施設検索装置
【課題】音声による施設検索を効率的に行うことができる施設検索装置を提供する。
【解決手段】施設名の認識語彙を記憶した固定施設辞書121aと、固定施設辞書に記憶されている施設名の認識語彙の一部が動的に記憶される動的施設辞書121bと、目的地として設定された地点を目的地履歴として記憶する目的地履歴記憶手段17と、この記憶されている目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出して動的施設辞書に格納する施設辞書変更手段18と、音声を入力する音声入力手段11と、入力された音声を、動的施設辞書を参照することにより認識して施設名を出力する音声認識手段13と、施設情報を記憶する施設データベース14と、音声認識手段から出力される施設名に対応する施設情報を施設データベースから検索する施設検索手段15と、検索された施設情報を出力する検索結果出力手段16を備えている。
【解決手段】施設名の認識語彙を記憶した固定施設辞書121aと、固定施設辞書に記憶されている施設名の認識語彙の一部が動的に記憶される動的施設辞書121bと、目的地として設定された地点を目的地履歴として記憶する目的地履歴記憶手段17と、この記憶されている目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出して動的施設辞書に格納する施設辞書変更手段18と、音声を入力する音声入力手段11と、入力された音声を、動的施設辞書を参照することにより認識して施設名を出力する音声認識手段13と、施設情報を記憶する施設データベース14と、音声認識手段から出力される施設名に対応する施設情報を施設データベースから検索する施設検索手段15と、検索された施設情報を出力する検索結果出力手段16を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、音声により施設を検索する施設検索装置に関し、特に検索対象範囲を特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、都道府県名と施設名を発話することにより所望の施設を検索する施設検索装置が知られている。このような施設検索装置として、特許文献1は、車載用ナビゲーション装置に適用して好適な、音声認識機能を備えた地図表示装置を開示している。この地図表示装置は、音声認識部における認識対象語を、予め設定された車両走行経路または現在の車両走行状態から予測される車両走行域のみに関連する地名情報に限定して決定する認識対象語決定部を備えている。これにより、認識対象語彙数を最小限に抑制して、処理速度の低下を防止し、かつ音声認識率を高めながら、画面に表示されていない地域の地図操作、情報検索が可能になっている。
【0003】
また、特許文献2は、車両の目的地を音声により入力し、目的地までの経路を探索する車載用ナビゲーション装置を開示している。この車載用ナビゲーション装置は、車両の目的地となる施設のジャンル別辞書、都道府県名別辞書および名称別辞書を有する階層構造のデータベースと、不特定話者が発声した音声を認識する音声認識手段と、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段とを備え、まず音声認識手段が、入力されたジャンル名を音声認識し、次いで現在位置検出手段により検出された現在位置を基にその位置を含む都道府県を特定し、そこに存在する施設の名称を音声入力する。目的とする施設を音声認識により検索する際に、音声入力回数および音声認識処理時間を削減することにより、誤認識を減少させることができる。
【0004】
また、特許文献3は、少ない入力回数且つ短時間で検索を終了することができ、また、検索語句を制限することで、音声認識に対する作業が軽減され、結果として使用者の発声に対する認識精度を高め、認識率の低下を防ぐことができる車載ナビゲーション装置を開示している。この車載ナビゲーション装置は、元データベースとなるDVD−ROM等に格納された施設名称または市区町村名などを知名度に応じて複数段階のレベル付けを行い、自車位置から遠い地域は全国的に有名な地名や施設のみを部分データベースに格納し、自車位置周辺の地域では有名な地名や施設のみならず知名度の低い施設や地名または交差点名等の語句までを部分データベースに格納する。また、自車位置の変化に応じて部分データベースに格納するデータをデータ更新手段により更新する。
【0005】
【特許文献1】特開平9−42987号公報
【特許文献2】特開平11−325945号公報
【特許文献3】特開2000−74685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に開示された地図表示装置においては、同一都道府県内で自車の進行方向の前方にある施設の都道府県名を外した認識語彙が登録されており、音声認識による施設検索においては、都道府県名の発話を省略することができる。しかしながら、施設名の認識語彙を進行方向の前方の地名に限定することが必ずしもユーザの希望に即しているとは言えず、例えば、過去に目的地として設定した地点の周辺の施設を検索する場合は、都道府県名と施設名を発話しなければならないので、音声による施設検索が効率的でないという問題がある。
【0007】
また、特許文献2に開示された車載用ナビゲーション装置においては、現在位置を含む都道府県を特定し、この特定した都道府県名を省略して読み上げることにより施設検索を行うことができるが、上述した特許文献1に開示された地図表示と同様に、それが必ずしもユーザの希望に即しているとは言えず、例えば、過去に目的地として設定した地点の周辺の施設を検索する場合は、都道府県名と施設名を発話しなければならないので、音声による施設検索が効率的でないという問題がある。
【0008】
また、特許文献3に開示された車載ナビゲーション装置においては、自車位置に応じて部分データベースを更新するように構成されているが、更新対象は現在地周辺に限定されており、例えば、過去に目的地として設定した地点の周辺の施設を検索する場合は、都道府県名と施設名を発話しなければならないので、音声による施設検索が効率的でないという問題がある。
【0009】
この発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、音声による施設検索を効率的に行うことができる施設検索装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る施設検索装置は、上記課題を解決するために、施設名の認識語彙を記憶した固定施設辞書と、固定施設辞書に記憶されている施設名の認識語彙の一部が動的に記憶される動的施設辞書と、目的地として設定された地点を目的地履歴として記憶する目的地履歴記憶手段と、目的地履歴記憶手段に記憶されている目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出して動的施設辞書に格納する施設辞書変更手段と、音声を入力する音声入力手段と、音声入力手段から入力された音声を、動的施設辞書を参照することにより認識して施設名を出力する音声認識手段と、施設情報を記憶する施設データベースと、音声認識手段から出力される施設名に対応する施設情報を施設データベースから検索する施設検索手段と、施設検索手段で検索された施設情報を出力する検索結果出力手段とを備えている。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る施設検索装置によれば、目的地として設定された地点を目的地履歴として記憶しておき、この記憶されている目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出して動的施設辞書に格納し、この動的施設辞書を参照して音声認識を行い、この音声認識により得られた施設名を用いて施設検索を行うように構成したので、ユーザは地域の名称を発話することなく施設名を発話するだけで所望の施設を検索することができる。例えば、従来は「大阪府 ○○」のように、「都道府県名+施設名」と発話することにより施設を検索しているが、過去の目的地履歴に基づき施設が属する地域(都道府県)を事前に予測し、それを検索対象範囲とすることにより、音声による効率的な施設検索を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。この施設検索装置は、例えば車載ナビゲーション装置に搭載されて、音声認識により施設を検索する。この施設検索装置は、音声入力手段11、認識辞書12、音声認識手段13、施設データベース14、施設検索手段15、検索結果出力手段16、目的地履歴記憶手段17および施設辞書変更手段18から構成されている。
【0013】
音声入力手段11は、例えばマイクロフォンから構成されており、ユーザによる発話を入力して電気信号に変換し、音声信号として音声認識手段13に送る。認識辞書12は、施設辞書121、住所辞書122およびコマンド辞書123から構成されており、施設辞書121は、さらに、固定施設辞書121aと動的施設辞書121bとから構成されている。
【0014】
固定施設辞書121aは、図2に示すように、全国の施設に付された施設名の認識語彙を、その施設が属する都道府県別に分割して記憶しており、後述する都道府県名辞書122aとによって階層化されている。ここで、「都道府県」は、この発明の「地域」に対応する。したがって、固定施設辞書121aを用いて施設名を音声認識する場合は、一般に、「都道府県名+施設名」の形式で発話する(都道府県名に続けて施設名を発話する)必要があり、施設が属する都道府県名の発話が必須である。
【0015】
動的施設辞書121bには、図2に示すように、固定施設辞書121aに記憶されている施設名の認識語彙の一部が動的に記憶される。この動的施設辞書121bに格納される施設名の認識語彙は、目的地履歴記憶手段17に記憶されている目的地履歴(過去に目的地として設定された地点の履歴)を記憶する。この動的施設辞書121bを用いることにより、都道府県名を発話しないで施設名だけを発話した場合であっても、その施設名を音声認識することができる。上述した構成により、例えば「△△県○○デパート」(固定施設辞書121aの認識語彙)も「○○デパート」(動的施設辞書121bの認識語彙)も同時に認識することができる。
【0016】
住所辞書122は、認識対象となる住所の認識語彙を記憶している。この住所辞書122には、認識対象となる都道府県名が登録された都道府県名辞書122aが含まれる。この都道府県名辞書122aは、上述したように、固定施設辞書121aを用いて音声認識を行う場合に参照される。コマンド辞書123は、施設検索装置を含む車載ナビゲーション装置を操作するための操作コマンドの認識語彙を記憶している。このコマンド辞書123を用いることにより、車載ナビゲーション装置に種々の指令を音声で与えることができる。
【0017】
音声認識手段13は、認識辞書12を参照することにより、音声入力手段11から送られてくる音声信号に対応する語(施設名、住所、コマンド等)を認識する。この音声認識手段13で認識された語は、施設検索手段15に送られる。施設データベース14は、全国の施設に関する情報、例えば施設名、施設ID、施設ジャンルID、地域ID、住所、電話番号、ホームページアドレス、開店時間等(以下、「施設情報」という)を記憶している。この施設データベース14に記憶されている施設情報は、施設検索手段15によって読み出される。
【0018】
施設検索手段15は、音声認識手段13から音声認識の結果として送られてくる語である施設名をキーとして施設データベース14を検索する。この検索により得られた施設情報は、検索結果出力手段16に送られる。検索結果出力手段16は、例えばディスプレイ装置およびスピーカから構成されており、施設検索手段15から送られてくる施設情報をディスプレイ装置の画面に表示するとともに、スピーカから音声で出力する。これにより、ユーザは、施設検索の結果を知ることができる。
【0019】
目的地履歴記憶手段17は、過去に目的地として設定された地点の履歴、つまり目的地履歴を記憶する。この目的地履歴記憶手段17に記憶されている目的地履歴は、施設辞書変更手段18によって読み出される。施設辞書変更手段18は、目的地履歴記憶手段17に記憶されている目的地履歴に基づき施設辞書12の内容を変更する。具体的には、施設辞書変更手段18は、目的地履歴記憶手段17に記憶されている目的地履歴によって示される地点を含む都道府県に属する施設に付された施設名(ジャンル名、ブランド名などを含む)の認識語彙を固定施設辞書121aから読み出し、動的施設辞書121bに格納する。
【0020】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の動作を説明する。まず、目的地履歴記憶手段17に記憶されている目的地履歴に基づいて、固定施設辞書121aの内容から動的施設辞書121bを作成する「施設辞書整備処理」の詳細を、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0021】
施設辞書整備処理においては、まず、目的地履歴から都道府県が抽出される(ステップST11)。すなわち、施設辞書変更手段18は、目的地履歴記憶手段17から目的地履歴を読み出し、この読み出した目的地履歴によって示される地点が属する都道府県を抽出する。次いで、ステップST11で抽出された都道府県に属する施設名が抽出される(ステップST12)。すなわち、施設辞書変更手段18は、固定施設辞書121aから、ステップST11で抽出された都道府県に属するすべての施設に付された施設名の認識語彙を抽出する。
【0022】
次いで、動的施設辞書121bが作成される(ステップST13)。すなわち、施設辞書変更手段18は、「都道府県名+施設名」からなる階層化された施設名の認識語彙から、「施設名」のみで音声認識を可能とする認識語彙を作成し、それを動的施設辞書121bに格納する。この時、施設名の認識語彙は施設データベース14にあらかじめ紐付けされており、固定施設辞書121aと動的施設辞書121bに同じ認識語彙が格納されている場合に、いずれで音声認識を行っても同じ施設情報を検索することができる。以上により、施設辞書整備処理は終了する。
【0023】
以上のようにして動的施設辞書121bが作成されることにより、ユーザは過去に目的地として設定した都道府県に存在する施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することにより、所望の施設を検索できる。
【0024】
