説明

段差位置登録装置、方法およびプログラム

【課題】段差位置の登録されやすさを人為的な要因に応じて調整する技術を提供する。
【解決手段】段差位置登録装置であって、車両の走行時に段差が検出された回数を示す検出回数を車両走行路の位置ごとに取得する回数取得手段と、前記位置を段差位置として登録するための基準となる前記検出回数を示す検出回数閾値を、前記位置が工事区間に属するか否かに応じて設定する閾値設定手段と、前記検出回数が前記検出回数閾値に達した未登録の前記位置を前記段差位置として登録する登録手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段差位置を登録する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、段差位置を登録する技術が提案されている(特許文献1、参照。)。特許文献1においては、登録された段差位置を車両が走行する場合にサスペンションの減衰力を小さくするため、段差を車両が走行する際に車両本体に伝わる衝撃を緩和することができる。また、特許文献1では、高速道路において段差が検出された場合よりも、一般道路において段差が検出された場合の方が段差位置の登録がされにくくされている。このようにすることにより、段差が検出されることの信憑性が高速道路よりも低い一般道路において、段差位置を誤登録することが防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−218959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、段差が検出されることの信憑性が一般道路か高速道路であるか、すなわち道路種別によって判定されるのみで、一般道路内と高速道路内とにおける段差位置の登録されやすさは、それぞれ一様となる。ところが、同じ道路であっても、段差が存在していることの信憑性が道路種別以外の要因で変化する場合がある。具体的には、人為的な要因で段差が存在していることの信憑性が高くなっているにも関わらず一様の段差位置の登録のされやすさで段差位置を登録していたのでは、登録の迅速性の点で好ましくない場合がある。すなわち、引用文献1では、人為的な要因に適応した段差位置の登録が実現できないという問題があった。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、段差位置の登録されやすさを人為的な要因に応じて調整することが可能な技術を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明の段差位置登録装置において、回数取得手段は、車両の走行時に段差が検出された回数を示す検出回数を車両走行路の位置ごとに取得する。閾値設定手段は、車両走行路の位置を段差位置として登録するための基準となる検出回数を示す検出回数閾値を、車両走行路の位置が工事区間に属するか否かに応じて設定する。登録手段は、検出回数が検出回数閾値に達した未登録の位置を段差位置として登録する。このように、段差が検出された検出回数が検出回数閾値に達した未登録の位置について登録を行うことにより、段差が存在していることの信憑性の高い車両走行路の位置を段差位置として登録することができる。従って、検出回数閾値は、段差が存在していることの信憑性が高いと判断できる基準の回数を示す。かかる構成において、工事区間に属するか否かに応じて検出回数閾値を設定すれば、工事区間に属する段差位置の登録されやすさを調整することができる。すなわち、工事区間に属する位置を工事区間に属さない位置と比較して登録されやすくすることができ、工事に応じた登録の迅速性を実現することができる。
【0006】
回数取得手段の具体的構成の例として、自車両に段差を検出するためのセンサを備えさせ、当該センサにより自車両の走行時において逐次現在位置における段差を検出し、当該検出の回数を計数する構成が挙げられる。これにより、自車が走行した実績のある車両走行路の位置について段差位置を登録していくことができる。また、他車両の走行時において段差が検出された回数を示す検出回数を通信等によって取得してもよい。これにより、自車が走行した実績のある車両走行路の位置に限らず、広く段差位置を登録していくことができる。この場合、他車両から検出回数を直接取得してもよいし、複数の車両における検出回数を一括して管理するサーバから検出回数を取得してもよい。なお、走行時において段差が検出可能な車両であればよく、車両の種類は特に限定されない。
【0007】
閾値設定手段は、車両走行路の位置が工事区間に属するか否かに応じて検出回数閾値を設定すればよく、例えば車両が走行する現在位置が工事区間に属するか否かを逐次判定し、当該現在位置についての検出回数閾値を逐次設定するようにしてもよい。また、閾値設定手段は、車両走行路の多数の位置が記憶されたデータベースを参照し、各位置について一括して検出回数閾値を設定してもよい。
【0008】
登録手段は、検出回数が検出回数閾値に達した位置を段差位置として登録すればよく、例えば車両が走行する現在位置についての検出回数を逐次取得し、当該現在位置についての登録可否を逐次判定するようにしてもよい。また、登録手段は、車両走行路の多数の位置についての検出回数が記憶されたデータベースを参照し、各位置について一括して登録可否を判定してもよい。
【0009】
