説明

振動絶縁装置

ポンプによる装置の排気中に装置への振動の伝達を阻止するための振動絶縁装置について説明する。絶縁装置は、ポンプが装置から引かれた雰囲気流体を周囲から絶縁するための蛇腹を備える。第1のフランジを蛇腹の一方の端部に接続して絶縁装置を装置に取り付け、第2のフランジを蛇腹の他方の端部に接続して絶縁装置をポンプに取り付ける。蛇腹は、蛇腹とほぼ同軸上にある、好ましくはらせん状の引張ばねである弾性要素を取り囲む。弾性要素は、第1のフランジの近くに配置して第2のフランジに接続した第1の端部と、第2のフランジの近くに配置して第1のフランジに接続した第2の端部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプによる装置の排気中に装置への振動の伝達を阻止するための振動絶縁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
装置の排気中に、例えばターボ分子ポンプなどの高真空ポンプから装置に伝達される振動を減少させるために、振動絶縁装置が使用される。排気中の装置が機械的振動に敏感な場合、振動絶縁装置を使用することが特に望ましい。例えば、電子顕微鏡への振動の伝達は、顕微鏡の解像度の喪失を招く可能性があり、一方、プロセスツールへの振動の伝達は、ツール内に置かれた製品における製造誤差を招く可能性がある。
【0003】
図1を参照すると、通常、排気される装置12の流体排出口と真空ポンプ14の流体入口との間に振動絶縁装置10が接続される。
【0004】
図2は、公知の振動絶縁装置10の一例をより詳細に示す図である。絶縁装置10は、絶縁装置10を貫いて装置12からポンプ14によりポンピングされた流体のための流路を定めるスチール製の蛇腹20を備える。絶縁装置10を排気される装置12に接続するための第1の環状フランジ22が蛇腹20の一方の端部に溶接され、絶縁装置10をポンプ14に接続するための第2の環状フランジ24が蛇腹20の他方の端部に溶接される。
【0005】
蛇腹20は、第2のフランジ24に装着された弾性シリンダ26で取り巻かれ、この弾性シリンダ26は、蛇腹20内の流体が準大気圧にある場合、蛇腹20が圧壊するのを防ぐとともにポンプ14の使用中に発生する振動を減衰させる。
【0006】
絶縁装置10は一対の連結部材をさらに備え、この連結部材は、装置が排気中でない時に、第2のフランジ24に接続されたポンプ14の重みで蛇腹20が延びるのを防ぐ。個々の連結部材は、V字形の金属ストラップの形状であり、第1のストラップ28が第1のフランジ22に溶接され、第2のストラップ30が第2のフランジ24に溶接されることにより、ストラップ28、30が連結されるようになる。図示の例では、絶縁装置10が任意の他の構成部品にも接続されていない時、ストラップ28、30は、蛇腹20の軸に沿って延びる距離xだけ間隔を空けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ポンプ14から装置12への振動の伝達を左右するパラメータは、絶縁装置10の剛性である。蛇腹20は、通常、比較的低い固有の軸方向剛性を有するため、蛇腹20を通じて装置12へ最小限の振動が伝達される。さらに、装置の排気中、絶縁装置10は圧縮されているため、ストラップ28、30は接触していない。この結果、装置の排気中、装置12へ振動を伝達するための主なルートは、フランジ22、24間に挟まれた弾性シリンダ26を通り抜けるルートとなる。しかしながら、弾性シリンダ26がこのようにして圧縮された場合、非線形の漸進的な剛性特性を反映したその超弾性により、弾性シリンダ26の軸方向剛性が徐々に増大する。シリンダ26の軸方向剛性が増大することにより、絶縁装置10の能力が低下してたわみ、これによって装置12への振動の伝達が徐々に高まるようになる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様では、本発明は、ポンプによる装置の排気中に装置への振動の伝達を阻止するための振動絶縁装置を提供し、この絶縁装置は、第1及び第2の開放端部を有する、装置から引かれた流体をポンプへ搬送するための蛇腹と、蛇腹とほぼ同軸上にありかつこの蛇腹で取り囲まれた弾性要素とを備え、弾性要素は、第1及び第2の開放端部の一方に接続された第1の端部と、第1及び第2の開放端部の他方に接続された第2の端部とを有する、。
【0009】
従って、本発明は、比較的簡単な構造を有していながら、軸方向剛性、剪断剛性及び傾斜剛性が比較的低い振動絶縁装置を提供することができる。
【0010】