なお、上述した実施の形態1では、目的地履歴によって示される地点が含まれる地域として都道府県という単位を用い、都道府県レベルで動的施設辞書121bを作成するように構成したが、施設辞書121の認識語彙およびそれに紐付けされている施設データベース14に市、区、町、村、大字などといった住所の下位層の情報が格納されている場合は、目的地履歴の住所の下位層のレベルで動的施設辞書121bを作成するように構成できる。例えば、目的地履歴として記憶されている住所が「△△県××市」である場合に、目的地履歴を参照して生成される動的施設辞書121bには「△△県××市」に属する施設名が登録され、都道府県名を省略して「○○デパート」と発話した場合には「△△県××市」に属する○○デパートを検索することができる。
【0025】
次に、音声認識により施設を検索する「施設検索処理」の詳細を、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。この施設検索処理では、ユーザが発話することにより、まず、音声入力が行われる(ステップST21)。すなわち、音声入力手段11は、ユーザの発話を音声信号に変換し、音声認識手段13に送る。次いで、都道府県名が省略されているかどうかが調べられる(ステップST22)。都道府県名を省略した音声入力を行うかどうかは、あらかじめユーザにより設定されるものとする。音声認識手段13は、この設定された内容を参照して、都道府県名が省略されているかどうかを判断する。
【0026】
このステップST22において、都道府県名が省略されていると判断されると、動的施設辞書を用いて施設名が認識される(ステップST23)。すなわち、音声認識手段13は、動的施設辞書121bを参照することにより、音声入力手段11から送られてくる音声信号に対応する施設名を認識し、施設検索手段15に送る。その後、シーケンスはステップST24に進む。
【0027】
一方、上記ステップST22において、都道府県名は省略されていないと判断されると、次いで、都道府県名の認識が行われる(ステップST27)。すなわち、音声認識手段13は、住所辞書122内の都道府県名辞書122aを参照することにより、音声入力手段11から送られてくる音声信号に対応する都道府県名を認識する。次いで、固定施設辞書を用いて施設名が認識される(ステップST28)。すなわち、音声認識手段13は、固定施設辞書121aのうちの、ステップST27で認識された都道府県名に対応する部分を参照することにより、音声入力手段11から送られてくる音声信号に対応する施設名を認識し、施設検索手段15に送る。その後、シーケンスはステップST24に進む。
【0028】
ステップST24においては、施設データベース14の検索が行われる(ステップST24)。すなわち、施設検索手段15は、音声認識手段13から送られてくる施設名をキーとして施設データベース14を検索し、この検索により得られた施設情報を検索結果出力手段16に送る。次いで、検索結果がユーザに提示される(ステップST25)。すなわち、検索結果出力手段16は、施設検索手段15から送られてくる施設情報をディスプレイ装置の画面に表示するとともに、スピーカから音声で出力する。
【0029】
次いで、ユーザによる目的地の設定が行われる(ステップST26)。すなわち、ユーザは、検索結果出力手段16から出力された施設情報によって示される施設を、図示しない操作手段を用いて目的地に設定する。この際、目的地として設定された施設は、目的地履歴として目的地履歴記憶手段17に記憶される。以上により、施設検索処理は終了する。
【0030】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る施設検索装置によれば、過去の目的地履歴に基づき施設が属する都道府県を事前に予測し、検索対象範囲を設定するように構成したので、都道府県名の発話が不要になり、音声認識を利用した効率的な施設検索が可能になる。
【0031】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置において、目的地履歴によって示される施設のうち、自車の前方に存在する施設に付された施設名の認識語彙を動的施設辞書121bに格納するようにしたものである。
【0032】
図5は、実施の形態2に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。この施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置に、目的地履歴方向検出手段19と目的地履歴判別手段20が追加されて構成されている。以下では、実施の形態1と相違する部分を中心に説明する。
【0033】
目的地履歴方向検出手段19は、図示しない位置検出部から送られてくる自車位置情報によって示される自車位置から、目的地履歴記憶手段17から読み出した目的地履歴によって示される地点へ向かう方向と自車の進行方向との間の交角を検出し、この検出した交角を目的地履歴に付して目的地履歴判別手段20に送る。目的地履歴判別手段20は、目的地履歴方向検出手段19から送られてくる目的地履歴のうち、交角が例えば90°未満である目的地履歴を、自車位置から前方にある地点の目的地履歴であると判別し、施設辞書変更手段18に送る。
【0034】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態2に係る施設検索装置の動作を説明する。なお、この施設検索装置において実行される施設検索処理は、実施の形態1と同じであるので、以下では、施設辞書整備処理についてのみ説明する。
【0035】
施設辞書整備処理は、図3のフローチャートに示す処理のうち、ステップST11で行われる目的地履歴から都道府県を抽出する処理のみが、実施の形態1と異なる。すなわち、目的地履歴方向検出手段19は、自車位置から目的地履歴によって示される地点へ向かう方向と自車の進行方向との間の交角を検出し、この検出した交角を目的地履歴に付して目的地履歴判別手段20に送る。目的地履歴判別手段20は、目的地履歴方向検出手段19から送られてくる目的地履歴のうち、交角が所定値未満である目的地履歴を、自車位置から前方にある地点の目的地履歴であると判別し、施設辞書変更手段18に送る。施設辞書変更手段18は、目的地履歴判別手段20から送られてくる目的地履歴によって示される地点が属する都道府県を抽出する。
【0036】
以下、実施の形態1と同様に、ステップST11で抽出された都道府県に属する施設名が抽出され(ステップST12)、動的施設辞書121bが作成される(ステップST13)。これにより、既に存在する「都道府県名+施設名」の他に、「施設名」のみで認識可能となる認識語彙が記憶された動的施設辞書121bが作成されるので、ユーザは過去に目的地として設定し、且つ進行方向の都道府県にある施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することができる。
【0037】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係る施設検索装置によれば、進行方向に存在する施設の目的地履歴に基づき、施設が属する都道府県を事前に予測し、検索対象範囲とするように構成したので、音声認識を利用した効率的な施設検索が可能になる。
【0038】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置において、自車位置から所定距離以内に存在する施設に付された施設名の認識語彙を動的施設辞書121bに登録するようにしたものである。
【0039】
図6は、実施の形態3に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。この施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置に、目的地履歴ソート手段21と目的地履歴判別手段22とが追加されて構成されている。以下では、実施の形態1と相違する部分を中心に説明する。
【0040】
目的地履歴ソート手段21は、目的地履歴記憶手段17から読み出した目的地履歴を、図示しない位置検出部から送られてくる自車位置情報によって示される自車位置から該目的地履歴によって示される地点までの距離によってソートする。この目的地履歴ソート手段21によってソートされた目的地履歴は、目的地履歴判別手段22に送られる。目的地履歴判別手段22は、目的地履歴ソート手段21から送られてくる目的地履歴のうち、該目的地履歴によって示される地点が自車位置から所定距離以内に存在する目的地履歴のみを判別して施設辞書変更手段18に送る。
【0041】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態3に係る施設検索装置の動作を説明する。なお、この施設検索装置において実行される施設検索処理は、実施の形態1と同じであるので、以下では、施設辞書整備処理についてのみ説明する。
【0042】
施設辞書整備処理は、図3のフローチャートに示す処理のうち、ステップST11で行われる目的地履歴から都道府県を抽出する処理のみが、実施の形態1と異なる。すなわち、目的地履歴ソート手段21は、自車位置から目的地履歴によって示される地点までの距離を算出し、この算出した距離によって目的地履歴記憶手段17から読み出した目的地履歴をソートし、目的地履歴判別手段20に送る。
【0043】
目的地履歴判別手段20は、目的地履歴方向検出手段19から送られてくる、自車位置から所定距離以内、例えば50km以内に存在する地点の目的地履歴のみを判別し、施設辞書変更手段18に送る。施設辞書変更手段18は、目的地履歴判別手段20から送られてくる目的地履歴によって示される地点、つまり自車位置から所定距離以内に存在する地点が属する都道府県を抽出する。
【0044】
以下、実施の形態1と同様に、ステップST11で抽出された都道府県に属する施設名が抽出され(ステップST12)、動的施設辞書121bが作成される(ステップST13)。これにより、既に存在する「都道府県名+施設名」の他に、「施設名」のみで認識可能となる認識語彙が記憶された動的施設辞書121bが作成されるので、ユーザは過去に目的地として設定し、且つ自車位置から所定距離以内の都道府県にある施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することができる。
【0045】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係る施設検索装置によれば、自車位置の近傍、つまり自車位置から所定距離以内に存在する施設の目的地履歴に基づき、施設が属する都道府県を事前に予測し、検索対象範囲を設定するように構成したので、音声認識を利用した効率的な施設検索が可能になる。
【0046】
なお、目的地履歴記憶手段17に記憶する目的地履歴に自車が目的地に到着した到着日時を含むように構成し、目的地履歴ソート手段21は、目的地への到着日時によって目的地履歴をソートし、目的地履歴判別手段22は、ソートされた目的地履歴のうち、目的地への到着日時が現在の日時から所定期間以内である目的地履歴を判別し、施設辞書変更手段18に送るように構成できる。この構成により、ユーザは過去に設定した目的地のうち、最近に設定した目的地が含まれる都道府県にある施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することができる。
【0047】
また、目的地履歴ソート手段21は、目的地へ到達した回数によって目的地履歴をソートし、目的地履歴判別手段22は、ソートされた目的地履歴のうち、目的地へ到達した回数が所定値以上である目的地履歴を判別し、施設辞書変更手段18に送るように構成できる。この構成により、ユーザは過去に設定した目的地のうち、目的地として設定した頻度が高い、つまり利用する頻度が高い目的地が含まれる都道府県にある施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することができる。
【0048】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置において、施設に付された施設名の認識語彙を、発話者別に動的施設辞書121bに格納するようにしたものである。
【0049】
図7は、実施の形態4に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。この施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置に発話者判別手段23および目的地履歴判別手段25が追加されるとともに、実施の形態1に係る施設検索装置の目的地履歴記憶手段17が発話者別目的地履歴記憶手段24に置き換えられて構成されている。以下では、実施の形態1と相違する部分を中心に説明する。
【0050】
発話者判別手段23は、音声操作の開始時に登録された音響辞書23aに基づき発話者を判別する。この発話者判別手段23で判別された発話者は、発話者別目的地履歴記憶手段24に送られる。発話者別目的地履歴記憶手段24は、目的地履歴を発話者別に記憶する。すなわち、発話者別目的地履歴記憶手段24には、音声認識などによる目的地設定の際に、目的地履歴に対応付けて発話者の情報が記憶される。この発話者別目的地履歴記憶手段24に記憶されている内容は、目的地履歴判別手段25によって読み出される。目的地履歴判別手段25は、発話者別目的地履歴記憶手段24から読み出した目的地履歴のうち、発話者判別手段23から送られてくる現在の発話者に対応する目的地履歴のみを抽出して施設辞書変更手段18に送る。
【0051】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態4に係る施設検索装置の動作を説明する。なお、この施設検索装置において実行される施設検索処理は、実施の形態1と同じであるので、以下では、施設辞書整備処理についてのみ説明する。
【0052】
施設辞書整備処理は、図3のフローチャートに示す処理のうち、ステップST11で行われる目的地履歴から都道府県を抽出する処理のみが、実施の形態1と異なる。すなわち、目的地履歴判別手段25は、発話者別目的地履歴記憶手段24から目的地履歴を読み出し、発話者判別手段23から送られてくる現在の発話者に対応する目的地履歴を選択し、施設辞書変更手段18に送る。施設辞書変更手段18は、目的地履歴判別手段20から送られてくる目的地履歴によって示される地点が属する都道府県を抽出する。
【0053】
