【0321】
【表14−2】

【0322】
上記製剤は、当然ながら、以下のリスト、つまり、ピリチオン亜鉛、ピロクトンオラミン、ケトコナゾール、トロポロン、ヒノキトール、硫化セレン、サリチル酸、クリンバゾール、サリチル酸ナトリウム、シクロピロクスオラミン、ニーム、バジル油、イクタモール、メラレウカ・アルテルニフォリア、セントーレア・キアヌス、メリア・アザジラクタ、ファルネソール、硫黄、クロトリマゾール、クロタミトン、サリチル酸亜鉛、ツシラゴ・ファルファラ、アルクティウム・ラッパ、硫酸亜鉛、ローズマリー、ミルトリモニウムブロミド、乳酸、クロロヘキシジンジグルコネート、フェノキシイソプロパノール、イソプロパノール、ファルネソール、グリコール酸、タンニン酸、アルコール、トリクロサン、グルコン酸亜鉛、亜鉛PCA、カンファー、アルミニウム塩、乳酸ナトリウム、ポリアミノプロピルビグアニド、酢酸亜鉛、クエン酸トリエチル、エチルヘキシルグリセロール、アルミニウムジルコニウム、テトラクロロハイドレックスGLY、ペンテト酸、ジイソプロピルアミンアミノエチルプロパノール、リシノレイン酸亜鉛、アルミニウムセスキクロロハイドレート、乳酸、トリクロサンの中からの1種または複数種の有効成分を含有してもよい。
【0323】
【表15−1】

【0324】
【表15−2】

【0325】
上記製剤は、当然ながら、以下のリスト、つまり、ピリチオン亜鉛、ピロクトンオラミン、ケトコナゾール、トロポロン、ヒノキトール、硫化セレン、サリチル酸、クリンバゾール、サリチル酸ナトリウム、シクロピロクスオラミン、ニーム、バジル油、イクタモール、メラレウカ・アルテルニフォリア、セントーレア・キアヌス、メリア・アザジラクタ、ファルネソール、硫黄、クロトリマゾール、クロタミトン、サリチル酸亜鉛、ツシラゴ・ファルファラ、アルクティウム・ラッパ、硫酸亜鉛、ローズマリー、ミルトリモニウムブロミド、乳酸、クロロヘキシジンジグルコネート、フェノキシイソプロパノール、イソプロパノール、ファルネソール、グリコール酸、タンニン酸、アルコール、トリクロサン、グルコン酸亜鉛、亜鉛PCA、カンファー、アルミニウム塩、乳酸ナトリウム、ポリアミノプロピルビグアニド、酢酸亜鉛、クエン酸トリエチル、エチルヘキシルグリセロール、アルミニウムジルコニウム、テトラクロロハイドレックスGLY、ペンテト酸、ジイソプロピルアミンアミノエチルプロパノール、リシノレイン酸亜鉛、アルミニウムセスキクロロハイドレート、乳酸、トリクロサンの中からの1種または複数種の有効成分を含有してもよい。
【0326】
【表16−1】

【0327】
【表16−2】

【0328】
上記製剤は、当然ながら、以下のリスト、つまり、ピリチオン亜鉛、ピロクトンオラミン、ケトコナゾール、トロポロン、ヒノキトール、硫化セレン、サリチル酸、クリンバゾール、サリチル酸ナトリウム、シクロピロクスオラミン、ニーム、バジル油、イクタモール、メラレウカ・アルテルニフォリア、セントーレア・キアヌス、メリア・アザジラクタ、ファルネソール、硫黄、クロトリマゾール、クロタミトン、サリチル酸亜鉛、ツシラゴ・ファルファラ、アルクティウム・ラッパ、硫酸亜鉛、ローズマリー、ミルトリモニウムブロミド、乳酸、クロロヘキシジンジグルコネート、フェノキシイソプロパノール、イソプロパノール、ファルネソール、グリコール酸、タンニン酸、アルコール、トリクロサン、グルコン酸亜鉛、亜鉛PCA、カンファー、アルミニウム塩、乳酸ナトリウム、ポリアミノプロピルビグアニド、酢酸亜鉛、クエン酸トリエチル、エチルヘキシルグリセロール、アルミニウムジルコニウム、テトラクロロハイドレックスGLY、ペンテト酸、ジイソプロピルアミンアミノエチルプロパノール、リシノレイン酸亜鉛、アルミニウムセスキクロロハイドレート、乳酸、トリクロサンの中からの1種または複数種の有効成分を含有してもよい。
【0329】
【表17】

【0330】
【表18】

【0331】
