説明

操作メニュー表示システム

【課題】車載装置の遠隔操作に用いられる操作端末において、所定の画面へのアクセスを効率化し操作者の利便性を向上させる操作メニュー表示システムを提供すること。
【解決手段】多階層構造の操作メニュー画面群を有する操作メニュー表示システム100は、所定の操作に関する項目を階層の異なる2以上の画面に表示させる項目多階層表示手段M12を備え、項目多階層表示手段M12は、所定の操作に関する項目を、より上位の階層の1画面に一時的に表示させ、より下位の階層の1画面に恒常的に表示させる。所定の操作に関する項目とは、例えば、車載装置の遠隔操作を実行させるための項目であり、項目多階層表示手段M12は、一定の条件を満たす場合に、より上位の階層の1画面にその項目を一時的に表示させ、その項目にアクセスさせ易くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作メニュー表示システムに関し、より詳細には、車載装置の遠隔操作に用いられる操作端末の表示装置に所定の画面を迅速かつ効率的に表示させる操作メニュー表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車載装置の遠隔操作に用いられる操作端末における従来の操作メニュー表示システムは、多階層のツリー構造を有し、各階層(ノード)の画面には概念が共通する複数の機能を包括する複数のメニュー項目を表示させ、さらに、メニュー項目にはより下位層の画面に通じるリンク機能を付与して、操作者が希望する機能の発見・選択を支援する。
【0003】
これら操作メニュー表示システムは、通常、メニュー項目の配置を固定することで、メニュー項目の配置等がその都度変化することによって操作者が混乱しないようにする。
【0004】
また、例えば、特許文献1に記載の駐車状態監視システムは、車両のドアやウィンドウが開放状態であることを検出した場合に、当該車両が駐車に適さない状態であることを操作者の携帯電話に通報し、携帯電話のディスプレイに遠隔操作メニューを表示させて実行すべき遠隔操作を選択させるシステムであり、遠隔操作メニューを表示させる場合に、所定の項目を強調表示させて、駐車に適した状態への移行に必要な項目の発見・選択を支援する。
【特許文献1】特開2004−102939号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の駐車状態監視システムは、駐車に適さない状態を検出した場合に遠隔操作メニューの画面を自動的に表示させるが、その他の場合に多階層の画面群から遠隔操作メニューの画面を見つけ出す方法については言及しておらず、当該遠隔操作メニューの画面が下位層に配置される場合の利便性について考慮されていない。
【0006】
係る状況に鑑み、本発明は、車載装置の遠隔操作に用いられる操作端末において、所定の画面へのアクセスを効率化し操作者の利便性を向上させる操作メニュー表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、第1の発明に係る操作メニュー表示システムは、多階層構造の操作メニュー画面群を有する操作メニュー表示システムであって、所定の操作に関する項目を階層の異なる2以上の画面に表示させる項目多階層表示手段を備え、該項目多階層表示手段は、前記所定の操作に関する項目を、より上位の階層の1画面に一時的に表示させ、より下位の階層の1画面に恒常的に表示させることを特徴とする。
【0008】
また、第2の発明は、第1の発明に係る操作メニュー表示システムにおいて、前記所定の操作に関する項目は、車載装置の遠隔操作を実行させるための遠隔操作実行項目であり、前記項目多階層表示手段は、所定時間にわたって、前記より上位の階層の1画面に前記遠隔操作実行項目を表示させることを特徴とする。
【0009】
また、第3の発明は、第1の発明に係る操作メニュー表示システムにおいて、前記所定の操作に関する項目は、既に実行された車載装置の遠隔操作をキャンセルさせるためのキャンセル項目であり、前記項目多階層表示手段は、前記遠隔操作が実行されてから所定時間にわたって、前記より上位の階層の1画面に前記キャンセル項目を表示させることを特徴とする。
【0010】
また、第4の発明は、第2または第3の発明に係る操作メニュー表示システムにおいて、前記項目多階層表示手段は、前記所定時間が経過した後、前記より上位の階層の1画面に一時的に表示させた項目を消去することを特徴とする。
【0011】
