説明

撮像装置、その制御方法およびプログラム

【課題】長時間露光の撮影において、背景および前景いずれも適正露出となった撮影画像を取得できる可能性を高めることが可能な技術を提供する。
【解決手段】撮像装置1Aは、被写体像に関する画像信号を生成する撮像素子と、単位露光を繰り返して撮像素子への露光を実現する撮影制御部112と、被写体に向けて発光するフラッシュ4の発光動作を制御する発光制御部113とを備え、発光制御部113は、単位露光中に、フラッシュ4の発光動作を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
夜景または天体等の低輝度の被写体を撮影する場合は、露光(露出)時間の長い長時間露光撮影(「長露光撮影」とも称する)が行われる。このような長露光撮影では、撮影画像の取得に要する時間が長くなるため、所望の画像が取得されたか否かの確認に多大な時間を費やすことになる。
【0003】
これに対して、長露光撮影において露光を複数回に分けて行い、各露光が終了する度に、撮影画像を表示部で確認可能とする技術が存在する(例えば、特許文献1)。これによれば、露光途中の撮影画像を随時確認することができるので、撮影画像の良否、例えば露出が適正であるか否かの判断を長露光撮影終了まで待つことなく短時間で行うことが可能になる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−140484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、例えば、夜景を背景にして前景の人物を撮影するとき等、背景と前景とで輝度の異なる被写体を撮影する場合は、背景および前景いずれも適正露出となった画像を取得するのは困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、長時間露光の撮影において、背景および前景いずれも適正露出となった撮影画像を取得できる可能性を高めることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面は、撮像装置であって、被写体像に関する画像信号を生成する撮像素子と、単位露光を繰り返して前記撮像素子への露光を実現する撮影制御手段と、被写体に向けて発光する発光手段の発光動作を制御する発光制御手段とを備え、前記発光制御手段は、前記単位露光中に、前記発光動作を実行させる。
【0008】
また、本発明の第2の側面は、撮像装置であって、被写体像に関する画像信号を生成する撮像素子と、所定操作によって前記撮像素子への露光の開始および終了を指示可能なバルブ撮影を実行させる撮影制御手段と、被写体に向けて発光する発光手段の発光動作を制御する発光制御手段とを備え、前記発光制御手段は、前記バルブ撮影における露光中に、前記発光動作を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、長時間露光の撮影において、背景および前景いずれも適正露出となった撮影画像を取得できる可能性が高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
<1.第1実施形態>
[1−1.構成]
図1、図2および図3は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1Aの外観構成を示す図である。ここで、図1は、撮像装置1Aの正面外観図であり、図2は、撮像装置1Aの上面外観図であり、図3は、撮像装置1Aの背面外観図である。
【0012】
撮像装置1Aは、デジタルカメラとして構成されており、その前面(図1参照)において撮影レンズ3を有している。
【0013】
撮影レンズ3は、主として、レンズ群および絞り等によって構成される。レンズ群には、光軸方向に移動することによって焦点位置を変更するフォーカスレンズ等が含まれている。
【0014】
また、撮像装置1Aは、その上面(図2参照)において露光開始を指示するためのレリーズボタン(シャッターボタン)11とフラッシュ(ストロボ)4とモード設定ダイアル5と制御値設定ダイアル6とを備えている。
【0015】
レリーズボタン11は、半押し状態(S1状態)と全押し状態(S2状態)とを検出可能な2段階検出ボタンである。レリーズボタン11が半押しされ半押し状態になると、被写体に関する記録用静止画像(本撮影画像)を取得するための準備動作(例えば、位相差による自動合焦(AF)制御動作および自動露出(AE)制御動作等)が行われる。また、レリーズボタン11がさらに押し込まれて全押し状態になると、本撮影画像の撮影動作(撮像素子(後述)を用いて被写体像に関する露光を行い、その露光によって得られた画像信号に所定の画像処理を施す一連の本撮影動作)が行われる。
【0016】
フラッシュ4は、被写体に向けて光を発光する発光部として機能する。フラッシュ4の発光タイミング、および発光量(詳細には、発光強度および/または発光時間)は、全体制御部110によって制御される。
【0017】
モード設定ダイアル5は、回転可能な円盤状の部材によって構成され、ユーザ(使用者)は、モード設定ダイアル5を回転させることによって、所望の撮影モードを選択して有効化することができる。
【0018】
例えば、モード設定ダイアル5を回転させてマニュアルモード(Mモード)を選択すると、ユーザはシャッタースピードおよび絞り値の双方を手動で決定することが可能になる。また、マニュアルモードにおいて方向選択キー17(図3)等を操作することによって、バルブ撮影を行う撮影モード(バルブ撮影モード)を選択することができる。
【0019】
バルブ撮影では、レリーズボタン11の操作によって撮像素子C10への露光の開始および終了が指示可能となる。より詳細には、バルブ撮影では、レリーズボタン11を押し続けている(全押し状態を継続している)間、シャッターが開いたままになり、所望の時間露光された画像を取得することができる。
