説明

波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び光分析装置

【課題】簡素な構成で電極間の導通を可能にする波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び光分析装置を提供すること。
【解決手段】エタロン5は、固定基板51と、固定基板51に対向する可動基板52とを備える。固定基板51は、接合膜531,532を介して可動基板52に接合される第1接合面515と、第1電極561の一部が形成される第1電極面516とを備える。可動基板52は、接合膜531,532を介して第1接合面515に接合される第2接合面524と、第2電極562の一部が形成される第2電極面525とを備える。固定基板51及び可動基板52が接合膜531,532により接合された状態において、第1電極面516に形成された第1電極561と、第2電極面525に形成された第2電極562とが接触する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長可変干渉フィルター、この波長可変干渉フィルターを備える光モジュール、及びこの光モジュールを備える光分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の基板の互いに対向する面に、それぞれ反射膜を所定のギャップを介して対向配置し、各基板の互いに対向する面にそれぞれ駆動電極を設けた波長可変干渉フィルターが知られている。このような波長可変干渉フィルターでは、駆動電極間に電圧を印加することで静電引力により反射膜間のギャップを調整する。
このような波長可変干渉フィルターでは、各基板に、各駆動電極から延びる引出電極を形成し、これらの引出電極に対して電圧印加用の配線を実施する必要がある。しかしながら、各引出電極は、一対の基板の互いに対向する面に設けられているため、配線作業が困難となるという問題があった。
【0003】
そこで、このような配線作業を容易に実施可能な構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の装置は、ミラー基板と、配線基板とを備えた可変形状鏡である。この可変形状鏡は、互いに対向するミラー基板および配線基板を備えている。ミラー基板は、配線基板と対向しない面に反射膜が形成された可撓性薄膜と、可動性薄膜の配線基板に対向する面に設けられた膜側対向電極と、膜側対向電極に配線されたミラー基板側接合パッドと、を備えている。また、配線基板は、膜側対向電極に対向する配線基板側対向電極と、配線基板側対向電極に配線された配線基板側接合パッドと、配線基板側対向電極と接続された外部接続用パッドと、を備えている。そして、ミラー基板側接合パッドと配線基板側接合パッドとの間は、Auバンプにより機械的かつ電気的に接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−261951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の可変形状鏡では、ミラー基板側接合パッドと配線基板側接合パッドとの間を電気的に接続するために、別途Auバンプ等の導電性の中間部材を設ける必要があり、これらの接合パッド同士を容易に確実に導通させることができないという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、簡便な操作で電極間の導通を可能にする波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び光分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の波長可変干渉フィルターは、第1基板と、前記第1基板と互いに対向する第2基板と、前記第1基板の前記第2基板に対向する面に設けられた第1反射膜と、前記第2基板に設けられ、前記第1反射膜と所定のギャップを介して対向する第2反射膜と、前記第1基板の前記第2基板に対向する面に設けられた第1電極と、前記第2基板に設けられ、前記第1電極と対向する第2電極と、を備え、前記第1基板は、前記第1電極の一部が形成される第1電極面を備え、前記第2基板は、前記第2電極の一部が形成される第2電極面を備え、前記第1電極面上の第1電極は、前記第2電極面上の第2電極に接触して電気的に接続されたことを特徴とすることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、第1基板は、第1電極の一部が形成される第1電極面を備え、第2基板は、第2電極の一部が形成される第2電極面を備える。そして、各基板が接合層により接合された状態において、第1電極面に形成された第1電極と第2電極面に形成された第2電極とが接触するので、従来の上述した電極間を導通させるためのAuバンプ等を形成する必要がなく、簡素な構成で電極間を導通させることができる。また、接合層として、金属層を用いる構成に限られず、基板同士を接合可能ないかなる接合層を用いてもよく、接合方法の自由度が大きくなる。
【0009】
本発明の波長可変干渉フィルターでは、前記第2基板の前記第2電極面が設けられる部位は、前記第2基板の厚み方向に対して可撓性を有する可撓部であることが好ましい。
【0010】
第1電極と第2電極とが接触した際、その接触圧により第2基板に応力が加わる場合がある。特に、第1電極面上の第1電極と、第2電極面上の第2電極との導通信頼性を向上させるために、これらの電極を圧接する場合、第2基板に大きな応力が加わる場合がある。これに対して、本発明では、第2基板の第2電鏡面が設けられる部位が可撓部であるため、可撓部が撓むことで、第1電極および第2電極が接触した際の接触圧による応力を逃がすことができ、第2基板が応力により撓むことがなく、波長可変干渉フィルターにおける分解能の低下を抑えることができる。
【0011】
本発明の波長可変干渉フィルターでは、前記第1基板および前記第2基板は、接合膜を介して互いに接合され、前記第1電極面上の前記第1電極の厚み寸法と、前記第2電極面上の前記第2電極の厚み寸法との和は、前記接合膜の厚み寸法より大きいことが好ましい。
【0012】
この発明では、接合膜の厚み寸法よりも第1電極および第2電極の厚み寸法の和の方が大きいため、接合層により第1基板および第2基板を接合すると、第1電極面上の第1電極および第2電極面上の第2電極とが圧接された状態となる。このため、圧接により確実に第1電極および第2電極を面接触させることができ、導通信頼性を向上させることができる。また、この際、第2基板は可撓部を有しているため、圧接により第2基板に加わった応力を逃がすことができる。また、可撓部が弾性を有する場合では、可撓部の撓みに対して反力(復元力)が発生するため、この反力により第1電極および第2電極がより圧接されることになり、第1電極および第2電極の導通信頼性をより向上させることができる。
【0013】
本発明の波長可変干渉フィルターでは、前記第1基板は、前記第2基板に対向する面に設けられた第1接合面を備え、前記第2基板は、前記第1接合面に対向し、接合膜を介して前記第1接合面に接合された第2接合面を備え、前記第1電極面および前記第1接合面は、同一平面上に設けられ、前記第2電極面および前記第2接合面は、同一平面上に設けられたことが好ましい。
【0014】
第1電極面と第1接合面とが異なる高さ位置に設けられ、第2電極面と第2接合面とが異なる高さ位置に設けられる構成としても、第1電極や第2電極の厚み寸法を制御することで、上記発明と同様の効果を得ることができる。しかしながら、この場合、第1基板の形成において、第1電極面の形成工程と、第1接合面の形成工程との双方を実施する必要があり、第2基板の形成において、第2電極面の形成工程と、第2接合面の形成工程との双方を実施する必要がある。
これに対して、本発明によれば、第1電極面と第1接合面とが同一平面上に設けられ、第2電極面と第2接合面とが同一平面上に設けられるので、製造工程において、同時に、第1接合面及び第1電極面、または第2接合面及び第2電極面を製造でき、製造工程を簡素化できる。
【0015】
