説明

携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムと方法

【課題】携帯電話を利用した電子メールの課金を携帯電話でなく相手にさせることが出来なかった。
【解決手段】携帯電話端末1と、携帯電話網2と、データをパケットに分割し、携帯電話網を介して携帯電話端末1との間で伝送することができるパケット伝送手段3と、伝送したパケット数を課金IDとともに課金DB40に登録する課金手段4と、インターネット6から受信した電子メールを、パケット伝送手段を利用して、携帯電話端末に伝送する電子メールシステム5で構成し、電子メールシステム5は、メール受信手段57と、受信用メールボックス58と、メール伝送制御手段50と、加入者DB51と、メール確認/読み出し手段56と、メール制御データ解析手段52と、特別課金者リスト54と、送信元アドレスチェック手段53と、課金ID切り替え通知手段55と有する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムと方法に関し、特に携帯電話を用いてメール送受信サービスを行う場合の通信料の課金方式の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムと方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムでは、電子メールの送受信のうち、携帯電話センター−端末装置間の通信パケット伝送に対する通信費用の課金は、すべて携帯電話の加入者に対して行われる。このような携帯電話システムは、特開2000−217154号公報に記載されている。
【0003】一般に、企業が顧客に対して商品情報の提供や広告などのサービスを行う場合、従来は封書や葉書によるダイレクトメールが利用されていた。この際、その郵送費などの費用は、ダイレクトメールの発信者である企業が負担していた。
【0004】また企業が、電話対応による商品の注文窓口やクレーム処理窓口を設置する場合、その際に発生する電話料金についても、NTTのフリーダイヤルサービスなどを利用することにより、企業側の負担とするようなビジネスモデルは広く知られている。
【0005】上記2つのビジネスモデルは、どちらもわずかな通信費を企業側で負担することによって顧客満足度を高め、そこからより大きな利潤を得ようとするものである。
【0006】しかしこのようなビジネスモデルにおいて、企業が顧客への情報提供の迅速化や商品注文業務の効率化を実施しようとして、情報の送受信手段を、封書、はがき、フリーダイヤルによる通話から、携帯電話を利用した電子メールに変更しようとした場合、顧客に対して従来は発生しなかった通信費の負担が新たに発生することになり、かえって顧客満足度を低下させてしまうという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムは、第1の問題点は、企業が顧客への情報提供の迅速化や商品注文業務の効率化を実施しようとして、情報の送受信手段を、封書、はがき、フリーダイヤルによる通話から、携帯電話を利用した電子メールに変更しようとした場合、顧客に対して通信費の負担が新たに発生することになり、顧客満足度を低下させてしまうことである。
【0008】その理由は、電子メールの送受信のうち、携帯電話センター−端末装置間の通信パケット伝送に対する通信費用の課金は、すべて携帯電話の加入者に対して行われるからである。
【0009】本発明の目的は、携帯電話を利用した電子メールシステムにおいて、あらかじめ、特定のメールアドレスを特別課金者リストに登録しておき、そのアドレスに対するメール送信および、そのアドレスからのメール受信の際のパケット通信料を、携帯電話端末加入者ではなく、その特定アドレスの登録者に課金することによって、携帯電話によるメールシステムにおいても、ダイレクトメールやフリーダイアルと同等の顧客満足度を得る携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムと方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムは、電子メールを受信可能な携帯電話端末と、電子メールの伝送に必要となるデータ伝送を可能とする携帯電話網と、データをパケットに分割し、携帯電話網を介して携帯電話端末との間で伝送することができるパケット伝送手段と、伝送したパケット数を課金IDとともに課金DBに登録する課金手段と、インターネットから受信した電子メールを、パケット伝送手段を利用して、携帯電話端末に伝送する電子メールシステムで構成し、電子メールシステムは、インターネットから電子メールを受信するメール受信手段と、受信したメールを一時的に格納しておく受信用メールボックスと、携帯電話端末からの電子メール受信要求に従ってメール伝送を制御するメール伝送制御手段と、携帯電話端末の加入者番号とメールアドレスの対応表が格納されている加入者DBと、メール伝送制御手段の指示によって、受信用メールボックスに対して、指定されたメールアドレスに対する電子メールの存在確認および読み出しを行うメール確認/読み出し手段と、読み出した電子メールを構成するメールデータからメール送信元アドレスレコード、メール本文、メール終端レコードを識別するメール制御データ解析手段と、メール送信元アドレスレコードから識別した送信元のメールアドレスが特別課金者リストに含まれているかどうかをチェックし、含まれていた場合に対応する特別課金IDを取り出す送信元アドレスチェック手段と、パケット伝送手段に対して、パケット課金の際の課金IDを特別課金IDに切り替える指示を行う課金ID切り替え通知手段とを備える。
