携帯端末装置
【課題】目的位置までの経路を分かり易く表示することができる携帯端末装置1を提供する。
【解決手段】携帯端末装置1は、背後にある風景を見通し可能なシースルー状態に設定され得る表示部13と、表示部13を制御する表示制御部100と、目的位置を記憶する記憶部101と、現在位置を取得する位置取得部100と、目的位置と現在位置とを比較する比較部100とを備える。ここで、表示制御部100は、比較部の比較結果に応じて、目的位置を示す情報を表示部13に表示させ、表示部13における目的位置を示す情報以外の表示領域をシースルー状態に設定する。
【解決手段】携帯端末装置1は、背後にある風景を見通し可能なシースルー状態に設定され得る表示部13と、表示部13を制御する表示制御部100と、目的位置を記憶する記憶部101と、現在位置を取得する位置取得部100と、目的位置と現在位置とを比較する比較部100とを備える。ここで、表示制御部100は、比較部の比較結果に応じて、目的位置を示す情報を表示部13に表示させ、表示部13における目的位置を示す情報以外の表示領域をシースルー状態に設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、現在位置から目的位置までの経路を地図上に表示するナビゲーション機能が設けられた携帯端末装置が知られている。この種の携帯端末装置では、現在位置からランドマークまでの経路が示された地図が表示されると共に、ユーザが向いている方向が地図上に示される。(たとえば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−145385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術では、地図は2次元で表わされており、地図上にはユーザの頭上から見た道や建物などの配置が示されている。これに対し、ユーザは、水平な方向を見ていることが多い。この場合、ユーザが見ている方向と地図が表示している方向とが異なっていると、ユーザは、自身が見ている風景と地図の表示とを見比べながら、これらの相対関係を理解しなければならない。このため、ユーザは、自身の位置および方向を把握しなければならず、経路が示す方向をすぐに判断することが困難である。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、目的位置までの経路を分かり易く表示することができる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の主たる態様に係る携帯端末装置は、背後にある風景を見通し可能なシースルー状態に設定され得る表示部と、前記表示部を制御する表示制御部と、目的位置を記憶する記憶部と、現在位置を取得する位置取得部と、前記目的位置と前記現在位置とを比較する比較部とを備える。ここで、前記表示制御部は、前記比較部の比較結果に応じて、前記目的位置を示す情報を前記表示部に表示させ、前記表示部における前記目的位置を示す情報以外の表示領域を前記シースルー状態に設定する。
【0007】
本態様に係る携帯端末装置によれば、目的位置を示す情報が表示部に表示され、目的位置を示す情報以外の表示領域がシースルー状態に設定される。ユーザは、シースルー状態の表示部を通して周囲の風景を見ると、ユーザが見ている方向に目的位置を示す情報が表示される。このため、ユーザは、周囲の風景と目的位置を示す情報を重ねて一体的に見ることができ、目的位置を簡単に把握することができる。
【0008】
本発明の携帯端末装置は、前記現在位置から前記目的位置への方向を求める方向取得部をさらに備え得る。この場合、前記表示制御部は、前記方向取得部により求められた方向に基づいて、前記目的位置への向きを示す画像を前記目的位置を示す情報として前記表示部に表示させ、前記表示部における前記目的位置を示す情報以外の表示領域を前記シースルー状態に設定する。
【0009】
このような構成とすれば、ユーザは、シースルー状態の表示部を通して見える周囲を見
ながら、表示部に示された方向に従って簡単に目的位置に向かうことができる。
【0010】
本発明の携帯端末装置は、前記表示部の傾きを検出するための傾き検出部と、前記傾き検出部の出力に基づいて、前記表示部の背面が下を向く状態にあるか否かを判断する判断部と、ユーザにより前記表示部が指示されたことをを検出する指示検出部と、前記目的位置を登録する登録部と、をさらに備え得る。この場合、前記位置取得部は、前記表示部の背面が下を向く状態で、前記表示部が指示されたことが検出されると、現在位置を取得する。そして、前記登録部は、前記位置取得部が取得した前記現在位置を前記目的位置として登録する。
【0011】
このような構成とすれば、ユーザは、シースルー状態の表示部を通して実際の目的位置を見ながら、目的位置に対応する表示部上の位置を入力する。これにより、現在位置が目的位置として登録されるため、ユーザは、直観的に目的位置を指示して、目的位置を登録することができる。
【0012】
この場合、さらに、前記指示検出部は、ユーザにより示された前記表示部上の位置を検出するよう構成され得る。この場合、前記表示制御部は、前記指示検出部が検出した前記表示部上の位置に前記目的位置を示す情報を表示させ、前記表示部における前記目的位置を示す情報以外の表示領域を前記シースルー状態に設定するような構成とされ得る。
【0013】
このような構成とすれば、表示部に目的位置を示す情報が表示されることにより、ユーザは目的位置が設定されたことを容易に把握できる。なお、ユーザが指差した位置に目的位置を示す情報として、ピン型のマークを表示するようにすれば、まるでユーザは目的位置にピンを刺したかのように感じることができる。
【0014】
さらに、この場合、前記表示制御部は、前記表示部の背面が下を向く状態において、前記位置取得部により取得された前記現在位置が、前記登録部に登録された前記目的位置と一致すると、前記表示部に前記目的位置を示す情報を表示させ、前記表示部における前記目的位置を示す情報以外の表示領域を前記シースルー状態に設定するような構成とされ得る。
【0015】
このような構成とすれば、ユーザは、表示部の背面を地面に向け、シースルー状態の表示部を通して実際の目的位置を見ることができる。
【0016】
本発明の携帯端末装置は、第1ユニットと、前記第1ユニットが重なる第1位置と前記第1ユニットの横に並ぶ第2位置に移動可能な第2ユニットと、を備え得る。ここで、前記表示部は、前記シースルー状態に設定される第1表示部と、前記シースルー状態に設定されない第2表示部とを有し、前記第1表示部は、前記第1ユニットに設定され、前記第2表示部は、前記第2ユニットに設定される。
【0017】
この場合、前記表示部制御は、前記第2ユニットが前記第2位置に位置づけられた状態で、前記第1表示部に前記目的位置を示す情報を表示するとともに、前記第1表示部の前記目的位置を示す情報以外の表示部を前記シースルー状態に設定し、前記第2表示部に地図情報を表示し得る。
【0018】
このような構成とすれば、第1表示部および第2表示部に表示された両方の情報により目的位置を多角的に見ることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のとおり、本発明によれば、目的位置までの経路を分かり易く表示することができ
る携帯端末装置を提供することができる。
【0020】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態に係る携帯端末装置の全体を示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係る携帯端末装置を示す断面図である。
【図3】実施の形態に係る携帯端末装置の動作を説明するための斜視図である。
【図4】実施の形態に係る携帯端末装置の回路を示すブロック図である。
【図5】実施の形態に係るポイント情報データベースである。
【図6】実施の形態に係るポイント情報を設定する処理手順を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態に係るポイント情報を設定している状態を示す図である。
【図8】実施の形態に係るポイント情報を表示する処理手順を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係るポイント情報を表示する処理手順を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態に係るポイント情報を表示する処理手順を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態に係る進行方向の矢印を表示している状態を示す図である。
【図12】実施の形態に係る進行方向の矢印を表示している状態を示す図である。
【図13】実施の形態に係る進行方向の矢印を表示している状態を示す図である。
【図14】実施の形態に係るポイントマークを表示している状態を示す図である。
【図15】実施の形態に係る進行方向の矢印を表示している状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図を参照して、本実施の形態に係る携帯端末装置1について説明する。
【0023】
<携帯端末装置1の構成>
図1(a)は、第1ユニット10を第2ユニット20に重ねた状態を示す、携帯端末装置1を見た斜視図である。図1(b)は、第1ユニット10と第2ユニット20とを並べた状態を示す、携帯端末装置1を見た斜視図である。図2(a)は、図1(a)のA−A’線における断面図である。図2(b)は、図1(a)のB−B’線における断面図である。
【0024】
携帯端末装置1は、携帯電話機、PDA、携帯ゲーム機など近距離無線通信機能を有する、持ち運び可能なコンピュータである。携帯端末装置1は、第1ユニット10および第2ユニット20を備える。
【0025】
第1ユニット10は、第2ユニット20の上に重ねられ、第2ユニット20に対してスライド可能である。第1ユニット10は、第1底部11を備える。
【0026】
第1底部11は、長方形状であり、ポリカーボネートやアクリルなどの透明樹脂により射出成型で形成される。第1底部11には、2つの底貫通孔11aが互いに間隔を隔てて設けられる。底貫通孔11aは、細長く、第1ユニット10がスライドする方向に延びる。底貫通孔11aには、スライド部12が嵌められている。
【0027】
スライド部12は、細長い部材の本体部分を有する。本体部分は、底貫通孔11aに嵌
められ、後述する第2蓋部27より上方に配置される。スライド部12は、本体部分の中間部に挿入孔12aを有し、本体部分の端部に係止部12bを有する。係止部12bは、底貫通孔11aおよび後述するガイド孔27aを通り、第2蓋部27の中に突き出る。係止部12bには、貫通孔12cが形成されている。貫通孔12cは、本体部分の上面から係止部12bの側面へ貫いて、第1ユニット10と第2ユニット20の中とを連結している。2つのスライド部12の間で第1底部11の上に、第1表示部13が配置されている。
【0028】
第1表示部13は、長方形の平板形状であって、たとえば、透明な液晶表示器により構成される。液晶表示器は、液晶パネルを含み、液晶パネルの背後にバックライトが配されていない。液晶パネルは、表示モードがノーマリーホワイトである。液晶パネルは、2枚の透明板(図示せず)の間に透明液晶(図示せず)および透明電極(図示せず)が挟まれて構成される。第1表示部13の端に電極13aが設けられ、第1表示部13の上に第1入力部14が重ねられている。
【0029】
電極13aは、透明な液晶表示器と配線15とを接続する。配線15には、フレキシブル基板が用いられる。配線15は、係止部12bの貫通孔12cを通り、第2蓋部27の中へ抜ける。
【0030】
第1入力部14には、ユーザによる接触の存在および位置を検出するタッチセンサなどが用いられる。タッチセンサは、透明な長方形状のシートであり、マトリクス状に2つの透明電極(図示せず)が組み込まれている。第1入力部14の配線は、第1表示部13の配線15と同様に、係止部12bの貫通孔12cを通り、第2蓋部27の中に導かれる。
【0031】
第1蓋部16は、第1入力部14を覆うように、第1底部11の上に載せられる。第1蓋部16は、ポリカーボネートやアクリルなどの透明樹脂を材料として射出成型により形成される。第1蓋部16には、第1表示面16bが形成され、第1表示面16bは、第1表示部13または第2表示部25に重なる範囲に位置する。また、第1蓋部16には、2つの蓋貫通孔16aが設けられる。蓋貫通孔16aは、底貫通孔11aの上に設けられ、蓋貫通孔16aに被覆部17が嵌められる。
【0032】
