説明

画像形成装置

【課題】像担持体の交換を容易とした、小型かつ多色画像の形成が可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置において潜像を各色成分に対応するトナーにより現像する複数の現像手段と、トナー像を中間転写体上に順次転写する一次転写手段と、前記中間転写体上に形成された多色画像を一括して転写する二次転写手段と、前記多色画像を前記記録材に定着する定着手段と、記録材を前記二次転写手段から前記定着手段に搬送する第一の記録材搬送路と、前記記録材を装置本体から排紙する第二の記録材搬送路とを有する画像形成装置において、着脱可能に支持する支持手段と、前記現像手段を前記支持手段に連結する連結手段と、前記現像手段を現像位置または非現像位置に移動させるために前記支持手段を移動させる移動手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法を用いた、複写機、プリンタ、ファクシミリ、その他の画像形成装置に関する。特に、多色画像を形成可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
像担持体上に各色成分に応じた潜像を形成し、この潜像を各色成分に対応したトナーにより現像し、このトナー像を順次重ね合わせることにより多色画像を得る画像形成装置としては、従来、各種構成が提案されている。
【0003】
このような電子写真法を用いた画像形成装置は、構成が複雑で、装置が大型で、さらに、装置の保守性が悪いという問題がある。
【0004】
そこで、装置の保守性を向上させるために、消耗品の補給や交換を容易にした画像形成装置として、例えば、特開平3−249765号公報や特開平7−199768号公報が提案されている。
【0005】
特開平3−249765号公報は、像担持体や複数の現像手段等を一体的にユニット化し、これを着脱する構成を開示している。
【0006】
しかしながら、多色画像を形成する画像形成装置においては、単色(例えば黒のみ)画像を形成する画像形成装置とは異なり、複数の現像手段を有するため、また、像担持体が比較的大型であるため、これらを一体的にユニット化すると、そのユニットはかなり大型かつ重いものとなってしまう。多色画像を形成する画像形成装置において、このようなユニットを交換しようとすることは実使用上、非常に困難である。
【0007】
また、複数の現像手段のトナー消費量はそれぞれ異なるため、これらを一体的にユニット化すると、何れかの現像手段のトナーが全て消費された時点で、他の現像手段をも交換しなければならず、無駄である。
【0008】
そこで、像担持体や複数の現像手段等はそれぞれ別々に交換できること必要である。
【0009】
また、潜像形成手段としては、一般的に、レーザ光により像担持体上を走査するいわゆるレーザ走査光学系等が用いられており、これは振動や衝撃に非常に敏感であるため、レーザ走査光学系を構成する光学部品にずれが発生した場合、それが単色画像を形成する画像形成装置では問題にならない程度のずれであったとしても、多色画像を形成する画像形成装置では色ずれとして発生する。そこで、潜像形成手段を移動させずに、像担持体や現像手段等を交換できることが必要である。
【0010】
さらに、像担持体や現像手段等を交換する際に、それらを誤って装置本体上に落下させる事故等により潜像形成手段へ衝撃が与えられる場合があるが、その衝撃が最小となるように、像担持体や現像手段等の着脱時の軌跡が、潜像形成手段の上方を通過することがないように、潜像形成手段を配置することが必要である。
【0011】
特開平7−199768号公報は、像担持体や現像手段等をそれぞれ像担持体の軸方向に着脱する構成を開示している。
【0012】
しかしながら、像担持体や現像手段等は、像担持体の軸方向に長尺な形状を有するため、これらの一端のみを保持しながら他端を装置本体の着脱口に挿入するのが困難である。一般的に像担持体や現像手段の駆動部あるいは電極部は、像担持体や現像手段を着脱する際に保持される側とは反対側に配置され、装置本体の着脱口に挿入する際に先頭となるため、挿入時に着脱口に衝突させたりして損傷させると、新品の像担持体や現像手段が使用不能になってしまう場合もある。
【0013】
また、単色画像を形成する画像形成装置においては、記録材の大きさとしてA4が主流であったが、多色画像を形成する画像形成装置においては、近年、多色印刷の需要の高まりから、A4以上の大きな記録材、例えば、A3あるいはA3を超える大きさの紙等への対応性が求められており、このため、特にA4よりも大きな記録材に対応する画像形成装置では、像担持体や現像手段等が像担持体の軸方向にさらに長尺な形状を有するため、像担持体の軸方向にこれらを着脱するのがさらに困難となる。
【0014】
また、像担持体の軸方向に長尺な形状を有する像担持体や現像手段等の装置本体への着脱を補助するための手段として、例えば軸方向に像担持体や現像手段等を移動させるための案内溝や像担持体や現像手段等を載せて移動させる可動台等を、装置本体側に設ける構成やさらにそれら補助手段を装置本体から引き出し可能に構成する等が従来から提案されている。しかし、軸方向への着脱は、像担持体や現像手段等を着脱口から装置本体内の装着位置までに移動させる距離が、軸方向に直交する方向に着脱する場合と比較して長いため、案内溝の直線性が不充分な場合には着脱が困難となる。また、案内溝が長いために、案内溝に異物が挟まり易く、やはり着脱が困難となり易い。
【0015】
また、像担持体の軸方向に長尺な形状を有する像担持体や現像手段等を装置本体への軸方向に着脱する際に、これらの一端のみを保持しながら他端を装置本体の着脱口に挿入することとなるため、片持ち支持された像担持体や現像手段等が撓みや歪みが生じ易い。
【0016】
特に、多色画像を形成する画像形成装置に用いられる現像手段は、装置本体内で像担持体と離接移動を繰り返すために、現像手段を装置本体内に装着した時にその一部分、例えば側面や両端等だけを支持し移動させたり、現像手段の下部にコロ等の可動部材を当接させ支持し移動させたりする構成では、現像手段に撓みや歪みが生じ易く、安定して良好な画像を得ることができない。
【0017】
このため、像担持体や現像手段等に軸方向に撓みが生じないように充分な強度を与えるようにする必要があるが、これはこれらの交換部材の費用が高くなる要因の一つとなっている。
【0018】
また、像担持体の軸方向に長尺な形状を有する像担持体や現像手段等を装置本体への軸方向に着脱する構成では、紙の搬送方向と直交する方向に像担持体等を着脱することとなるため、紙が装置本体内で詰まっている状態で誤って像担持体等を着脱しようとすると、詰まった紙により像担持体等が損傷したり、あるいは紙が破け、その破片が装置本体の中(特に手の届きにくい着脱口とは反対側奥)に移動し、装置全体を損傷してしまう場合がある。また、このような構成では、像担持体や現像手段等の着脱口とは別に、装置本体内に詰まった紙を排除するための手段を別途設ける必要がある。
【特許文献1】特開平3−249765号公報
【特許文献2】特開平7−199768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上記のように、本発明は、像担持体、中間転写体、潜像形成手段、現像手段、転写手段、定着手段、記録材収納手段、及び記録材搬送経路の構成及び配置を総合的に検討し、簡単な構造で、消耗部材の補給を要する現像手段や記録材収納手段や寿命により交換を要する像担持体の交換を容易とした、小型かつ多色画像の形成が可能な画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本第1発明は、前記課題を解決するために、画像形成装置において、像担持体上に各色成分に応じた潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体上の潜像を各色成分に対応するトナーにより現像する複数の現像手段と、前記像担持体上のトナー像を中間転写体上に順次転写する一次転写手段と、記録材収納手段から搬送された記録材上に前記中間転写体上に形成された多色画像を一括して転写する二次転写手段と、前記多色画像を前記記録材に定着する定着手段と、前記記録材収納手段の記録材を前記二次転写手段から前記定着手段に搬送する第一の記録材搬送路と、前記定着手段から搬送された前記記録材を装置本体から排紙する第二の記録材搬送路と、を有する画像形成装置において、前記現像手段を着脱可能に支持する支持手段と、前記現像手段を前記支持手段に連結する連結手段と、前記支持手段に連結された前記現像手段を現像位置または非現像位置に移動させるために前記支持手段を移動させる移動手段を有することを特徴とする。