段差位置として登録された位置であっても、当該位置にて段差がなくなる場合もある。従って、段差位置として登録された位置について段差が検出されなかった回数を示す非検出回数が登録を解除する基準となる非検出回数を示す非検出回数閾値に達した場合には、登録手段は当該段差位置の登録を解除するのが望ましい。段差が検出されなかった非検出回数が非検出回数閾値に達した段差位置の登録を解除することより、段差がなくなったことの信憑性の高い車両走行路の位置を段差位置の登録を解除することができる。非検出回数閾値は、段差が存在していないことの信憑性が高いと判断できる基準の回数を示す。この場合も、登録を解除するために必要な非検出回数閾値を閾値設定手段が設定するにあたり、段差位置が工事区間に属するか否かに応じて非検出回数閾値を設定するのが望ましい。これにより、工事区間に属する段差位置を工事区間に属さない段差位置と比較して解除されやすくすることができ、工事に応じた登録の解除の迅速性を実現することができる。
【0010】
さらに、工事区間に属する段差位置における段差が工事に起因して存在している可能性が高く工事が完了した場合には、当該段差位置における段差がなくなったと考えることができる。従って、登録手段は、工事区間における工事が完了した場合に、当該工事区間に属する段差位置についての登録を解除するようにしてもよい。
【0011】
さらに、段差位置登録装置は、段差位置として登録された位置を走行する場合に、車輪から車両本体に伝わる衝撃を緩和する緩衝機構の減衰力を小さくさせる緩衝機構制御手段を備えてもよい。この緩衝機構制御手段によれば、登録された段差位置を走行する場合に、車両走行路の他の位置を走行する場合よりも、衝撃を緩和することができる。なお、段差位置を走行する場合に、車両走行路の他の位置を走行する場合と異なる処理を行う手段は、緩衝機構制御手段に限られない。例えば、段差位置を走行する場合に、車両走行路の他の位置を走行する場合と異なる案内を行う案内手段を備えさせてもよい。すなわち、案内手段が段差位置を走行する場合に、段差に対する注意を喚起する案内を行うようにしてもよい。
【0012】
また、閾値設定手段は、工事区間に属さない位置よりも、工事区間に属する位置についての検出回数閾値を小さく設定した場合、登録手段は、工事区間に属する位置を工事区間に属さない位置よりも迅速に段差位置として登録することができる。上述したように、検出回数閾値は、段差が存在していることの信憑性が高いと判断できる検出回数を示すが、工事においては車両走行路に段差を生じさせるような作業が多く行われるため、工事区間に属する位置において段差が検出された場合に、真に当該位置に段差が存在していることの信憑性は高いと言える。従って、工事区間に属する位置についての検出回数閾値を小さく設定しても、工事区間に属する位置を誤登録することなく迅速に登録することができる。
【0013】
同様に、閾値設定手段は、工事区間に属さない段差位置よりも、工事区間に属する段差位置についての非検出回数閾値を小さく設定した場合、登録手段は、工事区間に属する段差位置を工事区間に属さない段差位置よりも迅速に登録解除することができる。上述したように、非検出回数閾値は、段差が存在していないことの信憑性が高いと判断できる非検出回数を示すが、工事によって車両走行路の段差をなくす作業が多く行われるため、工事区間に属する段差位置において段差が検出されなかった場合に、真に当該段差位置の段差がなくなったことの信憑性は高いと言える。従って、工事区間に属する段差位置についての非検出回数閾値を小さく設定しても、誤解除することなく工事区間に属する段差位置の登録を迅速に解除することができる。
【0014】
閾値設定手段は、通信等によってサーバ等から工事情報を取得し、当該工事情報に基づいて、車両走行路の位置が工事区間に属するか否かを判定するようにしてもよい。この工事情報は、工事の具体的な内容が特定可能なものであってもよいし、工事の具体的な内容が特定不能なものであってもよい。工事の具体的な内容が特定可能な工事情報によれば、工事の具体的な内容に基づいて閾値設定手段が検出回数閾値や非検出回数閾値を設定することができる。例えば、車両走行路を改修したり拡張したりする工事であることが特定される工事情報であってもよい。車両走行路を改修したり拡張したりする工事が行われていることが特定できれば、当該工事を行っていた工事区間に属する段差位置において段差が検出されなかったことの信憑性は、工事の内容が不特定の工事区間において段差が検出されなかったことの信憑性よりも高いと言える。
【0015】
さらに、本発明のように段差位置を登録する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のような装置、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような装置を備えたナビゲーション装置や方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ナビゲーション装置のブロック図である。
【図2】段差登録処理のフローチャートである。
【図3】逐次解除処理のフローチャートである。
【図4】一括解除処理のフローチャートである。
【図5】緩衝機構制御処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ナビゲーション装置の構成:
(2)段差登録処理:
(3)段差登録解除処理:
(3−1)逐次解除処理:
(3−2)一括解除処理:
(4)緩衝機構制御処理:
(5)他の実施形態:
【0018】
(1)ナビゲーション装置の構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかる段差位置登録装置を含むナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部11と記録媒体12とを備えており、制御部11は、記録媒体12やROMに記憶されたプログラムを実行する。このプログラムの一つとしてナビゲーションプログラム100を実行する。記録媒体12には、地図情報12aと段差学習DB(データベース)12bとが記憶されている。