被覆部17は、不透明な樹脂を材料として射出成型により形成される。被覆部17は、底貫通孔11aの中に納まるスライド部12を覆う。被覆部17にはネジ孔17aが設けられている。ネジ孔17aとスライド部12の挿入孔12aとにビス18が嵌られることにより、スライド部12および被覆部17が縦方向に接続される。
【0033】
スライド部12および被覆部17が接続されることにより、第1蓋部16と第1底部11とが固定され、第1ユニット10が組み立てられる。
【0034】
第2ユニット20は、第2底部21を備える。第2底部21は、長方形状であり、第1蓋部16とほぼ同じ大きさである。第2底部21の中には支持部21aが設けられる。支持部21aは、細長い突条部であって、第1ユニット10がスライドする方向に延びる。支持部21aの上に、受部26が配置されている。
【0035】
受部26は、底板および側板を有し、第1ユニット10がスライドする方向に延びる。受部26は、ガイド孔27aの下に配置され、ガイド孔27aから突き出た係止部12bに添えられる。
【0036】
電池22は、第2底部21の中に配置され、電池22の上に基板23が重ねられている。基板23の表面にはコネクタ23aと、CPUやメモリなどの電子部品(図示せず)と
が配される。コネクタ23aおよび電子部品の間が配線(図示せず)で接続される。また、電池22の横にコネクタ22aが設けられている。コネクタ22aには、基板23および電池22が接続されるとともに、第1表示部13の配線15および第1入力部14の配線が接続される。基板23の上に、第2表示部25が積み重ねられる。
【0037】
第2表示部25は、たとえば、透明でない液晶表示器で構成される。液晶表示器は、液晶パネル25aと、液晶パネル25aを照明するための照明部とを有する。液晶パネル25aは、2枚の透明板(図示せず)の間に透明液晶(図示せず)および透明電極(図示せず)が挟まれて構成される。照明部は、導光板25bおよび発光部25cを含む。導光板25bは、発光部25cからの光を第2表示部25に導くように、発光部25cの横で、かつ液晶パネル25aの下に配置される。液晶パネル25aの上に、第2入力部24が積み重ねられる。
【0038】
第2入力部24は、たとえば、タッチセンサが用いられる。タッチセンサは、透明な長方形状のシートである。タッチセンサには、マトリクス状に2つの透明電極(図示せず)が組み込まれ、透明電極に配線(図示せず)が接続される。
【0039】
発光部25c、液晶パネル25aおよび第2入力部24にはそれぞれ配線(図示せず)が配され、これらの配線は基板23に接続される。
【0040】
第2蓋部27は、第2底部21に連結されて、第2ユニット20を形成する。第2蓋部27の中央には、透明な表示窓が形成されている。表示窓は、第2表示面27bであって、第2表示部25に平行に設けられ、第2表示部に重なる範囲に位置する。また、第2蓋部27には、2つのガイド孔27aが互いに間隔を隔てて設けられる。ガイド孔27aを通る係止部12bが、ガイド孔27aを囲む第2蓋部27の縁に係止されることにより、第1ユニット10と第2ユニット20が連結される。
【0041】
<携帯端末装置1の動作>
図3(a)は、第1ユニット10および第2ユニット20が重ねられた時の配線15を示す斜視図である。図3(b)は、第1ユニット10および第2ユニット20が並べられた時の配線15を示す斜視図である。なお、図3(a)および図3(b)において、配線15の様子がわかりやすいように、第1蓋部16などの一部の部品が実線で表わされている。
【0042】
図1(a)のように、携帯端末装置1が畳まれ、第1ユニット10が第2ユニット20に重なった状態では、第1表示面16bが外部に現れ、第2表示面27bが第1ユニット10の下に隠れる。以下、この携帯端末装置1の状態を閉状態といい、表示形態を第1形態という。
【0043】
第1形態では、図3(a)に示すように、スライド部12の係止部12bが、ガイド孔27aの一方端、即ち、基板23のコネクタ23aの近傍に位置する。配線15は、係止部12bの貫通孔12cから受部26に沿って延び、途中で折れ曲がり、受部26に沿いながら貫通孔12cの方に戻り、コネクタ23aに接続される。
【0044】
一方、図1(b)に示すように、携帯端末装置1が広げられ、第1ユニット10が第2ユニット20の側方に引き出されると、第1表示面16bおよび第2表示面27bの両方が外部に現れる。このとき、第1ユニット10の端部が第2表示面27bの端部にわずかに重なり、第1表示面16bと第2表示面27bが隙間のない状態で横に並ぶ。以下。この携帯端末装置1の状態を開状態といい、表示形態を第2形態という。
【0045】
第2形態では、図3(b)に示すように、スライド部12の係止部12bがガイド孔27aの一方端から他方端へ移動し、ガイド孔27aが開口する。係止部12bが基板23のコネクタ23aの位置から遠ざかり、配線15は、係止部12bの貫通孔12cから基板23のコネクタ23aへ直線状に延びる。
【0046】
なお、第1形態と第2形態とに切り替わることで、第2ユニット20は、第1形態における第1ユニット10に重なる第1位置と、第2形態における第1ユニット10の横に並ぶ第2位置とを、移動する。
【0047】
<携帯端末装置1の回路>
図4は、携帯端末装置1の回路のブロック図を示す。
【0048】
本実施の形態の携帯端末装置1は、上述した各構成要素の他、CPU100、メモリ101、通信モジュール102、開閉センサ103、測位部104、方位センサ105、加速度センサ106およびクロック107を備えている。
【0049】
第1表示部13および第2表示部25は、CPU100から映像信号を受ける。これら映像信号に基づいて各表示部13、25の透明電極に電圧が加えられることで、液晶の配向が変化し、液晶を通過する光が変調される。これにより、各表示部13、25は、アイコンやキーボードなどの図、写真、文字、絵およびウインドウなどの画像を表示する。第1表示部13により表示された画像は、透明な第1入力部14を介して第1蓋部16の第1表示面16bに映し出される。第2表示部25により表示された画像は、透明な第2入力部24を介して第2蓋部27の第2表示面27bに映し出される。ただし、第1形態において、第1表示部13が透明な状態であれば、第2表示部25により表示された画像は、透明な第1表示部13を介して第1表示面16bに映し出される。このため、第1表示面16bには、第1表示部13による画像または第2表示部25による画像が表示される。
【0050】
また、第1表示部13では、電圧が加えられていない表示領域において、透過率が最大となり、光が透過する。ここで、第1表示部13を挟む第1蓋部16、第1入力部14および第1底部が透明であるため、第1表示部13において光が透過する表示領域は、透明または半透明になっており、第1表示部13の背後にある風景を見通し可能なシースルー状態になる。
【0051】
第2表示部25の発光部25cには、CPU100からの制御信号により、電池22からの電力が供給される。これにより、発光部25cが発光する。発光した光は、導光板25bの側面から導光板25bに入射し、導光板25bの内部で反射しながら、光の一部が導光板25bの表面から液晶パネル25a側に出る。これにより、導光板25bの全体から光が均一に発せられ、液晶パネル25aへ光が照射される。これにより、第2表示面27bに表示される画像が視認可能になる。なお、第1表示部13には発光部25cが設けられていないが、第1表示部13の液晶パネル25aは、第1形態では外光により照らされて、第2形態では第2表示部25からの光により照らされる。これにより、第1表示面16bに表示される画像が視認可能にある。
【0052】
第1入力部14は、透明電極間の静電容量の変化を検出する。これによって、ユーザの指などが第1表示面16bにおいて触れた位置において静電容量が変化すると、第1入力部14は、ユーザの接触位置に応じた信号をCPU100に出力する。これにより、ユーザが第1表示面16bに対して示した位置を検出できる。なお、第2形態においては、第1表示部13により表示される画像が第1表示面16bに映し出されるため、第1入力部14は、第1表示部13の画像に対して示された位置を検出する。第1形態において、第
1表示面16bに第1表示部13による画像が表示されている場合には、第1入力部14は、第1表示部13による画像に対して示された位置を検出する。一方、第1形態において、第1表示部13が透明であって、第1表示面16bに第2表示部25による画像が表示されている場合には、第1入力部14は、第2表示部25による画像に対して示された位置を検出する。
【0053】
第2入力部24は、第1入力部14と同様に、ユーザの指などが第2表示面27bにおいて触れた位置に応じた信号をCPU100に出力する。これにより、ユーザが第2表示面27bに対して示した位置を検出できる。なお、第1形態および第2形態のどちらにおいても、第2表示面27bには第2表示部25により表示される画像が映し出されるため、第2入力部24は、第2表示部25の画像に対して示された位置を検出する。
【0054】
電池22は、CPU100からの制御信号を受けて、制御信号に応じて電力をCPU100や各表示部13、25および各入力部14、24などに供給する。
【0055】
メモリ101は、ROMおよびRAMを含む記憶部である。メモリ101には、CPU100に制御機能を付与するための制御プログラムが記憶されている。また、メモリ101には、テキスト情報、画像情報および音響情報が所定のファイル形式で記憶されている。さらに、メモリ101には、各表示面16b、27bに表示されているアイコンなどの画像と、アイコンなどが表示されている位置とが対応付けられて記憶されている。また、メモリ101には、図5に示すポイント情報データベースが記憶されている。ポイント情報データベースには、ポイント位置の経度および緯度、ポイント位置を設定した日時、およびポイント位置におけるコメントが含まれる。
【0056】
通信モジュール102は、CPU100からの音声信号や映像信号、テキスト信号などを無線信号に変換し、アンテナを介して基地局へ送信する。また、通信モジュール102は、受信した無線信号を音声信号や映像信号、テキスト信号などに変換してCPU100へ出力する。
【0057】
開閉センサ103は第1形態において磁石に近接する位置に配置され、磁石は係止部12bの近傍に配置される。開閉センサ103は、配線により基板23に接続され、基板23のCPU100との間で信号を送受信する。第1形態において磁石が開閉センサ103の近傍に存在する場合、開閉センサ103は、磁石の磁界を検出し、閉である旨の検出信号をCPU100に出力する。反対に、第2形態において磁石が開閉センサ103から離れている場合、開閉センサ103は、磁石の磁界を検出せず、閉である旨の検出信号をCPU100に出力しない。
【0058】
測位部104は、GPS衛星からの信号などを受け取り、この信号から位置を求め、位置に応じた信号をCPU100へ出力する。
【0059】
加速度センサ106は、図1(a)のZ軸方向に生じる重力加速度を検出し、重力加速度により第1表示部13の傾きを検出するための傾き検出部である。加速度センサ106は、第1表示部13の背面が水平であって鉛直方向の上側を向いている場合に、重力加速度が+1Gになり、また、第1表示部13の背面が水平であって鉛直方向の下側を向いている場合に、重力加速度が−1Gになるように、配置される。加速度センサ106は、検出した加速度に応じた加速度信号をCPU100へ出力する。ここでは、Z軸方向は、第1表示面16bの法線方向を示す。また、第1表示部13は正面および背面を有し、第1表示部13の正面は第1表示面16bに面する。よって、第1表示部13の背面が鉛直方向の下側を向くと、第1表示面16bは、鉛直方向の上側を向く。このとき、ユーザが、第1表示面16bと向かい合い、第1表示面16bおよび第1表示部13を通して、第1
表示部13の背後にある風景、つまりユーザの足元にある地面を見る。
【0060】
方位センサ105は方位検出部であって、検出した方位に応じた信号をCPU100へ出力する。方位センサ105には地磁気センサやジャイロセンサなどが用いられる。方位センサ105は、第1方位センサおよび第2方位センサを含む。第1方位センサは、第1表示部13が立てられた状態で、第1表示部13の背面が向いている方位(以下、「背面方位」と言う。)を検出する。なお、背面方位は、図1(a)の−Z軸方向の方位を示す。また、第2方位センサは、第1表示部13が寝かされた状態で、第1表示部13の第1端部が向いている方位(以下、「端部方位」と言う。)を検出する。なお、第1表示部13は、第1端部および第2端部を含む。第1端部および第2端部は、第1ユニット10が第2ユニット20に対してスライドする方向と直交する。携帯端末装置1を第2形態にした状態で、第1端部は、第2端部に比べて第2ユニット20から遠い側に位置する。端部方位は、図1(a)の+X軸方向の方位を示す。
【0061】
