説明

画像形成装置

【課題】離接機構部が故障に陥いる前段階で、離接機構部の異常を判定することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】中間転写ベルト61上のレジストマークを検知する光学センサ51の検知面を遮蔽する閉塞位置とその検知面を露呈する開放位置とに移動するシャッタ41と、中間転写ベルト61に対し転写ローラ10を離接させるように二次転写ユニット31を離接動作させる離接機構部140とを備え、離接機構部140の偏心カム37を、二次転写ユニット31の離接動作に連動してシャッタ41を閉開動作させるように、シャッタ41と二次転写ユニット31との双方に当接させている。そして、シャッタ41の開放位置から閉塞位置を経て再度開放位置までに要する開閉所要時間t3と、シャッタ41の開放位置から閉塞位置を経て再度開放位置までに要する予め定めた基準開閉所要時間t4に所定値Δtを加算した許容時間(t4+Δt)とに基づいて離接機構部140の動作不良を判定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体ドラム上に形成されたトナー像を一次転写する転写ベルトと、一次転写されたトナー像を用紙に二次転写する転写ローラを有する二次転写ユニットと、上記転写ベルト上の基準トナー像を検知する光学センサとを備えた中間転写方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラー複写機やカラープリンター等、多色画像形成を可能とした電子写真方式の画像形成装置が開発されており、例えば、感光体ドラム等の潜像担持体上に各色毎のトナー像を形成し、その各色毎のトナー像を中間転写体である転写ベルトに順次重ね合わせて転写して多色画像を形成した後、その多色画像を転写紙である記録紙に転写し、定着して画像形成を行う中間転写方式の画像形成装置がよく知られている。
【0003】
このような画像形成装置としては、図14に示すように、感光体ドラム900上に形成されたトナー像を一次転写する転写ベルト901と、一次転写されたトナー像を用紙に二次転写する転写ローラ902を有する二次転写ユニット903と、上記転写ベルト901上の基準トナー像(図示せず)を検知する光学センサ905と、この光学センサ905の検知面(図14では下面)を遮蔽する閉塞位置(図14に示す位置)とその検知面を露呈する開放位置とに移動するシャッタ906と、上記転写ベルト901に対し上記転写ローラ902を離接させるように上記二次転写ユニット903を離接動作させる離接機構部907とを備えたものが従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この従来の画像形成装置では、シャッタ906と転写ローラ902(二次転写ユニット903)とが離接機構部907によって連動した構造となっている。すなわち、離接機構部907は、二次転写ユニット903に取り付けられた当接部材908を備え、この当接部材908に、バネ909の付勢力により図14中(ハ)方向へ付勢されたシャッタ906を当接させるようにしている。そして、離接機構部907は、転写ベルト901上の基準トナー像が転写ローラ902との接触位置に到達する前のタイミングで、二次転写ユニット903を支点903a回りに図14中(イ)方向へ回転させ、二次転写ユニット903に軸支された転写ローラ902を転写ベルト901表面との接触位置(図14に示す位置)から離間位置まで移動させるようにしている。このとき、二次転写ユニット903の支点903a回りの回転による接触位置から離間位置への移動に伴って、シャッタ906が、光学センサ905により基準トナー像の光学濃度が検知できるように開放する開放位置まで移動する。
【0005】
一方、転写ベルト901上の基準トナー像が転写ローラ902との対向位置を通過し、光学センサ905によって光学濃度が検知された後、離接機構部907は、二次転写ユニット903を支点903a回りに図14中(ロ)方向へ回転させ、二次転写ユニット903に軸支された転写ローラ902を離間位置から転写ベルト901表面との接触位置まで移動させるようにしている。この二次転写ユニット903の支点903a回りの回転による離間位置から接触位置への移動に伴って、シャッタ906が、開放位置から光学センサ905の検知面を遮蔽する閉塞位置までバネ909の付勢力に抗して移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−3399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記従来のものでは、シャッタ906と転写ローラ902(二次転写ユニット903)とが離接機構部907によって連動した構造となっているため、離接機構部907に故障が発生すると、光学センサ905による検知が行えなかったり、二次転写ユニット903に基準トナー像が転写されてしまうといった不具合が発生する。つまり、二次転写ユニット903を支点903a回りに回転させる離接機構部907に故障が発生すると、転写ベルト901上の基準トナー像の光学濃度を光学センサ905によって検知する際にシャッタ906が開放位置まで移動せずに閉塞位置に止まってしまうなどして光学センサ905による検知が行えなかったり、転写ベルト901上の基準トナー像が到達しても二次転写ユニット903が離間位置まで離間動作が行えずに接触位置に止まってしまうなどして基準トナー像が二次転写ユニット903に転写されてしまうといった不具合が発生する。
【0008】
その場合、離接機構部907が故障に陥いる前段階で、離接機構部907が異常であるとの判定がなされることが好ましい。
【0009】
しかしながら、離接機構部907が異常であるとの判定を行う基準が難しく、現状では、光学センサ905による検知が行えなかったり、二次転写ユニット903に基準トナー像が転写されてしまってから、対処するのが常であり、離接機構部907の異常判定が後手にまわっていた。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、離接機構部が故障に陥いる前段階で、離接機構部の異常を判定することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明では、感光体ドラム上に形成されたトナー像を一次転写する転写ベルトと、一次転写されたトナー像を用紙に二次転写する転写機構部を有する二次転写ユニットと、上記転写ベルト上の基準トナー像を検知する光学センサと、上記光学センサの検知面を遮蔽する閉塞位置とその検知面を露呈する開放位置とに移動するシャッタと、上記転写ベルトに対し上記転写機構部を離接させるように上記二次転写ユニットを離接動作させる離接機構部とを有してなる画像形成装置を前提とする。更に、上記離接機構部を、上記二次転写ユニットの離接動作に連動して上記シャッタを閉塞位置と開放位置とに移動させるように、上記シャッタと上記二次転写ユニットとの双方に当接させている。そして、上記シャッタの開放位置から閉塞位置を経て再度開放位置、または上記シャッタの閉塞位置から開放位置を経て再度閉塞位置までの移動に要する開閉所要時間を計測する計測手段と、上記シャッタの開放位置から閉塞位置を経て再度開放位置、または上記シャッタの閉塞位置から開放位置を経て再度閉塞位置までの移動に要する予め定めた基準開閉所要時間を記憶する記憶手段と、上記計測手段により計測された開閉所要時間と上記記憶手段に記憶された基準開閉所要時間とに基づいて上記離接機構部の動作不良を判定する判定手段とを備えている。
