説明

案内表示装置および案内表示方法

【課題】地図情報を表示画面に表示する際に、簡単な操作でユーザにとって必要と予想される情報を表示する。
【解決手段】表示画面の配置の変更が検出され、目的地があらかじめ設定されており、かつ現在位置と目的地との距離が所定距離内であるときには、目的地またはその周辺の詳細情報、例えば駐車場情報、交通機関へのアクセス経路案内、目的地の施設の情報等を表示画面に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は案内表示装置および案内表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地図上に自分の現在位置を表示して目的地までの経路を案内する案内表示装置として、カー・ナビゲーション・システムやPND(パーソナル/ポータブル・ナビゲーション・デバイス)が広く利用されている。これらの装置では、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)等により現在位置を検出し、記憶装置に記憶された地図情報あるいは通信回線を経由して取得した地図情報から現在位置の周囲の地図を抽出し、地図とその地図上の現在位置とを表示する。そして、目的地および必要な場合には経由地を登録することで、そこまでの経路を検索してユーザに経路案内(ナビゲーション)を行うことができる。地図としては、2次元的な地図だけでなく、目的となる建物や施設(ランドマーク)がわかるような俯瞰図を表示できるものが一般的である。
【0003】
カー・ナビゲーション・システムは、地図情報を記憶するための記憶装置として大容量のハードディスクあるいはDVDを用い、詳細な情報や多彩な機能をユーザに提供することができる。これに対してPNDは、記憶装置としてフラッシュメモリなど比較的小容量のものを用いており、情報量や機能は限定されるが、安価で手軽に利用できる利点があり、車載以外の用途でも利用されている。また、記憶装置には限られた地図情報だけを記憶し、詳細な地図情報は通信回線を通じて取得するものも知られている。
【0004】
また、このようなカー・ナビゲーション・システムやPNDには、画面を横長配置と縦長配置とで切り替えた場合に、その画面に応じて横長表示の地図と縦長表示の地図とを切り替えて表示するもの(例えば特許文献1)や、目的地に所在する店舗、施設等の情報のうちユーザの嗜好に合致するものを表示するもの(例えば特許文献2)もある。
【特許文献1】特開平8−166245号公報
【特許文献2】特開2006−58193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、簡単な操作でユーザにとって必要と予想される情報を表示することのできる案内表示装置および案内表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の案内表示装置は、現在位置を取得する現在位置取得手段と、目的地を記憶する目的地記憶手段と、画像表示を行う表示手段と、表示内容を制御をする表示制御手段と、表示手段の表示画面の配置が変更されたことを検出する配置変更検出手段と、を備え、表示制御手段は、上記現在位置と上記目的地との距離が所定距離内となった状態で表示画面の配置が変更されたときには、上記目的地またはその周辺の詳細情報を上記表示手段に表示させることを特徴とする。表示手段は地図情報の表示を行うことが望ましい。
【0007】
表示制御手段は、目的地となっている施設またはその周辺の施設に関する情報を詳細情報として表示手段に表示させることができる。目的地が交通機関の施設である場合、または目的地の周辺に交通機関の施設がある場合には、表示制御手段は、その施設へのアクセス経路に関する情報を詳細情報として表示手段に表示させることが望ましい。
【0008】
移動手段が何であるかを判断する手段をさらに備えることもできる。この場合、表示制御手段は、移動手段が自動車であるときには駐車場に関する情報を、それ以外のときには目的地となっている施設またはその周辺の施設に関する情報を表示手段に表示させることができる。
【0009】
目的地またはその周辺の詳細情報としては、記憶手段に地図情報と共に記憶された情報および/または通信手段を用いてダウンロードされた情報を用いることができる。
【0010】
