説明

機能素子及びその製造方法

【課題】 光電変換特性や発光効率の良好な機能素子及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 基板213上に、第一電極膜214と、第一電極膜214に対向する第二電極膜205,206と、第一電極膜214と第二電極膜205,206の間に配置された機能膜207,208,209,210と、第一電極膜214及び第二電極膜205,206に電位を与える配線218と、を有する機能素子であって、第二電極膜205上に機能層の側壁を覆うように形成された第一絶縁膜204と、第一絶縁膜204内に第二電極膜まで貫通して形成され、第二電極膜接続用の配線218が内部に延設されたコンタクトホールと、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換膜や発光膜を基板上に積層した機能素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機材料を用いた素子は、有機発光素子を代表として近年目覚しい進歩を遂げており、有機発光素子の代表例である有機ELディスプレイなどは、製造化に成功している。また、有機半導体を用いた光電変換素子は、製造化には成功していないものの、近年著しく進歩を遂げており、以下に述べる従来の撮像素子の問題を克服する可能性を秘めている。従来のCCD型固体撮像素子やCMOS型固体撮像素子では、半導体基板の表面に、受光部となる多数の光電変換素子(フォトダイオード)と、各光電変換素子で得られた光電変換信号を外部に読み出す信号読出回路が形成されている。信号読出回路は、CCD型であれば電荷転送回路と転送電極、CMOS型であればMOSトランジスタ回路と信号配線で構成される。
従って従来の固体撮像素子では、多数の受光部と信号読出回路とを同じ半導体基板の表面に形成しなければならず、受光部の面積を広くとることができないという問題がある。受光部の面積が大きくできないと光利用効率が大きく低下するため、従来の固体撮像素子では、上方にマイクロレンズやインナーレンズを設置することで受光部に光を集光することにより、光利用効率の低下を補ってきた。しかし、光学的な反射等の増大等の問題は避けられず、現状の撮像素子では数十%の光量ロスがあるだろうといわれている。また、固体撮像素子に要求される微細化は年々厳しくなる一方で、受光部の微細化が進むと撮像素子の周辺部と中心部の光入射角度の違いにより、マイクロレンズによる集光率に違いを生じ、シェーディングが起こるという問題が生じている。
【0003】
そこで、例えば下記特許文献1に記載されている固体撮像素子の構造が見直されている。この固体撮像素子では信号読出回路を表面に形成した半導体基板上に、感光層を積層することで、これらの感光層を受光部とし、各感光層で得られた光電変換信号を、信号読出回路によって、外部に取り出すという構造、すなわち、光電変換膜積層型の構造になっている。
このような構造にすることで、受光部の開口部を大きくとることができ、先ほど触れた問題が解決することが可能となり、近年では下記特許文献2,3,4,5に記載されている光電変換膜積層型固体撮像素子が提案されるようになってきている。このような構造の光電変換膜に有機材料を用いた素子を用いることは、以下の観点で非常に望ましい。有機材料はその化合物の構造を変化させることで、分光波長を比較的容易に調節することが可能で、かつ、有機半導体を用いた光電変換素子は、100nmオーダーの厚みで実現することができ、積層しても総膜厚をおさえることができる。
【特許文献1】特開昭58―103165号公報
【特許文献2】特開2002―83946号公報
【特許文献3】特表2002―502120号公報
【特許文献4】特表2003―502847号公報
【特許文献5】特許第3405099号公報
【0004】
しかし、有機材料等を含む機能素子のさらなる向上を達成するには、有機半導体膜上の電極を微細加工する必要があるが、従来の方法を用いてこのような微細加工を行うと、機能素子の性能が著しく悪化するという問題を抱えていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来の方法に基づいて作製された機能素子では、素子特性が著しく悪化する問題がある。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたもので、その目的は、良好な性能の機能素子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は下記構成により達成される。
(1) 基板上に、第一電極膜と、該第一電極膜に対向する第二電極膜と、前記第一電極膜と前記第二電極膜の間に配置された機能膜と、前記第一電極膜又は前記第二電極膜に電位を与える配線と、を有する機能素子であって、前記第二電極膜上に前記機能層の側壁を覆うように形成された第一絶縁膜と、前記第一絶縁膜内に前記第二電極膜まで貫通して形成され、前記第二電極膜接続用の前記配線が内部に延設されたコンタクトホールと、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この機能素子によれば、機能膜をパターニングする際のフォトリソグラフィー工程で、第一絶縁膜が機能膜の側壁を保護することにより、レジストをパターニングするときに、機能膜を純水等の処理液から保護することができる。また、コンタクトホールを形成するフォトリソグラフィー工程で、第一絶縁膜の一部を選択的に除去するためのレジストをパターニングする際、このレジスト形成による処理液の影響を機能膜が受けることがない。これにより、製造プロセス内で機能膜の素子性能が劣化することを防止できる。
【0008】
(2) 前記第二電極と前記第一絶縁膜との間に第二絶縁膜が介装されたことを特徴とする(1)記載の機能素子。
【0009】
この機能素子によれば、第二電極膜に配線を接続するためのコンタクトホールを形成するフォトリソグラフィー工程内で、第一絶縁膜の一部を選択的に除去するためのレジストをパターニングする際、第二絶縁膜が機能膜の保護膜として機能する。これにより、素子製造時の機能膜の素子性能劣化を防止できる。
【0010】
(3) 前記第一絶縁膜と前記第二絶縁膜とを貫通するように前記コンタクトホールが形成されていることを特徴とする(2)記載の機能素子。
【0011】
この機能素子によれば、第一絶縁層と第二絶縁層とを選択性エッチングで除去してコンタクトホールを形成する場合、第一絶縁層を除去している間は第二絶縁膜が機能層を保護しているため、エッチング処理の影響を機能層が受けることがない。このため、第一絶縁層の除去にはウェットエッチングによる除去も可能となり、製造プロセスを簡易にできる。
【0012】
(4) 前記第一電極膜、前記機能膜、及び前記第二電極膜を有する層構造を前記基板上に複数段設けたことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項記載の機能素子。
【0013】
この機能素子によれば、複数段の層構造を備えた構成であっても、各層を形成する際に機能膜が常に保護されるので、配置場所によらず、どの位置の機能層に対しても素子性能の劣化が防止される。
【0014】
(5) 前記機能膜を覆う前記絶縁膜の水透過率が、10g/m・day以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項記載の機能素子。
【0015】
この機能素子によれば、フォトリソグラフィー工程では水洗処理等に純水が用いられるが、このような条件に設定しておくことで、この純水が光電変換膜に到達して、素子を劣化させることを確実に防止できる。
【0016】
(6) 前記機能膜が有機材料を含むことを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項記載の機能素子。
【0017】
この機能素子によれば、機能膜が、レジスト形成等の処理によって特に損傷を受けやすい有機材料であっても、素子特性の劣化を確実に防止できる。
【0018】
(7) 前記機能膜が少なくともホール輸送性有機材料及び電子輸送性有機材料を含み、前記機能膜が、前記基板側から前記第一電極、前記ホール輸送性有機材料、前記電子輸送性有機材料、前記第二電極の順で積層されたことを特徴とする(6)記載の機能素子
【0019】
この機能素子によれば、光電変換膜が、基板側から第一電極、ホール輸送性有機材料、電子輸送性有機材料、第二電極の順で積層されることで、機能膜の性能を向上させることができる。
【0020】
(8) 前記コンタクトホールから延設される配線の最小辺の長さが1mm以下であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項記載の機能素子。
【0021】
この機能素子によれば、配線の最小辺の長さが1mm以下となる微細な加工を用いる場合でも、機能膜の性能の劣化を防止できる。
【0022】
(9) 前記第二電極がITO、IZO、SnO2、ATO、ZnO、TiO2、FTOの少なくとも一つの材料を含むことを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項記載の機能素子。
【0023】
この機能素子によれば、第二電極としてITO、IZO、SnO2、ATO、ZnO、TiO2、FTOの少なくとも一つの材料を用いることで、素子特性の向上が一層効果的となる。
【0024】
(10) 前記配線が、Al、Pt、W、Au、Ag、Ta、Cu、Cr、Mo、Ti、Ni、Pd、Znの少なくとも一つの材料を含むことを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項記載の機能素子。
【0025】
この機能素子によれば、配線材料としてAl、Pt、W、Au、Ag、Ta、Cu、Cr、Mo、Ti、Ni、Pd、Znの少なくとも一つの材料を用いることで、素子特性に悪い影響を及ぼすことなく良好な導電性を得ることができる。
【0026】
(11) 前記機能素子が光電変換膜積層型固体撮像素子であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれか1項記載の機能素子。
【0027】
この機能素子によれば、光電変換積層型固体撮像素子の性能を向上させることができる。
【0028】
(12) 前記機能素子が有機発光素子であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれか1項記載の機能素子。
【0029】
この機能素子によれば、有機発光素子の性能を向上させることができる。
【0030】
(13) 前記機能膜の一片が一画素となる画素配列を有し、前記配線の延設される前記コンタクトホールが、前記各画素に形成されていることを特徴とする(11)又は(12)記載の機能素子。
【0031】
この機能素子によれば、配線が小さければ小さいほど機能層の面積を増加でき、素子性能を向上することができる。
【0032】
(14) 前記コンタクトホールが前記各画素部に存在し、且つ、大きさが5μm以下であることを特徴とする(11)〜(13)のいずれか1項記載の機能素子。
【0033】
この機能素子によれば、コンタクトホールを5μm以下の大きさで画素部に形成することができる。
【0034】
(15) 基板上に、第一電極膜と、該第一電極膜に対向する第二電極膜と、前記第一電極膜と前記第二電極膜の間に配置された有機半導体層からなる機能膜と、前記第一電極膜又は前記第二電極膜に電位を与える配線と、を有する機能素子の製造方法であって、前記第二電極膜のパターニング工程が、前記第二電極膜上を第二絶縁膜で被覆した状態で、フォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをマスクとして第二絶縁膜をパターニングした後、前記第二絶縁膜をマスクとして第二電極膜をパターニングする工程を含む機能素子の製造方法。
【0035】
この機能素子の製造方法によれば、第二絶縁膜を第二電極膜上に形成することにより、第二電極膜をパターニングする際のレジストパターンの形成時における水洗工程において第二電極膜を通じて機能膜に水分が浸透し劣化を招くのを防ぐことができる。またエッチング処理時においても、ダメージが加わることを防止できる。
【0036】
(16) 前記第二電極膜のパターニング工程の後に、前記第二電極膜上および前記機能膜の側壁を覆うように第一絶縁膜を形成する工程と、フォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをマスクとして第一絶縁膜及び前記第二絶縁膜を貫通するようにコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホール内に露呈する第二電極膜にコンタクトするように前記配線を形成する工程とを含む(15)記載の機能素子の製造方法。
【0037】
この機能素子の製造方法によれば、第一絶縁膜上のレジストパターン作成、エッチングによるレジスト除去の際に、第一絶縁膜が機能膜の全面を覆っているため、機能素子が損傷しやすいものであっても、剥離液を用いたレジスト除去が可能である。また、レジストにより第一絶縁膜を除去する際、第一絶縁膜の下層に第二絶縁膜が敷設されているため、第二電極膜を通して機能膜が劣化することがなくなる。
【0038】
(17) 前記電極膜のパターニング工程が、前記基板を150℃以下に維持した状態でドライエッチングする工程を含む(15)又は(16)記載の機能素子の製造方法。
【0039】
この機能素子の製造方法によれば、基板が150℃以下に維持されているため、電極膜のパターニングに際して下層にある機能膜との反応にいより、素子特性を劣化させる物質の生成あるいは機能膜との反応を生じさせることなく維持され、信頼性の高いドライエッチングを実現することが可能である。
【0040】
(18) 前記第二電極膜は、波長400nm〜700nmの透過率が60%以上である(17)記載の機能素子の製造方法。
