説明

減光フィルタの成膜方法、減光フィルタの製造装置及びこれを用いた減光フィルタ並びに撮像光量絞り装置

【課題】基板上に光学特性に応じた膜層を形成する際に、グラデーション層を安定してバラツキなく同時に複数の基板に成膜することの可能な成膜方法を提供する。
【解決手段】成膜チャンバ内でターゲットを動作ガスでスパッタリングして基板上に光学特性の異なる少なくとも第1第2の物質から成る複数のターゲットを動作ガスでスパッタリングして誘電体膜層層と金属膜層を積層状に形成する減光フィルタの成膜方法であって、上記誘電体膜層は、誘電性物質若しくは金属物質からなるターゲットを動作ガスでスパッタリングして上記基板上にスパッタ粒子で膜形成した後、形成された膜にプラズマを照射して生成された化合物で膜形成する。また上記金属膜層は、金属物質からなるターゲットを動作ガスでスパッタリングして上記基板上にスパッタ粒子で膜形成され、または形成された膜にプラズマを照射して生成された化合物で膜形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えばビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮影装置の光量を調整する減光フィルタと、その成膜方法、製造装置及び光量絞り装置に係わり、減光特性を有する薄膜をその濃度が連続的に漸減するグラデーション成膜の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にこの種の減光フィルタはNDフィルタ(Neutral Density Filter)として各種撮像装置に広く用いられている。このNDフィルタは樹脂或いはガラス製の基板に光吸収特性に優れた薄膜を形成している。そしてこのNDフィルタは全体が均一な単濃度の薄膜で成膜する場合と、濃度が連続的に変化(漸減)するグラデーション薄膜で成膜する場合が知られている。
【0003】
近年、撮像装置の高解像化が進むに従い、明るい被写体条件下で光量を絞ると回折光の影響による画像ボケなど画質の劣化が顕著に現れる傾向にある。そこで例えば特許文献1に開示されているように光量を調整する絞り羽根にNDフィルタを添着し、小絞り時に発生する回折現象を抑えることが提案されている。単一濃度のNDフィルタの場合、NDフィルタの端部と開口形状で形成される小絞りにより回折が発生し画質の劣化が現れる。その劣化を防止する為に開口径側に連続的に濃度が漸減するグラデーションフィルタが提案されている。
【0004】
従来このようなグラデーションフィルタを作成する成膜方法としては、マイクロ写真法(例えば特許第2754518号)で作成することも提案されているが、真空蒸着装置で作成することが広く用いられている。例えば特許文献2には蒸着膜でグラデーション層を作成することが開示されている。
【0005】
特許文献2には真空蒸着装置(物理蒸着法)の試料ステージに基板(成膜ベース基材)を装着し、このステージを回転(公転)させながら蒸発成分を加熱蒸発させて基板に成膜するグラデーション成膜方法が開示されている。このように薄膜を真空蒸着、或いはスパッタ装置で生成することは広く知られている。
【0006】
ところが一般に用いられている真空蒸着装置或いはスパッタ装置では膜厚さを直線的に変化(漸減)させる成膜は不可能である。つまりこの種の装置は均一な薄膜を生成することを目的に構成されている。そこで特許文献2は真空蒸着装置を用いてグラデーション膜を形成するため、次の工夫を行っている。この特許文献2のグラデーション膜の生成メカニズムを図1に示す。この成膜方法は基板50を蒸着ステージ(蒸着傘)51に同図(b)のように放射状に多数装着する。そしてこの蒸着ステージ51と距離を隔てた位置に開口52を有するマスク53を配置し、蒸着ステージ51とマスク53は同一軸Xを中心に回転(公転)するように装置内に装備する。そこでこの回転軸Xから所定量オフセットした位置Yに蒸着源54が配置されている。このような状態で蒸着ステージ51を回転し蒸着源から成膜成分を蒸発させる。すると蒸着源54から発散された成膜成分は、その一部が開口52から基板上に付着し、他はマスク53に遮られる。
【0007】
このような構造で蒸着ステージ51とマスク53を回転(公転)させると蒸着源54との間には図2に示すような幾何学的関係が成立する。つまりステージ51に装着された基板50に対して蒸着源54を点蒸発源として表現すると、この蒸着源54は同図のように所定角度θで傾斜した円弧軌跡で回転する。そしてこの傾斜角度θはドーム形状のステージ51に装着された基板50の角度θと一致する。そこで基板50には角度θで傾斜した円弧軌跡で蒸発源54から蒸着成分がマスク53の開口52から投射される。従って基板上には同図(b)に示すような膜厚さdがd1からd2に漸減的に変化する膜層が形成される。この膜層によって透過光量は濃度の濃い部分(膜厚さd1)は透過率が大きく、濃度の薄い部分(膜厚さd2)は透過率が小さくなる。
