説明

機器の盗難防止システムおよび盗難防止方法

【課題】機器を監視する際の利便性を高めるとともに、監視中における異常発生の誤認を防止する。
【解決手段】被監視装置(10)は、監視装置(20)からの給電の開始および停止を検知する電源制御部と、給電の開始および停止ごとに被監視装置のIDを監視装置へ通知する通信制御部とを有する。キー端末(30)は、監視装置からの要求に応じて当該キー端末のIDを当該監視装置へ通知する通信制御部を有する。監視装置は、被監視装置へ給電する電源供給部と、被監視装置への給電の開始および停止を検知する電源制御部と、給電の開始および停止ごとにキー端末に対し該キー端末のIDを要求し、被監視装置およびキー端末から給電の開始時に通知されたIDの組み合わせと給電の停止時に通知されたIDの組み合わせとを照合する通信制御部と、照合が失敗した場合に異常発生を通知する異常通知部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盗難防止のために機器を監視する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末や情報処理装置などの機器の盗難を防止する技術として、例えば、後述の特許文献1に記載のものがある。同文献に記載の技術は、ユーザの携行するコントローラが、監視対象となるターゲット機器が設定距離内にいるか或いは通信可能かを断続的に検出することで当該ターゲットを認証判定し、認証が不成立の場合は、ターゲットの起動を阻止して蓄積データを消去するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−259781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術によれば、ターゲット機器の盗難による弊害を防ぐことができるが、コントローラを携行するユーザがターゲットから遠く離れることができない。そのため、監視中は、ユーザの行動範囲が制限されるという不都合がある。また、監視下のターゲット機器は、コントローラとの断続的な交信により、電池を消耗しやすい。仮に、ターゲット側の電池切れによりコントローラとの交信が途切れた場合は、コントローラにより異常発生と誤認されるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、機器を監視する際の利便性を高めるとともに、監視中における異常発生の誤認を防止するための盗難防止システムおよび方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る盗難防止システムは、外部電源から給電される監視装置と、前記監視装置から給電される被監視装置と、キー端末とを備え、前記被監視装置は、前記監視装置からの給電の開始および停止を検知する電源制御部と、前記給電の開始および停止ごとに当該被監視装置のIDを前記監視装置へ通知する通信制御部とを有し、前記キー端末は、前記監視装置からの要求に応じて当該キー端末のIDを当該監視装置へ通知する通信制御部を有し、前記監視装置は、前記被監視装置へ給電する電源供給部と、前記被監視装置への給電の開始および停止を検知する電源制御部と、前記給電の開始および停止ごとに前記キー端末に対し該キー端末のIDを要求し、且つ、前記被監視装置および前記キー端末から前記給電の開始時に通知されたIDの組み合わせと前記給電の停止時に通知されたIDの組み合わせとを照合する通信制御部と、前記照合が失敗した場合に異常発生を通知する異常通知部とを有する。
【0007】
本発明に係る盗難防止方法は、外部電源から給電される監視装置と前記監視装置から給電される被監視装置とキー端末とを備えるシステムにおける盗難防止方法であって、前記監視装置が、前記被監視装置への給電の開始および停止ごとに前記キー端末に対し該キー端末のIDを要求し、前記キー端末が、前記監視装置からの要求に応じて当該キー端末のIDを前記監視装置へ通知し、前記被監視装置が、前記監視装置からの給電の開始および停止ごとに当該被監視装置のIDを前記監視装置へ通知し、前記監視装置が、前記被監視装置および前記キー端末から前記給電の開始時に通知されたIDの組み合わせと前記給電の停止時に通知されたIDの組み合わせとを照合し、当該照合が失敗した場合に異常発生を通知する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、機器を監視する際の利便性が高められ、また、監視中における異常発生の誤認を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態におけるシステムの構成図である。
【図2】本発明の実施形態におけるシステムのブロック図である。
