画像形成装置
【課題】 画質不良を発生させることなく裏紙に画像を形成する。
【解決手段】 画像形成装置1は、用紙搬送経路36に送出された裏紙の坪量と平滑度とを平滑度センサ51を用いて検知する。また画像形成装置1は、用紙搬送経路36に送出された裏紙の白色度を白色度センサ52を用いて検知する。そして画像形成装置1は、まず検知した白色度に基づいて記録シートに形成する画像の色補正を行い、平滑度に基づいて画像の精細度、階調、中間調の補正を行う。画像の補正が終了すると、平滑度に基づいて、トナー量、帯電電位、露光電位、現像電位を設定し、坪量に基づいて裏紙の搬送速度、転写電界、定着温度・圧力を設定し、画像形成を行う。
【解決手段】 画像形成装置1は、用紙搬送経路36に送出された裏紙の坪量と平滑度とを平滑度センサ51を用いて検知する。また画像形成装置1は、用紙搬送経路36に送出された裏紙の白色度を白色度センサ52を用いて検知する。そして画像形成装置1は、まず検知した白色度に基づいて記録シートに形成する画像の色補正を行い、平滑度に基づいて画像の精細度、階調、中間調の補正を行う。画像の補正が終了すると、平滑度に基づいて、トナー量、帯電電位、露光電位、現像電位を設定し、坪量に基づいて裏紙の搬送速度、転写電界、定着温度・圧力を設定し、画像形成を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、裏紙へ画像を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
環境問題への対応や資源の再利用という点に鑑み、複写機やプリンタ装置等で紙を大量に使用する職場においては、片面にのみ画像が形成されて使用済みとなった記録用紙(以下、裏紙と称する)を使用し、裏紙の画像が形成されていない面に画像を形成して再利用するということが行われている。
裏紙が複写機やプリンタ装置等の給紙トレイに格納される場合、ユーザは、紙の再利用を一番に考えるため、PPC用紙や再生紙、表面がコーティングされている紙等、様々な裏紙を混在させて給紙トレイに格納する場合があるが、紙の種類が異なると、画像を形成するトナーやインクなどの載りや浸透が異なるため、紙の種類によって画像が意図していたものと異なってしまうという問題が生じていた。
【0003】
そこで、このような問題を解決する技術として、例えば、特許文献1に開示された技術がある。特許文献1に開示された印刷出力装置は、記録用紙の種類を識別し、用紙の種類に応じて色補正を行った画像を記録用紙に印刷する。用紙の種類に応じて色補正が行われるので、様々な種類の記録用紙が給紙トレイに格納されても、略同じ色の画像を再現することができる。
【特許文献1】特開平9−69960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像を記録用紙上に再現する際には、色を補正しただけでは元の画像を忠実に再現できない場合がある。例えば電子写真方式により画像を形成する場合、トナー像の形成、転写、定着を適切に行わないと、トナー像が記録用紙にうまく載らず、意図した色が再現できなかったり、掠れ等の不具合が生じてしまう。特許文献1に開示されている技術は、インクジェット方式の画像形成に関わる技術であり、この方式ではインクが記録用紙に含浸されて画像が形成されるため、上述したような不具合が生じない。このため、特許文献1に開示されている技術は、記録用紙の種類に応じて色補正を行うに止まっており、上述した不具合を解決する方法について記載も示唆もされていない。
【0005】
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、画質不良を発生させることなく裏紙に画像を形成する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明は、記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、前記トナー像形成手段により形成されるトナー像のトナー量を、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御するトナー量制御手段とを有する画像形成装置を提供する。
本発明によれば、記録シートに形成されるトナー像のトナー量が、記録シートに良好なトナー像が形成されるように記録シートの物性に基づいて適切に制御される。
【0007】
また本発明は、記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、前記像担持体にトナー像を形成する際の帯電電位、露光電位、現像電位のうち少なくともいずれか一つを、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御する電位制御手段とを有する画像形成装置を提供する。
本発明によれば、記録シートに良好なトナー像が形成されるように、トナー像を形成する際の帯電電位、露光電位、現像電位のうち少なくともいずれか一つが記録シートの物性に基づいて適切に制御される。
【0008】
また本発明は、記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、前記トナー像転写手段が前記トナー像を前記記録シートに転写させる転写電界の強度を、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御する転写電界制御手段とを有する画像形成装置を提供する。
本発明によれば、記録シートに良好なトナー像が形成されるように、トナー像を記録シートに転写させるときの転写電界の強度が記録シートの物性に基づいて適切に制御される。
【0009】
また本発明は、記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、前記トナー像転写手段により記録シートに転写されたトナー像を、前記記録シートに定着させる定着手段と、前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、前記定着手段が前記トナー像を前記記録シートに定着させる際の定着温度と定着圧力とを、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御する定着制御手段とを有する画像形成装置を提供する。
本発明によれば、記録シートに良好なトナー像が形成されるように、記録シートにトナー像を定着させる際の定着温度と定着圧力とが記録シートの物性に基づいて適切に制御される。
【0010】
また本発明は、記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、前記トナー像転写手段により記録シートに転写されたトナー像を、前記記録シートに定着させる定着手段と、前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、前記記録シートの搬送速度を、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御する搬送速度制御手段とを有する画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画質不良を発生させることなく裏紙に画像を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[構成]
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の構成を示す図である。この画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラー複写機であり、各種メニュー画面やメッセージ等を表示するディスプレイ39と、ユーザが各種操作を行うための操作キー40等を備えた操作部41を有している。
【0013】
給紙トレイ9は、表裏ともに白紙である紙や裏紙、ICタグが付されている紙等の記録用紙(記録シート)10を格納するトレイである。給紙トレイ9の上方には、記録用紙10を1枚ずつ分離して用紙搬送経路36へ送り出す給紙ロール33が配設されている。なお、画像形成装置1は、複数の給紙トレイを有しているが、図1においては、図面が煩雑になるのを防ぐために一つの給紙トレイのみを図示している。
【0014】
搬送ロール34は、給紙トレイ9から送り出された記録用紙10を用紙搬送経路36に沿って搬送するためのロールである。給紙ロール33によって用紙搬送経路36に送り出された記録用紙10は、この搬送ロール34によりレジストロール37の位置まで搬送される。レジストロール37は、記録用紙10を二次転写ロール30の位置まで搬送するロールであり、制御部5の制御の下、所定のタイミングで記録用紙10を二次転写ロール30の位置まで搬送する。なお、用紙搬送経路36にある記録用紙10においては、図1中の上方向を向いている面に画像が形成されるため、以下、上方向を向いている面を表面、下方向を向いている面を裏面と称する。また、表面に画像が形成されるため、給紙トレイ9に裏紙が格納される際には、既に画像が形成されている面が下向きにされて格納される。
【0015】
給紙ロール33と二次転写ロール30との間の用紙搬送経路36の近傍には、ICタグリーダ50と、平滑度センサ51と、白色度センサ52と、情報取得装置60とが設けられている。また、用紙搬送経路36を挟んで平滑度センサ51に対向する位置には、記録用紙10の厚さを測る際の基準となる基準板510が設けられている。
【0016】
ICタグリーダ50は、用紙搬送経路36にある記録用紙10が具備する無線ICタグと通信を行い、無線ICタグに記録されている情報を取得する装置である。このICタグリーダ50は無線通信を行い、記録用紙10にICタグが付されているのを検知すると、ICタグに記録されている記録用紙10に関するデータ(例えば、用紙坪量、平滑度、地合指数、白色度、電気抵抗値、用紙サイズ等)をICタグから読出し、読み出した情報を制御部5へ出力する。
【0017】
