説明

木繊維−プラスチック複合材製品を製造する方法

リグノセルロース材料の繊維又は天然繊維と、プラスチック材料とを含む複合材製品を製造する方法は、熱硬化性樹脂及び熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマーを含む液体又は粒状のバインダー調合物を利用する。プラスチック製造における供給原料として使用するために又はプラスチック製造における供給原料を作る際に使用するために作られる複合材製品は、プラスチック押出機において熱及び機械的剪断の下で細分化されて、前記繊維の大部分を放出し得るか、又は前記製品は、他の形態の中間製品として若しくは最終製品として有用であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック製造における供給原料として使用するために若しくは供給原料を作る際に使用するために、又は、他の形態の中間製品として若しくは最終製品として使用するために、リグノセルロース材料の繊維又は天然繊維と、プラスチック材料とを含む複合材製品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルロース系材料とプラスチックとの組み合わせは、25年以上前に初めて開発された。
この方法のための材料は、予め混合され、詰め込み供給された。押出及び射出成形を含む従来のプラスチック製造技術に一般的に基づく専門的マシンが、近時、開発されて来ている。使用されるプラスチックとしては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)及びポリ塩化ビニル(PVC)が挙げられ、使用される充填材としては、木粉、亜麻、黄麻及び他のセルロース系繊維充填材が挙げられる。より多くのセルロース系材料をプラスチックに添加すると、価格はしばしば下がり、木材プラスチック「原(raw)」材料の剛性はしばしば高くなる。これらの木材プラスチックから製造される複合材製品は、一般的には、釘付けされ、塗装され、あるいは木材として処理され得る一方、カビ及び腐食抵抗の分野におけるプラスチックの利点の多くが潜在的に保持される。
【0003】
低暈密度の天然繊維又は木繊維を押出機又は射出成形機又は他のプラスチック処理機に導入することには、特に、計量又は測定して導入する(組成物における所望の繊維容量部を達成するのに重要である)ことには、いくつかの困難がある。前記繊維の固有の高容量/低質量特性、前記繊維における自由流動性の欠如、及び繊維の結束又はもつれにより、プラスチック処理機のポート穴又はオリフィスへの直接的な制御供給を達成することは簡単なことではない。いくつかの繊維フィーダーが存在するが、それらは、高価であり、且つ/又は、木材及び他の天然繊維に関する広範な繊維供給比にわたって均一に計量する場合には不確実又は不正確である。更に、前記繊維は、吸湿性であり、通常は望ましくなく、プラスチック処理の前に実質的に除去される必要がある多量の水を保持又は再吸収するので、前記の供給/使用前に高容量−低質量の繊維を予め乾燥させることが必要である。
【0004】
国際特許出願PCT/NZ2005/000140は、プラスチック製造における供給原料として使用するために、リグノセルロース材料の繊維又は天然繊維を含む(本明細書で規定される)ペレット又は顆粒を製造するための方法を開示しており、そしてその方法は、リグノセルロース材料又は天然繊維を機械的に又は熱機械的に又は化学熱機械的に又は化学機械的に細分化することによって製造された繊維を、乾燥空気流又は湿潤空気流で輸送する工程、前記繊維を輸送しながら、1種又は複数種のポリマー、モノマー、又はオリゴマーを含む液体調合物を前記繊維に塗布する工程、前記繊維を固体製品へと成形する工程、そしてその固体製品を細分化して、プラスチック製造において供給原料として有用な木材−プラスチック複合材ペレット又は顆粒を製造する工程を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プラスチック製造における供給原料として使用するために若しくは供給原料を作る際に使用するために、又は、他の形態の中間製品として使用するために若しくは最終製品として使用するために、リグノセルロース材料の繊維又は天然繊維とプラスチック材料とを含む複合材製品を製造するための、改良された又は少なくとも代替のプロセス若しくは方法を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
広義には、一態様において、本発明は、プラスチック製造における供給原料として使用するために又はプラスチック製造における供給原料を作る際に使用するために、リグノセルロース材料の繊維又は天然繊維を含む製品を製造する方法を含み、そしてその方法は、リグノセルロース材料又は天然繊維を、機械的に又は熱機械的に又は化学熱機械的に又は化学機械的に細分化することによって製造されるバラ繊維又は分離繊維又は繊維束に対して、1種又は複数種の熱硬化性ポリマー及び1種又は複数種の熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマーを含む液体又は粒子状形態の調合物を塗布する工程、及び前記繊維を固化させて固体製品にする工程を含む。
【0007】
リグノセルロース材料の繊維又は天然繊維と、プラスチック材料とを含む得られる複合材製品は、プラスチック製造における、例えばペレット又は顆粒形態の供給原料として若しくは前記供給原料を作る際に、又は他の形態の中間製品として、有用であり得る。また、驚くべきことに、本発明の方法のこの態様の実施態様によって形成される固体製品は、同じ方法ではあるが、熱硬化性バインダーのみ又は熱可塑性バインダーのみによって形成される複合材製品よりも、優れた機械的性質(例えば、引張強度及び/又は剛性)を有し得る、その結果、固体製品は、パネルのような最終製品として、又は例えば中密度繊維板成形品の複合材代替品として有用であり得る、ことも見出した。
【0008】
広義には、別の態様において、本発明は、プラスチック製造における供給原料として使用するために、リグノセルロース材料の繊維又は天然繊維を含むペレット又は顆粒(本明細書で規定される)を製造する方法を含み、そしてその方法は:リグノセルロース材料又は天然繊維を機械的又は熱機械的又は化学熱機械的又は化学機械的に細分化することによって製造されるバラ繊維又は分離繊維又は繊維束を乾燥空気流又は湿潤空気流で輸送し、繊維を輸送しながら、尿素ホルムアルデヒド(UF)及び1種又は複数種の熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマー、又は少量の尿素ホルムアルデヒドを含む液体バインダー調合物を繊維に塗布し、前記繊維を固化させて固体製品にする工程、そして、固体製品を細分化して前記ペレット又は顆粒を製造する工程を含む方法である。
【0009】
この実施態様では、固体製品は、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、6部未満の、好ましくは0.2〜5部の尿素ホルムアルデヒドのみを含んでもよい。いくつかの形態では、ペレット又は顆粒は、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、好ましくは4部又は5部の尿素ホルムアルデヒドのみを含む。
【0010】