【0021】
本第2発明は、本第1発明の画像形成装置において、複数の前記現像手段に応じた複数の前記支持手段を支持するフレーム構造体と、前記フレーム構造体に前記支持手段を介して固定された前記現像手段を前記像担持体に付勢させる第一の位置と前記像担持体から開放する第二の位置とに移動させるために前記フレーム構造体を回転移動させることを特徴とする。
【0022】
本第3発明は、本第2発明の画像形成装置において、前記フレーム構造体を前記第一の位置と前記第二の位置の二安定状態になす二安定手段を有することを特徴とする。
【0023】
本第4発明は、本第3発明の画像形成装置において、前記フレーム構造体を前記第二の位置に開放し、前記現像手段のトナー収容部が下方に位置した姿勢で、前記現像手段が着脱可能であることを特徴とする。
【0024】
本第5発明は、本第1発明の画像形成装置において、前記連結手段は、前記現像手段または前記支持手段の一方に設けられ他方と係合するためのピンと、前記現像手段または前記支持手段の一方に設けられ他方の前記ピンが挿入される被挿入部と、前記被挿入部に挿入された前記ピンを所定方向に付勢するためのカムからなることを特徴とする。
【0025】
本第6発明は、本第5発明の画像形成装置において、前記所定方向とは、前記現像手段を前記像担持体に付勢する方向及び前記現像手段を前記支持手段に付勢する方向であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明の像担持体上に各色成分に応じた潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体上の潜像を各色成分に対応するトナーにより現像する複数の現像手段と、前記像担持体上のトナー像を中間転写体上に順次転写する一次転写手段と、記録材収納手段から搬送された記録材上に前記中間転写体上に形成された多色画像を一括して転写する二次転写手段と、前記多色画像を前記記録材に定着する定着手段と、前記記録材収納手段の記録材を前記二次転写手段から前記定着手段に搬送する第一の記録材搬送路と、前記定着手段から搬送された前記記録材を装置本体から排紙する第二の記録材搬送路と、を有する画像形成装置において、前記現像手段を着脱可能に支持する支持手段と、前記現像手段を前記支持手段に連結する連結手段と、前記支持手段に連結された前記現像手段を現像位置または非現像位置に移動させるために前記支持手段を移動させる移動手段を有する構成により、像担持体の軸方向に長尺な形状を有する現像手段を装置本体内において撓みや歪みを生じることなく支持及び移動させることができる。
複数の前記現像手段に応じた複数の前記支持手段を支持するフレーム構造体と、前記フレーム構造体に前記支持手段を介して固定された前記現像手段を前記像担持体に付勢させる第一の位置と前記像担持体から開放する第二の位置とに移動させるために前記フレーム構造体を回転移動させる構成により、現像手段を簡単な構成で像担持体に対し精度よく位置決めすることができる。
フレーム構造体を前記第二の位置に開放し、前記現像手段のトナー収容部が下方に位置した姿勢で、前記現像手段が着脱可能である構成により、現像手段を支持するフレーム構造体を簡単な構成で所定位置に安定させることできる。
フレーム構造体を前記第二の位置に開放し、前記現像手段のトナー収容部が下方に位置した姿勢で、前記現像手段が着脱可能である構成により、現像手段の着脱によるトナーの飛散を防止することができる。
連結手段は、前記現像手段または前記支持手段の一方に設けられ他方と係合するためのピンと、前記現像手段または前記支持手段の一方に設けられ他方の前記ピンが挿入される被挿入部と、前記被挿入部に挿入された前記ピンを所定方向に付勢するためのカムからなる構成により、現像手段を簡単な構成でフレーム構造体に着脱することができる。
所定方向とは、前記現像手段を前記像担持体に付勢する方向及び前記現像手段を前記支持手段に付勢する方向である構成により、現像手段を簡単な構成で確実にフレーム構造体に固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の実施の形態について、カラー画像を形成する装置を例にとって図面を参照して説明する。
【0028】
図1は本発明の画像形成装置を示す装置断面図であり、ベルト状の中間転写体を用いたカラー画像形成装置である。
【0029】
図1を用いて、本装置の全体構成と作用を説明する。
【0030】
図1において、ドラム状の感光体1(像担持体)は、図示しないモータ等の駆動源により矢印D方向に回転駆動される。感光体1の外周には帯電ローラ等の帯電手段2が配置され、感光体1に当接回転しながら感光体1の表面が一様に帯電される。
【0031】
表面が一様に帯電された感光体1は、レーザー走査光学系等の潜像形成手段3によって第一色目として例えばイエローの画像情報に応じて選択的に走査露光され、イエロー用の静電潜像が形成される。
【0032】
静電潜像が記録された感光体1の回転方向下流側には、現像剤としてそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを貯蔵し、感光体1に対して離接自在な現像手段4、5、6、7が配置され、形成されたイエロー用の静電潜像はイエロー現像手段4のみが感光体1と当接して現像することでイエローのトナー像が形成される。
【0033】
トナー像が形成された感光体1の回転方向下流側には、感光体1に隣接して中間転写ベルト8が配置される。中間転写ベルト8は、駆動ローラ9、バックアップローラ10、テンションローラ11、皺取りローラ12に掛け回されており、感光体1の周速度と同一速度で駆動されている。また、感光体1の駆動力を駆動ローラ9に伝達することにより、感光体1と中間転写ベルト8とを同期駆動させている。
【0034】
また、一次転写ローラ13は中間転写ベルト8を介して感光体1側に付勢されており、中間転写ベルト8が感光体1と一次転写ローラ13によって挟持される一次転写位置において、図示しない高圧電源から一次転写ローラ13へ電圧が供給されることで前述の手順で形成されたイエローのトナー像が中間転写ベルト8の表面に転写される。
【0035】
中間転写ベルト8にイエローのトナー像を転写した感光体1は更に矢印D方向へ回転し、クリーナーブレード等で構成された感光体クリーナ14によって感光体1の表面に残留するトナーが掻き取られ、再び画像形成が可能となる。
【0036】
同様の手順を第二色目から第4色目の画像(マゼンタ、シアン、ブラック)に対して繰り返し行うことで中間転写ベルト8上に4色のトナー像が順次重ね合わせて記録される。
【0037】
中間転写ベルト8へ4色のトナー像の重ね合わせが終了すると、給紙ローラ20、紙搬送ローラ対15および16によって紙カセット80(記録材収納手段)から記録材17が給送され、これと同期して図示しないクラッチ機構とカム機構によって二次転写ローラ18が二次転写支点軸19を中心として矢印E方向に回転して中間転写ベルト8を介してバックアップローラ10と当接し、記録材17及び中間転写ベルト8がバックアップローラ10と二次転写ローラ18によって挟持される二次転写位置において、図示しない高圧電源から電圧が二次転写ローラ18へ印加されることで中間転写ベルト8上の4色のトナー像が記録材17へ一括して転写される。二次転写を終えた中間転写ベルト8にはクリーナーブレード等で構成された中間転写体クリーナ21が図示しないクラッチ機構とカム機構によって矢印F方向へ回動して当接し、中間転写ベルト8の表面に残留したトナーが掻き取られ、掻き取りが終了すると中間転写体クリーナ21は矢印Fとは逆方向に回動して退避する。