本発明の案内表示方法は、表示画面に案内情報を表示する案内表示方法において、表示画面の配置の変更が検出され、目的地があらかじめ設定されており、かつ現在位置と目的地との距離が所定距離内であるときには、目的地またはその周辺の詳細情報を表示画面に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表示画面の配置を変更するという簡単な操作で、ユーザにとって必要と予想される情報を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[第1の実施の形態]
図1および図2は本発明の第1の実施の形態を示す図であり、図1は案内表示装置の利用形態、図2はその回路のブロック構成を示す。案内表示装置として、ここではPNDを想定して説明する。
【0013】
この実施の形態において、案内表示装置1は、ユーザが持ち歩くなど単独でも利用できるが、案内表示装置1を何らかの位置(例えば自動車内のダッシュボード)に固定して使用する場合には、アタッチメント2を利用する。アタッチメント2は、案内表示装置1を工具の必要なしに簡単に着脱できる構造となっており、また、吸盤等により自動車のダッシュボードや窓に取り付けることができる。図1ではアタッチメント2として台状のものを示したが、アーム状やその他の形態のものも用いることができる。
【0014】
図2を参照して案内表示装置1の構成について説明する。この案内表示装置1は、通信部11、現在位置取得部12、地図情報記憶部13、目的地記憶部14、経路検索部15、制御部16、表示部17、操作部18、音声出力部19、状態検出部20および外部機器接続部21を備える。外部機器接続部21には外部機器22が接続可能である。通信部11は、GPS信号やVICS(道路交通情報通信システム)情報等を受信する。現在位置取得部12は現在位置取得手段として機能し、通信部11で受信したGPS信号に基づいて現在位置を検出する。地図情報記憶部13にはあらかじめ地図情報が記憶される。目的地記憶部14は目的地を記憶する目的地記憶手段として機能し、操作部18からの入力により設定された目的地および必要な場合は経由地が記憶される。経路検索部15は、現在位置から目的地に至る経路を検索する。制御部16はこの案内表示装置1の各部の動作を制御し、また、表示画面17aの表示内容を制御する表示制御手段として機能する。表示部17は画像表示を行う表示手段として機能し、制御部16の制御により地図情報、現在位置およびその他の各種の情報を表示画面17aに表示する。この表示画面17aはタッチパネルとして機能するもので、リスト表示の際には、リスト中の目的とするものを指タッチすることにより、タッチしたものを選択することができる。また、この表示画面17aに表示される地図情報としては、地図画面だけでもよいが、その地図画面に付随する各種情報が含まれるものとしてもよい。操作部18は、各種スイッチやボタン、あるいは表示画面17aのタッチパネルからなり、ユーザの入力操作を受け取って制御部16に通知する。音声出力部19は、経路案内やその他の情報、あるいは操作に関するアナウンスを行う。状態検出部20は配置変更検出手段として機能し、表示部17の表示画面17aの配置状態を検出して、表示画面17aの配置が変更されたことを検出する。外部機器接続部21には、Bluetooth(登録商標)機器や音響機器等の外部機器22を接続することができる。
【0015】
[基本的な動作]
この案内表示装置1の基本的な動作について説明する。通常、制御部16は、現在位置取得部12が取得した現在位置に基づいて地図情報記憶部13を検索し、現在位置とその周辺の地図とを表示部17の表示画面17aに表示させる。地図の縮尺や表示される地図の上方向が北か進行方向かは、ユーザが操作部18からの操作により設定することができる。また、地図情報が3次元表示、すなわち俯瞰表示に対応している場合には、2次元表示か3次元表示かをユーザが設定することができる。現在位置は移動に伴って時々刻々変化するが、制御部16は、その変化に伴って、表示する地図を更新する。
【0016】
ユーザが操作部18からの操作により目的地および必要な場合は経由地を設定すると、これらが目的地記憶部14に記憶され、経路検索部15は、現在位置からその経由地を経由して目的地に至る経路を、地図情報記録部13に記憶されている地図情報に基づいて検索する。この後、制御部16は、目的地までの経路案内(ナビゲーション)を行う。この経路案内では、表示画面17aに表示される地図上に目的地に至る経路を目的地までの経路を目立つように表示させ、交差点が近づくと、その交差点までの距離および交差点で進むべき方向(車線)を大きく表示する。また、交差点の近辺の目的となる建物や施設(ランドマーク)をわかり易く表示する。さらに、音声出力部19からは、「次の交差点を右に曲がってください」というようなメッセージを出力する。目的地が近づくと、音声出力部19から、「目的地が近づきました」というようなメッセージを出力する。目的地に到達すると、音声出力部19から「目的地付近に到着しました」というようなメッセージを出力する。
