説明

携帯型情報端末及び携帯型情報端末の制御方法

【課題】出力された現在位置の信頼度を確認することができる携帯型情報端末を提供する

【解決手段】位置情報衛星から位置情報信号を受信して第1の現在位置を演算する第1の
現在位置演算部(ステップS42)と、移動距離及び移動方位を検出して第2の現在位置
を演算する第2の現在位置演算部(ステップS46)と、第1の現在位置演算部で第1の
現在位置を演算可能であるか否かを判断し、演算可能であるときに第1の現在位置演算部
を選択し、演算可能でないときに第2の現在位置演算部を選択する演算部選択手段(ステ
ップS43)と、該演算部選択手段で第2の現在位置演算部を選択したときに、第2の現
在位置の誤差推定量を演算する誤差推定量演算部(ステップS47〜S50)と、演算部
選択手段で第2の現在位置演算部を選択したときに、第2の現在位置と誤差推定量とを出
力する現在位置出力部(ステップS51,S46)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報衛星から発信される位置情報信号を受信して現在位置を演算する第
1の現在位置演算部と移動距離及び移動方位を検出して第2の現在位置を演算する第2の
現在位置演算部とを有する現在位置演算手段を備えた携帯型情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の携帯型情報端末では、衛星航法により現在位置を測位する測位手段と、前記測
位手段で検出した測位地点の座標及び測位時刻を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記
憶されたデータに基づいて現在位置を推測する推測手段と、現在位置周辺の地図を描画す
る表示手段とを備え、前記推測手段は、前記記憶手段に記憶された過去の測位地点間のデ
ータから進行ベクトルを求め、最新の測位時刻からの経過時間をもとに、前記進行ベクト
ルの延長線上に現在位置を推測して表示するようにしたナビゲーション装置が知られてい
る(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、携帯無線端末を紛失したり盗難にであったりした者が、個人端末を使用してイン
ターネット網にアクセスして携帯電話会社の紛失処理用ホームページでその携帯無線端末
の電話番号と暗証番号を入力することにより、紛失処理用サーバが該当する携帯無線端末
の最後に検出された位置を位置情報格納メモリから検索するか通信ログメモリから通信ロ
グを読み出して、ホームページ上で通知するとともに所定の手数料を徴収するようにした
携帯無線端末の紛失処理システムも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−291785号公報
【特許文献2】特開2001−309434号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、測位手段で衛星航法に
より検出した現在位置の座標及び測位時間を記憶手段に記憶し、この記憶手段に記憶され
た過去の測位地点間のデータから進行ベクトルを求め、最新の測位時刻からの経過時間を
もとに進行ベクトルの延長線上に現在位置を推測しているので、表示装置で表示された現
在位置が衛星航法による正確な現在位置であるか推測による現在位置であるかを判別する
ことができず、表示情報の信頼度を判別することができないという未解決の課題がある。
【0005】
また、上記特許文献2に記載された従来例にあっては、携帯無線端末を紛失したり盗難
にあったりした者が、インターネット網にアクセスして携帯電話会社の紛失処理用ホーム
ページで電話番号と暗証番号とを入力することにより、最後に検出された位置をホームペ
ージ上で通知することはできるが、通知された位置が正確な位置であるか否かを判断する
ことはできないという未解決の課題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、通知され
た現在位置の信頼度を確認することができる携帯型情報端末を提供することを目的として
いる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の技術手段に係る携帯型情報端末は、位置情
報衛星から発信される位置情報信号を受信して第1の現在位置を演算する第1の現在位置
演算部と、移動距離及び移動方位を検出して第2の現在位置を演算する第2の現在位置演
算部と、前記第1の現在位置演算部で第1の現在位置を演算可能であるか否かを判断し、
前記演算可能であるときに前記第1の現在位置演算部を選択し、前記演算可能でないとき
に前記第2の現在位置演算部を選択する演算部選択手段と、前記演算部選択手段で第2の
現在位置演算部を選択したときに、前記第2の現在位置演算部で演算した第2の現在位置
の誤差推定量を演算する誤差推定量演算部と、前記演算部選択手段で第2の現在位置演算
部を選択したときに、前記第2の現在位置と前記誤差推定量演算部で演算した誤差推定量
とを出力する現在位置出力部とを備えたことを特徴としている。
【0008】
この第1の技術手段では、例えばGPS測位部で構成される第1の現在位置演算部と、