【0038】
4色のトナー像が転写された記録材17は、二次転写位置から記録材17を装置本体と略平行に搬送する第一の記録材搬送路を経て定着手段22へ至り、定着手段22で加熱加圧しながら挟持搬送されてトナー像が定着される。トナー像が定着された記録材17は、定着手段22により装置本体の上面方向へとその搬送方向を変えられ、定着手段22から記録材17を装置本体と略垂直に搬送し装置上面へ至る第二の記録材搬送路に設置された排紙ローラ対23および24によって装置上面へと排出され、カラー画像記録が完了する。
【0039】
さらに、図1における、本装置の幾つかの構成について補足して説明する。
【0040】
画像形成装置を制御するための指示や画像形成装置の状態を表示するための制御パネル31が装置本体の前面カバーに設置されている。制御パネル31が設置された面が本装置における使用者の通常使用状態面として使用される。また、制御パネル31は上面カバーに設置されていてもよいが、この場合は制御パネル31の視認性や操作性が良好となるように使用者が制御パネル31に対面する面が本装置における使用者の通常使用状態面であり前面として使用される。本装置においては、装置本体の前面は、像担持体の軸に略平行な面である。
【0041】
感光体1は、外径が90mmφ以下、さらに好ましくは80mmφ以下のドラム状のものを用いる。感光体1の曲率半径が大きくなる(感光体が平面に近づく)程、感光体と各現像手段とが対向する各現像位置において、その現像電界は現像位置の前後でなだらかに変化するため、感光体の回転方向から見て現像位置の下流側(潜像の後端部)にトナーが過剰に付着し易く、画像が太くあるいは濃くなるという問題があるが、本装置のように所定の曲率以下のドラム状感光体を用いた構成することにより、感光体と各現像手段とが対向する各現像位置における現像電界を現像位置の前後で急峻に変化させることができ、良好な画像を得ることが出来る。
【0042】
現像手段4、5、6、7は、感光体1の周囲に並置されており、感光体1の中心に対して最上流の現像手段4から最下流の現像手段7までがなす角度は、140°以下、さらに好ましくは125°以下となるように構成し、かつ、現像手段4を感光体の略直上位置に配置することにより、感光体1の下部の、すなわち、一次転写位置のための空間をより広く確保することができる。したがって、中間転写体として中間転写ベルトを用いる場合において、中間転写ベルト8を感光体1に広い領域で巻きかけたり、あるいは、一次転写位置近傍に複数のローラを配置することができる。
【0043】
現像手段4、5、6、7は、フレーム25に着脱可能に支持されており、さらに、フレーム25はフレーム支点軸26を中心に回転可能に支持される構成となっている。フレーム25は、装置本体の前面側に、例えば装置本体に略平行方向に引き出し可能な構成としてもよいが、このような構成では、フレーム25を感光体1側に移動させる毎にその位置をフレーム25の上部及び下部の両端の4点について位置決めしなければ、感光体1に対する現像手段4、5、6、7の位置が安定しないので、本装置のように、フレーム25はフレーム支点軸26を中心に回転可能に支持される構成とした方が好ましい。このような構成とすることにより、フレーム25の下部についてはフレーム支点軸26により位置が安定しているために、フレーム25の上部両端の2点のみを精度よく位置決めすることにより、感光体1に対する現像手段4、5、6、7の位置をより高い位置決めの精度で安定させることができる。
【0044】
また、本装置では現像手段4を感光体の略直上位置に配置する構成としているが、フレーム25を装置本体と略平行に移動させた場合、現像装置4と感光体1が互いに接触し損傷する場合がある。したがって、本装置のように、フレーム25を回転移動する構成とし、フレーム支点軸26の位置を適当な位置に配置させることにより、現像手段4を感光体の略直上位置に配置する構成としてもフレーム25の移動による現像手段4と感光体1の接触を防止することが出来る。
【0045】
中間転写ベルト8を駆動する駆動ローラ9は装置本体の背面側に配置されており、このため、感光体1や中間転写ベルト8を駆動する駆動源や駆動伝達手段を装置本体の背面側に集約して配置することができ、装置本体を小型化することができる。
【0046】
バックアップローラ10は装置本体の下面側に配置されており、二次転写位置が装置本体の下面側に配置されるため、二次転写位置において転写後の記録材17に対し重力を記録材17の中間転写ベルト8からの剥離方向に作用させることが出来るので、記録材17を中間転写ベルト8から剥離させるための剥離手段を設ける必要がない。したがって、装置の構成を簡単にし、装置本体を小型化することができる。
【0047】
テンションローラ11は装置本体の前面側に配置されており、さらに、具体的な構成は後述するが本装置では現像手段等の交換や記録材搬送路に詰まった紙の除去等は装置本体の前面側から行う構成となっているため、その処理中に交換部材や手等が中間転写ベルト8に誤って触れたとしても、その接触位置がテンションローラ10の周辺位置となるため、中間転写ベルト8への衝撃をテンションローラ10の変位により速やかに吸収することができ、中間転写ベルト8の損傷を防ぐことが出来る。
【0048】
本装置では、中間転写ベルト8は、装置本体と略平行に掛け渡されされている。さらに、中間転写ベルト8のバックアップローラ10からテンションローラ11へ至る部分は、第二の記録材搬送路と略平行となるように構成される。このため、中間転写ベルト8、第一の記録材搬送路、記録材収納手段80を互いに略水平方向に重なり合うように配置し、かつ、中間転写ベルト8の一部を第二の記録材搬送路と略垂直方向に重なり合うように設置することができ、装置本体の設置面積を記録材収容手段と略同等の大きさとした小型の画像形成装置とすることが出来る。
【0049】
定着手段22は、ハロゲンランプ等の加熱手段を内蔵したヒートローラ27、第一の加圧ローラ28、第二の加圧ローラ29と、ヒートローラ27にシリコーンオイル等の離型剤を塗布するためのあるいはヒートローラ27の表面を清掃するためのパッド状のあるいはローラ状の離型剤塗布手段30と、からなる。
【0050】
本装置においては、定着手段22の下流に紙の搬送方向を大幅に変更するための紙搬送方向変更手段を配置せず、定着手段22が紙搬送方向変更手段を兼ねる構成としている。ここで紙搬送方向変更手段とは、爪やガイド板等により紙の搬送方向を少なくとも45°以上変更させる手段であって、例えば紙を装置本体内において略平行方向から略垂直方向に搬送方向を変更させるための手段である。
【0051】
紙搬送方向変更手段を定着手段22の下流側に配置し、記録材17の搬送方向を変更する構成を用いることも可能であるが、このように紙搬送方向変更手段を用いる構成とすると、例えば紙搬送方向変更手段が曲面に形成された板状部材であると、紙搬送方向変更手段に紙が突入した位置で紙に負荷が生じ紙詰まりが発生し易い問題がある。しかし、本装置では、定着手段22が紙搬送方向変更手段を兼ね記録材17の搬送方向を変更し、かつ、定着手段22の前後の記録材搬送路においては、紙は装置本体と略平行方向もしくは略垂直方向の一定方向に搬送されるため、紙詰まりの発生を防止できる。
【0052】
また、本装置においては、ヒートローラ27の中心に対して第一の加圧ローラ28から第二の加圧ローラ29までがなす角度が、45°以上かつ90°以下の範囲となるように、さらに好ましくは60°以上80°以下となるように構成される。このように、第一の加圧ローラ28から第二の加圧ローラ29までがなす角度を45°以上さらに好ましくは60°以上とすることにより、第一の記録材搬送路により装置本体と略平行に搬送される記録材を、定着手段の下流側に紙搬送方向変更手段を別途設けなくとも、記録材の搬送方向を変更し略垂直方向に案内することができ、さらにヒートローラ27に記録材を充分に巻き付けることができるので、特に基材が透明な記録材上に光透過性を有する多色画像を形成する場合であっても充分にトナーを溶融させ発色性及び光透過性に優れた画像を形成する事が出来る。また、第一の加圧ローラ28から第二の加圧ローラ29までがなす角度を90°さらに好ましくは80°以下とすることにより、封筒等の複数の紙の積層体からなる記録材を搬送する場合であってもヒートローラ27に接する記録材面と第一の加圧ローラ28及び第二の加圧ローラ29に接する記録材面の搬送速度差に基づく両面のずれや皺を低減することができ、また、透過画像を形成するためのプラスティックフィルム等の腰の強い記録材を用いる場合でも定着手段22内で記録材が詰まることを防止することが出来る。