平滑度センサ51は、用紙搬送経路36にある記録用紙10の表面の平滑度を測るためのセンサであり、図1に例示したように、記録用紙10へ光を照射する光源51Aと、基準板510または記録用紙10にて反射された光を検知するフォトダイオード51Bとを備えている。フォトダイオード51Bに入射するレーザ光は、記録用紙10の厚みや、記録用紙10の表面の凹凸に応じて変化する。平滑度センサ51は、この変化に基づいて図2に示したように記録用紙10の厚みや凹凸を示す信号を生成し、制御部5へ出力する。
【0018】
白色度センサ52は、用紙搬送経路36にある記録用紙10の白色度を測るためのセンサであり、記録用紙10へ光を照射する光源52Aと、記録用紙10にて反射された光を検知するフォトダイオード52Bとを備えている。白色度センサ52は、例えば特開平8−11310号公報に記載されているように、光源52Aの照射光強度と、記録用紙10に反射しフォトダイオード52Bに入射した反射光の強度の比を記録用紙10の白色度とする。そして、求めた白色度を示すデータを制御部5へ出力する。
【0019】
情報取得装置60は、裏紙において形成されている画像を取得する装置である。図3に示したように、情報取得装置60は、発光素子アレイ61、シート状導光部材62およびフォトセンサ63A,63B,63Cと、画像生成部64とを有する。なお、図3において、搬送方向D2は、記録用紙10が移動する方向であり、幅方向D3は、搬送方向D2に直交する方向であり、走査方向D4は幅方向D3に平行な方向である。
【0020】
発光素子アレイ61は、白色光を発するLED(Light Emitting Diode)チップCa1〜Canと、赤外光を発するLEDチップCb1〜Cbnと、紫外光を発するLEDチップCc1〜Ccnとを有しており、その形状は、長手方向(幅方向D3)の長さが記録用紙10の全幅と略同一の直方体となっている。
【0021】
検出位置Pは、等間隔で幅方向D3に沿って並ぶn個の位置P1〜Pnを含んでおり、各LEDチップCa1,Cb1,Cc1からの光はP1に、各LEDチップCa2,Cb2,Cc2からの光はP2に、・・・、LEDチップCan,Cbn,Ccnからの光は位置Pnに到達する。発光素子アレイ61は、搬送された記録用紙10の先端が検出位置Pに達すると、記録用紙10の後端が検出位置Pを通過するまで、走査処理を繰り返す。走査処理とは、LEDチップを順次切り替えて発光させる処理であり、この切り替えは、発光位置が走査方向D4に移動していくように行われる。つまり、まずLEDチップCa1、Ca2、・・・、LEDチップCanまで順次切り替え、次にLEDチップCb1、Cb2、・・・、LEDチップCbnまで順次切り替え、次にLEDチップCc1、Cc2、・・・、LEDチップCcnまで順次切り替える。
【0022】
シート状導光部材62は、光を導くシート状の部材であり、透過率の高い透明部材により形成されている。その形状は、斜辺が一本だけの台形に均一の厚みを持たせた形となっており、斜辺の端面621には反射面が設けられている。端面621に隣接しない端面622は、発光素子アレイ61のLEDチップから発せられて検出位置Pで反射された光の主光線に直交する。また、台形の底辺の厚みの端面623は、端面622から入手した光、即ち、記録用紙10の裏面で反射してシート状導光部材62に入光した光の出射面となっている。
【0023】
フォトセンサ63A,63B,63Cは、シート状導光部材62の端面623から出射された光を受光し、受光した光の強度(光量)に応じたレベルの信号(電気信号)を画像生成部64へ出力する。なお、フォトセンサ63Aは赤のフィルタを、フォトセンサ63Bは緑のフィルタを、フォトセンサ63Cは青のフィルタを備えている。
【0024】
画像生成部64は、フォトセンサから出力された信号に基づいて、フォトセンサにより受光された光が示す画像の画像データを生成して記憶する。ここで、用紙搬送経路36に裏紙が搬送された場合、フォトセンサには裏紙の裏面で反射した光が入光し、画像生成部64は、裏紙の裏面の画像を示す画像データを生成して記憶する。
【0025】
画像読取部3は、プラテンガラス12と、光源13と、フルレートミラー14と、ハーフレートミラー15,16と、結像レンズ17と、画像読取素子18とを有している。画像読取部3においては、プラテンガラス12上に載置された原稿2に対して光源13から光が照射される。原稿2で反射した光は、フルレートミラー14およびハーフレートミラー15,16によって結像レンズ17に導かれ、画像読取素子18上で結像する。画像読取素子18は、フォトダイオードとCCD(Charge Coupled Device)とを具備している。画像読取素子18は、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色毎に、入射した光の強さに応じて電気信号を生成し、生成した電気信号を8ビットのデジタルデータに変換して出力する。
【0026】
画像処理部4は、画像読取部3から出力されたデジタルデータが表す画像、または制御部5から出力されたデジタルデータが表す画像に対して色補正や階調補正、中間調補正、精細度補正等の各種処理を施す。そして、各種処理が施された画像から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色毎にラスターデータを生成し出力する。
【0027】
画像出力部6は、画像処理部4から出力されるラスターデータに基づいて記録用紙10上に画像を形成する。図1に示したように、画像出力部6は、YMCKの各色に対応して画像形成部7Y,7M,7C,7Kを備えており、各画像形成部は水平方向に一定の間隔をおいて配置されている。各画像形成部は、形成する画像の色が異なる以外は、その構成がすべて同様となっているため、以下、個々の画像形成部および画像形成部の各部を区別する必要の無い場合は、YMCKの符号を付すのを省略する。
【0028】
画像形成部7は、図中矢印A方向に回転する感光体ドラム20と、この感光体ドラム20の表面を一様に帯電させる一次帯電用のコロトロン21と、レーザ光により感光体ドラム20の表面に静電潜像を形成するROS(Raster Output Scaner:画像露光装置)19と、感光体ドラム20に形成された静電潜像を現像する現像装置22と、この現像装置22に所定の色のトナーを供給するトナー供給装置23と、クリーニング装置24とを有している。また、感光体ドラム20の下方には、中間転写ベルト8を挟んで一次転写コロトロン25を備えている。
【0029】
中間転写ベルト8は、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段により接続して無端ベルト状に形成したものである。この中間転写ベルト8は、ドライブロール26と、テンションロール27と、ステアリングロール28と、コンタクトロール90に当接しているバックアップロール29によって一定の張力で懸架されている。
【0030】
テンションロール27は、中間転写ベルト8に一定の張力を付与するものであり、中間転写ベルト8の方向へ付勢されている。ドライブロール26は、中間転写ベルト8を回転移動させるためのロールであり、図示せぬモータにより回転させられ、図中矢印B方法に中間転写ベルト8を移動させる。
【0031】
バックアップロール29および二次転写ロール30は、中間転写ベルト8に転写されたトナー像を記録用紙10上に転写するためのロールであり、バックアップロール29は、中間転写ベルト8を挟んで二次転写ロール30に対向する位置に設けられている。二次転写ロール30は、記録用紙10がバックアップロール29と二次転写ロール30との間に搬送される直前に中間転写ベルト8に当接し、中間転写ベルト8にあるトナー像を記録用紙10上に転写させる。そして、トナー像の転写が終了すると、中間転写ベルト8から離間する。また、バックアップロール29およびコンタクトロール90は、トナー像を記録用紙10上に転写させるための転写電界を形成する。コンタクトロール90には電圧源(図示略)が接続されている。制御部5の制御により電圧源が制御されて電圧がコンタクトロール90に印加され、二次転写ロール30が中間転写ベルト8に当接すると、コンタクトロール90はバックアップロール29に当接しているため、接地されている二次転写ロール30との間に電位差が生じ、印加された電圧に応じた転写電界が形成される。
【0032】
バックアップロール29および二次転写ロール30の下流には、ベルト用クリーナ38と、搬送ロール31とが設けられている。ベルト用クリーナ38は、中間転写ベルト8に当接しており、記録用紙10へのトナー像の転写後に中間転写ベルト8に残留したトナーを除去する。搬送ロール31は、図示せぬモータにより回転し、トナー像が転写された記録用紙10を定着器11へ搬送する。
【0033】
定着器11は、用紙搬送経路36を挟んで加熱ロール80と加圧ロール81とを有している。加熱ロール80は、その内部に熱を発生するヒートランプ80Aを有している。このヒートランプ80Aは制御部5により制御され、加熱ロール80の温度を調整する。加圧ロール81は、用紙搬送経路36を挟んで加熱ロール80に対向する位置にあり、加熱ロール80へ圧接されている。加圧ロール81は、制御部5の制御の下、加熱ロール80の方向へ移動させることが可能となっており、加圧ロール81を加熱ロール80に圧接させる際の圧力を可変することができる。
【0034】
通信部110は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク200に接続されており、同じ通信ネットワークに接続されているパーソナルコンピュータ210などから送信されるデータを受信する。
【0035】