【0011】第2の発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムは、電子メールを送信可能な携帯電話端末と、電子メールの伝送に必要となるデータ伝送を可能とする携帯電話網と、データをパケットに分割し、携帯電話網を介して携帯電話端末との間で伝送することができるパケット伝送手段と、伝送したパケット数を課金IDとともに課金DBに登録する課金手段と、パケット伝送手段を介して、携帯電話端末から送信された電子メールをインターネットで構成し、電子メールシステムは、携帯電話端末からの電子メール送信要求に従ってメール伝送を制御するメール伝送制御手段と、携帯電話端末から受け取った電子メールを構成するメールデータからメール送信先アドレスレコード、メール本文、メール終端レコードを識別するメール制御データ解析手段と、メール送信先アドレスレコードから識別した送信先のメールアドレスが特別課金者リストに含まれているかどうかをチェックし、含まれていた場合に対応する特別課金IDを取り出す送信先アドレスチェック手段と、パケット課金の際の課金IDを特別課金IDに切り替える指示を行う課金ID切り替え手段と、メール伝送制御手段の指示によって、送信用メールボックスに対して、送信すべきメールを一時的に格納するメール格納手段と、送信用メールボックスから適時メールデータを読み出し、インターネットに対して送出を行うメール送信手段とを備える。
【0012】第3の発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金方法は、インターネットを経由して到達した電子メールはメール受信手段により適時受信され、受信用メールボックスに格納され、携帯電話端末においてメール受信操作を行うと、携帯電話網およびパケット伝送手段を介して、データ伝送路が電子メールシステムとの間に確立され、パケット伝送手段は、このデータ伝送路に対応する加入者番号を電子メールシステムに通知し、パケット伝送手段は、このデータ伝送路を通るパケット数をカウントし、加入者番号を課金IDとして課金動作を開始し、データ伝送路を経由して、メール受信要求がメール伝送制御手段に対して行われると、メール伝送制御手段は、通知された加入者番号を用いて、加入者DBを検索し、携帯電話端末に対応するメールアドレスを得て、メール伝送制御手段は、得られたメールアドレスを用いて、メール確認/読み出し手段に対して受信用メールボックスからのメールデータの検索と読み出しを指示し、読み出されたメールデータは、メール制御データ解析手段に渡され、メール制御データ解析手段は、渡されたメールデータを走査し、それがメール送信元アドレスレコードでなかった場合は、そのままデータ伝送路を介して携帯電話端末に送信し、メール送信元アドレスレコードを検出したメール制御データ解析手段は、その中に含まれる送信元アドレスを取り出し、送信元アドレスチェック手段に対して指示を出し、そのアドレスが特別課金者リストに含まれているかどうかチェックし、チェックの結果、このメールアドレスが特別課金者リストに含まれていた場合、このメールアドレスに対応する特別課金IDを得て、得られた特別課金IDは課金ID切り替え通知手段によってパケット伝送手段に通知され、以降、該データ伝送路に対するパケット数の課金は、切り替えられた特別課金IDを使用して行われ、該メールデータの伝送の際のパケット数の課金は、携帯電話端末の加入者ではなく、発信元の特別課金者に対して行われるようになり、メール制御データ解析手段はメール終端レコードを検出すると、課金IDをデータ伝送路に対応する加入者番号にリセットするために、課金ID切り替え通知手段に指示を出し、課金ID切り替え手段はパケット伝送手段に課金IDの切り替えを通知し、以降の該データ伝送路に対するパケット数の課金は、再び携帯電話端末の加入者に対して行われる。
