液晶表示装置の製造方法及びレジスト剥離装置
【課題】2層構造の走査線を、絶縁膜を介して映像信号線が乗り越える際の、映像信号線の断線を防止する。
【解決手段】エッチングによってAl合金層11、キャップ層12で形成される走査線10をパターニングした後、レジスト200をMEA(モノエタノールアミン)によって剥離する。MEAを剥離したあと、第1水洗槽において、基板に付着しているMEAを水によって洗浄する。この時、洗浄液である水に所定の量以上のMEAが含まれていると、Al合金が溶解し、キャップ層12であるMoCrの庇が発生する。これを防止するために、第1水洗槽における洗浄液のMEAの濃度を10PPM以下、好ましくは5PPM以下に管理する。これによって、Al合金の溶解を防止し、キャップ層12の庇が発生することを防止する。
【解決手段】エッチングによってAl合金層11、キャップ層12で形成される走査線10をパターニングした後、レジスト200をMEA(モノエタノールアミン)によって剥離する。MEAを剥離したあと、第1水洗槽において、基板に付着しているMEAを水によって洗浄する。この時、洗浄液である水に所定の量以上のMEAが含まれていると、Al合金が溶解し、キャップ層12であるMoCrの庇が発生する。これを防止するために、第1水洗槽における洗浄液のMEAの濃度を10PPM以下、好ましくは5PPM以下に管理する。これによって、Al合金の溶解を防止し、キャップ層12の庇が発生することを防止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,表示装置に係り,特に走査線の断面形状に起因する映像信号線の断線を防止できる構成を与える液晶表示装置の製造方法または製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では画素電極および薄膜トランジスタ(TFT)等がマトリクス状に形成されたTFT基板と、TFT基板に対向して、TFT基板の画素電極と対応する場所にカラーフィルタ等が形成された対向基板が設置され、TFT基板と対向基板の間に液晶が挟持されている。そして液晶分子による光の透過率を画素毎に制御することによって画像を形成している。
【0003】
液晶表示装置はフラットで軽量であることから、TV等の大型表示装置から、携帯電話やDSC(Digital Still Camera)等、色々な分野で用途が広がっている。また、液晶表示装置は、画面を視る角度によって画像が異なるという視野角が問題となるが、この視野角については、IPS(In Plane Switching)方式の液晶表示装置が優れた特性を有している。
【0004】
液晶表示装置では、走査線が第1の方向に延在して第2の方向に配列し、映像信号線が第2の方向に延在して第1の方向に配列している。走査線と映像信号線とで囲まれた領域に画素が形成されている。また、映像信号線が絶縁層を介して走査線の上を乗り越えて延在している。
【0005】
走査線の断面形状における側部が急峻であったり、逆テーパが形成されていたりすると、走査線を覆う絶縁層が不規則になり、その結果、絶縁層の上に形成される映像信号線が断線をする現象を生ずる。「特許文献1」には、積層構造を有する配線において、所定のテーパ角度を得るために適正な積層材料を選択することが記載されている。「特許文献2」には、アミンを有する、レジストの剥離材料が記載されている。「特許文献3」、「特許文献4」、「特許文献5」には、レジスト剥離工程における品質を一定にするために、レジスト剥離液自体の管理について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3785900号公報
【特許文献2】特開2003−140364号公報
【特許文献3】特開平11−133630号公報
【特許文献4】特開平8−146622号公報
【特許文献5】特開平7−235487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
液晶表示装置における走査線は電気抵抗を小さくするためにAl合金が使用される。使用されるAl合金としては、AlNdあるいはAlCu等が使用される。AlCuのほうが抵抗が小さい。一方、Alはヒロックが生じやすく、このヒロックが絶縁膜を突き破って絶縁破壊を生ずることを防止するために、キャップ層としてMoCr等の高融点金属が使用される。ゲート電極がゲート絶縁膜を介して半導体層よりも下にあるいわゆるボトムゲートタイプのTFTは、このような、Al合金層とキャップ層の2層構造となっている。
【0008】
一方、ゲート電極がゲート絶縁膜を介して半導体よりも上側に存在するいわゆるトップゲートタイプのTFTでは、ゲート電極は3層構造になっている。すなわち、Al合金層を挟んで、ベース層にMoCr、キャップ層にMoCrが使用されている。ベース層は、Al合金層のAlがゲート絶縁膜や半導体層に入り込み、TFTの特性を劣化させることを防止する役割を有している。
【0009】
走査線は、キャップ層、Al合金層、あるいはベース層をスパッタリング等で形成したあと、フォトリソグラフィを用いてパターニングを行う。フォトリソグラフィ工程において、レジストを現像した後、走査線のキャップ層、Al合金層、あるいはベース層を同じエッチング液を用いて同時にエッチングする。エッチングは一般にはウェットエッチングで行われるが、このエッチングにおいて、積層構造の断面形状が順テーパを持つように、また、上層が庇等を形成しないように材料あるいはエッチング条件が選定される。
【0010】
このように、レジストを用いてエッチングした後、走査線の断面形状が順テーパを有し、また、上層の庇が形成されないように条件を選定しても、レジストを剥離するときに、走査線の断面形状が変化する場合がある。レジスト剥離液としては、MEA(モノエタノールアミン)が使用されるが、モノエタノールアミンの水溶液はAl合金層を溶解する。したがって、従来は、エッチング後の走査線の断面形状が、順テーパであり、庇が存在しない場合であっても、レジスト剥離後にキャップ層、すなわち、MoCrの庇が発生していた。
【0011】
走査線において、Al合金層の上のMoCrの庇が存在すると、この庇付近において、走査線を覆うゲート絶縁膜に、あとで説明する差込が生じ、ゲート絶縁膜の形状が不規則になる。したがって、ゲート絶縁膜を介して映像信号線が走査線を乗り越える部分において、断線を生ずる。
【0012】
本発明の課題は、レジスト剥離後においても、走査線の断面において、上層、すなわち、MoCrの庇が生じないようにして、絶縁膜を介して映像信号線が走査線を乗り越える部分における断線を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上記問題を克服するものであり、具体的な手段は次のとおりである。
【0014】
(1)走査線が第1の方向に延在して第2の方向に配列し、映像信号線が第2の方向に延在して第1の方向に配列し、前記走査線と前記映像信号線とで囲まれた領域にTFTと画素電極が形成されているTFT基板を有し、前記走査線はキャップ層とAl合金層を有する2層構造を有している液晶表示装置の製造方法であって、前記2層構造を有する走査線は、レジストをパターニングしてエッチングし、前記レジストをMEAによって剥離し、前記レジストが剥離されたTFT基板を、第1水洗槽において、第1水洗タンクから供給される水によって洗浄し、前記第1水洗タンクにおけるMEAの濃度を10PPM以下に管理することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【0015】