上記製剤は、当然ながら、以下のリスト、つまり、ピリチオン亜鉛、ピロクトンオラミン、ケトコナゾール、トロポロン、ヒノキトール、硫化セレン、サリチル酸、クリンバゾール、サリチル酸ナトリウム、シクロピロクスオラミン、ニーム、バジル油、イクタモール、メラレウカ・アルテルニフォリア、セントーレア・キアヌス、メリア・アザジラクタ、ファルネソール、硫黄、クロトリマゾール、クロタミトン、サリチル酸亜鉛、ツシラゴ・ファルファラ、アルクティウム・ラッパ、硫酸亜鉛、ローズマリー、ミルトリモニウムブロミド、乳酸、クロロヘキシジンジグルコネート、フェノキシイソプロパノール、イソプロパノール、ファルネソール、グリコール酸、タンニン酸、アルコール、トリクロサン、グルコン酸亜鉛、亜鉛PCA、カンファー、アルミニウム塩、乳酸ナトリウム、ポリアミノプロピルビグアニド、酢酸亜鉛、クエン酸トリエチル、エチルヘキシルグリセロール、アルミニウムジルコニウム、テトラクロロハイドレックスGLY、ペンテト酸、ジイソプロピルアミンアミノエチルプロパノール、リシノレイン酸亜鉛、アルミニウムセスキクロロハイドレート、乳酸、トリクロサンの中からの1種または複数種の有効成分を含有してもよい。
【0332】
試験デザイン「抗炎症効能」:
2種のエマルジョンの比較:エマルジョンAはZnOを1%含有し、エマルジョンBは本発明による組成物を1%含有する。エマルジョンBが少なくともエマルジョンAと同じ程度まで紅斑を軽減する(ただし好ましくはより軽減する)場合、エマルジョンAへのエマルジョンBの追加が、ZnOの抗炎症作用を促進し得ると結論付けられる。
【0333】
備考:ZnOは、抗炎症性であることが周知である。紅斑は、UV光により人間の前腕内側に人為的に惹起される。
【0334】
紅斑は、毛細血管のうっ血によりもたらされる皮膚の赤味である。これは、感染、マッサージ、電気的処置、座瘡薬、アレルギー、運動または日光放射(日焼け)、および毛髪用ワックスまたは毛髪の引き抜きによりもたらされる可能性があり、いずれも毛細血管を広げ、赤味を生じさせる可能性がある。
【0335】
試験デザイン「皮脂分泌の低減」
1.油分計を用いる。脂質(油)プローブまたは油分計は、皮膚表面上に置かれた際に皮膚脂質が含浸した膜を介してダイオード光源を発光させることにより、皮膚における油の量を測定するデバイスである。膜上の脂質が多いほど、光センサへの透過光が少ない。
【0336】
油分計は、皮膚の油分を測定する極めて正確な方法である。
【0337】
方法:単純に、自動設定された時間の間、脂質プローブカセットを試験したい領域の皮膚表面に押し付け、次いでカセットを分析器に再び挿入して皮膚の脂質レベルを読み出す。
【0338】
試験デザイン「抗座瘡(細菌試験)」
抗菌効能の試験デザインと同一であるが、異なる微生物(プロピオニバクテリウム・アクネス、スタフィロコッカス・エピデルミデス、黄色ブドウ球菌−微生物プロピオニバクテリウム・アクネスの結果は図1および図6)を試験する。
【0339】
試験デザイン 抗ウイルス
Fumio Shimizu、Yoshinobu Shimizu、Katsuo Kumagai、Antimicrobial Agents and Chemotherapy、1976、10(1)、57〜63の出版物に記載の方法をその目的に使用することができる。
【0340】
試験デザイン「歯垢抑制」
1.抗菌効能の試験デザインと同一であるが、異なる微生物、アクチノミセス・ビスコーサス(Actinomyces viscosus)、バクテロイデス・インターメディア(Bacteroides intermedia)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、ポルフィロモナス・ジンジバリス、ストレプトコッカス・ミュータンス、ストレプトコッカス・サリバリウス、ストレプトコッカス・サンギニス(Streptococcus sanguinis)を試験する。
【0341】
2.歯垢の量の評価
歯垢の量を評価する。
【0342】
Quigley Hein歯垢指標:
この指標は、歯の検査(頬)側およびタン(舌)側に現れた歯垢を、以下の0〜5のスケールで評価したものである。
0=歯垢なし
1=歯茎(歯肉)周縁部近くの孤立した歯垢の斑点
2=歯茎周縁部での1mmの歯垢の帯
3=表面の1/3までが歯垢で覆われている
4=表面の1/3から2/3に歯垢が染め出される
5=表面の2/3より多くに歯垢が染め出される
参考文献:Quigley, GAおよびHein, JW、Comparative cleaning efficacy of manual and power brushing、J.Am.Dent.Assoc.1962、65、26〜29、Addy, M、M.A.SlayneおよびW.G.Wade、1993、Methods for the Study of Dental Plaque formation and control、IN Denyer, S.P.、S.P.GormannおよびM.Sussmann、Microbial Biofilms: Formation and Control、Blackwell Scientific Publications、Oxford
