説明

湿式使用チョップドストランドを使用した熱可塑性組成物の開発

湿式使用のチョップドストランドガラスを使用する熱可塑性複合材(295)を形成するための方法が提供される。湿式チョップドストランドガラス繊維のような湿式補強繊維が、該繊維を第1のオープナー(210)、コンデンサ(220)、および任意に第2のオープナー(230)に連続的に通すことによって開かれる。この開かれた補強繊維は樹脂(240)と混合され、第1のシート形成器(270)に移送される。樹脂は、好ましくはポリプロピレン繊維である。高い構造的一体性を有する最終複合材を形成するために、任意の第2のシート形成器を使用してもよい。得られたシートは、機械的強化のために、針穿刺フェルト製造機に通されてもよい。次いで、該シートは、補強ガラス繊維および樹脂を結合させるために熱結合装置(290)に通される。熱結合装置を出て行く複合材製品は、続いて、複合材物品を製造するためのモールドプロセスにおいて補強剤として使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、熱可塑性複合材を製造する方法に関し、詳細には、湿式使用のチョップドストランドガラス繊維を使用する熱可塑性複合材を形成するための湿式プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス繊維は、典型的には、溶融ガラスをブッシングもしくはオリフィスプレートを通してフィラメントに引き、該フィラメントに対して、潤滑剤、カップリング剤および膜形成バインダ樹脂を含有するサイジング組成物を塗布することによって形成される。この水性のサイジング組成物は、フィラメント間での磨耗から繊維を保護し、またガラス繊維と該ガラス繊維を補強目的で使用する何れかのマトリックスとの間の適合性を促進する。該サイジング組成物を塗布した後に、これら繊維を1以上のストランドに集めてパックに巻取り、或いは、これら繊維を湿式細断して収集してもよい。次いで、収集されたチョップドストランドを乾燥および硬化させて、乾式使用のチョップドストランドガラス(DUCS)を形成することができ、または、それらを湿式使用のチョップドストランドガラス(WUCS)として湿潤状態でパックすることができる。このようなチョップドガラス繊維ストランドは、熱可塑性物品における補強材料として一般に使用される。ガラス繊維補強ポリマー複合材は、非補強ポリマーに比較して、より高い機械的性質を有することが当該技術において知られている。従って、ガラス繊維補強複合材を用いれば、より良好な寸法安定性、引張り強度および係数、曲げ強度および係数、耐衝撃性、および耐クリープ性を達成することができる。
【0003】
繊維不織布補強材の一つの形態である繊維マットは、多種類の合成プラスチック複合材のための補強材に非常に適している。ガラス繊維マットを製造する最も一般的な二つの方法は、湿式堆積法(wet-laid processing)および乾式堆積法(dry-laid processing)である。一般に、従来の湿式堆積法では、表面活性剤、粘度調節剤、消泡剤、または他の化学薬品を含む水スラリー中に細断(チョップド)繊維を分散させる。チョップドガラス繊維をスラリーの中に導入したら、該繊維が分散されるように該スラリーを撹拌する。次いで、繊維を含む該スラリーを移動スクリーン上に堆積させ、水のかなりの部分を除去してウエブを形成させる。次いでバインダを塗布し、得られたマットを乾燥させて残りの水を除去し、バインダを硬化させる。形成された不織布マットは、分散された個々のガラスフィラメントの集合体である。湿式堆積法は、通常は非常に不均一な分布の繊維が望ましい時に使用される。
【0004】
従来の乾式堆積法には、空気堆積法および毛羽立て(carding)法のようなプロセスが含まれる。従来の空気堆積法においては、乾燥されたチョップドガラス繊維を空気でコンベアまたはスクリーン上に吹付け、固めてマットを形成する。例えば、乾燥細断繊維およびポリマー繊維を空気中に懸濁させ、スクリーンまたは穿孔ドラム上にルーズウエッブとして収集し、次いで固めてランダムに配向したマットを形成する。従来の毛羽立て法においては、微細なワイヤおよび歯で覆われた一連の回転ドラムがガラス繊維を平行なアレイに梳いて、ウエッブに指向性を与える。ドラムの正確な構成は、望ましいマット重量および繊維の配向性に依存する。形成されたウエッブを平行に堆積してもよく、この場合は大部分の繊維がウエッブの移動方向に堆積される。或いは、ウエッブをランダムに堆積してもよく、この場合の繊維は特別な配向性をもたない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
乾式堆積法は、多孔度の高いマットの製造に特に適しており、また種々の液体または樹脂の迅速な浸透を可能にするマットとなる開放構造が望ましい場合に適している。しかし、このような従来の乾式堆積法は、特に従来の湿式堆積法で形成されたマットに比較して、表面全体に亘って均一な重量分布をもたないマットとなる傾向がある。加えて、乾式細断された入力繊維の使用は、湿式堆積法に使用される繊維よりも、加工のためにより多くの費用がかかる可能性がある。何故なら、乾式堆積法における繊維は、典型的には、細断される前の別工程で乾燥およびパックされるからである。
【0006】