また、第5の発明は、第1の発明に係る操作メニュー表示システムにおいて、車両の位置を取得する車両位置情報取得手段と、操作端末の位置を取得する端末位置情報取得手段と、車両の存在を周囲に報知するカーファインダー手段と、を備え、前記所定の操作に関する項目は、前記カーファインダー手段を起動させるためのカーファインダー項目であり、前記項目多階層表示手段は、前記カーファインダー手段が操作可能な場合に、前記より上位の階層の1画面に前記カーファインダー項目を表示させることを特徴とする。
【0012】
また、第6の発明は、第5の発明に係る操作メニュー表示システムにおいて、前記項目多階層表示手段は、前記車両の位置と前記操作端末の位置との間の距離が所定値未満である場合に、前記より上位の階層の1画面に前記カーファインダー項目を表示させることを特徴とする。
【0013】
また、第7の発明は、第1または第6の発明に係る操作メニュー表示システムにおいて、車両の位置を取得する車両位置情報取得手段と、操作端末の位置を取得する端末位置情報取得手段と、前記車両までのルートを案内するルート案内手段と、を備え、前記所定の操作に関する項目は、前記ルート案内手段を起動させるためのルート案内項目であり、前記項目多階層表示手段は、前記車両の位置と前記操作端末の位置との間の距離が所定値以上である場合に、前記より上位の階層の1画面に前記ルート案内項目を表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上述の手段により、本発明は、車載装置の遠隔操作に用いられる操作端末において、所定の画面へのアクセスを効率化し操作者の利便性を向上させる操作メニュー表示システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、いくつかの実施例に分けて、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明に係る操作メニュー表示システムの構成例を示すブロック図であり、操作メニュー表示システム100は、車両V、通信センタCおよび操作端末Mから構成される。
【0017】
車両Vと通信センタCとの間は携帯電話用周波数等による無線通信が行われ、通信センタCと操作端末Mとの間は携帯電話用周波数等による無線通信または光ケーブルや同軸ケーブル等による有線通信が行われる。なお、車両Vと操作端末Mとの間は、特定省電力無線等により直接通信が行われてもよい。
【0018】
車両Vは、制御部V1を有し、制御部V1は、送受信機V2、測位装置V3および発光装置V4に接続される。
【0019】
制御部V1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、NVRAM(Non−Volatile RAM)等を備えたコンピュータである。
【0020】
送受信機V2は、車両Vおよび通信センタC、または、車両Vおよび操作端末Mの間の通信に使用される車載装置であり、携帯電話用周波数による通信センタCを介した操作端末Mとの通信、または、数十乃至数千メートルの操作範囲を有する特定省電力無線による操作端末Mとの直接通信を可能にする。
【0021】
測位装置V3は、車両Vの位置(緯度、経度、高度)を測定するための車載装置であり、例えば、GPS(Global Positioning System)アンテナを介してGPS衛星が出力するGPS信号に基づいて車両Vの位置を測位・演算する。
【0022】
発光装置V4は、ハザードランプ、ブレーキランプ、ヘッドライト、駐車灯、室内灯等の光を発する車載装置である。
【0023】
操作端末Mは、車載装置を遠隔操作するための装置であり、例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、ノートブックパソコン、トランシーバ等の通信端末であって、好適には所有者等が携帯可能なものであるが、デスクトップコンピュータや専用コンソール等の通信センタCに有線接続された通信端末であってもよい。また、操作端末Mは、車両Vとは別の車両に搭載されるカーナビゲーションシステムであってもよい。
【0024】
また、操作端末Mは、制御部M1、送受信機M2、測位装置M3および表示装置M4を有する。制御部M1、送受信機M2および測位装置M3は、それぞれ、車両Vに搭載される制御部V1、送受信機V2および測位装置V3と同様の機能を有する。
【0025】
表示装置M4は、地図情報や操作メニューを表示するための装置であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイがある。
