説明

携帯型電話機、警報受信器、及びこれらを用いた警報システム

【課題】 子供の安全を確保することができる携帯型電話機、警報受信器、及びこれらを用いた警報システムを提供する。
【解決手段】 警報システムでは、当該携帯型電話機1の所有者に異常が発生したと判定した場合は(S10:YES)、携帯型電話機1から100m以内に警報信号がブロードキャストされる(S14)。また、スピーカ14から、警報音が発せられる(S16)。さらに、避難小屋の家屋など地域に配置された受信器7が電子メールを受信すると警報が発せられる。そのため、受信器7を、地域に広く配置しておけば、警報信号が届く警報距離内に住む人々の一部が留守でも、その他の避難小屋の住人が、携帯型電話機1の所有者を保護することが可能となる。従って、携帯型電話機1を子供に持たせておけば、子供を地域ぐるみで保護することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型電話機、警報受信器、及びこれらを用いた警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、連れ去り事件の増加など、子供を取り巻く環境が悪化しているため、子供の安全を懸念する保護者から、子供の安全を確保することができるシステムのニーズが増えている。そのニーズに応える一つの方法として、地域ぐるみで子供を守るため、その地域でボランティアを募り、そのボランティアの家にステッカーを張って、子供が危険な目にあった場合、そのステッカーを張ってある家(以下「避難小屋」という)には、いつでも飛び込めるようにしている地域もある。
【0003】
また、最近では、子供が所有するランドセル等にGPS受信器を備える端末を取り付け、GPS受信器で特定された現在位置情報を、携帯型電話機回線を使って位置情報サービスセンターに送るよう構成し、親等が携帯型電話機等を使って、その位置情報サービスセンターに問い合わせをすると、位置情報サービスセンターから子供のランドセルに取り付けられた端末の位置情報、すなわち子供の現在位置情報がその携帯型電話機等に送られてくるよう構成されたシステムも導入されることもある。このシステムを用いると親は子供の居場所を常に把握できるので、安心できるというメリットがある(非特許文献1)。
【非特許文献1】ITビジネス&ニュース、子どもの居場所を探知、インターネット(URL:http://it.nikkei.co.jp/it/news/topics.cfm?i=20041027zn004zn)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、避難小屋を設定する方法の場合、避難小屋となっている家の人が留守である可能性があり、その場合、その避難小屋のボランティアの人が子供を確実に守ってくれるという安心感が得られないという問題がある。
【0005】
また、GPSを用いた方法の場合、GPS信号を受信できない場所に子供がいると、システムが機能を発揮しない恐れがあるという問題がある。
そこで本発明では、子供の安全を確保することができる携帯型電話機、警報受信器、及びこれらを用いた警報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した問題点を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、電話機能のうち電話回線網の基地局と電話用の無線通信が可能な第1通信手段を備える携帯型電話機において、当該携帯型電話機を所有する所有者の異常を検出する異常検出手段と、この異常検出手段が所有者の異常を検出したら、前記第1通信手段を用いて予め定められた警報距離内に警報信号を無線で発信する警報信号発信手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この携帯型電話機は、異常検出手段が所有者の異常を検出すると、警報信号発信手段が警報信号を警報距離内に無線で発信するよう構成されているので、この警報信号を受信する受信器を、上述した避難小屋に相当する家等をはじめ地域に広く配置しておけば、警報信号が届く警報距離内に住む人々のうちいずれかが、携帯型電話機の所有者の異常を知ることになり、一部の避難小屋に留守であっても、その他の避難小屋の住人が、本発明の携帯型電話機の所有者を保護することが可能となる。
【0008】
