説明

渋滞案内装置

【課題】運転者にとってより適切な渋滞を通知する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、ビーコンや情報センタ等から、車両周辺、又は走行経路上に発生している状態について、渋滞の位置と距離を含む渋滞情報を取得する。そして、車両の走行目的や、現在位置から目的地までの距離(以下予定走行距離という)に応じて所定の閾値(以下閾値距離という)を決定し、渋滞情報から得られる渋滞の距離(以下渋滞距離という)が閾値距離以上である渋滞について運転者に案内する。例えば、第1実施例の場合、走行目的が通勤、通学であれば、300m以上の渋滞を案内し、レジャー等の場合には3km以上の渋滞を案内する。一方、第2実施例の場合、例えば、予定走行距離が10km未満の場合には渋滞距離300m以上の渋滞を案内し、予定走行距離が100km以上の場合には渋滞距離3km以上の渋滞を案内する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、渋滞案内装置に係り、例えば、走行経路に発生した渋滞を運転者に報知する渋滞案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
走行経路上、又は車両の現在位置周辺に発生している渋滞を検知し、渋滞の存在や、渋滞の距離、渋滞の理由などを通知する渋滞案内装置がある。
例えば、特許文献1では、道路データ、渋滞情報、交通計測情報とに基づいて渋滞列の先頭位置を特定し、先頭位置周辺の施設情報やイベント情報から渋滞要因を特定し渋滞案内情報をディスプレイ又はスピーカに出力するナビゲーション装置について提案されている。
【特許文献1】特開2006−300771
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の渋滞案内装置では、対象となる区間に渋滞がある場合、一律に運転者に通知してるため、運転者にとって必ずしも適切な渋滞案内とはなっていない場合があった。
例えば、レジャー等のように特別に急を要さない走行や、長距離を運転している場合などでは、短い距離の渋滞を再三案内すると、案内の頻度が多すぎると感じることがある。
逆に、通勤や短距離等の運転では、短い渋滞であっても影響が大きいので通知を必要とするが、現状では短い距離の渋滞については通知されない場合がある。
【0004】
そこで、本発明は運転者にとってより適切な渋滞を通知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)請求項1記載の発明では、渋滞の位置と距離を含む渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段と、走行経路を取得する走行経路取得手段と、現在位置から目的地までの走行距離と、走行目的の少なくとも一方に基づいて、閾値となる距離を決定する距離決定手段と、前記走行経路上に存在し、前記決定した距離よりも長い渋滞を報知する渋滞報知手段と、を渋滞案内装置に具備させて前記目的を達成する。
(2)請求項2に記載した発明では、請求項1に記載の渋滞案内装置において、前記走行経路取得手段は、目的地までの走行経路を探索することで走行経路を取得することを特徴とする。
(3)請求項3に記載した発明では、請求項1又は請求項2に記載の渋滞案内装置において、前記距離決定手段は、目的地の種別を走行目的とし、該種別に応じて閾値を決定する、ことを特徴とする。
(4)請求項4に記載した発明では、請求項2又は請求項3に記載の渋滞案内装置において、目的地入力手段により入力された目的地、又は、走行を開始した位置と時刻とから推定した目的地を取得する目的地取得手段、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、目的地までの走行距離と、走行目的の少なくとも一方に基づいて、閾値となる距離を決定し、この距離よりも長い渋滞について報知するようにしているので、より適切な渋滞を通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の渋滞案内装置における好適な実施の形態について、図1から図3を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態の渋滞案内装置は、ナビゲーション装置により実現している。
ナビゲーション装置は、ビーコンや情報センタ等から、車両周辺、又は走行経路上に発生している状態について、渋滞の位置と距離を含む渋滞情報を取得する。
そして、車両の走行目的や、現在位置から目的地までの距離(以下予定走行距離という)に応じて所定の閾値(以下閾値距離という)を決定し、渋滞情報から得られる渋滞の距離(以下渋滞距離という)が閾値距離以上である渋滞について運転者に案内する。