クロック107は、日時を計測し、日時情報をCPU100へ出力する。
【0062】
CPU100は、表示部を制御する表示制御部として、各表示部13、25により画像を表示させたり、第1表示部13をシースルー状態に設定したり、第2表示部25の照明を点灯したりする。
【0063】
すなわち、CPU100は、メモリ101から読み出したり、通信モジュール102を経由して受信したりして、テキスト情報および画像情報を取得する。CPU100は、これらの情報を映像信号として第1表示部13および第2表示部25のそれぞれに出力し、各表示面16b、27bに画像を表示させる。たとえば、CPU100は、進行方向を示す矢印、目的位置を示すポイントマークPM、および目的位置で設定された日付やコメントなどのポイント情報を目的位置を示す情報として第1表示部13により第1表示面16bに表示させる。
【0064】
また、CPU100は、電池22から第1表示部13に供給される電力を調整する制御信号を出力することにより、透明電極に加えられる電圧を制御し、第1表示部13の透過率を変化させる。これにより、CPU100は、第1表示面16bにおいて画像が表示されている表示領域以外の表示領域をシースルー状態に設定する。
【0065】
さらに、CPU100は、画像を第2表示部25に表示させる際に、電池22から発光部25cに電力を供給させ、発光部25cを発光させる。
【0066】
CPU100は、位置取得部として、測位部104から位置に応じた信号を受け取り、携帯端末装置1の現在位置を求める。位置としては、緯度および経度など、地球上の地点を表わす座標である。
【0067】
CPU100は、方向取得部であって、後述するように、現在位置から目的位置への方向および現在位置から目的位置への進行方向を求める。
【0068】
CPU100は、判断部として、加速度センサ106からの加速度信号を受け、第1表示部13の背面が下を向いているかを判断する。なお、第1表示部13の背面の向きの判断において重力加速度−1Gから許容範囲:αGを設けることができる。このため、重力加速度が所定閾値:(−1+α)G以下であれば、第1表示部13の背面が下を向いていると判断部は判断する。
【0069】
CPU100は、登録部であって、位置取得部からの位置、クロック107からの日時
、第2入力部24からの情報などをポイント情報データベースに登録する。
【0070】
CPU100は、現在位置およびポイント位置など含む要求を通信モジュール102を介して地図サーバなどに送信する。CPU100は、この要求に応じて地図サーバから配信された地図情報を通信モジュール102を介して受信し、地図を第2表示部25に表示させる。なお、地図情報は、地図の画像を表示するための情報、および地図上の座標と地球上の座標とを対応させる情報を含む。地図の画像を表示するための情報は、地図の画像情報であってもよいし、地図を構成するデータであってもよい。地図を構成するデータの場合、地図を表示するための専用プログラムが携帯端末装置1に予めインストールされており、専用プログラムが地図を構成するデータを地図の画像情報に変換することで、地図が表示部によって表示される。また、地図は、現在位置およびポイント位置を含む範囲の画像である。
【0071】
<携帯端末装置1の機能>
図6は、ポイント情報を設定する処理手順を示すフローチャートである。図7は、ポイント情報を設定している状態を示す。
【0072】
CPU100は、第1表示面16bまたは第2表示面27bに操作メニューを表示する。ユーザは、操作メニューの中からポイント情報設定のアイコンの位置をタッチすると、ポイント情報を設定するための機能が選択されて、この制御プログラムが起動する。
【0073】
まず、CPU100は、携帯端末装置1が第2形態であるか否かを判断する(S101)。ここで、開閉センサ103からの閉である旨の検出信号が入力されていれば、CPU100は、携帯端末装置1が閉状態であって、この表示形態が第1形態を採り、第2形態でないと判断する(S101:NO)。そして、CPU100は、メモリ101から所定のメッセージ情報を読み取り、「携帯端末装置1を開いてください。」などのメッセージを第1表示面16bに表示する(S102)。メッセージにより、携帯端末装置1が第2形態を採るように、ユーザに促される。
【0074】
一方、開閉センサ103からの検出信号が入力されていなければ、CPU100は、携帯端末装置1が開状態であって、この表示形態が第2形態であると判断する(S101:YES)。そして、CPU100は、第1表示部13を透明にして、第1表示面16bをシースルー状態に設定する(S103)。これにより、第2形態の携帯端末装置1では、第1ユニット10の下に何も重なっていないため、第1表示面16bから背後の風景を見ることができる状態になる。
【0075】
CPU100は、加速度センサ106から重力加速度を取得する(S104)。CPU100は、重力加速度と予め定められた閾値:(−1+α)Gとを比較して、比較結果から第1表示部13の背面が下を向いているか否かを判断する(S105)。すなわち、重力加速度が所定の閾値より大きければ、CPU100は、第1表示部13の背面が下向きでないと判断する(S105:NO)。この場合、CPU100は、メモリ101から所定のメッセージ情報を読み出し、「表示部を下に向けてください。」などのメッセージを第1表示面16bに表示する(S106)。これにより、ユーザに第1表示部13の背面を下に向けるように促す。
【0076】
一方、重力加速度が所定の閾値以下であれば、CPU100は、第1表示部13の背面が下向きであると判断する(S105:YES)。この場合、第1表示部13の背面を下に向けたユーザは、シースルー状態の第1表示面16bを通して、地面を見ながら、ポイントを設定する位置を探すことができる。ポイント位置が決まれば、ユーザは、第1表示面16bの中央をポイントの設定位置に合わせて、第1表示面16bの中央をタッチして
、ポイント位置を入力する。これにより、CPU100は、入力部から位置信号を受けて、位置入力があったと判断する(S107:YES)。
【0077】
ポイント位置が設定されると、CPU100は、位置:緯度および軽度、たとえば、緯度35度63分、経度139度88分を測位部104から取得して、位置をポイント位置として図5に示すポイント情報データベースに格納する。また、CPU100は、日時、たとえば、2010年8月2日をクロック107から取得して、日時をポイント位置に対応させてポイント情報データベースに格納する(S108)。なお、日時は、携帯端末装置1内のクロック107からの日時データに代えて、携帯端末装置1に接続されるネットワークからの日時データであってもよい。
【0078】
図7に示すように、CPU100は、第1表示面16bにコメント欄を表示し、第1表示面16bの中央にピンの形をしたポイントマークPMを表示する(S109)。また、CPU100は、第2表示面27bにソフトウェアのキーボードをコメント入力用として表示する(S110)。ここで、ユーザは、第2表示面27bのキーボード位置をタッチしながら、文字を入力する。文字入力に伴い、CPU100は、入力部から文字を受け、文字をコメント欄に表示する。また、入力された文字が確定されると、CPU100は、文字をポイント情報データベースのコメントに格納する(S110)。これにより、ポイント情報データベースに、緯度、経度、日時およびコメントが対応付けられて、ポイント情報として入力される。
【0079】
図8〜図10は、ポイントマークPMにより登録した地点へユーザを案内するための表示に係る処理手順を示すフローチャートである。図11および図12は、第1表示面16bを通して水平方向を見たときに、ポイント位置の方向を示す進行方向の矢印DAを第1表示面16bに表示した状態を示す。図13は、第1表示面16bを通して真下を見たときに、進行方向の矢印DAを第1表示面16bに表示した状態を示す。図14は、第1表示面16bを通して真下を見たときに、ポイント位置を示すポイントマークPMを第1表示面16bに表示した状態を示す。
【0080】
CPU100は、1表示領域16bまたは第2表示面27bに操作メニューを表示する。ユーザは、操作メニューの中からポイント表示のアイコンの位置をタッチすると、ポイントマークPMにより登録した地点へユーザを案内するための機能が選択されて、この制御プログラムが起動する。
【0081】
CPU100は、携帯端末装置1が第2形態であるか否かを判断する(S201)。CPU100は、開閉センサ103から検出信号を受けていれば、携帯端末装置1が第2形態でないと判断する(S201:NO)。そして、CPU100は、メモリ101から所定のメッセージ情報を読み出し、携帯端末装置1を第1形態から第2形態に変えるようにユーザに対して促すメッセージを第2表示面27bに表示する(S202)。
【0082】
CPU100は、開閉センサ103から検出信号が受けていなければ、携帯端末装置1が第2形態であると判断する(S201:YES)。第2形態では第1ユニット10に何も重なっていないため、第1ユニット10を通して背後の景色が見えるように、CPU100は、第1表示部13を透明にして、第1表示面16bをシースルー状態に設定する(S203)。
【0083】
CPU100は、測位部104から現在位置の緯度および経度を取得する(S204)。そして、CPU100は、現在位置の緯度および経度と、ポイント情報データベースのポイント位置の緯度および経度とを比較部として比較し、現在位置から一定範囲内にあるポイント位置を検索する(S205)。なお、一定範囲は、予め定められた範囲であって
もよいし、ユーザが任意に設定した表示領域であってもよい。
【0084】
検索の結果、現在位置から一定範囲内にあるポイント位置がなければ、CPU100は、現在位置のポイント位置が無いと判断する(S206:NO)。このため、CPU100は、メモリ101から所定のメッセージを読み出し、「周囲にポイント位置がありません。」などのメッセージを第1表示面16bに表示する。
【0085】
一方、現在位置から一定範囲内にあるポイント位置があれば、CPU100は、現在位置の周囲にポイント位置があると判断し、(S206:YES)検索されたポイント位置を目的位置に設定する。ここで、複数のポイント位置が検索された場合、複数のポイント位置から1つ選択して、このポイント位置を目的位置に設定する。たとえば、CPU100が、現在位置から最も近いポイント位置を求めて、このポイント位置を目的位置とすることもできる。また、検索された複数のポイント位置が地図やリストなどの形式で各表示面16b、27bに表示されて、ユーザがこの中から目的位置を選択することもできる。
【0086】
CPU100は、現在位置および目的位置を地図サーバに送信して、これに応じた地図情報を地図サーバから受信する。CPU100は、地図情報に含まれる地図上の座標と地球上の座標とを対応させる情報を基に、現在位置および目的位置の緯度・経度を地図上の座標に変換させる。そして、図14に示すように、CPU100は、地図、現在位置を示す現在地マーク、目的位置を示す目的地マークを第2表示面27bに表示する(S208)。なお、地図上に、現在地マークが▲で示され、目的地マークが●で示される。
【0087】
CPU100は、現在位置と目的位置とを比較して、現在位置が目的位置であるか否かを判断する(S209)。ここで、現在位置と目的位置とが異なれば、CPU100は、現在位置が目的位置でないと判断する(S209:NO)。現在位置から目的位置へユーザを導くために、進行方向を示す。
【0088】
まず、CPU100は、加速度センサ106から重力加速度を得る(S210)。CPU100は、重力加速度と所定の閾値:(−1+α)Gとを比較して、第1表示部13の背面が下を向いているか否かを判断する(S211)。ここで、重力加速度が所定の閾値より大きければ、CPU100は、第1表示部13の背面が下向きでないと判断する(S211:NO)。
【0089】
このとき、ユーザは、第1ユニット10を立てて第1表示面16bを立てて水平方向に向け、シースルー状態の第1表示部13を通してユーザの前方にある風景を見ている。そこで、ユーザの見ている方向を求めるため、CPU100は、第1方位センサから方位を受け、背面方位を得る(S212)。また、CPU100は、現在位置および目的位置に基づき、現在位置から目的位置への方向を算出する(S213)。ここで、CPU100は、図11〜図12で示す第2表示面27bの地図上に、背面方位を実線の矢印SLで表わし、目的位置への方向を破線BLで表わす。地図上において、ユーザは、矢印SLから自身が見ている方向を把握でき、また、矢印BLから目的位置の方向を把握できる。
【0090】