【図3】本発明の実施形態のフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態のフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態におけるID登録に関する説明図である。
【図6】本発明の実施形態のフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態のフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施形態におけるシステムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に、本発明の実施形態のシステム構成を示す。本実施形態のシステム101は、親機10,監視装置20,子機30を備える。親機10は、本発明に係る被監視装置に対応し、子機30はキー端末に対応するものである。
【0011】
本実施形態の親機10は、携帯電話機であり、充電時に監視装置20と充電ケーブル41により接続される。監視装置20は、接続された親機10を外部電源27からの給電により充電する。子機30は、親機10のユーザ等が携行可能な端末である。
【0012】
図2に、親機10,監視装置20,子機30の構成ブロックを示す。親機10において、通信回路11は、アンテナ18により監視装置20と無線通信を行う。電源供給部15は、充電ケーブル41を介した監視装置20からの給電を電源回路16へ供給する。電源回路16は、電源供給部15からの給電により蓄電池17を充電する。電源制御部12は、給電の開始および停止を検知する。ID記憶回路14は、親機10に割り当てられているIDを記憶する。通信制御部13は、給電の開始および停止ごとに、ID記憶回路14のIDを監視装置20へ通知する。異常通知部19は、後述の監視タイマがタイムアウトした場合に異常発生を通知する。
【0013】
子機30において、電源回路36は蓄電池37を制御する。通信回路31は、アンテナ38により監視装置20と無線通信を行う。トリガ受信部35は、監視装置20から発信される後述のトリガ信号を受信するものである。本実施形態のトリガ受信部35は、近距離無線通信のためのRFID(Radio Frequency Identification)によるアンテナ及びICを含むユニットである。
【0014】
また、子機30において、ID記憶回路34は、子機30に割り当てられているIDを記憶する。通信制御部33は、監視装置20からトリガ信号を受信した際にID記憶回路34のIDを監視装置20へ通知する。スイッチ39は、トリガ信号の受信や、ID通知に対する監視装置20からの応答受信時に切り替わる。電源制御部32は、スイッチ39の状態に応じて、自端末を休止状態または稼働状態(復帰)に切り替えるよう電源回路36を制御する。異常通知部40は、後述の監視タイマがタイムアウトした場合に異常発生を通知する。
【0015】
監視装置20において、通信回路21は、アンテナ28により親機10及び子機30と無線通信を行う。電源回路26は、電源ケーブル42を介した外部電源27からの給電を電源供給部25へ供給する。電源供給部25は、充電ケーブル41に接続された親機10に電力を供給する。電源制御部22は、親機10への給電の開始および停止を検知する。
【0016】
また、監視装置20において、通信制御部23は、親機10への給電の開始および停止ごとに、子機30に対しIDの通知を要求する。この要求のために、前述のトリガ信号を近距離無線通信により発信する。トリガ信号の発信は、本実施形態では通信回路21が担うが、これに替えて、RFID専用の通信手段(図示略)により行うようにしてもよい。
【0017】
また、通信制御部23は、給電の開始時に親機10及び子機30から通知されたIDの組み合わせ(以下、「IDペア」と記す。)をIDペア記憶回路24へ登録する。そして、登録したIDペアと、給電の停止時に通知されたIDペアとを比較する。異常通知部29は、比較されたIDペアが合致しない場合に異常発生を通知する。異常発生を通知する手段としては、例えば、ブザーの鳴動やランプ点滅、あるいは予め設定したアドレスへのメール送信等がある。いずれの場合も、発生した異常の種別をユーザにより区別できるようにすることが望ましい。
【0018】
上記構成によるシステム101の動作を説明する。まず、図3及び図4に示すフローチャートに沿って、親機10の充電開始時におけるID登録について説明する。ID登録時、ユーザは、充電する親機10を充電ケーブル41で監視装置20に接続する一方で、その親機10と対の子機30を監視装置20に近付けておく。
【0019】
親機10は、監視装置20に接続されたことにより給電の開始を認識すると(図3のS1:Yes)、自機のIDを読み出し(S2)、それを無線通信により監視装置20へ送信する(S3)。
【0020】