(2)走査線が第1の方向に延在して第2の方向に配列し、映像信号線が第2の方向に延在して第1の方向に配列し、前記走査線と前記映像信号線とで囲まれた領域にTFTと画素電極が形成されているTFT基板を有し、前記走査線はキャップ層とAl合金層とベース層を有する3層構造を有している液晶表示装置の製造方法であって、前記3層構造を有する走査線は、レジストをパターニングしてエッチングし、前記レジストをMEAによって剥離し、前記レジストが剥離されたTFT基板を、第1水洗槽において、第1水洗タンクから供給される水によって洗浄し、前記第1水洗タンクにおけるMEAの濃度を10PPM以下に管理することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【0016】
(3)レジストを剥離する薬液処理槽と、第1水洗槽を有するレジスト剥離装置であり、前記薬液処理槽には薬液タンクからMEAが供給され、前記MEAによって基板に形成されたレジストを剥離し、前記基板は第1水洗槽において、第1水洗タンクから供給される洗浄液によって洗浄され、前記洗浄液は、回収して再使用することなく排水され、前記第1水洗タンクの洗浄液のMEAの濃度は10PPM以下に管理されていることを特徴とするレジスト剥離装置。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、Al合金層とキャップ層を有する2層構造の走査線、あるいは、ベース層とAl合金層、キャップ層を有する3層構造の走査線を有する液晶表示装置において、走査線の断面において、Al合金層に対してキャップ層の庇が生ずることを防止することが出来る。これによって、映像信号線と走査線の交差部において、走査線の断面形状に起因する映像信号線の断線を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1における液晶表示装置の平面図である。
【図2】実施例1における走査線のエッチング後、レジスト剥離前の断面図である。
【図3】従来例におけるレジスト剥離後の2層構造の走査線の断面図である。
【図4】走査線のキャップ層の庇が生じている場合のゲート絶縁膜および映像信号線の形状を示す模式図である。
【図5】本発明におけるレジスト剥離装置の模式図である。
【図6】洗浄液におけるMEA濃度とキャップ層の庇の長さの関係を示すグラフである。
【図7】本発明におけるレジスト剥離後の走査線の断面図である。
【図8】本発明による走査線の上にゲート絶縁膜および映像信号線が形成された状態を示す断面図である。
【図9】実施例2における液晶表示装置の平面図である。
【図10】実施例2における走査線のエッチング後、レジスト剥離前の断面図である。
【図11】従来例におけるレジスト剥離後の3層構造の走査線の断面図である。
【図12】3層構造の走査線のキャップ層の庇が生じている場合のゲート絶縁膜および映像信号線の形状を示す模式図である。
【図13】実施例2におけるレジスト剥離後の走査線の断面図である。
【図14】実施例2における走査線の上にゲート絶縁膜および映像信号線が形成された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施例により本発明の内容を詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は実施例1における液晶表示装置の画素部の平面図である。液晶表示装置は、一般にはいわゆる視野角が問題であるが、IPS(In Plane Switching)方式の液晶表示装置は視野角について優れた特性を有している。IPS方式の液晶表示装置も種々の構造が存在するが、図1はいわゆるIPS−LITEと称されている構造であり、IPS−LITEの構成における画素電極106までの構造を示す平面図である。実際のIPS−LITEでは、画素電極106の上に無機パッシベーション膜を介してスリットを有する対向電極が形成されているが、図1では、図が複雑になるのを防止するために対向電極は省略されている。
【0021】
図1において、走査線10が横方向に延在し、縦方向に配列している。走査線10の幅が広くなった部分がTFTのゲート電極101になっている。また、映像信号線20が縦方向に延在し、横方向に配列している。映像信号線20はTFTのドレイン電極104を兼ねている。
【0022】
走査線10あるいはゲート電極101は、電気抵抗を小さくするために、2層構造になっている。下層はAlを主体とする合金であり、上層はMoを主体とした合金である。Alを主体とする合金とはAl成分が90%以上を占め、Moを主体とする合金とは、Moが90%以上を占める合金である。
【0023】
ゲート電極101あるいは走査線10の上には図示しないゲート絶縁膜102が形成されている。ゲート絶縁膜102の上にはa−Siによる半導体層103が形成され、半導体層103の上にはドレイン電極104およびソース電極105が形成されている。ドレイン電極104とソース電極105の間にチャンネル部1031が形成されており、これによってTFTが形成される。このタイプのTFTは、ゲート電極101が半導体層103の下側にあるので、ボトムゲートタイプのTFTと呼ばれている。
【0024】
ドレイン電極104は、映像信号線20が兼用している。ソース電極105は画素電極106の領域に延在し、透明電極であるITO(Indium Tin Oxide)によって形成された画素電極106と接続する。図1において画素電極106は平面ベタで形成されている。映像信号線20、ドレイン電極104、ソース電極105は同じ工程で同時に形成される。
【0025】
ゲート電極101および走査線10(以後走査線10で代表する)は、上層(キャップ層)および下層(Al合金層)の2層構造で形成され、パターニング時においてキャップ層12による庇が生じたりすると、映像信号線20に断線が発生する機会が増大する。
【0026】
図2は図1におけるA−A断面図である。但し、図2では、エッチング後の状態であり、まだ、レジスト200を剥離する前の状態を示している。図2において、Al合金層11はAlCuであり、キャップ層12はMoCrである。図2において、レジストの端部よりもキャップ層12の端部の方が内側になっている。サイドエッチングの影響である。しかし、図2に示すように、エッチング後は、材料の厚さ、エッチング条件等を選択することによって、キャップ層12の庇は生じていない。
【0027】
図3は図2におけるレジスト200を剥離した状態における走査線10の従来例の断面図である。図3に示すように、従来例では、レジスト剥離後は、Al合金層11が後退し、キャップ層12の庇150が生じている。レジスト剥離には、モノエタノールアミン(以後MEA)が使用されるが、MEAによってレジストを剥離後、MEAを水洗して除去する際、MEAが水に溶け、このMEAの水溶液によってAl合金層11がエッチングされるためと考えられる。
【0028】
図3に示すような庇150を有する断面形状の走査線10の上にゲート絶縁膜102を形成すると、図4に示すように、庇150付近において、絶縁膜102に差込1021と称する不規則な凹部が生ずる。このような差込1021を有するゲート絶縁膜102の上に映像信号線20を形成すると、この差込部分1021で映像信号線20が断線をする。映像信号線20が断線をせずに、つながっていたとしても、差込部分1021は映像信号線20の膜厚が薄くなっているので、電流が流れると熱によって断線する。
【0029】
このように、エッチング後において、キャップ層12の庇150が生じていなくとも、レジスト剥離工程において、キャップ層12の庇150が生ずる。そして、キャップ層12の庇150が生ずると、映像信号線20が断線を生ずる機会が増大する。
【0030】