次に制御部5の構成について説明する。図4は、制御部5と、制御部5により制御される各部を示したブロック図である。制御部5は、CPU102、ROM103、RAM104および各種データの読み出しおよび書込みが可能な不揮発性メモリ105を具備しており、各部はバス101に接続されている。また、制御部5は、各部を制御するためのインターフェース106を有している。制御部5は、各ロールを回転させる駆動部100等の各部をこのインターフェース106を介して制御する一方、各部から出力された信号を受取る。CPU102はROM103に記憶されている制御プログラムに基づいて画像形成装置1の各部を制御する。制御部5、ユーザにより操作キー40が操作されると、画像読取部3を制御して原稿2を読取り、読取った画像を画像処理部4で処理する。そして、画像形成装置1の各部を制御し、読取った画像を給紙トレイ9から搬送される記録用紙10に形成して、画像読取部3に載置された原稿の複写を行う。
【0036】
また、例えば、PostScript(登録商標)等のページ記述言語に従って記述されたページのデータを通信部110が受信すると、制御部5は、受信したページデータを解釈してページの画像を表すデジタルデータを生成する。そして、生成したデータを画像処理部4へ出力すると共に、画像形成装置1の各部を制御して、記録用紙10上にデジタルデータが表す画像を形成する。
【0037】
[動作]
次に図5〜図7を参照して本実施形態の動作について説明する。なお、以下の説明においては、既に画像が形成されている面を下にして裏紙が給紙トレイ9に格納されている場合を想定する。
【0038】
通信ネットワーク200に接続されているパーソナルコンピュータ210から文書を表すページデータが画像形成装置1に送信されると、このページデータが画像形成装置1の通信部110にて受信される。ページデータが通信部110にて受信されると、制御部5は、画像形成装置1の各部を制御し、受信したページデータが表す画像を形成する処理を開始する。
【0039】
まず制御部5は、駆動部100を制御して給紙ロール33を回転させ、給紙トレイ9に格納されている裏紙を用紙搬送経路36へ送出する(図5:ステップSA1)。裏紙がICタグリーダ50の位置まで搬送されると、制御部5はICタグリーダ50を制御し、ICタグとの無線通信を試みる。搬送された裏紙にICタグが付されており、無線通信が可能な場合には(ステップSA2;YES)、裏紙に付されているICタグと通信を行い、ICタグに記録されている、用紙表面の平滑度、坪量、白色度を示す用紙情報データを取得する(ステップSA3)。
【0040】
一方、ステップSA2でNOと判断した場合、制御部5により情報取得装置60が制御され、発光素子アレイ61を用いた走査処理により、裏紙の裏面に形成されている画像が走査される(ステップSA4)。そして、LEDチップCa1〜LEDチップCanが発した可視光の反射光により得られた画像と、LEDチップCb1〜LEDチップCbnが発した赤外光の反射光により得られた画像と、LEDチップCc1〜LEDチップCcnが発した紫外光の反射光により得られた画像とが生成されて記憶される(ステップSA5)。
【0041】
制御部5は裏紙の画像を取得するとステップSA5で得られた画像を解析し、裏紙の表面の平滑度、坪量、白色度を検知する。具体的には、まずLEDチップCa1〜LEDチップCanを走査して得られた画像を解析し、紙の平滑度や坪量、白色度を示す用紙情報データを表すパターンがYellowトナーにより裏紙に形成されているか否かを判断する。平滑度や坪量、白色度等の数値を二進数で表すと、各桁は0か1の2値で表される。この各桁の0または1を、図8に例示したように画素の有り・無しに置き換えて表すことにより数値を画素のパターンで表すことができる。なお、図8に示したパターンはあくまで一例であり、図8に示したパターンに限定されるものではない。裏紙の裏面の端部に図8に例示したような用紙情報データを表すパターンがYellowトナーにより形成されている場合(ステップSA6;YES)、制御部5は、このパターンを読取り、裏紙の表面の平滑度、坪量、白色度を示す用紙情報データを取得する(ステップSA7)。
【0042】
一方、用紙情報データがYellowトナーにより裏紙に形成されていない場合(ステップSA6;NO)、LEDチップCb1〜LEDチップCbnを走査して得られた画像を解析し、用紙情報データを表すパターンが不可視トナーにより裏紙上に形成されているか否かを判断する。用紙情報データを表すパターンが不可視トナーにより裏紙上に形成されている場合(ステップSA8;YES)、制御部5は、このパターンを読取り、用紙表面の平滑度、坪量、白色度を示す用紙情報データを取得する(ステップSA7)。
【0043】
ステップSA6でNOと判断され、且つ、ステップSA8でNOと判断された場合、制御部5は平滑度センサ51を用いて裏紙の用紙表面の平滑度と裏紙の坪量とを検知する(ステップSA9)。具体的には、制御部5は、搬送ロール34により裏紙を平滑度センサ51の位置まで搬送すると、平滑度センサ51を制御し、光源51Aからレーザ光の照射を開始する。裏紙の端部がレーザ光の照射位置に搬送されると、平滑度センサ51から出力される信号が、裏紙の厚さと、レーザ光が照射された面の凹凸に応じて図2に示したように変化するので、制御部5は、この信号の変化量をデジタル化して記録する。制御部5は、裏紙が平滑度センサ51の位置を通り過ぎると、レーザ光の照射を停止する。そして、制御部5は、まず記録した変化量に基づいて裏紙の厚さを求め、次に裏紙の平滑度を求める。制御部5は、裏紙の厚さを求めると、裏紙のサイズと、求めた厚さとから裏紙の坪量を求める。紙の坪量は、紙の厚さに応じて異なる値となるため、裏紙の厚さを求めることにより、坪量を算出することができる。
【0044】
制御部5は、裏紙の平滑度と坪量の検知が終了すると、裏紙の白色度を、ステップSA5により得られた画像または白色度センサ52により検知する。まず、制御部5は、LEDチップCc1〜LEDチップCcnを走査して得られた画像を解析し、裏紙に蛍光増白剤が用いられているか否かを判断する。裏紙に蛍光増白剤が用いられている場合、LEDチップCc1〜LEDチップCcnから紫外光が照射されると、裏紙は蛍光を発し、この蛍光がフォトセンサ63A,63B,63Cにより受光されて裏紙の画像が形成される。制御部5は、裏紙が発した蛍光の画像が形成されている場合には(ステップSA10;YES)、この画像を解析して蛍光の強度を求め、求めた光の強度から裏紙における蛍光増白剤の使用量を算出する(ステップSA11)。次に制御部5は、白色度センサ52を制御し、裏紙の白色度を測定する(ステップSA12)。そして、ステップSA12で測定した白色度と、ステップSA11で求めた蛍光増白剤の使用量とから裏紙の白色度を求める(ステップSA13)。
【0045】
制御部5は、上述した処理により裏紙の平滑度、坪量、白色度を検知すると、裏紙に形成する画像の補正処理を開始する(ステップSA14)。具体的には、まず制御部5は、通信部110で受信したページデータを解釈してページの画像を表す画像データを生成する(図6:ステップSB1)。そして、生成した画像データを画像処理部4へ出力する。そして制御部5は、画像処理部4を制御し、検知した白色度に応じて、画像データが表す画像の色補正を行う(ステップSB2)。次に制御部5は、画像処理部4を制御し、裏紙の平滑度に応じて、画像データが表す画像の精細度、階調、中間調(スクリーン)の補正を行う(ステップSB3)。例えば、細かい網点を形成しようとして、スクリーンのパターンを密にしてしまうと、裏紙の表面が粗い場合にはトナーが紙にうまく転写されずに網点が抜けてしまう場合がある。制御部5は、このような不具合を防ぐために、紙の表面が粗い場合には網点の大きさを大きめに補正する。また、表面が粗い紙に文字などの細い線の画像を形成しようとすると、紙の表面の凹凸によりトナーがうまく転写されずに、線が掠れてしまう場合がある。制御部5は、このような不具合を防ぐために、紙の表面が粗い場合には、細い線を太くするように補正する。
【0046】
制御部5は、ステップSA14の処理が終了すると、画像データが表す画像を裏紙に形成する際の画像形成条件を設定する(ステップSA15)。
まず制御部5は、感光体ドラム20に形成された静電潜像を現像する際のトナー量を裏紙の平滑度に応じて設定する。具体的には、紙の表面が平滑であると発色が良くなるためトナー量を少なくし、紙の表面が粗い場合には、光沢が落ちて色が薄く見えるためトナー量を多くする(図7:ステップSC1)。そして制御部5は、トナー像を形成するための帯電電位、露光電位および現像電位を、裏紙の平滑度に応じて設定する(ステップSC2)。
【0047】
次に制御部5は、裏紙の坪量に応じてトナー像の転写・定着の条件を設定する。まず制御部5は、トナー像を裏紙に転写するときの裏紙の搬送速度と、トナー像を裏紙に定着させる際の裏紙の搬送速度とを裏紙の坪量に応じて設定し(ステップSC3)、コンタクトロール90に印加する電圧を裏紙の坪量に応じて設定する(ステップSC4)。そして制御部5は、ヒートランプ80Aの温度(トナー像を裏紙に定着させる際の温度)と、加圧ロール81を加熱ロール80に押し付ける際の圧力とを裏紙の坪量に応じて設定する(ステップSC5)。
【0048】
制御部5は、ステップSA15の処理が終了すると、画像形成処理を開始する(ステップSA16)。具体的には、まず制御部5は画像処理部4を制御し、補正がされた画像を示すYMCKの各色毎のラスターデータを画像処理部4から画像形成部7へ出力させる。
【0049】
制御部5は、画像処理部4からYMCK各色のラスターデータを出力させた後、ステップSC1,SC2で求めた画像形成条件(トナー量、帯電電位、露光電位、現像電位)に応じて画像形成部7を制御し、感光体ドラム20に画像を形成する。感光体ドラム20に形成された各色のトナー像は、一次転写コロトロン25により、各色のトナー像が重なるように、中間転写ベルト8上に転写される。そして、トナー像の転写が終了すると、感光体ドラム20に残った残留トナーがクリーニング装置24により除去される。
【0050】
ドライブロール26により中間転写ベルト8が回転移動させられると、中間転写ベルト8に転写されたトナー像がバックアップロール29の位置まで移動する。トナー像がバックアップロール29の位置まで移動すると、制御部5は、コンタクトロール90に接続されている電圧源を制御し、ステップSC4で求めた電圧をコンタクトロール90に印加する。