【0053】
また、本装置においては、第二の記録材搬送路を、装置本体の前面側で記録材を略垂直方向に搬送し装置本体の上面に排紙するように構成している。使用者が装置動作中に誤って装置に衝撃を与えてしまうような場合、通常使用面である装置本体の前面側に衝撃が加えられる場合が多いが、本装置が多色画像を形成している時に使用者が誤って衝撃を与えた場合、このような衝撃は単色画像では問題にならない程度の微少なものであっても、複数の色画像を重ね合わせる多色画像では数10μm以上のずれが画像の色ずれとして生ずるために、その衝撃を低減し画像の色ずれを防止することが必要となる。本装置のように第二の記録材搬送路を配置することにより、装置本体の前面側からの衝撃は記録材搬送路の空洞により緩和されるため、装置本体への衝撃や振動を低減することができる。第二の記録材搬送路を搬送中の記録材には振動が伝播されたとしても、ここを搬送される記録材はすでに定着手段22により画像が記録材に定着されているので画像の乱れは生じない。
【0054】
また、本装置においては、定着手段22の略上方に第二の記録材搬送路が配置された構成であって、定着手段22とその上方に配置される現像手段4、5、6、7は垂直方向に重ならないように配置された構成のため、装置本体内の排気を行うための図示しない排気ファンが装置の電源遮断と同時に停止した場合でも、定着手段22の熱は第二の記録材搬送路を経由して上方に自然排気されるため、定着手段に近接して配置される現像手段や中間転写体への熱による影響を最小限とすることができる。
【0055】
また、定着手段22の略上方に略垂直に第二の記録材搬送路が配置された構成であるため、装置の設置面積を小さくすることが出来る。
【0056】
図2は本発明の画像形成装置のカバーを開放した状態を示す装置断面図である。尚、図1と同一の部材には同一の番号を付し、説明を省略する。
【0057】
図2を用いて、現像手段4、5、6、7、及び記録材収納手段80の着脱動作について簡単に説明する。
【0058】
装置本体の前面カバー81と、上面カバー82は、それぞれ図示しない支点により開放可能に構成される。
【0059】
前面カバー81を装置本体の前面側に倒すことにより開放方向に移動させると、それに連動して一体的に定着手段22も移動し、前面カバー81とともに装置本体の前面側に開放される。
【0060】
前面カバー81を開放させることにより、二次転写位置から定着手段22までの第一の記録材搬送路、及び、定着手段22から装置上面に記録材17を排紙する排紙ローラ対23、24が配置された第二の記録材搬送路が、装置外部に露出される。したがって、第一の記録材搬送路及び第二の記録材搬送路の何れに記録材17が詰まった場合でも、前面カバー81を開放するだけで、詰まった記録材を、装置本体の前面側から除去することができる。
【0061】
また、中間転写体クリーナ21の一端に設置され中間転写体クリーナ21により捕集された廃トナーを収納する廃トナー収納容器(図示せず)を、前面カバー81を開放することにより、装置本体の前面側から交換することもできる。
【0062】
また、定着手段22を構成する離型剤塗布手段30も、前面カバー81を開放するだけで、図中矢印で示すように、装置本体の前面側から交換することができる。本装置では、離型剤塗布手段30のみを交換する例を示したが、定着手段22を一体的に交換することもできる。
【0063】
本装置においては、前面カバー81とともに定着手段22が移動する構成としたが、前面カバー81が移動しても定着手段22は移動しない構成としてもよい。このような構成としても、前述のように、本装置においては、定着手段22の下流に紙搬送方向変更手段を配置する必要がなく、定着手段22を装置本体の前面側に近接して配置することができるので、離型剤塗布手段30あるいは定着手段22を装置本体の前面側から交換することが出来る。さらに、紙詰まり時に定着手段22を装置外部に露出させることがないので、紙詰まり時に定着手段22の温度が下がりにくいので、紙詰まりを除去した後に再度画像形成を行う場合により早く定着手段22の温度を復帰させ画像形成を開始することが出来る。
【0064】
あるいは、さらに必要に応じて、前面カバー81とは別に、離型剤塗布手段30あるいは定着手段22を装置本体の前面側から交換するためのカバーを装置本体の前面に設置してもよく、このような構成とすれば、紙詰まり時に前面カバー81を解放しても定着手段22の温度が下がりにくく、また、前面カバー81が移動しても定着手段22は移動しない構成としても、離型剤塗布手段30あるいは定着手段22を装置本体の前面側からさらに容易に交換することができる。
【0065】
尚、本装置のように、前面カバー81とともに定着手段22が移動する構成とした方が、前面カバー81が移動しても定着手段22は移動しない構成とするよりも、第二の記録材搬送路をより広く開放することができ、詰まった紙の除去や、定着手段に近接して配置される中間転写体クリーナ21あるいはその廃トナーを収納する廃トナー収納容器の交換が容易であり、より好適な構成である。
【0066】
また、上面カバー82を開放しなくとも、前面カバー81を開放することにより、現像手段7をフレーム25から図中矢印で示すように着脱することができる。したがって、使用頻度が高く、交換頻度が高い黒色の現像手段を現像手段7とすることにより、黒色の現像手段の交換がさらに容易となる。
【0067】
前面カバー81を開放した後に、上面カバー82を装置本体の上面側へ持ち上げ、さらに一部を背面側へ倒すことにより開放方向へ移動させると、フレーム25に支持された全ての現像手段4、5、6、7が装置外部に露出される。
【0068】
前面カバー81とともに上面カバー82を開放することにより、装置本体の前面側の開口部が前面カバー81のみを開放した時よりもさらに大きく開放されるため、第一の記録材搬送路、第二の記録材搬送路での紙詰まりの除去や、定着手段22や離型剤塗布手段30等の交換がさらに容易となる。装置本体の略前面側が大きく開放されるため、視認性も良好であって、交換すべき部材の着脱容易となる。
【0069】
前面カバー81とともに上面カバー82を開放することにより、フレーム25に支持された現像手段4、5、6、7が装置外部に露出されるため、それぞれの現像手段を装置本体の前面側から着脱し交換することができる。現像手段4、5、6、7は感光体1よりも装置本体の前面側に配置されているため、現像手段4、5、6、7の後部(現像剤収容部)側を持って着脱することができるため、現像手段4、5、6、7の前部(感光体1へトナーを付着させるための現像開口部)側に誤って触れてしまい、現像手段の現像開口部に設置される現像ローラ等を損傷したり、または、現像開口部に露出されるトナーにより手を汚すことがない。
【0070】
紙カセット80は、前面カバー81や上面カバー82の開放とは無関係に、装置本体の前面側から図中矢印方向に着脱し、記録材17を補給することができる。本装置では、記録材収納手段として紙カセット80を用いたが、紙カセットではなく紙トレイであってもよい。さらに、記録材収納手段と給紙ローラ20や紙搬送ローラ対15、16が一体的に構成され、装置本体の前面側に引き出し可能に構成されていてもよく、このような構成にすることにより、記録材収納手段から二次転写位置までの記録材搬送路において記録材が詰まった場合でも、装置本体の前面側からさらに容易に記録材を除去することができる。
【0071】
