説明

水処理方法および水処理装置

【課題】飼育水の水質を向上させることができ、かつ、ランニングコストを低減できる水処理方法および水処理装置を提供する。
【解決手段】水処理装置100は、マイクロナノバブル処理槽7、重力式濾過槽27および飼育槽循環ポンプ19を備える。マイクロナノバブル処理槽7は、飼育槽11から魚2の飼育に使用された飼育水が導入され、飼育槽1からの飼育水にマイクロナノバブルを含有させる。重力式濾過槽27は、マイクロナノバブル処理槽7からマイクロナノバブルを含有する飼育水が導入され、マイクロナノバブルを含有する飼育水を処理する。飼育槽循環ポンプ19は飼育水を濾過装置で処理して得る被処理水を飼育槽1に戻す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば魚類や貝類等の生き物の飼育に使用された飼育水を処理する処理方法および水処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水族館などでは、一般的に、飼育槽の飼育水を水処理装置としての重力式濾過槽に送って浄化していた。
【0003】
従来の重力式濾過槽には飼育槽から汚れた飼育水が流入する。この飼育水には生き物から排出されたアンモニア性窒素を含んでおり、このアンモニア性窒素は濾過槽内の微生物によって酸化処理される。
【0004】
上記微生物は濾過槽において主として用いられる濾材の砂に繁殖させてる。亜硝酸生成菌や硝酸生成菌などの微生物を砂に繁殖させるためには、濾過槽の容積を大きくする必要があった。
【0005】
また、上記亜硝酸生成菌や硝酸生成菌を常に繁殖させるためには、飼育槽および濾過槽を経由するように、飼育水を1日24時間連続して循環させて、濾過槽に繁殖している亜硝酸生成菌や硝酸生成菌などの好気性の微生物に酸素を供給する必要があった。
【0006】
したがって、上記従来の重力式濾過槽では、飼育水を浄化するための電力使用量が多くなり、電気代がかかるという問題が生じていた。つまり、上記従来の重力式濾過槽はランニングコストが高いという問題があった。
【特許文献1】特開2002−027863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の課題は、飼育水の水質を向上させることができ、かつ、ランニングコストを低減できる水処理方法および水処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の水処理方法は、
生き物の飼育に使用された飼育水にマイクロナノバブルを含有させる工程と、
上記マイクロナノバブルを含有した飼育水を濾過装置に導入して処理する工程と、
上記飼育水を上記濾過装置で処理して得る被処理水を再び飼育水として使用する工程と
を備えたことを特徴としている。
【0009】
上記構成の水処理方法によれば、上記マイクロナノバブルを含有した飼育水を濾過装置に導入することによって、マイクロナノバブルが飼育水中に長く存在するから、濾過装置内の好気性としての溶存酸素濃度が高く維持されて、濾過装置内で微生物が活性化して繁殖する。又、マイクロナノバブルは微生物の細胞レベルまで影響して微生物を活性化すると言われている。
【0010】
したがって、上記飼育水が微生物で十分に酸化処理されるので、飼育水の水質を向上させることができる。
【0011】
また、上記濾過装置内の好気性としての溶存酸素濃度が高く維持されるので、濾過装置を24時間連続で稼働しなくてもよい。
【0012】
したがって、上記濾過装置を間欠的に稼働させて、ランニングコストを低減することができる。
【0013】
また、上記濾過装置において飼育水にマイクロナノバブルを含有させるよりも、濾過装置外において飼育水にマイクロナノバブルを含有させる方が、マイクロナノバブルの発生状態の確認が容易である。
【0014】
したがって、上記濾過装置外においてマイクロナノバブルの発生状態を確認して、微生物を有効的かつ効率的に活性化させることができる。
【0015】
一実施形態の水処理方法では、
上記濾過装置は、微生物が繁殖した濾過槽、または、微生物が繁殖していない濾過機である。
【0016】
上記実施形態の水処理方法によれば、上記濾過装置は微生物が繁殖した濾過槽である場合、マイクロナノバブルを含有した飼育水が濾過槽に導入されて、濾過槽に繁殖した微生物をさらに繁殖させることができると共に、その微生物を活性化させることができる。
【0017】
また、上記濾過装置は微生物が繁殖していない濾過機である場合、マイクロナノバブルを含有した飼育水が濾過機に導入されて、濾過機内の好気性が維持されて、活性化した微生物を濾過機で繁殖させることができる。
【0018】
一実施形態の水処理方法では、
上記濾過装置は重力式濾過槽または急速式濾過機である。
【0019】
上記実施形態の水処理方法によれば、上記濾過装置が重力式濾過槽である場合、重力式濾過槽に繁殖している微生物を活性化させてさらに繁殖させることができる。
【0020】
また、上記濾過装置が急速式濾過機である場合、マイクロナノバブルを含有した飼育水が急速式濾過機に導入されて、急速式濾過機内の好気性が維持されて、活性化した微生物が急速式濾過機で繁殖する。
【0021】
したがって、本来物理的な濾過機能のみ持つ急速式濾過機に微生物処理機能を追加することができる。
【0022】
一実施形態の水処理方法では、
上記濾過装置は、
濾過材としての砂と、
上記砂の支持材としての炭酸カルシウム鉱物と