【0012】
この特定事項により、判定手段によって、シャッタの開放位置(または閉塞位置)から閉塞位置(または開放位置)を経て再度開放位置(または再度閉塞位置)までの移動に要する開閉所要時間と、シャッタの開放位置(または閉塞位置)から閉塞位置(または開放位置)を経て再度開放位置(または再度閉塞位置)までの移動に要する予め定めた基準開閉所要時間とに基づいて、離接機構部の動作不良が判定されるので、計測手段により計測された開閉所要時間が、記憶手段に記憶されている基準開閉所要時間に比して誤差が発生し始めていれば、その誤差に応じて離接機構部の動作不良が容易に判定される。このとき、シャッタの開閉所要時間と基準開閉所要時間との誤差の大きさに応じて離接機構部の異常の度合いも容易に判断することも可能となり、離接機構部が故障に陥いる前段階で、離接機構部の異常を簡単に判定することが可能となる。
【0013】
特に、上記離接機構部を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。つまり、上記離接機構部により、上記光学センサによる基準トナー像の検知時に、上記シャッタを開放位置まで開動作させるとともに、上記転写ベルトに対し上記転写機構部を離間させるように上記二次転写ユニットを離間動作させている。
【0014】
この特定事項により、光学センサによる基準トナー像の検知時に、二次転写ユニットの離間動作に連動してシャッタが開放位置まで開動作し、検知面が露呈する光学センサによって転写ベルト上の基準トナー像の光学濃度を円滑に検知することが可能となる上、二次転写ユニットによる基準トナー像の転写を円滑に防止することが可能となる。
【0015】
特に、上記判定手段による離接機構部の動作不良の判定をより現実的にするものとして、以下の構成が掲げられる。つまり、上記判定手段により、上記開閉所要時間と上記基準開閉所要時間に所定値を加算した許容時間とに基づいて上記離接機構部の動作不良を判定している。
【0016】
この特定事項により、開閉所要時間と基準開閉所要時間に所定値を加算した許容時間とに基づいて離接機構部の動作不良が判定されるので、シャッタの開閉所要時間が所定値を加算した許容時間の範囲内であれば、離接機構部が動作不良であるとの判定が回避されることになる。このため、判定手段による離接機構部の動作不良の判定が余裕を持って行え、誤差等による一時的なシャッタの開閉所要時間の遅れなどが許容されて画像形成装置の使用に則した現実的なものとなり、離接機構部の動作不良の判定を行うに当たって非常に良好なものにすることが可能となる。
【0017】
特に、上記離接機構部を具体的に特定するものとして、以下の構成が掲げられる。つまり、上記離接機構部に、上記シャッタと上記二次転写ユニットとの双方に当接するカム面を有する偏心カムを設けている。
【0018】
この特定事項により、偏心カムの回転によって、シャッタと二次転写ユニットとの双方に当接するカム面から偏心カムの回転中心までの距離を相互に変更させ、二次転写ユニットの離接動作に連動してシャッタを開閉動作させることが可能となる。つまり、二次転写ユニットに当接する偏心カムのカム面から回転中心までの距離が短いときにシャッタに当接する偏心カムのカム面から回転中心までの距離が長ければ、転写機構部が転写ベルトに接触する接触位置まで二次転写ユニットを接触動作させつつ、この二次転写ユニットの接触位置への接触動作に連動して光学センサの検知面を遮蔽する閉塞位置までシャッタを閉動作させる一方、偏心カムが回転して二次転写ユニットに当接する偏心カムのカム面から回転中心までの距離が長くなったときにシャッタに当接する偏心カムのカム面から回転中心までの距離が短ければ、転写機構部が転写ベルトから離間する離間位置まで二次転写ユニットを離間動作させつつ、この二次転写ユニットの離間位置への離間動作に連動して光学センサの検知面を露呈する開放位置までシャッタを開動作させることが可能となる。これにより、偏心カムを用いた簡易な構成で二次転写ユニットの離接動作に連動してシャッタを円滑に開閉動作させることが可能となる。
【0019】
特に、上記転写ベルト上の基準トナー像を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。つまり、上記光学センサにより検知される基準トナー像として、基準パターンであるレジストマークを適用している。
【0020】
この特定事項により、光学センサによりレジストマークが検知されるので、基準パターンであるレジストマークを検出して画像形成位置を測定しつつ画像形成位置の補正を行うレジストセンサが光学センサにより兼用され、部品点数の削減化を図ることが可能となる。
【0021】
特に、上記離接機構部をより具体的に特定するものとして、以下の構成が掲げられる。つまり、上記離接機構部に、上記偏心カムを回転させる駆動手段と、上記駆動手段と上記偏心カムとの間に設けられ、上記偏心カムの回転または停止を切り換えるクラッチとを備えている。
【0022】
この特定事項により、駆動手段により回転する偏心カムは、クラッチによって回転または停止が切り換えられているので、駆動手段と偏心カムとの間にクラッチを設けるだけの簡単な構成で偏心カムの回転または停止が切り換えられる上、離接機構部の異常もクラッチの滑りの度合いに応じて簡単に判定することが可能となる。
【0023】
また、上記判定手段によって上記離接機構部が動作不良であると判定されたとき、その旨を表示する表示手段を備えている場合には、離接機構部が動作不良であるとの判定手段による判定が表示手段によって使用者に報知され、離接機構部が故障に陥いる前段階で、迅速に対処することが可能となる。
【0024】
そして、上記判定手段によって上記離接機構部が動作不良であると判定されたとき、上記クラッチが不良であると特定している場合には、シャッタの開閉所要時間が基準開閉所要時間に比して誤差が発生し始めていれば、シャッタの開閉所要時間と基準開閉所要時間との誤差の大きさに応じて、クラッチの滑り具合が判定される。これにより、クラッチの滑り具合に基づいて離接機構部の動作不良の状況が判定され、離接機構部が故障に陥いる前段階で、離接機構部の異常をより詳細に判定することが可能となる。
【0025】
また、上記判定手段によって上記離接機構部が動作不良であると判定されたとき、その不良内容を記憶する記憶部を備えている場合には、記憶部に記憶された離接機構部の動作不良の内容に基づいて離接機構部の不良内容に係る履歴が確認され、離接機構部が完全に故障して動作不能となる前に不良内容に係る履歴に基づいて不良箇所を修理することが可能となる。
【0026】
特に、上記光学センサを特定するものとして、以下の構成が掲げられる。つまり、上記光学センサとして、発光素子と受光素子とを備えた反射型の光学センサを適用している。
【0027】
この特定事項により、転写ベルト上に形成したトナーパッチを光学センサによって読み取ることも可能となり、トナーパッチ読取り用のセンサを不要にして部品点数の削減化を図ることが可能となる。
【0028】
更に、上記シャッタを特定するものとして、以下の構成が掲げられる。つまり、上記シャッタを、閉塞位置まで閉動作させた状態で上記転写ベルトに対し離間させている。
【0029】