例えば自律測位演算を行う第2の現在位置演算部とを備え、両者を演算部選択手段で第2
の現在位置演算部を選択する際に、誤差推定量演算部で第2の現在位置の誤差推定量を演
算し、演算した誤差推定量を第2の現在位置と共に現在位置出力部で表示、印刷、情報送
信等の出力を行うので、出力された誤差推定量に基づいて第2の現在位置演算部で演算し
た第2の現在位置の信頼度を認識することができる。
【0009】
また、本発明の第2の技術手段に係る携帯型情報端末は、位置情報衛星から発信される
位置情報信号を受信して第1の現在位置を演算する第1の現在位置演算部と、移動距離及
び移動方位を検出して第2の現在位置を演算する第2の現在位置演算部と、前記第1の現
在位置演算部で第1の現在位置を演算可能であるか否かを判断し、前記演算可能であると
きに前記第1の現在位置演算部を選択し、前記演算可能でないときに前記第2の現在位置
演算部を選択する演算部選択手段と、前記演算部選択手段で第2の現在位置演算部を選択
したときに、前記第2の現在位置演算部で演算した第2の現在位置の誤差推定量を演算す
る誤差推定量演算部と、現在位置通知要求元から現在位置通知要求を受けた場合に、前記
演算部選択手段で第2の現在位置演算部を選択したときに、前記第2の現在位置と前記誤
差推定量演算部で演算した誤差推定量とを前記現在位置通知要求元に送信する現在位置送
信部とを備えたことを特徴としている。
【0010】
この第2の技術手段では、上記第1の技術手段に加えて、現在位置送信部で、他の機器
から現在位置通知要求を受けたときに、第2の現在位置演算部で算出した第2の現在位置
と共に誤差推定量を現在位置通知要求元に送信するので、現在位置通知要求元で、誤差推
定量に基づいて第2の現在位置の信頼度を判断することができる。
さらに、本発明の第3の技術手段に係る携帯型情報端末は、上記第1又は第2の技術手
段において、前記誤差推定量演算部は、前記演算部選択手段で、前記第1の現在位置演算
部を選択している状態から前記第2の現在位置演算部を選択する状態に切換えた時点から
の経過時間の増加に応じて前記誤差推定量を増加させるように構成されていることを特徴
としている。
【0011】
この第3の技術手段では、誤差推定量を第2の現在位置演算部を選択した状態即ち第1
の現在位置演算部で第1の現在位置を測位できない状態となった時点からの経過時間が長
くなればなるほど誤差推定量が増加することになり、信頼度の低下を認識することができ
る。
さらにまた、本発明の第4の技術手段に係る携帯型情報端末は、上記第1又は第2の技
術手段において、前記第2の現在位置演算部は、少なくとも角速度を検出する角速度検出
部を有し、前記誤差推定量演算部は、前記演算部選択手段で、前記第1の現在位置演算部
を選択している状態から前記第2の現在位置演算部を選択する状態に切換えた時点からの
前記角速度検出部で検出した角速度の変動回数の増加に応じて前記誤差推定量を増加させ
るように構成されていることを特徴としている。
【0012】
この第4の技術手段では、第2の現在位置演算部は、ジャイロ等の角速度検出部を有し
て、第2の現在位置を演算している場合に、角速度検出部で検出した角速度の変動回数が
多くなるほど誤差推定量が大きくなり、信頼度の低下を認識することができる。
なおさらに、本発明の第5の技術手段に係る携帯型情報端末は、第1又は第2の技術手
段において、前記第2の現在位置演算部は、少なくとも加速度を検出する加速度検出部を
有し、前記誤差推定量演算部は、前記演算部選択手段で、前記第1の現在位置演算部を選
択している状態から前記第2の現在位置演算部を選択する状態に切換えた時点からの前記
加速度検出部で検出した加速度の変動回数の増加に応じて前記誤差推定量を増加させるよ
うに構成されていることを特徴としている。
【0013】
この第5の技術手段では、第2の現在位置演算部が加速度検出部を有して、検出した加
速度に基づいて第2の現在位置を演算している場合に、加速度の変動回数が増加すればす
る程誤差推定量が大きくなるので、信頼度の低下を認識することができる。
また、本発明の第6の技術手段に係る携帯型情報端末は、第1乃至第5の技術手段の何
れか1つにおいて、前記第2の現在位置演算部は、少なくとも加速度を検出する加速度検
出部を有し、前記誤差推定量演算部は、前記加速度検出部で検出した加速度に基づいて、
当該携帯型情報端末を所有するユーザが歩行しているか、移動交通手段にて移動している
かを判定し、前記ユーザが歩行していると判定した場合には、前記演算部選択手段で、前
記第1の現在位置演算部を選択している状態から前記第2の現在位置演算部を選択する状
態に切換えた時点からの前記加速度検出部で検出した加速度の変動回数の増加に応じて前
記誤差推定量を増加させるように構成され、前記ユーザが移動交通手段にて移動している
と判定した場合には、前記演算部選択手段で、前記第1の現在位置演算部を選択している
状態から前記第2の現在位置演算部を選択する状態に切換えた時点からの経過時間の増加
に応じて前記誤差推定量を増加させるように構成されていることを特徴としている。
【0014】
この第6の技術手段では、車両移動時と歩行時とで角速度情報や加速度情報が変化する
ので、この変化に応じて誤差推定量の演算を変更することにより、最適な誤差推定量を算
出することができる。