熱硬化性バインダーを、プレポリマー合成中に、後の樹脂プレポリマーへブレンドすることによって、又は、例えば熱硬化性からの分離ポイントにおけるフローライン中へ二重注入することによって、添加される熱可塑性ポリマー、オリゴマー若しくはモノマーで、改質すると、又は、少量の熱硬化性樹脂のみをバインダーとして使用すると、それにより、プラスチック押出機又は成形機において、ペレットから繊維をより容易に分散させることができることを見出した。6%〜12%のような従来のUF充填量で製造される例えばUF系ペレットは、ペレットを繊維へとバラバラにするために押出機の押出機バレル内部の剪断応力を最大にする例えば高いスクリュー回転数及び低い送り速度のような最適な複合材特性を得るための極めて特異的な押出条件が必要であり、それにより複合材の所望の機械的特性が達成される。しかし、それらの厳しい押出条件は、熱劣化によって、木繊維を分解し、繊維長の減少を引き起こす可能性もある。本発明の方法によって製造されるペレット又は顆粒は、押出機又は他のプラスチック製造装置においてペレットから繊維が良好に放出されることにより、より低いスクリュー回転数及びより穏やかな剪断条件での押出が容易であり得る。熱可塑性ポリマー、オリゴマー又はモノマーと一緒に記載の熱硬化性バインダーを使用すると、木材−プラスチック複合材供給原料ペレット及びプラスチック製造からの繊維の良好な分散及び放出も提供し得るが、より高コストである熱可塑性バインダーのみを使用した時と比べて、バインダー系のコストも低減させることができ、而して、木材−プラスチック複合材供給原料製品の製造コストも低減させることができる。
【0011】
熱硬化性樹脂が尿素、メラミン又は関連ホルムアルデヒド樹脂である場合、これは、例えば、それらの同じ熱可塑性ポリマー、オリゴマー又はモノマーのみの多くの使用と比較して、含浸された又は被覆された木繊維を製造する際にしばしば必要とされるある程度の難燃性を提供するという更なる利点を有する。
【0012】
木材プラスチック複合材及び天然繊維プラスチック複合材の開発では、2つの主要なカテゴリーが出現した。強化複合材を与える、主に充填材として木粉を使用している複合材及びより長い農業繊維を使用している複合材。木材はコストを低減する充填材として主に機能するが他の利点も実現される第一のカテゴリーは、北アメリカで著しく成長してきた。第二のカテゴリーは、より良好な機械的性質を有する複合材を生成する傾向がある高アスペクト比を有するより高価な農業繊維を利用する。ヨーロッパの自動車産業のセグメントでは、ガラス繊維強化プラスチックから作られてきたインテリア自動車部品のためにこれらの強化材料を広範囲に利用してきている。研究者は、それらの強化能のために高アスペクト比を有する様々な木繊維を調査し、木粉を超える改良された特性が実現された。しかしながら、前記繊維を押出機に供給する場合の問題及びバラバラの木繊維の入手と取り扱いというロジスティックスの問題があった。
【0013】
本発明の実施態様では、例えばHTMP(高温熱機械的パルプ化)を含む従来の中密度繊維板(MDF)プロセスを利用して、木材、又は他の残留繊維を、強化のための十分なアスペクト比を保持しながら、既存のプラスチック処理装置中に供給するのに適する繊維リッチのペレット又は顆粒へと変換することができる。本発明の方法の実施態様により、木粉に比べて、より長い繊維長が保存され、木粉をベースとする複合材に比べて、得られる木材プラスチック複合材(WPC)は、より強く且つより剛性のあるものになる。HTMPは、バイオマスを、リグノセルロース繊維へと大量に変換する最も低コストの技術である。更に、農業繊維のような季節性によって束縛されない、木材の供給源の多さ及び供給の信頼性は、あらゆる製造作業にとって有利である。
【0014】
本発明の方法は、純粋な熱可塑性結合剤を利用している木材プラスチック供給原料ペレットに比べて、より安価であり、そしてより良好な耐火性を有することができ、そしてまた、WPCの改良された機械的性質を促進するように、繊維長の保存を許す条件下で、押出機又は他のプラスチック製造装置において個々の木繊維を放出できる、工業プロセスにおいて効果的に処理するための十分な物理的一体性をペレットが有する、十分な内部結合強さを有する木材プラスチック供給原料ペレットを製造できる。また、ペレットをプラスチックマトリックスと混合する際に使用すると、熱可塑性改質熱硬化系バインダー調合物は、カップリング剤との干渉も低下し得る。更なる利点は、ペレット化の間のわずかな塵生成である。また、驚くべきことに、熱硬化性樹脂バインダーの熱可塑性改質と共に本発明の方法によって形成される固体製品は、例えば引張強度及び/又は剛性のような優れた機械的性質を有することができ、その結果として、固体製品は、例えばパネルのような最終製品として、又は例えば中密度繊維板成形品の複合材代替品として有用であり得る、ことも見出した。
【0015】
他の木粉充填材(粒子、粉)の代わりに長い木繊維を使用することの重要な利点は、充填材、コストセーバー、及び石油化学製品代替物の役割を同時に演じながら、ポリプロピレン(PP)又は高密度ポリエチレン(HDPE)のような熱可塑性樹脂の強化を可能にする高い繊維アスペクト比の強化能である。しかしながら、木繊維及びポリオレフィンは適合性が乏しく(親水性/疎水性)、それ故に、カップリング剤(無水マレイン酸改質ポリオレフィン)を使用して繊維接着力/マトリックス接着力を向上させることができ、その結果として繊維から繊維への効果的な荷重伝達が得られ、複合材強度を強化することができる。
【0016】
本明細書及び請求項に用いられている「含む」という用語は、「少なくとも一部としてそれを含む」ことを意味し、すなわちその用語を含む独立請求項を解釈するときに、各請求項においてその用語から始まる特徴が存在する必要があるが、他の特徴も存在できることを意味する。
【0017】
本明細書では、以下の略語を使用できる:すなわち、
MDF:中密度繊維板
HTMP:高温熱機械的パルプ化
MAPP:無水マレイン酸グラフト化ポリプロピレン
PVA:ポリ酢酸ビニル
VAE:酢酸ビニルエチレン
EVA:エチレン酢酸ビニル
EVOH:酢酸ビニルアルコール
EAA:エチレンアクリル酸
PP:ポリプロピレン
HDPE:高密度ポリエチレン
wt%:重量%
UF:尿素ホルムアルデヒド
WPC:木材プラスチック複合材
WPP:木材プラスチックペレット
MAPE:無水マレイン酸グラフト化ポリエチレン
PPc:ポリプロピレンがカップルされた
PPnc:ポリプロピレンがカップルされていない
PEc:高密度ポリエチレンがカップルされた
PEnc:高密度ポリエチレンがカップルされていない
IB:内部結合
MPa:メガパスカル
GPa:ギガパスカル
ASTM:アメリカ材料試験協会
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の方法のいくつかの実施態様で述べたように、リグノセルロース材料又は天然繊維を、機械的に又は熱機械的に又は化学熱機械的に又は化学機械的に細分化することによって製造されるバラ繊維又は分離繊維又は繊維束に対して、1種又は複数種の熱硬化性ポリマー及び1種又は複数種の熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマーを含む液体又は粒子状形態の調合物を塗布し、そして、前記繊維を固化させて固体製品にする。
【0019】
これらの実施態様では、バインダー調合物は、1種又は複数種の熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマーを含む熱硬化性樹脂を含み、前記熱硬化性樹脂を基準として、前記熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマーは、約50:50、又は40:60又は20:80までの重量比で存在し得る。バインダー調合物の熱可塑性成分は、熱硬化性樹脂を基準として、少なくとも約10:90の重量比で存在し得る。
【0020】
製造される固体製品は、0.3〜25部の熱硬化性樹脂及び改質熱可塑性成分(modifying thermoplastic component)を含み得る。更に好ましくは、組み合わされた熱硬化性樹脂と改質熱可塑性成分は、乾燥重量を基準として繊維100部当たり、25部未満、又は少なくとも20部未満で存在し、そしてより好ましくは乾燥重量を基準として繊維100部当たり、15部未満、そして最も好ましくは乾燥重量を基準として繊維100部当たり、12部未満、又は10部又は8部又は6部又は5部又は4部又は3部又は2部で、存在する。
【0021】