【0026】
ここで、「操作メニュー」とは、画面上で操作者が選択できる項目の一覧であり、例えば、各項目には、より下位の階層にある画面へのリンクが付与されており、1の項目を選択すると別の操作メニューを有する画面が表示されたり、所定の機能の詳細を設定するための画面が表示されたりする。なお、「キャンセル」や「戻る」のような項目には、より上位の階層や同レベルの階層にある画面へのリンクが付与される場合もある。
【0027】
このように、操作メニューは、共通の概念で包括された項目群を階層構造で表現し、操作者が所望の画面または機能に迅速かつ簡単にアクセスできるようにする。
【0028】
通信センタCは、車両Vと操作端末Mとの間の通信を中継するための設備であり、例えば、車両Vからの情報または操作端末Mからの情報に基づいて所定の演算処理を実行することが可能なコンピュータサーバである。なお、通信センタCは、車両Vおよび操作端末Mと同様に制御部C1および送受信機C2を有する。
【0029】
次に、図2を参照しながら操作端末Mの制御部M1が有する車両位置情報取得手段M10、端末位置情報取得手段M11、項目多階層表示手段M12、カーファインダー手段M13およびルート案内手段M14について説明する。
【0030】
車両位置情報取得手段M10は、測位装置V3により測位された車両Vの位置(緯度、軽度、高度)に関する情報(以下、「車両位置情報」という。)を取得するための手段である。
【0031】
車両位置情報取得手段M10は、例えば、車両Vが駐車する際に車両Vが送受信機V2を介して送信した車両位置情報を送受信機M2で受信し制御部M1に備えられたNVRAMに記憶する。
【0032】
端末位置情報取得手段M11は、測位装置M3により測位された操作端末Mの位置(緯度、経度、高度)に関する情報(以下、「端末位置情報」という。)を取得するための手段である。
【0033】
端末位置情報取得手段M11は、所定周期(例えば、1秒)でGPS信号を受信しRAM等に記憶された端末位置情報を更新する。
【0034】
項目多階層表示手段M12は、所定の操作に関する項目を階層の異なる2以上の画面に表示させる手段であり、例えば、遠隔操作に関する項目を、所定の階層の1画面に恒常的に表示させながら、その画面とは別の画面にも同じ項目を一時的あるいは恒常的に表示させる。項目によっては、複数の概念を有し、複数の画面に重複して表示させるほうがよい場合があり、項目多階層表示手段M12は、係る場合に対処できるようにする。
【0035】
具体的には、項目多階層表示手段M12は、項目および画面に項目IDおよび画面IDをそれぞれ設定し、その上で、各項目IDと各画面IDとを関連づけ、項目と画面との関係を規定する。例えば、項目多階層表示手段M12は、項目ID「001」を有する項目に、画面ID「001」および「011」を関連づけ、当該項目が画面IDで示される2つの画面に表示されることを規定する。
【0036】
さらに、項目多階層表示手段M12は、同様に、1画面上における表示順(上から何番目に表示されるかを表す。)を規定する表示順IDを関連づけ、1画面上で当該項目が表示される位置を決定づける。
【0037】
項目ID、画面IDおよび表示順ID等は、操作端末Mの制御部M1におけるNVRAM等の記憶手段に記憶され、項目多階層表示手段M12は、各画面を表示させる際にこれら情報を参照する。
【0038】
また、項目多階層表示手段M12は、所定の操作に関する項目を所定の階層の1画面に恒常的に表示させながら、その画面より上位にある画面にも同じ項目を一時的に表示させる。
【0039】
この場合、項目多階層表示手段M12は、各項目が有する画面IDに別の画面IDを一時的に追加する。
【0040】
種々の状況から判断して、選択される蓋然性の高い項目を階層構造の上位にある画面に配置し、操作者が迅速かつ簡単に所望の項目にアクセスできるようにするためである。
【0041】
この構成により、操作者は、上位にある画面からリンクを順々に辿って所望の項目にアクセスする代わりに、一部経路を省略して一足飛びに所望の項目にアクセスできる。
【0042】
また、項目多階層表示手段M12は、所定の操作に関する項目を所定の階層の1画面に恒常的に表示させながら、その画面より上位にある画面にも同じ項目を一時的に表示させた後、当該所定の操作が一時的に操作できない状態になった場合、より上位にある画面に一時的に表示させた項目のみを消去する。
【0043】