【0051】
次に制御部5は、レジストロール37を回転させ、ステップSC3で求めた搬送速度で裏紙を二次転写ロール30まで搬送する。そして制御部5は、裏紙がバックアップロール29と二次転写ロール30との間に搬送される直前に二次転写ロール30を中間転写ベルト8に当接させ、中間転写ベルト8にあるトナー像を裏紙に転写させる。制御部5は、トナー像の転写が終了すると、二次転写ロール30を中間転写ベルト8から離間させ、図示せぬ駆動源を制御して搬送ロール31を回転させ、トナー像が転写された裏紙を定着器11へ搬送する。
【0052】
次に制御部5は、ステップSC3,SC5で求めた画像形成条件(定着時の裏紙の搬送速度、定着温度、加圧ロール81の圧力)に応じて定着器11の各部を制御し、裏紙に形成されたトナー像を裏紙に定着させる。そして制御部5は、定着処理が終了すると、画像が形成された裏紙を排紙トレイ32に排出する。
【0053】
以上説明したように本実施形態によれば、裏紙の種類に応じて、形成される画像が補正され、画像形成条件が設定されるため、品質のよい画像が裏紙に形成される。また、ユーザが紙の種類を設定するなどの面倒な操作を必要としないため、裏紙を容易に使用できるようになる。
【0054】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
【0055】
記録用紙10の平滑度を検知するセンサの構成は、上述した実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、図9に例示した構成で記録用紙10の平滑度を検知するようにしてもよい。図9に例示したように、本変形例に係るセンサは、記録用紙10へ光を照射する光源51Aと、光源51Aから照射され記録用紙10にて反射した光を受光するフォトダイオード51B,51Cとを備えている。フォトダイオード51Bは、記録用紙10にて反射した光の拡散光を受光するためのフォトダイオードであり、フォトダイオード51Cは、記録用紙10にて反射した光の正反射光を受光するためのフォトダイオードである。フォトダイオード51B,とフォトダイオード51Cは、受光した光の強度に応じた信号を制御部5へ出力する。記録用紙10の平滑度が高い場合、拡散光が減少し、正反射光が増加する。一方、記録用紙10の平滑度が低い場合、拡散光が増加し、正反射光が減少するため、制御部5は、フォトダイオード51Bから出力された信号が示す光の強度と、フォトダイオード51Cから出力された信号が示す光の強度との比を求め、記録用紙10の表面の平滑度を表すデータとする。
【0056】
記録用紙10の坪量を検知する方法は、上述した実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、図10に例示したセンサを用いて記録用紙10の坪量を検知するようにしてもよい。図10に例示したセンサは、用紙搬送経路36にある記録用紙10の光の透過率を測るための透過率センサであり、記録用紙10へ光を照射する光源53Aと、記録用紙10を透過した光を検知するフォトダイオード53Bとを備えている。光源53Aから照射され記録用紙10を透過した光がフォトダイオード53Bにより検知されると、透過率センサは透過した光量に応じた信号を出力する。記録用紙10を透過する光の量は紙の繊維の粗密に関係し、紙の繊維が粗であると多くなり、紙の繊維が密であると透過量が少なくなる。紙には、繊維が密であると坪量が重くなり、繊維が粗であると坪量が軽くなるという関係があるため、透過する光の量を測定して紙の粗密を検知すれば、検知した紙の粗密から坪量を知ることができる。
【0057】
上述した実施形態においては、裏紙に良好な画像を形成するために、トナー像を形成するためのトナー量、帯電電位、露光電位および現像電位、トナー像を転写するためにコンタクトロール90に印加する電圧、定着時の温度および圧力、裏紙の搬送速度などを制御しているが、裏紙に良好な画像を形成することが可能であれば、これらの全てを制御する必要はなく、いずれか一の制御またはいずれかの組み合わせのみを制御するようにしてもよい。
【0058】
上述した実施形態においては、裏紙の平滑度を検知して各種制御を行っているが、裏紙の地合を検知し、検知した地合に基づいて各種制御を行うようにしてもよい。例えば、上述した透過率センサにより裏紙の地合を検知する。紙の繊維が粗であると紙を透過する光量が多くなり、繊維が密であると紙を透過する光量が少なくなるので、紙を透過する光量により紙の粗密(地合)を知ることができる。さて、紙の繊維が密である場合、繊維間の隙間が小さくなり紙の平滑度が高くなるため、紙の粗密は紙の平滑度を反映していることとなる。これを利用し、上記実施形態において、平滑度に替えて紙の粗密により、画像の補正や用紙の搬送速度、コンタクトロール90に印加する電圧、定着時の温度および圧力を制御すれば、画質不良を発生させることなく裏紙に画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置1の構成を示した図である。
【図2】平滑度センサ51が出力する信号を説明する図である。
【図3】情報取得装置60の構成を模式的に示した図である。
【図4】制御部5の構成を示したブロック図である。
【図5】制御部5が行う処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】制御部5が行う処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】制御部5が行う処理の流れを示したフローチャートである。
【図8】用紙情報データを表すパターンを例示した図である。
【図9】本発明の変形例に係る平滑度センサの構成を模式的に示した図である。
【図10】本発明の変形例に係る透過率センサの構成を模式的に示した図である。
【符号の説明】
【0060】
1・・・画像形成装置、4・・・画像処理部、5・・・制御部、6・・・画像出力部、7・・・画像形成部、8・・・中間転写ベルト、9・・・給紙トレイ、10・・・記録用紙(記録シート)、11・・・定着器、26・・・ドライブロール、29・・・バックアップロール、30・・・二次転写ロール、31・・・搬送ロール、33・・・給紙ロール、34・・・搬送ロール、36・・・用紙搬送経路、37・・・レジストロール、41・・・操作部、50・・・ICタグリーダ、51・・・平滑度センサ、52・・・白色度センサ、60・・・情報取得装置、80・・・加熱ロール、80A・・・ヒートランプ、81・・・加圧ロール、90・・・コンタクトロール。
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、裏紙へ画像を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
環境問題への対応や資源の再利用という点に鑑み、複写機やプリンタ装置等で紙を大量に使用する職場においては、片面にのみ画像が形成されて使用済みとなった記録用紙(以下、裏紙と称する)を使用し、裏紙の画像が形成されていない面に画像を形成して再利用するということが行われている。
裏紙が複写機やプリンタ装置等の給紙トレイに格納される場合、ユーザは、紙の再利用を一番に考えるため、PPC用紙や再生紙、表面がコーティングされている紙等、様々な裏紙を混在させて給紙トレイに格納する場合があるが、紙の種類が異なると、画像を形成するトナーやインクなどの載りや浸透が異なるため、紙の種類によって画像が意図していたものと異なってしまうという問題が生じていた。
【0003】
そこで、このような問題を解決する技術として、例えば、特許文献1に開示された技術がある。特許文献1に開示された印刷出力装置は、記録用紙の種類を識別し、用紙の種類に応じて色補正を行った画像を記録用紙に印刷する。用紙の種類に応じて色補正が行われるので、様々な種類の記録用紙が給紙トレイに格納されても、略同じ色の画像を再現することができる。
【特許文献1】特開平9−69960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像を記録用紙上に再現する際には、色を補正しただけでは元の画像を忠実に再現できない場合がある。例えば電子写真方式により画像を形成する場合、トナー像の形成、転写、定着を適切に行わないと、トナー像が記録用紙にうまく載らず、意図した色が再現できなかったり、掠れ等の不具合が生じてしまう。特許文献1に開示されている技術は、インクジェット方式の画像形成に関わる技術であり、この方式ではインクが記録用紙に含浸されて画像が形成されるため、上述したような不具合が生じない。このため、特許文献1に開示されている技術は、記録用紙の種類に応じて色補正を行うに止まっており、上述した不具合を解決する方法について記載も示唆もされていない。
【0005】
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、画質不良を発生させることなく裏紙に画像を形成する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明は、記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、前記トナー像形成手段により形成されるトナー像のトナー量を、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御するトナー量制御手段とを有する画像形成装置を提供する。
本発明によれば、記録シートに形成されるトナー像のトナー量が、記録シートに良好なトナー像が形成されるように記録シートの物性に基づいて適切に制御される。
【0007】
また本発明は、記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、前記像担持体にトナー像を形成する際の帯電電位、露光電位、現像電位のうち少なくともいずれか一つを、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御する電位制御手段とを有する画像形成装置を提供する。
