説明

液晶表示装置及びその駆動方法

【課題】 携帯電話等に用いられる液晶表示装置において、待ち受け時には低消費電力でマルチカラー表示を行い、また通話時にはフルカラーによる中間調表示や動画表示を行うことができるようにする。
【解決手段】 画素電極13と11信号線とを第1のスイッチ素子14で接続するとともに、画素電極13とディジタルメモリ18との間を第2のスイッチ素子17で接続し、通話時には、第2のスイッチ素子17をオフして、第1のスイッチ素子14をオンすることにより、信号線11から供給される映像信号で画像表示を行い、また待ち受け時には、第1のスイッチ素子14をオフして、第2のスイッチ素子17をオンすることにより、走査線/信号線駆動回路の動作を止めつつ、ディジタルメモリ18に保持された映像信号で画像表示するようにした。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、携帯電話や電子ブック等に使用される高画質、低消費電力な液晶表示装置及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示装置は軽量、薄型、低消費電力という利点を活かして携帯電話や電子ブック等の小型情報端末のディスプレイとして使われている。このような小型情報端末は、一般にバッテリー駆動方式が採用されていることから、低消費電力化が重要な課題となっている。
【0003】とくに携帯電話においては、待ち受け時間中に低消費電力で表示できることが求められており、これを実現するための技術としては、例えば特開昭58−23091号などが挙げられる。ここに開示された画像表示装置は、画素内にディジタルメモリを備えており、待ち受け時(静止画表示時)には、液晶を交流駆動するための交流駆動回路のみを動作させ、その他の周辺駆動回路を止めることにより、大幅な消費電力の低減を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開昭58−23091号の画像表示装置では、画素電圧が二値に制限されるため、二値の画像しか表示することができなかった。
【0005】最近では、携帯電話においてもインターネットやTV電話等のカラー中間調表示や動画表示が始まっており、待ち受け時に低消費電力であるだけでなく、通話時にはカラーの高画質表示を行うことが求められているが、上記画像表示装置では、待ち受け時にマルチカラー表示ができないだけでなく、通話時においてもフルカラーによる中間調表示や動画表示ができないという問題点があった。
【0006】この発明は、待ち受け時には低消費電力でマルチカラー表示を行い、また通話時にはフルカラーによる中間調表示や動画表示を行うことができる液晶表示装置及びその駆動方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1の発明は、互いに交差して配置された複数の走査線及び複数の信号線、これら両線の各交差部に配置された画素電極、前記走査線に供給される走査信号によりオン/オフ制御され、オン時に前記信号線と前記画素電極間を導通させて前記信号線に供給された映像信号を前記画素電極に書き込む第1のスイッチ素子を含む第1の電極基板と、前記画素電極に対し所定間隔をもって対向配置された対向電極を含む第2の電極基板と、前記第1の電極基板と第2の電極基板との間に狭持された液晶層と、一水平走査期間毎に前記複数の信号線に映像信号を供給する信号線駆動回路と、前記一水平走査期間に対応して前記走査線に走査信号を順次供給する走査線駆動回路とを備えた液晶表示装置において、前記第1の電極基板は、前記画素電極と電気的に接続され、前記信号線に供給された映像信号を保持可能なディジタルメモリと、前記画素電極と前記ディジタルメモリとの間に挿入され、前記画素電極と前記ディジタルメモリ間の導通を制御する第2のスイッチ素子とを含むことを特徴とする。
【0008】請求項2の発明は、請求項1において、前記画素電極が金属薄膜で構成された光反射型の画素電極であることを特徴とする。
【0009】請求項3の発明は、請求項1において、前記第2のスイッチ素子が、前記ディジタルメモリの出力端子及び反転出力端子と前記画素電極との間を接続する2つのスイッチ素子で構成されることを特徴とする。