本発明の波長可変干渉フィルターでは、前記第1電極面上の前記第1電極の厚み寸法と、前記第2電極面上の第2電極の厚み寸法との和は、前記接合膜の厚み寸法より大きく、前記第2基板の前記第2電極面が設けられる部位は、前記第2基板の厚み方向に対して可撓性を有する可撓部であり、前記第1電極面から離間する方向に撓んでいることが好ましい。
【0016】
本発明によれば、各基板同士が接合膜を介して接合された際に、可撓部が第1電極面から離間する方向に撓み、第1電極面と第2電極面とが圧接された状態となる。このため、各電極面に形成された第1電極と第2電極とを確実に導通させることができる。
【0017】
本発明の光モジュールは、上述の波長可変干渉フィルターと、前記波長可変干渉フィルターを透過した検査対象光を受光する受光部とを備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、上述したように、波長可変干渉フィルターにおいて、簡素な構造で電極間の導通を可能にできるため、光モジュールの構造の簡略化にも貢献できる。これにより、光モジュールにおいて、例えば、第1電極及び第2電極がギャップを調整する駆動電極である場合には、ギャップを高精度に維持することができるので、このような波長可変干渉フィルターを備えた光モジュールにおいても、受光部により精度の高い光量測定を実施することができる。
【0019】
本発明の光モジュールでは、前記第1電極面及び前記第2電極面を互いに近接する方向に押圧する押圧部を備えることが好ましい。
【0020】
本発明によれば、押圧部により、各電極面同士が互いに近接する方向に押圧されるので、各電極面同士が圧接された状態となり、各電極面に形成された第1電極及び第2電極の導通が確実なものとなる。
【0021】
本発明の光モジュールでは、前記波長可変干渉フィルターを収納する収納筐体を備え、前記押圧部は、前記収納筐体に設けられることが好ましい。
【0022】
一般に、波長可変干渉フィルターを光モジュールに組み込む際には、収納筐体に波長可変干渉フィルターを収納して収納筐体を光モジュールに組み込むことが多い。
本発明では、この収納筐体に押圧部が設けられるため、光モジュールの本体に別途押圧部を設ける必要がなく、構成を簡単にできる。
【0023】
本発明の光分析装置は、上述の光モジュールと、前記光モジュールの前記受光部により受光された光に基づいて、前記検査対象光の光特性を分析する分析処理部とを備えたことを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、上述した波長可変干渉フィルターを有する光モジュールを備えるので、精度の高い測定を実施でき、この測定結果に基づいて光分析処理を実施することで、正確な分光特性を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る第1実施形態の測色装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】第1実施形態のエタロンの平面図。
【図3】第1実施形態のエタロンの概略断面図。
【図4】第1実施形態のエタロンの部分断面図。
【図5】第1実施形態のエタロンの固定基板を可動基板側から見た平面図。
【図6】第1実施形態のエタロンの可動基板を固定基板側から見た平面図。
【図7】第1実施形態のエタロンの固定基板の製造工程を示す図。
【図8】第1実施形態のエタロンの可動基板の製造工程を示す図。
【図9】本発明に係る第2実施形態のエタロンが収納筐体に収納された状態の概略断面図。
【図10】前記第2実施形態のエタロンの概略断面図。
【図11】本発明に係る変形例のエタロンの概略断面図。
【図12】本発明の光分析装置の他の例であるガス検出装置の概略図。
【図13】図12のガス分析装置のブロック図。
【図14】本発明の光分析装置の他の例である食物分析装置の構成を示すブロック図。
【図15】本発明の光分析装置の他の例である分光カメラの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔1.測色装置の概略構成〕
図1は、本実施形態の測色装置1(光分析装置)の概略構成を示すブロック図である。
測色装置1は、図1に示すように、検査対象Aに光を射出する光源装置2と、測色センサー3(光モジュール)と、測色装置1の全体動作を制御する制御装置4とを備える。そして、この測色装置1は、光源装置2から射出される光を検査対象Aにて反射させ、反射された検査対象光を測色センサー3にて受光し、測色センサー3から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち検査対象Aの色を分析して測定する装置である。
【0027】
〔2.光源装置の構成〕
光源装置2は、光源21、複数のレンズ22(図1には1つのみ記載)を備え、検査対象Aに対して白色光を射出する。また、複数のレンズ22には、コリメーターレンズが含まれてもよく、この場合、光源装置2は、光源21から射出された白色光をコリメーターレンズにより平行光とし、図示しない投射レンズから検査対象Aに向かって射出する。なお、本実施形態では、光源装置2を備える測色装置1を例示するが、例えば検査対象Aが液晶パネルなどの発光部材である場合、光源装置2が設けられない構成としてもよい。
【0028】
〔3.測色センサーの構成〕
測色センサー3は、図1に示すように、エタロン5(波長可変干渉フィルター)と、エタロン5を透過する光を受光する受光素子31(受光部)と、エタロン5で透過させる光の波長を可変する電圧制御部6とを備える。また、測色センサー3は、エタロン5に対向する位置に、検査対象Aで反射された反射光(検査対象光)を、内部に導光する図示しない入射光学レンズを備えている。そして、この測色センサー3は、エタロン5により、入射光学レンズから入射した検査対象光のうち、所定波長の光を分光し、分光した光を受光素子31にて受光する。
受光素子31は、複数の光電交換素子により構成されており、受光量に応じた電気信号を生成する。そして、受光素子31は、制御装置4に接続されており、生成した電気信号を受光信号として制御装置4に出力する。
【0029】
(3−1.エタロンの構成)
図2は、エタロン5の平面図であり、図3は、図2の矢視III-III線で示す位置でのエタロン5の概略断面図である。また、図4は、図2の矢視IV-IV線で示す位置でのエタロン5の部分断面図である。
エタロン5は、図2に示すように、平面視正方形状の板状の光学部材であり、一辺が例えば10mmに形成されている。このエタロン5は、図3に示すように、固定基板51(第1基板)及び可動基板52(第2基板)を備えている。これらの2つの基板51,52は、第1接合面515及び第2接合面524がプラズマ重合膜を用いたシロキサン接合などにより第1接合膜531及び第2接合膜532を介して互いに接合されて一体的に構成される。これらの2枚の基板51,52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスなどの各種ガラスや、水晶などにより形成されている。なお、第1接合膜531及び第2接合膜532により本発明の接合膜が構成される。
【0030】
また、固定基板51と可動基板52との間には、固定ミラー54(第1反射膜)、及び可動ミラー55(第2反射膜)が設けられる。ここで、固定ミラー54は、固定基板51の可動基板52に対向する面に固定され、可動ミラー55は、可動基板52の固定基板51に対向する面に固定されている。また、これらの固定ミラー54及び可動ミラー55は、ミラー間ギャップGを介して対向配置されている。
さらに、固定基板51と可動基板52との間には、固定ミラー54及び可動ミラー55の間のミラー間ギャップGの寸法を調整するための静電アクチュエーター56が設けられている。
【0031】
(3−1−1.固定基板の構成)
図5は、固定基板51を可動基板52側から見た平面図である。
固定基板51は、厚みが例えば500μmの石英ガラス基材をエッチングにより加工することで形成される。この固定基板51には、図3〜5に示すように、エッチングにより電極形成溝511及びミラー固定部512が形成される。