以下、実施の形態1と同様に、ステップST11で抽出された都道府県に属する施設名が抽出され(ステップST12)、動的施設辞書121bが作成される(ステップST13)。これにより、既に存在する「都道府県名+施設名」の他に、「施設名」のみで認識可能となる認識語彙が記憶された動的施設辞書121bが作成されるので、各ユーザは自己が過去に目的地として設定した都道府県にある施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することができる。
【0054】
以上説明したように、この発明の実施の形態4に係る施設検索装置によれば、ユーザ別の目的地履歴に基づき、施設が属する都道府県を事前に予測し、検索対象範囲を設定するように構成したので、各ユーザは、自己に好適な状態で、音声認識を利用した効率的な施設検索が可能になる。
【0055】
なお、発話者判別手段23は、音声操作の開始時に登録された音響辞書23aに基づき発話者を判別するのではなく、発話者別の音響辞書23aを用いて動的に発話者を判別し、目的地履歴判別手段25は、発話者判別手段23から送られてくる判別結果に基づき、発話者別目的地履歴記憶手段24から送られてくる発話者別の目的地履歴を自動的に切り換えるように構成することもできる。
【0056】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置において、自車位置および走行状態に応じて施設に付された施設名の認識語彙を動的施設辞書121bに格納するようにしたものである。
【0057】
図8は、実施の形態5に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。この施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置に、自車位置判別手段26および走行状態判別手段27が追加されるとともに、実施の形態1に係る施設検索装置の施設辞書変更手段18が施設辞書動的変更手段28に置き換えられて構成されている。以下では、実施の形態1と相違する部分を中心に説明する。
【0058】
自車位置判別手段26は、図示しない位置検出部から送られてくる自車位置情報に基づき自車位置を判別する。この自車位置判別手段26により判別された自車位置は、施設辞書動的変更手段28に送られる。走行状態判別手段27は、図示しない車速検出部から送られてくる車速情報に基づき、自車が走行中であるか停止中であるかを判別する。この走行状態判別手段27による判別結果は、施設辞書動的変更手段28に送られる。
【0059】
施設辞書動的変更手段28は、走行状態判別手段27から送られてくる判別結果が停止中を示している場合は、目的地履歴記憶手段17から送られてくる目的地履歴によって示される地点が含まれる都道府県および自車位置判別手段26から送られてくる自車位置が含まれる都道府県に属する施設に付された施設名の認識語彙を固定施設辞書121aから読み出し、動的施設辞書121bに格納する。一方、施設辞書動的変更手段28は、走行状態判別手段27から送られてくる判別結果が走行中を示している場合は、自車位置判別手段26から送られてくる自車位置が含まれる都道府県に属する施設に付された施設名の認識語彙を固定施設辞書121aから読み出し、動的施設辞書121bに格納する。
【0060】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態5に係る施設検索装置の動作を説明する。なお、この施設検索装置において実行される施設検索処理は、実施の形態1と同じであるので、以下では、施設辞書整備処理についてのみ説明する。
【0061】
施設辞書整備処理は、図3のフローチャートに示す処理のうち、ステップST11で行われる目的地履歴から都道府県を抽出する処理のみが、実施の形態1と異なる。すなわち、施設辞書動的変更手段28は、走行状態判別手段27から送られてくる判別結果が停止中を示している場合は、目的地履歴記憶手段17から送られてくる目的地履歴によって示される地点が含まれる都道府県および自車位置判別手段26から送られてくる自車位置が含まれる都道府県を抽出する。一方、走行状態判別手段27から送られてくる判別結果が停止中を示している場合は、自車位置判別手段26から送られてくる自車位置が含まれる都道府県を抽出する。
【0062】
以下、実施の形態1と同様に、ステップST11で抽出された都道府県に属する施設名が抽出され(ステップST12)、動的施設辞書121bが作成される(ステップST13)。これにより、既に存在する「都道府県名+施設名」の他に、「施設名」のみで認識可能となる認識語彙が記憶された動的施設辞書121bが作成されるので、ユーザは自己が過去に目的地として設定した都道府県または自車位置が含まれる都道府県にある施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することができる。
【0063】
以上説明したように、この発明の実施の形態5に係る施設検索装置によれば、自車の走行または停止状態に応じて、自車位置または過去の目的地履歴に基づき、施設が属する都道府県を事前に予測し、検索対象範囲を設定するように構成したので、音声認識を利用した効率的な施設検索が可能になる。
【0064】
実施の形態6.
この発明の実施の形態6に係る施設検索装置は、実施の形態5に係る施設検索装置において、運転技量に応じて施設に付された施設名の認識語彙を動的施設辞書121bに格納するようにしたものである。
【0065】
図9は、実施の形態6に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。この施設検索装置は、実施の形態5に係る施設検索装置に、走行履歴記憶手段29および運転技量判別手段30が追加されて構成されている。以下では、実施の形態5と相違する部分を中心に説明する。
【0066】
走行状態判別手段27は、図示しない車速検出部から送られてくる車速情報に基づき自車が走行中であるか停止中であるかを判別し、車速情報とともに判別結果を施設辞書動的変更手段28および走行履歴記憶手段29に送る。走行履歴記憶手段29は、走行状態判別手段27から送られてくる車速情報に基づいて算出された自車の走行距離および目的地履歴記憶手段17から送られてくる目的地履歴を走行履歴として記憶する。この走行履歴記憶手段29に記憶された走行履歴は、運転技量判別手段30に送られる。
【0067】
運転技量判別手段30は、走行履歴記憶手段29から送られてくる走行履歴から運転技量を判別する。運転技量の判別は、例えば、走行距離と目的地履歴に登録された件数から線形予測することにより行われる。この運転技量判別手段30における判別結果は、運転技量として施設辞書動的変更手段28に送られる。
【0068】
施設辞書動的変更手段28は、走行状態判別手段27から送られてくる判別結果が停止中を示している場合は、目的地履歴記憶手段17から送られてくる目的地履歴によって示される地点が含まれる都道府県および自車位置判別手段26から送られてくる自車位置が含まれる都道府県に属する施設に付された施設名の認識語彙を固定施設辞書121aから読み出し、動的施設辞書121bに格納する。
【0069】
一方、施設辞書動的変更手段28は、走行状態判別手段27から送られてくる判別結果が走行中を示している場合は、自車位置判別手段26から送られてくる自車位置から、走行状態判別手段27から送られてくる走行状態と運転技量判別手段30から送られてくる運転技量とに基づき走行可能な地点を算出する。そして、自車位置判別手段26から送られてくる自車位置が含まれる都道府県および算出した走行可能な地点が含まれる都道府県に属する施設に付された施設名の認識語彙を固定施設辞書121aから読み出し、動的施設辞書121bに格納する。
【0070】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態6に係る施設検索装置の動作を説明する。なお、この施設検索装置において実行される施設検索処理は、実施の形態1と同じであるので、以下では、施設辞書整備処理についてのみ説明する。
【0071】
施設辞書整備処理は、図3のフローチャートに示す処理のうち、ステップST11で行われる目的地履歴から都道府県を抽出する処理のみが、実施の形態1と異なる。すなわち、施設辞書動的変更手段28は、自車が停止中であれば、目的地履歴によって示される地点が含まれる都道府県および自車位置が含まれる都道府県を抽出する。一方、走行中であれば、走行状態と運転技量とに基づき自車位置から走行可能な地点を算出し、この算出した走行可能な地点および自車位置判別手段26から送られてくる自車位置が含まれる都道府県が含まれる都道府県を抽出する。
【0072】
以下、実施の形態1と同様に、ステップST11で抽出された都道府県に属する施設名が抽出され(ステップST12)、動的施設辞書121bが作成される(ステップST13)。これにより、既に存在する「都道府県名+施設名」の他に、「施設名」のみで認識可能となる認識語彙が記憶された動的施設辞書121bが作成されるので、ユーザは自己が過去に目的地として設定した都道府県または自車位置が含まれる都道府県にある施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することができる。
【0073】
以上説明したように、この発明の実施の形態6に係る施設検索装置によれば、運転手の運転技量と自車の走行または停止状態に応じて、自車位置または過去の目的地履歴に基づき、施設が属する都道府県を事前に予測し、検索対象範囲を設定するように構成したので、音声認識を利用した効率的な施設検索が可能になる。
【0074】
実施の形態7.
この発明の実施の形態7に係る施設検索装置は、実施の形態5に係る施設検索装置において、検索された施設が自車位置から所定距離以上離れていれば、それを目的地侯補として提示してよいかをユーザに問い合わせるようにしたものである。
【0075】
図10は、実施の形態7に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。この施設検索装置は、実施の形態5に係る施設検索装置に、ユーザ確認手段31が追加されるとともに、施設検索手段15の機能が変更されて構成されている。以下では、実施の形態5と相違する部分を中心に説明する。
【0076】
ユーザ確認手段31は、音声認識によって検索された施設が自車位置から所定距離以上離れている場合に、それを目的地候補として提示してよいかの問い合わせに対して、ユーザが応答としての確認入力を行うために使用される。このユーザ確認手段31から入力された確認入力は、施設検索手段15に送られる。
【0077】
施設検索手段15は、音声認識手段13から送られてくる施設名をキーとして施設データベース14を検索するとともに、自車位置判別手段26から送られてくる自車位置から、施設データベース14から検索した施設情報によって示される施設までの距離と、ユーザ確認手段31から送られてくる確認入力とに基づき、検索した施設情報をユーザに提示するかを判断し、その判断結果に応じて、検索した施設情報を検索結果出力手段16に送るかどうかを制御する。
【0078】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態7に係る施設検索装置の動作を説明する。なお、この施設検索装置において実行される施設辞書整備処理は、実施の形態5と同じであるので、以下では、施設検索処理についてのみ説明する。
【0079】
施設検索処理は、図4のフローチャートに示す処理のうち、ステップST25で行われる検索結果をユーザに提示する処理のみが、実施の形態5と異なる。すなわち、施設検索手段15は、音声認識された施設名に対応する施設情報を施設データベース14から検索し、検索された施設情報で示される施設の位置と自車位置判別手段26から送られてくる自車位置との距離を計算する。そして、検索された施設の候補のすべてが自車位置から所定距離(例えば自車位置から200km)以内にあると判断すると、検索したすべての施設情報を検索結果出力手段16に送る。これにより、すべての検索結果がユーザに提示される。
【0080】
一方、施設検索手段15は、検索した施設の候補の中に、自車位置から所定距離以上離れた施設が含まれると判断すると、検索結果出力手段16にメッセージを出力することにより、所定距離以内の施設候補の提示と所定距離以上の施設候補の提示の可否の確認を依頼する。この際、検索結果出力手段16は、検索された施設のうち、N件中のn件までは所定距離以内である場合に、1件目からn件目までを順番にユーザに提示し、n件目の施設侯補をユーザに提示した直後に、「○○km以上離れていますが、まだ<N−n>件の候補があります。ご確認されますか?」などといったメッセージをユーザに提示し、ユーザからの確認入力を促す。また、検索された施設のN件すべてが所定距離以内でない場合には、「お探しの施設はすべて○○km以上離れています。ご確認されますか?」などといったメッセージをユーザに提示し、ユーザからの確認入力を促す。
【0081】
ユーザ確認手段31を用いたユーザからの確認入力は、「Yes」または「No」の内容を表す発話か、図示しないキーやタッチパネルを手動で操作することにより行うように構成できる。ユーザ確認手段31は、ユーザからの確認入力を施設検索手段15に送る。施設検索手段15は、ユーザからの確認入力が「No」の場合は、これ以上の施設候補の提示はしない。一方、ユーザからの確認入力が「Yes」の場合は(n+1)番目の候補から続けて検索結果出力手段16を用いて施設候補を提示する。この際、施設検索手段15は、複数の所定距離を保有してユーザヘの候補提示を段階的に行うように構成することができる。また、施設検索手段15は、ユーザからの確認内容を記憶しておき、次回の検索結果の提示時に、その確認内容を用いるように構成することもできる。
【0082】
なお、ユーザヘの確認は毎回行うことも、車載ナビゲーション装置の起動直後の1回だけ行い、以降は施設検索手段15において自動的に決定するように構成することができる。また、ユーザ確認可否の判断を決めるための自車位置からの距離は、ユーザが自由に設定および変更できるように構成することもできる。さらに、その設定変更は、音声操作を利用して行うように構成することもできる。
【0083】
以上説明したように、この発明の実施の形態7に係る施設検索装置によれば、自車位置から相当離れている地点について認識対象とするか否かを問い合わせる枠組みを有しつつ、自車位置または過去の目的地履歴を基に施設が属する都道府県を事前に予測し、検索対象範囲を設定することで、音声認識を利用した効率的な施設検索が可能になる。
【0084】
実施の形態8.