試験デザイン「創傷治癒」
創傷部位測定技法
いかなる創傷測定でも、その目的は、創傷の長さ、幅、面積または体積の変化を通して治癒の進行を監視することである。これは、以下の技法を用いて行うことができる。
【0343】
単純測定:最も単純で安価な方法は、巻尺または定規で直線寸法を測定することにより創傷表面の面積を計算することである。しかし、この二次元法は、創傷が幾何学的表面形状、例えば長方形(長さ×幅)、円(直径×直径)、または楕円(最大直径×第1の寸法と垂直な最大直径)を有すると仮定している。創傷表面の面積を計算する代替の方法は、長円に対する公式(長さ×幅×0.785)に基づく。
【0344】
創傷トレーシング:別の二次元創傷測定手法は、ペンを使用して無菌透明フィルム上に直接創傷の外形をトレースする創傷トレーシングである。創傷トレーシングは、ベッドサイドで最小限の器具を使用して行うことができ、臨床医学者の側には特別な技術または訓練が必要ない。シーケンスにおけるトレーシングのそれぞれは、互いとの比較が容易で、トレーシングは比較的患者の負担とはならない。トレーシングは、すぐに患者の記録に保管することができ、単純なスキャナを使用してデータ処理システムに入力することができる。創傷トレーシングの最も大きな制限は、創傷の境界がどこに存在するかを決定することであり、これはこの技法の信頼性および正確性に影響する。
【0345】
Kundinゲージ:これは、創傷の面積および体積を計算するために使用される市販の三次元定規である。
【0346】
モールド:生理食塩水またはアルギン酸塩の充填を用いて創腔の型を取ることにより、創傷の三次元モールドを形成することができる。
【0347】
スケール付写真:この二次元評価法は、写真の隅にスケール付定規が組み込まれるように特殊スキャナにより処理された写真を使用する。定規を使用して長さおよび幅が計算され、単純な寸法で表される。スケール付写真は、比較には有用であるが、倍率誤差の可能性がある。
【0348】
平面図:この方法は、写真または創傷トレーシングからの二次元または平面画像を形成することにより、体積を測定する。手で、またはコンピュータを使用して、一枚の透明な方眼紙を写真または創傷トレーシングの上に重ね、創傷境界内に完全に含まれる方眼紙の升目の数を加算してスケール面積計算値を生成する。次いでこれを患者の記録に保管するか、またはデータ処理システムに入力することができる。
【0349】
コンピュータ化ステレオ写真解析:元々は土地測量のために開発されたコンピュータ化ステレオ写真解析は、異なる既知の位置から撮影された同じ領域の2枚の写真を使用して三次元画像を生成する。コンピュータ化照合アルゴリズムが、2枚の画像における対応する点を検索し、次いで、一対の写真の対応する点の間の距離に基づき、各点の高さを計算する。
【0350】
上記技法のいくつかは、互いに併用することができる。例えば、YenidunyaおよびDemirserenは、コンピュータ画面上に表示された創傷のデジタル写真上に重ねられた透明なシート上に創傷の輪郭をトレースする技法を使用した。比較的患者の負担とはならず、デジタル処理で保管することができた得られたトレースは、術前計画および創傷評価の両方に使用された。
【0351】
経表皮水分損失(TEWL)の測定等の非侵襲的評価方法は、表皮バリア機能傷害を有する皮膚プロセスの連続的フォローアップを可能とする。LEVY J.J.; VON ROSEN J.; GASSMULLER J.; KUHLMANN R.K.; LANGE L.; Dermatology、1995、vol.190、no2、136〜141ページ
例えばレーザドップラースキャニング、レーザドップラー流量測定、経皮酸素測定等の他の方法を使用することができる。
【0352】
試験デザイン「抜け毛」:
トリコグラム(半侵襲的プロセス)
トリコグラムは、抜け毛を測定するために、または抜け毛用に設計された医薬品の効果を定量するために使用されることが多い方法である。脱毛した毛髪における顕微鏡による区別および毛髪成長の異なる段階により、以下を目的としてトリコグラムを使用することが可能である。
− 抜け毛の具体化および標準化
− 抜け毛の作用の測定
− 治療コントロール