監視装置20は、親機10の接続により給電の開始を認識すると(S21:Yes)、所定時間を計時する監視タイマを作動し(S22)、親機10からのID通知を待つ。そして、タイマの満了前に親機10からIDを受信した場合は(S23:Yes)、監視タイマを停止し(S27)、受信したIDを登録する(S28)。
【0021】
また、親機10からIDを受信することなく(S23:No)監視タイマが満了した場合(S24:Yes)、監視装置20は、親機10への給電を停止し(S25)、異常発生を通知する(S26)。この通知は、前述したブザーの鳴動やランプ点滅あるいはメール送信等により行う。これにより、親機10のID登録に失敗したため充電が行われないことをユーザに通知する。
【0022】
続いて、監視装置20は、子機30に対してIDを要求するために、前述のトリガ信号を発信し(S29)、監視タイマを作動する(S30)。その後、タイムアウト前に子機30からIDを受信した場合は(S31:Yes)、タイマを停止する(S35)。また、子機30からIDを受信することなく(S31:No)監視タイマが満了した場合(S32:Yes)、監視装置20は、親機10への給電を停止し(S33)、異常発生を通知する(S34)。これにより、子機30側のID登録が失敗したことにより親機10の充電が行われないことをユーザに通知する。
【0023】
監視装置20の付近にあって休止状態の子機30は(S40)、近距離無線通信による監視装置20からのトリガ信号を捕捉すると(S41:Yes)、これを契機に復帰して稼働する(S42)。そして、自機のIDを読み出し(S43)、それを監視装置20へ送信する(S44)。このIDが監視装置20に受信されることで、前述したように、監視装置20の監視タイマが停止する(S35)。
【0024】
図4のフローチャートに沿って、上記に続く動作を説明する。監視装置20は、子機30から通知されたIDを、先に取得した親機10のIDと組み合わせて記憶する(S36)。図5に、IDペアの登録の様子を示す。図示の例では、親機10のID記憶回路14に「ID_A」が保存されており、子機30のID記憶回路34に「ID_a」が保存されている。これらのIDが監視装置20へ通知されることにより、IDペア記憶回路24に「ID_A:ID_a」というIDペアが登録される。
【0025】
上記のようにIDペアを登録した監視装置20は、今回の各IDを通知してきた親機10及び子機30のそれぞれに了解の応答を返す(S37,S38)。応答を終えると、監視装置20は、後述する盗難監視モードに移行する(S39)。
【0026】
一方、親機10及び子機30は、前述した監視装置20へのID通知時に監視タイマを作動し(S4,S45)、タイムアウト前に監視装置20から応答が得られた場合は(S5,S46:Yes)、タイマを停止する(S4,S49)。そして、親機10は盗難監視モードに移行し(S9)、子機30は休止状態に戻る(S50)。この時点で、ユーザは、子機30を携行して、充電中の親機10から遠く離れることができる。
【0027】
また、親機10及び子機30は、監視装置20からの応答がないまま(S5,S46:No)監視タイマが満了した場合は(S6,S47:Yes)、異常発生を通知する(S7,S48)。これにより、親機10が盗難監視モードに移行できないこと、あるいは、子機30が休止状態に戻ることができないことをユーザに通知する。
【0028】
図6及び7に示すフローチャートを参照して、盗難監視モードに関する動作を説明する。盗難監視モードにおいて、ユーザは、親機10を監視装置20から切り離す場合、盗難監視モードを適正に解除するために、子機30を監視装置20に近付けておく。なお、親機10と監視装置20との切り離しは、正当なユーザによるものに限らず、親機10の盗難による場合もある。盗難の場合は、例えば、親機10が充電ケーブル41から不正に取り外される、あるいは充電ケーブル41が切断される等が考えられる。
【0029】
盗難監視モードにおいて親機10と監視装置20との接続が断たれると、親機10は、給電が停止したと認識し(S60:Yes)、自機のIDを読み出して監視装置20へ送信する(S61,S62)。
【0030】
監視装置20は、盗難監視モードにおいて親機10との接続が断たれたことで給電停止を認識すると(S80:Yes)、監視タイマを作動し(S81)、親機10からのIDを待つ。その結果、親機10からIDを受信することなく(S82:No)監視タイマが満了した場合(S83:Yes)、監視装置20は、異常発生を通知する(S85)。これにより、親機10が監視装置20から不正に取り外されたことをユーザに通知する。
【0031】
また、監視装置20は、監視タイマの満了前に親機10からIDを受信した場合(S82:Yes)、監視タイマを停止し(S84)、子機30にIDを要求するためにトリガ信号を発信する(S86)。トリガ信号を発信すると、監視装置20は、監視タイマを作動して子機30からのIDを待つ(S87)。
【0032】
