説明

排ガスエコノマイザーのスートブローシステム

【課題】安全性が向上し、スートブロア効率の高い、強いては主機関用廃熱回収効率の高い、排ガスエコノマイザーのスートブローシステムを提供する。
【解決手段】ディーゼル主機関の排熱を熱源とする排ガスエコノマイザーと、排ガスエコノマイザーの伝熱管に付着した煤を吹き飛ばすスートブロアと、スートブロアに蒸気を供給する蒸気供給手段と、蒸気供給手段からの蒸気の一部を導入して発電を行うターボ発電機プラントと、ディーゼル主機関の燃焼制御を行う主機関燃焼制御装置とを装備する排ガスエコノマイザーのスートブローシステムであって、主機関燃焼制御装置は、主機負荷の設定レベルをチェックする設定主機負荷チェック手段と、蒸気圧力の設定レベルをチェックする設定蒸気圧力チェック手段とを有し、スートブロー時に、排ガス流速の上昇および排ガス温度の上昇をもたらすように燃焼制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として電子制御式ディーゼル主機関を装備した船舶の廃熱回収システムにおける排ガスエコノマイザーのスートブローシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子制御式ディーゼル主機関とは、窒素酸化物や煤塵の排出量を低減するなど、いわゆる環境に配慮した電子制御によるディーゼルエンジンのことである。以下においては、特に断らない限り、電子制御式ディーゼル主機関をも含めて単に「ディーゼル主機関」という。
【0003】
従来より、ディーゼル主機関の廃熱回収システムについては様々な手法がとられている。排ガスエコノマイザーの使用もその一方法であり、スートファイア防止や廃熱回収装置の効率向上を目的として、スートブローと呼ばれる熱交換用の伝熱管群に付着した煤を除去することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
また、ディーゼル主機関の廃熱回収装置として、排ガスエコノマイザーとターボ発電機プラントの組み合わせによるシステムを装備する場合、排ガスエコノマイザーには煤除去のためスートブロアが設けられているが、そのスートブロー効果をあげるため、あるいはプラントの安全運転確保のため、以下の対策例がとられている。
【0004】
(プラント安全性確保)
(1)スートブロアの作動シーケンスに蒸気圧力低下によるターボ発電機のブラックアウトを回避するために、蒸気圧力低下防止のインターロックを設ける。
(2)スートブロア作動時の蒸気圧力低下防止のインターロックに代えて、油焚きボイラーによる追い炊きや、ターボ発電機とディーゼル発電機との並列運転とする。
【0005】
(スートブロー効果向上)
(3)スートブロア作動時に、排ガスの流速アップや、蒸気圧力低下を緩和するため予め主機関負荷を上げる運転マニュアルとする。
(4)蒸気噴射に代えて、空気噴射とし、煤除去効果アップを図る。噴射媒体の比重差、あるいは噴射圧力差により煤除去効果アップを狙ったものもあるが、ある程度の蒸気圧力低下は免れない。
(5)排ガスの流速を極力上げるため、排ガスエコノマイザーの設計流速、排ガスの圧力損失を限界値にし、主機関背圧の面で余裕をすくなくする。
(6)主機関の低負荷時、つまりガス流速低下時には、排ガスエコノマイザーのガスバイパスを行い、煤付着を軽減させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−217815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の対策例の中には、以下の課題や不都合を伴うものがある。
[1]スートブロア作動時の蒸気圧力低下軽減対策としての、蒸気圧力インターロック、ボイラーの追い炊き、ターボ発電機とディーゼル発電機の並列運転等は前記プラントの安全運転確保の面では効果があるが、次のごとき課題がある。
(イ)蒸気圧力低下防止のインターロックは圧力回復までに時間がかかり、必然的にスートブロア作動サイクルが長くなり、サイクル途中で待機した場合、逆にスートブロー効果が低下する。
(ロ)スートブロー毎のボイラー追い炊き、ターボ発電機とディーゼル発電機の並列運転は運転操作が頻繁になり好ましくない。