【0019】
地図情報12aには、車両が走行する車両走行路上に設定されたノードを示すノードデータと、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点データと、ノード同士の連結を示すリンクデータ等が含まれる。段差学習DB12bにおいては、車両走行路上において複数存在する候補位置と段差位置とが記憶されている。段差位置は段差が存在する信憑性が一定の基準を満足すると認められた位置である。一方、候補位置は少なくとも1回段差が検出された位置であり段差が存在する信憑性が段差位置よりも低い位置である。また、段差位置には、通常段差位置と工事段差位置とが含まれる。通常段差位置とは登録時において工事区間に属さなかった段差位置であり、工事段差位置とは登録時において工事区間に属していた段差位置である。なお、本明細書において単に段差位置と表記した場合には、通常段差位置と工事段差位置を含むこととする。段差学習DB12bにおいて、各候補位置には各候補位置において段差が検出された回数を示す検出回数が対応付けられて記憶され、各段差位置には各段差位置において段差が検出されなかった回数を示す非検出回数が対応付けられて記憶されている。
【0020】
本実施形態においては、ナビゲーションプログラム100による機能を実現するため、車両には、GPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43とECU44とサスペンションユニット45と情報受信部46とユーザI/F部47とが備えられている。GPS受信部41は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在位置を算出するための信号を制御部11に出力する。車速センサ42は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を制御部11に出力する。ジャイロセンサ43は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を制御部11に出力する。制御部11は、GPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43等の出力信号に基づいて車両の現在位置を特定する。
【0021】
ECU44は、緩衝機構としてのサスペンションユニット45の減衰力を制御するためのコンピュータである。サスペンションユニット45は、コイルスプリング(不図示)とダンパ(不図示)とアクチュエータ45aと加速度センサ45bとを備える。コイルスプリングは、車輪と車両本体との間に介在し、コイルスプリングが縮むことにより、車輪から車両本体に伝達する衝撃を緩和する。ダンパは、コイルスプリングの一端と接続するシリンダ(不図示)と、コイルスプリングのもう一端と接続するピストンロッド(不図示)とを備える。シリンダにはオイルが保持され、当該オイルの抵抗によってピストンロッドの軸方向の往復運動に対する減衰力が生じる。ピストンロッドの往復運動に伴ってシリンダ内のオイルが流動する流動域にオリフィス(不図示)が設けられている。アクチュエータ45aが駆動することにより、オリフィスの開口径が、第1の大きさと、第1の大きさよりも大きい第2の大きさとに変化する。オリフィスの開口径が第2の大きさとなる場合に、オリフィスの開口径が第1の大きさとなる場合よりも、オイルの抵抗が小さくなり、ピストンロッドの往復運動に対する減衰力が小さくなる。ECU44は、アクチュエータ45aに対して、オリフィスの開口径を第1の大きさとする信号と、オリフィスの開口径を第2の大きさとする信号と出力することにより、サスペンションユニット45の減衰力を制御する。
【0022】
加速度センサ45bは、サスペンションユニット45の車両本体側部分に備えられており、ピストンロッドの往復運動方向における車両本体の上下方向の加速度を示す信号をECU44に出力する。ナビゲーション装置10の制御部11は、ECU44と通信し、加速度センサ45bが出力した信号に基づく加速度を取得する。
【0023】
情報受信部46は、工事情報を搬送する電波や赤外線を受信し、当該受信した電波や赤外線を復調することにより、工事情報を取得する。工事情報は工事情報管理サーバにおいて生成され、例えばFM放送局や携帯電話基地局や車両走行路に設定された送信装置等から送信される。工事情報管理サーバは複数であってもよいし、複数の搬送媒体に対応できるように情報受信部46が車両に複数備えられてもよい。
【0024】
工事情報には、車両走行路において何らかの工事を行っている工事区間を特定する情報が含まれる。すなわち、工事区間においては段差を新たに生じさせるような工事が行われている場合もあるし、段差をなくすような工事が行われている場合もある。従って、工事区間においては車両走行路上の段差が真になくなっている可能性が高く、当該工事区間に属する段差位置について段差が検出されなかったことの信憑性は高いと言える。また、工事区間においては車両走行路上の段差が真に存在している可能性も高く、当該工事区間に属する候補位置について段差が検出されたことの信憑性は高いと言える。
【0025】
ユーザI/F部47は、利用者に各種の情報を提供し、または利用者の指示を入力するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネルディスプレイやスピーカーなどを備えている。
【0026】