複合材部品の形成における一定の補強的応用のためには、マットが開いた多孔質構造(乾式堆積法におけるような)を含み、且つ該マットが均一な重量(湿式堆積法におけるような)を有する繊維マットを形成することが望ましい。従って、当該技術においては、補強された複合材部品の製造に使用できる実質的に均一な重量分布を有し、且つ開いた多孔質構造を有する不織マットを形成するための、従来の湿式堆積法および乾式堆積法の欠点を克服するコストに効果的かつ効率的なプロセスが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、湿式補強繊維を使用する熱可塑性複合材を形成するための乾式堆積法を提供することである。好ましい実施形態において、該湿式補強繊維は、湿式使用のチョップドストランドガラス繊維である。典型的には、この湿式補強繊維は、個々のガラス繊維のベール(bale)、パックまたは束の形態に凝集される。第1の工程においては、湿式補強繊維および樹脂繊維が開かれる。特に、湿式補強繊維の束または凝集体が第1のオープナーに供給され、該オープナーは束を少なくとも部分的に開き、且つ湿式補強繊維をフィラメントにする。次いで、この第1のオープナーは、少なくとも部分的に開かれた湿式補強繊維の束をコンデンサに供給して、該湿式補強繊維から水を除去する。次いで、この補強繊維は第2のオープナーへと移送され、ここで補強繊維は更に繊維化および分離される。樹脂繊維は、第3のオープナーに該樹脂繊維を通すことによって開かれる。好ましくは、該樹脂繊維はポリプロピレン繊維である。別の実施形態において、該樹脂はフレーク、顆粒または粉末の形態であってよい。或いは、樹脂繊維に加えて、フレーク、顆粒または粉末の形態の樹脂を添加してもよい。第1、第2、および第3のオープナーは、当該技術において周知のベールオープナーであることができる。
【0008】
第2の工程において、前記補強繊維および樹脂繊維は、これら補強繊維および樹脂繊維をブロワーユニットに移送することによってブレンドされる。該ブロワーユニットにおいては、補強繊維および樹脂繊維が空気流の中で一緒に混合される。好ましくは、空気流中の繊維の約20〜60%が補強繊維であり、空気流中の繊維の40〜80%が樹脂繊維である。
【0009】
第3の工程において、ブレンドされた補強繊維および樹脂繊維はブロワーユニットから第1のシート形成器へと移送され、そこではこれら繊維がシートに整形される。本発明の幾つかの実施形態では、該補強繊維および樹脂繊維がブロワーユニットから充填ボックスタワーへと移送され、該タワーは容量測定的に、補強繊維および樹脂繊維の混合物を第1のシート形成器へと供給する。該充填ボックスタワーはまた、補強繊維および樹脂繊維の混合を補助するためのバッフルを含んでいてもよい。必要に応じて、該シートは第2のシート形成器に移送されてよい。該第2のシート形成器を出て行くシートから形成された複合材製品は、100〜3000g/m2の重量分布を有していてよい。
【0010】
任意の第4の工程において、第1のシート形成器または第2のシート形成器を出て行くシートは針穿刺処理を受け、ここでは補強繊維および樹脂繊維を縺れさせるように、当該シートの繊維を通して針が押し込まれる。この穿刺プロセスは、針穿刺フェルト製造装置において行われてよい。
【0011】
シート形成の後、または任意の穿刺工程の後に、当該シートは、補強繊維および樹脂繊維を熱的に結合させるために熱結合装置に通される。該熱結合装置は、当該技術において知られた何れか既知の加熱および結合方法を含んでよい。熱結合装置の温度は、使用する特定の樹脂繊維の融点に応じて、約100℃〜約250℃の範囲に亘ってよい。この熱結合装置を出て行く複合材製品、例えばボンデッドマットは、熱可塑性複合材物品を製造するためのモールドモールドプロセスにおいて、補強剤として使用することができる。
【0012】
本発明のもう一つの目的は、湿式補強繊維から形成される複合材製品を形成するための装置を提供することである。好ましくは、個々のガラス繊維のベール、パック、または束の形態で凝集した湿式使用のチョップドストランドガラス繊維は、湿式補強繊維である。当該装置は、湿式補強繊維の束を少なくとも部分的に開くための第1のオープナー、前記湿式補強繊維から水を除去するためのコンデンサ、前記補強繊維および樹脂を混合するためのブロワーユニット、前記混合された補強繊維および樹脂のシートを形成するための第1のシート形成器、並びに前記補強繊維および樹脂を結合して複合材製品を形成するための熱結合装置を含んでいる。好ましい実施形態において、当該装置は、前記少なくとも部分的に開かれた補強繊維の束から補強繊維を分離するための、第2のオープナーを含んでいる。加えて、当該装置は、前記シートを更に整形する第2のシート形成器、前記補強繊維および樹脂の混合物を前記第1のシート形成器に供給するための充填ボックスタワー、および/または該シートを機械的に強化するための針穿刺フェルト製造装置を含んでもよい。
【0013】