本発明によれば、記録シートに良好なトナー像が形成されるように、トナー像を形成する際の帯電電位、露光電位、現像電位のうち少なくともいずれか一つが記録シートの物性に基づいて適切に制御される。
【0008】
また本発明は、記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、前記トナー像転写手段が前記トナー像を前記記録シートに転写させる転写電界の強度を、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御する転写電界制御手段とを有する画像形成装置を提供する。
本発明によれば、記録シートに良好なトナー像が形成されるように、トナー像を記録シートに転写させるときの転写電界の強度が記録シートの物性に基づいて適切に制御される。
【0009】
また本発明は、記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、前記トナー像転写手段により記録シートに転写されたトナー像を、前記記録シートに定着させる定着手段と、前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、前記定着手段が前記トナー像を前記記録シートに定着させる際の定着温度と定着圧力とを、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御する定着制御手段とを有する画像形成装置を提供する。
本発明によれば、記録シートに良好なトナー像が形成されるように、記録シートにトナー像を定着させる際の定着温度と定着圧力とが記録シートの物性に基づいて適切に制御される。
【0010】
また本発明は、記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、前記トナー像転写手段により記録シートに転写されたトナー像を、前記記録シートに定着させる定着手段と、前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、前記記録シートの搬送速度を、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御する搬送速度制御手段とを有する画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画質不良を発生させることなく裏紙に画像を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[構成]
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の構成を示す図である。この画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラー複写機であり、各種メニュー画面やメッセージ等を表示するディスプレイ39と、ユーザが各種操作を行うための操作キー40等を備えた操作部41を有している。
【0013】
給紙トレイ9は、表裏ともに白紙である紙や裏紙、ICタグが付されている紙等の記録用紙(記録シート)10を格納するトレイである。給紙トレイ9の上方には、記録用紙10を1枚ずつ分離して用紙搬送経路36へ送り出す給紙ロール33が配設されている。なお、画像形成装置1は、複数の給紙トレイを有しているが、図1においては、図面が煩雑になるのを防ぐために一つの給紙トレイのみを図示している。
【0014】
搬送ロール34は、給紙トレイ9から送り出された記録用紙10を用紙搬送経路36に沿って搬送するためのロールである。給紙ロール33によって用紙搬送経路36に送り出された記録用紙10は、この搬送ロール34によりレジストロール37の位置まで搬送される。レジストロール37は、記録用紙10を二次転写ロール30の位置まで搬送するロールであり、制御部5の制御の下、所定のタイミングで記録用紙10を二次転写ロール30の位置まで搬送する。なお、用紙搬送経路36にある記録用紙10においては、図1中の上方向を向いている面に画像が形成されるため、以下、上方向を向いている面を表面、下方向を向いている面を裏面と称する。また、表面に画像が形成されるため、給紙トレイ9に裏紙が格納される際には、既に画像が形成されている面が下向きにされて格納される。
【0015】
給紙ロール33と二次転写ロール30との間の用紙搬送経路36の近傍には、ICタグリーダ50と、平滑度センサ51と、白色度センサ52と、情報取得装置60とが設けられている。また、用紙搬送経路36を挟んで平滑度センサ51に対向する位置には、記録用紙10の厚さを測る際の基準となる基準板510が設けられている。
【0016】
ICタグリーダ50は、用紙搬送経路36にある記録用紙10が具備する無線ICタグと通信を行い、無線ICタグに記録されている情報を取得する装置である。このICタグリーダ50は無線通信を行い、記録用紙10にICタグが付されているのを検知すると、ICタグに記録されている記録用紙10に関するデータ(例えば、用紙坪量、平滑度、地合指数、白色度、電気抵抗値、用紙サイズ等)をICタグから読出し、読み出した情報を制御部5へ出力する。
【0017】
平滑度センサ51は、用紙搬送経路36にある記録用紙10の表面の平滑度を測るためのセンサであり、図1に例示したように、記録用紙10へ光を照射する光源51Aと、基準板510または記録用紙10にて反射された光を検知するフォトダイオード51Bとを備えている。フォトダイオード51Bに入射するレーザ光は、記録用紙10の厚みや、記録用紙10の表面の凹凸に応じて変化する。平滑度センサ51は、この変化に基づいて図2に示したように記録用紙10の厚みや凹凸を示す信号を生成し、制御部5へ出力する。
【0018】
白色度センサ52は、用紙搬送経路36にある記録用紙10の白色度を測るためのセンサであり、記録用紙10へ光を照射する光源52Aと、記録用紙10にて反射された光を検知するフォトダイオード52Bとを備えている。白色度センサ52は、例えば特開平8−11310号公報に記載されているように、光源52Aの照射光強度と、記録用紙10に反射しフォトダイオード52Bに入射した反射光の強度の比を記録用紙10の白色度とする。そして、求めた白色度を示すデータを制御部5へ出力する。
【0019】
情報取得装置60は、裏紙において形成されている画像を取得する装置である。図3に示したように、情報取得装置60は、発光素子アレイ61、シート状導光部材62およびフォトセンサ63A,63B,63Cと、画像生成部64とを有する。なお、図3において、搬送方向D2は、記録用紙10が移動する方向であり、幅方向D3は、搬送方向D2に直交する方向であり、走査方向D4は幅方向D3に平行な方向である。
【0020】
発光素子アレイ61は、白色光を発するLED(Light Emitting Diode)チップCa1〜Canと、赤外光を発するLEDチップCb1〜Cbnと、紫外光を発するLEDチップCc1〜Ccnとを有しており、その形状は、長手方向(幅方向D3)の長さが記録用紙10の全幅と略同一の直方体となっている。
【0021】
検出位置Pは、等間隔で幅方向D3に沿って並ぶn個の位置P1〜Pnを含んでおり、各LEDチップCa1,Cb1,Cc1からの光はP1に、各LEDチップCa2,Cb2,Cc2からの光はP2に、・・・、LEDチップCan,Cbn,Ccnからの光は位置Pnに到達する。発光素子アレイ61は、搬送された記録用紙10の先端が検出位置Pに達すると、記録用紙10の後端が検出位置Pを通過するまで、走査処理を繰り返す。走査処理とは、LEDチップを順次切り替えて発光させる処理であり、この切り替えは、発光位置が走査方向D4に移動していくように行われる。つまり、まずLEDチップCa1、Ca2、・・・、LEDチップCanまで順次切り替え、次にLEDチップCb1、Cb2、・・・、LEDチップCbnまで順次切り替え、次にLEDチップCc1、Cc2、・・・、LEDチップCcnまで順次切り替える。
【0022】
シート状導光部材62は、光を導くシート状の部材であり、透過率の高い透明部材により形成されている。その形状は、斜辺が一本だけの台形に均一の厚みを持たせた形となっており、斜辺の端面621には反射面が設けられている。端面621に隣接しない端面622は、発光素子アレイ61のLEDチップから発せられて検出位置Pで反射された光の主光線に直交する。また、台形の底辺の厚みの端面623は、端面622から入手した光、即ち、記録用紙10の裏面で反射してシート状導光部材62に入光した光の出射面となっている。
【0023】
フォトセンサ63A,63B,63Cは、シート状導光部材62の端面623から出射された光を受光し、受光した光の強度(光量)に応じたレベルの信号(電気信号)を画像生成部64へ出力する。なお、フォトセンサ63Aは赤のフィルタを、フォトセンサ63Bは緑のフィルタを、フォトセンサ63Cは青のフィルタを備えている。
【0024】
画像生成部64は、フォトセンサから出力された信号に基づいて、フォトセンサにより受光された光が示す画像の画像データを生成して記憶する。ここで、用紙搬送経路36に裏紙が搬送された場合、フォトセンサには裏紙の裏面で反射した光が入光し、画像生成部64は、裏紙の裏面の画像を示す画像データを生成して記憶する。
【0025】
画像読取部3は、プラテンガラス12と、光源13と、フルレートミラー14と、ハーフレートミラー15,16と、結像レンズ17と、画像読取素子18とを有している。画像読取部3においては、プラテンガラス12上に載置された原稿2に対して光源13から光が照射される。原稿2で反射した光は、フルレートミラー14およびハーフレートミラー15,16によって結像レンズ17に導かれ、画像読取素子18上で結像する。画像読取素子18は、フォトダイオードとCCD(Charge Coupled Device)とを具備している。画像読取素子18は、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色毎に、入射した光の強さに応じて電気信号を生成し、生成した電気信号を8ビットのデジタルデータに変換して出力する。