【0041】
この機能素子の製造方法によれば、第二電極膜が光電変換素子の上部電極に相当するような場合に、上部電極の透光性に起因した基板温度の上昇が生じ易いが、基板温度を抑止できるように配慮できることから、素子特性の劣化を防止することが可能となる。
【0042】
(19) 前記ドライエッチング工程に先立ち、還元性プラズマにより処理する工程を含む(17)記載の機能素子の製造方法。
【0043】
この機能素子の製造方法によれば、第2電極膜が金属である場合には水素プラズマなどの還元性プラズマによりメタルリッチな膜となり、不活性ガスプラズマにより簡単にエッチングすることが可能となるため、低温下で容易にエッチング可能となる。
【0044】
(20) 前記ドライエッチング工程は、アルゴンプラズマを用いた処理工程を含む(19)記載の機能素子の製造方法。
【0045】
この機能素子の製造方法によれば、上記メタルリッチな膜は、基板温度を上昇させることなく、アルゴンプラズマにより容易に除去可能となる。従って機能膜の劣化を招くこともない。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、微細加工を行う場合でも素子性能の悪化を抑制でき、特性の良好な機能素子を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
本発明は、基板上に、第一電極膜と、該第一電極膜に対向する第二電極膜と、前記第一電極膜と前記第二電極膜の間に配置された機能膜と、前記第一電極膜又は前記第二電極膜に電位を与える配線と、を有する機能素子であって、前記第二電極膜上に前記機能層の側壁を覆うように形成された第一絶縁膜と、前記第一絶縁膜内に前記第二電極膜まで貫通して形成され、前記第二電極膜接続用の前記配線が内部に延設されたコンタクトホールと、を備えたことを特徴としている。
この機能膜として好ましい例としては、光電変換膜や発光膜等が挙げられる。これら機能素子には、機能膜を挟む2つの電極膜に電位を与えるため、2つの電極膜の各々にボンディングPADに導通される配線が接続される構成をとることが一般的である。本発明は、上記構成とすることにより、機能膜の特性を劣化させずに、ミクロンオーダー、サブミクロンオーダーの微細加工ができるようになり、この微細な配線構造によって良好な光電変換特性を得ることが可能となる。
【0048】
このような特徴を有する機能素子として、例えば光電変換膜積層型の固体撮像素子と発光素子とが一例として挙げられる。以下に、それらの構成及びその製造方法を順次説明する。まず、光電変換膜積層型固体撮像素子から説明する。
【0049】
(第1実施形態)
光電変換膜積層型固体撮像素子としては、2つの電極膜で挟まれた光電変換膜を3つシリコン基板上に積層して、シリコン基板上で3色の光を検出してカラー撮像を可能にする第1の構成や、2つの電極膜で挟まれた光電変換膜をシリコン基板上に1つ積層し、シリコン基板内の深さの異なる位置にpn接合を2つ形成し、シリコン基板内で2色の光を検出し、シリコン基板上で1色の光を検出してカラー撮像を可能にする特開2003−332551号公報の図5に記載のような第2の構成等、様々な構成が存在するが、本実施形態では、第2の構成を例にして説明する。
【0050】
図1は、本発明の第一実施形態を説明するための光電変換膜積層型固体撮像素子の断面模式図である。図1では、光を検出して電荷を蓄積する部分である画素部における2画素分の断面と、その画素部にある電極に接続される配線や、その配線に接続されるボンディングPAD等が形成される部分である周辺回路部との断面を併せて示した。
なお、この例では、信号読出基板自身も光電変換能を持つため、光電変換膜が積層された形で説明を行う。213はシリコン単結晶基板であり、B光とR光の電磁波吸収/光電変換部位と光電変換により生成した電荷の電荷蓄積/転送/読み出し部位を兼ねている。通常、p型のシリコン基板が用いられる。
【0051】
画素部のp型シリコン基板213には、表面部から順に、n型不純物領域223、p型不純物領域222、n型不純物領域221が形成され、さらにn型不純物領域223の表面部の一部には、p型不純物領域224が形成されている。
【0052】
n型不純物領域221は、p型シリコン基板213とのpn接合により光電変換された赤色(R)成分の信号電荷を蓄積する蓄積部である。R成分の信号電荷が蓄積されたことによるn型不純物領域221の電位変化は、p型シリコン基板213の表面に形成されたMOSトランジスタ226Aから、このMOSトランジスタ226Aに接続されたメタル配線219を介して信号読み出しPAD227に読み出される。
【0053】
n型不純物領域223は、p型不純物領域222とのpn接合により光電変換された青色(B)成分の信号電荷を蓄積する蓄積部である。B成分の信号電荷が蓄積されたことによるn型不純物領域223の電位変化は、p型シリコン基板213の表面に形成されたMOSトランジスタ226Bから、このMOSトランジスタ226Bに接続されたメタル配線219を介して信号読み出しPAD227に読み出される。
【0054】
p型不純物領域224内には、p型シリコン基板213上方に積層された光電変換膜で発生した緑色(G)成分の信号電荷を蓄積するn型不純物領域からなる電荷蓄積領域225が形成されている。G成分の信号電荷が蓄積されたことによる電荷蓄積領域225の電位変化は、p型シリコン基板213の表面に形成されたMOSトランジスタ226Cから、このMOSトランジスタ226Cに接続されたメタル配線219を介して信号読み出しPAD227に読み出される。信号読み出しPAD227は、各色成分が読み出されるトランジスタ毎に別々に設けておくことが好ましい。
【0055】
ここでp型不純物領域、n型不純物領域、トランジスタ、メタル配線等は模式的に示したが、それぞれの構造等はこれに限らず、適宜最適なものが選ばれる。B光、R光はシリコン基板の深さにより分別しているのでpn接合等のシリコン基板表面からの深さ、各不純物のドープ濃度の選択などは重要である。光電変換膜積層型固体撮像素子の信号読み出し回路となるCMOS回路は、通常のCMOSイメージセンサーに用いられている好ましい技術を全て用いることができる。低ノイズ読出カラムアンプやCDS回路を初めとして、画素部のトランジスタ数を減らす回路構成を当然のごとく適用することができる。
【0056】
また、図1では、電荷蓄積領域225と、R光及びB光を検出するフォトダイオードとが、平面視上重なった位置にあるが、これに限らない。例えば、電荷蓄積領域225と、R光及びB光を検出するフォトダイオードとを、平面視上重ならない位置に形成した構成であっても良い。
【0057】
p型シリコン基板213上には、酸化珪素、窒化珪素等を主成分とする透明な絶縁膜212が形成され、絶縁膜212上には酸化珪素、窒化珪素等を主成分とする透明な絶縁膜211が形成されている。絶縁膜212の膜厚は薄いほど好ましく5μm以下、好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。
【0058】
絶縁膜211,212内には、光電変換膜と電荷蓄積領域225とを電気的に接続するプラグ215が形成されており、プラグ215は絶縁膜211と絶縁膜212との間でパッド216Aによって中継接続されている。プラグ215は例えばタングステンを主成分としたものが好ましく用いられ、パッド216Aはアルミニウムを主成分としたものが好ましく用いられる。絶縁膜212内には、前述したメタル配線219やトランジスタ226A,226B,226Cのゲート電極等も形成されている。メタル配線も含めてバリヤー層が設けられていることが好ましい。プラグ215は、1画素毎に設けられている。
【0059】
絶縁膜211内には、p型不純物領域224とn型不純物領域225のpn接合による光電変換時の雑音を防ぐために、遮光膜217が設けられている。遮光膜217は通常、タングステンやアルミニウム等を主成分としたものが用いられる。絶縁膜211内には、ボンディングPAD220(外部から電源を供給するためのPAD)と、信号読み出しPAD227が形成され、また、ボンディングPAD220と後述する画素電極膜214とを電気的に接続するためのメタル配線(図示せず)も形成されている。
【0060】
絶縁膜211内の各画素のプラグ215上にはパッド216Bが形成され、パッド216B上に透明な第一電極膜である画素電極膜214が形成されている。パッド216Bは、プラグ215と画素電極膜214との電気的接続を良好にするためのものであり、アルミニウムやモリブデン等が用いられる。画素電極膜214は、画素毎に分離されており、この大きさによって受光面積が決定される。画素電極膜214には、ボンディングPAD220からの配線を通じてバイアスがかけられる。後述する対向電極膜に対して画素電極膜214に正のバイアスをかけることで、電荷蓄積領域225に電子を蓄積できる構造が好ましい。
【0061】
この構造を実現するために、画素電極膜214上には、正孔ブロッキング層210、n型半導体層209、p型半導体層208、及び電子ブロッキング層207がこの順に積層され、これらがG光を検出してそれに応じた信号電荷を発生する光電変換膜を構成する。光電変換膜(207,208,209,210)の厚みは好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.3μm以下、特に好ましくは0.2μm以下である。
【0062】
光電変換膜上には透明な第二電極膜である対向電極膜が形成されている。対向電極膜は、透明電極膜206,205をこの順に積層した2層構造となっているが、1層構造であっても良い。対向電極膜は、各画素で共通して使用することができるため、画素毎に分離しなくても良い。対向電極膜及び画素電極膜214のそれぞれの厚みは、好ましくは0.2μm以下である。
【0063】
対向電極膜上には光電変換膜を保護する機能を持つ窒化珪素等を主成分とする保護膜(第一絶縁膜)204が形成されている。この保護膜204は、光電変換膜の側壁を覆うように形成されている。透明電極膜205及び保護膜204には、画素部の画素電極膜214と重ならない位置に開口が形成され、絶縁膜211及び保護膜204には、ボンディングPAD220上の一部に開口が形成されている。そして、この2つの開口によって露出する透明電極膜206とボンディングPAD220とを電気的に接続して、対向電極膜に電位を与えるためのアルミニウム等からなる配線218が、開口内部及び保護膜204上に形成されている。
【0064】
透明電極膜206と配線218との間には、タングステン等を主成分とするバリヤーメタル228が形成されている。このバリヤーメタル228により、駆動耐久特性を向上させることが可能となる。
【0065】
また、配線218上には、配線218を保護するための窒化珪素等を主成分とする保護膜203が形成されている。さらに、保護膜203の上には赤外カット誘電体多層膜202が形成され、赤外カット誘電体多層膜202上には反射防止膜201が形成されている。
【0066】
上記の保護膜204により、有機材料を含む層の製造プロセスが容易となる。詳細は後述するが、特にこの層は接続電極218等の作成時のレジストパターン作成、エッチング時等の光電変換膜に対するダメージを低減させることができる。なお、レジストパターン作成、エッチング等を避けるために、マスクによる製造も可能であるが、上記保護膜204を形成した構造により有機材料を含む層(光電変換膜)のダメージを抑える方が、製造プロセスが簡易に済み、有益であり、かつ、マスク法では到底できないミクロンオーダー、サブミクロンオーダーの加工が可能となる。
【0067】
以上のような構成により、1画素でBGR3色の光を検出してカラー撮像を行うことが可能となる。図1の構成では、2つの画素においてR,Bを共通の値として用い、Gの値だけを別々に用いる。換言すると、R,Bに対してGを2倍の解像度となるよう配置している。このような構成により、画像を生成する際に特に重要となる高感度のG信号が解像度を高められ、良好なカラー画像を生成することが可能となる。
【0068】
尚、画素電極膜214は単一の構造である必要は全くない。異なる材料からなる2層以上の積層構造でも良い。このような2層以上の構成の場合でも総称して第1電極膜と呼称することにする。
【0069】
第1電極膜上に光電変換層を積層した後、さらにその上に第2電極膜205,206を形成するが、これら第一電極膜及び第二電極膜の材料としては、基本的に何であっても構わない。例えば、金属、合金、金属酸化物、有機導電性化合物、これらの混合物等が好適に挙げられ、具体例としては例えば、「Li、Na、Mg、K、Ca、Rb、Sr、Cs、Ba、Fr、Ra、Sc、Ti、Y、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe,Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In,Tl、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、B、C、N、F、O、S、N」の中から選ばれる任意の組み合わせで良いが、特に好ましいものは、Al、Pt、W、Au、Ag、Ta、Cu、Cr、Mo、Ti、Ni、Pd、Znの中から選ばれる任意の組み合わせである。尚、配線218やボンディングPAD220の材料も、第一電極膜及び第二電極膜の材料と同じものを用いることができる。
【0070】
また、第一電極膜及び第二電極膜として透明なものを用いることは大変好ましい。具体的な材料として酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウム錫(ITO)等の導電性金属酸化物、金、白金、銀、クロム、ニッケル等の金属を用いて作成した厚みの薄い半透過性電極、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ル等の有機導電性材料、これらとITOとの積層物、などが挙げられる。また、沢田豊監修「透明導電膜の新展開」(シーエムシー刊、1999年)、日本学術振興会著「透明導電膜の技術」(オーム社、1999年)等に詳細に記載されているものを用いても良い。本発明において特に好ましいのは、第一電極膜及び第二電極膜が、それぞれITO、IZO、SnO、ATO、ZnO、TiO、FTOの少なくとも1つを含んで構成されることである。
