液晶表示パネル
【課題】視角特性の対称性に優れたMVAモードの液晶表示パネルを提供する。
【解決手段】アレイ基板101及び対向基板102と、負の誘電異方性を有する液晶組成物を含みアレイ基板101及び対向基板102間に挟持される液晶層190と、アレイ基板101及び対向基板102の少なくとも一方において所定方向に伸びるようにして並べられ、液晶層190内に得られる電界の傾きを制御して液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が所定方向に直交する複数の配向領域Iに液晶層190を配向分割する複数の傾き制御部15、18とを備え、液晶層190は液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が所定方向に直交する方向からずれた複数の配向緩和領域A〜Hを有し、複数の配向緩和領域A〜Hの平均的なダイレクタ方向の単位ベクトルnをこれら配向緩和領域の面積Sでそれぞれ重み付けしたベクトル値の総和がゼロを含む所定の範囲内に設定される。
【解決手段】アレイ基板101及び対向基板102と、負の誘電異方性を有する液晶組成物を含みアレイ基板101及び対向基板102間に挟持される液晶層190と、アレイ基板101及び対向基板102の少なくとも一方において所定方向に伸びるようにして並べられ、液晶層190内に得られる電界の傾きを制御して液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が所定方向に直交する複数の配向領域Iに液晶層190を配向分割する複数の傾き制御部15、18とを備え、液晶層190は液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が所定方向に直交する方向からずれた複数の配向緩和領域A〜Hを有し、複数の配向緩和領域A〜Hの平均的なダイレクタ方向の単位ベクトルnをこれら配向緩和領域の面積Sでそれぞれ重み付けしたベクトル値の総和がゼロを含む所定の範囲内に設定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチドメイン型VANモードに関するもので、特にTFTなどの能動素子により駆動される液晶表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶素子を用いた表示装置は、軽量、薄型、低消費電力などの特徴を有するために、OA機器、情報端末、時計、テレビ等さまざまな分野に応用されている。特に薄膜トランジスタ素子(以下、TFT)を用いた液晶表示パネルは、その応答性から携帯テレビやコンピュータなど多くの情報を含むデータの表示用モニタに用いられている。
【0003】
近年、情報量の増加に伴い高精細化や高速応答性が要求され始めている。高精細化にはTFTアレイ構造の微細化により対応がなされている。一方、高速応答性ではネマチック液晶を用いたOCB方式、VAN方式、HAN方式、π配列方式、スメクチック液晶を用いた界面安定型強誘電性液晶(SSFLC)方式、反強誘電性液晶(AFLC)方式が検討されている。
【0004】
特に、VAN型配向モードは、従来のツイストネマチック型(TN)モードより速い応答速度が得られることや、垂直配向処理の採用により従来静電気破壊など不良原因の発生が危惧されていたラビング配向処理工程を削除可能なことから近年注目されている液晶表示モードである。さらに、VAN型モードでは視野角の補償設計が比較的容易なことから広い視野角を実現するためのマルチドメイン型VAN(MVA)モードが注目されている(特許文献1参照)。
【0005】
図1は、MVAモードを採用した従来の液晶表示パネルの構成を概略的に示す平面図である。図1に示す液晶表示パネルは、アレイ基板と対向基板とで液晶層を挟持した構造となっている(いずれも図示せず)。アレイ基板の対向基板と対向する面上には、互いに離間された複数の画素電極151が配列されている。なお、これら画素電極151にはそれぞれ電極スリット15が設けられている。また、対向基板の対向面上には共通電極(図示せず)および畝状構造体18が形成されている。
【0006】
この液晶表示パネルにおいて、液晶層の画素電極151に対応する部分に液晶分子の配向方向が互いに異なる複数のドメインを形成している。図1に示す液晶表示パネルでは、各画素電極151上の領域を液晶分子の配向方向が互いに異なる複数のドメイン22a〜22dで構成することにより視野角が補償されている。
【0007】
MVAモードを採用した液晶表示パネル1では、各ドメイン22a〜22dでの液晶分子の配列状態が表示品位に影響を与える。例えば、ドメイン22aで液晶分子の配列に乱れが生じた場合、ドメイン22a〜22d間で光透過率が異なることになり、表示ムラとして視認されてしまう。そのため、各ドメイン22a〜22dでの液晶分子配列の乱れを極力防止する必要があるが、従来のMVAモードの液晶表示パネルでは、そのような乱れの発生を避けるのが難しかった。
【0008】
図2A、図2B、及び図2Cは、それぞれ、図1に示す従来の液晶表示パネル1における液晶分子の配列状態を概略的に示す図である。図2Aはドメイン22dにおける液晶分子の配列状態を、液晶表示パネル1の基板面に垂直な方向から観察した場合を示している。また、図2B、図2Cは、それぞれ、図2Aに示す破線25、26内における液晶分子の配列状態を示している。
【0009】
図2Aに示すように、対向基板102上に形成された畝状構造体18の近傍に位置する液晶分子21aは、畝状構造体18の延びる方向に対して垂直な方向に配向している。ここで、ドメイン22d内で、すべての液晶分子が液晶分子21aと同様に、畝状構造体18の延びる方向に対して略垂直な方向に配向している領域を配向領域と呼ぶことにする。
【0010】
しかし、アレイ基板101上に形成された画素電極151とその下地との境界部も液晶分子の配向状態に影響を与えるため、画素電極151の端部近傍に位置する液晶分子21bは、画素電極151の輪郭を構成する辺に対して略垂直に配向する。
【0011】
そのため、図2Bに示すように破線25内の領域では液晶分子21bはアレイ基板101側から対向基板102側に向けて左回りの螺旋構造を形成するように配列し、図2Cに示すように、破線26内の領域では液晶分子21bはアレイ基板101側から対向基板102側に向けて右回りの螺旋構造を形成するように配列する。上記の領域における液晶分子のダイレクタの平均方向は、畝状構造体18の延びる方向に直交する方向から少しずれる。以下では、上記のように、液晶分子が畝状構造体に略垂直に配向されない領域を配向緩和領域と呼ぶことにする。
【0012】
上記の配向緩和領域が生じることによって、液晶表示パネルの透過率が低下する場合があった。また、上記の配向緩和領域では、液晶分子の配向に歪みが生じ不安定となる為、弾性エネルギーが最小となる安定な配向状態になるまで時間がかかり、残像として視認されることがあった。
【0013】
さらに、この配向緩和領域が複数形成されたとき、各ドメイン内での液晶分子のダイレクタの方向が不均一となり、液晶分子の配向方向によって応答時間が異なり、観察する方向で明るさや残像の見え方に差が生じ、視角特性の対称性が悪化するという問題が生じることがあった。