本発明は更に、絶縁シートおよび/または低重量チョップドストランドガラスマットを形成するための方法を含んでいる。この方法では、樹脂は使用されない。湿式補強繊維、例えば湿式使用のチョップドストランドガラス繊維は、該湿式補強繊維を第1のオープナー、コンデンサ、および任意に第3のオープナーに連続的に通すことによって開かれる。次いで、該湿式補強繊維は、ブロワーユニットによってシート形成器に移送される。該シート形成器を出ていくシートは、僅かな構造的一体性しか有していない。その結果、該シートは、機械的強化のために針穿刺加工装置へと運ばれてもよい。該シートを熱結合装置に通す前に、バインダ樹脂が添加される。該バインダ樹脂は、当業者に既知の何れか適切な方法で添加されてよい。こうして得られた製品、例えば繊維マットは絶縁製品として、または他のタイプのフォーム基材およびポリマー基材と組合せて使用することができる。
【0014】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点は、添付シートの図面と共に以下の詳細な説明を考慮することによって更に完全に明かになるであろう。しかし、添付の図面は例示目的のためのものであり、本発明の限定を定義するものと解釈されるべきでないことが明白に理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
他に定義しない限り、ここで使用する全ての技術的用語および科学的用語は、当業者に共通に理解されるのと同じ意味を有する。ここに記載するものと類似のまたは均等な如何なる方法および材料も本発明の実施または試験に使用することができるが、ここには好ましい方法および材料を記載する。なお、全ての図を通して同様の番号は同様の要素を示すものである。
【0016】
本発明は、湿式補強繊維、例えば湿式使用のチョップドストランド(WUCS)ガラス繊維を乾式堆積法において使用して、熱可塑性複合材料を形成する方法に関する。図1に示すように、該プロセスは、補強繊維および樹脂繊維を開くこと(工程10)、該補強繊維および樹脂繊維をブレンドすること(工程20)、該補強繊維および樹脂繊維をシートに形成すること(工程30)、任意に該シートを針穿刺してシート構造に一体性を与えること(工程40)、および該シートを熱的に結合すること(工程50)を含んでいる。ここで用いる「シート」の用語は、「ベール」または「マット」の用語をも含むものである。「シート」、「マット」および「ベール」の用語は互換可能に用いられる。
【0017】
図1に示した工程20では、補強繊維および樹脂繊維が開かれる。適切な補強繊維には湿式使用のチョップドストランドガラス繊維が含まれるが、これに限定されない。A型ガラス繊維、C型ガラス繊維、E型ガラス繊維、およびS型ガラス繊維のような如何なる種類のガラス繊維も、該湿式チョップドストランドガラス繊維として使用することができる。本発明において使用される湿式補強繊維は、典型的には、個々のガラス繊維のベール、パック、または束の形態に凝集されている。ここで用いる「束」の用語は、湿式補強繊維の何れかの種類の凝集体を示すことを意味するものであり、これは当業者によって容易に特定され、且つ理解されるであろう。
【0018】
好ましい実施形態において、補強繊維は湿式使用のチョップドストランド(WUCS)ガラス繊維である。補強繊維として使用する湿式使用のチョップドストランドは、当該技術において既知の慣用法によって形成することができる。好ましくは、該湿式使用のチョップドストランドガラス繊維は、5〜30%の水分含量、より好ましくは5〜15%の水分含量を有する。このチョップドストランドガラス繊維は、好ましくは6〜75mmの長さ、より好ましくは18〜50mmの長さを有する。加えて、このガラス繊維の直径は11〜25ミクロンの範囲でよいが、好ましくは、12〜16ミクロンの範囲である。
【0019】
本発明の方法に使用する樹脂の種類は、特に制限されないが、例えばポリプロピレン繊維、ポリエステルテレフタレート(PET)繊維、ポリ酢酸ビニル(PVA)繊維、エチレン酢酸ビニル/塩化ビニル(EVA/VC)繊維、アクリル酸低級アルキルポリマー、アクリロニトリルポリマー繊維、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリビニルピロリドン繊維、スチレンアクリレート繊維、ナイロン繊維のような合成繊維、セルロース繊維(例えば綿)、天然繊維(例えばサイザル、ジュート、ケナフ、およびインド麻)、またはこれらの何れかの組合せが含まれる。好ましい実施形態において、樹脂繊維はポリプロピレン繊維である。好ましくは、樹脂繊維は長さが6〜75mm、より好ましくは18〜50mmである。加えて、樹脂繊維は長さ当り3〜30デニールの重量、好ましくは長さ当り3〜7デニールの重量を有する。この樹脂繊維は酸基で官能化されてよく、例えばマレイン酸またはアクリル酸のような酸でカルボキシル化されてよく、または酸無水物基または酢酸ビニルを添加することによって官能化されてよい。別の実施形態において、該樹脂は繊維形態ではなく、フレーク、顆粒、または粉末の形態であってよい。或いは、樹脂繊維に加えて、フレーク、顆粒、および/または粉末の形態の樹脂を添加してもよい。
【0020】
