説明

無極性または半極性AlInNおよびAlInGaN合金に基づく光電子デバイス

280nmから360nmの範囲の放射波長(λpeak)を伴う、高出力および高効率発光デバイスを製造する。新しいデバイス構造は、無極性または半極性バルクGaN基板上に成長させられる、無極性または半極性AlInNおよびAlInGaN合金を使用する。一実施形態において、光電子デバイスは、無極性または半極性GaN基板上に成長させられる、少なくとも、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、および窒素(N)を含有する1つ以上の発光層を備える光電子デバイスであって、該発光層は、無極性または半極性層である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国特許法119条(e)に基づき、同時係属中の同一人に譲渡された米国仮出願第61/110,449号(2008年10月31日出願、Roy B.Chung,Zhen Chen,James S.Speck,Steven P.DenBaars,およびShuji Nakamura、「OPTOELECTRONIC DEVICE BASED ON NON−POLAR AND SEMI−POLAR ALUMINUM INDIUM NITRIDE AND ALUMINUM INDIUM GALLIUM NITRIDE ALLOYS,」、代理人事件番号30794.294−US−P1(2009−258))の利益を主張する。該仮出願は参照により本明細書に引用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、窒化物に基づく光電子デバイスおよびそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(注:本出願は、明細書の全体を通して示されるように、角括弧内の1つ以上の参照番号、例えば[x]によって多数の異なる出版物を参照する。これらの参照番号による順序で示されるこれらの異なる出版物の一覧は、以下の「参考文献」という表題の項に見出すことができる。これらの出版物のそれぞれは、参照することにより本明細書に組み込まれる。)
窒化物に基づく光電子部品は、可視光および紫外線(UV)発光デバイスの製造について広く研究されてきた。これらのデバイスは、典型的に3元合金(InGaN、AlGaN、およびAlInN)または4元合金(AlInGaN)の1つ以上の層を有する。窒化物に基づく光電子デバイスの継続的な開発は、特に可視スペクトルにおいて、高出力および高効率発光ダイオード(LED)およびレーザダイオード(LD)をもたらした。しかしながら、スペクトルの深UV(DUV)領域(約360nm未満の波長を伴う発光)における高出力および高効率LEDおよびLDは、成長の難しさ、したがって不十分な材料品質、およびバルク窒化アルミニウム(AlN)基板が存在しないことに起因して、達成されなかった。
【0004】
360nm未満のピーク放射波長(λpeak)を伴う窒化物に基づくUV発光デバイスの場合、従来のLEDおよびLEDは、複数のAlGaN層と、1つのAlN緩衝層とを備え、これらは通常、サファイアまたは6H−SiC基板上に成長させられる。このヘテロエピタキシャル成長のため、AlNまたはAlGaN緩衝層は、約1010cm−2の転位密度を有し、転位は、後続の層を通して伝搬し、不十分な材料品質をもたらす。
【0005】
InGaN等のインジウム含有合金の場合、一般に、インジウムのクラスタ化が、担体のための高効率な放射再結合場所を提供し、したがって、デバイスの性能は、転位の影響をあまり受けないことが認知されている。対照的に、AlGaNに基づくデバイスは、インジウムのクラスタ化が存在しないため、転位密度の影響を受け易く、したがって、AlGaNに基づくデバイスの性能は、転位の数によって直接的に影響を受ける。
【0006】
転位密度を低減するために、種々の構造および成長技術が研究されてきた。例えば、超格子構造は、緩衝層とクラッド層との間で成長させられ、超格子は、緩衝層から伝搬する転位をフィルタ処理して除去し、該構造はまた、格子不整合から構築される歪みを軽減することが公知である。この構造は、UV LEDのデバイス性能を向上させた。NH流れ変調AlN成長等の有機金属化学蒸着(MOCVD)で使用される成長技術は、AlN緩衝層の品質を成功裏に向上させた。バルクAlN結晶は、ハイドライド気相エピタキシー(HVPE)および物理的蒸気輸送(PVT)によって達成された。参考文献[1−4]を参照のこと。
【0007】
高品質のAlN緩衝層またはバルクAlN基板を伴っていても、AlGaNに基づくデバイスは、それでも、デバイスが、強い自発分極が存在するc方向に沿って成長させられる限りは、望ましくない量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)を受ける。層の間の格子不整合は、圧電分極を誘発し、分極の程度を高め得る。分極からの強い内蔵電場は、電子と正孔との間の空間的分離を引き起こし、その結果、制限された担体再結合効率、低減された発振器強度、および赤方偏移した放射を生じさせる。内蔵電場は、Al組成が高くなるにつれて強くなる。
【0008】
要約すると、従来のAlGaNに基づくUV発光デバイスは、バルクAlN基板が存在しないことに起因する高い転位密度、および放射再結合効率を低減するQCSEを受ける。
【0009】
転位の問題を回避するために、UV発光デバイスには、4元合金のAlInGaNが導入され、インジウムのクラスタ化は、デバイス性能を向上させると期待されている。AlInGaNに基づくLEDのフォトルミネセンス(PL)発光強度は、AlGaNに基づくLEDよりもほぼ1桁から2桁高いことが分かっている。[5]しかしながら、AlInGaNに基づくLEDの内部量子効率(IQE)は、まだ約15%であり、InGaN(50%−70%)よりもかなり低い。外部量子効率が依然として低過ぎて(約1%)、商業的に可能なUV発光デバイスを実現することはできない[5]。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述の従来技術の制限を克服するために、また、本発明を読み取って理解することで明らかになる他の制限を克服するために、本発明は、280nmから360nmの範囲のピーク放射波長(λpeak)を伴う、高出力および高効率の発光デバイスを製造するための方法を説明する。本発明はまた、無極性または半極性バルク(自立型)GaN基板上に成長させられる無極性または半極性AlInNおよびAlInGaN合金を使用する、新しいデバイス構造を紹介する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施形態において、本発明は、無極性または半極性GaN基板上に成長させられる、または製造される、少なくとも、アルミニウム(Al)、インジウム(In)および、窒素(N)を含有する1つ以上の発光層を備える、光電子デバイス(例えば、LEDまたはLD)であって、発光層は、無極性または半極性層である、光電子デバイスである。