【特許文献1】特開2003−287753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、配向緩和領域においての液晶分子の平均的なダイレクタ方向が不均一になることによって、応答時間のばらつきによる明るさや残像の見え方等の視角特性が非対称となることを防止し、視角特性の対称性に優れたMVAモードの液晶表示パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の態様による液晶表示パネルは、第1および第2電極基板と、負の誘電異方性を有する液晶組成物を含み前記第1及び第2電極基板間に挟持される液晶層と、前記第1及び第2電極基板の少なくとも一方において所定方向に伸びるようにして並べられ、前記第1及び第2電極基板間に印加される電圧により前記液晶層内に得られる電界の傾きを制御して液晶分子の平均的なダイレクタ方向が前記所定方向に直交する複数の配向領域に前記液晶層を配向分割する複数の傾き制御部と、を備え、前記液晶層は液晶分子の平均的なダイレクタ方向が前記傾き制御部による電界の傾き制御において前記所定方向に直交する方向からずれた複数の配向緩和領域を有し、前記複数の配向緩和領域の平均的なダイレクタ方向の単位ベクトルをこれら配向緩和領域の面積でそれぞれ重み付けしたベクトル値の総和がゼロを含む所定の範囲内に設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、配向緩和領域においての液晶分子の平均的なダイレクタ方向が不均一になることによって、応答時間のばらつきによる明るさや残像の見え方等の視角特性が非対称となることを防止し、視角特性の対称性に優れたMVAモードの液晶表示パネルを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る液晶表示パネル100について図面を参照して説明する。本発明の一実施形態に係る液晶表示パネル100は、例えば、アクティブマトリクス型液晶表示パネルであって、MVAモードで表示を行う。
【0018】
図3及び図4に示すように、液晶表示パネル100は、アレイ基板101と、このアレイ基板101に対向配置された対向基板102と、負の誘電異方性を有する液晶組成物を含みアレイ基板101と対向基板102との間に挟持された液晶層190とを備えている。
【0019】
上記のような液晶表示パネル100において、画像を表示する表示領域103は、アレイ基板101と対向基板102とを貼り合わせる外縁シール部材106によって囲まれた領域内に形成されている。表示領域103の外周に沿って配置された周辺領域104は、外縁シール部材106の外側の領域に形成され、額縁状に形成された遮光領域141を有している。
【0020】
アレイ基板101は、表示領域103においてマトリクス状に配置されたm×n個の画素電極151、これら画素電極151の行方向に沿って形成されたm本の走査線Y(Y1〜Ym)、これら画素電極151の列方向に沿って形成されたn本の信号線X(X1〜Xn)、及び、各画素電極151に対応して走査線Y及び信号線Xの交差位置近傍にスイッチング素子として配置されたm×n個の薄膜トランジスタ(以下、画素TFT)121を有している。また、周辺領域104において、アレイ基板101は、走査線Yを駆動する走査線駆動回路118、信号線Xを駆動する信号線駆動回路119等を有している。
【0021】
図5に示すように、アレイ基板101は、表示領域103において、ガラス基板などの透明な絶縁性基板111上に、画素TFT121、及び画素TFT121を含む表示領域103を覆って形成されるカラーフィルタ層124を備えている。カラーフィルタ層は、赤色の着色層124R、緑色の着色層124G、及び青色の着色層124Bを備えている。
【0022】
さらに、アレイ基板101のカラーフィルタ層124上には、画素電極151、柱状スペーサ131、及び、配向膜113Aを備えている。配向膜113Aは、複数の画素電極151全体を覆うように形成されている。また、アレイ基板101は、周辺領域104において、表示領域103の外周に沿って、透明基板の遮光領域141に配置された遮光層SPを備えている。
【0023】
信号線Xは、層間絶縁膜176を介して、走査線Yおよび補助容量線152に対して略直交するように配置されている。補助容量線152は、走査線Yと同一の層に同一の材料によって形成されているとともに、走査線Yに対して略平行に形成されている。補助容量線152の一部は、ゲート絶縁膜162を介して補助容量電極161に対向配置されている。この補助容量電極161は、不純物ドープされたポリシリコン膜によって形成されている。
【0024】
これら信号線X、走査線Y、及び補助容量線152等の配線部は、例えば、アルミニウムやモリブデン−タングステン等の遮光性を有する低抵抗材料によって形成されている。本実施形態では、走査線Y及び補助容量線152は、モリブデン−タングステンによって形成され、信号線Xは、主にアルミニウムによって形成されている。
【0025】
画素TFT121は、補助容量電極161と同層のポリシリコン膜によって形成された半導体層112を有している。この半導体層112は、ガラス基板上に配置されたアンダーコーティング層上に配置され、チャネル領域112Cの両側にそれぞれ不純物をドープすることによって形成されたドレイン領域112D及びソース領域112Sを有している。この画素TFT121は、ゲート絶縁膜162を介して半導体層112に対向して配置された走査線Yと一体のゲート電極163を備えている。
【0026】
画素TFT121のドレイン電極188は、信号線Xと一体に形成され、ゲート絶縁膜162及び層間絶縁膜176を貫通するコンタクトホール177を介して半導体層112のドレイン領域112Dに電気的に接続されることによって形成されている。画素TFT121のソース電極189は、ゲート絶縁膜162及び層間絶縁膜176を貫通するコンタクトホール178を介して半導体層112のソース領域112Sに電気的に接続されることによって形成されている。
【0027】
アレイ基板101の層間絶縁膜176上に、カラーフィルタ層124が設けられている。さらに、カラーフィルタ層124上の画素電極151が形成されている。画素電極151は、カラーフィルタ層124上にそれぞれ形成されるITO等の透過性導電部材によって形成され、図示しない電極スリットによって複数の領域に分割されている。
【0028】
画素電極151は、カラーフィルタ層124を貫通するスルーホール126を介して画素TFT121のソース電極189に電気的に接続されている。各画素TFT121は、走査線Y、及び信号線Xに接続され、走査線Yからの駆動電圧により導通し信号電圧を画素電極151に印加する。
【0029】
補助容量電極161は、ゲート絶縁膜162及び層間絶縁膜176を貫通するコンタクトホール179を介して信号線Xと同一材料によって形成されたコンタクト電極180に電気的に接続されている。これにより、画素TFT121のソース電極189、画素電極151、及び補助容量電極161は、同電位となる。
【0030】
柱状スペーサ131は、アレイ基板101と対向基板102との間に所定のギャップを形成している。
【0031】
対向基板102は、ガラス基板などの透明な絶縁性基板111上に形成された対向電極153、及び、この対向電極153を覆う配向膜113Bを有している。対向電極153は、アレイ基板101側の複数の画素電極151全体に対向するように配置されるITO等の光透過性導電部材によって形成されている。
【0032】
対向電極153には、図5には示していない畝状構造体が形成されている。アレイ基板101の電極スリット、及び、対向基板102の畝状構造体は、アレイ基板101と対向基板102との間に印加される電界の傾きを制御するための傾き制御部である。
【0033】