当該所定の操作が一時的に操作できない状態になった場合に当該所定の操作の項目をすべて消去すると、一時的に操作できない状態になっていることを知らない操作者は、当該所定の操作が存在しないものと認識してしまう場合も考えられ、また、一時的に操作できない状態になっていることを知っている操作者であっても、本来、恒常的に表示される位置に当該所定の操作の項目が存在しなければ違和感を持ってしまう場合もあるからである。
【0044】
カーファインダー手段M13は、車両Vの存在を周囲に報知するための手段であり、例えば、発光装置V4を点滅させて車両Vの存在を周囲に知らせるようにする。
【0045】
ルート案内手段M14は、車両位置情報と端末位置情報と地図情報とに基づいて、操作端末Mの位置から車両Vの位置までの最適な経路を算出し、算出したルートを操作端末Mの表示装置M4上に表示させて操作者を車両Vの位置まで案内する手段であり、例えば、最短経路探索アルゴリズムとしてダイクストラ法を用い最短経路を算出する。
【0046】
また、地図情報は、制御部M1に備えられたフラッシュメモリ等の記憶手段に用意されるが、通信センタCから必要な地図情報を逐次受信するようにしてもよい。地図情報を操作端末Mの記憶手段に用意した場合には、通信量を低減させることができ、一方、逐次通信センタCから取得するようにした場合には、記憶手段の容量を低減させることができる。
【0047】
次に、図3および図4を参照しながら、遠隔操作を実行する際に操作端末Mの表示装置M4に表示される画面とその表示順について説明する。
【0048】
図3は、操作端末Mが遠隔操作要求を送信するまでの画面の推移を示す図である。
【0049】
最初に、操作メニュー表示システム100は、操作者からサービスの提供を求められた場合に、ログイン画面D1を表示させ、操作者に暗証番号の入力を求める。認証を受けた操作者のみがその後の諸機能を利用できるようにするためである。
【0050】
適切な暗証番号が入力されると、操作メニュー表示システム100は、オンラインサービス画面D2―1を表示させる。オンラインサービス画面D2−1は、例えば、設定情報、交通情報およびセキュリティ機能の3つの項目を有し、設定情報の項目は、登録車種、登録ナンバーの表示や暗証番号の変更等の項目を有する下位の画面にリンクされ、交通情報の項目は、渋滞情報、気象情報、現在および過去の運転状況等の項目を有する下位の画面にリンクされ、セキュリティ機能の項目は、遠隔操作、セキュリティカメラ画像、車両状態、カーファインダー、ルート案内の項目を有する下位の画面にリンクされる。
【0051】
オンラインサービス画面D2−1においてセキュリティ機能の項目が選択されると、操作メニュー表示システム100は、セキュリティ機能画面D3を表示させる。遠隔操作の項目は、遠隔操作する車載装置を決定するための画面にリンクされ、セキュリティカメラ画像の項目は、車載のセキュリティカメラで撮影された画像にリンクされ、車両状態の項目は、バッテリーの残量、駐車位置、駐車時間、燃料残量、総走行距離、灯火類の使用状況、周辺温度等の車両状態を表示する画面にリンクされ、カーファインダーの項目は、カーファインダーを起動するための画面にリンクされ、かつ、ルート案内の項目は、ルート案内画面にリンクされる。
【0052】
セキュリティ機能画面D3において遠隔操作の項目が選択されると、操作メニュー表示システム100は、遠隔操作画面D4を表示させる。
【0053】
遠隔操作画面D4には、ドアロック、ウィンドウ、ハザードランプ等の遠隔操作可能な車載装置とその操作内容が列挙され、操作端末Mは、操作対象および操作内容が選択され、かつ、決定ボタンが押下されると、遠隔操作要求を車両Vに送信する。
【0054】
図4は、図3と同様、操作端末Mが遠隔操作要求を送信するまでの画面の推移を示す図であるが、オンラインサービス画面D2−2に、「遠隔操作はこちらから」という項目が追加されている点で図3と相違する。
【0055】
項目多階層表示手段M12は、例えば、車両Vが駐車された後、所定時間(例えば、30分)にわたってオンラインサービス画面D2−2に「遠隔操作はこちらから」という項目を表示させ、セキュリティ機能画面D3を経由することなく遠隔操作画面D4にアクセスさせるようにする。車両Vは、例えば、車両位置情報を送信することにより車両Vが駐車したことを操作端末Mに通知する。
【0056】
