説明

機器の操作装置

【課題】車両の挙動に対して好ましくない操作を抑制する。
【解決手段】ECUは、エンジン回転数が予め定められた値より小さくなる変速比の上限値および車両がスリップしないと考えられる変速比の上限値の少なくともいずれか一方の値以上に変速比が増大すると(S400にてYES)、シフトレバーの反力がステップ的に増大するように、反力を発生させる電動アクチュエータを制御するステップ(S410)を含む、プログラムを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の操作装置に関し、特に、運転者の操作に応じて作動する機器の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両においては、シフトレバー、アクセルペダルおよびブレーキペダルなどへの運転者の操作に応じて、車両の駆動力もしくは制動力が制御される。これらの部材の操作量に応じて駆動力もしくは制動力が大きくされたり小さくされたりする。
【0003】
ところで、シフトレバー、アクセルペダルおよびブレーキペダルなどの部材を操作する際には、運転者に対して反力が作用する。すなわち、シフトレバー、アクセルペダルおよびブレーキペダルなどを操作するために必要な荷重を加えなければ、これらを操作することができない。したがって、反力を変化させることにより、特定の操作を抑制することができる。
【0004】
特開2005−2844号公報(特許文献1)は、車両のアクセルペダル又はシフトレバーの少なくとも一方の操作荷重を駆動バイワイヤにより電気的に発生させる車両用の操作装置を開示する。特許文献1に記載の車両用の操作装置は、回転駆動力を操作荷重として発生させる電動モータと、操作荷重を機械的に発生させるスプリングとの少なくとも一方と、電磁力を操作荷重として発生させる電磁ブレーキとを含む。駆動バイワイヤにより操作装置に操作荷重が発生される。シフトレバーをシフトアップ又はシフトダウンする方向に操作しても効果が無い場合には、効果の無い方向への操作荷重が重くされる。
【0005】
この公報に記載の車両用の操作装置によれば、駆動バイワイヤにより操作装置に操作荷重を発生させることができ、車両のアクセルペダル又はシフトレバーの少なくとも一方の操作荷重と操作感触(フィーリング)を効率良く制御することができる。また、シフトレバーを前方に倒して一速、二速…と順次シフトアップさせ、その上限の段階まで到達させるとシフトレバーをさらに前方に倒してもシフトアップの効果が無くなる。このように効果が無くなった場合には、シフトレバーの前方への操作に対する操作荷重が重くされ、シフトレバーの前方への移動を規制することができ、運転者に適切な操作荷重が付与されるとともに変速機を適切に制御できる。
【特許文献1】特開2005−2844号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、運転者によりなされる操作が車両の挙動に対して好ましくない場合ある。たとえばエンジン回転数が高い状態においてシフトレバーが操作されることによりダウンシフトが行なわれると、エンジン回転数が過度に高くなる。また、低μ路においてシフトレバーが操作されることによりダウンシフトが行なわれると、駆動力が過大になって車両がスリップし得る。しかしながら、特開2005−2844号公報に記載の操作装置においては、車両の挙動に対して好ましくない操作に関しては何等考慮されていない。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車両の挙動に対して好ましくない操作を抑制することができる機器の操作装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る機器の操作装置は、操作部材に対する運転者の操作に応じて作動する機器の操作装置である。この操作装置は、車両の走行状態を検出するための検出手段と、機器により制御される制御値の変化を許容する範囲を、検出された走行状態に応じて設定するための設定手段と、範囲に基づいて、運転者が操作部材を操作する際の反力を制御するための制御手段とを含む。
【0009】
第1の発明によると、機器により制御される制御値の変化を許容する範囲が、検出された走行状態に応じて設定される。たとえば、エンジン回転数が高いほど変速機の変速比の上限値が低くなるように範囲が設定されたり、路面の摩擦係数が低いほど変速機の変速比の上限値が低くなるように範囲が設定されたりする。このような範囲に基づいて、運転者が操作部材を操作する際の反力が制御される。たとえば、制御値が範囲外の値になる場合、範囲内の値になる場合に比べて、反力が大きくなるように制御される。これにより、エンジン回転数が高い場合や低μ路を走行中である場合において、変速比が高くなるような操作を抑制することができる。そのため、エンジン回転数が高い場合にさらにエンジン回転数が高くなったり、低μ路において駆動力が過大になったりすることを抑制することができる。その結果、車両の挙動に対して好ましくない操作を抑制することができる機器の操作装置を提供することができる。
【0010】
第2の発明に係る機器の操作装置においては、第1の発明の構成に加え、制御手段は、制御値が範囲外の値になる場合、範囲内の値になる場合に比べて、反力が大きくなるように制御するための手段を含む。
【0011】
第2の発明によると、制御値が範囲外の値になる場合、範囲内の値になる場合に比べて、反力が大きくなるように制御される。これにより、許容される範囲外へ制御値が変化するような操作を抑制することができる。