【0012】
光電子デバイスはさらに、無極性または半極性GaN基板に密接に格子整合される、1つ以上のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層を備え得る。密接に格子整合した層は、n型伝導性のためにシリコン(Si)でドープされる、1つ以上のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層(例えば、Siでドープされる、n型クラッド層)であり得る。デバイスはさらに、発光活性層上に、p型伝導性のためにMgでドープされる、1つ以上のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層(例えば、マグネシウムでドープされる、p型クラッド層)を備え得る。複数のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層、および発光活性層は、1つ以上のヘテロ構造を形成してもよく、発光活性層は、1つ以上の量子井戸ヘテロ構造を形成し得る。前述したものでは、0≦y≦1、0≦z≦1、および0≦y+z≦1である。
【0013】
AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層(典型的に活性層)のうちの1つ以上のインジウム組成は、10%から30%の範囲であり得る。
【0014】
例えば、発光デバイスは、(a)無極性または半極性GaN基板上の、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zNに基づくn型クラッド層と、(b)n型クラッド層上の、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zNに基づく単一量子井戸(SQW)または多重量子井戸(MQW)を備える、1つ以上の発光層と、(c)量子井戸層上の、1つ以上のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zNに基づく電子阻止層と、(d)電子阻止層上の、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zNに基づくp型クラッド層と、を備え、(e)AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層は、無極性または半極性である。
【0015】
別の実施例において、光電子デバイスは、(a)第1の導電型を有する、第1の(Al、In、Ga)N層と、(b)第2の導電型を有する、第2の(Al、In、Ga)N層と、(c)第1の(Al、In、Ga)N量子井戸障壁層の無極性または半極性面上にエピタキシャルに成長させられる、(Al、In、Ga)N量子井戸層と、(Al、In、Ga)N量子井戸層の無極性または半極性面上にエピタキシャルに成長させられる、第2の(Al、In、Ga)N量子井戸障壁層とを備える、(Al、In、Ga)N量子井戸構造とを備え、(1)量子井戸構造は、(Al、In、Ga)N量子井戸構造が、第1の(Al、In、Ga)N層と第2の(Al、In、Ga)N層との間にあるように、第1の(Al、In、Ga)N層の無極性または半極性面上にエピタキシャルに成長させられ、(2)量子井戸は、360ナノメートル(nm)未満のピーク波長を有するエレクトロルミネセンスを放射する、厚さおよび(Al、In、Ga)N組成を有する。例えば、発光デバイスは、280nmから360nmの範囲のピーク放射波長を有し得る。
【0016】
(Al、In、Ga)N量子井戸構造は、(Al、In、Ga)N層上にエピタキシャルに成長させられ、(Al、In、Ga)N層は、GaN上にエピタキシャルに成長させられ、かつそれに密接に格子整合される(Al、In、Ga)N層の転位密度を有する。例えば、転位密度は、10cm−2未満であり得、これは、下側にあるGaN基板から予期される転位密度であり、(Al、In、Ga)N層は、横方向エピタキシャル過成長を含まない。例えば、「密接に格子整合した」とは、成長した厚さにおいていかなる膜の緩和もないこととほぼ同じである。いかなる緩和もないことは、基板からの転位以外に他の転位がないことを意味する。
【0017】
発光デバイスは、(Al、In、Ga)N層の無極性または半極性面上にエピタキシャルに成長させられる、(Al、In、Ga)N量子井戸構造と、十分に低い(Al、In、Ga)N層の転位密度とを備え、無極性または半極性面および転位密度は、15%よりも大きい発光デバイスの内部量子効率、および1%よりも大きい発光デバイスの外部量子効率を達成する。
【0018】
本発明はさらに、無極性または半極性GaN基板上に、深紫外線発光デバイスを製造する方法であって、0≦y≦1、0≦z≦1、および0≦y+z≦1である、1つ以上のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層を製造するステップを含み、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層は、無極性または半極性である、方法を開示する。方法はさらに、典型的に、AlIn1−xNおよびAlInGa1−y−zN層が、無極性または半極性GaN基板に密接に格子整合されるように、無極性または半極性GaN基板上に、AlIn1−xNおよびAlInGa1−y−zN層のうちの1つ以上をエピタキシャルに成長させるステップを含む。方法はさらに、10%から30%の範囲のインジウム組成を伴う発光活性層として、AlIn1−xNおよびAlInGa1−y−zN層のうち少なくとも1つを成長させるステップを含み得る。
【0019】