【0008】
従来のグラデーション膜を生成する場合は上述のように蒸着槽内で基板とターゲットとの間にマスク板を設け、このマスク開口に対して所定角度(図1に示すα角度)傾斜した位置から成膜成分(蒸発粒子)を蒸発させるようにして形成している。従って特許文献2には開示されていないが、ターゲットとマスク板との距離図1におけるL1は、マスク板と基板との距離dに比べて十分大きく(長く)設定し、ターゲットから投射される蒸着成分が平行光線のような直線を描くようにコントロールされている。これによって図2(b)に示すように幾何学的に形成される膜厚さは直線的に変化することとなる。
【特許文献1】特許第2754518号公報(図1、図4)
【特許文献2】特開2005−345746号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように各種撮像装置において撮像光量を減衰する際に、光路中心に向かって濃度が漸減するような膜厚さに形成したグラデーションフィルタが知られている。そして従来はこのグラデーションフィルタを前掲特許文献1のような蒸着装置で成膜する方法を採っている。ところがこの方法による場合には、同時に複数枚のフィルタ素材を生成する場合に膜厚さが個々の素材毎に異なり歩溜まりが極端に悪いという問題を抱えている。つまり所定減衰率のフィルタを大量生産する際に、個々の減衰特性が異なり、光学的特性にバラツキが生ずる欠点がある。
【0010】
これと共に、膜厚さが均一(直線的)に変化しない問題がある。これは図5(b)に理想的な膜厚さを破線で表現するとき前掲特許文献2の方法で作成したフィルタは同図鎖線で示すように光学特性にバラツキが生ずる欠点がある。このように従来の蒸着装置によるグラデーションフィルタの成膜方法では複数の基板を同時生産すると個々の素材の光学特性に大きなバラツキが生ずる問題と、グラデーション膜層が直線的に減衰しない問題が知られている。従ってその生産には槽内の真空状態管理、蒸着成分の蒸着条件管理、蒸着成分の槽内浮遊条件管理など高度な経験と、ノウハウを要するとされている。
【0011】
上述の特許文献2に開示の成膜方法における素材毎に光学特性のバラツキが発生する原因は次にあると思われる。まず前者は図2に幾何学的モデルを示すように基板50(a、b、c)はドーム形状のステージ51に、それぞれ角度θが異なる(θ、θ、θ)状態で装着されている。そしてこの各基板50に対応するマスク53(x、y、z)が同一の角度θ(θ、θ、θ)で配置されている。この基板とマスクを装着したステージ(蒸着傘)に対して蒸発源54はその回転中心から所定角度(図2に示すα角度)オフセットした位置に配置されている。
【0012】
従って蒸着源54から飛散した蒸着成分はそれぞれ異なる角度でマスクを通過し基板上に膜形成する。このため基板50aと基板50bでは異なる幅の膜層が形成される。これと共に回転軸Xを中心に回転するステージ51では蒸着源54から蒸着成分が基板50aと基板50bでは図示距離L、Lが異なる。従って当然に両基板に成膜される膜厚さがことなる事となり、これが素材毎に光学特性のバラツキが生ずる原因と解析される。
【0013】
次に上述の特許文献2に開示の成膜方法において膜層が直線的に減衰しない原因は次にあると思われる。同文献の成膜方法は図1に示すように基板とマスク板が回転する方向前後にグラデーション層を形成している。このためグラデーション層は基板に回転しながら蒸発源から放射された蒸着成分が付着する。このような成膜ではチャンバ内の雰囲気が基板の回転で変化する。この変化で付着される膜厚さが不安定となり幾何学的に形成される通りの膜厚さが得られない。これと共に同文献の蒸着槽内で蒸着物質を加熱して蒸着させる成膜方法では、成膜物質の粒子が大きいこと(後述する本発明の反応性スパッタリングによる成膜と比較)、この蒸着成分の粒子が大きいため、成膜条件が多少でも変化すると膜厚さが大きく異なる原因と解析される。これと同時に例えば蒸着成分として二酸化ケイ素を用いる場合に例えると蒸着源から蒸着する成分は「SiO2」「SiO」またその中間酸化物など不安定な状態で生成される。このようなオキサイドシフトが成膜手段によって無作為に発生するため安定した膜層を形成することが出来ないことに原因すると思われる。
【0014】
そこで本発明者は既に知られている反応式スパッタリング装置(例えば特開平11−279757号公報)でグラデーションフィルタを生成することに着目し、この場合に上述のバラツキが発生しない成膜方法を案出するに至った。
【0015】