しかし、この地図上の表示はユーザが実際に見ている風景とことなるため、ユーザはこの表示から即座に進行方向を理解することは難しい。このため、シースルー状態の第1表示面16bに目的位置の方向を示せば、ユーザは、第1表示面16bを通して見える実際の風景に基づき、進行方向を容易に理解することができる。
【0091】
そこで、CPU100は、背面方位および目的位置への方向から演算することで、目的位置への方向と背面方位との位置関係を求める。たとえば、図11に示すように、目的位置への方向の矢印BLが背面方位の矢印SLに対して右側に位置していれば、進行方向は
ユーザが見ている方向に対して右手になるので、CPU100は、右を向く進行方向の矢印DAを第1表示面16bに表示する。一方、先の演算結果により目的位置への方向の矢印BLが背面方位の矢印SLに対して左側に位置していれば、進行方向はユーザが見ている方向に対して左手になるので、CPU100は、左を向く進行方向の矢印DAを第1表示面16bに表示する(S214)。なお、上記演算では、背面方位および目的位置への方向をそれぞれベクトルで表わして、これらの外積および内積を求める。この外積および内積から背面方位および目的位置への方向の位置関係が得られる。
【0092】
このとき、ユーザが見ている方向が目的位置への方向と異なるため、CPUは、背面方位が目的位置への方向に一致しないと判断する(S215:NO)。このとき、図11に示すように、ユーザは、第1表示面16bを通して実際の風景を眺めながら、進行方向の矢印DAを見ることで、周囲の状況と進行方向とを一体的に見て取れ、ユーザは進行方向が簡単にわかる。よって、ユーザは、進行方向の矢印DAに従って、現在位置を中心に第1表示面16bの向きを右側に変えていく。ここで、CPUは、S212〜S215までの処理を繰り返す。そして、図12に示すように、背面方位が目的位置への方向に一致すると(S215:YES)、CPU100は、第1表示面16bには上側を向く進行方向の矢印DAを表示する。ユーザは、進行方向の矢印DAから、前方に進むべきことがわかる。
【0093】
ユーザは進行方向の矢印DAに従い目的位置に向かって移動するため、CPU100は、測位部104から現在位置を得る(S216)。そして、再び、CPU100は、現在位置が目的位置に一致するかを判断する(S209)。
【0094】
ユーザが目的位置に近くに来ると、ユーザは、第1表示部13を寝かせて、第1表示部13の背面を下に向けて、第1表示面16bを通して地面を見ながら目的位置を探す。再び、CPU100は、重力加速度を取得する(S210)。この場合、重力加速度が所定の閾値以下となるため、CPU100は、第1表示部13の背面が下向きであると判断する(S211:YES)。図13に示すように、ユーザは、第1表示面16bを通して自身の足元を見ている。この場合、地図の表示方向と第1表示面16bに映す風景の方向とが一致している。つまり、地図もユーザが第1表示面16bに映る風景も、鉛直方向の上側から下側を見て、水平面に対して平行な面を表わしている。よって、第1表示部13を立てた状態では、背面方位がユーザの進む方向であったが、表1表示部13を寝かせた状態では、端部方位がユーザの進む方向になる。そこで、CPUは、第2方位センサから端部方位を取得し(S217)、図13に示すように、第2表示面27bの地図上に、端部方位を実線の矢印SLで表わす。また、CPU100は、現在位置および目的位置に基づき、現在位置から目的位置への方向を算出しS218)、目的位置への方向を破線BLで
表わす。そして、CPUは、地図における端部方位と目的位置への方向との位置関係を維持したまま、端部方位を第1表示面16bの上向きに合わせると、目的位置への方向がそのまま進行方向を示す。このため、CPU100は、目的位置への方向に合わせて進行方向の矢印DAを第1表示面16bに表示する(S219)。
【0095】
再び、ユーザが進行方向の矢印DAに従って移動すると、CPU100は、測位部104から現在位置を取得して(S216)、現在位置が目的位置に一致するか否かを判断する(S209)。ここで、図14に示すように、現在位置が目的位置に一致すると、第1表示部13の背面が下を向いているかを確認するために、再び、CPU100は、加速度センサ106から重力加速度を得て(S220)、第1表示部13の傾きを判断する(S221)。ここで、重力加速度が所定閾値より大きければ、CPU100は、第1表示部13の背面が下向きでないと判断する(S221:NO)。CPU100は、第1表示部13bを下に向けることをユーザに促すメッセージを第1表示面16bに表示する(S222)。
【0096】
一方、重力加速度が所定閾値以下であればCPU100は、第1表示部13の背面が下向きであると判断する(S221:YES)。CPU100は、第1表示面16bの中央にポイントマークPMを表示する(S223)。また、CPU100は、ポイント情報データベースからポイント位置が目的位置にあるポイント情報の日時およびコメントを読み出し、日時およびコメントを第1表示面16bに表示する(S220)。これにより、第1表示面16bに目的位置を示す情報が表示され、ユーザは、以前に登録したポイント位置および日時と、その時に入力したコメントを見ることができる。
【0097】
以上、本実施形態によれば、シースルー状態に設定された第1表示面16bに進行方向の矢印DAが表示される。これにより、ユーザは、第1表示面16bを通して実際の風景を見ながら、進行方向の矢印DAを見て、進行方向の矢印DAに従って目的位置に簡単に向かうことができる。すなわち、ユーザは、地図上に表示されている自身が見ている方向を、自身が実際に見ている方向に対応させてから、地図上の目的位置への方向を実際の目的位置への方向を求める必要がない。
【0098】
また、本実施形態によれば、ポイント位置が設定されると、第1表示面16bにピンの形をしたポイントマークPMが表示される。このため、ユーザは、第1表示面16bを通して見える足元にまるでピンを刺したかのような印象で、ユーザは、自身が立っている位置をポイント位置に設定することができる。
【0099】
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0100】
上記実施形態では、CPU100は、測位部104からの信号から携帯端末装置1の位置を取得した。これに対し、CPU100は、通信圏内にある基地局から通信モジュール102を介して位置に関する信号を受け取り、この信号から位置を求めることもできる。
【0101】
上記実施形態によれば、目的位置をユーザが予め登録したポイント位置から設定したが、目的位置を地図情報に含まれるランドマークなどに設定することもできる。この場合、地図情報は、地図の画像情報に加えて、地図に含まれるランドマークの名称および位置などの情報を含む。CPU100は、現在位置とランドマークの位置とを比較して、ランドマークの位置を目的位置に設定する。
【0102】
この他の目的位置として、ユーザが地図上において指示した位置を設定することもできる。たとえば、ユーザは、地図が表示された第2表示面27bをタッチすると、第2入力部24はこの位置を検知する。そして、CPU100は、第2表示面27bにおけるタッチ位置を地図上の位置に変換し、さらに、地図情報を基に地図上の位置から地球上における位置(緯度・経度)に変換して、目的位置を設定する。
【0103】
また、上記実施形態によれば、第2表示面27bの地図上に現在位置を示す現在地マーク▲および目的位置を示す目的地マーク●を表わしたが、これらに加えて、図15に示すように、現在位置から目的位置までの経路を表示することもできる。この場合、地図情報は、地図の画像情報、座標対応情報および道情報を含む。CPU100は、道情報を参照し、現在位置と目的位置との間の道を検索する。複数の道が検索された場合、CPU100は、各道の距離を算出して、最短距離の道を経路に設定して、経路を地図上に表示する。また、経路の中に曲がる部分があれば、現在位置と現在位置に最も近い最初の曲がり角とを結ぶ方向が始めの目的位置への方向になる。このため、CPU100は、端部方位と
始めの目的位置への方向とから進行方向を求めて、進行方向の矢印DAを第1表示面16bに表示する。図15では、端部方位と目的位置への方向とが正反対であるため、下向きの進行方向の矢印DAが第1表示面16bに表示される。ユーザは、進行方向の矢印DAにより目的位置が自身の後ろ側にあることがわかる。そして、ユーザが進行方向の矢印DAに沿って進み、最初の曲がり角に達すると、最初の曲がり角と次の曲がり角とをつなぐ方向を次の目的位置への方向として、上記と同様に、進行方向の矢印DAを表示する。これを繰り返して、ユーザを目的位置まで導く。
【0104】
さらに、上記実施形態によれば、地図上に背面方位、端部方位および目的位置への方向を表示したが、これらを表示しなくてもよい。
【0105】
また、上記実施形態によれば、現在位置が目的位置と一致した場合に、第1表示部13の背面が下向きであれば、第1表示面16bに目的位置を示す情報として、ポイントマークPMやポイント情報が表示された。これに対して、第1表示部13の背面が下向きでなくても、現在位置が目的位置と一致した際に、第1表示面16bに目的位置を示す情報を表示することもできる。
【0106】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の表示領域内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 … 携帯端末装置
10 … 第1ユニット
13 … 第1表示部
14 … 第1入力部
20 … 第2ユニット
24 … 第2入力部
25 … 第2表示部
100 … CPU
101 … メモリ
104 … 測位部
105 … 方位センサ
106 … 加速度センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、現在位置から目的位置までの経路を地図上に表示するナビゲーション機能が設けられた携帯端末装置が知られている。この種の携帯端末装置では、現在位置からランドマークまでの経路が示された地図が表示されると共に、ユーザが向いている方向が地図上に示される。(たとえば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−145385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術では、地図は2次元で表わされており、地図上にはユーザの頭上から見た道や建物などの配置が示されている。これに対し、ユーザは、水平な方向を見ていることが多い。この場合、ユーザが見ている方向と地図が表示している方向とが異なっていると、ユーザは、自身が見ている風景と地図の表示とを見比べながら、これらの相対関係を理解しなければならない。このため、ユーザは、自身の位置および方向を把握しなければならず、経路が示す方向をすぐに判断することが困難である。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、目的位置までの経路を分かり易く表示することができる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の主たる態様に係る携帯端末装置は、背後にある風景を見通し可能なシースルー状態に設定され得る表示部と、前記表示部を制御する表示制御部と、目的位置を記憶する記憶部と、現在位置を取得する位置取得部と、前記目的位置と前記現在位置とを比較する比較部とを備える。ここで、前記表示制御部は、前記比較部の比較結果に応じて、前記目的位置を示す情報を前記表示部に表示させ、前記表示部における前記目的位置を示す情報以外の表示領域を前記シースルー状態に設定する。
【0007】
本態様に係る携帯端末装置によれば、目的位置を示す情報が表示部に表示され、目的位置を示す情報以外の表示領域がシースルー状態に設定される。ユーザは、シースルー状態の表示部を通して周囲の風景を見ると、ユーザが見ている方向に目的位置を示す情報が表示される。このため、ユーザは、周囲の風景と目的位置を示す情報を重ねて一体的に見ることができ、目的位置を簡単に把握することができる。
【0008】
本発明の携帯端末装置は、前記現在位置から前記目的位置への方向を求める方向取得部をさらに備え得る。この場合、前記表示制御部は、前記方向取得部により求められた方向に基づいて、前記目的位置への向きを示す画像を前記目的位置を示す情報として前記表示部に表示させ、前記表示部における前記目的位置を示す情報以外の表示領域を前記シースルー状態に設定する。
【0009】
このような構成とすれば、ユーザは、シースルー状態の表示部を通して見える周囲を見
ながら、表示部に示された方向に従って簡単に目的位置に向かうことができる。
【0010】