従って、本発明の携帯型電話機を子供に持たせておけば、子供を地域ぐるみで保護することができる。また、女性やお年寄りなども保護することができる。また、本発明の携帯型電話機は、警報信号を無線で四方八方に発信しているので、携帯型電話機の所有者に異常があった場合、いずれかの避難小屋の住人がその異常を確実に察知することになるので、より確実に子供の安全を確保することができる。
【0009】
ところで、一般の携帯型電話機では、基地局は携帯型電話機から受信した信号の感度を計測し、その計測結果を携帯型電話機に送信している。そして、携帯型電話機はその計測結果に基づいて発信する電波の電力を決めている。このようにすると、感度の良い地点では、電波を発信するための電力が少なくてすむので、携帯型電話機は電池の消耗を抑えることができるのである。そのための手段として、携帯型電話機は、第1通信手段として、信号を搬送波に載せて無線により発信する発信手段と、この発信手段に発信用電力を供給する電力供給手段と、この電力供給手段から発信手段に供給される電力量を調整する調整手段とを備えている。
【0010】
そこで、請求項2では、これらの携帯型電話機の手段を利用するため、警報信号発信手段は、異常検出手段が所有者の異常を検出したら、調整手段により予め定められた警報距離内に信号を発信可能な量の電力を電力供給手段から発信手段に供給し、発信手段はこの電力供給手段から供給される電力に基づいて警報信号を発信するよう構成するとよい。このようにすると、携帯型電話機が従来有している機能を有効活用して本願発明の携帯型電話機を構成できるので、従来の携帯型電話機にソフト的な改良を加えるだけの簡単な変更で、従来の携帯型電話機を、本願発明の携帯型電話機として利用することができる。
【0011】
次に、近年の携帯型電話機は、電話用の無線通信が可能な第1通信手段の他に、赤外線やブルートゥースなどの方法で、無線により外部と通信可能な第2通信手段を備えるものが多くなっている。そこで、請求項3に記載したように、当該携帯型電話機を所有する所有者の異常を検出する異常検出手段と、この異常検出手段が所有者の異常を検出したら、第2通信手段を用いて予め定められた警報距離内に警報信号を無線で発信する警報信号発信手段とを備えるよう構成してもよいことはもちろんである。
【0012】
この第2通信手段として用いる通信手段は、普及の現状から、請求項4に記載されたように、近距離無線通信(例えば Bluetooth(登録商標)やIEEE 802.11b等を用いた通信)を用いるのが好ましい。
【0013】
ところで、警報信号があまり遠くに届いても、子供を確認できるまでに時間がかかっては十分な保護ができない。
そこで、請求項5に記載したように、警報距離は、50m〜150mであることがこのましく、より好ましくは請求項6に記載したように、略100mである。
【0014】
警報信号としては、なるべく従来の通信方法によったほうが、従来の携帯型電話機を本願発明が適用された携帯型電話機として広く利用することができる。
そこで請求項7に記載されたように、警報信号は、電子メールに異常を検出するための警報情報を含ませ、この信号を送信するように構成することが好ましい。この場合、電子メール内のテキストデータとして、警報情報を組み込んでもよいし、従来の電子メールの貼付ファイルとして、警報情報を添付してもよい。
【0015】
異常検出手段としては、請求項8に記載したように、携帯型電話機の筐体に対し抜き差し可能な抜差ピンを備え、この抜差ピンが引き抜かれることを検出することをもって、所有者の異常を検出するようにしてもよい。このようにすると、従来用いられていた防犯ブザーのように、抜差ピンを抜くだけの簡単な操作で子供の異常を、子供のすぐそばにいる人たちに知らせることができ、また、避難小屋の人々も保護すべき子供が発見しやすいので、子供をより確実に保護することができる。
【0016】
ところで、携帯型電話機は基地局との交信で、未使用時にも、どの基地局と通信可能なエリアに位置するかを常に基地局側で判断している。そのため、子供を連れ去ろうとする者は、足がつくことを恐れ、子供の所有する携帯型電話機を捨てようとする。そこで異常検出手段としては、請求項9に記載したように、携帯型電話機が予め定められた異常検出距離内にあるとき、この携帯型電話機との間で無線通信可能な携帯型異常検出具を子供の服に縫い合わせるなどの方法によって常備させることによって、携帯型電話機が子供から離れたら警報信号を発信させるようにしてもよい。このようにすると、子供の連れ去りなどなんらかの異常が発生し、携帯型電話機が子供から離れたら、そのことを地域の人々がすばやく知ることができるので、目撃情報などが得やすく、子供の連れ去り事件等が発生しても、事件を早期に解決することができる。