【0071】
上記のような材料を一例として第一電極膜を製膜することができるが、この第一電極膜のパターニングはどのような方法を用いても良い。印刷法やマスク法を用いてパターンを作成しても良いが、好ましいのはフォトリソグラフィーによる方法である。
【0072】
本発明においては、このように作成した第一電極上に光電変換膜を作成する。本発明における光電変換膜とは、光を吸収して電子に変える光電変換層を含み、かつ、その電子を分離するために必要な電極間材料や電極を含む。その好ましい構成としては、まず基板上に積層される光電変換膜が一つの光電変換膜の場合として、下から[1]下部電極層、電子輸送性材料層、ホール輸送性材料層、透明電極という構成、[2]下部電極層、ホール輸送性材料層、電子輸送性材料層、透明電極という構成などが挙げられる。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電子輸送性材料を二つ以上の層に分割しても良いし、ホール輸送性材料層を二つ以上に分割しても構わない。例えば、[3]下部電極層、電子輸送性材料層,電子輸送性材料層、ホール輸送性材料層、透明電極[4]下部電極層、電子輸送性材料層、ホール輸送性材料層、ホール輸送性材料、透明電極[5]下部電極層、電子輸送性材料層,電子輸送性材料層、ホール輸送性材料層、ホール輸送性材料、透明電極という構成である。さらに、基板上に積層される光電変換膜が二つの場合は、基本的に光電変換膜が一つの場合の組み合わせを作成することができる。すなわち、例えば、[1]と[1]との組み合わせである下から下部電極層、電子輸送性材料層、ホール輸送性材料層、透明電極、層間絶縁膜、下部電極層(透明電極)、電子輸送性材料層、ホール輸送性材料層、透明電極という構成や、[1]と[2]の組み合わせである下部電極層、電子輸送性材料層、ホール輸送性材料層、透明電極、層間絶縁膜、下部電極層(透明電極)、ホール輸送性材料層、電子輸送性材料層、透明電極という構成などが挙げられ、そのような複数層の構成は基本的に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]から選ばれる組み合わせで任意に構成しても良いし、[1]、[2] [3]、[4]、[5]以外の他の構成と[1]、[2]、[3]、[4]、[5]とを任意に組み合わせても良い。基板上に少なくとも二つの光電変換膜を積層することは、一つの場合よりも単位面積あたりの光利用効率が上がるため、本発明ではより好ましく構成要件として挙げることができる。
【0073】
さらに、詳細は後述するが、基板上に少なくとも三つの光電変換膜を積層することは、さらに光利用効率を上げることができるため、本発明では特に好ましい。特に少なくとも3つの場合では、青色光電変換膜、緑色光電変換膜、赤色光電変換膜を作成することができるため、フルカラー撮像素子を作成することが可能となる。そのため、本発明では非常に好ましい。当然のことながら、基板上に少なくとも三つの光電変換膜を積層する場合の構成は、二つの場合と同様に、[1]、[2]から選ばれる任意の組み合わせや他の構成と[1]、[2]との組み合わせが挙げられ、もちろん、それ以外の組み合わせでも構わない。
【0074】
また、光電変換膜を構成する材料は、無機材料であっても、有機材料であっても構わないが、本発明では有機材料が含まれている場合、特に好ましく用いることができる。このため、上述した電子輸送性材料やホール輸送性材料として、電子輸送性有機材料やホール輸送性有機材料を用いることが極めて望ましい。
【0075】
電子輸送性有機材料としては、例えば、アクセプター性有機半導体(化合物)を好ましく用いることができる。アクセプター性有機半導体(化合物)とは主に電子輸送性有機化合物に代表され、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員のヘテロ環化合物(例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。なお、これに限らず、ドナー性有機化合物として用いた有機化合物よりも電子親和力の大きな有機化合物であればアクセプター性有機半導体として用いてよい。
【0076】
ホール輸送性有機材料としては、例えば、ポリ-N-ビニルカルバゾール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリメチルフェニルシラン、ポリアニリン、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、カルバゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリン誘導体(フタロシアニン等)、芳香族三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ベンジジン誘導体、ポリスチレン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体、スターバーストポリアミン誘導体等が使用可能である。
また、有機色素を用いることも非常に好ましく、上記の材料に光を吸収する構造を持たせることや、他にも金属錯体色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、フェニルキサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、ロダシアニン系色素、キサンテン系色素、大環状アザアヌレン系色素、アズレン系色素、ナフトキノン、アントラキノン系色素、アントラセン、ピレン等の縮合多環芳香族及び芳香環乃至複素環化合物が縮合した鎖状化合物、キノリン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール等の2ケの含窒素複素環、スクアリリウム基及びクロコニツクメチン基により結合したシアニン系類似の色素等を好ましく用いることができる。
金属錯体色素である場合、ジチオール金属錯体系色素、金属フタロシアニン色素、金属ポルフィリン色素又はルテニウム錯体色素が好ましく、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。ルテニウム錯体色素としては、例えば米国特許4927721号、同4684537号、同5084365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号、特開平7-249790号、特表平10-504512 号、WO98/50393号、特開2000-26487号等に記載の錯体色素等が挙げられる。また、シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素などのポリメチン色素の具体例としては特開平11-35836号、特開平11-67285号、特開平11-86916号、特開平11-97725号、特開平11-158395号、特開平11-163378号、特開平11-214730 号、特開平11-214731号、特開平11-238905号、特開2000-26487号、欧州特許892411号、同911841号及び同991092号の各明細書に記載の色素である。
なお、これらの材料を必要に応じて、ポリマーバインダー内に含有させても良い。そのように用いられるポリマーバインダーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等を挙げることができる。
【0077】
このような光電変換膜を所望の形にパターニングする必要があるが、本発明においては、その方法はどのような方法でも良い。その中でも特に好ましいのは、マスク法で製膜することや第二電極をマスクに光電変換膜をパターニングすることである。
【0078】
以上のような構成の光電変換膜積層型固体撮像素子の製造プロセスについて、図面を参照しながら説明する。
図2〜図11は、図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の製造工程を示す断面模式図であり、図2は、第一電極膜214までを作成した状態である。図2までの構造は通常の半導体プロセスにて作成することができるため、ここではそれ以降の工程を詳しく説明する。
【0079】
第一電極膜214を形成後、図3に示すように、第一電極膜214上に、正孔ブロッキング層210、n型半導体層209、p型半導体層208、及び電子ブロッキング層207をこの順に形成して、光電変換膜を形成する。次に、図4に示すように、光電変換膜上に透明電極膜206,205をこの順に形成して、対向電極膜を形成する。次に、図5に示すように、周辺回路部上の光電変換膜及び対向電極膜を選択的にエッチング除去する。
【0080】
次に、図6に示すように、保護膜(第一絶縁膜)204を形成する。そして、対向電極膜の一部である透明電極膜206を露出させるために、図7に示すように、保護膜204の一部及び対向電極膜の一部を選択的にエッチング除去する。このとき、レジストを全面に形成して選択的に除去するレジストパターン形成工程が入るが、光電変換膜(207,208,209,210)は保護膜204によって保護された状態となる。また、このときボンディングPAD220上の保護膜204の一部もエッチング除去しておく。次に、タングステン等のバリヤーメタル228を透明電極膜206の露出面のみに成膜する。この透明電極膜206の露出面を含む保護膜204の穴部が、透明電極206と導通をとるためのコンタクトホールとなる。このコンタクトホールの大きさは、5μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下で、さらに好ましくは0.5μm以下である。次に、図8に示すように、ボンディングPAD220上の絶縁膜211を選択的にエッチング除去して、ボンディングPAD220の一部を露出させる。
【0081】
次に、図9に示すように、アルミニウム等の配線材料218を成膜する。このとき、透明電極膜206上の開口と、ボンディングPAD220上の開口には、それぞれ配線材料218が入り込む。次に、透明電極膜206とボンディングPAD220とが配線材料218によって接続される状態を維持しながら、不要な配線材料218を、図10に示すように選択的にエッチング除去し、配線218を形成する。次に、図11に示すように保護膜204及び配線218上に保護膜203を形成する。さらにその上に赤外カット誘電体多層膜202、反射防止膜201をこの順で形成して、図1に示すような光電変換膜積層型固体撮像素子を得る。ここで、コンタクトホールから延設される配線の最小辺の長さは1mm以下とされ、このような微細な加工を用いる場合でも、機能膜の性能の劣化を防止できる。
【0082】
以上のような製造プロセスによれば、図6と図7の間において、図7に示す開口を形成するためのマスクパターンをフォトリソによって形成するに際し、絶縁性の保護膜204によって光電変換膜(207,208,209,210)が保護された状態でマスクパターンを形成することができる。このため、パターニング等の種々のプロセスにおいて、光電変換膜が保護膜204により確実に保護されて、光電変換膜の特性劣化を防ぐことができるといった利点が生じる。光電変換膜が有機材料を含む場合には、プロセスの影響による特性劣化が特に懸念されるため、本方法はより効果的である。このような効果は、図10において配線218を形成する際のマスクパターン形成時にも同様に得られる。
【0083】
尚、光電変換膜の特性劣化を防ぐ上で必要な保護膜204の条件は、その水透過率が低いことが好ましい。具体的には、水透過率が10g/m・day以下であることが好ましく、より好ましくは、1g/m・day以下、より好ましくは、1×10−9〜1×10−2g/m・day、より好ましくは1×10−9g/m・day以上1×10−2g/m・day以下、より好ましくは1×10−9g/m・day以上1×10−4g/m・day以下である。水透過性は、例えば米国MOCON社製の水透過性測定装置で測定することができる。
【0084】
一般に、フォトリソグラフィーにおいてレジストパターンを形成する場合には、水洗処理等によって純水が用いられるが、このような条件に設定しておくことで、この純水が光電変換膜に到達してしまうといったことを確実に防ぐことができる。また、保護膜204は1層構造である必要はなく、複数の絶縁膜からなる多層構造であっても良い。多層構造の場合には、光電変換膜の保護性能をより向上させることができる。
【0085】
ここで、上記の製造プロセスを更に詳細に説明する。
本実施の形態では、第二電極膜としての透明電極膜205,206のパターニングを、還元性プラズマによって表面処理を行った後、前記基板を基板温度150℃以下でドライエッチングすることによって実現する。
【0086】
この構成により、還元性プラズマ処理を行うことによってメタルリッチな膜となり、この状態でArでたたくことによって高温にしなくてもエッチング可能な状態となるため、基板を150℃以下に維持することができ、有機半導体膜のパターニングに際して素子特性を劣化させる物質の生成あるいは膜物質との反応が生じることなく維持され、信頼性の高いドライエッチングを実現することが可能となる。
【0087】