次にナビゲーションプログラム100のソフトウェア構成について説明する。ナビゲーションプログラム100は、ナビゲーション部110と回数取得部120と登録部130と閾値設定部140と緩衝機構制御部150とを有する。ナビゲーション部110は、GPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43等の出力信号および地図情報12aに基づいて車両の現在位置を特定する機能を制御部11に実行させるためのプログラムモジュールである。また、ナビゲーション部110の機能により制御部11は、現在位置や地図情報12a等に基づいて経路探索を実行し、ユーザI/F部47に経路案内を出力させる。
【0027】
回数取得部120は、車両の走行時に段差が検出された回数を示す検出回数を車両走行路の候補位置ごとに取得する機能と、車両が段差位置を走行時に段差が検出されなかったことを示す非検出回数を段差位置ごとに取得する機能とを制御部11に実行させるためのプログラムモジュールである。本実施形態では、回数取得部120の機能により制御部11は、車両が現在区間を走行する期間において加速度センサ45bが検出した加速度の最大値が所定の閾値よりも大きい場合に、当該現在区間において段差が検出されたとする。一方、車両が現在区間を走行する期間において加速度センサ45bが検出した加速度の最大値が前記閾値以下の場合に、当該現在区間において段差が検出されなかったとする。なお、現在区間とは、車両が現在位置に至る直前の期間において走行した区間であり、本実施形態では現在区間の長さを10mとする。すなわち、本実施形態では、車両走行路を車両が10m走行するごとに現在位置を終点として含む現在区間が形成され、現在区間ごとに段差が検出されたか否かが判定される。
【0028】
回数取得部120の機能により制御部11は、現在区間において段差が検出された場合に、段差学習DB12bに記憶されている候補位置のうち現在区間に含まれる候補位置についての検出回数に1[回]を加算して段差学習DB12bを更新する。検出回数は、段差が検出された回数を候補位置ごとに示す。なお、現在区間に含まれる候補位置が段差学習DB12bに記憶されていない場合には、現在位置を新たに候補位置として段差学習DB12bに記憶した上で、当該候補位置についての検出回数をT1とする。回数取得部120の機能により制御部11は、現在区間において段差が検出されなかった場合に、段差学習DB12bにおいて現在区間に属する段差位置に対応付けられた非検出回数に1[回]を加算して段差学習DB12bを更新する。非検出回数は、段差が検出されなかった回数を段差位置ごとに示す。
【0029】
登録部130は、検出回数が検出回数閾値に達した未登録の候補位置を段差位置として登録する機能を制御部11に実行させるためのプログラムモジュールである。すなわち、登録部130の機能により制御部11は、段差が検出された現在区間に含まれる候補位置についての検出回数閾値を取得する。検出回数閾値は、後述する閾値設定部140の機能によって、候補位置について設定されるものである。段差が検出された現在区間に含まれる候補位置についての検出回数閾値が取得できると、登録部130の機能により制御部11は、当該候補位置についての検出回数が検出回数閾値に達しているか否かを判定し、検出回数が検出回数閾値に達している場合には、段差学習DB12bにおいて当該候補位置を段差位置として登録する。すなわち、候補位置についての検出回数が検出回数閾値に達している場合には、候補位置において段差が存在することの信憑性が一定の基準に達しているとして、当該候補位置を段差位置として登録する。
【0030】
また、登録部130は、非検出回数が非検出回数閾値に達した段差位置についての登録を解除する機能を制御部11に実行させるためのプログラムモジュールである。すなわち、登録部130の機能により制御部11は、段差が検出されなかった現在区間に属する段差位置についての非検出回数閾値を取得する。この非検出回数閾値は、後述する閾値設定部140の機能によって段差位置について設定されるものである。段差が検出されなかった現在区間に属する段差位置についての非検出回数閾値が取得できると、登録部130の機能により制御部11は、現在区間に属する段差位置についての非検出回数が非検出回数閾値に達しているか否かを判定し、非検出回数が非検出回数閾値に達している場合には、段差学習DB12bから段差位置を削除する。すなわち、現在区間に属する段差位置についての非検出回数が非検出回数閾値に達している場合には、段差位置において段差がなくなったことの信憑性が一定の基準に達しているとし、当該段差位置の登録を解除する。
【0031】
閾値設定部140は、候補位置を段差位置として登録するための基準となる検出回数閾値を設定するとともに、段差位置の登録を解除するための基準となる非検出回数閾値を設定する機能を制御部11に実行させるためのプログラムモジュールである。すなわち、閾値設定部140の機能により制御部11は、情報受信部46から工事情報を取得し、候補位置が工事区間に属するか否かを判定する。候補位置が工事区間に属すると判定した場合には、閾値設定部140の機能により制御部11は、検出回数閾値をT1に設定する。候補位置が工事区間に属さないと判定した場合には、閾値設定部140の機能により制御部11は、検出回数閾値をT2に設定する。検出回数閾値のT1はT2よりも小さく、本実施形態ではT1=1[回],T2=5[回]とする。
【0032】