古典的なトリコグラムでは、痛みを伴う脱毛が必要である。アンドロゲン脱毛症では、薄くなった頭部領域(後頭部)に脱毛が生じるはずである。皮膚の根元の顕微鏡による計数は、アナゲン/テロゲン比の比率の計算を可能とし、これは抜け毛の激しさの決定を意味する。毛髪をまず分割し、次いで毛髪の列を準備する。利用し得るトリコグラムを得るためには、以下が必要である。
【0353】
50本を超える毛髪を脱毛する。毛髪をまず分割し、列を準備する。毛髪は、毛髪成長の方向に脱毛する。次いで、脱毛した毛髪をスライドガラス上に載せ(セロテープで固定)、次いで切断する。毛髪を一滴の水で湿らせてから顕微鏡で分析することもできる。顕微鏡法用の固定液(Eukitt)を使用することも可能である。3つの毛髪成長段階が、その段階における対応する期間に応じてトリコグラムで観察される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化亜鉛、硫酸バリウムおよび結合銀イオンを含む組成物。
【請求項2】
銀イオンが、酸化亜鉛および/または硫酸バリウムにイオン結合していることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
酸化亜鉛対硫酸バリウム対結合銀イオンの比が、重量に基づき、12000:2000:1から8:1:1の範囲内であることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
酸化亜鉛対硫酸バリウム対結合銀イオンの比が、重量に基づき、2500:500:1であることを特徴とする、請求項1から3のうちの一項または複数項に記載の組成物。
【請求項5】
酸化亜鉛、硫酸バリウムおよび結合銀イオンが、相乗的な抗菌作用を有することを特徴とする、請求項1から4のうちの一項または複数項に記載の組成物。
【請求項6】
酸化亜鉛、硫酸バリウムおよび結合銀イオンが、相乗的な抗刺激性、相乗的な抗炎症性、相乗的な創傷治癒特性、相乗的な抗座瘡特性、相乗的な抗抜け毛特性、皮脂分泌の低減における相乗的な特性、相乗的なUV保護特性、および/または皮膚病に対する相乗的な効果を有することを特徴とする、請求項1から5のうちの一項または複数項に記載の組成物。
【請求項7】
追加の化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項1から6のうちの一項または複数項に記載の組成物。
【請求項8】
追加の化合物が、血小板状、球状、または針状であることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
さらなる追加の化合物が、天然もしくは人工雲母、SiO2、TiO2、BiOCl、酸化アルミニウム、ガラス、雲母状酸化鉄、黒鉛、酸化黒鉛、酸化アルミニウム被覆黒鉛、塩基性炭酸鉛、硫酸バリウム、酸化クロム、BN、MgO、フッ化マグネシウム、Si34、および/または金属の群から選択されることを特徴とする、請求項7または8に記載の組成物。
【請求項10】
追加の化合物が、BiOCl、ならびに/または、透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属サルフェート、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物の、1つまたは複数の層または堆積物で被覆されていることを特徴とする、請求項7から9のうちの一項または複数項に記載の組成物。
【請求項11】
BiOCl、ならびに/または、透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属サルフェート、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物の、1つまたは複数の層が、屈折率nが1.8を超える、透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属サルフェート、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物、またはBiOCl、ならびに、屈折率nが1.8以下の、透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属サルフェート、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物の交互の層として配置されていることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