図2を参照すると、湿式補強繊維および樹脂繊維を開くことが最も良く分かる。図2は、好ましい湿式補強繊維である湿式使用のチョップドストランドガラス繊維(WUCS)を開くことを記載しているが、当業者が識別できる何れの適切な湿式補強繊維も、この例示プロセスにおいて使用できるであろう。湿式使用のチョップドストランドガラス繊維を開くために、典型的には、個々のガラス繊維の束、パック、または束の形態のWUCSガラス繊維200が第1のオープナー210の中に供給され、該オープナーはこのWUCSガラス繊維200を少なくとも部分的に開いてフィラメント化する(例えば個別化する)。次いで、この第1のオープナーはWUCSガラス繊維をコンデンサ220に供給し、ここではWUCSガラス繊維200から水が除去される。この実施形態では、自由水(例えば、ガラス繊維の外にある水)の70%以上が除去される。しかし、好ましくは、実質的に全ての水がコンデンサ220によって除去される。なお、ここで用いる「実質的に全ての水」の語句は、自由水の全部またはほぼ全部が除去されることを意味することに留意すべきである。
【0021】
WUCSガラス繊維200をコンデンサ220に通し終えたら、該WUCSガラス繊維200を第2のオープナー230に通す。該第2のオープナーは、WUCSガラス繊維200を更にフィラメント化および分離する。
【0022】
樹脂繊維240を開くために、樹脂繊維240は第3のオープナー250に通され、ここでは樹脂繊維240が開かれてフィラメント化される。樹脂がフレーク、顆粒、または粉末の形態である別の実施形態では、第3のオープナー250は、該樹脂を、WUCSガラス繊維200と混合するためのブロワーユニット260へ分配するのに適した装置で置き換えられてよい。適切な装置は、当業者によって容易に決定されるであろう。樹脂繊維240に加えて、フレーク、顆粒または粉末の形態の樹脂が使用される実施形態においては、このフレーク、顆粒または粉末を分配させる装置が第3のベールオープナー250で置換えられることはない。或いは、樹脂粉末、フレークまたは顆粒は、樹脂繊維240に加えて、またはその代りに、熱結合装置290における熱結合の前に加えられていもよい。
【0023】
最終的な複合材の望ましい組成に応じて、他の種類の樹脂、例えば粗糸(roving)、乾式使用のチョップドストランドガラス、A型、C型、E型またはS型のガラス繊維、天然繊維(例えばジュート、インド麻およびケナフ)、アラミド繊維、金属繊維、セラミック繊維、鉱物繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、ポリマー繊維またはこれらの組合せを、追加のオープナー(図示せず)により開いてフィラメント化することができる。これらの繊維は、ブロワーユニット260中の空気流に加えることができ、樹脂繊維240に関して下記で述べるようにして、WUCSガラス繊維200と混合することができる。このような繊維が添加されるときは、好ましくは、空気流中の繊維の10〜30%はこれら追加の繊維からなっている。
【0024】
第1、第2、および第3のオープナー(210,230,250)は、好ましくはベールオープナーであるが、湿式補強繊維の束を開くために適した如何なる種類のオープナーであってもよい。該オープナーの設計は、開かれる繊維の種類および物理的特性に依存する。本発明において使用するための適切なオープナーには、秤量器を備えた、または備えない従来の標準タイプの何れかのベールオープナーが含まれる。ベールオープナーは種々の微細オープナーを備えてもよく、また任意に一以上のリッカー・イン・ドラム(licker-in-drums)または鋸歯ドラムを含んでよい。該ベールオープナーは供給ロールを備えてよく、または供給ロールおよびノーズバーの組み合わせを備えてよい。コンデンサ220は当該技術で知られた何れか既知の乾燥装置もしくは水除去装置であってよく、例えばエアドライヤ、オーブン、ローラ、吸引ポンプ、加熱されたドラム乾燥機、赤外線加熱源、熱空気ブロワー、および高周波放出源であるが、これらに限定されない。
【0025】
WUCSガラス繊維200および樹脂繊維240が開かれてフィラメント化された後、これらはブロワーユニット260へと移送され、そこではWUCSガラス繊維200および樹脂繊維240が空気流中で一緒にブレンドされる(図1の工程20)。好ましくは、空気流中の繊維の約20〜60%が補強繊維、例えばWUCSガラス繊維であり、また空気流中の繊維の40〜80%が樹脂繊維である。好ましくは、補強繊維は40〜60%の量で空気流の中に存在する。
【0026】
次いで、ブレンドされたWUCSガラス繊維200および樹脂繊維240は、空気流によってブロワーユニット260から第1のシート形成器270へと移送され、ここでは該繊維がシートに形成される(図1の工程30)。本発明の一つの実施形態において、開かれたWUCSガラス繊維200および樹脂繊維240は、WUCSガラス繊維200および樹脂繊維240を第1のシート形成器265へと容量測定的に(例えば電子秤量装置によって)供給するために、ブロワーユニット260から充填ボックスタワー265へと移送される。充填ボックスタワー265は、第1のシート形成器270の中に配置されてよく、または第1のシート形成器270の外に配置されてもよい。加えて、該充填ボックスタワー265は、第1のシート形成器270に導入する前に、WUCSガラス繊維200および樹脂繊維240を更にブレンドおよび混合するためのバッフルを含んでいてよい。
【0027】
別の実施形態(図示せず)では、ブレンドされたWUCSガラス繊維200および樹脂繊維240は、細いワイヤまたは歯で覆われた一つのドラムまたは一連のドラム上に吹付けられて、これら繊維を第1のシート形成器270に導入する前に、カーディングプロセスにおけるように平行アレイに梳かれる。
【0028】