例えば、第1実施例の場合、走行目的が通勤、通学であれば、300m以上の渋滞を案内し、レジャー等の場合には3km以上の渋滞を案内する。
一方、第2実施例の場合、例えば、予定走行距離が10km未満の場合には渋滞距離300m以上の渋滞を案内し、予定走行距離が100km以上の場合には渋滞距離3km以上の渋滞を案内する。
【0008】
(2)実施形態の詳細
図1は本実施形態の渋滞案内装置が適用されるナビゲーション装置のシステム構成図である。
このナビゲーション装置は、車両に搭載され、この図1に示すように、現在位置検出装置10、情報処理制御装置20、入出力装置40及び情報記憶装置50とを具えている。
【0009】
現在位置検出装置10は、以下のような構成を有している。絶対方位センサ11は、例えば、磁石に基づいてN方向の検出から、車両がいずれの方向に位置するかを検出する地磁気センサであり、絶対方向を検出する手段であればよい。
【0010】
相対方位センサ12は、例えば交差点を曲がったか否かを検出するものであり、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転型の抵抗ボリューム或いは車輪部に取り付ける角度センサでもよい。
また、角速度を利用して角度の変化を検出するジャイロセンサを用いてもよい。つまり、基準角度(絶対方位)に対して、相対的に変化した角度を検出することができる手段であればよい。
距離センサ13は、例えば、車輪の回転を検出して計数するものや、加速度を検出して2回積分するものでもよい。つまり、車両の移動距離を計測できる手段であればよい。
【0011】
GPS(グローバル・ポジショニング・システム)受信装置14は、人工衛星からの信号を受信する装置であり、信号の発信時刻、受信装置の位置情報、受信装置の移動速度、受信装置の進行方向など様々な情報を得ることができる。
ビーコン受信装置15は、特定の地点に設置された送信装置より発信された信号を受信する装置である。特に、VICS情報を入手することができ、渋滞情報、現在位置情報、駐車場情報等車両の走行に関する情報を入手することができる。
【0012】
データ送受信装置16は、電話回線や電波を利用して車両外部と通信をし、情報の交換を行うための装置である。
例えば、自動車電話、ATIS、VICS、GPS補正、車両間通信など様々な利用方法があり、走行に関する情報を入出力することが可能である。
【0013】
本実施形態では、ビーコン受信装置15により渋滞情報を取得する場合のほか、データ送受信装置16を介して情報センタから渋滞情報を取得することができるようになっている。渋滞情報は、ビーコン受信装置15、情報センタから所定時間間隔毎に、又は常時渋滞情報を取得するようになっている。
またデータ送受信装置16は、無線通信により情報センタとの間で通信を行うようになっており、情報センタに車両の現在位置を送信すると共に、送信した現在位置に対応して情報センタから送信される現在位置周辺に発生している渋滞情報を取得するようになっている。
なお、目的地まで探索した走行経路を案内しながら該走行経路を走行している場合には、情報センタに走行経路と車両現在位置を送信することで、情報センタから走行経路上の車両前方に存在する渋滞情報を取得するようにしてもよい。
【0014】
次に、情報処理制御装置20は、現在位置検出装置10、入出力装置40から入力される情報及び情報記憶装置50に格納された情報に基づいて演算及び制御を行うとともに、演算結果をディスプレイ42、プリンタ43またはスピーカ44等の出力手段に出力するように制御する手段である。
この情報処理制御装置20は、以下のような構成を有している。
中央処理装置(CPU)21は、ナビゲーション装置全体の総括的な演算及び制御、及び本実施形態における音声案内処理等を行う。
第1のROM22はナビゲーションに関するプログラム、特に、現在位置の検出、経路の探索、表示案内、音声案内などに関するナビゲーションプログラムを格納している。
センサ入力インターフェイス23は、現在位置検出装置10からの情報を受け取る手段である。
【0015】
RAM24は、後述する入力装置により入力された目的地の情報、通過地点の情報等の利用者が入力した情報を記憶すると共に、利用者の入力情報に基づいてCPU21により演算された結果や、経路探索された結果、または情報記憶装置50から読み込まれた地図情報を格納するための記憶手段である。
通信インターフェイス25は、現在位置検出装置10からの情報、特に外部から得られる情報を入出力するための手段である。
【0016】
第2のROM26は、ナビゲーションに関するプログラム、特に、走行経路案内、地点案内に関するナビゲーションプログラムを格納している。