【0017】
ところで、請求項10に記載したように、異常検出手段で所有者の異常が検出されたら、警報音を発するようにしてもよいことはもちろんである。
また、請求項11に記載したように、異常検出手段で所有者の異常が検出されたら、第1無線通信手段を用いてコールするようにしてもよい。コール先としては、例えば親の電話番号や近くの交番や近隣の避難小屋が好ましい。
【0018】
さらに、請求項12に記載したように、異常検出手段で所有者の異常が検出されたら、警報光を発するようにしてもよい。
次に、避難小屋をはじめとして、子供を保護するための地域には、請求項13に記載したように、携帯型電話機から警報信号を受信すると警報を発する警報受信器を設置する。警報の具体的手段としては、請求項14に記載したように、警報受信音を発するようにすればよいが、これに限られるものではない。
【0019】
上記携帯型電話機と、警報受信器とからなる請求項15に記載した警報システムを用いれば、子供や女性、お年寄りなどを地域ぐるみで保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
本実施形態の警報システムは、携帯型電話機と受信器とで構成される。
携帯型電話機は、子供や女性、お年寄りなど保護される対象となる者が所有し、受信器は地域の避難小屋となる家屋などに散点的に配置される。
【0021】
ここで、図1は本実施形態の警報システムで用いられる携帯型電話機の斜視図である。図2は本実施形態の警報システムで用いられる携帯型電話機及び受信器のブロック図である。図3は携帯型電話機で実行される処理のフローチャートである。図4は簡略的な地図で表した図面であって、警報システムで警報信号が発信される様子を説明するための説明図である。
【0022】
図1に示す通り、本実施形態の携帯型電話機1は、画像表示装置10、操作ボタン12、スピーカ14、マイク16、アンテナ18、抜差ピン20を備えている。
画像表示装置10は、本実施形態の携帯型電話機1で実行される各種処理によって指示される画像を表示する装置で、液晶式の装置である。
【0023】
操作ボタン12は、ダイヤルその他の操作をするためのボタンである。
スピーカ14は、通話時や着信時等に、音声や着信音等を発音可能なスピーカである。
マイク16は、通話時等に、人の音声を聞き取り可能なマイクである。
【0024】
アンテナ18は、電話回線網の基地局との間で通信される信号を受信したり、送信するためのアンテナである。
抜差ピン20は、携帯型電話機の筐体に対し抜き差し可能に形成されており、携帯型電話機の筐体にもこの抜差ピン20を挿抜可能な挿抜孔が形成されている。またこの抜差ピン20は、一方の先端を筐体に差すと、他端が筐体から1cmほど出た状態で筐体に差し込み可能な大きさに形成されている。
【0025】
また図2に示すとおり、本実施形態の警報システム9で用いられる携帯型電話機1は、中央制御装置30、電源32、調整器34、送信器36、受信器38、検出器40を備えている。
【0026】
中央制御装置30は、CPU、ROM、RAM等からなる一般的なコンピュータ装置で、操作ボタン12、スピーカ14、マイク16、アンテナ18、調整器34、送信器36、受信器38、検出器40とバスで結ばれ、後述する異常検出処理等、各種処理を実行する。
【0027】
電源32は、充電式の電池で、中央制御装置30をはじめとする各種装置に、動作用の電力を供給している。
調整器34は、送信器36が信号を発信する際の発信用電力を、中央制御装置30の支持により調整する装置である。
【0028】
送信器36は、電話用の音声や、メールに関する信号等、各種信号を電源32から供給された発信用電力により、電話回線網の基地局に無線通信する装置である。
受信器38は、電話回線網の基地局から発信された信号を受信する装置である。
【0029】
検出器40は、抜差ピン20が携帯型電話機の筐体から抜かれたことを検出して、中央制御装置30にその旨を伝える装置である。
本実施形態の警報システム9で用いられる受信器7は、中央制御装置70と、スピーカ72と、通信器74とからなる。
【0030】
中央制御装置70は、CPU、ROM、RAM等からなる一般的なコンピュータ装置で、スピーカ72、通信器74とバスで結ばれ、各種処理を実行する。
次に、携帯型電話機1で実行される異常検出処理について図3を用いて説明する。