【0020】
制御値設定ダイアル6は、回転可能な円盤状の部材によって構成され、ユーザは、制御値設定ダイアル6を回転させることによって、各種撮影モードにおける制御値を設定することが可能である。
【0021】
また、撮像装置1Aは、その背面(図3参照)において、モニタ12とファインダ窓10とメインスイッチ(電源スイッチ)15とメニューボタン16と方向選択キー17とフラッシュ発光ボタン18とを備えている。
【0022】
より詳細には、撮像装置1Aの背面の略中央には、表示部としてのモニタ12が設けられている。モニタ12は、例えばカラー液晶ディスプレイ(LCD)として構成される。モニタ12には、撮影条件等を設定するためのメニュー画面を表示したり、メモリカード等の記録デバイス105(図4参照)に記録された撮影画像を再生表示したりすることができる。
【0023】
モニタ12の上部には、ファインダ窓10が設けられている。ファインダ窓10には、被写体像が導かれ、撮影者は、ファインダ窓10を覗くことによって、被写体像を視認し、構図決めを行うことができる。
【0024】
モニタ12の左上部にはメインスイッチ15が設けられている。メインスイッチ15は2点スライドスイッチからなり、接点を左方の「OFF」位置に設定すると、撮像装置1Aの電源がオフになり、接点を右方の「ON」位置に設定すると、撮像装置1Aの電源がオンになる。
【0025】
モニタ12の右側には、方向選択キー(カーソルキー)17およびフラッシュ発光ボタン18が設けられている。
【0026】
方向選択キー17は、上下左右の4方向の押圧操作が検出されるようになっている。なお、方向選択キー17は、上記4方向の押圧操作とは別に、中央部のプッシュボタン(決定ボタン)17aの押圧操作も検出されるようになっている。
【0027】
フラッシュ発光ボタン18は、比較的長い露光時間を有する長時間露光撮影(長露光撮影)中に、フラッシュ4の発光を指示するボタンである。例えば、長時間露光撮影に含まれるバルブ撮影中にフラッシュ発光ボタン18が押下されると、フラッシュ4から被写体に向けて光が照射される。
【0028】
モニタ12の左側には、メニューボタン16が設けられている。メニューボタン16が押下されるとモニタ12には、メニュー画面(設定画面)が表示される。ユーザは、メニュー画面上において方向選択キー17等を用いた選択操作または設定操作(単に「メニュー操作」とも称する)を行うことによって、撮像装置1Aの詳細動作(例えば、AFモード)の設定、および撮影条件の登録等を行うことができる。
【0029】
[1−2.機能]
次に、撮像装置1Aの機能の概要について説明する。図4は、撮像装置1Aの機能構成を示すブロック図である。
【0030】
図4に示すように、撮像装置1Aは、撮像部101、AFE(アナログフロントエンド)102、画像処理部103、画像メモリ104、着脱可能な記録デバイス105、操作部106、および全体制御部110等を備えている。
【0031】
操作部106は、レリーズボタン11、モード設定ダイアル5(図1参照)およびフラッシュ発光ボタン18(図3参照)を含む各種ボタン等によって構成され、ユーザの指示を入力するための入力手段として機能する。操作部106に対するユーザの入力操作に応答して、全体制御部110等が各種動作を実現する。例えば、レリーズボタン11の全押し状態が検出されると、本撮影画像の撮影動作が実行される。
【0032】
撮像部101は、撮像素子(CCDまたはCMOS)C10等の光学センサを備えて構成されている。撮像素子C10では、フォトダイオードを有して構成される複数の画素が水平方向および垂直方向にマトリクス状に2次元配置されている。当該撮像素子C10は、露光により撮像面で受光される被写体像を光電変換作用により電気的信号に変換して、被写体像に関する画像信号(画素信号)を生成する。
【0033】
AFE102は、撮像素子C10に所定の動作を実行させるタイミングパルスを与える。そして、撮像素子C10を構成する各画素から出力される信号に所定の信号処理を施して、デジタル信号(「デジタル画素信号」とも称する)に変換し、画像処理部103に出力する機能を有している。
【0034】
画像処理部103へ出力されたデジタル信号は、撮像素子C10の読み出しに同期して画像メモリ104に一旦格納される。画像メモリ104への格納は、撮像素子C10の読み出しが終了するまで(露光が終了するまで)行われ、露光終了後には、画像メモリ104内において撮像データが形成されている。
【0035】
画像処理部103は、画像メモリ104に格納された撮像データにアクセスして所定の信号処理を行うもので、信号加算部31、デモザイク処理部32、ホワイトバランス(WB)制御部33、およびガンマ(γ)補正部34等を備えて構成されている。
【0036】
信号加算部31は、長時間露光撮影において、撮像部101で取得される画像信号を順次に加算し、加算画像信号(「累積画像信号」とも称する)を更新して生成する。
【0037】
具体的には、撮像装置1Aの長時間露光撮影では、例えば1/2秒間の予め設定された時間(「設定時間」とも称する)ごとに露光が行われて、設定時間ごとに撮像素子C10から画像信号が読み出される。そして、信号加算部31では、設定時間ごとに読み出される画像信号を順次に加算する累積加算処理(単に「加算処理」とも称する)が実行される。当該加算処理によって生成された画像信号(加算画像信号)は、加算画像データとして一旦画像メモリ104に記憶され、次の露光が終了すると、再び加算処理に用いられる。
【0038】
なお、上述のように長時間露光撮影では、設定時間ごとに露光が分割して実行されるので、「設定時間」は「分割露光時間」とも表現され、「設定時間ごとの露光」は「分割露光」または「単位露光」とも表現される。
【0039】