[2]排ガスの流速上昇のための主機関負荷上昇は回転数変更を伴い、実際の操船上では不要であるにもかかわらず、船速変更となり、操船の安全性を損ねることがある。また、スートブロー操作は自動であるが、主機関の回転数変更は自動にならず、無人化運転体制を損ねる。
【0008】
本発明は、上記に鑑み、これらの課題や不都合を回避し、安全性が向上し、スートブロー効果の高い、強いては主機関用廃熱回収効率の高い、排ガスエコノマイザーのスートブローシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る排ガスエコノマイザーのスートブローシステムは、
ディーゼル主機関の排熱を熱源とする排ガスエコノマイザーと、
前記排ガスエコノマイザーの伝熱管に付着した煤を吹き飛ばすスートブロアと、
前記スートブロアに蒸気を供給する蒸気供給手段と、
前記蒸気供給手段からの蒸気の一部を導入して発電を行うターボ発電機プラントと、
前記ディーゼル主機関の燃焼制御を行う主機関燃焼制御装置とを装備する排ガスエコマイザのスートブローシステムであって、
前記主機関燃焼制御装置は、主機負荷の設定レベルをチェックする設定主機負荷チェック手段と、蒸気圧力の設定レベルをチェックする設定蒸気圧力チェック手段とを有し、スートブロー時に、排ガス流速の上昇および排ガス温度の上昇をもたらすように燃焼制御を行うことを特徴とするものである。
【0010】
また、主機負荷が設定値未満で、蒸気圧力が設定値以上の場合には、スートブロー開始前に主機関の燃料噴射タイミングを遅らせることにより、排ガス量を増加させ、排ガスエコノマイザー内の排ガス流速を上昇させ、スートブロー作動後に燃料噴射タイミングを元に戻す主機関燃焼制御を行うことを特徴とする。
【0011】
また、主機負荷が設定値未満で、蒸気圧力が設定値未満の場合には、スートブロー開始前に主機関の排気弁開タイミングを早め、または閉タイミングを遅らせることにより、排ガス温度を上昇させ、排ガスエコノマイザーの蒸気圧力を上昇させ、スートブロー作動中に蒸気圧力の低下を軽減する主機関燃焼制御を行うことを特徴とする。
【0012】
また、主機負荷が設定値以上で、蒸気圧力が設定値未満の場合には、スートブロー開始前に過給機タービン入り口の排ガスの一部をバイパスさせることにより、排ガス温度を上昇させ、排ガスエコノマイザーの蒸気圧力を上昇させ、スートブロー作動中に蒸気圧力の低下を軽減する主機関燃焼制御を行うことを特徴とする。
【0013】
また、主機負荷が設定値以上で、蒸気圧力が設定値未満の場合には、スートブロー開始前に過給機ブロア出口の圧縮空気を大気中にブローし、排ガス温度を上昇させ、排ガスエコノマイザーの蒸気圧力を上昇させ、スートブロー作動中に蒸気圧力の低下を軽減する主機関燃焼制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、主機関燃焼制御装置は、主機負荷の設定レベルをチェックする設定主機負荷チェック手段と、蒸気圧力の設定レベルをチェックする設定蒸気圧力チェック手段とを有し、スートブロー時に、排ガス流速の上昇および排ガス温度の上昇をもたらすように燃焼制御を行うので、プラントの安全性が向上し、スートブロア効率の高い、強いては主機関用廃熱回収効率が高い、排ガスエコノマイザーのスートブローシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る排ガスエコノマイザーのスートブローシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る排ガスエコノマイザーのスートブローシステムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係る排ガスエコノマイザーのスートブローシステムの構成を示すブロック図である。ここでは、蒸気によるスートブロー制御方式を示す。また、ディーゼル発電機は本システムとは別に設置されている。
