説明

燃料電池車両及び圧力測定方法

【課題】燃料ガスを貯蔵する燃料タンク内が低圧であってもその内圧を示す算出圧力値をより正確に算出することが可能な燃料電池車両を提供すること。
【解決手段】この燃料電池車両に搭載されるセンサ認識装置15は、取得した識別情報と、内部に格納されている識別情報とを照合し、対応する補正情報を取得して充填通信用ECU10に出力する。充填通信用ECU10は、その補正情報に基づいて圧力センサSpが出力する測定圧力値を補正し、燃料タンクFS1内の圧力を示す算出圧力値を算出すし、通信機20を経由して通信機30に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池に水素を含む燃料ガスと酸化ガスとを供給して発電させ、その発電した電気を利用して走行する燃料電池車両、及びその燃料電池車両において燃料ガスを貯蔵する燃料タンク内の圧力を算出する圧力算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の環境問題に対応する車両として、水素を燃料とした自動車、具体的には燃料電池自動車などの開発が活発に行われている。このような水素を燃料として走行する車両の普及を促進するには、車両に搭載される車載タンクに対して、安定して効率よく水素を充填する手段を開発する必要がある。
【0003】
そして、水素の性質により、水素供給ステーションにおける水素貯蔵タンクにおいて高圧に圧縮された水素を車載タンクに充填する際には、この水素が膨張して発熱することが知られている。そのため、例えば下記特許文献1,2においては、水素の発熱による車載タンク内の温度上昇を抑制する対策が行われている。すなわち、特許文献1においては、水素タンク(車載タンク)内の圧力が上昇するにつれて水素の充填速度を速めることが行われており、特許文献2においては、冷却手段により高圧水素容器(車載タンク)の充填口の付近を冷却することが行われている。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1,2においては、水素を高圧に圧縮した水素供給ステーションの水素貯蔵タンクについては、水素の急激な充填に伴う発熱を抑制する工夫はなされていない。すなわち、特許文献1においては、特に、水素の充填を行う比較的初期の段階において、水素供給ステーションの水素貯蔵タンク内の水素圧力と、車載タンク内の水素圧力との圧力差が激しい。そのため、上記初期の段階において水素の充填速度をいくら絞っていても、車載タンクへの水素の急激な充填に伴う大きな発熱は避けられず、車載タンク内の温度上昇を防ぐには十分ではない。
【0005】
また、特許文献2においては、あくまでも水素を発熱させてしまった後で冷却手段により冷却をしている。そのため、車載タンク内の温度上昇を防ぐための直接的な対策はなされていないばかりでなく、上記冷却を行うには莫大なエネルギーが必要となる。
【0006】
このような特許文献1,2に記載の技術の解決すべき課題に着眼し、下記特許文献3では、水素を充填する際に車載タンク内が加熱されてしまうことを抑制できると共に水素を利用するエネルギー効率を向上させることができ、かつ要求される充填条件に応じて短時間で水素の充填を行うことができる水素供給ステーション及びその水素充填方法を提案している。
【0007】
具体的には、車両に搭載された車載タンクに対して水素を充填するための水素供給ステーションであって、貯蔵する水素の圧力ステージを複数段に異ならせた複数の貯蔵タンクにそれぞれ水素を貯蔵するタンクユニットと、タンクユニット内の水素を上記車載タンクへ供給するための供給ラインと、供給ラインに接続する貯蔵タンクを切り替える切替装置と、供給ライン内を流れる水素の流量又は圧力を調整する供給調整手段と、供給ライン内を流れる水素の流量を検出する供給流量検出手段と、車載タンク内の圧力を検出する圧力検出手段と、車載タンクにおける最高使用圧力の情報と、水素を車載タンクに満タンに充填する満タン充填又は水素を車載タンクに充填量を指定して充填する指定量充填のいずれかの充填条件とを収集するための収集手段と、給流量検出手段によって検出された流量又は圧力検出手段によって検出された圧力に基づいて切替装置を操作可能であり、圧力検出手段によって検出された圧力と、充填条件入力手段に入力された最高使用圧力の情報及び充填条件とに基づいて供給調整手段を制御可能である制御装置とを有している。
【0008】
そして、制御装置は、供給流量検出手段により検出された流量が規定の流量よりも小さくなったときには、切替装置を操作して、供給ラインに接続する貯蔵タンクを1段上の圧力ステージを有する貯蔵タンクに切り替えるよう構成されている。また、制御装置は、充填条件が満タン充填である場合には、圧力検出手段によって検出された圧力が最高使用圧力から算出した充填目標圧力に達したときに、供給調整手段を操作して水素の充填を停止させる。一方、充填条件が指定量充填である場合には、供給流量検出手段によって検出された流量を積算した積算量が指定された充填量に達したときに、供給調整手段を操作して水素の充填を停止させるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−355795号公報