また、本装置においては、制御パネル31が前面カバー81とともに移動する構成としたが、第二の記録材搬送路の外側となる位置の前面カバー上に制御パネル31を設置し、第二の記録材搬送路に相当する部分の前面カバーのみを開放可能に構成し、制御パネル31は前面カバーの開放に関わらず移動しない構成としてもよい。
【0072】
図3は本発明の画像形成装置の複数の現像手段を一体的に支持するフレーム構造体を開放した状態を示す装置断面図である。尚、図1と同一の部材には同一の番号を付し、説明を省略する。
【0073】
図3を用いて、像担持体1等の着脱動作について簡単に説明する。
【0074】
現像手段4、5、6、7は、前述のようにフレーム25に着脱可能に支持されるとともに、フレーム25はフレーム支点軸26を中心として回転移動可能に構成されている。
【0075】
装置本体の前面カバー81と上面カバー82を開放した後に、フレーム25を装置本体の前面側に倒すことにより開放方向に移動させると、感光体1が装置外部に露出される。
【0076】
このようにフレーム25を開放することにより、感光体1を装置本体の前面側から図中矢印方向に着脱することができる。
【0077】
また、フレーム25を開放し、次いで感光体1を装置外へ移動させることにより、感光体クリーナ14を露出させることができ、この状態で、感光体クリーナ14の一端に設置され感光体クリーナ14により捕集された廃トナーを収納する廃トナー収納容器(図示せず)を、装置本体の前面側から交換することができる。また、廃トナー収納容器のみを交換する例を示したが、感光体クリーナ14と廃トナー収納容器を一体的に交換することもでき、さらに廃トナー収納容器あるいは感光体クリーナ14を感光体1と一体的なユニットとして構成し、感光体ユニットとして交換することもできる。
【0078】
また、本装置においては、像担持体としてベルト状の感光体を用いることも出来るが、ドラム状の感光体を用いた方が好ましい。
【0079】
一般に、ベルト状の感光体は、ベルトを駆動するためやベルトに張力を付すための複数のローラ及びそれらのローラを所定位置に支持する支持部材等と一体的に構成されたベルト感光体ユニットとして交換される。さらに、一般に、ベルト状の感光体は、複数の現像手段を並置するために、感光体の回転方向に平行に長い平面部が現像手段との対向面として形成される。ベルト状の感光体を簡単に着脱するためには、その平面部と略平行方向に着脱することが好ましいが、その平面部が長尺であるために、ベルト状の感光体の着脱に要する移動距離が長くなる。
【0080】
一方、ドラム状の感光体は、ベルト状の感光体よりも、構造が単純、安価、軽量であり、さらに交換時の移動距離を短くすることができるため、交換が容易であり、交換を要する消耗部材として用いるのに適した構成である。
【0081】
また、本装置においては、前述のようにフレーム25を感光体1側に付勢した状態で現像手段4、5、6、7を着脱することが可能であるが、さらにフレーム25を開放した状態でも、現像手段4、5、6、7をそれぞれ着脱することができる。フレーム25を開放した状態では、現像手段4、5、6、7は、それぞれ現像開口部が上方を、現像剤収容部は下方を向いた姿勢となる。したがって、現像手段4、5、6、7を着脱する際に、現像手段に収納されるトナーはほぼ現像剤収容部側に移動しているため、現像開口部からトナーが飛散することを防止できる。
【0082】
また、フレーム25を開放した状態では、現像手段4、5、6、7がさらに装置本体の前面側に引き出されるため、装置本体の前面側からの現像手段の着脱がさらに容易となり、特に感光体1の略直上に配置される現像手段4の着脱を容易に行うことが出来る。
【0083】
以上のように、図1、図2、図3を用いて、本装置における像担持体、現像手段、記録材収納手段等の配置ならびに着脱方法について説明したが、本装置の構成によれば、像担持体、現像手段、記録材収納手段等を装置本体の前面側から、像担持体の軸と略直交する方向に着脱することにより、像担持体の軸方向に長尺な形状を有する部材を使用者が簡単に、交換すべき部材や装置本体を破損することなく、また、潜像形成手段への衝撃を与えることなく交換できる。
【0084】
図4は本発明の画像形成装置の複数の現像手段を一体的に支持するフレーム構造体の回転移動を示す動作概略図である。尚、図1と同一の部材には同一の番号を付し、説明を省略する。
【0085】
図4を用いて、フレーム25を感光体へ付勢する第一の位置と感光体から開放する第二の位置とに回転移動させ、かつ、それぞれの位置においてフレーム25を安定状態とする機構について簡単に説明する。
【0086】
フレーム25は、フレーム支点軸26を中心として、感光体へ付勢される第一の位置(図中実線)と感光体から開放される第二の位置(図中二点鎖線)との間を回転移動可能に構成されている。
【0087】
フレーム25には、感光体へ付勢される第一の位置と感光体から開放される第二の位置においてフレーム25をそれぞれの位置で安定状態にするためのバネ33の一端が固定されており、また、バネ33の他端は、腕34に固定される。
【0088】
腕34は、図示しない装置本体の側板に腕支点軸32を介して取り付けられており、この腕支点軸32を中心として回転移動可能に支持される。
【0089】
まず、フレーム25が第一の位置にあるものとして説明する。
【0090】
フレーム25を移動させようとすると、それに伴いバネ33が引っ張られる。このバネ33の伸びにより生じた力により、フレーム25はフレーム25を第一の位置に戻す方向に付勢される。そこでさらに、フレーム25を矢印G方向に回転させ第一の位置から第二の位置へ移動させると、バネ33の伸びにより生じた力により、腕34が矢印H方向に移動し、バネ33の伸びが解消される。
【0091】
次いで、フレーム25を第二の位置から移動させようとすると、それに伴いバネ33が引っ張られる。このバネ33の伸びにより生じた力により、フレーム25はフレーム25を第二の位置に戻す方向に付勢される。そこでさらに、フレーム25を矢印G方向とは逆方向に回転させ第二の位置から第一の位置へ移動させると、バネ33の伸びにより生じた力により、腕34が矢印H方向とは逆方向に移動し、バネ33の伸びが解消される。
【0092】
したがって、フレーム25は、第一の位置及び第二の位置のそれぞれの位置にある時はそれぞれの位置において安定となる方向にバネ33により付勢される。
【0093】
図4に示される構成とすることにより、フレーム25は二位置安定状態となすことができるため、画像形成時においては、フレーム25に支持された現像手段4、5、6、7を感光体や中間転写体の駆動等に伴う振動や現像手段の感光体に対する離接動作に伴う振動等に関わらず安定して感光体に近接または当接させることができる。また、感光体交換時においては、解放位置にあるフレーム25に誤って触れてフレーム25を閉じてしまい、感光体等を損傷したりする等の事故を防止することが出来る。
【0094】
図5は本発明の画像形成装置の複数の現像手段を一体的に支持するフレーム構造体の側断面図である。尚、図1と同一の部材には同一の番号を付し、説明を省略する。
【0095】
図5を用いて、フレーム25に着脱可能に支持された現像手段4、5、6、7の動作について簡単に説明する。
【0096】
フレーム25には、現像手段4、5、6、7をそれぞれ着脱可能に支持するための支持手段55、56、57、58が設置される。
【0097】
支持手段55、56、57、58は、現像手段4、5、6、7を載置するための底板と底板の両端に一体的に上方に折り曲げ成形された側板からなる形状を有する。
【0098】
支持手段55、56、57、58は、それぞれフレーム25に離接用支点軸39、40、41、42を介して取り付けられており、この離接用支点軸39、40、41、42を中心として回転移動可能に支持される。
【0099】
さらに、支持手段55、56、57、58の側板には、支持手段55、56、57、58を離接用支点軸39、40、41、42を中心として回転移動させるための駆動力を支持手段55、56、57、58に伝達するための離接用ピン47、48、49、50がそれぞれ設置される。
【0100】