この発明の実施の形態8に係る施設検索装置は、ルート探索の結果に応じて施設に付された施設名の認識語彙を動的施設辞書121bに格納するようにしたものである。
【0085】
図11は、実施の形態8に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。この施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置の目的地履歴記憶手段17および施設辞書変更手段18が、ルート計算手段32およびルート周辺施設辞書動的変更手段33にそれぞれ置き換えられて構成されている。以下では、実施の形態1と相違する部分を中心に説明する。
【0086】
ルート計算手段32は、外部から送られてくる自車位置情報によって示される位置から、図示しない目的地設定手段で目的地として設定された施設までのルートを計算し、ルート周辺施設辞書動的変更手段33に送る。ルート周辺施設辞書動的変更手段33は、ルート計算手段32から送られてくるルートの周辺に存在する施設を抽出し、この抽出した施設が存在する都道府県名を抽出する。そして、抽出された都道府県に属する施設に付された施設名の認識語彙を固定施設辞書121aから読み出し、動的施設辞書121bに格納する。
【0087】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態8に係る施設検索装置の動作を説明する。なお、この施設検索装置において実行される施設検索処理は、実施の形態1と同じであるので、以下では、施設辞書整備処理についてのみ説明する。
【0088】
施設辞書整備処理は、図3のフローチャートに示す処理のうち、ステップST11で行われる目的地履歴から都道府県を抽出する処理のみが、実施の形態1と異なる。すなわち、ルート周辺施設辞書動的変更手段33は、ルート計算手段32から送られてくるルート周辺に存在する施設を抽出し、この抽出した施設が存在する都道府県名を抽出する。
【0089】
以下、実施の形態1と同様に、ステップST11で抽出された都道府県に属する施設名が抽出され(ステップST12)、動的施設辞書121bが作成される(ステップST13)。これにより、既に存在する「都道府県名+施設名」の他に、「施設名」のみで認識可能となる認識語彙が記憶された動的施設辞書121bが作成されるので、ユーザはルート沿いに存在する施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することができる。
【0090】
以上説明したように、この発明の実施の形態8に係る施設検索装置によれば、ルート沿いの施設が属する都道府県を事前に予測し、検索対象範囲を設定することで、音声認識を利用した効率的な施設検索が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置において使用される施設辞書の構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置において実行される施設辞書整備処理を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置において実行される施設検索処理を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態4に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態5に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態6に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態7に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態8に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0092】
11 音声入力手段、12 認識辞書、13 音声認識手段、14 施設データベース、15 施設検索手段、16 検索結果出力手段、17 目的地履歴記憶手段、18 施設辞書変更手段、19 目的地履歴方向検出手段、20,22,25 目的地履歴判別手段、21 目的地履歴ソート手段、23 発話者判別手段、24 発話者別目的地履歴記憶手段、26 自車位置判別手段、27 走行状態判別手段、28 施設辞書動的変更手段、29 走行履歴記憶手段、30 運転技量判別手段、31 ユーザ確認手段、32 ルート計算手段、33 ルート周辺施設辞書動的変更手段、121 施設辞書、121a 固定施設辞書、121b 動的施設辞書、122 住所辞書、122a 都道府県名辞書。
【技術分野】
【0001】
この発明は、音声により施設を検索する施設検索装置に関し、特に検索対象範囲を特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、都道府県名と施設名を発話することにより所望の施設を検索する施設検索装置が知られている。このような施設検索装置として、特許文献1は、車載用ナビゲーション装置に適用して好適な、音声認識機能を備えた地図表示装置を開示している。この地図表示装置は、音声認識部における認識対象語を、予め設定された車両走行経路または現在の車両走行状態から予測される車両走行域のみに関連する地名情報に限定して決定する認識対象語決定部を備えている。これにより、認識対象語彙数を最小限に抑制して、処理速度の低下を防止し、かつ音声認識率を高めながら、画面に表示されていない地域の地図操作、情報検索が可能になっている。
【0003】
また、特許文献2は、車両の目的地を音声により入力し、目的地までの経路を探索する車載用ナビゲーション装置を開示している。この車載用ナビゲーション装置は、車両の目的地となる施設のジャンル別辞書、都道府県名別辞書および名称別辞書を有する階層構造のデータベースと、不特定話者が発声した音声を認識する音声認識手段と、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段とを備え、まず音声認識手段が、入力されたジャンル名を音声認識し、次いで現在位置検出手段により検出された現在位置を基にその位置を含む都道府県を特定し、そこに存在する施設の名称を音声入力する。目的とする施設を音声認識により検索する際に、音声入力回数および音声認識処理時間を削減することにより、誤認識を減少させることができる。
【0004】
また、特許文献3は、少ない入力回数且つ短時間で検索を終了することができ、また、検索語句を制限することで、音声認識に対する作業が軽減され、結果として使用者の発声に対する認識精度を高め、認識率の低下を防ぐことができる車載ナビゲーション装置を開示している。この車載ナビゲーション装置は、元データベースとなるDVD−ROM等に格納された施設名称または市区町村名などを知名度に応じて複数段階のレベル付けを行い、自車位置から遠い地域は全国的に有名な地名や施設のみを部分データベースに格納し、自車位置周辺の地域では有名な地名や施設のみならず知名度の低い施設や地名または交差点名等の語句までを部分データベースに格納する。また、自車位置の変化に応じて部分データベースに格納するデータをデータ更新手段により更新する。
【0005】
【特許文献1】特開平9−42987号公報
【特許文献2】特開平11−325945号公報
【特許文献3】特開2000−74685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に開示された地図表示装置においては、同一都道府県内で自車の進行方向の前方にある施設の都道府県名を外した認識語彙が登録されており、音声認識による施設検索においては、都道府県名の発話を省略することができる。しかしながら、施設名の認識語彙を進行方向の前方の地名に限定することが必ずしもユーザの希望に即しているとは言えず、例えば、過去に目的地として設定した地点の周辺の施設を検索する場合は、都道府県名と施設名を発話しなければならないので、音声による施設検索が効率的でないという問題がある。
【0007】
また、特許文献2に開示された車載用ナビゲーション装置においては、現在位置を含む都道府県を特定し、この特定した都道府県名を省略して読み上げることにより施設検索を行うことができるが、上述した特許文献1に開示された地図表示と同様に、それが必ずしもユーザの希望に即しているとは言えず、例えば、過去に目的地として設定した地点の周辺の施設を検索する場合は、都道府県名と施設名を発話しなければならないので、音声による施設検索が効率的でないという問題がある。
【0008】
また、特許文献3に開示された車載ナビゲーション装置においては、自車位置に応じて部分データベースを更新するように構成されているが、更新対象は現在地周辺に限定されており、例えば、過去に目的地として設定した地点の周辺の施設を検索する場合は、都道府県名と施設名を発話しなければならないので、音声による施設検索が効率的でないという問題がある。
【0009】
この発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、音声による施設検索を効率的に行うことができる施設検索装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る施設検索装置は、上記課題を解決するために、施設名の認識語彙を記憶した固定施設辞書と、固定施設辞書に記憶されている施設名の認識語彙の一部が動的に記憶される動的施設辞書と、目的地として設定された地点を目的地履歴として記憶する目的地履歴記憶手段と、目的地履歴記憶手段に記憶されている目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出して動的施設辞書に格納する施設辞書変更手段と、音声を入力する音声入力手段と、音声入力手段から入力された音声を、動的施設辞書を参照することにより認識して施設名を出力する音声認識手段と、施設情報を記憶する施設データベースと、音声認識手段から出力される施設名に対応する施設情報を施設データベースから検索する施設検索手段と、施設検索手段で検索された施設情報を出力する検索結果出力手段とを備えている。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る施設検索装置によれば、目的地として設定された地点を目的地履歴として記憶しておき、この記憶されている目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出して動的施設辞書に格納し、この動的施設辞書を参照して音声認識を行い、この音声認識により得られた施設名を用いて施設検索を行うように構成したので、ユーザは地域の名称を発話することなく施設名を発話するだけで所望の施設を検索することができる。例えば、従来は「大阪府 ○○」のように、「都道府県名+施設名」と発話することにより施設を検索しているが、過去の目的地履歴に基づき施設が属する地域(都道府県)を事前に予測し、それを検索対象範囲とすることにより、音声による効率的な施設検索を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。この施設検索装置は、例えば車載ナビゲーション装置に搭載されて、音声認識により施設を検索する。この施設検索装置は、音声入力手段11、認識辞書12、音声認識手段13、施設データベース14、施設検索手段15、検索結果出力手段16、目的地履歴記憶手段17および施設辞書変更手段18から構成されている。
【0013】
音声入力手段11は、例えばマイクロフォンから構成されており、ユーザによる発話を入力して電気信号に変換し、音声信号として音声認識手段13に送る。認識辞書12は、施設辞書121、住所辞書122およびコマンド辞書123から構成されており、施設辞書121は、さらに、固定施設辞書121aと動的施設辞書121bとから構成されている。
【0014】
固定施設辞書121aは、図2に示すように、全国の施設に付された施設名の認識語彙を、その施設が属する都道府県別に分割して記憶しており、後述する都道府県名辞書122aとによって階層化されている。ここで、「都道府県」は、この発明の「地域」に対応する。したがって、固定施設辞書121aを用いて施設名を音声認識する場合は、一般に、「都道府県名+施設名」の形式で発話する(都道府県名に続けて施設名を発話する)必要があり、施設が属する都道府県名の発話が必須である。
【0015】
動的施設辞書121bには、図2に示すように、固定施設辞書121aに記憶されている施設名の認識語彙の一部が動的に記憶される。この動的施設辞書121bに格納される施設名の認識語彙は、目的地履歴記憶手段17に記憶されている目的地履歴(過去に目的地として設定された地点の履歴)を記憶する。この動的施設辞書121bを用いることにより、都道府県名を発話しないで施設名だけを発話した場合であっても、その施設名を音声認識することができる。上述した構成により、例えば「△△県○○デパート」(固定施設辞書121aの認識語彙)も「○○デパート」(動的施設辞書121bの認識語彙)も同時に認識することができる。
【0016】
住所辞書122は、認識対象となる住所の認識語彙を記憶している。この住所辞書122には、認識対象となる都道府県名が登録された都道府県名辞書122aが含まれる。この都道府県名辞書122aは、上述したように、固定施設辞書121aを用いて音声認識を行う場合に参照される。コマンド辞書123は、施設検索装置を含む車載ナビゲーション装置を操作するための操作コマンドの認識語彙を記憶している。このコマンド辞書123を用いることにより、車載ナビゲーション装置に種々の指令を音声で与えることができる。
【0017】