例えば、方法は、第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層が、GaN基板に密接に格子整合されるように、GaN基板の無極性または半極性面上に、第1の導電型を有する第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層として、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つをエピタキシャルに成長させるステップと、第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層の無極性または半極性面上に、第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸障壁層として、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つをエピタキシャルに成長させるステップと、第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸障壁層の無極性または半極性面上に、かつ360nm未満のピーク波長を有するエレクトロルミネセンスを放射する厚さおよび(Al、In、Ga)N組成に、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸層として、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つをエピタキシャルに成長させるステップと、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸層の無極性または半極性面上に、第2のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸障壁層として、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つをエピタキシャルに成長させるステップであって、それによって、第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸障壁層と、第2のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸障壁層との間に、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸層を備える量子井戸構造を形成する、ステップと、第2の導電型を有する第2のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層として、量子井戸構造上に、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つをエピタキシャルに成長させるステップとを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下、同じ参照符号が対応する要素を示す、複数の図面を参照する。
【図1】図1は、本発明の方法を示すフローチャートである。
【図2】図2(a)、2(b)および(2c)は、無極性および半極性発光デバイス用の可能な3つのMQW構造(4周期分)を示す、概略断面図である。
【図3】図3は、280nmから360nmの範囲の放射波長を伴い、クラッド層がGaN基板に密接に格子整合された、無極性または半極性UV LEDの最終的な構造の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の発明を実施するための形態において、本明細書の一部を形成し、かつ本発明が実施され得る特定の実施形態を例示目的で示す添付図面を参照する。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が用いられてもよく、また、構造的な変更が行われ得ることを理解されたい。
【0022】
(概要)
本発明は、無極性または半極性GaN上に成長させられる無極性または半極性AlInNおよびAlInGaNを使用して、280nmから360nmの範囲の波長で、高出力および高効率のLEDおよびLDに利用することができる、デバイス構造を説明する。本構造の顕著な特徴は、AlInNおよびAlInGaNクラッド層をGaNに密接に格子整合することができるので、圧電場が低減されることである。新しい構造では、無極性または半極性結晶配向で成長させることによって、自発分極も最小化される。比較的に幅の広いバンドギャップ、ならびに自発および圧電分極効果によって、従来のAlGaNに基づく発光デバイスを、効率的な無極性または半極性AlInNおよびAlInGaNに基づく発光デバイスに置換することができる。
【0023】
本発明は、例えば、280nmから360nmの範囲の波長で発光する光電子デバイスを製造するために使用することができる。本発明によって生成される深UV LEDは、水および空気の浄化、ならびに殺菌および生医学用計装システムに有用であり得る。UV領域のLDを実現することができ、これは、光記憶デバイスの容量を増大する。約350nm以下の領域で放射するLEDによって、蛍光被覆を伴う高出力および高効率の白色LEDも生成され得る。
【0024】
(用語)
「(Al、Ga、In)N」またはIII族窒化物という用語は、本明細書で使用する場合、それぞれの単一の種Al、Ga、およびInの窒化物、ならびにそのようなIII族金属種の2元、3元、および4元組成を含むことを意図する。故に、(Al、Ga、In)Nという用語は、そのような用語に含まれる種として、化合物AlN、GaN、およびInN、3元化合物AlGaN、GaInN、およびAlInN、ならびに4元化合物AlGaInNを包括する。(Ga、Al、In)構成種のうちの2つ以上が存在する時、化学量論的割合ならびに「非化学量論的」割合(組成の中に存在する(Ga、Al、In)構成種のそれぞれの相対モル分率に対する)を含む、全ての可能な組成を、本発明の広い範囲内で採用することができる。故に、GaN材料に関する以下の本発明の議論は、種々の他の(Al、Ga、In)N材料種の形成に適用することができることを理解されるであろう。さらに、本発明の範囲内の(Al、Ga、In)N材料はさらに、少量のドーパントおよび/もしくは他の不純物、または包含材料を含み得る。
【0025】
III族窒化物光電子デバイスの自発および圧電分極効果を排除する1つのアプローチは、結晶の無極性面上に(例えば、無極性結晶に沿って、III族窒化物のa軸またはm軸に沿って)、デバイスを成長させることである。例えば、GaN結晶において、このような面は、等しい数のGaおよびN原子を含有し、電荷中立である。さらに、後続の無極性層は、相互に等価であるので、バルク結晶は、成長方向に沿って分極されない。GaNの対称等価の無極性面の2つのそのような系統は、a面として集合的に公知である{11−20}系統、およびm面として集合的に公知である{10−10}系統である。
【0026】
(Ga、Al、In、B)Nデバイスの分極効果および正孔の有効質量を低減する別のアプローチは、デバイスを結晶の半極性面上に成長させることである。「半極性面」という用語は、c面、a面、またはm面として分類することができない、あらゆる面を指すために使用することができる。結晶学用語において、半極性面とは、少なくとも2つの非ゼロのh、i、kミラー指数、および非ゼロのlミラー係数を有する任意の面である。いくつかの一般に観察される半極性面の例には、{11−22}、{10−11}、および{10−13}面が挙げられる。ウルツ鉱型結晶構造の半極性面の他の例には、{10−12}、{20−21}、および{10−14}が挙げられるが、これらに限定されない。窒化物結晶の分極ベクトルは、そのような面内には存在せず、またはそのような面に対して垂直ではなく、むしろ該面の表面垂線に対してある角度で存在する。例えば、{10−11}および{10−13}面は、c面に対してそれぞれ、62.98°および32.06°である。