また、固定基板51には、電極形成溝511の外周縁から固定基板51の1頂点(図5における頂点C1)に向かって延出する第1引出形成部513と、頂点C1と対角となる頂点C2に向かって延出する第2引出形成部514と、が設けられている。
そして、固定基板51において、電極形成溝511、ミラー固定部512、第1引出形成部513、及び第2引出形成部514が形成されていない部分が固定基板51の第1接合面515となる。
【0032】
第1引出形成部513は、エッチングにより電極形成溝511と同一深さ寸法に形成される溝である。この第1引出形成部513には、後述する第1引出電極561Aが形成される。
【0033】
第2引出形成部514は、電極形成溝511の外周縁から延出した延出溝514Aと、延出溝514Aの延出先端に連続する突出部514Bと、突出部514Bに連続するパッド部514Cとを備えている。
延出溝514Aは、エッチングにより電極形成溝511と同一深さ寸法に形成される溝であり、L字状に形成されている。
突出部514Bは、エッチングされない領域であり、延出溝514Aやパッド部514Cよりも可動基板52側に突出する部位である。この突出部514Bの可動基板52に対向する面は、第1接合面515と同一平面となり、第1電極面516を形成する。
パッド部514Cは、エッチングにより電極形成溝511と同一深さ寸法に形成される溝である。なお、本実施形態では、パッド部514Cがエッチングされて電極形成溝511と同一平面となる形状を例示したが、これに限定されず、パッド部514Cが第1電極面516と同一平面に形成される構成としてもよい。
上記のような第2引出形成部514では、突出部514Bの第1電極面516と電極形成溝511との間に、図2に示すように、第1接合面515が形成される構成となる。
【0034】
電極形成溝511には、図2に示すように、ミラー固定部512の外周縁から、電極形成溝511の内周壁面までの間に、リング状の電極固定面511Aが形成される。この電極固定面511Aには、図2から図4に示すように、電極固定面511Aに形成されるリング状の第1駆動電極561が設けられている。
【0035】
第1駆動電極561は、導電膜であり、例えばITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)や、Au/Crなどの金属積層体、ITOとAu/Crの積層体などを用いることができる。また、第1駆動電極561の上面には、第1駆動電極561及び第2駆動電極562の間の放電等によるリークを防止するための絶縁膜(図示略)が形成される構成としてもよい。この絶縁膜としては、SiOやTEOS(TetraEthoxySilane)などを用いることができる。
【0036】
第1駆動電極561の外周縁の一部からは、図2、図5に示すように、第1引出部513に沿って、固定基板51のC1頂点に向かって延びる第1引出電極561Aが形成される。そして、この第1引出電極線561Aの先端には、第1電極パッド561Pが形成され、当該第1電極パッド561Pが電圧制御部6(図1参照)に接続される。そして、静電アクチュエーター56を駆動時には、電圧制御部6(図1参照)により、第1電極パッド561Pに電圧が印加されることで、第1駆動電極561に電圧が印加される。
【0037】
また、固定基板51の第2引出形成部514には、本発明の第1電極を構成する第1導通電極563が設けられている。
具体的には、第1導通電極563は、第1駆動電極561とは絶縁された電極であり、第1引出形成部514のパッド部514Cから突出部514Bの第1電極面516までに亘って形成されている。そして、第1電極面516上に設けられた第1導通電極563は、可動基板52の後述する第2電極面525上に設けられた後述する第2引出電極562Aと面接触する。これにより、第1導通電極563と第2駆動電極562とが導通された状態となる。そのため、第1導通電極563及び第2引出電極562Aの表面は、電気抵抗の低い材料とする方が、前記面接触される部分の接触抵抗を低減でき、余計な抵抗成分の介入がなく、確実な導通を取る事ができる。材料としては、例えば、Auなどの金属膜やAu/Crなどの金属積層体、または、ITOなどの金属酸化物の表面にAuなどの金属材料もしくはAu/Crなどの金属積層体を積層した構成を選択できる。なお、ITOなどの金属酸化物からなる電極に対し、前記面接触のなされる領域周辺のみ局所的に金属膜又は金属積層膜が積層されている構成としてもよい。
また、第1導通電極563のパッド部514C上の領域は、導通電極パッド563Pを構成し、電圧制御部6(図1参照)に接続される。そして、静電アクチュエーター56を駆動時には、電圧制御部6により、導通電極パッド563Pに電圧が印加されることで、第2駆動電極562に電圧が印加される。
【0038】
ミラー固定部512は、図2及び図3に示すように、電極形成溝511と同軸上で、電極形成溝511よりも小さい径寸法となる略円柱状に形成され、可動基板52に対向する側の面にミラー固定面512Aを備える。なお、本実施形態では、図3に示すように、ミラー固定部512の可動基板52に対向するミラー固定面512Aが、電極固定面511Aよりも可動基板52に近接して形成される例を示すが、これに限らない。電極固定面511Aおよびミラー固定面512Aの高さ位置は、ミラー固定面512Aに固定される固定ミラー54、および可動基板52に形成される可動ミラー55の間のギャップの寸法、第1駆動電極561および第2駆動電極562の間の寸法、固定ミラー54や可動ミラー55の厚み寸法等により適宜設定される。したがって、例えば、電極固定面511Aとミラー固定面512Aとが同一面に形成される構成や、電極固定面511Aの中心部に、円筒凹溝上のミラー固定溝が形成され、このミラー固定溝の底面にミラー固定面が形成される構成などとしてもよい。
【0039】
そして、ミラー固定面512Aには、分光可能な波長域として可視光全域をカバーできる円形状のAgC合金単層により形成された固定ミラー54が固定されている。なお、本実施形態では、固定ミラー54として、AgC合金単層のミラーを用いる例を示すが、TiO−SiO系の誘電体多層膜や、AgC合金以外のAg合金や、Ag合金及び誘電体膜の積層膜のミラーを用いる構成としてもよい。
【0040】
第1接合面515及び第1電極面516は、図3及び図4に示すように、固定基板51の可動基板52に対向していない面を第1基準面F1として、当該第1基準面F1から同一の高さ寸法となるように形成されている。すなわち、第1接合面515及び第1電極面516は、同一平面上となるように形成される。
第1接合面515には、主材料としてポリオルガノシロキサンが用いられたプラズマ重合膜の第1接合膜531が形成されている。
【0041】
(3−1−2.可動基板の構成)
図6は、可動基板52を固定基板51側から見た平面図である。
可動基板52は、厚みが例えば200μmのガラス基材をエッチングにより加工することで形成される。この可動基板52には、例えば平面視で基板中心点を中心とした円形の変位部521が形成される。この変位部521は、図2、図3、及び図6に示すように、固定基板51に向けて進退可能に移動する円柱状の可動部522と同軸であり、エタロン平面視で円環状に形成されて可動部522を可動基板52の厚み方向に移動可能に保持する連結保持部523を備える。
また、可動基板52の固定基板51に対向する面において、固定基板51の第1接合面515と対向する領域が、可動基板52における第2接合面524となり、固定基板51の第1電極面516と対向する領域が、可動基板52における第2電極面525となる。
さらに、可動基板52は、頂点C1,C2の位置に切欠部526が形成されており、エタロン5を可動基板52側から見た平面視において、第1電極パッド561P、および第1導通電極パッド563Pが露出している。
【0042】
変位部521は、可動基板52の形成素材である平板状のガラス基材をエッチングにより溝を形成することで形成される。すなわち、変位部521は、可動基板52の固定基板51に対向しない面に、連結保持部523を形成するための円環状の円環溝部523Aをエッチング形成することで形成されている。
