説明

描画処理装置、表示装置、描画処理方法、ナビゲーション装置

【課題】3D表示における違和感のないスクロール表示の実現。
【解決手段】
描画処理部は、その描画機能により、地図データ上での所定範囲として抽出する描画対象範囲の情報を用いて3D画像を生成する。また描画対象範囲移動機能は、描画機能が3D描画処理の対象とする描画対象範囲を、スクロール操作に応じて移動させる。描画対象範囲移動機能が描画対象範囲を移動させながら描画機能が、各時点での描画対象範囲を用いて3D画像データを生成し、出力していくことで表示画面上で3D表示を実現できる。このときに、描画対象範囲移動機能は、3D描画に用いる描画対象範囲の移動を、その描画対象範囲内の基準位置での直交方向距離を基準とした移動量で、描画対象範囲内の各部を移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地図データに基づいて三次元画像データを生成する描画処理装置、描画処理方法に関し、さらに上記描画処理装置、描画処理方法を用いた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特許第3520703号公報
【特許文献2】特開2000−29382号公報
【特許文献3】特開2003−66944号公報
【特許文献4】特開平9−229706号公報
【0003】
地図データに基づいて三次元画像データを生成し、表示画面上でいわゆる3D(Three dimension)表示することは、例えば車載用或いは携帯用のナビゲーション装置などで実施されている。
特にナビゲーション装置では、地図表示として、従来の二次元的な地図表示、即ち2D(Two dimension)表示と3D表示をユーザーの操作等に応じて切り換えることができるようにされている。公知の通り、2D表示では、自車位置を中心として平面的な地図画像の表示を行い、一方3D表示によっては、自車位置近辺から進行方向(視線方向)に向かって、実際の景色に似て遠くまで見渡せる画像が表示される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ナビゲーション装置等において地図データに基づく2D表示又は3D表示としての地図画像表示を行っている際には、ユーザーのスクロール操作に応じて、地図画像をスクロールさせるようにしている。
ここで3D表示での描画処理とスクロール動作について考える。2D表示では、例えば自車位置を中心とした前後左右の所定の範囲の地図データを用いて地図画像データを生成するが、3D表示では、自車位置から視線方向に遠方に向かっていくに従って広くなるような範囲の地図データを用いることになる。つまり視線方向に遠くになるにつれて、左右方向、即ち視線方向に直交する方向に広くなる範囲が描画対象範囲とされる。
【0005】
そしてスクロール操作があった場合、2D表示のときは、地図データ上での描画処理対象となる範囲をそのスクロール指示方向に所定移動量づつ移動させていきながら、表示データを生成、出力していけばよい。
3D表示の場合も、スクロール操作に応じて地図データ上の描画対象範囲を移動させていきながら、逐次、その移動過程の時点での描画対象範囲から3D画像データを生成し、表示出力していけばよい。
ところが、3D表示の場合、地図データ上での描画対象範囲が2D表示の場合と異なって広い範囲であり、かつ遠方にいくほど左右に長くなる範囲である。このことから、スクロール操作に応じて単純に描画対象範囲を移動させても、単位時間あたりのスクロール移動量の差などの点で表示画面上で違和感が生じ、また2D表示の場合のスクロール操作性との間で、ユーザーが不自然な操作感を感じることがある。
【0006】
そこで本発明は、3D画像表示中にスクロール操作が行われた際に、違和感のない画像スクロールが実現され、特に2D表示でのスクロールとの操作性の違いを解消して、ユーザーの操作感を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、ナビゲーション装置その他の各種の地図データに基づく3D画像を表示する装置において採用できる描画処理装置として、地図データ上での描画対象範囲として、基準位置を含むと共に、基準位置からの視線方向に進むに従って、上記視線方向に対する直交方向の距離が広がっていく範囲とされた描画対象範囲の地図データを用いて三次元画像データを生成する描画機能と、上記直交方向へのスクロール指示に応じて、上記描画対象範囲をスクロール指示方向に移動させるとともに、その際の上記描画対象範囲内の各部の移動量は、上記基準位置での上記直交方向の距離を基準とした上記各部での上記直交方向の距離の比の値に応じて算出される移動量とする描画対象範囲移動機能と、を備えるようにする。
またこの場合において、上記基準位置は、位置検出部によって検出される地図データ上の自己位置であるとする。
【0008】