本発明においては、信号読出回路が形成された基板上に、第一電極膜、有機半導体膜、該第一電極膜に対向する第二電極膜をこの順に積層を行う。この積層をした後、第二電極膜を微細加工する必要がある。第一電極膜または第二電極膜を製膜後、第一電極膜または第二電極膜をドライエッチングにて形状加工する際に、基板温度を150℃以下にすることが重要なポイントである。基板温度は、好ましくは80℃以下、より好ましくは40℃以下である。第一電極膜または第二電極膜には透明電極を用いることが多い。該透明電極の透過率が波長400nm〜700nmにおいて60%以上が好ましく、より好ましくは、80%以上であり、より好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。このような第二電極のドライエッチングの際には、基板に温度をかけることが普通である。しかし、本発明における素子を作成する場合には、上記温度を150℃以下にしないと素子特性が極めて悪化することが明らかとなった。その理由は、エッチングガス存在下での高温条件では、素子特性を劣化させるある種の物質の生成または膜物質との反応が起こるためと考えられるためである。通常の液晶displayや半導体デバイス、従来素子では、そういったことが起こらないため、これは本発明の素子に特異的な現象であり、容易に推測しえない発明である。
本発明の効果は、特に第一電極膜または第二電極膜がITO、IZO、SnO、ATO、ZnO、TiO、FTOなどの金属酸化物から選ばれる少なくとも一つの材料を含む場合に、特に有効に機能するため好ましい。
【0088】
また、ドライエッチング時に、HCl、HBr、HI、CH、CHOH、Ar、N、Oの中から選ばれる少なくとも一つのガスを用いてドライエッチングする場合に、本発明の効果は大きいため、本発明においてこれらのガスを用いることはより好ましく、さらに、本発明では以下のように行うことが望ましい。
なお、ドライエッチング時に、還元性プラズマすなわち、還元性分子または原子を含むプラズマにより処理した後に、HCl、HBr、HI、CH、CHOH、Ar、N、Xe、Kr、Oの中から選ばれる少なくとも一つのガスを用いてドライエッチングすることのが好ましく望ましい。また、さらに好ましくは該還元性分子または原子を含むプラズマが、炭素、水素、窒素、硫黄、ヨウ素、塩素、臭素の中から選ばれる少なくとも一つの元素を含有する原子または分子が存在することでありる。さらに好ましくは、該還元性分子または原子を含むプラズマが、一酸化炭素、水素、一酸化窒素、一酸化硫黄、ヨウ素、塩素、臭素の中から選ばれる少なくとも一つの分子を含むことであり、最も好ましいのは、一酸化炭素、または水素を含むことである。特に、本発明において特記すべきことは、これらの分子を必ずしもガスの形で供給する必要性は必ずしもない。例えばエッチングガスCHFのように、ある酸化物をCHFプラズマを用いてプラズマ処理を行った際には、通常の条件下で一酸化窒素が存在することが明らかとなっている。これは、酸化物の酸素とCHFの炭素が結合して、一酸化炭素が生じたためであり、本発明はこのようにプラズマ処理過程で発生してプラズマ中に存在する分子を用いる場合についても、本発明の構成要件として含まれるとする有効である。
【0089】
また、本発明の一つであるHCl、HBr、HI、CH、CHOH、Ar、N、Oの中から選ばれる少なくとも一つのガスを用いてドライエッチングする前に行うに際し、還元性分子または原子を含むプラズマにより処理する方法は、基板温度を150℃以下では達成できなかったエッチングレートの維持の他、さまざまなことが可能となると同時に、本発明では有機半導体を含む素子の耐久性向上にも寄与することがわかった。なお、本発明におけるドライエッチング方式は、誘導結合型でも容量結合型でもどのような方式でも得られる効果は同様であると考えられる。
【0090】
また、本発明における第一電極膜、第二電極膜、機能膜としての有機半導体膜の作成形成方法としては、基本的にどんな方法であっても良い。抵抗加熱真空蒸着装置、RFスパッタ装置、DCスパッタ装置、対向ターゲット式スパッタ装置、CVD、MBE、PLD、塗布法などを用いた方法を挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0091】
次に、上記のような本発明の構造に対して、本発明とは異なる構造を比較用として示す。
図12は、本発明とは違う構造を持つ配線構造で、この構造の配線2208上部の一部は絶縁膜2209と接しているが、下部は絶縁膜と接していない。この構造は一見すると単純で第二電極2207上に絶縁膜2209が1種しか存在せずプロセス上も優位なように思えるが、この方式では良好な光電変換特性が得られない。
【0092】
通常のよく知られた半導体デバイスでは、このような違いは大きくなく、むしろプロセス上簡略化したい場合には、このような配線構造を持たせることも多い。また、概して光電変換膜に有機材料を用いている場合は(特に有機半導体を用いている場合)、この構造がとられる。光電変換膜に有機材料を用いている場合(特に有機半導体を用いている場合)この構造がとられるのは、マスク法にて素子の作成を行うためである。マスク法では微細なコンタクトホールをあけることが不可能なため、絶縁膜を設置せずこのように配線を行うわけである。
【0093】
次に、本発明に係る配線構造と、本発明とは異なる配線構造との作成プロセスを比較する。図1と同じように用意した信号読出基板に、本発明とは異なる配線構造を作成するプロセスの一例をここで提示する。
図13は、第一電極2204が作成され、光電変換膜2206、第二電極膜2207を全面に製膜した後、レジストを全面塗布し、フォトリソグラフィー技術を用いて、所望のパターンを形成し、第二電極膜2207をエッチングし、レジスト剥離、第二電極2207をマスクにして光電変換膜2206をエッチングした後の段階を示す図である。
【0094】
図13の段階から、図14に示すように第二電極2207をマスクにして第二電極PAD2205までエッチングを行い、図15に示すように配線2208を全面製膜する。ここから先ほどと同様に光リソグラフィー技術を用いて、配線2208を図16のように残し、図17に示すように絶縁膜2209を全面製膜する。
【0095】
図17に示す本発明とは異なる構造は、本発明の構造を作成した場合に比べて、光電変換特性が悪化する。理由は明らかでないが、この構造及び構造を作成するプロセスが、プロセス中の光電変換膜の損傷を招いていると推測している。本発明の構造とした場合、この損傷の程度は、特に第二電極がITO、IZO、SnO2、ATO、ZnO、TiO2、FTOの少なくとも一つの材料を含む場合、または、配線が、Al、Pt、W、Au、Ag、Ta、Cu、Cr、Mo、Ti、Ni、Pd、Znの少なくとも一つの材料を含む場合に小さくなり、本発明の効果が増大する。
【0096】
なお、バリヤーメタルの形成について補足すると、配線218とボンディングPAD220との間にもバリヤーメタルを形成する場合には、図7において、ボンディングPAD220上の絶縁膜211にも開口を空けてボンディングPAD220の一部を露出させておき、次の工程で、ボンディングPAD220の露出面上にもバリヤーメタルを成膜すれば良い。
【0097】
または、図7において、ボンディングPAD220上の絶縁膜211にも開口を空けてボンディングPAD220の一部を露出させておき、次の工程で、バリヤーメタルを全面に成膜し、その上に配線材料218を成膜した後、バリヤーメタルと配線材料218を一緒にパターニングすることで、配線218と透明電極膜206との間及び配線218とボンディングPAD220との間に、バリヤーメタルを介在させるようにしても良い。
【0098】
以上説明した光電変換膜積層型固体撮像素子では、光電変換膜が、少なくともホール輸送性有機材料及び電子輸送性有機材料を含み、これらが下からホール輸送性有機材料、電子輸送性有機材料という順番で位置する構造をとることが特に好ましい。ホール輸送性有機材料及び電子輸送性有機材料を用いて光電変換膜を作成した場合には、上述した構造にした方が、素子の性能が高くなることが実験的に証明されているためである。
【0099】
本発明のおいて最も好ましい態様を述べる。
基板上に、第一電極膜と、該第一電極膜に対向する第二電極膜と、前記第一電極膜と前記第二電極膜の間に配置された機能膜と、前記第一電極膜及び前記第二電極膜に電位を与える配線と、を有する機能素子であって、
(1)前記第二電極膜の上層に前記機能層の側壁を覆うように形成された第一絶縁膜
(2)前記第一絶縁膜内に前記第二電極膜まで貫通して形成され、前記第二電極膜接続用の前記配線が内部に延設されたコンタクトホール
(3)前記第二電極と前記第一絶縁膜との間に第二絶縁膜が設置され、
(4)機能膜が少なくともホール輸送性有機材料及び電子輸送性有機材料を含み、前記機能膜が、前記基板側から前記第一電極、前記ホール輸送性有機材料、前記電子輸送性有機材料、前記第二電極の順で積層されており、
(5)該コンタクトホールが各画素部に存在し、かつ、大きさが5μm以下であることを特徴とする機能素子である。
【0100】
この好ましい理由は、以下のとおりである。
機能膜の性能はホール輸送性有機材料及び電子輸送性有機材料を含み、前記機能膜が、前記基板側から前記第一電極、前記ホール輸送性有機材料、前記電子輸送性有機材料、前記第二電極の順で積層されることで、最も良い性能を達することができる。
しかし、この構成を従来法で基板に積層する場合、発光素子の場合は、基板の駆動トランジスターにPMOSを使用しなければならない点、光電変換膜の場合には、信号電荷を正孔にしたり、同じくPMOSを使用しなければならないなどの点から、基板側の性能が低下し、トータルとして性能を最大限に引き出すことができない。しかし、本発明の以下の態様によってその最大限の力を引き出すことができる。第一絶縁膜内に第二電極膜まで貫通して形成され、前記第二電極膜接続用の前記配線が内部に延設されたコンタクトホールを形成し、そのコンタクトホールが各画素部に存在し、かつ、大きさが5μm以下である。加えて、この態様を性能劣化を全く起こさず形成するのは、大きな困難を伴う。しかし、本発明の最も好ましい例を用いると、理想に近い形となる。それは、前記第二電極膜の上層に前記機能層の側壁を覆うように形成された第一絶縁膜があって、かつ、前記第二電極と前記第一絶縁膜との間に第二絶縁膜が設置されている場合である。この絶縁膜2層構造は、機能膜の劣化を引き起こさず素子の性能を最大限に引き出すことができる。第二絶縁膜がフォトリソ工程から機能膜を守り、第一絶縁膜が機能膜の大気暴露を防止する。
【0101】
次に、上記の光電変換膜積層型固体撮像素子の変形例を説明する。
この変形例は、第二電極膜上に機能層の側壁を覆うように形成された第一絶縁膜と、第一絶縁膜内に第二電極膜まで貫通して形成され、第二電極膜接続用の配線が内部に延設されたコンタクトホールと、第二電極と前記第一絶縁膜との間に介装された第二絶縁膜とを有する構成となっている。本構成の場合、本発明の効果が一層大きくなる。
前述のプロセスと比較できるように図2〜図4までは共通プロセスとして記述することができる。それに続くプロセスとして、先ほどのように第二電極(205,206)をエッチングせずに、図18のように絶縁膜(第二絶縁膜)2301を製膜する。この上にフォトリソグラフィーにより、レジスト2310を図19のように形成し、まずこの絶縁膜2301をレジストパターンに従って、図20のようにエッチングする。この後、第二電極2207をエッチングする前に、図21のようにレジスト2310を除去する。このレジスト2310の除去は、酸素アッシングなどのドライプロセスが望ましいが、第二電極2207が光電変換層2206を保護する役割が大きい場合には、通常の剥離液を用いたアッシングが可能である。この点は非常に重要で、製造プロセスの簡略化と省コスト化等に有益となる大きな効果である。さらに、図22のように、絶縁膜を2301をマスクとしてエッチングを行う。その後、絶縁膜(第一絶縁膜)2302を製膜し、この絶縁膜2302上にレジストパターン2311を図23のように形成し、図24のようにPAD空けを行い、レジスト2311を除去した後、配線材料を製膜する。そして、図25のように配線2303を形成した後、図26のように最後に絶縁膜2304を製膜する。
【0102】
本変形例の構造は、以下の観点で有効である。図21のレジスト除去の際に、第二電極2207が光電変換膜2206の全面を覆っているため、光電変換膜2206が損傷しやすいものであっても、剥離液を用いたレジスト除去が可能である。この点が前述した例に対して効果が大きい点である。特に、光電変換膜2206が有機材料を用いている場合は、この効果は非常に大きく、さらに光電変換膜2206が少なくともホール輸送性有機材料及び電子輸送性有機材料を含む場合には、極めてその効果は大きい。
また、図23におけるレジスト2311により絶縁膜2302を除去する際、絶縁膜2302の下層に絶縁膜2207が敷設されているため、第二電極膜2207を通して光電変換膜2206が劣化することはない。従って、絶縁膜2302の除去にはウェットエッチングも利用可能となる。さらに、図23におけるレジスト除去の際は、絶縁膜2302が光電変換膜2206の側壁を覆っているため、レジスト除去による光電変換膜2206の特性劣化が防止される。
【0103】
光電変換膜2206を覆い配線2303の下部に存在する絶縁膜2302は、特に前述した水透過率に関しては重要な特性である。この特性による効果は、光電変換膜2206に有機材料を用いている場合に大きく、さらに光電変換膜2206が少なくともホール輸送性有機材料及び電子輸送性有機材料を含む場合には、極めてその効果が大きいものとなる。
【0104】
(第二実施形態)
次に、本発明に係る機能素子が発光素子である例を説明する。なお、同様の形態として光電変換膜積層型固体撮像素子とする場合には、基板として第一実施形態に記したものや、後述の第三、第四の実施形態に用いたものを利用できる。ここでの発光素子は、ディスプレイ等に用いられる素子であり、画像の1画素を表現するための光を発する部分を1画素として以下では説明する。
【0105】
図27(a)は発光素子の2画素分の概略構成を示す表面模式図、(b)は(a)に示すα−α’線での断面模式図である。また(c)は本実施形態で用いることのできる基板回路の一例で、(d)は従来技術でよく用いられる基板回路の例である。(c)の特徴は、発光素子の駆動トランジスタとしてNMOSを用いることができる点であり、本実施形態の構造により実現する。