本発明は透明な基板上に光学特性に応じた膜層を形成する際に、膜厚さが漸減するグラデーション層を安定してバラツキなく同時に複数の基板に成膜することの可能な成膜方法を提供することをその主な課題としている。
更に本発明はグラデーション層の膜厚さを直線的に漸減することの可能であり、同時に経時的に劣化することのない減光フィルタの成膜方法、製造装置及びこれを用いた減光フィルタの提供をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を達成するため本発明は以下の構成を採用する。成膜チャンバ内でターゲットを動作ガスでスパッタリングして基板上に光学特性の異なる少なくとも第1第2の物質から成る複数のターゲットを動作ガスでスパッタリングして誘電体膜層層と金属膜層を積層状に形成する減光フィルタの成膜方法であって、上記誘電体膜層は、誘電性物質若しくは金属物質からなるターゲットを動作ガスでスパッタリングして上記基板上にスパッタ粒子で膜形成した後、形成された膜にプラズマを照射して生成された化合物で膜形成する。また上記金属膜層は、金属物質からなるターゲットを動作ガスでスパッタリングして上記基板上にスパッタ粒子で膜形成され、または形成された膜にプラズマを照射して生成された化合物で膜形成する。そして上記誘電体膜層と光吸収属膜の膜形成は、(1)上記基板を上記成膜チャンバ内に配置された円筒形状の回転ドラムに装着し、(2)上記ターゲットを板状材料で上記基板表面と略々平行に配置し、(3)上記回転ドラムにはマスク開口を有するマスク板を上記基板との間に所定の成膜ギャップを形成するように配置する。そこで上記回転ドラムを回転させながら上記ターゲットにスパッタ電圧を印加することによって膜形成し、上記基板には上記回転ドラムの回転方向の前端縁と後端縁に上記マスク板のマスク開口から上記成膜ギャップ内に生ずるスパッタ粒子の拡散で膜厚さが漸減するグラデーション層を形成する。
【0017】
上記基板とマスク板は上記回転ドラムの円周上に配置し、この基板とマスク板との間に配置されたスペーサ部材によって上記成膜ギャップを形成する。このマスク板に形成されたマスク開口の前後端縁の少なくとも一方は、上記回転ドラムの回転方向と直交する直線上に配置する。
【0018】
上記基板とマスク板との間の成膜キャップは、上記グラデーション層の成膜幅に応じて設定される所定間隔に形成する。また、上記基板とマスク板との間の成膜ギャップは、上記ターゲットと基板との間の距離に対して所定の間隔に形成する。
【0019】
本発明に係わる減光フィルタは、基板と、上記基板に積層状に形成された誘電体膜層と金属膜層とから構成する。上記誘電体膜層は、誘電性物質からなるターゲットを動作ガスでスパッタリングして被膜形成した後、反応性ガスを照射して成膜し、上記金属膜層は、金属物質からなるターゲットを動作ガスでスパッタリングして成膜する。このとき上記誘電体膜層と金属膜層とは、上記ターゲットをスパッタリングする際に、上記基板との間に成膜ギャップを形成するマスク板のマスク開口縁からのスパッタ粒子の拡散によって膜厚さが漸減するグラデーション層を形成する。
【0020】
本発明にかかわる撮像光量絞り装置は、撮像光路に配置され、撮像光量を調整する絞り羽根と、上記絞り羽根に添着された減光フィルタとから構成する。そして上記減光フィルタは上述の構成を備える。
【0021】
本発明に係わる減光フィルタの製造装置は、基板上に誘電体膜層と金属膜層を積層状に成膜する減光フィルタの製造装置であって、成膜チャンバと、上記成膜チャンバ内に配置された円筒形状の回転ドラムと、上記回転ドラムに装着された複数の基板と、上記成膜チャンバ内に区割された第1エリアに上記基板と距離を隔てて配置された誘電性物質から成る第1のターゲットと、上記成膜チャンバ内の第2エリアに配置された反応性ガスの供給源と、上記成膜チャンバ内の第3エリアに配置された金属物質から成る第2のターゲットと上記第1エリア及び第3エリアに配置されたスパッタリング用の動作ガス供給源とを備える。そして上記第1及び第2のターゲットは板状材料で上記成膜チャンバ内に上記基板表面と略々平行に配置し、上記回転ドラムにはマスク開口を有するマスク板が上記基板との間に所定の成膜ギャップを形成するように配置する。そこで上記回転ドラムを回転させながら上記ターゲットにスパッタ電圧を印加することによって膜形成し、この膜形成は上記成膜ギャップ内に生ずるスパッタ粒子の拡散で膜厚さが漸減するグラデーション層を形成する。
【0022】
上記マスク板はマスク開口の前後端縁が上記回転ドラムの回転方向と直交するように配置する。上記基板には上記回転ドラムの回転方向の前端縁と後端縁にグラデーション層を形成する。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、成膜チャンバ内に配置された円筒形状の回転ドラムの周面に基板を装着して膜形成する際に、ターゲットを板形状に構成して基板表面と略々平行に配置し、この基板と所定の成膜ギャップを形成するマスク板を介してターゲットをスパッタリングして成膜するようにしたものであるから次の効果を奏する。