また本発明では、ナビゲーション装置やその他の装置として地図データに基づく3D画像を表示できる表示装置として、地図データを記憶する地図データ記憶部と、スクロール指示を行う操作部と、上記地図データ記憶部から取得した地図データ上での描画対象範囲として、基準位置を含むと共に、基準位置からの視線方向に進むに従って、上記視線方向に対する直交方向の距離が広がっていく範囲とされた描画対象範囲の地図データを用いて三次元画像データを生成する描画機能、及び上記操作部の操作による上記直交方向へのスクロール指示に応じて、上記描画対象範囲をスクロール指示方向に移動させるとともに、その際の上記描画対象範囲内の各部の移動量は、上記基準位置での上記直交方向の距離を基準とした上記各部での上記直交方向の距離の比の値に応じて算出される移動量とする描画対象範囲移動機能を有する描画処理部と、上記描画処理部で生成された三次元画像データに基づいて三次元画像の表示を行う表示部とを備えるようにする。
また、自己の位置を検出する位置検出部をさらに備え、上記基準位置は、上記位置検出部で検出された地図データ上の自己位置であるとする。
【0009】
また本発明は、地図データを用いて三次元画像データを生成し、出力する描画処理方法として、地図データ上での描画対象範囲として、基準位置を含むと共に、基準位置からの視線方向に進むに従って、上記視線方向に対する直交方向の距離が広がっていく範囲とされた描画対象範囲の地図データを用いて三次元画像データを生成する描画ステップと、上記直交方向へのスクロール指示に応じて、上記描画対象範囲をスクロール指示方向に移動させるとともに、その際の上記描画対象範囲内の各部の移動量は、上記基準位置での上記直交方向の距離を基準とした上記各部での上記直交方向の距離の比の値に応じて算出される移動量とする描画対象範囲移動ステップとを備える。
【0010】
以上の各発明において、描画処理装置又は描画処理部は、その描画機能により、地図データ上での所定範囲として抽出する描画対象範囲の情報を用いて三次元画像、即ち3D画像を生成する。また描画対象範囲移動機能は、描画機能が3D描画処理の対象とする描画対象範囲を、スクロール操作に応じて移動させる。描画対象範囲移動機能が描画対象範囲を移動させながら、描画機能が各時点での描画対象範囲を用いて3D画像データを生成し、出力していくことで、表示画面上で3D表示を実現できる。このときに、描画対象範囲移動機能は、3D描画に用いる描画対象範囲の移動を、その描画対象範囲内の基準位置での直交方向距離を基準とした移動量で、描画対象範囲内の各部を移動させる。
なお、直交方向の距離とは、描画対象範囲として設定された範囲内での距離である。3D画像の描画のための描画対象範囲は、視線方向に進むに従って、視線方向に対する直交方向の距離が広がっていく範囲とされている。つまり描画対象範囲は、或る基準位置、例えば自己位置から前後方向にみると、前方に遠くなるほど、左右方向(直交方向)に広がるような、概略扇状の範囲となるため、各部の直交方向の距離とは、基準位置から遠くになるほど長くなる。スクロール時においてこのような描画対象範囲を移動させるときに、描画対象範囲内の各部の移動量を、基準位置での直交方向の距離を基準とした各部での直交方向の距離の比の値に応じて算出される移動量とすることで、基準位置からみて違和感のない描画対象範囲の移動、即ち違和感のないスクロール画像を得ることができる。
なお基準位置とは、ユーザーが3D画像上で視点となる位置であり、例えば自己位置である。自己位置とは、車載用装置の場合では自車位置であり、携帯用の装置では、その装置を所持するユーザーの位置であるなど、装置自体の位置を示している。例えばナビゲーション装置として本発明を実現した際に、地図画像上で自車位置として示している位置である。
また基準位置とは、必ずしも自己位置でない場合もある。例えば地図上の任意の地点を指定して、その地点からの3D画像を表示させるような場合、基準位置とは任意に指定した地図上のある地点となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、3D表示における画面上のスクロールを違和感なく実現できる。
また上記の基準位置を自己位置とすることで、2D表示におけるスクロールの際との間でのスクロール操作の違和感をなくすことができ、特に2D表示と3D表示を切り換えることのできる装置において、ユーザーに適切な操作感でのスクロール操作を提供できる。
また自己位置を基準位置とすることによれば、3D表示の際の仰角に影響されること無くスクロール量を決定する事が出来るという利点も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、車載用のナビゲーション装置として実現する例として、本発明の実施の形態を説明する。
図1にナビゲーション装置としてのハードウエア構成を示す。ナビゲーション装置は、演算処理部1、操作入力部2、出力部3、位置検出部4、センサ部5、記憶装置部6を有する。これらの各部は、一体的に設けられても良いし、それぞれ別の筐体の装置部とされ、有線又は無線で通信可能に接続されるものであってもよい。もちろん、これらの構成の一部が一体で、他が別体の装置であってもよい。
【0013】
操作入力部2は ユーザの操作を受け、その操作情報を演算処理部1に伝達する装置部である。例えば 演算処理部1を含む本体筐体のパネル上に設けられた各種のキーやジョグダイヤル、スティック等の操作子として実現されたり、本体筐体とは別体に設けられたリモートコマンダーとして実現される。リモートコマンダーとされる場合、リモートコマンダー上に設けられたキーやダイヤル等の操作子の操作情報を、赤外線や電波により演算処理部1に送信したり、或いは演算処理部1を有する筐体と有線接続されて操作情報を送信する。