この発光素子は、第二電極膜上に機能層の側壁を覆うように形成された第一絶縁膜と、第一絶縁膜内に第二電極膜まで貫通して形成され、第二電極膜接続用の配線が内部に延設されたコンタクトホールと、第二電極と前記第一絶縁膜との間に介装された第二絶縁膜とを有する構成となっている。
【0106】
図27(b)に示すように、シリコン基板2407の表面部にはpウェル層2408が形成され、ここに駆動トランジスタのドレイン2404が形成されている。pウェル層2408上には絶縁膜2412が形成され、その上には絶縁膜2413が形成されている。絶縁膜2412内の電流供給部2404上にはプラグ2410Aが形成され、プラグ2410Aは絶縁膜2413内に形成された電極パッド2411Aに接続されている。電極パッド2411A上にはプラグ2410Bが形成され、プラグ2410Bは絶縁膜2415内に形成された電極パッド2411Bに接続されている。このように、電極パッド2411Bと駆動トランジスタのドレイン2404とは電気的に接続されている。
【0107】
絶縁膜2413内には、電極パッド2411Aと第一電極膜2402を電気的に接続するための図示しないメタル配線が形成されている。絶縁膜2415内には、下から順に第一電極膜2402、発光膜2405、第二電極膜2401、絶縁性の保護膜(第二絶縁膜)2414が形成されている。該発光膜内は、下から順にホール輸送性材料、電子輸送性材料と位置することが望ましい。絶縁膜(第一絶縁膜)2415内の第二電極膜2401上の一部及び電極パッド2411B上の一部には開口が形成され、この開口内部と絶縁膜2401上にはバリヤーメタル2406が形成されている。バリヤーメタル2406上には、第二電極膜2401と電極パッド2411Bとを電気的に接続するための配線2403が形成されている。配線2403上には配線2403を保護する保護膜2416が形成されている。本実施形態では、平面視上、第一電極膜2402と重なる部分を画素部と定義する。
【0108】
図13(c)に示すように、本実施形態の発光素子の駆動回路は、NMOSトランジスタ2420と、駆動トランジスタであるNMOSトランジスタ2421と、コンデンサ2422と、ダイオード2423と、走査信号線2424と、電源供給線2425と、データ信号線2426とを備える。従来の駆動回路は、図13(d)に示すように、駆動トランジスタとしてPMOSトランジスタ2421’を用いている。このように、本実施形態の発光素子の構成によれば、駆動回路の駆動トランジスタとしてNMOS型のものを用いることができる。
【0109】
NMOSトランジスタはキャリアーが電子であるため移動度が高く、トランジスタの面積を半分程度に小さくできる。特に、発光素子に有機材料が含まれている場合その駆動電流が大きくその面積は比較的大きくなりやすいため、これは想像以上に大きなメリットである。また、基板にSi単結晶基板を用いる場合、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタを共存させるためには、どちらかをキャリアーと逆特性のWell上に作成しなければならない。このWell作成が、デザインルールに大変大きな束縛を与える(例えば、PMOS側をNwell上に作成した場合、NwellとNMOSトランジスタの距離を十分とらなくてはならない)。この二つの効果は画素部が小さい機能素子においては、性能差に決定的に影響する。
【0110】
また、図27に示す発光素子は、配線2403と第二電極膜2401との間にバリヤーメタル2406が介在する構成のため、第一実施形態と同様に、その駆動耐久特性を向上させることができる。本実施形態で説明した第一電極膜、第二電極膜、バリヤーメタル、プラグ、配線、及び電極パッド等は、第一実施形態で説明した材料をそのまま用いることができる。発光膜としては、有機材料を含むものを用いた場合に、より特性劣化防止の効果を得ることができる。
【0111】
また、絶縁膜2415及び保護膜2414の水透過率は10g/m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは、1g/m・day以下、より好ましくは、1×10−9〜1×10−2g/m・day、より好ましくは1×10−9g/m・day以上1×10−2g/m・day以下、より好ましくは1×10−9g/m・day以上1×10−4g/m・day以下である。また、バリヤーメタルは、第一電極膜2402と、それに接続されるメタル配線との間に設けてあっても良い。
【0112】
以上のような構成の発光素子の製造プロセスについて、図面を参照して説明する。
図28〜図39は、図27に示す発光素子の製造工程を示す断面模式図である。図28は、第一電極膜2402までを作成した状態であり、ここまでは通常の半導体プロセスにて作成することができる。そのため、これ以降を詳しく説明することにする。
【0113】
第一電極膜2402を形成後、図29に示すように、第一電極膜2402上に、発光膜2405及び第二電極膜2401をこの順に積層する。次に、図30に示すように、第二電極膜2401上に発光膜2405を保護するための保護膜2414を形成する。次に、発光膜2405を画素毎に分離するために、図31に示すように、所定のレジストパターンRを保護膜2414上に形成する。
【0114】
次に、図32に示すように、レジストパターンRをマスクにして保護膜2414をエッチングする。次に、図33に示すように、レジストパターンRを除去する。次に、図34に示すように、保護膜2414をマスクにして、第一電極膜2402、発光膜2405、及び第二電極膜2401をエッチングする。次に、図35に示すように、全面に絶縁膜2415を形成する。次に、図36に示すように、絶縁膜2415上にレジストパターンRを形成する。次に、レジストパターンRをマスクにして絶縁膜2415及び保護膜2415をエッチングして、図37に示すように、第二電極膜2401上の一部及び電極パッド2411B上の一部に開口を形成する。
【0115】
次に、バリヤーメタル2406を全面に形成した後、図38に示すように、第二電極膜2401と電極パッド2411Bとを接続する部分のみを残してバリヤーメタル2406をパターニングする。この状態で、第二電極膜2401及び電極パッド2411B上の開口にはバリヤーメタル2406が埋まった状態となる。次に、配線材料を成膜した後、バリヤーメタル2406上にのみ配線材料が残るようにパターニングを行って、図39に示すように配線2403を形成する。最後に、配線2403上に保護膜2416を形成して、図27(b)に示すような発光素子を得る。なお、配線2403とバリヤーメタル2406のパターニングは同時に行っても良い。
【0116】
この例での好ましい点は、レジストを形成する際に絶縁保護膜を機能膜上の全面に配置できる点、レジスト除去が第二電極の保護のもとで除去できる点である。即ち、この製造方法では、機能膜である発光膜2405上に保護膜2414と絶縁膜2415の2つの絶縁膜が存在した状態で、バリヤーメタル2406及び配線2403をパターニングして形成することができる。このため、バリヤーメタル2406及び配線2403形成時のフォトリソグラフィー工程において、発光膜2405へのダメージを極力少なくすることができ、発光膜2405の性能劣化を防ぐことができる。また、図27に示す発光素子の構成では、画素部に配線2403を形成しているため、この配線2403が小さければ小さいほど発光面積を大きくすることができるといった効果がある。なお、本実施形態は次の例のような三層積層構造にも適用することができる。
【0117】
(第三実施形態)
次に、本発明に係る機能素子が光電変換膜積層型固体撮像素子であり、その構成として、2つの電極膜で挟まれた光電変換膜を3つシリコン基板上に積層して、シリコン基板上で3色の光を検出してカラー撮像を可能にする前述の第1の構成を説明する。
図40は、本発明の第三実施形態を説明するための光電変換膜積層型固体撮像素子の表面模式図である。図40に示す光電変換膜積層型固体撮像素子1100には、多数の受光部(画素)1101が、この例では縦横に格子状に配列されている。なお、ここでは光電変換膜積層型固体撮像素子の基本構造を先に説明し、後に本発明の特徴部分を有する構造について別途に説明する。
【0118】
基本構造としての光電変換膜積層型固体撮像素子1100の受光部1101の下側に設けられた半導体基板の表面には、列方向に並ぶ受光部1101の各列の夫々に対応して3本の垂直転送路(列方向CCDレジスタ)1102b,1102g,1102r(添え字b,g,rは、以下も同様であるが、夫々、青色(B),緑色(G),赤色(R)に対応する。)が形成されており、該半導体基板の下辺部には水平転送路(行方向CCDレジスタ)1103が形成されている。
【0119】
水平転送路1103の出口部分には増幅器1104が設けられ、各受光部1101で検出された信号電荷は、先ず、垂直転送路1102b,1102g,1102rによって水平転送路1103に転送され、次に水平転送路1103によって増幅器1104まで転送され、増幅器1104から出力信号1105として出力される。
【0120】
半導体基板の表面には、垂直転送路1102b,1102g,1102rに重ねて設けられた図示しない4相の転送電極に接続され4相の転送パルスが印加される電極端子1106,1107,1108,1109と、後述の第二電極膜に接続される電極端子1110と、水平転送路1103の2相の転送用電極端子1111,1112とが設けられる。
【0121】
図41(a)は、図40に示す点線矩形枠II内の拡大模式図であり、9画素分の受光部1101と、電極端子1110が接続される第二電極膜用の縦配線1119部分を図示している。尚、この図41(a)では、図40に示す垂直転送路1102r,1102g,1102bは省略している。
【0122】
各受光部1101は、矩形の第一電極膜(画素毎に分離されているため画素電極膜ともいう)1120によって画成されている。図41(a)に示す第一電極膜1120は、図41(b)に示す様に、3枚の第一電極膜1120r,1120g,1120bが後述の光電変換膜等を介して光入射方向に整列して設けられている。
【0123】
赤色用の第一電極膜1120rには該第一電極膜1120rと同一平面上に縦配線接続用のパッド1117rが突設され、緑色用の第一電極膜1120gにも同様に縦配線接続用のパッド1117gが突設され、青色用の第一電極膜1120bにも同様に縦配線接続用のパッド1117bが突設されている。同一画素(受光部)1101の各パッド1117r,1117g,1117bは、図41(a)に示す様に、位置がずれるように突設される。
【0124】
図41(a)に示す符号1122は、第二電極膜を示す。本実施形態の基本構造では、この第二電極膜1122も、後述する様に、赤色用の第二電極膜1122rと緑色用の第二電極膜1122gと青色用の第二電極膜1122bとが、光電変換膜等を介して重ねて設けられる。
【0125】
図42は、図41(a)のIII―III線断面模式図であり、パッド1117r,1117g,1117b部分の断面を示し、図43は、図41(a)のIV―IV線断面模式図であり、画素の中央部分の断面を示す。
【0126】
n型半導体基板1130の表面部分にはPウェル層1131が形成され、Pウェル層1131の表面部分にはn型領域でなる電荷蓄積部1138r,1138g,1138bが形成されると共に、チャネルストップ1115で画成された垂直転送路(n型半導体層)1102r,1102g,1102bが形成される。各電荷蓄積部1138r,1138g,1138bの中央部にはn+領域でなる縦配線接続部1137r,1137g,1137bが形成される。
【0127】
半導体基板1130の表面には、ゲート絶縁膜1132が形成され、その上に、ポリシリコンでなる転送電極1139が形成され、その上部に絶縁膜1134が形成される。この絶縁膜1134中には光遮蔽膜1133が形成され、入射光が垂直転送路に入射しないようになっている。
【0128】
絶縁膜1134の上には、導電膜が形成され、パターニングすることにより、図42に示す横配線1124r,1124g,1124bが形成される。電荷蓄積部1138r,1138g,1138bの縦配線接続部1137r,1137g,1137bと横配線1124r,1124g,1124bとは第1縦配線1126r,1126g,1126bによって接続される。
【0129】
横配線1124r,1124g,1124bが設けられた層の上部には絶縁層1125が形成され、その上に、透明な導電膜が積層される。この導電膜はパターニングされ、受光部1101毎に区分けされた第一電極膜1120rが形成される。また、このパターニングにより、図41(b)に示すパッド1117rが形成されると共に、パッド1117b,1117gに光入射方向に整列し他から分離した導電膜1116b,1116gが残される。
【0130】
これらの第一電極膜1120r,パッド1117r,導電膜1116b,1116gの上部には、赤色(R)を検出する光電変換膜1121rが積層される。この光電変換膜1121rは受光部毎に区分けして設ける必要はなく、各受光部1101が集合する受光面全面に対し1枚構成で積層される。
【0131】
光電変換膜1121rの上には、赤色信号を検出する各受光部1101に共通の第二電極膜(第一電極膜に対向するため、「対向電極膜」ともいう。)1122rがこれも一枚構成で積層され、その上部に、透明の絶縁膜(第一絶縁膜)1127が積層される。
【0132】
絶縁膜1127の上部には、透明な導電膜が積層され、この導電膜がパターニングされ、上記と同様に、受光部1101毎に区分けされた第一電極膜1120g及びパッド1117gと、他から分離し図41(b)に示すパッド1117bに整列する導電膜1118bが形成される。これらの第一電極膜1120g等の上には、緑色(G)を検出する光電変換膜1121gが上記と同様に1枚構成で積層され、更にその上部に、第二電極膜1122gが積層され、その上部に、透明の絶縁膜(第一絶縁膜)1128が積層される。