【0013】第4の発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金方法は、携帯電話端末において、メール送信操作を行うと、携帯電話網およびパケット伝送手段を介して、データ伝送路が電子メールシステムとの間に確立され、パケット伝送手段は、このデータ伝送路に対応する加入者番号を電子メールシステムに通知し、パケット伝送手段は、このデータ伝送路を通るパケット数をカウントし、加入者番号を課金IDとして課金動作を開始し、データ伝送路を経由して、メール送信要求がメール伝送制御手段に対して行われると、メール伝送制御手段は、メール送信要求に続いて受け取ったメールデータを、メール制御データ解析手段に渡し、メール制御データ解析手段は、渡されたデータを走査し、それがメール送信先アドレスレコードでなかった場合は、そのままメール格納手段を介して、送信用メールボックスに格納し、メール送信先アドレスレコードを検出したメール制御データ解析手段は、これをメール格納手段に渡すとともに、その中に含まれる送信先アドレスを取り出し、送信先アドレスチェック手段に対して指示を出し、そのアドレスが特別課金者リストに含まれているかどうかチェックし、チェックの結果、このメールアドレスが特別課金者リストに含まれていた場合、このメールアドレスに対応する特別課金IDを得て、得られた特別課金IDは課金ID切り替え通知手段によってパケット伝送手段に通知され、以降、該データ伝送路に対するパケット数の課金は、切り替えられた特別課金IDを使用して行われ、該メールデータの伝送の際のパケット数の課金は、携帯電話端末の加入者ではなく、発信先の特別課金者に対して行われ、メール制御データ解析手段はメール終端レコードを検出すると、課金IDをデータ伝送路に対応する加入者番号にリセットするために、課金ID切り替え通知手段に指示を出し、課金ID切り替え通知手段は、パケット伝送手段に課金IDの切り替えを通知し、以降の該データ伝送路に対するパケット数の課金は、再び携帯電話端末の加入者に対して行われ、送信用メールボックスに格納されたメールデータは、メール送信手段によって、適時読み出され、インターネットに対して送出される。
【0014】第5の発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金方法は、電子メールを受信可能な携帯電話システムにおいて、受信するメールの送信元アドレスが、あらかじめ登録されていた特定アドレスと一致した場合、メール受信に必要となるパケット通信料を、携帯電話端末の加入者ではなく、特定アドレスの登録者に課金する。
【0015】第6の発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金方法は、電子メールを送信可能な携帯電話システムにおいて、送信するメールの送信先アドレスが、あらかじめ登録されていた特定アドレスと一致した場合、メール送信に必要となるパケット通信料を、携帯電話端末の加入者ではなく、特定アドレスの登録者に課金する。
【0016】第7の発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムと方法は、電子メールを受信可能な携帯電話システムにおいて、受信するメールの送信元アドレスが、あらかじめ登録されていた特定アドレスと一致した場合、メール受信に必要となるパケット通信料を、または、送信するメールの送信先アドレスが、あらかじめ登録されていた特定アドレスと一致した場合、メール送信に必要となるパケット通信料を、携帯電話端末の加入者ではなく、特定アドレスの登録者に課金する。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】図1は本発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムと方法の第1の一実施の形態を示すブロック図である。
【0019】図3は本発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムと方法の電子メールを構成するメールデータの構造を示す構造図である。
【0020】図4は本発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムと方法の加入者DBの構造を示す構造図である。
【0021】図5は本発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムと方法の特別課金者リストの構造を示す構造図である。
【0022】本発明の第1の実施の形態は、図1に示すように、電子メールを受信可能な携帯電話端末1と、電子メールの伝送に必要となるデータ伝送を可能とする携帯電話網2と、データをパケットに分割し、携帯電話網2を介して携帯電話端末1との間で伝送することができるパケット伝送手段3と、伝送したパケット数を課金IDとともに課金DB40に登録する課金手段4と、インターネット6から受信した電子メールを、パケット伝送手段3を利用して、携帯電話端末1に伝送する電子メールシステム5で構成される。