図5はレジスト剥離工程を示す模式図である。図5において、MEAを用いた薬液処理槽において、レジストを剥離する。その後、第1水洗槽、第2水洗槽によってMEAを除去し、乾燥槽において、TFT基板を乾燥する。
【0031】
薬液処理槽において、搬送ローラによってTFT基板が導入される。薬液タンクからポンプPによって薬液がシャワーノズルに送られる。シャワーノズルによって薬液がTFT基板にシャワーされ、レジストが剥離される。薬液タンクには、100%濃度のMEAが存在している。TFTに対してシャワーしたMEAは回収されて再び、薬液タンクに貯蔵される。
【0032】
TFT基板が薬液処理槽を出るときに、エアーナイフによって薬液が吹き飛ばされる。吹き飛ばされた薬液も回収されるが、基板に付着して薬液処理槽から出た薬液の分、薬液タンクに新薬液が補充される。また、薬液タンクからあふれた薬液は廃液として外部に廃棄される。
【0033】
薬液処理槽において、レジスト200が除去されたTFT基板100は第1水洗槽において、薬液、すなわち、MEAを水洗によって除去する。この時、MEAはTFT基板100に付着しているので、TFT基板100には、MEAが僅か含まれた水溶液、すなわち、希剥離液が存在することになる。この希剥離液は走査線10のAl合金層11を溶解する。その結果、走査線20は、図3に示すような、キャップ層12の庇150を持つ断面形状となってしまう。
【0034】
希剥離液におけるMEAの濃度は出来るだけ小さいほうが、Al合金層が溶解する量は小さくてすむ。第1水洗槽において、TFT基板を水洗するシャワーの水は、水洗タンクから供給される。従来は第1水洗槽において使用された水は回収されて第1水洗タンクに貯蔵され、再び使用されていた。第1水洗槽において回収された水は、MEAを含むので、第1水洗タンクにおいて、MEAが蓄積されることになる。
【0035】
一方、第1水洗タンクには、第2水洗槽に洗浄液である水を供給する第2水洗タンクから水が供給される。第2水洗タンクには、MEAは殆どふくまれていないか、極めて微量しか含まれていない。したがって、第1水洗タンクに貯蔵される洗浄液、すなわち水に含まれるMEAは第1水洗槽からのMEAによって所定の濃度を有することになる。
【0036】
本発明者は、第1水洗タンクに含まれるMEAの濃度が走査線10の断面形状に大きな影響を持つことを発見した。すなわち、従来は、第1水洗槽において、水洗に使用された水は、回収されて第1水洗タンクに貯蔵し、再び使用されていたのに対し、本発明では、図5におけるバルブBを閉じ、バルブAを開放して排水する。これによって、第1水洗タンクにおけるMEAの量は極めて微量に維持することが出来、走査線10のAl合金層11の溶解を防止することが出来る。
【0037】
なお、本発明では、第1水洗槽において、洗浄した水は回収せずに、外部に排水するので、図5におけるバルブBはかならずしも必要ではなく、第1水洗槽からの洗浄後の洗浄水を配管を通して外部に排水する構成だけでもよい。
【0038】
第1水洗槽において、水洗されたTFT基板100は、第1水洗槽を出る際、エアーシャワーによって水洗液が吹き飛ばされたあと、搬送ローラに乗って第2水洗槽に移動する。第2水洗槽では、第2水洗タンクから供給される洗浄液である水をTFT基板にシャワーし、TFT基板100にわずか残ったMEAを完全に除去する。第2水洗槽において、水洗に使用された水は第2水洗タンクに回収されて再び使用される。第2水洗タンクには新純水が供給され、第2水洗タンクからあふれた水が排水される。
【0039】
第2水洗タンクに存在するMEAは極めて微量である。すなわち、TFT基板に残ったMEAは第1水洗槽において殆ど洗浄され、洗浄しきれなかったわずかなMEAが第2水洗槽において除去されるにすぎない。また、第2水洗タンクには新純水も供給されるために、MEAは極めて微量に保たれており、走査線のAl合金層を溶解することは無い。第2水洗タンクで水洗されたTFT基板は搬送ローラに乗って乾燥槽に移動し、乾燥される。乾燥槽の入り口付近には乾燥エアナイフが存在している。
【0040】
このように、本発明では、第1水洗槽における洗浄水におけるMEAの濃度を低く抑えることがポイントである。MEAの濃度をどの程度に管理することが必要であるかを実験によって調査した。図6はその結果である。図6において、横軸は、希剥離液におけるMEAの濃度である。希剥離液は、図5の第1水洗槽におけるTFT基板上において、MEAを含んだ水洗水に対応する。図6において、縦軸は、図3におけるMoCrの庇の長さwである。
【0041】
調査した試料は、ガラス基板上にベース層であるMoCr20nm、Al合金層を170nm、キャップ層であるMoCrを80nm形成したものである。ベース層が存在することが本実施例の構成と異なるが、希剥離液の影響に対して、ベース層は大きな影響は持たないと考えられる。この試料はMEAによってレジスト200が剥離された状態の試料である。
【0042】
このような試料を種々のMEAの濃度を有する希剥離液に浸漬し、その後、流水にて1分洗浄し、その後、乾燥した。希剥離液に浸漬した条件は、(1)23℃/60秒、(2)33℃/18秒、(3)33℃/36秒である。各条件において、希剥離液の濃度を変化させて試験を行った。
【0043】
図6において、○はTFT基板を23℃/60秒浸漬した場合のMoCrの庇150の長さwである。図6において、5PPMまでは庇150がゼロであり、10PPMで40nm、20PPMから500PPMまで庇150は50nm程度である。これよりさらにMEAの濃度を上昇させると、庇150の長さwは除々に増大し、50000PPMすなわち、MEAの濃度が5%程度で庇150の長さwのピークが存在する。
【0044】
図6において、□はTFT基板100を33℃/18秒浸漬した場合のMoCrの庇150の長さwである。図6において、MEAの濃度が2PPMまでは、庇150はゼロであり、3PPMから20PPM程度まで、庇150は40〜50nm程度である。MEAの濃度をさらに上げていくと、庇150の長さwは除々に増加する。
【0045】
図6において、△はTFT基板100を33℃/36秒浸漬した場合のMoCrの庇の長さである。この条件では、MEAの濃度が1000PPM(1%)から100%までのデータを取っているが、庇150の長さwはいずれも大きく、MEAの濃度が10%のときに庇の長さwのピークが存在する。また、MEAの濃度が100%であると、庇150の長さはゼロになる。つまり、図5における第1水洗槽においては、庇150は発生していない。
【0046】
図6におけるいずれの試験においても、試料を浸漬した希剥離液におけるMEAの濃度は小さいほうがMoCrの庇150の長さwは小さい。図6によれば、23℃/60秒浸漬の場合は、MEAの濃度が5PPMまで庇150をゼロに出来る。33℃/18秒浸漬した場合は、MEAの濃度が2PPMまで庇150をゼロにすることが出来る。また、MEAの濃度が10PPMまでは、庇150の長さwを50nm以下に抑えることが出来る。
【0047】
庇150の長さwはゼロであることが理想であるが、50nm以下であれば、許容範囲である。そうすると、図6の実験結果から、図5における第1水洗タンク中のMEAの濃度は、10PPM以下、好ましくは5PPM以下、さらに好ましくは2PPM以下に管理する必要がある。
【0048】
このようにして、第1水洗槽の第1水洗タンクのMEAの濃度を5%以下に管理して、図5のレジスト剥離工程を経た走査線10の断面構造を図7に示す。図7において、Al合金層11の溶解は殆どおきておらず、キャップ層12であるMoCrの庇も生じていない。図8は、このような走査線10に対してゲート絶縁膜102を被覆し、その上に映像信号線20を形成した状態を示す。図8に示すように、ゲート絶縁膜102による走査線10のカバレッジは良好であり、ゲート絶縁膜102の上に形成される映像信号線20の断線も発生していない。