【0026】
画像処理部4は、画像読取部3から出力されたデジタルデータが表す画像、または制御部5から出力されたデジタルデータが表す画像に対して色補正や階調補正、中間調補正、精細度補正等の各種処理を施す。そして、各種処理が施された画像から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色毎にラスターデータを生成し出力する。
【0027】
画像出力部6は、画像処理部4から出力されるラスターデータに基づいて記録用紙10上に画像を形成する。図1に示したように、画像出力部6は、YMCKの各色に対応して画像形成部7Y,7M,7C,7Kを備えており、各画像形成部は水平方向に一定の間隔をおいて配置されている。各画像形成部は、形成する画像の色が異なる以外は、その構成がすべて同様となっているため、以下、個々の画像形成部および画像形成部の各部を区別する必要の無い場合は、YMCKの符号を付すのを省略する。
【0028】
画像形成部7は、図中矢印A方向に回転する感光体ドラム20と、この感光体ドラム20の表面を一様に帯電させる一次帯電用のコロトロン21と、レーザ光により感光体ドラム20の表面に静電潜像を形成するROS(Raster Output Scaner:画像露光装置)19と、感光体ドラム20に形成された静電潜像を現像する現像装置22と、この現像装置22に所定の色のトナーを供給するトナー供給装置23と、クリーニング装置24とを有している。また、感光体ドラム20の下方には、中間転写ベルト8を挟んで一次転写コロトロン25を備えている。
【0029】
中間転写ベルト8は、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段により接続して無端ベルト状に形成したものである。この中間転写ベルト8は、ドライブロール26と、テンションロール27と、ステアリングロール28と、コンタクトロール90に当接しているバックアップロール29によって一定の張力で懸架されている。
【0030】
テンションロール27は、中間転写ベルト8に一定の張力を付与するものであり、中間転写ベルト8の方向へ付勢されている。ドライブロール26は、中間転写ベルト8を回転移動させるためのロールであり、図示せぬモータにより回転させられ、図中矢印B方法に中間転写ベルト8を移動させる。
【0031】
バックアップロール29および二次転写ロール30は、中間転写ベルト8に転写されたトナー像を記録用紙10上に転写するためのロールであり、バックアップロール29は、中間転写ベルト8を挟んで二次転写ロール30に対向する位置に設けられている。二次転写ロール30は、記録用紙10がバックアップロール29と二次転写ロール30との間に搬送される直前に中間転写ベルト8に当接し、中間転写ベルト8にあるトナー像を記録用紙10上に転写させる。そして、トナー像の転写が終了すると、中間転写ベルト8から離間する。また、バックアップロール29およびコンタクトロール90は、トナー像を記録用紙10上に転写させるための転写電界を形成する。コンタクトロール90には電圧源(図示略)が接続されている。制御部5の制御により電圧源が制御されて電圧がコンタクトロール90に印加され、二次転写ロール30が中間転写ベルト8に当接すると、コンタクトロール90はバックアップロール29に当接しているため、接地されている二次転写ロール30との間に電位差が生じ、印加された電圧に応じた転写電界が形成される。
【0032】
バックアップロール29および二次転写ロール30の下流には、ベルト用クリーナ38と、搬送ロール31とが設けられている。ベルト用クリーナ38は、中間転写ベルト8に当接しており、記録用紙10へのトナー像の転写後に中間転写ベルト8に残留したトナーを除去する。搬送ロール31は、図示せぬモータにより回転し、トナー像が転写された記録用紙10を定着器11へ搬送する。
【0033】
定着器11は、用紙搬送経路36を挟んで加熱ロール80と加圧ロール81とを有している。加熱ロール80は、その内部に熱を発生するヒートランプ80Aを有している。このヒートランプ80Aは制御部5により制御され、加熱ロール80の温度を調整する。加圧ロール81は、用紙搬送経路36を挟んで加熱ロール80に対向する位置にあり、加熱ロール80へ圧接されている。加圧ロール81は、制御部5の制御の下、加熱ロール80の方向へ移動させることが可能となっており、加圧ロール81を加熱ロール80に圧接させる際の圧力を可変することができる。
【0034】
通信部110は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク200に接続されており、同じ通信ネットワークに接続されているパーソナルコンピュータ210などから送信されるデータを受信する。
【0035】
次に制御部5の構成について説明する。図4は、制御部5と、制御部5により制御される各部を示したブロック図である。制御部5は、CPU102、ROM103、RAM104および各種データの読み出しおよび書込みが可能な不揮発性メモリ105を具備しており、各部はバス101に接続されている。また、制御部5は、各部を制御するためのインターフェース106を有している。制御部5は、各ロールを回転させる駆動部100等の各部をこのインターフェース106を介して制御する一方、各部から出力された信号を受取る。CPU102はROM103に記憶されている制御プログラムに基づいて画像形成装置1の各部を制御する。制御部5、ユーザにより操作キー40が操作されると、画像読取部3を制御して原稿2を読取り、読取った画像を画像処理部4で処理する。そして、画像形成装置1の各部を制御し、読取った画像を給紙トレイ9から搬送される記録用紙10に形成して、画像読取部3に載置された原稿の複写を行う。
【0036】
また、例えば、PostScript(登録商標)等のページ記述言語に従って記述されたページのデータを通信部110が受信すると、制御部5は、受信したページデータを解釈してページの画像を表すデジタルデータを生成する。そして、生成したデータを画像処理部4へ出力すると共に、画像形成装置1の各部を制御して、記録用紙10上にデジタルデータが表す画像を形成する。
【0037】
[動作]
次に図5〜図7を参照して本実施形態の動作について説明する。なお、以下の説明においては、既に画像が形成されている面を下にして裏紙が給紙トレイ9に格納されている場合を想定する。
【0038】
通信ネットワーク200に接続されているパーソナルコンピュータ210から文書を表すページデータが画像形成装置1に送信されると、このページデータが画像形成装置1の通信部110にて受信される。ページデータが通信部110にて受信されると、制御部5は、画像形成装置1の各部を制御し、受信したページデータが表す画像を形成する処理を開始する。
【0039】
まず制御部5は、駆動部100を制御して給紙ロール33を回転させ、給紙トレイ9に格納されている裏紙を用紙搬送経路36へ送出する(図5:ステップSA1)。裏紙がICタグリーダ50の位置まで搬送されると、制御部5はICタグリーダ50を制御し、ICタグとの無線通信を試みる。搬送された裏紙にICタグが付されており、無線通信が可能な場合には(ステップSA2;YES)、裏紙に付されているICタグと通信を行い、ICタグに記録されている、用紙表面の平滑度、坪量、白色度を示す用紙情報データを取得する(ステップSA3)。
【0040】
一方、ステップSA2でNOと判断した場合、制御部5により情報取得装置60が制御され、発光素子アレイ61を用いた走査処理により、裏紙の裏面に形成されている画像が走査される(ステップSA4)。そして、LEDチップCa1〜LEDチップCanが発した可視光の反射光により得られた画像と、LEDチップCb1〜LEDチップCbnが発した赤外光の反射光により得られた画像と、LEDチップCc1〜LEDチップCcnが発した紫外光の反射光により得られた画像とが生成されて記憶される(ステップSA5)。
【0041】
制御部5は裏紙の画像を取得するとステップSA5で得られた画像を解析し、裏紙の表面の平滑度、坪量、白色度を検知する。具体的には、まずLEDチップCa1〜LEDチップCanを走査して得られた画像を解析し、紙の平滑度や坪量、白色度を示す用紙情報データを表すパターンがYellowトナーにより裏紙に形成されているか否かを判断する。平滑度や坪量、白色度等の数値を二進数で表すと、各桁は0か1の2値で表される。この各桁の0または1を、図8に例示したように画素の有り・無しに置き換えて表すことにより数値を画素のパターンで表すことができる。なお、図8に示したパターンはあくまで一例であり、図8に示したパターンに限定されるものではない。裏紙の裏面の端部に図8に例示したような用紙情報データを表すパターンがYellowトナーにより形成されている場合(ステップSA6;YES)、制御部5は、このパターンを読取り、裏紙の表面の平滑度、坪量、白色度を示す用紙情報データを取得する(ステップSA7)。
【0042】
一方、用紙情報データがYellowトナーにより裏紙に形成されていない場合(ステップSA6;NO)、LEDチップCb1〜LEDチップCbnを走査して得られた画像を解析し、用紙情報データを表すパターンが不可視トナーにより裏紙上に形成されているか否かを判断する。用紙情報データを表すパターンが不可視トナーにより裏紙上に形成されている場合(ステップSA8;YES)、制御部5は、このパターンを読取り、用紙表面の平滑度、坪量、白色度を示す用紙情報データを取得する(ステップSA7)。
【0043】
ステップSA6でNOと判断され、且つ、ステップSA8でNOと判断された場合、制御部5は平滑度センサ51を用いて裏紙の用紙表面の平滑度と裏紙の坪量とを検知する(ステップSA9)。具体的には、制御部5は、搬送ロール34により裏紙を平滑度センサ51の位置まで搬送すると、平滑度センサ51を制御し、光源51Aからレーザ光の照射を開始する。裏紙の端部がレーザ光の照射位置に搬送されると、平滑度センサ51から出力される信号が、裏紙の厚さと、レーザ光が照射された面の凹凸に応じて図2に示したように変化するので、制御部5は、この信号の変化量をデジタル化して記録する。制御部5は、裏紙が平滑度センサ51の位置を通り過ぎると、レーザ光の照射を停止する。そして、制御部5は、まず記録した変化量に基づいて裏紙の厚さを求め、次に裏紙の平滑度を求める。制御部5は、裏紙の厚さを求めると、裏紙のサイズと、求めた厚さとから裏紙の坪量を求める。紙の坪量は、紙の厚さに応じて異なる値となるため、裏紙の厚さを求めることにより、坪量を算出することができる。