透明、半透明もしくは不透明の、選択的もしくは非選択的に吸収性もしくは非吸収性の金属酸化物、金属亜酸化物、水和金属酸化物、金属、金属サルフェート、金属窒化物、金属オキシニトリド、金属フッ化物、および/もしくはこれらの材料の混合物が、有機および/もしくは無機着色剤またはドーパントとしての元素を追加的に含有することを特徴とする、請求項10または11に記載の組成物。
【請求項13】
酸化亜鉛および硫酸バリウムが、追加の化合物の表面上に堆積されていることを特徴とする、請求項7から12のうちの一項または複数項に記載の組成物。
【請求項14】
追加の化合物が、0.1μmから2.0μmの平均直径を有する硫酸バリウムの粒子、および0.05μmから1.5μmの平均長軸直径を有する酸化亜鉛の針状結晶粒子で被覆され、前記追加の化合物の量に比して、前記硫酸バリウムの重量部単位の量が、前記酸化亜鉛の重量部単位の量より少ないことを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
組成物を基準として、30重量パーセントから50重量パーセントの追加の化合物、40重量パーセントから60重量パーセントの酸化亜鉛、5重量パーセントから10重量パーセントの硫酸バリウム、および0.005重量パーセントから5重量パーセントの酸化銀として計算される結合銀イオンを含むことを特徴とする、請求項7または14に記載の組成物。
【請求項16】
組成物を基準として、40重量パーセントの追加の化合物、50重量パーセントの酸化亜鉛、9.98重量パーセントの硫酸バリウム、および0.02重量パーセントの酸化銀として計算される結合銀イオンを含むことを特徴とする、請求項7から15のうちの一項または複数項に記載の組成物。
【請求項17】
追加の化合物が雲母であることを特徴とする、請求項7から16のうちの一項または複数項に記載の組成物。
【請求項18】
酸化亜鉛、硫酸バリウム、および銀塩を含む懸濁液の撹拌を含む、請求項1から17のうちの一項または複数項に記載の組成物の調製方法。
【請求項19】
銀塩が、酸化銀または酢酸銀であることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
酸化亜鉛および硫酸バリウムが、追加の化合物の表面上に堆積されることを特徴とする、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
追加の化合物が、0.1μmから2.0μmの平均直径を有する硫酸バリウムの粒子、および0.05μmから1.5μmの平均長軸直径を有する酸化亜鉛の針状結晶粒子で被覆され、前記追加の化合物の量に比して、前記硫酸バリウムの重量部単位の量が、前記酸化亜鉛の重量部単位の量より少ないことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
追加の化合物が雲母であることを特徴とする、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
調製が、水、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、および/またはこれらの混合物中で行われることを特徴とする、請求項18から22のうちの一項または複数項に記載の方法。
【請求項24】
調製温度が、10℃から60℃の間であることを特徴とする、請求項18から23のうちの一項または複数項に記載の方法。
【請求項25】
銀塩の量が、組成物を基準として、0.005重量%から5重量%の範囲内であることを特徴とする、請求項18から24のうちの一項または複数項に記載の方法。
【請求項26】
微生物の成長および/もしくは後代の抑制のため、刺激、炎症、座瘡形成、皮脂分泌、抜け毛の抑制のため、UV保護のため、ならびに/または創傷治癒のための、請求項1から17のうちの一項または複数項に記載の組成物の使用。
【請求項27】
製剤または適用剤における、請求項1から17のうちの一項または複数項に記載の組成物の使用。
【請求項28】