本発明の携帯端末装置は、前記表示部の傾きを検出するための傾き検出部と、前記傾き検出部の出力に基づいて、前記表示部の背面が下を向く状態にあるか否かを判断する判断部と、ユーザにより前記表示部が指示されたことをを検出する指示検出部と、前記目的位置を登録する登録部と、をさらに備え得る。この場合、前記位置取得部は、前記表示部の背面が下を向く状態で、前記表示部が指示されたことが検出されると、現在位置を取得する。そして、前記登録部は、前記位置取得部が取得した前記現在位置を前記目的位置として登録する。
【0011】
このような構成とすれば、ユーザは、シースルー状態の表示部を通して実際の目的位置を見ながら、目的位置に対応する表示部上の位置を入力する。これにより、現在位置が目的位置として登録されるため、ユーザは、直観的に目的位置を指示して、目的位置を登録することができる。
【0012】
この場合、さらに、前記指示検出部は、ユーザにより示された前記表示部上の位置を検出するよう構成され得る。この場合、前記表示制御部は、前記指示検出部が検出した前記表示部上の位置に前記目的位置を示す情報を表示させ、前記表示部における前記目的位置を示す情報以外の表示領域を前記シースルー状態に設定するような構成とされ得る。
【0013】
このような構成とすれば、表示部に目的位置を示す情報が表示されることにより、ユーザは目的位置が設定されたことを容易に把握できる。なお、ユーザが指差した位置に目的位置を示す情報として、ピン型のマークを表示するようにすれば、まるでユーザは目的位置にピンを刺したかのように感じることができる。
【0014】
さらに、この場合、前記表示制御部は、前記表示部の背面が下を向く状態において、前記位置取得部により取得された前記現在位置が、前記登録部に登録された前記目的位置と一致すると、前記表示部に前記目的位置を示す情報を表示させ、前記表示部における前記目的位置を示す情報以外の表示領域を前記シースルー状態に設定するような構成とされ得る。
【0015】
このような構成とすれば、ユーザは、表示部の背面を地面に向け、シースルー状態の表示部を通して実際の目的位置を見ることができる。
【0016】
本発明の携帯端末装置は、第1ユニットと、前記第1ユニットが重なる第1位置と前記第1ユニットの横に並ぶ第2位置に移動可能な第2ユニットと、を備え得る。ここで、前記表示部は、前記シースルー状態に設定される第1表示部と、前記シースルー状態に設定されない第2表示部とを有し、前記第1表示部は、前記第1ユニットに設定され、前記第2表示部は、前記第2ユニットに設定される。
【0017】
この場合、前記表示部制御は、前記第2ユニットが前記第2位置に位置づけられた状態で、前記第1表示部に前記目的位置を示す情報を表示するとともに、前記第1表示部の前記目的位置を示す情報以外の表示部を前記シースルー状態に設定し、前記第2表示部に地図情報を表示し得る。
【0018】
このような構成とすれば、第1表示部および第2表示部に表示された両方の情報により目的位置を多角的に見ることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のとおり、本発明によれば、目的位置までの経路を分かり易く表示することができ
る携帯端末装置を提供することができる。
【0020】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態に係る携帯端末装置の全体を示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係る携帯端末装置を示す断面図である。
【図3】実施の形態に係る携帯端末装置の動作を説明するための斜視図である。
【図4】実施の形態に係る携帯端末装置の回路を示すブロック図である。
【図5】実施の形態に係るポイント情報データベースである。
【図6】実施の形態に係るポイント情報を設定する処理手順を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態に係るポイント情報を設定している状態を示す図である。
【図8】実施の形態に係るポイント情報を表示する処理手順を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係るポイント情報を表示する処理手順を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態に係るポイント情報を表示する処理手順を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態に係る進行方向の矢印を表示している状態を示す図である。
【図12】実施の形態に係る進行方向の矢印を表示している状態を示す図である。
【図13】実施の形態に係る進行方向の矢印を表示している状態を示す図である。
【図14】実施の形態に係るポイントマークを表示している状態を示す図である。
【図15】実施の形態に係る進行方向の矢印を表示している状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図を参照して、本実施の形態に係る携帯端末装置1について説明する。
【0023】
<携帯端末装置1の構成>
図1(a)は、第1ユニット10を第2ユニット20に重ねた状態を示す、携帯端末装置1を見た斜視図である。図1(b)は、第1ユニット10と第2ユニット20とを並べた状態を示す、携帯端末装置1を見た斜視図である。図2(a)は、図1(a)のA−A’線における断面図である。図2(b)は、図1(a)のB−B’線における断面図である。
【0024】
携帯端末装置1は、携帯電話機、PDA、携帯ゲーム機など近距離無線通信機能を有する、持ち運び可能なコンピュータである。携帯端末装置1は、第1ユニット10および第2ユニット20を備える。
【0025】
第1ユニット10は、第2ユニット20の上に重ねられ、第2ユニット20に対してスライド可能である。第1ユニット10は、第1底部11を備える。
【0026】
第1底部11は、長方形状であり、ポリカーボネートやアクリルなどの透明樹脂により射出成型で形成される。第1底部11には、2つの底貫通孔11aが互いに間隔を隔てて設けられる。底貫通孔11aは、細長く、第1ユニット10がスライドする方向に延びる。底貫通孔11aには、スライド部12が嵌められている。
【0027】
スライド部12は、細長い部材の本体部分を有する。本体部分は、底貫通孔11aに嵌
められ、後述する第2蓋部27より上方に配置される。スライド部12は、本体部分の中間部に挿入孔12aを有し、本体部分の端部に係止部12bを有する。係止部12bは、底貫通孔11aおよび後述するガイド孔27aを通り、第2蓋部27の中に突き出る。係止部12bには、貫通孔12cが形成されている。貫通孔12cは、本体部分の上面から係止部12bの側面へ貫いて、第1ユニット10と第2ユニット20の中とを連結している。2つのスライド部12の間で第1底部11の上に、第1表示部13が配置されている。
【0028】
第1表示部13は、長方形の平板形状であって、たとえば、透明な液晶表示器により構成される。液晶表示器は、液晶パネルを含み、液晶パネルの背後にバックライトが配されていない。液晶パネルは、表示モードがノーマリーホワイトである。液晶パネルは、2枚の透明板(図示せず)の間に透明液晶(図示せず)および透明電極(図示せず)が挟まれて構成される。第1表示部13の端に電極13aが設けられ、第1表示部13の上に第1入力部14が重ねられている。
【0029】
電極13aは、透明な液晶表示器と配線15とを接続する。配線15には、フレキシブル基板が用いられる。配線15は、係止部12bの貫通孔12cを通り、第2蓋部27の中へ抜ける。
【0030】
第1入力部14には、ユーザによる接触の存在および位置を検出するタッチセンサなどが用いられる。タッチセンサは、透明な長方形状のシートであり、マトリクス状に2つの透明電極(図示せず)が組み込まれている。第1入力部14の配線は、第1表示部13の配線15と同様に、係止部12bの貫通孔12cを通り、第2蓋部27の中に導かれる。
【0031】
第1蓋部16は、第1入力部14を覆うように、第1底部11の上に載せられる。第1蓋部16は、ポリカーボネートやアクリルなどの透明樹脂を材料として射出成型により形成される。第1蓋部16には、第1表示面16bが形成され、第1表示面16bは、第1表示部13または第2表示部25に重なる範囲に位置する。また、第1蓋部16には、2つの蓋貫通孔16aが設けられる。蓋貫通孔16aは、底貫通孔11aの上に設けられ、蓋貫通孔16aに被覆部17が嵌められる。
【0032】
被覆部17は、不透明な樹脂を材料として射出成型により形成される。被覆部17は、底貫通孔11aの中に納まるスライド部12を覆う。被覆部17にはネジ孔17aが設けられている。ネジ孔17aとスライド部12の挿入孔12aとにビス18が嵌られることにより、スライド部12および被覆部17が縦方向に接続される。
【0033】
スライド部12および被覆部17が接続されることにより、第1蓋部16と第1底部11とが固定され、第1ユニット10が組み立てられる。
【0034】
第2ユニット20は、第2底部21を備える。第2底部21は、長方形状であり、第1蓋部16とほぼ同じ大きさである。第2底部21の中には支持部21aが設けられる。支持部21aは、細長い突条部であって、第1ユニット10がスライドする方向に延びる。支持部21aの上に、受部26が配置されている。
【0035】
受部26は、底板および側板を有し、第1ユニット10がスライドする方向に延びる。受部26は、ガイド孔27aの下に配置され、ガイド孔27aから突き出た係止部12bに添えられる。
【0036】
電池22は、第2底部21の中に配置され、電池22の上に基板23が重ねられている。基板23の表面にはコネクタ23aと、CPUやメモリなどの電子部品(図示せず)と
が配される。コネクタ23aおよび電子部品の間が配線(図示せず)で接続される。また、電池22の横にコネクタ22aが設けられている。コネクタ22aには、基板23および電池22が接続されるとともに、第1表示部13の配線15および第1入力部14の配線が接続される。基板23の上に、第2表示部25が積み重ねられる。
【0037】
第2表示部25は、たとえば、透明でない液晶表示器で構成される。液晶表示器は、液晶パネル25aと、液晶パネル25aを照明するための照明部とを有する。液晶パネル25aは、2枚の透明板(図示せず)の間に透明液晶(図示せず)および透明電極(図示せず)が挟まれて構成される。照明部は、導光板25bおよび発光部25cを含む。導光板25bは、発光部25cからの光を第2表示部25に導くように、発光部25cの横で、かつ液晶パネル25aの下に配置される。液晶パネル25aの上に、第2入力部24が積み重ねられる。
【0038】
第2入力部24は、たとえば、タッチセンサが用いられる。タッチセンサは、透明な長方形状のシートである。タッチセンサには、マトリクス状に2つの透明電極(図示せず)が組み込まれ、透明電極に配線(図示せず)が接続される。
【0039】
発光部25c、液晶パネル25aおよび第2入力部24にはそれぞれ配線(図示せず)が配され、これらの配線は基板23に接続される。
【0040】
第2蓋部27は、第2底部21に連結されて、第2ユニット20を形成する。第2蓋部27の中央には、透明な表示窓が形成されている。表示窓は、第2表示面27bであって、第2表示部25に平行に設けられ、第2表示部に重なる範囲に位置する。また、第2蓋部27には、2つのガイド孔27aが互いに間隔を隔てて設けられる。ガイド孔27aを通る係止部12bが、ガイド孔27aを囲む第2蓋部27の縁に係止されることにより、第1ユニット10と第2ユニット20が連結される。
【0041】
<携帯端末装置1の動作>
図3(a)は、第1ユニット10および第2ユニット20が重ねられた時の配線15を示す斜視図である。図3(b)は、第1ユニット10および第2ユニット20が並べられた時の配線15を示す斜視図である。なお、図3(a)および図3(b)において、配線15の様子がわかりやすいように、第1蓋部16などの一部の部品が実線で表わされている。
【0042】
図1(a)のように、携帯端末装置1が畳まれ、第1ユニット10が第2ユニット20に重なった状態では、第1表示面16bが外部に現れ、第2表示面27bが第1ユニット10の下に隠れる。以下、この携帯端末装置1の状態を閉状態といい、表示形態を第1形態という。
【0043】
第1形態では、図3(a)に示すように、スライド部12の係止部12bが、ガイド孔27aの一方端、即ち、基板23のコネクタ23aの近傍に位置する。配線15は、係止部12bの貫通孔12cから受部26に沿って延び、途中で折れ曲がり、受部26に沿いながら貫通孔12cの方に戻り、コネクタ23aに接続される。
【0044】
一方、図1(b)に示すように、携帯端末装置1が広げられ、第1ユニット10が第2ユニット20の側方に引き出されると、第1表示面16bおよび第2表示面27bの両方が外部に現れる。このとき、第1ユニット10の端部が第2表示面27bの端部にわずかに重なり、第1表示面16bと第2表示面27bが隙間のない状態で横に並ぶ。以下。この携帯端末装置1の状態を開状態といい、表示形態を第2形態という。