【0133】
この絶縁膜1128の上部には、透明な導電膜が積層され、パターニングされることで、受光部1101毎に区分けされた第一電極膜1120b及びパッド1117bが形成され、その上に、青色(B)を検出する光電変換膜1121bが上記と同様に1枚構成で積層され、更にその上部に、第二電極膜1122bが積層され、最上層に透明の保護膜1129が積層される。
【0134】
横配線1124bと青色第一電極膜1120bのパッド1117bとは第2縦配線1114bによって接続され、横配線1124gと緑色第一電極膜1120gのパッド1117gとは第2縦配線1114gによって接続され、横配線1124rと赤色第一電極膜1120rのパッド1117rとは第2縦配線1114rによって接続される。各縦配線1114r,1114g,1114b,1126r,1126g,1126bは、対応の第一電極膜のパッド,導電膜1116g,1116b,1118b、横配線以外とは、詳細は後述するように、電気的に絶縁して製造される。
【0135】
図44は、図41(a)のV―V線断面模式図であり、図40の電極端子1110と、各第二電極膜1122b,1122g,1122rとの接続構成を示す図である。n型半導体基板1130の表面部に形成されたPウェル層1131の表面部には、高濃度P層1141が形成され、その上部に、フィールド領域(絶縁膜)1142が形成される。
【0136】
この高濃度P層1141は、図42,図43に示すチャネルストップ1115と同一工程で形成しても、また、別工程で形成してもよい。絶縁膜1142は、図42,図43に示すゲート絶縁膜1132の形成と同時に形成すると共に、ゲート絶縁膜1132の形成後にも引き続き絶縁膜形成工程を続け、膜厚をゲート絶縁膜1132より厚くする。
【0137】
絶縁膜1142の上には、図42,図43と同じ絶縁膜1134が形成され、その上に、導電膜1124kが積層される。この導電膜1124kは、図42,図43に示す横配線1124r,1124g,1124bを形成する導電膜をパターニングすることで形成され、図40に示す電極端子1110はこの導電膜1124kに接続される。
【0138】
第一電極膜1120rを形成する導電膜をパターニングすることにより導電膜1120k―1が形成され、導電膜1124kと導電膜1120k―1との間に縦配線1143―1が形成される。
【0139】
同様に、第一電極膜1120gを形成する導電膜をパターニングすることにより導電膜1120k―2が形成され、第二電極膜1122rと導電膜1120k―2との間に縦配線1143―2が形成されると共に、導電膜1120k―2と導電膜1120k―1との間に縦配線1143―3が形成される。これにより、第二電極膜1122rと導電膜1124kとが電気的に接続され、第二電極膜1122rが電極端子1110に接続される。
【0140】
同様に、第一電極膜1120bを形成する導電膜をパターニングすることにより導電膜1120k―3が形成され、第二電極膜1122gと導電膜1120k―3との間に縦配線1143―4が形成されると共に、導電膜1120k―3と導電膜1120k―2との間に縦配線1143―5が形成される。これにより、第二電極膜1122gと導電膜1124kとが電気的に接続され、第二電極膜1122gが電極端子1110に接続される。
【0141】
保護膜1129の上面部隅には透明導電膜1144が積層され、第二電極膜1122bと導電膜1144との間に縦配線1143―6が形成されると共に、導電膜1144と導電膜1120k―3との間に縦配線1143―7が形成される。これにより、第二電極膜1122bと導電膜1124kとが電気的に接続され、第二電極膜1122bが電極端子1110に接続される。
【0142】
本実施形態の基本構造としての光電変換膜積層型固体撮像素子は、2つの異なる電極間、例えば、第二電極膜1122rと縦配線1143―2との間、第二電極膜1122gと縦配線1143―4との間、第二電極膜1122bと縦配線1143―6との間、導電膜1120k―1と縦配線1143―3の間、導電膜1120k―2と縦配線1143―5の間、導電膜1120k―3と縦配線1143―7の間に、図44に示すようにバリヤーメタル1200が介在している。この構成により、駆動耐久特性を向上させることができる。第二電極膜やバリヤーメタルの材料は、第一実施形態と同じものを用いることができる。尚、バリヤーメタルは、上述した間の少なくとも1つに存在していれば良い。
【0143】
均質な透明の電極膜1122r,1122g,1122b,1120r,1120g,1120b等としては、酸化錫(SnO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化インジウム(InO2)、酸化インジウム−錫(ITO)薄膜を用いるが、これに限るものではない。
【0144】
光電変換膜1121r,1121,1121bとしては、単層膜でも多層膜でもよく、膜材料としては、シリコンや化合物半導体等の無機材料,有機半導体,有機色素などを含む有機材料,ナノ粒子で構成した量子ドット堆積膜など種々の材料が使用できる。好ましい構成は、第一実施形態で説明した構成である。
【0145】
また、本実施形態の基本構造では、シリコン基板上に光電変換膜が複数積層される構成である。例えばシリコン基板上に2つの光電変換膜を積層する際は、各光電変換膜の構成を、第一実施形態で説明した構成例[1]、[2]、[3]、[4]、[5]から選ばれる組み合わせで任意に構成しても良いし、[1]、[2]、[3]、[4]、[5]以外の他の構成と[1]、[2]、[3]、[4]、[5]とを任意に組み合わせても良い。シリコン基板上に複数の光電変換膜を積層することは、一つの場合よりも単位面積あたりの光利用効率が上がるため、本発明ではより好ましく構成要件として挙げることができる。さらに、本実施形態の基本構造のように、シリコン基板上に3つ以上の光電変換膜を積層することは、さらに光利用効率を上げることができるため、本発明では特に好ましい。特に3つ以上の場合では、青色光電変換膜、緑色光電変換膜、赤色光電変換膜を作成することができるため、フルカラー撮像素子を作成することが可能となる。そのため、本発明では非常に好ましい。当然のことながら、基板上に3つ以上の光電変換膜を積層する場合の構成は、二つの場合と同様に、構成例[1]、[2]、[3]、[4]、[5]から選ばれる任意の組み合わせや、他の構成と構成例[1]、[2]、[3]、[4]、[5]との組み合わせが挙げられ、もちろん、それ以外の組み合わせでも構わない。
【0146】
斯かる構成の光電変換膜積層型固体撮像素子1100に被写体からの光が入射すると、入射光のうちの青色の光量に応じた光電荷が青色光電変換膜1121bにて発生し、この光電荷が縦配線1114b,横配線1124b,縦配線1126bを通って電荷蓄積部1138bに蓄積される。同様に、緑色の入射光量に応じた光電荷が電荷蓄積部1138gに蓄積され、赤色の入射光量に応じた光電荷が電荷蓄積部1138rに蓄積される。各電荷蓄積部1138r,1138g,1138bに蓄積された電荷(信号電荷)は、垂直転送路1102r,1102g,1102bに読み出されて水平転送路1103まで転送され、水平転送路1103を転送されてこの光電変換膜積層型固体撮像素子1100から出力される。
【0147】
図45〜図59は、図42〜図44に示した光電変換膜積層型固体撮像素子の製造手順を示す図であり、各図(a)は図42と同じ位置における断面模式図であり、各図(b)は図44と同じ位置における断面模式図である。製造完了を示す図59(a)は図42と同じとなり、図59(b)は図44と同じとなる。
【0148】
図45に示す状態までは、従来のCCD型,CMOS型の固体撮像装置と同様の半導体製造手順で製造され、半導体基板1130のPウェル層1131に、電荷蓄積部1138r,1138g,1138bや垂直転送路1102r,1102g,1102bが形成され、表面部に絶縁膜1134が形成される。この絶縁膜1134に第1縦配線1126r,1126g,1126b用の開口がエッチングにより形成された後、各開口がタングステンや銅等の金属あるいは導電性を有する多結晶シリコンで埋められ、第1縦配線1126r,1126g,1126bが形成される。そして、表面部に透明の導電膜が形成され、パターニングされることで、横配線1124r,1124g,1124bおよび導電膜1124kが形成される。パターニングは、例えば、レジスト塗布、露光、現像、エッチングの順に行われる。
【0149】
次に、図46に示す様に、表面部に絶縁膜1125が積層され、図47に示す様に、横配線1124r,1124g,1124b,導電膜1124kに夫々到達する開口1150r,1150g,1150b,1150kがエッチングにより形成される。そして、図48に示す様に、透明な導電材料で開口1150r,1150g,1150b,1150k(図47参照)が埋められ、縦配線1114r,1114g,1114bの一部と、図44で説明した縦配線1143―1が形成される。そして更に、図49に示す様に、表面部に透明の導電膜1151が形成される。
【0150】
次に、導電膜1151をパターニングすることで、第一電極膜1120r(図43参照)を形成すると共に、図50に示す様に、パッド1117rや図42でも説明した導電膜1116b,1116g,1120k―1が形成される。その後、図51に示す様に、表面部に赤色検出用の光電変換膜1121rが積層され、更に、図52に示す様に、光電変換膜1121rの上に、第二電極膜1122rが積層される。
【0151】
次に、図53に示す様に、表面にレジスト膜1152が形成され、導電膜1116r,1116gの位置に整合する開口1153b,1153gがエッチングにより形成され、また、導電膜1120k―1上の光電変換膜1121r及び第二電極膜1122rの端部が、図53(b)に示す様に、削成される。
【0152】
このように、本実施形態の基本構造では、光電変換膜1121rの積層工程に続けて第二電極膜1122rの積層を連続して行い、第二電極膜1122rと光電変換膜1121rとを一緒にエッチングして開口1153g,1153bを形成するため、光電変換膜1121rと第二電極膜1122rとの間の界面が荒れることはなく、しかも、縦配線用開口のエッチング回数を減らすことができる。また、エッチングを行うときに、開口底部に導電膜1116g,1116bを設けてあるため、この導電膜1116g,1116bの箇所でエッチングを精度良く止めることが可能となる。
【0153】
開口1153b,1153gが形成された後は、図54に示す様に、表面部に絶縁膜127を積層して開口1153b,1153gを埋めると共に、図54(b)に示す削成部に絶縁膜1127を積層する。そして次に、図55に示す様に、開口1153b,1153gより小径の開口1154g,1154bをエッチングにより開けると共に、端部(図55(b))において、第二電極膜1122rに到達する開口1154k―1と、導電膜1120k―1に到達する開口1154―2とを開ける。
【0154】
次に、図55(b)に示すように、開口1154k―1と開口1154k―2によって露出している第二電極膜1122r及び導電性膜1120k−1上に、バリヤーメタルを選択成長させて形成する。
【0155】
次に、開口1154g,1154b,1154k―1,1154k―2を、図56に示す様に透明導電材料で埋め、縦配線1114g,1114b,1143―2,1143―3を形成する。各開口を透明導電材料で埋めた後は、表面を平滑処理する。これは、例えばエッチバックやCMP(ケミカルメカニカルポリッシング)にて行う。
【0156】
この様に、本実施形態の基本構造では、絶縁膜1127と第二電極膜1122rと光電変換膜1121rの3層を貫通する縦配線1114g,1114bを同一工程にて製造するため、縦配線製造工程数が少なくなる。
【0157】
そして、図49〜図56の製造手順と同様の手順を繰り返すことで、図57に示す様に、緑色検出用の光電変換膜1121g及び第二電極膜1122gを貫通する縦配線1114bを形成すると共に、端部において縦配線1143―3,1143―5を形成する。
【0158】
更に、図58に示す様に、第一電極膜1120b(図43参照)及びパッド1117bを形成してその上に青色検出用の光電変換膜1121b、第二電極膜1122b、透明の保護膜1129を形成し、透明保護膜1129の所定箇所に開口をエッチングにより開けて導電材料で埋め、縦配線1143―6,1143―7を形成する。最後に、図59に示す様に、縦配線1143―6と縦配線1143―7とを接続する導電膜1144を形成する。
【0159】
以上述べたように、本実施形態の基本構造では、光電変換膜の積層工程に続けて第二電極膜の積層を連続的に行い、第二電極膜と光電変換膜とを一緒にエッチングして開口を設けるため、光電変換膜と第二電極膜との間の界面が荒れることがなくなり、しかも、縦配線用開口のエッチング回数を減らすことが可能となる。これにより、光電変換性能が向上すると共に製造コストの低減を図ることができる。
【0160】
以上のような3層積層構造の基本例を説明したが、上記基本構成では、光電変換膜の上に電極膜を介してレジストパターンを形成する工程を含むため、光電変換膜の劣化を招くことになる。この問題を解消できる本発明に係る構成例を以下に説明する。
ここでは、本発明の特徴である、第二電極膜上に機能層の側壁を覆うように形成された第一絶縁膜と、第一絶縁膜内に第二電極膜まで貫通して形成され、第二電極膜接続用の配線が内部に延設されたコンタクトホールと、さらに、前記第二電極と前記第一絶縁膜との間に第二絶縁膜が介装を有する光電変換膜積層型固体撮像素子の構造及びその製造方法について説明する。
図60〜図66は、図38〜図55までの製造工程に対する変更点を示す図であり、図42と同じ位置における断面模式図である。図60〜図66では、図55(a)に示す開口1154bの下方に位置する部位のみを図示した。