製剤および/または適用剤が、化粧品製剤、塗料、インク、食品着色剤、ホームケア製品、動物ケア製品、個人衛生および職場衛生用製品、コンタクトレンズ、クロマトグラフィー材料、医療機器、保護局所薬、薬学的製剤、特に皮膚用製剤、ラッカー、コーティング、および/またはプラスチックの群から選択されることを特徴とする、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
請求項1から17のうちの一項または複数項に記載の組成物を含む製剤。
【請求項30】
化粧品製剤であることを特徴とする、請求項29に記載の製剤。
【請求項31】
溶液、懸濁液、エマルジョン、パスタ、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、粉末、オイル、ペンシル、デオドラントクリーム、ゲル、ローション、エマルジョン、デオドラントスティック、ロールオン、スプレー、ポンプスプレー、またはラッカーの形態であることを特徴とする、請求項29または30に記載の製剤。
【請求項32】
微生物に好適な基材からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする、請求項29から31のうちの一項または複数項に記載の製剤。
【請求項33】
微生物に好適な基材が、好ましくは、官能基を有するまたは有さないアルカン、アルケン、アルキン、砂糖、ポリオール、アルコール、飽和または不飽和のカルボン酸、タンパク質、アミノ酸、水、脂肪酸、ワックス、脂肪、鉱油、塩、ホルモン、ステロイド、ビタミン、および/またはこれらの誘導体もしくは塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項32に記載の製剤。
【請求項34】
保存料および抗菌剤を追加的に含むことを特徴とする、請求項29から33のうちの一項または複数項に記載の製剤。
【請求項35】
抗生物質を追加的に含むことを特徴とする、請求項29から34のうちの一項または複数項に記載の製剤。
【請求項36】
抗生物質が、ベータラクタム、バンコマイシン、マクロライド、テトラサイクリン、キノロン、フルオロキノロン、ニトロ化化合物、アミノグリコシド、フェニコール、リンコサミド、シネルジスチン(Synergistins)、ホスホマイシン、フシジン酸、オキサゾリジノン、リファマイシン、ポリミキシン、グラミシジン、チロシジン、糖ペプチド、スルホンアミド、またはトリメトプリムの群から選択されることを特徴とする、請求項35に記載の製剤。
【請求項37】
1つまたは複数のUVフィルタを追加的に含むことを特徴とする、請求項29から36のうちの一項または複数項に記載の製剤。
【請求項38】
少なくとも1種のセルフタンニング剤を追加的に含むことを特徴とする、請求項26から37のうちの一項または複数項に記載の製剤。
【請求項39】
染料および有色顔料を追加的に含むことを特徴とする、請求項29から38のうちの一項または複数項に記載の製剤。
【請求項40】
少なくとも1種の抗酸化剤を追加的に含むことを特徴とする、請求項29から39のうちの一項または複数項に記載の製剤。
【請求項41】
ビタミンを追加的に含むことを特徴とする、請求項29から40のうちの一項または複数項に記載の製剤。
【請求項42】
皮膚保護または皮膚ケア有効成分を追加的に含むことを特徴とする、請求項29から41のうちの一項または複数項に記載の製剤。
【請求項43】
少なくとも1種の光安定剤を追加的に含むことを特徴とする、請求項29から42のうちの一項または複数項に記載の製剤。
【請求項44】
a)酸化亜鉛、硫酸バリウム、および酸化銀を含む懸濁液を撹拌するステップと、
b)組成物a)を、製剤に好適なさらなる成分と混合するステップと
を含む、請求項29から43のうちの一項または複数項に記載の製剤の調製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−516719(P2010−516719A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546657(P2009−546657)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010733
【国際公開番号】WO2008/089822
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セロテープ
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】