【特許文献2】特開2002−89793号公報
【特許文献3】特開2005−69333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記従来の技術は、貯蔵する水素の圧力ステージ(圧力レベル)が段階的に異なる複数の貯蔵タンクの使用の仕方に工夫をしており、さらに、車載タンクへ水素を充填する際の制御の仕方にも工夫をしているものである。
【0011】
すなわち、車載タンクに水素の充填を開始する際には、圧力検出手段により車載タンク内の圧力が検出される。そして、制御装置は、切替装置を操作して車載タンク内に残留している水素による残留圧力に近く、かつこの残留圧力よりも規定の圧力差を超えて高い圧力ステージを有する貯蔵タンクを供給ラインに接続することができる。そして、その後、水素の充填が進行し車載タンク内の圧力が高くなるに従って、供給ラインに接続する貯蔵タンクを圧力ステージが高いものに逐次切り替えながら水素の充填を継続することができる。
【0012】
そのため、使用する貯蔵タンクの圧力ステージ(圧力レベル)と、車載タンク内の圧力との圧力差をできるだけ小さくした状態で水素の充填を行うことができる。つまり、貯蔵タンクから車載タンクに向けて水素が送出されるときに、水素の急激な圧力開放が行われることを抑制することができ、常温付近で水素が急激に膨張して発熱してしまうことを抑制することができる。また、圧力差を小さくした状態での充填により、水素が減圧される割合が少なくなり、送出の際に生じる水素の圧力エネルギーの損失を小さくすることができるものである。上記従来の技術はこのような前提に立てば、上記目的を達成するために有益なシステムであるといえる。
【0013】
ところで、上記従来の技術では、車載タンクに水素の充填を開始する際には、圧力検出手段すなわち圧力センサによって車載タンク内の圧力を検出し、この検出した圧力を用いて貯蔵タンクを切り替えていくことを特徴としている。従って、圧力センサの検出値が正確であることが前提となるものである。しかしながら、車載タンクは高圧タンクであり、その内部が低圧の場合には圧力センサの誤差が大きくなり、充填前の水素の残量が正確に把握できない場合がある。
【0014】
このような車載タンク内が低圧の場合の圧力センサの測定誤差は、車載タンクへの水素充填時のみならず改善することが求められるものである。例えば、水素を含む燃料ガスの残量表示を内圧に基づいて推測し、車室内のモニタに表示している場合などは、低圧時の誤差に起因して本来は燃料ガスが無くなっているにもかかわらず残量があるかのように表示されてしまうおそれがある。
【0015】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料電池に水素を含む燃料ガスと酸化ガスとを供給して発電させ、その発電した電気を利用して走行する燃料電池車両であって、燃料ガスを貯蔵する燃料タンク内が低圧であってもその内圧を示す算出圧力値をより正確に算出することが可能な燃料電池車両を提供することにある。また、その燃料電池車両において燃料ガスを貯蔵する燃料タンク内の圧力を算出する圧力算出方法であって、燃料ガスを貯蔵する燃料タンク内が低圧であってもその内圧を示す算出圧力値をより正確に算出することが可能な圧力算出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために本発明に係る燃料電池車両は、燃料電池に水素を含む燃料ガスと酸化ガスとを供給して発電させ、その発電した電気を利用して走行する燃料電池車両であって、前記燃料ガスを貯蔵する燃料タンクと、前記燃料タンク内の圧力を測定して測定圧力値を出力する圧力センサと、前記圧力センサを識別するための識別情報と、当該識別情報に対応させて予め算出されている前記圧力センサの補正情報とを関連付けて格納する格納手段と、この燃料電池車両に実装されている前記圧力センサの識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記識別情報取得手段が取得した識別情報と、前記格納手段に格納されている識別情報とを照合し、対応する補正情報を取得する補正情報取得手段と、前記補正情報取得手段が取得した補正情報に基づいて前記圧力センサが出力する測定圧力値を補正し、前記燃料タンク内の圧力を示す算出圧力値を算出する圧力算出手段と、を備える。
【0017】
