撮影装置及びその制御方法
【課題】撮影時にストロボ発光部が撮像レンズの下方に位置した状態で発光することを防止することができる撮影装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】デジタルカメラ2の姿勢が、ストロボ発光部12が撮像レンズ10よりも下方に位置する姿勢となったことを検出して検出信号を出力する姿勢検出センサ17を備え、デジタルカメラ2における各種処理を行うCPU33は、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されると、LCDドライバ44を介してLCD18に「ストロボ位置が下です。上になるように構えてください。」といったメッセージを表示し、ストロボ発光部12が撮像レンズ10よりも下方に位置する状態であることを報知する。
【解決手段】デジタルカメラ2の姿勢が、ストロボ発光部12が撮像レンズ10よりも下方に位置する姿勢となったことを検出して検出信号を出力する姿勢検出センサ17を備え、デジタルカメラ2における各種処理を行うCPU33は、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されると、LCDドライバ44を介してLCD18に「ストロボ位置が下です。上になるように構えてください。」といったメッセージを表示し、ストロボ発光部12が撮像レンズ10よりも下方に位置する状態であることを報知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストロボ発光部を備えた撮影装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
撮像レンズによって結像された被写体像をCCDイメージセンサなどの固体撮像素子でデジタルの画像データに変換し、内蔵メモリやメモリカードなどの記憶媒体に記憶する撮影装置(デジタルカメラ)が普及している。デジタルカメラには、被写体を照射するストロボ発光部が備えられ、被写体光量が少ない場合に自動的に発光するようにできるものが多い。
【0003】
撮影装置の姿勢を縦位置として、ストロボ発光部を発光させて撮影を行う場合、ストロボ発光部が撮像レンズの上方に位置しないときには露光不足や被写体に影を生じてしまうことがあり、これを防ぐために撮影装置の姿勢を検出するスイッチ並びに横位置用閃光装置及び縦位置用閃光装置を備えて、該スイッチの検出に応じて発光させる閃光装置を選択制御することのできる撮影装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−341360
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の撮影装置では、横位置用と縦位置用とにストロボ発光部を複数備えるために撮影装置が大掛かりなものとなってしまっていた。また、撮影装置の姿勢が縦位置であっても、上下逆さまとなっている場合には縦位置用のストロボ発光部が撮像レンズの下方となってしまい、露光不足や被写体に影を生じるなどして好ましくない撮影となってしまっていた。
【0005】
本発明は、撮影時にストロボ発光部が撮像レンズの下方に位置した状態で発光することを防止することができる撮影装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の撮影装置は、撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えたものであって、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、前記姿勢検出センサの検出に応じて、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを報知する報知手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
また、前記報知手段は、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを示す画像を表示する画像表示装置であることが好適である。
【0008】
請求項3記載の撮影装置は、撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えたものであって、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、前記姿勢検出センサの検出に応じて、撮影装置におけるレリーズ動作を禁止するレリーズ禁止手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4記載の撮影装置は、撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えたものであって、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、被写体光量を測定する測光手段と、前記測光手段の測定値及び予め設定されたプログラム線図に基づいて、前記撮像手段における露光時間及び絞り値を決定する露出決定手段とを備え、前記露出決定手段は、前記姿勢検出センサの検出に応じて、用いるプログラム線図を、露出時間を短くするとともに絞り値を大きくする傾向を有するプログラム線図に変更することを特徴とするものである。
【0010】
請求項5記載の撮影装置は、撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置において、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、前記姿勢検出センサの検出に応じて、前記撮像信号を増幅して撮像系のISO感度を上げる感度変更手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項6記載の撮影装置は、撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えたものであって、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、被写体光量を測定する測光手段と、撮影時に前記測光手段の測定値が予め定めた条件値以下であるときに前記ストロボ発光部を発光させる発光制御手段とを備え、前記発光制御手段は、前記姿勢検出センサの検出に応じて、前記ストロボ発光部を発光させる条件値を下げることを特徴とするものである。
【0012】
また、外部から与えられた振動を検出し、振動による光学像の振れを補正する振れ補正手段を備え、前記姿勢検出センサの検出があったときには前記振れ補正手段を作動させることが好適である。
【0013】
請求項8記載の撮影装置は、撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えたものであって、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、前記姿勢検出センサの検出に応じて、前記ストロボ発光部の発光を禁止する発光禁止手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】
また、被写体光量を測定する測光手段と、前記測光手段の測定値が予め定めた条件値以上にあるときには前記発光禁止手段による前記ストロボ発光部の発光禁止を解除する発光解除手段とを備えることが好適である。
【0015】
請求項10記載の撮影装置の制御方法は、撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置の制御方法であって、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であるときには、これを姿勢検出センサによって検出し、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを報知するか、撮影装置におけるレリーズ動作を禁止するか、露光時間及び絞り値を決定する際に用いるプログラム線図を変更するか、前記撮像信号を増幅して撮像系のISO感度を上げるか、前記ストロボ発光部を発光させる被写体光量の条件値を下げるか、または前記ストロボ発光部の発光を禁止することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、撮影装置の姿勢が、ストロボ発光部が撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを姿勢検出センサによって検出し、この検出に応じて、ストロボ発光部が撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを報知するか、撮影装置におけるレリーズ動作を禁止するか、露光時間及び絞り値を決定する際に用いるプログラム線図を変更するか、撮像信号を増幅して撮像系のISO感度を上げるか、ストロボ発光部を発光させる被写体光量の条件値を下げるか、またはストロボ発光部の発光を禁止することによって、撮影時にストロボ発光部の発光を不要または禁止とすることができるので、撮影時にストロボ発光部が撮像レンズの下方に位置した状態で発光することを防止または低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1及び図2において、本発明を適用したデジタルカメラ2の外観を示す。図1及び図2に示すデジタルカメラ2の姿勢を横位置とし、後述する図3に示すデジタルカメラ2の姿勢を縦位置とする。図1に示すように、デジタルカメラ2の前面には、撮像レンズ10が組み込まれたレンズ鏡胴11及びストロボ発光部12が設けられている。ストロボ発光部12は、デジタルカメラ2を横位置としたときに撮像レンズ10の斜め上方となるように配置されている。