【0027】
(技術的説明)
本発明は、UV発光デバイスのための新しいデバイス構造を説明する。無極性または半極性GaN基板上に、MOCVDを介して、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦y+z≦1、0≦y’≦1、0≦z’≦1、および0≦y’+z’≦1である、1つ以上のAlIn1−xN、AlInGa1−y−zN、またはAly’Inz’Ga1−y’−z’N層を備えるデバイスを成長させる。
【0028】
図1は、本発明の方法を示すフローチャートである。
【0029】
ブロック100は、基板を反応器に装填するステップを表す。発光デバイス構造の成長の場合、バルク無極性または半極性GaN基板を、MOCVD反応器に装填し、反応器の圧力を、5トールから760トールの間の値に設定する。
【0030】
ブロック102は、基板上にGaN層を成長させるステップを表す。反応器の加熱器をオンにして、水素および/または窒素下で、設定点温度まで逓増させる。温度が設定点に到達した時点で、1μmから3μmの厚さの無作為にドープした(UID))GaNまたはSiドープGaNを(ジシラン(Si)を反応器の中に流すことによって)成長させる。
【0031】
次いで、ブロック104に現されるように、600℃から1000℃の間の値に温度を設定し、トリメチルインジウム(TMIn)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、およびアンモニア(NH)を、反応器の中に導入して、ブロック102のGaN層上にn型AlInNまたはAlInGaNクラッド層を成長させる。所望の層が4元合金である場合は、トリエチルガリウム(TEGa)またはトリメチルガリウム(TMGa)を使用する。n型ドーピングの場合、ジシランも反応器の中に流す。全ての源の流れは、クラッド層厚さが最低で200nmに到達するまで、一定レベルに保つ。重要な条件は、歪みを最小化するように、クラッド層の格子定数を、GaN基板の格子定数に密接に整合させなければならないことである。
【0032】
したがって、ブロック104は、第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層が、無極性または半極性GaN基板に密接に格子整合するように、GaN基板の無極性または半極性面上に、例えば第1の導電型を有する第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層として、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つをエピタキシャルに成長させる、実施例を示す。
【0033】
ブロック106は、ブロック104のn型クラッド層上のAlInNまたはAlInGaN活性領域の成長を表す。所望のn型AlInNまたはAlInGaNのクラッド厚さを達成した時点で、より多くのインジウムをウェル領域に取り込むように、反応器の温度設定点を10℃から80℃だけ減少させる。温度が設定点に到達した時点で、AlInGaN障壁層を成長させる。所望の厚さを達成した時点で、AlInNまたはAlInGaN活性層の所望の組成を得るように、第III族源の流速またはNHの流速を増大または減少させることができる。活性層(例えば、井戸層)を所望の厚さに成長させた後、通常は3nmから10nmである障壁を頂部に成長させる。これは、SQWを形成する。例えば、AlInN(活性井戸層)/AlInGaN(障壁)またはAlInGaN(活性層)/AlInGaN(障壁)を成長させてもよく、また、MQWを形成するようにこの構造を繰り返すことができる。インジウム組成は、所望のλpeakを達成するように、10%から30%の範囲であり得る。可能なMQW構造を図2に示す。
【0034】
図2(a)、2(b)、および2(c)は、ブロック104で成長させた第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層の無極性または半極性面上に、第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸障壁層200として、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つをエピタキシャルに成長させるステップと;第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸障壁層200の無極性または半極性面204上に、かつ360nm未満のピーク波長を有するエレクトロルミネセンスを放射する厚さ206および(Al、In、Ga)N組成に、AlInGa1−y−zNまたはAlIn1−xN量子井戸層202として、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つをエピタキシャルに成長させるステップと;AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸層202の無極性または半極性面210上に、第2のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸障壁層208として、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つをエピタキシャルに成長させるステップであって、それによって、第1のAlInGa1−y−zNまたはAlIn1−xN量子井戸障壁層200と、第2のAlInGa1−y−zNまたはAlIn1−xN量子井戸障壁層208との間に、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸層202を備える量子井戸構造を形成する、ステップを示す。図2(a)−(c)において、構造は、4周期を有するMQWを形成するように繰り返される。
【0035】
図2(a)の実施例において、第1の量子井戸障壁層200および第2の量子井戸障壁層208はどちらも、AlInGa1−y−zNであり、量子井戸202は、AlIn1−xNである。図2(b)の実施例において、第1の量子井戸障壁層200および第2の量子井戸障壁層208はどちらも、AlInGa1−y−zNであり、量子井戸202は、障壁層200、208とは異なる組成(例えば、Aly’Inz’Ga1−y’−z’N)を伴う、AlInGa1−y−zNである。図2(c)の実施例において、第1の量子井戸障壁層200および第2の量子井戸障壁層208はどちらも、AlGa1−yNであり、量子井戸202は、AlIn1−xNである。例えば、AlIn1−xNおよびAlInGa1−y−zN層202のうちの少なくとも1つを、10%から30%の範囲のインジウム組成を伴う発光デバイスとして成長させてもよい。