本発明に係る燃料電池車両によれば、圧力センサを識別するための識別情報と、当該識別情報に対応させて予め算出されている圧力センサの補正情報とを関連付けて格納する格納手段を備えているので、圧力センサが複数種類ある場合でもそれぞれに適合した補正情報を保持することができる。更に本発明では、識別情報取得手段が取得した圧力センサの識別情報を用いて、燃料電池車両に実装されている圧力センサに対応する補正情報を補正情報取得手段が取得し、その取得した補正情報に基づいて圧力センサが出力する測定圧力値を補正し、燃料タンク内の圧力を示す算出圧力値を算出する。従って、圧力センサの種類に対応した補正情報を取得し、より正確に燃料タンク内の圧力を示す算出圧力値を算出することができ、燃料タンク内が低圧であっても燃料ガス残量を確実に把握することができる。
【0018】
上記課題を解決するために本発明に係る圧力算出方法は、燃料電池に水素を含む燃料ガスと酸化ガスとを供給して発電させ、その発電した電気を利用して走行する燃料電池車両において、燃料ガスを貯蔵する燃料タンク内の圧力を算出する圧力算出方法であって、この燃料電池車両に実装されており、前記燃料ガス内の圧力を測定して測定圧力値を出力する圧力センサの識別情報を取得する識別情報取得ステップと、前記識別情報取得ステップにおいて取得した識別情報と、前記圧力センサを識別するための識別情報と当該識別情報に対応させて予め算出されている前記圧力センサの補正情報とを関連付けて格納する格納手段に格納されている識別情報とを照合し、対応する補正情報を取得する補正情報取得ステップと、前記補正情報取得ステップにおいて取得した補正情報に基づいて前記圧力センサが出力する測定圧力値を補正し、前記燃料タンク内の圧力を示す算出圧力値を算出する圧力算出ステップと、を備える。
【0019】
本発明に係る圧力算出方法によれば、識別情報取得ステップにおいて取得した圧力センサの識別情報を用いて、補正情報取得ステップにおいては燃料電池車両に実装されている圧力センサに対応する補正情報を取得する。更に圧力算出ステップにおいて、補正情報取得ステップにおいて取得した補正情報に基づいて圧力センサが出力する測定圧力値を補正し、燃料タンク内の圧力を示す算出圧力値を算出する。従って、圧力センサの種類に対応した補正情報を取得し、より正確に燃料タンク内の圧力を示す算出圧力値を算出することができ、燃料タンク内が低圧であっても燃料ガス残量を確実に把握することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、燃料ガスを貯蔵する燃料タンク内が低圧であってもその内圧を示す算出圧力値をより正確に算出することが可能な燃料電池システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態である燃料電池車両に搭載される燃料電池システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示す燃料タンクの温度及び圧力を算出し、水素ステーション側に出力する態様を示すブロック構成図である。
【図3】図2に示す圧力センサを組み込むまでの工程を示すフローチャートである。
【図4】圧力センサをグループ分けする概念を説明するための図である。
【図5】燃料タンク内の圧力測定値の誤差に対する水素充填率の関係を説明するための図である。
【図6】図1に示す燃料タンクの温度及び圧力を算出し、水素ステーション側に出力する工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0023】
最初に、本発明の実施形態である燃料電池車両に搭載される燃料電池システムFCSについて図1を参照しながら説明する。図1は燃料電池車両の車載電源システムとして機能する燃料電池システムFCSのシステム構成を示す図である。燃料電池システムFCSは、燃料電池自動車(FCHV)、電気自動車、ハイブリッド自動車などの車両に搭載することができる。
【0024】
燃料電池システムFCSは、燃料電池FCと、酸化ガス供給系ASSと、燃料ガス供給系FSSと、電力系ESと、冷却系CSと、コントローラECとを備えている。燃料電池FCは、反応ガス(燃料ガス、酸化ガス)の供給を受けて発電するものである。酸化ガス供給系ASSは、酸化ガスとしての空気を燃料電池FCに供給するための系である。燃料ガス供給系FSSは、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池FCに供給するための系である。電力系ESは、電力の充放電を制御するための系である。冷却系CSは、燃料電池FCを冷却するための系である。コントローラECは、燃料電池システムFCS全体を統括制御するコントローラである。
【0025】
燃料電池FCは、多数のセル(アノード、カソード、及び電解質を備える単一の電池(発電体))を直列に積層してなる固体高分子電解質形のセルスタックとして構成されている。燃料電池FCでは、通常の運転において、アノードにおいて(1)式の酸化反応が生じ、カソードにおいて(2)式の還元反応が生じる。燃料電池FC全体としては(3)式の起電反応が生じる。
【0026】
2→2H++2e- (1)