画像プロセッサ27は、CPUで処理されたベクトル情報を画像情報に処理するための処理手段である。
時計28は、現在の時刻を検出する。
画像メモリ29は、画像プロセッサにより処理された画像情報を格納する手段である。
音声プロセッサ30は、情報記憶装置50から読み込まれた音声情報を処理し、スピーカ44に出力する。
【0017】
入出力装置40は、利用者により目的地、通過地点、探索条件等のデータを入力する入力装置41、画像を表示するディスプレイ42、情報を印刷するプリンタ43、音声を出力するスピーカ44より構成される。
入力装置41は、例えば、タッチパネル、タッチスイッチ、ジョイスティック、キースイッチ等で構成される。
ディスプレイ42には、現在地周辺の地図や、目的地までの走行経路が表示される。
【0018】
情報記憶装置50は、伝送路45を介して情報処理制御装置20に接続される。
情報記憶装置50は、地図データファイル51、交差点データファイル52、ノードデータファイル53、道路データファイル54、写真データファイル55、目的地データファイル56、案内地点データファイル57、詳細目的地データファイル58、目的地読みデータファイル59、閾値距離データファイル60、その他のデータファイル60を格納している。
この情報記憶装置50は、一般的には、光学的記憶媒体であるDVD−ROM、CD−ROMや磁気的記憶媒体であるハードディスクなどで構成されるが、光磁気ディスク、半導体メモリなどの各種情報記憶媒体で構成してもよい。
【0019】
閾値距離データファイル60には、検出した渋滞が報知対象か否かを判断するための閾値としての距離が、走行目的(第1実施例の場合)、又は予定走行距離(第2実施例の場合)に応じて規定されている。
第1実施例では、走行目的に応じて閾値距離が規定されている。すなわち、その目的地への到着時間が存在する(到着時間が決まっている)通勤や通学である場合や駅や空港までの走行である場合には閾値距離300m(第1閾値距離)が規定され、走行目的がレジャー等(特に到着時間に制約されないもの)の場合には閾値距離3km(第2閾値距離)が規定され、それ以外の走行目的の場合には閾値距離1km(第3閾値距離)が規定されている。
また第2実施例では、車両の現在位置から目的地までの距離(予定走行距離)に応じて、閾値距離が決定されている。すなわち、予定走行距離が10km未満の場合には閾値距離300mが規定されて、予定走行距離が10km以上で100km未満の場合には閾値距離1kmが規定され、予定走行距離が100km以上の場合には閾値距離3kmが規定されている。
なお、各走行目的に対応する閾値距離の値、予定走行距離の範囲と対応する閾値距離については、予め規定されているが、これらの値についてはユーザが設定又は変更することができるようにしてもよい。
【0020】
第1実施例の場合には、走行目的は、ユーザが入力した目的地から決定している。
そのため、目的地データファイル56に格納されている各目的地に対して、走行目的の分類が規定されている。例えば、遊園地、デパートについては走行目的「レジャー」に分類されている。
なお、目的地が設定されていず、後述する推定も出来ない場合、走行目的の入力をディスプレイ42や音声により促し、画面や音声によりユーザが走行目的を入力した場合には、入力された走行目的を使用するようにしてもよい。
【0021】
以上のように構成されたナビゲーション装置による、走行経路の案内について次に説明する。
ナビゲーション装置は、現在位置検出装置10で現在位置を検出し、情報記憶装置50の地図データファイル51から現在位置周辺の地図情報を読み込みディスプレイ42に表示する。
そして、入力装置41から目的地が入力されると、情報処理制御装置20は、現在位置から目的地に至る走行経路の候補を複数探索(演算)し、ディスプレイ42に表示した地図上に表示し、運転者がいずれかの走行経路を選択すると、選択した走行経路をRAM24に格納することで、走行経路を取得する(走行経路取得手段)。
【0022】
なお、情報処理制御装置20は、情報処理センタに車両現在位置(又は入力された出発地)と目的地を送信し、情報処理センタで探索された目的地までの走行経路を受信することにより走行経路を取得すうるようにしてもよい。この場合、目的地や走行経路の通信は通信インターフェイス25を介して、無線通信により行う。
また、自宅等のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を使用して、出発地から目的地までの走行経路を探索し、USBメモリ等の記憶媒体に格納し、該記憶媒体読取り装置を介して取得するようにしてもよい。この場合の記憶媒体読み取り装置は伝送路45を介して情報処理制御装置20に接続される。
【0023】