デモザイク処理部32は、画像メモリ104に格納された撮像データにおいて、画素が有していない色成分を、当該画素に隣接している周辺画素の色情報を用いた補間により取得する。
【0040】
ホワイトバランス制御部33は、光源に応じた白の基準に基づいて、R(赤)、G(緑)、B(青)各色成分のデジタル信号のレベル変換(ホワイトバランス(WB)調整)を行う。具体的には、ホワイトバランス制御部33は、全体制御部110から与えられるWB調整データに基づき、輝度または彩度データ等から撮影被写体において本来白色であると推定される部分を特定し、その部分のR、G、Bそれぞれの色成分の平均と、G/R比およびG/B比とを求め、これをR、Bの補正ゲインとしてレベル補正する。
【0041】
ガンマ補正部34は、WB調整された画像信号の階調特性を補正するものである。具体的には、ガンマ補正部34は、予め設定されたガンマ補正用テーブルを用いて、画像信号のレベルを色成分毎に非線形変換するとともにオフセット調整を行う。
【0042】
画像メモリ104は、不揮発性メモリによって構成され、撮影モード時には、画像処理部103から出力される画像信号を一時的に記憶するとともに、この画像信号に対し全体制御部110により所定の処理を行うための作業領域として用いられるメモリである。また、再生モード時には、記録デバイス105から読み出された画像信号を一時的に記憶する。
【0043】
全体制御部110は、マイクロコンピュータとして構成され、主にCPU、RAM110AおよびROM110B等を備えている。全体制御部110は、ROM110B内に格納されたプログラムを読み出し、当該プログラムをCPUで実行することによって、各種機能を実現する。図4における、露出制御部111、撮影制御部112、発光制御部113、および表示制御部114は、全体制御部110においてプログラムを実行することによって実現される機能を機能ブロックとして表したものである。
【0044】
露出制御部111は、シャッタースピードと絞り値とを調節する露出制御を行うものである。具体的には、露出制御部111は、撮像素子C10によって取得される被写体の輝度情報に基づいて、適正露出となるようにシャッタースピードおよび絞り値を設定する。
【0045】
撮影制御部112は、選択された撮影モードにおける各種撮影動作を制御する機能を有している。
【0046】
例えば、長時間露光撮影において、レリーズボタン11の全押し状態が検出されると、撮影制御部112は、撮像素子C10への露光を設定時間間隔で複数回に分けて行うように制御する。すなわち、撮影制御部112は、設定時間ごとの単位露光を繰り返して、撮像素子C10への露光を実現する。
【0047】
発光制御部113は、フラッシュ4の発光動作を制御する機能を有している。
【0048】
具体的には、長時間露光撮影中にフラッシュ発光ボタン18の押下操作が検出されると、発光制御部113は、発光指示信号を出力して単位露光中にフラッシュ4を発光させる。また、長時間露光撮影中において、発光制御部113は、加算画像信号に基づく加算画像の輝度情報に基づいて発光指示信号を出力し、フラッシュ4を自動的に発光させる。詳細は、後述する。
【0049】
表示制御部114は、モニタ12などの表示部における表示内容を制御する。例えば、表示制御部114は、撮影モードで、画像メモリ104に蓄えられた画像信号に基づいて画像表示を行う。
【0050】
また特に、表示制御部114は、長時間露光撮影中、順次更新される加算画像信号に基づく加算画像をモニタ12に表示させる。これにより、ユーザは、長時間露光撮影中に、露光途中の撮影画像を視認することが可能になる。
【0051】
[1−3.長時間露光撮影におけるフラッシュの発光動作について]
ここで、長時間露光撮影におけるフラッシュ4の発光動作について詳述する。図5は、長時間露光撮影におけるフラッシュ4の発光制御に関する図である。
【0052】
撮像装置1Aでは、長時間露光撮影において、フラッシュ4が手動または自動で発光可能となっている。このように、長時間露光撮影中にフラッシュ4の発光動作が実行されることによれば、後景(背景)および前景いずれも適正露出となった撮影画像を取得することが可能になる。
【0053】
以下では、長時間露光撮影においてフラッシュ4の発光動作が手動で実行される場合、およびフラッシュ4の発光動作が自動的に実行される場合についてそれぞれこの順序で説明する。
【0054】
●フラッシュ4の発光動作が手動で実行される場合:
撮像装置1Aの長時間露光撮影では、ユーザの手動操作によってフラッシュ4の発光動作を実行させることができる。
【0055】
具体的には、撮像装置1Aでは、長時間露光撮影においてフラッシュ発光ボタン18がユーザによって操作(ここでは押下)されると、当該操作に応じてフラッシュ4の発光動作が実行される。
【0056】
より詳細には、図5に示されるように、長時間露光撮影においてフラッシュ4を発光させるための指示操作が操作部106を用いて行われると、発光制御部113から発光指示信号が出力される。そして、フラッシュ4は、当該発光指示信号を受けて発光動作を開始する。
【0057】
このようにフラッシュ4を手動で発光させる場合は、ユーザが発光タイミングを決定することになるが、ユーザは、モニタ12に表示される加算画像を視認して当該発光タイミングを決定することができる。
【0058】
例えば、夜景を背景にして人物を撮影するとき等、前景の輝度よりも背景の輝度が高い場合は、前景よりも背景の方が先に露光量が適切となる。すなわち、背景の方が前景よりも比較的輝度が高い場合は、長時間露光撮影で取得される撮影画像では、前景よりも背景の方が早いタイミングで適正露出となる。
【0059】
このため、ユーザは、モニタ12の加算画像を視認して、背景は適正露出であるが前景が露出不足であると認識した場合、フラッシュ4の発光指示操作を行い、フラッシュ4を発光させることができる。これによれば、背景および前景いずれも適正露出となった撮影画像を取得することができる。