【実施例2】
【0049】
図9は本発明の第2の実施例が適用されるTFT基板100の表示領域を示す平面図である。図9において、走査線10が横方向に延在し、縦方向に配列している。映像信号線20は縦方向に延在し、横方向に配列している。図9に示すTFTはゲート電極101が半導体層103より上側に配置されるいわゆるトップゲートのTFTである。
【0050】
図9において、半導体層103は映像信号線20と第1スルーホール115によって接続したドレイン電極104から走査線10の下を屈曲しながらくぐり、第1スルーホール115によって接続したソース電極105を介して、第2スルーホール116によって画素領域50に形成された図示しない画素電極と接続する。図9では、走査線10がゲート電極101を兼ねている。図9において、ドレイン電極104からソース電極105まで、半導体層103は走査線10の下を3回くぐるので、TFTが直列に3個形成されている。走査線10の上には図示しない層間絶縁膜が形成されている。
【0051】
このようなトップゲートのTFTでは、走査線10は3層構造になっている。すなわち、Al合金層11のAlがゲート絶縁膜102および半導体層103を汚染することを防止するために、Al合金層11の下層にMoCrで形成されるベース層13を形成し、Alがゲート絶縁膜102あるいは半導体層103に拡散することを防止している。
【0052】
図10は、図9のB−B断面を示す走査線10の断面図である。ただし、図10ではレジスト200はまだ剥離されていない状態である。図10において、MoCrで形成されたベース層13の上にAl合金層11が形成され、その上にキャップ層12が形成されている。図10に示すエッチング後の状態ではキャップ層12のMoCrの庇は生じていない。
【0053】
図11は、図10の、レジスト200が形成されている状態の構成に対して、従来工程を用いてレジスト剥離を行った状態を示す走査線10の断面図である。図11において、Al合金層11に対してキャップ層12の庇150が生じている。図11のような断面を有する走査線10に対して層間絶縁膜107を形成し、その上に映像信号線20を形成した状態を示す断面図が図12である。
【0054】
図12において、キャップ層12の庇150が生じている部分には、層間絶縁膜107の形成されていない部分、いわゆる差込1021が生じている。この層間絶縁膜107の上に映像信号線20を形成すると、図12に示すように、層間絶縁膜107のいわゆる差込部分1021において、映像信号線20が断線する。これは、実施例1における従来例と同様である。
【0055】
図13は本発明によるレジスト剥離工程を用いた場合の走査線の断面図を示す。本実施例においては、図5における第1水洗タンクのMEAの濃度は5PPM以下に抑えられている。その結果、図13に示すように、キャップ層の庇は生じていない。図13においては、実施例1と異なり、走査線10にベース層13が形成されているが、ベース層13の影響はレジスト剥離工程においては出ていない。
【0056】
図13に示す断面形状を有する走査線10に対して層間絶縁膜107を形成した場合の断面図を図14に示す。本発明によるレジスト剥離工程によれば、図12に示すような層間絶縁膜107の差込は生じておらず、層間絶縁膜107によるカバレッジは良好である。したがって、層間絶縁膜107の上に形成される映像信号線20に断線が生ずることも無い。以上のように、本発明を適用することによって、3層構造の走査線10についてもキャップ層12の庇150を防止することが出来、映像信号線20の断線を防止することが出来る。
【符号の説明】
【0057】
10…走査線、 11…Al合金層、 12…走査線キャップ層、 13…走査線ベース層、20…映像信号線、100…TFT基板、 101…ゲート電極、 102…ゲート絶縁膜、 103…半導体層、 104…ドレイン電極、 105…ソース電極、 106…画素電極、 115…第1スルーホール 116…第2スルーホール、 150…庇、 200…レジスト、 1021…差込、 1031…チャンネル部
【技術分野】
【0001】
本発明は,表示装置に係り,特に走査線の断面形状に起因する映像信号線の断線を防止できる構成を与える液晶表示装置の製造方法または製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では画素電極および薄膜トランジスタ(TFT)等がマトリクス状に形成されたTFT基板と、TFT基板に対向して、TFT基板の画素電極と対応する場所にカラーフィルタ等が形成された対向基板が設置され、TFT基板と対向基板の間に液晶が挟持されている。そして液晶分子による光の透過率を画素毎に制御することによって画像を形成している。
【0003】
液晶表示装置はフラットで軽量であることから、TV等の大型表示装置から、携帯電話やDSC(Digital Still Camera)等、色々な分野で用途が広がっている。また、液晶表示装置は、画面を視る角度によって画像が異なるという視野角が問題となるが、この視野角については、IPS(In Plane Switching)方式の液晶表示装置が優れた特性を有している。
【0004】
液晶表示装置では、走査線が第1の方向に延在して第2の方向に配列し、映像信号線が第2の方向に延在して第1の方向に配列している。走査線と映像信号線とで囲まれた領域に画素が形成されている。また、映像信号線が絶縁層を介して走査線の上を乗り越えて延在している。
【0005】
走査線の断面形状における側部が急峻であったり、逆テーパが形成されていたりすると、走査線を覆う絶縁層が不規則になり、その結果、絶縁層の上に形成される映像信号線が断線をする現象を生ずる。「特許文献1」には、積層構造を有する配線において、所定のテーパ角度を得るために適正な積層材料を選択することが記載されている。「特許文献2」には、アミンを有する、レジストの剥離材料が記載されている。「特許文献3」、「特許文献4」、「特許文献5」には、レジスト剥離工程における品質を一定にするために、レジスト剥離液自体の管理について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3785900号公報
【特許文献2】特開2003−140364号公報
【特許文献3】特開平11−133630号公報
【特許文献4】特開平8−146622号公報
【特許文献5】特開平7−235487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
液晶表示装置における走査線は電気抵抗を小さくするためにAl合金が使用される。使用されるAl合金としては、AlNdあるいはAlCu等が使用される。AlCuのほうが抵抗が小さい。一方、Alはヒロックが生じやすく、このヒロックが絶縁膜を突き破って絶縁破壊を生ずることを防止するために、キャップ層としてMoCr等の高融点金属が使用される。ゲート電極がゲート絶縁膜を介して半導体層よりも下にあるいわゆるボトムゲートタイプのTFTは、このような、Al合金層とキャップ層の2層構造となっている。
【0008】
一方、ゲート電極がゲート絶縁膜を介して半導体よりも上側に存在するいわゆるトップゲートタイプのTFTでは、ゲート電極は3層構造になっている。すなわち、Al合金層を挟んで、ベース層にMoCr、キャップ層にMoCrが使用されている。ベース層は、Al合金層のAlがゲート絶縁膜や半導体層に入り込み、TFTの特性を劣化させることを防止する役割を有している。
【0009】