監視装置20の付近にあって休止状態の子機30は、監視装置20からのトリガ信号を捕捉すると(S100:Yes)、それを契機に休止状態から復帰する(S101)。そして、自機のIDを読み出して監視装置20へ送信する(S102,S103)。
【0033】
監視装置20は、監視タイマの満了前に子機30からIDを受信した場合は(S88:Yes)、タイマを停止する(S90)。また、子機30からIDを受信することなく(S88:No)監視タイマが満了した場合は(S89:Yes)、異常発生を通知する(S96)。これにより、親機10と対の子機30を持たない何者かが、監視装置20から親機10を不正に取り外したことをユーザに通知する。
【0034】
図7のフローチャートに沿って、上記に続く動作を説明する。監視装置20は、給電停止後に親機10及び子機30から通知されたIDペアが適正かどうかを検査する(S91)。この検査において、監視装置20は、IDペア記憶回路24に登録されているIDペアを検査対象のIDペアと照合する。そして、照合が成功、すなわち登録内容と検査対象とが合致する場合、検査対象が適正であると判断する。また、照合が失敗した場合は、検査対象が適正でないと判断する。より具体的には、例えば、IDペア記憶回路24が図5の状況である場合に、検査対象のIDペアが「ID_A」及び「ID_a」の組み合わせであれば、それらのIDは適正と判断される。
【0035】
監視装置20は、上記検査により、親機10及び子機30からのIDが適正であると判断した場合(S92:Yes)、それぞれに了解の応答を返し(S93,S94)、通常モードへ移行する(S95)。通常モードとは、すなわち親機10の充電を行っていない状態である。また、IDペアの検査において不適正と判断した場合、監視装置20は異常発生を通知する(S96)。これにより、ユーザは、親機10と対の子機30を持たない何者かが、監視装置20から親機10を不正に取り外したことをユーザに通知する。
【0036】
一方で、親機10及び子機30は、前述した監視装置20へのID通知時に監視タイマを作動し(S63,S104)、タイムアウト前に監視装置20から応答が得られた場合は(S64,S105:Yes)、タイマを停止する(S67,S108)。そして、親機10は通常モードに移行し(S68)、他方の子機30は休止状態に戻る(S109)。
【0037】
また、親機10及び子機30は、監視装置20からの応答がないまま(S64,S105:No)監視タイマが満了した場合は(S65,S106:Yes)、異常発生を通知する(S66,S107)。これにより、親機10が通常モードに移行できないこと、あるいは、子機30が休止状態に戻ることができないことをユーザに通知する。
【0038】
このように、本実施形態は、監視装置20で充電中の親機10を監視するための盗難監視モードの設定および解除に、その親機10と対の子機30を用いるよう構成されている。これにより、子機30を持たない者による盗難監視モードの解除を防止することができる。また、親機10のユーザは、充電中の親機10から遠く離れることができるため、行動範囲を制限されにくい。
【0039】
また、本実施形態によれば、休止状態とした子機10を必要に応じて監視装置20により復帰させることから、子機10の電池消耗を抑えることができる。さらにまた、監視対象は、監視装置20から給電される親機10であることから、監視対象(10)の電池切れに起因する異常通知の誤報を防ぐことができる。
【0040】
《他の実施形態》
上記のシステム101(図1)は、監視対象が1台の親機10であったが、監視対象が複数であってもよい。図8に、監視対象が複数である場合のシステム102の構成を示す。
【0041】
システム102において、監視対象は2台の親機10-1,10-2である。親機10-1は子機30-1と対であり、親機10-2は子機30-2と対である。これらの親機10-1,10-2は、監視装置20に充電ケーブル41-1,41-2で接続されている。また、本実施形態の監視装置20は、親機10-1,10-2の監視制御に用いるB1ボタン50-1及びB2ボタン50-2を備える。各ボタン(50-1,50-2)は、監視装置20の接続ポート、すなわち充電ケーブル41-1,41-2が接続される各ポートに関連付けられている。例えば、図示の例において、B1ボタン50-1は、充電ケーブル41-1が接続されるポートに対応する。
【0042】
図8の構成において、例えば、親機10-1(「ID_A1」)及び子機30-1(「ID_a1」)の組み合わせを設定する場合、ユーザは、子機30-1を監視装置20に近付けておき、親機10-1を充電ケーブル41-1で監視装置20に接続する。この状態でB1ボタン50-1を押下することにより、図3及び図4に沿った前述の手順にて、IDペアの登録や盗難監視モードへの移行が実行される。また、親機10-2(「ID_A2」)及び子機30-2(「ID_a2」)の組み合わせについては、他方のB2ボタン50-2を用いて同様な設定を行う。