を有する。
【0023】
上記実施形態の水処理方法によれば、上記濾過装置が砂を有するから、活性化した微生物を砂に繁殖させることができる。
【0024】
また、上記微生物の酸化処理によって被処理水のpHが低下しても、濾過装置が炭酸カルシウム鉱物を有するから、被処理水の酸の力で炭酸カルシウム鉱物が溶解し、被処理水のpHを調整することができる。すなわち、酸性化した被処理水を炭酸カルシウム鉱物で中和することができる。
【0025】
一実施形態の水処理方法では、
上記濾過装置は、
濾過材としてのリング状ポリ塩化ビニリデン充填材と、
上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材の支持材としての炭酸カルシウム鉱物と
を有する。
【0026】
上記実施形態の水処理方法によれば、上記濾過装置はリング状ポリ塩化ビニリデン充填材を有するから、リング状ポリ塩化ビニリデン充填材によって活性化した微生物を高濃度に維持できる。
【0027】
また、上記微生物の酸化処理によって被処理水のpHが低下しても、濾過装置が炭酸カルシウム鉱物を有するから、被処理水の酸の力で炭酸カルシウム鉱物が溶解し、被処理水のpHを調整することができる。すなわち、酸性化した被処理水を炭酸カルシウム鉱物で中和することができる。
【0028】
本発明の水処理装置は、
飼育槽から生き物の飼育に使用された飼育水が導入され、上記飼育槽からの飼育水にマイクロナノバブルを含有させるマイクロナノバブル処理槽と、
上記マイクロナノバブル処理槽から上記マイクロナノバブルを含有する飼育水が導入され、上記マイクロナノバブルを含有する上記飼育水を処理する濾過装置と、
上記飼育水を上記濾過装置で処理して得る被処理水を上記飼育槽に戻す飼育槽用ポンプと
を備えたことを特徴としている。
【0029】
上記構成の水処理装置によれば、上記マイクロナノバブル処理槽からのマイクロナノバブルを含有した飼育水を濾過装置に導入することによって、マイクロナノバブルが飼育水中に長く存在するから、濾過装置内の好気性が維持されて、濾過装置内で微生物が活性化して繁殖する。
【0030】
したがって、上記飼育水が微生物で十分に酸化処理されるので、飼育水の水質を向上させることができる。
【0031】
また、上記濾過装置内の好気性が維持されるので、濾過装置を24時間連続で稼働しなくてもよい。
【0032】
したがって、上記濾過装置を間欠的に稼働させて、ランニングコストを低減することができる。
【0033】
また、上記濾過装置において飼育水にマイクロナノバブルを含有させるよりも、マイクロナノバブル処理槽において飼育水にマイクロナノバブルを含有させる方が、マイクロナノバブルの発生状態の確認が容易である。
【0034】
したがって、上記マイクロナノバブル処理槽においてマイクロナノバブルの発生状態を確認して、微生物を有効的かつ効率的に活性化させることができる。
【0035】
一実施形態の水処理装置では、
上記濾過装置は重力式濾過槽または急速式濾過機である。
【0036】
上記実施形態の水処理装置によれば、上記濾過装置が重力式濾過槽である場合、重力式濾過槽に繁殖している微生物を活性化させてさらに繁殖させることができる。
【0037】
また、上記濾過装置が急速式濾過機である場合、マイクロナノバブルを含有した飼育水が急速式濾過機に導入されて、急速式濾過機内の好気性が維持されて、活性化した微生物が急速式濾過機で繁殖する。
【0038】
したがって、本来物理的な濾過機能のみ持つ急速式濾過機に微生物処理機能を追加することができる。
【0039】
一実施形態の水処理装置では、
上記濾過装置は、
濾過材としての筒状ポリ塩化ビニリデン充填材と、
上記筒状ポリ塩化ビニリデン充填材の支持材としての炭酸カルシウム鉱物と
を有する。
【0040】
上記実施形態の水処理装置によれば、上記濾過装置は筒状ポリ塩化ビニリデン充填材を有するから、筒状ポリ塩化ビニリデン充填材によって活性化した微生物を高濃度に維持できる。
【0041】
また、上記微生物の酸化処理によって被処理水のpHが低下しても、濾過装置が炭酸カルシウム鉱物を有するから、被処理水の酸の力で炭酸カルシウム鉱物が溶解し、被処理水のpHを調整することができる。すなわち、酸性化した被処理水を炭酸カルシウム鉱物で中和することができる。
【0042】
一実施形態の水処理装置では、
上記濾過装置は、
濾過材としての砂と、
上記砂上に配置され、濾過材としてのリング状ポリ塩化ビニリデン充填材と、
上記砂およびリング状ポリ塩化ビニリデン充填材の支持材としての炭酸カルシウム鉱物と
を有する。
【0043】
上記実施形態の水処理装置によれば、上記濾過装置が砂およびリング状ポリ塩化ビニリデン充填材を有するから、活性化した微生物を砂およびリング状ポリ塩化ビニリデン充填材に繁殖させることができる。
【0044】
また、上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材が砂上に配置されているから、砂が魚の糞などの有機物によって詰まることを防ぐための前処理をリング状ポリ塩化ビニリデン充填材で行うことができる。
【0045】
すなわち、上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材によって、砂の閉塞現象を激減させることができる。
【0046】