【0017】
[表示画面の配置変更時の動作]
図3は、図1および図2に示した案内表示装置1において、表示画面17aの配置が変更されたときの動作例を説明するフローチャートである。表示画面の配置の変更が状態検出部20により検出され(ステップS1のYes)、目的地があらかじめ設定されており(ステップS2のYes)、かつ現在位置と目的地との距離が所定距離内であるとき(ステップS3のYes)、制御部16は、目的地またはその周辺の詳細情報を取得し(ステップS4)、取得した詳細情報を表示画面17aに表示させる(ステップS5)。目的地までの範囲としては、例えば、表示している画面の縮尺が5万分の1なら現在位置から目的地までの距離が5km以内、画面の縮尺が2万5千分の1なら2.5km以内とする。制御部16内のメモリ上には表示されている範囲より大きな地図が展開されており、目的地が画面に表示されていない状態でも、目的地までの距離は制御部16で計算することができる。また、詳細情報の取得は、地図情報記憶部13に地図情報と共に記憶された情報でもよく、通信部11あるいは外部機器接続部21に外部機器22として接続されたBluetooth(登録商標)機器を介してダウンロードされた情報を用いてもよい。また、それらの双方の情報を用いてもよい。
【0018】
表示画面17aの配置が変更されていない場合(ステップS1のNo)、目的地が設定されていない場合(ステップS2のNo)、あるいは現在位置と目的地との距離が所定距離より遠い場合(ステップS3のNo)には、このフローを終了して、上述した基本的な動作に戻る。
【0019】
[画面表示の切り替え]
図4は現在地と目的地との距離が所定距離内のときの表示画面17aの配置変更とそれに伴う表示切替の一例を説明する図である。ここでは、案内表示装置1が自動車に取り付けられているものとして説明する。図4(A)のように、表示画面17aが横長配置で地図上に現在位置を表示しながら経路案内を行っているとする。この状態で表示画面17aの配置が縦長配置に変更されると、制御部15は、目的地周辺の駐車場情報を取得し、利用可能な駐車場を表示画面17aにリスト表示させる。このリストは、経路案内表示を縦長配置に適するように切り替えた上でその経路案内表示に上に重ねて表示してもよく、経路案内表示なしで表示してもよい。
【0020】
図5は図4(B)において駐車場Cを選択した場合の表示画面17a上の表示例を示す。リスト表示された駐車場からユーザがタッチ操作によりひとつの駐車場を選択すると、その駐車場以降の詳しい情報が表示画面17aに表示される。
【0021】
図6は選択された駐車場の詳しい情報を表示画面16a上に横長配置で表示した例を示す。図5の表示状態においてユーザがいくつかの駐車場を選択してチェックを付け、その後、表示画面17aの配置が再度変更されたときに、そのチェックされた駐車場に関する詳しい情報を表示画面17aにリスト表示する。これにより、ユーザに見易い表示が可能となる。この表示も、経路案内表示の上に重ねてもよく、経路案内表示なしでもよい。図6の表示は、表示画面17aが例えば時計回りに90度回転して図4(B)のような表示が行われた後に、表示画面17aが反時計回りに90度回転したときに行ってもよいが、表示画面17aが反時計回りに90度回転したときにはリスト表示のない通常の経路案内表示に戻ることとし、表示画面17aが時計回りに90度回転した状態からさらに90度回転したときに行うことにしてもよい。
【0022】
また、図4(B)の表示状態においていつかの駐車場をタッチ操作により選択できることとし、いくつかの駐車場が選択された状態で表示画面17aの配置が再度変更されたときに、図6に示すように、選択された駐車場に関する詳しい情報を表示画面17aにリスト表示することもできる。さらに、図5の表示状態でタッチ操作により項目を選択し、選択された項目を図6の表示状態で表示することもできる。
【0023】
図7および図8はそれぞれ、表示画面17aの配置が変更されたときの目的地またはその周辺の詳細情報の他の表示例を示す。図7に示す例は、詳細情報を吹き出し形式で表示するものである。図8に示す例は、表示画面17aを上下に分割し、経路案内表示を上に、リスト表示を下に並べて表示したものである。経路案内表示とリスト表示との上下は図8と逆でもよい。
【0024】
[第2の実施の形態]