【0043】
監視装置20は、図8に例示するように、親機10-1に関するIDペア「ID_A1:ID_a1」をB1ボタン50-1に関連付けて登録し、他方の親機10-2に関する「ID_A2:ID_a2」をB2ボタン50-2に関連付けて登録する。
【0044】
その後の盗難監視モード中、監視装置20は、例えば親機10-1に関する異常発生を通知する場合、前述したブザー鳴動などと共に、B1ボタン50-1を点滅あるいは特定の色で点灯する。これにより、異常発生の対象をユーザが特定できるようにする。
【0045】
また、ユーザが、例えば親機10-1の盗難監視モードを解除する際は、監視装置20に子機30-1を近付けておき、ID登録時と同じB1ボタン50-1を押下する。これにより、図6及び図7に沿った前述の手順にて、盗難監視モードから通常モードへの移行が実行される。
【0046】
図8の構成によれば、1台の監視装置20により、複数台の親機(10-1,10-2)を充電しつつ監視することができる。また、親機と子機との組み合わせを特定するためのボタン(50-1,50-2)を備えたことから、ユーザが意図した組み合わせと異なる組み合わせが監視装置20に認識されることを防止できる。
【0047】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。本発明の実施は、特許請求の範囲内で、上記形態からの変更が可能である。例えば、上記実施形態では、監視装置20から子機30へのトリガ信号の発信は、RFIDのような近距離無線通信に限らず、ケーブル接続やアダプタ接続等による通信であってもよい。その場合、ユーザは、親機10の充電開始時や盗難監視モードの解除時に、子機30を監視装置20にケーブル接続あるいは直接的に装着すればよい。
【0048】
また、休止状態にした子機30をトリガ信号で復帰させることに替えて、ユーザ操作により復帰させてもよい。
【0049】
上記実施形態では、親機10,監視装置20,子機30のそれぞれが異常発生を通知するよう構成されたが、異常発生の通知や判断を監視装置20のみが行うようにしてもよい。その場合、親機10及び子機30から異常通知部(19,40)が省略され、監視装置20は、親機10や子機30からのID通知に対する応答を返すことは不要となる。
【0050】
本発明における監視対象は、上記実施形態の親機10のような携帯電話機に限らず、蓄電池を持つ機器や、外部からの給電が可能な任意の機器を対象とすることができる。よって、盗難監視モードは、上記実施形態のような充電時に限らず、外部からの給電により駆動する場合にも有効である。
【符号の説明】
【0051】
101,102 システム
10 親機(被監視装置)
20 監視装置
30 子機(キー端末)
41 充電ケーブル
42 電源ケーブル
35 トリガ受信部
18,28,38 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から給電される監視装置と、前記監視装置から給電される被監視装置と、キー端末とを備え、
前記被監視装置は、前記監視装置からの給電の開始および停止を検知する電源制御部と、前記給電の開始および停止ごとに当該被監視装置のIDを前記監視装置へ通知する通信制御部とを有し、
前記キー端末は、前記監視装置からの要求に応じて当該キー端末のIDを当該監視装置へ通知する通信制御部を有し、
前記監視装置は、前記被監視装置へ給電する電源供給部と、前記被監視装置への給電の開始および停止を検知する電源制御部と、前記給電の開始および停止ごとに前記キー端末に対し該キー端末のIDを要求し、且つ、前記被監視装置および前記キー端末から前記給電の開始時に通知されたIDの組み合わせと前記給電の停止時に通知されたIDの組み合わせとを照合する通信制御部と、前記照合が失敗した場合に異常発生を通知する異常通知部とを有することを特徴とする盗難防止システム。
【請求項2】
前記キー端末は、さらに、前記監視装置からトリガ信号を受信するトリガ受信部と、前記監視装置に対するIDの通知後に当該キー端末を休止状態に切り替え、且つ、前記トリガ信号の受信を契機に当該キー端末を前記休止状態から復帰させる電源制御部とを有し、
前記監視装置の通信制御部は、前記キー端末に対するIDの要求として前記トリガ信号を発信することを特徴とする請求項1記載の盗難防止システム。
【請求項3】
前記トリガ信号が近距離無線通信による信号であることを特徴とする請求項2記載の盗難防止システム。
【請求項4】
前記監視装置は、さらに、当該監視装置に接続される複数の被監視装置のそれぞれを特定するための複数の操作ボタンを備え、
前記監視装置の通信制御部は、前記被監視装置および前記キー端末から前記給電の開始時に通知されたIDの組み合わせを当該被監視装置に対応する前記操作ボタンに関連付けて登録することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の盗難防止システム。