【0010】好ましい態様として、前記第1のスイッチ素子と前記第2のスイッチ素子を、ともにMOSトランジスタで構成する。
【0011】請求項4の発明は、請求項1において、前記ディジタルメモリが、2つのインバータ回路と第3のスイッチ素子で構成されることを特徴とする。
【0012】請求項5の発明は、請求項4において、前記第3のスイッチ素子が、前記第1のスイッチ素子とは逆チャネルのスイッチ素子であり、前記第3のスイッチ素子のゲートは前記第1のスイッチ素子のゲートと同じ走査線に接続されることを特徴とする。
【0013】好ましい態様として、前記第3のスイッチ素子を前記第1のスイッチ素子と相補型のMOSトランジスタで構成する。
【0014】請求項6の発明は、請求項1の液晶表示装置の駆動方法であって、第1の表示期間では、前記第2のスイッチ素子により前記画素電極と前記ディジタルメモリ間の導通をオフし、かつ前記第1のスイッチ素子を所定周期でオンして、前記信号線に供給された映像信号を前記画素電極に書き込むことで表示を行い、第2の表示期間では、前記第2のスイッチ素子をオンし、前記信号線に供給された映像信号を前記ディジタルメモリに保持させた後、前記第1のスイッチ素子により前記信号線と前記画素電極間の導通をオフして、前記ディジタルメモリに保持された映像信号を前記画素電極に書き込むことで表示を行うことを特徴とする。
【0015】請求項7の発明は、請求項6において、前記第2の表示期間では、1フレーム毎に前記第2のスイッチ素子を構成する2つのスイッチ素子を交互にオンし、かつ前記対向電極の電位を反転させることを特徴とする。
【0016】上記請求項1乃至7の発明によれば、第1の表示期間では、前記第2のスイッチ素子をオフして、前記第1のスイッチ素子をオンすることにより、前記信号線から供給される映像信号で画像表示を行い、また第2の表示期間では、前記第1のスイッチ素子をオフして、前記第2のスイッチ素子をオンすることにより、走査線/信号線駆動回路の動作を止めつつ、前記ディジタルメモリに保持された映像信号で画像表示を行なうため、通話時(第1の表示期間)には、通常のフルカラーによる中間調/動画表示を行うことができ、また待ち受け時(第2の表示期間)には、低消費電力でマルチカラー表示を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係わる液晶表示装置及びその駆動方法を、アクティブマトリクス型液晶表示装置に適用した場合の実施形態について説明する。
【0018】図3は、この実施形態に係わるアクティブマトリクス型液晶表示装置の回路構成図であり、図4は図3の概略断面図である。
【0019】この液晶表示装置100は、複数の表示画素10が形成された表示画素部110、走査線駆動回路120及び信号線駆動回路130とから構成されている。
【0020】この実施形態において、走査線駆動回路120及び信号線駆動回路130は、アレイ基板101上において、後述する信号線11、走査線12及び画素電極13などと一体に形成されている。
【0021】表示画素部110は、アレイ基板101上に複数本の信号線11及びこれと交差する複数本の走査線12が図示しない絶縁膜を介してマトリクス状に配置されており、両線の各交差部には表示画素10が配置されている。
【0022】表示画素10は、画素電極13、第1のスイッチ素子14、対向電極15、液晶層16、第2のスイッチ素子17及びディジタルメモリ18により構成されている。
【0023】第1のスイッチ素子14のソースは信号線11に、ゲートは走査線12に、ドレインは画素電極13にそれぞれ接続されている。また画素電極13は第2のスイッチ素子17を介してディジタルメモリ18に接続されており、その第2のスイッチ素子17のゲートは制御信号線19に、ソースは画素電極13に、ドレインはディジタルメモリ18にそれぞれ接続されている。第2のスイッチ素子17及びディジタルメモリ18の構成については後述する。
【0024】画素電極13はアレイ基板101上に形成され、この画素電極13と相対する対向電極15は対向基板102上に形成されている。対向電極15には、図示しない外部駆動回路から所定の対向電位が与えられている。さらに、画素電極13と対向電極15の間には液晶層16が狭持され、アレイ基板101及び対向基板102の周囲はシール材103により封止されている。