【0045】
第2形態では、図3(b)に示すように、スライド部12の係止部12bがガイド孔27aの一方端から他方端へ移動し、ガイド孔27aが開口する。係止部12bが基板23のコネクタ23aの位置から遠ざかり、配線15は、係止部12bの貫通孔12cから基板23のコネクタ23aへ直線状に延びる。
【0046】
なお、第1形態と第2形態とに切り替わることで、第2ユニット20は、第1形態における第1ユニット10に重なる第1位置と、第2形態における第1ユニット10の横に並ぶ第2位置とを、移動する。
【0047】
<携帯端末装置1の回路>
図4は、携帯端末装置1の回路のブロック図を示す。
【0048】
本実施の形態の携帯端末装置1は、上述した各構成要素の他、CPU100、メモリ101、通信モジュール102、開閉センサ103、測位部104、方位センサ105、加速度センサ106およびクロック107を備えている。
【0049】
第1表示部13および第2表示部25は、CPU100から映像信号を受ける。これら映像信号に基づいて各表示部13、25の透明電極に電圧が加えられることで、液晶の配向が変化し、液晶を通過する光が変調される。これにより、各表示部13、25は、アイコンやキーボードなどの図、写真、文字、絵およびウインドウなどの画像を表示する。第1表示部13により表示された画像は、透明な第1入力部14を介して第1蓋部16の第1表示面16bに映し出される。第2表示部25により表示された画像は、透明な第2入力部24を介して第2蓋部27の第2表示面27bに映し出される。ただし、第1形態において、第1表示部13が透明な状態であれば、第2表示部25により表示された画像は、透明な第1表示部13を介して第1表示面16bに映し出される。このため、第1表示面16bには、第1表示部13による画像または第2表示部25による画像が表示される。
【0050】
また、第1表示部13では、電圧が加えられていない表示領域において、透過率が最大となり、光が透過する。ここで、第1表示部13を挟む第1蓋部16、第1入力部14および第1底部が透明であるため、第1表示部13において光が透過する表示領域は、透明または半透明になっており、第1表示部13の背後にある風景を見通し可能なシースルー状態になる。
【0051】
第2表示部25の発光部25cには、CPU100からの制御信号により、電池22からの電力が供給される。これにより、発光部25cが発光する。発光した光は、導光板25bの側面から導光板25bに入射し、導光板25bの内部で反射しながら、光の一部が導光板25bの表面から液晶パネル25a側に出る。これにより、導光板25bの全体から光が均一に発せられ、液晶パネル25aへ光が照射される。これにより、第2表示面27bに表示される画像が視認可能になる。なお、第1表示部13には発光部25cが設けられていないが、第1表示部13の液晶パネル25aは、第1形態では外光により照らされて、第2形態では第2表示部25からの光により照らされる。これにより、第1表示面16bに表示される画像が視認可能にある。
【0052】
第1入力部14は、透明電極間の静電容量の変化を検出する。これによって、ユーザの指などが第1表示面16bにおいて触れた位置において静電容量が変化すると、第1入力部14は、ユーザの接触位置に応じた信号をCPU100に出力する。これにより、ユーザが第1表示面16bに対して示した位置を検出できる。なお、第2形態においては、第1表示部13により表示される画像が第1表示面16bに映し出されるため、第1入力部14は、第1表示部13の画像に対して示された位置を検出する。第1形態において、第
1表示面16bに第1表示部13による画像が表示されている場合には、第1入力部14は、第1表示部13による画像に対して示された位置を検出する。一方、第1形態において、第1表示部13が透明であって、第1表示面16bに第2表示部25による画像が表示されている場合には、第1入力部14は、第2表示部25による画像に対して示された位置を検出する。
【0053】
第2入力部24は、第1入力部14と同様に、ユーザの指などが第2表示面27bにおいて触れた位置に応じた信号をCPU100に出力する。これにより、ユーザが第2表示面27bに対して示した位置を検出できる。なお、第1形態および第2形態のどちらにおいても、第2表示面27bには第2表示部25により表示される画像が映し出されるため、第2入力部24は、第2表示部25の画像に対して示された位置を検出する。
【0054】
電池22は、CPU100からの制御信号を受けて、制御信号に応じて電力をCPU100や各表示部13、25および各入力部14、24などに供給する。
【0055】
メモリ101は、ROMおよびRAMを含む記憶部である。メモリ101には、CPU100に制御機能を付与するための制御プログラムが記憶されている。また、メモリ101には、テキスト情報、画像情報および音響情報が所定のファイル形式で記憶されている。さらに、メモリ101には、各表示面16b、27bに表示されているアイコンなどの画像と、アイコンなどが表示されている位置とが対応付けられて記憶されている。また、メモリ101には、図5に示すポイント情報データベースが記憶されている。ポイント情報データベースには、ポイント位置の経度および緯度、ポイント位置を設定した日時、およびポイント位置におけるコメントが含まれる。
【0056】
通信モジュール102は、CPU100からの音声信号や映像信号、テキスト信号などを無線信号に変換し、アンテナを介して基地局へ送信する。また、通信モジュール102は、受信した無線信号を音声信号や映像信号、テキスト信号などに変換してCPU100へ出力する。
【0057】
開閉センサ103は第1形態において磁石に近接する位置に配置され、磁石は係止部12bの近傍に配置される。開閉センサ103は、配線により基板23に接続され、基板23のCPU100との間で信号を送受信する。第1形態において磁石が開閉センサ103の近傍に存在する場合、開閉センサ103は、磁石の磁界を検出し、閉である旨の検出信号をCPU100に出力する。反対に、第2形態において磁石が開閉センサ103から離れている場合、開閉センサ103は、磁石の磁界を検出せず、閉である旨の検出信号をCPU100に出力しない。
【0058】
測位部104は、GPS衛星からの信号などを受け取り、この信号から位置を求め、位置に応じた信号をCPU100へ出力する。
【0059】
加速度センサ106は、図1(a)のZ軸方向に生じる重力加速度を検出し、重力加速度により第1表示部13の傾きを検出するための傾き検出部である。加速度センサ106は、第1表示部13の背面が水平であって鉛直方向の上側を向いている場合に、重力加速度が+1Gになり、また、第1表示部13の背面が水平であって鉛直方向の下側を向いている場合に、重力加速度が−1Gになるように、配置される。加速度センサ106は、検出した加速度に応じた加速度信号をCPU100へ出力する。ここでは、Z軸方向は、第1表示面16bの法線方向を示す。また、第1表示部13は正面および背面を有し、第1表示部13の正面は第1表示面16bに面する。よって、第1表示部13の背面が鉛直方向の下側を向くと、第1表示面16bは、鉛直方向の上側を向く。このとき、ユーザが、第1表示面16bと向かい合い、第1表示面16bおよび第1表示部13を通して、第1
表示部13の背後にある風景、つまりユーザの足元にある地面を見る。
【0060】
方位センサ105は方位検出部であって、検出した方位に応じた信号をCPU100へ出力する。方位センサ105には地磁気センサやジャイロセンサなどが用いられる。方位センサ105は、第1方位センサおよび第2方位センサを含む。第1方位センサは、第1表示部13が立てられた状態で、第1表示部13の背面が向いている方位(以下、「背面方位」と言う。)を検出する。なお、背面方位は、図1(a)の−Z軸方向の方位を示す。また、第2方位センサは、第1表示部13が寝かされた状態で、第1表示部13の第1端部が向いている方位(以下、「端部方位」と言う。)を検出する。なお、第1表示部13は、第1端部および第2端部を含む。第1端部および第2端部は、第1ユニット10が第2ユニット20に対してスライドする方向と直交する。携帯端末装置1を第2形態にした状態で、第1端部は、第2端部に比べて第2ユニット20から遠い側に位置する。端部方位は、図1(a)の+X軸方向の方位を示す。
【0061】
クロック107は、日時を計測し、日時情報をCPU100へ出力する。
【0062】
CPU100は、表示部を制御する表示制御部として、各表示部13、25により画像を表示させたり、第1表示部13をシースルー状態に設定したり、第2表示部25の照明を点灯したりする。
【0063】
すなわち、CPU100は、メモリ101から読み出したり、通信モジュール102を経由して受信したりして、テキスト情報および画像情報を取得する。CPU100は、これらの情報を映像信号として第1表示部13および第2表示部25のそれぞれに出力し、各表示面16b、27bに画像を表示させる。たとえば、CPU100は、進行方向を示す矢印、目的位置を示すポイントマークPM、および目的位置で設定された日付やコメントなどのポイント情報を目的位置を示す情報として第1表示部13により第1表示面16bに表示させる。
【0064】
また、CPU100は、電池22から第1表示部13に供給される電力を調整する制御信号を出力することにより、透明電極に加えられる電圧を制御し、第1表示部13の透過率を変化させる。これにより、CPU100は、第1表示面16bにおいて画像が表示されている表示領域以外の表示領域をシースルー状態に設定する。
【0065】
さらに、CPU100は、画像を第2表示部25に表示させる際に、電池22から発光部25cに電力を供給させ、発光部25cを発光させる。
【0066】
CPU100は、位置取得部として、測位部104から位置に応じた信号を受け取り、携帯端末装置1の現在位置を求める。位置としては、緯度および経度など、地球上の地点を表わす座標である。
【0067】
CPU100は、方向取得部であって、後述するように、現在位置から目的位置への方向および現在位置から目的位置への進行方向を求める。
【0068】
CPU100は、判断部として、加速度センサ106からの加速度信号を受け、第1表示部13の背面が下を向いているかを判断する。なお、第1表示部13の背面の向きの判断において重力加速度−1Gから許容範囲:αGを設けることができる。このため、重力加速度が所定閾値:(−1+α)G以下であれば、第1表示部13の背面が下を向いていると判断部は判断する。
【0069】
CPU100は、登録部であって、位置取得部からの位置、クロック107からの日時
、第2入力部24からの情報などをポイント情報データベースに登録する。
【0070】
CPU100は、現在位置およびポイント位置など含む要求を通信モジュール102を介して地図サーバなどに送信する。CPU100は、この要求に応じて地図サーバから配信された地図情報を通信モジュール102を介して受信し、地図を第2表示部25に表示させる。なお、地図情報は、地図の画像を表示するための情報、および地図上の座標と地球上の座標とを対応させる情報を含む。地図の画像を表示するための情報は、地図の画像情報であってもよいし、地図を構成するデータであってもよい。地図を構成するデータの場合、地図を表示するための専用プログラムが携帯端末装置1に予めインストールされており、専用プログラムが地図を構成するデータを地図の画像情報に変換することで、地図が表示部によって表示される。また、地図は、現在位置およびポイント位置を含む範囲の画像である。
【0071】
<携帯端末装置1の機能>
図6は、ポイント情報を設定する処理手順を示すフローチャートである。図7は、ポイント情報を設定している状態を示す。
【0072】
CPU100は、第1表示面16bまたは第2表示面27bに操作メニューを表示する。ユーザは、操作メニューの中からポイント情報設定のアイコンの位置をタッチすると、ポイント情報を設定するための機能が選択されて、この制御プログラムが起動する。
【0073】
まず、CPU100は、携帯端末装置1が第2形態であるか否かを判断する(S101)。ここで、開閉センサ103からの閉である旨の検出信号が入力されていれば、CPU100は、携帯端末装置1が閉状態であって、この表示形態が第1形態を採り、第2形態でないと判断する(S101:NO)。そして、CPU100は、メモリ101から所定のメッセージ情報を読み取り、「携帯端末装置1を開いてください。」などのメッセージを第1表示面16bに表示する(S102)。メッセージにより、携帯端末装置1が第2形態を採るように、ユーザに促される。
【0074】