また、上記微生物の酸化処理によって被処理水のpHが低下しても、濾過装置が炭酸カルシウム鉱物を有するから、被処理水の酸の力で炭酸カルシウム鉱物が溶解し、被処理水のpHを調整することができる。すなわち、酸性化した被処理水を炭酸カルシウム鉱物で中和することができる。
【0047】
一実施形態の水処理装置では、
上記濾過装置は、
濾過材としてのリング状ポリ塩化ビニリデン充填材と、
濾過材としての炭と、
上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材および炭の支持材としての炭酸カルシウム鉱物と
を有する。
【0048】
上記実施形態の水処理装置によれば、上記濾過装置がリング状ポリ塩化ビニリデン充填材を有するから、活性化した微生物をリング状ポリ塩化ビニリデン充填材に繁殖させることができる。
【0049】
また、上記濾過装置が炭を有するから、この炭が微生物の固定化担体となり、微生物処理が安定化する効果がある。
【0050】
また、上記炭は着色成分に対する吸着能力があるから、被処理水中の着色成分を炭に吸着させ、炭に繁殖した微生物で分解することができる。
【0051】
また、上記微生物の酸化処理によって被処理水のpHが低下しても、濾過装置が炭酸カルシウム鉱物を有するから、被処理水の酸の力で炭酸カルシウム鉱物が溶解し、被処理水のpHを調整することができる。すなわち、酸性化した被処理水を炭酸カルシウム鉱物で中和することができる。
【0052】
一実施形態の水処理装置では、
上記濾過装置は、砂とこの砂上に配置された炭酸カルシウム鉱物とを有する急速式濾過機である。
【0053】
上記実施形態の水処理装置によれば、上記急速式濾過機にはマイクロナノバブルを含有した飼育水が導入されて、急速式濾過機内の好気性が維持されて、活性化した微生物が急速式濾過機で繁殖するから、本来物理的な濾過機能のみ持つ急速式濾過機に微生物処理機能を追加することができる。
【0054】
また、上記急速式濾過機が砂を有するから、活性化した微生物を砂に繁殖させることができる。
【0055】
また、上記微生物の酸化処理によって被処理水のpHが低下しても、急速式濾過機が炭酸カルシウム鉱物を有するから、被処理水の酸の力で炭酸カルシウム鉱物が溶解し、被処理水のpHを調整することができる。すなわち、酸性化した被処理水を炭酸カルシウム鉱物で中和することができる。
【0056】
また、上記被処理水のpHを調整する炭酸カルシウム鉱物が砂上に配置されているから、pH調整後の被処理水が砂に導入される。
【0057】
したがって、上記砂には活性化した微生物が繁殖しているから、pH調整後の被処理水に対して生物学的な処理と物理的な処理とを行うことができる。
【0058】
一実施形態の水処理装置では、
上記マイクロナノバブル処理槽内に設置され、マイクロナノバブルを発生するマイクロナノバブル発生機と、
上記マイクロナノバブル発生機に飼育水を送るマイクロナノバブル発生機用ポンプと、
上記飼育槽用ポンプおよびマイクロナノバブル発生機用ポンプを間欠運転するためのタイマと
を備える。
【0059】
上記実施形態の水処理装置によれば、上記タイマによって飼育槽用ポンプおよびマイクロナノバブル発生機用ポンプを間欠運転させることにより、省エネの効果が得られる。
【0060】
一実施形態の水処理装置では、
上記飼育水は、海水、汽水および淡水のうちのいずれか1つである。
【0061】
上記実施形態の水処理装置によれば、上記飼育水は、海水、汽水および淡水のうちのいずれか1つであるから、種々様々な生き物を飼育水で飼育することができる。
【0062】
一実施形態の水処理装置では、
上記マイクロナノバブル処理槽内に設置され、マイクロナノバブルを発生するマイクロナノバブル発生機と、
上記マイクロナノバブル発生機に供給すべきオゾンを発生するオゾン発生機と
を備える。
【0063】
上記実施形態の水処理装置によれば、上記マイクロナノバブル発生機にはオゾン発生機からオゾンが供給されるので、マイクロナノバブル発生機は強力な酸化力を持つオゾンマイクロナノバブルを発生することができる。
【0064】
したがって、上記オゾンマイクロナノバブルを飼育水に含有させることにより、飼育水中の有機物をオゾンが持つ強力な酸化作用で分解することができる。つまり、上記オゾンが持つ殺菌作用によって飼育水を殺菌することができる。
【0065】
一実施形態の水処理装置では、
上記炭は、木炭と活性炭とのうちの一方、または、木炭と活性炭との組み合わせである。
【0066】
上記実施形態の水処理装置によれば、上記木炭および活性炭は市販されていているから、容易に調達することができる。
【発明の効果】
【0067】
本発明の水処理方法によれば、マイクロナノバブルを含有した飼育水を濾過装置に導入することによって、マイクロナノバブルが飼育水中に長く存在するから、濾過装置内の好気性が維持されて、濾過装置内で微生物が活性化して繁殖する。
【0068】
したがって、上記飼育水が微生物で十分に酸化処理されるので、飼育水の水質を向上させることができる。
【0069】
また、上記濾過装置内の好気性が維持されるので、濾過装置を24時間連続で稼働しなくてもよい。
【0070】
したがって、上記濾過装置を間欠的に稼働させて、ランニングコストを低減することができる。
【0071】
本発明の水処理装置によれば、マイクロナノバブル処理槽からのマイクロナノバブルを含有した飼育水を濾過装置に導入することによって、マイクロナノバブルが飼育水中に長く存在するから、濾過装置内の好気性が維持されて、濾過装置内で微生物が活性化して繁殖する。
【0072】