【0161】
本発明に係る光電変換膜積層型固体撮像素子は、第二電極膜1122rを形成した後、図60に示すように絶縁膜(第二絶縁膜)1201を形成する。次に、図61に示すように、絶縁膜1201上にレジストパターン1202を形成する。このレジストパターン1202を用いて絶縁膜1201のみを図62に示すようにエッチングする。次に、図63に示すようにレジストパターン1202を除去する。第二電極膜1122rに保護機能があれば、レジストパターンを剥離液によりWET処理で除去することが可能である。もちろん、光電変換膜1121rを損傷しないようなレジスト処理があれば、図62の状態から第二電極膜1122rと光電変換膜1121rとをエッチングすることも可能である。次に、絶縁膜1201をマスクにして、図64に示すように、第二電極膜1122rと光電変換膜1121rをエッチングする。次に、図65に示すように絶縁膜(第一絶縁膜)1127を形成して平滑化した後、図66に示すようにビアホール1154bを形成する。
【0162】
光電変換膜が損傷しやすいものである場合、図53におけるレジスト形成の際、下層には第二電極膜しかないために、光電変換膜を確実に保護することが難しい。レジスト形成時には、溶剤塗布、アルカリ現像液処理、水洗などの工程を経るため、これらの処理に損傷しやすいものであれば、たちまち素子特性が劣化する。特に光電変換膜に有機材料が含まれている場合は顕著である。しかし、図61を見ると、レジスト形成時に光電変換膜全面に絶縁膜による保護があるため、光電変換膜が劣化することがなく、素子特性の劣化を確実に防ぐことができる。
加えて、さらに本実施形態における重要な特徴を述べる。図62において、絶縁膜上にレジストを形成した後、図65までの2層目の絶縁膜の製膜までには、ドライエッチングプロセスと真空製膜技術を用いて、真空一貫で行うことができる。図66以降で、酸素や水に対して過敏な有機材料を含む素子を大気下に暴露しても2層目の絶縁膜により保護されているので、有機材料が劣化することがない。すなわち、この絶縁膜2層構造は、機能膜形成プロセスにおいて有機材料を劣化させないことが深く考慮された特異的な構造である。
【0163】
(第四実施形態)
次に、本発明に係る機能素子の第4実施形態を説明する。
第三実施形態で説明した光電変換膜積層型固体撮像素子のシリコン基板に形成される電荷蓄積部の配置は正方格子配列としたが、これに限らず、様々な配列が採用可能である。例えば、垂直方向に並ぶ電荷蓄積部からなる電荷蓄積部列のうち、奇数列と偶数列を電荷蓄積部の垂直方向配列ピッチの略1/2ずらしたいわゆるハニカム配列を採用することもできる。ハニカム配列の詳細構成は、特開平10−136391号公報などに開示されている。
【0164】
図67は、本発明の第四実施形態を説明するための光電変換膜積層型固体撮像素子の表面模式図である。
光電変換膜積層型固体撮像素子2100には、シリコン基板2107表面に多数の電荷蓄積部2101が配列され、その配列は、特開平10−136391号公報等にあるようなハニカム配列となっている。シリコン基板2107の表面には、列方向に並ぶ電荷蓄積部2101の各列に対応して垂直転送路(列方向CCDレジスタ)2102が形成されており、シリコン基板2107の下辺部には水平転送路(行方向CCDレジスタ)2103が形成されている。水平転送路2103の出口部分には、増幅器2104が設置されており信号電荷がここで増幅され出力信号2105として出力される。シリコン基板2107の両端には電源供給用のボンディングPAD2106が設けられ、ボンディングPAD2106は、シリコン基板2107上に積層された3つの光電変換膜2108をそれぞれ挟む、画素毎に分離された第一電極膜2109と画素毎に分離されていない第二電極膜2110に配線を介して接続される。
【0165】
図68は、図67に示す固体撮像素子の部分拡大図である。図68に示す固体撮像素子は、前述したように、電荷蓄積部2101と、それに隣接する垂直転送チャネル106及び転送電極111〜114からなる垂直転送路2102とが二次元平面状に配置されている。1つの電荷蓄積部2101に対し、4相の転送パルスφ1〜φ4を供給するための転送電極111〜114が配設されている。各転送電極111〜114は行方向に延在しており、電荷蓄積部2101を避けるようにしながら蛇行して形成されている。
【0166】
光電変換膜で発生して電荷蓄積部2101に蓄積された信号電荷は、図において右下方に設けられた読み出しゲート107から垂直転送チャネル106に読み出される。各電荷蓄積部2101に隣接する垂直転送チャネル106は、図68において上部から下部に向かって縦方向に連なっており、ハニカム状に配列した電荷蓄積部2101の間を蛇行しながら列方向に延在し、転送電極111〜114とともに垂直転送路2102を形成している。各垂直転送路2102の端部は、遮光された水平転送路2103に接続されている。さらに水平転送路2103の末端には、フローティングディフュージョンアンプ(FDA)等を有してなる増幅器2104が接続され、ここから信号電荷に応じた信号が出力される。
【0167】
図69に図68のA−A断面(a)及び光電変換部の拡大断面図(b)を示した。
電荷蓄積部2101は、図69に示すように、N型高濃度不純物層であるn領域105を形成した構成となっている。n領域105上にはプラグ3001が設けられ、この上に第一電極膜3003、光電変換膜3005、第2電極膜3007等が積層された光電変換部3009が設けられる。垂直転送チャネル106の上部には、2層構造のポリシリコン電極による転送電極111,112,113,114(図68参照)が形成されている。2層ポリシリコン電極は、転送電極111,113を形成した後、端部が重なるように絶縁膜109を介して転送電極112,114を形成したものである。これらの転送電極111,112,113,114によって例えばφ1,φ2,φ3,φ4の4相の転送パルスを印加して垂直転送路2102を駆動し、全画素読み出しが可能である。
【0168】
N型高濃度不純物層105の外周の一側部には、光電変換により蓄積された電荷を垂直転送チャネル106へ読み出すための読み出しゲート107が設けられ、他方の側部には上下方向にわたって隣の画素列の垂直転送チャネルに電荷が流れないように堰き止めるP型高濃度不純物による素子分離領域(チャネルストップ)108が形成されている。
【0169】
このような構成の固体撮像素子では、列方向CCDレジスタを駆動するための転送電極を2層ポリシリコン構造としても全画素読み出しに対応できるため、製造プロセスを簡略化できる。また、1つの電荷蓄積部あたり4電極を配置することができる。この場合、4相の転送パルスで駆動することによって、扱う電荷量を3相駆動の場合の約1.5倍大きくすることができる。ハニカムCCDの構造では、従来の正方格子CCDに比べて、電荷蓄積部の面積を相対的に大きくでき、しかも水平・垂直の解像度が高いことから、微細化(高密度化、多画素化)していった場合でも高感度の固体撮像素子が得られる。
【0170】
本実施形態では、転送電極111〜114として使用しているポリシリコン電極の電気抵抗を下げるために、ポリシリコンより比抵抗が小さい電極材料、例えばAl(アルミニウム)やW(タングステン)を金属配線125としてポリシリコン電極上に絶縁膜を介して積層したいわゆるメタル裏打ち構造を形成している。この金属配線125はコンタクトホール126を介してそれぞれの転送電極111〜114に電気接続されている。本実施形態のようなハニカム配列では、従来の正方格子配列とは異なり、2層構造のポリシリコン電極の長手方向に沿って、すなわち図68において横方向(水平方向)に蛇行しながら全ての相(層)の転送電極111〜114に対応して金属配線125を敷設することができる。
【0171】
この金属配線125は、図68において横方向に延出され、末端が素子外部より供給される駆動用の転送パルスφ1〜φ4を伝送するための配線パターン130と電気接続されている。図55の例では、金属配線125及び配線パターン130をAlで形成し、金属配線125と他の位相の配線パターン130とが交わる部分はポリシリコン電極の上に絶縁膜を介して配線パターン130を形成して配線し、金属配線125及び配線パターン130とポリシリコン電極とをコンタクト部で電気的に導通させる構成を示している。
【0172】
電極材料としては、Al、W、Cu(銅)、Ti(チタン)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Pd(パラジウム)、Pt(白金)、あるいはこれらの窒化物(WSi(タングステンシリコン)など)、シリサイド(TiSi(チタンシリコン)など)、合金、化合物、複合物が適する。Alは加工が容易で扱いやすく、電気抵抗が小さいので裏打金属配線によく用いられる。WはAlに比べてポリシリコンとの間で合金を形成しないので、合金によるポテンシャルシフト(ポテンシャルの部分的な変化)が起こりにくく、垂直転送路において効率の良い電荷転送が可能である。また、Wは固体撮像素子の遮光膜に用いられるため、遮光膜部分と合わせて使用すればよい。
【0173】
なお、以上説明した各実施形態において、機能膜の一片が一画素となる画素配列を有し、第一電極膜が画素毎に分割して配置されているが、本発明はこの構成に限らず、第二電極膜が画素毎に分割されていてもよく、また、双方が画素毎に分割されていてもよい。特に本発明では、第二電極膜が画素毎に分割されている場合に効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1】本発明の第一実施形態を説明するための光電変換膜積層型固体撮像素子の断面模式図である。
【図2】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図3】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図4】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図5】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図6】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図7】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図8】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図9】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図10】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図11】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図12】本発明とは違う構造を持つ配線構造を示す断面模式図である。
【図13】図12に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図14】図12に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図15】図12に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図16】図12に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図17】図12に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図18】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の変形例に対する製造工程を示す断面模式図である。
【図19】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の変形例に対する製造工程を示す断面模式図である。
【図20】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の変形例に対する製造工程を示す断面模式図である。
【図21】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の変形例に対する製造工程を示す断面模式図である。
【図22】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の変形例に対する製造工程を示す断面模式図である。
【図23】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の変形例に対する製造工程を示す断面模式図である。
【図24】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の変形例に対する製造工程を示す断面模式図である。
【図25】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の変形例に対する製造工程を示す断面模式図である。
【図26】図1に示す光電変換膜積層型固体撮像素子の変形例に対する製造工程を示す断面模式図である。
【図27】(a)は発光素子の2画素分の概略構成を示す表面模式図、(b)は(a)に示すα−α’線での断面模式図、(c)は本実施形態で用いることのできる基板回路の一例の図、(d)は従来技術でよく用いられる基板回路の例の図である