この特定事項により、発光素子を発光させて転写ベルト上にて正反射した正反射光を受光素子により受光するように設定されている場合に、閉塞位置においてシャッタの裏面側で正反射した正反射光は、シャッタが転写ベルトに対し離間しているために受光素子により受光することが不能となる。このため、シャッタの開放位置から閉塞位置を経て再度開放位置、またはシャッタの閉塞位置から開放位置を経て再度閉塞位置までの移動に要する開閉所要時間が光学センサの受光特性により正確に計測され、離接機構部の動作不良を判定手段によってより正確に判定することが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
以上、要するに、シャッタの開放位置から閉塞位置を経て再度開放位置までの移動に要する開閉所要時間と、予め定めた基準開閉所要時間とに基づいて、離接機構部の動作不良を判定することで、シャッタの開閉所要時間が基準開閉所要時間に比して誤差が発生し始めていれば、その誤差に応じて離接機構部の動作不良を容易に判定できる上、シャッタの開閉所要時間と基準開閉所要時間との誤差の大きさに応じて離接機構部の動作不良に基づく異常の度合いも容易に判断することもでき、離接機構部が故障に陥いる前段階で、離接機構部の異常を簡単に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の画像形成装置の全体構成を示す側面図である。
【図2】本発明の特徴部分である離接機構部によりシャッタを閉塞位置に転写ローラを接触位置にそれぞれ移動させた状態において中間転写ベルトユニットの周辺構造を示す側面図である。
【図3】離接機構部によりシャッタを開放位置に転写ローラを離間位置にそれぞれ移動させた状態において中間転写ベルトユニットの周辺構造を示す側面図である。
【図4】サイドユニットを装置本体に対して引き出した状態において中間転写ベルトユニットの周辺構造を示す側面図である。
【図5】サイドユニットを引き出す方向から見た中間転写ベルトユニットの周辺構造を示す背面図である。
【図6】サイドユニットを引き出す方向から見たシャッタの開放位置での光学センサによる受光特性を示す背面図である。
【図7】サイドユニットを引き出す方向から見たシャッタの閉塞位置での光学センサによる受光特性を示す背面図である。
【図8】光学センサの周辺回路構成を示すブロック図である。
【図9】離接機構部の正常時における電磁クラッチの断接状態および光学センサの検出出力値の変動を示すタイムチャート図である。
【図10】光学センサの出力を利用して離接機構部の動作不良を判定手段により判定する手順を示すフローチャート図である。
【図11】電磁クラッチの切断によりホームポジションで停止した偏心カムの周辺構造を示す側面図である。
【図12】離接機構部の動作不良時における電磁クラッチの断接状態および光学センサの検出出力値の変動を示すタイムチャート図である。
【図13】離接機構部の動作不良時に電磁クラッチの切断により停止した偏心カムの周辺構造を示す側面図であり、(a)はカム形状による安定化角度より外れたポジションで偏心カムが停止した状態を示し、(b)は弾性部材の付勢力により偏心カムが回転した状態を示している。
【図14】従来例に係る離接機構部によりシャッタを閉塞位置に転写ローラを接触位置にそれぞれ移動させた状態において中間転写ベルトユニットの周辺構造を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す側面図である。
【0034】
本実施形態の画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(用紙)に対して多色及び単色の画像を形成するもので、装置本体110と、自動原稿処理装置120とにより構成されている。
【0035】
装置本体110は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3(感光体)、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有して構成されている。
【0036】
装置本体110の上部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置120が取り付けられている。自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また、自動原稿処理装置120は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
【0037】
本画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
【0038】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
【0039】
露光ユニット1は、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。また、露光ユニット1としては、この他にも発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0040】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。また、クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
【0041】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61(転写ベルト)、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。中間転写ローラ64は、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。
【0042】
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また、各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0043】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている、そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0044】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0045】
上述の様に各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は、中間転写ベルト61で積層される。このように積層された画像情報は、中間転写ベルト61の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される二次転写ユニット31の転写機構部としての転写ローラ10によって用紙上に転写される。ただし、転写機構部としては、転写ローラに限らず、コロナチャージャや転写ベルトを用いることも可能である。