また操作入力部2としては、表示画面上のタッチパネルとされる場合もある。その場合、出力部3における表示部と一体的に設けられる。さらには上記表示部に表示されたメニュー画面やアイコン表示に対してマウスや所定のポインティングデバイスによってクリックを行う形態も操作入力部2の一態様として考えられる。
また、操作入力部2としては、マイクロホンを備え、音声を入力できるようにしてもよいし、カメラ部を備え、画像入力ができるようにしても良い。そして、これらの場合、操作入力部2には、音声認識装置、画像認識装置を備え、入力された音声や画像を、操作情報として演算処理部1に供給できるようにしても良いし、演算処理部1側に音声認識装置、画像認識装置を備えるようにして、入力された音声や画像を、演算処理部1側で操作情報や、各種入力情報として認識できるようにしてもよい。
【0014】
出力部3は、演算処理部1による演算結果として出力された出力データをユーザに伝達する装置部であり、画像の出力装置であるディスプレイ(表示部)や 音声出力装置であるスピーカ等である。
【0015】
位置検出部4は、当該ナビゲーション装置の位置、即ち当該ナビゲーション装置が搭載された自動車の位置を検出する装置部であり、例えばGPS(Global Positioning System)を利用したGPS測位装置である。既に公知の通り、GPS測位装置は、複数のGPS衛星から送られてくる電波を受信することで、静止衛星からの位置を計算し、自車の地図上の位置として緯度、経度を求める。
位置検出部4は測位した自車位置としての緯度、経度の情報を演算処理部1に供給する。
【0016】
センサ部5は、車の走行状況や挙動等を検出する装置部である。例えば、車輪の回転数を検知する車速センサ、車体の回転角速度を検知する振動ジャイロセンサ、車の加速度を検知する加速度センサ、車の振動を検知する振動センサなどである。また、車の走行操作装置の状態を検出する装置、例えばパーキングブレーキスイッチやブレーキランプスイッチ、ステアリング舵角センサ、スロットル開度センサなども想定される。
センサ部5によるこれらの検出情報は、演算処理部1に供給される。演算処理部1では、これらのセンサ部5からの検出情報と、位置検出部4からの位置情報とを併せて用いることで、より精度の高い自車位置検出を実行することができる。
【0017】
記憶装置部6は、地図データやPOI(Point of Interest)情報、検索情報、若しくは音楽/映像コンテンツデータなどの大量のデータを保持する記憶装置である。例えばCD−ROMやDVD−ROMの様な光ディスクを記録媒体としたディスクドライブ装置や、ハードディスクドライブの様な磁気記録媒体に対する記録再生装置とされる。また固体メモリを内蔵したメモリカードを記録媒体とするカードリーダ/ライタとされてもよいし、固体メモリによる記憶装置部とされてもよい。
この記録装置部6は、演算処理部1を有する本体筐体に一体的に設けられても良いし、別体とされて有線又は無線で演算処理部1と通信可能とされてもよい。記憶装置部6は本発明請求項でいう地図データ記憶部の一例となる。
【0018】
演算処理部1は、ナビゲーション装置としての必要な演算処理を行う装置部であり、例えばCPU11、ROM12、RAM13、不揮発性メモリ14、インターフェース部15を備えて構成される。演算処理部1は本発明請求項でいう描画処理装置又は描画処理部の一例となる。
ROM12には動作プログラムや各種処理に用いる定数、固定情報が記憶される。なお、動作プログラムは、記憶装置部6における記録媒体に格納され、動作時に演算処理部内にロードされるようにしてもよい。
RAM13は、ワーク領域やプログラムのロード領域に用いられたり、一時的な情報の蓄積に用いられる。
不揮発性メモリ14は書換え可能かつシステムの電源供給が途絶えた時にも記憶したデータを保持できるメモリであり、例えば電池によりバックアップされたSRAMやフラッシュメモリ等である。この不揮発性メモリ14には、各種処理に用いる係数やユーザが登録した情報や指定した経路情報、過去の走行履歴情報などが記憶される。
CPU11は、ROM12に記憶されたプログラムに基づいて、ナビゲーション装置として必要な情報処理や制御処理を行う。これらの情報処理や制御処理のために、RAM13をワーク領域として用いたり、ROM12や不揮発性メモリ14に記憶された情報を参照する。
インターフェース15は、演算処理部1と他の各部、即ち操作入力部2、出力部3、位置検出部4、センサ部5、記憶装置部6との間での入出力を行う。インターフェース部15は、操作入力部2からの操作情報や各種入力情報、位置検出部4からの位置情報、センサ部5による検出情報を入力し、CPU11に伝達する。またインターフェース部15は、CPU11が出力する制御情報や画像データ、音声データを出力部3に供給し、ナビゲーション装置としての必要な表示出力、音声出力を実行させる。またインターフェース部15はCPU11からのアクセス要求を記憶装置部6に伝え、記憶装置部6に所要のデータ再生、さらに場合によってはデータ記録を実行させる。またインターフェース部15は、記憶装置部6から読み出された地図データ等を演算処理部1内に取り込む。