【0012】
第3の発明に係る機器の操作装置においては、第1または2の発明の構成に加え、機器は変速機である。物理量は、変速比である。
【0013】
第3の発明によると、許容される範囲外へ変速比が変化するような操作を抑制することができる。
【0014】
第4の発明に係る機器の操作装置においては、第3の発明の構成に加え、設定手段は、エンジン回転数が高いほど上限値が低くなるように、範囲を設定するための手段を含む。
【0015】
第4の発明によると、エンジン回転数が高いほど上限値が低くなるように、範囲が設定される。これにより、エンジン回転数が高い場合において、変速比が高くなるような操作を抑制することができる。そのため、エンジン回転数が過度に高くなることを抑制することができる。
【0016】
第5の発明に係る機器の操作装置においては、第3の発明の構成に加え、設定手段は、路面の摩擦係数が低いほど上限値が低くなるように、範囲を設定するための手段を含む。
【0017】
第5の発明によると、路面の摩擦係数が低いほど上限値が低くなるように、範囲が設定される。これにより、低μ路を走行中である場合において、変速比が高くなるような操作を抑制することができる。そのため、低μ路において駆動力が過大になることを抑制することができる。その結果、車両がスリップすることを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0019】
図1を参照して、本実施の形態に係る操作装置を搭載した車両について説明する。この車両に搭載されたパワートレーン100のエンジン200の出力は、トルクコンバータ300および前後進切換装置400を介して、ベルト式無段変速機500に入力される。ベルト式無段変速機500の出力は、減速歯車600および差動歯車装置700に伝達され、左右の駆動輪800へ分配される。駆動輪800の回転は、ブレーキ装置1300により抑制される。ブレーキ装置1300は、摩擦力により駆動輪800の回転を抑制する。
【0020】
パワートレーン100は、後述するECU(Electronic Control Unit)900により制御される。なお、ベルト式無段変速機500の代わりに、その他、トロイダル式無段変速機などを用いるようにしてもよい。
【0021】
トルクコンバータ300は、エンジン200のクランク軸に連結されたポンプ翼車302と、タービン軸304を介して前後進切換装置400に連結されたタービン翼車306とから構成されている。ポンプ翼車302およびタービン翼車306の間にはロックアップクラッチ308が設けられている。ロックアップクラッチ308は、係合側油室および解放側油室に対する油圧供給が切換えられることにより、係合または解放されるようになっている。
【0022】
ロックアップクラッチ308が完全係合させられることにより、ポンプ翼車302およびタービン翼車306は一体的に回転させられる。ポンプ翼車302には、ベルト式無段変速機500を変速制御したり、ベルト挟圧力を発生させたり、各部に潤滑油を供給したりするための油圧を発生する機械式のオイルポンプ310が設けられている。
【0023】
前後進切換装置400は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。トルクコンバータ300のタービン軸304はサンギヤ402に連結されている。ベルト式無段変速機500の入力軸502はキャリア404に連結されている。キャリア404とサンギヤ402とはフォワードクラッチ406を介して連結されている。リングギヤ408は、リバースブレーキ410を介してハウジングに固定される。フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410は油圧シリンダによって摩擦係合させられる。フォワードクラッチ406の入力回転数は、タービン軸304の回転数、すなわちタービン回転数NTと同じである。
【0024】
フォワードクラッチ406が係合させられるとともに、リバースブレーキ410が解放されることにより、前後進切換装置400は前進用係合状態となる。この状態で、前進方向の駆動力がベルト式無段変速機500に伝達される。リバースブレーキ410が係合させられるとともにフォワードクラッチ406が解放されることにより、前後進切換装置400は後進用係合状態となる。この状態で、入力軸502はタービン軸304に対して逆方向へ回転させられる。これにより、後進方向の駆動力がベルト式無段変速機500に伝達される。フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410が共に解放されると、前後進切換装置400は動力伝達を遮断するニュートラル状態になる。
【0025】
ベルト式無段変速機500は、入力軸502に設けられたプライマリプーリ504と、出力軸506に設けられたセカンダリプーリ508と、これらのプーリに巻き掛けられた伝動ベルト510とから構成される。各プーリと伝動ベルト510との間の摩擦力を利用して、動力伝達が行われる。
【0026】
各プーリは溝幅が可変であるように、油圧シリンダから構成されている。プライマリプーリ504の油圧シリンダの油圧が制御されることにより、各プーリの溝幅が変化する。これにより、伝動ベルト510の掛かり径が変更され、変速比GR(=プライマリプーリ回転数NIN/セカンダリプーリ回転数NOUT)が連続的に変化させられる。
【0027】