候補位置が工事区間に属する場合、当該工事区間における工事によって段差が発生している可能性が高い。そのため、段差が検出された候補位置が工事区間に属する場合には、段差が検出されなかったことの信憑性が高く、段差が検出された検出回数が少なくても段差位置であると認めるだけの信憑性の基準を満足すると判断できる。従って、候補位置が工事区間に属する場合に検出回数閾値を小さく設定することにより、誤登録をすることなく迅速な段差位置の登録を実現することができる。
【0033】
なお、本実施形態では、工事区間に属する候補位置についての検出回数閾値をT1=1[回]と設定するため、これまでの候補位置についての検出回数がどのような値であろうとも、段差が検出された候補位置は即座に登録されることとなる。一方、工事区間に属さない候補位置については検出回数閾値をT2に設定するため、候補位置についての検出回数が5回となるまでは候補位置が段差位置として登録されないこととなる。
【0034】
さらに、閾値設定部140の機能により制御部11は、情報受信部46から工事情報を取得し、段差が検出されなかった現在区間に属する段差位置が工事区間に属するか否かを判定する。段差位置が工事区間に属すると判定した場合には、閾値設定部140の機能により制御部11は、非検出回数閾値をT3に設定する。段差位置が工事区間に属さないと判定した場合には、閾値設定部140の機能により制御部11は、非検出回数閾値をT4に設定する。本実施形態では、非検出回数閾値のT3はT4よりも小さく、本実施形態ではT3=1[回],T4=5[回]とする。
【0035】
段差位置が工事区間に属する場合、当該工事区間における工事によって段差がなくなっている可能性が高い。そのため、段差が検出されなかった段差位置が工事区間に属する場合には、段差が検出されなかったことの信憑性が高く、非検出回数が少なくても段差位置でなくなったと認めるだけの信憑性の基準を満足すると判断できる。従って、段差位置が工事区間に属する場合に非検出回数閾値を小さく設定することにより、誤解除をすることなく迅速に段差位置の登録を解除することができる。なお、本実施形態では、工事区間に属する段差位置についての非検出回数閾値をT3=1[回]と設定するため、即座に段差位置の登録を解除することができる。一方、工事区間に属さない段差位置については非検出回数閾値がT4に設定されるため、段差位置において非検出回数が5回となるまでは段差位置の登録が解除されないこととなる。
【0036】
緩衝機構制御部150は、段差位置を車両が走行する場合に、段差位置以外を車両が走行する場合よりも、車輪から車両本体に伝わる衝撃を緩和する緩衝機構の減衰力を小さくさせる機能を制御部11に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、緩衝機構制御部150の機能により制御部11は、現在位置を取得し、現在位置が段差学習DB12bに登録された段差位置から所定距離以内であるか否かを判定する。所定距離は、位置検出の誤差やサスペンションユニット45における減衰力の切替に要する時間等に基づいて設定され、本実施形態では車両走行方向において段差位置の前後それぞれ100mとする。現在位置が段差位置から所定距離以内である場合には、緩衝機構制御部150の機能により制御部11は、ECU44と通信し、サスペンションユニット45のシリンダにおけるオリフィスの開口径を第2の大きさとする信号をアクチュエータ45aに出力させる。すなわち、緩衝機構制御部150の機能により制御部11は、車両が段差位置から所定距離以内の位置を走行する場合には、車両が段差位置から所定距離以上離れた位置を走行する場合よりも、サスペンションユニット45の減衰量を小さくする。
【0037】
一方、現在位置が段差位置から所定距離以内でない場合には、緩衝機構制御部150の機能により制御部11は、ECU44と通信し、サスペンションユニット45のシリンダにおけるオリフィスの開口径を第1の大きさとする信号をアクチュエータ45aに出力させる。すなわち、緩衝機構制御部150の機能により制御部11は、車両が段差位置から所定距離以上離れた位置を走行する場合には、車両が段差位置から所定距離以内の位置を走行する場合よりも、サスペンションユニット45の減衰量を大きくする。このようにすることにより、段差位置から所定距離以内の位置においては車輪から車両本体に伝わる衝撃を大きく緩和し、段差位置から所定距離以上の離れた位置においてはサスペンションユニット45におけるエネルギー損失を抑えた走行を行わせることができる。
【0038】
(2)段差登録処理:
次にナビゲーション装置10が実行する段差登録処理の流れを説明する。図2は、段差登録処理のフローチャートである。本実施形態において、段差登録処理は車両が10mの現在区間を走行するごとに繰り返して実行される。ステップS100において、ナビゲーション部110の機能により制御部11は、現在位置を取得する。ステップS105において、回数取得部120の機能により制御部11は、前回の段差登録処理の実行から現在に至る期間、すなわち直前の10mの現在区間を車両が走行する期間において段差が検出されたか否かを判定する。具体的には、回数取得部120の機能により制御部11は、現在区間を走行する期間において加速度センサ45bが検出した加速度の最大値が閾値よりも大きい場合、現在区間において段差が検出されたものとする。
【0039】
現在区間において段差が検出されなかった場合、制御部11は、段差登録処理を終了させ、次に段差登録処理を実行するまで待機する。一方、現在区間において段差が検出された場合、ステップS110において、回数取得部120の機能により制御部11は、現在区間に段差学習DB12bに記憶されたいずれかの段差位置が属するか否かを判定する。
【0040】