【0019】
図2に、CPU11が有する機能、即ちROM12等に記憶されたプログラムに基づいた演算処理により実現される機能を示す。
CPU11の機能として、ナビゲーション処理制御機能21、地図データ読込機能22、自車状況判別機能23、ナビゲーション画像描画機能24、描画対象範囲設定機能25、操作検知機能26、画像/音声出力機能27が設けられる。これらの機能は、それぞれが個別のプログラムモジュールで実現されても良いし、1つのプログラム内に複数の機能を実行するためのプログラムが混在しても良い。
【0020】
ナビゲーション処理制御機能21は、ナビゲーション装置として必要とされる処理動作を統括的に制御する機能であり、他の各機能に対して処理の指示やタイミング制御を行い、系統的なナビゲーション動作を実行させる。またユーザーの目的地や中継地点の登録、経路探索等の処理や、自車の進行に伴った案内表示、ガイド音声等の出力制御を行う。
【0021】
地図データ読込機能22は、ナビゲーション処理制御機能21の指示に基づいて、記憶装置部6に対するアクセス指示や地図データの読込を行う。例えば自車位置やユーザーに指定された位置、或いはユーザーが指定した経路情報などに応じて、必要とされる範囲の地図情報をRAM13に読み込む。
なお、もちろん地図データ以外の記憶装置部6において記憶されている各種データの読込も行う。また記憶装置部6がデータ書込可能な装置部であれば、データ書込制御も行う。
【0022】
自車状況判別機能23は、位置検出部4からの位置情報とセンサ部5からの検出情報に基づいて、自車位置や自車の挙動を判別する。
【0023】
ナビゲーション画像描画機能24は、地図データ読込機能22によって読み込まれた地図情報や、自車状況判別機能23で判別された自車位置、さらにはユーザ操作、ユーザの登録情報、POI等に応じて、出力部3のディスプレイに表示する地図画像データを生成する。地図画像としては、2D表示と3D表示としての地図画像描画が可能とされている。また、地図画像以外に、メニュー画像、アイコン画像、各種イメージ画像、各種案内画像など、出力部3のディスプレイに表示させる各種画像データをナビゲーション処理制御機能21の指示に基づいて生成する。
【0024】
描画対象範囲設定機能25は、ナビゲーション画像描画機能24が2D表示や3D表示として地図画像データを生成する際に使用する地図データ上の描画対象範囲を設定する。描画対象範囲は地図データ上における、画像に表現する範囲であり、自車位置を中心とした地図画像を中心に地図表示を行っている際には、自車状況判別機能23で判別される自車位置の進行に従って移動させる。また後述するようにスクロール操作が行われた際には、その操作に応じて描画対象範囲を移動させる。ナビゲーション画像描画機能24は、描画対象範囲内の地図情報を用いて逐次画像データを生成していくため、描画対象範囲設定機能25により描画対象範囲が移動されることは、ディスプレイ上の地図画像が変化していくことを意味する。
【0025】
操作検知機能26は、操作入力部2からの操作情報や各種の入力情報の検出を行い、入力された情報をナビゲーション処理制御機能21に伝える。ナビゲーション処理制御機能21は操作検知機能26によって検出された操作情報等に基づいて、各機能を制御し、必要な動作を実行させる。
【0026】
画像/音声出力機能27は、ナビゲーション処理制御機能21の指示に従って、出力部3からユーザーに提示する画像データや音声データを出力する。出力する画像データとは、ナビゲーション画像描画機能24で生成された地図画像やメニュー画像、各種案内画像などである。
【0027】
以上のような構成の本実施の形態のナビゲーション装置において実行される地図画像としての2D表示及び3D表示のための画像データ生成処理について説明する。特に、操作入力部2によっては地図画像をスクロールさせる操作が可能とされており、このスクロール操作の際の処理を2D表示と3D表示の場合で述べる。
【0028】
2D表示の場合の地図データ上の描画対象範囲を図3で説明し、また3D表示の場合の描画対象範囲を図4で説明する。
まず2D表示の場合の図3において、DSは地図データを構成する各データセルを示している。そして位置Qは地図データ上での自車位置とし、この自車位置Qは、E,F,G,Hで示されるデータセルDS内であるとする。
この場合、出力部3のディスプレイで実際に表示される範囲を、データセルDSの上方に示した矩形E’F’G’H’で示している。位置Q’は、表示画面上の自車位置である。
【0029】
つまりこの図3は、自車位置Qを中心に2D地図画像を表示する場合は、描画対象範囲設定機能25が、その自車位置Qを含む範囲E,F,G,Hの地図データを描画対象範囲とし、ナビゲーション画像描画機能24が、この描画対象範囲E,F,G,Hを、表示範囲E’F’G’H’にマッピングするようにして2D地図画像データを生成することを示している。