図2に示すように、ECU900には、エンジン回転数センサ902、タービン回転数センサ904、車輪速センサ906、スロットル開度センサ908、冷却水温センサ910、油温センサ912、アクセル開度センサ914、ストロークセンサ916、ポジションセンサ918、プライマリプーリ回転数センサ922およびセカンダリプーリ回転数センサ924が接続されている。
【0028】
エンジン回転数センサ902は、エンジン200の回転数(エンジン回転数)NEを検出する。タービン回転数センサ904は、タービン軸304の回転数(タービン回転数)NTを検出する。車輪速センサ(車速センサともいう)906は、車両の各車輪の回転数(回転速度)を検出する。各車輪の回転数から車速Vが検出される。
【0029】
スロットル開度センサ908は、電子スロットルバルブの開度θ(TH)を検出する。冷却水温センサ910は、エンジン200の冷却水温T(W)を検出する。油温センサ912は、ベルト式無段変速機500などの油温T(C)を検出する。アクセル開度センサ914は、アクセルペダルの開度A(CC)を検出する。ストロークセンサ916は、ブレーキペダルの操作量(ストローク量)を検出する。ポジションセンサ918は、シフトレバー920の位置(ストローク)を検出する。プライマリプーリ回転数センサ922は、プライマリプーリ504の回転数NINを検出する。セカンダリプーリ回転数センサ924は、セカンダリプーリ508の回転数NOUTを検出する。各センサの検出結果を表す信号が、ECU900に送信される。タービン回転数NTは、フォワードクラッチ406が係合された前進走行時にはプライマリプーリ回転数NINと一致する。車速Vは、セカンダリプーリ回転数NOUTと対応した値になる。したがって、車両が停車状態にあり、かつフォワードクラッチ406が係合された状態では、タービン回転数NTは0となる。
【0030】
ECU900は、CPU(Central Processing Unit)、メモリおよび入出力インターフェースなどを含む。CPUはメモリに記憶されたプログラムに従って信号処理を行なう。これにより、エンジン200の出力制御、ベルト式無段変速機500の変速制御、ベルト挟圧力制御、フォワードクラッチ406の係合/解放制御およびリバースブレーキ410の係合/解放制御などを実行する。
【0031】
エンジン200の出力制御は電子スロットルバルブ1000、燃料噴射装置1100、点火装置1200などによって行なわれる。ベルト式無段変速機500の変速制御、ベルト挟圧力制御、フォワードクラッチ406の係合/解放制御およびリバースブレーキ410の係合/解放制御は、油圧制御回路2000によって行なわれる。
【0032】
図3を参照して、油圧制御回路2000の一部について説明する。オイルポンプ310が発生した油圧は、ライン圧油路2002を介してプライマリレギュレータバルブ2100、モジュレータバルブ(1)2310およびモジュレータバルブ(3)2330に供給される。
【0033】
プライマリレギュレータバルブ2100には、SLTリニアソレノイドバルブ2200およびSLSリニアソレノイドバルブ2210のいずれか一方から選択的に制御圧が供給される。本実施の形態において、SLTリニアソレノイドバルブ2200およびSLSリニアソレノイドバルブ2210の両方は、ノーマルオープン(非通電時に出力される油圧が最大になる)のソレノイドバルブである。なお、SLTリニアソレノイドバルブ2200およびSLSリニアソレノイドバルブ2210がノーマルクローズ(非通電時に出力される油圧が最小(「0」)になる)であるようにしてもよい。
【0034】
プライマリレギュレータバルブ2100のスプールは、供給された制御圧に応じて上下に摺動する。これにより、オイルポンプ310で発生した油圧がプライマリレギュレータバルブ2100により調圧(調整)される。プライマリレギュレータバルブ2100により調圧された油圧がライン圧PLとして用いられる。本実施の形態においては、プライマリレギュレータバルブ2100に供給される制御圧が高いほど、ライン圧PLがより高くなる。なお、プライマリレギュレータバルブ2100に供給される制御圧が高いほど、ライン圧PLがより低くなるようにしてもよい。
【0035】
SLTリニアソレノイドバルブ2200およびSLSリニアソレノイドバルブ2210には、ライン圧PLを元圧としてモジュレータバルブ(3)2330により調圧された油圧が供給される。
【0036】
SLTリニアソレノイドバルブ2200およびSLSリニアソレノイドバルブ2210は、ECU900から送信されたデューティ信号によって決まる電流値に応じて制御圧を発生させる。
【0037】
SLTリニアソレノイドバルブ2200の制御圧(出力油圧)およびSLSリニアソレノイドバルブ2210の制御圧(出力油圧)うち、プライマリレギュレータバルブ2100へ供給される制御圧は、コントロールバルブ2400により選択される。
【0038】
コントロールバルブ2400のスプールが図3において(A)の状態(左側の状態)にある場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200からプライマリレギュレータバルブ2100へ制御圧が供給される。すなわち、SLTリニアソレノイドバルブ2200の制御圧に応じて、ライン圧PLが制御される。
【0039】
コントロールバルブ2400のスプールが図3において(B)の状態(右側の状態)にある場合、SLSリニアソレノイドバルブ2210からプライマリレギュレータバルブ2100へ制御圧が供給される。すなわち、SLSリニアソレノイドバルブ2210の制御圧に応じて、ライン圧PLが制御される。