【0025】走査線駆動回路120は、シフトレジスタ121及び図示しないバッファ回路などで構成されており、図示しない外部駆動回路から供給されるコントロール信号(垂直のクロック/スタート信号)に基づいて、上から順に走査線12に走査信号を出力する。
【0026】走査線駆動回路120では、中間調表示や動画表示時(以下、中間調/動画表示時)には、制御信号線19をオフレベルとし、通常のアクティブマトリクス型液晶表示装置と同様に上から順に走査線12に走査信号を出力する。また静止画表示時には、走査線12をオフレベルとし、制御信号線19をオンレベルとする。
【0027】信号線駆動回路130は、シフトレジスタ131、ASW(アナログスイッチ)132などで構成されており、図示しない外部駆動回路からコントロール信号(水平のクロック/スタート信号)及びビデオバス133を通じて映像信号が供給されている。信号線駆動回路130では、水平のクロック/スタート信号に基づいて、シフトレジスタ131からASW132の開閉信号を供給することにより、ビデオバス133から供給される映像信号を所定のタイミングで信号線11にサンプリングする。
【0028】ここで、通常のアクティブマトリクス型液晶表示装置として駆動する場合について簡単に説明する。
【0029】走査線駆動回路120から走査信号を出力して、各走査線12を上から順にオンし、これと同期して信号線11に映像信号をサンプリングすると、オンとなった走査線12に接続するすべての第1のスイッチ素子14は、一水平走査期間だけオンとなり、信号線11にサンプリングされていた映像信号は第1のスイッチ素子14を通じて画素電極13に書き込まれる。この映像信号は画素電極13と対向電極15との間に信号電圧として充電され、この信号電圧の大きさに応じて液晶層16が応答することで表示画素からの透過光量が制御される。このような動作を一フレーム期間内にすべての走査線12について実施することにより、一画面の映像が出来上がる。
【0030】次に、表示画素10の回路構成を、図1及び図2を参照しながら、さらに詳細に説明する。
【0031】図1は、表示画素10の回路構成図、図2はその概略平面図である。
【0032】第2のスイッチ素子17は、ディジタルメモリ18の出力端子及び反転出力端子と、画素電極13との間に挿入された2つのスイッチ素子21、22で構成されている。このうち、スイッチ素子21のゲートは制御信号線19aに接続され、スイッチ素子22のゲートは制御信号線19bにそれぞれ接続されており、それぞれの制御信号線にオン又はオフレベルの制御信号が供給されることで、2つのスイッチ素子21、22は独立して制御される。この第2のスイッチ素子17と第1のスイッチ素子14は、ともにMOSトランジスタで構成されている。
【0033】ディジタルメモリ18は、2つのインバータ回路23、24と、第3のスイッチ素子25で構成されている。このうち、第3のスイッチ素子25は、第1のスイッチ素子14とは逆チャネルのスイッチ素子であり、第1のスイッチ素子14と相補型のMOSトランジスタで構成されている。また、第3のスイッチ素子25のゲートは、第1のスイッチ素子14のゲートと同じ走査線12に接続されている。
【0034】次に、上記ように構成された液晶表示装置100の動作を図5に示す信号波形のタイミングチャートを参照しながら説明する。
【0035】なお、図5において、XCK及び/XCK(反転)は水平のクロック信号、XSTは水平のスタート信号、Videoはビデオバス133から入力される映像信号、YCKは垂直のクロック信号、YSTは垂直のスタート信号、SPOLAは制御信号線19aに供給される制御信号の電位レベル、SPOLBは制御信号線19bに供給される制御信号の電位レベル、COMは対向電極15の対向電位をそれぞれ示している。
【0036】まず、中間調/動画表示時(通常表示)には、2本の制御信号線19a、19bをともにオフレベルとし、第2のスイッチ素子17の機能を停止する。この間は、走査線駆動回路120及び信号線駆動回路130に対し、それぞれクロック信号、スタート信号及び映像信号を供給して、通常のアクティブマトリクス型液晶表示装置と同様に駆動を行うことにより、フルカラーによる高画質な中間調/動画表示を行う。