【0043】
可動部522は、連結保持部523よりも厚み寸法が大きく形成され、例えば、本実施形態では、可動基板52の厚み寸法と同一寸法である200μmに形成されている。この可動部522の径寸法は、固定基板51のミラー固定部512の径寸法よりも大きく形成されている。
可動部522の固定基板51に対向する面には、固定基板51のミラー固定面512Aに平行な可動面522Aを備え、この可動面522Aには、固定ミラー54と同一構成の可動ミラー55が形成される。
【0044】
連結保持部523は、可動部522の周囲を囲うダイアフラムであり、厚み寸法が例えば50μmに形成されている。連結保持部523の固定基板51に対向する面、及び第2電極面525には、第2駆動電極562が形成される。なお、本実施形態では、ダイアフラム状の連結保持部523を例示するが、例えば、可動部522の中心に対して点対象となる位置に設けられる複数対の梁構造を有する連結保持部が設けられる構成などとしてもよい。
【0045】
第2駆動電極562は、図2から図4に示すように、連結保持部523の固定基板51に対向する面に形成されるリング状の電極である。
第2駆動電極562は、第1駆動電極561や第1導通電極563と同一構成に形成され、第1駆動電極561とともに静電アクチュエーター56を構成する。この第2駆動電極562の外周縁の一部から、図2及び図6に示すように、L字状に屈曲する第2引出電極562A(本発明の第2電極を構成)が形成されている。この第2引出電極562Aは、図2及び図6に示すように、可動基板52の固定基板51に対向する面のうち、第1電極面516に対向する領域である第2電極面525まで延出する。
【0046】
第2接合面524及び第2電極面525は、図3及び図4に示すように、可動基板52の固定基板51に対向していない面を第2基準面F2として、当該第2基準面F2から同一の高さ寸法となるように形成されている。すなわち、第2接合面524及び第2電極面525は、同一平面上となるように形成される。
第2接合面524には、固定基板51の第1接合面515と同様に、主材料としてポリオルガノシロキサンを用いた第2接合膜532が設けられており、各接合面515,524が第1接合膜531及び第2接合膜532を介して接合されることで、各基板51,52が接合される。なお、第1引出電極561Aや第1導通電極563が対向する領域には第2接合膜532が形成されない構成としてもよい。
【0047】
そして、第2引出電極562Aは、固定基板51の第1接合面515と可動基板52の第2接合面524とが接合膜531,532により接合された状態で、第1電極面516に形成された第1導通電極563と面接触することで導通する。
この時、第1電極面516の第1導通電極563、及び第2電極面525の第2引出電極562Aは、互いに近接する方向に圧接された状態となっている。これにより、第1導通電極563と第2引出電極562Aとは確実に導通されることとなる。
また、本実施形態のエタロン5では、図4に示すように、固定基板51の第1電極面516と電極形成溝511との間の直線領域に第1接合面515が設けられ、可動基板52の第2接合面524に接合される。したがって、上記のように、電極同士が圧接され、可動基板52にその反力が加わった場合でも連結保持部523にまで伝搬されず、連結保持部523の撓みや可動部522の傾斜が防止される。
【0048】
(3−1−3.エタロンと電圧制御部との接続)
上述のエタロン5と電圧制御部6との接続では、2つの第1電極パッド561P及び第1導通電極パッド563Pに、それぞれ、電圧制御部6に接続された導線を例えばワイヤボンディングなどにより接続する。
ここで、エタロン5の可動基板52は、第1電極パッド561P及び第1導通電極パッド563Pに対向する位置が切り欠かれた切欠部526が形成されている。このため、エタロン5に導線を接続する際には、例えば固定基板51及び可動基板52の間に導線を差し込むなどの煩雑な作業が不要となり、エタロン5の光入射側面から直接、第1電極パッド561P及び第1導通電極パッド563Pに接続することが可能となる。また、配線作業時に、切欠部526により切り欠かれた空間が作業スペースとなる。したがって、エタロン5への配線作業を容易に実施することができる。
【0049】
(3−2.電圧制御部の構成)
電圧制御部6は、制御装置4からの入力される制御信号に基づいて、静電アクチュエーター56の第1駆動電極561及び第2駆動電極562に印加する電圧を制御する。
【0050】
〔4.制御装置の構成〕
制御装置4は、測色装置1の全体動作を制御する。この制御装置4としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューターなどを用いることができる。
そして、制御装置4は、図1に示すように、光源制御部41、測色センサー制御部42、及び測色処理部43(分析処理部)などを備えて構成されている。
【0051】
光源制御部41は、光源装置2に接続されている。そして、光源制御部41は、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置2に所定の制御信号を出力し、光源装置2から所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部42は、測色センサー3に接続されている。そして、測色センサー制御部42は、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー3にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー3に出力する。これにより、測色センサー3の電圧制御部6は、制御信号に基づいて、利用者が所望する光の波長を透過させるよう、静電アクチュエーター56への印加電圧を設定する。
測色処理部43は、測色センサー制御部42を制御して、エタロン5のミラー間ギャップを変動させて、エタロン5を透過する光の波長を変化させる。また、測色処理部43は、受光素子31から入力される受光信号に基づいて、エタロン5を透過した光の光量を取得する。そして、測色処理部43は、上記により得られた各波長の光の受光量に基づいて、検査対象Aにより反射された光の色度を算出する。
【0052】
〔5.エタロンの製造方法〕
次に、上記エタロン5の製造方法について、図7及び図8に基づいて説明する。
エタロン5を製造するためには、固定基板51及び可動基板52をそれぞれ製造し、製造された固定基板51と可動基板52とを貼り合わせる。
【0053】
(5−1.固定基板製造工程)
まず、固定基板51の製造素材である厚み寸法が500μmの石英ガラス基板を用意し、この石英ガラス基板の表面粗さRaが1nm以下となるまで両面を精密研磨する。そして、固定基板51の可動基板52に対向する面に電極形成溝511形成用のレジスト61を塗布して、塗布されたレジスト61をフォトリソグラフィ法により露光・現像して、図7(A)に示すように、電極形成溝511、第1引出形成部513、延出溝514A、及びパッド部514Cが形成される箇所をパターニングする。
次に、図7(B)に示すように、電極形成溝511、第1引出形成部513、延出溝514A、及びパッド部514Cを所望の深さにエッチングする。なお、ここでのエッチングとしては、HF等のエッチング液を用いたウェットエッチングが用いられる。
そして、固定基板51の可動基板52に対向する面にミラー固定面512A形成用のレジスト61を塗布して、塗布されたレジスト61をフォトリソグラフィ法により露光・現像して、図7(B)に示すように、ミラー固定面512Aが形成される箇所をパターニングする。
次に、ミラー固定面512Aが所望の位置までエッチングした後、図7(C)に示すように、レジスト61を除去することで、電極固定面511A、ミラー固定面512A、第1接合面515、及び第1電極面516が形成され、固定基板51の基板形状が決定される。
【0054】
次に、図7(D)に示すように、電極固定面511Aに第1駆動電極561を形成し、パッド部514Cから第1電極面516に亘って第1導通電極563を形成する。さらに、ミラー固定面512Aに固定ミラー54を形成する。