車両Vの駐車後しばらくの間は、ドアの施錠やウィンドウを閉めるのを忘れていたことに気付く機会が多いと考えられ、車両Vの盗難や車上荒らしを防止するためにも、迅速かつ簡単に遠隔操作を利用させてドアの施錠やウィンドウ操作を実行させるようにするためである。
【0057】
また、所定時間が経過した後も、セキュリティ機能画面D3を経由して遠隔操作画面D4にアクセスすることは可能である。所定時間経過後にドアの施錠やウィンドウを閉めるのを忘れていたことに気付く場合もあるからである。
【0058】
また、項目多階層表示手段M12は、例えば、車両Vが駐車に適さない状態であることを各種センサーにより検出した場合に、オンラインサービス画面D2−2に「遠隔操作はこちらから」という項目を表示させ、セキュリティ機能画面D3を経由することなく遠隔操作画面D4にアクセスさせるようにしてもよい。車両Vが駐車に適さない状態であることを操作者に迅速かつ確実に伝達し、可及的速やかに所定の対策を実行させるようにするためである。この場合、車両状態は、車両Vにおいて判断されてもよく、通信センタCにおいて判断されてもよい。
【0059】
なお、「遠隔操作はこちらから」という項目を常にオンラインサービス画面D2−2に表示させることも可能であるが、より優先度の高い別の項目を表示させるためにも、このような時間制限を設けることは有用である。また、「遠隔操作はこちらから」というような項目を複数表示させることも可能であるが、一時的に表示させる項目の数が増えると可読性が低下するため、一時的に表示させる項目の数を一定数(例えば、1乃至3)以下に制限することが有用である。
【0060】
さらに、項目多階層表示手段M12は、「遠隔操作はこちらから」というような項目を白黒反転させて表示させたり、フォントを変えて表示させたり、或いは、回転動作等の動きを伴わせて表示させたりしてもよい。操作者の目に留まりやすいようにするためである。
【0061】
この構成により、操作メニュー表示システム100は、ドアの施錠忘れ、ウィンドウ閉め忘れ、発光装置V4の消し忘れ等に気付く機会の多い時間に、上位階層の画面の上部に遠隔操作の項目を一時的に表示させて、遠隔操作画面D4へのアクセスの効率化を図ることにより、操作者の利便性を向上させることができる。
【0062】
また、操作メニュー表示システム100は、可及的速やかに所望の遠隔操作を実行させることができるので、車両Vの盗難に対するセキュリティ性を向上させることができる。
【0063】
また、操作メニュー表示システム100は、遠隔操作画面D4を表示させるための一部の経路を省略するので、通信量を低減させ、ひいては、通信費を低減させることができる。
【0064】
また、操作メニュー表示システム100は、上位階層の画面の上部に比較的目立つような態様で所定の項目を表示させるので、操作に不慣れな操作者にも係る項目の存在を伝えることができる。
【0065】
また、操作メニュー表示システム100は、所定時間経過後は、上位階層の画面の上部に表示させた遠隔操作の項目を消去し、より優先度の高い他の項目を表示させ所望の画面へのアクセスの効率化を図ることにより、操作者の利便性を向上させることができる。
【実施例2】
【0066】
次に、図5を参照しながら、遠隔操作をキャンセルする際に操作端末Mの表示装置M4に表示される画面とその表示順について説明する。
【0067】
図5は、操作端末Mが遠隔操作のキャンセル要求を送信するまでの画面の推移を示す図である。
【0068】
適切な暗証番号が入力されると、操作メニュー表示システム100は、オンラインサービス画面D2―3を表示する。オンラインサービス画面D2−3は、「キャンセル操作はこちらから」の項目を表示させる点で図3および図4と相違する。
【0069】
項目多階層表示手段M12は、例えば、遠隔操作が実行された後、所定時間(例えば、24時間)にわたってオンラインサービス画面D2−3に「キャンセル操作はこちらから」という項目を表示させ、セキュリティ機能画面D3を経由させることなくキャンセル操作画面D5にアクセスさせることができるようにする。
【0070】
遠隔操作後しばらくの間は、人、動物の閉じこめの防止(ドアを施錠する操作およびウィンドウを閉める操作をキャンセルすることによる。)、または、他車による車両Vへの追突防止(ハザードランプを消灯する操作をキャンセルすることによる。)のために、一旦実行を開始させた操作をキャンセルする機会が多いと考えられ、そのような場合にも迅速かつ簡単に遠隔操作のキャンセルを実行させることができるようにするためである。
【0071】