【0031】
この異常検出処理S1は、携帯型電話機1の電源がONの間、常時実行され、まず、当該携帯型電話機1の所有者に異常が発生したか否かを判定する(S10)。この判定(S10)は、抜差ピン20が携帯型電話機1の筐体から引き抜かれたことを検出器40が検出し、その結果が中央制御装置30に入力されたか否かにより判定し、この判定(S10)で、異常が発生していない場合は(S10:NO)、この判定(S10)を繰り返し実行する。一方、この判定(S10)で、異常が発生したと判定した場合は(S10:YES)、S12の処理を実行する。
【0032】
S12の処理ではまず、中央制御装置30は、携帯型電話機の基地局から受信した感度情報により、この携帯型電話機1から発信された信号が基地局で受信可能な発信用電力を算出し、その発信用電力が電源32から送信器36に供給されるよう調整器34を調整する。一方で、携帯型電話機1の所有者に異常が発生したことを知らせる警報情報が貼付され、予め定められた親等が有するメールアドレスが宛先として指定された電子メールを作成する。そして、S12では、調整器34で上記のように調整された発信用電力で送信器36から上記電子メールを送信する処理が実行され、S14の処理が実行される。
【0033】
S14では、中央制御装置30は、携帯型電話機1から100m(警報距離)以内に電子メールが無線で届く発信用電力が電源32から送信器36に供給されるよう調整器34を調整する。一方で、携帯型電話機1を所有する所有者に異常が発生したことを知らせる警報情報が貼付され、予め定められたブロードキャスト用のメールアドレスが宛先として指定された電子メールを作成する。そして、S14では、調整器34で上記のように調整された発信用電力で送信器36から上記電子メールを送信する処理が実行され、S16の処理が実行される。
【0034】
S16では、中央制御装置30は、スピーカ14を介して、警報音を発する処理を実行し、S18の処理が実行される。
S18では、中央制御装置30は、警報が解除されたか否かが判定される。この判定は、抜差ピン20が再び携帯型電話機1に差し込まれたことを検出器40が検出したことにより判定される。そして、このS18の処理で、抜差ピン20が差し込まれたと判定されたら、再びS10の処理を実行し、抜差ピン20が差し込まれていないと判定された場合は、S14〜S18の処理を繰り返し実行する。
【0035】
この異常検出処理(S1)が実行され、S14の処理で携帯型電話機からブロードキャストされた電子メールを地域に配置された受信器7の通信器74が受信すると、スピーカ72から警報音が発せられる。
【0036】
この場合、図4の地図で説明すると、例えば、携帯型電話機1の所有者がαの点にいると、ここから100mの範囲に電子メールが届くので、aからgの避難小屋のうちc、d、eの避難小屋の受信器7から警報音が発せられる。
【0037】
以上説明した警報システム9を用いると、以下のような作用効果がある。
この携帯型電話機1は、抜差ピン20抜かれて所有者の異常を検出すると、警報信号を警報距離内に無線で発信するよう構成されているので、この警報信号を受信する受信器7を、上述したように避難小屋に相当する家等をはじめ地域に広く配置しておけば、警報信号が届く警報距離内に住む人々のうちいずれかが、携帯型電話機の所有者の異常を知ることになり、一部の避難小屋に留守であっても、その他の避難小屋の住人が、本実施形態の携帯型電話機1の所有者を保護することが可能となる。
【0038】
従って、本実施形態の携帯型電話機1を子供に持たせておけば、子供を地域ぐるみで保護することができる。また、女性やお年寄りなども保護することができる。また、本実施形態の携帯型電話機1は、警報信号が貼付された電子メールを無線で四方八方に発信しているので、携帯型電話機1の所有者に異常があった場合、いずれかの避難小屋の住人がその異常を確実に察知することになるので、より確実に子供の安全を確保することができる。
【0039】
また、本実施形態の携帯型電話機1では、携帯型電話機1が従来有している機能を有効活用して構成されているので、従来の携帯型電話機にソフト的な改良を加えるだけの簡単な変更で、従来の携帯型電話機を、本実施形態の携帯型電話機として利用することができる。
【0040】
さらに、本実施形態の携帯型電話機1では、抜差ピンが引き抜かれることを検出することをもって、所有者の異常を検出しているので、従来用いられていた防犯ブザーのように、抜差ピンを抜くだけの簡単な操作で子供の異常を、子供のすぐそばにいる人たちに、子供の危険を知らせることができ、また、避難小屋の人々も保護すべき子供が発見しやすいので、子供をより確実に保護することができる。