上記の液晶表示パネル100の電極スリット及び畝状構造体は、各画素電極151に対応して、例えば図6に示すようなパターンに形成されている。電極スリット15及び畝状構造体18は、画素電極151の輪郭を形成する周縁に対して角度を成して、所定方向に延びるようにして並べられた複数の第1傾き制御部、つまり、複数の第1電極スリット15A及び複数の第1畝状構造体18Aを有している。第1電極スリット15A及び第1畝状構造体18Aは、互いに平行に延びて、液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が、所定方向に略直交する配向領域Iを形成している。
【0034】
また、電極スリット15及び畝状構造体18は、第1電極スリット15A及び第1畝状構造体18Aが延びる所定方向とは異なる第2所定方向に延びるように並べられた複数の第2傾き制御部、つまり、複数の第2電極スリット15B及び複数の第2畝状構造体18Bを有している。第2電極スリット15B及び第2畝状構造体18Bは、互いに平行に延びて、液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が第2所定方向に略直交する複数の配向領域Iを形成している。
【0035】
また、対向基板102には、画素電極151の周縁に沿って、アレイ基板101と対向基板102との間に印加される電界の傾きを補正して、液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が所定方向及び第2所定方向に直交するように傾き補正部19が形成されている。
【0036】
このとき、液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向は、図6の矢印に示す方向となる。各画素電極151上には、全ての液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が、第1または第2傾き制御部の延びる方向、つまり、第1電極スリット15A、及び第1畝状構造体18Aの延びる方向、または第2電極スリット15B及び第2畝状構造体18Bの延びる方向に直交する方向となる、複数の配向領域Iが形成される。
【0037】
このとき、液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が、第1または第2傾き制御部の延びる方向に対して直交する方向からずれた複数の配向緩和領域A〜Hとが形成される。
【0038】
ここで、配向緩和領域A〜Hそれぞれにおける液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向の単位ベクトルをn(A)〜n(H)とし、各配向緩和領域A〜Hの面積をS(A)〜S(H)とした。このとき、各画素電極151上において、第1傾き制御部15A、18A、第2傾き制御部15B、18B、及び傾き補正部19は、単位ベクトルn(A)〜n(H)を面積S(A)〜S(H)で重み付けしたベクトル値(n・S)の総和(Σn・S)がゼロを含む所定の範囲内に設定されるように形成されている。
【0039】
このことから、上記の液晶表示パネル100によれば、配向緩和領域A〜Hにおいて液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が不均一になることによって、応答時間のばらつきによる明るさや残像の見え方等の視角特性が非対称となることを防止することができる。よって、視角特性の対称性に優れたMVAモードの液晶表示パネル100を提供することができる。
【0040】
さらに、上記の実施形態では、各画素電極151の周縁に沿って形成された傾き補正部が備えられている。このことによって、各配向緩和領域A〜Hにおける液晶分子190A
のダイレクタ方向のばらつきを抑制して、液晶分子190Aが特定の方向に配向されるように補正することができる。
【0041】
よって、単位ベクトルn(A)〜n(H)を面積S(A)〜S(H)で重み付けしたベクトル値(n・S)の総和(Σn・S)がゼロを含む所定の範囲内となるように、第1及び第2傾き制御部を設計し、かつ傾き補正部19を設けることによって、より視角特性の対称性に優れた液晶表示パネル100を得ることができる。
【0042】
次に、本発明に係る液晶表示パネル100の第1製造例について説明する。図6に示すように、画素電極151は、第1電極スリット15A及び第2電極スリット15Bによって複数の領域に分割されている。
【0043】
本製造例は、対向基板102側にカラーフィルタ層124が形成され、カラーフィルタ層124を形成した後に、アクリル系の樹脂によって第1畝状構造体18A及び第2畝状構造体18Bが形成されている。第1畝状構造体18A及び第2畝状構造体18Bは、それぞれ第1電極スリット15A及び第2電極スリット15Bと平行に延びるように並んでいる。なお、図6では、ブラックマトリクス等は省略している。
【0044】
また、対向基板102には、画素電極151の周縁に沿って形成され、アレイ基板101と対向基板102との間に印加される電界の傾きを補正する傾き補正部19を有している。
【0045】
アレイ基板101及び対向基板102に平行な方向における、電極スリット15と畝状構造体18との距離、例えば、第1電極スリット15A及び第1畝状構造体18Aとの距離D1は、概略30μmとなっている。アレイ基板101と対向基板102とには、垂直性を示す配向膜を70nm厚さで塗布した。
【0046】
上記以外の点は、前述の実施形態で説明した液晶表示パネル100と同様の構成になっているため、同じ符号を付して説明を省略する。
【0047】
次に、本発明に係る液晶表示パネル100の第2製造例について説明する。本製造例では、図7に示すようにアレイ基板101と対向基板102とに平行な方向における電極スリット15と畝状構造体18との距離、例えば第1電極スリット15Aと第2畝状構造体18Aとの距離D2が概略20μmとなっている。上記の点以外は第1製造例と同様の構成となっているため、同様の符号を付して説明を省略する。
【0048】
次に第3製造例について説明する。図8に示すように、電極スリット15及び畝状構造体18は第2製造例と同様のパターンに形成されている。また、本製造例では、対向基板102側に、各画素電極151の周縁に沿って遮光層SPが形成されている。遮光層SPは、一部の配向緩和領域を遮光するブラックマトリクスBMを有している。
【0049】
また、本製造例では、第2製造例において傾き補正部19が形成されていた各画素電極151の周縁が遮光層SPで覆われるため傾き補正部19は形成されない。上記の点以外は第2製造例と同様の構成となっているため、同様の符号を付して説明を省略する。
【0050】
上記の第1〜第3製造例の液晶表示パネル100で白表示させて、1画素を顕微鏡により観察し、配向緩和領域A〜Hの平均的なダイレクタ方向と、各配向緩和領域A〜Hの1画素開口面積に対する割合を算出した。次に、白と黒とを交互に表示する状態で目視観察を行った。これらの結果を図9に示す。
【0051】
ただし、図9で示した角度は、図6乃至図8に示す画素部の長手方向に沿った上方を90°、下方を270°とし、画素部の長手方向に略直交方向に沿った左方向を180°、右方向を0°と定義したものである。
【0052】
第1製造例の液晶表示パネル100を、画面に向かって右側からみた場合、残像がうっすら見え、左側から見た場合、残像が酷く見えた。上下方向は上下とも同程度に残像がうっすら見えた。
【0053】
第2製造例の液晶表示パネル100では、左右方向とも第1製造例より程度は軽いが、残像がうっすら見え、第1製造例と同様に、左側から見た場合の方が残像は若干酷く見えた。上下方向は上下とも同程度に残像がうっすら見えた。
【0054】
第3製造例の液晶表示パネル100では、上下左右とも残像はうっすら見えたが、上下左右とも見え方に違いは無かった。
【0055】