更に、走行経路については、現在時刻と現在位置とから目的地を推定し、推定した目的地までの走行経路を探索することで経路を取得するようにしてもよい。この場合、走行履歴データを保存しておき、例えば、平日の7時前後に会社(地点登録がされている)までの出勤で車両を運転している場合のように、同一時間帯(曜日を含む)に同一地点から同一地点までの走行データを抽出し、出発地、目的地、出発時間帯データーベース化しておく。そして、現在平日の7時、自宅であれば、目的地は会社と推定して、自宅から会社までの走行経路を演算して取得する。
【0024】
車両が走行すると、現在位置検出装置10によって検出された現在位置を追跡することにより、経路案内を行う。
経路案内は、探索した走行経路に対応する道路データと現在位置検出装置10で検出される現在位置とのマップマッチングにより、地図上の車両位置を特定し、車両現在位置周辺の地図をディスプレイ42に表示すると共に、探索した走行経路と現在位置とを地図上に表示する。
また、探索した走行経路上の案内対象の位置と現在位置との関係から、案内の必要性、すなわち直進が所定距離以上続く場合、所定の進路変更地点等の走行経路の案内、及び方面案内が必要か否か等について判断し、必要である場合にはディスプレイ42の表示及び音声による案内を実行する。
【0025】
次に、本実施形態における渋滞案内処理について説明する。
なお、渋滞案内処理は、上述した経路案内と並行して実行されてもよく、経路案内が実行されていない場合に独立して実行されるようにしてもよい。
すなわち、経路案内が実行されている場合には案内対象となっている走行経路上の渋滞について案内し、経路案内が実行されていない場合には車両の進行方向の所定範囲の渋滞について案内する。なお、経路案内が実行されていない場合であっても、上述したように、目的地及び走行経路を推定している場合には、推定した走行経路上の渋滞についての案内を行う。
【0026】
図2は、第1実施例における渋滞案内処理の内容を表したフローチャートである。
この図2に示されるように、情報処理制御装置20は、車両の走行目的を取得する(ステップ10)。
すなわち、情報処理制御装置20は、ユーザが入力装置41から走行目的を入力した場合にはその走行目的を使用し、入力がない場合には目的地から走行目的を取得する。
目的地の取得は、走行経路の案内中であれば走行経路の目的地(入力された目的地、推定した場合の目的地を含む)を取得する。走行経路の案内中でない場合には、推定した目的地を取得する。
情報処理制御装置20は、目的地を取得すると、目的地データファイル56に規定されている目的地に対応した走行目的を取得する。
【0027】
走行目的を取得すると、情報処理制御装置20は、閾値距離データファイル60に従い走行目的に対応した閾値距離を設定し、RAM24に保存する(ステップ11)。
次いで、情報処理制御装置20は、ビーコン受信装置15や情報センタ等から取得した渋滞情報に基づいて、車両の前方所定距離以内に渋滞が存在するか否かを監視する(ステップ12)。
車両の前方所定距離以内に存在する渋滞を検出すると(ステップ12;Y)、情報処理制御装置20は検出した渋滞の渋滞情報から渋滞距離を取得し、該渋滞距離がRAM24に格納した閾値距離以上であるか否かを判断する(ステップ13)。
【0028】
渋滞距離が閾値距離以上である場合(ステップ13;Y)、情報処理制御装置20は、検出した渋滞の案内を行う(ステップ14)。渋滞の案内は、渋滞までの距離と渋滞距離を音声により案内する。
渋滞の案内をした後、及び検出した渋滞距離が閾値距離未満である場合(ステップ13;N)、情報処理制御装置20は、渋滞の案内終了が指示されたか否かを判断し、指示された場合には(ステップ15;Y)渋滞案内処理を終了する。渋滞の案内終了の指示は、例えば、イグニッションのオフ、案内の中止入力、目的地の削除処理等がされた場合に、案内終了の指示がされたものと判断する。
一方、渋滞の案内終了が指示されていなければ(ステップ15;N)、情報処理制御装置20は、ステップ12に戻り、走行目的に応じた閾値距離以上の渋滞についての案内を継続する。
【0029】
図3は、第2実施例における渋滞案内処理の内容を表したフローチャートである。
この図3に示されるように、情報処理制御装置20は、車両の目的地を取得する(ステップ20)。
すなわち、情報処理制御装置20は、第1実施例で走行目的を取得する際に目的地を取得又は推定したのと同様にして目的地を取得し、RAM24に保存する(ステップ20)。
次いで、情報処理制御装置20は、情報センタ等から渋滞情報を取得し、該渋滞情報に基づいて、車両の前方所定距離以内に渋滞が存在するか否かを監視する(ステップ21)。
【0030】
情報処理制御装置20は、車両前方所定距離に存在する渋滞を検出すると(ステップ21;Y)、車両現在位置から目的地までの予定走行距離Lを算出し(ステップ22)、算出した予定走行距離Lに応じた閾値距離を閾値距離データファイル60に従って設定し、RA24に保存する(ステップ23)。