【0060】
ここで、撮像装置1Aの長時間露光撮影において手動操作によってフラッシュ4を発光させる場合の動作について、バルブ撮影動作を例にして説明する。図6は、フラッシュ4を手動で発光させるバルブ撮影動作を示すフローチャートである。
【0061】
図6に示されるように、バルブ撮影モードが選択されると、ステップSP11において、分割露光時間の設定が行われる。分割露光時間の設定は、例えば、方向選択キー17等を用いたユーザ操作によって撮影前に行われる。
【0062】
ステップSP12では、レリーズボタン11が押下されたか否かが検出される。レリーズボタン11の全押し状態が検出されない場合は、ステップSP12の処理を繰り返す、いわゆる待機状態となる。一方、レリーズボタン11の全押し状態が検出された場合は、動作工程は、ステップSP13に移行される。
【0063】
ステップSP13では、フラッシュ発光ボタン18が操作されたか否かが検出される。フラッシュ発光ボタン18の操作が検出された場合は、ステップSP14に移行され、発光制御部113によってフラッシュ4の発光動作が実行される。一方、フラッシュ発光ボタン18の操作が検出されなかった場合は、ステップSP15に移行される。
【0064】
ステップSP15では、撮像素子C10への被写体像の露光が行われる。
【0065】
ステップSP16では、分割露光の終了判定が行われる。具体的には、露光開始からの経過時間が分割露光時間に達したか否か、すなわち分割露光時間分の露光が行われたか否かが判定される。
【0066】
分割露光時間分の露光が行われていない場合は、ステップSP17に移行され、レリーズボタン11の全押し状態が解除されたか否かが判定される。
【0067】
レリーズボタン11の全押し状態が解除された場合は、ステップSP22に移行され、バルブ撮影の終了動作(例えば、撮像素子C10に蓄積された画像信号の廃棄等)が実行される。そして、次のステップSP23では、画像メモリ104に記憶されている加算画像が撮影画像として記録デバイス105に保存される。
【0068】
一方、レリーズボタン11の全押し状態が解除されなかった場合、すなわち全押し状態が継続されている場合は、ステップSP16に移行され、1回分の分割露光が引き続き継続して行われる。
【0069】
ステップSP16で、分割露光時間分の露光が行われたと判定された場合は、1回分の分割露光が終了され、ステップSP18に移行される。
【0070】
ステップSP18では、撮像素子C10によって取得された画像信号が読み出される。
【0071】
ステップSP19では、信号加算部31によって、画像メモリ104に保存されている加算画像信号が読み出され、当該加算画像信号にステップSP18で読み出された画像信号を加算する累積加算処理が実行される。そして、累積加算処理によって新たに生成された加算画像信号は、画像メモリ104に上書きして保存される。
【0072】
ステップSP20では、表示制御部114によって露光途中の加算画像がモニタ12に表示される。
【0073】
ステップSP21では、ステップSP17と同様に、レリーズボタン11の全押し状態が解除されたか否かが判定される。
【0074】
レリーズボタン11の全押し状態が継続されている場合は、ステップSP13に移行され、新たな分割露光および累積加算処理が実行される。なお、分割露光およびこれに伴う累積加算処理は、レリーズボタン11の全押し状態が解除されるまで、分割露光時間単位で順次に実行される。
【0075】
一方、ステップSP21でレリーズボタン11の全押し状態が解除されたと判定された場合は、ステップSP22に移行され、バルブ撮影の終了動作が実行される。そして、次のステップSP23では、画像メモリ104に記憶されている加算画像が撮影画像として記録デバイス105に保存される。
【0076】
このように、撮像装置1Aでは、ユーザは、モニタ12に表示される加算画像を視認して、フラッシュ発光ボタン18を操作することにより、長時間露光撮影(バルブ撮影)における露光中にフラッシュ4を発光させることができる。
【0077】
●フラッシュ4の発光動作が自動的に実行される場合:
撮像装置1Aの長時間露光撮影では、背景および前景いずれも適正露出となるように、フラッシュ4を自動的に発光させることができる。図7は、輝度測定領域における平均輝度値の時間変化を示す図である。
【0078】
具体的には、図5に示されるように、撮像装置1Aの発光制御部113では、輝度算出部131、適正露出判定部132、輝度比較部133、および発光決定部134が機能的に実現され、加算画像KG内の輝度差に基づいてフラッシュ4の発光動作の実行タイミングが制御される。
【0079】
輝度算出部131は、画像メモリ104に記憶されている加算画像KG内の所定領域(「輝度測定領域」とも称する)AR1〜AR6ごとに輝度演算を行う。輝度演算では、輝度測定領域AR1〜AR6内の各画素の平均輝度値HE1〜HE6が算出される。なお、輝度測定領域AR1〜AR6は、加算画像KGにおいて予め設定されていてもよく、ユーザによって設定可能としてもよい。
【0080】
適正露出判定部132では、各輝度測定領域AR1〜AR6が適正露出であるか否かがそれぞれ判定される。適正露出であるか否かの判定は、各輝度測定領域AR1〜AR6の平均輝度値HE1〜HE6が、適正露出となる露光量(適正露光量)に対応した適正輝度値CLに到達しているか否かに基づいて行われる。例えば、輝度測定領域AR1が適正露出であるか否かを判定する場合は、輝度測定領域AR1の平均輝度値HE1が、適正輝度値CLに到達しているか否かを判定する。
【0081】