走査線は、キャップ層、Al合金層、あるいはベース層をスパッタリング等で形成したあと、フォトリソグラフィを用いてパターニングを行う。フォトリソグラフィ工程において、レジストを現像した後、走査線のキャップ層、Al合金層、あるいはベース層を同じエッチング液を用いて同時にエッチングする。エッチングは一般にはウェットエッチングで行われるが、このエッチングにおいて、積層構造の断面形状が順テーパを持つように、また、上層が庇等を形成しないように材料あるいはエッチング条件が選定される。
【0010】
このように、レジストを用いてエッチングした後、走査線の断面形状が順テーパを有し、また、上層の庇が形成されないように条件を選定しても、レジストを剥離するときに、走査線の断面形状が変化する場合がある。レジスト剥離液としては、MEA(モノエタノールアミン)が使用されるが、モノエタノールアミンの水溶液はAl合金層を溶解する。したがって、従来は、エッチング後の走査線の断面形状が、順テーパであり、庇が存在しない場合であっても、レジスト剥離後にキャップ層、すなわち、MoCrの庇が発生していた。
【0011】
走査線において、Al合金層の上のMoCrの庇が存在すると、この庇付近において、走査線を覆うゲート絶縁膜に、あとで説明する差込が生じ、ゲート絶縁膜の形状が不規則になる。したがって、ゲート絶縁膜を介して映像信号線が走査線を乗り越える部分において、断線を生ずる。
【0012】
本発明の課題は、レジスト剥離後においても、走査線の断面において、上層、すなわち、MoCrの庇が生じないようにして、絶縁膜を介して映像信号線が走査線を乗り越える部分における断線を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上記問題を克服するものであり、具体的な手段は次のとおりである。
【0014】
(1)走査線が第1の方向に延在して第2の方向に配列し、映像信号線が第2の方向に延在して第1の方向に配列し、前記走査線と前記映像信号線とで囲まれた領域にTFTと画素電極が形成されているTFT基板を有し、前記走査線はキャップ層とAl合金層を有する2層構造を有している液晶表示装置の製造方法であって、前記2層構造を有する走査線は、レジストをパターニングしてエッチングし、前記レジストをMEAによって剥離し、前記レジストが剥離されたTFT基板を、第1水洗槽において、第1水洗タンクから供給される水によって洗浄し、前記第1水洗タンクにおけるMEAの濃度を10PPM以下に管理することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【0015】
(2)走査線が第1の方向に延在して第2の方向に配列し、映像信号線が第2の方向に延在して第1の方向に配列し、前記走査線と前記映像信号線とで囲まれた領域にTFTと画素電極が形成されているTFT基板を有し、前記走査線はキャップ層とAl合金層とベース層を有する3層構造を有している液晶表示装置の製造方法であって、前記3層構造を有する走査線は、レジストをパターニングしてエッチングし、前記レジストをMEAによって剥離し、前記レジストが剥離されたTFT基板を、第1水洗槽において、第1水洗タンクから供給される水によって洗浄し、前記第1水洗タンクにおけるMEAの濃度を10PPM以下に管理することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【0016】
(3)レジストを剥離する薬液処理槽と、第1水洗槽を有するレジスト剥離装置であり、前記薬液処理槽には薬液タンクからMEAが供給され、前記MEAによって基板に形成されたレジストを剥離し、前記基板は第1水洗槽において、第1水洗タンクから供給される洗浄液によって洗浄され、前記洗浄液は、回収して再使用することなく排水され、前記第1水洗タンクの洗浄液のMEAの濃度は10PPM以下に管理されていることを特徴とするレジスト剥離装置。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、Al合金層とキャップ層を有する2層構造の走査線、あるいは、ベース層とAl合金層、キャップ層を有する3層構造の走査線を有する液晶表示装置において、走査線の断面において、Al合金層に対してキャップ層の庇が生ずることを防止することが出来る。これによって、映像信号線と走査線の交差部において、走査線の断面形状に起因する映像信号線の断線を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1における液晶表示装置の平面図である。
【図2】実施例1における走査線のエッチング後、レジスト剥離前の断面図である。
【図3】従来例におけるレジスト剥離後の2層構造の走査線の断面図である。
【図4】走査線のキャップ層の庇が生じている場合のゲート絶縁膜および映像信号線の形状を示す模式図である。
【図5】本発明におけるレジスト剥離装置の模式図である。
【図6】洗浄液におけるMEA濃度とキャップ層の庇の長さの関係を示すグラフである。
【図7】本発明におけるレジスト剥離後の走査線の断面図である。
【図8】本発明による走査線の上にゲート絶縁膜および映像信号線が形成された状態を示す断面図である。
【図9】実施例2における液晶表示装置の平面図である。
【図10】実施例2における走査線のエッチング後、レジスト剥離前の断面図である。
【図11】従来例におけるレジスト剥離後の3層構造の走査線の断面図である。
【図12】3層構造の走査線のキャップ層の庇が生じている場合のゲート絶縁膜および映像信号線の形状を示す模式図である。
【図13】実施例2におけるレジスト剥離後の走査線の断面図である。
【図14】実施例2における走査線の上にゲート絶縁膜および映像信号線が形成された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施例により本発明の内容を詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は実施例1における液晶表示装置の画素部の平面図である。液晶表示装置は、一般にはいわゆる視野角が問題であるが、IPS(In Plane Switching)方式の液晶表示装置は視野角について優れた特性を有している。IPS方式の液晶表示装置も種々の構造が存在するが、図1はいわゆるIPS−LITEと称されている構造であり、IPS−LITEの構成における画素電極106までの構造を示す平面図である。実際のIPS−LITEでは、画素電極106の上に無機パッシベーション膜を介してスリットを有する対向電極が形成されているが、図1では、図が複雑になるのを防止するために対向電極は省略されている。
【0021】
図1において、走査線10が横方向に延在し、縦方向に配列している。走査線10の幅が広くなった部分がTFTのゲート電極101になっている。また、映像信号線20が縦方向に延在し、横方向に配列している。映像信号線20はTFTのドレイン電極104を兼ねている。
【0022】
走査線10あるいはゲート電極101は、電気抵抗を小さくするために、2層構造になっている。下層はAlを主体とする合金であり、上層はMoを主体とした合金である。Alを主体とする合金とはAl成分が90%以上を占め、Moを主体とする合金とは、Moが90%以上を占める合金である。
【0023】
ゲート電極101あるいは走査線10の上には図示しないゲート絶縁膜102が形成されている。ゲート絶縁膜102の上にはa−Siによる半導体層103が形成され、半導体層103の上にはドレイン電極104およびソース電極105が形成されている。ドレイン電極104とソース電極105の間にチャンネル部1031が形成されており、これによってTFTが形成される。このタイプのTFTは、ゲート電極101が半導体層103の下側にあるので、ボトムゲートタイプのTFTと呼ばれている。
【0024】