図1において、1は電子制御式ディーゼル主機関(以下、「主機関」または「主機」という)であり、この主機関1には過給機タービン2を介して排ガスエコノマイザー3が接続されており、排ガスエコノマイザー3にて主機関1からの排熱を回収するようになっている。さらに、排ガスエコノマイザー3とボイラー4(蒸気供給手段)のドラム5とが蒸気管6で接続されており、蒸気管6の先端部には複数の分岐管を設け、各分岐管にそれぞれ蒸気を噴射するスートブロア7が設けられている。そして、各スートブロア7から蒸気を噴射して、排ガスエコノマイザー3内部の熱交換器の伝熱管(不図示)に付着した煤を除去するようになっている。また、この蒸気管6にはボイラー4からの蒸気の一部を導入して発電を行うターボ発電機8の発電機タービン9が接続されている。図中、10は主機関1からの排ガスをバイパスさせるためのガスバイパス管、11は過給機タービン2によって駆動され、掃気と主機関1への給気を行う過給機、12は水循環ポンプ13によりドラム5内の水を排ガスエコノマイザー3に供給する給水管、14は排ガスエコノマイザー3内の汽水をドラム5へ戻す汽水管、15は復水器である。
【0017】
また、本システムでは、蒸気によるスートブロー効果(煤除去効果)を向上させるために、主機関1の燃焼制御を行うものである。スートブロー効果を上げるためには、噴射蒸気圧力がある程度の圧力レベルにあることと、吹き飛ばした煤を機外に出すためにはある程度のガス流速(ガス量)があること、が重要であり、これらを確保するために主機関1の燃焼制御を行う。
主機関燃焼制御装置は、回転数による燃料噴射量と、開閉弁による燃料噴射時期、排気弁の開閉時期、ガスバイパスタイミング、掃気ブロータイミングを調整するようになっている。また、ボイラー制御装置は、蒸気圧を制御するようになっている。
【0018】
主機関1の燃焼は燃料噴射時期、排気弁開閉時期を調整することにより、排ガス温度、排ガス量が変化する。また、主機関1の負荷は燃料噴射量の制御によるが、これは燃料噴射弁開度/時間の調整によりなされる。
また、燃料噴射時期、排気弁開閉時期は予めプログラミングされており、それぞれの制御弁により調整される。
主機関1の燃焼は、通常運転モード、スートブローモードに対応したプログラミングが用意されている。
図2のフローチャートで説明するように、スートブロー指令の後、主機負荷、蒸気圧力をチェックし、それぞれの状況により、主機関燃焼制御モードが自動的に選択される。ここで、燃焼制御モードを変更したあとは、ある程度の燃焼追従時間(数分単位)が経過した後、スートブローをスタートさせる。
スートブローはタイマーにより4〜6時間間隔で自動運転されるが、その間は主機関燃焼制御はスートブローモードを維持している。
スートブロー終了でもって、主機関燃焼モードは通常運転モードに戻す。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態に係る排ガスエコノマイザーのスートブローシステムのフローチャートで、主機関燃焼制御のフローチャートを示すものである。ただし、このフローチャートは、後で説明するケースEに対応するものである。
【0020】
まず、ステップS1において、スートブローの指示が出ているか否かをチェックし、スートブローの指示が出ていない間は主機関1は通常運転を行っている(ステップS0)。
【0021】
ステップS1において、スートブローの指示が出ている場合は、スートブロア7を駆動する前に、主機関1の負荷が設定値以上となっているか否かをチェックする(ステップS2)。主機負荷は排ガス量にリンクしているので、常用計画以上であれば十分なガス流速があるものと判断される。ガス流速が問題ないとしたら、次に蒸気圧力をチェックする(ステップS3)。また、主機負荷が設定値未満の場合であっても蒸気圧力をチェックする(ステップS4)。蒸気圧力は排ガス熱量、蒸気の消費先の状況でバランス圧力が変化するので、煤を剥離させるに有効な計画圧力レベルにあることを確認し、次のステップへ進む。
【0022】
ここで、主機負荷及び蒸気圧力の状況によって、以下のケースに分けて主機関1の燃焼制御を行うものとする。
【0023】
ケースA:主機負荷が設定値未満で、蒸気圧力が設定値以上の場合
スートブロー開始(ステップS11)以前に主機関1の燃料噴射タイミングを遅らせる(ステップA1)ことにより、排ガス量を増加させ、排ガスエコノマイザー3内の排ガス流速を上げる。また、スートブロー終了(ステップS12)後は、燃料噴射タイミングの調製を解除し、元の開タイミングに戻す(ステップA2)。
【0024】
ケースB:主機負荷が設定値未満で、蒸気圧力が設定値未満の場合