一方、開閉センサ103からの検出信号が入力されていなければ、CPU100は、携帯端末装置1が開状態であって、この表示形態が第2形態であると判断する(S101:YES)。そして、CPU100は、第1表示部13を透明にして、第1表示面16bをシースルー状態に設定する(S103)。これにより、第2形態の携帯端末装置1では、第1ユニット10の下に何も重なっていないため、第1表示面16bから背後の風景を見ることができる状態になる。
【0075】
CPU100は、加速度センサ106から重力加速度を取得する(S104)。CPU100は、重力加速度と予め定められた閾値:(−1+α)Gとを比較して、比較結果から第1表示部13の背面が下を向いているか否かを判断する(S105)。すなわち、重力加速度が所定の閾値より大きければ、CPU100は、第1表示部13の背面が下向きでないと判断する(S105:NO)。この場合、CPU100は、メモリ101から所定のメッセージ情報を読み出し、「表示部を下に向けてください。」などのメッセージを第1表示面16bに表示する(S106)。これにより、ユーザに第1表示部13の背面を下に向けるように促す。
【0076】
一方、重力加速度が所定の閾値以下であれば、CPU100は、第1表示部13の背面が下向きであると判断する(S105:YES)。この場合、第1表示部13の背面を下に向けたユーザは、シースルー状態の第1表示面16bを通して、地面を見ながら、ポイントを設定する位置を探すことができる。ポイント位置が決まれば、ユーザは、第1表示面16bの中央をポイントの設定位置に合わせて、第1表示面16bの中央をタッチして
、ポイント位置を入力する。これにより、CPU100は、入力部から位置信号を受けて、位置入力があったと判断する(S107:YES)。
【0077】
ポイント位置が設定されると、CPU100は、位置:緯度および軽度、たとえば、緯度35度63分、経度139度88分を測位部104から取得して、位置をポイント位置として図5に示すポイント情報データベースに格納する。また、CPU100は、日時、たとえば、2010年8月2日をクロック107から取得して、日時をポイント位置に対応させてポイント情報データベースに格納する(S108)。なお、日時は、携帯端末装置1内のクロック107からの日時データに代えて、携帯端末装置1に接続されるネットワークからの日時データであってもよい。
【0078】
図7に示すように、CPU100は、第1表示面16bにコメント欄を表示し、第1表示面16bの中央にピンの形をしたポイントマークPMを表示する(S109)。また、CPU100は、第2表示面27bにソフトウェアのキーボードをコメント入力用として表示する(S110)。ここで、ユーザは、第2表示面27bのキーボード位置をタッチしながら、文字を入力する。文字入力に伴い、CPU100は、入力部から文字を受け、文字をコメント欄に表示する。また、入力された文字が確定されると、CPU100は、文字をポイント情報データベースのコメントに格納する(S110)。これにより、ポイント情報データベースに、緯度、経度、日時およびコメントが対応付けられて、ポイント情報として入力される。
【0079】
図8〜図10は、ポイントマークPMにより登録した地点へユーザを案内するための表示に係る処理手順を示すフローチャートである。図11および図12は、第1表示面16bを通して水平方向を見たときに、ポイント位置の方向を示す進行方向の矢印DAを第1表示面16bに表示した状態を示す。図13は、第1表示面16bを通して真下を見たときに、進行方向の矢印DAを第1表示面16bに表示した状態を示す。図14は、第1表示面16bを通して真下を見たときに、ポイント位置を示すポイントマークPMを第1表示面16bに表示した状態を示す。
【0080】
CPU100は、1表示領域16bまたは第2表示面27bに操作メニューを表示する。ユーザは、操作メニューの中からポイント表示のアイコンの位置をタッチすると、ポイントマークPMにより登録した地点へユーザを案内するための機能が選択されて、この制御プログラムが起動する。
【0081】
CPU100は、携帯端末装置1が第2形態であるか否かを判断する(S201)。CPU100は、開閉センサ103から検出信号を受けていれば、携帯端末装置1が第2形態でないと判断する(S201:NO)。そして、CPU100は、メモリ101から所定のメッセージ情報を読み出し、携帯端末装置1を第1形態から第2形態に変えるようにユーザに対して促すメッセージを第2表示面27bに表示する(S202)。
【0082】
CPU100は、開閉センサ103から検出信号が受けていなければ、携帯端末装置1が第2形態であると判断する(S201:YES)。第2形態では第1ユニット10に何も重なっていないため、第1ユニット10を通して背後の景色が見えるように、CPU100は、第1表示部13を透明にして、第1表示面16bをシースルー状態に設定する(S203)。
【0083】
CPU100は、測位部104から現在位置の緯度および経度を取得する(S204)。そして、CPU100は、現在位置の緯度および経度と、ポイント情報データベースのポイント位置の緯度および経度とを比較部として比較し、現在位置から一定範囲内にあるポイント位置を検索する(S205)。なお、一定範囲は、予め定められた範囲であって
もよいし、ユーザが任意に設定した表示領域であってもよい。
【0084】
検索の結果、現在位置から一定範囲内にあるポイント位置がなければ、CPU100は、現在位置のポイント位置が無いと判断する(S206:NO)。このため、CPU100は、メモリ101から所定のメッセージを読み出し、「周囲にポイント位置がありません。」などのメッセージを第1表示面16bに表示する。
【0085】
一方、現在位置から一定範囲内にあるポイント位置があれば、CPU100は、現在位置の周囲にポイント位置があると判断し、(S206:YES)検索されたポイント位置を目的位置に設定する。ここで、複数のポイント位置が検索された場合、複数のポイント位置から1つ選択して、このポイント位置を目的位置に設定する。たとえば、CPU100が、現在位置から最も近いポイント位置を求めて、このポイント位置を目的位置とすることもできる。また、検索された複数のポイント位置が地図やリストなどの形式で各表示面16b、27bに表示されて、ユーザがこの中から目的位置を選択することもできる。
【0086】
CPU100は、現在位置および目的位置を地図サーバに送信して、これに応じた地図情報を地図サーバから受信する。CPU100は、地図情報に含まれる地図上の座標と地球上の座標とを対応させる情報を基に、現在位置および目的位置の緯度・経度を地図上の座標に変換させる。そして、図14に示すように、CPU100は、地図、現在位置を示す現在地マーク、目的位置を示す目的地マークを第2表示面27bに表示する(S208)。なお、地図上に、現在地マークが▲で示され、目的地マークが●で示される。
【0087】
CPU100は、現在位置と目的位置とを比較して、現在位置が目的位置であるか否かを判断する(S209)。ここで、現在位置と目的位置とが異なれば、CPU100は、現在位置が目的位置でないと判断する(S209:NO)。現在位置から目的位置へユーザを導くために、進行方向を示す。
【0088】
まず、CPU100は、加速度センサ106から重力加速度を得る(S210)。CPU100は、重力加速度と所定の閾値:(−1+α)Gとを比較して、第1表示部13の背面が下を向いているか否かを判断する(S211)。ここで、重力加速度が所定の閾値より大きければ、CPU100は、第1表示部13の背面が下向きでないと判断する(S211:NO)。
【0089】
このとき、ユーザは、第1ユニット10を立てて第1表示面16bを立てて水平方向に向け、シースルー状態の第1表示部13を通してユーザの前方にある風景を見ている。そこで、ユーザの見ている方向を求めるため、CPU100は、第1方位センサから方位を受け、背面方位を得る(S212)。また、CPU100は、現在位置および目的位置に基づき、現在位置から目的位置への方向を算出する(S213)。ここで、CPU100は、図11〜図12で示す第2表示面27bの地図上に、背面方位を実線の矢印SLで表わし、目的位置への方向を破線BLで表わす。地図上において、ユーザは、矢印SLから自身が見ている方向を把握でき、また、矢印BLから目的位置の方向を把握できる。
【0090】
しかし、この地図上の表示はユーザが実際に見ている風景とことなるため、ユーザはこの表示から即座に進行方向を理解することは難しい。このため、シースルー状態の第1表示面16bに目的位置の方向を示せば、ユーザは、第1表示面16bを通して見える実際の風景に基づき、進行方向を容易に理解することができる。
【0091】
そこで、CPU100は、背面方位および目的位置への方向から演算することで、目的位置への方向と背面方位との位置関係を求める。たとえば、図11に示すように、目的位置への方向の矢印BLが背面方位の矢印SLに対して右側に位置していれば、進行方向は
ユーザが見ている方向に対して右手になるので、CPU100は、右を向く進行方向の矢印DAを第1表示面16bに表示する。一方、先の演算結果により目的位置への方向の矢印BLが背面方位の矢印SLに対して左側に位置していれば、進行方向はユーザが見ている方向に対して左手になるので、CPU100は、左を向く進行方向の矢印DAを第1表示面16bに表示する(S214)。なお、上記演算では、背面方位および目的位置への方向をそれぞれベクトルで表わして、これらの外積および内積を求める。この外積および内積から背面方位および目的位置への方向の位置関係が得られる。
【0092】
このとき、ユーザが見ている方向が目的位置への方向と異なるため、CPUは、背面方位が目的位置への方向に一致しないと判断する(S215:NO)。このとき、図11に示すように、ユーザは、第1表示面16bを通して実際の風景を眺めながら、進行方向の矢印DAを見ることで、周囲の状況と進行方向とを一体的に見て取れ、ユーザは進行方向が簡単にわかる。よって、ユーザは、進行方向の矢印DAに従って、現在位置を中心に第1表示面16bの向きを右側に変えていく。ここで、CPUは、S212〜S215までの処理を繰り返す。そして、図12に示すように、背面方位が目的位置への方向に一致すると(S215:YES)、CPU100は、第1表示面16bには上側を向く進行方向の矢印DAを表示する。ユーザは、進行方向の矢印DAから、前方に進むべきことがわかる。
【0093】
ユーザは進行方向の矢印DAに従い目的位置に向かって移動するため、CPU100は、測位部104から現在位置を得る(S216)。そして、再び、CPU100は、現在位置が目的位置に一致するかを判断する(S209)。
【0094】
ユーザが目的位置に近くに来ると、ユーザは、第1表示部13を寝かせて、第1表示部13の背面を下に向けて、第1表示面16bを通して地面を見ながら目的位置を探す。再び、CPU100は、重力加速度を取得する(S210)。この場合、重力加速度が所定の閾値以下となるため、CPU100は、第1表示部13の背面が下向きであると判断する(S211:YES)。図13に示すように、ユーザは、第1表示面16bを通して自身の足元を見ている。この場合、地図の表示方向と第1表示面16bに映す風景の方向とが一致している。つまり、地図もユーザが第1表示面16bに映る風景も、鉛直方向の上側から下側を見て、水平面に対して平行な面を表わしている。よって、第1表示部13を立てた状態では、背面方位がユーザの進む方向であったが、表1表示部13を寝かせた状態では、端部方位がユーザの進む方向になる。そこで、CPUは、第2方位センサから端部方位を取得し(S217)、図13に示すように、第2表示面27bの地図上に、端部方位を実線の矢印SLで表わす。また、CPU100は、現在位置および目的位置に基づき、現在位置から目的位置への方向を算出しS218)、目的位置への方向を破線BLで
表わす。そして、CPUは、地図における端部方位と目的位置への方向との位置関係を維持したまま、端部方位を第1表示面16bの上向きに合わせると、目的位置への方向がそのまま進行方向を示す。このため、CPU100は、目的位置への方向に合わせて進行方向の矢印DAを第1表示面16bに表示する(S219)。
【0095】
再び、ユーザが進行方向の矢印DAに従って移動すると、CPU100は、測位部104から現在位置を取得して(S216)、現在位置が目的位置に一致するか否かを判断する(S209)。ここで、図14に示すように、現在位置が目的位置に一致すると、第1表示部13の背面が下を向いているかを確認するために、再び、CPU100は、加速度センサ106から重力加速度を得て(S220)、第1表示部13の傾きを判断する(S221)。ここで、重力加速度が所定閾値より大きければ、CPU100は、第1表示部13の背面が下向きでないと判断する(S221:NO)。CPU100は、第1表示部13bを下に向けることをユーザに促すメッセージを第1表示面16bに表示する(S222)。