ドレイン電極104は、映像信号線20が兼用している。ソース電極105は画素電極106の領域に延在し、透明電極であるITO(Indium Tin Oxide)によって形成された画素電極106と接続する。図1において画素電極106は平面ベタで形成されている。映像信号線20、ドレイン電極104、ソース電極105は同じ工程で同時に形成される。
【0025】
ゲート電極101および走査線10(以後走査線10で代表する)は、上層(キャップ層)および下層(Al合金層)の2層構造で形成され、パターニング時においてキャップ層12による庇が生じたりすると、映像信号線20に断線が発生する機会が増大する。
【0026】
図2は図1におけるA−A断面図である。但し、図2では、エッチング後の状態であり、まだ、レジスト200を剥離する前の状態を示している。図2において、Al合金層11はAlCuであり、キャップ層12はMoCrである。図2において、レジストの端部よりもキャップ層12の端部の方が内側になっている。サイドエッチングの影響である。しかし、図2に示すように、エッチング後は、材料の厚さ、エッチング条件等を選択することによって、キャップ層12の庇は生じていない。
【0027】
図3は図2におけるレジスト200を剥離した状態における走査線10の従来例の断面図である。図3に示すように、従来例では、レジスト剥離後は、Al合金層11が後退し、キャップ層12の庇150が生じている。レジスト剥離には、モノエタノールアミン(以後MEA)が使用されるが、MEAによってレジストを剥離後、MEAを水洗して除去する際、MEAが水に溶け、このMEAの水溶液によってAl合金層11がエッチングされるためと考えられる。
【0028】
図3に示すような庇150を有する断面形状の走査線10の上にゲート絶縁膜102を形成すると、図4に示すように、庇150付近において、絶縁膜102に差込1021と称する不規則な凹部が生ずる。このような差込1021を有するゲート絶縁膜102の上に映像信号線20を形成すると、この差込部分1021で映像信号線20が断線をする。映像信号線20が断線をせずに、つながっていたとしても、差込部分1021は映像信号線20の膜厚が薄くなっているので、電流が流れると熱によって断線する。
【0029】
このように、エッチング後において、キャップ層12の庇150が生じていなくとも、レジスト剥離工程において、キャップ層12の庇150が生ずる。そして、キャップ層12の庇150が生ずると、映像信号線20が断線を生ずる機会が増大する。
【0030】
図5はレジスト剥離工程を示す模式図である。図5において、MEAを用いた薬液処理槽において、レジストを剥離する。その後、第1水洗槽、第2水洗槽によってMEAを除去し、乾燥槽において、TFT基板を乾燥する。
【0031】
薬液処理槽において、搬送ローラによってTFT基板が導入される。薬液タンクからポンプPによって薬液がシャワーノズルに送られる。シャワーノズルによって薬液がTFT基板にシャワーされ、レジストが剥離される。薬液タンクには、100%濃度のMEAが存在している。TFTに対してシャワーしたMEAは回収されて再び、薬液タンクに貯蔵される。
【0032】
TFT基板が薬液処理槽を出るときに、エアーナイフによって薬液が吹き飛ばされる。吹き飛ばされた薬液も回収されるが、基板に付着して薬液処理槽から出た薬液の分、薬液タンクに新薬液が補充される。また、薬液タンクからあふれた薬液は廃液として外部に廃棄される。
【0033】
薬液処理槽において、レジスト200が除去されたTFT基板100は第1水洗槽において、薬液、すなわち、MEAを水洗によって除去する。この時、MEAはTFT基板100に付着しているので、TFT基板100には、MEAが僅か含まれた水溶液、すなわち、希剥離液が存在することになる。この希剥離液は走査線10のAl合金層11を溶解する。その結果、走査線20は、図3に示すような、キャップ層12の庇150を持つ断面形状となってしまう。
【0034】
希剥離液におけるMEAの濃度は出来るだけ小さいほうが、Al合金層が溶解する量は小さくてすむ。第1水洗槽において、TFT基板を水洗するシャワーの水は、水洗タンクから供給される。従来は第1水洗槽において使用された水は回収されて第1水洗タンクに貯蔵され、再び使用されていた。第1水洗槽において回収された水は、MEAを含むので、第1水洗タンクにおいて、MEAが蓄積されることになる。
【0035】
一方、第1水洗タンクには、第2水洗槽に洗浄液である水を供給する第2水洗タンクから水が供給される。第2水洗タンクには、MEAは殆どふくまれていないか、極めて微量しか含まれていない。したがって、第1水洗タンクに貯蔵される洗浄液、すなわち水に含まれるMEAは第1水洗槽からのMEAによって所定の濃度を有することになる。
【0036】
本発明者は、第1水洗タンクに含まれるMEAの濃度が走査線10の断面形状に大きな影響を持つことを発見した。すなわち、従来は、第1水洗槽において、水洗に使用された水は、回収されて第1水洗タンクに貯蔵し、再び使用されていたのに対し、本発明では、図5におけるバルブBを閉じ、バルブAを開放して排水する。これによって、第1水洗タンクにおけるMEAの量は極めて微量に維持することが出来、走査線10のAl合金層11の溶解を防止することが出来る。
【0037】
なお、本発明では、第1水洗槽において、洗浄した水は回収せずに、外部に排水するので、図5におけるバルブBはかならずしも必要ではなく、第1水洗槽からの洗浄後の洗浄水を配管を通して外部に排水する構成だけでもよい。
【0038】
第1水洗槽において、水洗されたTFT基板100は、第1水洗槽を出る際、エアーシャワーによって水洗液が吹き飛ばされたあと、搬送ローラに乗って第2水洗槽に移動する。第2水洗槽では、第2水洗タンクから供給される洗浄液である水をTFT基板にシャワーし、TFT基板100にわずか残ったMEAを完全に除去する。第2水洗槽において、水洗に使用された水は第2水洗タンクに回収されて再び使用される。第2水洗タンクには新純水が供給され、第2水洗タンクからあふれた水が排水される。
【0039】
第2水洗タンクに存在するMEAは極めて微量である。すなわち、TFT基板に残ったMEAは第1水洗槽において殆ど洗浄され、洗浄しきれなかったわずかなMEAが第2水洗槽において除去されるにすぎない。また、第2水洗タンクには新純水も供給されるために、MEAは極めて微量に保たれており、走査線のAl合金層を溶解することは無い。第2水洗タンクで水洗されたTFT基板は搬送ローラに乗って乾燥槽に移動し、乾燥される。乾燥槽の入り口付近には乾燥エアナイフが存在している。
【0040】
このように、本発明では、第1水洗槽における洗浄水におけるMEAの濃度を低く抑えることがポイントである。MEAの濃度をどの程度に管理することが必要であるかを実験によって調査した。図6はその結果である。図6において、横軸は、希剥離液におけるMEAの濃度である。希剥離液は、図5の第1水洗槽におけるTFT基板上において、MEAを含んだ水洗水に対応する。図6において、縦軸は、図3におけるMoCrの庇の長さwである。
【0041】
調査した試料は、ガラス基板上にベース層であるMoCr20nm、Al合金層を170nm、キャップ層であるMoCrを80nm形成したものである。ベース層が存在することが本実施例の構成と異なるが、希剥離液の影響に対して、ベース層は大きな影響は持たないと考えられる。この試料はMEAによってレジスト200が剥離された状態の試料である。
【0042】
このような試料を種々のMEAの濃度を有する希剥離液に浸漬し、その後、流水にて1分洗浄し、その後、乾燥した。希剥離液に浸漬した条件は、(1)23℃/60秒、(2)33℃/18秒、(3)33℃/36秒である。各条件において、希剥離液の濃度を変化させて試験を行った。