好ましい実施形態において、第1のシート形成器270によって整形されたシートは、第2のシート形成器275へと移送される。第2のシート形成器275は、該シートが、WUCSガラス繊維および樹脂繊維240の実質的に均一な分布を有することを可能にする。加えて、第2のシート形成器275は、最終的な複合材製品が高い構造的一体性を有することを可能にする。特に、形成された複合材製品295は、100〜3000g/m2の重量分布を有してよく、好ましい範囲は600〜2000g/m2である。
【0029】
第1および第2のシート形成器270,275は、2〜4個の篩ドラムを有する少なくとも一つのリッカー・イン・ドラムを含んでいてよい。使用する補強繊維に応じて、第1および第2のシート形成器270,275は、下記のうちの一以上を装備していてよい:コンデンサ、分配コンベア、粉末分散機、および細断分散機。コンデンサおよび分配コンベアを有するシート形成器は、典型的には、充填ボックスタワーへのより高い繊維供給量および充填ボックスタワーを通る増大した空気容量を達成するために使用される。開かれた繊維の改善された横断分配を達成するために、分配コンベアをシートの方向に対して横断的に移動させることができる。その結果、開かれた繊維は、僅かな加圧または加圧なしで、コンデンサから充填ボックスタワーの中へと移送される。
【0030】
第1のシート形成器270および第2のシート形成器275を出て行くシートは、僅かな構造的一体性しか有していない。その結果、該シートは任意に針穿刺加工を受け、ここではシートの繊維を通して針が押し込まれて、WUCSガラス繊維200および樹脂繊維240を絡ませる(図1の工程40)。針穿刺加工は、針穿刺フェルト製造装置280において行われてよい。針穿刺フェルト製造装置280は、ウエブ供給機、針ボードを供えた針ビーム、機械幅1メータ当り約500〜約7,500本の顎付きフェルト針、ストリッパープレート、ベッドプレート、および糸締め機構を含んでいる。WUCSガラス繊維200および樹脂繊維240の機械的な絡まりは、顎付きフェルト針を繰返しシートを貫通して出し入れすることにより達成される。本発明のプロセスで使用するための、特定の補強繊維および樹脂繊維と共に使用する最適な針の選択は、当業者によって容易に同定されるであろう。
【0031】
シート形成工程30または任意の穿刺工程40の後に、該シートは熱結合装置290にされて、WUCSガラス繊維200および樹脂繊維240が熱的に結合される。この熱的結合においては、樹脂繊維の熱可塑性が、加熱の際に補強繊維(例えばWUCSガラス繊維200)との結合を形成するために使用される。熱結合装置290は、当該技術において知られた何れか既知の加熱および結合方法、例えばオーブン結合、強制空気流を使用したオーブン結合、赤外線加熱、熱カレンダ処理、ベルトカレンダ処理、超音波結合、高周波加熱、および加熱ドラムを含んでよい。必要に応じ、二以上のこれら結合法を組合せて使用して、当該シート中のWUCSガラス繊維200および樹脂繊維240を結合してもよい。熱結合装置290の温度は、使用する特定の樹脂繊維の融点に応じて、約100℃〜約250℃の範囲に亘ってよい。
【0032】
樹脂繊維の熱可塑性は補強繊維(例えばWUCSガラス繊維200)および樹脂繊維(例えば樹脂繊維240)を結合するために使用できるが、単一成分系結合繊維、二成分系結合繊維、および/または粉末ポリマーを当該シートに添加して、WUCSガラス繊維200および樹脂繊維240を更に結合させてもよい。このような繊維の典型的な例には、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、およびポリプロピレン/ポリエチレン繊維が含まれる。このような結合剤は、ブロワーユニット260において、WUCSガラス繊維200および樹脂繊維240を最初にブレンドする間に添加してもよい。結合剤が粉末もしくはフレークの形態であるならば、当該シートが熱結合装置290に導入される前に、これを該シートに添加することができる。この結合剤を当該シートに添加するための適切な方法には、結合剤を当該シートに噴霧すること、および当該シートに結合剤を含浸させることが含まれる。結合剤を含むシートが熱結合装置290に通されるとき、この結合剤は、WUCSガラス繊維200および樹脂繊維240を更に結合する。
【0033】
シートが第1のシート形成器270または第2のシート形成器275を出た後に、当該シートの強度を増大させるために使用してよいもう一つの方法は、化学的結合である。化学的結合においては、補強繊維および樹脂繊維を結合するために、結合剤がシートまたはウエッブに塗布される。液体ベースの結合剤、粉末接着剤、フォーム、および幾つかの場合には有機溶媒を、化学的結合剤として使用することができる。化学的結合剤の適切な例には、アクリレートポリマーおよびコポリマー、スチレン/ブタジエンコポリマー、酢酸ビニルエチレンコポリマー、およびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。例えば、ポリ酢酸ビニル(PVA)、エチレン酢酸ビニル/塩化ビニル(EVA/VC)、低級アルキルアクリレートポリマー、スチレン/ブタジエンゴム、アクリロニトリルポリマー、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、および塩化ビニリデンと他のモノマーとのコポリマー、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル樹脂、およびスチレンアクリレートを、結合剤として使用してよい。この化学的結合剤は含浸、コーティング、または噴霧することによって、当該シートに均一に適用することができる。化学的結合を開始するための温度要件は、一般に補強繊維および樹脂繊維を熱的に結合するための温度要件よりも低いが、化学的結合プロセスは、過剰な結合剤の除去および当該シートの更なる乾燥を必要とするので、熱的結合と同様に望ましいものではない。