【0096】
一方、重力加速度が所定閾値以下であればCPU100は、第1表示部13の背面が下向きであると判断する(S221:YES)。CPU100は、第1表示面16bの中央にポイントマークPMを表示する(S223)。また、CPU100は、ポイント情報データベースからポイント位置が目的位置にあるポイント情報の日時およびコメントを読み出し、日時およびコメントを第1表示面16bに表示する(S220)。これにより、第1表示面16bに目的位置を示す情報が表示され、ユーザは、以前に登録したポイント位置および日時と、その時に入力したコメントを見ることができる。
【0097】
以上、本実施形態によれば、シースルー状態に設定された第1表示面16bに進行方向の矢印DAが表示される。これにより、ユーザは、第1表示面16bを通して実際の風景を見ながら、進行方向の矢印DAを見て、進行方向の矢印DAに従って目的位置に簡単に向かうことができる。すなわち、ユーザは、地図上に表示されている自身が見ている方向を、自身が実際に見ている方向に対応させてから、地図上の目的位置への方向を実際の目的位置への方向を求める必要がない。
【0098】
また、本実施形態によれば、ポイント位置が設定されると、第1表示面16bにピンの形をしたポイントマークPMが表示される。このため、ユーザは、第1表示面16bを通して見える足元にまるでピンを刺したかのような印象で、ユーザは、自身が立っている位置をポイント位置に設定することができる。
【0099】
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0100】
上記実施形態では、CPU100は、測位部104からの信号から携帯端末装置1の位置を取得した。これに対し、CPU100は、通信圏内にある基地局から通信モジュール102を介して位置に関する信号を受け取り、この信号から位置を求めることもできる。
【0101】
上記実施形態によれば、目的位置をユーザが予め登録したポイント位置から設定したが、目的位置を地図情報に含まれるランドマークなどに設定することもできる。この場合、地図情報は、地図の画像情報に加えて、地図に含まれるランドマークの名称および位置などの情報を含む。CPU100は、現在位置とランドマークの位置とを比較して、ランドマークの位置を目的位置に設定する。
【0102】
この他の目的位置として、ユーザが地図上において指示した位置を設定することもできる。たとえば、ユーザは、地図が表示された第2表示面27bをタッチすると、第2入力部24はこの位置を検知する。そして、CPU100は、第2表示面27bにおけるタッチ位置を地図上の位置に変換し、さらに、地図情報を基に地図上の位置から地球上における位置(緯度・経度)に変換して、目的位置を設定する。
【0103】
また、上記実施形態によれば、第2表示面27bの地図上に現在位置を示す現在地マーク▲および目的位置を示す目的地マーク●を表わしたが、これらに加えて、図15に示すように、現在位置から目的位置までの経路を表示することもできる。この場合、地図情報は、地図の画像情報、座標対応情報および道情報を含む。CPU100は、道情報を参照し、現在位置と目的位置との間の道を検索する。複数の道が検索された場合、CPU100は、各道の距離を算出して、最短距離の道を経路に設定して、経路を地図上に表示する。また、経路の中に曲がる部分があれば、現在位置と現在位置に最も近い最初の曲がり角とを結ぶ方向が始めの目的位置への方向になる。このため、CPU100は、端部方位と
始めの目的位置への方向とから進行方向を求めて、進行方向の矢印DAを第1表示面16bに表示する。図15では、端部方位と目的位置への方向とが正反対であるため、下向きの進行方向の矢印DAが第1表示面16bに表示される。ユーザは、進行方向の矢印DAにより目的位置が自身の後ろ側にあることがわかる。そして、ユーザが進行方向の矢印DAに沿って進み、最初の曲がり角に達すると、最初の曲がり角と次の曲がり角とをつなぐ方向を次の目的位置への方向として、上記と同様に、進行方向の矢印DAを表示する。これを繰り返して、ユーザを目的位置まで導く。
【0104】
さらに、上記実施形態によれば、地図上に背面方位、端部方位および目的位置への方向を表示したが、これらを表示しなくてもよい。
【0105】
また、上記実施形態によれば、現在位置が目的位置と一致した場合に、第1表示部13の背面が下向きであれば、第1表示面16bに目的位置を示す情報として、ポイントマークPMやポイント情報が表示された。これに対して、第1表示部13の背面が下向きでなくても、現在位置が目的位置と一致した際に、第1表示面16bに目的位置を示す情報を表示することもできる。
【0106】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の表示領域内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 … 携帯端末装置
10 … 第1ユニット
13 … 第1表示部
14 … 第1入力部
20 … 第2ユニット
24 … 第2入力部
25 … 第2表示部
100 … CPU
101 … メモリ
104 … 測位部
105 … 方位センサ
106 … 加速度センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背後にある風景を見通し可能なシースルー状態に設定され得る表示部と、
前記表示部を制御する表示制御部と、
目的位置を記憶する記憶部と、
現在位置を取得する位置取得部と、
前記目的位置と前記現在位置とを比較する比較部とを備え、
前記表示制御部は、前記比較部の比較結果に応じて、前記目的位置を示す情報を前記表示部に表示させ、前記表示部における前記目的位置を示す情報以外の表示領域を前記シースルー状態に設定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記現在位置から前記目的位置への方向を求める方向取得部とをさらに備え、
前記表示制御部は、前記方向取得部により求められた前記方向に基づいて、前記目的位置への向きを示す画像を前記目的位置を示す情報として前記表示部に表示させ、前記表示部における前記目的位置を示す情報以外の表示領域を前記シースルー状態に設定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記表示部の傾きを検出するための傾き検出部と、
前記傾き検出部の出力に基づいて、前記表示部の背面が下を向く状態にあるか否かを判断する判断部と、
ユーザにより前記表示部が指示されたことを検出する指示検出部と、
前記目的位置を登録する登録部と、をさらに備え、
前記位置取得部は、前記表示部の背面が下を向く状態で、前記表示部が指示されたことが検出されると、前記現在位置を取得し、
前記登録部は、前記位置取得部が取得した前記現在位置を前記目的位置として登録する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯端末装置において、
前記指示検出部は、ユーザにより示された前記表示部上の位置を検出し、
前記表示制御部は、前記指示検出部が検出した前記表示部上の位置に前記目的位置を示す情報を表示させ、前記表示部における前記目的位置を示す情報以外の表示領域を前記シースルー状態に設定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の携帯端末装置において、
前記表示制御部は、前記表示部の背面が下を向く状態において、前記位置取得部により取得された前記現在位置が、前記登録部に登録された前記目的位置と一致すると、前記表示部に前記目的位置を示す情報を表示させ、前記表示部における前記目的位置を示す情報以外の表示領域を前記シースルー状態に設定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の携帯端末装置において、
第1ユニットと、
前記第1ユニットが重なる第1位置と前記第1ユニットの横に並ぶ第2位置に移動可能な第2ユニットと、を備え、
前記表示部は、前記シースルー状態に設定される第1表示部と、前記シースルー状態に
設定されない第2表示部とを有し、
前記第1表示部は、前記第1ユニットに設定され、
前記第2表示部は、前記第2ユニットに設定される、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯端末装置において、
前記表示部制御は、
前記第2ユニットが前記第2位置に位置づけられた状態で、前記第1表示部に前記目的位置を示す情報を表示するとともに、前記第1表示部の前記目的位置を示す情報以外の表示部を前記シースルー状態に設定し、前記第2表示部に地図情報を表示する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項1】
背後にある風景を見通し可能なシースルー状態に設定され得る表示部と、
前記表示部を制御する表示制御部と、
目的位置を記憶する記憶部と、
現在位置を取得する位置取得部と、
前記目的位置と前記現在位置とを比較する比較部とを備え、
前記表示制御部は、前記比較部の比較結果に応じて、前記目的位置を示す情報を前記表示部に表示させ、前記表示部における前記目的位置を示す情報以外の表示領域を前記シースルー状態に設定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記現在位置から前記目的位置への方向を求める方向取得部とをさらに備え、
前記表示制御部は、前記方向取得部により求められた前記方向に基づいて、前記目的位置への向きを示す画像を前記目的位置を示す情報として前記表示部に表示させ、前記表示部における前記目的位置を示す情報以外の表示領域を前記シースルー状態に設定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記表示部の傾きを検出するための傾き検出部と、
前記傾き検出部の出力に基づいて、前記表示部の背面が下を向く状態にあるか否かを判断する判断部と、
ユーザにより前記表示部が指示されたことを検出する指示検出部と、
前記目的位置を登録する登録部と、をさらに備え、
前記位置取得部は、前記表示部の背面が下を向く状態で、前記表示部が指示されたことが検出されると、前記現在位置を取得し、
前記登録部は、前記位置取得部が取得した前記現在位置を前記目的位置として登録する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯端末装置において、
前記指示検出部は、ユーザにより示された前記表示部上の位置を検出し、
前記表示制御部は、前記指示検出部が検出した前記表示部上の位置に前記目的位置を示す情報を表示させ、前記表示部における前記目的位置を示す情報以外の表示領域を前記シースルー状態に設定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の携帯端末装置において、
前記表示制御部は、前記表示部の背面が下を向く状態において、前記位置取得部により取得された前記現在位置が、前記登録部に登録された前記目的位置と一致すると、前記表示部に前記目的位置を示す情報を表示させ、前記表示部における前記目的位置を示す情報以外の表示領域を前記シースルー状態に設定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の携帯端末装置において、
第1ユニットと、
前記第1ユニットが重なる第1位置と前記第1ユニットの横に並ぶ第2位置に移動可能な第2ユニットと、を備え、
前記表示部は、前記シースルー状態に設定される第1表示部と、前記シースルー状態に
設定されない第2表示部とを有し、
前記第1表示部は、前記第1ユニットに設定され、
前記第2表示部は、前記第2ユニットに設定される、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯端末装置において、
前記表示部制御は、
前記第2ユニットが前記第2位置に位置づけられた状態で、前記第1表示部に前記目的位置を示す情報を表示するとともに、前記第1表示部の前記目的位置を示す情報以外の表示部を前記シースルー状態に設定し、前記第2表示部に地図情報を表示する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−83209(P2012−83209A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229684(P2010−229684)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]