したがって、上記飼育水が微生物で十分に酸化処理されるので、飼育水の水質を向上させることができる。
【0073】
また、上記濾過装置内の好気性が維持されるので、濾過装置を24時間連続で稼働しなくてもよい。
【0074】
したがって、上記濾過装置を間欠的に稼働させて、ランニングコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0075】
以下、本発明の水処理方法および水処理装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0076】
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態の水処理装置100を模式的に示す。
【0077】
上記水処理装置100は、水族館の飼育槽1内の飼育水を浄化するために、マイクロナノバブル処理槽7と、濾過装置の一例としての重力式濾過槽27と、飼育槽用ポンプの一例としての飼育槽循環ポンプ19とを備えている。
【0078】
上記飼育槽1内の飼育水は、通常、マイクロナノバブル処理槽7および重力式濾過槽27を経由して循環する。
【0079】
上記飼育槽1においては、生き物の一例としての海水魚や淡水魚等の魚2が飼育される。そして、海水、汽水および淡水のうちのいずれか1つの水が、流入配管5を流れて飼育槽1に流入して魚2の飼育水となる。
【0080】
上記流入配管5から飼育槽1へは、常時、水が流入するのではなく、飼育槽1内の飼育水が蒸発などにより減った時に水が追加される。
【0081】
上記飼育槽1内の水位がオーバーフロー管3の上端より高くなると、飼育槽1内の飼育水がオーバーフロー管3内に流入する。そして、上記飼育水は、オーバーフロー管3内とオーバーフロー配管6内とを流れた後、マイクロナノバブル処理槽7に導入される。このとき、マイクロナノバブル処理槽7内に流入する飼育水、つまり、使用後の飼育水は、魚2からのアンモニア性窒素を含んでいる。
【0082】
上記マイクロナノバブル処理槽7は、飼育槽1からの飼育水にマイクロナノバブルを含有させる。このため、マイクロナノバブル処理槽7内には、マイクロナノバブルを発生するマイクロナノバブル発生機10が設置されている。
【0083】
ここで、上記マイクロナノバブルを説明するために、3種類のバブルについて説明する。
【0084】
(i) 通常のバブル(気泡)は水の中を上昇して、ついには表面でパンとはじけて消滅する。
【0085】
(ii) マイクロバブルは、直径が50ミクロン(μm)以下の微細気泡で、水中で時間の経過に伴って縮小していき、最後には消滅(完全溶解)してしまう。
【0086】
(iii) ナノバブルは、マイクロバブルよりさらに小さいバブルで直径が1ミクロン以下、例えば100nm〜200nmでいつまでも水の中に存在することが可能なバブルと言われている。
【0087】
このようなマイクロバブルとナノバブルとを混合して得られるバブルが、マイクロナノバブルと説明することができる。
【0088】
上記マイクロナノバブル発生機10には空気吸込配管8が接続されており、マイクロナノバブル発生機10の空気吸込量をバルブ9で調整するようになっている。また、マイクロナノバブル発生機10には、マイクロナノバブル処理槽7外に設置された発生機循環ポンプ13が接続されている。この発生機循環ポンプ13はマイクロナノバブル処理槽7内の飼育水をマイクロナノバブル発生機10に送る。そして、マイクロナノバブル発生機10は、空気吸込配管8からの空気を吸い込んでマイクロナノバブルを発生して、このマイクロナノバブルを発生機循環ポンプ13からの飼育水と共に吐出する。これにより、マイクロナノバブル処理槽7内においてマイクロナノバブル流が発生する。なお、発生機循環ポンプ13はマイクロナノバブル発生機用ポンプの一例である。
【0089】
上記マイクロナノバブル処理槽7でマイクロナノバブルを含有した飼育水は、重力式濾過槽27に導入される。そして、マイクロナノバブル処理槽7からのマイクロナノバブルを含有した飼育水は重力式濾過槽27で処理されて被処理水となる。
【0090】
上記重力式濾過槽27は、下部が網18となっている濾過部15を有している。網18上には、砂16に対する支持材としての炭酸カルシウム鉱物17が複数配置されている。
【0091】
上記炭酸カルシウム鉱物17は、上記被処理水のpHが低下したときに中和作用を奏する。
【0092】
上記砂16には、亜硝酸生成菌や硝酸生成菌などの微生物が繁殖する。また、砂16は、濾過材としての機能も果たし、上記被処理水中の浮遊物質の濾過を行って、上記被処理水の透明度向上に役立つ。なお、亜硝酸生成菌の具体的名称はNitorosomonas(ニトロソモナス)であり、硝酸生成菌の具体的名称はNitobactor(ニトロバクター)である。
【0093】
上記重力式濾過槽27で処理された被処理水は、飼育槽循環ポンプ19によって、循環配管4内を介して飼育槽1に再び導入されることとなる。
【0094】
上記発生機循環ポンプ13および飼育槽循環ポンプ19の運転は、タイマー14によって間欠運転とされる。このように、タイマー14は発生機循環ポンプ13および飼育槽循環ポンプ19の稼働を制御することができる。
【0095】
上記構成の水処理装置100によれば、マイクロナノバブル処理槽7からのマイクロナノバブルを含有した飼育水を重力式濾過槽27に導入することによって、マイクロナノバブルが飼育水中に長く存在するから、重力式濾過槽27内の好気性が維持されて、砂16に繁殖した亜硝酸生成菌や硝酸生成菌などの微生物が活性化してさらに繁殖する。