少なくともいくつかの実施態様では、熱硬化性樹脂は、ホルムアルデヒド系ポリマー、例えば尿素・ホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、フェノール・ホルムアルデヒド、レソルシノール・ホルムアルデヒド、及びバイオ系オプションを含むホルムアルデヒドをベースとする他の樹脂、例えばタンニンホルムアルデヒド又はリグニンホルムアルデヒドを含む。ホルムアルデヒドそれ自体と同様な仕方で、尿素、フェノール系又はメラミンと共反応する限りにおいて、他のアルデヒドを、ホルムアルデヒドと混和することもでき、又はホルムアルデヒドの代わりに使用することもできる。他のホルムアルデヒドとしては、例えばフルフラール、プロパナール、ブチルアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒドが挙げられる。ホルムアルデヒドは、その広範な有用性、慣用、経済性及び反応性の故に、好適なアルデヒド又はケトン共反応物であるが、公知のように、他のアルデヒド又はケトン又はメチロール反応性基源を、ホルムアルデヒド系樹脂において使用し得る。あるいは、熱硬化性樹脂は、MDF又はパーティクルボード又は粉末塗装製品又はプロセスで普通に使用される別の熱硬化性樹脂、例えばイソシアネート、若しくはウレタン樹脂を含み得る。
【0022】
少なくともいくつかの実施態様では、熱可塑性成分は、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー及びターポリマー、アクリロニトリルコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ネオプレン、ポリイソプレン及びブチルゴム、アクリレート又はメタクリレートポリマー(アクリル)、ウレタンポリマー、ポリ塩化ビニル、ハロゲン化ポリエチレン、ポリビニルピロリドン、アクリロニトリルブタジエン−スチレンターポリマー(ABS)、スチレン−無水マレイン酸コポリマーそして、それらのエステル型又はそれらの他の誘導体、ポリアミド、又は酢酸ビニルのコポリマー、ポリビニルエーテル及びビニルエーテルのコポリマー、澱粉及び澱粉誘導体、タンパク質、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリ水酸化アルカノエート、タンパク質、ポリ酸、ポリ無水物、ポリイソシアネート、ポリオール/ポリエーテル、そして上記したもののコポリマー又はターポリマーなど、そして前記ポリマーのモノマーを含む他のポリマー、そして、不飽和酸、例えばアクリル酸又はメタアクリル酸又はそれらのエステル若しくは無水マレイン酸/マレイン酸、又はそれらのエステル若しくは半エステルと上記したものとのコポリマー又はグラフトポリマー、又は、ビニルアルコール又はビニルエステル(例えば酢酸ビニル、酪酸ビニル)と上記したものとのコポリマー又はグラフトポリマー、又は、グリシジル;メタクリレート/アクリレートと上記したものとのコポリマー又はグラフトポリマーを含む。上記したもののうちの1種又は複数種を含む熱可塑性樹脂も適する。上記したもののオリゴマー形態も使用できる。含まれ得る他の成分としては、可塑化添加剤又は柔軟化添加剤又は共反応性添加剤、例えばグリセロール、ソルビトール、他のポリオール、界面活性剤、アミン又はアミノアルコール、脂肪酸/エステル、酸(例えば乳酸、イタコン酸、クエン酸、マレイン酸、フタル酸)のエステル又は他の誘導体が挙げられ、そしてゴム又は他の誘導体も挙げられる。本発明の方法において、上記のような樹脂又は他の樹脂を調合し、ポリマー及び/又は添加剤として使用し得る。ポリマーは、場合によっては、その出発又は成分モノマー又はオリゴマーから、その場で作り得る。したがって、添加ポリマー(1種若しくは複数種)又は添加剤は、水性分散液、エマルジョンとして、又は純粋な液体又は溶融媒体として塗布される、反応性基を有する反応性モノマー又はオリゴマー、又は、酸、無水物、エポキシ、アミン、イソシアネート、シラン若しくはシラノール基のうちの1つ又は複数を有するポリマー又はコポリマーを含み得る。熱可塑性ポリマーは、230℃未満又は200℃未満の、軟化温度、ガラス転移温度又は融解温度を有し得る。好ましい熱可塑性ポリマーは、熱可塑性物質又はエラストマーとして処理することができ、本明細書において熱可塑性物質として分類され、プラスチックポリマーの好ましいサブクラスを構成するポリマーである。本発明の濃縮物の調製に好適なエラストマーの例は、天然ゴム、スチレン−ブタジエンラバー(SBR)、エチレンプロピレンラバー(EPR)、エチレン−プロピレンターポリマー(EPDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴム、シス−ポリブタジエン、トランス−ポリブタジエン、ネオプレン、ポリイソプレン及びブチルゴム、加硫性ジエンゴムである。ジエンゴムとしては、不飽和がポリマーの側鎖又は骨格に存在し、共役又は非共役である低不飽和及び高不飽和両方のゴムが挙げられる。他の好適なポリマーの例としては、アクリレートポリマー、ウレタンポリマー、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ハロゲン化ポロエチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリロニトリルブタジエン−スチレンターポリマー(ABS)、スチレン−無水マレイン酸コポリマー及びエステル化誘導体又は他の誘導体、ポリアミド、ポリエステル、酢酸ビニルのコポリマー、オレフィン(エチレン、プロピレン、・・・)とアクリル酸又はメタクリル酸又は無水マレイン酸のような不飽和酸あるいはビニルアルコール又はビニルエステルとのコポリマー、ポリビニルエーテル及びビニルエーテルのコポリマー、デンプン及びデンプン誘導体、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、タンパク質、多価酸、多価無水物、ポリイソシアネート、ポリオール/ポリエーテル、当該ポリマーのモノマーを含むコポリマー又はターポリマー等が挙げられる。上記の1種又は複数種を含む混合物も適する。本発明の方法では、上記のような樹脂又は他の樹脂を調合し、熱可塑性成分及び/又は添加剤として使用し得る。而して、添加ポリマー(1種又は複数種)又は添加剤は、水性分散液、エマルジョンとして、又は純粋な液体又は溶融媒体として、例えばホットメルト接着剤として塗布される、反応性基を有する反応性モノマー又はオリゴマーを含むことができる。
【0023】
バインダーは、最終複合材における繊維及び塊マトリックスプラスチックのための相溶化剤として作用することもできるので、本発明は、相溶化剤を繊維及びバインダーに添加して、ポリマーと木繊維の結合を強めることができる。相溶化剤は、上記ポリマー又はそれらの混合物又はブレンドのうちのいずれかであることができ、また、他の添加材料であることもでき、又は他の添加材料を含むこともできる。相溶化剤は、調合された又は反応性のポリマー系であり得る。ポリオレフィンマトリックス最終複合材に関して、相溶化剤は、好ましくは、マレイン化又は酸官能コポリマー、例えばマレイン化ポリプロピレン、マレイン化ポリエチレン、又はエチレンアクリレート又はエチレンビニルアセテートコポリマー又はターポリマーである。好ましくは、相容化剤は、乳化された若しくは分散されたポリマー、若しくは水中に溶解されたポリマーであるか、又は、ホルムアルデヒド樹脂中に容易に混合若しくは分散される粉末ポリマーである。あるいは、相容化剤は、例えば添加される粘着付与剤樹脂及び/又はワックスと一緒にホットメルト接着剤として調合することができ、また、所望ならば、ホルムアルデヒド樹脂に対して別々に導入することができる。
【0024】