【請求項5】
前記監視装置の異常検知部は、前記被監視装置に対する給電の開始および停止ごとにタイマを開始し、当該タイマの満了までに前記被監視装置および前記キー端末からIDが通知されない場合は異常発生を通知することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の盗難防止システム。
【請求項6】
前記被監視装置は、さらに、前記監視装置に対するIDの通知ごとにタイマを開始し、且つ、当該タイマの満了までに前記監視装置から前記IDの通知に対する了解がない場合は異常発生を通知する異常通知部を有し、
前記キー端末は、さらに、前記監視装置に対するIDの通知ごとにタイマを開始し、且つ、当該タイマの満了までに前記監視装置から前記IDの通知に対する了解がない場合は異常発生を通知する異常通知部を有し、
前記監視装置の異常通知部は、自身が開始した前記タイマの満了までに前記被監視装置および前記キー端末からIDが通知された場合は、当該被監視装置およびキー端末に対し了解を応答することを特徴とする請求項5記載の盗難防止システム。
【請求項7】
前記被監視装置は、前記監視装置からの給電により充電される蓄電池を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の盗難防止システム。
【請求項8】
外部電源から給電される監視装置と前記監視装置から給電される被監視装置とキー端末とを備えるシステムにおける盗難防止方法であって、
前記監視装置が、前記被監視装置への給電の開始および停止ごとに前記キー端末に対し該キー端末のIDを要求し、
前記キー端末が、前記監視装置からの要求に応じて当該キー端末のIDを前記監視装置へ通知し、
前記被監視装置が、前記監視装置からの給電の開始および停止ごとに当該被監視装置のIDを前記監視装置へ通知し、
前記監視装置が、前記被監視装置および前記キー端末から前記給電の開始時に通知されたIDの組み合わせと前記給電の停止時に通知されたIDの組み合わせとを照合し、当該照合が失敗した場合に異常発生を通知することを特徴とする盗難防止方法。
【請求項9】
前記キー端末が、前記監視装置に対するIDの通知後に当該キー端末を休止状態に切り替え、
前記監視装置が、前記キー端末に対するIDの要求としてトリガ信号を発信し、
前記キー端末が、前記トリガ信号の受信を契機に当該キー端末を前記休止状態から復帰させることを特徴とする請求項8記載の盗難防止方法。
【請求項10】
前記トリガ信号が近距離無線通信による信号であることを特徴とする請求項9記載の盗難防止方法。
【請求項11】
前記監視装置が、当該監視装置に接続される複数の被監視装置のそれぞれを特定するための複数の操作ボタンの中から押下された操作ボタンを検知し、当該押下された操作ボタンと前記被監視装置および前記キー端末から前記給電の開始時に通知されたIDの組み合わせとを関連付けて登録することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の盗難防止方法。
【請求項12】
前記監視装置が、前記被監視装置に対する給電の開始および停止ごとにタイマを開始し、当該タイマの満了までに前記被監視装置および前記キー端末からIDが通知されない場合は異常発生を通知することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の盗難防止方法。
【請求項13】
前記監視装置が、自身が開始した前記タイマの満了までに前記被監視装置および前記キー端末からIDが通知された場合は、当該被監視装置およびキー端末に対し了解を応答し、
前記被監視装置が、前記監視装置に対するIDの通知ごとにタイマを開始し、当該タイマの満了までに前記監視装置から前記IDの通知に対する了解がない場合は異常発生を通知し、
前記キー端末が、前記監視装置に対するIDの通知ごとにタイマを開始し、当該タイマの満了までに前記監視装置から前記IDの通知に対する了解がない場合は異常発生を通知することを特徴とする請求項12記載の盗難防止方法。
【請求項14】
前記被監視装置が、前記監視装置からの給電により蓄電池を充電することを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項に記載の盗難防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−191678(P2010−191678A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35281(P2009−35281)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】