【0023】電子メールシステム5は、インターネット6から電子メールを受信するメール受信手段57と、受信したメールを一時的に格納しておく受信用メールボックス58と、携帯電話端末1からの電子メール受信要求に従ってメール伝送を制御するメール伝送制御手段50と、図4に示すように携帯電話端末1の加入者番号とメールアドレスの対応表が格納されている加入者DB51と、メール伝送制御手段50の指示によって、受信用メールボックス58に対して、指定されたメールアドレスに対する電子メールの存在確認および読み出しを行うメール確認/読み出し手段56と、図3に示すように読み出した電子メールを構成するメールデータからメール送信元アドレスレコード31、メール本文32、メール終端レコード33を識別するメール制御データ解析手段52と、メール送信元アドレスレコード31から識別した送信元のメールアドレスが図5に示すように特別課金者リスト54に含まれているかどうかをチェックし、含まれていた場合に対応する特別課金IDを取り出す送信元アドレスチェック手段53と、パケット伝送手段3に対して、パケット課金の際の課金IDを特別課金IDに切り替える指示を行う課金ID切り替え通知手段55と有する。
【0024】次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0025】図2は本発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムと方法の第2の一実施の形態を示すブロック図である。
【0026】本発明の第2の実施の形態は、図2に示すように、電子メールを送信可能な携帯電話端末1と、電子メールの伝送に必要となるデータ伝送を可能とする携帯電話網2と、データをパケットに分割し、携帯電話網2を介して携帯電話端末1との間で伝送することができるパケット伝送手段3と、伝送したパケット数を課金IDとともに課金DB40に登録する課金手段4と、パケット伝送手段3を介して、携帯電話端末1から送信された電子メールをインターネット6に送信する電子メールシステム5で構成される。
【0027】電子メールシステム5は、携帯電話端末1からの電子メール送信要求に従ってメール伝送を制御するメール伝送制御手段50と、図3に示すように携帯電話端末1から受け取った電子メールを構成するメールデータからメール送信先アドレスレコード30、メール本文32、メール終端レコード33を識別するメール制御データ解析手段52と、メール送信先アドレスレコード30から識別した送信先のメールアドレスが図5に示すように特別課金者リスト54に含まれているかどうかをチェックし、含まれていた場合に対応する特別課金IDを取り出す送信先アドレスチェック手段53と、パケット課金の際の課金IDを特別課金IDに切り替える指示を行う課金ID切り替え手段55と、メール伝送制御手段50の指示によって、送信用メールボックス58に対して、送信すべきメールを一時的に格納するメール格納手段56と、送信用メールボックス58から適時メールデータを読み出し、インターネット6に対して送出を行うメール送信手段57とを有する。
【0028】次に、本発明の第1の実施の形態の動作について、図を参照して詳細に説明する。
【0029】まず、本発明の第1の形態である図1を参照すると、インターネット6を経由して到達した電子メールはメール受信手段57により適時受信され、受信用メールボックス58に格納される。格納された電子メールデータは図3に示すような構造を持つ。
【0030】今、携帯電話端末1においてメール受信操作を行うと、まず携帯電話網2およびパケット伝送手段3を介して、データ伝送路が電子メールシステム5との間に確立される。この際、パケット伝送手段3は、このデータ伝送路に対応する加入者番号を電子メールシステム5に通知する。また、パケット伝送手段3は、このデータ伝送路を通るパケット数をカウントし、加入者番号を課金IDとして課金動作を開始する。
【0031】データ伝送路を経由して、メール受信要求がメール伝送制御手段50に対して行われると、メール伝送制御手段50は、通知された加入者番号を用いて、加入者DB51を検索し、携帯電話端末1に対応するメールアドレスを得る。加入者DBの構造を図4に示す。
【0032】メール伝送制御手段50は、得られたメールアドレスを用いて、メール確認/読み出し手段56に対して受信用メールボックス58からのメールデータの検索と読み出しを指示する。
【0033】読み出されたメールデータは逐次、メール制御データ解析手段52に渡される。メール制御データ解析手段52は、渡されたメールデータを走査し、それがメール送信元アドレスレコード31でなかった場合は、そのままデータ伝送路を介して携帯電話端末1に送信する。
【0034】メール送信元アドレスレコード31を検出したメール制御データ解析手段52は、その中に含まれる送信元アドレスを取り出し、送信元アドレスチェック手段53に対して指示を出し、そのアドレスが特別課金者リスト54に含まれているかどうかチェックする。
【0035】チェックの結果、このメールアドレスが特別課金者リスト54に含まれていた場合、このメールアドレスに対応する特別課金IDを得る。得られた特別課金IDは課金ID切り替え通知手段55によってパケット伝送手段3に通知され、以降、該データ伝送路に対するパケット数の課金は、切り替えられた特別課金IDを使用して行われる。これにより、該メールデータの伝送の際のパケット数の課金は、携帯電話端末1の加入者ではなく、発信元の特別課金者に対して行われるようになる。