【0018】
デジタルカメラ2の上面には、レリーズボタン13及び電源ボタン14が設けられている。デジタルカメラ2の内部には、メモリカード15(図4参照)が着脱自在に装填される。また、内部には、撮像機構を構成する各種部品のほか、デジタルカメラ2の姿勢を検出する姿勢検出センサ17が埋設されている。
【0019】
図2に示すように、デジタルカメラ2の背面には、液晶表示装置(LCD)18、ズーム操作ボタン19及びカーソルボタン20が設けられている。LCD18には、撮影した画像や、いわゆるスルー画像、あるいは各種メニュー画面が表示される。ズーム操作ボタン19は、撮像レンズ10のズームレンズをワイド側、テレ側にズーミング(変倍)させる。カーソルボタン20はデジタルカメラ2の各種操作及び設定を行う際に操作される。LCD18に表示されるメニュー画面を見ながら、カーソルボタン20を操作してデジタルカメラ2に指示を与えることで、撮影モードと再生モードの切替え、ストロボ発光のオン/オフ、プログラムAEのオン/オフなどの各種設定を行うことができる。プログラムAEとは、後述するプログラム線図に基づいてデジタルカメラ2の露光調整を自動的に行う機能である。なお、LCD18に代えてEL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの電子表示装置を用いることも可能である。
【0020】
レリーズボタン13は、2段階押しのスイッチとなっている。LCD18におけるスルー画像によるフレーミングの後に、レリーズボタン13を軽く押圧(半押し)すると、自動露光調整(AE)、自動焦点調整(AF)などの各種撮影準備処理が施される。この状態でレリーズボタン13をもう1度強く押圧(全押し)すると、撮影準備処理が施された1画面分の撮像信号が画像データに変換された後、後述する画像処理および圧縮処理が施され、メモリカード15に記録される。
【0021】
デジタルカメラ2の縦位置の姿勢を図3に示す。図3に示すように、縦位置は、横位置から90度回転させた姿勢であり、レリーズボタン13が撮像レンズ10の側方となる。縦位置には上下が転換した2通りの姿勢があり、図3(A)に示すようにストロボ発光部12が撮像レンズ10の斜め上方となる姿勢と、図3(B)に示すようにストロボ発光部12が撮像レンズ10の斜め下方となる姿勢とがある。姿勢検出センサ17は、ストロボ発光部12が撮像レンズ10よりも下方に位置する姿勢となったことを検出して検出信号を出力するものであり、傾斜することでオン/オフが切り換わる傾斜センサなどを適宜用いれば良い。
【0022】
デジタルカメラ2の電気的構成を図4に示す。撮像レンズ10には、レンズモータ30が接続されている。また、絞り31には、アイリスモータ32が接続されている。これらのモータ30,32はステッピングモータであり、CPU33に接続されたモータドライバ34,35から送信される駆動パルスによって動作制御されて、レリーズボタン13の半押しに伴う撮影準備処理を行う。
【0023】
レンズモータ30は、ズーム操作ボタン19の操作に連動して、撮像レンズ10のズームレンズをワイド側、あるいはテレ側に移動させる。また、被写体距離やズームレンズの変倍に応じて撮像レンズ10のフォーカスレンズを移動させ、撮影条件が最適となるように焦点調整を行う。アイリスモータ32は、絞り31を動作させ、露出調整を行う。
【0024】
撮像レンズ10の背後には、撮像レンズ10を透過した被写体光が撮像されるCCD36が配置されている。CCD36には、CPU33によって制御されるタイミングジェネレータ(TG)37が接続され、このTG37から入力されるタイミング信号(クロックパルス)により、電子シャッタによる露光時間が決定される。
【0025】
CCD36から出力された撮像信号は、相関二重サンプリング回路(CDS)38に入力され、CCD36の各セルの蓄積電荷量に正確に対応したR、G、Bの画像データとして出力される。CDS38から出力された画像データは、増幅器(AMP)39で増幅され、A/D変換器(A/D)40でデジタルの画像データに変換される。AMP39は、デジタルカメラ2のISO感度(光を感じる能力)を変化させるものであり、ISO感度を、ISO200、ISO400、ISO800、ISO1600の4段階に切り換える。
【0026】
A/D40から出力された画像データは、画像信号処理回路41に入力され、階調変換、ホワイトバランス補正、γ補正処理などの各種画像処理が施される。画像信号処理回路41から出力された画像データは、SDRAM43に一旦格納され、LCDドライバ44を介してLCD18にスルー画像として表示される。
【0027】
YC変換処理回路45は、画像信号処理回路41で各種画像処理が施された画像データをSDRAM43から読み出し、輝度信号Yと色差信号Cr、Cbとに変換する。圧縮伸長処理回路46は、この変換された画像データに対して、所定の圧縮形式(例えばJPEG形式)で画像圧縮を施す。圧縮された画像データは、メディアコントローラ47を経由してメモリカード15に記録される。
【0028】
CPU33には、姿勢検出センサ17、レリーズボタン13、ズーム操作ボタン19及びカーソルボタン20の他に、EEPROM49が接続されている。EEPROM49には、各種制御用のプログラムや設定情報などが記録されている。CPU33は、これらの情報をEEPROM49から作業用メモリであるSDRAM43に読み出して、各種処理を実行する。
【0029】
バス42には、AE/AWB検出回路50、AF検出回路51、ストロボ制御回路53及び通信I/F54が接続されている。
【0030】
AE/AWB検出回路50は、レリーズボタン13の半押し時に、SDRAM43に記憶された画像データに基づいて被写体光量の測定と、光源の種類の検出とを行い、それらの被写体光量情報及び光源情報をCPU33に送る。CPU33は、光源情報に基づいて、画像信号処理回路41のホワイトバランスのパラメータを設定する。
【0031】
また、CPU33は、プログラムAEがオンとなっている場合には、被写体光量情報及び予め設定されたプログラム線図に基づいて、適正となる絞り値、露光時間及びストロボ発光部12を発光させるか否かを決定する。プログラム線図としては、標準として用いられる標準プログラム線図と、露出時間を短くするとともに絞り値を大きくする傾向の高速シャッタプログラム線図とが、データとしてEEPROM49に記憶されており、CPU33は撮影条件に応じて適宜選択したデータをEEPROM49から読み出す。標準プログラム線図の例を図5(A)に、高速シャッタプログラム線図の例を図5(B)に示す。
【0032】
AF検出回路51は、レリーズボタン13の半押し時に、SDRAM43に記憶された画像データから撮影する画像のコントラストを検出し、コントラスト情報をCPU33に送る。CPU33は、コントラスト情報を参照し、撮影する画像のコントラストが最大となるように、モータドライバ34を介してレンズモータ30を駆動し、撮像レンズ10の焦点調整を行う。
【0033】
ストロボ制御回路53は、ストロボ装置12の動作を制御するものであり、通信I/F54は、パーソナルコンピュータなどの外部機器とのデータの送受信を行うものである。
【0034】
CPU33は、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されると、LCDドライバ44を介してLCD18に「ストロボ位置が下です。上になるように構えてください。」といったメッセージを表示し、ストロボ発光部12が撮像レンズ10よりも下方に位置する状態であることを報知する。このように、LCD18は、報知手段である画像表示装置として機能する。
【0035】
次に、上記構成を有するデジタルカメラ2の動作について図6のフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートにおいては姿勢検出センサ17の検出信号に関連する動作のみを示し、撮影や再生といった他の動作は省略する。先ず、デジタルカメラ2で被写体の撮影を行う際には、使用者が電源スイッチ14を操作してデジタルカメラ2に電源を投入し、カーソルボタン20を操作して撮影モードとする。CPU33は、デジタルカメラ2の設定においてストロボ発光がオンとされているか否かを判断するとともに、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されているか否かを判断する。ストロボ発光がオンであり、且つ検出信号が入力されているときには、CPU33は、LCDドライバ44を介してLCD18に「ストロボ位置が下です。上になるように構えてください。」のメッセージを表示する。
【0036】
LCD18にメッセージを表示することによって使用者に注意を促し、撮影時にストロボ発光部が撮像レンズの下方に位置した状態で発光することを防止することができる。なお、報知手段としては、メッセージを表示するLCD18に限られず、例えば、スピーカを用いた音声による報知や、ランプの点灯による報知など、適宜の装置を用いて報知するようにしても良い。