音声認識手段13は、認識辞書12を参照することにより、音声入力手段11から送られてくる音声信号に対応する語(施設名、住所、コマンド等)を認識する。この音声認識手段13で認識された語は、施設検索手段15に送られる。施設データベース14は、全国の施設に関する情報、例えば施設名、施設ID、施設ジャンルID、地域ID、住所、電話番号、ホームページアドレス、開店時間等(以下、「施設情報」という)を記憶している。この施設データベース14に記憶されている施設情報は、施設検索手段15によって読み出される。
【0018】
施設検索手段15は、音声認識手段13から音声認識の結果として送られてくる語である施設名をキーとして施設データベース14を検索する。この検索により得られた施設情報は、検索結果出力手段16に送られる。検索結果出力手段16は、例えばディスプレイ装置およびスピーカから構成されており、施設検索手段15から送られてくる施設情報をディスプレイ装置の画面に表示するとともに、スピーカから音声で出力する。これにより、ユーザは、施設検索の結果を知ることができる。
【0019】
目的地履歴記憶手段17は、過去に目的地として設定された地点の履歴、つまり目的地履歴を記憶する。この目的地履歴記憶手段17に記憶されている目的地履歴は、施設辞書変更手段18によって読み出される。施設辞書変更手段18は、目的地履歴記憶手段17に記憶されている目的地履歴に基づき施設辞書12の内容を変更する。具体的には、施設辞書変更手段18は、目的地履歴記憶手段17に記憶されている目的地履歴によって示される地点を含む都道府県に属する施設に付された施設名(ジャンル名、ブランド名などを含む)の認識語彙を固定施設辞書121aから読み出し、動的施設辞書121bに格納する。
【0020】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の動作を説明する。まず、目的地履歴記憶手段17に記憶されている目的地履歴に基づいて、固定施設辞書121aの内容から動的施設辞書121bを作成する「施設辞書整備処理」の詳細を、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0021】
施設辞書整備処理においては、まず、目的地履歴から都道府県が抽出される(ステップST11)。すなわち、施設辞書変更手段18は、目的地履歴記憶手段17から目的地履歴を読み出し、この読み出した目的地履歴によって示される地点が属する都道府県を抽出する。次いで、ステップST11で抽出された都道府県に属する施設名が抽出される(ステップST12)。すなわち、施設辞書変更手段18は、固定施設辞書121aから、ステップST11で抽出された都道府県に属するすべての施設に付された施設名の認識語彙を抽出する。
【0022】
次いで、動的施設辞書121bが作成される(ステップST13)。すなわち、施設辞書変更手段18は、「都道府県名+施設名」からなる階層化された施設名の認識語彙から、「施設名」のみで音声認識を可能とする認識語彙を作成し、それを動的施設辞書121bに格納する。この時、施設名の認識語彙は施設データベース14にあらかじめ紐付けされており、固定施設辞書121aと動的施設辞書121bに同じ認識語彙が格納されている場合に、いずれで音声認識を行っても同じ施設情報を検索することができる。以上により、施設辞書整備処理は終了する。
【0023】
以上のようにして動的施設辞書121bが作成されることにより、ユーザは過去に目的地として設定した都道府県に存在する施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することにより、所望の施設を検索できる。
【0024】
なお、上述した実施の形態1では、目的地履歴によって示される地点が含まれる地域として都道府県という単位を用い、都道府県レベルで動的施設辞書121bを作成するように構成したが、施設辞書121の認識語彙およびそれに紐付けされている施設データベース14に市、区、町、村、大字などといった住所の下位層の情報が格納されている場合は、目的地履歴の住所の下位層のレベルで動的施設辞書121bを作成するように構成できる。例えば、目的地履歴として記憶されている住所が「△△県××市」である場合に、目的地履歴を参照して生成される動的施設辞書121bには「△△県××市」に属する施設名が登録され、都道府県名を省略して「○○デパート」と発話した場合には「△△県××市」に属する○○デパートを検索することができる。
【0025】
次に、音声認識により施設を検索する「施設検索処理」の詳細を、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。この施設検索処理では、ユーザが発話することにより、まず、音声入力が行われる(ステップST21)。すなわち、音声入力手段11は、ユーザの発話を音声信号に変換し、音声認識手段13に送る。次いで、都道府県名が省略されているかどうかが調べられる(ステップST22)。都道府県名を省略した音声入力を行うかどうかは、あらかじめユーザにより設定されるものとする。音声認識手段13は、この設定された内容を参照して、都道府県名が省略されているかどうかを判断する。
【0026】
このステップST22において、都道府県名が省略されていると判断されると、動的施設辞書を用いて施設名が認識される(ステップST23)。すなわち、音声認識手段13は、動的施設辞書121bを参照することにより、音声入力手段11から送られてくる音声信号に対応する施設名を認識し、施設検索手段15に送る。その後、シーケンスはステップST24に進む。
【0027】
一方、上記ステップST22において、都道府県名は省略されていないと判断されると、次いで、都道府県名の認識が行われる(ステップST27)。すなわち、音声認識手段13は、住所辞書122内の都道府県名辞書122aを参照することにより、音声入力手段11から送られてくる音声信号に対応する都道府県名を認識する。次いで、固定施設辞書を用いて施設名が認識される(ステップST28)。すなわち、音声認識手段13は、固定施設辞書121aのうちの、ステップST27で認識された都道府県名に対応する部分を参照することにより、音声入力手段11から送られてくる音声信号に対応する施設名を認識し、施設検索手段15に送る。その後、シーケンスはステップST24に進む。
【0028】
ステップST24においては、施設データベース14の検索が行われる(ステップST24)。すなわち、施設検索手段15は、音声認識手段13から送られてくる施設名をキーとして施設データベース14を検索し、この検索により得られた施設情報を検索結果出力手段16に送る。次いで、検索結果がユーザに提示される(ステップST25)。すなわち、検索結果出力手段16は、施設検索手段15から送られてくる施設情報をディスプレイ装置の画面に表示するとともに、スピーカから音声で出力する。
【0029】
次いで、ユーザによる目的地の設定が行われる(ステップST26)。すなわち、ユーザは、検索結果出力手段16から出力された施設情報によって示される施設を、図示しない操作手段を用いて目的地に設定する。この際、目的地として設定された施設は、目的地履歴として目的地履歴記憶手段17に記憶される。以上により、施設検索処理は終了する。
【0030】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る施設検索装置によれば、過去の目的地履歴に基づき施設が属する都道府県を事前に予測し、検索対象範囲を設定するように構成したので、都道府県名の発話が不要になり、音声認識を利用した効率的な施設検索が可能になる。
【0031】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置において、目的地履歴によって示される施設のうち、自車の前方に存在する施設に付された施設名の認識語彙を動的施設辞書121bに格納するようにしたものである。
【0032】
図5は、実施の形態2に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。この施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置に、目的地履歴方向検出手段19と目的地履歴判別手段20が追加されて構成されている。以下では、実施の形態1と相違する部分を中心に説明する。
【0033】
目的地履歴方向検出手段19は、図示しない位置検出部から送られてくる自車位置情報によって示される自車位置から、目的地履歴記憶手段17から読み出した目的地履歴によって示される地点へ向かう方向と自車の進行方向との間の交角を検出し、この検出した交角を目的地履歴に付して目的地履歴判別手段20に送る。目的地履歴判別手段20は、目的地履歴方向検出手段19から送られてくる目的地履歴のうち、交角が例えば90°未満である目的地履歴を、自車位置から前方にある地点の目的地履歴であると判別し、施設辞書変更手段18に送る。
【0034】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態2に係る施設検索装置の動作を説明する。なお、この施設検索装置において実行される施設検索処理は、実施の形態1と同じであるので、以下では、施設辞書整備処理についてのみ説明する。
【0035】
施設辞書整備処理は、図3のフローチャートに示す処理のうち、ステップST11で行われる目的地履歴から都道府県を抽出する処理のみが、実施の形態1と異なる。すなわち、目的地履歴方向検出手段19は、自車位置から目的地履歴によって示される地点へ向かう方向と自車の進行方向との間の交角を検出し、この検出した交角を目的地履歴に付して目的地履歴判別手段20に送る。目的地履歴判別手段20は、目的地履歴方向検出手段19から送られてくる目的地履歴のうち、交角が所定値未満である目的地履歴を、自車位置から前方にある地点の目的地履歴であると判別し、施設辞書変更手段18に送る。施設辞書変更手段18は、目的地履歴判別手段20から送られてくる目的地履歴によって示される地点が属する都道府県を抽出する。
【0036】
以下、実施の形態1と同様に、ステップST11で抽出された都道府県に属する施設名が抽出され(ステップST12)、動的施設辞書121bが作成される(ステップST13)。これにより、既に存在する「都道府県名+施設名」の他に、「施設名」のみで認識可能となる認識語彙が記憶された動的施設辞書121bが作成されるので、ユーザは過去に目的地として設定し、且つ進行方向の都道府県にある施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することができる。
【0037】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係る施設検索装置によれば、進行方向に存在する施設の目的地履歴に基づき、施設が属する都道府県を事前に予測し、検索対象範囲とするように構成したので、音声認識を利用した効率的な施設検索が可能になる。
【0038】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置において、自車位置から所定距離以内に存在する施設に付された施設名の認識語彙を動的施設辞書121bに登録するようにしたものである。
【0039】
図6は、実施の形態3に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。この施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置に、目的地履歴ソート手段21と目的地履歴判別手段22とが追加されて構成されている。以下では、実施の形態1と相違する部分を中心に説明する。
【0040】
目的地履歴ソート手段21は、目的地履歴記憶手段17から読み出した目的地履歴を、図示しない位置検出部から送られてくる自車位置情報によって示される自車位置から該目的地履歴によって示される地点までの距離によってソートする。この目的地履歴ソート手段21によってソートされた目的地履歴は、目的地履歴判別手段22に送られる。目的地履歴判別手段22は、目的地履歴ソート手段21から送られてくる目的地履歴のうち、該目的地履歴によって示される地点が自車位置から所定距離以内に存在する目的地履歴のみを判別して施設辞書変更手段18に送る。
【0041】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態3に係る施設検索装置の動作を説明する。なお、この施設検索装置において実行される施設検索処理は、実施の形態1と同じであるので、以下では、施設辞書整備処理についてのみ説明する。
【0042】
施設辞書整備処理は、図3のフローチャートに示す処理のうち、ステップST11で行われる目的地履歴から都道府県を抽出する処理のみが、実施の形態1と異なる。すなわち、目的地履歴ソート手段21は、自車位置から目的地履歴によって示される地点までの距離を算出し、この算出した距離によって目的地履歴記憶手段17から読み出した目的地履歴をソートし、目的地履歴判別手段20に送る。
【0043】
目的地履歴判別手段20は、目的地履歴方向検出手段19から送られてくる、自車位置から所定距離以内、例えば50km以内に存在する地点の目的地履歴のみを判別し、施設辞書変更手段18に送る。施設辞書変更手段18は、目的地履歴判別手段20から送られてくる目的地履歴によって示される地点、つまり自車位置から所定距離以内に存在する地点が属する都道府県を抽出する。
【0044】
以下、実施の形態1と同様に、ステップST11で抽出された都道府県に属する施設名が抽出され(ステップST12)、動的施設辞書121bが作成される(ステップST13)。これにより、既に存在する「都道府県名+施設名」の他に、「施設名」のみで認識可能となる認識語彙が記憶された動的施設辞書121bが作成されるので、ユーザは過去に目的地として設定し、且つ自車位置から所定距離以内の都道府県にある施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することができる。
