説明

新規のγセクレターゼインヒビター

種々の神経変性疾患を処置する際に有用な式:


のγセクレターゼインヒビターであって、ここで、例えば、Rは、非置換または置換アリールもしくはヘテロアリール基を含み;Rは、−C(O)−Y、アルキレン−C(O)−Y、アルキレン−シクロアルキレン−C(O)−Y、シクロアルキレン−アルキレン−C(O)−Y、アルキレンシクロアルキレン−アルキレン−C(O)−Y、シクロアルキレン−C(O)−Y、−S(O)−Y、アルキレン−S(O)−Y、アルキレン−シクロアルキレン−S(O)−Y、シクロアルキレン−アルキレン−S(O)−Y、アルキレンシクロアルキレン−アルキレン−S(O)−Y、シクロアルキレン−S(O)−Y、−S(O2)−Y、アルキレン−S(O2)−Y、アルキレンシクロアルキレンS(O2)−Y、シクロアルキレンアルキレンS(O2)−Y、およびシクロアルキレン−S(O2)−Yを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
2000年8月13日に公開された特許文献1は、アミロイドタンパク質の沈着に関するアルツハイマー病ならびに他の疾患の処置および予防のために有用なスルホンアミド部分を有する化合物を開示している。
【0002】
神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)の処置または予防における本発明の目的の点から、当該分野に対して歓迎される寄与は、そのような処置または予防に使用するための化合物である。本発明は、このような寄与を提供する。
【特許文献1】国際公開第00/50391号パンフレット
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(発明の要旨)
本発明は、γ−セクレターゼのインヒビター(例えば、アンタゴニスト)であり、式I:
【0004】
【化48】

を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、および/もしくはエステルを提供し、
ここで、
は、非置換アリール、1つまたはそれ以上のR基で置換されているアリール、非置換ヘテロアリール、および1つまたはそれ以上のR基で置換されているヘテロアリールから成る群より選択され;
は、−C(O)−Y、−アルキレン−C(O)−Y、−アルキレン−シクロアルキレン−C(O)−Y、−シクロアルキレン−アルキレン−C(O)−Y、−アルキレン−シクロアルキレン−アルキレン−C(O)−Y、−シクロアルキレン−C(O)−Y、−S(O)−Y、−アルキレン−S(O)−Y、−アルキレン−シクロアルキレン−S(O)−Y、−シクロアルキレン−アルキレン−S(O)−Y、−アルキレン−シクロアルキレン−アルキレン−S(O)−Y、−シクロアルキレン−S(O)−Y、−S(O)−Y、−アルキレン−S(O)−Y、−アルキレン−シクロアルキレン−S(O)−Y、−シクロアルキレン−アルキレン−S(O)−Y、−アルキレン−シクロアルキレン−アルキレン−S(O)−Y、および−シクロアルキレン−S(O)−Yから成る群より選択され;ここで、該アルキレンまたはシクロアルキレンの各々は、非置換であるか、必要に応じて、1つまたはそれ以上のヒドロキシ基で置換されているが、但し、ヒドロキシ基は、硫黄原子にも結合している炭素原子には結合していないことを条件とし;
各Rは、H、アルキル、−O−アルキル、−OH、−N(R、アシルおよびアロイルから成る群より独立して選択されるか;または
部分(Rは、式Iにおいて結合していることを示されている環炭素原子と一緒に、カルボニル基、−C(O)−を規定するが、但し、mが1より大きい整数である場合、多くとも1つのカルボニル基が、式Iで示される環内に存在することを条件とし;
各R3AおよびR3Bは、Hおよびアルキルから成る群より独立して選択され;
は、ハロ、−CF、−OH、アルコキシ、−OCF、−CN、−NH、−C(O)O−アルキル、−OC(O)−アルキル、−C(O)O−アリール、−OC(O)−アリール、−C(O)NR、−アルキレン−NR、−N(R)C(O)−アルキル、−N(R)C(O)−アリール、−N(R)C(O)−ヘテロアリール、および−N(R)C(O)NRから成る群より独立して選択され;
Yは、−NR、−N(R12)(CHNR、ここで、bは、2〜6の整数であり、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリールシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールシクロアルキル、アリールへテロシクロアルキル、アリールアルキルヘテロシクロアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、置換アリールシクロアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールシクロアルキル、置換アリールへテロシクロアルキル、および置換へテロシクロアルキルアルキルから成る群より選択され;ここで、該Y基の該置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、置換アリールシクロアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールシクロアルキル、置換アリールへテロシクロアルキルまたは置換へテロシクロアルキルアルキル基中のアリールまたはヘテロアリール部分は、ハロ、−CF、−OH、アルコキシ、−OCF、−CN、−NH、−C(O)O−アルキル、−OC(O)−アルキル、−C(O)O−アリール、−OC(O)−アリール、−C(O)NR、−アルキレン−NR、−N(R)C(O)−アルキル、−N(R)C(O)−アリール、−N(R)C(O)−ヘテロアリール、−N(R)C(O)NRおよびアルキルから成る群より独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で置換されているか;または
Yは、
【0005】
【化49】

から成る群より選択され;
およびRは、H、アルキル、1から4つのヒドロキシ基で置換されているアルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、
【0006】
【化50】

およびヘテロシクロアルキルから成る群より独立して選択されるが、但し、Rおよび/またはRが、1から4つのヒドロキシ基で置換されているアルキルである場合、そのヒドロキシ基は、窒素も結合している炭素には結合していないことを条件とし;
は、H、−OH、アルキル、−O−アルキル、1から4つのヒドロキシ基で置換されているアルキル、および−C(O)O−アルキルから成る群より独立して選択されるか;またはrが、1より大きく、少なくとも2つのR基が、アルキル、−O−アルキル、1から4つのヒドロキシ基で置換されているアルキル、および−C(O)O−アルキルから成る群より選択される場合には、2つのR基が、それらが結合している環炭素原子(1つまたは複数)と一緒に環を規定し;
各Rは、H、アルキル、1から4つのヒドロキシ基で置換されているアルキル、シクロアルキル、1から4つのヒドロキシ基で置換されているシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、−C(O)O−アルキル、−アルキレン−O−アルキレン−OH、1つまたはそれ以上のR基で置換されているアリール、1つまたはそれ以上のR基で置換されているヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、非置換アリール、−アルキレン−C(O)O−アルキル、−(SO)−アルキル、−(SO)−アリール、およびヒドロキシアルキル−O−アルキルから成る群より独立して選択されるが、但し、Rが、1から4つのヒドロキシ基で置換されているアルキルである場合、窒素も結合している炭素には、いずれのヒドロキシ基も結合していないことを条件とし;
各R10は、Hおよびアルキルから成る群より独立して選択され;
11は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリールシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールシクロアルキル、アリールへテロシクロアルキル、アルコキシアルキル、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、置換アリールシクロアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、および置換アリールへテロシクロアルキルから成る群より選択され;ここで、該R11の該置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、置換アリールシクロアルキル、置換ヘテロアリールアルキルおよび置換アリールへテロシクロアルキルにおけるアリールまたはヘテロアリール部分は、ハロ、−CF、−OH、アルコキシ、−OCF、−CN、−NH、−C(O)O−アルキル、−OC(O)−アルキル、−C(O)O−アリール、−OC(O)−アリール、−C(O)NR、−アルキレン−NR、−N(R)C(O)−アルキル、−N(R)C(O)−アリール、−N(R)C(O)−ヘテロアリール、および−N(R)C(O)NRから成る群より独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で置換されており;
12は、H、アルキル、アリール、ならびにハロ、−CF、−OH、アルコキシ、−OCF、−CN、−NH、−C(O)O−アルキル、−OC(O)−アルキル、−C(O)O−アリール、−OC(O)−アリール、−C(O)NR、−アルキレン−NR、−N(R)C(O)−アルキル、−N(R)C(O)−アリール、−N(R)C(O)−ヘテロアリール、および−N(R)C(O)NRから成る群より独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で置換されているアリールから成る群より選択され;
mは、0から3の整数であり、ならびにmが1より大きい場合、それらのm部分は、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよく;
nは、0から3の整数であり、ならびにnが1より大きい場合、それらのn部分は、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよく;
oは、0から3の整数であり、ならびにoが1より大きい場合、それらのo部分は、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよいが;但し、
m+n+oが、1、2、3または4であることを条件とし;
pは、0から4の整数であり、ならびにpが1より大きい場合、それらのp部分は、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよく;
rは、0から4の整数であり、ならびにrが1より大きい場合、それらのr部分は、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよく;
sは、0から3の整数であり、ならびにsが1より大きい場合、それらのs部分は、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよく;
Zは、ヘテロシクロアルキル、置換へテロシクロアルキル、−NH、−NH(アルキル)、−N(アルキル)ここで、各アルキルは、同じあるか、異なり、−NH(シクロアルキル)、−NH(置換シクロアルキル)、−N(アルキル)(シクロアルキル)、−N(アルキル)(置換シクロアルキル)、−NH(アラルキル)、−NH(置換アラルキル)、―N(アルキル)(アラルキル)、−NH(ヘテロシクロアルキル)、−NH(置換へテロシクロアルキル)、−N(アルキル)(ヘテロシクロアルキル)、−N(アルキル)(置換へテロシクロアルキル)、−NH(ヘテロアラルキル)、−NH(置換へテロアラルキル)、−NH−アルキレン−(シクロアルキル)、−NH−アルキレン−(置換シクロアルキル)、−N(アルキル)−アルキレン−(シクロアルキル)、−N(アルキル)−アルキレン−(置換シクロアルキル)、−NH−アルキレン−(ヘテロシクロアルキル)、−NH−アルキレン−(置換ヘテロシクロアルキル)、−N(アルキル)−アルキレン−(へテロシクロアルキル)、−N(アルキル)−アルキレン−(置換ヘテロシクロアルキル)、ベンゾ縮合へテロシクロアルキル、置換ベンゾ縮合へテロシクロアルキル、H、および−N(ヒドロキシアルキル)ここで、各アルキルは、同じであってもよいし、異なっていてもよい、から成る群より選択され;ここで、基Zの該置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、または置換ヘテロアリール部分は、アルキル、−OH、アルコキシ、−OC(O)−アルキル、−OC(O)−アリール、−NH、−NH(アルキル)、−N(アルキル)、ここで、各アルキルは、同じであるか、異なり、−NHC(O)−アルキル、−N(アルキル)C(O)−アルキル、−NHC(O)−アリール、−N(アルキル)C(O)−アリール、−C(O)−アルキル、−C(O)−アリール、−C(O)NH、−C(O)NH(アルキル)、−C(O)N(アルキル)、ここで、各アルキルは、同じであるか、異なり、−C(O)O−アルキル、−アルキレン−C(O)O−アルキル、ピペリジニル、ピロリジニル、アリール、ヘテロアリール、および−O−CHCH−O−、ここで、両方の酸素原子は、同じ炭素原子に結合している、から成る群より独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で置換されているが、但し、該Z基のアリールおよびヘテロアリール部分は、該−O−CHCH−O−基では置換されていないことを条件とする、化合物を提供する。
【0007】
本発明は、式Iの化合物の1つまたはそれ以上の治療有効量および少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物も提供する。
【0008】
本発明は、式Iの1つまたはそれ以上の化合物の有効(すなわち、処置有効)量をその必要がある患者に投与する工程を包含する、γ−セクレターゼを阻害するための方法も提供する。
【0009】
本発明は、式Iの1つまたはそれ以上の化合物の有効(すなわち、処置有効)量をその必要がある患者に投与する工程を包含する、1つまたはそれ以上の神経変性疾患を処置する方法も提供する。
【0010】
本発明は、式Iの1つまたはそれ以上の化合物の有効(すなわち、処置有効)量をその必要がある患者に投与する工程を包含する、神経学的組織(例えば、脳)内、上または周辺でのアミロイドタンパク質(例えば、アミロイドβタンパク質)の沈着を阻害する方法も提供する。
【0011】
本発明は、式Iの1つまたはそれ以上の化合物の有効(すなわち処置有効)量をその必要がある患者に投与する工程を包含する、アルツハイマー病を処置する方法も提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(発明の詳細な説明)
1つの実施形態において、本発明は、式Iの化合物を上記で定義したとおり提供する。
【0013】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
−(C〜C12)アルキレン−C(O)−Y、
−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−C(O)−Y、
−(C〜C12)アルキレン−S(O)−Y、
−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Y、
−(C〜C12)アルキレン−S(O)−Y、または
−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Y
である。
【0014】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、−(C〜C)シクロアルキレン−C(O)−Yである。
【0015】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、−シクロプロピレン−C(O)−Yである。
【0016】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−C(O)−Yである。
【0017】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン(OH)−C(O)−Yである。
【0018】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、−シクロプロピレン−CH−C(O)−Yである。
【0019】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、−シクロプロピレン−CH(OH)−C(O)−Yである。
【0020】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、−(C〜C)シクロアルキレン−S(O)−Yである。
【0021】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、−シクロプロピレン−S(O)−Yである。
【0022】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Yである。
【0023】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、−シクロプロピレン−CH−S(O)−Yである。
【0024】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0025】
【化51】

である。
【0026】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0027】
【化52】

である。
【0028】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0029】
【化53】

である。
【0030】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0031】
【化54】

である。
【0032】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0033】
【化55】

である。
【0034】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0035】
【化56】

である。
【0036】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0037】
【化57】

である。
【0038】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0039】
【化58】

である。
【0040】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0041】
【化59】

である。
【0042】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0043】
【化60】

である。
【0044】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0045】
【化61】

である。
【0046】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0047】
【化62】

である。
【0048】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0049】
【化63】

である。
【0050】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0051】
【化64】

である。
【0052】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0053】
【化65】

である。
【0054】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0055】
【化66】

である。
【0056】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0057】
【化67】

である。
【0058】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0059】
【化68】

である。
【0060】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0061】
【化69】

である。
【0062】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0063】
【化70】

である。
【0064】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0065】
【化71】

である。
【0066】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0067】
【化72】

である。
【0068】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、
【0069】
【化73】

である。
【0070】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Yは、−N(CHCHOH)である。
【0071】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
−(C〜C12)アルキレン−C(O)−Y、
−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−C(O)−Y、
−(C〜C12)アルキレン−S(O)−Y、
−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Y、
−(C〜C12)アルキレン−S(O)−Y、または
−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Y
であり、Yは、
【0072】
【化74】

から成る群より選択される。
【0073】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0074】
【化75】

である。
【0075】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0076】
【化76】

である。
【0077】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0078】
【化77】

である。
【0079】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0080】
【化78】

である。
【0081】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0082】
【化79】

である。
【0083】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0084】
【化80】

である。
【0085】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0086】
【化81】

である。
【0087】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0088】
【化82】

である。
【0089】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0090】
【化83】

である。
【0091】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0092】
【化84】

である。
【0093】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0094】
【化85】

である。
【0095】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0096】
【化86】

である。
【0097】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0098】
【化87】

である。
【0099】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0100】
【化88】

である。
【0101】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0102】
【化89】

である。
【0103】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0104】
【化90】

である。
【0105】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0106】
【化91】

である。
【0107】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0108】
【化92】

である。
【0109】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0110】
【化93】

である。
【0111】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0112】
【化94】

である。
【0113】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0114】
【化95】

である。
【0115】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0116】
【化96】

である。
【0117】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0118】
【化97】

である。
【0119】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0120】
【化98】

である。
【0121】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0122】
【化99】

である。
【0123】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0124】
【化100】

である。
【0125】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0126】
【化101】

である。
【0127】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0128】
【化102】

である。
【0129】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0130】
【化103】

である。
【0131】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0132】
【化104】

である。
【0133】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0134】
【化105】

である。
【0135】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0136】
【化106】

である。
【0137】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0138】
【化107】

である。
【0139】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0140】
【化108】

である。
【0141】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0142】
【化109】

である。
【0143】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0144】
【化110】

である。
【0145】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0146】
【化111】

である。
【0147】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
【0148】
【化112】

である。
【0149】
式Iの化合物のもう1つの実施形態において、Rは、
−(C〜C12)アルキレン−C(O)−Y、
−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−C(O)−Y、
−(C〜C12)アルキレン−S(O)−Y、
−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Y、
−(C〜C12)アルキレン−S(O)−Y、または
−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Y
であり、
Yは、
【0150】
【化113】

であり、
(Rの各Rは、H、−OH、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、−N(R、−(C〜C)アシル、および(C〜C13)アロイルから成る群より独立して選択され;
各R3AおよびR3Bは、Hおよび−(C〜C)アルキルから成る群より独立して選択され;
は、ハロ、−OH、−CF、および−O−(C〜C)アルキルから成る群より独立して選択され;
11は、−(C〜C12)アリール、置換−(C〜C12)アリール、−(C〜C12)ヘテロアリール、および置換−(C〜C12)ヘテロアリールから成る群より選択され、ここで、該置換−(C〜C12)アリールおよび置換−(C〜C12)ヘテロアリールは、1つまたはそれ以上のハロ、−CF、−OH、または−O−(C〜C)アルキル基で置換されており;
mは、0または1であり;
nは、0または1であり;ならびに
oは、0または1である。
【0151】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、
−(C〜C12)アルキレン−C(O)−Y、および
−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−C(O)−Y
から成る群より選択され;
Yは、
【0152】
【化114】