熱硬化性樹脂は、同時の又は別々の二重添加ポイントのいずれかで、樹脂プレポリマー又は樹脂プレポリマー合成又はブローライン添加又は含浸装置にブレンドすることによって、熱可塑性ポリマー(1種若しくは複数種)、及び/又はオリゴマー(1種若しくは複数種)及び/又はモノマー(1種若しくは複数種)で、改質され得る。あるいは、熱硬化性樹脂は、樹脂プレポリマー構造中に組み込むことによって、ホルムアルデヒド樹脂の合成において熱可塑性成分を組み込むことによって、改質され得る。熱可塑性成分は、繊維処理−含浸プロセスの間に、分けて加えることもでき、例えば、熱硬化性樹脂を、繊維精製−含浸プロセスにおける一つのポイントで加えてもよく、そして改質熱可塑性成分を、同じプロセスにおける別のポイント又はポートで(例えば、ブローライン含浸中の異なるポイントで)加えてもよい。熱硬化性樹脂は、水系樹脂であってもよい。改質熱可塑性ポリマー、オリゴマー又はモノマー系は、水系溶液、分散調合物として、又は低融点若しくはホットメルト調合物として、又はワックス様材料として、添加し得る。調合されたホットメルト系は、特にホルムアルデヒド樹脂注入とは別の添加ポイントを介して添加する際には、改質ポリマー系としても有用である。ホットメルト接着剤としては、例えば、添加される粘着付与剤、樹脂、ロジン及び/又はワックスなどと一緒に、溶融流動のために、混合又は調合される上記ポリマーが挙げられる。
【0025】
他の実施態様で記載してあるように、改質熱可塑性成分を有しない少量の尿素ホルムアルデヒドを使用する。この実施態様では、固体製品は、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり尿素ホルムアルデヒドを6部以下含み得る、好ましくは0.2〜5部含み得る。いくつかの形態では、ペレット又は顆粒は、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、好ましくは4部又は5部の尿素ホルムアルデヒドのみを含む。
【0026】
好ましくは、繊維精製装置に入る前に繊維又はチップの随意の予備蒸解を行うことができる熱機械的若しくは熱機械的精製パルプ、又は化学機械的若しくは化学熱機械パルプが、繊維として使用される。より好ましくは、中密度繊維板(MDF)のような高温熱機械パルプが使用される。したがって、本発明の一つの実施形態は、繊維供給、繊維乾燥及び繊維−プラスチック相溶性における既に上で強調した困難及び問題を克服するために、改良型MDF(中密度繊維板)法を用いる。好ましくは、繊維の大部分は、少なくとも10:1、より好ましくは少なくとも20:1、最も好ましくは25:1のアスペクト比を有する。
【0027】
基本的には、任意の繊維又は充填剤を本発明に使用することができるが、個々の形、分離した形、バラの形、正常な形又は他の容易に利用可能な形で、プラスチック処理機又は他の機械に供給するのが困難である繊維又は他の充填剤を使用する場合に有益性が最も明白である。特に、木(全種類)、食物又は作物繊維(麻、藁、小麦、亜麻、NZ亜麻、トウモロコシ、ココナッツ、草、ケナフ、黄麻、サイザル麻、ラミー、クズ等)及び羊毛/ケラチンのような動物繊維、他のタンパク質繊維のような天然起源のセルロース又はリグノ−セルロース繊維が好ましい。前記繊維は、暈密度が低く、小さいオリフィスへの流入又は供給、ならびに押出機等への計量的輸送が困難なもつれた又はカールした束であることが多い。
【0028】
いくつかの実施態様で記載してあるように、本方法は、繊維を乾燥流又は湿潤流で導管に沿って輸送し、バインダー調合物を導管内部に導入して、繊維が導管を移動している間に調合物を繊維に塗布することを含む。記載してあるように、バインダーは、水溶液、又は乳化された若しくは水性のポリマー分散液単独、又は他の助溶媒との混合物であってもよく、又は、分散液、エマルジョン又は溶液又は純水な液体であるか若しくは粉末である成分の調合物を含んでいてもよい。アルコール又は他の有機溶媒のような代替の溶質又は分散媒体を使用してもよい。ラテックスを使用してもよい。乾燥又は純粋のポリマー粉末を様々な条件下で使用してもよく、また、高濃度又は100%固形物として低融点ワックス又はポリマー又は混合物も、スプレーガン/ノズルのような塗布装置の粘度要件及び粘着度要件に応じて使用してもよい。加熱配管及び加熱ノズルを使用して、前記材料の導入を容易にし得る。別の形態では、本方法は、繊維又は粒子が導管を移動している間に、粒子状物質を導管内部に吹きつけることによって、導管内に粒子状形態の結合剤を導入して繊維と密接に混合する工程を含む。追加の樹脂粉末(流れている繊維流のブローライン又は他のポイントにおいて、湿潤状態で又は粉末として塗布されるものと同じか又は異なっている)を、マットレスアセンブリ又はプレス段階で加えてもよい。好ましくは、繊維は、少なくとも約0.8mm、より好ましくは少なくとも約1mmの平均繊維長さ又は繊維束長さを有する。
【0029】
前記バインダーは、繊維を成形又は加圧又は加熱してシート又は他の成形物とし、そして前記加圧物又は成形物を細断又は粉砕してペレット又は顆粒にする際に、繊維を互いに結着させ、また、前記バインダー又はコーティングは、後のプラスチック処理及び機械への便利な供給、及びそれらにおける処理、及び他のプラスチック材料との混合又は成形をも可能にする。前記方法は、木材又は他の天然繊維をプレコートする、又は部分的にプレコートする、又は予め相溶化する、あるいはプラスチック処理に使用される便利なペレット又は供給原料に次いで処理することができる前記繊維上、繊維中又は繊維付近に他の機能的材料を導入し、特に押出又は射出成形のような熱可塑材処理において、プラスチック及び他の材料と混合することも含み得る。
【0030】
バインダー調合物を、繊維が導管を移動している間に、調合物を導管内部に吹きつけるか又は導管内部に注入するか又は溶融流れとして導管中に導入することによって、導管中に導入して、前記調合物で繊維をコーティング又は部分的にコーティングし得る。導管は、繊維板製造プラントにおける精製段階から繊維を輸送し得る。導管は、繊維を、乾燥段階若しくは乾燥機へと、又は乾燥段階若しくは乾燥機から輸送する。バインダーを、精製装置又はブローライン又は乾燥機又は任意のポイントにおいて、プロセス中に繊維を連続的に運ぶ又は輸送するチューブ又はパイプ又はドラム又は他の導管におけるこれらの段階のうちのいずれかの前又は後に添加できる。バインダーを、湿った繊維、又は乾燥繊維、又は平衡若しくは近平衡水分を有する繊維(EMC、典型的には12重量%のオーダーの水分を有する繊維)に塗布することができる。バインダーコーティングは、MDF法又は関連する繊維精製−含浸製造法の任意の時点で、空気又は高湿度空気中において連行される束又は微粉を含み得る流動繊維流に対して、添加される。
【0031】
本発明の実施態様では、添加ポリマーで湿潤された繊維を、例えば、プレスで熱及び圧力によって圧縮することによって固体パネル、シート又は形材が製造される。好ましくは、繊維を固体パネル又はシートに圧縮するのにホットプレスが使用される。次いで、パネルをペレット又は顆粒に粉砕して、予め相溶化された繊維濃縮物を製造し、次いでそれを通常は予め乾燥させて、押出機又は他のプラスチック処理機に計量供給することができる。本発明の一実施例において、例えば、加圧により得られた固化形態を切断又はスライスすることによって、木繊維及びポリマー(1種又は複数種)を含むペレット又は顆粒を調製できる。
【0032】
典型的には、前記方法は、繊維を加圧して平面形態の固体製品とすることによって、繊維を固体製品に成形することを含む。前記方法は、加熱プラテンの間で又は加熱連続プレスで繊維を加圧することを含み得る。前記方法は、繊維を加圧して、厚さが約2cmまで、約1cmまで、約5mmまでのシートとすることを含み得る。また、驚くべきことに、本発明の方法又はその少なくとも実施態様によって形成される固体製品は、同じ方法ではあるが、熱硬化性バインダーのみ又は熱可塑性バインダーのみによって形成される複合材製品よりも、優れた機械的性質(例えば、引張強度及び/又は剛性)を有し得る、その結果、固体製品は、パネルのような最終製品として、又は例えば中密度繊維板成形品の複合材代替品として有用であり得る、ことも見出した。
【0033】
その場合、前記方法は、固体製品を切断又は鋸引きすることによって、得られた固体パネル製品を前記ペレット又は顆粒まで細分化することを含み得る。前記ペレットは、ペレット中の繊維の平均繊維長さに比べてより長い長さであり得る。
【0034】