【0096】
その結果、上記重力式濾過槽27のアンモニア性窒素に対する生物学的処理能力が向上する。
【0097】
したがって、上記微生物で十分に酸化処理された被処理水が飼育槽1に戻るので、飼育槽1内の飼育水の水質を向上させることができると共に、飼育槽1内の飼育水の透明度を高く維持できる。
【0098】
また、上記発生機循環ポンプ13および飼育槽循環ポンプ19の運転が間欠運転であるから、ランニングコストを低減することができる。
【0099】
また、上記発生機循環ポンプ13および飼育槽循環ポンプ19の運転が間欠運転であっても、重力式濾過槽27のアンモニア性窒素に対する生物学的処理能力が向上するから、飼育槽1内の飼育水の水質の低下や、飼育槽1内の飼育水の透明度の低下を防ぐことができる。
【0100】
また、上記重力式濾過槽27において飼育水にマイクロナノバブルを含有させるよりも、マイクロナノバブル処理槽7において飼育水にマイクロナノバブルを含有させる方が、マイクロナノバブルの発生状態の確認が容易である。
【0101】
したがって、上記重力式濾過槽27へ良好なマイクロナノバブルを含有する飼育水を供給して、重力式濾過槽27内の微生物を有効的かつ効率的に活性化させることができる。
【0102】
また、上記重力式濾過槽27のアンモニア性窒素に対する生物学的処理能力が向上するから、発生機循環ポンプ13および飼育槽循環ポンプ19を間欠運転にしても、発生機循環ポンプ13および飼育槽循環ポンプ19を24時間連続運転とする場合と同じ浄化性能を得ることができる。
【0103】
尚、上記マイクロナノバブル発生機10は、市販されているものならば、メーカーを限定するものではなく、例えば、株式会社ナノプラネット研究所、株式会社オーラテック、西華産業株式会社および資源開発株式会社等のマイクロナノバブル発生機であってもよい。
【0104】
上記実施形態1では、株式会社ナノプラネット研究所のものをマイクロナノバブル発生機9として採用したが、どのメーカのものを採用するかは目的に応じて決めればよい。
【0105】
(第2実施形態)
図2に、本発明の第2実施形態の水処理装置200を模式的に示す。また、図2において、図1に示した第1実施形態の水処理装置100と同一の構成部は、図1における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0106】
上記水処理装置200は、上記第1実施形態の水処理装置100と比較して、濾過部15内にリング状ポリ塩化ビニリデン充填材20を設置している点が異なる。
【0107】
つまり、本第2実施形態は、上記第1実施形態において濾過部15内の砂16を複数のリング状ポリ塩化ビニリデン充填材20に置き換えたものである。
【0108】
上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材20は砂16と同様に濾過材としての機能を有するが、リング状ポリ塩化ビニリデン充填材20の表面積は砂16の表面積よりも格段に大きい。
【0109】
上記構成の水処理装置200によれば、リング状ポリ塩化ビニリデン充填材20には、マイクロナノバブルによって活性化した亜硝酸生成菌や硝酸生成菌などの微生物が安定的に、かつ、砂16よりも高濃度に繁殖する。
【0110】
したがって、上記重力式濾過槽27のアンモニア性窒素の酸化処理能力が向上する。
【0111】
また、上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材20は、マイナスの電荷を有しているので、浮遊物質に対する付着処理能力があり、浮遊物質の処理にも有効である。
【0112】
(第3実施形態)
図3に、本発明の第3実施形態の水処理装置300を模式的に示す。また、図3において、図2に示した第2実施形態の水処理装置200と同一の構成部は、図2における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0113】
上記水処理装置300は、上記第2実施形態の水処理装置200と比較して、濾過部15内に筒状ポリ塩化ビニリデン充填材21を設置している点が異なる。
【0114】
つまり、本第3実施形態は、上記第2実施形態において濾過部15内の複数のリング状ポリ塩化ビニリデン充填材20を複数の筒状ポリ塩化ビニリデン充填材21に置き換えたものである。
【0115】
上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材20と筒状ポリ塩化ビニリデン充填材21は略同じ性能を有している。
【0116】
上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材20は、そのまま、濾過部15に投入すればよいが、筒状ポリ塩化ビニリデン充填材21は固定するための金具が必要となる。
【0117】
上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材20と筒状ポリ塩化ビニリデン充填材21は、共にティビーアール株式会社から販売されている。
【0118】
(第4実施形態)
図4に、本発明の第4実施形態の水処理装置400を模式的に示す。また、図4において、図1に示した第1実施形態の水処理装置100と同一の構成部は、図1における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0119】