から成る群より選択され;
(Rの各Rは、H、−OH、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、−N(R、−(C〜C)アシル、および(C〜C13)アロイルから成る群より独立して選択されるか;または
(Rは、式Iにおいて結合していると示されている環炭素と一緒に、カルボニル基を規定するが、但し、mが1より大きい整数である場合、多くとも1つのカルボニル基が、式Iで示される環内に存在することを条件とし;
各R3AおよびR3Bは、Hおよび−(C〜C)アルキルから成る群より独立して選択され;
は、ハロ、−OH、−CF、および−O−(C〜C)アルキルから成る群より独立して選択され;
は、H、−OH、−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、ヒドロキシ基で置換されている−(C〜C)アルキル、および−C(O)O−(C〜C)アルキルから成る群より独立して選択されるが、但し、Rが、−OH、またはヒドロキシ基で置換されている−(C〜C)アルキルであるという条件とし;
は、H、アルキル、およびヒドロキシ基で置換されている−(C〜C)アルキルから成る群より独立して選択されるが、但し、Rが、ヒドロキシ基で置換されている−(C〜C)アルキルである場合、ヒドロキシ基は、窒素原子にも結合している炭素原子には結合していないことを条件とし;
11は、(C〜C12)アリール、置換(C〜C12)アリール、(C〜C12)ヘテロアリール、および置換(C〜C12)ヘテロアリールから成る群より選択され、ここで、該置換(C〜C12)アリールおよび置換(C〜C12)ヘテロアリールは、1つまたはそれ以上のハロ、−CF、−OH、または−O−(C〜C)アルキル基で置換されており;
Zは、ヘテロシクロアルキルから成る群より選択され;
mは、0または1であり;
nは、0または1であり;ならびに
oは、0または1である。
【0153】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、非置換アリールであるか、1つまたはそれ以上のR基で置換されているアリールである。
【0154】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、フェニルである。
【0155】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上のR基で置換されているフェニルである。
【0156】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上のハロ原子で置換されているフェニルである。
【0157】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、1つのハロ原子で置換されているフェニルである。
【0158】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、クロロで置換されているフェニル(例えば、p−クロロフェニル)である。
【0159】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、非置換ヘテロアリール(例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラジル)であるか、1つまたはそれ以上のR基で置換されているヘテロアリールである。
【0160】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、−C(O)Y、−(C〜C)アルキレン−C(O)−Y、−(C〜C)シクロアルキレン−C(O)−Y、−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−C(O)−Y、または−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−C(O)−Yである。
【0161】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、−(C〜C)シクロアルキレン−C(O)−Yまたは−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−C(O)−Yである。
【0162】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、シクロプロピレン−(C〜C)アルキレン−C(O)−Yまたはシクロプロピレン−C(O)−Yである。
【0163】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、シクロプロピレン−CH−C(O)−Yまたはシクロプロピレン−C(O)−Yである。
【0164】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、−S(O)Y、−(C〜C)アルキレン−S(O)−Y、−(C〜C)シクロアルキレン−S(O)−Y、−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Y、または−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Yである。
【0165】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、−(C〜C)シクロアルキレン−S(O)−Yまたは−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Yである。
【0166】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、シクロプロピレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Yまたはシクロプロピレン−S(O)−Yである。
【0167】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、シクロプロピレン−CH−S(O)−Yまたはシクロプロピレン−S(O)−Yである。
【0168】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、−S(O)−Y、−(C〜C)アルキレン−S(O)−Y、−(C〜C)シクロアルキレン−S(O)−Y、−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Y、または−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Yである。
【0169】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、−(C〜C)シクロアルキレン−S(O)−Yまたは−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Yである。
【0170】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、シクロプロピレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Yまたはシクロプロピレン−S(O)−Yである。
【0171】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、シクロプロピレン−CH−S(O)−Yまたはシクロプロピレン−S(O)−Yである。
【0172】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、(Rの各Rは、独立して、H、−OH、−NH、−NH(SO)−アルキル、−NH(SO)−アリール、−(C〜C)アシル(例えば、アセチル)、または(C〜C13)アロイル(例えば、ベンジル)である。
【0173】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、(Rの各Rは、Hである。
【0174】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、(Rは、式Iにおいて結合していると示されている環炭素原子と一緒に、カルボニル基を規定するが、但し、mが1より大きい整数である場合、多くとも1つのカルボニル基が、式Iで示される環内に存在することを条件とする。
【0175】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、(Rは、式Iにおいて結合していると示されている環炭素と一緒に、カルボニル基を規定し、そしてmは、1である。
【0176】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、各R3AおよびR3Bは、独立して、Hまたは(C〜C)アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチルまたはヘキシル)である。
【0177】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、各R3AおよびR3Bは、Hである。
【0178】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、各Rは、独立して、ハロ(例えば、Cl)、−CF、−OH、アルコキシ(例えば、メトキシ)、−OCF、−CN、−NH、−C(O)O−アルキル(例えば、−C(O)O−CHもしくは−C(O)O−CHCH)、−OC(O)−アルキル(例えば、−OC(O)−CH)、−C(O)O−アリール(例えば、−C(O)O−フェニル)、−OC(O)−アリール(例えば、−OC(O)−フェニル)、−C(O)NR(例えば、−C(O)N(CH)、−アルキレン−NR(例えば、−CH−N(CHもしくは−CHCH−N(CH)、−N(R)C(O)−アルキル(例えば、−N(CH)C(O)−CHもしくは−NHC(O)−CH)、−N(R)C(O)−アリール(例えば、−N(CH)C(O)−フェニルもしくは−NHC(O)−フェニル)、−N(R)C(O)−ヘテロアリール(例えば、−N(CH)C(O)−ピリジルもしくは−NHC(O)−ピリジル)、または−N(R)C(O)NR(例えば、−N(CH)C(O)N(CHまたは−NHC(O)N(CH)である。
【0179】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Yは、
【0180】
【化115】

から成る群より選択される。
【0181】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Yは、
【0182】
【化116】

であり;
rは、2であり;
1つのRは、−(C〜C)アルキルであり、第二のRは、−O−(C〜C)アルキルであり、2つのR基が、それらが結合している環炭素原子と一緒に、多環式環構造を形成する。
【0183】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Yは、
【0184】
【化117】

であり;
rは、2であり;
1つのRは、−(C〜C)アルキルであり、第二のRは、−O−(C〜C)アルキルであり、両方のR基が、同じ環炭素原子に結合しており、それらが結合している環炭素原子と一緒に、2つのR基がスピロ環を規定する。
【0185】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Yは、
【0186】
【化118】

、または−N(CHCHOH)である。
【0187】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、RおよびRは、H、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、−(C〜C)シクロアルキル、−アリール(C〜C)アルキル、4−ピリジルメチル、
【0188】
【化119】

から成る群より独立して選択される。
【0189】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、H、−OH、メチル、メトキシ、エトキシ、−C(O)O−CH、−C(O)O−CHCH、または1から4つの−OH基で置換されている−(C〜C)アルキルである。
【0190】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、H、メチル、メトキシ、ヒドロキシエチルまたはヒドロキシメチルである。
【0191】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、rは、2であり、Rは、−OHおよび−C(O)O−(C〜C)アルキルである。
【0192】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、rは、2であり、Rは、−OHおよびヒドロキシメチルである。
【0193】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、ヒドロキシメチルであり、Zは、N−モルホリニルである。
【0194】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、Hであり、Rは、ヒドロキシエチルである。
【0195】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0196】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、少なくとも1つのRは、メチルであり、Rは、ヒドロキシエチルである。
【0197】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、少なくとも1つのRは、メチルであり、Rは、メチルである。
【0198】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、少なくとも1つのRは、メチルであり、Rは、Hである。
【0199】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、H、−(C〜C)アルキル(例えば、メチル)、1から4つの−OH基で置換されている−(C〜C)アルキル(例えば、−(CHOH)、−(C〜C)アルキル−O−(C〜C)アルキル−OH(例えば、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)、(C〜C)シクロアルキル、またはヘテロアリールであるが、但し、Rが、ヒドロキシメチルでないことを条件とする。
【0200】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、H、メチル、シクロヘキシル、2−ピリジル、2−ヒドロキシエチルまたは2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルである。
【0201】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、R10は、Hまたは−(C〜C)アルキルである。
【0202】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、R10は、Hまたはメチルである。
【0203】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、R10は、Hである。
【0204】
式Iの化合物のさらにもう1つの実施形態において、R11は、−(C〜C)アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、(C〜C)−シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)、アリール(例えば、フェニル)、アリール(C〜C)アルキル(例えば、ベンジルまたは−(CHフェニル)および−(C〜C)アルコキシアルキル(例えば、−CHOCH)から成る群より選択される。
【0205】
さらにもう1つの実施形態において、式Iの化合物は、以下の構造式:
【0206】
【化120】

によって表される。
【0207】
さらにもう1つの実施形態において、式Iの化合物は、以下の構造式:
【0208】
【化121】

によって表される。
【0209】
さらにもう1つの実施形態において、式Iの化合物は、以下の構造式:
【0210】
【化122】

【0211】
【化123】

【0212】
【化124】

【0213】
【化125】

【0214】
【化126】

【0215】
【化127】

、またはこれらの立体異性体、薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/またはエステルから成る群より選択される。
【0216】
さらにもう1つの実施形態において、式Iの化合物は、以下の構造式:
【0217】
【化128】

【0218】
【化129】

【0219】
【化130】

【0220】
【化131】

【0221】
【化132】

【0222】
【化133】

【0223】
【化134】

、またはこれらの薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/またはエステルから成る群より選択される。
【0224】
添え字が前に付いている部分、例えば「m部分」、への各言及は、その添え字によって量が定められている部分を指す。従って、例えば、用語「m部分」は、その量が添え字「m」によって示されている部分を指す。
【0225】
上記および本明細書を通して用いられている以下の用語は、別の指示がない限り、以下の意味を有すると理解されるべきである:
「AcOH」は、酢酸を意味する。
【0226】
「BOP」は、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムを意味する。
【0227】
「cat.」は、触媒量を意味する。
【0228】
「Cp」は、シクロペンタジエニルを意味する。
【0229】
「DCE」は、ジクロロエタンを意味する。
【0230】
「DCM」は、ジクロロメタンを意味する。
【0231】
「DIBAL」は、水素化ジイソブチルアルミニウムを意味する。
【0232】
「EDCI」は、塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドを意味する。
【0233】
「Et」は、エチルを意味する。
【0234】
「H」は、酸水溶液を意味する。
【0235】
「HATU」は、ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムを意味する。
【0236】
「HOBT」は、水素化1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを意味する。
【0237】
「LAH」は、水素化アルミニウムリチウムを意味する。
【0238】
「LDA」は、リチウムジイソプロピルアミドを意味する。
【0239】
「MCPBA」は、m−クロロペルオキシ安息香酸を意味する。
【0240】
「Me」は、メチルを意味する。
【0241】
「MsCl」は、塩化メタンスルホニルを意味する。
【0242】
「NMM」は、N−メチルモルホリンを意味する。
【0243】
「t−Bu」は、tert−ブチルを意味する。
【0244】
「Ph」は、フェニルを意味する。
【0245】
「TBSCl」は、塩化t−ブチルジメチルシリルを意味する。
【0246】
「TBSOTf」は、トリフルオロメタンスルホン酸tert−ブチルジメチルシリルを意味する。
【0247】
「TBS」は、t−ブチルジメチルシリルを意味する。
【0248】
「TBAF」は、フッ化テトラブチルアンモニウムを意味する。
【0249】
「Tebbe試薬」は、
【0250】
【化135】

を意味する。
【0251】
「TEMPO」は、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、フリーラジカルを意味する。
【0252】
「Tf」は、トリフルオロメチルスルホニルを意味する。
【0253】
「THF」は、テトラヒドロフランを意味する。
【0254】
「TLC」は、薄層クロマトグラフィーを意味する。
【0255】
「Ts」は、トルエンスルホニル(「トシル」とも呼ばれる)を意味する。
【0256】
「患者」は、ヒトと動物の両方を包含する。
【0257】
「哺乳類」は、ヒトおよび他の哺乳動物を意味する。
【0258】
用語「置換されている」は、指定の原子上の1つまたはそれ以上の水素が、指示されている群から選択されたもので置き換えられていることを意味するが、その存在環境下での指定の原子の正常な原子化を超えないこと、およびその置換が、結果的に安定な化合物を生じさせることを条件とする。置換基および/または可変項の組み合わせは、そうした組み合わせが、結果的に安定な化合物を生じさせる場合にのみ許される。「安定な化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物から有用な純度に単離することおよび効能のある処置薬にの調合することを乗り切れる十分な強さがある化合物を意味する。
【0259】
用語「必要に応じて置換されている」は、特定の基、ラジカルまたは部分での任意の置換を意味する。
【0260】
化合物についての用語「単離されている」または「単離形態で」は、合成プロセスもしくは天然源またはそれらの組み合わせから単離した後の前記化合物の物理的状態を指す。化合物についての用語「精製されている」または「精製形態で」は、精製プロセスまたは本明細書に記載のもしくは当業者には周知のプロセスから、本明細書に記載のまたは当業者には周知の標準的な分析技術によって特性付けすることができる十分な純度で得られた後の、前記化合物の物理的状態を指す。
【0261】
「アルキル」は、直鎖状であってもよいし、分枝状であってもよくならびにその鎖に約1から約20の炭素原子を含む、脂肪族炭化水素基を意味しする。好ましいアルキル基は、その鎖に約1から約12の炭素原子を含有する。さらに好ましいアルキル基は、その鎖に約1から約6の炭素原子を含有する。分枝状は、1つまたはそれ以上の低級アルキル基、例えばメチル、エチルまたはプロピルが、鎖状アルキル鎖に付いていることを意味する。「低級アルキル」は、直鎖状であってもよいし、分枝状であってもよいその鎖に約1から約6の炭素原子を有する基を意味する。用語「置換アルキル」は、同じであってもよいし、異なっていてもよい1つまたはそれ以上の置換基によってアルキル基が置換されていることがあることを意味し、この場合、各置換基は、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(アルキル)、カルボキシ、−C(O)O−アルキルおよび−S(アルキル)から成る群より独立して選択される。適するアルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ヘプチル、ノニル、デシル、フルオロメチル、トリフルオロメチルおよびシクロプロピルメチルが挙げられる。
【0262】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有し、直鎖状であってもよいし、分枝状であってもよく、ならびにその鎖に約2から約15の炭素原子を含む、脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルケニル基は、その鎖に約2から約12の炭素原子、さらに好ましくはその鎖に約2から約6の炭素原子を有する。分枝状は、1つまたはそれ以上の低級アルキル基、例えばメチル、エチルまたはプロピルが、鎖状アルケニル鎖に付いていることを意味する。「低級アルケニル」は、直鎖状であってもよいし、分枝状であってもよい鎖内の約2から約6の炭素原子を意味する。用語「置換アルケニル」は、同じであってもよいし、異なっていてもよい1つまたはそれ以上の置換基によってアルケニル基が置換されていることがあることを意味し、この場合、各置換基は、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、アルコキシおよび−S(アルキル)から成る群より独立して選択される。適するアルケニル基の非限定的な例としては、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブト−2−エニル、n−ペンテニル、オクテニルおよびデセニルが挙げられる。
【0263】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有し、直鎖状であってもよいし、分枝状であってもよく、ならびにその鎖に約2から約15の炭素原子を含む、脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキニル基は、その鎖に約2から約12の炭素原子、さらに好ましくはその鎖に約2から約4の炭素原子を有する。分枝状は、1つまたはそれ以上の低級アルキル基、例えばメチル、エチルまたはプロピルが、鎖状アルキニル鎖に付いていることを意味する。「低級アルキニル」は、直鎖状であってもよいし、分枝状であってもよい鎖内の約2から約6の炭素原子を意味する。適するアルキニル基の非限定的な例としては、エチニル、プロピニル、n−ブチニル、3−メチルブチニル、n−ペンチニルおよびデシニルが挙げられる。用語「置換アルキニル」は、同じであってもよいし、異なっていてもよい1つまたはそれ以上の置換基によってアルキニル基が置換されていることがあることを意味し、この場合、各置換基は、アルキル、アリールおよびシクロアルキルから成る群より独立して選択される。
【0264】
「アルキレン」は、上記で定義されているアルキル基から水素原子を除去することによって得られる二官能性の基を意味する。アルキレンの非限定的な例としては、メチレン(すなわち、−CH−)、エチレン(すなわち、−CH−CH−または−CH(CH)−)およびプロピレン(すなわち、−CH−CH−CH−、−CH(CH−CH)−、または−CH−CH(CH)−)が挙げられる。
【0265】
「アルキレン(OH)」は、1つまたはそれ以上の−OH基で置換されている、上記で定義したようなアルキレンを意味する。アルキレン(OH)の非限定的な例としては、−CH(OH)−、−CHCH(OH)−などが挙げられる。
【0266】
「アリール」(時として、「Ar」と略記される)は、約6から約14の炭素原子、好ましくは約6から約10の炭素原子を含む、芳香族単環式または多環式環構造を意味する。アリール基は、同じであってもよいし、異なっていてもよく、および本明細書において定義されているとおりである1つまたはそれ以上の「環構造置換基」で、場合によっては置換されていることがある。適するアリール基の非限定的な例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0267】
「ヘテロアリール」は、約5から14の環原子、好ましくは約5から10の環原子を含み、それら環原子のうちの1つまたはそれ以上が、単独または組み合わせで炭素以外の元素、例えば窒素、酸素または硫黄である、芳香族単環式または多環式環構造を意味する。好ましいヘテロアリールは、約5から約6の環原子を含有する。「ヘテロアリール」は、同じであってもよいし、異なっていてもよく、および本明細書において定義されているとおりである1つまたはそれ以上の「環構造置換基」により、場合によっては置換されていることがある。ヘテロアリール語源名の前の接頭語アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、少なくとも1つの窒素、酸素または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。場合によっては、ヘテロアリールの窒素原子は、対応するN−オキシドに酸化されていることがある。適するヘテロアリールの非限定的な例としては、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チオフェニル、ピリミジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チオフェノピリジル、キナゾリニル、チオフェノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。
【0268】
「アラルキル」(または「アリールアルキル」)は、アリール−アルキル−基を意味し、この場合のアリールおよびアルキルは、前に説明したとおりである。好ましいアラルキルは、低級アルキル基を含む。適するアラルキル基の非限定的な例としては、ベンジル、2−フェネチルおよびナフタレニルメチルが挙げられる。親部分への結合は、アルキルによる。
【0269】
「アルキルアリール」は、アルキル−アリール−基を意味し、この場合のアルキルおよびアリールは、前に説明したとおりである。好ましいアルキルアリールは、低級アルキル基を含む。適するアルキルアリール基の非限定的な例としては、o−トリル、p−トリルおよびキシリルが挙げられる。親部分への結合は、アリールによる。
【0270】
「シクロアルキル」は、約3から約10の炭素原子、好ましくは約5から約10の炭素原子を含む、非芳香族単環式または多環式環構造を意味する。好ましいシクロアルキル環は、約5から約7の環原子を含有する。シクロアルキルは、同じであってもよいし、異なっていてもよく、および上記で定義したとおりである1つまたはそれ以上の「環構造置換基」で、場合によっては置換されていることがある。適する単環式シクロアルキルの非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。適する多環式シクロアルキルの非限定的な例としては、1−デカリン、ノルボルニル、アダマンチルなどが挙げられる。
【0271】
「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード基を意味する。フルオロ、クロロまたはブロモが好ましく、フルオロおよびクロロはさらに好ましい。
【0272】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。フッ素、塩素または臭素が好ましく、フッ素および塩素はさらに好ましい。
【0273】
「ハロアルキル」は、アルキル上の1つまたはそれ以上の水素原子が、上記で定義したハロ基によって置き換えられている、上記で定義したとおりのアルキルを意味する。
【0274】
「環構造置換基」は、例えば環構造上の利用可能な水素を置き換える、芳香族または非芳香族環構造に取り付けられる置換基を意味する。環構造置換基は、同じであってもよいし、異なっていてもよく、各々、独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、アラルケニル、ヘテロアラルキル、アルキルヘテロアリール、ヘテロアラルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、YN−、YN−アルキル−、YNC(O)−およびYNSO−から成る群より選択され、この場合のYおよびYは、同じであってもよいし、異なっていてもよく、ならびに水素、アルキル、アリールおよびアラルキルから成る群より独立して選択される。「環構造置換基」は、環原子のうちの1〜2つが、ヘテロ原子であってもよく、前記へテロ原子が、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル環に、前記アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル環上の2つの環水素原子を同時に置換することによって取り付けられている、環原子数3から7のシクロ環も意味する。非限定的な例としては、
【0275】
【化136】