例えば、第1電極561及び第1導通電極563の成膜では、固定基板51上にAu/Cr積層膜をスパッタリング法により成膜し、このAu/Cr積層膜の上に、所望の電極パターンとなるレジストを形成し、Au/Cr積層膜をフォトエッチングする。
さらに、固定ミラー54は、リフトオフプロセスにより成膜する。すなわち、フォトリソグラフィ法などにより、固定基板51上のミラー形成部分以外にレジスト(リフトオフパターン)を形成し、TiO−SiO系の薄膜をスパッタリング法または蒸着法により成膜する。そして、固定ミラー54を成膜した後、リフトオフにより、ミラー固定面512A以外の薄膜を除去する。
【0055】
次に、フォトリソグラフィ法などにより、固定基板51上の第1接合膜531形成部分以外にレジスト61(リフトオフパターン)を形成し、厚さ寸法D3のポリオルガノシロキサンが用いられたプラズマ重合膜をプラズマCVD法等により成膜する。そして、レジスト61を除去することで、図7(E)に示すように、第1接合膜531を第1接合面515上に形成する。
以上により、固定基板51が形成される。
【0056】
(5−2.可動基板製造工程)
まず、可動基板52の形成素材である厚み寸法が200μmの石英ガラス基板を用意し、このガラス基板の表面粗さRaが1nm以下となるまで両面を精密研磨する。そして、可動基板52の全面にレジスト62を塗布し、塗布されたレジスト62をフォトリソグラフィ法により露光・現像して、図8(A)に示すように、連結保持部523が形成される箇所をパターニングする。
次に、石英ガラス基板をウェットエッチングすることで、図8(B)に示すように、厚さ50μmの連結保持部523が形成されるとともに、可動部522が形成される。そして、図8(C)に示すように、レジスト62を除去することで、可動部522及び連結保持部523が形成された可動基板52の基板形状が決定される。
【0057】
次に、図8(D)に示すように、連結保持部523の固定基板51に対向する側の面に第2駆動電極562を形成し、第2駆動電極562の外周縁の一部から第2電極面525に向けて延びる第2引出電極562Aを形成する。さらに、可動面522Aに可動ミラー55を形成する。
具体的に、可動基板52の固定基板51に対向する面にAu/Cr積層膜をスパッタリング法等により成膜する。そして、Au/Cr積層膜の上に、所望の電極パターンとなるレジストを形成し、Au/Cr積層膜をフォトエッチングすることで、図8(D)に示すように、連結保持部523の固定基板51に対向する側の面に厚さ寸法D2の第2電極562が形成される。この後、可動基板52の固定基板51に対向する面に残ったレジストを除去する。
さらに、可動ミラー55は、リフトオフプロセス等により成膜される。すなわち、フォトリソグラフィ法などにより、可動基板52上のミラー形成部分以外にレジスト(リフトオフパターン)を形成し、TiO−SiO系の薄膜をスパッタリング法または蒸着法により成膜する。そして、可動ミラー55を成膜した後、リフトオフにより、可動面522A以外の薄膜を除去する。
【0058】
次に、図8(E)に示すように、フォトリソグラフィ法などにより、可動基板52上の第2接合膜532形成部分以外にレジスト62(リフトオフパターン)を形成し、厚さ寸法D4のポリオルガノシロキサンが用いられたプラズマ重合膜をプラズマCVD法等により成膜する。そして、レジスト62を除去することで、図8(F)に示すように、第2接合膜532が第2接合面524に形成される。
以上により、可動基板52が形成される。
【0059】
(5−3.接合工程)
次に、前述の固定基板製造工程及び可動基板製造工程で形成された各基板51,52を接合する。具体的には、各基板51,52の接合面515,524に形成された接合膜53を構成するプラズマ重合膜に活性化エネルギーを付与するために、Oプラズマ処理またはUV処理を行う。Oプラズマ処理は、O流量30cc/分、圧力27Pa、RFパワー200Wの条件で30秒間実施する。また、UV処理は、UV光源としてエキシマUV(波長172nm)を用いて3分間処理を行う。プラズマ重合膜に活性化エネルギーを付与した後、2つの基板51,52のアライメントを行い、各接合膜531,532を介して各接合面515,524を重ね合わせて、接合部分に荷重をかけることにより、基板51,52同士を接合させる。
【0060】
ここで、各基板51,52の接合前における、第1導通電極563の厚さ寸法D1、及び第2引出電極562Aの厚さ寸法D2は、第1接合膜531の厚さ寸法D3、及び第2接合膜532の厚さ寸法D4よりも大きく形成されている。
そして、第1接合膜531及び第2接合膜532が接合された各基板51,52の接合状態において、第1電極面516と第2電極面525とが圧接されることで、第1電極面516と第2電極面525との間の第1導通電極563の厚さ寸法D1、及び第2引出電極562Aの厚さ寸法D2は、接合前の状態よりも小さくなって、第1接合膜531の厚さ寸法D3、及び第2接合膜532の厚さ寸法D4と同一寸法となる。
以上により、エタロン5が製造される。
【0061】
〔6.第1実施形態の作用効果〕
上述の第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、各基板51,52の接合状態において、第1電極面516に形成された第1導通電極563と第2電極面525に形成された第2電極562の第2引出電極562Aとが接触するので、従来の上述した電極間を導通させるためのAgペースト等を形成する必要がなく、簡素な構成で電極562,563間を導通させることができる。すなわち、電極562,563間を導通させるための構成を別途設ける必要がなく、各基板51,52同士を、接合膜531,532を介して接合するのみで、電極561,562間の導通を可能にすることができる。
【0062】
また、第1電極面516と、第1接合面515とが同一平面であり、第2電極面525と、第2接合面524とが同一平面である。このため、製造工程において、同時に、第1接合面515及び第1電極面516、または第2接合面524及び第2電極面525を製造でき、製造工程を簡素化できる。
【0063】
また、固定基板51及び可動基板52の接合前において、第1導通電極563の厚み寸法D1と第2引出電極562Aの厚み寸法D2の和は、接合膜531,532の厚み寸法の和(D3+D4)よりも大きく、接合工程において、第1導通電極563及び第2引出電極562Aが圧接されて面接触する。したがって、第1導通電極563と、第2引出電国562Aとをより確実に導通させることができ、接続信頼性を向上させることができる。
そして、平面視において、第1電極面516及び第2電極面525が設けられる領域と、変位部521との間に、接合膜531,532により接合される第1接合面515および第2接合面524が設けられている。このため、上記のように、第1導通電極563及び第2引出電極562Aが圧接された場合でも、圧接による応力が変位部521に伝達されず、連結保持部523の撓みや可動部522の傾斜を防止できる。
【0064】
[第2実施形態]
以下、本発明に係る第2実施形態について、図9及び図10を参照して説明する。
図9は、本実施形態におけるエタロン5Aが収納筐体7に収納された状態の概略断面図であり、図10は、収納筐体7に収納される前のエタロン5Aを示す概略断面図である。
なお、以下の説明では、前記第1実施形態と同一構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する
本実施形態における測色センサー3Aは、受光素子31(図1参照)、電圧制御部6(図1参照)、及びエタロン5Aの他、収納筐体7を備える。
【0065】
エタロン5Aの可動基板52には、第2電極面525に対応する位置に溝部527が形成されている。このため、第2電極面525と、溝部527の底面との間には、薄肉部528(可撓部)が形成されるため、この薄肉部528が弾性を有する。これにより、接合工程において、第1導通電極563および第2引出電極562Aが積層されることで、薄肉部528が固定基板51から離れる方向へ変形する。