【0037】
また、CPU33が、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて、レリーズボタン13の操作を無効化してデジタルカメラ2におけるレリーズ動作を禁止する、レリーズ禁止手段として機能することによって、撮影時にストロボ発光部12が撮像レンズ10の下方に位置した状態で発光することを防止することができる。
【0038】
CPU33がレリーズ禁止手段として機能する場合のデジタルカメラ2の動作について図7のフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートにおいては姿勢検出センサ17の検出信号に関連する動作のみを示し、撮影や再生といった他の動作は省略する。先ず、デジタルカメラ2で被写体の撮影を行う際には、使用者が電源スイッチ14を操作してデジタルカメラ2に電源を投入し、カーソルボタン20を操作して撮影モードとする。CPU33は、デジタルカメラ2の設定においてストロボ発光がオンとされているか否かを判断するとともに、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されているか否かを判断する。ストロボ発光がオンであり、且つ検出信号が入力されているときには、CPU33はレリーズ禁止処理を行う。レリーズ禁止処理では、レリーズボタン13が全押しされても、これを無効化することによって、レリーズ動作を禁止する。
【0039】
また、測光手段として被写体光量を測定したAE/AWB検出回路50から入力された被写体光量情報と、予め設定されたプログラム線図とに基づいて、露出決定手段としてCPU33が決定した適正となる露光時間が所定の時間(例えば1/125秒)以上となることを、ストロボ発光部12を発光させる条件とした場合に、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて、用いるプログラム線図を高速シャッタプログラム線図に変更することによって、露光時間がストロボ発光部12の発光条件以上となる場合を少なくすることができ、撮影時にストロボ発光部12が撮像レンズ10の下方に位置した状態で発光することを低減することができる。
【0040】
姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて、用いるプログラム線図を高速シャッタプログラム線図に変更する場合のデジタルカメラ2の動作について図8のフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートにおいては姿勢検出センサ17の検出信号に関連する動作のみを示し、撮影や再生といった他の動作は省略する。先ず、デジタルカメラ2で被写体の撮影を行う際には、使用者が電源スイッチ14を操作してデジタルカメラ2に電源を投入し、カーソルボタン20を操作して撮影モードとする。CPU33は、デジタルカメラ2の設定においてプログラムAEがオンとされているか否か、ストロボ発光がオンとされているか否か、及び、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されているか否かを判断する。プログラムAE及びストロボ発光がオンであり、且つ検出信号が入力されているときには、CPU33は、高速シャッタープログラム線図に基づいて露光調整を自動的に行う高速シャッタープログラムAEの処理を行う。高速シャッタープログラムAEの処理では、例えば、標準プログラム線図に基づいた場合にはEV値が12以下のときに露光時間が1/125秒以上となるが、高速シャッタプログラム線図に基づいた場合にはEV値が10以下のときに露光時間が1/125秒以上となる。このように、露光時間がストロボ発光部12の発光条件以上となる場合を少なくすることができ、撮影時にストロボ発光部12が撮像レンズ10の下方に位置した状態で発光することを低減することができる。
【0041】
また、CPU33及びAMP39が、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて、ISO感度を上げる感度変更手段として機能することによって、ストロボ発光部12を発光させなくとも適正な露光調整を行うことができるEV値の下限を下げて、撮影時にストロボ発光部12が撮像レンズ10の下方に位置した状態で発光することを低減することができる。
【0042】
姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて、ISO感度を上げるデジタルカメラ2の動作について図9のフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートにおいては姿勢検出センサ17の検出信号に関連する動作のみを示し、撮影や再生といった他の動作は省略する。先ず、デジタルカメラ2で被写体の撮影を行う際には、使用者が電源スイッチ14を操作してデジタルカメラ2に電源を投入し、カーソルボタン20を操作して撮影モードとする。通常、デジタルカメラ2は標準感度設定となっている。標準感度設定では、撮影条件に対応してAMP39で増幅されるISO感度が予め設定されており、例えば、ストロボ発光部12を発光させる場合のISO感度はISO200と設定される。
【0043】
適正な露光調整を行うためにストロボ発光部12を発光させる必要がある場合であって、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されているとき、CPU33は、標準感度設定から高感度設定に変更する。高感度設定では、撮影条件に対応してAMP39で増幅されるISO感度が、標準感度設定で設定されているものよりも高いものとなる。例えば、標準感度設定でストロボ発光部12を発光させる場合のISO感度がISO200である場合に、姿勢検出センサ17からの検出信号に応じてISO400に変更することにより、ストロボ発光部12を発光させなくとも適正な露光調整が行える場合を増やすことができ、撮影時にストロボ発光部12が撮像レンズ10の下方に位置した状態で発光することを低減することができる。
【0044】
また、AE/AWB検出回路50から入力された被写体光量情報に基づいて、被写体光量の測定値が予め定めた条件値以下であるときにストロボ発光部12を発光させる発光制御手段として機能するCPU33が、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて条件値を下げることによって、撮影時にストロボ発光部12が撮像レンズ10の下方に位置した状態で発光することを低減することができる。
【0045】
姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて、CPU33が、ストロボ発光部12を発光させる条件値を下げる場合のデジタルカメラ2の動作について図10のフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートにおいては姿勢検出センサ17の検出信号に関連する動作のみを示し、撮影や再生といった他の動作は省略する。先ず、デジタルカメラ2で被写体の撮影を行う際には、使用者が電源スイッチ14を操作してデジタルカメラ2に電源を投入し、カーソルボタン20を操作して撮影モードとする。AE/AWB検出回路50における被写体光量の測定値が予め定めた条件値以下であるときに、CPU33は、適正な露光調整を行うためにストロボ発光部12を発光させる必要があると判断する。このとき、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されていると、CPU33は、ストロボ発光条件値減少処理を行い、条件値を下げる。例えば、デジタルカメラ2の姿勢が横位置のときにはEV値8以下であるときにストロボ発光部12を発光させるように設定されている場合、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて、CPU33は条件値のEV値を7に下げる。これにより、被写体光量の測定値が条件値以下となる場合を少なくすることができ、撮影時にストロボ発光部12が撮像レンズ10の下方に位置した状態で発光することを低減することができる。
【0046】
なお、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて、CPU33が、ストロボ発光部12を発光させる条件値を下げるデジタルカメラ2では、ストロボ発光部12の発光がないときには、適正な露光調整を行うために露出時間が長くなってしまい、手ブレなどの振動によって撮影画像が劣化してしまうことが考えられる。そこで、手ブレなどの振動による光学像の振れを補正する振れ補正手段をデジタルカメラ2に設けることが好適である。なお、振れ補正手段としては、レンズ光学系の一部のレンズを移動させる装置や、レンズ光学系に組み込んだプリズムの形状を変化させる装置などを適宜用いれば良い。
【0047】
振れ検出センサ60と、振れ補正手段として機能する振れ補正装置61とを組み込んだデジタルカメラ2の電気的構成を図11に示す。振れ検出センサ60は、デジタルカメラ2に外部から加えられた振れを検出し、検出された振れの方向と大きさを示す振れ検出信号をCPU33に入力する。CPU33は、入力された振れ検出信号を受けて振れ補正装置61を駆動する。振れ駆動装置61は、レンズ鏡筒11内に設けたシフトレンズと、シフトレンズを移動させるアクチュエータからなり、シフトレンズを移動させることによって、CCD36の光電面上に形成される光学像の振れを補正する。