(1/2)O2+2H++2e-→H2O (2)
2+(1/2)O2→H2O (3)
【0027】
酸化ガス供給系ASSは、酸化ガス流路AS3と酸化オフガス流路AS4とを有している。酸化ガス流路AS3は、燃料電池FCのカソードに供給される酸化ガスが流れる流路である。酸化オフガス流路AS4は、燃料電池FCから排出される酸化オフガスが流れる流路である。
【0028】
酸化ガス流路AS3には、エアコンプレッサAS2と、加湿器AS5とが設けられている。エアコンプレッサAS2は、フィルタAS1を介して大気中から酸化ガスを取り込むためのコンプレッサである。加湿器AS5は、エアコンプレッサAS2により加圧される酸化ガスを加湿するための加湿器である。
【0029】
酸化オフガス流路AS4には、圧力センサS6と、背圧調整弁A3と、加湿器AS5とが設けられている。背圧調整弁A3は、酸化ガス供給圧を調整するための弁である。加湿器AS5は、酸化ガス(ドライガス)と酸化オフガス(ウェットガス)との間で水分交換するためのものとして設けられている。
【0030】
燃料ガス供給系FSSは、燃料タンクFS1と、燃料ガス流路FS3と、循環流路FS4と、循環ポンプFS5と、排気排水流路FS6とを有している。燃料ガス流路FS3は、燃料タンクFS1から燃料電池FCのアノードに供給される燃料ガスが流れる流路である。循環流路FS4は、燃料電池FCから排出される燃料オフガスを燃料ガス流路FS3に帰還させるための流路である。循環ポンプFS5は、循環流路FS4内の燃料オフガスを燃料ガス流路FS3に圧送するポンプである。排気排水流路FS6は、循環流路FS4に分岐接続される流路である。
【0031】
燃料タンクFS1は、高圧水素タンクで構成され、高圧(例えば、35MPa〜70MPa)の水素ガスを貯蔵するものである。遮断弁H1を開くと、燃料タンクFS1から燃料ガス流路FS3に燃料ガスが流出する。燃料ガスは、レギュレータH2やインジェクタFS2により、例えば、200kPa程度まで減圧されて、燃料電池FCに供給される。
【0032】
燃料ガス流路FS3には、遮断弁H1と、レギュレータH2と、インジェクタFS2と、遮断弁H3と、圧力センサS4とが設けられている。遮断弁H1は、燃料タンクFS1からの燃料ガスの供給を遮断又は許容するための弁である。レギュレータH2は、燃料ガスの圧力を調整するものである。インジェクタFS2は、燃料電池FCへの燃料ガス供給量を制御するものである。遮断弁H3は、燃料電池FCへの燃料ガス供給を遮断するための弁である。
【0033】
レギュレータH2は、その上流側圧力(一次圧)を、予め設定した二次圧に調圧する装置であり、例えば、一次圧を減圧する機械式の減圧弁などで構成される。機械式の減圧弁は、背圧室と調圧室とがダイアフラムを隔てて形成された筺体を有し、背圧室内の背圧により調圧室内で一次圧を所定の圧力に減圧して二次圧とする構成を有する。インジェクタFS2の上流側にレギュレータH2を配置することにより、インジェクタFS2の上流側圧力を効果的に低減させることができる。
【0034】
インジェクタFS2は、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることによりガス流量やガス圧を調整することが可能な電磁駆動式の開閉弁である。インジェクタFS2は、燃料ガス等の気体燃料を噴射する噴射孔を有する弁座と、その気体燃料を噴射孔まで供給案内するノズルボディと、このノズルボディに対して軸線方向(気体流れ方向)に移動可能に格納保持され噴射孔を開閉する弁体とを備えている。
【0035】
インジェクタFS2の弁体は電磁駆動装置であるソレノイドにより駆動され、コントローラECから出力される制御信号によってインジェクタFS2のガス噴射時間及びガス噴射時期を制御することが可能なように構成されている。インジェクタFS2は、その下流に要求されるガス流量を供給するために、インジェクタFS2のガス流路に設けられた弁体の開口面積(開度)及び開放時間の少なくとも一方を変更することにより、下流側に供給されるガス流量(又は水素モル濃度)を調整する。
【0036】
循環流路FS4には、遮断弁H4が設けられ、排気排水流路FS6が接続されている。排気排水流路FS6には、排気排水弁H5が設けられている。排気排水弁H5は、コントローラECからの指令によって作動することにより、循環流路FS4内の不純物を含む燃料オフガスと水分とを外部に排出するための弁である。排気排水弁H5の開弁により、循環流路FS4内の燃料オフガス中の不純物の濃度が下がり、循環系内を循環する燃料オフガス中の水素濃度を上げることができる。
【0037】
排気排水弁H5を介して排出される燃料オフガスは、酸化オフガス流路AS4を流れる酸化オフガスと混合され、希釈器(図示せず)によって希釈される。循環ポンプFS5は、循環系内の燃料オフガスをモータ駆動により燃料電池FCに循環供給する。
【0038】