上記の結果から第1製造例では、ダイレクタの方向が概略112.5°方向(配向緩和領域C)と247.5°方向(配向緩和領域F)との領域がそれぞれ8.3%あり、これらは他の配向緩和領域A、D、E、Hを考慮してもキャンセルされない成分となる(Σn・S=0でない)為、残像の見え方が左右で違った状態になっている。
【0056】
第2製造例では、キャンセルされない成分である配向緩和領域Dと配向緩和領域Eとの面積が第1製造例の概略半分の4.2%であるため、残像の見え方が左右で違うものの、第1製造例と比較して残像の発生が抑制されている。
【0057】
さらに、第3製造例では、第2製造例においてキャンセルされない成分が存在した配向緩和領域Dと配向緩和領域Eとの一部を、ブラックマトリクスBMが覆い隠している為、残像の見え方が左右で同様になっている。
【0058】
このことから、配向緩和領域A〜Hそれぞれの領域で、液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向の単位ベクトルn(A)〜n(H)をその面積S(A)〜S(H)で重み付けしたベクトル値(n・S)の総和(Σn・S)がゼロを含む所定の範囲内に設定されることで、どの方向から見ても画質の均一な液晶表示パネル100を作製することが可能となる。
【0059】
よって、本発明によれば、配向緩和領域A〜Hにおいての液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が不均一になることによって、応答時間のばらつきによる明るさや残像の見え方等の視角特性が非対称となることを防止し、視角特性の対称性に優れたMVAモードの液晶表示パネル100を提供することができる。
【0060】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0061】
例えば、上記の実施形態及び第1乃至第3製造例ではアレイ基板101に電極スリット15を形成し、対向基板102に畝状構造体18を形成したが、アレイ基板101及び対向基板102の両方に電極スリット15を形成しても良く、またはアレイ基板101及び対向基板102の両方に畝状構造体18を形成しても良い。さらには、電極スリット15や畝状構造体18の形状は棒状でも良い。
【0062】
また、画素電極151及び対向電極153上には、配向膜113のみを配置したが、構造によっては、これらの電極上に種々の用途に応じて絶縁膜を配置してもよい。この場合、絶縁膜は、例えばSiO2、SiNx、Al2O3などの無機系薄膜、ポリイミド、フォトレジスト樹脂、高分子液晶など有機系薄膜などを用いることができる。この絶縁膜が無機系薄膜の場合には、蒸着法、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、あるいは溶液塗布法などによって形成できる。
【0063】
また、絶縁膜が有機系薄膜の場合には、有機物質を溶かした溶液またはその前駆体溶液を用いて、スピンナー塗布法、スクリーン印刷塗布法、ロール塗布法などで塗布し、所定の硬化条件(加熱、光照射など)で硬化させ形成する方法、あるいは蒸着法、スパッタ法、CVD法、LB(Langumuir−Blodgett)法などで形成することもできる。
【0064】
上記の実施形態では、MVAモードの液晶表示パネル100について本発明を適用させているが、例えばAVANモード等の他のモードの液晶表示パネル100に適用してもよい。その場合にも、上記の第1及び第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0065】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】MVAモードを採用した従来の液晶表示パネルを概略的に示す平面図。
【図2A】図1に示す液晶表示パネルにおける液晶分子の配列状態を概略的に示す図。
【図2B】図2Aに示す破線部の液晶分子の配列状態を説明する図。
【図2C】図2Aに示す破線部の液晶分子の配列状態を説明する図。
【図3】本発明の一実施形態に係る液晶表示パネルを概略的に示す図。
【図4】図3に示す液晶表示パネルの構成を概略的に示す平面図。
【図5】図3に示す液晶表示パネルの断面の一例を示す図。
【図6】本発明の第1製造例に係る液晶表示パネルの画素部の構成を説明する図。
【図7】本発明の第2製造例に係る液晶表示パネルの画素部の構成を説明する図。
【図8】本発明の第3製造例に係る液晶表示パネルの画素部の構成を説明する図。
【図9】本発明の第1乃至第3製造例に係る液晶表示パネルの評価結果を示す図。
【符号の説明】
【0067】
100…液晶表示パネル、101…アレイ基板、102…対向基板、103…表示領域、151…画素電極、190…液晶層、190A…液晶分子、X(X1〜Xn)…信号線、Y(Y1〜Ym)…走査線、121…画素TFT、15…電極スリット、15A…第1電極スリット、15B…第2電極スリット、18…畝状構造体、18A…第1畝状構造体、18B…第2畝状構造体、19…傾き補正部、A〜H…配向緩和領域、I…配向領域、n…単位ベクトル、S…面積、D1、D2…距離
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチドメイン型VANモードに関するもので、特にTFTなどの能動素子により駆動される液晶表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶素子を用いた表示装置は、軽量、薄型、低消費電力などの特徴を有するために、OA機器、情報端末、時計、テレビ等さまざまな分野に応用されている。特に薄膜トランジスタ素子(以下、TFT)を用いた液晶表示パネルは、その応答性から携帯テレビやコンピュータなど多くの情報を含むデータの表示用モニタに用いられている。
【0003】
近年、情報量の増加に伴い高精細化や高速応答性が要求され始めている。高精細化にはTFTアレイ構造の微細化により対応がなされている。一方、高速応答性ではネマチック液晶を用いたOCB方式、VAN方式、HAN方式、π配列方式、スメクチック液晶を用いた界面安定型強誘電性液晶(SSFLC)方式、反強誘電性液晶(AFLC)方式が検討されている。
【0004】
特に、VAN型配向モードは、従来のツイストネマチック型(TN)モードより速い応答速度が得られることや、垂直配向処理の採用により従来静電気破壊など不良原因の発生が危惧されていたラビング配向処理工程を削除可能なことから近年注目されている液晶表示モードである。さらに、VAN型モードでは視野角の補償設計が比較的容易なことから広い視野角を実現するためのマルチドメイン型VAN(MVA)モードが注目されている(特許文献1参照)。
【0005】
図1は、MVAモードを採用した従来の液晶表示パネルの構成を概略的に示す平面図である。図1に示す液晶表示パネルは、アレイ基板と対向基板とで液晶層を挟持した構造となっている(いずれも図示せず)。アレイ基板の対向基板と対向する面上には、互いに離間された複数の画素電極151が配列されている。なお、これら画素電極151にはそれぞれ電極スリット15が設けられている。また、対向基板の対向面上には共通電極(図示せず)および畝状構造体18が形成されている。
【0006】
この液晶表示パネルにおいて、液晶層の画素電極151に対応する部分に液晶分子の配向方向が互いに異なる複数のドメインを形成している。図1に示す液晶表示パネルでは、各画素電極151上の領域を液晶分子の配向方向が互いに異なる複数のドメイン22a〜22dで構成することにより視野角が補償されている。
【0007】