スートブロー開始(ステップS11)以前に、主機関1の排気弁開タイミングを早める(ステップB1)或いは閉タイミングを遅らせる(ステップB2)ことにより、排ガス温度を上昇させ、排ガスエコノマイザー3の蒸気圧力を上昇させ、スートブロー作動中に蒸気圧力の低下を軽減することにより、スートブロー蒸気圧力インターロック、ボイラ追い炊き、ディーゼル発電機による並列運転を不要とする。スートブロー終了(ステップS12)後は、燃料噴射タイミング、排気弁開タイミングをそれぞれ元に戻す(ステップA2、B3)。
【0025】
ケースC:主機負荷が設定値以上で、蒸気圧力が設定値未満の場合
スートブロー開始(ステップS13)以前に過給機タービン入口の排ガスを一部バイパス(ステップC1)することにより、排ガス温度を上昇させ、また排ガスエコノマイザー3の蒸気圧力を上昇させ、スートブロー作動中(ステップS14まで)に蒸気圧力の低下を軽減することにより、スートブロー蒸気圧力インターロック、ボイラ追い炊き、ディーゼル発電機による並列運転を不要とする。スートブロー終了(ステップS14)後、前記バイパス運転を解除する(ステップC2)。
【0026】
ケースD:主機負荷が設定値以上で、蒸気圧力が設定値未満の場合
スートブロー開始(ステップS13)以前に過給機ブロア出口の圧縮空気を大気にブローし、排ガス温度を上昇させ、また排ガスエコノマイザー3の蒸気圧力を上昇させ、スートブロー作動中(ステップS14まで)に蒸気圧力の低下を軽減することにより、スートブロー蒸気圧力インターロック、ボイラ追い炊き、ディーゼル発電機による並列運転を不要とする。スートブロー終了(ステップS14)後、前記バイパス運転を解除する(ステップC2)。
【0027】
ケースE:ケースAからケースDを組み合わせた構成である。
また、機械制御式ディーゼル主機関においては、ケースCとDが利用可能である。ここで、機械制御式ディーゼル主機関と電子制御式ディーゼル主機関との大きな相違は、燃料調整カム、排気調整カムの有無にある。
機械制御式の場合のカムは燃料噴射ポンプを駆動しており、カムの角度で調整は固定である。また、排気弁についてもカムで開閉され、一旦調整されたあとは固定になる。
一方、電子制御式ではカムはなく、独立の油圧ポンプをもつ油圧制御である。燃料噴射時期、排気弁開閉時期とも制御弁を持つことにより、制御されており、これらの制御弁は自在に調整可能になっている(ソフトウエアで調整される)。
なお、機械制御式の場合はカム式であるので、ソフトウエアによるケースA〜Cは適用できない。
【0028】
また、上記のスートブロー蒸気圧力インターロックについて説明する。
蒸気式スートブロアの場合、蒸気の圧力で排ガスエコノマイザー3の伝熱管に付着した煤を剥離させ吹き飛ばすため、圧力は高ければ高いほど望ましい。しかし、プラント計画の蒸気圧力は別の観点(排熱回収を増やす)から、あまり高くはできないので発電機タービンの効率、加熱サービスの温度レベルなどから6K前後に計画されている。
一方、スートブロアは蒸気を多量に噴射するので蒸気圧力が下がる傾向になり、あまり下がると、発電機タービンの安定運転、加熱サービスの面で支障をきたすことになる。
したがって、スートブロー蒸気圧力インターロックとは、スートブロー効果、発電機タービン、加熱サービスの面から、蒸気圧力が下がりすぎた場合には、スートブローをストップ(待機させる)させる役目を持たせているものである。ストップし蒸気圧力が回復したら再開するというものである。
【0029】
この実施の形態によれば、次のような効果が期待できる。
(1)主機関負荷(排ガス量に比例)、排ガスエコノマイザーの蒸気圧力(主機負荷、蒸気需要量、周囲温度により変化)の状態により、排ガス量の増加を主眼とする対策にするか、排ガス温度の上昇を主眼とする対策にするかの調整を選択できる。
(2)主機負荷が低い時は、排ガス量アップと排ガス温度アップを狙った調製(排気弁開閉タイミング、燃料噴射タイミングの調製)により、スートブロー効果向上を主眼とし、プラント安全性確保をも図った対応ができる。
(3)主機負荷が設定値より高いが、蒸気圧力が設定値より低い場合には、蒸気圧力アップのため排ガス温度アップを狙った調製(ガスバイパスまたは掃気バイパスによる調製)により、プラント安全性確保を主眼にした対応ができる。