【0046】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されるとともに、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は、上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10若しくは中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方に硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)としている。
【0047】
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、若しくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触するクリーニングブレードが備えられており、このクリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0048】
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また、手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことができる。装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0049】
また、装置本体110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82のシートを転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
【0050】
搬送ローラ12a〜12dは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。また、ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様に、ピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0051】
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写ローラ10に搬送する機能を有している。
【0052】
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。またヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいてCPU200(後述する)によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。また、ヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0053】
次に、シート搬送経路を詳細に説明する。
【0054】
上述のように、画像形成装置100には、予めシートを収納する給紙カセット81、及び手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81,82からシートを給紙するために、各々ピックアップローラ11a,11bが配置され、シートを1枚ずつ搬送路Sに導くようになっている。
【0055】
各給紙カセット81,82から搬送されるシートは、用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートは定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0056】
上記の搬送経路は、シートに対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両面印字要求のときは、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過したシートの後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによってシートを搬送ローラ12c,12dに導く。そして、その後レジストローラ13を経てシート裏面に印字が行われた後に、シートが排紙トレイ91に排出される。
【0057】
以上が画像形成装置の全体構成の説明であるが、次に本発明の特徴部分について説明する。
【0058】
図2ないし図4は、本発明の特徴部分の機構構造を示しており、中間転写ベルトユニット6の周辺構造を示している。
【0059】
本実施形態では、中間転写ベルト61の中間転写ベルト駆動ローラ62側に配置されているサイドユニット21に、転写ローラ10を含む二次転写ユニット31が取り付けられている。
【0060】
サイドユニット21は、装置フレーム130(図5参照)に設けられたガイドレール22,23により、装置本体110に対して引き出し(図2ないし図4中、矢符X1方向)可能、及び装着(図2および図4中、矢符X2方向)可能にスライド移動するように設けられている。
【0061】
二次転写ユニット31は、下端部が支持軸32によってサイドユニット21に対し回動可能に取り付けられた回動板33を備えており、この回動板33の下部側に、転写ローラ10を回転可能に保持するローラ筐体34が固定されている。すなわち、転写ローラ10は、支持軸32を中心とする回動板33の回動動作によって、中間転写ベルト駆動ローラ62に巻回されている中間転写ベルト61に対して当接及び離間可能となっている。この場合、二次転写ユニット31は、中間転写ベルト61に対し転写ローラ10を離接させるように離接機構部140により離接動作される。
【0062】
一方、この回動板33の上部側は、中間転写ベルトユニット6側に膨出させたカム当接面35となっており、サイドユニット21の中間転写ベルトユニット6側の端部にカム軸36によって回転可能に保持されている偏心カム37のカム面に当接するようになっている。また、カム当接面35の反対側の面とサイドユニット21との間には、カム当接面35を偏心カム37のカム面に当接するように付勢するためのコイルバネ等の弾性部材38が介装されている。この弾性部材38によって、回動板33のカム当接面35が、偏心カム37のカム面に常に当接(圧接)するようになっている。この場合、偏心カム37は、離接機構部140の構成要件に含まれている。
【0063】
また、図5に示すように、離接機構部140は、偏心カム37を回転させる駆動手段としての電動モータ141と、この電動モータ141と偏心カム37との間に設けられ、偏心カム37の回転または停止を切り換える電磁クラッチ142とを備えている。偏心カム37は、一端(図5では左端)が一方(図5では左側)の装置フレーム130に回転自在に支持されたカム軸36の軸線方向(主走査方向Y)両端部にそれぞれ回転一体に連結されている。このカム軸36の他端(図5では右端)は、他端(図5では右端)が電動モータ141の出力ギヤ143に回転一体に連結された駆動軸144の一端(図5では左端)に対し電磁クラッチ142を介して断接可能に連結されている。この駆動軸144は、カム軸36と同一軸線上に配置されている。また、電動モータ141の出力ギヤ143には、定着ユニット7のヒートローラ71または加圧ローラ72に対し駆動力を伝達するための伝達ギヤ145にアイドルギヤ146を介して噛合している。そして、電動モータ141は、画像形成装置100の始動直後のウォーミングアップ時および定着ユニット7の駆動時にCPU200(図8参照)からの指令により駆動し、電磁クラッチ142の接続時にのみカム軸36を介して一対の偏心カム37を回転させるようにしている。この場合、電磁クラッチ142の断接の切り換えは、CPU200からの指令により行われる。