【0036】メール制御データ解析手段52はメール終端レコード33を検出すると、課金IDをデータ伝送路に対応する加入者番号にリセットするために、課金ID切り替え通知手段55に指示を出す。課金ID切り替え手段55はパケット伝送手段3に課金IDの切り替えを通知し、以降の該データ伝送路に対するパケット数の課金は、再び携帯電話端末1の加入者に対して行われるようになる。
【0037】次に、本発明の第2の実施の形態の動作について、図を参照して詳細に説明する。
【0038】本発明の第2の形態である図2を参照すると、今、携帯電話端末1において、メール送信操作を行うと、まず携帯電話網2およびパケット伝送手段3を介して、データ伝送路が電子メールシステム5との間に確立される。この際、パケット伝送手段3は、このデータ伝送路に対応する加入者番号を電子メールシステム5に通知する。また、パケット伝送手段3は、このデータ伝送路を通るパケット数をカウントし、加入者番号を課金IDとして課金動作を開始する。
【0039】データ伝送路を経由して、メール送信要求がメール伝送制御手段50に対して行われると、メール伝送制御手段50は、メール送信要求に続いて受け取ったメールデータを逐次、メール制御データ解析手段52に渡す。メール制御データ解析手段52は、渡されたデータを走査し、それがメール送信先アドレスレコード30でなかった場合は、そのままメール格納手段56を介して、送信用メールボックス58に格納する。
【0040】メール送信先アドレスレコード30を検出したメール制御データ解析手段52は、これをメール格納手段56に渡すとともに、その中に含まれる送信先アドレスを取り出し、送信先アドレスチェック手段53に対して指示を出し、そのアドレスが特別課金者リスト54に含まれているかどうかチェックする。
【0041】チェックの結果、このメールアドレスが特別課金者リスト54に含まれていた場合、このメールアドレスに対応する特別課金IDを得る。得られた特別課金IDは課金ID切り替え通知手段55によってパケット伝送手段3に通知され、以降、該データ伝送路に対するパケット数の課金は、切り替えられた特別課金IDを使用して行われる。これにより、該メールデータの伝送の際のパケット数の課金は、携帯電話端末1の加入者ではなく、発信先の特別課金者に対して行われる。
【0042】メール制御データ解析手段52はメール終端レコード33を検出すると、課金IDをデータ伝送路に対応する加入者番号にリセットするために、課金ID切り替え通知手段55に指示を出す。課金ID切り替え通知手段55は、パケット伝送手段3に課金IDの切り替えを通知し、以降の該データ伝送路に対するパケット数の課金は、再び携帯電話端末1の加入者に対して行われるようになる。
【0043】送信用メールボックス58に格納されたメールデータは、メール送信手段57によって、適時読み出され、インターネット6に対して送出される。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムと方法は、第1の効果は、携帯電話を利用したメールシステムにおいても、ダイレクトメールやフリーダイヤルと同等のサービスと顧客満足度を提供することが可能となる。
【0045】その理由は、特定のメールアドレスに対するメール送受信における通信料を、携帯電話端末加入者に負担させないことができるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムと方法の第1の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムと方法の第2の一実施の形態の動作を示す流れ図である。
【図3】本発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムと方法の電子メールを構成するメールデータの構造を示す構造図である。
【図4】本発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムと方法の加入者DBの構造を示す構造図である。
【図5】本発明の携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システムと方法の特別課金者リストの構造を示す構造図である。
【符号の説明】
1 携帯電話端末
2 携帯電話網
3 パケット伝送手段
4 課金手段
40 課金DB
5 電子メールシステム
50 メール伝送制御手段
51 加入者DB
52 メール制御データ解析手段
53 送信元アドレスチェック手段、送信先アドレスチェック手段
55 課金ID切り替え通知手段
56 メール確認/読み出し手段、メール格納手段
57 メール受信手段、メール送信手段
58 受信用メールボックス、送信用メールボックス