この図では、自車進行方向を図面中左方向としているが、自車が進行すれば、描画対象範囲設定機能25は、地図データ上での描画対象範囲E,F,G,Hを図面中左側にシフトさせていく。ナビゲーション画像描画機能24は逐次描画対象範囲内とされている地図データから地図画像を生成するため、自車の進行に応じて表示される地図の範囲が変化していくことになる。
【0030】
描画対象範囲設定機能25は、自車の進行だけでなく、操作入力部2でのスクロール操作が操作検知機能21で検出されることに応じても、描画対象範囲を移動させる。
この場合、スクロール操作に応じて、単位時間当たりΔメートル表示を移動させるとすると、E F G Hの描画対象範囲を地図データ上でΔメートル移動させた部分を表示範囲E’F’G’H’にマッピングすれば良い。スクロール方向がどの方向であっても同様である。
【0031】
即ち、表示画面として表示される表示範囲E’F’G’H’に対して、E F G Hをそれを表示する為のデータセルとし、表示画面のE’−F’辺のドット数をαとする。
ここで表示画面のE’−F’辺として示される横方向、即ち自車進行方向に対して直交する方向について、Lメートル分の地図を表示しているとすると、表示画面上の横方向の長さは、何れの部分もLメートルである。つまり、
E’−F’辺の距離=L[メートル]、
G’−H’辺の距離=L[メートル]、
自車表示位置Q’の地点での横方向の距離=L[メートル]、である。
【0032】
よって、横方向(進行方向に対する直交方向)にスクロール操作された際に基準とする位置は、地図データ上でのE−F,G−H,Qの何れの位置でも相違は無い。
このため、単位時間にΔメートル分、横方向にスクロールさせるとすると、全ての位置において、
Δ/L×L=Δ[メートル]
となり、単純に描画対象範囲をΔメートル分ずらしたデータセルを描画すればよい。
単位ドットあたりの距離は、全ての部分において、
L/α[メートル/ドット]
であり、単位時間にβドット分、横スクロールさせるとすると、
β×(L/α)=βL/α[メートル]
スクロールさせればよい。
【0033】
次に図4で3D表示の場合を説明する。
図4(a)では、上記図3と同様にDSは地図データを構成する各データセルを示している。そして位置Pは地図データ上での自車位置としている。
この場合、出力部3のディスプレイで実際に表示される範囲を、データセルDSの上方に示した矩形A’B’C’D’で示している。位置P’は、表示画面上の自車位置である。
3D表示の場合は、描画対象範囲設定機能25が、地図データ上での自車位置Pを含む範囲A,B,C,Dを描画対象範囲とし、ナビゲーション画像描画機能24が、この描画対象範囲A,B,C,Dの地図データから、表示範囲A,B,C,Dの3D画像データを生成する。
つまり3D表示の場合の描画対象範囲A,B,C,Dは、基準位置としての自車位置Pを含むと共に、自車位置Pからの視線方向(=図面上左方向となる自車進行方向)に進むに従って、視線方向に対する直交方向の距離が広がっていく範囲とされている。
この例の場合、描画対象範囲A,B,C,Dは、図示する1行目から4行目までのデータセルDSを含み、1行目は1つのデータセル、2行目は3つのデータセル、3行目及び4行目はそれぞれ5つのデータセルの範囲となっている。
【0034】
3D表示の場合は、この例で言うとC’−D’辺とA’−B’辺では5倍の距離差がある。
よって2D表示で言うところのΔメートルの移動はA’−B’辺、又はC’−D’辺を基準にするとユーザに違和感を与えてしまう。
そこで、ユーザの注視している自車位置P及び自車表示位置P’に注目する。実際の自車位置Pのある地図データ上のエリアでは、本例の場合C−D辺の3倍のデータ量である。この部分を基準に単位時間当たりの移動量をΔメートルとすれば、2D表示と3D表示のスクロール速度に対する違和感は無くなる。
【0035】
また、2D表示の場合、単位時間のスクロールで全画面が変わる速度がユーザに求められる場合がある。例えば横スクロールの場合、図3ではF−H辺がE−G辺となるまでのスクロールである。この場合、単に図4においてD点がC点まで移動する、若しくはB点がA点まで移動するとするならば、各々スクロール量が少なく感じられる(スクロールが遅く感じられる)ことや、スクロール量が多過ぎるように感じられる(スクロールが早過ぎるように感じられる)ことが生じる。よってこの場合も自車位置Pが存在するエリアを完全に1ブロック移動する速度とすると違和感は無くなる。
【0036】
具体的に説明する。
A’B’C’D’を表示範囲、A,B,C,Dをそれを表示する為のデータセルの範囲、即ち描画対象範囲であるとしたする。
また表示画面のA’−B’辺のドット数をαとする。
表示されている自車位置P’の実際の地図データ上の位置Pを基準とし、ここの横方向(自車進行方向に対する直交方向)がLメートル分を表示しているとすると、表示画面上の横方向の長さは、図4(b)にも示すように、下記で表される。
A’−B’辺の距離=(5/3)×L=5L/3[メートル]
自車位置Pでの横方向の距離=L[メートル]
C’−D’辺の距離=(1/3)×L=L/3[メートル]
【0037】
例えば、L=300メートルとすると、
A’−B’辺の距離=500メートル、
C’−D’辺の距離=100メートル、
である。
これは、単位表示ドットあたりの距離として、
A’−B’辺=(5L/3)/α = 5L/3α[メートル/ドット]、