【0064】
そして、回動板33のカム当接面35が、偏心カム37のカム中心から最も近い距離にあるカム面に当接している状態(図2に示す状態)において、転写ローラ10が所定のニップ圧で中間転写ベルト61に当接するように配置されている。また、回動板33のカム当接面35が、偏心カム37のカム中心から最も遠い距離にあるカム面に当接している状態(図3に示す状態)において、転写ローラ10が中間転写ベルト61から離間するようになっている。
【0065】
一方、この偏心カム37を介して回動板33のカム当接面35と対峙する位置に、L字状に形成されたシャッタ41の垂直面41aが当接するように配置されている。シャッタ41は、この垂直面41aの上端部がシャッタ支持軸42によって装置フレーム130に回動可能に支持されており、下端部のL字状に屈曲された水平面41bが、中間転写ベルト61と一定の距離を保って上下に対峙するように配置された光学センサ51に対向するように配置されている。すなわち、シャッタ41の水平面41bは、光学センサ51と中間転写ベルト61との間に位置するように配置されており、かつ、中間転写ベルト61に対し離間した状態で配置されている。
【0066】
このように配置されているシャッタ41のシャッタ支持軸42には、ねじりコイルバネ43が装着されており、このねじりコイルバネ43の一端側は装置フレーム130に固定され、他端側がシャッタ41の垂直面41aに当接して、その垂直面41aを偏心カム37のカム面側に付勢するようになっている。
【0067】
そして、シャッタ41の垂直面41aが、偏心カム37のカム中心から最も遠い距離にあるカム面に当接している状態(図2に示す状態)において、水平面41bが、光学センサ51と中間転写ベルト61との間に介挿して、光学センサ51の検知面を保護して遮蔽する閉塞位置(すなわち、シャッタ41を閉じる位置)まで閉動作するようになっている。また、垂直面41aが、偏心カム37のカム中心から最も近い距離にあるカム面に当接している状態(図3に示す状態)において、水平面41bが、偏心カム37の偏心量だけサイドユニット21側に回動し、光学センサ51の検知面から退避して開放位置(すなわち、シャッタ41を開く位置)まで開動作するようになっている。
【0068】
また、シャッタ支持軸42近傍の装置フレーム130には、シャッタ41の回動を規制するシャッタ規制部材(規制ピン)45が設けられている。このシャッタ規制部材45は、偏心カム37の回動動作によるシャッタ41の揺動動作に影響を与えない(すなわち、揺動動作は規制しない)位置に設けられている。一方、図4に示すように、中間転写ベルトユニット6を取り外すためにサイドユニット21を装置本体110からX1方向に引き出すと、偏心カム37もサイドユニット21とともにX1方向に移動するため、シャッタ41がねじりコイルバネ43の付勢力によってR1方向に回動し、シャッタ規制部材45に当接して、その回動動作が規制されるようになっている。このとき、シャッタ41(より正確にはシャッタ41の水平面41bの先端部)は中間転写ベルト61から最も離れた状態となっている。この規制位置は、中間転写ベルトユニット6を装着後、サイドユニット21をX2方向に押し込んで装置本体110内に装着するとき、偏心カム37のカム面にシャッタ41の垂直面41aが再び当接して、光学センサ51の検知面を保護する閉塞位置(図2に示す位置)まで回動するように設定されている。
【0069】
上記構成において、本画像形成装置100の通常動作時(画像形成動作時)、転写ローラ10と偏心カム37とシャッタ41とは、図2に示す位置関係となっている。すなわち、回動板33のカム当接面35が、偏心カム37のカム中心から最も近い距離にあるカム面に当接しており、転写ローラ10が所定のニップ圧で中間転写ベルト61に当接配置されている。また、シャッタ41は、垂直面41aが偏心カム37のカム中心から最も遠い距離にあるカム面に当接しており、水平面41bが、光学センサ51と中間転写ベルト61との間に介挿して、光学センサ51の検知面を保護している(すなわち、シャッタ41が閉塞位置に位置付けられている)。これにより、中間転写ベルト61と転写ローラ10との間を通過するシート(記録用紙)の紙粉等が光学センサ51の検知面に付着することを防止することができる。
【0070】
一方、図2に示す状態から、偏心カム37を電磁クラッチ142の接続状態で電動モータ141の駆動力によって一方向(右方向または左方向のどちらでもよい)に180°回転させることにより、図3に示すように、回動板33のカム当接面35が、偏心カム37のカム中心から最も遠い距離にあるカム面に当接している状態となり、偏心カム37の偏心量だけ回動板33がX1方向に揺動する結果、転写ローラ10が中間転写ベルト61から離間する離間位置まで離間動作される。また、シャッタ41は、垂直面41aが偏心カム37のカム中心から最も近い距離にあるカム面に当接している状態となることから、水平面41bが、偏心カム37の偏心量だけR1方向に回動し、光学センサ51の検知面から退避する。すなわち、シャッタ41を開いた開放位置に開動作されることになる。これにより、中間転写ベルト61上に形成された基準トナー像(トナーパターン)68(図6参照)は、転写ローラ10に接触して擦れることなく光学センサ51の直下(光学センサ正面)に到着するので、光学センサ51により正しい濃度を検出することができる。この場合、トナーパターン68としては、基準パターンであるレジストマークが適用されている。
【0071】
また、中間転写ベルトユニット6の取り換え等を行う場合には、図4に示すように、サイドユニット21を装置本体110からX1方向に引き出す。このとき、偏心カム37もサイドユニット21とともにX1方向に移動するため、シャッタ41がねじりコイルバネ43の付勢力によってR1方向に回動し、シャッタ規制部材45に当接する。これにより、シャッタ41が大きく開いた状態となり、シャッタ41(より正確にはシャッタ41の水平面41bの先端部)が中間転写ベルト61から最も離れた状態となる。また、サイドユニット21を装置本体110からX1方向に引き出すことにより、転写ローラ10も中間転写ベルト61から大きく離間することになる。これにより、中間転写ベルトユニット6を装置手前(図4において紙面右側)に移動させて取り外したり、装置奥側に移動させて装着するときに、シャッタ41が中間転写ベルト61表面に衝突(接触)して、中間転写ベルト61を傷つけることを防止することができる。
【0072】
このとき、サイドユニット21を装置本体110からX1方向に引き出すことによって、シャッタ41と偏心カム37との接触が外れたとしても、シャッタ41は所定距離だけ移動すると規制ピン45に当接して止まるので、サイドユニット21を再び装置本体110内に装着したとき、偏心カム37のカム面とシャッタ41(正確には、垂直面41a)とを確実に接触させることができ、シャッタ41を閉じた状態に復帰させることができる。
【0073】
次に、光学センサ51について説明する。
【0074】
図6および図7は、光学センサ51近傍の状態を示しており、図6はシャッタ41が開放位置まで開動作した状態、図7はシャッタ41が閉塞位置まで閉動作した状態をそれぞれ示している。
【0075】