輝度比較部133は、輝度測定領域AR1〜AR6のうちいずれかの領域が、適正露出となった際に、適正輝度値CLと、他の各輝度測定領域(「露出不足領域」とも称する)の平均輝度値とを比較する。この輝度比較により、適正露出となった領域(「適正露出領域」とも称する)の平均輝度値(ここでは、適正輝度値CLに等しい)と各露出不足領域の平均輝度値との輝度差がそれぞれ算出される。
【0082】
例えば、図7に示されるように、輝度測定領域AR1の平均輝度値HE1が積算露光時間PT1において適正輝度値CLに到達した場合は、露出不足となっている他の輝度測定領域AR2〜AR6の平均輝度値HE2〜HE6と適正輝度値CLとの輝度差が算出される。具体的には、輝度測定領域AR2に関しては、積算露光時間PT1における平均輝度値HE2と適正輝度値CLとの輝度差DAが算出される。また、輝度測定領域AR6に関しては、積算露光時間PT1における平均輝度値HE6と適正輝度値CLとの輝度差DBが算出される。なお、各露出不足領域における適正輝度値CLとの輝度差は、適正輝度値CLに対する不足輝度値とも称せられる。
【0083】
発光決定部134は、輝度比較部133での比較結果(詳細には、各露出不足領域における不足輝度値)に基づいて、フラッシュ4を発光させるか否かを決定する。フラッシュ4の発光決定は、不足輝度値が第1のしきい値より大きく、かつ第2のしきい値よりも小さいか、すなわち第1のしきい値を下限値とし第2のしきい値を上限値とする所定範囲WH内にあるか否かに基づいて行われる。
【0084】
各露出不足領域のうち少なくとも1の領域の不足輝度値が所定範囲WH内であった場合は、発光決定部134は、フラッシュ4の発光を決定する。そして、発光制御部113から発光指示信号が所定タイミングで出力される。
【0085】
例えば、輝度測定領域AR2における不足輝度値DAが所定範囲WH内であり、輝度測定領域AR6における不足輝度値DBが所定範囲WH外であるとする。この場合、輝度測定領域AR2における不足輝度値DAが所定範囲WH内であるから、フラッシュ4の発光動作が実行される。
【0086】
このように、所定範囲WHを設定して不足輝度値が当該所定範囲WHに含まれるか否かを基準にしてフラッシュ4の発光動作を制御することによれば、フラッシュ4の無駄な発光を防止することができる。
【0087】
具体的には、露出不足領域における不足輝度値が、第1のしきい値よりも小さい場合は、当該露出不足領域は、適正露出には到達していないが適正露出に近い露光量を有しているとみなされ、フラッシュ4の発光は行われない。
【0088】
また、露出不足領域における不足輝度値が、第2のしきい値よりも大きい場合は、当該露出不足領域には、元来輝度の低い被写体(例えば、黒色の被写体)が存在しているとみなされ、フラッシュ4の発光は行われない。
【0089】
このように、不足輝度値が所定範囲WH内にない場合(第1のしきい値よりも小さい場合、または第2のしきい値よりも大きい場合)は、フラッシュ4を発光させる実益がないと判断され、フラッシュ4の発光動作は実行されない。これにより、フラッシュ4の無駄な発光を防止することができる。
【0090】
ここで、撮像装置1Bの長時間露光撮影において自動でフラッシュ4を発光させる場合の動作について、バルブ撮影動作を例にして説明する。図8は、フラッシュ4を自動で発光させるバルブ撮影動作を示すフローチャートである。
【0091】
図8に示されるように、自動発光のバルブ撮影動作では、ステップSP31およびステップSP32の各工程が新たに加えられている点以外は、手動発光のバルブ撮影動作(図6参照)とほぼ同様の工程が実行される。このため、以下では、手動発光のバルブ撮影動作と相違する点を中心に説明する。
【0092】
具体的には、自動発光のバルブ撮影動作では、まず、ステップSP11において、分割露光時間の設定が行われる。そして、レリーズボタン11が押下されると、ステップSP31に移行される(ステップSP12)。
【0093】
ステップSP31では、後述のステップSP32においてフラッシュ4の発光が決定されたか否かが判定される。
【0094】
フラッシュ4の発光が決定されている場合は、ステップSP14に移行される。ステップSP14では、発光制御部113から発光指示信号が出力され、フラッシュ4の発光動作が実行される。
【0095】
一方、フラッシュ4の発光が決定されていない場合は、ステップSP14を経ずにステップSP15に移行される。
【0096】
ステップSP15では、撮像素子C10への被写体像の露光が行われる。
【0097】
ステップSP16では、分割露光の終了判定が行われる。
【0098】
分割露光時間分の露光が行われていない場合は、ステップSP17に移行され、ステップSP17においてレリーズボタン11の全押し状態が解除されたか否かが判定される。
【0099】
レリーズボタン11の全押し状態が解除された場合は、ステップSP22に移行され、バルブ撮影の終了動作が実行される。そして、次のステップSP23では、画像メモリ104に記憶されている加算画像KGが撮影画像として記録デバイス105に保存される。
【0100】
一方、レリーズボタン11の全押し状態が解除されなかった場合は、ステップSP16に移行され、1回分の分割露光が引き続き継続される。
【0101】
ステップSP16で、分割露光時間分の露光が行われたと判定された場合は、1回分の分割露光が終了され、ステップSP18に移行される。
【0102】
ステップSP18では、分割露光で撮像素子C10によって取得された画像信号が読み出される。
【0103】
ステップSP19では、累積加算処理が実行され加算画像KGが生成される。
【0104】
ステップSP20では、表示制御部114によって露光途中の加算画像KGがモニタ12に表示される。
【0105】
ステップSP32では、輝度算出部131、適正露出判定部132、輝度比較部133、および発光決定部134の協働により、加算画像KG内の輝度差に基づいてフラッシュ4の発光動作を実行させるか否かが判定される。
【0106】