自車位置Pでの横方向=L/α[メートル/ドット]、
C’−D’辺=(L/3)/α=L/3α[メートル/ドット]、
となる。
【0038】
ここで、単位時間にΔメートル分、横方向にスクロールさせるとすると、
A’−B’辺では、(Δ/L)×(5L/3)=5Δ/3[メートル]、
Pの位置では、(Δ/L)×L=Δ[メートル]、
C’−D’辺では、(Δ/L)×(L/3)=Δ/3[メートル]、
スクロールさせればよい。
【0039】
同様に、単位時間にβドット分、横スクロールさせるとすると、
A’−B’辺では、β×(5L/3α)=5βL/3α[メートル]、
Pの位置では、β×(L/α)=βL/α[メートル]、
C’−D’辺では、β×(L/3α)=βL/3α[メートル]、
スクロールさせればよい。
【0040】
具体的な数値を当てはめてみる。例えば単位時間に10メートルスクロールさせるとすると、
A’−B’辺では、5×10/3=50/3=17メートル、
Pの位置では、10メートル、
C’−D’辺では、10/3=3メートル、
だけずらした領域を描画すればよいことになる。
【0041】
これは、以下のように表す事ができる。
表示されているA−B辺のデータセル数=ABcell (本例の場合は5セル)
表示されているP位置の横方向のデータセル数=Pcell (本例の場合は3セル)
表示されているC−D辺のデータセル数=CDcell (本例の場合は1セル)
P位置の横方向表示距離=L、
とすると、表示されている長さは夫々
A’−B’辺=(ABcell×L)/Pcell、
P位置=L、
C’−D’辺=(CDcell×L)/Pcell、
となる。
そしてΔ分のスクロールをさせるには、
A’−B’辺:Δ/((ABcell×L)/Pcell)=(Δ×Pcell)/(L×ABcell)
P位置:Δ/L
C’−D’辺:Δ/((CDcell×L)/Pcell)=(Δ×Pcell)/(L×CDcell)
だけスクロールした部分を描画すればよい。
【0042】
以上のことをまとめる。
2D表示においてスクロールする際は、画面上どの位置も均等な縮尺で表示されている為、特にどの位置をスクロール量の基準においてスクロールしても構わない。
一方、3D表示の場合は、画面上部、下部、中央等で実際の地図データに対する割合が異なるので、スクロール量の基準を定める必要がある。
このときに、例えば画面上部を基準にΔメートルスクロールしても、画面下部ではこれが数分の一にしか相当しない為、全体的にはほとんど画面がスクロールしないように見える。逆に、画面下部を基準とすると、画面上部ではこれが数倍に相当する為、非常に多くのスクロールが発生したように見える。
そこで、最適な基準位置である自車位置Pを中心とし、画面上部・下部はそれに相当した量のスクロールとすれば、2D表示の場合と比して、ユーザは違和感を感じないスクロール表示が可能となる。
つまり、3D表示の場合、描画対象範囲設定機能25は、上記各式で表されるように、描画対象範囲内の各部の移動量は、自車位置Pでの直交方向の距離L(横方向の辺の距離)を基準とした各部での直交方向の距離の比の値に応じて算出される移動量とする。
これは、Δ分のスクロールの際に、描画対象範囲の移動量として、
A−B辺の移動量=(Δ×Pcell)/(L×ABcell)
P位置の移動量=Δ/L
C−D辺の移動量=(Δ×Pcell)/(L×CDcell)
としての簡単な式により計算できる。
【0043】
また、ABcell,Pcell,CDcellは表示時の仰角によって、Lは仰角と表示スケールによって一意に決定されるものであるから、上記のスクロール量の計算式は仰角やスケールが異なる場合も有効である。つまり表示仰角やスケールにも影響を受ける事無く、実現可能である。
【0044】
スクロールのためのCPU11の処理例を図5に示す。これは3D表示の場合の描画対象範囲を図4のように設定する場合における処理例としている。
操作検知機能21によってユーザーのスクロール操作が開始されたことを検知したら、図5の処理はステップF100からF101に進む。描画対象範囲設定機能25は、ステップF101で単位時間でのスクロール操作量をΔメートルとする。なお、操作入力部2におけるスクロール操作子が、例えばジョイスティック等の操作量でスクロール速度を可変可能な操作子であれば、その操作量に応じてΔメートルが設定され、一方、スクロール速度は常に一定とされる操作子であれば、Δメートルは固定値でよい。
描画対象範囲設定機能25は、ステップF102で、図4の1行目のデータセルDSに相当する地図データについて、移動量(Δ×Pcell)/(L×CDcell)だけスクロール操作方向に移動させる。またステップF103で、図4の2行目のデータセルDSに相当する地図データについて、移動量Δ/Lだけスクロール操作方向に移動させる。さらにステップF104及びF105で、図4の3行目、4行目のデータセルDSに相当する地図データについて、移動量(Δ×Pcell)/(L×ABDcell)だけスクロール操作方向に移動させる。
【0045】
ステップF101〜F105の処理で単位時間での描画対象範囲の移動が行われたことになるため、ステップF106では、ナビゲーション画像描画機能24は、その移動された描画対象範囲の地図データを用いて3D画像データを生成する。