【0041】
以上本発明の一実施形態ついて説明したが、本発明はこの実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0042】
例えば、上記実施形態では、電話機能を用いて警報情報が貼付された電子メールを発信したが、近年の携帯型電話機は、ブルートゥースをはじめとする規格の無線LANに関する通信装置(本発明の第2通信手段に相当)が備えられているので、この通信装置を用いて上記電子メールを発信してもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、警報情報が貼付された電子メールを警報距離の100m内に発信したが、受信器7が設置されている密度によって可変してもよい。その場合、警報距離は50m〜150Mであることが好ましい。
【0044】
さらに、上記実施形態では、携帯型電話機1の所有者に異常が発生したときに、警報音を発していたが(S16)、携帯型電話機1の本体に発光装置を設け、異常を検出したら、この発光装置を発光させてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、抜差ピン20が携帯型電話機1の本体から抜かれたときに、携帯型電話機1の所有者に異常が発生していると判定しているが、この携帯型電話機1と無線により通信可能な携帯型異常検出具を備え、この携帯型異常検出具が、携帯型電話機1から予め定められた異常検出距離より離れ、携帯型電話機1と携帯型異常検出具とが無線通信できなくなったことを検出することをもって、携帯型電話機1の所有者に異常が発生したと判定してもよい。また、再び携帯型異常検出具が異常検出距離内に戻り、携帯型電話機1と携帯型異常検出具とが通信可能となったら、携帯型電話機1の所有者に異常が発生したという判定を解除するようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、携帯型電話機1の所有者に異常が発生したら、警報信号が貼付された電子メールを電話回線網を介して送信していたが、電話回線網を介して、予め定められた電話番号にコールを行ってもよい。
【0047】
また、本実施形態では、警報信号を電子メールに貼付したが、電子メール内のテキストデータとして、警報情報を組み込んでもよいことはもちろんである。
尚、本実施形態の抜差ピン20、検出器40、S10の処理は本発明の異常検出手段に相当し、S14の処理は、本発明の警報信号発信手段に相当する。電源32、調整器34、送信機36は、本発明の第1通信手段に相当し、そして電源32が電力供給手段、調整器34が調整手段、送信機36が発信手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施形態の警報システムで用いられる携帯型電話機の斜視図である。
【図2】本実施形態の警報システムで用いられる携帯型電話機及び受信器のブロック図である。
【図3】携帯型電話機で実行される処理のフローチャートである。
【図4】簡略的な地図で表した図面であって、警報システムで警報信号が発信される様子を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1…携帯型電話機、7…受信器、9…警報システム、10…画像表示装置、12…操作ボタン、14…スピーカ、16…マイク、18…アンテナ、20…抜差ピン、30…中央制御装置、32…電源、34…調整器、36…送信器、38…受信器、40…検出器、70…中央制御装置、72…スピーカ、74…通信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話回線網の基地局と電話用の無線通信が可能な第1通信手段を備える携帯型電話機において、
当該携帯型電話機を所有する所有者の異常を検出する異常検出手段と、
この異常検出手段が所有者の異常を検出したら、前記第1通信手段を用いて予め定められた警報距離内に警報信号を無線で発信する警報信号発信手段と
を備えることを特徴とする携帯型電話機。
【請求項2】
請求項1記載の携帯型電話機において、
前記第1通信手段は、
信号を搬送波に載せて無線により発信する発信手段と、
この発信手段に発信用電力を供給する電力供給手段と、
この電力供給手段から前記発信手段に供給される電力量を調整する調整手段とを備え、