ステップSP21では、ステップSP17と同様に、レリーズボタン11の全押し状態が解除されたか否かが判定される。
【0107】
レリーズボタン11の全押し状態が継続されている場合は、ステップSP31に移行され、新たな分割露光および累積加算処理が実行される。
【0108】
一方、ステップSP21でレリーズボタン11の全押し状態が解除されたと判定された場合は、ステップSP22に移行され、バルブ撮影の終了動作が実行される。そして、次のステップSP23では、画像メモリ104に記憶されている加算画像KGが撮影画像として記録デバイス105に保存される。
【0109】
このように、撮像装置1Aのバルブ撮影では、加算画像KGの輝度情報に基づいてフラッシュ4の発光動作が自動で制御される。
【0110】
以上のように、撮像装置1Aでは、単位露光を繰り返して撮像素子C10への露光が実現され、単位露光中にフラッシュ4の発光動作が実行される。これによれば、長時間露光の撮影において、背景および前景いずれも適正露出となった撮影画像を取得することが可能になる。
【0111】
<2.第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0112】
第2実施形態に係る撮像装置1Bでは、フラッシュ4の本発光前に予備発光(「プリ発光」とも称する)が行われ、フラッシュ4の本発光の発光量(本発光量)が決定される。図9は、撮像装置1Bの長時間露光撮影におけるフラッシュ4の発光制御に関する図である。
【0113】
なお、撮像装置1Bは、本発光前にプリ発光を行って本発光量を決定する点以外は、第1実施形態に係る撮像装置1Aと同様の構成および機能(図1〜図4参照)を有している。このため、共通する部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0114】
撮像装置1Bのフラッシュ4は、撮影時に被写体を照射する本発光と本発光に先立つプリ発光とを実行する。
【0115】
また、図9に示されるように、撮像装置1Bの発光制御部113では、発光量取得部135が機能的にさらに実現される。
【0116】
発光量取得部135は、輝度算出部131との協働により、プリ発光をともなう分割露光で取得された画像(「プリ発光画像」または「予備発光画像」とも称する)PGに基づいてフラッシュ4の本発光量を取得する。
【0117】
本発光量の取得は、発光量取得部135と輝度算出部131との協働により、プリ発光画像PGと画像メモリ104に記憶されている加算画像KGとを用いて行われる。
【0118】
具体的には、まず、輝度算出部131によって、プリ発光画像PGにおける輝度測定領域AR11〜AR16ごとに平均輝度値が算出されるとともに、加算画像KGにおける輝度測定領域AR1〜AR6ごとに平均輝度値が算出される。
【0119】
次に、発光量取得部135において、プリ発光画像PGの輝度測定領域AR11〜AR16ごとの平均輝度値が、当該プリ発光画像PGを取得する際の露光時間(分割露光時間)で割り算される。これにより、プリ発光による平均輝度値の上昇率(「発光上昇率」とも称する)が、輝度測定領域AR11〜AR16ごとに算出される。また同様に、加算画像KGにおける輝度測定領域AR1〜AR6ごとの平均輝度値が、当該加算画像KGの取得に要した積算露光時間PTbで割り算される。これにより、フラッシュ発光なしの通常露光における平均輝度値の上昇率(「通常上昇率」とも称する)が、輝度測定領域AR1〜AR6ごとに算出される。
【0120】
そして、発光量取得部135によって、プリ発光画像PGおよび加算画像KGにおいて互いに対応する位置の輝度測定領域ごとに輝度上昇率の比較が行われる。この輝度上昇率の比較により、プリ発光画像PGの輝度測定領域AR11〜AR16のうちプリ発光の影響を受けて輝度が上昇する領域(「輝度上昇領域」とも称する)が特定される。
【0121】
そして、発光量取得部135において、輝度上昇領域における平均輝度値とプリ発光の発光量とに基づいて、フラッシュ4の本発光量が取得される。
【0122】
ここで、撮像装置1Bの長時間露光撮影において手動でフラッシュ4を発光させる場合の動作について、バルブ撮影動作を例にして説明する。図10は、撮像装置1Bにおいてフラッシュ4を手動で発光させるバルブ撮影動作を示すフローチャートである。
【0123】
図10に示すように、手動発光における撮像装置1Bのバルブ撮影動作では、ステップSP51〜ステップSP53の工程が新たに加えられている点以外は、撮像装置1Aのバルブ撮影動作(図6)とほぼ同様の工程が実行される。このため、以下では、撮像装置1Aにおける手動発光のバルブ撮影動作と相違する点を中心に説明する。
【0124】
具体的には、撮像装置1Bにおける手動発光のバルブ撮影動作では、まず、ステップSP11において、分割露光時間の設定が行われる。そして、レリーズボタン11が押下されると、ステップSP13に移行される(ステップSP12)。
【0125】
ステップSP13では、フラッシュ発光ボタン18が操作されたか否かが検出される。フラッシュ発光ボタン18の操作が検出された場合は、ステップSP14に移行され、発光制御部113によってフラッシュ4の発光動作が実行される。
【0126】
実行中のバルブ撮影において、フラッシュ発光動作の実行が最初であった場合は、ステップSP14ではプリ発光が行われ、初回以降のステップSP14では本発光が行われる。
【0127】
一方、ステップSP13でフラッシュ発光ボタン18の操作が検出されなかった場合は、ステップSP15に移行される。
【0128】
ステップSP15では、撮像素子C10への被写体像の露光が行われる。
【0129】
ステップSP16では、分割露光の終了判定が行われる。
【0130】
分割露光時間分の露光が行われていない場合は、ステップSP17に移行され、ステップSP17においてレリーズボタン11の全押し状態が解除されたか否かが判定される。