【0034】
熱結合装置290を出て行く複合材製品295(例えばボンデッドマット)は、複合材物品を製造するモールドプロセスにおいて、補強剤として使用することができる。例えば、複合材製品295は、自動車のための半構造的および音響的部品をモールドする際に、座席の背もたれの製造、小部屋パーティションの製造のような家具工業において使用することができ、また産業用および建設用車両のための部品におけるような他の工業的用途に使用することもできる。形成された複合材製品は、再加熱すると膨張(例えばロフト)して、増大した剛性および音響的性質を複合材製品295に与えてもよい。加えて、複合材製品295は、スクリムおよびフィルムを適用するために、従来のニップローリング(nip rolling;図示せず)またはラミネーティングによって更に加工することができる。その後の剪断スリッティング(図示せず)により最終製品が与えられ、次いで、該製品はヘッドライナーまたは自動車用の他の内装部品、例えばトリムパネル(trim panel)、小荷物棚(parcel shelves)、日除け、計器板、および扉の内張りにモールドすることができる。
【0035】
熱結合装置290を出て行く複合材製品295を製造するプロセスは、インラインで(即ち、連続的に)、または個別の工程で行われてよい。好ましくは、当該プロセスはインラインで行われる。更に、特殊なフィルム、スクリム、および/またはファブリックを追加する等の何等かの追加の処理工程も、本発明の範囲内とみなされる。
【0036】
次に図3を参照すると、本発明の方法の別の実施形態を見ることができる。この別の実施形態では、樹脂繊維は利用されない。特に、湿式補強繊維300(例えば湿式使用のチョップドストランドガラス繊維)は、典型的には個々のガラス繊維のベール、パック、または束の形態の該湿式補強繊維300を、第1のオープナー210、コンデンサ220、および任意に第2のオープナー(図3には示されず)に連続的に通すことによって開かれる。次いで、湿式補強繊維300は、ブロワーユニット260によって第1のシート形成器270へと運ばれる。或いは、該湿式補強繊維300は、第1のシート形成器270に導入される前に、充填ボックスタワー265へと運ばれてよい。充填ボックスタワー265は、補強繊維300を容量測定的に第1のシート形成器270へと供給する。上記で述べた好ましい実施形態のように、該シートは任意に、機械的強化のために第2のシート形成器(図3には図示せず)および/または針フェルティング装置280へと搬送されてよい。結合樹脂350は、該シートを熱結合機290に通す前に添加してよい。バインダ樹脂350は、何れか適切な方法、例えば溢出および抽出法によって、または該バインダ樹脂350を当該シート上に噴霧することによって添加されてよい。湿式補強繊維300を結合できる如何なるバインダ樹脂も使用することができる。適切な例には、単一成分系および二成分系の繊維または粉末が含まれる。更に、バインダの量は、所望のマットの種類に応じて変化させてよい。次いで、当該シートを熱結合装置290に通してバインダ樹脂350を硬化させ、補強繊維300に構造的一体性を与える。或いは、塩化アンモニウム、p−トルエン、スルホン酸、硫酸アルミニウム、リン酸アンモニウム、または硝酸亜鉛のような触媒を使用して、硬化速度および硬化したバインダ樹脂の品質を改善してもよい。えられた製品395、例えば繊維状マットは、絶縁製品として、または他のタイプのフォーム基材およびポリマー基材と組合せて使用してよい。
【0037】
本発明の方法は、従来の乾式堆積法および湿式堆積法を凌駕する多くの利点を提供する。特に、本発明の方法は、マットおよび形成された複合材製品の両方において、実質的に均一な分布の補強繊維および樹脂繊維を提供する。「実質的に均一な分布の補強繊維および樹脂繊維」の語句は、補強繊維および樹脂繊維の均一な分布、またはほぼ均一な分布を示すことを意味する。加えて、本発明の方法における湿式使用のチョップドストランドガラス繊維の使用は、特に乾式使用のチョップドストランドガラス繊維を使用する従来の乾式堆積法に比較したときに、該方法がより低いコストを有することを可能にする。更に、本発明の方法は、追加の種類の補強繊維および/または樹脂繊維を添加することによって、多くの望ましい複合材特性を達成するように適応させることができる。更に、補強繊維のサイジング化学は、個々の種類の樹脂繊維の性質に調和するように容易に適合されることができる。その結果、本発明による方法によって、多くの種類のマットおよび複合材製品を形成することができる。
【0038】