光学センサ51は、発光素子としてのLED51aと受光素子としてのフォトトランジスタ51bとを備えており、LED51aからの赤外光を中間転写ベルト61上のレジストマーク68に反射させてフォトトランジスタ51bで検出することにより濃度を検出し、プロセス制御に反映する(図6参照)。一方、図7に示すように、シャッタ41が閉塞位置まで閉動作した状態でLED51aを発光させると、シャッタ41の水平面41bからの反射光がフォトトランジスタ51bで検出し難いようにしている。これは、LED51aからの赤外光が、中間転写ベルト61上のレジストマーク68に正反射する距離に比して、シャッタ41の水平面(対向面側の水平面)41bに正反射する距離が大幅に短くなるからであり、シャッタ41が閉塞位置(図7に示す位置)まで閉動作していれば、光学センサ51に対する反射光はほとんど無く、これに対し、シャッタ41が開放位置(図6に示す位置)まで開動作していれば、中間転写ベルト61に反射した正反射光が光学センサ51のフォトトランジスタ51bに到達することになる。これにより、偏心カム37を回動させたとき、二次転写ユニット31(正確には、サイドユニット21)の離接動作に連動してシャッタ41が確実に開閉しているか否かを、光学センサ51の検出出力値(電圧値)に応じて検出することができるようにしている。この場合、シャッタ41の水平面41bは、中間転写ベルト61から離間して設けることが好ましい。このように、シャッタ41の水平面41bを中間転写ベルト61から離間して設けることで、光学センサ51が中間転写ベルト61上のレジストマーク68の濃度を読み取るときの距離と、シャッタ41の水平面(対向面側の水平面)41bまでの距離とが大きく離れることになるので、その差が明確に区別されることになり、中間転写ベルト61に反射した正反射光のみがフォトトランジスタ51bで検出される。このとき、図6に示すように、中間転写ベルト61に反射した反射光がフォトトランジスタ51bで検出されると、光学センサ51の検出出力値は「High」となり、これに対し、図7に示すように、シャッタ41の水平面41bに反射した反射光がフォトトランジスタ51bで検出され難いために、光学センサ51の検出出力値は「Low」となる。この光学センサ51の検出出力値は、「High」と「Low」との境界値となるスレッシュb(図9参照)を境にして「High」側または「Low」側となることで判定される。
【0076】
また、図6および図7に示すように、光学センサ51は、レジストマーク68を検出して画像形成位置を測定することにより画像形成位置の補正を行うレジストセンサとしての機能を有するものであり、主走査方向Yの装置手前側と装置奥側に一対設けられている。
【0077】
図8は、光学センサ51の周辺回路構成を示している。
【0078】
CPU200には、光学センサ51のLED51aが接続されているとともに、光学センサ51のフォトトランジスタ51bが接続されている。また、CPU200には、シャッタ41の開閉1周期に要する時間を計測する計測手段201と、記憶手段としてのRAM202と、離接機構部140の動作不良を判定する判定手段203とが接続されている。そして、図9に示すように、計測手段201は、シャッタ41を開閉動作させた際にこのシャッタ41が開放位置となった時間、つまりシャッタ41が閉塞位置から開放位置に到達して光学センサ51の検出出力値が「Low」から「High」に切り換わった時間t1を計測するとともに、この開放位置から閉塞位置に到達して光学センサ51の検出出力値が「High」から「Low」に切り換わった後に再度開放位置となる時間、つまり再度開放位置に到達して光学センサ51の検出出力値が「Low」から「High」に切り換わった時間t2を計測し、これらの計測時間t1,t2からシャッタ41が開放位置から閉塞位置を経て再度開放位置となるまでの開閉1周期に要する開閉所要時間t3(t2−t1)を計測している。また、RAM202は、シャッタ41が開放位置から閉塞位置を経て再度開放位置となるまでに要する予め定められた基準開閉所要時間t4を記憶している。そして、判定手段203は、計測手段201により計測された開閉所要時間t3とRAM202に記憶された基準開閉所要時間t4に所定値Δt(例えば80ms程度)を加算した許容時間(t4+Δt)基づいて、電磁クラッチ142の滑り、偏心カム37の滑り、または電動モータ141のへたりなどに起因する離接機構部140の動作不良を判定している。このとき、離接機構部140の動作不良が無ければ開閉所要時間t3と基準開閉所要時間t4とが理論上において一致するものの、画像形成装置の始動直後などに誤差などが発生するため、判定手段203では、開閉所要時間t3が基準開閉所要時間t4に所定値Δt(例えば80ms程度)を加算した許容時間(t4+Δt)を越えたときに離接機構部140が動作不良であると判定される一方、開閉所要時間t3が許容時間(t4+Δt)未満であるときに離接機構部140が動作不良でないと判定される。この場合、シャッタ41が開放位置に到達して光学センサ51の検出出力値が「High」に切り換わっている時間が400msに設定され、シャッタ41が閉塞位置に到達して光学センサ51の検出出力値が「Low」に切り換わっている時間が650msに設定されていることから、基準開閉所要時間t4は、1050msに設定されている。
【0079】
また、CPU200には、記憶部としてのROM204が接続されている。このROM204は、判定手段203によって離接機構部140が動作不良であると判定されたとき、その不良内容を記憶している。そして、ROM204に記憶された不良内容は、サービスマンによって呼び出され、その不良箇所に係る履歴を確認することが可能となっている。更に、CPU200には表示手段としてのディスプレイ205が接続されている。このディスプレイ205は、図示しない操作パネルに設けられ、判定手段203によって離接機構部140が動作不良であると判定されたときにその旨を表示するようにしている。この場合、離接機構部140の動作不良は、電磁クラッチ142の滑りや、偏心カム37の滑りや、電動モータ141のへたりなどに起因して起こり、中でも電磁クラッチ142の滑りが主因であることが比較的多いため、電磁クラッチ142の不良であると特定される傾向が強いものとなっている。
【0080】
ここで、光学センサ51の出力を利用して離接機構部140の動作不良を判定手段203により判定する手順を図10のフローチャートに基づいて説明する。この場合、判定手段203による離接機構部140の動作不良の判定は、画像形成装置100の始動直後のウォーミングアップ時および定着ユニット7の駆動時、つまり電動モータ141の駆動時に行われる。このとき、シャッタ41は開放位置まで開動作しているとともに、二次転写ユニット31の転写ローラ10は離間動作しているものとする。
【0081】
まず、図10のフローチャートのステップST1において、電磁クラッチ142を接続し、電動モータ141の駆動力によりカム軸36を介して一対の偏心カム37を回転させる。
【0082】
次いで、ステップST2において、光学センサ51のLED51aを点灯する。それから、ステップST3において、光学センサ51のフォトトランジスタ51bによる検出出力値の読み込みを行い、ステップST4において、偏心カム37の回転によりシャッタ41が閉塞位置まで閉動作して光学センサ51により読み込まれた検出出力値が「Low」となるまで待機する。
【0083】