【0131】
レリーズボタン11の全押し状態が解除された場合は、ステップSP22に移行され、バルブ撮影の終了動作が実行される。そして、次のステップSP23では、画像メモリ104に記憶されている加算画像KGが撮影画像として記録デバイス105に保存される。
【0132】
一方、レリーズボタン11の全押し状態が解除されなかった場合は、ステップSP16に移行され、1回分の分割露光が引き続き継続して行われる。
【0133】
ステップSP16で、分割露光時間分の露光が行われたと判定された場合は、1回分の分割露光が終了され、ステップSP18に移行される。
【0134】
ステップSP18では、分割露光で撮像素子C10によって取得された画像信号が読み出される。
【0135】
次のステップSP51では、実行されていた分割露光中にプリ発光が実行されたか否かが判定される。プリ発光をともなう分割露光が実行されていた場合は、ステップSP52に移行される。
【0136】
ステップSP52では、輝度算出部131と発光量取得部135との協働により、プリ発光画像PGに基づいてフラッシュ4の本発光量が取得される。
【0137】
ステップSP53では、全体制御部110からの制御信号が出力され、フラッシュ4の発光量が取得された本発光量に設定される。
【0138】
ステップSP53が終了すると、ステップSP13に移行され、新たな分割露光が開始される。当該新たな分割露光では、フラッシュ発光ボタン18が操作されたものとしてステップSP14に移行され、ステップSP14においてフラッシュ4の本発光動作が実行される。これにより、新たな分割露光では、本発光をともなった露光が行われる。
【0139】
また、ステップSP51で、分割露光中にプリ発光が実行されていないと判定されると、ステップSP19に移行される。
【0140】
ステップSP19では、累積加算処理が実行され加算画像KGが生成される。
【0141】
ステップSP20では、表示制御部114によって露光途中の加算画像KGがモニタ12に表示される。
【0142】
ステップSP21では、ステップSP17と同様に、レリーズボタン11の全押し状態が解除されたか否かが判定される。
【0143】
レリーズボタン11の全押し状態が継続されている場合は、ステップSP13に移行され、新たな分割露光および累積加算処理が実行される。
【0144】
一方、ステップSP21でレリーズボタン11の全押し状態が解除されたと判定された場合は、ステップSP22に移行され、バルブ撮影の終了動作が実行される。そして、次のステップSP23では、画像メモリ104に記憶されている加算画像KGが撮影画像として記録デバイス105に保存される。
【0145】
また、撮像装置1Bの長時間露光撮影では、自動でフラッシュ4を発光させることもできる。図11は、撮像装置1Bにおいてフラッシュ4を自動で発光させるバルブ撮影動作を示すフローチャートである。
【0146】
具体的には、図11に示されるように、ステップSP32において、輝度算出部131、適正露出判定部132、輝度比較部133、および発光決定部134の協働により、加算画像KGの輝度情報に基づいてフラッシュ4の発光動作を実行させるか否かが判定される。ステップSP32で、フラッシュ4の発光動作の実行が決定された場合は、ステップSP21およびステップSP31を経た後のステップSP14においてフラッシュ4のプリ発光が行われる。
【0147】
そして、プリ発光をともなう分割露光が実行され、プリ発光画像PGが取得される(ステップSP15〜ステップSP18)と、プリ発光画像PGに基づいてフラッシュ4の本発光量が取得される(ステップSP52)。
【0148】
次の新たな分割露光では、取得されたフラッシュ4の本発光量に基づいたフラッシュ4の発光動作が実行され(ステップSP14)、適正露出の加算画像KGが取得されることになる(ステップSP19)。
【0149】
以上のように、撮像装置1Bの長時間露光撮影では、本発光前にプリ発光が行われ、本発光時の光量の適正値が取得される。これによれば、フラッシュ4の発光量が適正値よりも多いことによる露出過度、およびフラッシュ4の発光量が適正値よりも少ないことによる露出不足を予め防止することが可能になり、適正露出の加算画像KGを取得することができる。
【0150】
また、撮像装置1Bの長時間露光撮影では、プリ発光画像は、信号加算部31による累積加算処理の対象から除外され、加算画像KGの生成に用いられることなく廃棄される。これによれば、プリ発光による加算画像KGへの影響を防止することができる。
【0151】
<3.変形例>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0152】
例えば、上記各実施形態では、フラッシュ4は、バルブ撮影において複数回の発光(本発光)を実行してもよい。
【0153】
具体的には、フラッシュ4を手動で発光させる場合は、ユーザは、フラッシュ発光ボタン18の操作に応じた発光の後に、フラッシュ発光ボタン18を再操作することにより、フラッシュ4を再び発光させてもよい。これによれば、ユーザは、フラッシュ4の発光をともなう分割露光終了後に、モニタ12に表示される加算画像KGを視認して、加算画像KGが露出不足であると判断した場合に、フラッシュ4を再発光させることができる。
【0154】
また、フラッシュ4を自動で発光させる場合は、加算画像KG内の輝度測定領域のうち、不足輝度値が所定範囲WH内であった領域の平均輝度値に応じてフラッシュ4の再発光が決定される。
【0155】
より詳細には、加算画像KG内の輝度測定領域のうち、不足輝度値が所定範囲WH内であった領域は、不適正露出領域として特定される。そして、フラッシュ4の発光をともなう分割露光後に更新された加算画像KGにおいて、不適正露出領域に対応する領域においても、不足輝度値が所定範囲WH内であった場合は、フラッシュ4は自動的に再発光される。すなわち、フラッシュ4の発光による不適正露出領域の平均輝度値の改善度合いに応じて、フラッシュ4の再発光が決定される。