MVAモードを採用した液晶表示パネル1では、各ドメイン22a〜22dでの液晶分子の配列状態が表示品位に影響を与える。例えば、ドメイン22aで液晶分子の配列に乱れが生じた場合、ドメイン22a〜22d間で光透過率が異なることになり、表示ムラとして視認されてしまう。そのため、各ドメイン22a〜22dでの液晶分子配列の乱れを極力防止する必要があるが、従来のMVAモードの液晶表示パネルでは、そのような乱れの発生を避けるのが難しかった。
【0008】
図2A、図2B、及び図2Cは、それぞれ、図1に示す従来の液晶表示パネル1における液晶分子の配列状態を概略的に示す図である。図2Aはドメイン22dにおける液晶分子の配列状態を、液晶表示パネル1の基板面に垂直な方向から観察した場合を示している。また、図2B、図2Cは、それぞれ、図2Aに示す破線25、26内における液晶分子の配列状態を示している。
【0009】
図2Aに示すように、対向基板102上に形成された畝状構造体18の近傍に位置する液晶分子21aは、畝状構造体18の延びる方向に対して垂直な方向に配向している。ここで、ドメイン22d内で、すべての液晶分子が液晶分子21aと同様に、畝状構造体18の延びる方向に対して略垂直な方向に配向している領域を配向領域と呼ぶことにする。
【0010】
しかし、アレイ基板101上に形成された画素電極151とその下地との境界部も液晶分子の配向状態に影響を与えるため、画素電極151の端部近傍に位置する液晶分子21bは、画素電極151の輪郭を構成する辺に対して略垂直に配向する。
【0011】
そのため、図2Bに示すように破線25内の領域では液晶分子21bはアレイ基板101側から対向基板102側に向けて左回りの螺旋構造を形成するように配列し、図2Cに示すように、破線26内の領域では液晶分子21bはアレイ基板101側から対向基板102側に向けて右回りの螺旋構造を形成するように配列する。上記の領域における液晶分子のダイレクタの平均方向は、畝状構造体18の延びる方向に直交する方向から少しずれる。以下では、上記のように、液晶分子が畝状構造体に略垂直に配向されない領域を配向緩和領域と呼ぶことにする。
【0012】
上記の配向緩和領域が生じることによって、液晶表示パネルの透過率が低下する場合があった。また、上記の配向緩和領域では、液晶分子の配向に歪みが生じ不安定となる為、弾性エネルギーが最小となる安定な配向状態になるまで時間がかかり、残像として視認されることがあった。
【0013】
さらに、この配向緩和領域が複数形成されたとき、各ドメイン内での液晶分子のダイレクタの方向が不均一となり、液晶分子の配向方向によって応答時間が異なり、観察する方向で明るさや残像の見え方に差が生じ、視角特性の対称性が悪化するという問題が生じることがあった。
【特許文献1】特開2003−287753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、配向緩和領域においての液晶分子の平均的なダイレクタ方向が不均一になることによって、応答時間のばらつきによる明るさや残像の見え方等の視角特性が非対称となることを防止し、視角特性の対称性に優れたMVAモードの液晶表示パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の態様による液晶表示パネルは、第1および第2電極基板と、負の誘電異方性を有する液晶組成物を含み前記第1及び第2電極基板間に挟持される液晶層と、前記第1及び第2電極基板の少なくとも一方において所定方向に伸びるようにして並べられ、前記第1及び第2電極基板間に印加される電圧により前記液晶層内に得られる電界の傾きを制御して液晶分子の平均的なダイレクタ方向が前記所定方向に直交する複数の配向領域に前記液晶層を配向分割する複数の傾き制御部と、を備え、前記液晶層は液晶分子の平均的なダイレクタ方向が前記傾き制御部による電界の傾き制御において前記所定方向に直交する方向からずれた複数の配向緩和領域を有し、前記複数の配向緩和領域の平均的なダイレクタ方向の単位ベクトルをこれら配向緩和領域の面積でそれぞれ重み付けしたベクトル値の総和がゼロを含む所定の範囲内に設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、配向緩和領域においての液晶分子の平均的なダイレクタ方向が不均一になることによって、応答時間のばらつきによる明るさや残像の見え方等の視角特性が非対称となることを防止し、視角特性の対称性に優れたMVAモードの液晶表示パネルを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る液晶表示パネル100について図面を参照して説明する。本発明の一実施形態に係る液晶表示パネル100は、例えば、アクティブマトリクス型液晶表示パネルであって、MVAモードで表示を行う。
【0018】
図3及び図4に示すように、液晶表示パネル100は、アレイ基板101と、このアレイ基板101に対向配置された対向基板102と、負の誘電異方性を有する液晶組成物を含みアレイ基板101と対向基板102との間に挟持された液晶層190とを備えている。
【0019】
上記のような液晶表示パネル100において、画像を表示する表示領域103は、アレイ基板101と対向基板102とを貼り合わせる外縁シール部材106によって囲まれた領域内に形成されている。表示領域103の外周に沿って配置された周辺領域104は、外縁シール部材106の外側の領域に形成され、額縁状に形成された遮光領域141を有している。
【0020】
アレイ基板101は、表示領域103においてマトリクス状に配置されたm×n個の画素電極151、これら画素電極151の行方向に沿って形成されたm本の走査線Y(Y1〜Ym)、これら画素電極151の列方向に沿って形成されたn本の信号線X(X1〜Xn)、及び、各画素電極151に対応して走査線Y及び信号線Xの交差位置近傍にスイッチング素子として配置されたm×n個の薄膜トランジスタ(以下、画素TFT)121を有している。また、周辺領域104において、アレイ基板101は、走査線Yを駆動する走査線駆動回路118、信号線Xを駆動する信号線駆動回路119等を有している。
【0021】
図5に示すように、アレイ基板101は、表示領域103において、ガラス基板などの透明な絶縁性基板111上に、画素TFT121、及び画素TFT121を含む表示領域103を覆って形成されるカラーフィルタ層124を備えている。カラーフィルタ層は、赤色の着色層124R、緑色の着色層124G、及び青色の着色層124Bを備えている。
【0022】
さらに、アレイ基板101のカラーフィルタ層124上には、画素電極151、柱状スペーサ131、及び、配向膜113Aを備えている。配向膜113Aは、複数の画素電極151全体を覆うように形成されている。また、アレイ基板101は、周辺領域104において、表示領域103の外周に沿って、透明基板の遮光領域141に配置された遮光層SPを備えている。
【0023】
信号線Xは、層間絶縁膜176を介して、走査線Yおよび補助容量線152に対して略直交するように配置されている。補助容量線152は、走査線Yと同一の層に同一の材料によって形成されているとともに、走査線Yに対して略平行に形成されている。補助容量線152の一部は、ゲート絶縁膜162を介して補助容量電極161に対向配置されている。この補助容量電極161は、不純物ドープされたポリシリコン膜によって形成されている。
【0024】
これら信号線X、走査線Y、及び補助容量線152等の配線部は、例えば、アルミニウムやモリブデン−タングステン等の遮光性を有する低抵抗材料によって形成されている。本実施形態では、走査線Y及び補助容量線152は、モリブデン−タングステンによって形成され、信号線Xは、主にアルミニウムによって形成されている。