さらに、本発明の第7の技術手段に係る携帯型情報端末の制御方法は、位置情報衛星か
ら発信される位置情報信号を受信して第1の現在位置を演算する第1の現在位置演算部と
、移動距離及び移動方位を検出して第2の現在位置を演算する第2の現在位置演算部と、
を備える携帯型情報端末の制御方法であって、前記第1の現在位置演算部で第1の現在位
置を演算可能であるか否かを判断し、前記演算可能であるときに前記第1の現在位置演算
部を選択し、前記演算可能でないときに前記第2の現在位置演算部を選択する演算部選択
工程と、前記演算部選択工程で第2の現在位置演算部を選択したときに、前記第2の現在
位置演算部で演算した第2の現在位置の誤差推定量を演算する誤差推定量演算工程と、前
記演算部選択工程で第2の現在位置演算部を選択したときに、前記第2の現在位置と前記
誤差推定量演算工程で演算した誤差推定量とを出力する現在位置出力工程とから構成され
ている。
【0015】
この第7の技術手段では、前述した第1の技術手段と同様の作用効果を得ることができ
る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を携帯型情報端末に適用した場合の一実施形態を示す概略構成図である

図中、1はナビゲーション機能を有する携帯電話機、PDA(Personal Digital Assis
tants)等で構成される携帯型情報端末であって、この携帯型情報端末1はCPU2及び
現在時刻を算出する時計部3等を内蔵する演算処理部4を有する。
【0017】
この演算処理部4には、GPS(Global Positioning System)受信部5で受信した位置
情報衛星6から送信される位置情報信号が入力されていると共に、自律測位演算を行うた
めの歩数を検出する上下加速度センサ7及び方位を検出するための水平方向における2次
元の角速度を検出するジャイロ等の角速度センサ8の検出信号が夫々AD変換器9及び1
0を介して入力される。
【0018】
また、演算処理部4には、携帯電話機能を発揮する携帯電話制御処理プログラム、ナビ
ゲーション表示を行うナビゲーション処理プログラム、GPS受信部5で受信した位置情
報信号に基づいてGPS測位演算を行うGPS測位演算用プログラム、自律測位演算を行
う自律測位演算用プログラム等の演算処理部4のCPU2で実行する各種処理プログラム
を格納するROM11と、演算処理部4の演算過程で必要とするデータ等を記憶するRA
M12とが接続されている。また、ROM11には後述する誤差推定量算出処理で使用す
るGPS測位処理で第1の現在位置を演算した時刻からの経過時間と誤差推定量との関係
を示す誤差推定量算出用記憶テーブルを記憶している。この誤差推定量算出用記憶テーブ
ルは、図2に示すように、横軸に第1の現在位置を演算した時刻経過からの経過時間をと
り、縦軸に誤差推定量Eをとり、経過時間が長くなるに従って誤差推定量Eが多くなるよ
うに特性線L1が設定されている。
【0019】
さらに、演算処理部4には、携帯電話機能によって近傍の基地局と無線通信を行うRF
送受信部13が接続されていると共に、演算処理部4で演算処理されたナビゲーション表
示情報、所定のメニュー情報、電子メール情報等を表示する例えば液晶表示器で構成され
る表示部14が接続されている。
さらにまた、演算処理部4には、キー入力部15、マイク16、スピーカ17及び振動
モータ18が接続されている。
【0020】
そして、演算処理部4では、CPU2で、通常の携帯電話機と同様の音声送受信処理及
び電子メール送受信処理を行う図示しない携帯電話制御処理と、第1の現在位置演算部と
してのGPS測位演算処理及び第2の現在位置演算部としての自律測位演算処理を起動し
てナビゲーション表示を行うナビゲーション処理と、外部から位置情報送信要求を受信し
たときに、GPS測位演算処理での第1の現在位置の演算が可能であるか否かを判定して
、GPS測位演算処理及び自律測位演算処理を選択すると共に、自律測位演算処理を選択
したときに、この自律測位演算処理で演算した第2の現在位置の誤差推定量を算出して第
2の現在位置と共に送信する位置情報送信処理とを少なくとも実行する。
【0021】
CPU2で実行するナビゲーション処理は、図示しないメニュー画面でナビゲーション
処理の開始が選択されたときに実行開始され、図3に示すように、先ず、ステップS1で
、自律測位演算処理によってRAM12の第2の現在位置記憶領域に記憶された第2の現
在位置を現在位置として読込み、次いでステップS2に移行して、読込んだ現在位置とそ
の近傍の地図情報とに基づいてナビゲーション表示情報を生成し、次いでステップS3に
移行して、生成したナビゲーション表示情報を表示部14に供給して表示し、次いでステ
ップS4に移行して図示しないメニュー画面でナビゲーション処理の終了が選択されたか
否かを判定し、ナビゲーション処理の終了が選択されていないときには、前記ステップS
1に戻り、ナビゲーション処理の終了が選択されたときにはステップS5に移行して、G
PS測位演算処理及び自律測位演算処理を停止させてからナビゲーション処理を終了する

【0022】
CPU2で実行するGPS測位演算処理は、図4に示すように、所定時間毎のタイマ割
込処理として実行され、先ず、ステップS11で、電源投入時の初期状態であるか否かを