【0048】
振れ補正手段を組み込んだデジタルカメラ2の動作について図12のフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートにおいては姿勢検出センサ17の検出信号に関連する動作のみを示し、撮影や再生といった他の動作は省略する。先ず、デジタルカメラ2で被写体の撮影を行う際には、使用者が電源スイッチ14を操作してデジタルカメラ2に電源を投入し、カーソルボタン20を操作して撮影モードとする。AE/AWB検出回路50における被写体光量の測定値が予め定めた条件値以下であるときに、CPU33は、適正な露光調整を行うためにストロボ発光部12を発光させる必要があると判断する。このとき、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されていると、CPU33は、ストロボ発光条件値減少処理を行い、条件値を下げる。次に、CPU33は振れ補正処理を行い、振れ検出センサ60から入力された振れ検出信号に応じて振れ補正装置61を駆動する。これにより、ストロボ発光部12の発光がなく、露出時間が長くなってしまうときでも、手ブレなどの振動によって撮影画像が劣化してしまうことを防止できる。
【0049】
また、CPU33が、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じてストロボ発光部12の発光を禁止する発光禁止手段として機能することによって、撮影時にストロボ発光部12が撮像レンズ10の下方に位置した状態で発光することを防止することができる。なお、日中シンクロと呼ばれる、露出補正のためにストロボ発光部12を発光させる場合もあり、この場合には、姿勢検出センサ17から検出信号が入力された場合であっても、ストロボ発光部12の発光を禁止しないことが好適である。即ち、CPU33が、AE/AWB検出回路50から入力された被写体光量情報に基づいて、被写体光量の測定値が予め定めた条件値以上であるときにはストロボ発光部12の発光禁止を解除する発光解除手段として機能することが好適である。
【0050】
CPU33が、発光禁止手段及び発光解除手段として機能する場合のデジタルカメラ2の動作について図13のフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートにおいては姿勢検出センサ17の検出信号に関連する動作のみを示し、撮影や再生といった他の動作は省略する。先ず、デジタルカメラ2で被写体の撮影を行う際には、使用者が電源スイッチ14を操作してデジタルカメラ2に電源を投入し、カーソルボタン20を操作して撮影モードとする。CPU33は、デジタルカメラ2の設定においてストロボ発光がオンとされているか否か、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されているか否か、及び、被写体光量の測定値が予め定めた条件値以上であるか否かを判断する。ストロボ発光がオン且つ検出信号が入力されている場合には、CPU33は、ストロボ発光部12の発光を禁止する。この場合において、被写体光量の測定値が予め定めた条件値以上であるときには、CPU33は、ストロボ発光部12の発光禁止を解除する。
【0051】
なお、上記実施形態では、ストロボ発光部12はデジタルカメラ2に内蔵されていたが、ストロボ発光部はデジタルカメラ2の外部に装着するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明を適用したデジタルカメラの正面外観斜視図である。
【図2】デジタルカメラの背面外観斜視図である。
【図3】デジタルカメラの姿勢の縦位置を示す正面図である。
【図4】デジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】デジタルカメラで用いられるプログラム線図を示す説明図である。
【図6】デジタルカメラで実行される処理動作を示すフローチャートである。
【図7】デジタルカメラで実行される処理動作を示すフローチャートである。
【図8】デジタルカメラで実行される処理動作を示すフローチャートである。
【図9】デジタルカメラで実行される処理動作を示すフローチャートである。
【図10】デジタルカメラで実行される処理動作を示すフローチャートである。
【図11】デジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図12】デジタルカメラで実行される処理動作を示すフローチャートである。
【図13】デジタルカメラで実行される処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
2 デジタルカメラ
10 撮像レンズ
12 ストロボ発光部
13 レリーズボタン
17 姿勢検出センサ
18 LCD
33 CPU
36 CCD
39 AMP
50 AE/AWB検出回路
61 振れ補正装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストロボ発光部を備えた撮影装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
撮像レンズによって結像された被写体像をCCDイメージセンサなどの固体撮像素子でデジタルの画像データに変換し、内蔵メモリやメモリカードなどの記憶媒体に記憶する撮影装置(デジタルカメラ)が普及している。デジタルカメラには、被写体を照射するストロボ発光部が備えられ、被写体光量が少ない場合に自動的に発光するようにできるものが多い。
【0003】
撮影装置の姿勢を縦位置として、ストロボ発光部を発光させて撮影を行う場合、ストロボ発光部が撮像レンズの上方に位置しないときには露光不足や被写体に影を生じてしまうことがあり、これを防ぐために撮影装置の姿勢を検出するスイッチ並びに横位置用閃光装置及び縦位置用閃光装置を備えて、該スイッチの検出に応じて発光させる閃光装置を選択制御することのできる撮影装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−341360
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の撮影装置では、横位置用と縦位置用とにストロボ発光部を複数備えるために撮影装置が大掛かりなものとなってしまっていた。また、撮影装置の姿勢が縦位置であっても、上下逆さまとなっている場合には縦位置用のストロボ発光部が撮像レンズの下方となってしまい、露光不足や被写体に影を生じるなどして好ましくない撮影となってしまっていた。
【0005】
本発明は、撮影時にストロボ発光部が撮像レンズの下方に位置した状態で発光することを防止することができる撮影装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の撮影装置は、撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えたものであって、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、前記姿勢検出センサの検出に応じて、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを報知する報知手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
また、前記報知手段は、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを示す画像を表示する画像表示装置であることが好適である。
【0008】
請求項3記載の撮影装置は、撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えたものであって、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、前記姿勢検出センサの検出に応じて、撮影装置におけるレリーズ動作を禁止するレリーズ禁止手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4記載の撮影装置は、撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えたものであって、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、被写体光量を測定する測光手段と、前記測光手段の測定値及び予め設定されたプログラム線図に基づいて、前記撮像手段における露光時間及び絞り値を決定する露出決定手段とを備え、前記露出決定手段は、前記姿勢検出センサの検出に応じて、用いるプログラム線図を、露出時間を短くするとともに絞り値を大きくする傾向を有するプログラム線図に変更することを特徴とするものである。
【0010】