【0043】
図6において、○はTFT基板を23℃/60秒浸漬した場合のMoCrの庇150の長さwである。図6において、5PPMまでは庇150がゼロであり、10PPMで40nm、20PPMから500PPMまで庇150は50nm程度である。これよりさらにMEAの濃度を上昇させると、庇150の長さwは除々に増大し、50000PPMすなわち、MEAの濃度が5%程度で庇150の長さwのピークが存在する。
【0044】
図6において、□はTFT基板100を33℃/18秒浸漬した場合のMoCrの庇150の長さwである。図6において、MEAの濃度が2PPMまでは、庇150はゼロであり、3PPMから20PPM程度まで、庇150は40〜50nm程度である。MEAの濃度をさらに上げていくと、庇150の長さwは除々に増加する。
【0045】
図6において、△はTFT基板100を33℃/36秒浸漬した場合のMoCrの庇の長さである。この条件では、MEAの濃度が1000PPM(1%)から100%までのデータを取っているが、庇150の長さwはいずれも大きく、MEAの濃度が10%のときに庇の長さwのピークが存在する。また、MEAの濃度が100%であると、庇150の長さはゼロになる。つまり、図5における第1水洗槽においては、庇150は発生していない。
【0046】
図6におけるいずれの試験においても、試料を浸漬した希剥離液におけるMEAの濃度は小さいほうがMoCrの庇150の長さwは小さい。図6によれば、23℃/60秒浸漬の場合は、MEAの濃度が5PPMまで庇150をゼロに出来る。33℃/18秒浸漬した場合は、MEAの濃度が2PPMまで庇150をゼロにすることが出来る。また、MEAの濃度が10PPMまでは、庇150の長さwを50nm以下に抑えることが出来る。
【0047】
庇150の長さwはゼロであることが理想であるが、50nm以下であれば、許容範囲である。そうすると、図6の実験結果から、図5における第1水洗タンク中のMEAの濃度は、10PPM以下、好ましくは5PPM以下、さらに好ましくは2PPM以下に管理する必要がある。
【0048】
このようにして、第1水洗槽の第1水洗タンクのMEAの濃度を5%以下に管理して、図5のレジスト剥離工程を経た走査線10の断面構造を図7に示す。図7において、Al合金層11の溶解は殆どおきておらず、キャップ層12であるMoCrの庇も生じていない。図8は、このような走査線10に対してゲート絶縁膜102を被覆し、その上に映像信号線20を形成した状態を示す。図8に示すように、ゲート絶縁膜102による走査線10のカバレッジは良好であり、ゲート絶縁膜102の上に形成される映像信号線20の断線も発生していない。
【実施例2】
【0049】
図9は本発明の第2の実施例が適用されるTFT基板100の表示領域を示す平面図である。図9において、走査線10が横方向に延在し、縦方向に配列している。映像信号線20は縦方向に延在し、横方向に配列している。図9に示すTFTはゲート電極101が半導体層103より上側に配置されるいわゆるトップゲートのTFTである。
【0050】
図9において、半導体層103は映像信号線20と第1スルーホール115によって接続したドレイン電極104から走査線10の下を屈曲しながらくぐり、第1スルーホール115によって接続したソース電極105を介して、第2スルーホール116によって画素領域50に形成された図示しない画素電極と接続する。図9では、走査線10がゲート電極101を兼ねている。図9において、ドレイン電極104からソース電極105まで、半導体層103は走査線10の下を3回くぐるので、TFTが直列に3個形成されている。走査線10の上には図示しない層間絶縁膜が形成されている。
【0051】
このようなトップゲートのTFTでは、走査線10は3層構造になっている。すなわち、Al合金層11のAlがゲート絶縁膜102および半導体層103を汚染することを防止するために、Al合金層11の下層にMoCrで形成されるベース層13を形成し、Alがゲート絶縁膜102あるいは半導体層103に拡散することを防止している。
【0052】
図10は、図9のB−B断面を示す走査線10の断面図である。ただし、図10ではレジスト200はまだ剥離されていない状態である。図10において、MoCrで形成されたベース層13の上にAl合金層11が形成され、その上にキャップ層12が形成されている。図10に示すエッチング後の状態ではキャップ層12のMoCrの庇は生じていない。
【0053】
図11は、図10の、レジスト200が形成されている状態の構成に対して、従来工程を用いてレジスト剥離を行った状態を示す走査線10の断面図である。図11において、Al合金層11に対してキャップ層12の庇150が生じている。図11のような断面を有する走査線10に対して層間絶縁膜107を形成し、その上に映像信号線20を形成した状態を示す断面図が図12である。
【0054】
図12において、キャップ層12の庇150が生じている部分には、層間絶縁膜107の形成されていない部分、いわゆる差込1021が生じている。この層間絶縁膜107の上に映像信号線20を形成すると、図12に示すように、層間絶縁膜107のいわゆる差込部分1021において、映像信号線20が断線する。これは、実施例1における従来例と同様である。
【0055】
図13は本発明によるレジスト剥離工程を用いた場合の走査線の断面図を示す。本実施例においては、図5における第1水洗タンクのMEAの濃度は5PPM以下に抑えられている。その結果、図13に示すように、キャップ層の庇は生じていない。図13においては、実施例1と異なり、走査線10にベース層13が形成されているが、ベース層13の影響はレジスト剥離工程においては出ていない。
【0056】
図13に示す断面形状を有する走査線10に対して層間絶縁膜107を形成した場合の断面図を図14に示す。本発明によるレジスト剥離工程によれば、図12に示すような層間絶縁膜107の差込は生じておらず、層間絶縁膜107によるカバレッジは良好である。したがって、層間絶縁膜107の上に形成される映像信号線20に断線が生ずることも無い。以上のように、本発明を適用することによって、3層構造の走査線10についてもキャップ層12の庇150を防止することが出来、映像信号線20の断線を防止することが出来る。
【符号の説明】
【0057】
10…走査線、 11…Al合金層、 12…走査線キャップ層、 13…走査線ベース層、20…映像信号線、100…TFT基板、 101…ゲート電極、 102…ゲート絶縁膜、 103…半導体層、 104…ドレイン電極、 105…ソース電極、 106…画素電極、 115…第1スルーホール 116…第2スルーホール、 150…庇、 200…レジスト、 1021…差込、 1031…チャンネル部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査線が第1の方向に延在して第2の方向に配列し、映像信号線が第2の方向に延在して第1の方向に配列し、前記走査線と前記映像信号線とで囲まれた領域にTFTと画素電極が形成されているTFT基板を有し、前記走査線はキャップ層とAl合金層を有する2層構造を有している液晶表示装置の製造方法であって、
前記2層構造を有する走査線は、レジストをパターニングしてエッチングし、
前記レジストをMEA(モノエタノールアミン)によって剥離し、
前記レジストが剥離されたTFT基板を、第1水洗槽において、第1水洗タンクから供給される水によって洗浄し、