【図28】図27に示す発光素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図29】図27に示す発光素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図30】図27に示す発光素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図31】図27に示す発光素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図32】図27に示す発光素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図33】図27に示す発光素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図34】図27に示す発光素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図35】図27に示す発光素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図36】図27に示す発光素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図37】図27に示す発光素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図38】図27に示す発光素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図39】図27に示す発光素子の製造工程を示す断面模式図である。
【図40】本発明の第三実施形態を説明するための光電変換膜積層型固体撮像素子の表面模式図である。
【図41】(a)は図40に示す点線矩形枠II内の拡大模式図であり、(b)は(a)に示す第一電極膜を示す説明図である。
【図42】図41(a)のIII―III線断面模式図である。
【図43】図41(a)のIV―IV線断面模式図である。
【図44】図41(a)のV―V線断面模式図である。
【図45】図42〜図44に示した光電変換膜積層型固体撮像素子の製造手順を示す図であり、(a)は図42と同じ位置における断面模式図、(b)は図44と同じ位置における断面模式図である。
【図46】図42〜図44に示した光電変換膜積層型固体撮像素子の製造手順を示す図であり、(a)は図42と同じ位置における断面模式図、(b)は図44と同じ位置における断面模式図である。
【図47】図42〜図44に示した光電変換膜積層型固体撮像素子の製造手順を示す図であり、(a)は図42と同じ位置における断面模式図、(b)は図44と同じ位置における断面模式図である。
【図48】図42〜図44に示した光電変換膜積層型固体撮像素子の製造手順を示す図であり、(a)は図42と同じ位置における断面模式図、(b)は図44と同じ位置における断面模式図である。
【図49】図42〜図44に示した光電変換膜積層型固体撮像素子の製造手順を示す図であり、(a)は図42と同じ位置における断面模式図、(b)は図44と同じ位置における断面模式図である。
【図50】図42〜図44に示した光電変換膜積層型固体撮像素子の製造手順を示す図であり、(a)は図42と同じ位置における断面模式図、(b)は図44と同じ位置における断面模式図である。
【図51】図42〜図44に示した光電変換膜積層型固体撮像素子の製造手順を示す図であり、(a)は図42と同じ位置における断面模式図、(b)は図44と同じ位置における断面模式図である。
【図52】図42〜図44に示した光電変換膜積層型固体撮像素子の製造手順を示す図であり、(a)は図42と同じ位置における断面模式図、(b)は図44と同じ位置における断面模式図である。
【図53】図42〜図44に示した光電変換膜積層型固体撮像素子の製造手順を示す図であり、(a)は図42と同じ位置における断面模式図、(b)は図44と同じ位置における断面模式図である。
【図54】図42〜図44に示した光電変換膜積層型固体撮像素子の製造手順を示す図であり、(a)は図42と同じ位置における断面模式図、(b)は図44と同じ位置における断面模式図である。
【図55】図42〜図44に示した光電変換膜積層型固体撮像素子の製造手順を示す図であり、(a)は図42と同じ位置における断面模式図、(b)は図44と同じ位置における断面模式図である。
【図56】図42〜図44に示した光電変換膜積層型固体撮像素子の製造手順を示す図であり、(a)は図42と同じ位置における断面模式図、(b)は図44と同じ位置における断面模式図である。
【図57】図42〜図44に示した光電変換膜積層型固体撮像素子の製造手順を示す図であり、(a)は図42と同じ位置における断面模式図、(b)は図44と同じ位置における断面模式図である。
【図58】図42〜図44に示した光電変換膜積層型固体撮像素子の製造手順を示す図であり、(a)は図42と同じ位置における断面模式図、(b)は図44と同じ位置における断面模式図である。
【図59】図42〜図44に示した光電変換膜積層型固体撮像素子の製造手順を示す図であり、(a)は図42と同じ位置における断面模式図、(b)は図44と同じ位置における断面模式図である。
【図60】図38〜図55までの製造工程に対する変更点を示す図であり、図42と同じ位置における断面模式図である。
【図61】図38〜図55までの製造工程に対する変更点を示す図であり、図42と同じ位置における断面模式図である。
【図62】図38〜図55までの製造工程に対する変更点を示す図であり、図42と同じ位置における断面模式図である。
【図63】図38〜図55までの製造工程に対する変更点を示す図であり、図42と同じ位置における断面模式図である。
【図64】図38〜図55までの製造工程に対する変更点を示す図であり、図42と同じ位置における断面模式図である。
【図65】図38〜図55までの製造工程に対する変更点を示す図であり、図42と同じ位置における断面模式図である。
【図66】図38〜図55までの製造工程に対する変更点を示す図であり、図42と同じ位置における断面模式図である。
【図67】本発明の第四実施形態を説明するための光電変換膜積層型固体撮像素子の表面模式図である。
【図68】図67に示す固体撮像素子の部分拡大図である。
【図69】図68のA−A断面(a)及び光電変換部の拡大断面図(b)である。
【符号の説明】
【0175】
204 保護膜(第一絶縁膜)
205,206 第二電極膜
207 電子ブロッキング層
208 p型不純物層
209 n型不純物層
210 ホールブロッキング層
213 シリコン基板
214 第一電極膜
218 配線
1100 光電変換膜積層型固体撮像装置
1120 第一電極膜
1120g 緑色第一電極膜
1120r 赤色第一電極膜
1120b 青色第一電極膜
1121r,1121,1121b 光電変換膜
1122r,1122g,1122b 第二電極膜
1124r,1124g,1124b 横配線
1125 絶縁膜
1126r,1126g,1126b 縦配線
1127 絶縁膜
1128 絶縁膜
1129 透明保護膜
1130 n型半導体基板
1131 ウェル層
1132 ゲート絶縁膜
1133 光遮蔽膜
1134 絶縁膜
1137r,1137g,1137b 縦配線接続部
1138r,1138g,1138b 電荷蓄積部
1139 転送電極
1141 高濃度P層
1142 フィールド領域(絶縁膜)
1143 縦配線
1144 透明導電膜
1150r,1150g,1150b,1150k 開口
1151 導電膜
1152 レジスト膜
1153b,1153g 開口
1154g,1154b 開口
1154 開口
1154k 開口
1201 絶縁膜(第二絶縁膜)
2100 光電変換膜積層型固体撮像素子
2109 第一電極膜
2110 第二電極
2121 配線
2206 光電変換膜
2207 第二電極膜
2301 絶縁膜(第二絶縁膜)
2302 絶縁膜(第一絶縁膜)
2303 配線
2401 第二電極膜
2403 配線
2407 シリコン基板
2414 保護膜(第二絶縁膜)
2415 絶縁膜(第一絶縁膜)
3003 第一電極膜
3005 光電変換膜
3007 第二電極膜
3009 光電変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、第一電極膜と、該第一電極膜に対向する第二電極膜と、前記第一電極膜と前記第二電極膜の間に配置された機能膜と、前記第一電極膜又は前記第二電極膜に電位を与える配線と、を有する機能素子であって、
前記第二電極膜上に前記機能層の側壁を覆うように形成された第一絶縁膜と、
前記第一絶縁膜内に前記第二電極膜まで貫通して形成され、前記第二電極膜接続用の前記配線が内部に延設されたコンタクトホールと、を備えたことを特徴とする機能素子。
【請求項2】
請求項1記載の機能素子であって、
前記第二電極と前記第一絶縁膜との間に第二絶縁膜が介装されたことを特徴とする機能素子。
【請求項3】
請求項2記載の機能素子であって、
前記第一絶縁膜と前記第二絶縁膜とを貫通するように前記コンタクトホールが形成されていることを特徴とする機能素子。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の機能素子であって、
前記第一電極膜、前記機能膜、及び前記第二電極膜を有する層構造を前記基板上に複数段設けたことを特徴とする機能素子。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の機能素子であって、前記機能膜を覆う前記絶縁膜の水透過率が、10g/m・day以下であることを特徴とする機能素子。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の機能素子であって、
前記機能膜が有機材料を含むことを特徴とする機能素子。
【請求項7】
請求項6記載の機能素子であって、
前記機能膜が少なくともホール輸送性有機材料及び電子輸送性有機材料を含み、前記機能膜が、前記基板側から前記第一電極、前記ホール輸送性有機材料、前記電子輸送性有機材料、前記第二電極の順で積層されたことを特徴とする機能素子
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の機能素子であって、
前記コンタクトホールから延設される配線の最小辺の長さが1mm以下であることを特徴とする機能素子。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の機能素子であって、
前記第二電極がITO、IZO、SnO2、ATO、ZnO、TiO2、FTOの少なくとも一つの材料を含むことを特徴とする機能素子。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の機能素子であって、
前記配線が、Al、Pt、W、Au、Ag、Ta、Cu、Cr、Mo、Ti、Ni、Pd、Znの少なくとも一つの材料を含むことを特徴とする機能素子。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のいずれか1項記載の機能素子であって、
前記機能素子が光電変換膜積層型固体撮像素子であることを特徴とする機能素子。
【請求項12】
請求項1〜請求項10のいずれか1項記載の機能素子であって、
前記機能素子が有機発光素子であることを特徴とする機能素子。
【請求項13】
請求項11又は請求項12記載の機能素子であって、
前記機能膜の一片が一画素となる画素配列を有し、前記配線の延設される前記コンタクトホールが、前記各画素に形成されていることを特徴とする機能素子。
【請求項14】
請求項11〜請求項13のいずれか1記載の機能素子であって、
前記コンタクトホールが前記各画素部に存在し、且つ、大きさが5μm以下であることを特徴とする機能素子。
【請求項15】
基板上に、第一電極膜と、該第一電極膜に対向する第二電極膜と、前記第一電極膜と前記第二電極膜の間に配置された有機半導体層からなる機能膜と、前記第一電極膜又は前記第二電極膜に電位を与える配線と、を有する機能素子の製造方法であって、
前記第二電極膜のパターニング工程が、
前記第二電極膜上を第一絶縁膜で被覆した状態で、フォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンをマスクとして第一絶縁膜をパターニングした後、
前記第一絶縁膜をマスクとして第二電極膜をパターニングする工程を含む機能素子の製造方法。
【請求項16】
請求項15記載の機能素子の製造方法であって、
前記第二電極膜のパターニング工程の後に、前記第二電極膜上および前記機能膜の側壁を覆うように第二絶縁膜を形成する工程と、
フォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンをマスクとして第二絶縁膜および第一絶縁膜を貫通するようにコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホール内に露呈する第二電極膜にコンタクトするように前記配線を形成する工程とを含む機能素子の製造方法。
【請求項17】
請求項15又は請求項16記載の機能素子の製造方法であって、
前記電極膜のパターニング工程が、前記基板を150℃以下に維持した状態でドライエッチングする工程を含む機能素子の製造方法。
【請求項18】
請求項17記載の機能素子の製造方法であって、
前記第二電極膜は、波長400nm〜700nmの透過率が60%以上である機能素子の製造方法。
【請求項19】
請求項17記載の機能素子の製造方法であって、
前記ドライエッチング工程に先立ち、還元性プラズマを用いた処理工程を含む機能素子の製造方法。
【請求項20】
請求項19記載の機能素子の製造方法であって、
前記ドライエッチング工程は、アルゴンプラズマを用いた処理工程を含む機能素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【公開番号】特開2006−49874(P2006−49874A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−197532(P2005−197532)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】