その後、ステップST5において、光学センサ51のフォトトランジスタ51bによる検出出力値の読み込みを行い、ステップST6において、偏心カム37の回転によりシャッタ41が開放位置まで開動作して光学センサ51により読み込まれた検出出力値が「High」となるまで待機する。それから、ステップST7において、検出出力値が「High」となった時点の時間t1を計測する。
【0084】
その後も、ステップST8において、光学センサ51のフォトトランジスタ51bによる検出出力値の読み込みを行い、ステップST9において、偏心カム37の回転によりシャッタ41が閉塞位置まで閉動作して光学センサ51により読み込まれた検出出力値が再度「Low」となるまで待機する。それから、ステップST10において、光学センサ51のフォトトランジスタ51bによる検出出力値の読み込みを行い、ステップST11において、偏心カム37の回転によりシャッタ41が開放位置まで開動作して光学センサ51により読み込まれた検出出力値が再度「High」となるまで待機した後、ステップST12において、検出出力値が再度「High」となった時点の時間t2を計測する。
【0085】
しかる後、ステップST13において、シャッタ41が開放位置(検出出力値が「High」となる位置)から閉塞位置(検出出力値が「Low」となる位置)を経て再度開放位置(検出出力値が再度「High」となる位置)となるまでに要する開閉所要時間t3(t2−t1)を計測する。
【0086】
その後、ステップST14において、計測手段201により計測された開閉所要時間t3が、RAM202に記憶された基準開閉所要時間t4に所定値Δt(例えば80ms)を加算した許容時間(t4+Δt)未満であるか否かを判定する。このとき、許容時間(t4+Δt)は、基準開閉所要時間t4が1050msに設定されていることから、この基準開閉所要時間t4に所定値Δt(80ms)を加算した1130msに設定されることになる。
【0087】
上記ステップST14の判定が、開閉所要時間t3が許容時間(t4+Δt)未満であるYESの場合には、離接機構部140が動作不良でないと判断し、次回の離接機構部140の動作不良の判定に備える。このとき、電磁クラッチ142は遮断され、図11に示すように、偏心カム37がホームポジションで停止し、二次転写ユニット31の回動板33のカム当接面35が偏心カム37のカム中心から最も遠い距離にあるカム面に当接して転写ローラ10を中間転写ベルト61から離間させているとともに、シャッタ41を開放位置まで開動作させている。
【0088】
一方、上記ステップST14の判定が、開閉所要時間t3が許容時間(t4+Δt)を越えているNOの場合には、ステップST15に進む。具体的には、図12に示すように、シャッタ41を開閉動作させた際にこのシャッタ41が閉塞位置から開放位置に到達して光学センサ51の検出出力値が「High」に切り換わった時間t1から閉塞位置に到達するまでに余分な時間t5(>Δt)を要して、光学センサ51の検出出力値が「Low」に切り換わった後に再度開放位置に到達して「High」に切り換わる時間t2′を計測した際に、これらの計測時間t1,t2′からシャッタ41が開放位置から閉塞位置を経て再度開放位置となるまでに要する開閉所要時間t3′(t2′−t1)が計測され、この開閉所要時間t3′が許容時間(t4+Δt)を越えているNOの場合には、ステップST15において、離接機構部140が動作不良である旨、例えば二次転写ユニット31の転写ローラ10の離接動作不良およびシャッタ41の開閉動作不良による離接機構部140の動作不良の不良内容をROM204に記憶させる。
【0089】
このとき、電磁クラッチ142の滑りや偏心カム37の滑り、または電動モータ141のヘタリなどにより離接機構部140が動作不良であれば、偏心カム37は、図13の(a)に示す位置で停止することになる。これは、偏心カム37の停止制御が、光学センサ51の検出出力値が「Low」から「High」に切り換わった時点を基準にして一定時間経過後に行われるため、図12に示すような余分な時間t5の間、偏心カム37が停止を余儀なくされた影響によるからである。そのため、図13の(a)に示すような偏心カム37の停止状態では、該偏心カム37のカム形状による安定化角度より外れ、二次転写ユニット31のカム当接面35を偏心カム37のカム面に当接するように付勢する弾性部材38の付勢力に対し不安定となり、この弾性部材38の付勢力によって、図13の(b)に示す位置まで偏心カム37が回転して停止することになる。
【0090】
それから、ステップST16において、離接機構部140の動作不良をディスプレイ205に表示した後、判定手段203による離接機構部140の動作不良の判定を終える。
【0091】
このように、判定手段203によって、シャッタ41が開放位置から閉塞位置を経て再度開放位置となるまでに要する開閉所要時間t3(またはt3′)と、基準開閉所要時間t4に所定値Δt(例えば80ms)を加算した許容時間(t4+Δt)とに基づいて、離接機構部140の動作不良が判定されるので、計測手段201により計測された開閉所要時間t3(またはt3′)が、RAM202に記憶されている基準開閉所要時間t4に所定値Δt(例えば80ms)を加算した許容時間(t4+Δt)を越えていれば、電磁クラッチ142の滑り、偏心カム37の滑り、または電動モータ141のへたりなどに起因する離接機構部140の動作不良が容易に判定される。これにより、離接機構部140が故障に陥いる前段階で、離接機構部140の異常を簡単に判定することができる。
【0092】
しかも、シャッタ41の開閉所要時間t3(またはt3′)が所定値Δtを加算した許容時間(t4+Δt)の範囲内であれば、離接機構部140が動作不良であるとの判定が回避されることになる。このため、判定手段203による離接機構部140の動作不良の判定が余裕を持って行え、誤差等による一時的なシャッタ41の開閉所要時間の遅れなどが許容されて画像形成装置100の使用に則した現実的なものとなり、離接機構部140の動作不良の判定を行うに当たって非常に良好なものにすることができる。
【0093】
また、離接機構部140により、光学センサ51によるレジストマーク68の検知時に、シャッタ41を開放位置まで開動作させるとともに、中間転写ベルト61に対し転写ローラ10を離間させるように二次転写ユニット31を離間動作させているので、光学センサ51によるレジストマーク68の検知時に、二次転写ユニット31の離間動作に連動してシャッタ41が開放位置まで開動作し、検知面が露呈する光学センサ51によって中間転写ベルト61上のレジストマーク68の光学濃度を円滑に検知することができる上、二次転写ユニット31によるレジストマーク68の転写を円滑に防止することができる。
【0094】