蛇腹の第2の開放端部をポンプの本体に接続した状態で、蛇腹をポンプと一体にすることができる。例えば、ポンプのハウジングと一体になった環状フランジに、蛇腹のこの開放端部を接続することができる。或いは、弾性要素の一方の端部を第2のフランジに接続した状態で、蛇腹のこの第2の開放端部に別個のフランジを接続して、絶縁装置をポンプに取り付けることができる。いずれの場合にも、弾性要素の他方の端部を第1のフランジに接続した状態で、別のフランジを蛇腹の第1の開放端部に接続して、排気される装置に絶縁装置を取り付けることが好ましい。
【0011】
好ましい実施形態では、弾性要素の第1の端部を蛇腹の第1の開放端部の近くに配置して蛇腹の第2の開放端部に接続し、弾性要素の第2の端部を蛇腹の第2の開放端部の近くに配置して蛇腹の第1の開放端部に接続する。
【0012】
絶縁装置は、装置及びポンプの両方に取り付けた構成部品の形であってもよいため、第2の態様では、本発明は、ポンプによる装置の排気中に装置への振動の伝達を阻止するための振動絶縁装置を提供し、この絶縁装置は、装置から引かれた流体をポンプへ搬送するための蛇腹と、蛇腹の一方の端部に接続した、絶縁装置を装置に取り付けるための第1のフランジと、蛇腹の他方の端部に接続した、絶縁装置をポンプに取り付けるための第2のフランジと、蛇腹と同軸上にありかつこの蛇腹で取り囲まれた弾性要素と、を備え、弾性要素は、第1のフランジの近くに配置されて第2のフランジに接続した第1の端部と、第2のフランジの近くに配置されて第1のフランジに接続した第2の端部とを有する。
【0013】
振動絶縁装置は、第1のフランジに接続した第1のコネクタと、第2のフランジに接続した第2のコネクタとを備え、弾性部材の第1の端部を第2のコネクタに取り付け、弾性部材の第2の端部を第1のコネクタに取り付けることが好ましい。これらのコネクタは重なり合うことが好ましく、ひいては角度的にオフセットされることが好ましい。好ましい実施形態では、第1のコネクタは、第2のコネクタに対してほぼ直角となる。コネクタのそれぞれのフランジに接続した端部と弾性要素に取り付けた中心部分とを有するアーチ型のコネクタにより個々のコネクタを構成することができる。
【0014】
絶縁装置は、弾性要素の揺れ又は振動を減衰させるための減衰手段を備えることができる。減衰手段は、使用中に弾性要素の少なくとも一部と接触するプラスチック要素を備えることができると好適である。
【0015】
減衰手段は、弾性部材の個々の端部と弾性部材のそれぞれのコネクタとの間に配置することができる。これとは別に、或いはこれに加えて、弾性スリーブで蛇腹を取り囲むことができる。
【0016】
絶縁装置は補助質量を含むことができ、前記蛇腹内の流体が準大気圧にある場合、この補助質量を配置して、前記蛇腹の軸方向の圧縮に対する抵抗力を増大させることができる。第2のフランジは、前記補助質量をこの第2のフランジに接続するための接続手段を備えることが好ましい。
【0017】
弾性要素は引張状態にあることが好ましく、このためらせん状の引張ばねによって構成することができる。引張ばねは予張力が与えられていることが好ましい。
【0018】
本発明の第2の態様に関する上述の特徴を第1の態様に同様に適用することができ、逆もまた同様である。
【0019】
ここで、添付の図面を参照しながら例示のみの目的で本発明について説明することにする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】ポンプと、ポンプにより排気される装置との間に接続された絶縁装置を示す図である。
【図2】公知の振動絶縁装置の断面図である。
【図3】本発明による振動絶縁装置の例を示す平面図である。
【図4】線A−Aに沿って見た図3の絶縁装置の断面図である。
【図5】線B−Bに沿って見た図3の絶縁装置の断面図である。
【図6】図3の絶縁装置の等角背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図3は、排気される装置の流体排出口と真空ポンプの流体入口との間に接続するための振動絶縁装置50を示す図である。絶縁装置50は、第1の開放端部62と第2の開放端部64とを有するほぼ円筒形のスチール製の蛇腹60を備える。蛇腹60は、装置からポンプによりポンピングされた流体のための、絶縁装置50を通る流路を定める。第1の環状フランジ66を蛇腹60の第1の開放端部62に溶接して、絶縁装置50を排気される装置に接続し、第2の環状フランジ68を蛇腹60の第2の開放端部64に溶接して、絶縁装置50をポンプに接続する。
【0022】