上記水処理装置400は、上記第1実施形態の水処理装置100と比較して、砂16およびリング状ポリ塩化ビニリデン充填材20を濾過部15内に設置している点が異なる。
【0120】
つまり、上記第1実施形態では砂16だけを濾過材として濾過部15内に設置しているが、本第4実施形態では砂16およびリング状ポリ塩化ビニリデン充填材20を濾過材として濾過部15内に設置している。
【0121】
また、本第4実施形態では、砂16は濾過部15の下部側(網18側)に位置する一方、リング状ポリ塩化ビニリデン充填材20は濾過部15の上部側(網18側とは反対側)に位置する。
【0122】
上記第1実施形態のように濾過材が砂16だけの場合は、砂16で構成される層の表面に被処理水中の浮遊物質が付着して、濾過材としての砂16が閉塞する欠点がある。
【0123】
これに対して、本第4実施形態のように濾過材が砂16とリング状ポリ塩化ビニリデン充填材20とからなる場合は、被処理水中の浮遊物質をリング状ポリ塩化ビニリデン充填材20が付着するから、濾過材としての砂16が閉塞するのを防ぐことができる。
【0124】
したがって、本第4実施形態の水処理装置400は、上記第1実施形態の水処理装置100よりも、飼育槽1内の飼育水の透明度を維持する効果を高めることができる。
【0125】
また、本第4実施形態では、リング状ポリ塩化ビニリデン充填材20には活性化した微生物が繁殖するから、リング状ポリ塩化ビニリデン充填材20に付着した浮遊物質が残餌などの有機物であると、リング状ポリ塩化ビニリデン充填材20に付着した浮遊物質を微生物で分解することができる。
【0126】
したがって、上記砂16に対する負荷を軽減することができる。
【0127】
(第5実施形態)
図5に、本発明の第5実施形態の水処理装置500を模式的に示す。また、図5において、図2に示した第2実施形態の水処理装置200と同一の構成部は、図2における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0128】
上記水処理装置500は、上記第2実施形態の水処理装置200と比較して、リング状ポリ塩化ビニリデン充填材20および炭28を濾過部15内に設置している点が異なる。
【0129】
つまり、本第5実施形態は、上記第2実施形態においてリング状ポリ塩化ビニリデン充填材20をリング状ポリ塩化ビニリデン充填材20および炭28に置き換えたものである。
【0130】
上記構成の水処理装置500によれば、炭28が着色成分に対する吸着能力があるので、被処理水中の着色成分は炭28に吸着された後、炭に繁殖した微生物で分解されることとなる。
【0131】
上記マイクロナノバブル処理槽7からの飼育水が含有するマイクロナノバブルは、炭28に繁殖する微生物を活性化させるのに適している。
【0132】
上記炭28の具体例としては備長炭や活性炭等がある。
【0133】
また、上記炭28は、木炭と活性炭とのうちの一方、または、木炭と活性炭との組み合わせであってもよい。
【0134】
(第6実施形態)
図6に、本発明の第6実施形態の水処理装置600を模式的に示す。また、図6において、図1に示した第1実施形態の水処理装置100と同一の構成部は、図1における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0135】
上記水処理装置600は、上記第1実施形態の水処理装置100と比較して、重力式濾過槽27が無く、ポンプ22と、濾過装置の一例としての急速式濾過機23と、ピット24と、飼育槽用ポンプの一例としての飼育水循環ポンプ25とを備えている点が異なる。
【0136】
上記ポンプ22は、マイクロナノバブル処理槽7でマイクロナノバブルを含有させた飼育水を急速式濾過機23へ送る。
【0137】
上記飼育水循環ポンプ25は、マイクロナノバブル処理槽7からのマイクロナノバブルを含有する飼育水を急速式濾過機23で処理して得る被処理水を飼育槽1へ送る。
【0138】
上記構成の水処理装置600によれば、急速式濾過機23は、本来物理的な濾過のみを目的とするものであるが、マイクロナノバブル処理槽7からのマイクロナノバブルを含有した飼育水がポンプ22によって導入されるので、急速式濾過機23の内部がマイクロナノバブルの水中に継続的に長時間維持される現象によって好気性となり、亜硝酸生成菌や硝酸生成菌等の好気性微生物が急速式濾過機23の内部で繁殖する。
【0139】
したがって、上記急速式濾過機23は、本来の物理的な濾過機能を奏するだけでなく、上記好気性微生物による微生物処理機能を奏する。
【0140】
(第7実施形態)
図7に、本発明の第7実施形態の水処理装置700を模式的に示す。また、図7において、図6に示した第6実施形態の水処理装置600と同一の構成部は、図6における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0141】
上記水処理装置700は、上記第6実施形態の水処理装置600と比較して、オゾン発生機26を備えている点が異なる。
【0142】
つまり、本第7実施形態は、上記第6実施形態においてオゾン発生機26を追加したものである。
【0143】
上記オゾン発生機26は、空気吸込配管8のマイクロナノバブル発生機10側の端部とは反対側の端部に接続されている。
【0144】