【0024】
回転ドラムに装着された基板とマスク板はターゲットに対して、回転ドラムの回転で成膜する際に常に同一の幾何学的位置関係が維持される。従って成膜する各ファクタの位置関係が安定しているため回転ドラムに複数の基板(成膜ベース基材)を配置しても略々均一の膜層が形成され、基板毎の膜層にバラツキが生ずることがない。
【0025】
また、基板上に形成される誘電体膜層は、誘電性物質からなるターゲットを動作ガス(アルゴンガスなど)でスパッタリングして上記基板上にスパッタ粒子で膜形成され、または形成された膜にプラズマを照射して生成された化合物で膜形成されるため、均質で経時的に劣化する恐れがない。つまりケイ素(Si)或いはアルミ(Al)の場合これらの微細粒子で基板に被膜を形成し、これに酸素、窒素、フッ素などの反応性ガスを照射して化合物の膜を形成するため、不安定な分子構造で成膜されることがない。従って使用環境下でこれらのガス(空気中では酸素、或いは窒素)によって誘電体膜層が変化して光学特性が劣化することがない。
【0026】
特に本発明は、膜厚さが直線的に漸減するグラデーション層を基板との間に成膜ギャップを有するマスク開口から拡散するスパッタ粒子によって形成するものであるから、この粒子拡散はマスク開口の開口縁から周辺に向かって徐々に減衰する。従って従来の真空蒸着法における蒸着成分に比べ本発明のスパッタ粒子は極めて微細であるためマスク開口から周辺に拡散する際に光の拡散と同様に減衰し、基板上にはマスク開口の法線方向に均一な厚さの膜が生成され、その周辺には拡散角度に比例して徐々に減衰する厚さの膜(グラデーション膜)が形成される。
【0027】
更に、このグラデーション膜をマスク開口の回転方向の前後に拡散するスパッタ粒子で形成することによって、回転ドラムの周囲に複数の基板を装着して膜形成する場合にバラツキのない安定した膜厚さの減衰が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下図示の好適な実施の態様に基づいて本発明を詳述する。図3及び図4は本発明に係わる成膜方法の概念構成を示すモデル図であり、図3はターゲットから蒸着成分を飛翔させる概念図、図4は回転ドラムに装着された基板とターゲットとの配置関係を示す。
【0029】
本発明に係わる減光フィルタの成膜方法について説明する。本発明の減光フィルタ(NDフィルタ)43は図5(a)に示すように基板(成膜ベース基材)10上に光吸収性の薄膜層20を形成する。この薄膜層20は均一厚さで均一な透光率を有する単濃度膜層20aと膜厚さが漸減するグラデーション膜層20bとに形成される。図示のものは光吸収性に富んだ金属膜の光吸収層21と、光の反射特性を調整する中間層(誘電体膜層;以下同様)22とから積層状に構成される。この光吸収層(金属膜;以下同様)21と中間層22は積層状に複数段形成され、図示のものは基板10、光吸収層21、中間層22、光吸収層21、中間層22の順に積層され、最上層にコーティング層23が形成されている。これらの成膜物質については後述する。
【0030】
上述のように形成される減光フィルタ43を本発明は以下のように成膜することを特徴としている。
(1)上記光吸収層21と中間層22を反応性スパッタリングで形成する。図3(a)に示すようにチャンバ30内のステージ31に基板10(成膜ベース基材;以下同様)を装着し、この基板10と対向するようにターゲット32を配置する。このステージ31はターゲット32に対して相対的に回転するように円筒形状の回転ドラムで構成する。そしてターゲット32をカソード電極に設置してステージ31との間に電圧を印加する。この電圧は例えば高周波電源から供給する。そこで略々真空状態のチャンバ30内に動作ガス(アルゴンガスを例示)を導入する。するとチャンバ内は動作ガスがプラズマ状態となり、そのイオンが高速で移動し、ターゲット32に衝突する。これによりターゲット32から粒子が飛翔(スパッタリング現象)し、基板10に付着する。
【0031】
(2)本発明は、上記光吸収層21を光吸収性に富んだ金属物質のターゲットで構成し、中間層22をSi、Alなどのターゲットでスパッタした誘電体物質で構成する。そして中間層22は、この誘電性物質を動作ガスでスパッタリングして上記基板上にスパッタ粒子で膜形成され、または形成された膜にプラズマを照射して生成された化合物で膜形成する。つまり、基板上にSi、Alなどの粒子で被膜を形成し、次いで酸素ガス、窒素ガス、フッ素ガスなどの反応性ガスを照射する。これによって酸化膜、窒化膜、フッ化膜が生成される。