前記第1水洗タンクにおけるMEAの濃度を10PPM以下に管理することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1水洗タンクにおけるMEAの濃度を5PPM以下に管理することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1水洗タンクにおけるMEAの濃度を2PPM以下に管理することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項4】
前記キャップ層はMoを主体する合金であり、前記Al合金はAlを主体とする合金であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項5】
走査線が第1の方向に延在して第2の方向に配列し、映像信号線が第2の方向に延在して第1の方向に配列し、前記走査線と前記映像信号線とで囲まれた領域にTFTと画素電極が形成されているTFT基板を有し、前記走査線はキャップ層とAl合金層とベース層を有する3層構造を有している液晶表示装置の製造方法であって、
前記3層構造を有する走査線は、レジストをパターニングしてエッチングし、
前記レジストをMEA(モノエタノールアミン)によって剥離し、
前記レジストが剥離されたTFT基板を、第1水洗槽において、第1水洗タンクから供給される水によって洗浄し、
前記第1水洗タンクにおけるMEAの濃度を10PPM以下に管理することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1水洗タンクにおけるMEAの濃度を5PPM以下に管理することを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1水洗タンクにおけるMEAの濃度を2PPM以下に管理することを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項8】
前記キャップ層はMoを主体する合金であり、前記Al合金はAlを主体とする合金であり、前記ベース層はMoを主体とする合金であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項9】
レジストを剥離する薬液処理槽と、第1水洗槽を有するレジスト剥離装置であり、
前記薬液処理槽には薬液タンクからMEA(モノエタノールアミン)が供給され、前記MEAによって基板に形成されたレジストを剥離し、
前記基板は第1水洗槽において、第1水洗タンクから供給される洗浄液によって洗浄され、
前記洗浄液は、回収して再使用することなく排水され、
前記第1水洗タンクの洗浄液のMEAの濃度は10PPM以下に管理されていることを特徴とするレジスト剥離装置。
【請求項10】
前記第1水洗タンクの洗浄液のMEAの濃度は5PPM以下に管理されていることを特徴とする請求項9に記載のレジスト剥離装置。
【請求項11】
前記レジスト剥離装置は、さらに、第2水洗槽を有し、前記第2水洗槽は、第2水洗タンクから供給される洗浄液によって前記基板を洗浄し、前記第2水洗槽における洗浄液は、第2水洗タンクに回収されることを特徴とする請求項9または10に記載のレジスト剥離装置。
【請求項12】
前記レジスト剥離装置は、第2水洗槽の後に、乾燥槽を有することを特徴とする請求項11に記載のレジスト剥離装置。
【請求項1】
走査線が第1の方向に延在して第2の方向に配列し、映像信号線が第2の方向に延在して第1の方向に配列し、前記走査線と前記映像信号線とで囲まれた領域にTFTと画素電極が形成されているTFT基板を有し、前記走査線はキャップ層とAl合金層を有する2層構造を有している液晶表示装置の製造方法であって、
前記2層構造を有する走査線は、レジストをパターニングしてエッチングし、
前記レジストをMEA(モノエタノールアミン)によって剥離し、
前記レジストが剥離されたTFT基板を、第1水洗槽において、第1水洗タンクから供給される水によって洗浄し、
前記第1水洗タンクにおけるMEAの濃度を10PPM以下に管理することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1水洗タンクにおけるMEAの濃度を5PPM以下に管理することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1水洗タンクにおけるMEAの濃度を2PPM以下に管理することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項4】
前記キャップ層はMoを主体する合金であり、前記Al合金はAlを主体とする合金であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項5】
走査線が第1の方向に延在して第2の方向に配列し、映像信号線が第2の方向に延在して第1の方向に配列し、前記走査線と前記映像信号線とで囲まれた領域にTFTと画素電極が形成されているTFT基板を有し、前記走査線はキャップ層とAl合金層とベース層を有する3層構造を有している液晶表示装置の製造方法であって、
前記3層構造を有する走査線は、レジストをパターニングしてエッチングし、
前記レジストをMEA(モノエタノールアミン)によって剥離し、
前記レジストが剥離されたTFT基板を、第1水洗槽において、第1水洗タンクから供給される水によって洗浄し、
前記第1水洗タンクにおけるMEAの濃度を10PPM以下に管理することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1水洗タンクにおけるMEAの濃度を5PPM以下に管理することを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1水洗タンクにおけるMEAの濃度を2PPM以下に管理することを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項8】
前記キャップ層はMoを主体する合金であり、前記Al合金はAlを主体とする合金であり、前記ベース層はMoを主体とする合金であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項9】
レジストを剥離する薬液処理槽と、第1水洗槽を有するレジスト剥離装置であり、
前記薬液処理槽には薬液タンクからMEA(モノエタノールアミン)が供給され、前記MEAによって基板に形成されたレジストを剥離し、
前記基板は第1水洗槽において、第1水洗タンクから供給される洗浄液によって洗浄され、
前記洗浄液は、回収して再使用することなく排水され、
前記第1水洗タンクの洗浄液のMEAの濃度は10PPM以下に管理されていることを特徴とするレジスト剥離装置。
【請求項10】
前記第1水洗タンクの洗浄液のMEAの濃度は5PPM以下に管理されていることを特徴とする請求項9に記載のレジスト剥離装置。
【請求項11】
前記レジスト剥離装置は、さらに、第2水洗槽を有し、前記第2水洗槽は、第2水洗タンクから供給される洗浄液によって前記基板を洗浄し、前記第2水洗槽における洗浄液は、第2水洗タンクに回収されることを特徴とする請求項9または10に記載のレジスト剥離装置。
【請求項12】
前記レジスト剥離装置は、第2水洗槽の後に、乾燥槽を有することを特徴とする請求項11に記載のレジスト剥離装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−80161(P2013−80161A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221001(P2011−221001)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【Fターム(参考)】
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