判定し、電源投入時の初期状態であるときには、ステップS12に移行して、位置情報衛
星6から送信される位置情報信号を受信してGPS測位演算を開始する測位演算開始時刻
を設定してからステップS15に移行し、電源投入時の初期状態ではないときにはステッ
プS13に移行して、現在時刻がステップS12で設定した測位演算開始時刻であるか否
かを判定し、測位演算開始時刻ではないときにはステップS14に移行して、GPS測位
フラグF1を“0”にセットしてからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラム
に復帰し、測位演算開始時刻であるときにはステップS15に移行する。
【0023】
このステップS15では、GPS受信部5に対して位置情報衛星6から送信される位置
情報信号を受信する受信処理動作を行うGPS受信指令を出力し、次いでステップS16
に移行して、GPS受信部5から位置情報信号が入力されたか否かを判定し、位置情報信
号が入力されていないときにはステップS17に移行して、位置情報信号非受信回数を計
数する非受信カウント値Nをインクリメントし、次いでステップS18に移行して、非受
信カウント値Nが所定値Nsに達したか否かを判定し、N<Nsであるときには前記ステ
ップS16に戻り、N≧Nsであるときには、ステップS19に移行してGPS測位フラ
グF1を“0”にセットしてからタイマ割込処理を終了する。
【0024】
また、ステップS16の判定結果が、GPS受信部5から位置情報信号が入力されたも
のであるときには、ステップS20に移行して、位置情報信号に基づいて緯度・経度座標
で表される第1の現在位置P1を算出すると共に、測位時刻T1を算出し、次いでステッ
プS21に移行して、算出した第1の現在位置P1及び測位時刻T1をRAM12に形成
した第1の現在位置情報記憶領域に更新記憶し、次いでステップS22に移行してGPS
測位フラグF1を“1”にセットしてからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログ
ラムに復帰する。
【0025】
この図4のGPS測位演算処理及びGPS受信部5が第1の現在位置演算部に対応して
いる。
また、自律測位演算処理は、図5に示すように、所定時間毎のタイマ割込処理として実
行され、先ず、ステップS31で、GPS測位フラグF1が“0”から“1”に切換わっ
た直後であるか否かを判定し、GPS測位フラグF1が“0”から“1”に切換わった直
後であるときにはステップS32に移行して、RAM12の第1の現在位置記憶領域に記
憶されている第1の現在位置P1を読込み、これを第2の現在位置P2としてRAM12
に形成した第2の現在位置記憶領域に更新記憶してからステップS33に移行し、GPS
測位フラグF1が“0”から“1”に切換わった直後ではないときには直接ステップS3
3に移行する。
【0026】
このステップS33では、角速度センサ8で検出した角速度θvを読込み、次いでステ
ップS34に移行して角速度θvを積分して方位θを算出してからステップS35に移行
する。
このステップS35では、加速度センサ7で検出した上下加速度Gを読込み、次いでス
テップS36に移行して、上下加速度Gの変化パターンから歩数Pを算出し、次いでステ
ップS37に移行して算出した歩数Pに予め設定した歩幅Wを乗算して移動距離Lを算出
し、次いでステップS38に移行して、算出した方位θ及び移動距離LとRAM12の第
2の現在位置記憶領域に記憶されている第2の現在位置P2とに基づいて新たな第2の現
在位置P2を算出して、これをRAM12の第2の現在位置記憶領域に更新記憶してから
タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0027】
この図5の自律測位演算処理及び上下加速度センサ7、角速度センサ8が第2の現在位
置演算部に対応している。
さらに、CPU2で実行する位置情報送信処理は、図6に示すように、所定時間毎のタ
イマ割込処理として実行され、先ず、ステップS41で、位置情報送信要求コマンドを含
む電子メールを受信したか否かを判定し、位置情報送信要求コマンドを含む電子メールを
受信していないときにはそのままタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復
帰し、位置情報要求コマンドを含む電子メールを受信したときには、ステップS42に移
行する。
【0028】
このステップS42では、前述した図4のGPS測位演算処理を起動して、GPS受信
部5を作動状態として位置情報衛星6から位置情報信号の受信処理を行わせ、位置情報信
号に基づく測位演算を行って、第1の現在位置P1を演算し、次いでステップS43に移
行して、ステップS42のGPS測位演算処理で第1の現在位置P1が演算されたか否か
を判定し、第1の現在位置P1が演算されたときにはステップS44に移行して、演算さ
れた第1の現在位置P1を受信した位置情報送信要求コマンドを含む電子メールの返信メ
ールに書込み、次いでステップS45に移行して、返信メールを送信してからタイマ割込
処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0029】