請求項5記載の撮影装置は、撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置において、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、前記姿勢検出センサの検出に応じて、前記撮像信号を増幅して撮像系のISO感度を上げる感度変更手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項6記載の撮影装置は、撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えたものであって、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、被写体光量を測定する測光手段と、撮影時に前記測光手段の測定値が予め定めた条件値以下であるときに前記ストロボ発光部を発光させる発光制御手段とを備え、前記発光制御手段は、前記姿勢検出センサの検出に応じて、前記ストロボ発光部を発光させる条件値を下げることを特徴とするものである。
【0012】
また、外部から与えられた振動を検出し、振動による光学像の振れを補正する振れ補正手段を備え、前記姿勢検出センサの検出があったときには前記振れ補正手段を作動させることが好適である。
【0013】
請求項8記載の撮影装置は、撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えたものであって、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、前記姿勢検出センサの検出に応じて、前記ストロボ発光部の発光を禁止する発光禁止手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】
また、被写体光量を測定する測光手段と、前記測光手段の測定値が予め定めた条件値以上にあるときには前記発光禁止手段による前記ストロボ発光部の発光禁止を解除する発光解除手段とを備えることが好適である。
【0015】
請求項10記載の撮影装置の制御方法は、撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置の制御方法であって、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であるときには、これを姿勢検出センサによって検出し、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを報知するか、撮影装置におけるレリーズ動作を禁止するか、露光時間及び絞り値を決定する際に用いるプログラム線図を変更するか、前記撮像信号を増幅して撮像系のISO感度を上げるか、前記ストロボ発光部を発光させる被写体光量の条件値を下げるか、または前記ストロボ発光部の発光を禁止することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、撮影装置の姿勢が、ストロボ発光部が撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを姿勢検出センサによって検出し、この検出に応じて、ストロボ発光部が撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを報知するか、撮影装置におけるレリーズ動作を禁止するか、露光時間及び絞り値を決定する際に用いるプログラム線図を変更するか、撮像信号を増幅して撮像系のISO感度を上げるか、ストロボ発光部を発光させる被写体光量の条件値を下げるか、またはストロボ発光部の発光を禁止することによって、撮影時にストロボ発光部の発光を不要または禁止とすることができるので、撮影時にストロボ発光部が撮像レンズの下方に位置した状態で発光することを防止または低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1及び図2において、本発明を適用したデジタルカメラ2の外観を示す。図1及び図2に示すデジタルカメラ2の姿勢を横位置とし、後述する図3に示すデジタルカメラ2の姿勢を縦位置とする。図1に示すように、デジタルカメラ2の前面には、撮像レンズ10が組み込まれたレンズ鏡胴11及びストロボ発光部12が設けられている。ストロボ発光部12は、デジタルカメラ2を横位置としたときに撮像レンズ10の斜め上方となるように配置されている。
【0018】
デジタルカメラ2の上面には、レリーズボタン13及び電源ボタン14が設けられている。デジタルカメラ2の内部には、メモリカード15(図4参照)が着脱自在に装填される。また、内部には、撮像機構を構成する各種部品のほか、デジタルカメラ2の姿勢を検出する姿勢検出センサ17が埋設されている。
【0019】
図2に示すように、デジタルカメラ2の背面には、液晶表示装置(LCD)18、ズーム操作ボタン19及びカーソルボタン20が設けられている。LCD18には、撮影した画像や、いわゆるスルー画像、あるいは各種メニュー画面が表示される。ズーム操作ボタン19は、撮像レンズ10のズームレンズをワイド側、テレ側にズーミング(変倍)させる。カーソルボタン20はデジタルカメラ2の各種操作及び設定を行う際に操作される。LCD18に表示されるメニュー画面を見ながら、カーソルボタン20を操作してデジタルカメラ2に指示を与えることで、撮影モードと再生モードの切替え、ストロボ発光のオン/オフ、プログラムAEのオン/オフなどの各種設定を行うことができる。プログラムAEとは、後述するプログラム線図に基づいてデジタルカメラ2の露光調整を自動的に行う機能である。なお、LCD18に代えてEL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの電子表示装置を用いることも可能である。
【0020】
レリーズボタン13は、2段階押しのスイッチとなっている。LCD18におけるスルー画像によるフレーミングの後に、レリーズボタン13を軽く押圧(半押し)すると、自動露光調整(AE)、自動焦点調整(AF)などの各種撮影準備処理が施される。この状態でレリーズボタン13をもう1度強く押圧(全押し)すると、撮影準備処理が施された1画面分の撮像信号が画像データに変換された後、後述する画像処理および圧縮処理が施され、メモリカード15に記録される。
【0021】
デジタルカメラ2の縦位置の姿勢を図3に示す。図3に示すように、縦位置は、横位置から90度回転させた姿勢であり、レリーズボタン13が撮像レンズ10の側方となる。縦位置には上下が転換した2通りの姿勢があり、図3(A)に示すようにストロボ発光部12が撮像レンズ10の斜め上方となる姿勢と、図3(B)に示すようにストロボ発光部12が撮像レンズ10の斜め下方となる姿勢とがある。姿勢検出センサ17は、ストロボ発光部12が撮像レンズ10よりも下方に位置する姿勢となったことを検出して検出信号を出力するものであり、傾斜することでオン/オフが切り換わる傾斜センサなどを適宜用いれば良い。
【0022】
デジタルカメラ2の電気的構成を図4に示す。撮像レンズ10には、レンズモータ30が接続されている。また、絞り31には、アイリスモータ32が接続されている。これらのモータ30,32はステッピングモータであり、CPU33に接続されたモータドライバ34,35から送信される駆動パルスによって動作制御されて、レリーズボタン13の半押しに伴う撮影準備処理を行う。
【0023】
レンズモータ30は、ズーム操作ボタン19の操作に連動して、撮像レンズ10のズームレンズをワイド側、あるいはテレ側に移動させる。また、被写体距離やズームレンズの変倍に応じて撮像レンズ10のフォーカスレンズを移動させ、撮影条件が最適となるように焦点調整を行う。アイリスモータ32は、絞り31を動作させ、露出調整を行う。
【0024】
撮像レンズ10の背後には、撮像レンズ10を透過した被写体光が撮像されるCCD36が配置されている。CCD36には、CPU33によって制御されるタイミングジェネレータ(TG)37が接続され、このTG37から入力されるタイミング信号(クロックパルス)により、電子シャッタによる露光時間が決定される。
【0025】
CCD36から出力された撮像信号は、相関二重サンプリング回路(CDS)38に入力され、CCD36の各セルの蓄積電荷量に正確に対応したR、G、Bの画像データとして出力される。CDS38から出力された画像データは、増幅器(AMP)39で増幅され、A/D変換器(A/D)40でデジタルの画像データに変換される。AMP39は、デジタルカメラ2のISO感度(光を感じる能力)を変化させるものであり、ISO感度を、ISO200、ISO400、ISO800、ISO1600の4段階に切り換える。
【0026】
A/D40から出力された画像データは、画像信号処理回路41に入力され、階調変換、ホワイトバランス補正、γ補正処理などの各種画像処理が施される。画像信号処理回路41から出力された画像データは、SDRAM43に一旦格納され、LCDドライバ44を介してLCD18にスルー画像として表示される。
【0027】
YC変換処理回路45は、画像信号処理回路41で各種画像処理が施された画像データをSDRAM43から読み出し、輝度信号Yと色差信号Cr、Cbとに変換する。圧縮伸長処理回路46は、この変換された画像データに対して、所定の圧縮形式(例えばJPEG形式)で画像圧縮を施す。圧縮された画像データは、メディアコントローラ47を経由してメモリカード15に記録される。
【0028】
CPU33には、姿勢検出センサ17、レリーズボタン13、ズーム操作ボタン19及びカーソルボタン20の他に、EEPROM49が接続されている。EEPROM49には、各種制御用のプログラムや設定情報などが記録されている。CPU33は、これらの情報をEEPROM49から作業用メモリであるSDRAM43に読み出して、各種処理を実行する。