【0037】一方、通常表示から静止画表示に切り替える際は、通常表示から静止画表示に移行する最後のフレーム(静止画書き込みフレーム)において、制御信号線19aをオンレベルとする。そして、第1のスイッチ素子14がオンしている間に、信号線11に2値化された映像信号をサンプリングし、これを第1のスイッチ素子14及び第2のスイッチ素子17を通じてディジタルメモリ18に書き込む。この2値化された映像信号は、静止画表示時に表示するマルチカラー画像用の映像信号である。
【0038】静止画表示の期間において、ディジタルメモリ18に書き込まれた映像信号は、短時間であればこの状態で保持することもできるが、長時間保持すると直流成分により液晶層16が劣化するため、交流駆動する必要がある。この実施形態では、一定の周期で制御信号線19a、同19bを交互にオンレベルとすることによって、スイッチ素子21、22を交互にオンし、同時に対応電極15の電位を反転させることで交流駆動を実現している。
【0039】このように、2つのスイッチ素子21、22を交互にオンすることで、画素電極13の電位は電源/接地電位が交互に出力され、これと同期させて対向電極15の電位を電源/接地電位間でシフトすることにより、対向電極15と極性が同じ表示画素10では液晶層16に電圧がかからず、逆極性の表示画素10では液晶層16に電圧がかかるため、2値表示(マルチカラー表示)を行うことができる。このとき、表示画素部110で動作しているのは、低周波数の制御信号線19と対向電極15だけであるため、待ち受け時(静止画表示時)には、低消費電力でマルチカラー表示を行うことができる。
【0040】また、静止画表示から通常表示に切り替える際は、最後のフレーム(静止画最終フレーム)を経て、再び2本の制御信号線19a、19bをともにオフレベルとし、走査線駆動回路120及び信号線駆動回路130に対し、それぞれクロック信号、スタート信号及び映像信号を供給する。
【0041】次に、この実施形態による液晶表示装置100の製造方法を図6を用いて説明する。図6は液晶表示装置の製造プロセスを示す概略断面図であり、破線の右側の領域は画素部(表示画素部110)、左側の領域が駆動回路部(走査線駆動回路120など)を示している。以下、図6の(a)〜(f)の順に説明する。
【0042】(a)ガラスなどの透明絶縁基板50上に、プラズマCVD法により厚さ50nmのアモルファスシリコン(a−Si)薄膜51を堆積し、このアモルファスシリコン薄膜51を図示しないXeClエキシマレーザ装置でアニールすることで多結晶化する。ここで、前記XeClエキシマレーザ装置からのレーザ光52は、図中Aの方向に走査され、このレーザ光52が照射された領域は結晶化され多結晶シリコン膜53となる。その際、レーザ照射エネルギーを段階的に上げて複数回照射を行うことにより、アモルファスシリコン膜中の水素を効果的に抜くことができ、結晶化時のアブレーションを防ぐことができる。なお、照射エネルギーは200〜500mJ/cm とする。
【0043】(b)多結晶シリコン膜53をフォトリソグラフィ法を用いてパターニングし、薄膜トランジスタの活性層54を形成する。
【0044】(c)シリコン酸化膜によるゲート絶縁膜55をプラズマCVD法で形成した後、モリブデン−タングステン合金膜をスパッタ法で成膜、パターニングすることでゲート電極56を形成する。また、前記パターニング時に走査線も同時に形成する。ゲート絶縁膜55としては、このほかに窒化シリコン膜や常圧CVD法によるシリコン酸化膜を使うことができる。
【0045】ゲート電極56を形成後に、ゲート電極56をマスクとしてイオンドーピング法で不純物を打ち込み、薄膜トランジスタのソース/ドレイン領域54aを形成する。不純物としては、N−chトランジスタについてはリンを、P−chトランジスタについてはボロンを用いることができる。画素部のトランジスタについてはオフ時のリーク電流を抑えるためにLDD(Lightly DopedDrain)構造を用いるのが効果的である。この場合、ソース/ドレイン電極54aへの不純物注入後にゲート電極56を再パターニングし、一定量だけ細かくした後、再度低濃度の不純物打ち込みを行う。
【0046】(d)ゲート電極56上にプラズマCVD法又は常圧CVD法でシリコン酸化膜による第1の層間絶縁膜57を形成する。
【0047】(e)第1の層間絶縁膜57及びゲート絶縁膜55にコンタクトホールを形成後、スパッタ法でAl膜を形成、パターニングすることでソース/ドレイン電極59、60を形成する。このとき、信号線も同時に形成する。