プレス、例えば従来のMDF法又は他の精製法を使用して、木又は植物からの天然植物繊維から木繊維を製造し、次いでブローライン又は精製装置又は関連処理においてバインダーを塗布し得る。繊維バインダーブレンドを、乾燥させ、マットに成形してから、従来のMDFプレスで加圧して、シートを製造する。続いて、シートを、プラスチック処理装置に供給できる濃縮物、凝集物、粒子、テープ又はペレットに変える。例えば、シートを裁断し、細断長さ設定及び最初の加圧シート寸法に従って任意の所望の長さのペレット長さでペレット化することができる。好ましくは、ペレット長さは、繊維長さに比べて長くなる。例えば、2mm、3mm又は4mm又は5mm又は6mm以上の長さを用いることができる。
【0035】
MDF繊維が加圧後に固化状態を維持できるように、繊維が処理において形成されたすぐ後に、バインダーを例えばブローラインに加える。あるいは、繊維を、精製処理から回収し、続いてストリーム中で乱流的に再流動させ、次いで吹きつけるか、又はバインダーポリマー溶液又は分散液を含浸させることができる。バインダーは、ペレット化されるときにシート及び固体ペレットに繊維を保持するのに十分な強度を有することが必要である。バインダーは、繊維が押出機の胴体のようなプラスチック処理装置で可動になり、それに混合される熱可塑性材料との均一な混合物を形成できるようなガラス転移温度、溶融分解温度、軟化温度又は分解温度を有する必要がある。バインダーは、繊維上に低固体充填量で添加できる。好ましくは、バインダーは、繊維と塊プラスチックマトリックスの相溶性を向上させるように作用する。好ましくは、バインダーで被覆された繊維を加熱下で加圧して、裁断及びペレット化処理に耐える十分な保全性を有するシートを形成する。これにより、バインダー/相溶化剤の繊維との密な混合、接触又は結合を付与又は保持し、且つ/又は水分の一部を除去することもできる。
【0036】
方法は、典型的には多くの従来のMDF又は削片板粉砕機で実施することができ、繊維をブローライン又は同様の施設で精製し、含浸させ、加熱下で加圧するが、本発明の方法では、次いで裁断し、ペレットに細断し、好ましくは、バインダー樹脂は、選択される究極的な熱可塑性マトリックスと相溶性があり、押出又は射出成形のようなプラスチック処理機で処理可能である樹脂系である。而して、従来のMDF又は同様の粉砕機、又はその製品を、繊維−プラスチック複合材を製造するためのプラスチック押出又は射出成形又は他の成形処理に応じた繊維濃縮物を製造するように構成できることは、実現可能である。バインダー調合物は、安定剤、可塑剤、処理助剤、難燃剤、接着促進剤、着色剤、潤滑剤、帯電防止剤、生体活性剤、液体添加剤、又は押出機への導入が困難であるか、又は全体的に低量必要とされる固体を含むこともでき、エポキシ樹脂のような反応性又は機能性樹脂を含むこともできる。中間体シートの加圧は、シート密度の範囲に応じて実施できる。前記シートのペレット化を様々な方法によって実施することができ、一連のペレット長さ及び寸法及び形状を用いることができる。続くペレット製造を容易にするために、シート製造の最中又は後にシートの予備パターン化又は刻印を実施できる。
【0037】
木繊維ペレット又は顆粒又は他の固体中間形態の製品は、押出機又は射出成形機のような熱可塑材処理装置への供給用に使用し得る。押出機において繊維リッチのペレットをプラスチックペレット及び/又は他の添加剤と混合するときに、混合手法及び相対的な導入位置の様々な組合せが実行可能である。プラスチック射出成形機又は押出機において溶融プラスチック材料中に繊維が分散してプラスチック−繊維複合材製品を形成するように、少なくとも大部分の繊維に対して実質的に損傷を与えずに、繊維を、添加プラスチックペレットと一緒に、プラスチック射出成形機又は押出機に直接加えることができる。前記機械において、繊維とプラスチック材料との間のカップリング剤も、プラスチック押出機又はプラスチック成形機の中に導入して繊維と混合し得る。カップリング剤としては、有機酸、すなわちマレイン化ポリオレフィン、シラン、シリケート、チタネート、クロロトリアジン、酸無水物、エポキシド、イソシアネート、アクリレート、アミド、イミド、又はアビエチン酸のうちのいずれか1種以上が適当であり得る。好適なカップリング剤としては、マレイン酸無水物若しくはマレイン酸を含むマレイン化ポリオレフィン、シラン、アクリル改質ポリテトラフルオロエチレン、又はクロロパラフィンのうちのいずれか1種以上が挙げられる。
【0038】
また、驚くべきことに、熱硬化性樹脂バインダーの熱可塑性改質と共に本発明のプロセスによって形成される固体製品は、例えば引張強度及び/又は剛性のような優れた機械的性質を有することができ、その結果として、固体製品は、例えばパネルのような最終製品として、又は例えば中密度繊維板成形品の複合材代替品として有用であり得る、ことも見出した。
【0039】
[実施例]
実験研究に関する以下の説明によって本発明を更に例示するが、それによって本発明が限定されるとは決して考えるべきではなく、むしろ、当業者は、本発明を修正できる。
【実施例1】
【0040】
[熱可塑性改質UF樹脂]
[材料]
−65%の固形分を有する尿素ホルムアルデヒド(UF)樹脂E0(水系)
−55%の固形分を有するエチレン酢酸ビニルエマルジョン(EVA)DA―101(水系)
−酢酸ビニルエチレン(VAE)粉末100%固体
−40%の固形分を有する無水マレイン酸ポリプロピレンエマルジョン(MAPP)(水系)
−25%の固形分を有するエチレンアクリル酸(EAA)分散液(水系)
−25MFI(230℃/2.16kg)を有するポリプロピレンマトリックス
−無水マレイン酸ポリプロピレン(MAPP)
−ラジアータマツチップから精製された木繊維
【0041】
[バインダー調合物]
4種の異なる熱可塑性ポリマーを、固体基準で20及び40%の充填量で、UFに別々に加えた。9種のバインダー溶液を調製した。それらは表1に記載してある。
【表1】

【0042】
成分を一緒に加え、そして8000回転/分で、2分間、高剪断ミキサーで撹拌し、次いで、混合後直ちに又は1時間未満遅らせて、木繊維上に「フレッシュ(fresh)」を吹き付ける事によって、すべてのバインダー調合物を調製した。VAE粉末は、37.5%の固形分で水懸濁液とし、次いで、UF樹脂と混合した。
【0043】
[MDFパネル及び木質ペレット]
MDFパネルを、それぞれ、以下のようにして、実験室規模で作製した。8.5%の初期含水率を有する木繊維を、ブレンダーに入れ、オーブン乾燥した木質繊維を基準として5%のバインダー(固体基準で)を、吹き付け器による58%の損失を許容して、繊維に吹き付けた。被覆された木繊維で、1マット当たり170gのOD繊維を有する278×255mmマットを作製した。そのマットを、120キロニュートンで3分間、パネルの両面上に3.05mmのスペーサーを有する2枚の当て板の間で、180°Cでホットプレスした。各パネルに関して750kg/mの密度を目標とした。対照と考えられる繊維上になんらの樹脂も有してない1枚のMDFパネル、及び、上記のようにして調製された9つのバインダー調合物を用いて作製した9枚のパネルの合計10枚のMDFパネルサンプルを作製した。そのパネルを5×5mmペレットに細断した。内部結合用に、各パネルの中央において、50mmのストリップを切断した。すべてのサンプルを篩にかけて、細断工程によって生じたダストを除去した。
【0044】
[複合材]
MDF木質ペレット及びMAPPを、押出前に、それぞれ100℃及び60℃で、一晩(約16時間)、オーブン乾燥させた。MDF繊維を、ベントを有する二軸スクリューLabtech(商標)押出機タイプLTE26−40(26mm同時回転スクリュー;l/d=40)においてポリマーと組み合わせた。40重量%のMDFペレット/57重量%のPP/3重量%のMAPPのプリミックスを、メインホッパーによって押出機の「上流に」供給した。化合物は、4−ストランドダイを通過し、次いで水冷され、ペレット化された。低剪断押出条件を用いて、繊維をポリマー中に放出させるMDFペレットの能力を評価した。押出機設定は、表2及び表3に概要が記載してある。
【表2】

【表3】

【0045】
各複合材に関してモニターされた押出パラメータを表4に示してある。溶融物の温度は200℃未満に維持した。
【表4】

【0046】
10の木材−プラスチックペレットサンプルを、60℃で一晩、オーブンで乾燥させ、次いで、下記表5のような引張及び曲げ試験片成形キャビティを使用して射出成形した。