などが挙げられる。
【0276】
「シクロアルケニル」は、約3から約10の炭素原子、好ましくは約5から約10の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する、非芳香族単環式または多環式環構造を意味する。好ましいシクロアルケニル環は、約5から約7の環原子を含有する。シクロアルケニルは、同じであってもよいし、異なっていてもよくおよび上記で定義したとおりである1つまたはそれ以上の「環構造置換基」で、場合によっては置換されていることがある。適する単環式シクロアルケニルの非限定的な例としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロペンテニルなどが挙げられる。適する多環式シクロアルケニルの非限定的な例は、ノルボルニレニルである。
【0277】
「ヘテロシクロアルケニル」は、約3から約10の炭素原子、好ましくは約5から約10の炭素原子を含む非芳香族単環式または多環式環構造であって、環構造内の原子の1つまたはそれ以上が、単独または組み合わせで炭素以外の元素、例えば窒素、酸素または硫黄であり、ならびに少なくとも1つの炭素−炭素二重結合または炭素−窒素二重結合を含有する、非芳香族単環式または多環式環構造を意味する。隣接する酸素および/または硫黄原子は、この環構造内には存在しない。好ましいヘテロシクロアルケニル環は、約5から約6の環原子を含有する。ヘテロシクロアルケニル語源名の前の接頭語アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、少なくとも1つの窒素、酸素または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。場合によっては、ヘテロシクロアルケニルは、1つまたはそれ以上の環構造置換基により置換されていることがあり、この場合の「環構造置換基」は、上記で定義したとおりである。場合によっては、ヘテロシクロアルケニルの窒素または硫黄原子は、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドに酸化されていることがある。適する単環式アザへテロシクロアルケニル基の非限定的な例としては、1,2,3,4−テトラヒドロピリジン、1,2−ジヒドロピリジル、1,4−ジヒドロピリジル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、2−ピロリニル、3−ピロリニル、2−イミダゾリニル、2−ピラゾリニルなどが挙げられる。適するオキサヘテロシクロアルケニル基の非限定的な例としては、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、ジヒドロフラニル、フルオロジヒドロフラニルなどが挙げられる。適する多環式オキサヘテロシクロアルケニル基の非限定的な例は、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテニルである。適する単環式チアヘテロシクロアルケニル環の非限定的な例としては、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロチオピラニルなどが挙げられる。
【0278】
「ヘテロシクロアルキル」は、約3から約10の環原子、好ましくは約5から約10の環原子を含む非芳香族飽和単環式または多環式環構造であって、環構造内の原子の1つまたはそれ以上が、単独または組み合わせで炭素以外の元素、例えば窒素、酸素または硫黄である、非芳香族飽和単環式または多環式環構造を意味する。隣接する酸素および/または硫黄原子は、この環構造内には存在しない。好ましいヘテロシクロアルキルは、約5から約6の環原子を含有する。ヘテロシクロアルキル語源名の前の接頭語アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、少なくとも1つの窒素、酸素または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の「環構造置換基」により場合によっては置換されていることがあり、この場合、炭素(複数を含む)および/または窒素(複数を含む)上の前記環構造置換基は、同じであってもよいし、異なっていてもよく、ならびに前記環構造置換基は、本明細書にいて定義されているとおりである。ヘテロシクロアルキルの窒素または硫黄原子は、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドに場合によっては酸化されていることがある。適する単環式へテロシクロアルキル環の非限定的な例としては、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどが挙げられる。
【0279】
本発明のヘテロ原子含有環構造では、ヒドロキシル基が、N、OまたはSに隣接する炭素原子上にないこと、ならびにNまたはS基が、別のヘテロ原子に隣接する炭素上にないことに留意しなければならない。従って、例えば、環:
【0280】
【化137】

では、2および5の印しが付いている炭素原子に直接付いている−OHはない。
【0281】
「アリールヘテロシクロアルキル」は、縮合したアリールとヘテロシクロアルキルから誘導される基を意味し、この場合、アリール環とヘテロシクロアルキル環が2つの原子を共有しており、前記環内の共有されている原子は、両方とも炭素原子であってもよいし、ヘテロ原子の1つもしくはそれ以上が窒素であるときには共有されている原子の一方または両方が窒素であってもよい。適するアリールヘテロシクロアルキルの非限定的な例としては、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロインドールおよびジヒドロイソインドールが挙げられる。親部分への結合は、ヘテロシクロアルキル環による。
【0282】
「アリールシクロアルキル」は、アリール環とシクロアルキル環が、2つの炭素原子を共有する、縮合したアリールとシクロアルキルから誘導される基を意味する。好ましいアリールシクロアルキルは、アリールがフェニルであり、シクロアルキルが約5から約6の環原子から成るものである。アリールシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の環構造置換基により場合によっては置換されていることがあり、この場合の「環構造置換基」は、上記で定義したとおりである。適するアリールシクロアルキルの非限定的な例としては、1,2,3,4−テトラヒドロナフチルなどが挙げられる。親部分への結合は、非芳香族炭素原子による。
【0283】
「シクロアルキルアリール」は、親部分への結合が芳香族炭素原子によることを除き、本明細書においてアリールシクロアルキル基のために説明したような縮合アリールシクロアルキルから誘導される基を意味する。
【0284】
「ヘテロアリールシクロアルキル」は、ヘテロアリール環とシクロアルキル環が2つの炭素原子を共有する、本明細書において定義するとおりの、縮合しているヘテロアリールとシクロアルキルから誘導される基を意味する。好ましいヘテロアリールシクロアルキルは、ヘテロアリールが約5から約6の環原子から成り、シクロアルキルが約5から約6の環原子から成るものである。ヘテロアリールの前の接頭語アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、少なくとも1つの窒素、酸素または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロアリールシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の環構造置換基により場合によっては置換されていることがあり、この場合の「環構造置換基」は、上記で定義したとおりである。ヘテロアリールシクロアルキルのヘテロアリール部分の窒素原子は、対応するN−オキシドに場合によっては酸化されていることがある。適するヘテロアリールシクロアルキルの非限定的な例としては、5,6,7,8−テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリル、5,6,7,8−テトラヒドロキノキサリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンズイミダゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロベンズオキサゾリル、1H−4−オキサ−1,5−ジアザナフタレン−2−オニル、1,3−ジヒドロイミダゾール−[4,5]−ピリジン−2−オニルなどが挙げられる。親部分への結合は、非芳香族炭素原子による。
【0285】
「シクロアルキルヘテロアリール」は、親部分への結合が芳香族炭素原子によることを除き、本明細書において説明したとおりの縮合ヘテロアリールシクロアルキルから誘導される基である。
【0286】
「アラルケニル」は、アリール−アルケニル−基を意味し、この場合のアリールおよびアルケニルは、前に説明したとおりである。好ましいアラルケニルは、低級アルケニル基を含有する。適するアラルケニル基の非限定的な例としては、2−フェネテニルおよび2−ナフチルエテニルが挙げられる。親部分への結合は、アルケニルによる。
【0287】
「アラルキニル」は、アリール−アルキニル−基を意味し、この場合のアリールおよびアルキニルは、前に説明したとおりである。好ましいアラルキニルは、低級アルキニル基を含有する。親部分への結合は、アルキニルによる。適するアラルキニル基の非限定的な例としては、フェナセチレニルおよびナフチルアセチレニルが挙げられる。
【0288】
「ヘテロアラルキル」(または「ヘテロアリールアルキル」)は、ヘテロアリール−アルキル−基を意味し、この場合のヘテロアリールおよびアルキルは、前に説明したとおりである。好ましいヘテロアラルキルは、低級アルキル基を含有する。適するアラルキル基の非限定的な例としては、ピリジルメチル、2−(フラン−3−イル)エチルおよびキノリン−3−イルメチルが挙げられる。親部分への結合は、アルキルによる。
【0289】
「ヘテロアラルケニル」は、ヘテロアリール−アルケニル−基を意味し、この場合のヘテロアリールおよびアルケニルは、前に説明したとおりである。好ましいヘテロアラルケニルは、低級アルケニル基を含有する。適するヘテロアラルケニル基の非限定的な例としては、2−(ピリド−3−イル)エテニルおよび2−(キノリン−3−イル)エテニルが挙げられる。親部分への結合は、アルケニルによる。
【0290】
「ヘテロアラルキニル」は、ヘテロアリール−アルキニル−基を意味し、この場合のヘテロアリールおよびアルキニルは、前に説明したとおりである。好ましいヘテロアラルキニルは、低級アルキニル基を含有する。適するヘテロアラルキニル基の非限定的な例としては、ピリド−3−イルアセチレニルおよびキノリン−3−イルアセチレニルが挙げられる。親部分への結合は、アルキニルによる。
【0291】
「ヒドロキシアルキル」は、HO−アルキル−基を意味し、この場合のアルキルは、前に定義したとおりである。好ましいヒドロキシアルキルは、低級アルキルを含有する。適するヒドロキシアルキル基の非限定的な例としては、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが挙げられる。
【0292】
「アシル」は、H−C(O)−、アルキル−C(O)−、アルケニル−C(O)−、アルキニル−C(O)−、シクロアルキル−C(O)−、シクロアルケニル−C(O)−、またはシクロアルキニル−C(O)−基を意味し、この場合の様々な基は、前に説明したとおりである。親部分への結合は、カルボニルによる。好ましいアシルは、低級アルキルを含有する。適するアシルの非限定的な例としては、ホルミル、アセチル、プロパノイル、2−メチルプロパノイル、ブタノイルおよびシクロヘキサノイルが挙げられる。
【0293】
「アロイル」は、アリール−C(O)−基を意味し、この場合のアリール基は、前に説明したとおりである。親部分への結合は、カルボニルによる。適する基の非限定的な例としては、ベンゾイルならびに1−および2−ナフトイルが挙げられる。
【0294】
「ヘテロアロイル」は、ヘテロアリール−C(O)−基を意味し、この場合のヘテロアリール基は、前に説明したとおりである。適する基の非限定的な例としては、ニコチノイルおよびピロール−2−イルカルボニルが挙げられる。親部分への結合は、カルボニルによる。
【0295】
「アルコキシ」は、アルキル−O−基を意味し、この場合のアルキル基は、前に説明したとおりである。適するアルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシおよびヘプトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素による。
【0296】
「アリールオキシ」は、アリール−O−基を意味し、この場合のアリール基は、前に説明したとおりである。適するアリールオキシ基の非限定的な例としては、フェノキシおよびナフトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素による。
【0297】
「アラルキルオキシ」は、アラルキル−O−基を意味し、この場合のアラルキル基は、前に説明したとおりである。適するアラルキルオキシ基の非限定的な例としては、ベンジルオキシおよび1−または2−ナフタレンメトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素による。
【0298】
「アルキルアミノ」は、窒素原子上の1つまたはそれ以上の水素原子が、上記で定義したとおりのアルキル基によって置き換えられている、−NHまたは−NH基を意味しする。
【0299】
「アリールアミノ」は、窒素原子上の1つまたはそれ以上の水素原子が、上記で定義したとおりのアリール基によって置き換えられている、−NHまたは−NH基を意味しする。
【0300】
「アルキルチオ」は、アルキル−S−基を意味し、この場合のアルキル基は、前に説明したとおりである。適するアルキルチオ基の非限定的な例としては、メチルチオ、エチルチオ、i−プロピルチオおよびヘプチルチオが挙げられる。親部分への結合は、硫黄による。
【0301】
「アリールチオ」は、アリール−S−基を意味し、この場合のアリール基は、前に説明したとおりである。適するアリールチオ基の非限定的な例としては、フェニルチオおよびナフチルチオが挙げられる。親部分への結合は、硫黄による。
【0302】
「アラルキルチオ」は、アラルキル−S−基を意味し、この場合のアラルキル基は、前に説明したとおりである。適するアラルキルチオ基の非限定的な例は、ベンジルチオである。親部分への結合は、硫黄による。
【0303】
「アルコキシカルボニル」は、アルキル−O−C(O)−基を意味する。適するアルコキシカルボニル基の非限定的な例としては、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが挙げられる。親部分への結合は、カルボニルによる。
【0304】
「アリールオキシカルボニル」は、アリール−O−C(O)−基を意味する。適するアリールオキシカルボニル基の非限定的な例としては、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルが挙げられる。親部分への結合は、カルボニルである。
【0305】
「アラルコキシカルボニル」は、アラルキル−O−C(O)−基を意味する。適するアラルコキシカルボニル基の非限定的な例は、ベンジルオキシカルボニルである。親部分への結合は、カルボニルである。
【0306】
「アルキルスルホニル」は、アルキル−S(O)−基を意味する。好ましい基は、アルキル基が低級アルキルであるものである。親部分への結合は、スルホニルによる。
【0307】
「アルキルスルフィニル」はアルキル−S(O)−基を意味する。好ましい基は、アルキル基が低級アルキルであるものである。親部分への結合は、スルフィニルによる。
【0308】
「アリールスルホニル」は、アリール−S(O)−基を意味する。親部分への結合は、スルホニルである。
【0309】
「アリールスルフィニル」は、アリール−S(O)−基を意味する。親部分への結合は、スルフィニルである。
【0310】
用語「シクロアルキレン」は、アルキレン基中の同じ炭素原子上でのシクロ基による置換を指す。非限定的な例としては、
【0311】
【化138】

が挙げられる。
【0312】
本明細書における本文、スキーム、実施例および表中の、原子価が満たされていない任意のヘテロ原子には、それらの原子価を満たすために十分な数の水素原子が結合していると想定されることにも留意しなければならない。
【0313】
化合物中の官能基が、「保護されている」と呼ばれている場合、これは、その基が、その化合物が反応に付されるとき、保護される部位で望ましくない副反応が起きないように変性された形態であることを意味する。適する保護基は、当業者には認識されているであろうし、ならびに例えば、T.W.Greeneら,Protective Groups in organic Synthesis(1991),Wiley,New York(これは、その全体が、本明細書に参考として援用されている)などの標準的な教科書を参考にすることにより理解されるであろう。
【0314】
任意の可変項(例えば、アリール、ヘテロシクリル、Rなど)が、任意の構成成分または式Iにおいて1回以上出現する場合、各出現時のその定義は、他のあらゆる出現時のその定義とは無関係である。
【0315】
化合物中の部分(例えば、置換基、基または環)の数に関連して、別様に定義されていなければ、フレーズ「1つまたはそれ以上」および「少なくとも1つ」は、化学的に許される数だけ部分が存在し得ることを意味し、そうした部分の最大数の決定は、十分に当業者の知識の範囲内である。
【0316】
本明細書で用いられる場合、用語「組成物」は、指定量で指定成分を含む生成物、ならびに指定量で指定成分を組み合わせることにより直接または間接的に得られる任意の生成物を包含すると解釈する。
【0317】
結合としての波線
【0318】
【化139−1】