【0040】
なお、コントロールバルブ2400のスプールが図3において(B)の状態にある場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200の制御圧は、後述するマニュアルバルブ2600に供給される。
【0041】
コントロールバルブ2400のスプールは、スプリングにより一方向へ付勢される。このスプリングの付勢力に対向するように、変速制御用デューティソレノイド(1)2510および変速制御用デューティソレノイド(2)2520から油圧が供給される。
【0042】
変速制御用デューティソレノイド(1)2510および変速制御用デューティソレノイド(2)2520の両方からコントロールバルブ2400に油圧が供給された場合、コントロールバルブ2400のスプールは図3において(B)の状態になる。
【0043】
変速制御用デューティソレノイド(1)2510および変速制御用デューティソレノイド(2)2520の少なくともいずれか一方からコントロールバルブ2400に油圧が供給されていない場合、コントロールバルブ2400のスプールは、スプリングの付勢力により図3において(A)の状態になる。
【0044】
変速制御用デューティソレノイド(1)2510および変速制御用デューティソレノイド(2)2520には、モジュレータバルブ(4)2340により調圧された油圧が供給される。モジュレータバルブ(4)2340は、モジュレータバルブ(3)2330から供給された油圧を一定の圧力に調圧する。
【0045】
モジュレータバルブ(1)2310は、ライン圧PLを元圧として調圧された油圧を出力する。モジュレータバルブ(1)2310から出力された油圧は、セカンダリプーリ508の油圧シリンダに供給される。セカンダリプーリ508の油圧シリンダには、伝動ベルト510が滑りを生じないような油圧が供給される。
【0046】
モジュレータバルブ(1)2310には、軸方向へ移動可能なスプールおよびそのスプールを一方へ付勢するスプリングが設けられている。モジュレータバルブ(1)2310は、ECU900によりデューティ制御されるSLSリニアソレノイドバルブ2210の出力油圧をパイロット圧として、モジュレータバルブ(1)2310に導入されるライン圧PLを調圧する。モジュレータバルブ(3)により調圧された油圧は、セカンダリプーリ508の油圧シリンダに供給される。モジュレータバルブ(1)2310からの出力油圧に応じてベルト挟圧力が増減させられる。
【0047】
SLSリニアソレノイドバルブ2210は、アクセル開度A(CC)および変速比GRをパラメータとしたマップに従い、ベルト滑りが生じないベルト挟圧力になるように制御される。具体的には、SLSリニアソレノイドバルブ2210に対する励磁電流をベルト挟圧力に対応するデューティ比で制御する。なお、加減速時などに伝達トルクが急に変化する場合には、ベルト挟圧力を増大補正してベルト滑りを抑制してもよい。
【0048】
セカンダリプーリ508の油圧シリンダに供給される油圧は、プレッシャセンサ2312により検出される。
【0049】
図4を参照して、マニュアルバルブ2600について説明する。マニュアルバルブ2600は、シフトレバー920の操作に従って機械的に切換えられる。これにより、フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410は係合させられたり、解放させられたりする。
【0050】
シフトレバー920は、駐車用の「P」ポジション、後進走行用の「R」ポジション、動力伝達を遮断する「N」ポジション、前進走行用の「D」ポジションおよび「B」ポジションへ操作される。
【0051】
「P」ポジションおよび「N」ポジションでは、フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410内の油圧は、マニュアルバルブ2600からドレンされる。これにより、フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410は解放される。
【0052】
「R」ポジションでは、マニュアルバルブ2600からリバースブレーキ410に油圧が供給される。これによりリバースブレーキ410が係合させられる。一方、フォワードクラッチ406内の油圧がマニュアルバルブ2600からドレンされる。これによりフォワードクラッチ406が解放される。
【0053】
コントロールバルブ2400が図4において(A)の状態(左側の状態)にある場合、図示しないモジュレータバルブ(2)から供給されたモジュレータ圧PMが、コントロールバルブ2400を介してマニュアルバルブ2600に供給される。このモジュレータ圧PMによりリバースブレーキ410が係合状態に保持される。
【0054】
コントロールバルブ2400が図4において(B)の状態(右側の状態)にある場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200により調圧された油圧が、マニュアルバルブ2600に供給される。SLTリニアソレノイドバルブ2200により油圧を調圧することにより、リバースブレーキ410が緩やかに係合され、係合時のショックが抑制される。
【0055】
「D」ポジションおよび「B」ポジションでは、マニュアルバルブ2600からフォワードクラッチ406に油圧が供給される。これによりフォワードクラッチ406が係合させられる。一方、リバースブレーキ410内の油圧がマニュアルバルブ2600からドレンされる。これによりリバースブレーキ410が解放される。