また、ステップS43の判定結果が、第1の現在位置P1が演算されないときには、ス
テップS46に移行して、前述した自律測位演算処理を実行して第2の現在位置P2を算
出し、次いでステップS47に移行して、RAM12の第1の現在位置記憶領域に記憶さ
れている第1の現在位置P1を測位した測位時刻T1を読込み、次いでステップS48に
移行して、時計部3で演算された現在時刻Trを読込み、次いでステップS49に移行し
て、現在時刻Trから測位時刻T1を減算して前回の第1の現在位置P1を演算した時刻
からの経過時間TL(=Tr−T1)を算出してからステップS50に移行する。
【0030】
このステップS50では、経過時間TLをもとにROM11に記憶されている誤差推定
量算出用記憶テーブルを参照して、誤差推定量Eを算出し、次いでステップS51に移行
して、演算した第2の現在位置P2と誤差推定量Eとを受信した位置情報送信要求コマン
ドを含む電子メールの返信メールに書込んでから前記ステップS45に移行する。
この図6の位置情報送信処理が現在位置出力部及び現在位置送信部に対応している。
【0031】
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、携帯型情報端末1の電源を投入すると、図4に示すGPS測位演算処理及び図5に
示す自律測位演算処理が実行開始される。
このため、GPS測位演算処理では、電源投入後の初期状態であるので、これ以降のG
PS測位演算の開始時刻を設定し(ステップS12)、次いでGPS受信部5に対してG
PS受信指令を出力してGPS受信部5で位置情報衛星6からの位置情報信号の受信処理
を開始させる(ステップS15)。
【0032】
そして、GPS受信部5から位置情報衛星6の位置情報信号が入力されると、入力され
た位置情報信号に基づいて緯度・経度座標でなる第1の現在位置P1を算出すると共に、
GPS測位時刻T1を算出し(ステップS20)、算出した第1の現在位置P1及びGP
S測位時刻T1をRAM12の第1の現在位置情報記憶領域に更新記憶し(ステップS2
1)、次いでGPS測位フラグF1を“1”にセットしてからタイマ割込処理を終了して
所定のメインプログラムに復帰する。
【0033】
このとき、携帯型情報端末1を屋内で使用して位置情報衛星6からの位置情報信号をG
PS受信部5で受信できない場合やビル群の谷間でフェージング現象によって位置情報信
号を受信できない場合には、GPS受信部5からCPU2に位置情報信号が入力されない
ので、非受信カウント値Nをインクリメントし、この非受信カウント値Nが予め設定した
設定値Ns以上となるまで待機するが、非受信カウント値Nが設定値Ns以上となると、
GPS測位フラグF1を“0”にリセットしてタイマ割込処理を終了して所定のメインプ
ログラムに復帰する。
【0034】
一方、図5の自律測位演算処理では、上述したGPS測位演算処理で、GPS測位フラ
グF1が“0”から“1”に反転した直後で、第1の現在位置P1が演算された直後であ
るときには、RAM12の第1の現在位置情報記憶領域に記憶されている第1の現在位置
P1を読込んで、これを第2の現在位置としてRAM12の第2の現在位置情報記憶領域
に記憶してから、タイマ割込処理を終了する(ステップS32)。
【0035】
しかしながら、GPS測位フラグF1が“0”から“1”に切換わった直後ではないと
きには、角速度センサ8で検出した角速度θvを読込み(ステップS33)、この角速度
θvを積分して方位θを算出し(ステップS34)、例えばユーザの腰に装着した加速度
センサ7で検出した上下加速度Gを読込み(ステップS35)、次いで上下加速度Gに基
づいて歩数Pを算出し(ステップS36)、算出した歩数Pと歩幅Wとによる移動距離L
を算出し(ステップS37)、算出した移動距離L及び方位θとに基づいて第2の現在位
置P2を算出し、算出した第2の現在位置P2をRAM12の第2の現在位置情報記憶領
域に更新記憶する(ステップS38)。
【0036】
このように、図4のGPS測位演算処理及びステップS5の自律測位演算処理が実行さ
れることにより、第1の現在位置P1及びGPS測位時刻T1が所定時刻毎に更新される
と共に、このGPS測位演算処理での第1の現在位置P1及びGPS測位時刻T1が更新
されるまでの間では、自律測位演算処理によって方位θ及び移動距離Lによる第2の現在
位置P2の更新が行われる。
【0037】
この状態で、例えばメニュー画面を表示部14に表示してナビゲーション処理の開始を
選択する等の所定のナビゲーション開始操作を行うことにより、CPU2で図3のナビゲ
ーション処理が実行開始される。
このナビゲーション処理では、先ず、図3のナビゲーション処理で、RAM12に記憶
された第2の現在位置P2を現在位置として読込み(ステップS1)、読込んだ現在位置
とその近傍の地図情報とに基づいてナビゲーション表示情報を生成し(ステップS2)、
生成したナビゲーション表示情報を表示部14に出力して現在位置と近傍の地図を表すナ
ビゲーション表示を行う(ステップS3)。
【0038】
一方、携帯型情報端末1を紛失したり盗難にあったりするか或いは携帯型情報端末1の
所持者の現在位置を知りたい場合には、他の携帯型情報端末1やインターネットに接続さ