蛇腹60は弾性要素70を取り囲み、この弾性要素70は、通常の無負荷状態で引張状態にあることが好ましく、従って、らせん状の引張ばねの形状であることが好ましい。引張ばねは、予張力を付与されたばねであることが好ましい。弾性要素70は、蛇腹60とほぼ同軸上にある。弾性要素70は、第1のフランジ66の近くに位置する第1の端部72と、第2のフランジ68の近くに位置する第2の端部74とを有する。
【0023】
弾性要素70を蛇腹60の第1の開放端部62に接続するための第1のコネクタ76を設け、弾性要素70を蛇腹60の第2の開放端部64に接続するための第2のコネクタ78を設ける。この例では、第1のコネクタ76はアーチ型コネクタの形状であり、弾性要素70の第2の端部74に取り付けられた中心部80と、第1のフランジ66に溶接され、或いは別の方法で接続された端部82とを有する。第2のコネクタ78も同様にアーチ型コネクタの形状であり、弾性要素70の第1の端部72に取り付けられた中心部84と、第2のフランジ68に溶接され、或いは別の方法で接続された端部86とを有する。第1及び第2のコネクタ76、78は角度的にオフセットされ、この例ではほぼ直角である。
【0024】
排気中に弾性要素70の揺れ又は振動を減衰するための減衰要素(図示せず)を配置することができる。減衰要素は、高真空における使用に適したバイトン(登録商標)又はPTFEなどのプラスチックから作製することができる。減衰要素は、排気中に弾性要素の少なくとも一部と接触して、必要な減衰効果を達成することが好ましい。
【0025】
減衰要素は、弾性部材70の個々の端部72、74と弾性部材のそれぞれのコネクタ76、78との間に配置することができる。例えば、弾性Oリング又はその他の弾性部材を弾性要素70の周囲に設けて、弾性要素70のサージ周波数を減衰させ及び/又はコネクタ76、78の横振動を減衰させることができる。別の配置では、減衰要素は、弾性要素70の外周囲のスリーブ、弾性要素のボアを貫いて延びる要素、又は使用中に弾性要素と接触するように第1及び第2のコネクタ76、78により支持されたOリングを備える。これとは別に、或いはこれに加えて、蛇腹60の周りに弾性スリーブ(図示せず)を配置することができる。このようなスリーブは、公知の絶縁装置10の弾性シリンダ26と比較して相対的に薄いものであるため、スリーブは、絶縁装置50の剛性に対して最低限の貢献しか行わない。
【0026】
弾性要素70は、絶縁装置50の通常の無負荷状態の場合と、真空ポンプと排気される装置との間に絶縁装置50を接続した場合、すなわちポンプに作用する重力により蛇腹60が広がる傾向がある場合との両方において、蛇腹60の軸方向の延びを制限する軸方向の制約を与える。
【0027】
装置の排気中、外部の大気圧と内部の準大気圧との間の差の結果として大きな静的負荷がポンプに作用し、この静的負荷が、絶縁装置50を軸方向に圧縮するように作用する。絶縁装置50のフランジ66、68が共に付勢され、次にこれらが、弾性部材70の端部72、74を別々に付勢する。これに応じて、弾性部材70は、絶縁装置50が受ける圧縮力のある軸方向負荷に対して抵抗力を与えるべく引張状態で作用する。
【0028】
エンドストップを設けて、第1のフランジ66に接続された装置の排気中、弾性要素70に不具合が生じた際に蛇腹60の圧縮を制限し、及び/又は弾性要素70をコイル限界になった際に蛇腹60の伸張を制限することができる。例えば、コネクタ76、78上に配置した連動タブにより適当なエンドストップを構成することができる。第2のフランジ68の第1のフランジ66に対する回転を引き起こす傾向のある、第2のフランジ68に接続されたポンプの壊滅的な故障の場合、互いに角度が変位したコネクタ66、68が、ポンプの不具合により発生するエネルギーに関与し、これを消散させることになる。
【0029】
弾性部材70が与える抵抗力に加え、重力の影響下で作用するポンプの質量が、蛇腹60の軸方向圧縮に対する抵抗力を与える。ポンプの質量ほどではないにせよ、下部フランジ68、コネクタ78及び蛇腹60の質量もまた、このような軸方向圧縮に抵抗する。ポンプの質量が相対的に低い場合、蛇腹60に加わる軸方向圧縮力が、蛇腹を曲げるのに十分なものである可能性がある。蛇腹60の軸方向圧縮に抵抗するためにポンプ又は絶縁装置の一方に固定できる補助質量(図示せず)を与えることが望ましい場合もある。絶縁装置の下部フランジ68には、下部フランジに補助質量を接続するための接続手段を設けることが好ましい。
【0030】