また、フレーム25には、支持手段55、56、57、58を離接用支点軸39、40、41、42を中心として回転移動させるための駆動力を離接用ピン47、48、49、50に伝達するための離接用カム43、44、45、46が回転可能に設置される。離接用カム43、44、45、46は偏心カムである。
【0101】
さらに、フレーム25と支持手段55、56、57、58との間には、離接用ピン47、48、49、50と離接用カム43、44、45、46が常時当接しているように付勢するためのバネ等の図示しない付勢部材が設置される。
【0102】
現像手段4、5、6、7には、それぞれその現像開口部に現像ローラ35、36、37、38が設置される。
【0103】
現像手段4、5、6、7を選択的に感光体に対し離間位置(非現像位置)、あるいは、近接または接触位置(現像位置)に移動させるには、図示しない駆動源により離接用カム43、44、45、46を選択的に回転させ、その離接用カム43、44、45、46の外周面に当接する離接用ピン47、48、49、50を介して支持手段55、56、57、58を、すなわち、支持手段55、56、57、58に支持された現像手段4、5、6、7を選択的に移動させることにより行うことができる。
【0104】
支持手段55、56、57、58の側板には、現像手段4、5、6、7の側面に配置された固定用ピン63、64、65、66が挿入されるための切り欠き溝が形成される。
【0105】
また、支持手段55、56、57、58の側板には、その切り欠き溝に挿入された固定用ピン63、64、65、66を切り欠き溝に固定するための固定用カム59、60、61、62が回転可能に支持される。固定用カム59、60、61、62は、固定用ピン63、64、65、66を案内するための溝を有する溝付きカムであって、その溝は固定用カム59、60、61、62の回転中心に対し偏心するように形成される。さらに、固定用カム59、60、61、62は、固定用カムを手動で回転させるために指を掛けるための突起を有する。
【0106】
支持手段56、57、58の底板には、現像手段5、6、7と係合し、支持手段56、57、58に対し現像手段5、6、7を位置決めするための位置決め用ピン52、53、54が配置される。
【0107】
現像手段5、6、7は、支持手段56、57、58の位置決め用ピン52、53、54に係合するための図示しない係合溝を有する。
【0108】
例えば、現像手段7は、その側面に現像手段7の下面と略平行に設けられた係合部67を有し、その係合部67には、支持手段58の位置決め用ピン54に係合するための係合溝が形成されている。
【0109】
現像手段7は、支持手段58に対し、図中矢印方向に着脱される。図5では現像手段7はフレーム25の支持手段58から離脱している状態を示している。
【0110】
現像手段7を支持手段58に装着するためには、現像手段7を支持手段58と略平行に挿入する。現像手段7の後部の現像剤収容部を手で持ち、現像手段7をその現像開口部を先頭にして、支持手段58に挿入していくと、現像手段7の固定用ピン66が支持手段58の側板の後部に形成された切り欠き溝に挿入される。支持手段58の固定用カム62を手動で所定方向に回転させると、支持手段7の側板の切り欠き溝に挿入された現像手段7の固定用ピン66が、固定用カム62に形成された溝により、現像手段7が感光体側に進む方向に案内される。固定用カム62を回転させることにより現像手段7を感光体側にさらに移動させると、現像手段7の係合部67の係合溝と支持手段58の位置決め用ピン54が係合し、現像手段7が位置決めされる。現像手段7の係合部67と支持手段58の位置決めピン用54が係合すると、さらなる現像手段7の移動及び固定用カム62の回転は不可能となり、現像手段7が支持手段58へ固定される。
【0111】
現像手段5、6も、現像手段7と同様に、支持手段56、57の側板の切り欠き溝に現像手段5、6の固定用ピン64、65が連結し、現像手段5、6の係合部の係合溝と支持手段56、57の位置決め用ピン52、53が連結し、さらにそれぞれのピンと溝との連結が固定されるように支持手段56、57の固定用カム60、61が現像手段5、6の固定用ピン64、65を付勢することにより、現像手段5、6が支持手段56、57に固定される。
【0112】
現像手段4も、現像手段7と同様に、支持手段55に固定される。ただし、現像手段4は、現像手段7の係合溝が形成された係合部67に代わり、それに相当する係合部として、現像手段4の下面に一体的に形成されたピン状の位置決め用突起51を有し、一方、現像手段4を支持する支持手段55は、支持手段58の位置決め用ピン54に代わり、それに相当するものとして、支持手段55の底板に、現像手段4の位置決め用突起51に係合するための図示しない位置決め用孔を有する。そこで、現像手段4は、支持手段55の側板の切り欠き溝に現像手段4の固定用ピン63が連結し、現像手段4の位置決め用突起51と支持手段55の位置決め用孔が連結し、さらにそれぞれの連結が固定されるように支持手段55の固定用カム59が現像手段4の固定用ピン63を付勢することにより、現像手段4が支持手段55に固定される。
【0113】
本装置のような構成とすることにより、現像手段を感光体に対し離接移動させるための手段をフレーム25に設け、感光体側には設けない構成とすることにより、感光体の装置本体からの着脱を容易にし、かつ、感光体ユニットのコストを低減することができる。
【0114】
本装置においては、現像手段4、5、6、7の下面が支持手段55、56、57、58の底板の上面にほぼ全面が面接触する状態で支持される構成としたが、現像手段の下面あるいは支持手段の底板の面精度が不充分な場合には、現像手段と支持手段との間にガタつきを生ずる場合があるため、現像手段の下面あるいは支持手段の底板の少なくとも一方にゴム等の被膜を形成し現像手段と支持手段とのガタつきを防止することもできる。
【0115】
また、本装置においては、支持手段の底板は現像手段を載置しても撓まない程度に充分な強度を有するように構成される。したがって、像担持体の軸方向に長尺な形状を有する現像手段であっても、現像手段が撓みや歪みを生ずることが無く、安定して画像を形成することが出来る。
【0116】
また、支持手段の底板と側板を別体とすることもできるが、底板と側板を一体的に折り曲げて成形すると支持手段の剛性が向上するので好ましい。
【0117】
また、本装置においては、現像手段の下面のほぼ全面が支持手段の底板に接触する構成としているが、現像手段の下面あるいは支持手段の底板に複数の凸部を形成し現像手段の下面と支持手段の底板の一部のみが互いに接触する構成としてもよい。このような構成の場合、現像手段の下面あるいは支持手段の底板に形成された複数の凸部は、現像手段の撓みを防止にするために、軸方向に連続した形状であることが好ましい。あるいは現像手段の下面あるいは支持手段の底板に形成された複数の凸部は、軸方向に連続した形状でなくともよいが、軸方向から見て現像手段の概ね端部及び中央部をそれぞれ支持するように、軸方向から見て位置の異なる少なくとも3箇所に凸部が形成されることが好ましい。
【0118】
また、支持手段55、56、57、58の固定用カム59、60、61、62が現像手段4、5、6、7の固定用ピン63、64、65、66を現像手段4、5、6、7を支持手段55、56、57、58に固定される方向に付勢している状態で、固定用カム4、5、6、7が現像手段を固定する方向とは逆方向に回転し、現像手段4、5、6、7と支持手段55、56、57、58の固定が弛むことがないように、固定用カム59、60、61、62の回転を禁止するためのカム回転禁止手段を設けてもよい。
【0119】
また、本装置においては、現像手段4は支持手段55に連結する手段の一部として位置決め用突起51を、さらに支持手段55はそれに対応する位置決め用孔を有する構成とし、一方、現像手段5、6、7は支持手段56、57、58に連結する手段の一部として位置決め用溝を、さらに支持手段56、57、58はそれに対応する位置決めピン52、53、54を有する構成としたが、全ての現像手段に現像手段4と同様な位置決め用突起を、また、全ての支持手段に支持手段55と同様な位置決め用孔を設ける構成としてもよい。また、逆に、全ての現像手段に現像手段7と同様な位置決め用溝を、また、全ての支持手段に支持手段58と同様な位置決め用ピンを設ける構成としてもよい。