【0044】
制御部5は、裏紙の平滑度と坪量の検知が終了すると、裏紙の白色度を、ステップSA5により得られた画像または白色度センサ52により検知する。まず、制御部5は、LEDチップCc1〜LEDチップCcnを走査して得られた画像を解析し、裏紙に蛍光増白剤が用いられているか否かを判断する。裏紙に蛍光増白剤が用いられている場合、LEDチップCc1〜LEDチップCcnから紫外光が照射されると、裏紙は蛍光を発し、この蛍光がフォトセンサ63A,63B,63Cにより受光されて裏紙の画像が形成される。制御部5は、裏紙が発した蛍光の画像が形成されている場合には(ステップSA10;YES)、この画像を解析して蛍光の強度を求め、求めた光の強度から裏紙における蛍光増白剤の使用量を算出する(ステップSA11)。次に制御部5は、白色度センサ52を制御し、裏紙の白色度を測定する(ステップSA12)。そして、ステップSA12で測定した白色度と、ステップSA11で求めた蛍光増白剤の使用量とから裏紙の白色度を求める(ステップSA13)。
【0045】
制御部5は、上述した処理により裏紙の平滑度、坪量、白色度を検知すると、裏紙に形成する画像の補正処理を開始する(ステップSA14)。具体的には、まず制御部5は、通信部110で受信したページデータを解釈してページの画像を表す画像データを生成する(図6:ステップSB1)。そして、生成した画像データを画像処理部4へ出力する。そして制御部5は、画像処理部4を制御し、検知した白色度に応じて、画像データが表す画像の色補正を行う(ステップSB2)。次に制御部5は、画像処理部4を制御し、裏紙の平滑度に応じて、画像データが表す画像の精細度、階調、中間調(スクリーン)の補正を行う(ステップSB3)。例えば、細かい網点を形成しようとして、スクリーンのパターンを密にしてしまうと、裏紙の表面が粗い場合にはトナーが紙にうまく転写されずに網点が抜けてしまう場合がある。制御部5は、このような不具合を防ぐために、紙の表面が粗い場合には網点の大きさを大きめに補正する。また、表面が粗い紙に文字などの細い線の画像を形成しようとすると、紙の表面の凹凸によりトナーがうまく転写されずに、線が掠れてしまう場合がある。制御部5は、このような不具合を防ぐために、紙の表面が粗い場合には、細い線を太くするように補正する。
【0046】
制御部5は、ステップSA14の処理が終了すると、画像データが表す画像を裏紙に形成する際の画像形成条件を設定する(ステップSA15)。
まず制御部5は、感光体ドラム20に形成された静電潜像を現像する際のトナー量を裏紙の平滑度に応じて設定する。具体的には、紙の表面が平滑であると発色が良くなるためトナー量を少なくし、紙の表面が粗い場合には、光沢が落ちて色が薄く見えるためトナー量を多くする(図7:ステップSC1)。そして制御部5は、トナー像を形成するための帯電電位、露光電位および現像電位を、裏紙の平滑度に応じて設定する(ステップSC2)。
【0047】
次に制御部5は、裏紙の坪量に応じてトナー像の転写・定着の条件を設定する。まず制御部5は、トナー像を裏紙に転写するときの裏紙の搬送速度と、トナー像を裏紙に定着させる際の裏紙の搬送速度とを裏紙の坪量に応じて設定し(ステップSC3)、コンタクトロール90に印加する電圧を裏紙の坪量に応じて設定する(ステップSC4)。そして制御部5は、ヒートランプ80Aの温度(トナー像を裏紙に定着させる際の温度)と、加圧ロール81を加熱ロール80に押し付ける際の圧力とを裏紙の坪量に応じて設定する(ステップSC5)。
【0048】
制御部5は、ステップSA15の処理が終了すると、画像形成処理を開始する(ステップSA16)。具体的には、まず制御部5は画像処理部4を制御し、補正がされた画像を示すYMCKの各色毎のラスターデータを画像処理部4から画像形成部7へ出力させる。
【0049】
制御部5は、画像処理部4からYMCK各色のラスターデータを出力させた後、ステップSC1,SC2で求めた画像形成条件(トナー量、帯電電位、露光電位、現像電位)に応じて画像形成部7を制御し、感光体ドラム20に画像を形成する。感光体ドラム20に形成された各色のトナー像は、一次転写コロトロン25により、各色のトナー像が重なるように、中間転写ベルト8上に転写される。そして、トナー像の転写が終了すると、感光体ドラム20に残った残留トナーがクリーニング装置24により除去される。
【0050】
ドライブロール26により中間転写ベルト8が回転移動させられると、中間転写ベルト8に転写されたトナー像がバックアップロール29の位置まで移動する。トナー像がバックアップロール29の位置まで移動すると、制御部5は、コンタクトロール90に接続されている電圧源を制御し、ステップSC4で求めた電圧をコンタクトロール90に印加する。
【0051】
次に制御部5は、レジストロール37を回転させ、ステップSC3で求めた搬送速度で裏紙を二次転写ロール30まで搬送する。そして制御部5は、裏紙がバックアップロール29と二次転写ロール30との間に搬送される直前に二次転写ロール30を中間転写ベルト8に当接させ、中間転写ベルト8にあるトナー像を裏紙に転写させる。制御部5は、トナー像の転写が終了すると、二次転写ロール30を中間転写ベルト8から離間させ、図示せぬ駆動源を制御して搬送ロール31を回転させ、トナー像が転写された裏紙を定着器11へ搬送する。
【0052】
次に制御部5は、ステップSC3,SC5で求めた画像形成条件(定着時の裏紙の搬送速度、定着温度、加圧ロール81の圧力)に応じて定着器11の各部を制御し、裏紙に形成されたトナー像を裏紙に定着させる。そして制御部5は、定着処理が終了すると、画像が形成された裏紙を排紙トレイ32に排出する。
【0053】
以上説明したように本実施形態によれば、裏紙の種類に応じて、形成される画像が補正され、画像形成条件が設定されるため、品質のよい画像が裏紙に形成される。また、ユーザが紙の種類を設定するなどの面倒な操作を必要としないため、裏紙を容易に使用できるようになる。
【0054】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
【0055】
記録用紙10の平滑度を検知するセンサの構成は、上述した実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、図9に例示した構成で記録用紙10の平滑度を検知するようにしてもよい。図9に例示したように、本変形例に係るセンサは、記録用紙10へ光を照射する光源51Aと、光源51Aから照射され記録用紙10にて反射した光を受光するフォトダイオード51B,51Cとを備えている。フォトダイオード51Bは、記録用紙10にて反射した光の拡散光を受光するためのフォトダイオードであり、フォトダイオード51Cは、記録用紙10にて反射した光の正反射光を受光するためのフォトダイオードである。フォトダイオード51B,とフォトダイオード51Cは、受光した光の強度に応じた信号を制御部5へ出力する。記録用紙10の平滑度が高い場合、拡散光が減少し、正反射光が増加する。一方、記録用紙10の平滑度が低い場合、拡散光が増加し、正反射光が減少するため、制御部5は、フォトダイオード51Bから出力された信号が示す光の強度と、フォトダイオード51Cから出力された信号が示す光の強度との比を求め、記録用紙10の表面の平滑度を表すデータとする。
【0056】
記録用紙10の坪量を検知する方法は、上述した実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、図10に例示したセンサを用いて記録用紙10の坪量を検知するようにしてもよい。図10に例示したセンサは、用紙搬送経路36にある記録用紙10の光の透過率を測るための透過率センサであり、記録用紙10へ光を照射する光源53Aと、記録用紙10を透過した光を検知するフォトダイオード53Bとを備えている。光源53Aから照射され記録用紙10を透過した光がフォトダイオード53Bにより検知されると、透過率センサは透過した光量に応じた信号を出力する。記録用紙10を透過する光の量は紙の繊維の粗密に関係し、紙の繊維が粗であると多くなり、紙の繊維が密であると透過量が少なくなる。紙には、繊維が密であると坪量が重くなり、繊維が粗であると坪量が軽くなるという関係があるため、透過する光の量を測定して紙の粗密を検知すれば、検知した紙の粗密から坪量を知ることができる。
【0057】
上述した実施形態においては、裏紙に良好な画像を形成するために、トナー像を形成するためのトナー量、帯電電位、露光電位および現像電位、トナー像を転写するためにコンタクトロール90に印加する電圧、定着時の温度および圧力、裏紙の搬送速度などを制御しているが、裏紙に良好な画像を形成することが可能であれば、これらの全てを制御する必要はなく、いずれか一の制御またはいずれかの組み合わせのみを制御するようにしてもよい。
【0058】
上述した実施形態においては、裏紙の平滑度を検知して各種制御を行っているが、裏紙の地合を検知し、検知した地合に基づいて各種制御を行うようにしてもよい。例えば、上述した透過率センサにより裏紙の地合を検知する。紙の繊維が粗であると紙を透過する光量が多くなり、繊維が密であると紙を透過する光量が少なくなるので、紙を透過する光量により紙の粗密(地合)を知ることができる。さて、紙の繊維が密である場合、繊維間の隙間が小さくなり紙の平滑度が高くなるため、紙の粗密は紙の平滑度を反映していることとなる。これを利用し、上記実施形態において、平滑度に替えて紙の粗密により、画像の補正や用紙の搬送速度、コンタクトロール90に印加する電圧、定着時の温度および圧力を制御すれば、画質不良を発生させることなく裏紙に画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置1の構成を示した図である。