【0032】
(3)そこで本発明は上記基板10をチャンバ30内の回転ドラム(ステージ;以下同様)31に装着し、上記ターゲット32をカソード電極に装着する際に、ターゲット32を板状材料で面状蒸着源に構成すること、この板状材料を基板10の表面と略々平行に配置することを特徴としている。図3(a)に示すように回転ドラム(ステージ)31の周上に装着された基板10と、この基板と距離L(飛翔距離)を隔ててターゲット32を平行に配置する。これによって面状蒸着源と基板10とは図3(b)X−X方向に均一な距離関係に保持される。
【0033】
次に本発明は、上記ターゲット32と基板10との間にマスク開口33を有するマスク板34を配置することを特徴としている。このマスク板34は回転ドラム31に基板10とセットで装着することが好ましい。そしてマスク板34と基板10との間には所定の成膜ギャップdを形成する。この成膜ギャップdの設定については後述する。
【0034】
特に上述の基板10とマスク板34とは回転ドラム31の回転方向(図3(b)に示すY−Y)と直交するマスク開口33の前端縁33aと後端縁33bは少なくとも一方がY−Y方向と直交するように配置する。図示の上端縁33aと下端縁33bは互いに平行に形成され、この上下端縁33a、33bが回転ドラム31の回転方向と直交するようにマスク板34は回転ドラム31に装着されている。
【0035】
このような構成で回転ドラム31を所定速度で回転させ、基板10とターゲット32との間に高周波電圧を印加し、同時に動作ガスをチャンバ内に導入する。これによって基板上に膜形成される。このときの成膜状態は図3(a)(b)に示すように回転ドラム31の回転軸方向Y−Yのマスク開口33の上端縁33aと下端縁33bには成膜ギャップd内にスパッタ粒子の拡散によるグラデーション膜層20bが生成される。また開口中央部には均一膜層20aが生成される。この成膜状態を図5(a)で説明すると、マスク開口33の周縁(左右端縁及び上下端縁)から外周方向にスパッタ粒子の拡散が発生する。このスパッタ粒子の拡散は原子或いは分子の微細粒子で光と同様の拡散現象が生ずることが知られている。そしてこの拡散は拡散角度に比例して減衰することが究明されている。
【0036】
従って基板10上に生成されるマスク開口33の外周部に形成される膜厚さは図5(b)に示す余弦曲線に相似し、同図(c)にLxで示す直線成分に沿った膜厚さが生成される。そして本発明はこのような膜生成をターゲット32に対して回転する基板10の回転方向と直交する図4(a)X−X方向に形成したことを特徴としている。これによって回転ドラム31の回転の影響を受けることなく直線的に膜厚さが減衰するグラデーション膜層20bを形成することが可能である。
【0037】
上記マスク板34の構成について説明すると、図3(b)に示すように回転ドラム31に基板10を装着する。その具体的構成は図示しないが回転ドラム31に装着治具を介して取付ける。このとき基板10との間に枠状のスペーサ部材34Sを設け、このスペーサ部材34Sにマスク板34を取付ける。そしてマスク板34には成膜エリアに応じたマスク開口33が設けられ、この開口33の前端縁33aと後端縁33bの少なくとも一方は回転ドラム31の回転方向と直交(図示X−X方向)する線分を備えるように回転ドラム31に取付ける。そして上記スペーサ部材34Sで基板10との間に成膜ギャップdを形成する。この場合、成膜ギャップd(基板とマスク板との間隔)は、所望(設計値)の成膜幅ΔXに対して次式で求められる。[d=k×ΔX/tanθ]、この補正値k及び拡散角度θはチャンバ内雰囲気から実験値として求める。
【0038】
上述のように成膜されたグラデーション層は図5(b)に実線で示すように理想的な濃度勾配(同図破線)に略々近似した膜厚勾配が得られた。これに対し前述した前掲特許文献2の真空蒸着による成膜方法では同図に鎖線で示すような直線性が乏しい膜厚さとなる。これから明らかなように本発明の成膜方法では膜厚さは直線的に漸減し、その濃度勾配も光の透過率も直線的に減衰することとなる。
【0039】
以上説明した本発明の成膜方法について、具体的な実施形態を説明する。
[基板材質]
上述の基板10は透明ガラス又は合成樹脂板で構成する。合成樹脂の場合例えばポリエチレンフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ノルボルネン系樹脂などを使用する。この他基板材質は使用環境に応じて好適な素材を選択する。
[誘電物質]
前述の誘電体膜層(中間層)は、ケイ素或いはアルミなどの酸化物、窒化物、フッ化物で構成する。このため蒸着ターゲット32はSi(ケイ素)、Al(アルミ)の板状部材を使用する。
[金属物質]