は、可能な異性体(例えば、(R)−および(S)−立体化学を含む)の混合物、またはそれらのいずれかを示す。例えば、
【0319】
【化139−2】

本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物も本明細書では考慮している。用語「プロドラッグ」は、本明細書で用いられる場合、被験者に投与されると、代謝プロセスまたは化学的プロセスによる化学変換を受けて式Iの化合物またはその塩および/または溶媒和物を生じさせる、薬物前駆体である化合物を示す。プロドラッグの論考は、T.HiguchiおよびV.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)Volume 14 of A.C.S. Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design,(1987)Edward B.Roche,ed.,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press(これらは両方とも、本明細書中に参考として援用されている)に提供されている。
【0320】
「溶媒和物」は、1つまたはそれ以上の溶媒分子と本発明の化合物の物理的会合を意味する。この物理的会合は、様々な程度のイオン結合および共有結合(水素結合を含む)を含む。ある例では、例えば1つまたはそれ以上の溶媒分子がその結晶質固体の結晶格子に組み込まれているとき、その溶媒和物を単離することができるであろう。「溶媒和物」は、溶解相と単離可能溶媒和物の両方を包含する。適する溶媒和物の非限定的な例としては、エタノレート、メタノレートなどが挙げあれる。「水和物」は、溶媒分子がHOである場合の溶媒和物である。
【0321】
「有効量」または「治療有効量」は、γ−セクレターゼの阻害に有効な、従って、適する患者に所望の処置効果を生じさせる、本発明の化合物または組成物の量を描写する意味を持つ。
【0322】
式Iの化合物は、塩を形成し、これも本発明の範囲内である。本明細書における式Iの化合物への言及は、別様に指示されていない限り、その塩への言及も包含すると理解される。用語「塩」は、本明細書で用いられる場合、無機および/または有機酸とで形成される酸性塩、ならびに無機および/または有機塩基とで形成される塩基性塩を示す。加えて、式Iの化合物が塩基性部分(例えば、限定ではないが、ピリジンまたはイミダゾール)と酸性部分(例えば、限定ではないが、カルボン酸)の両方を含有するとき、両性イオン(「分子内塩」)を形成することがあり、これは、本明細書で用いられる場合の用語「塩」の中に包含される。薬学的に受容可能な(すなわち、非毒性で、生理学的に許容される)塩が好ましいが、他の塩も有用である。式Iの化合物の塩は、例えば、媒体(例えば、その塩が沈殿するもの)または水性媒体中で式Iの化合物を一定量(例えば、当量)の酸または塩基と反応させ、その後、凍結乾燥させることによって、形成することができる。
【0323】
例示的酸付加塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩(例えば、本明細書において言及するもの)、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシレートとしても知られている)、ウンデカン酸塩など挙げられる。加えて、塩基性薬学的化合物からの薬学的に有用な塩の形成に適すると一般に考えられる酸は、例えば、P.Stahlら,Camille G.(eds.)Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties,Selection and Use,(2002)Zurich:Wiley−VCH;S.Bergeら,Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1−19;P.Gould,International J.of Pharmaceutics(1986)33 201−217;Andersonら,The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New Yorkによって、ならびにThe Orange Book(米国食品意訳局のウェブサイト(Food & Drug Administration,Washington,D.C.on their website))において論じられている。これらの開示は、本明細書中に参考として援用されている。
【0324】
例示的塩基性塩としては、アンモニウム塩;アルカリ金属塩、例えばナトリウム、リチウムおよびカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムおよびマグネシウム塩;有機塩基(例えば、有機アミン)との塩、例えばベンザチン、ジシクロヘキシルアミン、ヒドラバミン(N,N−ビス(デヒドロアビエチル)エチレンジアミン)とで形成されるもの)、N−メチル−D−グルカミン、N−メチル−D−グルカミド、t−ブチルアミン;ならびにアミノ酸、例えばアルギニン、リシンなどとの塩が挙げられる。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルおよびブチル)、ジアルキルスルフェート(例えば、ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルスルフェート)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル)、ハロゲン化アラルキル(例えば、臭化ベンジルおよびフェネチル)などのような物質で四級化されていることがある。
【0325】
こうした酸性塩および塩基性塩のすべてが、本発明の範囲内の薬学的に受容可能な塩であると解釈され、ならびに本発明の目的のために、すべての酸性および塩基性塩は、対応する化合物の遊離形態と等価であると考えられる。
【0326】
カルボン酸基を有する本発明の化合物は、アルコールとで薬学的に受容可能なエステルを形成することができる。適するアルコールの例としては、メタノールおよびエタノールが挙げられる。
【0327】
同様に、ヒドロキシル基を有する本発明の化合物は、カルボン酸、例えば酢酸とで薬学的に受容可能なエステルを形成することができる。
【0328】
式Iの化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物およびプロドラッグは、それらの互変異性体形で(例えば、アミドまたはイミノエーテルとして)存在することもある。すべてのそうした互変異性体形は、本明細書では本発明の一部と考えている。
【0329】
本発明の化合物(本化合物の塩、溶媒和物およびプロドラッグ、ならびにプロドラッグの塩および溶媒和物を包含する)のすべての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体など)、例えば、エタンチオマー形(不斉炭素が不在の状態であっても存在することがある)、回転異性体形、アトロプ異性体形およびジアステレオマー形をはじめとする様々な置換基上の不斉炭素のために存在し得るものが、本発明の範囲内で考えられる。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体を実質的に含まない場合もあり、あるいは例えばラセミ体として、または他のすべてのもしくは他の選択された立体異性体と混合されている場合もある。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationにより定義されているようなSまたはR立体配置を有することができる。用語「塩」、「溶媒和物」、「プロドラッグ」などの使用は、本発明の化合物のエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ラセミ体またはプロドラッグの塩、溶媒和物およびプロドラッグに対して同等に適用されるものと解釈される。
【0330】
式Iの化合物ならびに式Iの化合物の塩、溶媒和物および/またはプロドラッグの多形形態も本発明に包含されると解釈される。
【0331】
本明細書および/または本特許請求の範囲における、別様に原子価が満たされていない任意の式、化合物、部分または化学的説明図は、それらの原子価を満たすために必要な数の水素原子を有すると想定される。
【0332】
本発明の化合物は、薬理学的特性を有し、特に、式Iの化合物は、神経変性疾患、例えばアルツハイマー病、およびアミロイドタンパク質の沈着に関連する他の疾病の処置および予防に使用することができる。
【0333】
用語「神経変性疾患」が、その一般に受け入れられている医学的意味を有し、ならびに神経細胞死および神経伝達物質または神経毒性物質の異常放出をはじめとする、ニューロンの異常機能の結果として生じる疾病および状態を記述するものであることは、当業者には理解されるであろう。この場合、この用語は、異常レベルのβアミロイドタンパク質の結果として生じるすべての疾病も包含する。こうした疾病の例としては、アルツハイマー病、加齢性痴呆、脳または全身性アミロイドーシス、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、およびダウン症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
【0334】
例えば、
【0335】
【化140】

のような、環構造の中へと引かれている線は、示されている線(結合)が、置換可能な環炭素原子のいずれに付いていてもよいことを示す。
【0336】
当該技術分野では周知であるように、特定の原子から引かれている結合は、その結合の末端にいずれの部分も描かれていない場合、その原子への結合によって結合されているメチル基を示す。例えば、
【0337】
【化141】

式Iの化合物は、当業者には周知の様々な方法によって、および下で説明する方法によって調製することができる。
【0338】
薬学的組成物は、式Iの1つまたはそれ以上の化合物を含むことができる。本発明が説明する化合物から薬学的組成物を調製するための不活性で薬学的に受容可能なキャリアは、固体または液体のいずれかであり得る。固体形の製剤としては、粉末、錠剤、分散性顆粒、カプセル、カシェ剤および座剤が挙げられる。粉末および錠剤は、約5から約95重量%の活性化合物から成り得る。適する固体キャリアは、当該技術分野では公知であり、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖またはラクトースである。錠剤、粉末、カシェ剤およびカプセルは、経口投与に適する固体剤形として使用され得る。薬学的に受容可能なキャリアおよび様々な組成物の製造法の例は、A.Gennaro(ed.),Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,(1990),Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania(これは、本明細書中に参考として援用されている)において見出すことができる。
【0339】
液体形の製剤としては、溶液、懸濁液および乳剤が挙げられる。非経口注射剤についての例として水または水−プロピレングリコール溶液を挙げることができ、または経口溶液、懸濁液および乳剤については、甘味料および乳白剤の添加を挙げることができる。液体形の製剤は、鼻腔内投与用の溶液も包含し得る。
【0340】
吸入に適するエアゾール製剤としては、溶液および粉末形の固体を挙げることができ、これらは、不活性圧縮ガス、例えば窒素などの薬学的に受容可能なキャリアと併用することができる。
【0341】
経口または非経口投与用の液体形の製剤に、使用直前に変換するためのものである固体形の製剤も包含される。こうした液体形としては、溶液、懸濁液および乳剤が挙げられる。
【0342】
本発明の化合物は、経皮的に送達可能である場合もある。経皮組成物は、クリーム、ローション、エアゾールおよび/または乳剤の形をとることができ、ならびにこの目的のために当該技術分野では慣例的であるようなマトリックスまたはレザバータイプの経皮パッチの中に含めることができる。
【0343】
薬学的製剤は、単位剤形で調合することもできる。こうした形の場合、製剤は、活性化合物の適切な量、例えば所望の目的を達成するために有効な量、を含有する適切なサイズの単位用量に小分けされる。
【0344】
製剤の単位用量中の活性化合物の量は、個々の用途に従って、約0.01mgから約1000mg、好ましくは約0.01mgから約750mg、さらに好ましくは約0.01mgから約500mg、最も好ましくは約0.01mgから約250mgの間で変化させるまたは調整することができる。
【0345】
利用される実際の投薬量は、患者の要求および処置すべき状態の重症度に依存して変化させることができる。個々の状態に適した薬剤投与計画の決定は、当業者の範囲内である。便宜上、必要に応じて、全日用量を分割し、その日のうちに少しずつ投与することもできる。
【0346】
本発明の化合物および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩の投与量および投与頻度は、患者の年齢、状態およびサイズならびに処置すべき症状の重症度などの因子を考慮する掛かりつけの臨床医の判断に従って調節される。経口投与についての典型的な推奨日用量投与計画は、1から4分割用量での約0.04mg/日から約4000mg/日の範囲内である。
【0347】
本発明の代表的な化合物としては、実施例1〜24の化合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0348】
式Iの化合物は、当業者には周知の様々な方法によって、および下で説明する方法によって調製することができる。
【0349】
(一般スキーム1A:Rにおける−(C〜C12)アルキレン鎖の形成)
【0350】
【化142】

反応工程
(a)NaOH/HO/EtOHまたはTHF/LiOH/H
(b)(C(O)Cl)/DCM/DMF(触媒量)またはSOCl/溶媒
(c)ジアゾメタン
(d)Ag/HO/有機補助溶媒
(e)LAH
(f)DIBAL
(g)RuCl(触媒量)/NaIO
(h)ジボラン
(i)Dess−MartinまたはSwern酸化条件(例えば、Dess,D.B.,Martin,J.C.,J.Org.Chem.,1983,vol.48のp.4155から始まる箇所;Omura,K.,Swern,D.Tetrahedron,1978,vol.34のp.1651から始まる箇所に記載されているような条件;前記両参照箇所は、それら全体が、本明細書に参考として援用されている)
(j)臭化(または塩化)メトキシメチルトリフェニルホスホニウム/塩基
(k)H
(l)NaClO
エステルIは、例えば、米国特許出願番号10/358,898に記載の方法によって調製することができる(化合物19)。前記出願は、その全体が、本明細書中に参考として援用されている。化合物Iは、直接加水分解(すなわち、工程(a))によって、またはエステルIを工程(e)においてアルコールVIに還元し、その後、工程(g)においてVIを酸化する二工程手順によって、カルボン酸IIに転化させることができる。化合物IIのカルボン酸側鎖は、例えばW.E.Bachmann,Org.React.1,38−39,1942(これは、その全体が、本明細書に参考として援用されている)に記載されているような、Arndt−Eistert合成を用いて、中間体IIIおよびIV経由で同族体化することができ、その結果、同族体化されたカルボン酸Vを生じさせることができる。化合物Vのカルボン酸側鎖は、Arndt−Eistert合成を反復する(すなわち、出発原料として化合物Vを使用し、その後、工程(b)、(c)および(d)を順次適用する)ことにより、さらに同族体化することができる。この様に(例えば、下の一般スキーム1Bにおけるように)Arndt−Eistert合成工程を反復することにより、所望されるあらゆる長さのアルキレン鎖を作製することができる。
【0351】
あるいは、DIBALでの化合物Iの還元(すなわち、工程(f))または工程(i)におけるアルコールVIの酸化、いずれかによってアルデヒドVIIを調製することにより、同族体化を行ってもよい。アルコールVIは、工程(e)における化合物Iの還元によって調製してもよいし、工程(h)における化合物IIの還元によって調製してもよい。その後、Wittig反応条件下でアルデヒドVIIを反応させて(例えば、工程(j))、エノールエーテルVIIIにすることができ、そしてまたそれをアルデヒドIXに加水分解することができる(例えば、工程(k))。
【0352】
アルデヒドIXの代替合成では、例えばトリフェニルホスフィンとヨウ素の併用により、アルコールVIを、先ず、ヨウ化物に転化させることができる(一般スキーム1Aa)。その後、シアン化物でのヨウ化物の置換および得られたニトリルのDIBALでの還元により、アルデヒドIXを生じさせることができる。
【0353】
(一般スキーム1Aa:アルデヒドIXの代替合成)
【0354】
【化143】

反応工程
(aa)PPh/I
(bb)n−BuNCN
(cc)DIBAL
アルデヒドIXで出発して、Wittig反応条件を用いる同じ同族体化サイクルを反復してもよいし、または下のスキーム1Bにおけるように、アルデヒドIXを対応する酸Vに酸化し、上記で論じたようなArnd−Eistert合成工程を反復することによりさらに同族体化し、それによって化合物Xを生じさせてもよい。
【0355】
(一般スキーム1B: カルボン酸側鎖の反復同族体化)
【0356】
【化144】

もちろん、一般スキーム1Aの出発原料Iは、式Iの化合物を調製するために使用することができる多数の可能な出発原料のうちの1つでしかない。例えば、一般スキーム1Aおよび1Bに記載の同族体化反応条件は、添え字nおよびoが両方とも0である出発原料(例えば、化合物I)に限定されない。
【0357】
(一般スキーム2A: Rにおけるシクロプロピレン部分の形成)
【0358】
【化145】

反応工程
(m)SOCl/MeOH
(n)Tebbe試薬
(o)H
(p)t−BuSiMe−OS(O)CF/Et
(q)MCPBA
(r)PhCHCl/BuLi
(s)フッ化テトラブチルアンモニウム
(t)EtZn/ICHCl
(u)RuCl/NaIO
カルボン酸X(例えば、一般スキーム1Bに従って調製したもの)を工程(m)においてメチルエステルXIに転化させ、その後、そのメチルエステルを、多数の公知の方法によってアリルアルコールXVIIに転化させることができる。例えば、メチルエステルXIを工程(n)においてTebbe試薬でのオレフィン化(S.H.Pineら,Org.Synth.,69,72−79,1990(これは、その全文が本明細書中に参考として援用されている))によりエノールエステルXIIに転化させ、その後、工程(o)においてケトンXIIIに転化させることができる。その後、工程(p)においてケトンXIIIをシリルエノールエーテルXIVに転化させ、工程(q)において酸化(N.Yamamoto,M.Isobe,Tetrahedron 1993,49(30),6581−6590(これは、本明細書中に参考として援用されている))して、t−ブチルジメチルシリルオキシケトンXVを形成する。工程(r)におけるケトンXVのWittigオレフィン化により化合物XVIを生じさせる。工程(s)における化合物XVIのシリル保護基の切断により、アリルアルコールXVIIを生じさせ、それを工程(t)においてシクロプロパン化して、アルコールXVIIIを生じさせる。その後、アルコールXVIIIを工程(u)においてカルボン酸XIXに酸化する。必要に応じて、一般スキーム1Bにおいて上記で論じたようにカルボン酸のさらなる同族体化を行って、化合物XXを生じさせることができる。
【0359】
(一般スキーム2Aa:ケトンXIIIの代替合成)
【0360】
【化146】

反応工程
(dd)HN(OMe)Me/i−PrMgCl
(ee)MeMgBr
(ff)DIBAL
(gg)Dess−Martin ペルヨージナン
エステルXIは、工程(dd)においてN−メチル−N−メトキシアミドに転化させることができ、それをさらにGrignard試薬と反応させて(ee)、ケトンXIIIを生じさせることができる。あるいは、エステルXIを、例えばDIBALでの還元により、アルデヒドに転化させることができる。メチルGrignard試薬でそのアルデヒドを還元することにより、第二アルコールを生じさせることができ、それを工程(gg)においてケトンXIIIに酸化することができる。
【0361】
(一般スキーム2Ab: アルコールXVIIへのケトンXIIIの代替変換)
【0362】
【化147】