そしてステップF107では、ナビゲーション画像描画機能24が生成した3D画像データを、画像/音声出力機能27が、インターフェース部15を介して出力部3のディスプレイに供給し、表示させる。
以上の処理を、ステップF108でスクロール操作終了を操作検知機能21が検知するまで繰り返すことで、出力部3のディスプレイ上では、3D地図画像が、スクロール操作方向に違和感なくスクロールされていく状態とすることができる。
【0046】
以上の本実施の形態により、3D表示における画面上のスクロールを違和感なく実現でき、自車位置を基準に描画対象範囲の各部の移動量位置を決めることで、2D表示におけるスクロールの際との間でのスクロール操作の違和感をなくすことができる。従って特に2D表示と3D表示を切り換えることのできる本例のようなナビゲーション装置において、ユーザーに適切な操作感でのスクロール操作を提供できる。
また自己位置を基準位置とすることによれば、3D表示の際の仰角に影響されること無くスクロール量を決定する事が出来るという利点も得られる。
【0047】
なお、以上の説明では自車位置を中心に2D表示或いは3D表示としての地図画像を表示している際のスクロール操作に応じた処理として、自車位置を基準とすることを述べたが、ナビゲーション装置では例えばユーザーが任意の地点を指定し、その指定した地点を中心とした地図画像を表示させることができる。そのような指定した地点を中心として3D表示を行っている際にスクロール操作が行われた場合は、上記指定した地点を基準として、描画対象範囲の移動を行えばよい。つまり上記説明で自車位置Pとした基準位置を、指定位置に置き換えて、描画対象範囲の各部の移動を行えばよい。自車進行方向に相当する方向はその際に3D表示を行っている基準位置からの視線方向となる
【0048】
また実施の形態では車載用のナビゲーション装置で説明したが、例えば携帯用のナビゲーション装置でも同様に本発明を適用できる。
さらには、ナビゲーション装置ではない、地図表示装置においても本発明は適用できる。例えばパーソナルコンピュータにインストールされた地図表示ソフトウエアにより、パーソナルコンピュータシステムのディスプレイで3D地図画像を表示する場合のスクロール処理に適用しても好適である。これらの場合、上述した自車位置に相当する基準位置は、ユーザーが指定した地図データ上の位置とし、自車進行方向に相当する方向は3D画像を描画している視線方向とすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態のナビゲーション装置の構成のブロック図である。
【図2】実施の形態のナビゲーション装置のCPUの機能の説明図である。
【図3】実施の形態の2D表示の説明図である。
【図4】実施の形態の3D表示の説明図である。
【図5】実施の形態の3D表示のための処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 演算処理部、2 操作入力部、3 出力部、4 位置検出部、5 センサ部、6 記憶装置部、11 CPU、12 ROM、13 RAM、14 不揮発性メモリ、15 インターフェース部、21 ナビゲーション処理制御機能、22 地図データ読込機能、23 自車状況判別機能、24 ナビゲーション画像描画機能、25 描画対象範囲設定機能、26 操作検知機能、27 画像/音声出力機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データ上での描画対象範囲として、基準位置を含むと共に、基準位置からの視線方向に進むに従って、上記視線方向に対する直交方向の距離が広がっていく範囲とされた描画対象範囲の地図データを用いて三次元画像データを生成する描画機能と、
上記直交方向へのスクロール指示に応じて、上記描画対象範囲をスクロール指示方向に移動させるとともに、その際の上記描画対象範囲内の各部の移動量は、上記基準位置での上記直交方向の距離を基準とした上記各部での上記直交方向の距離の比の値に応じて算出される移動量とする描画対象範囲移動機能と、
を備えたことを特徴とする描画処理装置。
【請求項2】
上記基準位置は、位置検出部によって検出される地図データ上の自己位置であることを特徴とする請求項1に記載の描画処理装置。
【請求項3】
地図データを記憶する地図データ記憶部と、
スクロール指示を行う操作部と、
上記地図データ記憶部から取得した地図データ上での描画対象範囲として、基準位置を含むと共に、基準位置からの視線方向に進むに従って、上記視線方向に対する直交方向の距離が広がっていく範囲とされた描画対象範囲の地図データを用いて三次元画像データを生成する描画機能、及び上記操作部の操作による上記直交方向へのスクロール指示に応じて、上記描画対象範囲をスクロール指示方向に移動させるとともに、その際の上記描画対象範囲内の各部の移動量は、上記基準位置での上記直交方向の距離を基準とした上記各部での上記直交方向の距離の比の値に応じて算出される移動量とする描画対象範囲移動機能を有する描画処理部と、
上記描画処理部で生成された三次元画像データに基づいて三次元画像の表示を行う表示部と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