れたパーソナルコンピュータ等から現在位置を知りたい携帯型情報端末1に対して位置情
報送信要求コマンドを含む電子メールを送信する。
この電子メールを携帯型情報端末1で受信すると、図6の位置情報送信処理で、先ず、
GPS測位演算処理を起動して第1の現在位置P1を演算し(ステップS42)、第1の
現在位置P1が演算された場合には、演算された第1の現在位置を返信メールに書込み(
ステップS44)、次いで返信メールを送信することにより、電子メールの発信元である
現在位置送信要求元に第1の現在位置が書込まれた返信メールを受信することにより、正
確な現在位置を把握することができる。
【0039】
これに対して、ステップS42でGPS測位演算処理を行ったときに、第1の現在位置
P1を算出できない場合には、自律測位演算処理によって第2の現在位置P2を算出し(
ステップS46)、次いでRAM12に記憶されている前回のGPS測位演算処理によっ
て測位演算された第1の現在位置P1のGPS測位時刻T1を読込み(ステップS47)
、次いで時計部3から現在時刻Trを読込み(ステップS48)、現在時刻TrからGP
S測位時刻T1を減算することにより前回のGPS測位時刻T1からの経過時間TLを算
出する(ステップS49)。
【0040】
次いで、経過時間TLをもとにROM11に記憶されている図2に示す誤差推定量算出
用記憶テーブルを参照して、誤差推定量Eを算出する(ステップS50)。この誤差推定
量Eは経過時間TLが増加するに応じて大きな値となる。
そして、第2の現在位置P2及び誤差推定量Eを返信メールに書込み(ステップS51
)、次いで返信メールを送信することにより、電子メールの発信元である現在位置送信要
求元は、第2の現在位置P2及び誤差推定量Eが書込まれた返信メールを受信することに
より、第2の現在位置P2と誤差推定量Eとから携帯型情報端末1の現在位置とその誤差
範囲を把握することができ、第2の現在位置P2の信頼度を認識することができる。
【0041】
このように、上記実施形態においては、携帯型情報端末1に電源が投入されたときに、
GPS測位演算処理及び自律測位演算処理が実行されて、携帯型情報端末1をユーザが所
持して移動する場合に、時事刻々変化する現在位置が所定時刻毎にGPS測位演算処理が
実行されることにより正確な現在位置を演算することができると共に、消費電力の大きい
GPS受信部5の作動を少なくして携帯型情報端末1の消費電力を少なくすることがでる
。しかも、GPS測位演算処理で第1の現在位置P1が演算されてから次に第1の現在位
置P1を演算するまでの間は自律測位演算処理で第2の現在位置を算出することにより、
第1の現在位置を補正することができ、携帯型情報端末1を所持したユーザの移動状況に
応じた現在位置を演算することができる。
【0042】
このため、ナビゲーション処理を起動することにより、GPS測位演算処理及び自律測
位演算処理で演算した第1の現在位置P1及び第2の現在位置P2に基づいて表示部14
にナビゲーション表示を表示することができる。
さらに、外部から現在位置送信要求コマンドを含む電子メールを受信したときに、GP
S測位演算処理で第1の現在位置P1を演算し、位置情報衛星6からの位置情報信号を受
信して第1の現在位置P1を演算できるときには、この第1の現在位置P1を返信メール
に書込んで現在位置送信要求元に送信することにより、現在位置送信要求元で知りたい携
帯型情報端末1の正確な現在位置を把握することができる。
【0043】
しかしながら、GPS測位演算処理で第1の現在位置P1を演算できないときには自律
測位演算処理で方位θと歩数P及び歩幅Wによって求まる移動距離Lとに基づいて算出す
る第2の現在位置P2を返信メールに書込むが、このときに、GPS測位演算処理で第1
の現在位置P1を演算したGPS測位時刻T1からの経過時間TLを算出し、この経過時
間TLをもとに誤差推定量算出用記憶テーブルを参照して誤差推定量Eを算出し、この誤
差推定量Eを第2の現在位置と共に返信メールに書込んで送信するので、現在位置送信要
求元で、第2の現在位置P2と誤差推定量Eとを把握することができるので、第2の現在
位置P2の近傍に携帯型情報端末1が存在することを把握することができ、第2の現在位
置P2の信頼度を認識することができる。
【0044】
なお、上記第1の実施形態においては、現在位置送信要求コマンドを含む電子メールを
受信したときに現在位置送信処理を行う場合について説明したが、これに限定されるもの
ではなく、現在位置送信要求コマンドを含むパケットを受信したときに、第1の現在位置
P1又は第2の現在位置P2及び誤差推定量Eを含む応答パケットを生成して、これをパ
ケットの送信元に送信するようにしてもよく、要は外部から現在位置送信要求があったと
きに第1の現在位置P1又は第2の現在位置P2及び誤差推定量Eを現在位置送信要求元
に送信できればよいものである。
【0045】
また、上記第1の実施形態においては、外部からの現在位置送信要求があったときにの
み誤差推定量Eを算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ナ
ビゲーション処理によって自律測位演算処理で演算した第2の現在位置P2を採用すると