【0045】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係る施設検索装置によれば、自車位置の近傍、つまり自車位置から所定距離以内に存在する施設の目的地履歴に基づき、施設が属する都道府県を事前に予測し、検索対象範囲を設定するように構成したので、音声認識を利用した効率的な施設検索が可能になる。
【0046】
なお、目的地履歴記憶手段17に記憶する目的地履歴に自車が目的地に到着した到着日時を含むように構成し、目的地履歴ソート手段21は、目的地への到着日時によって目的地履歴をソートし、目的地履歴判別手段22は、ソートされた目的地履歴のうち、目的地への到着日時が現在の日時から所定期間以内である目的地履歴を判別し、施設辞書変更手段18に送るように構成できる。この構成により、ユーザは過去に設定した目的地のうち、最近に設定した目的地が含まれる都道府県にある施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することができる。
【0047】
また、目的地履歴ソート手段21は、目的地へ到達した回数によって目的地履歴をソートし、目的地履歴判別手段22は、ソートされた目的地履歴のうち、目的地へ到達した回数が所定値以上である目的地履歴を判別し、施設辞書変更手段18に送るように構成できる。この構成により、ユーザは過去に設定した目的地のうち、目的地として設定した頻度が高い、つまり利用する頻度が高い目的地が含まれる都道府県にある施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することができる。
【0048】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置において、施設に付された施設名の認識語彙を、発話者別に動的施設辞書121bに格納するようにしたものである。
【0049】
図7は、実施の形態4に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。この施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置に発話者判別手段23および目的地履歴判別手段25が追加されるとともに、実施の形態1に係る施設検索装置の目的地履歴記憶手段17が発話者別目的地履歴記憶手段24に置き換えられて構成されている。以下では、実施の形態1と相違する部分を中心に説明する。
【0050】
発話者判別手段23は、音声操作の開始時に登録された音響辞書23aに基づき発話者を判別する。この発話者判別手段23で判別された発話者は、発話者別目的地履歴記憶手段24に送られる。発話者別目的地履歴記憶手段24は、目的地履歴を発話者別に記憶する。すなわち、発話者別目的地履歴記憶手段24には、音声認識などによる目的地設定の際に、目的地履歴に対応付けて発話者の情報が記憶される。この発話者別目的地履歴記憶手段24に記憶されている内容は、目的地履歴判別手段25によって読み出される。目的地履歴判別手段25は、発話者別目的地履歴記憶手段24から読み出した目的地履歴のうち、発話者判別手段23から送られてくる現在の発話者に対応する目的地履歴のみを抽出して施設辞書変更手段18に送る。
【0051】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態4に係る施設検索装置の動作を説明する。なお、この施設検索装置において実行される施設検索処理は、実施の形態1と同じであるので、以下では、施設辞書整備処理についてのみ説明する。
【0052】
施設辞書整備処理は、図3のフローチャートに示す処理のうち、ステップST11で行われる目的地履歴から都道府県を抽出する処理のみが、実施の形態1と異なる。すなわち、目的地履歴判別手段25は、発話者別目的地履歴記憶手段24から目的地履歴を読み出し、発話者判別手段23から送られてくる現在の発話者に対応する目的地履歴を選択し、施設辞書変更手段18に送る。施設辞書変更手段18は、目的地履歴判別手段20から送られてくる目的地履歴によって示される地点が属する都道府県を抽出する。
【0053】
以下、実施の形態1と同様に、ステップST11で抽出された都道府県に属する施設名が抽出され(ステップST12)、動的施設辞書121bが作成される(ステップST13)。これにより、既に存在する「都道府県名+施設名」の他に、「施設名」のみで認識可能となる認識語彙が記憶された動的施設辞書121bが作成されるので、各ユーザは自己が過去に目的地として設定した都道府県にある施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することができる。
【0054】
以上説明したように、この発明の実施の形態4に係る施設検索装置によれば、ユーザ別の目的地履歴に基づき、施設が属する都道府県を事前に予測し、検索対象範囲を設定するように構成したので、各ユーザは、自己に好適な状態で、音声認識を利用した効率的な施設検索が可能になる。
【0055】
なお、発話者判別手段23は、音声操作の開始時に登録された音響辞書23aに基づき発話者を判別するのではなく、発話者別の音響辞書23aを用いて動的に発話者を判別し、目的地履歴判別手段25は、発話者判別手段23から送られてくる判別結果に基づき、発話者別目的地履歴記憶手段24から送られてくる発話者別の目的地履歴を自動的に切り換えるように構成することもできる。
【0056】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置において、自車位置および走行状態に応じて施設に付された施設名の認識語彙を動的施設辞書121bに格納するようにしたものである。
【0057】
図8は、実施の形態5に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。この施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置に、自車位置判別手段26および走行状態判別手段27が追加されるとともに、実施の形態1に係る施設検索装置の施設辞書変更手段18が施設辞書動的変更手段28に置き換えられて構成されている。以下では、実施の形態1と相違する部分を中心に説明する。
【0058】
自車位置判別手段26は、図示しない位置検出部から送られてくる自車位置情報に基づき自車位置を判別する。この自車位置判別手段26により判別された自車位置は、施設辞書動的変更手段28に送られる。走行状態判別手段27は、図示しない車速検出部から送られてくる車速情報に基づき、自車が走行中であるか停止中であるかを判別する。この走行状態判別手段27による判別結果は、施設辞書動的変更手段28に送られる。
【0059】
施設辞書動的変更手段28は、走行状態判別手段27から送られてくる判別結果が停止中を示している場合は、目的地履歴記憶手段17から送られてくる目的地履歴によって示される地点が含まれる都道府県および自車位置判別手段26から送られてくる自車位置が含まれる都道府県に属する施設に付された施設名の認識語彙を固定施設辞書121aから読み出し、動的施設辞書121bに格納する。一方、施設辞書動的変更手段28は、走行状態判別手段27から送られてくる判別結果が走行中を示している場合は、自車位置判別手段26から送られてくる自車位置が含まれる都道府県に属する施設に付された施設名の認識語彙を固定施設辞書121aから読み出し、動的施設辞書121bに格納する。
【0060】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態5に係る施設検索装置の動作を説明する。なお、この施設検索装置において実行される施設検索処理は、実施の形態1と同じであるので、以下では、施設辞書整備処理についてのみ説明する。
【0061】
施設辞書整備処理は、図3のフローチャートに示す処理のうち、ステップST11で行われる目的地履歴から都道府県を抽出する処理のみが、実施の形態1と異なる。すなわち、施設辞書動的変更手段28は、走行状態判別手段27から送られてくる判別結果が停止中を示している場合は、目的地履歴記憶手段17から送られてくる目的地履歴によって示される地点が含まれる都道府県および自車位置判別手段26から送られてくる自車位置が含まれる都道府県を抽出する。一方、走行状態判別手段27から送られてくる判別結果が停止中を示している場合は、自車位置判別手段26から送られてくる自車位置が含まれる都道府県を抽出する。
【0062】
以下、実施の形態1と同様に、ステップST11で抽出された都道府県に属する施設名が抽出され(ステップST12)、動的施設辞書121bが作成される(ステップST13)。これにより、既に存在する「都道府県名+施設名」の他に、「施設名」のみで認識可能となる認識語彙が記憶された動的施設辞書121bが作成されるので、ユーザは自己が過去に目的地として設定した都道府県または自車位置が含まれる都道府県にある施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することができる。
【0063】
以上説明したように、この発明の実施の形態5に係る施設検索装置によれば、自車の走行または停止状態に応じて、自車位置または過去の目的地履歴に基づき、施設が属する都道府県を事前に予測し、検索対象範囲を設定するように構成したので、音声認識を利用した効率的な施設検索が可能になる。
【0064】
実施の形態6.
この発明の実施の形態6に係る施設検索装置は、実施の形態5に係る施設検索装置において、運転技量に応じて施設に付された施設名の認識語彙を動的施設辞書121bに格納するようにしたものである。
【0065】
図9は、実施の形態6に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。この施設検索装置は、実施の形態5に係る施設検索装置に、走行履歴記憶手段29および運転技量判別手段30が追加されて構成されている。以下では、実施の形態5と相違する部分を中心に説明する。
【0066】
走行状態判別手段27は、図示しない車速検出部から送られてくる車速情報に基づき自車が走行中であるか停止中であるかを判別し、車速情報とともに判別結果を施設辞書動的変更手段28および走行履歴記憶手段29に送る。走行履歴記憶手段29は、走行状態判別手段27から送られてくる車速情報に基づいて算出された自車の走行距離および目的地履歴記憶手段17から送られてくる目的地履歴を走行履歴として記憶する。この走行履歴記憶手段29に記憶された走行履歴は、運転技量判別手段30に送られる。
【0067】
運転技量判別手段30は、走行履歴記憶手段29から送られてくる走行履歴から運転技量を判別する。運転技量の判別は、例えば、走行距離と目的地履歴に登録された件数から線形予測することにより行われる。この運転技量判別手段30における判別結果は、運転技量として施設辞書動的変更手段28に送られる。
【0068】
施設辞書動的変更手段28は、走行状態判別手段27から送られてくる判別結果が停止中を示している場合は、目的地履歴記憶手段17から送られてくる目的地履歴によって示される地点が含まれる都道府県および自車位置判別手段26から送られてくる自車位置が含まれる都道府県に属する施設に付された施設名の認識語彙を固定施設辞書121aから読み出し、動的施設辞書121bに格納する。
【0069】
一方、施設辞書動的変更手段28は、走行状態判別手段27から送られてくる判別結果が走行中を示している場合は、自車位置判別手段26から送られてくる自車位置から、走行状態判別手段27から送られてくる走行状態と運転技量判別手段30から送られてくる運転技量とに基づき走行可能な地点を算出する。そして、自車位置判別手段26から送られてくる自車位置が含まれる都道府県および算出した走行可能な地点が含まれる都道府県に属する施設に付された施設名の認識語彙を固定施設辞書121aから読み出し、動的施設辞書121bに格納する。
【0070】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態6に係る施設検索装置の動作を説明する。なお、この施設検索装置において実行される施設検索処理は、実施の形態1と同じであるので、以下では、施設辞書整備処理についてのみ説明する。
【0071】
施設辞書整備処理は、図3のフローチャートに示す処理のうち、ステップST11で行われる目的地履歴から都道府県を抽出する処理のみが、実施の形態1と異なる。すなわち、施設辞書動的変更手段28は、自車が停止中であれば、目的地履歴によって示される地点が含まれる都道府県および自車位置が含まれる都道府県を抽出する。一方、走行中であれば、走行状態と運転技量とに基づき自車位置から走行可能な地点を算出し、この算出した走行可能な地点および自車位置判別手段26から送られてくる自車位置が含まれる都道府県が含まれる都道府県を抽出する。
【0072】
以下、実施の形態1と同様に、ステップST11で抽出された都道府県に属する施設名が抽出され(ステップST12)、動的施設辞書121bが作成される(ステップST13)。これにより、既に存在する「都道府県名+施設名」の他に、「施設名」のみで認識可能となる認識語彙が記憶された動的施設辞書121bが作成されるので、ユーザは自己が過去に目的地として設定した都道府県または自車位置が含まれる都道府県にある施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することができる。
【0073】
以上説明したように、この発明の実施の形態6に係る施設検索装置によれば、運転手の運転技量と自車の走行または停止状態に応じて、自車位置または過去の目的地履歴に基づき、施設が属する都道府県を事前に予測し、検索対象範囲を設定するように構成したので、音声認識を利用した効率的な施設検索が可能になる。
【0074】
実施の形態7.