【0056】
コントロールバルブ2400が図4において(A)の状態(左側の状態)にある場合、図示しないモジュレータバルブ(2)から供給されたモジュレータ圧PMが、コントロールバルブ2400を介してマニュアルバルブ2600に供給される。このモジュレータ圧PMによりフォワードクラッチ406が係合状態に保持される。
【0057】
コントロールバルブ2400が図4において(B)の状態(右側の状態)にある場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200により調圧された油圧が、マニュアルバルブ2600に供給される。SLTリニアソレノイドバルブ2200により油圧を調圧することにより、フォワードクラッチ406が緩やかに係合され、係合時のショックが抑制される。
【0058】
SLTリニアソレノイドバルブ2200は、通常はコントロールバルブ2400を介してライン圧PLを制御する。SLSリニアソレノイドバルブ2210は、通常はモジュレータバルブ(1)2310を介してベルト挟圧力を制御する。
【0059】
一方、シフトレバー920が「D」ポジションである状態で車両が停止した(車速が「0」になった)という条件を含むニュートラル制御実行条件が成立した場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200は、フォワードクラッチ406の係合力が低下するように、フォワードクラッチ406の係合力を制御する。SLSリニアソレノイドバルブ2210は、モジュレータバルブ(1)2310を介してベルト挟圧力を制御するとともに、SLTリニアソレノイドバルブ2200に代わって、ライン圧PLを制御する。
【0060】
シフトレバー920が「N」ポジションから「D」ポジションまたは「R」ポジションへ操作されるガレージシフトが行なわれた場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200は、フォワードクラッチ406もしくはリバースブレーキ410が緩やかに係合するように、フォワードクラッチ406もしくはリバースブレーキ410の係合力を制御する。SLSリニアソレノイドバルブ2210は、モジュレータバルブ(1)2310を介してベルト挟圧力を制御するとともに、SLTリニアソレノイドバルブ2200に代わって、ライン圧PLを制御する。
【0061】
図5を参照して、変速制御を行なう構成について説明する。変速制御は、プライマリプーリ504の油圧シリンダに対する油圧の供給および排出を制御することにより行なわれる。プライマリプーリ504の油圧シリンダに対する作動油の給排は、レシオコントロールバルブ(1)2710およびレシオコントロールバルブ(2)2720を用いて行なわれる。
【0062】
プライマリプーリ504の油圧シリンダには、ライン圧PLが供給されるレシオコントロールバルブ(1)2710と、ドレンに接続されたレシオコントロールバルブ(2)2720とが連通されている。
【0063】
レシオコントロールバルブ(1)2710は、アップシフトを実行するためのバルブである。レシオコントロールバルブ(1)2710は、ライン圧PLが供給される入力ポートとプライマリプーリ504の油圧シリンダに連通された出力ポートとの間の流路をスプールによって開閉するように構成されている。
【0064】
レシオコントロールバルブ(1)2710のスプールの一端部にはスプリングが配置されている。スプールを挟んでスプリングとは反対側の端部に、変速制御用デューティソレノイド(1)2510からの制御圧が供給されるポートが形成されている。また、スプリングが配置されている側の端部に、変速制御用デューティソレノイド(2)2520からの制御圧が供給されるポートが形成されている。
【0065】
変速制御用デューティソレノイド(1)2510からの制御圧を高くするとともに、変速制御用デューティソレノイド(2)2520から制御圧を出力しないようにすると、レシオコントロールバルブ(1)2710のスプールが図5において(D)の状態(右側の状態)になる。
【0066】
この状態では、プライマリプーリ504の油圧シリンダに供給される油圧が増加してプライマリプーリ504の溝幅が狭くなる。そのため、変速比が低下する。すなわちアップシフトする。またその際の作動油の供給流量を増大させることにより、変速速度が速くなる。
【0067】
レシオコントロールバルブ(2)2720は、ダウンシフトを実行するためのバルブである。レシオコントロールバルブ(2)2720のスプールの一端部にはスプリングが配置されている。スプリングが配置されている側の端部に、変速制御用デューティソレノイド(1)2510からの制御圧が供給されるポートが形成されている。スプールを挟んでスプリングとは反対側の端部に、変速制御用デューティソレノイド(2)2520からの制御圧が供給されるポートが形成されている。
【0068】
変速制御用デューティソレノイド(2)2520からの制御圧を高くするとともに、変速制御用デューティソレノイド(1)2510から制御圧を出力しないようにすると、レシオコントロールバルブ(2)2720のスプールが図5において(C)の状態(左側の状態)になる。同時に、レシオコントロールバルブ(1)2710のスプールが図5において(C)の状態(左側の状態)になる。
【0069】