図9は本発明の第2の実施の形態を示すブロック構成図であり、図1に示した案内表示装置の別の回路構成例を示す。この実施の形態においても、図1および図2を参照して説明した実施の形態と同様に、PNDを想定して説明する。この第2の実施の形態は、移動手段が何であるかを判断する手段として移動手段記憶部23を備えたことが、図2に示した構成と異なる。移動手段記憶部23には、操作部18から入力された移動手段が記憶される。移動手段の入力は、ユーザが目的地および必要な場合は経由地を設定する際に、同時に行われることが望ましい。移動手段記憶部23以外の構成は図2に示した構成と同等であり、説明を省略する。
【0025】
[表示画面の配置変更時の動作]
図10は、図9に示した案内表示装置1において、表示画面の配置が変更されたときの動作例を説明するフローチャートである。表示画面の配置の変更が状態検出部20により検出され(ステップS1のYes)、目的地があらかじめ設定されており(ステップS2のYes)、かつ現在位置と目的地との距離が所定距離内であるとき(ステップS3のYes)、制御部16は、まず、移動手段記憶部23に記憶された移動手段が自動車であるか、それ以外かを判断する(ステップS11)。移動手段が自動車である場合(ステップS11のYes)には、図4から図8を参照して説明したように、目的地周辺の駐車場情報を取得して(ステップS12)その情報を表示画面に表示させる(ステップS13)。登録された移動手段が自動車でない場合には(ステップS11のNo)、移動手段が徒歩(バス、電車あるいは列車などの公共交通機関を途中利用する場合を含む)であるとし、目的地周辺の施設の情報を取得する(ステップS14)。そして、目的地が駅やバスターミナル等の交通機関の施設である場合、または目的地の周辺に交通機関の施設がある場合には(ステップS15のYes)、その施設へのアクセス経路に関する情報を表示画面に表示させて案内を行う(ステップS16)。目的地がその他の施設、例えば公共施設、景勝地、観光施設、遊興施設などである場合(ステップS15のNo)には、その施設の情報を取得して表示する(ステップS17)。
【0026】
[表示画面の配置変更の検出]
図11は表示画面17aの配置の変更を検出する方法の一例を示す図であり、案内表示装置1を裏面から見た状態を示す。この例では、案内表示装置1をアタッチメント2に取り付けるための取付部を回転スイッチ3として利用する。この回転スイッチ3は2つの接点4、5を備え、案内表示装置1の本体側の接点6が接点4に接続していれば表示画面16aは横長配置(実線)、接点5に接続していれば縦長配置(破線)と判断することができる。また、接点4、5の一方だけを利用することもできる。接点4のみを利用する場合であれば、そこに本体側の接点6が接続していれば横長配置、接続していなければ横長配置ではなないと判断できる。「横長配置ではない」ということは斜め配置か縦長配置のどちらかであることになるが、この場合は縦長配置と判定する。接点5のみを利用する場合であれば、本体側の接点6が接点5に接続していない限り、配置変更はないと判断する。回転スイッチ3の接点をさらに増やし、0度と90度の回転位置だけでなく、−90度(270度)や180度回転した配置を検出することもできる。
【0027】
図12は表示画面の状態を検出する方法の別の例を示す図であり、案内表示装置1の内部に設置されるGセンサ(加速度センサ)を用いた例を示す。位置関係を図11に対応させるため、図12においても、案内表示装置1を裏面から見た状態で示す。Gセンサは、鉛直方向のとき1G、水平方向のときには重力加速度が加わらないので0Gを出力する。そこで、例えば案内表示装置1の表示画面17aが横長配置のときGセンサが水平方向、縦長配置のときGセンサが鉛直方向に向くようにする。重力加速度Gの値とGセンサの水平方向に対する傾きθはG=sinθの関係があり、Gセンサを利用することで、横長配置と縦長配置との判定だけでなく、案内表示装置1の角度を求めることができる。
【0028】
図11に示した回転スイッチ3は、案内表示装置1がアタッチメント2に取り付けられている場合には、案内表示装置1の横の部分を押してアタッチメント2に対して回転させるだけで表示画面17aを切り替えることができる。しかし、案内表示装置1を手に持って利用する場合には、ユーザが回転スイッチ3を直接操作する必要がある。これに対してGセンサを用いる場合には、表示画面17aの面をほぼ鉛直に保つ必要はあるが、単に案内表示装置1を傾けるだけで、表示画面17aを縦長に合わせた状態や横長に合わせた状態に切り替えることができる。
【0029】