この発明の実施の形態7に係る施設検索装置は、実施の形態5に係る施設検索装置において、検索された施設が自車位置から所定距離以上離れていれば、それを目的地侯補として提示してよいかをユーザに問い合わせるようにしたものである。
【0075】
図10は、実施の形態7に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。この施設検索装置は、実施の形態5に係る施設検索装置に、ユーザ確認手段31が追加されるとともに、施設検索手段15の機能が変更されて構成されている。以下では、実施の形態5と相違する部分を中心に説明する。
【0076】
ユーザ確認手段31は、音声認識によって検索された施設が自車位置から所定距離以上離れている場合に、それを目的地候補として提示してよいかの問い合わせに対して、ユーザが応答としての確認入力を行うために使用される。このユーザ確認手段31から入力された確認入力は、施設検索手段15に送られる。
【0077】
施設検索手段15は、音声認識手段13から送られてくる施設名をキーとして施設データベース14を検索するとともに、自車位置判別手段26から送られてくる自車位置から、施設データベース14から検索した施設情報によって示される施設までの距離と、ユーザ確認手段31から送られてくる確認入力とに基づき、検索した施設情報をユーザに提示するかを判断し、その判断結果に応じて、検索した施設情報を検索結果出力手段16に送るかどうかを制御する。
【0078】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態7に係る施設検索装置の動作を説明する。なお、この施設検索装置において実行される施設辞書整備処理は、実施の形態5と同じであるので、以下では、施設検索処理についてのみ説明する。
【0079】
施設検索処理は、図4のフローチャートに示す処理のうち、ステップST25で行われる検索結果をユーザに提示する処理のみが、実施の形態5と異なる。すなわち、施設検索手段15は、音声認識された施設名に対応する施設情報を施設データベース14から検索し、検索された施設情報で示される施設の位置と自車位置判別手段26から送られてくる自車位置との距離を計算する。そして、検索された施設の候補のすべてが自車位置から所定距離(例えば自車位置から200km)以内にあると判断すると、検索したすべての施設情報を検索結果出力手段16に送る。これにより、すべての検索結果がユーザに提示される。
【0080】
一方、施設検索手段15は、検索した施設の候補の中に、自車位置から所定距離以上離れた施設が含まれると判断すると、検索結果出力手段16にメッセージを出力することにより、所定距離以内の施設候補の提示と所定距離以上の施設候補の提示の可否の確認を依頼する。この際、検索結果出力手段16は、検索された施設のうち、N件中のn件までは所定距離以内である場合に、1件目からn件目までを順番にユーザに提示し、n件目の施設侯補をユーザに提示した直後に、「○○km以上離れていますが、まだ<N−n>件の候補があります。ご確認されますか?」などといったメッセージをユーザに提示し、ユーザからの確認入力を促す。また、検索された施設のN件すべてが所定距離以内でない場合には、「お探しの施設はすべて○○km以上離れています。ご確認されますか?」などといったメッセージをユーザに提示し、ユーザからの確認入力を促す。
【0081】
ユーザ確認手段31を用いたユーザからの確認入力は、「Yes」または「No」の内容を表す発話か、図示しないキーやタッチパネルを手動で操作することにより行うように構成できる。ユーザ確認手段31は、ユーザからの確認入力を施設検索手段15に送る。施設検索手段15は、ユーザからの確認入力が「No」の場合は、これ以上の施設候補の提示はしない。一方、ユーザからの確認入力が「Yes」の場合は(n+1)番目の候補から続けて検索結果出力手段16を用いて施設候補を提示する。この際、施設検索手段15は、複数の所定距離を保有してユーザヘの候補提示を段階的に行うように構成することができる。また、施設検索手段15は、ユーザからの確認内容を記憶しておき、次回の検索結果の提示時に、その確認内容を用いるように構成することもできる。
【0082】
なお、ユーザヘの確認は毎回行うことも、車載ナビゲーション装置の起動直後の1回だけ行い、以降は施設検索手段15において自動的に決定するように構成することができる。また、ユーザ確認可否の判断を決めるための自車位置からの距離は、ユーザが自由に設定および変更できるように構成することもできる。さらに、その設定変更は、音声操作を利用して行うように構成することもできる。
【0083】
以上説明したように、この発明の実施の形態7に係る施設検索装置によれば、自車位置から相当離れている地点について認識対象とするか否かを問い合わせる枠組みを有しつつ、自車位置または過去の目的地履歴を基に施設が属する都道府県を事前に予測し、検索対象範囲を設定することで、音声認識を利用した効率的な施設検索が可能になる。
【0084】
実施の形態8.
この発明の実施の形態8に係る施設検索装置は、ルート探索の結果に応じて施設に付された施設名の認識語彙を動的施設辞書121bに格納するようにしたものである。
【0085】
図11は、実施の形態8に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。この施設検索装置は、実施の形態1に係る施設検索装置の目的地履歴記憶手段17および施設辞書変更手段18が、ルート計算手段32およびルート周辺施設辞書動的変更手段33にそれぞれ置き換えられて構成されている。以下では、実施の形態1と相違する部分を中心に説明する。
【0086】
ルート計算手段32は、外部から送られてくる自車位置情報によって示される位置から、図示しない目的地設定手段で目的地として設定された施設までのルートを計算し、ルート周辺施設辞書動的変更手段33に送る。ルート周辺施設辞書動的変更手段33は、ルート計算手段32から送られてくるルートの周辺に存在する施設を抽出し、この抽出した施設が存在する都道府県名を抽出する。そして、抽出された都道府県に属する施設に付された施設名の認識語彙を固定施設辞書121aから読み出し、動的施設辞書121bに格納する。
【0087】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態8に係る施設検索装置の動作を説明する。なお、この施設検索装置において実行される施設検索処理は、実施の形態1と同じであるので、以下では、施設辞書整備処理についてのみ説明する。
【0088】
施設辞書整備処理は、図3のフローチャートに示す処理のうち、ステップST11で行われる目的地履歴から都道府県を抽出する処理のみが、実施の形態1と異なる。すなわち、ルート周辺施設辞書動的変更手段33は、ルート計算手段32から送られてくるルート周辺に存在する施設を抽出し、この抽出した施設が存在する都道府県名を抽出する。
【0089】
以下、実施の形態1と同様に、ステップST11で抽出された都道府県に属する施設名が抽出され(ステップST12)、動的施設辞書121bが作成される(ステップST13)。これにより、既に存在する「都道府県名+施設名」の他に、「施設名」のみで認識可能となる認識語彙が記憶された動的施設辞書121bが作成されるので、ユーザはルート沿いに存在する施設名を検索したいときに、都道府県名を省略して発話することができる。
【0090】
以上説明したように、この発明の実施の形態8に係る施設検索装置によれば、ルート沿いの施設が属する都道府県を事前に予測し、検索対象範囲を設定することで、音声認識を利用した効率的な施設検索が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置において使用される施設辞書の構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置において実行される施設辞書整備処理を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置において実行される施設検索処理を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態4に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態5に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態6に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態7に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態8に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0092】
11 音声入力手段、12 認識辞書、13 音声認識手段、14 施設データベース、15 施設検索手段、16 検索結果出力手段、17 目的地履歴記憶手段、18 施設辞書変更手段、19 目的地履歴方向検出手段、20,22,25 目的地履歴判別手段、21 目的地履歴ソート手段、23 発話者判別手段、24 発話者別目的地履歴記憶手段、26 自車位置判別手段、27 走行状態判別手段、28 施設辞書動的変更手段、29 走行履歴記憶手段、30 運転技量判別手段、31 ユーザ確認手段、32 ルート計算手段、33 ルート周辺施設辞書動的変更手段、121 施設辞書、121a 固定施設辞書、121b 動的施設辞書、122 住所辞書、122a 都道府県名辞書。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設名の認識語彙を記憶した固定施設辞書と、
前記固定施設辞書に記憶されている施設名の認識語彙の一部が動的に記憶される動的施設辞書と、
目的地として設定された地点を目的地履歴として記憶する目的地履歴記憶手段と、
前記目的地履歴記憶手段に記憶されている目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を前記固定施設辞書から読み出して前記動的施設辞書に格納する施設辞書変更手段と、
音声を入力する音声入力手段と、
前記音声入力手段から入力された音声を、前記動的施設辞書を参照することにより認識して施設名を出力する音声認識手段と、
施設情報を記憶する施設データベースと、
前記音声認識手段から出力される施設名に対応する施設情報を前記施設データベースから検索する施設検索手段と、
前記施設検索手段で検索された施設情報を出力する検索結果出力手段
とを備えた施設検索装置。
【請求項2】
目的地履歴記憶手段に記憶されている目的地履歴によって示される地点の自車位置からの方向と自車の進行方向との交角を検出し、該目的地履歴に付して出力する目的地履歴方向検出手段と、
前記目的地履歴方向検出手段から出力される目的地履歴から、交角が所定値未満の目的地履歴を判別する目的地履歴判別手段とを備え、
施設辞書変更手段は、前記目的地履歴判別手段で判別された目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出して動的施設辞書に格納する
ことを特徴とする請求項1記載の施設検索装置。
【請求項3】
目的地履歴記憶手段に記憶されている目的地履歴を、自車位置から該目的地履歴によって示される地点までの距離によってソートする目的地履歴ソート手段と、
前記目的地履歴ソート手段によってソートされた目的地履歴によって示される地点が自車位置から所定距離以内にある目的地履歴を判別する目的地履歴判別手段とを備え、
施設辞書変更手段は、前記目的地履歴判別手段で判別された目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出して動的施設辞書に格納する
ことを特徴とする請求項1記載の施設検索装置。
【請求項4】
目的地履歴記憶手段に記憶されている目的地履歴を、該目的地履歴によって示される目的地への到着日時によってソートする目的地履歴ソート手段と、
前記目的地履歴ソート手段でソートされた目的地履歴のうち、該目的地履歴によって示される目的地への到着日時が現在の日時から所定期間以内である目的地履歴を判別する目的地履歴変別手段とを備え、
施設辞書変更手段は、前記目的地履歴判別手段で判別された目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出して動的施設辞書に格納する
ことを特徴とする請求項1記載の施設検索装置。
【請求項5】
目的地履歴記憶手段に記憶されている目的地履歴を、該目的地履歴によって示される目的地に到達した回数によってソートする目的地履歴ソート手段と、
前記目的地履歴ソート手段でソートされた目的地履歴のうち、該目的地履歴によって示される目的地に到達した回数が所定値以上である目的地履歴を判別する目的地履歴変別手段とを備え、
施設辞書変更手段は、前記目的地履歴判別手段で判別された目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出して動的施設辞書に格納する