ここで、薄肉部528の弾性力により、第1導通電極563および第2引出電極562Aが圧接される。
【0066】
また、収納筐体7は、図9に示すように、溝部527の底面を押圧する押圧部71を備える。そして、エタロン5Aが収納筐体7に収納されると、押圧部71が溝部527の底面を押圧するため、第1電極面516と第2電極面525との間の各電極562A,563がさらに圧接され、より確実に導通が確保される。
【0067】
上述の第2実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、各基板51,52同士が接合膜531,532を介して接合されると、薄肉部528が第1電極面516から離間する方向に変形するので、薄肉部528の弾性力により、第2電極面525が第1電極面516側に付勢される。このため、各電極面516,525に形成された第1導通電極563と第2引出電極562Aとが圧接されて、より確実に導通させることができる。
【0068】
また、エタロン5Aが収納筐体7に収納されており、収納筐体7の押圧部71が薄肉部528を第1電極面516側に押圧する。このため、各電極面516,525に形成された第1導通電極563と第2引出電極562Aとが圧接されて、さらに確実に面接触させることができ、確実に導通させることができる。また、エタロン5Aにおいて、形状等に個体差が生じた場合でも、各電極面516,525に形成された第1電極561の第1導通電極563と第2電極562の第2引出電極562Aとを確実に導通させることができる。
【0069】
[実施形態の変形]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施形態では、静電アクチュエーター56により、変位部521を変位させる構成としたが、その他の駆動機構を用いてもよい。例えば、図11に示すように、圧電アクチュエーター57により変位部521を変動させてもよい。
この図11に示すエタロン5Bでは、圧電アクチュエーター57は、可動基板52の連結保持部523の固定基板51に対向する側の面に設けられる。圧電アクチュエーター57は、一対の電極571,572と、この電極571,572に挟持された圧電体573とを備えている。
そして、一対の電極のうち、一方の電極571は、第2引出形成部に対向する領域に沿って配線され、第2電極面525まで延出し、第1電極面516に設けられた第1導通電極563と面接触して接続される。
他方の電極572においても図示は省略するが、同一の構成により、固定基板51に別途設けられた他の第1導通電極に接続すればよい。
このような構成によれば、一対の電極571,572に電圧が印加されると、圧電体573は印加された電圧を力に変換することで、伸縮するので変位部521を変動させることができる。
【0070】
前記各実施形態では、本発明に係る第1基板を固定基板51とし、本発明に係る第2基板を可動基板52として説明したが、前記第1基板を可動基板52とし、前記第2基板を固定基板51としてもよい。
前記各実施形態では、第1接合面515及び第2接合面524は、第1接合膜531及び第2接合膜532を介して接合されていたが、第1接合膜531のみで接合されてもよい。
前記各実施形態では、第1基準面F1から第1電極面516までの高さ寸法と、第1基準面F1から第1接合面515までの高さ寸法とが同一寸法であり、第2基準面F2から第2電極面525までの高さ寸法と、第2基準面F2から第2接合面524までの高さ寸法とが同一寸法であったが、これに限定されるものではない。例えば、第1電極面516と、第1接合面515とが異なる平面高さに形成されていてもよく、第2電極面525と、第2接合面524とが異なる平面高さに形成されていてもよい。この場合でも、第1導通電極563又は第2引出電極562Aの厚み寸法を制御することで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0071】
前記第2実施形態では、収納筐体7を備える測色センサー3Aを例示したが、収納筐体7を備えていない構成であってもよい。この構成では、各基板51,52の接合状態において、第1電極面516が可動基板52の薄肉部528を押し上げることで、薄肉部528に弾性力が作用し、弾性力により各電極562A,563を圧接されて導通されることができる。
また、押圧部71が収納筐体7に設けられた例を示したが、例えば、測色センサー3内に、薄肉部528を押圧する押圧部を別途設ける構成としてもよい。
【0072】
また、上記第2実施形態では、第2電極面525に対応する部分にのみダイアフラム状の薄肉部528を形成して本発明の可撓部とする構成を例示したが、これに限定されない。例えば、薄板状の可動基板52に対して、第2電極面525の外周縁を接合膜531,532で接合することで、第2電極面525の領域内のみに可撓性を持たせる構成としてもよい。
【0073】
さらに、上記各実施形態において、ミラー固定部512の可動基板52に対向するミラー固定面512Aが、電極固定面511Aよりも可動基板52に近接して形成される例を示したが、これに限らない。電極固定面511Aおよびミラー固定面512Aの高さ位置は、ミラー固定面512Aに固定される固定ミラー54、および可動基板52に形成される可動ミラー55の間のギャップの寸法、第1駆動電極561および第2駆動電極562の間の寸法、固定ミラー54や可動ミラー55の厚み寸法等により適宜設定される。したがって、例えば、電極固定面511Aとミラー固定面512Aとが同一面に形成される構成や、電極固定面511Aの中心部に、円筒凹溝上のミラー固定溝が形成され、このミラー固定溝の底面にミラー固定面が形成される構成などとしてもよい。
【0074】
また、電極561,562間のギャップ(電極間ギャップ)が、ミラー54,55間のギャップ(ミラー間ギャップ)よりも大きい場合、ミラー間ギャップを変化させるために大きな駆動電圧を必要となる。これに対して、上記のように、ミラーギャップが、電極間ギャップよりも大きくなる場合、ミラー間ギャップを変化させるための駆動電圧を小さくでき、省電力化を図ることができる。また、このような構成の波長可変干渉フィルターは、ミラー間ギャップが大きいため、特に長波長域の分光特性測定に対して有効であり、例えば、ガス分析等に用いる赤外光分析や、光通信を実施するためのモジュールに組み込むことができる。
【0075】
本発明の光分析装置として、測色装置1を例示したが、その他、様々な分野により本発明の波長可変干渉フィルター、光モジュール、光分析装置を用いることができる。
例えば、特定物質の存在を検出するための光ベースのシステムとして用いることができる。このようなシステムとしては、例えば、本発明の波長可変干渉フィルターを用いた分光計測方式を採用して特定ガスを高感度検出する車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器などのガス検出装置を例示できる。
このようなガス検出装置の一例を以下に図面に基づいて説明する。
【0076】
図12は、波長可変干渉フィルターを備えたガス検出装置の一例を示す概略図である。
図13は、図12のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。
このガス検出装置100は、図12に示すように、センサーチップ110と、吸引口120A、吸引流路120B、排出流路120C、および排出口120Dを備えた流路120と、本体部130と、を備えて構成されている。
本体部130は、流路120を着脱可能な開口を有するセンサー部カバー131、排出手段133、筐体134、光学部135、フィルター136、エタロン5(波長可変干渉フィルター)、および受光素子137(受光部)等を含む検出部(光モジュール)と、検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部138、電力を供給する電力供給部139等から構成されている。また、光学部135は、光を射出する光源135Aと、光源135Aから入射された光をセンサーチップ110側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子137側に透過するビームスプリッタ―135Bと、レンズ135C,135D,135Eと、により構成されている。なお、エタロン5を用いる構成を例示するが、上述したエタロン5A,5Bを用いる構成としてもよい。