電力系ESは、DC/DCコンバータES1と、バッテリES2と、トラクションインバータES3と、トラクションモータES4と、補機類ES5とを備えている。燃料電池システムFCSは、DC/DCコンバータES1とトラクションインバータES3とが並列に燃料電池FCに接続するパラレルハイブリッドシステムとして構成されている。
【0039】
DC/DCコンバータES1は、バッテリES2から供給される直流電圧を昇圧してトラクションインバータES3に出力する機能と、燃料電池FCが発電した直流電力、又は回生制動によりトラクションモータES4が回収した回生電力を降圧してバッテリES2に充電する機能とを有する。DC/DCコンバータES1のこれらの機能により、バッテリES2の充放電が制御される。また、DC/DCコンバータES1による電圧変換制御により、燃料電池FCの運転ポイント(出力端子電圧、出力電流)が制御される。燃料電池FCには、電圧センサS1と電流センサS2とが取り付けられている。電圧センサS1は、燃料電池FCの出力端子電圧を検出するためのセンサである。電流センサS2は、燃料電池FCの出力電流を検出するためのセンサである。
【0040】
バッテリES2は、余剰電力の貯蔵源、回生制動時の回生エネルギー貯蔵源、燃料電池車両の加速又は減速に伴う負荷変動時のエネルギーバッファとして機能する。バッテリES2としては、例えば、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、リチウム二次電池等の二次電池が好適である。バッテリES2には、SOC(State of charge)を検出するためのSOCセンサS3が取り付けられている。
【0041】
トラクションインバータES3は、例えば、パルス幅変調方式で駆動されるPWMインバータである。トラクションインバータES3は、コントローラECからの制御指令に従って、燃料電池FC又はバッテリES2から出力される直流電圧を三相交流電圧に変換して、トラクションモータES4の回転トルクを制御する。トラクションモータES4は、例えば、三相交流モータであり、燃料電池車両の動力源を構成する。
【0042】
補機類ES5は、燃料電池システムFCS内の各部に配置されている各モータ(例えば、ポンプ類などの動力源)、これらのモータを駆動するためのインバータ類、及び各種の車載補機類(例えば、エアコンプレッサ、インジェクタ、冷却水循環ポンプ、ラジエータなど)を総称するものである。
【0043】
冷却系CSは、ラジエータCS1と、冷却液ポンプCS2と、冷却液往路CS3と、冷却液復路CS4とを有している。ラジエータCS1は、燃料電池FCを冷却するための冷却液を放熱して冷却するものである。冷却液ポンプCS2は、冷却液を燃料電池FCとラジエータCS1との間で循環させるためのポンプである。冷却液往路CS3は、ラジエータCS1と燃料電池FCとを繋ぐ流路であって、冷却液ポンプCS2が設けられている。冷却液ポンプCS2が駆動することで、冷却液はラジエータCS1から燃料電池FCへと冷却液往路CS3を通って流れる。冷却液復路CS4は、燃料電池FCとラジエータCS1とを繋ぐ流路であって、水温センサS5が設けられている。冷却液ポンプCS2が駆動することで、燃料電池FCを冷却した冷却液はラジエータCS1へと還流する。
【0044】
コントローラECは、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェイスを備えるコンピュータシステムであり、燃料電池システムFCSの各部を制御するものである。例えば、コントローラECは、イグニッションスイッチから出力される起動信号IGを受信すると、燃料電池システムFCSの運転を開始する。その後、コントローラECは、アクセルセンサから出力されるアクセル開度信号ACCや、車速センサから出力される車速信号VCなどを基に、燃料電池システムFCS全体の要求電力を求める。燃料電池システムFCS全体の要求電力は、車両走行電力と補機電力との合計値である。
【0045】
ここで、補機電力には、車載補機類(加湿器、エアコンプレッサ、水素ポンプ、及び冷却水循環ポンプ等)で消費される電力、車両走行に必要な装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、及び懸架装置等)で消費される電力、乗員空間内に配設される装置(空調装置、照明器具、及びオーディオ等)で消費される電力などが含まれる。
【0046】
そして、コントローラECは、燃料電池FCとバッテリES2とのそれぞれの出力電力の配分を決定する。コントローラECは、燃料電池FCの発電量が目標電力に一致するように、酸化ガス供給系ASS及び燃料ガス供給系FSSを制御するとともに、DC/DCコンバータES1を制御して、燃料電池FCの運転ポイント(出力端子電圧、出力電流)を制御する。更に、コントローラECは、アクセル開度に応じた目標トルクが得られるように、例えば、スイッチング指令として、U相、V相、及びW相の各交流電圧指令値をトラクションインバータES3に出力し、トラクションモータES4の出力トルク、及び回転数を制御する。更に、コントローラECは、冷却系CSを制御して燃料電池FCが適切な温度になるように制御する。