現在区間に段差位置が属すると判定した場合、回数取得部120の機能により制御部11は、段差登録処理を終了させ、次に段差登録処理を実行するまで待機する。一方、現在区間に段差位置が属さないと判定した場合、ステップS115において、登録部130の機能により制御部11は、現在区間に段差学習DB12bに記憶されたいずれかの候補位置が属するか否かを判定する。
【0041】
ステップS115において、現在区間に候補位置が属さないと判定した場合には、ステップS120において、登録部130の機能により制御部11は、現在位置を段差学習DB12bに新たな候補位置として追記するとともに、当該追記した候補位置の検出回数が1である旨を段差学習DB12bに記憶する。一方、ステップS115において、現在区間に候補位置が属すると判定した場合には、ステップS125において、回数取得部120の機能により制御部11は、段差学習DB12bにおいて現在区間に属する候補位置に対応付けて記憶されている検出回数に1[回]を加算して段差学習DB12bを更新する。すなわち、検出回数は、候補位置を車両が走行する際に段差が検出された回数を示す。
【0042】
ステップS130において、閾値設定部140の機能により制御部11は、情報受信部46から工事情報を取得し、候補位置が工事区間に属するか否かを判定する。
候補位置が工事区間に属する場合には、ステップS135において、閾値設定部140の機能により制御部11は検出回数閾値をT1(<T2)と設定するとともに、登録部130の機能により制御部11は段差学習DB12bを参照して候補位置についての検出回数を取得し、当該取得した検出回数が検出回数閾値であるT1に達しているか否かを判定する。そして、検出回数が検出回数閾値であるT1に達していれば、ステップS140において、登録部130の機能により制御部11は、候補位置を段差学習DB12bにおいて工事段差位置として登録する。
【0043】
一方、候補位置についての検出回数がT1に達していない場合には、候補位置を段差学習DB12bにおいて段差位置として登録することなく、段差登録処理を終了させ、次に段差登録処理を実行するまで待機する。ただし、本実施形態では、検出回数閾値がT1=1[回]に設定され検出回数がT1に達しない場合はないため、候補位置が工事区間に属する場合には、必ず即座に候補位置が工事段差位置として登録されることとなる。
【0044】
一方、ステップS130において、候補位置が工事区間に属さないと判定した場合には、ステップS145において、閾値設定部140の機能により制御部11は検出回数閾値をT2(>T1)と設定するとともに、登録部130の機能により制御部11は段差学習DB12bを参照して候補位置についての検出回数を取得し、当該取得した検出回数が検出回数閾値であるT2に達しているか否かを判定する。そして、検出回数が検出回数閾値であるT2に達していれば、ステップS150において、登録部130の機能により制御部11は、候補位置を段差学習DB12bにおいて通常段差位置として登録する。一方、候補位置についての検出回数がT2に達していない場合には、候補位置を段差学習DB12bにおいて段差位置として登録することなく、段差登録処理を終了させ、次に段差登録処理を実行するまで待機する。
【0045】
(3)段差登録解除処理:
次にナビゲーション装置10が実行する段差登録解除処理の流れを説明する。段差登録解除処理には、車両走行時において逐次実行する逐次解除処理と、所定の時間周期で実行する一括解除処理とがある。
【0046】
(3−1)逐次解除処理:
図3は、逐次解除処理のフローチャートである。本実施形態において、逐次解除処理も車両が10mの現在区間を走行するごとに繰り返して実行される。ステップS200において、ナビゲーション部110の機能により制御部11は、現在位置を取得する。ステップS205において、回数取得部120の機能により制御部11は、現在区間を車両が走行する期間において段差が検出されなかったか否かを判定する。具体的には、回数取得部120の機能により制御部11は、現在区間を走行する期間において加速度センサ45bが検出した加速度の最大値が閾値以下である場合、現在区間において段差が検出されなかったものとする。
【0047】
現在区間において段差が検出された場合、制御部11は、逐次解除処理を終了させ、次に逐次解除処理を実行するまで待機する。一方、現在区間において段差が検出されなかった場合、ステップS210において、回数取得部120の機能により制御部11は、現在区間に段差学習DB12bに記憶されたいずれかの段差位置が属するか否かを判定する。
【0048】
現在区間に段差位置が属さないと判定した場合、回数取得部120の機能により制御部11は、逐次解除処理を終了させ、次に逐次解除処理を実行するまで待機する。一方、現在区間に段差位置が属すると判定した場合、ステップS215において、回数取得部120の機能により制御部11は、段差学習DB12bにおいて現在区間に属する段差位置(段差位置)に対応付けて記憶されている非検出回数に1[回]を加算して段差学習DB12bを更新する。すなわち、非検出回数は、段差位置を車両が走行する際に段差が検出されなかった回数を示す。
【0049】
ステップS220において、閾値設定部140の機能により制御部11は、情報受信部46から工事情報を取得し、段差位置が工事区間に属するか否かを判定する。また、段差位置が工事区間に属さなかった場合、ステップS225において、閾値設定部140の機能により制御部11は、段差位置が工事段差位置であるか否かを判定する。すなわち、現在において段差位置が工事区間に属さないが、登録時には段差位置が工事区間に属していたという状況になっているか否かを判定する。
【0050】