【0048】(f)前記Al膜上に低誘電率絶縁膜(第2の層間絶縁膜)61を形成する。低誘電率絶縁膜61としては、プラズマCVD法で作成した窒化シリコン膜や、酸化シリコン膜、有機絶縁膜等の低誘電率絶縁膜を用いることができる。そして、低誘電率絶縁膜61にコンタクトホールを形成し、Al薄膜62を形成し、パターニングすることで画素電極を形成する。
【0049】以上のプロセスにより、透明絶縁基板50上に画素部と駆動回路部とを一体で形成することができる。この後、透明絶縁基板50と、図示しない対向電極が形成された対向基板とを対向し、周囲をエポキシ樹脂からなるシール材で密閉し、内部に液晶組成物を注入、封止することで液晶表示装置を完成することができる(図4参照)。
【0050】なお、p−Si(ポリシリコン)TFTは、a−SiTFTに比べて電子の移動度が二桁程度高いため、TFTサイズを小さくすることが可能であり、周辺駆動回路をも同時に基板上に一体に形成することができる。この周辺回路としては、高速化、低消費電力化を図るためにCMOS構造とすることが望ましい。そのため、前記不純物ドーピング工程は、レジストマスクを用いてP型及びN型不純物ドーピング工程の2回に分けて行っている。
【0051】また、この実施形態のように、画素電極13を金属薄膜で構成された光反射型の画素電極とした場合は、バックライトが不要となるため、バックライトを用いた透過型の構成に比べて、さらに低消費電力での駆動が可能となる。ちなみに、対角5cm、25万画素の液晶パネルについてフレーム周波数60Hzで静止画表示を行ったところ、消費電力を5mWとすることができた。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1乃至請求項7の発明においては、画素電極と信号線とを第1のスイッチ素子で接続するとともに、前記画素電極とディジタルメモリとの間を第2のスイッチ素子で接続し、第1の表示期間では、前記第2のスイッチ素子をオフして、前記第1のスイッチ素子をオンすることにより、前記信号線から供給される映像信号で画像表示を行い、また第2の表示期間では、前記第1のスイッチ素子をオフして、前記第2のスイッチ素子をオンすることにより、走査線/信号線駆動回路の動作を止めつつ、前記ディジタルメモリに保持された映像信号で画像表示するようにしたので、本発明を携帯電話のディスプレイに適用した場合、通話時(第1の表示期間)には、通常のフルカラーによる中間調/動画表示を行うことができ、また待ち受け時(第2の表示期間)には、低消費電力でマルチカラー表示を行うことができる。
【0053】とくに、請求項2の発明においては、前記画素電極を金属薄膜で構成された光反射型の画素電極としたので、バックライトが不要となり、バックライトを用いた透過型の構成に比べて、さらに低消費電力での駆動を行うことができる。
【0054】また、とくに請求項3及び請求項7の発明においては、前記第2のスイッチ素子を、前記ディジタルメモリの出力端子及び反転出力端子と前記画素電極との間を接続する2つのスイッチ素子で構成し、第2の表示期間において前記2つのスイッチ素子を交互にオンし、同時に前記対向電極の電位を反転するようにしたので、液晶を交流駆動することができ、液晶に直流成分が長時間印加されることによる劣化を抑えることができる。
【0055】また、とくに請求項4の発明においては、前記ディジタルメモリを、2つのインバータ回路と第3のスイッチ素子で構成したので、素子数の削減と周辺回路の簡素化を図ることができる。
【0056】また、とくに請求項5の発明においては、第3のスイッチ素子を、前記第1のスイッチ素子とは逆チャネルのスイッチ素子とし、前記第3のスイッチ素子のゲートを前記第1のスイッチ素子のゲートと同じ走査線に接続するようにしたので、前記走査線から供給される一つの走査信号によって、前記第1のスイッチ素子と前記第3のスイッチ素子のオン/オフ制御を同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3に示す表示画素の回路構成図。
【図2】図1の概略平面図。
【図3】実施形態に係わるアクティブマトリクス型液晶表示装置の回路構成図。
【図4】図3の概略断面図。