加えて、形成された当該複合材製品は、従来の湿式堆積法により製造された製品に比較して増大した剛性および音響特性を提供するように、再加熱の際に膨張(例えばロフト)させてよい。例えば、従来の湿式堆積法により形成された55%WUCSガラスを含む800GSM製品は、高さ約5mmだけロフトすることができるのに対して、本発明の方法により形成された55%WUCSガラスを含む複合材は、約9mmまでロフトすることができる。このロフティングは、本発明の方法を使用して形成された複合材が、更に大きな音響吸収能力を有することを可能にする。
【0039】
本発明を一般的に説明してきたので、以下に例示する一定の特定の実施例を参照することによって更なる理解を得ることができるが、これらは例示の未の目的で提供されるものであり、他に特記しない限り、網羅的または限定的であることを意図するものではない。
【実施例】
【0040】
本発明の一実施形態に従って複合材製品を製造した。特に、湿式使用のチョップドストランドガラス繊維を乾燥し、WUCS繊維を第1のベールオープナー、コンデンサ、および第2のベールオープナーを連続的に通過させることによって個別化した。ポリプロピレン繊維を第3のベールオープナーによって開き、この開かれたポリプロピレン繊維をWUCSガラス繊維に添加して、シート形成器へと搬送した。次に、該シートを140℃〜200℃の温度を有する熱結合オーブンに通して、複合材製品を形成した。該形成された複合材は、約55%のWUCSガラス繊維および45%のポリプロピレン繊維を含んでいた。加えて、湿式使用のチョップドストランドガラス繊維およびポリプロピレン繊維を使用する従来の湿式堆積プロセスによって、複合材製品を形成した。本発明の方法により形成された複合材と同様に、従来の方法によって形成された複合材製品は、約55%のWUCSガラス繊維および45%のポリプロピレン繊維を含んでいた。
【0041】
本発明の複合材製品および従来の湿式堆積法によって形成された複合材製品の音響特性の比較を、ASTEM・E1050に従って行った。その結果を表1に示す。表1のグラフ的表示が図4に示されている。図4から見て取れるように、実線で描かれた本発明の方法により製造された複合材製品は、破線で描かれた従来の湿式堆積法により形成された複合材製品に比較して、優れた音響吸収性を示した。
【0042】
表1

【0043】
下記に示す表2は、本発明の方法により形成された複合材製品、従来の湿式堆積法により形成された複合材、および従来の乾式堆積法により形成された複合材の、種々の特性比較を示している。音響測定はASTEM・E1050に従って行い、また機械的強度の測定はSAE・J949に従って行った。表2に示すように、本発明により形成された複合材は、従来の乾式堆積法により形成された複合材に比較して、優れた重量の一貫性、補強剤含量の一貫性および機械的特性を示した。加えて、本発明の方法により形成された複合材は、従来の湿式堆積法により形成された複合材に比較して、優れた加熱後の音響特性および厚さ(例えばロフティング)を示した。更に、本発明の方法を使用して複合材を形成するコストは、従来の乾式堆積法を使用して複合材を形成するコストよりも低いことが分かる。








【0044】
表2

【0045】
上記において、本願の発明を一般的に、また特定の実施形態に関して説明してきた。好ましいと思われる実施形態において本発明を説明したが、当業者に既知の広範な代替法を、この一般的開示内において選択することができる。本発明は、特許請求の範囲の記載以外によっては限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、本発明による乾式堆積法の一例における工程を示すフロー図である。
【図2】図2は、本発明の少なくとも一つの実施形態に従った、湿式使用のチョップドストランドガラス繊維を使用する空気堆積法の概略図である。
【図3】図3は、樹脂繊維を利用しない本発明の別の実施形態の概略図である。
【図4】図4は、従来の乾式堆積法により形成された複合材、および本発明の一実施形態により形成された複合材の音響特性のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材製品を形成する方法であって、
湿式補強繊維(200)の束を少なくとも部分的に開くステップ(210)と、
該湿式補強繊維から水を除去して(220)、脱水された補強繊維を形成するステップと、
該脱水された補強繊維を樹脂(240)と混合して(260)、脱水された繊維および樹脂の混合物を形成するステップと、
該混合物をシートに形成するステップ(270)と、
前記脱水された補強繊維および樹脂を熱結合して(290)、複合材製品(295)を形成するステップと、を備えている、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
更に、前記束から前記脱水された補強繊維を分離するステップ(230)を備えている、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記湿式補強繊維が、湿式使用のチョップドストランドガラス繊維である、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