この状態では、レシオコントロールバルブ(1)2710およびレシオコントロールバルブ(2)2720を介して、プライマリプーリ504の油圧シリンダから作動油が排出される。そのため、プライマリプーリ504の溝幅が広くなる。その結果、変速比が増大する。すなわちダウンシフトする。またその際の作動油の排出流量を増大させることにより、変速速度が速くなる。
【0070】
図6を参照して、シフトレバー920についてさらに説明する。シフトレバー920は、ゲート930内を移動するように設けられる。シフトレバー920は、ゲート930内の任意の位置に停止可能であるように設けられる。
【0071】
本実施の形態においては、ゲート930内の各位置に対応した変速比になるように、ベルト式無段変速機500が制御される。たとえば、シフトレバー920の位置が図6において上方であるほど、高速側の変速比になるように、すなわち変速比が低くなるようにベルト式無段変速機500が制御される。逆に、シフトレバー920の位置が図6において下方であるほど、低速側の変速比になるように、すなわち変速比が高くなるようにベルト式無段変速機500が制御される。
【0072】
なお、ベルト式無段変速機500の変速比を設定する方法はこれに限らない。シフトレバー920の位置が図6において上方であるほど変速比が高くなるようし、シフトレバー920の位置が図6において下方であるほど変速比が低くなるようにしてもよい。
【0073】
ここで、本実施の形態においては、シフトレバー920の位置が図6において上方にあるほど、ストロークが大きいとする。シフトレバー920を操作するために必要な荷重、すなわち運転者がシフトレバー920を操作する際に受ける反力は、電動アクチュエータ932により発生される。この電動アクチュエータ932は、ECU900により制御される。なお、シフトレバー920の反力を発生する構造については、公知の技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰り返さない。シフトレバー920の反力については、後で詳述する。
【0074】
図7を参照して、ECU900についてさらに説明する。ECU900は、基本反力算出部940と、反力制御部950と、限界変速比算出部960とを含む。基本反力算出部940は、図8のマップにしたがって、シフトレバー920のストロークが大きいほど大きくなるように反力の基本値(以下、基本反力とも記載する)を算出する。
【0075】
図7に戻って、反力制御部950は、所望の反力を発生させたり、シフトレバー920を移動させるために電動アクチュエータ932を制御する。また、シフトレバー920の位置、すなわち変速比が車両の挙動に対して好ましくない状態に近づいていることを運転者に報知するために警報装置934を制御する。
【0076】
シフトレバー920の反力は、基本反力算出部940により算出された基本反力の他、エンジン回転数が予め定められた値より低くなる変速比の上限値、および車両(車輪)がスリップしないと考えられる変速比の上限値に基づいて定められる。
【0077】
図9において実線で示すように、エンジン回転数が予め定められた値より低くなる変速比の上限値は、セカンダリプーリ回転数(ベルト式無段変速機500の出力軸回転数)NOUT、すなわちエンジン回転数が高いほど低くなるように設定される。エンジン回転数が予め定められた値より低くなる変速比の上限値は、ECU900のメモリに予め記憶される。この上限値により、エンジン回転数が予め定められた値より低くなる変速比として許容される変速比の範囲が規定される。
【0078】
図9における破線は、シフトレバー920の位置、すなわち変速比が車両の挙動に対して好ましくない状態に近づいていることを運転者に報知する変速比を規定した第1のしきい値である。
【0079】
図10において実線で示すように、車両がスリップしないと考えられる変速比の上限値は、予め作成されたマップなどに基づいて、セカンダリプーリ回転数NOUTが高いほど低くなるように設定される。また、車両がスリップしないと考えられる変速比の上限値は、路面のμが低いほど低くなるように設定される。この上限値により、車両がスリップしないと考えられる変速比として許容される変速比の範囲が規定される。
【0080】
図10における破線は、シフトレバー920の位置、すなわち変速比が車両の挙動に対して好ましくない状態に近づいていることを運転者に報知する変速比を規定した第2のしきい値である。
【0081】
車両がスリップしないと考えられる変速比の上限値(図10における実線)は、限界変速比算出部960により設定される。限界変速比算出部960は、路面のμ(摩擦係数)に基づいて、車両がスリップしないと考えられる変速比の上限値を設定する。ここで、路面のμは、たとえばタイヤのスリップ率から算出される。スリップ率は、たとえば各車輪の回転数から推定される。なお、路面のμを算出する方法については周知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰り返さない。
【0082】
図11および図12を参照して、ECU900が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、以下に説明するプログラムは、予め定められた周期で繰返し実行される。
【0083】
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU900は、プライマリプーリ回転数NINおよびセカンダリプーリ回転数NOUTに基づいて、ベルト式無段変速機500の変速比を検出する。