前述の金属膜(光吸収層)は、クロメル(ニッケルークロム合金)、ニオブ(Nb)チタン(Ti)などでの光吸収性に富んだ金属酸化物を使用する。
[コーティング層]
上述のコーティング層23としてはフッ化マグネシウムなどの硬質性或いは撥水性に富んだ材料を使用する。この場合にはターゲット32としてMgO(マグネシウム酸化物)
【0040】
[フィルタの製造装置]
図6に示すスパッタリング装置について説明する。図6に示す装置は、チャンバ30を形成する外筐ケース30aと、このチャンバ30内に回転自在に内蔵された円筒形状の回転ドラム31と、この回転ドラム31に距離を隔てて配置されたスパッタ電極35とで構成されている。
【0041】
上記チャンバ30内は略々真空に形成され、このため図示しない真空ポンプが備えられている。そしてチャンバ30内は複数のエリア36a〜36dに遮蔽板37で区割されている。図示のものは光吸収層21を成膜する第1のターゲット32a(以下「金属ターゲット」という)をスパッタリングする第1エリア36aと、中間層22を成膜する第2のターゲット32b(以下「誘電体ターゲット」という)をスパッタリングする第2エリア36bと、コーティング層23を成膜する第3のターゲット32c(以下「コート層ターゲット」という)をスパッタリングする第3エリア36cと、活性ガスを照射する第4エリア36dとに区割されている。そして第1、第2、第3エリア36a〜36cには一対のスパッタ電極35a、35bがそれぞれ内蔵されている。
【0042】
この一対のスパッタ電極35a、35bは交流電源に連結され、一方がカソード、他方がアノードとなるように配置されている。各スパッタ電極35a、35bは電源コイル35cに結線され、交流電圧が印加されるように構成されている。上記第1、第2、第3エリア36a〜36cの各スパッタ電極35a、35bにはターゲット32が装着されている。このターゲット32は板状材料で構成され、面状蒸着源を構成する。また上記第1、第2、第3エリア36a〜36cにはコントローラ38を介してアルゴンなどの動作ガスが導入されるようになっている。図示38gはアルゴンガスの供給ボンベである。そして上記第4エリア36dにはコントローラ38を介して活性ガス(酸素ガス、窒素ガス、フッ素ガスなど)が供給ボンベ38gから供給されるようになっている。
【0043】
第4エリア36dには反応性ガス発生室39が設けられ、供給ボンベ38gからのガスをプラズマ化して第4エリア36d内に照射するように構成されている。このような装置構成で回転ドラム31を所定速度で回転し、第1エリア36aの金属ターゲット32aをスパッタリングして金属膜(例えばNb)を基板10上に付着し、次いで第2エリア36bの誘導体ターゲット32bをスパッタリングして誘電体膜層(例えばSi)を基板10上に付着する。次いで第4エリア36dで活性ガス(例えばO)を基板上に照射する。すると基板上の誘電体膜層は酸化され酸化物(例えばSiO)の膜を生成する。
【0044】
このように光吸収層21と中間層22とを複数層に積層した後、第3エリア36cのコート層ターゲット32cをスパッタリングして最上層にコーティング層23を付着させる。
【0045】
このように本発明は減光フィルタ(NDフィルタ)43を成膜する際に、回転ドラム31に基板10とマスク板34を装着し、この基板10に対して平行な面状蒸着源(上述の各ターゲット)から膜成分のスパッタ粒子を飛翔させて成膜する。このときマスク板34と基板10との間には所定間隔の成膜ギャップdが形成されている。従ってマスク板34のマスク開口33に対応する基板10には単濃度膜層20aと、マスク開口33の上端縁33aと下端縁33bの周辺には膜厚さが直線的に漸減するグラデーション膜層20bが形成される。
【0046】
このように本発明は回転する基板10の回転方向と直交するマスク開口33の上下縁にグラデーション膜層20bを形成することを特徴としている。このためグラデーション膜層20bは幾何学的な成膜モデルで成膜され、基板10の回転などの条件に左右されることがない。
【0047】
更に本発明は上述のコントローラ38で動作ガスの導入量を加減することによって成膜圧力を調整することを特徴としている。この成膜圧力の調整によってグラデーション膜層20bの成膜幅(前述のΔX)を誘電体膜層(中間層)22と金属膜(光吸収層)21とで端縁が一致させることが可能となる。つまり動作ガスの圧力調整によってグラデーション膜層20bの厚さ勾配(濃度勾配)を膜層毎に設定するため、例えば誘電体膜層22の厚さ勾配と金属膜21の厚さ勾配をそれぞれ個別に設定することが出来る。
【0048】
「反射率特性の改善」