反応工程
(hh)LDA/2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン
(ii)MeOH/Pd(PPh(触媒)
(jj)DIBAL
ケトンXIIIは、工程(hh)においてエノールトリフレートに転化させることができる。その後、工程(ii)において、一酸化炭素を使用してそのエノールトリフレートをカルボニル化して、共役エステルを生じさせることができる。工程(jj)において、例えば過剰なDIBALでそのエステルを還元することにより、アルコールXVIIを生じさせる。
【0363】
(一般スキーム2B:Rにおける−(C〜C)シクロアルキレン部分の形成)
【0364】
【化148】

側鎖が、メチレン基の隣に位置するカルボニル基を有するとき、例えば一般スキーム2Bの方法によって、シクロプロピル以外のシクロアルキレン部分を形成することができる。例えば、化合物XXIを適する塩基の存在下で二ハロゲン化物またはビス−トシレートと反応させて、シクロアルキレンケトンXXIIを形成することができる。XXIが、cが少なくとも1であるXIの単に特別なケースであることは、当業者には理解されるであろう。
【0365】
同様に、それぞれ、一般スキーム2Aおよび2Bの出発原料XXおよびXXIは、一般スキーム2Aおよび2Bにおける式Iの化合物を調製するために使用することができる唯一の出発原料ではない。例えば、一般スキーム2Aおよび2Bに記載の環化反応条件は、添え字nおよびoが両方とも0である出発原料(例えば、化合物XXおよびXXI)に限定されない。
【0366】
(一般スキーム3:Rにおけるアルキレン鎖成長と−(C〜C)シクロアルキレン形成の併用)
【0367】
【化149】

アルキレン鎖成長手順(例えば、一般スキーム1Aおよび1B)とシクロアルキレン形成手順(例えば、一般スキーム2Aおよび2B)を様々な方法で併用して、式Iの化合物のR側鎖上にアルキレン部分とシクロアルキレン部分の様々な組み合わせを生じさせることができることは、当業者には理解される。例えば、スキーム3に示されているように、化合物Iを同族体化して、所望の程度にアルキレン鎖を延長することができ、その後、シクロアルキレン部分を形成し、所望される場合には、その後、そのアルキレンをさらに同族体化して、化合物XXIIIを生じさせることができる。
【0368】
(一般スキーム4: Rにおける−C(O)−、−S(O)−および−S(O)−部分の形成)
【0369】
【化150】

カルボン酸XまたはXXまたはXXIIIは、ボランとの反応により、対応するアルコールXXIVに還元することができる。その後、そのアルコールXXIVを適する試薬、例えば塩化メシル(すなわち、塩化メタンスルホニル)およびトリエチルアミン、と反応させて、適する脱離基を有する化合物、例えばメシレートXXV、を形成することができる。その後、そのメシレート基をチオ酢酸カリウムで置換して、チオ酢酸エステルXXVIを生じさせ、加水分解(例えば、メタノール中のナトリウムメトキシド)後、チオールXXVIIを得ることができる。塩化スルフリルでのチオールXXVIIの酸化により、塩化スルフィニルXXVIIIを生じさせる(Youn,J.−H.;Herrmann,R.;Synthesis 1987(1),72(これは、その全体が、本明細書中に参考として援用されている))。過剰な塩素でのチオールXXVIIの酸化によって、塩化スルホニルXXIXを生じさせることができる(Barnard,D.;Percy,E.J.;J Chem Soc 1962,1667(これは、その全体が、本明細書中に参考として援用されている))。あるいは、カルボン酸XまたはXXまたはXXIIIと塩化オキサリルの反応(場合によっては、触媒性DMFの存在を伴う)によって、塩化アシルXXXを生じさせる。
【0370】
上の一般スキーム4に記載の反応は、示されている特定の出発原料に限定されず、他のカルボン酸化合物とで行うこともできることは、当業者には理解される。
【0371】
(一般スキーム5:RのY部分の導入)
【0372】
【化151】

の部分Yは、適切な塩化スルフィニル、塩化スルホニルまたは塩化アシル(例えば、スキーム4に記載されているとおり調製したもの)と適切なHYを、場合によっては有機塩基、例えばトリエチルアミンの存在下で反応させることによって、導入することができる。例えば、化合物XXVIII、XXIXおよびXXXをHYと反応させて(例えば、この場合のHYは、ピペリジン、ピロリジン、置換ピペリジン、置換ピロリジンなど)、式Iの化合物XXXI、XXXIIおよびXXXIIIを形成することができる。化合物XXXIIIは、アミド形成条件、例えば、Humphrey,J.M.,Chamberlin,R.,Chem.Rev.,1997,vol.97,pp.2243−2266(これは、その全体が、本明細書中に参考として援用されている)に記載されている条件を用いて、カルボン酸X、XXまたはXXIIIとHYをカップリングさせることによって、調製することもできる。
【0373】
(一般スキーム6:ピペリジンコアの代替形成)
【0374】
【化152】

あるいは、本発明の化合物のピペリジン「コア」は、アルケンXXXVIIとイミンXXXIXの間の付加環化反応によって調製することができる。アルケンXXXVIIは、α,β−不飽和ケトンXXXVIを形成する、アルデヒドXXXIVとホスホランXXXVのWittig反応によって調製することができる。エノールエーテルXXXVIIは、TBSClでXXXVIのエノレートを捕捉することによって形成することができる。得られたTBSエノールエーテルXLは、緩酸でピペリジノンXLIに加水分解することができる。ケトンXLIは、アルコールXLIIに還元することができる。ケトンXLIおよびアルコールXLIIをさらに変性して、化合物XLIIIおよびXLIV(これらは、本特許請求の範囲に記載の構造Iのサブセットの代表である)を生じさせることができることは、当業者には理解される。
【0375】
式Iの化合物の調製の特定の実施例を下で説明する。
【実施例】
【0376】
(実施例1の調製)
【0377】
【化153】

次のように、米国特許出願番号10/358,898号における実施例173のエチルエステル5のものに類似した手法で、メチルエステル1を調製した。
【0378】
(メチルエステル1の調製)
【0379】
【化154】

工程1:無水メタノール(750mL)中の6−ブロモピコリン酸(40.0g、198mmol)の冷(6℃)混合物に、塩化チオニル(58mL)をゆっくりと添加した。この温度を徐々に34℃に上昇させ、この間に6−ブロモピコリン酸のすべてが溶解した。その混合物を5時間還流させた。真空下で溶媒を除去し、残留物を2Lの酢酸エチルに溶解し、2Lの飽和炭酸ナトリウムで洗浄した。水性相を1.5Lの酢酸エチルで再び抽出した。併せた有機相を1.5Lのブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させて、6−ブロモピコリン酸メチル(34.0g)をオフホワイトの固体として得た。
【0380】
工程2:6−ブロモピコリン酸メチル(43.8g、202.8mmol)を、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸(40.6g、263.9mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(23.5g、20.3mmol)および炭酸ナトリウム(45.2g、426mmol)の存在下、トルエン(572mL)およびエタノール(286mL)中、80℃で16時間加熱した。その混合物を室温に冷却し、回転蒸発で濃縮して、溶媒を除去した。得られた残留物を1.3LのDCMに吸収させ、800mLの水で2回洗浄した。併せた水性相を500mLのDCMで抽出した。有機相を併せ、その後、ブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮して、約90gの暗色の半固体材料を得た。その材料を280mLのDCMと混合し、1.5Lのシリカゲルカラムに充填(ヘキサンを使用して予充填)し、ヘキサン中10〜30%の酢酸エチル勾配で溶離した。溶媒を蒸発させ、乾燥させた後、45.6gのオフホワイトの生成物を得た。
【0381】
工程3:水素雰囲気下、メタノール(2.4L)および氷酢酸(600mL)中の工程2からの生成物(45.6g、183.0mmol)の溶液を酸化白金(12.5g)の存在下で72時間攪拌した。その後、その反応混合物を窒素でパージし、反応混合物を濾過し、その後、真空下で濃縮した。得られた残留物を水に吸収させ、飽和炭酸ナトリウムで処理し、DCMで抽出した。有機相を無水NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、薄黄色のフォーム(44.5g)を得た。
【0382】
工程4:ピリジン(300mL)中の工程3からの生成物(44.5g、174mmol)の溶液を塩化4−クロロベンゼンスルホニル(110g、523mmol)で処理した。その混合物を60℃で4時間加熱し、室温に冷却し、真空下で濃縮し、得られた残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10%の酢酸エチルで溶離)に付して、70.5gのメチルエステル1を白色の粉末として得た。
【0383】
(反応スキーム1)
【0384】
【化155】

工程1:0℃で20.0mLの乾燥THF中の7.0g(16.3mmol)のエステル1の溶液に、トルエン中約1MのTebbe試薬の50.0mLを一滴ずつ添加し、その後、8.0mLのピリジンを一滴ずつ添加した。その混合物を周囲温度で3時間攪拌し、約200gの粉砕氷へのその混合物のカニュレ挿入により反応を停止させた。その後、約200mLのDCMを添加し、その混合物を30分間攪拌した。その後、有機相を水性相および無機沈殿物と分離した。水性相をDCMで再び抽出し、有機相を併せた。併せた有機相を、その後、無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥させ、その後、固体をCelite(登録商標)(すなわち、珪藻土濾過剤)で濾過して除去した。有機溶媒を蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(200gのシリカゲルと、溶媒としてヘキサン中10〜15%の酢酸エチル)に付して、約6.0gのエノールエーテル2を得た。
【0385】
工程2:20.0mLのアセトン中の1.0gのエノールエーテル2と(溶解度のために添加する)5mLのDCMの混合物に、0.5mLのTFAを添加した。その混合物を45分間攪拌し、この期間に溶液から沈殿が沈降した。その混合物の揮発成分を除去して、固体残留物を得た。その固体残留物をDCMに再び溶解し、50%NaHCO飽和水溶液で洗浄した。その後、その溶液を乾燥させ、濃縮し、10%DCM、10%EtOAcおよび80%ヘキサンの混合物を溶媒として使用して10gシリカゲルプラグに通して、900mgのケトン3を得た。
【0386】
工程3:140mLのDCM中の10.05g(24.3mmol)のケトン3の混合物に、4.92g(48.6mmol)のトリエチルアミンおよび8.00g(30.4mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸tert−ブチルジメチルシリルを添加した。その混合物を一晩攪拌し、氷冷水、ブライン(NaCl飽和水溶液)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、その後、60℃で2時間にわたって高真空に暴露して、13.9gの粗製TBSエノールエーテル4を得た。
【0387】
工程4:100.0mLのDCM中の13.9gの粗製TBSエノールエーテル4の溶液に、100.0mLのDCM中の4.54gのMCPBA(57〜86%の作用物質を含有する工業用MCPBA)の溶液を1時間かけて1滴ずつ添加した。その混合物をさらに25分間攪拌した。(下で説明する処理条件で使用する)その反応混合物の処理分をNMR分析したところ反応が完了していなかったため、10mLのDCM中の追加の1.0gのMCPBAを添加し、その混合物をさらに20分間攪拌した。その後、その混合物をNaHCO飽和水溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。溶媒としてヘキサン中の10%のEtOAcを使用する120gのシリカゲルでのクロマトグラフィーによって生成物を精製して、9.3gのケトン5を得た。
【0388】
工程5:−40℃でTHF(20mL)中の3.5g(9.9mmol)の臭化メチルトリフェニルホスホニウムの懸濁液に、ヘキサン中2.5Mのn−ブチルリチウムの3.8mL(9.6mmol)を添加した。その懸濁液を5分間、−40℃で攪拌し、その後、0℃で25分間攪拌した。その後、乾燥THF(10.0mL)中の2.0g(3.7mmol)のケトン5の溶液をその懸濁液にゆっくりと添加した。得られた反応混合物を0℃で一晩攪拌した。その反応混合物を水で反応停止させ、EtOAcで抽出し、水およびブラインで洗浄し、その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。その濃縮生成物を、ヘキサン中0〜15%の酢酸エチル勾配を用いるクロマトグラフィーによって精製して、950mgのアルケン6を得た。
【0389】
工程6:THF(32.0mL)中の1.0g(2.0mmol)のアルケン6の混合物に、4.0mL(4.0mmol)のTBAF(THF中1M)を添加した。その後、その混合物を2時間攪拌した。その混合物のTLC分析(20%EtOAc/ヘキサン;シリカ固定相)は、反応が完了していること、および極性が大きいほうの生成物が生成されたことを示した。その混合物から溶媒を蒸発させ、得られた残留物をDCMと水とで分配した。有機相と水性相を分離し、有機相を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、1.0gの粗製アルコール7を得た。
【0390】
工程7:0℃で、20.0mLのDCMと14.0mL(14mmol)のヘキサン中1Mジエチル亜鉛の混合物に、1.0mL(14mmol)のクロロヨードメタンを一滴ずつ添加した。その混合物を10分間、0℃で攪拌し、その後、20.0mLのDCM中の1.0gのアルコール7の溶液を一滴ずつ添加した。その混合物を3.5時間、周囲温度で攪拌した。その反応混合物をNHCl水溶液(20%)で反応停止させ、DCMで抽出し、その後、水およびブラインで洗浄した。有機相と水性相を分離し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。生成物を、ヘキサン中0〜25%の酢酸エチル勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、550mgのシクロプロピルメタノール8を得た。
【0391】
工程8:4.0mLのCClと4.0mLのCHCNの混合物中の550mg(1.24mmol)の8に、6.0mLの水中の1.1g(4.98mmol)のNaIOの溶液を添加し、その後、25mg(0.12mmol)のRuCl・HOを添加した。得られた暗褐色の混合物を一晩攪拌し、その後、DCMと水とで分配した。水性相と有機相を分離し、水性相をDCMで再び抽出した。有機相を併せ、その後、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、560mgの粗製酸9を得た。
【0392】
工程9:DCM(18.0mL)中の560mg(1.19mmol)の酸9の溶液に、0.625mL(7.15mmol)の塩化オキサリルを添加した。その混合物を2.5時間攪拌した。溶媒を除去し、得られた残留物を高真空下に5時間置いて、550mgの塩化アシル10を得た。
【0393】
工程10:(a)ジアゾメタンの調製。250mLフラスコの中に、14.0mLの5M NaOHおよび67.0mLのエーテルを添加した。氷/NaCl浴を使用してその混合物を−5℃(内部温度)に冷却した。3.0g(20.4mmol)の1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニンを、攪拌しながら、少しずつ添加した。その黄色のエーテル層を、予め冷却しておいたフラスコへとデカントし、幾つかのKOHペレットで乾燥させた。得られたジアゾメタン溶液を、ゆるく蓋をしたフラスコ内で保持し、氷/NaClで冷却し、生成後10分以内に使用した。
【0394】
(b)工程(a)で得られたジアゾメタン溶液を、10.0mLのTHF中の550mgの塩化アシル10の予め冷却しておいた(0℃)の溶液に添加した。周囲温度で一晩、その混合物を放置した。その後、2.0mLの酢酸を添加して、残存ジアゾメタンの反応を停止させた。その反応混合物を室温、真空下で約15mLの容積に濃縮し、その後、100mLのDCMで稀釈し、水、NaHCO飽和水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下、30℃の温度で濃縮した。濃縮された生成物を、ヘキサン中30%の酢酸エチルを使用して5gシリカゲルプラグに通して、300mgのジアゾケトン11を得た。
【0395】
工程11:250mgのジアゾケトン11、8.0mLのジオキサン、4.0mLの水および15mgの安息香酸銀を含有する混合物を75〜80℃で2時間加熱した。その後、その反応混合物をDCMと水とで分配し、水性相をDCMで5回、再抽出した。併せた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。濃縮された生成物を、その後、DCM中0〜5%のメタノール勾配を使用して5gシリカゲルプラグに通した。逆相クロマトグラフィー(C−4相、水−アセトニトリル、0.1%TFA)によるさらなる精製を行って、140mgの酸12を得た。
【0396】
工程12:1.0mLのDCM中の15mg(0.032mmol)の酸12の混合物に、5.2mgのHOBT、7.3mgのEDClを添加し、その後、5mgの2−ピペラジン−1−イル−エタノールおよび7μLのトリエチルアミンを添加した。その混合物を3時間攪拌し、水で洗浄した。その後、有機相を、溶媒としてDCM中5%のMeOHを使用する分取TLCプレート(シリカゲル)に負荷し、その後、その後、逆相HPLC(C−4カラム、アセトニトリル−水)によって再び精製して、10mgの実施例1を得た。
【0397】
実施例1:
【0398】
【数1】

(実施例2〜6の調製)
以下の実施例2〜6は、上の工程12で説明したものに類似した条件下、酸12を適する環状アミンと(すなわち、2−ピペラジン−1−イル−エタノールではなく)反応させることによって調製した。従って、例えば、実施例2は、酸12を、2−ピペラジン−1−イル−エタノールではなくピペリジンと反応させることによって調製した。
【0399】
【化156】

【0400】
【化157】

(実施例7〜18の調製)
以下の実施例7〜18は、上記で説明したとおり調製した酸9または塩化アシル10を、場合によってはピリジンまたはトリエチルアミンなどの塩基の存在下、およびまた場合によってはジメチルアミノピリジンなどの触媒の存在下で、適切なアミンと反応させることによって調製した(例えば、Humphrey,J.M.,Chamberlin,R.,Chem.Rev.,1997,vol.97,pp.2243−2266参照)。
【0401】
【化158】