(4)基本的に排ガス量アップ、排ガス温度アップの調製は、主機関燃費性能を犠牲にするものであるが、運転状態により調製方法を使い分けることにより、燃費悪化をミニマムに抑えることができる。
【0030】
なお、上記実施の形態においては、スートブロー方式は蒸気噴射式の場合について記載されているが、本発明は空気噴射式のスートブロー方式の場合であっても同様にその効果を期待できるものである。
【符号の説明】
【0031】
1 電子制御式ディーゼル主機関
2 過給機タービン
3 排ガスエコノマイザー
4 ボイラー
5 ドラム
6 蒸気管
7 スートブロア
8 ターボ発電機
9 発電機タービン
10 ガスバイパス管
S2 設定主機負荷チェック手段
S3、S4 設定蒸気圧力チェック手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディーゼル主機関の排熱を熱源とする排ガスエコノマイザーと、
前記排ガスエコノマイザーの伝熱管に付着した煤を吹き飛ばすスートブロアと、
前記スートブロアに蒸気を供給する蒸気供給手段と、
前記蒸気供給手段からの蒸気の一部を導入して発電を行うターボ発電機プラントと、
前記ディーゼル主機関の燃焼制御を行う主機関燃焼制御装置とを装備する排ガスエコノマイザーのスートブローシステムであって、
前記主機関燃焼制御装置は、主機負荷の設定レベルをチェックする設定主機負荷チェック手段と、蒸気圧力の設定レベルをチェックする設定蒸気圧力チェック手段とを有し、スートブロー時に、排ガス流速の上昇および排ガス温度の上昇をもたらすように燃焼制御を行うことを特徴とする排ガスエコノマイザーのスートブローシステム。
【請求項2】
主機負荷が設定値未満で、蒸気圧力が設定値以上の場合には、スートブロー開始前に主機関の燃料噴射タイミングを遅らせることにより、排ガス量を増加させ、排ガスエコノマイザー内の排ガス流速を上昇させ、スートブロー作動後に燃料噴射タイミングを元に戻す主機関燃焼制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の排ガスエコノマイザーのスートブローシステム。
【請求項3】
主機負荷が設定値未満で、蒸気圧力が設定値未満の場合には、スートブロー開始前に主機関の排気弁開タイミングを早め、または閉タイミングを遅らせることにより、排ガス温度を上昇させ、排ガスエコノマイザーの蒸気圧力を上昇させ、スートブロー作動中に蒸気圧力の低下を軽減する主機関燃焼制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の排ガスエコノマイザーのスートブローシステム。
【請求項4】
主機負荷が設定値以上で、蒸気圧力が設定値未満の場合には、スートブロー開始前に過給機タービン入り口の排ガスの一部をバイパスさせることにより、排ガス温度を上昇させ、排ガスエコノマイザーの蒸気圧力を上昇させ、スートブロー作動中に蒸気圧力の低下を軽減する主機関燃焼制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の排ガスエコノマイザーのスートブローシステム。
【請求項5】
主機負荷が設定値以上で、蒸気圧力が設定値未満の場合には、スートブロー開始前に過給機ブロア出口の圧縮空気を大気中にブローし、排ガス温度を上昇させ、排ガスエコノマイザーの蒸気圧力を上昇させ、スートブロー作動中に蒸気圧力の低下を軽減する主機関燃焼制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の排ガスエコノマイザーのスートブローシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−215081(P2012−215081A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79595(P2011−79595)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(502116922)ユニバーサル造船株式会社 (172)
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【Fターム(参考)】