自己の位置を検出する位置検出部をさらに備え、
上記基準位置は、上記位置検出部で検出された地図データ上の自己位置であることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
地図データを用いて三次元画像データを生成し、出力する描画処理方法として、
地図データ上での描画対象範囲として、基準位置を含むと共に、基準位置からの視線方向に進むに従って、上記視線方向に対する直交方向の距離が広がっていく範囲とされた描画対象範囲の地図データを用いて三次元画像データを生成する描画ステップと、
上記直交方向へのスクロール指示に応じて、上記描画対象範囲をスクロール指示方向に移動させるとともに、その際の上記描画対象範囲内の各部の移動量は、上記基準位置での上記直交方向の距離を基準とした上記各部での上記直交方向の距離の比の値に応じて算出される移動量とする描画対象範囲移動ステップと、
を備えることを特徴とする描画処理方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データ上での描画対象範囲として、基準位置を含むと共に、基準位置からの視線方向に進むに従って、上記視線方向に対する直交方向の距離が広がっていく範囲とされた描画対象範囲の地図データを用いて三次元画像データを生成する描画機能と、
上記直交方向へのスクロール指示に応じて、上記描画対象範囲をスクロール指示方向に移動させるとともに、その際の上記描画対象範囲内の各部の移動量は、上記基準位置での上記直交方向の距離を基準とした上記各部での上記直交方向の距離の比の値に応じて算出される移動量とする描画対象範囲移動機能と、
を備えたことを特徴とする描画処理装置。
【請求項2】
上記基準位置は、位置検出部によって検出される地図データ上の自己位置であることを特徴とする請求項1に記載の描画処理装置。
【請求項3】
地図データを記憶する地図データ記憶部と、
スクロール指示を行う操作部と、
上記地図データ記憶部から取得した地図データ上での描画対象範囲として、基準位置を含むと共に、基準位置からの視線方向に進むに従って、上記視線方向に対する直交方向の距離が広がっていく範囲とされた描画対象範囲の地図データを用いて三次元画像データを生成する描画機能、及び上記操作部の操作による上記直交方向へのスクロール指示に応じて、上記描画対象範囲をスクロール指示方向に移動させるとともに、その際の上記描画対象範囲内の各部の移動量は、上記基準位置での上記直交方向の距離を基準とした上記各部での上記直交方向の距離の比の値に応じて算出される移動量とする描画対象範囲移動機能を有する描画処理部と、
上記描画処理部で生成された三次元画像データに基づいて三次元画像の表示を行う表示部と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
自己の位置を検出する位置検出部をさらに備え、
上記基準位置は、上記位置検出部で検出された地図データ上の自己位置であることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
地図データを用いて三次元画像データを生成し、出力する描画処理方法として、
地図データ上での描画対象範囲として、基準位置を含むと共に、基準位置からの視線方向に進むに従って、上記視線方向に対する直交方向の距離が広がっていく範囲とされた描画対象範囲の地図データを用いて三次元画像データを生成する描画ステップと、
上記直交方向へのスクロール指示に応じて、上記描画対象範囲をスクロール指示方向に移動させるとともに、その際の上記描画対象範囲内の各部の移動量は、上記基準位置での上記直交方向の距離を基準とした上記各部での上記直交方向の距離の比の値に応じて算出される移動量とする描画対象範囲移動ステップと、
を備えることを特徴とする描画処理方法。
【請求項6】
地図データを記憶する地図データ記憶部と、
スクロール指示を行う操作部と、
上記地図データ記憶部から取得した地図データ上での描画対象範囲として、基準位置を含むと共に、基準位置からの視線方向に進むに従って、上記視線方向に対する直交方向の距離が広がっていく範囲とされた描画対象範囲の地図データを用いて三次元画像データを生成する描画機能、及び上記操作部の操作による上記直交方向へのスクロール指示に応じて、上記描画対象範囲をスクロール指示方向に移動させるとともに、その際の上記描画対象範囲内の各部の移動量は、上記基準位置での上記直交方向の距離を基準とした上記各部での上記直交方向の距離の比の値に応じて算出される移動量とする描画対象範囲移動機能を有する描画処理部と、
上記描画処理部で生成された三次元画像データに基づいて三次元画像の表示を行う表示部と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−251338(P2006−251338A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−67414(P2005−67414)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】