【0029】
バス42には、AE/AWB検出回路50、AF検出回路51、ストロボ制御回路53及び通信I/F54が接続されている。
【0030】
AE/AWB検出回路50は、レリーズボタン13の半押し時に、SDRAM43に記憶された画像データに基づいて被写体光量の測定と、光源の種類の検出とを行い、それらの被写体光量情報及び光源情報をCPU33に送る。CPU33は、光源情報に基づいて、画像信号処理回路41のホワイトバランスのパラメータを設定する。
【0031】
また、CPU33は、プログラムAEがオンとなっている場合には、被写体光量情報及び予め設定されたプログラム線図に基づいて、適正となる絞り値、露光時間及びストロボ発光部12を発光させるか否かを決定する。プログラム線図としては、標準として用いられる標準プログラム線図と、露出時間を短くするとともに絞り値を大きくする傾向の高速シャッタプログラム線図とが、データとしてEEPROM49に記憶されており、CPU33は撮影条件に応じて適宜選択したデータをEEPROM49から読み出す。標準プログラム線図の例を図5(A)に、高速シャッタプログラム線図の例を図5(B)に示す。
【0032】
AF検出回路51は、レリーズボタン13の半押し時に、SDRAM43に記憶された画像データから撮影する画像のコントラストを検出し、コントラスト情報をCPU33に送る。CPU33は、コントラスト情報を参照し、撮影する画像のコントラストが最大となるように、モータドライバ34を介してレンズモータ30を駆動し、撮像レンズ10の焦点調整を行う。
【0033】
ストロボ制御回路53は、ストロボ装置12の動作を制御するものであり、通信I/F54は、パーソナルコンピュータなどの外部機器とのデータの送受信を行うものである。
【0034】
CPU33は、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されると、LCDドライバ44を介してLCD18に「ストロボ位置が下です。上になるように構えてください。」といったメッセージを表示し、ストロボ発光部12が撮像レンズ10よりも下方に位置する状態であることを報知する。このように、LCD18は、報知手段である画像表示装置として機能する。
【0035】
次に、上記構成を有するデジタルカメラ2の動作について図6のフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートにおいては姿勢検出センサ17の検出信号に関連する動作のみを示し、撮影や再生といった他の動作は省略する。先ず、デジタルカメラ2で被写体の撮影を行う際には、使用者が電源スイッチ14を操作してデジタルカメラ2に電源を投入し、カーソルボタン20を操作して撮影モードとする。CPU33は、デジタルカメラ2の設定においてストロボ発光がオンとされているか否かを判断するとともに、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されているか否かを判断する。ストロボ発光がオンであり、且つ検出信号が入力されているときには、CPU33は、LCDドライバ44を介してLCD18に「ストロボ位置が下です。上になるように構えてください。」のメッセージを表示する。
【0036】
LCD18にメッセージを表示することによって使用者に注意を促し、撮影時にストロボ発光部が撮像レンズの下方に位置した状態で発光することを防止することができる。なお、報知手段としては、メッセージを表示するLCD18に限られず、例えば、スピーカを用いた音声による報知や、ランプの点灯による報知など、適宜の装置を用いて報知するようにしても良い。
【0037】
また、CPU33が、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて、レリーズボタン13の操作を無効化してデジタルカメラ2におけるレリーズ動作を禁止する、レリーズ禁止手段として機能することによって、撮影時にストロボ発光部12が撮像レンズ10の下方に位置した状態で発光することを防止することができる。
【0038】
CPU33がレリーズ禁止手段として機能する場合のデジタルカメラ2の動作について図7のフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートにおいては姿勢検出センサ17の検出信号に関連する動作のみを示し、撮影や再生といった他の動作は省略する。先ず、デジタルカメラ2で被写体の撮影を行う際には、使用者が電源スイッチ14を操作してデジタルカメラ2に電源を投入し、カーソルボタン20を操作して撮影モードとする。CPU33は、デジタルカメラ2の設定においてストロボ発光がオンとされているか否かを判断するとともに、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されているか否かを判断する。ストロボ発光がオンであり、且つ検出信号が入力されているときには、CPU33はレリーズ禁止処理を行う。レリーズ禁止処理では、レリーズボタン13が全押しされても、これを無効化することによって、レリーズ動作を禁止する。
【0039】
また、測光手段として被写体光量を測定したAE/AWB検出回路50から入力された被写体光量情報と、予め設定されたプログラム線図とに基づいて、露出決定手段としてCPU33が決定した適正となる露光時間が所定の時間(例えば1/125秒)以上となることを、ストロボ発光部12を発光させる条件とした場合に、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて、用いるプログラム線図を高速シャッタプログラム線図に変更することによって、露光時間がストロボ発光部12の発光条件以上となる場合を少なくすることができ、撮影時にストロボ発光部12が撮像レンズ10の下方に位置した状態で発光することを低減することができる。
【0040】
姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて、用いるプログラム線図を高速シャッタプログラム線図に変更する場合のデジタルカメラ2の動作について図8のフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートにおいては姿勢検出センサ17の検出信号に関連する動作のみを示し、撮影や再生といった他の動作は省略する。先ず、デジタルカメラ2で被写体の撮影を行う際には、使用者が電源スイッチ14を操作してデジタルカメラ2に電源を投入し、カーソルボタン20を操作して撮影モードとする。CPU33は、デジタルカメラ2の設定においてプログラムAEがオンとされているか否か、ストロボ発光がオンとされているか否か、及び、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されているか否かを判断する。プログラムAE及びストロボ発光がオンであり、且つ検出信号が入力されているときには、CPU33は、高速シャッタープログラム線図に基づいて露光調整を自動的に行う高速シャッタープログラムAEの処理を行う。高速シャッタープログラムAEの処理では、例えば、標準プログラム線図に基づいた場合にはEV値が12以下のときに露光時間が1/125秒以上となるが、高速シャッタプログラム線図に基づいた場合にはEV値が10以下のときに露光時間が1/125秒以上となる。このように、露光時間がストロボ発光部12の発光条件以上となる場合を少なくすることができ、撮影時にストロボ発光部12が撮像レンズ10の下方に位置した状態で発光することを低減することができる。
【0041】
また、CPU33及びAMP39が、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて、ISO感度を上げる感度変更手段として機能することによって、ストロボ発光部12を発光させなくとも適正な露光調整を行うことができるEV値の下限を下げて、撮影時にストロボ発光部12が撮像レンズ10の下方に位置した状態で発光することを低減することができる。
【0042】
姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて、ISO感度を上げるデジタルカメラ2の動作について図9のフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートにおいては姿勢検出センサ17の検出信号に関連する動作のみを示し、撮影や再生といった他の動作は省略する。先ず、デジタルカメラ2で被写体の撮影を行う際には、使用者が電源スイッチ14を操作してデジタルカメラ2に電源を投入し、カーソルボタン20を操作して撮影モードとする。通常、デジタルカメラ2は標準感度設定となっている。標準感度設定では、撮影条件に対応してAMP39で増幅されるISO感度が予め設定されており、例えば、ストロボ発光部12を発光させる場合のISO感度はISO200と設定される。
【0043】
適正な露光調整を行うためにストロボ発光部12を発光させる必要がある場合であって、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されているとき、CPU33は、標準感度設定から高感度設定に変更する。高感度設定では、撮影条件に対応してAMP39で増幅されるISO感度が、標準感度設定で設定されているものよりも高いものとなる。例えば、標準感度設定でストロボ発光部12を発光させる場合のISO感度がISO200である場合に、姿勢検出センサ17からの検出信号に応じてISO400に変更することにより、ストロボ発光部12を発光させなくとも適正な露光調整が行える場合を増やすことができ、撮影時にストロボ発光部12が撮像レンズ10の下方に位置した状態で発光することを低減することができる。