【0402】
【化159】

(実施例19の調製)
【0403】
【化160】

(反応スキーム2)
【0404】
【化161】

工程1:0℃でDCM(15.0mL)中の690mg(1.56mmol)の化合物8に、0.434mL(3.12mmol)のトリエチルアミンを添加し、その後、0.145mL(1.87mmol)の塩化メタンスルホニルを一滴ずつ添加した。その混合物を2時間攪拌し、NaHCO水溶液およびブラインで洗浄した。有機相と水性相を分離し、その後、有機相を無水MgSOで乾燥させた。その後、溶媒を蒸発させて、850mgの粗製13を得た。
【0405】
工程2:850mg(1.64mmol)の化合物13と373mg(3.27mmol)のチオ酢酸カリウムの混合物を10.0mLのDMF中で6時間、55℃で攪拌した。その後、溶媒を蒸発させ、得られた残留物をDCMと水とで分配した。有機相を水およびブラインで洗浄した。その後、溶媒を蒸発させ、得られた残留物を、ヘキサン中0〜100%のDCM勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。760mgのチオ酢酸エステル14を得た。
【0406】
工程3:脱気MeOH(15mL)中の760mg(1.52mmol)のチオ酢酸エステル14とDCM(1mL、溶解度のために添加する)の混合物に、21mg(0.38mmol)のナトリウムメトキシドを添加した。その混合物を40分間、窒素下で55℃まで加熱し、その後、溶媒を蒸発させた。得られた残留物をDCMと水とで分配し、水性相をDCMで3回、酢酸エチルで1回、再抽出した。有機相を併せ、その後、NHCl飽和水溶液およびブラインで洗浄し、溶媒を蒸発させて、残留物を形成した。670mgの粗製チオール15を得、それをさらに精製せずに工程4において使用した。
【0407】
工程4:2mLのAcOH/水(容積で50/1)中の90mgのチオール15の溶液を、10分間、塩素ガスでバブリングした。その後、溶媒を蒸発させた。残留物をDCMと水とで分配し、その後、有機相と水性相を分離した。有機相をNaHCO水溶液で洗浄し、乾燥させ、溶媒を蒸発させて、粗製塩化スルホニル16を得た。
【0408】
工程5:その粗製塩化スルホニル16を1.5〜2.0mLのピリジンに溶解した。この溶液を92mgの4−ピペリジノピペリジンで処理し、その後、60℃で一晩、加熱した。その後、その反応混合物をNaHCO飽和水溶液とDCMとで分配し、有機相を水およびブラインで洗浄し、乾燥させた。その後、有機相と水性相を分離し、水性相から溶媒を蒸発させた。得られた残留物を、その後、溶媒として5%MeOH/DCMを使用する分取TLCによって精製して、47mgの実施例19を得た。
【0409】
実施例19:
【0410】
【数2】

LCMS(ES):保持時間4.01分;m/z=656.4(M+H)
(実施例20〜24の調製)
実施例20〜24は、実施例5において4−ピペリジノピペリジンの代わりに適切なアミンを使用したことを除き、実施例19を調製するために用いたものに類似した方法によって調製した。従って、例えば、実施例21は、4−ピペリジノピペリジンの代わりにN−メチルピペラジンを用いて調製した。
【0411】
【化162】

(実施例25の調製)
【0412】
【化163】

(反応スキーム3)
【0413】
【化164】

工程1:15mLのDCM中の110mg(0.25mmol)アルコール8に、127mg(0.3mmol)のDess−Martinペルヨージナンを添加し、その後、31mg(0.37mmol)のNaHCOを添加した。その後、その反応混合物を室温で2時間攪拌し、飽和NaHCO中の0.4gのチオ硫酸ナトリウムで反応を停止させた。その生成物をDCMで抽出し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮し、ヘキサン中0〜25%の酢酸エチル勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、92mgのアルデヒド17を得た。
【0414】
工程2:12mLのアセトニトリル中の600mg(1.37mmol)のアルデヒド17に、533mg(8.2mmol)のKCN、22mg(0.068mmol)のZnIおよび269mg(1.78mmol)のTBDSClを添加した。その後、その反応混合物を50℃で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、得られた残留物をEtOAcに再び溶解し、水およびブラインで洗浄して、化合物18を得た。
【0415】
工程3:化合物18(638mg、1.1mmol)を10mLのDCMに溶解し、−78℃に冷却し、1.78mL(1.78mmol)のDIBALで処理した。その反応混合物を放置して0℃に温め、この温度で2時間攪拌した。その後、1.5mLの1NHSOを添加し、その反応混合物を0℃でもう1時間攪拌した。反応混合物を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮して、アルデヒド19を得た。
【0416】
工程4:0℃で4mLのt−ブタノールおよび1mLの水中の155mg(0.265mmol)のアルデヒド19の混合物に、73mg(0.532mmol)のNaHPO、0.118mLの2−メチル−2−ブテンおよび77mg(0.85mmol)の塩化ナトリウムを添加した。その反応混合物を1.5時間、室温で攪拌した。飽和NHCl(3mL)およびEtOAc(15mL)を添加した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮して、カルボン酸20を得た。
【0417】
工程5:160mg(0.267mmol)の酸20を2mLのTHFに溶解し、THF中のTBAFの1M溶液の0.53mL(0.534mmol)で処理した。一晩攪拌した後、水で反応を停止させ、EtOAcおよびDCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させて、カルボン酸21を得た。
【0418】
工程6:0℃で2.0mLのDCM中の65mg(0.134mmol)のカルボン酸21および34mg(0.20mmol)の4−ピペリジノピペリジンの混合物に、59mg(0.134mmol)の[1,4’]−ビピペリジンおよび0.044mL(0.402mmol)のNMMを添加した。その混合物を室温で5時間攪拌し、ブラインで反応を停止させ、EtOAcおよびDCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。生成物を、DCM中6%のMeOHを使用する分取TLCによって精製して、33.5mgの実施例25をジアステレオマー混合物として得た。
【0419】
実施例25(ジアステレオマー混合物):
【0420】
【数3】

LCMS(ES)単一ピーク、保持時間3.63分;m/z=636.2(M+H)
【0421】
(実施例26〜29の調製)
実施例26〜29は、工程6において4−ピペリジノピペリジンの代わりに適切なアミンを使用したことを除き、実施例25を調製するために用いたものに類似した方法によって調製した。従って、例えば、実施例26は、4−ピペリジノピペリジンの代わりにL−プロリノールを用いて調製した。
【0422】
【化165】

(実施例30および31の調製)
【0423】
【化166】

次のように、米国特許出願番号10/358,898号における実施例173のエチルエステル5のものに類似した手法で、メチルエステル22を調製した。
【0424】
(メチルエステル25の調製)
【0425】
【化167】

工程1:DMF(60mL)中の6−ブロモピコリン酸(20.0g、99mmol)の溶液をKCO(16.6g、120mmol)で処理し、その後、MeI(6.8mL、109mmol)で処理した。18時間後、その反応混合物をHOで稀釈し、EtOAc(2x)で抽出した。併せた有機抽出物をHO(3x)、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、臭化物22(16.9g、79%)をオフホワイトの固体として得た。
【0426】
工程2:ジオキサン(120mL)中の臭化物22(16.9g、78.2mmol)の溶液をトリブチル(ビニル)錫(25.1mL、86mmol)およびPd(PhP)Cl(2.0g、2.85mmol)で処理し、加熱して還流させた。48時間後、その反応混合物を室温に冷却し、真空下で濃縮した。得られた残留物をNHCl飽和水溶液で稀釈し、EtOAc(3x)で抽出した。併せた有機抽出物をHO(300mL)中のKF(20g)の溶液で30分間攪拌し、Celiteに通して濾過し、EtOAcですすいだ。濾液をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(5→15%EtOAc/Hex)によって、23(9.3g、73%)を黄色の固体として得た。
【0427】
工程3:MeOH(400mL)および氷酢酸(100mL)中の23(22.5g、138mmol)の溶液を酸化白金(2.0g)で処理し、H(1気圧)下で攪拌した。36時間後、その反応混合物をCeliteに通して濾過し、MeOHですすぎ、真空下で濃縮した。得られた残留物を飽和炭酸ナトリウムで稀釈し、CHCl(2x)で抽出した。併せた有機抽出物をHOで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、アミン24(23.5g、>99%)を透明な油として得た。
【0428】
工程4:DCE(400mL)中のアミン24(23.5g、137mmol)の溶液をEtN(57mL、411mmol)、塩化4−クロロベンゼンスルホニル(34.8g、165mmol)で処理し、加熱して還流させた。18時間後、その反応混合物を室温に冷却し、1NHCl、1N NaOH、HOで順次洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。EtOAc/Hex(1:4)からの再結晶によって、25(26.5g)を得た。濾液を濃縮し、上のように再結晶させて、第二のバッチ(5.0g)を得、その濾液を上のようにさらに再結晶させて、25の第三のバッチ(4.2g、総収率75%)を白色の固体として得た。
【0429】
(反応スキーム4)
【0430】
【化168】

工程1:−20℃でTHF(290mL)中のエステル25(10.0g、28.9mmol)および塩酸N,O−ジメチルヒドロキシルアミン(4.24g、43.5mmol)の溶液にi−PrMgCl(43.5mL、87mmol;THF中2.0M)を滴下して処理した。その反応混合物を2時間かけて周囲温度に温めた。さらに2時間後、その反応混合物をNHCl飽和水溶液で反応停止させ、EtOAc(2x)で抽出した。併せた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、アミド26(10.8g、>99%)を透明な油として得た。
【0431】
工程2:0℃でTHF(260mL)中の粗製アミド26(10.8g)の溶液をMeMgBr(19.3mL、58mmol;EtO中3.0M)で処理した。2時間後、その反応混合物をNHCl飽和水溶液で反応停止させ、EtO(2x)で抽出した。併せた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。0℃での研和(5%EtOAc/Hex)によって、ケトン27(5.99g)を得た。濾液を濃縮し、上のように研和して、追加の0.7g(総収率70%)のケトン27を白色の固体として得た。
【0432】
工程3:−78℃でTHF(80mL)中のケトン27(4.1g、12.43mmol)の溶液をLDA(6.84mL、13.67mmol;ヘプタン/THF/エチルベンゼン中2.0M)で処理した。30分後、THF(20mL)中の2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(6.35g、16.16mmol)の溶液を一滴ずつ添加した。4時間後、その反応混合物を0℃に温めた。さらに30分後、その反応混合物をNaHCO飽和水溶液で処理し、EtO(2x)で抽出した。併せた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、粗製28を得た。その固体残留物を、[45分間、CO(ガス)でパージした]CHCNの溶液に添加した。その溶液をn−BuN(5.92mL、24.86mmol)、MeOH(60mL)、LiCl(0.53g、12.43mmol)および(PhP)Pd(1.40g、1.25mmol)で処理した。その反応混合物を排気し、CO(1気圧)と接触させ、1気圧のCO下で加熱して還流させた。24時間後、その反応混合物を周囲温度に冷却し、濃縮して、MeOHを除去した。残留物をEtO、1NHClで稀釈し、EtO(2x)で抽出した。併せた有機層を1N HCl、NaHCO飽和水溶液、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(3→10%EtOAc/Hex)によって、透明な油としてエステル29(Rf=0.53、10% EtOAc/Hex、2.05g、2工程終わって44%)と共に未反応ケトン27(Rf=0.63、10%EtOAc/Hex、930mg)を得た。
【0433】
工程4:−78℃でTHF(60mL)中のエステル29(2.38g、6.40mmol)の溶液をDIBAL(25mL、25mmol;Hex中1.0M)で処理し、30分かけて周囲温度に温めた。さらに2時間後、その反応混合物を1N HClで反応停止させ、CHCl(3x)で抽出した。併せた有機層をHOで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(20%EtOAc/Hex)によって、オレフィン30(2.03g、92%)を透明な油として得た。
【0434】
工程5:−20℃でDCE(50mL)中のEtZn(29mL、29mmol、Hex中1.0M)の溶液にクロロヨードメタン(2.10mL、29mmol)を20分にわたって滴下して処理した。さらに5分後、DCE(30mL)中のオレフィン30(2.0g、5.90mmol)の溶液を一滴ずつ添加し、その反応混合物を30分かけて周囲温度に温めた。さらに2.5時間後、反応混合物をNHCl飽和水溶液で反応停止させ、CHCl(2x)で抽出した。併せた有機層をHOで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、アルコール31(1.98g、94%)を白色の固体として得た。
【0435】
工程6:0℃でCHCN/Tol(30mL、1:2)中のアルコール31(650mg、1.82mmol)の溶液をPhP(630mg、2.40mmol)、イミダゾール(375mg、5.5mmol)およびI(609mg、2.40mmol)で処理した。1.5時間後、その反応混合物をNHCl飽和水溶液で反応停止させ、EtOで抽出した。併せた有機層をNaHCO飽和水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(5%EtOAc/Hex)によって、ヨウ化物32(600mg、70%)を白色の固体として得た。
【0436】
工程7:CHCN(60mL)中のヨウ化物32(2.73g、5.84mmol)の溶液をn−BuNCN(1.90g、7.0mmol)で処理した。1.5時間後、その反応混合物をHOで稀釈し、EtOAc(2x)で抽出した。併せた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc/Hex)によって、ニトリル33(1.85g、86%)を白色の固体として得た。
【0437】
工程8:−78℃でCHCl(40mL)中のニトリル33(1.38g、3.76mmol)の溶液をDIBAL(5.6mL、5.6mmol;Hex中1.0M)で処理し、2時間かけて−10℃に温めた。さらに1時間後、その反応混合物を1NHCl、2mLのMeOHで反応停止させ、激しく攪拌した。30分後、その二相溶液をCHCl(3x)で抽出した。併せた有機層をHOで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、粗製34(1.4g)を得た。その粗製残留物をt−BuOH/HO(4:1、40mL)の溶液に溶解し、0℃に冷却し、NaHPO(1.04g、7.52mmol)、2−メチル−2−ブテン(9.4mL、18.8mmol;THF中2.0M)、NaClO(1.09g、12.0mmol)で処理し、周囲温度に温めた。45分後、その反応混合物をNHCl飽和水溶液で稀釈し、EtOAc(3x)で抽出した。併せた有機層をHO、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、酸35(1.56g、>99%)を白色の固体として得た。
【0438】
工程9:CHCl(1mL)中の酸35(30mg、0.078mmol)の溶液を塩化オキサリル(60μL、0.70mmol)で処理した。30分後、その反応混合物を真空下で濃縮し、CHCl(1mL)で稀釈し、EtN(98μL、0.70mmol)で処理し、その後、4−ピペリジノピペリジン(27mg、0.16mmol)で処理した。3時間後、その反応混合物を分取TLC(5%MeOH/CHCl)によって直接精製して、実施例30(25mg、60%)を黄色の油として得た。
【0439】
実施例30:
【0440】
【数4】

LCMS(ES)保持時間3.62分、m/z 536.1(M+H)。
【0441】
工程9a:CHCl(2mL)中の酸35(40mg、0.104mmol)の溶液を、ピペリジン(15μL、0.156mmol)、EtN(31μL、0.22mmol)およびBOP試薬(60mg、0.135mmol)で処理した。18時間後、その反応混合物を分取TLC(25%EtOAc/Hex)によって直接精製して、実施例31を得た。
【0442】
実施例31:黄色の固体として(35.3mg、75%)。LCMS(ES)保持時間4.38分、m/z 453.1(M+H)。
【0443】
(実施例32〜33の調製)
以下の実施例32〜33は、上の工程9で説明したものに類似した条件下で酸35を適切な環状アミンと(すなわち、2−ピペリジノピペリジンではなく)反応させることによって調製した。従って、例えば、実施例33は、酸35を2−ピペリジノピペリジンではなく(+/−)−1,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカンと反応させることによって調製した。
【0444】
【化169】

(実施例34〜38の調製)
以下の実施例34〜38は、上の工程9aで説明したものに類似した条件下で酸35を適切な環状アミンと(すなわち、ピペリジンではなく)反応させることによって調製した。従って、例えば、実施例34は、酸35をピペリジンではなく(R)−(+)−3−ピロリジノールと反応させることによって調製した。
【0445】
【化170】