装置の排気中におけるポンプの振動に関連する振動力の装置への伝達の阻止作用は、絶縁装置50の軸方向剛性、剪断剛性及び傾斜剛性により決定される。絶縁装置50の軸方向剛性は、蛇腹60の軸方向剛性及び弾性要素70の軸方向剛性により決定される。弾性要素70は、公知の絶縁装置10の弾性シリンダ26と比較して軸方向剛性を非常に低くすることができるので、絶縁装置50の軸方向剛性を、公知の絶縁装置10の軸方向剛性よりも著しく低く、例えば約10倍ほど低くすることができる。
【0031】
絶縁装置50の剪断剛性及び傾斜剛性は、絶縁装置50の軸周りの蛇腹60及び弾性要素70の径方向位置により決定される。公知の絶縁装置10の蛇腹20を取り囲む絶縁装置10の弾性シリンダ26は、公知の絶縁装置10の剪断剛性及び傾斜剛性に対して実質的に貢献するが、弾性要素70は、蛇腹60内の弾性要素70の軸方向位置に起因して、絶縁装置10の剪断剛性及び傾斜剛性に対してほとんど貢献しない。
【0032】
この結果、絶縁装置50は、公知の絶縁装置10の剪断剛性及び傾斜剛性よりも著しく低い剪断及び傾斜剛性を有するようになる。
【0033】
絶縁装置10、50が同程度の内径の蛇腹20、60を有する場合、蛇腹60内に弾性要素70が存在することにより、公知の絶縁装置10と比較して絶縁装置50の伝導性に悪影響が生じる可能性がある一方で、蛇腹60の外側に径方向に位置するどのような要素が存在しても、絶縁装置50の蛇腹60の内径が制約を受けることはないという点に留意されたい。これとは逆に、公知の絶縁装置10の外径に制限がある場合、絶縁装置の蛇腹20の内径は、弾性シリンダ26の存在、ひいてはこの厚さに制約を受ける。この場合、蛇腹60の内径は、公知の絶縁装置10の蛇腹20の内径より大きくてもよく、絶縁装置50の伝導性が絶縁装置10の伝導性よりも大きくなるようなものであってもよい。結果として、蛇腹60の内径を適当に選択することにより、ポンプ及び絶縁装置50により一部が形成される排気システムの要件に適合するように絶縁装置50の伝導性を選択する際に、より大きな自由度が存在するようになる。
【0034】
上述の事項は本発明の1つの実施形態を表わすものであるということを理解すべきであり、当業者であれば、本明細書に添付する特許請求の範囲で定めるように、本発明の真の範囲から逸脱することなくその他の実施形態を想到するであろう。
【0035】
例えば、弾性部材70を圧縮ばねによって構成し、これをスリーブ又はその他の拘束部材で取り囲むこともできる。この場合、弾性部材70の第1の端部72は、別の形状のコネクタにより第1のフランジ66に接続され、弾性部材70の第2の端部74は、同様の形状のコネクタにより第2のフランジ68に接続されることになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプによる装置の排気中に該装置への振動の伝達を阻止するための振動絶縁装置であって、
第1の開放端部及び第2の開放端部を有し且つ前記装置から引かれた流体を前記ポンプへ搬送するための蛇腹と、
前記蛇腹とほぼ同軸上にありかつ該蛇腹で取り囲まれた弾性要素と、を含み、
前記弾性要素は、前記第1の解法端部及び第2の開放端部の一方に接続された第1の端部と、前記第1及び第2の開放端部の他方に接続された第2の端部とを有する、
を備えることを特徴とする振動絶縁装置。
【請求項2】
前記蛇腹の前記第1の開放端部に接続され、前記絶縁装置を排気される装置に取り付けるためのフランジを備え、前記弾性要素の前記第1の端部及び第2の端部の一方は、前記第1のフランジに接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の振動絶縁装置。
【請求項3】
前記蛇腹の前記第2の開放端部に接続され、前記絶縁装置をポンプに取り付けるための第2のフランジを備え、前記弾性要素の前記第1の端部及び第2の端部の他方は、前記第2のフランジに接続される、
ことを特徴とする請求項2に記載の振動絶縁装置。
【請求項4】
前記弾性要素は引張状態にある、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の振動絶縁装置。
【請求項5】
前記弾性要素はらせん状の引張ばねである、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の振動絶縁装置。
【請求項6】
前記引張ばねは予張力を付与されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の振動絶縁装置。
【請求項7】