前記警報信号発信手段は
前記異常検出手段が所有者の異常を検出したら、前記調整手段により予め定められた警報距離内に信号を発信可能な量の電力を前記電力供給手段から前記発信手段に供給し、前記発信手段はこの電力供給手段から供給される電力に基づいて前記警報信号を発信することを特徴とする携帯型電話機
【請求項3】
電話回線網の基地局と電話用の無線通信が可能な第1通信手段を備える携帯型電話機において、
無線により外部と通信可能な第2通信手段と、
当該携帯型電話機を所有する所有者の異常を検出する異常検出手段と、
この異常検出手段が所有者の異常を検出したら、前記第2通信手段を用いて予め定められた警報距離内に警報信号を無線で発信する警報信号発信手段と
を備えることを特徴とする携帯型電話機。
【請求項4】
前記第2通信手段は、近距離無線通信で用いられる通信手段であることを特徴とする請求項2,3のいずれかに記載の携帯型電話機
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の携帯型電話機において、
前記警報距離は、50m〜150mであることを特徴とする携帯型電話機。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯型電話機において、
前記警報距離は、略100mであることを特徴とする携帯型電話機。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の携帯型電話機において、
前記警報信号は、電子メールに異常を検出するための警報情報を含む信号であることを特徴とする携帯型電話機。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の携帯型電話機において、
前記異常検出手段は、当該携帯型電話機の筐体に対し抜き差し可能な抜差ピンを備え、この抜差ピンが引き抜かれることを検出することをもって、前記所有者の異常を検出する手段であることを特徴とする携帯型電話機。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の携帯型電話機において、
前記異常検出手段は、当該携帯型電話機が予め定められた異常検出距離内にあるとき無線通信可能な携帯型異常検出具を備え、この携帯型異常検出具と無線通信できなくなったことを検出することをもって、前記所有者の異常を検出する手段であることを特徴とする携帯型電話機。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の携帯型電話機において、
前記異常検出手段で前記所有者の異常が検出されたら、警報音を発する警報音発生手段を備えることを特徴とする携帯型電話機。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の携帯型電話機において、
前記異常検出手段で前記所有者の異常が検出されたら、前記第1無線通信手段を用いてコールする警報コール手段を備えることを特徴とする携帯型電話機。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の携帯型電話機において、
前記異常検出手段で前記所有者の異常が検出されたら、警報光を発する警報光発生手段を備えることを特徴とする携帯型電話機。
【請求項13】
請求項1〜12記載の携帯型電話機から前記警報信号を受信すると警報を発することを特徴とする警報受信器。
【請求項14】
請求項13記載の警報受信器は、前記警報信号を受信したことを知らせる警報受信音を発することを特徴とする警報受信器。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載の携帯型電話機と、
この携帯型電話機から警報信号を受信すると警報を発する警報受信器と
を備えることを特徴とする警報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−195824(P2006−195824A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−8010(P2005−8010)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(399031827)エイディシーテクノロジー株式会社 (163)
【出願人】(598136909)有限会社カイドーカンパニー (3)
【Fターム(参考)】