【0156】
また、上記第2実施形態では、本発光前にプリ発光を行い、プリ発光をともなう分割露光で取得されたプリ発光画像PGに基づいてフラッシュ4の本発光量を取得していたが、これに限定されない。
【0157】
具体的には、測距により撮像装置1Bから被写体までの距離(撮影距離)を取得し、当該撮影距離に基づいて本発光量を決定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明の第1実施形態に係る撮像装置の外観構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る撮像装置の外観構成を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る撮像装置の外観構成を示す図である。
【図4】撮像装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】バルブ撮影におけるフラッシュの発光制御に関する図である。
【図6】フラッシュを手動で発光させるバルブ撮影動作を示すフローチャートである。
【図7】輝度測定領域における平均輝度値の時間変化を示す図である。
【図8】フラッシュを自動で発光させるバルブ撮影動作を示すフローチャートである。
【図9】フラッシュを自動で発光させるバルブ撮影動作を示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態の撮像装置においてフラッシュを手動で発光させるバルブ撮影動作を示すフローチャートである。
【図11】第2実施形態の撮像装置においてフラッシュを自動で発光させるバルブ撮影動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0159】
1A,1B 撮像装置
4 フラッシュ
11 レリーズボタン
12 モニタ
18 フラッシュ発光ボタン
31 信号加算部
C10 撮像素子
106 操作部
110 全体制御部
111 露出制御部
112 撮影制御部
113 発光制御部
114 表示制御部
131 輝度算出部
132 適正露出判定部
133 輝度比較部
134 発光決定部
135 発光量取得部
KG 加算画像
PG プリ発光画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像に関する画像信号を生成する撮像素子と、
単位露光を繰り返して前記撮像素子への露光を実現する撮影制御手段と、
被写体に向けて発光する発光手段の発光動作を制御する発光制御手段と、
を備え、
前記発光制御手段は、前記単位露光中に、前記発光動作を実行させる撮像装置。
【請求項2】
前記単位露光で取得される画像信号を順次に加算し、加算画像信号を生成する加算手段、
をさらに備え、
前記発光制御手段は、
前記加算画像信号に基づく加算画像内の輝度差に基づいて、前記発光動作の実行タイミングを制御する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記発光制御手段は、
前記加算画像内の所定領域ごとに輝度を算出する輝度算出手段と、
前記所定領域間で輝度を比較する輝度比較手段と、
前記輝度比較手段での比較結果に基づいて前記発光動作を実行させるか否かを決定する決定手段と、
を有する請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記単位露光で取得される画像信号を順次に加算し、加算画像信号を生成する加算手段と、
前記加算画像信号に基づく加算画像を、表示部に順次に表示させる表示制御手段と、
ユーザによる前記発光動作の実行指示を入力するための入力手段と、
をさらに備える請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記発光制御手段は、前記発光手段に対して、本発光と当該本発光前の予備発光とを行わせ、前記予備発光をともなう単位露光で取得された画像信号に基づいて、前記本発光の発光量を決定する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記単位露光で取得される画像信号を順次に加算し、加算画像信号を生成する加算手段、
をさらに備え、
前記加算手段は、
前記予備発光をともなう単位露光で取得された画像信号を前記加算画像信号の生成に用いない請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
被写体像に関する画像信号を生成する撮像素子と、
所定操作によって前記撮像素子への露光の開始および終了を指示可能なバルブ撮影を実行させる撮影制御手段と、
被写体に向けて発光する発光手段の発光動作を制御する発光制御手段と、
を備え、
前記発光制御手段は、前記バルブ撮影における露光中に、前記発光動作を実行させる撮像装置。
【請求項8】
単位露光を繰り返して撮像素子への露光を実現する工程と、
被写体に向けて発光する発光手段の発光動作を、前記単位露光中に実行させる工程と、
を備える撮像装置の制御方法。
【請求項9】
撮像装置に内蔵されたコンピュータに、
単位露光を繰り返して撮像素子への露光を実現する工程と、
被写体に向けて発光する発光手段の発光動作を、前記単位露光中に実行させる工程と、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−93699(P2010−93699A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263871(P2008−263871)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】