上記構成の水処理装置700によれば、マイクロナノバブル発生機10はオゾン発生機26からオゾンが供給されるので、通常のマイクロナノバブルよりも酸化力が強いオゾンマイクロナノバブルを発生することができる。
【0145】
したがって、上記オゾンマイクロナノバブルが飼育水に含有するから、飼育水中の有機物をオゾンマイクロナノバブルが持つ強力な酸化作用で分解することができる。つまり、上記オゾンマイクロナノバブルが持つ殺菌作用によって飼育水を殺菌することができる。
【0146】
また、上記オゾンマイクロナノバブルの強力な酸化力により酸化分解された飼育水はポンプ22によって急速式濾過機23に導入されて濾過される。
【0147】
この場合、急速式濾過機23内には、オゾンマイクロナノバブルの酸化力が強力なため、好気性微生物の繁殖は期待できない。
【0148】
但し、飼育水が長く循環していると黄色に着色されるが、飼育水が黄色に着色されないようにするには有効である。
【0149】
(第8実施形態)
図8に、本発明の第8実施形態の水処理装置800を模式的に示す。また、図8において、図7に示した第7実施形態の水処理装置700と同一の構成部は、図7における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0150】
上記水処理装置800は、上記第7実施形態の水処理装置700と比較して、砂16および炭酸カルシウム鉱物17が急速式濾過機23内に設置されている点が異なる。
【0151】
上記炭酸カルシウム鉱物17は、砂16上に位置して、pH調整材としての機能を奏する。
【0152】
上記構成の水処理装置800によれば、マイクロナノバブル処理槽7からのオゾンマイクロナノバブルを含有した飼育水がポンプ22によって急速式濾過機23に導入されるので、急速式濾過機23の内部がマイクロナノバブルの水中に継続的に長時間維持される現象によって好気性となり、亜硝酸生成菌や硝酸生成菌等の好気性微生物が急速式濾過機23の内部で繁殖する。
【0153】
したがって、上記急速式濾過機23は、本来の物理的な濾過機能を奏するだけでなく、上記好気性微生物による微生物処理機能を奏する。
【0154】
また、上記好気性微生物の酸化処理によって被処理水のpHが低下しても、急速式濾過機23内に炭酸カルシウム鉱物17を設置しているから、被処理水の酸の力で炭酸カルシウム鉱物17が溶解し、被処理水のpHを調整することができる。
【0155】
また、上記急速式濾過機23内に砂16を設置しているから、上記好気性微生物を砂16にも繁殖させて、急速式濾過機13内の好気性微生物をさらに増やすことができる。
【0156】
(第9実施形態)
図9に、本発明の第9実施形態の水処理装置900を模式的に示す。また、図9において、図1に示した第1実施形態の水処理装置100と同一の構成部は、図1における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0157】
上記水処理装置900は、上記第1実施形態の水処理装置100と比べて、発生機循環ポンプ13および飼育槽循環ポンプ19の稼働を制御するタイマー14を備えていない点が異なる。
【0158】
上記構成の水処理装置900によれば、発生機循環ポンプ13および飼育槽循環ポンプ19の運転を24時間連続運転とするので、重力式濾過槽27の微生物処理能力は向上する。
【0159】
したがって、上記水処理装置600は、上記第1実施形態よりも、飼育槽1内の飼育水の水質を向上させることができると共に、飼育槽1内の飼育水の透明度を高めることができる。
【0160】
また、上記重力式濾過槽27の微生物処理能力は向上するので、飼育水の循環量を少なくしても、上記第1実施形態と同程度の飼育水の水質向上効果および透明度維持効果は得られる。
【0161】
したがって、上記飼育水の循環量を少なくして、ランニングコストを低減することができる。
【0162】
また、上記重力式濾過槽27の微生物処理能力は向上するので、多量の魚2を飼育槽1で飼育することができる。
【0163】
(実験例)
上記第1実施形態の水処理装置100に対応する実験装置を製作した。この実験装置では、飼育槽1の容量を1000リットル、マイクロナノバブル処理槽7の容量を150リットル、重力式濾過槽27の容量300リットルとした。
【0164】
上記実験装置を1ヶ月間試運転を行った後、海水魚を飼育槽1に入れて、7日後、飼育槽1内の飼育水がアンモニア性窒素を測定したところ、0.1ppmであった。
【0165】
従来のマイクロナノバブルが設置されていない水槽と比較したところ、水質的には、このマイクロナノバブル処理槽7がある実験装置が最も水質が良かった。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】図1は本発明の第1実施形態の水処理装置の模式図である。
【図2】図2は本発明の第2実施形態の水処理装置の模式図である。
【図3】図3は本発明の第3実施形態の水処理装置の模式図である。
【図4】図4は本発明の第4実施形態の水処理装置の模式図である。
【図5】図5は本発明の第5実施形態の水処理装置の模式図である。
【図6】図6は本発明の第6実施形態の水処理装置の模式図である。
【図7】図7は本発明の第7実施形態の水処理装置の模式図である。
【図8】図8は本発明の第8実施形態の水処理装置の模式図である。
【図9】図9は本発明の第9実施形態の水処理装置の模式図である。
【符号の説明】
【0167】
1 飼育槽
2 魚
3 オーバーフロー管
4 循環配管
5 流入配管