【0036】
ブロック108は、ブロック106で成長させた活性領域上に、電子阻止層(EBL)を成長させるステップであって、EBLの中の第III族種の組成は、EBLと障壁との間で所望の伝導体オフセットを得るように調整される、ステップを表す。
【0037】
ブロック110は、ブロック108で成長させたEBL層上に、p型AlInNまたはAlInGaNクラッド層を成長させるステップを表す。所望のEBL厚さを達成した時点で、反応器の設定点温度を10℃から80℃だけ増大させる。次いで、p型AlInNまたはAlInGaN層を達成するように、CpMgを反応器の中に導入する。p型合金の組成は、n型合金の組成と同じである。したがって、ブロック110は、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つを、第2の導電型を有するAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層として、ブロック108のEBLおよびブロック106の量子井戸構造上にエピタキシャルに成長させる実施例を示す。
【0038】
次いで、ブロック112に表されるように、ブロック110で成長させたp型クラッド層上に、p型GaN接触層を成長させる。例えば、接触層を形成するように、薄くかつ高度にマグネシウム(Mg)ドープしたp型GaN層を頂部に成長させてもよい。
【0039】
反応器を冷却した時点で、ブロック114に表されるように、ブロック112で成長させたp型GaN接触層(Mgドープ層)を活性化するために、窒化物デバイス(ブロック110−112で形成される)を備えるエピタキシャルウエハを除去して、700℃で15分間、水素欠乏雰囲気の中で焼鈍する。
【0040】
次のステップでは、デバイスを製造する。ここでは、UV LEDのためのプロセスを実施例として説明する。エピタキシャルウエハを焼鈍した時点で、ブロック116(ブロック114で活性化したp−GaN層上に、p型接触層をパターン化する)に表されるように、p型接触(p−接触)をウエハ上にパターン化するために、フォトリソグラフィ技術を使用する。次いで、ブロック118(p−接触金属を、ブロック116でパターン化したパターン化p型GaN層上に蒸着して合金化する)に表されるように、金属合金を形成するように、p接触金属(20Å〜100ÅのNi/Au)を、電子ビーム蒸着器によって蒸着して、1〜10分間、NまたはN/O雰囲気下で焼鈍する。次いで、ブロック120(ブロック114−118の結果によって生じるp型GaN接触層を部分的に除去する)に表されるように、p−GaN接触層を、ドライエッチング技術によって少なくとも部分的に除去する。ブロック120のステップでは、図3に示されるように、ブロック114−118の結果によって生じる光吸収GaN層を除去し、ブロック110で成長させたp型クラッド層を露出させる。このステップの後、ブロック122に表されるように、ドライエッチングによって、ブロック100−120の結果として生じる構造の中にメサを形成し、エッチングでブロック104のn型クラッド層を露出させる。次いで、ブロック124(n型接触金属を、ブロック104で成長させ。ブロック122で露出させたn型クラッド層上に蒸着して合金化する)に表されるように、金属合金を形成するように、n型接触金属(Ti/Al/Ni/Au)を蒸着して、1〜10分間、NまたはN/O雰囲気下で焼鈍する。次いで、ブロック126(ブロック118の合金化p−接触金属およびブロック124の合金化n−接触金属上に、それぞれ、接触パッド用の金属を蒸着する)によって表されるように、接触パッド用の金属を、電子ビーム蒸着器を使用して蒸着する。
【0041】
次いで、ブロック128(基板を除去する)によって表されるように、典型的に、ブロック100の基板を除去する。最後に、典型的に、フリップチップパッケージングを実施し、典型的に、鏡面反射器を、ブロック128の基板除去によって露出したデバイス側に蒸着する。
【0042】
図3は、無極性または半極性GaN基板310上に製造した(例えば、成長させた)、0≦y≦1、0≦z≦1、および0≦y+z≦1である、1つ以上のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層302、304、306、および308を備える(例えば、ブロック104、106、108、および110で示される)、前述のステップを実施した後に得られる、最終的な光電子デバイス300(例えば、LEDまたはLD)の構造の実施例を示し、図中、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層302、304、306、および308は、無極性または半極性である(すなわち、層302、304、306、および308の成長表面が、III族窒化物の無極性面(例えば、m面またはa面)または半極性面であるように、無極性または半極性方向に成長させる)。
【0043】
全ての層302、304、306、および308は、少なくともいくらかのインジウムを含有する。AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層302、304、306、および308は、例えば、少なくともAl、In、およびNを含み得る。
【0044】
例えば、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つ以上は、無極性または半極性GaN基板310に密接に格子整合され(例えば、無極性または半極性GaN基板310上のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zNに基づくn型クラッド層302)、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つ以上は、n型伝導性のためにSiでドープされ(例えば、シリコンでドープされる、n型クラッド層302)、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つ以上は、p型伝導性のためにMgでドープされ(Mgでドープされる、p型クラッド層308)、複数のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層302、304、306、および308は、1つ以上のヘテロ構造または1つ以上の量子井戸ヘテロ構造304(例えば、n型クラッド層302上の、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN基づくSQWまたはMQW304)を形成する。一実施例において、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層304のうちの1つ以上のインジウム組成は、10%から30%の範囲である。
【0045】