6 インターネット
30 メール送信先アドレスレコード
31 メール送信元アドレスレコード
32 メール本文
33 メール終端レコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子メールを受信可能な携帯電話端末と、電子メールの伝送に必要となるデータ伝送を可能とする携帯電話網と、データをパケットに分割し、携帯電話網を介して携帯電話端末との間で伝送することができるパケット伝送手段と、伝送したパケット数を課金IDとともに課金DBに登録する課金手段と、インターネットから受信した電子メールを、パケット伝送手段を利用して、携帯電話端末に伝送する電子メールシステムで構成し、電子メールシステムは、インターネットから電子メールを受信するメール受信手段と、受信したメールを一時的に格納しておく受信用メールボックスと、携帯電話端末からの電子メール受信要求に従ってメール伝送を制御するメール伝送制御手段と、携帯電話端末の加入者番号とメールアドレスの対応表が格納されている加入者DBと、メール伝送制御手段の指示によって、受信用メールボックスに対して、指定されたメールアドレスに対する電子メールの存在確認および読み出しを行うメール確認/読み出し手段と、読み出した電子メールを構成するメールデータからメール送信元アドレスレコード、メール本文、メール終端レコードを識別するメール制御データ解析手段と、メール送信元アドレスレコードから識別した送信元のメールアドレスが特別課金者リストに含まれているかどうかをチェックし、含まれていた場合に対応する特別課金IDを取り出す送信元アドレスチェック手段と、パケット伝送手段に対して、パケット課金の際の課金IDを特別課金IDに切り替える指示を行う課金ID切り替え通知手段とを備えることを特徴とする携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システム。
【請求項2】 電子メールを送信可能な携帯電話端末と、電子メールの伝送に必要となるデータ伝送を可能とする携帯電話網と、データをパケットに分割し、携帯電話網を介して携帯電話端末との間で伝送することができるパケット伝送手段と、伝送したパケット数を課金IDとともに課金DBに登録する課金手段と、パケット伝送手段を介して、携帯電話端末から送信された電子メールをインターネットで構成し、電子メールシステムは、携帯電話端末からの電子メール送信要求に従ってメール伝送を制御するメール伝送制御手段と、携帯電話端末から受け取った電子メールを構成するメールデータからメール送信先アドレスレコード、メール本文、メール終端レコードを識別するメール制御データ解析手段と、メール送信先アドレスレコードから識別した送信先のメールアドレスが特別課金者リストに含まれているかどうかをチェックし、含まれていた場合に対応する特別課金IDを取り出す送信先アドレスチェック手段と、パケット課金の際の課金IDを特別課金IDに切り替える指示を行う課金ID切り替え手段と、メール伝送制御手段の指示によって、送信用メールボックスに対して、送信すべきメールを一時的に格納するメール格納手段と、送信用メールボックスから適時メールデータを読み出し、インターネットに対して送出を行うメール送信手段とを備えることを特徴とする携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金システム。
【請求項3】 インターネットを経由して到達した電子メールはメール受信手段により適時受信され、受信用メールボックスに格納され、携帯電話端末においてメール受信操作を行うと、携帯電話網およびパケット伝送手段を介して、データ伝送路が電子メールシステムとの間に確立され、パケット伝送手段は、このデータ伝送路に対応する加入者番号を電子メールシステムに通知し、パケット伝送手段は、このデータ伝送路を通るパケット数をカウントし、加入者番号を課金IDとして課金動作を開始し、データ伝送路を経由して、メール受信要求がメール伝送制御手段に対して行われると、メール伝送制御手段は、通知された加入者番号を用いて、加入者DBを検索し、携帯電話端末に対応するメールアドレスを得て、メール伝送制御手段は、得られたメールアドレスを用いて、メール確認/読み出し手段に対して受信用メールボックスからのメールデータの検索と読み出しを指示し、読み出されたメールデータは、メール制御データ解析手段に渡され、メール制御データ解析手段は、渡されたメールデータを走査し、それがメール送信元アドレスレコードでなかった場合は、そのままデータ伝送路を介して携帯電話端末に送信し、メール送信元アドレスレコードを検出したメール制御データ解析手段は、その中に含まれる送信元アドレスを取り出し、送信元アドレスチェック手段に対して指示を出し、そのアドレスが特別課金者リストに含まれているかどうかチェックし、チェックの結果、このメールアドレスが特別課金者リストに含まれていた場合、このメールアドレスに対応する特別課金IDを得て、得られた特別課金IDは課金