【0047】
本実施形態に係る燃料電池システムFCSでは、燃料タンクFS1内の圧力を測定し、その測定圧力値に基づいて燃料タンクFS1内の実際の圧力を示す算出圧力値をより正確に算出するための工夫を行っている。燃料タンクFS1内の温度及び圧力を算出し、水素ステーションに出力する態様について図2を参照しながら説明する。図2は、燃料タンクFS1内の温度及び圧力を算出し、水素ステーションに出力する態様を示すブロック構成図である。
【0048】
図2に示すように、燃料電池車両側には、燃料タンクFS1と、圧力センサSpと、温度センサStと、センサ認識装置15と、充填通信用ECU10と、通信機20とが設けられている。一方、水素ステーション側には通信機30が設けられている。続いて、各構成要素について説明する。
【0049】
圧力センサSpは、燃料タンクFS1内に設けられている圧力センサである。圧力センサSpは、燃料タンクFS1内の圧力を測定し、その測定圧力値を充填通信用ECU10に出力する。圧力センサSpには、その圧力センサSpが属するグループを識別するためのタグが付されている。温度センサStは、燃料タンクFS1内に設けられている温度センサである。温度センサStは、燃料タンクFS1内の温度を測定し、その測定温度値を充填通信用ECU10に出力する。温度センサStには、その温度センサStが属するグループを識別するためのタグが付されている。
【0050】
センサ認識装置15は、圧力センサSpと温度センサStとのそれぞれに付されているタグを読み取って、圧力センサSpと温度センサStとがそれぞれどのグループに属するかを判断し、その属するグループに対応した補正情報を充填通信用ECU10に出力する装置である。
【0051】
センサ認識装置15は、ハードウェア構成的には、CPUと、圧力センサSp及び温度センサStに付されているタグを読み取るインターフェイスと、圧力センサSp及び温度センサStが属するグループと関連付けて補正情報を格納するメモリ(格納手段)と、その補正情報を充填通信用ECU10に出力するためのインターフェイスとを備えている。
【0052】
センサ認識装置15のCPUは、機能的には、燃料電池車両に実装されている圧力センサSp及び温度センサStの識別情報をインターフェイスを介して取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段が取得した識別情報とメモリに格納されている識別情報とを照合し、対応する補正情報を取得する補正情報取得手段と、この取得した補正情報をインターフェイスを介して充填通信用ECU10に送信する補正情報送信手段とを備えている。
【0053】
充填通信用ECU10は、燃料タンクFS1に燃料ガスを充填する際に必要となる情報を水素ステーションと通信するためのECUである。充填通信用ECU10は、ハードウェア構成的には、CPUと、センサ認識装置15から出力される補正情報を受け取るためのインターフェイスと、圧力センサSp及び温度センサStから出力される測定値を受け取るためのインターフェイスと、算出した燃料タンクFS1内の算出圧力値及び算出温度値を通信機20に出力するためのインターフェイスとを備えている。
【0054】
充填通信用ECU10は、機能的には、センサ認識装置15の補正情報取得手段が取得した補正情報に基づいて圧力センサSp及び温度センサStが出力する測定圧力値及び測定温度値を補正し、燃料タンクFS1内の圧力を示す算出圧力値及び温度を示す算出温度値を算出する圧力算出手段を備えている。
【0055】
通信機20は、燃料電池車両に設けられるレセプタクル(図示しない)に設けられているものであって、充填通信用ECU10から出力される、燃料タンクFS1内の圧力を示す算出圧力値及び温度を示す算出温度値を水素ステーション側の通信機30に送信するものである。
【0056】
続いて、センサ認識装置15及び充填通信用ECU10の機能についてより具体的に説明する。説明の理解を容易にするため、燃料タンクFS1内の圧力を測定した測定圧力値をどのように補正して算出圧力値を算出するかについて説明する。
【0057】
まず、圧力センサSpをどのようにグループ分けするかについて図3を参照しながら説明する。図3は、図2に示す圧力センサを組み込むまでの工程を示すフローチャートである。
【0058】
ステップS01では、圧力センサを製造する。ステップS01に続くステップS02では、製造した圧力センサそれぞれに対して、所定圧力(例えば、30MPa(G)、60MPa(G)、90MPa(G))下での出力電圧を測定する。
【0059】
ステップS02に続くステップS03では、ステップS02での測定結果に基づいて圧力センサをグループに分類する。ステップS02での測定結果を、圧力と出力電圧との関係を示すグラフにプロットすると、例えば図4に示すようなグラフを得ることができる。