【0446】
【化171】

(実施例39〜40の調製)
【0447】
【化172】

オレフィン36は、米国特許第0229902号における実施例1に与えられている方法によって調製した。
【0448】
(反応スキーム5)
【0449】
【化173】

工程1:0℃でCHCl(20mL)中のEtZn(48.4mL、48.4mmol、Hex中1.0M)の溶液をTFA(3.7mL、48.4mmol)で処理した。5分後、CH(3.9mL、48.4mmol)を添加した。さらに5分後、CHCl(40mL)中のオレフィン36(5.2g、12.1mmol)の溶液を添加し、その反応混合物をゆっくりと周囲温度に温めた。2時間後、反応混合物をMeOHで反応停止させ、HOで稀釈し、CHCl(4x)で抽出し、その後、EtOAc(2x)で抽出した。併せた有機層を洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、シリルエーテル37(6.1g、>99%)を透明な油として得た。
【0450】
工程2:0℃でTHF(250mL)中のシリルエーテル37(25g、56.3mmol)の溶液をTBAF(110mL、110mmol;THF中1.0M)で処理し、周囲温度に温めた。18時間後、その反応混合物を真空下で濃縮し、1NHClおよびEtOで稀釈し、EtO(3x)で抽出した。併せた有機層を1N HCl(2x)、HO、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0→5%MeOH/CHCl)によって、粗製アルコール38(26.2g)を白色の固体として得た。
【0451】
工程3:0℃でCHCl(500mL)中の粗製アルコール38(26.2g)の溶液をピリジン(8.7mL、101mmol)で処理し、その後、Dess−Martinペルヨージナン(34g、80mmol)で処理し、周囲温度に温めた。2.5時間後、HO(3滴)を添加した。さらに30分後、その反応混合物を真空下で濃縮し、EtOで稀釈し、NaHCO飽和水溶液/Na(1:1)で洗浄した。水性相をEtO(2x)で逆抽出した。併せた有機層を1NHCl(2x)、NaHCO飽和水溶液、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。0℃での研和(2:3:25EtOAc/EtO/Hex)によって、粗製アルデヒド39(20.3g)を白色の固体として得た。
【0452】
工程4:0℃でTHF(500mL)中のアルデヒド39(20.3g)の溶液をMeMgBr(28mL、84mmol;EtO中3.0M)で処理し、1時間かけて周囲温度に温めた。さらに15分後、その反応混合物をNHCl飽和水溶液で反応停止させ、真空下で濃縮した。その水溶液をEtO(2x)で抽出した。併せた有機層をNaHCO飽和水溶液、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、アルコール40(17.8g、3工程終わって92%)を白色の固体として得た。
【0453】
工程5:0℃でCHCl(500mL)中のアルコール40(17.8g、51.8mmol)の溶液をピリジン(6.6mL、77mmol)で処理し、その後、Dess−Martinペルヨージナン(28.8g、68mmol)で処理し、周囲温度に温めた。4時間後、その反応混合物を真空下で濃縮し、EtOで稀釈し、NaHCO飽和水溶液/Na(1:1)で洗浄した。水性相をEtO(2x)で逆抽出した。併せた有機層を1NHCl(2x)、NaHCO飽和水溶液、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。0℃での研和(10%EtOAc/Hex)によって、ケトン41(13.5g)を得た。濾液を濃縮し、上のように研和して、41の第二の収量(2.1g、総収率88%)を白色の固体として得た。
【0454】
工程6:−78℃でTHF(50mL)中のケトン41(2.56g、7.50mmol)の溶液をLDA(4.1mL、8.25mmol;ヘプタン/THF/エチルベンゼン中2.0M)で処理した。30分後、THF(10mL)中の2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(3.8g、9.68mmol)の溶液を一滴ずつ添加した。4時間後、その反応混合物を0℃に温めた。さらに2.5時間後、反応混合物をNaHCO飽和水溶液で稀釈し、EtO(2x)で抽出した。併せた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、粗製42を得た。その固体残留物を、[30分間、CO(ガス)でパージした]CHCNの溶液に添加した。その溶液をn−BuN(3.57mL、15mmol)、MeOH(25mL)、LiCl(0.32g、7.5mmol)およびPhP(0.39g、1.5mmol)およびPd(dba)(0.43g、0.75mmol)で処理した。その反応混合物を排気し、CO(1気圧)と接触させ、1気圧のCO下で加熱して還流させた。12時間後、その反応混合物を周囲温度に冷却し、濃縮して、MeOHを除去した。残留物をEtO、1NHClで稀釈し、EtO(3x)で抽出した。併せた有機層を1N HCl、NaHCO飽和水溶液、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(3→10%EtOAc/Hex)によって、透明な油としてエステル43(Rf=0.53、10% EtOAc/Hex、790mg、2工程終わって27%)と共に未反応ケトン41(Rf=0.63、10%EtOAc/Hex、730mg)を得た。
【0455】
工程7:−78℃でTHF(50mL)中のエステル43(1.79g、4.66mmol)の溶液をDIBAL(14mL、14mmol;Hex中1.0M)で処理し、30分かけて周囲温度に温めた。さらに1時間後、その反応混合物を0℃に冷却し、1NHClで反応停止させ、CHCl(3x)で抽出した。併せた有機層をHOで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(20%EtOAc/Hex)によって、オレフィン44(1.5g、90%)を透明な油として得た。
【0456】
工程8:−20℃でDCE(30mL)中のEtZn(17mL、17mmol;Hex中1.0M)の溶液にクロロヨードメタン(1.24mL、17mmol)を20分にわたって滴下して処理した。さらに5分後、DCE(20mL)中のオレフィン44(1.5g、4.21mmol)の溶液を一滴ずつ添加し、その反応混合物を30分かけて周囲温度に温めた。さらに2.5時間後、反応混合物をNHCl飽和水溶液で反応停止させ、CHCl(2x)で抽出した。併せた有機層をHOで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、アルコール45(1.57g、>99%)を透明な油として得た。
【0457】
工程9:0℃でCHCN/Tol(40mL、1:2)中のアルコール45(1.5g、4.21mmol)の溶液をPhP(1.3g、5.0mmol)、イミダゾール(0.82g、12.0mmol)およびI(1.27g、5.0mmol)で処理した。20分後、その反応混合物をNHCl飽和水溶液で反応停止させ、EtO(2x)で抽出した。併せた有機層をNaHCO飽和水溶液、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(3%EtOAc/Hex)によって、ヨウ化物46(1.6g、79%)を透明な油として得た。
【0458】
工程10:CHCN(40mL)中のヨウ化物46(1.6g、3.33mmol)の溶液をn−BuNCN(1.4g、5.1mmol)で処理した。2時間後、その反応混合物をNHCl飽和水溶液で稀釈し、EtO(3x)で抽出した。併せた有機層をHO、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc/Hex)によって、ニトリル47(1.0g、79%)を白色の固体として得た。
【0459】
工程11:−78℃でCHCl(30mL)中のニトリル47(1.0g、2.64mmol)の溶液をDIBAL(4.7mL、4.7mmol;Hex中1.0M)で処理し、1時間かけて0℃に温めた。さらに15分後、その反応混合物を1NHCl、2mLのMeOHで反応停止させ、激しく攪拌した。30分後、その二相溶液をCHCl(3x)で抽出した。併せた有機層をHOで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、粗製48(950mg)を得た。その粗製残留物をt−BuOH/HO(4:1、30mL)の溶液に溶解し、0℃に冷却し、NaHPO(730mg、5.28mmol)、2−メチル−2−ブテン(6.6mL、13.2mmol;THF中2.0M)、NaClO(764mg、8.45mmol)で処理し、周囲温度に温めた。1.5時間後、その反応混合物をNHCl飽和水溶液で稀釈し、EtOAc(3x)で抽出した。併せた有機層をHOで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、酸49(1.03g、98%)を白色の固体として得た。
【0460】
工程12:0℃でCHCl(2mL)中の酸49(50mg、0.125mmol)の溶液をi−PrNEt(110μL、0.625mmol)およびHATU(61mg、0.163mmol)で処理した。10分後、2−メチル−2−ピペラジン−1−イル−プロパン−1−オールの二塩酸塩(43mg、0.188mmol、国際公開パンフレット第2001007441号)を添加した。18時間後、その反応混合物をNHCl飽和水溶液で稀釈し、CHCl(2x)で抽出した。併せた有機層をNaHCO飽和水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。分取TLC(0.5:4.5:95NHOH/MeOH/CHCl)によって、実施例39を黄色の固体として得、それをEtO(2mL)に溶解し、HCl(1.0mL、EtO中1N)で処理し、その後、研和して、塩酸塩(23.4mg、32%)を黄色の固体として得た。
【0461】
実施例39:
【0462】
【数5】

LCMS(ES):保持時間3.31分、m/z 538.3(M+H)。
【0463】
工程12a:CHCl(2mL)中の酸49(50mg、0.125mmol)の溶液を塩化オキサリル(100μL、1.16mmol)で処理した。20分後、その反応混合物を真空下で濃縮し、CHCl(1mL)で稀釈し、EtN(130μL、1.20mmol)で処理し、その後、(+/−)−1,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカン(140mg、1.0mmol)で処理した。18時間後、その反応混合物をNHCl飽和水溶液で稀釈し、CHCl(2x)で抽出した。併せた有機層をNaHCO飽和水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。分取TLC(0.5:4.5:95NHOH/MeOH/CHCl)によって、実施例40(42.0mg、65%)を黄色の油として得た。
【0464】
実施例40:LCMS(ES):保持時間3.45分、m/z 520.3(M+H)。
【0465】
(実施例41〜42の調製)
以下の実施例40〜41は、上の工程12で説明したものに類似した条件下で酸49を適切な環状アミンと(すなわち、2−メチル−2−ピペラジン−1−イル−プロパン−1−オールではなく)反応させることによって調製した。従って、例えば、実施例41は、酸49を2−メチル−2−ピペラジン−1−イル−プロパン−1−オールではなく2−((2S)−2−メチル−ピペラジン−1−イル)−エタノールと反応させることによって調製した。
【0466】
【化174】

(実施例43〜44の調製)
以下の実施例43〜44は、上の工程12aで説明したものに類似した条件下で酸49を適切な環状アミンと(すなわち、(+/−)−1,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカンではなく)反応させることによって調製した。従って、例えば、実施例44は、酸49を(+/−)−1,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカンではなくオクタヒドロ−ピロロ[1,2−a]ピラジンと反応させることによって調製した。
【0467】
【化175】

【0468】
【化176】

(実施例45の調製)
【0469】
【化177】

(反応スキーム6)
【0470】
【化178】

工程1:シクロプロパンカルボキシアルデヒド 50は、J.Am.Chem.Soc.1992,114(24),9369−86(Andrew G.Myers,Dragovich S.Peter,and Kuo Y.Elaine)に記載されているとおり得た。トルエン(60mL)中のこのアルデヒド(10.0g、28.4mmol)の溶液を1−トリフェニルホスホラニリデン−2−プロパノン(22.0g、63.0mmol)で処理し、その反応混合物を16時間、還流させながら加熱した。室温に冷却し、真空下で溶媒を除去し、残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc8:2で溶離)によって精製して、6.0gのケトン51を得た。
【0471】
工程2:−78℃でTHF(20mL)中の工程1で調製したケトン51(6.0g、15.3mmol)の溶液に、KHMDS(17.0mmol、17.0mL、THF中1.0M)をゆっくりと添加した。その反応混合物を−30℃で1時間攪拌し、−78℃に冷却し、その後、THF(20mL)中のTBSCl(3.0g、17.0mmol)の溶液で処理した。その混合物を−78℃で2時間攪拌し、16時間にわたって放置して室温に温めた。NHCl飽和水溶液で反応を停止させた後、その混合物をEtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、7.74gのジエン52を得た。
【0472】
工程3:工程2で調製したジエン52(7.6g、15.0mmol)、p−クロロベンゼンスルホンアミド(1.44g、7.5mmol)、シクロプロパンカルボキシアルデヒド(0.75g、10.5mmol)およびTHF(5mL)の混合物を12時間、還流させながら加熱した。室温に冷却した後、溶媒を除去して、シス生成物とトランス生成物(シス/トランス=2:1)の混合物を得、それをフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc8:2で溶離)によって分離して、1.50gの所望のシススルホンアミド53を固体として得た。
【0473】
工程4:0℃でDCM(15mL)中の工程3で調製したスルホンアミド53(1.5g、2.0mmol)の溶液を濃HCl(0.75mL)にゆっくりと添加した。0℃で2時間攪拌した後、その混合物をNaHCO飽和水溶液で中和し、層を分離し、有機相をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc9:1で溶離)によって分離して、1.2gのケトン54を白色の固体として得た。
【0474】
工程5:THF(10mL)中の工程4で調製したケトン54(0.97g、1.5mmol)の溶液に、CeCl・7HO(0.12g)を添加し、その後、NaBH(0.61g、mmol)を添加した。冷却浴を取り外し、反応混合物を室温で1時間攪拌した。その混合物を水で稀釈し、EtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc7:3)によって精製して、0.69gのアルコール55を透明な油として得た。
【0475】
工程6:工程5で調製したアルコール55(0.691g、1.1mmol)、無水酢酸(10.8g、106mmol)およびp−トルエンスルホン酸・一水和物(60mg、0.32mmol)の溶液を室温で16時間攪拌した。その反応混合物を水で稀釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮して、0.67gの化合物56を透明な油として得た。
【0476】
工程7:THF(40mL)中の工程6で調製した化合物56(610g、0.9mmol)の溶液をTBAF(1.3mL、1.3mmol、THF中1M)で処理した。その反応混合物を室温で1時間攪拌した。真空下で溶媒を除去した後、その粗製混合物をEtOAcで抽出した。有機相を水で洗浄し、その後、NaHCO飽和水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒素真空下で除去し、その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc7/3で溶離)によって精製して、0.386gのアルコール57を透明な油として得た。
【0477】
工程8:0℃でCH2Cl2(2mL)およびHO(0.5mL)中の工程7で調製したアルコール57(386mg、0.87mmol)の急速攪拌溶液に、4−アセトアミド−TEMPO(1.8mg、0.01mmol)、[CH(CHHSO(77mg、0.23mmol)およびNaBr(9mg、0.09mmol)を順次添加した。その後、NaHCO(250mg)を含有する、NaOCl水溶液(0.83M、2.1mL、1.74mmol)を添加し、その混合物を20分間、激しく攪拌した。有機溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をEtOAc(20mL)、およびKI(60mg)を含有するクエン酸水溶液(10%、10mL)に吸収させた。水性相をEtOAcで再び抽出し、併せた有機相をNa水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥させた(MgSO)。有機相を減圧下で蒸発させて、396mgの酸58を黄色の固体として得た。
【0478】
工程9:MeOH(15mL)中の工程8で調製した酸58(395mg、0.87mmol)の溶液にKCO(723mg、5.23mmol)を添加した。その混合物を室温で1時間攪拌し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を水に吸収させ、1NHClで酸性化し、EtOAcで抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮して、293mgの酸59を得た。
【0479】
工程10:2.0mLのDMF中の工程9で調製した酸50(50mg、0.12mmol)の混合物にiPrNEt(62mg、0.48mmol)およびHATU(60mg、0.16mmol)を添加した。5分間攪拌した後、2−メチル−2−ピペラジン−1−イル−プロパン−1−オール(二塩酸塩として、43mg、0.18mmol)を添加し、その混合物を室温で16時間攪拌した。混合物をEtOAcで稀釈し、水、ブラインで洗浄し、乾燥させた(NaSO)。その後、有機相を、溶媒としてDCM中5%のMeOHを使用する分取TLC(シリカゲル)に負荷し、33mgの実施例45を得た。
【0480】
実施例45:
【0481】
【数6】

LCMS(ES):保持時間2.60分、m/z 554.1(M+H)。
【0482】
(実施例46〜49の調製)
以下の実施例46〜49は、上の工程10で説明したものに類似した条件下で酸59を適切な環状アミンと(すなわち、2−メチル−2−ピペラジン−1−イル−プロパン−1−オールではなく)反応させることによって調製した。従って、例えば、実施例46は、酸49を2−メチル−2−ピペラジン−1−イル−プロパン−1−オールではなく4−ピペリジノピペリジンと反応させることによって調製した。
【0483】
【化179】