ステップS220において、段差位置が工事区間に属すると判定され、または、ステップS225において、段差位置が工事段差位置であると判定された場合、すなわち、現在において段差位置が工事区間に属する場合、または、現在において段差位置が工事区間に属さないが登録時には工事区間に属していた工事段差位置である場合には、ステップS230において、閾値設定部140の機能により制御部11は非検出回数閾値をT3(<T4)と設定するとともに、登録部130の機能により制御部11は段差学習DB12bを参照して段差位置についての非検出回数を取得し、当該取得した非検出回数が非検出回数閾値であるT3に達しているか否かを判定する。そして、非検出回数が非検出回数閾値であるT1に達していれば、ステップS235において、登録部130の機能により制御部11は、段差位置を段差学習DB12bから削除する。
【0051】
一方、段差位置についての非検出回数がT3に達していない場合には、候補位置を段差学習DB12bから削除することなく、逐次解除処理を終了させ、次に逐次解除処理を実行するまで待機する。ただし、本実施形態では、検出回数閾値がT3=1[回]に設定され非検出回数がT1に達しない場合はないため、段差位置が工事区間に属する場合、および、段差位置が工事区間に属さないが工事段差位置である場合には、必ず段差位置が段差学習DB12bから削除される。すなわち、現在において段差位置が工事区間に属さないが工事段差位置である場合には、現在において段差位置が工事区間に属する場合と同様に、非検出回数閾値をT3とし、迅速に段差位置としての登録が解除されるようにしている。なお、段差位置を段差学習DB12bから削除することは、段差位置の登録を解除することを意味する。
【0052】
一方、段差位置が工事区間に属する場合、段差位置が工事区間に属さないが工事段差位置である場合、のいずれでもない場合には、ステップS240において、閾値設定部140の機能により制御部11は非検出回数閾値をT4(>T3)と設定するとともに、登録部130の機能により制御部11は段差学習DB12bを参照して段差位置についての非検出回数を取得し、当該取得した非検出回数が非検出回数閾値であるT4に達しているか否かを判定する。そして、非検出回数が非検出回数閾値であるT4に達していれば、ステップS245において、登録部130の機能により制御部11は、段差位置を段差学習DB12bから削除する。一方、段差位置についての非検出回数がT4に達していない場合には、候補位置を段差学習DB12bから削除することなく、逐次解除処理を終了させ、次に逐次解除処理を実行するまで待機する。
【0053】
(3−2)一括解除処理:
図4は、一括解除処理のフローチャートである。本実施形態の一括解除処理は、所定の時刻において毎日実行される処理である。ステップS300において、登録部130の機能により制御部11は、段差学習DB12bにおいて工事段差位置を検索する。すなわち、工事区間を走行する際に登録された工事段差位置を検索する。ステップS310において、登録部130の機能により制御部11は、現在における工事情報を取得し、当該工事区間に属さない工事段差位置を検索する。そして、ステップS320において、登録部130の機能により制御部11は、現在の工事が行われている工事区間に属さない工事段差位置を段差学習DB12bから削除する。すなわち、工事段差位置の工事が完了し、当該工事段差位置における段差がなくなったことの信憑性が高いとして、当該工事段差位置の登録を解除する。一括解除処理によれば、車両が工事段差位置を走行することなく、当該工事段差位置の登録を解除することができる。
【0054】
(4)緩衝機構制御処理:
次にナビゲーション装置10が実行する緩衝機構制御処理の流れを説明する。図4は、段差登録処理のフローチャートである。緩衝機構制御処理は車両が所定距離(例えば10m)走行するごとに繰り返して実行される。ステップS400において、ナビゲーション部110の機能により制御部11は、現在位置を取得する。ステップS410において、現在位置が段差学習DB12bに記憶された段差位置の近傍であるか否かを判定する。すなわち、制御部11は車両走行方向において段差位置の前後100m以内の範囲に現在位置があるか否かを判定する。現在位置が段差位置の近傍である場合には、ステップS420において、緩衝機構制御部150の機能により制御部11は、ECU44と通信し、サスペンションユニット45の減衰力を小さくさせる。一方、現在位置が段差学習DB12bに記憶された段差位置の近傍でない場合には、ステップS430において、緩衝機構制御部150の機能により制御部11は、ECU44と通信し、サスペンションユニット45の減衰力を大きくさせる。
【0055】
(5)他の実施形態:
前記実施形態では自車両において段差を検出した検出回数に基づいて段差位置の登録を行うようにしたが、他車両の走行時において段差を検出することにより得られた検出回数を通信等によって取得してもよい。この場合、他車両から検出回数を直接取得してもよいし、複数の車両における検出回数を一括して管理するサーバから検出回数を取得してもよい。さらに、前記実施形態では自車両が走行する現在位置を対象として、逐次、段差登録処理や段差登録解除処理を実行するようにしたが、任意のタイミングで段差登録処理や段差登録解除処理を実行するようにしてもよい。すなわち、段差学習DB12bにおいては候補位置と段差位置とに対応付けて検出回数と非検出回数とが記憶されるため、段差学習DB12bに記憶された各候補位置や各段差位置について登録可否や登録解除可否を一括して判定することができる。この場合、各候補位置や各段差位置が工事区間に属するか否かが判定され、当該判定結果に応じた検出回数閾値と非検出回数閾値とが設定される。