【表5】

【0047】
すべてのMDFペレットは、「バインダー無し」ペレットとは別に、押出機を通して容易に供給された。ペレットの完全性は保たれ、そして、繊維は、低剪断押出条件下で、押出機において、完全に放出された。関連のある複合材の良好な機械的性質が観察された。
【実施例2】
【0048】
[カップリング剤を有する熱可塑性改質UF樹脂]
MDFパネル特性に関する熱可塑性物質:UFの比の影響及びパネルをペレットにするペレット化プロセスに関する効果を調査した。MDFパネル産業内では、連続ホットプレスを使用する製造ラインで前記パネルを製造できるように、パネルの最小限の粘着力強さが必要であると認識される。パネルは、熱いままプレスから出るので、熱可塑性物質の存在によって、結合が損なわれ得る。なぜならば、前記熱可塑性物質は、前記温度で依然として柔軟であり得るからである。その結果として、パネルを吹き飛ばす危険性は、重大であり得る。更に、接着剤は、ペレット化の間、繊維を一緒に保持していなければならない、そうでなければ、大量の材料が散逸し、火災の危険及び健康問題が、大量のダストが発生することにより引き起こされる、と考えられる。
【0049】
[材料]
−65%の固形分を有する尿素ホルムアルデヒド(UF)樹脂E0(水系)
−55%の固形分を有するエチレン酢酸ビニルエマルジョン(EVA)DA―101(水系)
−25%の固形分を有するエチレンアクリル酸(EAA)分散液(水系)
−25のMFI(230℃/2.16kg)を有するポリプロピレンマトリックス
−18のMFIを有する高密度ポリエチレン(HDPE)
−無水マレイン酸ポリプロピレン(MAPP)
−無水マレイン酸ポリエチレン(MAPE)
−ラジアータマツチップから精製された木繊維
【0050】
[バインダー調合物]
固形分を基準として5、10、20及び40重量%の様々な割合でEVA又はEAAエマルジョンを加えることによって、バインダー調合物UF樹脂を改質した。それらは、表6に列記してある。成分を一緒に加え、そして8000回転/分で、2分間、撹拌し、そして混合後直ちに又は1時間未満遅らせて、木繊維上に「フレッシュ(fresh)」を吹き付けることによって、すべての調合物を調製した。
【表6】

【0051】
[MDFパネル及び木質ペレット]
MDFパネルを、表6に掲げてある調合物を使用して、一般的に上記実施例1に記載してあるようにして実験室規模で作製した。内部結合用に、各パネルの中央において、50mmのストリップを切断した。MDFパネルの残りを、細断機で細断して5×5mmのペレットにした。すべてのサンプルを篩にかけて、ペレット化プロセスによって生じたダストを除去し測定した。
【0052】
[複合材]
一般的に上記の実施例1に記載してあるように押出機中にペレットを導入した。40重量%MDFペレットと、57重量%のPP又はHDPEとの、3重量%のMAPP又はMAPE(表7及び8)とのプレミックスを、それぞれ、押出機中に供給した。低剪断押出条件を使用して、穏やかな混合下で繊維をポリマー中に放出させるペレットの能力を評価した。調合物のうちのいくつかは、カップリング剤を用いずに複製された。繊維上に3重量%及び6重量%のEVAを有するMDFペレットで形成されているWPCは、材料が供給ポートにおいて堆積するので、木製スティックでプレミックスをスクリューへと押し入れなければならないことから、押出機中へ供給するのが難しかった。この効果は、他のものに比べて、より嵩高く/ふわふわしているMDFペレットによって引き起こされた(前記ペレットは、細断後に、完全性を保てなかった)。
【表7】

【0053】
【表8】

【表9】

【表10】

【0054】
WPCペレットサンプルを、60℃で一晩、オーブンで乾燥させ、次いで、射出成形した。
【0055】
[試験]
[密度プロフィール]
Proscan密度プロファイラを使用して、内部結合強さ(凝集力)に関して試験された各サンプルの密度プロフィールを測定した。サンプルの平均密度、ならびに試料の横断面全体の密度プロフィールを測定した。すべてのMDFパネルは、目標とされる750kg/mに近い平均密度を有していた。
【0056】
[内部結合]
各調合物に関して作製された4枚のパネルのうちの2枚を、1mm/分のクロスヘッド移動及び予圧10ニュートンのZwick 1445万能試験機で、内部結合について検査した。最も低い内部結合強さは、純粋なEVA樹脂で作製された、特に低充填で作製されたMDFパネルであった。すべての他の調合物は、商業ラインでMDFパネルを製造するのに充分に高い繊維結合を示す約0.5MPaを超える内部結合値を有していた。
【0057】
[繊維分散]
熱可塑性ポリマーを組み込むことによって改質されたUF樹脂により、押出中に、プラスチックと配合される繊維は、より容易に且つより良好に分散及び分配された。射出成形された引張り試験片の写真を撮って、処理後における個々の繊維及びプラスチックマトリックス中へのMDFペレットの分散を視覚で評価した。
【0058】
20重量%の熱可塑性物質比率で、そして特に40重量%の熱可塑性物質比率で、射出成形WPCの表面上において高い繊維分散を認めることができた。
【0059】
[ダスト生成]
MDFパネルを、空気式細断機で細断して、5×5mmの正方形ペレットにした。集められたMDF木質ペレットについてダスト測定を行った。前記木質ペレットを、2mmのメッシュを有する篩ボックス中に導入し、そして1分間手動で振盪した。メッシュを通過した粒子を、計量し、元のペレット質量に対する「ダストパーセンテージ」に換算した。若干のダストが、MDFパネルのMDF木質ペレットへのペレット化中に発生した。ダストは、木微粉及びバラ繊維から構成されていた。安全な取扱いのためには、MDFペレットの残留ダストは少ない必要がある。3重量%の純粋なEVA接着剤を有するMDF木質ペレットは、6.6%を有するペレット化によって発生されるダストの最も高いレベルを有しており、そして、取り扱い及び押出機中への供給にとっては最適を下回っていた。3及び6重量%EVA調合物とは別に、すべてのMDFペレットは、良好な完全性を示し、輸送のためのペレットを容易に取り扱うことができ、そして押出機中へ容易に供給できると考えられる。
【0060】
[カップリング剤]
天然繊維強化プラスチックを調合する時、カップリング剤を使用すると、最適な機械的性質を達成するのに有利である。カップリング剤は、繊維とプラスチックを架橋し、カップリング剤は、繊維表面と反応し、そして、プロピレンマトリックスと適合性であり、それにより2つの成分間に良好な応力伝達が確保される。
【実施例3】
【0061】
[熱可塑性改質イソシアネート樹脂]
[材料]
−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)樹脂、100%固形分、液状形態
−40%の固形分を有するポリエチレンエマルジョン(PE)(水系)
−25のMFI(230℃/2.16kg)を有するポリプロピレンマトリックス
−無水マレイン酸ポリプロピレン
−ラジアータマツチップから精製された木繊維
【0062】
[MDFに充填する樹脂及びMDI/MAPEレシオミックス]
表1の2つのMDI―PE調合物は、初めの実施例に記載してあるように一般的に提案され、そして、上記したMDFパネルを作製するために、MDF木繊維に加えた。MDI樹脂に、固体を基準として20重量%のPEエマルジョンを加えて、前記樹脂を改質した。
【表11】

【0063】
[内部結合]
両方のバインダー調合物は、商業ラインでMDFパネルを製造するのに充分に高い繊維結合を示す約0.5MPaを超える内部結合値を生じさせた。
【0064】
[繊維分散]