また、本発明では誘電体膜層22の厚さ勾配と金属膜21の厚さ勾配をそれぞれ設定する際に、同時にそのグラデーション領域における反射率R%の変化を抑えゴースト現象を防止するために、図8(a)に示す様に通常では可視光域400nmから700nmの範囲VSでARコート処理が施されるが、図で示す様にグラデーション部分の膜厚が薄くなることからその厚さがバラツキ易く、膜厚変化により反射率特性がd1からd2と低波長側にずれる傾向が有ることを捕らえ、そこで図8(b)に示す様にARコート処理の範囲を可視光域400nmから700nmの範囲VSを更に高波長1200nm程度まで反射率R%の変化を抑えるように、誘電体膜層22の厚さ勾配と金属膜21の厚さ勾配の調整及び各層数を増やすことで、図で示す様にARコート処理の範囲を広帯域にすることが出来る。この広帯域ARコート処理でグラデーション部分の膜厚が多少変化し反射率特性がd3からd4と低波長側にずれたとしても、可視光域400nmから700nmの範囲VSでのARコート特性はほぼ一定に維持することが出来る。
【0049】
「光量調整装置の説明」
本発明に係わる光量調整装置Eは図7に示すように、基板40と、この基板40に形成された光路開口41に1枚若しくは複数枚の光量調整羽根42を開閉自在に配置する。そしてこの光量調整羽根42で光路開口41を通過する光量を大小調節する。図示のものは一対の羽根42a、42bで光量調整するように構成され、ぞれぞれの羽根には小絞り状態に光量調整するように狭窄部42x、42yが形成してある。そこでその一方の羽根42aには狭窄部42xにNDフィルタ43が添着してある。このNDフィルタ43は前述した基板10上に成膜した単濃度膜層20aとグラデーション膜層20bをカットして形成されている。そして光路中心に向かうに従って光の透過率が高くなるように光量調整羽根42aに添着されている。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】従来の減光フィルタの成膜方法のモデル図であり、(a)は装置構成の説明図、(b)は基板とマスク板の配置構成の説明図。
【図2】図1に示す従来の減光フィルタの成膜方法のモデル図であり、(a)はグラデーション膜層の成膜モデルを、(b)はその基板に成膜する状態の拡大説明図。
【図3】本発明に係わる成膜方法の概念説明図であり、(a)はターゲットから蒸着成分を飛翔させるモデル図、(b)は要部拡大図。
【図4】回転ドラムに装着された基板とターゲットとの配置関係を示し、(a)は全体斜視図、(b)は断面図。
【図5】(a)本発明に係わる減光フィルタの形状説明図であり、(b)は減光フィルタの濃度と成膜位置との関係図、(c)は減光フィルタの成膜厚さと拡散距離との関係を示す模式図。
【図6】本発明に係わるスパッタリング装置の断面図。
【図7】光量調整装置の配置を示す斜視図。
【図8】(a)(b)ARコート特性を説明する為の特性図。
【符号の説明】
【0051】
E 光量調整装置
F 減光フィルタ(NDフィルタ)
d 成膜ギャップ
10 基板(成膜ベース基材)
11 ガス圧調整孔
20 薄膜層
20a 単濃度膜層
20b グラデーション膜層
21 光吸収層(金属膜)
22 中間層(誘電体膜層)
23 コーティング層
30 チャンバ
30a 外筺ケース
31 ステージ(回転ドラム)
32 ターゲット
32a 第1のターゲット(金属ターゲット)
32b 第2のターゲット(誘導体ターゲット)
32c 第3のターゲット(コート層ターゲット)
33 マスク開口
33a 上端縁
33b 下端縁
34 マスク板
34S スペーサ部材
35 スパッタ電極(35a、35b)
35c 電源コイル
36a 第1エリア
36b 第2エリア
36c 第3エリア
36d 第4エリア
37 遮蔽板
38 コントローラ
38g 供給ボンベ
39 反応性ガス発生室
40 基板
41 光路開口
42 光量調整羽根(42a、42b)
42x 狭窄部
42y 狭窄部
43 NDフィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜チャンバ内でターゲットを動作ガスでスパッタリングして基板上に光学特性の異なる少なくとも第1第2の物質から成る複数のターゲットを動作ガスでスパッタリングして誘電体膜層層と金属膜層を積層状に形成する減光フィルタの成膜方法であって、
上記誘電体膜層層は、
ターゲットを動作ガスでスパッタリングして上記基板上にスパッタ粒子で被膜を形成した後、この被膜に反応性ガスを照射して生成された化合物で膜形成され、
上記金属膜層は、
金属物質からなるターゲットを動作ガスでスパッタリングして上記基板上にスパッタ粒子若しくはスパッタ粒子と反応性ガスとの化合物で膜形成され、
上記誘電体膜層と金属膜層の膜形成は、
(1)上記基板を上記成膜チャンバ内に配置された円筒形状の回転ドラムに装着し、
(2)上記ターゲットを板状材料で上記基板表面と略々平行に配置し、