【0025】
画素TFT121は、補助容量電極161と同層のポリシリコン膜によって形成された半導体層112を有している。この半導体層112は、ガラス基板上に配置されたアンダーコーティング層上に配置され、チャネル領域112Cの両側にそれぞれ不純物をドープすることによって形成されたドレイン領域112D及びソース領域112Sを有している。この画素TFT121は、ゲート絶縁膜162を介して半導体層112に対向して配置された走査線Yと一体のゲート電極163を備えている。
【0026】
画素TFT121のドレイン電極188は、信号線Xと一体に形成され、ゲート絶縁膜162及び層間絶縁膜176を貫通するコンタクトホール177を介して半導体層112のドレイン領域112Dに電気的に接続されることによって形成されている。画素TFT121のソース電極189は、ゲート絶縁膜162及び層間絶縁膜176を貫通するコンタクトホール178を介して半導体層112のソース領域112Sに電気的に接続されることによって形成されている。
【0027】
アレイ基板101の層間絶縁膜176上に、カラーフィルタ層124が設けられている。さらに、カラーフィルタ層124上の画素電極151が形成されている。画素電極151は、カラーフィルタ層124上にそれぞれ形成されるITO等の透過性導電部材によって形成され、図示しない電極スリットによって複数の領域に分割されている。
【0028】
画素電極151は、カラーフィルタ層124を貫通するスルーホール126を介して画素TFT121のソース電極189に電気的に接続されている。各画素TFT121は、走査線Y、及び信号線Xに接続され、走査線Yからの駆動電圧により導通し信号電圧を画素電極151に印加する。
【0029】
補助容量電極161は、ゲート絶縁膜162及び層間絶縁膜176を貫通するコンタクトホール179を介して信号線Xと同一材料によって形成されたコンタクト電極180に電気的に接続されている。これにより、画素TFT121のソース電極189、画素電極151、及び補助容量電極161は、同電位となる。
【0030】
柱状スペーサ131は、アレイ基板101と対向基板102との間に所定のギャップを形成している。
【0031】
対向基板102は、ガラス基板などの透明な絶縁性基板111上に形成された対向電極153、及び、この対向電極153を覆う配向膜113Bを有している。対向電極153は、アレイ基板101側の複数の画素電極151全体に対向するように配置されるITO等の光透過性導電部材によって形成されている。
【0032】
対向電極153には、図5には示していない畝状構造体が形成されている。アレイ基板101の電極スリット、及び、対向基板102の畝状構造体は、アレイ基板101と対向基板102との間に印加される電界の傾きを制御するための傾き制御部である。
【0033】
上記の液晶表示パネル100の電極スリット及び畝状構造体は、各画素電極151に対応して、例えば図6に示すようなパターンに形成されている。電極スリット15及び畝状構造体18は、画素電極151の輪郭を形成する周縁に対して角度を成して、所定方向に延びるようにして並べられた複数の第1傾き制御部、つまり、複数の第1電極スリット15A及び複数の第1畝状構造体18Aを有している。第1電極スリット15A及び第1畝状構造体18Aは、互いに平行に延びて、液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が、所定方向に略直交する配向領域Iを形成している。
【0034】
また、電極スリット15及び畝状構造体18は、第1電極スリット15A及び第1畝状構造体18Aが延びる所定方向とは異なる第2所定方向に延びるように並べられた複数の第2傾き制御部、つまり、複数の第2電極スリット15B及び複数の第2畝状構造体18Bを有している。第2電極スリット15B及び第2畝状構造体18Bは、互いに平行に延びて、液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が第2所定方向に略直交する複数の配向領域Iを形成している。
【0035】
また、対向基板102には、画素電極151の周縁に沿って、アレイ基板101と対向基板102との間に印加される電界の傾きを補正して、液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が所定方向及び第2所定方向に直交するように傾き補正部19が形成されている。
【0036】
このとき、液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向は、図6の矢印に示す方向となる。各画素電極151上には、全ての液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が、第1または第2傾き制御部の延びる方向、つまり、第1電極スリット15A、及び第1畝状構造体18Aの延びる方向、または第2電極スリット15B及び第2畝状構造体18Bの延びる方向に直交する方向となる、複数の配向領域Iが形成される。
【0037】
このとき、液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が、第1または第2傾き制御部の延びる方向に対して直交する方向からずれた複数の配向緩和領域A〜Hとが形成される。
【0038】
ここで、配向緩和領域A〜Hそれぞれにおける液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向の単位ベクトルをn(A)〜n(H)とし、各配向緩和領域A〜Hの面積をS(A)〜S(H)とした。このとき、各画素電極151上において、第1傾き制御部15A、18A、第2傾き制御部15B、18B、及び傾き補正部19は、単位ベクトルn(A)〜n(H)を面積S(A)〜S(H)で重み付けしたベクトル値(n・S)の総和(Σn・S)がゼロを含む所定の範囲内に設定されるように形成されている。
【0039】
このことから、上記の液晶表示パネル100によれば、配向緩和領域A〜Hにおいて液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が不均一になることによって、応答時間のばらつきによる明るさや残像の見え方等の視角特性が非対称となることを防止することができる。よって、視角特性の対称性に優れたMVAモードの液晶表示パネル100を提供することができる。
【0040】
さらに、上記の実施形態では、各画素電極151の周縁に沿って形成された傾き補正部が備えられている。このことによって、各配向緩和領域A〜Hにおける液晶分子190A
のダイレクタ方向のばらつきを抑制して、液晶分子190Aが特定の方向に配向されるように補正することができる。
【0041】
よって、単位ベクトルn(A)〜n(H)を面積S(A)〜S(H)で重み付けしたベクトル値(n・S)の総和(Σn・S)がゼロを含む所定の範囲内となるように、第1及び第2傾き制御部を設計し、かつ傾き補正部19を設けることによって、より視角特性の対称性に優れた液晶表示パネル100を得ることができる。
【0042】
次に、本発明に係る液晶表示パネル100の第1製造例について説明する。図6に示すように、画素電極151は、第1電極スリット15A及び第2電極スリット15Bによって複数の領域に分割されている。
【0043】
本製造例は、対向基板102側にカラーフィルタ層124が形成され、カラーフィルタ層124を形成した後に、アクリル系の樹脂によって第1畝状構造体18A及び第2畝状構造体18Bが形成されている。第1畝状構造体18A及び第2畝状構造体18Bは、それぞれ第1電極スリット15A及び第2電極スリット15Bと平行に延びるように並んでいる。なお、図6では、ブラックマトリクス等は省略している。