【0120】
また、現像手段の位置決め用突起あるいは位置決め用溝とそれに対応する支持手段の位置決め用孔あるいは位置決め用ピンの種類や配置や数を現像手段とそれに対応する支持手段毎に異なるものとすると、現像手段の誤挿入を防止することが出来る。
【0121】
図6は本発明の画像形成装置の現像手段を支持する支持手段の概略図である。尚、図5と同一の部材には同一の番号を付し、説明を省略する。
【0122】
図6を用いて、フレーム構造体に回転可能に支持され、かつ、現像手段を支持するための支持手段について、支持手段58を例に簡単に説明する。図6(A)は支持手段58の上面概略図であり、図6(B)は支持手段58の側面概略図である。
【0123】
支持手段58は、現像手段を載置するための底板と底板の両端に一体的に上方に折り曲げ成形された側板からなる形状を有する。
【0124】
支持手段58は、支持手段58の側板に形成された離接用支点軸42を介してフレームに取り付けられており、この離接用支点軸42を中心として回転移動可能に支持される。
【0125】
さらに、支持手段58の側板には、支持手段58を離接用支点軸42を中心として回転移動させるための駆動力を支持手段58に伝達するための離接用ピン50がそれぞれ設置される。
【0126】
離接用ピン50は、フレームに回転可能に支持される離接用カムにより駆動力を受ける。尚、離接用ピン50の離接用カムとの当接部には潤滑性樹脂による被膜を形成してもよい。
【0127】
支持手段58の側板には、現像手段の側面に配置された固定用ピンが挿入されるための切り欠き溝が形成される。
【0128】
また、支持手段58の側板には、その切り欠き溝に挿入された現像手段の固定用ピンを切り欠き溝に固定するための固定用カム62が、固定用カム回転支軸68により回転可能に支持される。
【0129】
固定用カム62は、固定用ピンを案内するための溝を有する溝付きカムであって、その溝は固定用カム62の回転中心、すなわち、固定用カム回転支軸68に対し偏心するように形成される。
【0130】
支持手段58の底板には、現像手段と係合し、支持手段58に対し現像手段を位置決めするための位置決め用ピン54が配置される。
【0131】
図7は本発明の画像形成装置の現像手段の概略図である。尚、図5と同一の部材には同一の番号を付し、説明を省略する。
【0132】
図7を用いて、現像手段について、現像手段7を例に簡単に説明する。図7(A)は現像手段7の上断面概略図であり、図7(B)は現像手段7の側面概略図である。
【0133】
現像手段7には、その現像開口部に現像ローラ38が設置される。現像ローラ38はその両端にシャフト69を有し、シャフト69は現像手段7の側面に回転可能に支持され、図示しない駆動源及び駆動伝達手段により駆動される。
【0134】
現像手段7の側面には、支持手段の側板の切り欠き溝に挿入される固定用ピン66が形成される。
【0135】
また、現像手段7の側面には、支持手段の底板に形成される位置決め用ピンに係合するための係合溝を有する係合部が形成される。
【0136】
図8は本発明の画像形成装置の支持手段の現像手段の着脱動作を示す動作概略図である。尚、図5及び図6と同一の部材には同一の番号を付し、説明を省略する。
【0137】
図8を用いて、現像手段を着脱可能に支持する支持手段が現像手段を着脱する動作について、支持手段58及び現像手段7を例に簡単に説明する。図8(A)は支持手段58から現像手段7を解放する動作を示す支持手段58の側面概略図であり、図8(B)は支持手段58に現像手段7を固定する動作を示す支持手段58の側面概略図である。
【0138】
図8(A)において、現像手段7、現像手段7の側面に形成される固定用ピン66、支持手段58の側面に回転可能に支持される固定用カム66は、それぞれ二点鎖線で示される位置において、現像手段7が支持手段58に固定されている状態を示す。
【0139】
固定用カム66を固定用カム回転支軸68を中心として矢印Mの方向に回転移動させると、現像手段7の側面に形成される固定用ピン66は、固定用カム62の偏心溝により、支持手段58の側板に形成された図示しない切り欠き溝に沿って、支持手段58からその後方へ図中矢印方向へ押し出されるように案内される。固定用ピン66の移動により、感光体と現像手段7との距離が遠ざかる方向に、すなわち、現像手段7は支持手段58の後方へ移動し、支持手段58の底板に形成された図示しない位置決め用ピンと現像手段7の図示しない係合部の係合溝との係合が解除され、現像手段7は支持手段58から解放される。
【0140】
現像手段7、現像手段7の側面に形成される固定用ピン66、支持手段58の側面に回転可能に支持される固定用カム66は、それぞれ実線で示される位置において、現像手段7が支持手段58から解放されている状態を示す。
【0141】
現像手段7が支持手段58から解放される方向に移動すると、現像手段7の現像剤収容部、すなわち、現像手段7の後部は少なくともその一部が支持手段58の後部から突出した状態となる。
【0142】
本装置の構成とすることにより、現像手段7を固定する固定用カム66を現像手段7を解放するように回転させた時に、現像手段7は必ず感光体1から離間する方向に移動するので、解放時に現像手段7が感光体1に接触し、現像手段7あるいは感光体1が損傷することを防止できる。また、現像手段7を解放した時に現像手段7の後部が支持手段58の後部から突出した状態となるため、現像手段7を容易に支持手段58から手で持って取り出すことができる。
【0143】
図8(B)において、現像手段7、現像手段7の側面に形成される固定用ピン66、支持手段58の側面に回転可能に支持される固定用カム66は、それぞれ二点鎖線で示される位置において、現像手段7が支持手段58に固定されていない状態を示す。
【0144】
支持手段58の底板に対し略平行方向に現像手段7を支持手段58に押し込んでいくと、現像手段7の側面に形成された固定用ピン66が支持手段58の側面に形成された図示しない切り欠き溝に挿入される。
【0145】
さらに現像手段7を押し込でいくと、固定用ピン66が支持手段58の側面に形成された図示しない切り欠き溝に案内されながらさらに移動し、感光体と現像手段7との距離が近づく方向に、すなわち、現像手段7は支持手段58の前方へ移動する。
【0146】
現像手段7を押し込んでいくと、現像手段7の固定用ピン66は支持手段58の側面に形成された図示しない切り欠き溝に沿って移動し、支持手段の側面に回転可能に支持される固定用カム66の偏心溝に挿入される。
【0147】
現像手段7の固定用ピン66が支持手段の固定用カム66に当接すると、その位置からはさらに現像手段7を押し込むことができず、現像手段7の移動は一旦停止される。
【0148】
現像手段7の固定用ピン66が支持手段の固定用カム66に当接した位置まで移動したところで、固定用カム62を固定用カム回転支軸68を中心として矢印Nの方向に回転移動させると、現像手段7の側面に形成される固定用ピン66は、固定用カム62の偏心溝により、支持手段58の側板に形成された図示しない切り欠き溝に沿って、支持手段58からその前方及び下方へ図中矢印方向へ押し込まれるように案内される。
【0149】
固定用ピン66の移動により現像手段7は支持手段58の前方及び下方へ移動し、支持手段58の底板に形成された図示しない位置決め用ピンと現像手段7の図示しない係合部の係合溝とが係合するとともに、現像手段7の下面が支持手段58の底板の上面に付勢されながら密着することにより、現像手段7は支持手段58に固定される。
【0150】
現像手段7、現像手段7の側面に形成される固定用ピン66、支持手段58の側面に回転可能に支持される固定用カム66は、それぞれ実線で示される位置において、現像手段7が支持手段58に固定されている状態を示す。
【0151】
本装置の構成とすることにより、現像手段7を支持手段58に挿入した時に、現像手段7は支持手段58に固定される位置よりも手前側、すなわち、現像手段7が感光体から充分に離間している位置で一旦停止されるので、現像手段7を使用者が誤って過度の力で支持手段58に挿入したとしても、現像手段7が感光体1に衝突し現像手段7あるいは感光体1が損傷することはない。