【図2】平滑度センサ51が出力する信号を説明する図である。
【図3】情報取得装置60の構成を模式的に示した図である。
【図4】制御部5の構成を示したブロック図である。
【図5】制御部5が行う処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】制御部5が行う処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】制御部5が行う処理の流れを示したフローチャートである。
【図8】用紙情報データを表すパターンを例示した図である。
【図9】本発明の変形例に係る平滑度センサの構成を模式的に示した図である。
【図10】本発明の変形例に係る透過率センサの構成を模式的に示した図である。
【符号の説明】
【0060】
1・・・画像形成装置、4・・・画像処理部、5・・・制御部、6・・・画像出力部、7・・・画像形成部、8・・・中間転写ベルト、9・・・給紙トレイ、10・・・記録用紙(記録シート)、11・・・定着器、26・・・ドライブロール、29・・・バックアップロール、30・・・二次転写ロール、31・・・搬送ロール、33・・・給紙ロール、34・・・搬送ロール、36・・・用紙搬送経路、37・・・レジストロール、41・・・操作部、50・・・ICタグリーダ、51・・・平滑度センサ、52・・・白色度センサ、60・・・情報取得装置、80・・・加熱ロール、80A・・・ヒートランプ、81・・・加圧ロール、90・・・コンタクトロール。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、
前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、
前記トナー像形成手段により形成されるトナー像のトナー量を、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御するトナー量制御手段と
を有する画像形成装置。
【請求項2】
記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、
前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、
前記像担持体にトナー像を形成する際の帯電電位、露光電位、現像電位のうち少なくともいずれか一つを、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御する電位制御手段と
を有する画像形成装置。
【請求項3】
記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、
前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、
前記トナー像転写手段が前記トナー像を前記記録シートに転写させる転写電界の強度を、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御する転写電界制御手段と
を有する画像形成装置。
【請求項4】
記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、
前記トナー像転写手段により記録シートに転写されたトナー像を、前記記録シートに定着させる定着手段と、
前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、
前記定着手段が前記トナー像を前記記録シートに定着させる際の定着温度と定着圧力とを、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御する定着制御手段と
を有する画像形成装置。
【請求項5】
記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、
前記トナー像転写手段により記録シートに転写されたトナー像を、前記記録シートに定着させる定着手段と、
前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、
前記記録シートの搬送速度を、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御する搬送速度制御手段と
を有する画像形成装置。
【請求項6】
前記検知手段は、前記搬送経路にある記録シートに付されており、前記記録シートの物性値を記憶しているICタグと通信を行う通信手段を有し、
前記通信手段により前記ICタグと無線通信を行い、前記ICタグに記録されている前記記録シートの物性値を取得すること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検知手段は、特定色のトナーにより形成された、前記記録シートの物性値を表すパターンを検知し、該パターンが表す物性値を読取る物性値読取り手段を有すること
を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記トナー像形成手段は、入力された画像データが表す画像を前記検知手段により検知された物性値に応じて補正し、
補正された画像に従ってトナー像を像担持体に形成すること
を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項1】
記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、
前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、
前記トナー像形成手段により形成されるトナー像のトナー量を、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御するトナー量制御手段と
を有する画像形成装置。
【請求項2】
記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、
前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、
前記像担持体にトナー像を形成する際の帯電電位、露光電位、現像電位のうち少なくともいずれか一つを、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御する電位制御手段と
を有する画像形成装置。
【請求項3】
記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、
前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、
前記トナー像転写手段が前記トナー像を前記記録シートに転写させる転写電界の強度を、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御する転写電界制御手段と
を有する画像形成装置。
【請求項4】
記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、
前記トナー像転写手段により記録シートに転写されたトナー像を、前記記録シートに定着させる定着手段と、
前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、
前記定着手段が前記トナー像を前記記録シートに定着させる際の定着温度と定着圧力とを、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御する定着制御手段と
を有する画像形成装置。
【請求項5】
記録シートを搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
入力される画像データに従ってトナー像を像担持体に形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を搬送経路に沿って搬送される記録シートに転写するトナー像転写手段と、
前記トナー像転写手段により記録シートに転写されたトナー像を、前記記録シートに定着させる定着手段と、
前記記録シートにトナー像が転写される位置よりも該シートの搬送方向上流側で、該シートの物性値を検知する検知手段と、
前記記録シートの搬送速度を、前記検知手段により検知された物性値に基づいて制御する搬送速度制御手段と
を有する画像形成装置。
【請求項6】
前記検知手段は、前記搬送経路にある記録シートに付されており、前記記録シートの物性値を記憶しているICタグと通信を行う通信手段を有し、
前記通信手段により前記ICタグと無線通信を行い、前記ICタグに記録されている前記記録シートの物性値を取得すること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検知手段は、特定色のトナーにより形成された、前記記録シートの物性値を表すパターンを検知し、該パターンが表す物性値を読取る物性値読取り手段を有すること
を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記トナー像形成手段は、入力された画像データが表す画像を前記検知手段により検知された物性値に応じて補正し、
補正された画像に従ってトナー像を像担持体に形成すること
を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2006−126281(P2006−126281A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311063(P2004−311063)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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