【0044】
また、対向基板102には、画素電極151の周縁に沿って形成され、アレイ基板101と対向基板102との間に印加される電界の傾きを補正する傾き補正部19を有している。
【0045】
アレイ基板101及び対向基板102に平行な方向における、電極スリット15と畝状構造体18との距離、例えば、第1電極スリット15A及び第1畝状構造体18Aとの距離D1は、概略30μmとなっている。アレイ基板101と対向基板102とには、垂直性を示す配向膜を70nm厚さで塗布した。
【0046】
上記以外の点は、前述の実施形態で説明した液晶表示パネル100と同様の構成になっているため、同じ符号を付して説明を省略する。
【0047】
次に、本発明に係る液晶表示パネル100の第2製造例について説明する。本製造例では、図7に示すようにアレイ基板101と対向基板102とに平行な方向における電極スリット15と畝状構造体18との距離、例えば第1電極スリット15Aと第2畝状構造体18Aとの距離D2が概略20μmとなっている。上記の点以外は第1製造例と同様の構成となっているため、同様の符号を付して説明を省略する。
【0048】
次に第3製造例について説明する。図8に示すように、電極スリット15及び畝状構造体18は第2製造例と同様のパターンに形成されている。また、本製造例では、対向基板102側に、各画素電極151の周縁に沿って遮光層SPが形成されている。遮光層SPは、一部の配向緩和領域を遮光するブラックマトリクスBMを有している。
【0049】
また、本製造例では、第2製造例において傾き補正部19が形成されていた各画素電極151の周縁が遮光層SPで覆われるため傾き補正部19は形成されない。上記の点以外は第2製造例と同様の構成となっているため、同様の符号を付して説明を省略する。
【0050】
上記の第1〜第3製造例の液晶表示パネル100で白表示させて、1画素を顕微鏡により観察し、配向緩和領域A〜Hの平均的なダイレクタ方向と、各配向緩和領域A〜Hの1画素開口面積に対する割合を算出した。次に、白と黒とを交互に表示する状態で目視観察を行った。これらの結果を図9に示す。
【0051】
ただし、図9で示した角度は、図6乃至図8に示す画素部の長手方向に沿った上方を90°、下方を270°とし、画素部の長手方向に略直交方向に沿った左方向を180°、右方向を0°と定義したものである。
【0052】
第1製造例の液晶表示パネル100を、画面に向かって右側からみた場合、残像がうっすら見え、左側から見た場合、残像が酷く見えた。上下方向は上下とも同程度に残像がうっすら見えた。
【0053】
第2製造例の液晶表示パネル100では、左右方向とも第1製造例より程度は軽いが、残像がうっすら見え、第1製造例と同様に、左側から見た場合の方が残像は若干酷く見えた。上下方向は上下とも同程度に残像がうっすら見えた。
【0054】
第3製造例の液晶表示パネル100では、上下左右とも残像はうっすら見えたが、上下左右とも見え方に違いは無かった。
【0055】
上記の結果から第1製造例では、ダイレクタの方向が概略112.5°方向(配向緩和領域C)と247.5°方向(配向緩和領域F)との領域がそれぞれ8.3%あり、これらは他の配向緩和領域A、D、E、Hを考慮してもキャンセルされない成分となる(Σn・S=0でない)為、残像の見え方が左右で違った状態になっている。
【0056】
第2製造例では、キャンセルされない成分である配向緩和領域Dと配向緩和領域Eとの面積が第1製造例の概略半分の4.2%であるため、残像の見え方が左右で違うものの、第1製造例と比較して残像の発生が抑制されている。
【0057】
さらに、第3製造例では、第2製造例においてキャンセルされない成分が存在した配向緩和領域Dと配向緩和領域Eとの一部を、ブラックマトリクスBMが覆い隠している為、残像の見え方が左右で同様になっている。
【0058】
このことから、配向緩和領域A〜Hそれぞれの領域で、液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向の単位ベクトルn(A)〜n(H)をその面積S(A)〜S(H)で重み付けしたベクトル値(n・S)の総和(Σn・S)がゼロを含む所定の範囲内に設定されることで、どの方向から見ても画質の均一な液晶表示パネル100を作製することが可能となる。
【0059】
よって、本発明によれば、配向緩和領域A〜Hにおいての液晶分子190Aの平均的なダイレクタ方向が不均一になることによって、応答時間のばらつきによる明るさや残像の見え方等の視角特性が非対称となることを防止し、視角特性の対称性に優れたMVAモードの液晶表示パネル100を提供することができる。
【0060】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0061】
例えば、上記の実施形態及び第1乃至第3製造例ではアレイ基板101に電極スリット15を形成し、対向基板102に畝状構造体18を形成したが、アレイ基板101及び対向基板102の両方に電極スリット15を形成しても良く、またはアレイ基板101及び対向基板102の両方に畝状構造体18を形成しても良い。さらには、電極スリット15や畝状構造体18の形状は棒状でも良い。
【0062】
また、画素電極151及び対向電極153上には、配向膜113のみを配置したが、構造によっては、これらの電極上に種々の用途に応じて絶縁膜を配置してもよい。この場合、絶縁膜は、例えばSiO2、SiNx、Al2O3などの無機系薄膜、ポリイミド、フォトレジスト樹脂、高分子液晶など有機系薄膜などを用いることができる。この絶縁膜が無機系薄膜の場合には、蒸着法、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、あるいは溶液塗布法などによって形成できる。
【0063】
また、絶縁膜が有機系薄膜の場合には、有機物質を溶かした溶液またはその前駆体溶液を用いて、スピンナー塗布法、スクリーン印刷塗布法、ロール塗布法などで塗布し、所定の硬化条件(加熱、光照射など)で硬化させ形成する方法、あるいは蒸着法、スパッタ法、CVD法、LB(Langumuir−Blodgett)法などで形成することもできる。
【0064】
上記の実施形態では、MVAモードの液晶表示パネル100について本発明を適用させているが、例えばAVANモード等の他のモードの液晶表示パネル100に適用してもよい。その場合にも、上記の第1及び第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0065】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】MVAモードを採用した従来の液晶表示パネルを概略的に示す平面図。
【図2A】図1に示す液晶表示パネルにおける液晶分子の配列状態を概略的に示す図。
【図2B】図2Aに示す破線部の液晶分子の配列状態を説明する図。
【図2C】図2Aに示す破線部の液晶分子の配列状態を説明する図。
【図3】本発明の一実施形態に係る液晶表示パネルを概略的に示す図。
【図4】図3に示す液晶表示パネルの構成を概略的に示す平面図。
【図5】図3に示す液晶表示パネルの断面の一例を示す図。
【図6】本発明の第1製造例に係る液晶表示パネルの画素部の構成を説明する図。
【図7】本発明の第2製造例に係る液晶表示パネルの画素部の構成を説明する図。
【図8】本発明の第3製造例に係る液晶表示パネルの画素部の構成を説明する図。
【図9】本発明の第1乃至第3製造例に係る液晶表示パネルの評価結果を示す図。
【符号の説明】
【0067】