熱可塑性ポリマーを組み込むことによって改質されたMDI樹脂により、押出中にプラスチックと配合される繊維は、より容易に且つより良好に分散及び分配された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック製造における供給原料として使用するために又はプラスチック製造における供給原料を作る際に使用するために、リグノセルロース材料の繊維又は天然繊維を含む製品を製造する方法であって、リグノセルロース材料又は天然繊維を、機械的に又は熱機械的に又は化学熱機械的に又は化学機械的に細分化することによって製造されるバラ繊維又は分離繊維又は繊維束に対して、熱硬化性樹脂及び熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマーを含む液体又は粒状のバインダー調合物を塗布する工程、及び前記繊維を固化させて固体製品にし、次いで、前記固体製品を細分化して前記繊維の大部分を放出し得る工程を含む前記方法。
【請求項2】
前記固体製品をプラスチック押出機において熱及び機械的剪断の下で細分化して前記繊維の大部分を放出し得る請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記バインダー調合物中に前記熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマーが存在していないことを除けば、請求項2の方法によって製造される等価な固体製品を同じ仕方で細分化する工程と比較して、前記繊維の損傷を抑えて、前記繊維の大部分を細分化し得る請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマーが、前記熱硬化性樹脂に対して、約50:50までの重量比で存在する請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマーが、前記熱硬化性樹脂に対して、約40:60までの重量比で存在する請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマーが、前記熱硬化性樹脂に対して、約20:80までの重量比で存在する請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマーが、前記熱硬化性樹脂に対して、少なくとも約10:90の重量比で存在する請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
前記バインダー調合物が、前記熱硬化性樹脂と前記熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマーとの混合物を含む請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
前記バインダー調合物が、前記熱硬化性樹脂構造中に組み込まれる前記熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマーを含む請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
前記バインダー調合物の、前記熱硬化性樹脂及び前記熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマーの成分を別々に塗布する工程を含む請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
前記バインダー調合物又はその成分を、液体として、塗布することを含む請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
前記液体バインダー調合物が、水性調合物である請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記バインダー調合物又はその成分を、乾燥又は湿潤空気流中で前記繊維を輸送しながら、前記繊維に対して塗布する工程を含む請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
前記繊維を乾燥又は湿潤流中で導管に沿って輸送し、そして、前記バインダー調合物又はその成分を前記導管内部に導入して、前記繊維が導管を移動している間に、前記調合物を前記繊維に塗布する工程を含む請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
前記繊維をコーティング又は部分的にコーティングするために、前記繊維が前記導管を移動している時に、前記バインダー調合物又はその成分を、導管の内部に吹き付けることによって、前記バインダー調合物又はその成分を前記導管中に導入する工程を含む請求項12又は請求項13のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記導管が、繊維板を製造するためのプラントにおいて、精製段階から前記繊維を輸送する請求項13〜15のいずれか一つに記載の方法。
【請求項17】
前記導管が、前記繊維を、乾燥段階若しくは乾燥機へと又は乾燥段階若しくは乾燥機から輸送する請求項13〜15のいずれか一つに記載の方法。
【請求項18】
前記繊維が、少なくとも約0.8mmの平均繊維長さ又は繊維束長さを有する請求項1〜17記載の方法。
【請求項19】
前記繊維が、少なくとも約1mmのバラ繊維又は繊維束の平均繊維長さを有する請求項1〜17記載の方法。
【請求項20】
前記繊維の大部分が、少なくとも10:1のアスペクト比を有する請求項1〜19のいずれか一つに記載の方法。
【請求項21】
前記繊維の大部分が、少なくとも20:1のアスペクト比を有する請求項1〜19のいずれか一つに記載の方法。
【請求項22】
前記繊維の大部分が、少なくとも25:1のアスペクト比を有する請求項1〜19のいずれか一つに記載の方法。
【請求項23】
前記固体製品を細分化して、ペレット中の繊維の平均繊維長さに比べて長いペレットを製造する工程を含む請求項1〜22のいずれか一つに記載の方法。
【請求項24】
前記繊維が、木繊維である請求項1〜23のいずれか一つに記載の方法。
【請求項25】
細断によってペレット又は顆粒を製造するために前記固体製品を細分化することに耐えるように、前記繊維を共に結合させるのに充分なバインダー調合物を前記繊維に塗布する工程を含む請求項1〜24のいずれか一つに記載の方法。
【請求項26】
前記熱硬化性樹脂が、ホルムアルデヒド系ポリマーを含む請求項1〜25のいずれか一つに記載の方法。
【請求項27】
前記熱硬化性樹脂が、尿素ホルムアルデヒドを含む請求項1〜25のいずれか一つに記載の方法。
【請求項28】
前記熱硬化性樹脂が、イソシアネートを含む請求項1〜25のいずれか一つに記載の方法。
【請求項29】
前記熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマーが、230℃未満の融点を有する請求項1〜28のいずれか一つに記載の方法。
【請求項30】
前記熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマーが、200℃未満の融点を有する請求項1〜28のいずれか一つに記載の方法。
【請求項31】
前記熱可塑性ポリマーが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチレート、ポリエステル、ポリアクリレート、又は澱粉系である請求項1〜30のいずれか1つに記載の方法。
【請求項32】
前記熱可塑性ポリマーが、酸、酸無水物、エポキシ、アミン、イソシアネート、シラン、又はシラノール官能基を有するコモノマーのうちの1種又は複数種を有するポリマー又はコポリマーである請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記熱可塑性ポリマーが、エチレン及び/又はプロピレン及び/又はブタジエン及び/又はスチレン及び/又はアクリロニトリルと、酢酸ビニル、酪酸ブチル、無水マレイン酸/マレイン酸、アクリル酸又はメタアクリル酸又はそれらのエステル、グリシジルメタクリレート又はアクリレートとのコポリマー又はターポリマー又は他のポリマーである請求項1〜30のいずれか一つに記載の方法。
【請求項34】
前記バインダー調合物が、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、0.3〜5部の熱硬化性樹脂を含む請求項1〜33のいずれか一つに記載の方法。
【請求項35】