きに、これと同時に誤差推定量Eを算出してこれをナビゲーション表示情報に含ませて表
示部14の特定領域に表示するようにしてもよく、この場合には、ナビゲーション表示の
信頼度をユーザ自身が把握することができる。
【0046】
さらに、上記第1の実施形態においては、誤差推定量EをGPS測位演算処理で第1の
現在位置P1を算出したGPS測位時刻T1からの経過時間TLをもとに算出する場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、誤差推定量算出用記憶テーブルを図
7に示すように、上下加速度センサ7で検出した上下角速度Gの変化回数が増加するに応
じて誤差推定量Eを増加させる記憶テーブルとしたり、図8に示すように、角速度センサ
8で検出した角速度θvの変化回数に応じて誤差推定量Eを増加させる記憶テーブルとし
たり、或いは上下加速度G又は角速度θvの累積値の増加に応じて誤差推定量Eを増加さ
せる記憶テーブルとしたりすることができる。
【0047】
さらにまた、上記実施形態においては、誤差推定量算出用記憶テーブルが一種類である
場合について説明したが、これに限定されるものではなく、CPU2で図9に示す記憶テ
ーブル選択処理を実行するようにしてもよい。この記憶テーブル選択処理は、先ず、ステ
ップS61で、上下加速度センサ7で検出した上下加速度Gを読込み、次いでステップS
62に移行して、読込んだ上下加速度Gをフーリエ変換してパワースペクトル分布を算出
し、次いでステップS63に移行して、上下加速度Gのパターン及びパワースペクトル分
布に基づいて携帯型情報端末1を所持しているユーザが歩行しているか自動車、鉄道等の
移動交通手段に乗車して移動しているかを判定し、ユーザが歩行している場合には、ステ
ップS64に移行して誤差推定量算出用記憶テーブルとして図7に示す上下加速度Gの変
化回数の増加に応じて誤差推定量Eが増加する記憶テーブル又は上下加速度Gの累積値の
増加に応じて誤差推定量Eが増加する記憶テーブルを選択してから処理を終了し、移動交
通手段に乗車しているときには、ステップS65に移行して図2に示す第1の現在位置を
測位したGPS測位時刻T1からの経過時間の増加に応じて誤差推定量Eが増加する記憶
テーブルを選択してから処理を終了する。この記憶テーブル選択処理によると、ユーザの
移動方法に合わせて最適な誤差推定量Eを算出することができる。
【0048】
因みに、ステップS63で、上下加速度Gに基づいて歩行時と移動交通手段への乗車時
とを判定するには、歩行時の上下加速度Gのパターンは、図10(a)に示すように、着
地時に上下加速度センサ7に振動が入力されることから着地する毎に大きな振幅が所定時
間継続し、上下加速度Gをフーリエ変換したパワースペクトル分布は図10(b)に示す
ように、0.5Hz〜2Hzの範囲内にピークがみられるが、自動車に乗車した場合には
、上下加速度センサ7で検出した上下角速度Gのパターンは自動車の走行時に常時上下加
速度Gが図11(a)に示すように比較的小さい振幅で変動し、この上下加速度Gをフー
リエ変換したパワースペクトル分布は図11(b)に示すように直流成分以外に、白色雑
音しか見られない。
【0049】
したがって、上下加速度Gのパターン及びパワースペクトル分布から歩行時である自動
車等での移動時であるかを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】誤差推定量算出用記憶テーブルを示す特性線図である。
【図3】CPUで実行するナビゲーション処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】CPUで実行するGPS測位演算処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】CPUで実行する自律測位演算処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】CPUで実行する位置情報送信処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】誤差推定量算出用記憶テーブルの他の例を示す特性線図である。
【図8】誤差推定量算出用記憶テーブルのさらに他の例を示す特性線図である。
【図9】CPUで実行する記憶テーブル選択処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】歩行時の上下加速度パターン及びパワースペクトル分布を示す説明図である。
【図11】自動車等で移動時の上下加速度パターン及びパワースペクトル分布を示す説明図である。
【符号の説明】
【0051】
1…携帯型情報端末、2…CPU、3…時計部、4…演算処理部、5…GPS受信部、
6…位置情報衛星、7…上下加速度センサ、8…角速度センサ、11…ROM、12…R
AM、14…表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報衛星から発信される位置情報信号を受信して第1の現在位置を演算する第1の
現在位置演算部と、
移動距離及び移動方位を検出して第2の現在位置を演算する第2の現在位置演算部と、
前記第1の現在位置演算部で第1の現在位置を演算可能であるか否かを判断し、前記演