【0060】
図4に示す例では、ステップS02での測定結果をプロットすると、領域ZAに属するプロットと、領域ZBに属するプロットと、領域ZCに属するプロットとに分けることができる。図4に示す例では、領域ZAに属する測定結果を示す圧力センサは、基準特性SLAを有するものとしている。同様に、領域ZBに属する測定結果を示す圧力センサは基準特性SLBを有し、領域ZCに属する測定結果を示す圧力センサは基準特性SLCを有するものとしている。
【0061】
このように、ステップS03のグループ分類は、比較的近接した特性を示す圧力センサをグルーピングし、本実施形態の場合は3つのグループにグループ分けすることで行われる。このグループ分けは、代表値としての基準特性(補正情報)を採用した場合に、その基準特性を採用する圧力センサそれぞれの誤差が許容範囲に収まるか否かで決定されることが好ましい。
【0062】
図5は、燃料タンク内の圧力測定値に対する水素充填率の関係を説明するための図である。図5に示すように、基準特性CLでは、70MPa(G)の場合に、高圧タンク内の水素充填率が100%(温度が15℃)である場合、その基準特性CLを採用する圧力センサの誤差は、より充填率が低くなる傾向の誤差UCLから充填率が高くなる傾向の誤差OCLまで含まれることになる。そこで本実施形態では、このような誤差UCL及び誤差OCLを考慮しても、許容範囲内に収まるようにグループとして括れる範囲を定めている。
【0063】
上述したグループ分類は、圧力センサSpについてのものであったが、温度センサStについても同様にグループ分類することができる。
【0064】
続いて、センサ認識装置15及び充填通信用ECU10の挙動について図6を参照しながら説明する。図6は、燃料タンクFS1の温度及び圧力を算出し、水素ステーション側に出力する工程を示すフローチャートである。
【0065】
ステップS11では、センサ認識装置15が圧力センサSp及び温度センサStに付されたタグを読み込む。このタグには、圧力センサSp及び温度センサStが属するグループを識別する情報が書き込まれている。ステップS11に続くステップS12では、センサ認識装置15が、圧力センサSpと温度センサStとがそれぞれどのグループに属するかを判断する。
【0066】
ステップS12に続くステップS13では、センサ認識装置15が、ステップS12において識別したグループ情報に基づいて、圧力センサSpと温度センサStとが属するグループに対応した補正情報を取得する。具体的には、圧力センサSp及び温度センサStが属するグループと関連付けて補正情報を格納してあるメモリから、圧力センサSp及び温度センサStの補正情報としての基準特性(図4参照)を取得する。ステップS13に続くステップS14では、取得した圧力センサSp及び温度センサStの補正情報としての基準特性を、センサ認識装置15から充填通信用ECUに出力する。
【0067】
ステップS14に続くステップS15では、充填通信用ECU10が、センサ認識装置15から出力される圧力センサSp及び温度センサStの補正情報としての基準特性を受け取る。更に充填通信用ECU10は、圧力センサSp及び温度センサStから出力される測定値を受け取る。これらに基づいて充填通信用ECU10は、圧力センサSp及び温度センサStから出力される測定圧力及び測定温度に基づいて、圧力センサSp及び温度センサStの補正情報としての基準特性を用いて、燃料タンクFS1内の実際の圧力及び温度を示す値に近い算出圧力値及び算出温度値を算出する。
【0068】
ステップS15に続くステップS16では、充填通信用ECU10が算出した燃料タンクFS1内の算出圧力値及び算出温度値を通信機20に出力する。通信機20は、算出圧力値及び算出温度値を水素ステーション側の通信機30に送信する。
【0069】
本実施形態によれば、センサ認識装置15が、圧力センサSp及び温度センサStを識別するための識別情報と、これら識別情報に対応させて予め算出されている圧力センサSp及び温度センサStの補正情報(基準特性)とを関連付けて格納することができるので、圧力センサSp及び温度センサStが複数種類ある場合でもそれぞれに適合した補正情報を保持することができる。
【0070】
また、センサ認識装置15は、メモリに格納されている補正情報(基準特性)を更新して再格納することで、最適化された補正情報を保持することができる。従って、燃料電池車両に実装された後に出力にずれが生じた場合であっても、補正情報を最適化されたものに更新することで、的確な補正情報を提供することができる。
【0071】