ことを特徴とする請求項1記載の施設検索装置。
【請求項6】
発話者を判別する発話者判別手段と、
目的地として設定された地点を発話者別に目的地履歴として記憶する発話者別目的地履歴記憶手段と、
前記発話者別目的地履歴記憶手段から送られてくる目的地履歴から、前記発話者判別手段によって判別された発話者別の目的地履歴を判別する目的地履歴判別手段とを備え、
施設辞書変更手段は、前記目的地履歴判別手段で判別された目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出して動的施設辞書に格納する
ことを特徴とする請求項1記載の施設検索装置。
【請求項7】
発話者別の音響辞書を備え、
発話者判別手段は、前記音響辞書を用いて発話者を動的に判別し、
目的地履歴判別手段は、発話者別目的地履歴記憶手段から送られてくる目的地履歴を、前記発話者判別手段から送られてくる判別結果に基づき自動的に切り替える
ことを特徴とする請求項6記載の施設検索装置
【請求項8】
外部から送られてくる自車位置情報に基づき自車位置を判別する自車位置判別手段と、
外部から送られてくる車速情報に基づき走行状態を判別する走行状態判別手段と、
前記走行状態判別手段から送られてくる判別結果が停止中を示している場合は、目的地履歴記憶手段から送られてくる目的地履歴によって示される地点が含まれる地域および前記自車位置判別手段から送られてくる自車位置が含まれる地域に属する施設に付された施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出し、前記走行状態判別手段から送られてくる判別結果が走行中を示している場合は、前記自車位置判別手段から送られてくる自車位置が含まれる地域に属する施設に付された施設名の認識語彙を前記固定施設辞書から読み出して、動的施設辞書に格納する施設辞書動的変更手段
とを備えたことを特徴とする請求項1記載の施設検索装置。
【請求項9】
走行状態判別手段から送られてくる走行状態に基づき走行履歴を記憶する走行履歴記憶手段と、
前記走行履歴記憶手段に記憶されている走行履歴に基づき運転技量を判別する運転技量判別手段とを備え、
施設辞書動的変更手段は、前記走行状態判別手段から送られてくる判別結果が停止中を示している場合は、目的地履歴記憶手段から送られてくる目的地履歴によって示される地点が含まれる地域および前記自車位置判別手段から送られてくる自車位置が含まれる地域に属する施設に付された施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出し、前記走行状態判別手段から送られてくる判別結果が走行中を示している場合は、自車位置判別手段で判別された自車位置から前記運転技量判別手段で判別された運転技量に応じて決定される走行可能な地点が含まれる地域および前記自車位置判別手段から送られてくる自車位置が含まれる地域に属する施設に付された施設名の認識語彙を前記固定施設辞書から読み出して、動的施設辞書に格納する
ことを特徴とする請求項8記載の施設検索装置。
【請求項10】
確認を入力するユーザ確認手段を備え、
施設検索手段は、音声認識手段から出力される施設名に対応する施設情報を施設データベースから検索し、該検索により得られた施設情報によって示される施設が自車位置判別手段から送られてくる自車位置から所定距離以上離れている場合に、該施設を目的地候補として提示してよいかどうかを検索結果出力手段に出力し、前記ユーザ確認手段から送られてくる確認の入力に応じて、前記検索により得られた施設情報を検索結果出力手段に出力するかどうかを制御する
ことを特徴とする請求項8記載の施設検索装置。
【請求項11】
施設名の認識語彙を記憶した固定施設辞書と、
前記固定施設辞書に記憶されている施設名の認識語彙の一部が動的に記憶される動的施設辞書と、
目的地として設定された地点までのルートを計算するルート計算手段と、
前記ルート計算手段で計算されたルートの周辺に存在する施設に付された施設名の認識語彙を前記固定施設辞書から読み出して前記動的施設辞書に格納する施設辞書変更手段と、
音声を入力する音声入力手段と、
前記音声入力手段から入力された音声を、前記動的施設辞書を参照することにより認識し、該認識した施設名を出力する音声認識手段と、
施設情報を記憶する施設データベースと、
前記音声認識手段から出力される施設名に対応する施設情報を前記施設データベースから検索する施設検索手段と、
前記施設検索手段で検索された施設情報を出力する検索結果出力手段
とを備えた施設検索装置。
【請求項1】
施設名の認識語彙を記憶した固定施設辞書と、
前記固定施設辞書に記憶されている施設名の認識語彙の一部が動的に記憶される動的施設辞書と、
目的地として設定された地点を目的地履歴として記憶する目的地履歴記憶手段と、
前記目的地履歴記憶手段に記憶されている目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を前記固定施設辞書から読み出して前記動的施設辞書に格納する施設辞書変更手段と、
音声を入力する音声入力手段と、
前記音声入力手段から入力された音声を、前記動的施設辞書を参照することにより認識して施設名を出力する音声認識手段と、
施設情報を記憶する施設データベースと、
前記音声認識手段から出力される施設名に対応する施設情報を前記施設データベースから検索する施設検索手段と、
前記施設検索手段で検索された施設情報を出力する検索結果出力手段
とを備えた施設検索装置。
【請求項2】
目的地履歴記憶手段に記憶されている目的地履歴によって示される地点の自車位置からの方向と自車の進行方向との交角を検出し、該目的地履歴に付して出力する目的地履歴方向検出手段と、
前記目的地履歴方向検出手段から出力される目的地履歴から、交角が所定値未満の目的地履歴を判別する目的地履歴判別手段とを備え、
施設辞書変更手段は、前記目的地履歴判別手段で判別された目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出して動的施設辞書に格納する
ことを特徴とする請求項1記載の施設検索装置。
【請求項3】
目的地履歴記憶手段に記憶されている目的地履歴を、自車位置から該目的地履歴によって示される地点までの距離によってソートする目的地履歴ソート手段と、
前記目的地履歴ソート手段によってソートされた目的地履歴によって示される地点が自車位置から所定距離以内にある目的地履歴を判別する目的地履歴判別手段とを備え、
施設辞書変更手段は、前記目的地履歴判別手段で判別された目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出して動的施設辞書に格納する
ことを特徴とする請求項1記載の施設検索装置。
【請求項4】
目的地履歴記憶手段に記憶されている目的地履歴を、該目的地履歴によって示される目的地への到着日時によってソートする目的地履歴ソート手段と、
前記目的地履歴ソート手段でソートされた目的地履歴のうち、該目的地履歴によって示される目的地への到着日時が現在の日時から所定期間以内である目的地履歴を判別する目的地履歴変別手段とを備え、
施設辞書変更手段は、前記目的地履歴判別手段で判別された目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出して動的施設辞書に格納する
ことを特徴とする請求項1記載の施設検索装置。
【請求項5】
目的地履歴記憶手段に記憶されている目的地履歴を、該目的地履歴によって示される目的地に到達した回数によってソートする目的地履歴ソート手段と、
前記目的地履歴ソート手段でソートされた目的地履歴のうち、該目的地履歴によって示される目的地に到達した回数が所定値以上である目的地履歴を判別する目的地履歴変別手段とを備え、
施設辞書変更手段は、前記目的地履歴判別手段で判別された目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出して動的施設辞書に格納する
ことを特徴とする請求項1記載の施設検索装置。
【請求項6】
発話者を判別する発話者判別手段と、
目的地として設定された地点を発話者別に目的地履歴として記憶する発話者別目的地履歴記憶手段と、
前記発話者別目的地履歴記憶手段から送られてくる目的地履歴から、前記発話者判別手段によって判別された発話者別の目的地履歴を判別する目的地履歴判別手段とを備え、
施設辞書変更手段は、前記目的地履歴判別手段で判別された目的地履歴によって示される地点を含む地域に属する施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出して動的施設辞書に格納する
ことを特徴とする請求項1記載の施設検索装置。
【請求項7】
発話者別の音響辞書を備え、
発話者判別手段は、前記音響辞書を用いて発話者を動的に判別し、
目的地履歴判別手段は、発話者別目的地履歴記憶手段から送られてくる目的地履歴を、前記発話者判別手段から送られてくる判別結果に基づき自動的に切り替える
ことを特徴とする請求項6記載の施設検索装置
【請求項8】
外部から送られてくる自車位置情報に基づき自車位置を判別する自車位置判別手段と、
外部から送られてくる車速情報に基づき走行状態を判別する走行状態判別手段と、
前記走行状態判別手段から送られてくる判別結果が停止中を示している場合は、目的地履歴記憶手段から送られてくる目的地履歴によって示される地点が含まれる地域および前記自車位置判別手段から送られてくる自車位置が含まれる地域に属する施設に付された施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出し、前記走行状態判別手段から送られてくる判別結果が走行中を示している場合は、前記自車位置判別手段から送られてくる自車位置が含まれる地域に属する施設に付された施設名の認識語彙を前記固定施設辞書から読み出して、動的施設辞書に格納する施設辞書動的変更手段
とを備えたことを特徴とする請求項1記載の施設検索装置。
【請求項9】
走行状態判別手段から送られてくる走行状態に基づき走行履歴を記憶する走行履歴記憶手段と、
前記走行履歴記憶手段に記憶されている走行履歴に基づき運転技量を判別する運転技量判別手段とを備え、
施設辞書動的変更手段は、前記走行状態判別手段から送られてくる判別結果が停止中を示している場合は、目的地履歴記憶手段から送られてくる目的地履歴によって示される地点が含まれる地域および前記自車位置判別手段から送られてくる自車位置が含まれる地域に属する施設に付された施設名の認識語彙を固定施設辞書から読み出し、前記走行状態判別手段から送られてくる判別結果が走行中を示している場合は、自車位置判別手段で判別された自車位置から前記運転技量判別手段で判別された運転技量に応じて決定される走行可能な地点が含まれる地域および前記自車位置判別手段から送られてくる自車位置が含まれる地域に属する施設に付された施設名の認識語彙を前記固定施設辞書から読み出して、動的施設辞書に格納する
ことを特徴とする請求項8記載の施設検索装置。
【請求項10】
確認を入力するユーザ確認手段を備え、
施設検索手段は、音声認識手段から出力される施設名に対応する施設情報を施設データベースから検索し、該検索により得られた施設情報によって示される施設が自車位置判別手段から送られてくる自車位置から所定距離以上離れている場合に、該施設を目的地候補として提示してよいかどうかを検索結果出力手段に出力し、前記ユーザ確認手段から送られてくる確認の入力に応じて、前記検索により得られた施設情報を検索結果出力手段に出力するかどうかを制御する
ことを特徴とする請求項8記載の施設検索装置。
【請求項11】
施設名の認識語彙を記憶した固定施設辞書と、
前記固定施設辞書に記憶されている施設名の認識語彙の一部が動的に記憶される動的施設辞書と、
目的地として設定された地点までのルートを計算するルート計算手段と、
前記ルート計算手段で計算されたルートの周辺に存在する施設に付された施設名の認識語彙を前記固定施設辞書から読み出して前記動的施設辞書に格納する施設辞書変更手段と、
音声を入力する音声入力手段と、
前記音声入力手段から入力された音声を、前記動的施設辞書を参照することにより認識し、該認識した施設名を出力する音声認識手段と、
施設情報を記憶する施設データベースと、
前記音声認識手段から出力される施設名に対応する施設情報を前記施設データベースから検索する施設検索手段と、
前記施設検索手段で検索された施設情報を出力する検索結果出力手段
とを備えた施設検索装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−327913(P2007−327913A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−161236(P2006−161236)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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