100…液晶表示パネル、101…アレイ基板、102…対向基板、103…表示領域、151…画素電極、190…液晶層、190A…液晶分子、X(X1〜Xn)…信号線、Y(Y1〜Ym)…走査線、121…画素TFT、15…電極スリット、15A…第1電極スリット、15B…第2電極スリット、18…畝状構造体、18A…第1畝状構造体、18B…第2畝状構造体、19…傾き補正部、A〜H…配向緩和領域、I…配向領域、n…単位ベクトル、S…面積、D1、D2…距離
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2電極基板と、
負の誘電異方性を有する液晶組成物を含み前記第1及び第2電極基板間に挟持される液晶層と、
前記第1及び第2電極基板の少なくとも一方において所定方向に伸びるようにして並べられ、前記第1及び第2電極基板間に印加される電圧により前記液晶層内に得られる電界の傾きを制御して液晶分子の平均的なダイレクタ方向が前記所定方向に直交する複数の配向領域に前記液晶層を配向分割する複数の傾き制御部と、を備え、
前記液晶層は液晶分子の平均的なダイレクタ方向が前記傾き制御部による電界の傾き制御において前記所定方向に直交する方向からずれた複数の配向緩和領域を有し、前記複数の配向緩和領域の平均的なダイレクタ方向の単位ベクトルをこれら配向緩和領域の面積でそれぞれ重み付けしたベクトル値の総和がゼロを含む所定の範囲内に設定されることを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項2】
前記複数の傾き制御部は一部を除いて平行であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示パネル。
【請求項3】
前記傾き制御部は、構造体及び電極スリットの少なくとも一方からなることを特徴とする請求項1記載の液晶表示パネル。
【請求項4】
前記第1及び第2電極基板の少なくとも一方において、前記第1及び第2電極基板間に印加される電圧により前記液晶層内に得られる電界の傾きを、前記液晶分子の平均的なダイレクタ方向が前記所定方向に直交するように補正する複数の傾き補正部をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の液晶表示パネル。
【請求項5】
前記第1及び第2電極基板のいずれか一方に遮光層が設けられ、
前記遮光層は少なくとも1つの前記配向緩和領域を遮光するように形成されることを特徴とする請求項1記載の液晶表示パネル。
【請求項6】
前記第1電極基板はマトリクス状に配置された複数の画素電極を備え、
前記第2電極基板は前記複数の画素電極に対向した対向電極を備え、
前記複数の傾き制御部は前記複数の画素電極の各々に対応して設けられることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示パネル。
【請求項7】
さらに複数の第2傾き制御部が前記複数の画素電極の各々に対応して設けられ、前記第1及び第2電極基板間に印加される電圧により前記液晶層内に得られる電界の傾きを制御して液晶分子の平均的なダイレクタ方向が前記所定方向とは異なる第2所定方向に直交する複数の配向領域にも前記液晶層を配向分割するように前記第1及び第2電極基板の少なくとも一方において前記第2所定方向に伸びるようにして並べられることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示パネル。
【請求項8】
各画素電極は略方形であり、各前記配向緩和領域に含まれる液晶分子の平均的なダイレクタ方向と前記画素電極の一辺とのなす角が略22.5°、67.5°、112.5°、157.5°、202.5°、247.5°、292.5°、337.5°のいずれかを含むことを特徴とする請求項6記載の液晶表示パネル。
【請求項1】
第1および第2電極基板と、
負の誘電異方性を有する液晶組成物を含み前記第1及び第2電極基板間に挟持される液晶層と、
前記第1及び第2電極基板の少なくとも一方において所定方向に伸びるようにして並べられ、前記第1及び第2電極基板間に印加される電圧により前記液晶層内に得られる電界の傾きを制御して液晶分子の平均的なダイレクタ方向が前記所定方向に直交する複数の配向領域に前記液晶層を配向分割する複数の傾き制御部と、を備え、
前記液晶層は液晶分子の平均的なダイレクタ方向が前記傾き制御部による電界の傾き制御において前記所定方向に直交する方向からずれた複数の配向緩和領域を有し、前記複数の配向緩和領域の平均的なダイレクタ方向の単位ベクトルをこれら配向緩和領域の面積でそれぞれ重み付けしたベクトル値の総和がゼロを含む所定の範囲内に設定されることを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項2】
前記複数の傾き制御部は一部を除いて平行であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示パネル。
【請求項3】
前記傾き制御部は、構造体及び電極スリットの少なくとも一方からなることを特徴とする請求項1記載の液晶表示パネル。
【請求項4】
前記第1及び第2電極基板の少なくとも一方において、前記第1及び第2電極基板間に印加される電圧により前記液晶層内に得られる電界の傾きを、前記液晶分子の平均的なダイレクタ方向が前記所定方向に直交するように補正する複数の傾き補正部をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の液晶表示パネル。
【請求項5】
前記第1及び第2電極基板のいずれか一方に遮光層が設けられ、
前記遮光層は少なくとも1つの前記配向緩和領域を遮光するように形成されることを特徴とする請求項1記載の液晶表示パネル。
【請求項6】
前記第1電極基板はマトリクス状に配置された複数の画素電極を備え、
前記第2電極基板は前記複数の画素電極に対向した対向電極を備え、
前記複数の傾き制御部は前記複数の画素電極の各々に対応して設けられることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示パネル。
【請求項7】
さらに複数の第2傾き制御部が前記複数の画素電極の各々に対応して設けられ、前記第1及び第2電極基板間に印加される電圧により前記液晶層内に得られる電界の傾きを制御して液晶分子の平均的なダイレクタ方向が前記所定方向とは異なる第2所定方向に直交する複数の配向領域にも前記液晶層を配向分割するように前記第1及び第2電極基板の少なくとも一方において前記第2所定方向に伸びるようにして並べられることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示パネル。
【請求項8】
各画素電極は略方形であり、各前記配向緩和領域に含まれる液晶分子の平均的なダイレクタ方向と前記画素電極の一辺とのなす角が略22.5°、67.5°、112.5°、157.5°、202.5°、247.5°、292.5°、337.5°のいずれかを含むことを特徴とする請求項6記載の液晶表示パネル。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−52265(P2007−52265A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−237620(P2005−237620)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】
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