図3のデバイス300はさらに、量子井戸層304上に、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zNに基づく電子阻止層(EBL)306を備える。AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zNに基づくp型クラッド層308は、1つ以上のEBL306上にある。また、p型クラッド層308上のp++GaN接触層312、p++GaN接触層312に対する金属接触314、およびn型クラッド層302に対する金属接触316も示される。
【0046】
層302は、典型的に、基板に密接に格子整合される。「密接に格子整合した」とは、成長した厚さにおいていかなる膜の緩和もないこととほぼ同じである。いかなる緩和もないことは、基板310からの転位以外の他の転位がないことを意味する。
【0047】
したがって、図2(a)、2(b)、2(c)、および3は、無極性または半極性GaN基板310上に成長させられる、少なくともAl、In、およびNを含有する1つ以上の発光層202、304を備える、光電子デバイス300を示し、図中、発光層202、304は、無極性または半極性層である。
【0048】
図2(a)、2(b)、2(c)、および3はまた、第1の導電型(例えば、n型であるが、これに限定されない)を有する第1の(Al、In、Ga)N層302;第2の導電型(例えば、p型であるが、これに限定されない)を有する第2の(Al、In、Ga)N層308;および、第1の(Al、In、Ga)N量子井戸障壁層200の無極性または半極性面204上にエピタキシャルに成長させられる、(Al、In、Ga)N量子井戸層202と、(Al、In、Ga)N量子井戸層202の無極性または半極性面210上にエピタキシャルに成長させられる、第2の(Al、In、Ga)N量子井戸障壁層208とを備える、(Al、In、Ga)N量子井戸構造304を示し、(1)図中、量子井戸構造304は、(Al、In、Ga)N量子井戸構造304が、第1の(Al、In、Ga)N層302と第2の(Al、In、Ga)N層308との間にあるように、(Al、In、Ga)N層(例えば、第1の(Al、In、Ga)N層302)の無極性または半極性面318上にエピタキシャルに成長させられ、量子井戸202は、360nm未満のピーク波長を有するエレクトロルミネセンスを放射する、厚さ206および(Al、In、Ga)N組成を有する。例えば、デバイス300は、280nmから360nmの範囲のピーク放射波長を有する、発光デバイスであり得る。
【0049】
(Al、In、Ga)N層302は、典型的に、基板310の無極性または半極性面320上に成長させられる。続いて基板310が除去された後であっても(例えば、図1のブロック128を参照のこと)、層302は、GaN上のエピタキシャル成長と関連する転位密度を保持する。その結果、(Al、In、Ga)N量子井戸構造304は、(Al、In、Ga)N層302上にエピタキシャルに成長させられ、(Al、In、Ga)N層302は、基板310が除去された後であっても、GaN(例えば、基板310)上にエピタキシャルに成長させられ、かつそれに密接に格子整合される、(Al、In、Ga)N層の低転位密度を有する。(Al、In、Ga)N層302は、10cm−2未満の転位密度を有し得、(Al、In、Ga)N層302(および/または層302と基板310との間の層、および/または層304、306、および308)は、横方向エピタキシャル過成長を含まない。
【0050】
(Al、In、Ga)Nの十分に低い転位密度および比較的に高いインジウム組成により、活性領域(発光領域)304は、15%を超える発光デバイス300のIQEを達成することができ、これは、10%未満のインジウム含有量(y)を伴うAlInGa1−x−yN合金によって得られる値であった。したがって、1%を超える発光デバイス300の外部量子効率を達成することが可能である。
【0051】
概して、エッジ型転位および螺旋型転位等の転位は、非放射再結合場所を提供するトラップであることが公知である。転位が多くなることは、非放射再結合が多くなり、したがってIQEが低くなることを意味する。したがって、外部量子効率は、低下する(外部量子効率=IQE×抽出効率)。
【0052】
製造プロセスの詳細は、レーザダイオード等の他のUV放出デバイスのために改良する必要がある。
【0053】
本発明の有用性を高めるために、デバイスを、最小の可能な転位を有するバルクGaN基板上に成長させることが重要である。バルクGaN基板は、本質的に、自立型である厚いGaNである。一実施例は、サファイア上に成長させられる厚い(約300μm)GaNであり、次いで、サファイア基板からリフトオフされる。
【0054】
しかしながら、GaN基板は、360nmより低い放射波長に対する吸収層である。したがって、ブロック128に表されるように、光抽出を向上させるように、GaN基板を除去することが必要である。GaN基板は、ラッピング、研摩、およびドライエッチングプロセスによって除去することができる。よって、鏡面反射器を伴うフリップチップパッケージング(ブロック130に表される)は、前述のLED等の発光デバイスからの光抽出を最大化することができる。
【0055】
(可能な変形例)
前述のデバイスに対する成長仕様は、MOCVDによる無極性および半極性AlInNおよびAlInGaN層のヘテロエピタキシャル成長を利用したが、本発明は、あらゆる成長技術を使用することができる。例えば、無極性および半極性AlInNおよびAlInGaNはまた、適切な成長条件を伴う分子ビームエピタキシ(MBE)によって成長させられ得る。
【0056】
GaN基板を除去するために、ドライエッチング技術を使用する代わりに、n型クラッド層の成長の前に、非常に薄いInGaN層を蒸着することができる。デバイスを成長させた後、InGaN層は、UV光源を使用する光電気化学(PEC)エッチングによってエッチングで除去することができる。
【0057】
前述の成長プロセスは、単に事前の実験に基づく1つの一組の可能な成長条件に過ぎない。無極性および半極性AlInNおよびAlInGaN層を成長させるために、ガス流、成長圧力、および成長温度等の成長条件をさらに調査することができる。AlInNの成長に関するさらなる情報は、[6]に見出すことができる。
【0058】
(利点および改良点)
既存の実行法は、表面がGa(Al)面またはかN面である、c面サファイアまたはSiC基板上に、AlGaNに基づくUV放出デバイスを成長させるものである。c方向に垂直な面は、大きい電気陰性度差のため、自発分極を有する。したがって、異なる分極の多層間の界面は、本質的に分極電荷を構築して、内部電場をもたらす。この電場は、活性層等の薄い層に対してかなり大きくなる可能性があり、エネルギー帯構造を変化させる。基板と後続の層(AlNおよびAlGaN)との間の格子不整合は、圧電分極を導入し、帯域構造をさらに変化させ得る。