【0031】
そして情報処理制御装置20は、ステップ21で検出した渋滞に対する渋滞情報から渋滞距離を取得し、RAM24に格納した閾値距離以上であるか否かを判断する(ステップ24)。
渋滞距離が閾値距離以上である場合(ステップ24;Y)、情報処理制御装置20は、検出した渋滞の案内を行う(ステップ25)。
渋滞の案内をした後、及び検出した渋滞距離が閾値距離未満である場合(ステップ24;N)、情報処理制御装置20は、イグニッションのオフ、案内の中止入力、目的地の削除処理等による渋滞の案内終了の指示がされたか否かを判断し、指示された場合には(ステップ26;Y)処理を終了する。
【0032】
一方、渋滞の案内終了が指示されていなければ(ステップ26;N)、情報処理制御装置20は、ステップ21に戻り、新たに目的地までの予定走行距離Lに応じた閾値距離を再設定し、閾値距離以上の渋滞についての案内を継続する。
【0033】
以上説明したように本実施形態のナビゲーション装置によれば、第1実施例では予定走行距離に基づいて、また、第2実施例では走行目的に基づいて、閾値距離を決定し、車両前方に存在する渋滞を検出した場合に、その一律に検出した渋滞の案内をするのではなく、渋滞距離が閾値距離以上である場合に渋滞案内をするようにしているので、ユーザの走行目的や予定走行距離に応じた適切な渋滞案内を行うことができる。
【0034】
以上、本発明の渋滞案内装置における1実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
例えば、説明した実施形態では、閾値距離を決定する場合に、予定走行距離、又は走行目的に基づいて決定していたが、走行目的と予定走行距離の双方に基づいて閾値距離を決定するようにしてもよい。
この場合、閾値距離データファイル60には、各走行目的毎に、予定走行距離に対応した閾値距離のテーブルが作成され保存される。
【0035】
なお、説明した第2実施例では、車両現在位置から目的地までの距離に応じて閾値距離を決定する場合について説明したが、この場合、走行するに従って予定走行距離Lが変化するので、新たな渋滞を検出(ステップ21)する毎に予定走行距離Lを算出し(ステップ22)、対応する閾値距離を設定(ステップ23)するようにしている。
これに対して、出発地から目的地までの距離に応じて閾値距離を決定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施形態の渋滞案内装置が適用されるナビゲーション装置のシステム構成図である。
【図2】第1実施例における渋滞案内処理を表したフローチャートである。
【図3】第2実施例における渋滞案内処理を表したフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
10 現在位置検出装置
20 情報処理制御装置
40 入出力装置
50 情報記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
渋滞の位置と距離を含む渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段と、
走行経路を取得する走行経路取得手段と、
現在位置から目的地までの走行距離と、走行目的の少なくとも一方に基づいて、閾値となる距離を決定する距離決定手段と、
前記走行経路上に存在し、前記決定した距離よりも長い渋滞を報知する渋滞報知手段と、
を具備したことを特徴とする渋滞案内装置。
【請求項2】
前記走行経路取得手段は、目的地までの走行経路を探索することで走行経路を取得することを特徴とする請求項1に記載の渋滞案内装置。
【請求項3】
前記距離決定手段は、目的地の種別を走行目的とし、該種別に応じて閾値を決定する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の渋滞案内装置。
【請求項4】
目的地入力手段により入力された目的地、又は、走行を開始した位置と時刻とから推定した目的地を取得する目的地取得手段、を備えたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の渋滞案内装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−216107(P2008−216107A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−55414(P2007−55414)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】