算可能であるときに前記第1の現在位置演算部を選択し、前記演算可能でないときに前記
第2の現在位置演算部を選択する演算部選択手段と、
前記演算部選択手段で第2の現在位置演算部を選択したときに、前記第2の現在位置演
算部で演算した第2の現在位置の誤差推定量を演算する誤差推定量演算部と、
前記演算部選択手段で第2の現在位置演算部を選択したときに、前記第2の現在位置と
前記誤差推定量演算部で演算した誤差推定量とを出力する現在位置出力部と
を備えたことを特徴とする携帯型情報端末。
【請求項2】
位置情報衛星から発信される位置情報信号を受信して第1の現在位置を演算する第1の
現在位置演算部と、
移動距離及び移動方位を検出して第2の現在位置を演算する第2の現在位置演算部と、
前記第1の現在位置演算部で第1の現在位置を演算可能であるか否かを判断し、前記演
算可能であるときに前記第1の現在位置演算部を選択し、前記演算可能でないときに前記
第2の現在位置演算部を選択する演算部選択手段と、
前記演算部選択手段で第2の現在位置演算部を選択したときに、前記第2の現在位置演
算部で演算した第2の現在位置の誤差推定量を演算する誤差推定量演算部と、
現在位置通知要求元から現在位置通知要求を受けた場合に、前記演算部選択手段で第2
の現在位置演算部を選択したときに、前記第2の現在位置と前記誤差推定量演算部で演算
した誤差推定量とを前記現在位置通知要求元に送信する現在位置送信部と
を備えたことを特徴とする携帯型情報端末。
【請求項3】
前記誤差推定量演算部は、前記演算部選択手段で、前記第1の現在位置演算部を選択し
ている状態から前記第2の現在位置演算部を選択する状態に切換えた時点からの経過時間
の増加に応じて前記誤差推定量を増加させるように構成されていることを特徴とする請求
項1又は2に記載の携帯型情報端末。
【請求項4】
前記第2の現在位置演算部は、少なくとも角速度を検出する角速度検出部を有し、前記
誤差推定量演算部は、前記演算部選択手段で、前記第1の現在位置演算部を選択している
状態から前記第2の現在位置演算部を選択する状態に切換えた時点からの前記角速度検出
部で検出した角速度の変動回数の増加に応じて前記誤差推定量を増加させるように構成さ
れていることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯型情報端末。
【請求項5】
前記第2の現在位置演算部は、少なくとも加速度を検出する加速度検出部を有し、前記
誤差推定量演算部は、前記演算部選択手段で、前記第1の現在位置演算部を選択している
状態から前記第2の現在位置演算部を選択する状態に切換えた時点からの前記加速度検出
部で検出した加速度の変動回数の増加に応じて前記誤差推定量を増加させるように構成さ
れていることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯型情報端末。
【請求項6】
前記第2の現在位置演算部は、少なくとも加速度を検出する加速度検出部を有し、
前記誤差推定量演算部は、前記加速度検出部で検出した加速度に基づいて、当該携帯型
情報端末を所有するユーザが歩行しているか、移動交通手段にて移動しているかを判定し

前記ユーザが歩行していると判定した場合には、前記演算部選択手段で、前記第1の現
在位置演算部を選択している状態から前記第2の現在位置演算部を選択する状態に切換え
た時点からの前記加速度検出部で検出した加速度の変動回数の増加に応じて前記誤差推定
量を増加させるように構成され、
前記ユーザが移動交通手段にて移動していると判定した場合には、前記演算部選択手段
で、前記第1の現在位置演算部を選択している状態から前記第2の現在位置演算部を選択
する状態に切換えた時点からの経過時間の増加に応じて前記誤差推定量を増加させるよう
に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯型情報端末。
【請求項7】
位置情報衛星から発信される位置情報信号を受信して第1の現在位置を演算する第1の
現在位置演算部と、移動距離及び移動方位を検出して第2の現在位置を演算する第2の現
在位置演算部と、を備える携帯型情報端末の制御方法であって、
前記第1の現在位置演算部で第1の現在位置を演算可能であるか否かを判断し、前記演
算可能であるときに前記第1の現在位置演算部を選択し、前記演算可能でないときに前記
第2の現在位置演算部を選択する演算部選択工程と、
前記演算部選択工程で第2の現在位置演算部を選択したときに、前記第2の現在位置演
算部で演算した第2の現在位置の誤差推定量を演算する誤差推定量演算工程と、
前記演算部選択工程で第2の現在位置演算部を選択したときに、前記第2の現在位置と
前記誤差推定量演算工程で演算した誤差推定量とを出力する現在位置出力工程と
から構成される携帯型情報端末の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−203016(P2008−203016A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−37444(P2007−37444)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】