6 オーバーフロー配管
7 マイクロナノバブル処理槽
8 空気吸込配管
9 バルブ
10 マイクロナノバブル発生機
11 マイクロナノバブル流
12 発生機循環配管
13 発生機循環ポンプ
14 タイマー
15 濾過部
16 砂
17 炭酸カルシウム鉱物
18 網
19 飼育槽循環ポンプ
20 リング状ポリ塩化ビニリデン充填材
21 筒状ポリ塩化ビニリデン充填物
22 ポンプ
23 急速式濾過機
24 ピット
25 飼育水循環ポンプ
26 オゾン発生機
27 重力式濾過槽
28 炭
100,200,300,400,500,600,700,800,900 水処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生き物の飼育に使用された飼育水にマイクロナノバブルを含有させる工程と、
上記マイクロナノバブルを含有した飼育水を濾過装置に導入して処理する工程と、
上記飼育水を上記濾過装置で処理して得る被処理水を再び飼育水として使用する工程と
を備えたことを特徴とする水処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の水処理方法において、
上記濾過装置は、微生物が繁殖した濾過槽、または、微生物が繁殖していない濾過機であることを特徴とする水処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の水処理方法において、
上記濾過装置は重力式濾過槽または急速式濾過機であることを特徴とする水処理方法。
【請求項4】
請求項1に記載の水処理方法において、
上記濾過装置は、
濾過材としての砂と、
上記砂の支持材としての炭酸カルシウム鉱物と
を有することを特徴とする水処理方法。
【請求項5】
請求項1に記載の水処理方法において、
上記濾過装置は、
濾過材としてのリング状ポリ塩化ビニリデン充填材と、
上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材の支持材としての炭酸カルシウム鉱物と
を有することを特徴とする水処理方法。
【請求項6】
飼育槽から生き物の飼育に使用された飼育水が導入され、上記飼育槽からの飼育水にマイクロナノバブルを含有させるマイクロナノバブル処理槽と、
上記マイクロナノバブル処理槽から上記マイクロナノバブルを含有する飼育水が導入され、上記マイクロナノバブルを含有する上記飼育水を処理する濾過装置と、
上記飼育水を上記濾過装置で処理して得る被処理水を上記飼育槽に戻す飼育槽用ポンプと
を備えたことを特徴とする水処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の水処理装置において、
上記濾過装置は重力式濾過槽または急速式濾過機であることを特徴とする水処理装置。
【請求項8】
請求項6に記載の水処理装置において、
上記濾過装置は、
濾過材としての筒状ポリ塩化ビニリデン充填材と、
上記筒状ポリ塩化ビニリデン充填材の支持材としての炭酸カルシウム鉱物と
を有することを特徴とする水処理装置。
【請求項9】
請求項6に記載の水処理装置において、
上記濾過装置は、
濾過材としての砂と、
上記砂上に配置され、濾過材としてのリング状ポリ塩化ビニリデン充填材と、
上記砂およびリング状ポリ塩化ビニリデン充填材の支持材としての炭酸カルシウム鉱物と
を有することを特徴とする水処理装置。
【請求項10】
請求項6に記載の水処理装置において、
上記濾過装置は、
濾過材としてのリング状ポリ塩化ビニリデン充填材と、
濾過材としての炭と、
上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材および炭の支持材としての炭酸カルシウム鉱物と
を有することを特徴とする水処理装置。
【請求項11】
請求項6に記載の水処理装置において、
上記濾過装置は、砂とこの砂上に配置された炭酸カルシウム鉱物とを有する急速式濾過機であることを特徴とする水処理装置。
【請求項12】
請求項6に記載の水処理装置において、
上記マイクロナノバブル処理槽内に設置され、マイクロナノバブルを発生するマイクロナノバブル発生機と、
上記マイクロナノバブル発生機に飼育水を送るマイクロナノバブル発生機用ポンプと、
上記飼育槽用ポンプおよびマイクロナノバブル発生機用ポンプを間欠運転するためのタイマと
を備えたことを特徴とする水処理装置。
【請求項13】
請求項6に記載の水処理装置において、
上記飼育水は、海水、汽水および淡水のうちのいずれか1つであることを特徴とする水処理装置。
【請求項14】
請求項6に記載の水処理装置において、
上記マイクロナノバブル処理槽内に設置され、マイクロナノバブルを発生するマイクロナノバブル発生機と、
上記マイクロナノバブル発生機に供給すべきオゾンを発生するオゾン発生機と
を備えたことを特徴とする水処理装置。
【請求項15】
請求項10に記載の水処理装置において、
上記炭は、木炭と活性炭とのうちの一方、または、木炭と活性炭との組み合わせであることを特徴とする水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−152275(P2007−152275A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−353406(P2005−353406)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】