【0084】
S200にて、ECU900は、変速比が第1のしきい値(図9における破線)および第2のしきい値(図10における破線)の両方よりも低いか否かを判別する。変速比が第1のしきい値および第2のしきい値の両方よりも低いと、処理はS210に移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS300に移される。なお、変速比は、現在のセカンダリプーリ回転数NOUTに対応する各しきい値と比較される。
【0085】
S210にて、ECU900は、シフトレバー920のストロークに基づいて基本反力を算出する。S220にて、ECU900は、基本反力を発生するように電動アクチュエータ932を制御する。
【0086】
S300にて、ECU900は、音および描画のうちの少なくともいずれか一方を用いた警告を運転者に対して行なうように、警報装置934を制御する。S310にて、ECU900は、変速比が大きくなるにしたがって、反力が漸増するように、電動アクチュエータ932を制御する。
【0087】
S400にて、ECU900は、エンジン回転数が予め定められた値より低くなる変速比の上限値(図9における実線)および車両がスリップしないと考えられる変速比の上限値(図10における実線)の少なくともいずれか一方の値以上に変速比が増大したか否かを判別する。エンジン回転数が予め定められた値より低くなる変速比の上限値および車両がスリップしないと考えられる変速比の上限値の少なくともいずれか一方の値以上に変速比が増大すると(S400にてYES)、処理はS410に移される。もしそうでないと(S400にてNO)、この処理は終了する。なお変速比は、現在のセカンダリプーリ回転数NOUTに対応する各上限値と比較される。
【0088】
S410にて、ECU900は、反力がステップ的に増大するように、電動アクチュエータ932を制御する。
【0089】
S500にて、ECU900は、車両がスリップしないと考えられる変速比の上限値(以上に変速比が増大したか否かを判別する。車両がスリップしないと考えられる変速比の上限値以上に変速比が増大すると(S500にてYES)、処理はS510に移される。もしそうでないと(S500にてNO)、この処理は終了する。
【0090】
S510にて、ECU900は、シフトレバー920のストロークが予め定められた値まで小さくなるように、電動アクチュエータ932を制御する。すなわち、運転者がシフトレバー920を操作しなくても電動アクチュエータ932が作動され、シフトレバー920が移動する。
【0091】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る操作装置の動作について説明する。
【0092】
車両の走行中、プライマリプーリ回転数NINおよびセカンダリプーリ回転数NOUTに基づいて、ベルト式無段変速機500の変速比が検出される(S100)。変速比が第1のしきい値(図9における破線)および第2のしきい値(図10における破線)の両方よりも低いと(S200にてYES)、ダウンシフトを行なって変速比を高くしても、エンジン回転数が高くなりすぎたり、駆動力が大きくなりすぎたりすることがないといえる。この場合、シフトレバー920のストロークに基づいて基本反力が算出され(S210)、この基本反力を発生するように、電動アクチュエータ932が制御される。
【0093】
一方、変速比が第1のしきい値以上になった場合(S200にてNO)は、ダウンシフトして変速比が高くなると、エンジン回転数が高くなりすぎるおそれがあるといえる。また、変速比が高くなることにより駆動力が過大になるおそれがあるといえる。駆動力が過大になると、車両がスリップし得る。
【0094】
そこで、変速比が第1のしきい値および第2のしきい値の少なくともいずれか一方の値以上になると(S200にてNO)、音および描画のうちの少なくともいずれか一方を用いた警告を運転者に対して行なうように、警報装置934が制御される(S300)。
【0095】
また、シフトレバー920の操作を行ない難くするために、図13に示すように、変速比が大きくなるにしたがって、反力が漸増するように電動アクチュエータ932が制御される(S310)。
【0096】
反力が増大されたにも関わらず、運転者がさらにシフトレバー920を操作することにより、エンジン回転数が予め定められた値より低くなる変速比の上限値(図9における実線)および車両がスリップしないと考えられる変速比の上限値(図10における実線)の少なくともいずれか一方の値まで変速比が増大すると、図13に示すように、反力がステップ的に増大される(S410)。これにより、シフトレバー920の操作をさらに行ない難くすることができる。そのため、変速比が大きくなることを抑制することができる。その結果、車両の挙動が好ましくない状態になることを抑制することができる。
【0097】
このとき、車両がスリップしないと考えられる変速比の上限値以上に変速比が増大していると(S500にてYES)、シフトレバー920のストロークが予め定められた値まで小さくなるように、電動アクチュエータ932が制御される(S510)。これにより、運転者がシフトレバー920に荷重を加えなければ、変速比を低くすることができる。そのため、駆動力を小さくすることができる。その結果、スリップをし難くすることができる。
【0098】