前記弾性要素の前記第1の端部を前記蛇腹の前記第1の開放端部の近くに配置して、前記蛇腹の前記第2の開放端部に接続し、前記弾性要素の前記第2の端部を前記蛇腹の前記第2の開放端部の近くに配置して、前記蛇腹の前記第1の開放端部に接続した、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の振動絶縁装置。
【請求項8】
ポンプによる装置の排気中に該装置への振動の伝達を阻止するための振動絶縁装置であって、
前記装置から引かれた流体を前記ポンプへ搬送するための蛇腹と、
前記蛇腹の一方の端部に接続した、前記絶縁装置を前記装置に取り付けるための第1のフランジと、
前記蛇腹の他方の端部に接続した、前記絶縁装置を前記ポンプに取り付けるための第2のフランジと、
前記蛇腹とほぼ同軸にありかつ該蛇腹で取り囲まれた弾性要素と、を含み、
前記弾性要素は、前記第1のフランジの近くに配置して前記第2のフランジに接続した第1の端部と、前記第2のフランジの近くに配置して前記第1のフランジに接続した第2の端部とを有する、
を備えることを特徴とする振動絶縁装置。
【請求項9】
前記弾性要素は引張状態にある、
ことを特徴とする請求項8に記載の振動絶縁装置。
【請求項10】
前記弾性要素はらせん状の引張ばねである、
ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の振動絶縁装置。
【請求項11】
前記引張ばねは、予張力が付与されている、
ことを特徴とする請求項10に記載の振動絶縁装置。
【請求項12】
前記第1のフランジに接続された第1のコネクタと、前記第2のフランジに接続された第2のコネクタとを備え、前記弾性部材の前記第1の端部が前記第2のコネクタに取り付けられ、前記弾性部材の前記第2の端部が前記第1のコネクタに取り付けられる、
ことを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の振動絶縁装置。
【請求項13】
前記コネクタは角度的にオフセットされる、
ことを特徴とする請求項12に記載の振動絶縁装置。
【請求項14】
前記第1のコネクタは、前記第2のコネクタに対してほぼ直角である、
ことを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の振動絶縁装置。
【請求項15】
個々のコネクタは、該コネクタのそれぞれのフランジに接続された端部と、前記弾性要素に接続された中心部とを有するアーチ型コネクタを備える、
ことを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の振動絶縁装置。
【請求項16】
前記弾性要素の揺れ又は振動を減衰させるための減衰手段を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の振動絶縁装置。
【請求項17】
前記減衰手段は、使用中に前記弾性要素の少なくとも一部と接触するプラスチック要素を備える、
ことを特徴とする請求項16に記載の振動絶縁装置。
【請求項18】
前記減衰手段は、前記弾性部材の個々の端部と該弾性部材のそれぞれのコネクタとの間に配置される、
ことを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の振動絶縁装置。
【請求項19】
前記蛇腹を取り囲む弾性スリーブを備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の振動絶縁装置。
【請求項20】
前記蛇腹内の流体が準大気圧にある場合、前記蛇腹の軸方向圧縮に対する抵抗力を増大させるように配置することができる補助質量を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の振動絶縁装置。
【請求項21】
前記第2のフランジは、前記補助質量を前記第2のフランジに接続するための接続手段を備える、
ことを特徴とする請求項20に記載の振動絶縁装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−507040(P2010−507040A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532902(P2009−532902)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際出願番号】PCT/GB2007/050645
【国際公開番号】WO2008/047168
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(507261364)エドワーズ リミテッド (85)
【Fターム(参考)】