【0059】
本発明は、自発および圧電の両方の分極を最小化したデバイス構造を説明する。自発分極は、無極性または半極性結晶配向のデバイスを成長させることによって減少する。さらに重要なことに、圧電分極の低減は、GaN基板に密接に格子整合されるAlInNまたはAlInGaNクラッド層を成長させることによって達成される。量子井戸層だけが、わずかに圧縮歪みを受ける。格子整合状態はまた、クラッド層と基板との間の界面から生じるいかなる付加的な転位もないことを意味する。したがって、QCSE効果および転位密度の両方の低減は、より高いIQEをもたらす。改良された結晶品質はまた、UV領域における高出力および高効率のLDを実現できることを意味する。無極性および半極性バルクGaN基板が、高い結晶品質で利用可能であるので、本発明で説明される新しい構造は、現在利用可能である最先端技術のUV放出デバイスよりも効率的であることが予期される。
【0060】
【化1】

【0061】
【化2】

(結論)
これは、本発明の好適な実施形態の説明を締めくくるものである。本発明の1つ以上の実施形態の上述の説明は、図解および説明のために示したものである。本記述は、網羅的であること、または本発明を開示された形態に限定することを意図したものではない。上述の教示に照らして、多数の修正および変形が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明によって限定されるのではなく、むしろ本明細書に添付された請求項によって限定されることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電子デバイスであって、該光電子デバイスは、無極性または半極性GaN基板上に成長させられる、少なくとも、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、および窒素(N)を含有する1つ以上の発光層を備え、該発光層は、無極性または半極性層である、光電子デバイス。
【請求項2】
前記無極性または半極性GaN基板に密接に格子整合される、0≦y≦1、0≦z≦1、および0≦y+z≦1である、1つ以上のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
0≦y≦1、0≦z≦1、および0≦y+z≦1である、前記密接に格子整合したAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層は、n型伝導性のためにシリコン(Si)でドープされている、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記発光活性層上に、p型伝導性のためにMgでドープされる、0≦y≦1、0≦z≦1、および0≦y+z≦1である、1つ以上のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層をさらに備える、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記発光活性層、前記密接に格子整合したAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層、および前記p型ドープAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層は、1つ以上のヘテロ構造を形成する、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
0≦y≦1、0≦z≦1、および0≦y+z≦1である、前記p型ドープAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層は、マグネシウムでドープされるp型クラッド層である、請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
0≦y≦1、0≦z≦1、および0≦y+z≦1である、前記格子整合したAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層は、シリコンSiでドープされるn型クラッド層である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項8】
前記デバイスは、発光ダイオードまたはレーザダイオードである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記発光層は、10%から30%の範囲のインジウム組成を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記発光活性層は、1つ以上の量子井戸ヘテロ構造を形成する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記デバイスは発光デバイスであり、該発光デバイスは、
(a)前記無極性または半極性GaN基板上の、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zNに基づくn型クラッド層と、
(b)該n型クラッド層上の、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zNに基づく単一量子井戸または多重量子井戸を備える、前記発光層と、
(c)該量子井戸上の、1つ以上のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zNに基づく電子阻止層と、
(d)該電子阻止層上の、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zNに基づくp型クラッド層と
をさらに備え、
(e)該AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層(a)、(b)、(c)、および(d)は、無極性または半極性であり、0≦y≦1、0≦z≦1、および0≦y+z≦1である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記デバイスは、280nmから360nmの範囲のピーク放射波長を有する発光デバイスである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
(a)第1の導電型を有する、第1の(Al、In、Ga)N層と、
(b)第2の導電型を有する、第2の(Al、In、Ga)N層と、
(c)第1の(Al、In、Ga)N量子井戸障壁層の無極性または半極性面上にエピタキシャルに成長させられる、(Al、In、Ga)N量子井戸層と、該(Al、In、Ga)N量子井戸層の無極性または半極性面上にエピタキシャルに成長させられる、第2の(Al、In、Ga)N量子井戸障壁層とを備える、(Al、In、Ga)N量子井戸構造と