図11、図12では、案内表示装置1を傾けるときには正面から見てその右側が下になるものとして説明したが、左側が下になったとき、あるいは右側と左側のどちらが下になった場合にも、同様に表示画面を切り替える構成とすることができる。
【0030】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、案内表示装置1の表示画面17aの配置を変更するだけで、画面表示の内容を切り替えることができる。自動車に据え付けるタイプのカー・ナビゲーション・システムで表示画面の回転を実施することは無理があるが、種々の場所に取り付けられるタイプのカー・ナビゲーション・システムやPNDのような装置であれば、ユーザは、手を伸ばして画面を回転させることで、ほとんど視線を逸らす必要なしに簡単に画面表示の内容を切り替えることができる。特にPNDのように画面が本体と一体のものであれば、本体ごと回転させればよい。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は要旨を変更しない限り種々変更することができる。例えば、PNDのように表示手段が案内表示装置1の本体に一体に設けられている場合だけでなく、表示手段が案内表示装置の本体とは別に設けられている場合にも、表示手段の傾き状態を検出することで、同様に実施することができる。
【0032】
また、案内表示装置1の外形が横長であっても表示画面17aが正方形の場合には、ナビゲージョン装置1が横長配置のときに通常の案内表示とし、縦長配置のときにリスト表示としてもよい。表示画面16aが縦長配置のときには通常の案内表示とし、横長配置のときにリスト表示としてもよい。
【0033】
また、案内表示装置1またはその表示画面16aの回転方向により表示される内容を変更することもできる。例えば、時計方向に90度回転させたときには駐車場情報をリスト表示させ、反時計方向に90度回転させたときには、駅へのアクセス案内を表示させてもよい。さらには、180度回転させたときに、さらに他の種類のリスト表示をさせるようにしたり、左右の90度回転ではリスト表示をさせずに、180度回転させたときにリスト表示をさせるようにしてもよい。ひとつの方向に回転したときには詳細情報の表示を行い、他の方向に回転したときには、特許文献1に示されたように目的地を見通せるようにしたり、縮尺を変更して現在位置と目的地の配置がわかるようにするなど、その配置に適した地図を表示させることもできる。
【0034】
また、地図情報記憶部13としては、ハードディスク、DVD、ROM(読み取り専用メモリ)、フラッシュメモリなどを利用できる。表示手段としての表示部16には、タッチパネル式のもの以外に、単なる液晶表示装置や他の平面表示装置を用いてもよい。位置検出手段としての現在位置検出部12、状態検出手段としての状態検出部19、および経路検索部14はそれぞれ、単独のハードウェアとして構成することもできるが、表示制御手段としても機能する制御部15を構成するCPU(中央処理装置)やROM、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)などを共用し、ソフトウェアとして実施することもできる。
【0035】
上述の説明では地図情報が地図情報記憶部13にあらかじめ記憶されているものとしたが、通信部11あるいは外部機器接続部21に接続された外部機器21により提供されるインターネット回線などの通信回線を利用して、地図情報や経路探索結果をサーバから得ることもできる。通信回線を使って得た地図情報や経路探索結果は、地図情報記憶部13に保存して利用し、同様の動作をさせることも可能である。さらに、携帯電話等で案内表示を行う場合などのように、常時通信を行って必要な地図情報を更新しながら本発明を実施することもできる。現在位置や経路検索結果、周辺情報に関しても同様に、通信回線を利用して取得することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図であり、案内表示装置の利用形態を示す図である。
【図2】図1に示す案内表示装置の回路構成を示すブロック構成図である。
【図3】図1に示す案内表示装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図1に示す案内表示装置における表示画面の配置変更(A)とそれに伴う表示切替(B)の一例を説明する図である。
【図5】図4の下図において駐車場Cを選択した場合の表示例を示す図である。
【図6】図5の表示において選択された項目を横長配置で表示した例を示す図である。