(3)上記回転ドラムにはマスク開口を有するマスク板を上記基板との間に所定の成膜ギャップを形成するように配置し、
上記回転ドラムを回転させながら上記ターゲットにスパッタ電圧を印加することによって膜形成され、
上記基板には上記回転ドラムの回転方向の前端縁と後端縁に上記マスク板のマスク開口から上記成膜ギャップ内に生ずるスパッタ粒子の拡散で膜厚さが漸減するグラデーション層が形成されることを特徴とする減光フィルタの成膜方法。
【請求項2】
前記基板とマスク板は前記回転ドラムの円周上に配置され、
この基板とマスク板との間に配置されたスペーサ部材によって前記成膜ギャップが形成され、
上記マスク板に形成されたマスク開口の前後端縁の少なくとも一方は、上記回転ドラムの回転方向と直交する直線上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の減光フィルタの成膜方法。
【請求項3】
前記基板とマスク板との間の成膜キャップは、前記グラデーション層の成膜幅に応じて設定される所定間隔で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の減光フィルタの成膜方法。
【請求項4】
前記基板とマスク板との間の成膜ギャップは、前記ターゲットと基板との間の距離に対して所定の間隔に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかの項に記載の減光フィルタの成膜方法。
【請求項5】
前記基板は、ポリエチレンフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ノルボルネン系樹脂その他の透明プラスチックス又は透明ガラスで構成され、
この基板には成膜エリアのグラデーション膜層を形成する端縁部に切欠き開口が設けられ、
この切欠き開口はスパッタ粒子の拡散を調整する通孔を構成していることを特徴とする請求項1乃至4の何れかの項に記載の減光フィルタの成膜方法。
【請求項6】
基板と、
上記基板に積層状に形成された誘電体膜層と金属膜層とから構成され、
上記誘電体膜層層は、誘電性物質からなるターゲットを動作ガスでスパッタリングして被膜形成した後、反応性ガスを照射して成膜され、
上記金属膜層は、金属物質からなるターゲットを動作ガスでスパッタリングして成膜され、
上記誘電体膜層層と金属膜層とは、
上記ターゲットをスパッタリングする際に、上記基板との間に成膜ギャップを形成するマスク板のマスク開口縁からのスパッタ粒子の拡散によって膜厚さが漸減するグラデーション層を有していることを特徴とする減光フィルタ。
【請求項7】
撮像光路に配置され、撮像光量を調整する絞り羽根と、
上記絞り羽根に添着された減光フィルタと、から構成され、
上記減光フィルタは請求項6に記載の構成を備えていることを特徴とする撮像光量絞り装置。
【請求項8】
基板上に誘電体膜層層と金属膜層を積層状に成膜する減光フィルタの製造装置であって、
成膜チャンバと、
上記成膜チャンバ内に配置された円筒形状の回転ドラムと、
上記回転ドラムに装着された複数の基板と、
上記成膜チャンバ内に区割された第1エリアに上記基板と距離を隔てて配置された誘電性物質から成る第1のターゲットと、
上記成膜チャンバ内の第2エリアに配置されたプラズマ(反応性ガス)の供給源と、
上記成膜チャンバ内の第3エリアに配置された金属物質から成る第2のターゲットと、
上記第1エリア及び第3エリアに配置されたスパッタリング用の動作ガス供給源と、
を備え、
上記第1及び第2のターゲットは板状材料で上記成膜チャンバ内に上記基板表面と略々平行に配置され、
上記回転ドラムにはマスク開口を有するマスク板が上記基板との間に所定の成膜ギャップを形成するように配置され、
上記回転ドラムを回転させながら上記ターゲットにスパッタ電圧を印加することによって膜形成され、
この膜形成は上記成膜ギャップ内に生ずるスパッタ粒子の拡散で膜厚さが漸減するグラデーション層を形成することを特徴とする減光フィルタの製造装置。
【請求項9】
前記マスク板はマスク開口の前後端縁が前記回転ドラムの回転方向と直交するように配置され、
前記基板には上記回転ドラムの回転方向の前後端縁にグラデーション層が形成されることを特徴とする請求項8に記載の減光フィルタの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−7651(P2009−7651A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−171780(P2007−171780)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【Fターム(参考)】