前記バインダー調合物が、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、20部未満含む請求項1〜33のいずれか一つに記載の方法。
【請求項36】
前記バインダー調合物が、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、15部未満含む請求項1〜33のいずれか一つに記載の方法。
【請求項37】
前記バインダー調合物が、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、12部未満含む請求項1〜33のいずれか一つに記載の方法。
【請求項38】
前記バインダー調合物が、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、10部未満含む請求項1〜33のいずれか一つに記載の方法。
【請求項39】
前記バインダー調合物が、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、8部未満含む請求項1〜33のいずれか一つに記載の方法。
【請求項40】
前記バインダー調合物が、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、6部未満含む請求項1〜33のいずれか一つに記載の方法。
【請求項41】
前記バインダー調合物が、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、5部未満含む請求項1〜33のいずれか一つに記載の方法。
【請求項42】
前記バインダー調合物が、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、6部未満含む請求項1〜33のいずれか一つに記載の方法。
【請求項43】
前記バインダー調合物が、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、4部未満含む請求項1〜33のいずれか一つに記載の方法。
【請求項44】
前記バインダー調合物が、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、3部未満含む請求項1〜33のいずれか一つに記載の方法。
【請求項45】
前記バインダー調合物が、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、2部未満含む請求項1〜33のいずれか一つに記載の方法。
【請求項46】
前記バインダー調合物が、追加の熱可塑性成分を有していない熱硬化性樹脂を少量含む請求項1記載の方法。
【請求項47】
前記固体製品が、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、約6部未満の尿素ホルムアルデヒドを含む請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記固体製品が、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、約0.2〜約5部の尿素ホルムアルデヒドを含む請求項46記載の方法。
【請求項49】
前記固体製品が、乾燥重量を基準として、繊維100部当たり、約4〜約5部の尿素ホルムアルデヒドを含む請求項46記載の方法。
【請求項50】
前記固体製品が、少なくとも0.5MPaの内部結合強さを有する請求項1〜49のいずれか一つに記載の方法。
【請求項51】
前記繊維を加圧して平面形態の固体製品にすることによって、前記繊維を固体製品へと成形する工程を含む請求項1〜50のいずれか一つに記載の方法。
【請求項52】
加熱プレスで前記繊維を加圧する工程を含む請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記繊維を加圧して厚さ約2cmまでのシートにする工程を含む請求項51及び請求項52のいずれか一つに記載の方法。
【請求項54】
前記繊維を加圧して厚さ約1cmまでのシートにする工程を含む請求項51及び請求項52のいずれか一つに記載の方法。
【請求項55】
前記繊維を加圧して厚さ約5mmまでのシートにする工程を含む請求項51及び請求項52のいずれか一つに記載の方法。
【請求項56】
前記固体製品を切断又は鋸引きすることによって、前記固体製品を細分化して前記ペレット又は顆粒にする工程を含む請求項1〜55のいずれか一つに記載の方法。
【請求項57】
プラスチック製造における供給原料として使用するために、リグノセルロース材料の繊維又は天然繊維を含む(本明細書で規定される)ペレット又は顆粒を製造する方法であって:
リグノセルロース材料又は天然繊維を機械的又は熱機械的又は化学熱機械的又は化学機械的に細分化することによって製造されるバラ繊維又は分離繊維又は繊維束を乾燥空気流又は湿潤空気流で輸送する工程、
前記繊維を輸送しながら、尿素ホルムアルデヒド及び1種又は複数種の熱可塑性ポリマー、モノマー、又はオリゴマー、又は少量の尿素ホルムアルデヒド樹脂バインダーを含む液体調合物を繊維に塗布する工程、
前記繊維を固体製品へと成形する工程、そして、
前記固体製品を細分化して前記ペレット又は顆粒を製造する工程
を含む前記方法。
【請求項58】
請求項1〜57のいずれか一つの方法によって製造されるパネル製品。
【請求項59】
請求項1〜57のいずれか一つによって製造されるペレット又は顆粒。
【請求項60】
プラスチック押出機又は成形機中へと、供給原料として、請求項1〜57のいずれか一つの方法によって成形されるペレット又は顆粒を導入する工程を含む、プラスチック製品又は中間物を製造する方法。
【請求項61】
プラスチック押出機又は成形機中へと、供給原料として、請求項1〜57のいずれか一つの方法によって成形されるペレット又は顆粒を導入する工程、
及び、少なくとも大部分の繊維が、プラスチック押出機又は成形機中において溶融プラスチック材料中に分散してプラスチック−繊維複合材製品を形成するように、前記機械を操作して、前記ペレット又は顆粒から前記繊維を放出させる工程を含む、プラスチック−繊維製品を製造する方法。
【請求項62】
前記プラスチック押出機又は成形機中に導入して、前記繊維とプラスチック材料との間のカップリング剤を前記繊維と混合する工程も含む請求項60又は請求項61のいずれかに記載の方法。
【請求項63】
有機酸、マレイン化ポリオレフィン、シラン、シリケート、チタネート、クロロトリアジン、酸無水物、エポキシド、イソシアネート、アクリレート、アミド、イミド、又はアビエチン酸のうちの1種又は複数種をカップリング剤として前記プラスチック押出機又は成形機中に導入する工程も含む請求項60〜62のいずれか一つに記載の方法。
【請求項64】
マレイン酸無水物若しくはマレイン酸を含むマレイン化ポリオレフィン、シラン、アクリル改質ポリテトラフルオロエチレン、又はクロロパラフィンのうちの1種又は複数種をカップリング剤として前記プラスチック押出機又は成形機中に導入する工程も含む請求項60〜62のいずれか一つに記載の方法。
【請求項65】
前記熱可塑性ポリマーがポリプロピレンを含み、そして前記カップリング剤が無水マレイン酸ポリプロピレンを含み、又は、前記熱可塑性ポリマーがポリエチレンを含み、そして前記カップリング剤が無水マレイン酸ポリエチレンを含む請求項60〜64のいずれか一つに記載の方法。
【請求項66】
請求項60〜65のいずれか一つの方法によって製造されるプラスチック−繊維複合材製品。

【公表番号】特表2012−532040(P2012−532040A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518501(P2012−518501)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【国際出願番号】PCT/NZ2010/000131
【国際公開番号】WO2011/002314
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(500554759)ニュージーランド フォレスト リサーチ インスティテュート リミテッド (4)
【Fターム(参考)】