また、センサ認識装置15は、取得した圧力センサSp及び温度センサStの識別情報を用いて、燃料電池車両に実装されている圧力センサSp及び温度センサStに対応する補正情報(基準特性)を取得する。充填通信用ECUは、その取得した補正情報に基づいて圧力センサSp及び温度センサStが出力する測定圧力値及び測定温度値を補正し、燃料タンクFS1内の圧力を示す算出圧力値及び温度を示す算出温度値を算出する。従って、圧力センサSp及び温度センサStの種類に対応した補正情報(基準特性)を取得し、より正確に燃料タンクFS1内の圧力及び温度を示す算出圧力値及び算出温度値を算出することができ、燃料タンクFS1内が低圧であっても燃料ガス残量を確実に把握することができる。
【0072】
一方、全ての圧力センサSp及び温度センサStをグループ分けせずに、センサからの出力電圧に対して対応する圧力値が一つしかないようにすると、センサごとの誤差が大きくなってしまう。本実施形態のように、複数の代表値として基準特性を設定し、その基準特性に対して許容できる誤差の範囲でグループ分けすることで、簡易な手段で圧力センサSp及び温度センサStの測定誤差を実質的に減らすことができる。
【0073】
尚、本実施形態ではセンサ認識装置15を独立して設置したけれども、圧力センサSp及び温度センサStの抵抗値を充填通信用ECUで認識することによっても圧力センサSp及び温度センサStの誤差パターン(グループ属性)を認識することが可能である。その場合、センサ認識装置15の識別情報取得手段、格納手段、及び補正情報取得手段の機能を充填通信用ECUに担わせることができる。
【符号の説明】
【0074】
FCS:燃料電池システム
FC:燃料電池
ASS:酸化ガス供給系
AS1:フィルタ
AS2:エアコンプレッサ
AS3:酸化ガス流路
AS4:酸化オフガス流路
AS5:加湿器
A3:背圧調整弁
CS:冷却系
CS1:ラジエータ
CS2:冷却液ポンプ
CS3:冷却液往路
CS4:冷却液復路
FSS:燃料ガス供給系
FS2:インジェクタ
FS3:燃料ガス流路
FS4:循環流路
FS5:循環ポンプ
FS6:排気排水流路
H1:遮断弁
H2:レギュレータ
H3:遮断弁
H4:遮断弁
H5:排気排水弁
ES:電力系
ES1:DC/DCコンバータ
ES2:バッテリ
ES3:トラクションインバータ
ES4:トラクションモータ
ES5:補機類
EC:コントローラ
S1:電圧センサ
S2:電流センサ
S3:SOCセンサ
S4,S6:圧力センサ
S5:水温センサ
ACC:アクセル開度信号
IG:起動信号
VC:車速信号
10:充填通信用ECU
15:センサ認識装置
20:通信機
30:通信機
FS1:燃料タンク
Sp:圧力センサ
St:温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池に水素を含む燃料ガスと酸化ガスとを供給して発電させ、その発電した電気を利用して走行する燃料電池車両であって、
前記燃料ガスを貯蔵する燃料タンクと、
前記燃料タンク内の圧力を測定して測定圧力値を出力する圧力センサと、
前記圧力センサを識別するための識別情報と、当該識別情報に対応させて予め算出されている前記圧力センサの補正情報とを関連付けて格納する格納手段と、
この燃料電池車両に実装されている前記圧力センサの識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段が取得した識別情報と、前記格納手段に格納されている識別情報とを照合し、対応する補正情報を取得する補正情報取得手段と、
前記補正情報取得手段が取得した補正情報に基づいて前記圧力センサが出力する測定圧力値を補正し、前記燃料タンク内の圧力を示す算出圧力値を算出する圧力算出手段と、を備える燃料電池車両。
【請求項2】
燃料電池に水素を含む燃料ガスと酸化ガスとを供給して発電させ、その発電した電気を利用して走行する燃料電池車両において、燃料ガスを貯蔵する燃料タンク内の圧力を算出する圧力算出方法であって、
この燃料電池車両に実装されており、前記燃料ガス内の圧力を測定して測定圧力値を出力する圧力センサの識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記識別情報取得ステップにおいて取得した識別情報と、前記圧力センサを識別するための識別情報と当該識別情報に対応させて予め算出されている前記圧力センサの補正情報とを関連付けて格納する格納手段に格納されている識別情報とを照合し、対応する補正情報を取得する補正情報取得ステップと、
前記補正情報取得ステップにおいて取得した補正情報に基づいて前記圧力センサが出力する測定圧力値を補正し、前記燃料タンク内の圧力を示す算出圧力値を算出する圧力算出ステップと、を備える圧力算出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−180012(P2011−180012A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45376(P2010−45376)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】