また、図13に示すように、ガス検出装置100の表面には、操作パネル140、表示部141、外部とのインターフェイスのための接続部142、電力供給部138が設けられている。電力供給部139が二次電池の場合には、充電のための接続部143を備えてもよい。
さらに、ガス検出装置100の制御部138は、図13に示すように、CPU等により構成された信号処理部144、光源135Aを制御するための光源ドライバー回路145、エタロン5を制御するための電圧制御部146、受光素子137からの信号を受信する受光回路147、センサーチップ110のコードを読み取り、センサーチップ110の有無を検出するセンサーチップ検出器148からの信号を受信するセンサーチップ検出回路149、および排出手段133を制御する排出ドライバー回路150などを備えている。
【0077】
次に、上記のようなガス検出装置100の動作について、以下に説明する。
本体部130の上部のセンサー部カバー131の内部には、センサーチップ検出器148が設けられており、このセンサーチップ検出器148でセンサーチップ110の有無が検出される。信号処理部144は、センサーチップ検出器148からの検出信号を検出すると、センサーチップ110が装着された状態であると判断し、表示部141へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
【0078】
そして、例えば利用者により操作パネル140が操作され、操作パネル140から検出処理を開始する旨の指示信号が信号処理部144へ出力されると、まず、信号処理部144は、光源ドライバー回路145に光源作動の信号を出力して光源135Aを作動させる。光源135Aが駆動されると、光源135Aから単一波長で直線偏光の安定したレーザー光を射出される。また、光源135Aには、温度センサーや光量センサーが内蔵されており、その情報が信号処理部144へ出力される。そして、信号処理部144は、光源135Aから入力された温度や光量に基づいて、光源135Aが安定動作していると判断すると、排出ドライバー回路150を制御して排出手段133を作動させる。これにより、検出すべき標的物質(ガス分子)を含んだ気体試料が、吸引口120Aから、吸引流路120B、センサーチップ110内、排出流路120C、排出口120Dへと誘導される。
【0079】
また、センサーチップ110は、金属ナノ構造体が複数組み込まれ、局在表面プラズモン共鳴を利用したセンサーである。このようなセンサーチップ110では、レーザー光により金属ナノ構造体間で増強電場が形成され、この増強電場内にガス分子が入り込むと、分子振動の情報を含んだラマン散乱光、およびレイリー散乱光が発生する。
これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は、光学部135を通ってフィルター136に入射し、フィルター136によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光がエタロン5に入射する。そして、信号処理部144は、電圧制御部146を制御し、エタロン5に印加する電圧を調整し、検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光をエタロン5で分光させる。この後、分光した光が受光素子137で受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路147を介して信号処理部144に出力される。
信号処理部144は、上記のようにして得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータと、ROMに格納されているデータとを比較し、目的のガス分子か否かを判定し、物質の特定をする。また、信号処理部144は、表示部141にその結果情報を表示させたり、接続部142から外部へ出力したりする。
【0080】
なお、上記図12,13において、ラマン散乱光をエタロン5により分光して分光されたラマン散乱光からガス検出を行うガス検出装置100を例示したが、ガス検出装置として、ガス固有の吸光度を検出することでガス種別を特定するガス検出装置として用いてもよい。この場合、センサー内部にガスを流入させ、入射光のうちガスにて吸収された光を検出するガスセンサーを本発明の光モジュールとして用いる。そして、このようなガスセンサーによりセンサー内に流入されたガスを分析、判別するガス検出装置を本発明の光分析装置とする。このような構成でも、本発明の波長可変干渉フィルターを用いてガスの成分を検出することができる。
【0081】
また、特定物質の存在を検出するためのシステムとして、上記のようなガスの検出に限られず、近赤外線分光による糖類の非侵襲的測定装置や、食物や生体、鉱物等の情報の非侵襲的測定装置等の、物質成分分析装置を例示できる。
以下に、上記物質成分分析装置の一例として、食物分析装置を説明する。
【0082】
図14は、エタロン5を利用した光分析装置の一例である食物分析装置の概略構成を示す図である。なお、ここではエタロン5を用いているが、エタロン5A,5Bを用いる構成としてもよい。
この食物分析装置200は、図14に示すように、検出器210(光モジュール)と、制御部220と、表示部230と、を備えている。検出器210は、光を射出する光源211と、測定対象物からの光が導入される撮像レンズ212と、撮像レンズ212から導入された光を分光するエタロン5(波長可変干渉フィルター)と、分光された光を検出する撮像部213(受光部)と、を備えている。
また、制御部220は、光源211の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部221と、エタロン5を制御する電圧制御部222と、撮像部213を制御し、撮像部213で撮像された分光画像を取得する検出制御部223と、信号処理部224と、記憶部225と、を備えている。
【0083】
この食物分析装置200は、システムを駆動させると、光源制御部221により光源211が制御されて、光源211から測定対象物に光が照射される。そして、測定対象物で反射された光は、撮像レンズ212を通ってエタロン5に入射する。エタロン5は電圧制御部222の制御により所望の波長を分光可能な電圧が印加されており、分光された光が、例えばCCDカメラ等により構成される撮像部213で撮像される。また、撮像された光は分光画像として、記憶部225に蓄積される。また、信号処理部224は、電圧制御部222を制御してエタロン5に印加する電圧値を変化させ、各波長に対する分光画像を取得する。
【0084】
そして、信号処理部224は、記憶部225に蓄積された各画像における各画素のデータを演算処理し、各画素におけるスペクトルを求める。また、記憶部225には、例えばスペクトルに対する食物の成分に関する情報が記憶されており、信号処理部224は、求めたスペクトルのデータを、記憶部225に記憶された食物に関する情報を基に分析し、検出対象に含まれる食物成分、およびその含有量を求める。また、得られた食物成分および含有量から、食物カロリーや鮮度等をも算出することができる。さらに、画像内のスペクトル分布を分析することで、検査対象の食物の中で鮮度が低下している部分の抽出等をも実施することができ、さらには、食物内に含まれる異物等の検出をも実施することができる。
そして、信号処理部224は、上述のようにした得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部230に表示させる処理をする。
【0085】
また、図14において、食物分析装置200の例を示すが、略同様の構成により、上述したようなその他の情報の非侵襲的測定装置としても利用することができる。例えば、血液等の体液成分の測定、分析等、生体成分を分析する生体分析装置として用いることができる。このような生体分析装置としては、例えば血液等の体液成分を測定する装置として、エチルアルコールを検知する装置とすれば、運転者の飲酒状態を検出する酒気帯び運転防止装置として用いることができる、また、このような生体分析装置を備えた電子内視鏡システムとしても用いることができる。