【0484】
【化180】

(アッセイ)
γセクレターゼ活性は、Zhangら(Biochemistry,40(16),5049−5055,2001)(これは、その全体が、本明細書中に参考として援用されている)により記載されているとおり判定した。活性は、阻害率として、または酵素活性の50%阻害を生じさせる化合物の濃度として表す。
【0485】
(試薬)
抗体W02、G2−10およびG2−11は、Dr.Konrad Beyreuther(ドイツ、ハイデルベルグのUniversity of Heidelberg)から入手した。W02は、Aβペプチドの残基5〜8を認識し、一方、G2−10およびG2−11は、それぞれ、Aβ40およびAβ42の特異的C末端構造を認識する。ビオチン−4G8は、Senetec(ミズーリ州、セントルイス)から購入した。この研究において使用したすべての組織培養試薬は、特に他の指定がない限り、Life Technologies,Inc.からのものであった。ペプスタチンAは、Roche Molecular Biochemicalsから購入し、DFK167は、Enzyme Systems Products(カリフォルニア州、リヴァーモア)からのものであった。
【0486】
(cDNA構築物、組織培養物、および細胞株構築物)
最初の18残基およびロンドン突然変異(London mutation)を有するAPPのC末端99アミノ酸を含有する構築物SPC99−Lonは、説明されている(Zhang,L.,Song,L.,and Parker,E.(1999)J.Biol.Chem.274,8966−8972)。膜への挿入後、その17アミノ酸シグナルペプチドを処理して、AβのN末端においてさらなるロイシンを脱離させる。SPC99−lonをpcDNA4/TOベクター(Invitrogen)にクローニングし、T−REx system(Invitrogen)に供給されているpcDNA6/TRで安定的にトランスフェクトされた293細胞にトランスフェクトした。そのトランスフェクトされた細胞を、10%ウシ胎仔血清、100単位/mL ペニシリン、100g/mL ストレプトマイシン、250g/mL ゼオシンおよび5g/mL ブラスチシジンを捕捉したダルベッコ変性イーグル培地(DMEM)中で選択した(Invitrogen)。16〜20時間、0.1g/mL テトラサイクリンでC99発現を誘発し、サンドイッチイムノアッセイ(下記参照)で調整培地を分析することにより、コロニーをAβ生産についてスクリーニングした。クローンのうちの1つ(pTRE.15と呼ぶ)をこれらの試験で利用した。
【0487】
(膜調製物)
細胞におけるC99発現を、0.1g/mL テトラサイクリンで20時間誘発した。これらの細胞は、37℃で5〜6時間、1Mホルボール12−ミリスチン酸13−酢酸(PMA)および1M ブレフェルジンA(BFA)で前処理し、その後、回収した。それら細胞を冷リン酸緩衝食塩水(PBS)で3回洗浄し、20mMHepes(pH7.5)、250mM スクロース、50mM KCl、2mM EDTA、2mM EGTAおよびComplete protease inhibitor tablet(Roche Molecular Biochemicals)を含有するバッファAに回収した。それらの細胞ペレットを液体窒素中で急速冷凍し、使用するまで−70℃で保管した。
【0488】
膜を作るために、細胞をバッファAに懸濁させ、窒素ボンベ内で、600psiで溶解した。その細胞溶解産物を1500gで10分間遠心分離して、核および大きな細胞破壊片を除去した。上清を100000gで1時間遠心分離した。その膜ペレットをバッファA+ 0.5M NaClに再び懸濁させ、200000gで1時間の遠心分離により膜を回収した。その塩洗浄済膜ペレットをバッファAで再び洗浄し、100000gで1時間遠心分離した。テフロン(登録商標)ガラスホモジナイザーを使用して、最終膜ペレットを少量のバッファAに再び懸濁させた。そのタンパク質濃度を判定し、膜のアリコートを液体窒素中で急速冷凍し、−70℃で保管した。
【0489】
(γ−セクレターゼ反応およびAβ分析)
γ−セクレターゼ活性を測定するために、膜を、20mMHepes(pH7.0)および2mM EDTAを含有する50Lのバッファ中、37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション終了時、電気化学発光(ECL)に基づくイムノアッセイを用いてAβ40およびAβ42を測定した。Aβ40は、抗体ペアTAG−G2−10およびビオチン−W02で同定し、一方、Aβ42は、TAG−G2−11およびビオチン−4G8で同定した。ECLシグナルは、ELC−M8機器(IGEN International,Inc.)をその製造業者のインストラクションに従って使用して測定した。提示されるデータは、各実験での二重反復または三重反復の平均であった。記載のγ−セクレターゼ活性の特性は、5つより多くの独立した膜作製物を使用して確認した。
【0490】
上のアッセイを用いたところ、実施例1〜49の化合物は、約0.001から約0.5μMの範囲内のIC50値を示した。実施例1〜11、17および19〜48の化合物は、約0.001から約0.2μMの範囲内のIC50値を示した。実施例1〜5、19〜25、28〜30、32、33、36〜40、42、45、46および48の化合物は、約0.001から約0.02μMの範囲内のIC50値を示した。
【0491】
本発明化合物のうちの幾つかのγ−セクレターゼ阻害活性を下に示す。
【0492】
【表1】

本発明を、上に示した特定の実施形態と併せて説明したが、それらの多くの代替、改変および変更が当業者には明らかである。すべてのこのような代替、改変および変更は、本発明の精神および範囲内に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステルであって、
ここで、
は、非置換アリール、1つまたはそれ以上のR基で置換されているアリール、非置換ヘテロアリール、および1つまたはそれ以上のR基で置換されているヘテロアリールから成る群より選択され;
は、−C(O)−Y、−アルキレン−C(O)−Y、−アルキレン−シクロアルキレン−C(O)−Y、−シクロアルキレン−アルキレン−C(O)−Y、−アルキレン−シクロアルキレン−アルキレン−C(O)−Y、−シクロアルキレン−C(O)−Y、−S(O)−Y、−アルキレン−S(O)−Y、−アルキレン−シクロアルキレン−S(O)−Y、−シクロアルキレン−アルキレン−S(O)−Y、−アルキレン−シクロアルキレン−アルキレン−S(O)−Y、−シクロアルキレン−S(O)−Y、−S(O)−Y、−アルキレン−S(O)−Y、−アルキレン−シクロアルキレン−S(O)−Y、−シクロアルキレン−アルキレン−S(O)−Y、−アルキレン−シクロアルキレン−アルキレン−S(O)−Y、および−シクロアルキレン−S(O)−Yから成る群より選択され;ここで、該アルキレンまたはシクロアルキレンの各々は、非置換であるか、必要に応じて、1つまたはそれ以上のヒドロキシ基で置換されているが、但し、ヒドロキシ基は、硫黄原子にも結合している炭素原子には結合していないことを条件とし;
(Rの各Rは、H、アルキル、−O−アルキル、−OH、−N(R、アシルおよびアロイルから成る群より独立して選択されるか;または
部分(Rは、式Iにおいて結合していると示される環炭素原子と一緒に、カルボニル基、−C(O)−を規定するが、但し、mが1より大きい整数である場合、多くとも1つのカルボニル基が、式Iで示される環内に存在することを条件とし;
各R3AおよびR3Bは、Hおよびアルキルから成る群より独立して選択され;
は、ハロ、−CF、−OH、アルコキシ、−OCF、−CN、−NH、−C(O)O−アルキル、−OC(O)−アルキル、−C(O)O−アリール、−OC(O)−アリール、−C(O)NR、−アルキレン−NR、−N(R)C(O)−アルキル、−N(R)C(O)−アリール、−N(R)C(O)−ヘテロアリール、および−N(R)C(O)NRから成る群より独立して選択され;
Yは、−NR、−N(R12)(CHNR(ここで、bは、2〜6の整数である)、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリールシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールシクロアルキル、アリールへテロシクロアルキル、アリールアルキルヘテロシクロアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、置換アリールシクロアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールシクロアルキル、置換アリールへテロシクロアルキル、および置換へテロシクロアルキルアルキルから成る群より選択され;ここで、該Y基の該置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、置換アリールシクロアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールシクロアルキル、置換アリールへテロシクロアルキルまたは置換へテロシクロアルキルアルキル基中のアリールまたはヘテロアリール部分は、ハロ、−CF、−OH、アルコキシ、−OCF、−CN、−NH、−C(O)O−アルキル、−OC(O)−アルキル、−C(O)O−アリール、−OC(O)−アリール、−C(O)NR、−アルキレン−NR、−N(R)C(O)−アルキル、−N(R)C(O)−アリール、−N(R)C(O)−ヘテロアリール、−N(R)C(O)NRおよびアルキルから成る群より独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で置換されているか;あるいは
Yは、
【化2】

【化3】

から成る群より選択され;
およびRは、H、アルキル、1から4つのヒドロキシ基で置換されているアルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、
【化4】

およびヘテロシクロアルキルから成る群より独立して選択されるが、但し、Rおよび/またはRが、1から4つのヒドロキシ基で置換されているアルキルである場合、そのヒドロキシ基は、窒素も結合している炭素には結合していないことを条件とし;
は、H、−OH、アルキル、−O−アルキル、1から4つのヒドロキシ基で置換されているアルキル、および−C(O)O−アルキルから成る群より独立して選択されるか;またはrが、1より大きく、少なくとも2つのR基が、アルキル、−O−アルキル、1から4つのヒドロキシ基で置換されているアルキル、および−C(O)O−アルキルから成る群より選択される場合には、2つのR基が、それらが結合している1つまたは複数の環炭素原子と一緒に環を規定し;
各Rは、H、アルキル、1から4つのヒドロキシ基で置換されているアルキル、シクロアルキル、1から4つのヒドロキシ基で置換されているシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、−C(O)O−アルキル、−アルキレン−O−アルキレン−OH、1つまたはそれ以上のR基で置換されているアリール、1つまたはそれ以上のR基で置換されているヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、非置換アリール、−アルキレン−C(O)O−アルキル、−(SO)−アルキル、−(SO)−アリール、およびヒドロキシアルキル−O−アルキルから成る群より独立して選択されるが、但し、Rが、1から4つのヒドロキシ基で置換されているアルキルである場合、窒素にも結合している炭素には、いずれのヒドロキシ基も結合していないことを条件とし;
各R10は、Hおよびアルキルから成る群より独立して選択され;
11は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリールシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールシクロアルキル、アリールへテロシクロアルキル、アルコキシアルキル、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、置換アリールシクロアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、および置換アリールへテロシクロアルキルから成る群より選択され;ここで、該R11の該置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、置換アリールシクロアルキル、置換ヘテロアリールアルキルおよび置換アリールへテロシクロアルキルにおけるアリールまたはヘテロアリール部分は、ハロ、−CF、−OH、アルコキシ、−OCF、−CN、−NH、−C(O)O−アルキル、−OC(O)−アルキル、−C(O)O−アリール、−OC(O)−アリール、−C(O)NR、−アルキレン−NR、−N(R)C(O)−アルキル、−N(R)C(O)−アリール、−N(R)C(O)−ヘテロアリール、および−N(R)C(O)NRから成る群より独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で置換されており;
12は、H、アルキル、アリール、ならびにハロ、−CF、−OH、アルコキシ、−OCF、−CN、−NH、−C(O)O−アルキル、−OC(O)−アルキル、−C(O)O−アリール、−OC(O)−アリール、−C(O)NR、−アルキレン−NR、−N(R)C(O)−アルキル、−N(R)C(O)−アリール、−N(R)C(O)−ヘテロアリール、および−N(R)C(O)NRから成る群より独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で置換されているアリールから成る群より選択され;
mは、0から3の整数であり、ならびにmが1より大きい場合、それらのm部分は、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよく;
nは、0から3の整数であり、ならびにnが1より大きい場合、それらのn部分は、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよく;
oは、0から3の整数であり、ならびにoが1より大きい場合、それらのo部分は、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよいが;但し、
m+n+oが、1、2、3または4であることを条件とし;
pは、0から4の整数であり、ならびにpが1より大きい場合、それらのp部分は、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよく;
rは、0から4の整数であり、ならびにrが1より大きい場合、それらのr部分は、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよく;
sは、0から3の整数であり、ならびにsが1より大きい場合、それらのs部分は、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよく;そして
Zは、ヘテロシクロアルキル、置換へテロシクロアルキル、−NH、−NH(アルキル)、−N(アルキル)、ここで、各アルキルは、同じあるか、異なり、−NH(シクロアルキル)、−NH(置換シクロアルキル)、−N(アルキル)(シクロアルキル)、−N(アルキル)(置換シクロアルキル)、−NH(アラルキル)、−NH(置換アラルキル)、―N(アルキル)(アラルキル)、−NH(ヘテロシクロアルキル)、−NH(置換へテロシクロアルキル)、−N(アルキル)(ヘテロシクロアルキル)、−N(アルキル)(置換へテロシクロアルキル)、−NH(ヘテロアラルキル)、−NH(置換へテロアラルキル)、−NH−アルキレン−(シクロアルキル)、−NH−アルキレン−(置換シクロアルキル)、−N(アルキル)−アルキレン−(シクロアルキル)、−N(アルキル)−アルキレン−(置換シクロアルキル)、−NH−アルキレン−(ヘテロシクロアルキル)、−NH−アルキレン(置換ヘテロシクロアルキル)、−N(アルキル)−アルキレン−(へテロシクロアルキル)、−N(アルキル)−アルキレン−(置換ヘテロシクロアルキル)、ベンゾ縮合へテロシクロアルキル、置換ベンゾ縮合へテロシクロアルキル、H、および−N(ヒドロキシアルキル)、ここで、各アルキルは、同じであってもよいし、異なっていてもよい、から成る群より選択され;ここで、基Zの該置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、または置換ヘテロアリール部分は、アルキル、−OH、アルコキシ、−OC(O)−アルキル、−OC(O)−アリール、−NH、−NH(アルキル)、−N(アルキル)、ここで、各アルキルは、同じであるか、異なり、−NHC(O)−アルキル、−N(アルキル)C(O)−アルキル、−NHC(O)−アリール、−N(アルキル)C(O)−アリール、−C(O)−アルキル、−C(O)−アリール、−C(O)NH、−C(O)NH(アルキル)、−C(O)N(アルキル)、ここで、各アルキルは、同じであるか、異なり、−C(O)O−アルキル、−アルキレン−C(O)O−アルキル、ピペリジニル、ピロリジニル、アリール、ヘテロアリール、および−O−CHCH−O−、ここで、両方の酸素原子は、同じ炭素原子に結合している、から成る群より独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で置換されているが、但し、該Z基のアリールおよびヘテロアリール部分は、該−O−CHCH−O−基では置換されていないことを条件とする、化合物。
【請求項2】
が、
−(C〜C12)アルキレン−C(O)−Y、
−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−C(O)−Y、
−(C〜C12)アルキレン−S(O)−Y、および
−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Yからなる群より選択され;ここで、アルキレンまたはシクロアルキレンは、必要に応じて、1つまたはそれ以上のヒドロキシ基で置換されているが、但し、ヒドロキシ基が、硫黄原子も結合している炭素原子には結合していないことを条件とし;
Yは、
【化5】

から成る群より選択され;
(Rの各Rが、H、−OH、(C〜C)アルキル、(C〜C)アシル、および(C〜C13)アロイルから成る群より独立して選択されるか;または
部分(Rが、式Iにおいて結合していると示されている環炭素原子と一緒に、カルボニル基を規定するが、但し、mが1より大きい整数である場合、多くとも1つのカルボニル基が、式Iで示される環内に存在することを条件とし;
各R3AおよびR3Bが、Hおよび(C〜C)アルキルから成る群より独立して選択され;
が、ハロ、−OH、−CF、および−O−(C〜C)アルキルから成る群より独立して選択され;
11が、(C〜C12)アリール、置換(C〜C12)アリール、(C〜C12)ヘテロアリール、および置換(C〜C12)ヘテロアリールから成る群より選択され、ここで、該置換(C〜C12)アリールおよび置換(C〜C12)ヘテロアリールは、1つまたはそれ以上のハロ、−CF、−OH、もしくは−O−(C〜C)アルキル基で置換されており;
mが、0または1であり;
nが、0または1であり;ならびに
oが、0または1である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、
−(C〜C12)アルキレン−C(O)−Y、
−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−C(O)−Y、
−(C〜C12)アルキレン−S(O)−Y、
−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Y、
−(C〜C12)アルキレン−S(O)−Y、および
−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Y
から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が、−(C〜C)シクロアルキレン−C(O)−Yである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が、−シクロプロピレン−C(O)−Yである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が、−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−C(O)−Yである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が、−シクロプロピレン−(C〜C)アルキレン−C(O)−Yである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
が、−シクロプロピレン−CH−C(O)−Yである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
が、−シクロプロピレン−CH(OH)−C(O)−Yである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
が、−シクロプロピレン−S(O)−Yである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
が、−(C〜C)シクロアルキレン−(C〜C)アルキレン−S(O)−Yである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
が、−シクロプロピレン−CH−S(O)−Yである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
Yが、
【化6】

から成る群より選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項14】
Yが、
【化7】

から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
Yが、
【化8】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
Yが、
【化9】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
Yが、
【化10】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
Yが、
【化11】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
Yが、
【化12】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
Yが、
【化13】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
Yが、
【化14】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
Yが、
【化15】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
Yが、
【化16】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
Yが、
【化17】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
Yが、
【化18】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
が、
【化19】

【化20】

【化21】

から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
以下の構造式:
【化22】

のうちの1つを有する化合物から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
以下の構造式:
【化23】

のうちの1つを有する化合物から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項29】
以下の構造式:
【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

を有する化合物から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
【請求項30】
以下の構造式:
【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

を有する化合物から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
【請求項31】
以下の構造式:
【化36】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
【請求項32】
以下の構造式:
【化37】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩および/もしくは溶媒和物。
【請求項33】
以下の構造式:
【化38】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
【請求項34】
以下の構造式:
【化39】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
【請求項35】
以下の構造式:
【化40】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
【請求項36】
以下の構造式:
【化41】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
【請求項37】
以下の構造式:
【化42】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
【請求項38】
以下の構造式:
【化43】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
【請求項39】
以下の構造式:
【化44】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
【請求項40】
以下の構造式:
【化45】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
【請求項41】
以下の構造式:
【化46】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
【請求項42】
以下の構造式:
【化47】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステル。
【請求項43】
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルおよび/もしくは溶媒和物の治療有効量と共に、少なくとも1つの薬学的に受容可能な賦形剤、希釈剤またはキャリアを含む薬学的組成物。
【請求項44】
請求項30に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルおよび/もしくは溶媒和物の治療有効量と共に、少なくとも1つの薬学的に受容可能な賦形剤、希釈剤またはキャリアを含む薬学的組成物。
【請求項45】
γ−セクレターゼを阻害する処置が必要な患者において、γ−セクレターゼを阻害する方法であって、該方法は、請求項1に記載の1つまたはそれ以上の化合物の治療有効量を該患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項46】
1つまたはそれ以上の神経変性疾患の処置が必要な患者において、1つまたはそれ以上の神経変性疾患を処置する方法であって、該方法は、請求項1に記載の1つまたはそれ以上の化合物の治療有効量を該患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項47】
βアミロイドタンパク質の沈着を阻害する処置が必要な患者において、βアミロイドタンパク質の沈着を阻害する方法であって、該方法は、請求項1に記載の1つまたはそれ以上の化合物の治療有効量を該患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項48】
アルツハイマー病を処置する必要がある患者において、アルツハイマー病を処置する方法であって、該方法は、請求項1に記載の1つまたはそれ以上の化合物の治療有効量を該患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項49】
精製された形態での請求項1に記載の化合物。

【公表番号】特表2007−531742(P2007−531742A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506364(P2007−506364)
【出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/011456
【国際公開番号】WO2005/097768
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】