【図7】図1に示す案内表示装置において表示画面の配置が変更されたときの目的地またはその周辺の詳細情報を吹き出し形式で表示する例を示す図である。
【図8】図1に示す案内表示装置において表示画面の配置が変更されたときの目的地またはその周辺の詳細情報を、表示画面を上下に分割し、経路案内表示を上に、リスト表示を下に並べて表示する例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示すブロック構成図であり、図1に示した案内表示装置の別の回路構成例を示す図である。
【図10】図9に示す案内表示装置の動作例を示すフローチャートであり、移動手段が自動車であるときには駐車場に関する情報を、それ以外の場合には、目的地となっている施設またはその周辺の施設に関する情報を表示する例を説明する図である。
【図11】図1に示す案内表示装置の表示画面の配置変更を検出する方法の一例を示す図である。
【図12】図1に示す案内表示装置の表示画面の配置変更を検出する方法の別の例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1 案内表示装置、2 アタッチメント、3 回転スイッチ、4、5 接点、6 本体側の接点、11 通信部、 12 現在位置取得部(現在位置取得手段)、13 地図情報記憶部、14 目的地記憶部(目的地記憶手段)、15 経路検索部、16 制御部(表示制御手段)、17 表示部(表示手段)、17a 表示画面、18 操作部、19 音声出力部、20 状態検出部(配置変更検出手段)、21 外部機器接続部、22 外部機器、23 移動手段記憶部(移動手段が何であるかを判断する手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を取得する現在位置取得手段と、
目的地を記憶する目的地記憶手段と、
画像表示を行う表示手段と、
表示内容を制御する表示制御手段と、
上記表示手段の表示画面の配置が変更されたことを検出する配置変更検出手段と、
を備え、
上記表示制御手段は、上記現在位置と上記目的地との距離が所定距離内となった状態で上記表示画面の配置が変更されたときには、上記目的地またはその周辺の詳細情報を上記表示手段に表示させる
ことを特徴とする案内表示装置。
【請求項2】
前記表示手段は地図情報の表示を行うことを特徴とする請求項1記載の案内表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記目的地となっている施設またはその周辺の施設に関する情報を前記詳細情報として前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1記載の案内表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記目的地が交通機関の施設である場合、または前記目的地の周辺に交通機関の施設がある場合には、その施設へのアクセス経路に関する情報を前記詳細情報として前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項3記載の案内表示装置。
【請求項5】
移動手段が何であるかを判断する手段を備えた請求項1記載の案内表示装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、移動手段が自動車であるときには駐車場に関する情報を、それ以外のときには前記目的地となっている施設またはその周辺の施設に関する情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項5記載の案内表示装置。
【請求項7】
前記目的地またはその周辺の詳細情報は、前記記憶手段に前記地図情報と共に記憶された情報および/または通信手段を用いてダウンロードされた情報である請求項1から5のいずれか1項に記載の案内表示装置。
【請求項8】
表示画面に案内情報を表示する案内表示方法において、
上記表示画面の配置の変更が検出され、目的地があらかじめ設定されており、かつ現在位置と上記目的地との距離が所定距離内であるときには、上記目的地またはその周辺の詳細情報を上記表示画面に表示する
ことを特徴とする案内表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−294168(P2009−294168A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150512(P2008−150512)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】