【0044】
また、AE/AWB検出回路50から入力された被写体光量情報に基づいて、被写体光量の測定値が予め定めた条件値以下であるときにストロボ発光部12を発光させる発光制御手段として機能するCPU33が、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて条件値を下げることによって、撮影時にストロボ発光部12が撮像レンズ10の下方に位置した状態で発光することを低減することができる。
【0045】
姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて、CPU33が、ストロボ発光部12を発光させる条件値を下げる場合のデジタルカメラ2の動作について図10のフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートにおいては姿勢検出センサ17の検出信号に関連する動作のみを示し、撮影や再生といった他の動作は省略する。先ず、デジタルカメラ2で被写体の撮影を行う際には、使用者が電源スイッチ14を操作してデジタルカメラ2に電源を投入し、カーソルボタン20を操作して撮影モードとする。AE/AWB検出回路50における被写体光量の測定値が予め定めた条件値以下であるときに、CPU33は、適正な露光調整を行うためにストロボ発光部12を発光させる必要があると判断する。このとき、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されていると、CPU33は、ストロボ発光条件値減少処理を行い、条件値を下げる。例えば、デジタルカメラ2の姿勢が横位置のときにはEV値8以下であるときにストロボ発光部12を発光させるように設定されている場合、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて、CPU33は条件値のEV値を7に下げる。これにより、被写体光量の測定値が条件値以下となる場合を少なくすることができ、撮影時にストロボ発光部12が撮像レンズ10の下方に位置した状態で発光することを低減することができる。
【0046】
なお、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じて、CPU33が、ストロボ発光部12を発光させる条件値を下げるデジタルカメラ2では、ストロボ発光部12の発光がないときには、適正な露光調整を行うために露出時間が長くなってしまい、手ブレなどの振動によって撮影画像が劣化してしまうことが考えられる。そこで、手ブレなどの振動による光学像の振れを補正する振れ補正手段をデジタルカメラ2に設けることが好適である。なお、振れ補正手段としては、レンズ光学系の一部のレンズを移動させる装置や、レンズ光学系に組み込んだプリズムの形状を変化させる装置などを適宜用いれば良い。
【0047】
振れ検出センサ60と、振れ補正手段として機能する振れ補正装置61とを組み込んだデジタルカメラ2の電気的構成を図11に示す。振れ検出センサ60は、デジタルカメラ2に外部から加えられた振れを検出し、検出された振れの方向と大きさを示す振れ検出信号をCPU33に入力する。CPU33は、入力された振れ検出信号を受けて振れ補正装置61を駆動する。振れ駆動装置61は、レンズ鏡筒11内に設けたシフトレンズと、シフトレンズを移動させるアクチュエータからなり、シフトレンズを移動させることによって、CCD36の光電面上に形成される光学像の振れを補正する。
【0048】
振れ補正手段を組み込んだデジタルカメラ2の動作について図12のフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートにおいては姿勢検出センサ17の検出信号に関連する動作のみを示し、撮影や再生といった他の動作は省略する。先ず、デジタルカメラ2で被写体の撮影を行う際には、使用者が電源スイッチ14を操作してデジタルカメラ2に電源を投入し、カーソルボタン20を操作して撮影モードとする。AE/AWB検出回路50における被写体光量の測定値が予め定めた条件値以下であるときに、CPU33は、適正な露光調整を行うためにストロボ発光部12を発光させる必要があると判断する。このとき、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されていると、CPU33は、ストロボ発光条件値減少処理を行い、条件値を下げる。次に、CPU33は振れ補正処理を行い、振れ検出センサ60から入力された振れ検出信号に応じて振れ補正装置61を駆動する。これにより、ストロボ発光部12の発光がなく、露出時間が長くなってしまうときでも、手ブレなどの振動によって撮影画像が劣化してしまうことを防止できる。
【0049】
また、CPU33が、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されたことに応じてストロボ発光部12の発光を禁止する発光禁止手段として機能することによって、撮影時にストロボ発光部12が撮像レンズ10の下方に位置した状態で発光することを防止することができる。なお、日中シンクロと呼ばれる、露出補正のためにストロボ発光部12を発光させる場合もあり、この場合には、姿勢検出センサ17から検出信号が入力された場合であっても、ストロボ発光部12の発光を禁止しないことが好適である。即ち、CPU33が、AE/AWB検出回路50から入力された被写体光量情報に基づいて、被写体光量の測定値が予め定めた条件値以上であるときにはストロボ発光部12の発光禁止を解除する発光解除手段として機能することが好適である。
【0050】
CPU33が、発光禁止手段及び発光解除手段として機能する場合のデジタルカメラ2の動作について図13のフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートにおいては姿勢検出センサ17の検出信号に関連する動作のみを示し、撮影や再生といった他の動作は省略する。先ず、デジタルカメラ2で被写体の撮影を行う際には、使用者が電源スイッチ14を操作してデジタルカメラ2に電源を投入し、カーソルボタン20を操作して撮影モードとする。CPU33は、デジタルカメラ2の設定においてストロボ発光がオンとされているか否か、姿勢検出センサ17から検出信号が入力されているか否か、及び、被写体光量の測定値が予め定めた条件値以上であるか否かを判断する。ストロボ発光がオン且つ検出信号が入力されている場合には、CPU33は、ストロボ発光部12の発光を禁止する。この場合において、被写体光量の測定値が予め定めた条件値以上であるときには、CPU33は、ストロボ発光部12の発光禁止を解除する。
【0051】
なお、上記実施形態では、ストロボ発光部12はデジタルカメラ2に内蔵されていたが、ストロボ発光部はデジタルカメラ2の外部に装着するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明を適用したデジタルカメラの正面外観斜視図である。
【図2】デジタルカメラの背面外観斜視図である。
【図3】デジタルカメラの姿勢の縦位置を示す正面図である。
【図4】デジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】デジタルカメラで用いられるプログラム線図を示す説明図である。
【図6】デジタルカメラで実行される処理動作を示すフローチャートである。
【図7】デジタルカメラで実行される処理動作を示すフローチャートである。
【図8】デジタルカメラで実行される処理動作を示すフローチャートである。
【図9】デジタルカメラで実行される処理動作を示すフローチャートである。
【図10】デジタルカメラで実行される処理動作を示すフローチャートである。
【図11】デジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図12】デジタルカメラで実行される処理動作を示すフローチャートである。
【図13】デジタルカメラで実行される処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
2 デジタルカメラ
10 撮像レンズ
12 ストロボ発光部
13 レリーズボタン
17 姿勢検出センサ
18 LCD
33 CPU
36 CCD
39 AMP
50 AE/AWB検出回路
61 振れ補正装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置において、
撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、
前記姿勢検出センサの検出に応じて、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを報知する報知手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記報知手段は、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを示す画像を表示する画像表示装置であることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置において、
撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、
前記姿勢検出センサの検出に応じて、撮影装置におけるレリーズ動作を禁止するレリーズ禁止手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項4】
撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置において、
撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと
被写体光量を測定する測光手段と、
前記測光手段の測定値及び予め設定されたプログラム線図に基づいて、前記撮像手段における露光時間及び絞り値を決定する露出決定手段とを備え、
前記露出決定手段は、前記姿勢検出センサの検出に応じて、用いるプログラム線図を、露出時間を短くするとともに絞り値を大きくする傾向を有するプログラム線図に変更することを特徴とする撮影装置。
【請求項5】
撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置において、
撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、
前記姿勢検出センサの検出に応じて、前記撮像信号を増幅して撮像系のISO感度を上げる感度変更手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項6】
撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置において、
撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと
被写体光量を測定する測光手段と、
撮影時に前記測光手段の測定値が予め定めた条件値以下であるときに前記ストロボ発光部を発光させる発光制御手段とを備え、
前記発光制御手段は、前記姿勢検出センサの検出に応じて、前記ストロボ発光部を発光させる条件値を下げることを特徴とする撮影装置。
【請求項7】
外部から与えられた振動を検出し、振動による光学像の振れを補正する振れ補正手段を備え、前記姿勢検出センサの検出があったときには前記振れ補正手段を作動させることを特徴とする請求項6記載の撮影装置。
【請求項8】
撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置において、
撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、
前記姿勢検出センサの検出に応じて、前記ストロボ発光部の発光を禁止する発光禁止手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項9】
被写体光量を測定する測光手段と、前記測光手段の測定値が予め定めた条件値以上にあるときには前記発光禁止手段による前記ストロボ発光部の発光禁止を解除する発光解除手段とを備えたことを特徴とする請求項8記載の撮影装置。
【請求項10】
撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置の制御方法において、
撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であるときには、これを姿勢検出センサによって検出し、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを報知するか、撮影装置におけるレリーズ動作を禁止するか、露光時間及び絞り値を決定する際に用いるプログラム線図を変更するか、前記撮像信号を増幅して撮像系のISO感度を上げるか、前記ストロボ発光部を発光させる被写体光量の条件値を下げるか、または前記ストロボ発光部の発光を禁止することを特徴とする撮影装置の制御方法。
【請求項1】
撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置において、
撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、
前記姿勢検出センサの検出に応じて、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを報知する報知手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記報知手段は、撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを示す画像を表示する画像表示装置であることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置において、
撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、
前記姿勢検出センサの検出に応じて、撮影装置におけるレリーズ動作を禁止するレリーズ禁止手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項4】
撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置において、
撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと
被写体光量を測定する測光手段と、
前記測光手段の測定値及び予め設定されたプログラム線図に基づいて、前記撮像手段における露光時間及び絞り値を決定する露出決定手段とを備え、
前記露出決定手段は、前記姿勢検出センサの検出に応じて、用いるプログラム線図を、露出時間を短くするとともに絞り値を大きくする傾向を有するプログラム線図に変更することを特徴とする撮影装置。
【請求項5】
撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置において、
撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、
前記姿勢検出センサの検出に応じて、前記撮像信号を増幅して撮像系のISO感度を上げる感度変更手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項6】
撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置において、
撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと
被写体光量を測定する測光手段と、
撮影時に前記測光手段の測定値が予め定めた条件値以下であるときに前記ストロボ発光部を発光させる発光制御手段とを備え、
前記発光制御手段は、前記姿勢検出センサの検出に応じて、前記ストロボ発光部を発光させる条件値を下げることを特徴とする撮影装置。
【請求項7】
外部から与えられた振動を検出し、振動による光学像の振れを補正する振れ補正手段を備え、前記姿勢検出センサの検出があったときには前記振れ補正手段を作動させることを特徴とする請求項6記載の撮影装置。
【請求項8】
撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置において、
撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを検出する姿勢検出センサと、
前記姿勢検出センサの検出に応じて、前記ストロボ発光部の発光を禁止する発光禁止手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項9】
被写体光量を測定する測光手段と、前記測光手段の測定値が予め定めた条件値以上にあるときには前記発光禁止手段による前記ストロボ発光部の発光禁止を解除する発光解除手段とを備えたことを特徴とする請求項8記載の撮影装置。
【請求項10】
撮像レンズによって結像される被写体光を光電変換して撮像信号を得る撮像手段と、被写体を照射するストロボ発光部とを備えた撮影装置の制御方法において、
撮影装置の姿勢が、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であるときには、これを姿勢検出センサによって検出し、前記ストロボ発光部が前記撮像レンズよりも下方に位置する姿勢であることを報知するか、撮影装置におけるレリーズ動作を禁止するか、露光時間及び絞り値を決定する際に用いるプログラム線図を変更するか、前記撮像信号を増幅して撮像系のISO感度を上げるか、前記ストロボ発光部を発光させる被写体光量の条件値を下げるか、または前記ストロボ発光部の発光を禁止することを特徴とする撮影装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−339867(P2006−339867A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−160199(P2005−160199)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】
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