【図5】液晶表示装置の動作を示す信号波形のタイミングチャート。
【図6】液晶表示装置の製造プロセスを示す概略断面図。
【符号の説明】
10…表示画素、11…信号線、12…信号線、13…画素電極
14…第1のスイッチ素子、15…対向電極、17…第2のスイッチ素子
18…ディジタルメモリ、19…制御信号線、21,22…スイッチ素子
23,24…インバータ回路、25…第3のスイッチ素子
110…表示画素部、120…走査線駆動回路、130…信号線駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに交差して配置された複数の走査線及び複数の信号線、これら両線の各交差部に配置された画素電極、前記走査線に供給される走査信号によりオン/オフ制御され、オン時に前記信号線と前記画素電極間を導通させて前記信号線に供給された映像信号を前記画素電極に書き込む第1のスイッチ素子を含む第1の電極基板と、前記画素電極に対し所定間隔をもって対向配置された対向電極を含む第2の電極基板と、前記第1の電極基板と第2の電極基板との間に狭持された液晶層と、一水平走査期間毎に前記複数の信号線に映像信号を供給する信号線駆動回路と、前記一水平走査期間に対応して前記走査線に走査信号を順次供給する走査線駆動回路とを備えた液晶表示装置において、前記第1の電極基板は、前記画素電極と電気的に接続され、前記信号線に供給された映像信号を保持可能なディジタルメモリと、前記画素電極と前記ディジタルメモリとの間に挿入され、前記画素電極と前記ディジタルメモリ間の導通を制御する第2のスイッチ素子と、を含むことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】 前記画素電極は、金属薄膜で構成された光反射型の画素電極であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】 前記第2のスイッチ素子は、前記ディジタルメモリの出力端子及び反転出力端子と前記画素電極との間を接続する2つのスイッチ素子で構成されることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】 前記ディジタルメモリは、2つのインバータ回路と第3のスイッチ素子で構成されることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】 前記第3のスイッチ素子は、前記第1のスイッチ素子とは逆チャネルのスイッチ素子であり、前記第3のスイッチ素子のゲートは前記第1のスイッチ素子のゲートと同じ走査線に接続されることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】 第1の表示期間では、前記第2のスイッチ素子により前記画素電極と前記ディジタルメモリ間の導通をオフし、かつ前記第1のスイッチ素子を所定周期でオンして、前記信号線に供給された映像信号を前記画素電極に書き込むことで表示を行い、第2の表示期間では、前記第2のスイッチ素子をオンし、前記信号線に供給された映像信号を前記ディジタルメモリに保持させた後、前記第1のスイッチ素子により前記信号線と前記画素電極間の導通をオフして、前記ディジタルメモリに保持された映像信号を前記画素電極に書き込むことで表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項7】 前記第2の表示期間では、1フレーム毎に前記第2のスイッチ素子を構成する2つのスイッチ素子を交互にオンし、かつ前記対向電極の電位を反転させることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図4】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2001−264814(P2001−264814A)
【公開日】平成13年9月26日(2001.9.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−80442(P2000−80442)
【出願日】平成12年3月22日(2000.3.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】