を備え、
(1)該量子井戸構造は、該(Al、In、Ga)N量子井戸構造が、該第1の(Al、In、Ga)N層と該第2の(Al、In、Ga)N層との間にあるように、該第1の(Al、In、Ga)N層の無極性または半極性面上にエピタキシャルに成長させられ、
(2)該量子井戸は、360nm未満のピーク波長を有するエレクトロルミネセンスを放射する、厚さおよび(Al、In、Ga)N組成を有する、
光電子デバイス。
【請求項14】
(Al、In、Ga)N層上にエピタキシャルに成長させられる、(Al、In、Ga)N量子井戸構造をさらに備え、(Al、In、Ga)N層は、GaN上にエピタキシャルに成長させられ、かつ該GaNに密接に格子整合される(Al、In、Ga)N層の転位密度を有する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記転位密度は、10cm−2未満であり、前記(Al、In、Ga)N層は、横方向エピタキシャル過成長を含まない、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記デバイスは、発光デバイスであり、
(Al、In、Ga)N層の無極性または半極性面上にエピタキシャルに成長させられる(Al、In、Ga)N量子井戸構造と、
十分に低い該(Al、In、Ga)N層の転位密度と
をさらに備え、該無極性または半極性面および該転位密度は、15%よりも大きい該発光デバイスの内部量子効率、および1%よりも大きい該発光デバイスの外部量子効率を達成する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
深紫外線発光デバイスを製造する方法であって、無極性または半極性GaN基板上に、0≦y≦1、0≦z≦1、および0≦y+z≦1である、1つ以上のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層を成長させるステップを含み、該AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層は、無極性または半極性であり、該AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの少なくとも1つは、少なくともAl、In、およびNを含有する発光層である、方法。
【請求項18】
AlIn1−xNおよびAlInGa1−y−zN層が、無極性または半極性GaN基板に密接に格子整合されるように、該AlIn1−xNおよびAlInGa1−y−zN層のうちの1つ以上を、該無極性または半極性GaN基板上にエピタキシャルに成長させるステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
10%から30%の範囲のインジウム組成を伴う、前記発光活性層を成長させるステップさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層が、前記GaN基板に密接に格子整合されるように、該GaN基板の無極性または半極性面上に、第1の導電型を有する第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層として、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つをエピタキシャルに成長させるステップと、
該第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層の無極性または半極性面上に、第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸障壁層として、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つを、エピタキシャルに成長させるステップと、
該第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸障壁層の無極性または半極性面上に、かつ360nm未満のピーク波長を有するエレクトロルミネセンスを放射する厚さおよび(Al、In、Ga)N組成に、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸層として、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つをエピタキシャルに成長させるステップと、
該AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸層の無極性または半極性面上に、第2のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸障壁層として、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つをエピタキシャルに成長させるステップであって、それによって、該第1のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸障壁層と、該第2のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸障壁層との間に、該AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN量子井戸層を備える量子井戸構造を形成する、ステップと、
第2の導電型を有する第2のAlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層として、該量子井戸構造上に、AlIn1−xNまたはAlInGa1−y−zN層のうちの1つをエピタキシャルに成長させるステップであって、前記発光活性層は、該量子井戸層を備える、ステップと
をさらに含む、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−507874(P2012−507874A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534857(P2011−534857)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/062982
【国際公開番号】WO2010/051537
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(592130699)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (364)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of The University of California
【Fターム(参考)】