以上のように、本実施の形態に係る操作装置によれば、エンジン回転数が予め定められた値より低くなる変速比の上限値および車両がスリップしないと考えられる変速比の上限値の少なくともいずれか一方の値まで変速比が増大すると、シフトレバーの反力がステップ的に増大される。これにより、シフトレバーを操作し難くすることができる。そのため、エンジン回転数が高い場合にさらにエンジン回転数が高くなったり、低μ路において駆動力が過大になったりすることを抑制することができる。その結果、車両の挙動に対して好ましくない操作を抑制することができる。
【0099】
なお、本実施の形態においては、路面のμに基づいて、車両がスリップしないと考えられる変速比の上限値を設定していたが、路面のμの他、車両の駆動力を車輪のスリップ率に基づいて調整するトラクションコントロールの実行状態等に基づいて上限値を算出するようにしてもよい。
【0100】
また、ITS(Intelligent Transport Systems)などのインフラから得られる路面のμ、降雨や降雪の情報などを用いて、車両がスリップしないと考えられる変速比の上限値を設定するようにしてもよい。
【0101】
さらに、変速比の上限値の代わりに、駆動力の上限値を算出するようにしてもよい。
さらに、本実施の形態において、シフトレバー920は、ゲート930内の任意の位置に停止可能であったが、図14に示すように、スプリングなどの付勢力を用いて、運転者がシフトレバー920に荷重を加えないと、予め定められた位置(図14において実線で示す位置)にシフトレバー920が戻されるようにしてもよい。
【0102】
さらに、シフトレバー920の他、アクセルペダル、ブレーキペダルおよびステアリングホイールなどの反力を制御するようにしてもよい。
【0103】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の実施の形態に係る操作装置を搭載した車両のスケルトン図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る操作装置を搭載した車両の制御ブロック図である。
【図3】油圧制御回路を示す図(その1)である。
【図4】油圧制御回路を示す図(その2)である。
【図5】油圧制御回路を示す図(その3)である。
【図6】ゲート内を移動するシフトレバーを示す図(その1)である。
【図7】図2のECUを示す図である。
【図8】シフトレバーの反力の基本値を示す図である。
【図9】エンジン回転数が予め定められた値より低くなる変速比の上限値を示す図である。
【図10】車両がスリップしないと考えられる変速比の上限値を示す図である。
【図11】ECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。
【図12】ECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。
【図13】シフトレバーの反力の推移を示す図である。
【図14】ゲート内を移動するシフトレバーを示す図(その2)である。
【符号の説明】
【0105】
100 パワートレーン、200 エンジン、300 トルクコンバータ、310 オイルポンプ、400 前後進切換装置、500 ベルト式無段変速機、600 減速歯車、700 差動歯車装置、800 駆動輪、902 エンジン回転数センサ、904 タービン回転数センサ、906 車輪速センサ、908 スロットル開度センサ、910 冷却水温センサ、912 油温センサ、914 アクセル開度センサ、916 ストロークセンサ、918 ポジションセンサ、920 シフトレバー、922 プライマリプーリ回転数センサ、924 セカンダリプーリ回転数センサ、930 ゲート、932 電動アクチュエータ、934 警報装置、940 基本反力算出部、950 反力制御部、960 限界変速比算出部、1000 電子スロットルバルブ、1100 燃料噴射装置、1200 点火装置、1300、ブレーキ装置、2000 油圧制御回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部材に対する運転者の操作に応じて作動する機器の操作装置であって、
車両の走行状態を検出するための検出手段と、
前記機器により制御される制御値の範囲を、検出された走行状態に応じて設定するための設定手段と、
前記範囲に基づいて、運転者が前記操作部材を操作する際の反力を制御するための制御手段とを含む、機器の操作装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記制御値が前記範囲外の値になる場合、前記範囲内の値になる場合に比べて、前記反力が大きくなるように制御するための手段を含む、請求項1に記載の機器の操作装置。
【請求項3】
前記機器は変速機であって、
前記制御値は、変速比である、請求項1または2に記載の機器の操作装置。
【請求項4】
前記設定手段は、エンジン回転数が高いほど上限値が低くなるように、前記範囲を設定するための手段を含む、請求項3に記載の機器の操作装置。
【請求項5】
前記設定手段は、路面の摩擦係数が低いほど上限値が低くなるように、前記範囲を設定するための手段を含む、請求項3に記載の機器の操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−309362(P2007−309362A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−136799(P2006−136799)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】