ID切り替え通知手段によってパケット伝送手段に通知され、以降、該データ伝送路に対するパケット数の課金は、切り替えられた特別課金IDを使用して行われ、該メールデータの伝送の際のパケット数の課金は、携帯電話端末の加入者ではなく、発信元の特別課金者に対して行われるようになり、メール制御データ解析手段はメール終端レコードを検出すると、課金IDをデータ伝送路に対応する加入者番号にリセットするために、課金ID切り替え通知手段に指示を出し、課金ID切り替え手段はパケット伝送手段に課金IDの切り替えを通知し、以降の該データ伝送路に対するパケット数の課金は、再び携帯電話端末の加入者に対して行われることを特徴とする携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金方法。
【請求項4】 携帯電話端末において、メール送信操作を行うと、携帯電話網およびパケット伝送手段を介して、データ伝送路が電子メールシステムとの間に確立され、パケット伝送手段は、このデータ伝送路に対応する加入者番号を電子メールシステムに通知し、パケット伝送手段は、このデータ伝送路を通るパケット数をカウントし、加入者番号を課金IDとして課金動作を開始し、データ伝送路を経由して、メール送信要求がメール伝送制御手段に対して行われると、メール伝送制御手段は、メール送信要求に続いて受け取ったメールデータを、メール制御データ解析手段に渡し、メール制御データ解析手段は、渡されたデータを走査し、それがメール送信先アドレスレコードでなかった場合は、そのままメール格納手段を介して、送信用メールボックスに格納し、メール送信先アドレスレコードを検出したメール制御データ解析手段は、これをメール格納手段に渡すとともに、その中に含まれる送信先アドレスを取り出し、送信先アドレスチェック手段に対して指示を出し、そのアドレスが特別課金者リストに含まれているかどうかチェックし、チェックの結果、このメールアドレスが特別課金者リストに含まれていた場合、このメールアドレスに対応する特別課金IDを得て、得られた特別課金IDは課金ID切り替え通知手段によってパケット伝送手段に通知され、以降、該データ伝送路に対するパケット数の課金は、切り替えられた特別課金IDを使用して行われ、該メールデータの伝送の際のパケット数の課金は、携帯電話端末の加入者ではなく、発信先の特別課金者に対して行われ、メール制御データ解析手段はメール終端レコードを検出すると、課金IDをデータ伝送路に対応する加入者番号にリセットするために、課金ID切り替え通知手段に指示を出し、課金ID切り替え通知手段は、パケット伝送手段に課金IDの切り替えを通知し、以降の該データ伝送路に対するパケット数の課金は、再び携帯電話端末の加入者に対して行われ、送信用メールボックスに格納されたメールデータは、メール送信手段によって、適時読み出され、インターネットに対して送出されることを特徴とする携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金方法。
【請求項5】 電子メールを受信可能な携帯電話システムにおいて、受信するメールの送信元アドレスが、あらかじめ登録されていた特定アドレスと一致した場合、メール受信に必要となるパケット通信料を、携帯電話端末の加入者ではなく、特定アドレスの登録者に課金することを特徴とする携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金方法。
【請求項6】 電子メールを送信可能な携帯電話システムにおいて、送信するメールの送信先アドレスが、あらかじめ登録されていた特定アドレスと一致した場合、メール送信に必要となるパケット通信料を、携帯電話端末の加入者ではなく、特定アドレスの登録者に課金することを特徴とする携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金方法。
【請求項7】 電子メールを受信可能な携帯電話システムにおいて、受信するメールの送信元アドレスが、あらかじめ登録されていた特定アドレスと一致した場合、メール受信に必要となるパケット通信料を、または、送信するメールの送信先アドレスが、あらかじめ登録されていた特定アドレスと一致した場合、メール送信に必要となるパケット通信料を、携帯電話端末の加入者ではなく、特定アドレスの登録者に課金することを特徴とする携帯電話を利用した電子メールの送受信に対する課金方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【公開番号】特開2003−8658(P2003−8658A)
【公開日】平成15年1月10日(2003.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−193158(P2001−193158)
【出願日】平成13年6月26日(2001.6.26)
【出願人】(000232092)エヌイーシーソフト株式会社 (173)
【Fターム(参考)】