この構成により、操作メニュー表示システム100は、遠隔操作の実行直後等、一旦実行を開始させた遠隔操作をキャンセルする機会の多い間、上位階層の画面の上部に遠隔操作をキャンセルするための項目を表示させて、キャンセル操作画面D5へのアクセスを効率化することにより、操作者の利便性を向上させることができる。
【0072】
また、操作メニュー表示システム100は、他車の車両Vへの追突を防止するためのハザードランプ消灯のキャンセル等、可及的速やかに遠隔操作のキャンセルを実行させることで、車両Vの安全性を向上させることができる。
【実施例3】
【0073】
次に、図6を参照しながら、カーファインダーまたはルート案内を起動する際に操作端末Mの表示装置M4に表示される画面とその表示順について説明する。
【0074】
図6は、操作端末Mでカーファインダーまたはルート案内を起動させるまでの画面の推移を示す図である。
【0075】
適切な暗証番号が入力されると、操作メニュー表示システム100は、オンラインサービス画面D2―4またはD2−5を表示させる。オンラインサービス画面D2−4は、「カーファインダー操作はこちらから」の項目を表示させる点で図3乃至図5と相違し、オンラインサービス画面D2−5は、「ルート案内操作はこちらから」の項目を表示させる点で図3乃至図5と相違する。
【0076】
項目多階層表示手段M12は、例えば、カーファインダーが操作可能な場合にオンラインサービス画面D2−4に「カーファインダー操作はこちらから」という項目を表示させ、一方、カーファインダーが操作できない場合にオンラインサービス画面D2−5に「ルート案内操作はこちらから」という項目を表示させ、セキュリティ機能画面D3を経由させることなくカーファインダー画面D6またはルート案内画面D7にアクセスさせるようにする。
【0077】
カーファインダーが操作可能な場合には、例えば、カーファインダーの使用を許可された操作者がログインした場合、操作端末Mと車両Vとの間の距離が所定値未満となる場合、操作端末Mと車両Vとの間に建物等の遮蔽物が存在しない場合、所定の時間帯である場合、所定時刻である場合等がある。
【0078】
そこで、項目多階層表示手段M12は、例えば、車両位置情報および端末位置情報を取得し、操作端末Mと車両Vとの間の距離が所定値未満となる場合にオンラインサービス画面D2−4に「カーファインダー操作はこちらから」という項目を表示させ、一方、操作端末Mと車両Vとの間の距離が所定値以上となる場合にオンラインサービス画面D2−5に「ルート案内操作はこちらから」という項目を表示させ、セキュリティ機能画面D3を経由させることなくカーファインダー画面D6またはルート案内画面D7にアクセスさせるようにしてもよい。
【0079】
操作端末Mと車両Vとの間の距離が所定値以上の場合には、仮にカーファインダーを起動し発光装置V4を点滅させたとしても操作者が車両Vを発見できないので、ルート案内により操作者を車両Vの位置に導くことがより有効と考えられ、一方で、操作端末Mと車両Vとの間の距離が所定値未満の場合には、操作者が車両Vを視認できる範囲に存在すると考えられるので、ルート案内よりもカーファインダーの起動により車両Vの存在を報知することが操作者に車両Vを発見させる上でより有効と考えられるからである。
【0080】
この構成により、操作メニュー表示システム100は、適切な時期に適切な機能を目立つように表示させ、操作者に提供することができるので、推奨する機能を効率的に操作者に使用させ、操作者の利便性を向上させることができる。
【0081】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0082】
例えば、上述の実施例における車両位置情報取得手段M10、端末位置情報取得手段M11、項目多階層表示手段M12、カーファインダー手段M13およびルート案内手段M14は、操作端末Mの制御部M1に配置されるが、通信センタCの制御部C1や車両Vの制御部V1に分散配置されてもよい。これにより、操作メニュー表示システム100を柔軟に構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に係る操作メニュー表示システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】操作端末における制御部の構成例を示すブロック図である。
【図3】操作端末が遠隔操作要求を送信するまでの画面推移を示す図(その1)である。
【図4】操作端末が遠隔操作要求を送信するまでの画面推移を示す図(その2)である。