【0152】
また、現像手段7を支持手段58に固定する固定用カム66を現像手段7を固定するように回転させた時に、現像手段7は、支持手段58の底板に形成された図示しない位置決め用ピンと現像手段7の図示しない係合部の係合溝とが係合する方向(すなわち支持手段58の前方向)と、現像手段7の下面が支持手段58の底板の上面に密着する方向(すなわち支持手段58の下面方向)の2方向に同時に付勢されるので、現像手段7は支持手段58にガタつきがなく、確実に固定されるので、長期の使用においても安定して画像を形成することができる。
【0153】
図9は本発明の画像形成装置の現像手段の感光体に対する離接動作を示す動作概略図である。尚、図5と同一の部材には同一の番号を付し、説明を省略する。
【0154】
図9を用いて、現像手段が感光体に対し接触または近接する現像位置と感光体から離間した非現像位置に移動する動作について、現像手段7及び支持手段58を例に簡単に説明する。
【0155】
図9において、現像手段7は、支持手段58の側面に形成された切り欠き溝に挿入された現像手段7の側面に形成された固定用ピン66を支持手段62の側面に回転可能に支持される固定用カム62を現像手段7を支持手段58に固定する方向に回転させることにより、支持手段58の底板に形成される位置決め用ピン54と現像手段7の図示しない係合部の係合溝が係合し、支持手段58に固定されている。
【0156】
現像手段7を選択的に非現像位置あるいは現像位置に移動させる動作は、図示しないフレームに回転可能に支持された離接用カム46を図中矢印方向に図示しない駆動源により選択的に所定角度回転させることにより行われる。
【0157】
支持手段58の側板に形成された離接用ピン50が離接用カム46の外周面に当接しており、離接用カム46を離接用カム回転支軸70を中心として所定角度回転させると、離接用カム46が偏心カムであるために、離接用ピン50が所定距離移動する。
【0158】
支持手段58の側面には離接用支点軸42が形成されており、離接用支点軸42を介して支持手段58はフレームに回転可能に支持されている。
【0159】
したがって、離接用カム46が所定角度回転し、離接用ピン50が移動させられると、支持手段58は、すなわち、支持手段58に固定された現像手段7は、離接用支点軸42を中心として図中矢印で示されるように回転移動し、位置Vあるいは位置Wの何れかの位置に移動する。このように、離接用カム46の回転に応じて現像手段7の現像開口部は位置Vあるいは位置Wの何れかの位置を往復可能に移動することにより、現像手段7は感光体に対し現像位置あるいは非現像位置に選択的に移動することができる。
【0160】
本装置においては、支持手段58が現像手段7の現像開口部を位置Vに向けた位置が現像位置となるように、また、支持手段58が現像手段7の現像開口部を位置Wに向けた位置が非現像位置となるように、離接用カム46の形状及び回転角度を設定している。
【0161】
現像手段4、5、6、7はそれぞれ感光体に対する位置が異なるため、現像手段7以外の現像手段4、5、6においては、それぞれの現像手段における現像位置と非現像位置は、現像手段7と必ずしも同一である必要はなく、適宜選択すればよい。すなわち、それぞれの現像手段の位置に応じて、離接用カムの回転による現像手段の往復移動の位置Vあるいは位置Wの一方の位置を現像位置に、他方の位置を非現像位置に設定すればよい。
【0162】
以上、実施例は複数の現像手段が像担持体の外周面に並置された形式の画像形成装置を用いて説明したが、回転可能なフレーム構造体に複数の現像手段を支持し、フレーム構造体の回転により選択的に現像手段を順次、像担持体に対向する略同一の現像位置に移動させることにより現像を行う形式の画像形成装置にも適用される。
【図面の簡単な説明】
【0163】
【図1】本発明の画像形成装置の全体構成を示す装置断面図である。
【図2】本発明の画像形成装置のカバーを開放した状態を示す装置断面図である。
【図3】本発明の画像形成装置のフレーム構造体を開放した状態を示す装置断面図である。
【図4】本発明の画像形成装置のフレーム構造体の回転移動を示す動作概略図である。
【図5】本発明の画像形成装置のフレーム構造体の側断面図である。
【図6】本発明の画像形成装置の現像手段を支持する支持手段の概略図である。
【図7】本発明の画像形成装置の現像手段の概略図である。
【図8】本発明の画像形成装置の支持手段の現像手段の着脱動作を示す動作概略図である。
【図9】本発明の画像形成装置の現像手段の像担持体に対する離接動作を示す動作概略図である。
【符号の説明】
【0164】
1:感光体、3:潜像形成手段、4、5、6、7:現像手段、22:定着手段、25:フレーム、80:記録材収納手段、81:前面カバー、82:上面カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上に各色成分に応じた潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体上の潜像を各色成分に対応するトナーにより現像する複数の現像手段と、前記像担持体上のトナー像を中間転写体上に順次転写する一次転写手段と、記録材収納手段から搬送された記録材上に前記中間転写体上に形成された多色画像を一括して転写する二次転写手段と、前記多色画像を前記記録材に定着する定着手段と、前記記録材収納手段の記録材を前記二次転写手段から前記定着手段に搬送する第一の記録材搬送路と、前記定着手段から搬送された前記記録材を装置本体から排紙する第二の記録材搬送路と、を有する画像形成装置において、前記現像手段を着脱可能に支持する支持手段と、前記現像手段を前記支持手段に連結する連結手段と、前記支持手段に連結された前記現像手段を現像位置または非現像位置に移動させるために前記支持手段を移動させる移動手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の前記現像手段に応じた複数の前記支持手段を支持するフレーム構造体と、前記フレーム構造体に前記支持手段を介して固定された前記現像手段を前記像担持体に付勢させる第一の位置と前記像担持体から開放する第二の位置とに移動させるために前記フレーム構造体を回転移動させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記フレーム構造体を前記第一の位置と前記第二の位置の二安定状態になす二安定手段を有することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記フレーム構造体を前記第二の位置に開放し、前記現像手段のトナー収容部が下方に位置した姿勢で、前記現像手段が着脱可能であることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記連結手段は、前記現像手段または前記支持手段の一方に設けられ他方と係合するためのピンと、前記現像手段または前記支持手段の一方に設けられ他方の前記ピンが挿入される被挿入部と、前記被挿入部に挿入された前記ピンを所定方向に付勢するためのカムからなることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記所定方向とは、前記現像手段を前記像担持体に付勢する方向及び前記現像手段を前記支持手段に付勢する方向であることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−11480(P2006−11480A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−235681(P2005−235681)
【出願日】平成17年8月16日(2005.8.16)
【分割の表示】特願平8−267560の分割
【原出願日】平成8年10月8日(1996.10.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】