更に、細断された粗糸、乾式使用のチョップドストランドガラス、E型ガラス繊維、A型ガラス繊維、C型ガラス繊維、またはS型ガラス繊維、天然繊維、炭素繊維、アラミド繊維、金属繊維、セラミック繊維、鉱物繊維、グラファイト繊維、ポリマー繊維またはこれらの組合せからなる群から選択される一つの材料を添加するステップを備えている、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記シートを形成するステップが、前記混合物を第1のシート形成器(270)および第2のシート形成器(275)に連続的に通すステップを含んでいる、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記シートが、前記脱水された補強繊維および前記樹脂の実質的に均一な分布を有する、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
更に、前記シートを形成することに先立って、前記混合物を充填ボックスタワー(265)に移送するステップを備えている、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
更に、前記熱結合に先立って、前記シートを針穿刺フェルト製造装置(280)に通すステップを備えている、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
湿式補強繊維から複合材製品を形成するための装置であって:
湿式補強繊維(200)の束を少なくとも部分的に開くための第1のオープナー(210)と、
前記湿式補強繊維の少なくとも部分的に開かれた束を収容し、これから水を除去して脱水された補強繊維を形成するためのコンデンサ(220)と、
該脱水された補強繊維および樹脂(240)を収容し、これらを混合して混合物を形成するためのブロワーユニット(260)と、
該混合物を収容し、該混合物をシートに形成するための第1のシート形成器(270)と、
前記補強繊維および樹脂を熱結合して、複合材製品(295)形成するための熱結合装置(290)とを備えている、
ことを特徴とする装置。
【請求項10】
更に、前記束から前記脱水された補強繊維を分離するための第2のオープナー(230)を備えている、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記補強繊維が湿式使用のチョップドストランドガラス繊維である、
請求項9に記載の装置。
【請求項12】
更に、前記第1のシート形成器から前記シートを受け取る第2のシート形成器(275)を備えている、
請求項9に記載の装置。
【請求項13】
更に、前記前記シートを機械的に強化するための針穿刺フェルト製造装置(280)を備えている、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
更に、前記混合物を受け取り、該混合物を前記第1のシート形成器に供給するための充填ボックスタワー(265)を備えている、
請求項9に記載の装置。
【請求項15】
繊維状マットを形成する方法であって、
湿式補強繊維(300)の束を少なくとも部分的に開くステップ(210)と、
該湿式補強繊維から水を除去して(220)、脱水された補強繊維を形成するステップ、
前記脱水された補強繊維を含むシートを形成するステップ(270)と、
該シートにバインダ樹脂を添加するステップ(350)と、
該シートを熱結合装置(290)に通し、前記バインダ樹脂を硬化させて繊維状マット(395)を形成するステップ、を備えている、
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
更に、前記束から前記脱水された補強繊維を分離するステップを備えている、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
更に、湿式補強繊維が湿式使用のチョップドストランドガラス繊維である、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
更に、前記バインダ樹脂を硬化させるに先立って、前記シートを針穿刺フェルト製造装置(280)に通すステップを備えている、
請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記シートを形成する工程が、前記混合物を第1のシート形成器(270)および第2のシート形成器(275)に連続的に通すステップを備えている、
請求項15に記載の方法。
【請求項20】
更に、前記シートを形成することに先立って、前記脱水された補強繊維を充填ボックスタワー(265)に移送するステップを備えている、
請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−508964(P2007−508964A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535638(P2006−535638)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/033839
【国際公開番号】WO2005/037897
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(595080337)オウェンス コーニング (19)
【出願人】(303005492)オウェンス コーニング コンポジッツ エスピーアールエル (2)
【Fターム(参考)】