【0056】
前記実施形態においては、何らかの工事を行っていることを示す工事情報を取得することとしたが、工事の内容や工事の段階を詳細に特定する工事情報を取得するようにしてもよい。例えば、車両走行路を整備するための改修工事や拡張工事が完了したことが特定可能な工事情報を取得するようにしてもよい。改修工事や拡張工事が完了した場合には、改修工事や拡張工事の工事区間に属する段差位置について段差がなくなっていることを示す非検出情報の信憑性は特に高いと言える。従って、現在位置が改修工事や拡張工事の工事区間に属する場合を、他の工事の工事区間に属する場合と区別して非検出回数閾値を設定してもよい。なお、前記実施形態では工事区間に属する位置についての検出回数閾値をステップS135において設定し、工事区間に属さない位置についての検出回数閾値もステップS145において設定することとしたが、他の設定手法を採用してもよい。例えば、車両走行路のすべての位置について検出回数閾値の基準値を予め設定しておいてもよい。すなわち、工事区間に属する位置についてのみ基準値よりも小さい検出回数閾値へと変更し、工事区間に属さない位置については基準値をそのまま検出回数閾値として使用するようにしてもよい。反対に、工事区間に属さない位置についてのみ基準値よりも大きい検出回数閾値へと変更し、工事区間に属する位置については基準値をそのまま検出回数閾値として使用するようにしてもよい。むろん、工事区間に属する位置について基準値よりも小さい検出回数閾値へと変更し、さらに工事区間に属する位置について基準値よりも大きい検出回数閾値へと変更するようにしてもよい。非検出回数閾値についても同様の手法を採用することができる。
【符号の説明】
【0057】
10…ナビゲーション装置、11…制御部、12…記録媒体、12a…地図情報、12b…段差学習DB、41…GPS受信部、42…車速センサ、43…ジャイロセンサ、44…ECU、45…サスペンションユニット、45a…コイルスプリング、45b…ダンパ、45b…加速度センサ、45a…アクチュエータ、46…情報受信部、47…ユーザI/F部、100…ナビゲーションプログラム、110…ナビゲーション部、120…回数取得部、130…登録部、140…閾値設定部、150…緩衝機構制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行時に段差が検出された回数を示す検出回数を車両走行路の位置ごとに取得する回数取得手段と、
前記位置を段差位置として登録するための基準となる前記検出回数を示す検出回数閾値を、前記位置が工事区間に属するか否かに応じて設定する閾値設定手段と、
前記検出回数が前記検出回数閾値に達した未登録の前記位置を前記段差位置として登録する登録手段と、
を備える段差位置登録装置。
【請求項2】
前記回数取得手段は、前記車両が前記段差位置を走行時に前記段差が検出されなかったことを示す非検出回数を前記段差位置ごとに取得し、
前記閾値設定手段は、前記段差位置の登録を解除するための基準となる前記非検出回数を示す非検出回数閾値を、前記段差位置が前記工事区間に属するか否かに応じて設定し、
前記登録手段は、前記非検出回数が前記非検出回数閾値に達した前記段差位置についての登録を解除する、
請求項1に記載の段差位置登録装置。
【請求項3】
前記登録手段は、前記工事区間における工事が完了した場合に、当該工事区間に属する前記段差位置についての登録を解除する、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の段差位置登録装置。
【請求項4】
前記段差位置を前記車両が走行する場合に、前記段差位置以外を前記車両が走行する場合よりも、車輪から車両本体に伝わる衝撃を緩和する緩衝機構の減衰力を小さくさせる緩衝機構制御手段を備える、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の段差位置登録装置。
【請求項5】
前記閾値設定手段は、前記工事区間に属さない前記位置および前記段差位置よりも、前記工事区間に属する前記位置および前記段差位置についての前記検出回数閾値および前記非検出回数閾値を小さく設定する、
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の段差位置登録装置。
【請求項6】
車両の走行時に段差が検出された回数を示す検出回数を車両走行路の位置ごとに取得する回数取得工程と、
前記位置を段差位置として登録するための基準となる前記検出回数を示す検出回数閾値を、前記位置が工事区間に属するか否かに応じて設定する閾値設定工程と、
前記検出回数が前記検出回数閾値に達した未登録の前記位置を前記段差位置として登録する登録工程と、
を含む段差位置登録方法。
【請求項7】
車両の走行時に段差が検出された回数を示す検出回数を車両走行路の位置ごとに取得する回数取得機能と、
前記位置を段差位置として登録するための基準となる前記検出回数を示す検出回数閾値を、前記位置が工事区間に属するか否かに応じて設定する閾値設定機能と、
前記検出回数が前記検出回数閾値に達した未登録の前記位置を前記段差位置として登録する登録機能と、
をコンピュータに実行させる段差位置登録プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−197712(P2011−197712A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60353(P2010−60353)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】