さらには、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
【0086】
さらには、本発明の波長可変干渉フィルター、光モジュール、光分析装置としては、以下のような装置に適用することができる。
例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、光モジュールに設けられた波長可変干渉フィルターにより特定波長の光を分光し、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このようなデータ抽出用光モジュールを備えた光分析装置により、各波長の光のデータを処理することで、光通信を実施することもできる。
【0087】
また、光分析装置としては、本発明の波長可変干渉フィルターにより光を分光することで、分光画像を撮像する分光カメラ、分光分析機などにも適用できる。このような分光カメラの一例として、波長可変干渉フィルターを内蔵した赤外線カメラが挙げられる。
図15は、分光カメラの概略構成を示す模式図である。分光カメラ300は、図15に示すように、カメラ本体310と、撮像レンズユニット320と、撮像部320とを備えている。
カメラ本体310は、利用者により把持、操作される部分である。
撮像レンズユニット320は、カメラ本体310に設けられ、入射した画像光を撮像部320に導光する。また、この撮像レンズユニット320は、図15に示すように、対物レンズ321、結像レンズ322、及びこれらのレンズ間に設けられたエタロン5を備えて構成されている。
撮像部320は、受光素子により構成され、撮像レンズユニット320により導光された画像光を撮像する。
このような分光カメラ300では、エタロン5により撮像対象となる波長の光を透過させることで、所望波長の光の分光画像を撮像することができる。
【0088】
さらには、本発明の波長可変干渉フィルターをバンドパスフィルターとして用いてもよく、例えば、発光素子が射出する所定波長域の光のうち、所定の波長を中心とした狭帯域の光のみを波長可変干渉フィルターで分光して透過させる光学式レーザー装置としても用いることができる。
また、本発明の波長可変干渉フィルターを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた、血管や指紋、網膜、虹彩などの認証装置にも適用できる。
【0089】
さらには、光モジュールおよび光分析装置を、濃度検出装置として用いることができる。この場合、波長可変干渉フィルターにより、物質から射出された赤外エネルギー(赤外光)を分光して分析し、サンプル中の被検体濃度を測定する。
【0090】
上記に示すように、本発明の波長可変干渉フィルター、光モジュール、および光分析装置は、入射光から所定の光を分光するいかなる装置にも適用することができる。そして、本発明の波長可変干渉フィルターは、上述のように、1デバイスで複数の波長を分光させることができるため、複数の波長のスペクトルの測定、複数の成分に対する検出を精度よく実施することができる。したがって、複数デバイスにより所望の波長を取り出す従来の装置に比べて、光モジュールや光分析装置の小型化を促進でき、例えば、携帯用や車載用の光学デバイスとして好適に用いることができる。
【0091】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【符号の説明】
【0092】
1…測色装置(光分析装置)、3,3A…測色センサー(光モジュール)、5,5A,5B…エタロン(波長可変干渉フィルター)、31…受光部、43…測色処理部(分析処理部)、51…固定基板(第1基板)、52…可動基板(第2基板)、54…固定ミラー(第1反射膜)、55…可動ミラー(第2反射膜)、100…ガス検出装置(光分析装置)、137…受光素子(受光部)、138…信号処理部(分析処理部)、200…食物分析装置(光分析装置)、210…検出器(光モジュール)、213…撮像部(受光部)、224…信号処理部(分析処理部)、300…分光カメラ(光分析装置)、320…撮像部(受光部)、515…第1接合面、516…第1電極面、524…第2接合面、525…第2電極面、528…薄肉部(可撓部)、531…第1接合膜(接合膜)、532…第2接合膜(接合膜)、561…第1駆動電極、562…第2駆動電極、562A…第2引出電極(第2電極)、563…第1導通電極(第1電極)、571…電極(第2電極)、G…ミラー間ギャップ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板と互いに対向する第2基板と、
前記第1基板の前記第2基板に対向する面に設けられた第1反射膜と、
前記第2基板に設けられ、前記第1反射膜と所定のギャップを介して対向する第2反射膜と、
前記第1基板の前記第2基板に対向する面に設けられた第1電極と、
前記第2基板に設けられ、前記第1電極と対向する第2電極と、を備え、
前記第1基板は、前記第1電極の一部が形成される第1電極面を備え、
前記第2基板は、前記第2電極の一部が形成される第2電極面を備え、
前記第1電極面上の第1電極は、前記第2電極面上の第2電極に接触して電気的に接続された
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
【請求項2】
請求項1に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記第2基板の前記第2電極面が設けられる部位は、前記第2基板の厚み方向に対して可撓性を有する可撓部である
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
【請求項3】
請求項2に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記第1基板および前記第2基板は、接合膜を介して互いに接合され、
前記第1電極面上の前記第1電極の厚み寸法と、前記第2電極面上の前記第2電極の厚み寸法との和は、前記接合膜の厚み寸法より大きい
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記第1基板は、前記第2基板に対向する面に設けられた第1接合面を備え、
前記第2基板は、前記第1接合面に対向し、接合膜を介して前記第1接合面に接合された第2接合面を備え、
前記第1電極面および前記第1接合面は、同一平面上に設けられ、
前記第2電極面および前記第2接合面は、同一平面上に設けられた
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の波長可変干渉フィルターと、
前記波長可変干渉フィルターを透過した検査対象光を受光する受光部と、
を備えたことを特徴とする光モジュール。
【請求項6】
請求項5に記載の光モジュールにおいて、
前記第1電極面及び前記第2電極面を互いに近接する方向に押圧する押圧部を備えた
ことを特徴とする光モジュール。
【請求項7】
請求項6に記載の光モジュールにおいて、
前記波長可変干渉フィルターを収納する収納筐体を備え、
前記押圧部は、前記収納筐体に設けられた
ことを特徴とする光モジュール。
【請求項8】
請求項5から請求項7のいずれかに記載の光モジュールと、
前記光モジュールの前記受光部により受光された光に基づいて、前記検査対象光の光特性を分析する分析処理部と、を備えた
ことを特徴とする光分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−168438(P2012−168438A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30724(P2011−30724)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】