【図5】操作端末が遠隔操作のキャンセル要求を送信するまでの画面推移を示す図である。
【図6】操作端末がカーファインダー機能またはルート案内機能を起動するまでの画面推移を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
100 操作メニュー表示システム
C 通信センタ
C1、M1、V1 制御部
C2、M2、V2 送受信機
D1 ログイン画面
D2−1、D2−2、D2−3、D2−4、D2−5 オンラインサービス画面
D3 セキュリティ機能画面
D4 遠隔操作画面
D5 キャンセル操作画面
D6 カーファインダー画面
D7 ルート案内画面
M 操作端末
M3、V3 測位装置
M4 表示装置
M10 車両位置情報取得手段
M11 端末位置情報取得手段
M12 項目多階層表示手段
M13 カーファインダー手段
M14 ルート案内手段
V 車両
V4 発光装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多階層構造の操作メニュー画面群を有する操作メニュー表示システムであって、
所定の操作に関する項目を階層の異なる2以上の画面に表示させる項目多階層表示手段を備え、
該項目多階層表示手段は、前記所定の操作に関する項目を、より上位の階層の1画面に一時的に表示させ、より下位の階層の1画面に恒常的に表示させる、
ことを特徴とする操作メニュー表示システム。
【請求項2】
前記所定の操作に関する項目は、車載装置の遠隔操作を実行させるための遠隔操作実行項目であり、
前記項目多階層表示手段は、所定時間にわたって、前記より上位の階層の1画面に前記遠隔操作実行項目を表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の操作メニュー表示システム。
【請求項3】
前記所定の操作に関する項目は、既に実行された車載装置の遠隔操作をキャンセルさせるためのキャンセル項目であり、
前記項目多階層表示手段は、前記遠隔操作が実行されてから所定時間にわたって、前記より上位の階層の1画面に前記キャンセル項目を表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の操作メニュー表示システム。
【請求項4】
前記項目多階層表示手段は、前記所定時間が経過した後、前記より上位の階層の1画面に一時的に表示させた項目を消去する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の操作メニュー表示システム。
【請求項5】
車両の位置を取得する車両位置情報取得手段と、
操作端末の位置を取得する端末位置情報取得手段と、
車両の存在を周囲に報知するカーファインダー手段と、を備え、
前記所定の操作に関する項目は、前記カーファインダー手段を起動させるためのカーファインダー項目であり、
前記項目多階層表示手段は、前記カーファインダー手段が操作可能な場合に、前記より上位の階層の1画面に前記カーファインダー項目を表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の操作メニュー表示システム。
【請求項6】
前記項目多階層表示手段は、前記車両の位置と前記操作端末の位置との間の距離が所定値未満である場合に、前記より上位の階層の1画面に前記カーファインダー項目を表示させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の操作メニュー表示システム。
【請求項7】
車両の位置を取得する車両位置情報取得手段と、
操作端末の位置を取得する端末位置情報取得手段と、
前記車両までのルートを案内するルート案内手段と、を備え、
前記所定の操作に関する項目は、前記ルート案内手段を起動させるためのルート案内項目であり、
前記項目多階層表示手段は、前記車両の位置と前記操作端末の位置との間の距離が所定値以上である場合に、前記より上位の階層の1画面に前記ルート案内項目を表示させる、
ことを特徴とする請求項1または6に記載の操作メニュー表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−237812(P2007−237812A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−60232(P2006−60232)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】