また、離接機構部140に、シャッタ41の垂直面41aと二次転写ユニット31の回動板33のカム当接面35との双方に当接するカム面を有する偏心カム37が設けられているので、偏心カム37の回転によって、シャッタ41の垂直面41aと二次転写ユニット31の回動板33のカム当接面35との双方に当接するカム面から偏心カム37の回転中心(カム軸36)までの距離を相互に変更させ、二次転写ユニット31の離接動作に連動してシャッタ41を開閉動作させることができる。つまり、二次転写ユニット31の回動板33のカム当接面35に当接する偏心カム37のカム面から回転中心までの距離が短いときにシャッタ41の垂直面41aに当接する偏心カム37のカム面から回転中心までの距離が長くなって、転写ローラ10が中間転写ベルト61に接触する接触位置まで二次転写ユニット31を接触動作させつつ、この二次転写ユニット31の接触位置への接触動作に連動して光学センサ51の検知面を遮蔽する閉塞位置までシャッタ41を閉動作させる一方、偏心カム37が180°回転して二次転写ユニット31の回動板33のカム当接面35に当接する偏心カム37のカム面から回転中心までの距離が長いときにシャッタ41の垂直面41aに当接する偏心カム37のカム面から回転中心までの距離が短くなって、転写ローラ10が中間転写ベルト61から離間する離間位置まで二次転写ユニット31を離間動作させつつ、この二次転写ユニット31の離間位置への離間動作に連動して光学センサ51の検知面を開放する開放位置までシャッタ41を開動作させることができる。これにより、偏心カム37を用いた簡易な構成で二次転写ユニット31の離接動作に連動してシャッタ41を円滑に移動させることができる。
【0095】
また、中間転写ベルト61上に光学センサ51により検知されるレジストマーク68が適用されているので、基準パターンであるレジストマーク68を検出して画像形成位置を測定しつつ画像形成位置の補正を行うレジストセンサが光学センサ51により兼用され、部品点数の削減化を図ることができる。
【0096】
また、LED51aとフォトトランジスタ51bとを備えた反射型の光学センサ51が用いられているので、中間転写ベルト61上にトナーパッチが形成されていても、光学センサによって読み取ることが可能となり、トナーパッチ読取り用のセンサをも不要にして部品点数の削減化をさらに図ることができる。
【0097】
また、離接機構部140に、電動モータ141と偏心カム37との間において該偏心カム37の回転または停止を切り換える電磁クラッチ142が設けられているので、電動モータ141により回転する偏心カム37は、電磁クラッチ142によって回転または停止が切り換えられ、電動モータ141と偏心カム37との間に電磁クラッチ142を設けるだけの簡単な構成で偏心カム37の回転または停止を切り換えることができる上、離接機構部140の異常も電磁クラッチ142の滑りの度合いに応じて簡単に判定することができる。
【0098】
また、判定手段203によって離接機構部140が動作不良であると判定されたとき、その旨がディスプレイ205に表示されるので、離接機構部140が動作不良であるとの判定手段203による判定がディスプレイ205によって使用者に報知され、離接機構部140が故障に陥いる前段階で、サービスマンに連絡するなどして迅速に対処することができる。
【0099】
また、判定手段203によって離接機構部140が動作不良であると判定されたとき、その不良内容がROM204に記憶されるので、ROM204に記憶された離接機構部140の動作不良の内容に基づいて離接機構部140の不良内容に係る履歴が確認され、離接機構部140が完全に故障して動作不能となる前に不良内容に係る履歴に基づいて不良箇所を修理することができる。
【0100】
更に、シャッタ41を閉塞位置まで閉動作させた状態で水平面41bが中間転写ベルト61に対し離間しているので、LED51aを発光させて中間転写ベルト61上のレジストマーク68に正反射した正反射光をフォトトランジスタ51bにより受光する際に、閉塞位置においてシャッタ41の水平面41bで正反射した正反射光は、シャッタ41の水平面41bが中間転写ベルト61に対し離間しているためにフォトトランジスタ51bにより受光することが不能となる。このため、シャッタ41が開放位置から閉塞位置を経て再度開放位置となるまでに要する開閉所要時間t3が光学センサ51の受光特性により正確に計測され、離接機構部140の動作不良を判定手段203によってより正確に判定することができる。
【0101】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、上記実施形態では、開閉所要時間t3と基準開閉所要時間t4に所定値Δtを加算した許容時間(t4+Δt)とに基づいて接離機構部140の動作不良を判定手段203により判定するようにしたが、開閉所要時間t3と基準開閉所要時間t4とに基づいて接離機構部の動作不良が判定手段により判定されるようにしてもよい。その場合、判定手段によって離接機構部が動作不良であると判定されたとき、電磁クラッチが不良であると特定される場合には、シャッタの開閉所要時間t3が基準開閉所要時間t4に比して誤差が発生し始めていれば、シャッタの開閉所要時間t3と基準開閉所要時間t4との誤差の大きさに応じて、電磁クラッチの滑り具合が判定される。これにより、電磁クラッチの滑り具合に基づいて離接機構部の動作不良の状況が判定され、離接機構部が故障に陥いる前段階で、離接機構部の異常をより詳細に判定することが可能となる。加えて、本実施形態では、所定値Δtを80msとしたが、これに限定されるものではない。
【0102】
また、上記実施形態では、シャッタ41の開閉所要時間t3をシャッタ41が開放位置から閉塞位置を経て再度開放位置となるまでに要する時間から計測したが、シャッタが閉塞位置から開放位置を経て再度閉塞位置となるまでに要する時間からシャッタの開閉所要時間t3が計測されていてもよい。つまり、シャッタが閉塞位置(検出出力値が「Low」となる位置)から開放位置(検出出力値が「High」となる位置)を経て再度閉塞位置(検出出力値が再度「Low」となる位置)となるまでに要する開閉所要時間が計測されていてもよい。
【0103】
更に、上記実施形態では、判定手段203による離接機構部140の動作不良の判定を、画像形成装置100の始動直後のウォーミングアップ時に電動モータ141が駆動しているときに行うようにしたが、電動モータが駆動しているときであればいつでもよく、画像形成装置の待機状態であっても電動モータを定期的に駆動させて判定手段による離接機構部の動作不良の判定が行われるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0104】
3 感光体ドラム
10 転写ローラ(転写機構部)
31 二次転写ユニット
37 偏心カム
41 シャッタ
51 光学センサ
51a LED(発光素子)
51b フォトトランジスタ(受光素子)
61 中間転写ベルト(転写ベルト)
68 レジストマーク、トナーパターン(基準トナー像)
100 画像形成装置
110 装置本体
140 離接機構部
141 電動モータ(駆動手段)
142 電磁クラッチ(クラッチ)
201 計測手段
202 RAM(記憶手段)
203 判定手段
204 ROM(記憶部)
205 ディスプレイ(表示手段)
Δt 所定値
t3 開閉所要時間
t4 基準開閉所要時間
t4+Δt 許容時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラム上に形成されたトナー像を一次転写する転写ベルトと、一次転写されたトナー像を用紙に二次転写する転写機構部を有する二次転写ユニットと、上記転写ベルト上の基準トナー像を検知する光学センサと、上記光学センサの検知面を遮蔽する閉塞位置とその検知面を露呈する開放位置とに移動するシャッタと、上記転写ベルトに対し上記転写機構部を離接させるように上記二次転写ユニットを離接動作させる離接機構部とを有してなる画像形成装置において、
上記離接機構部は、上記二次転写ユニットの離接動作に連動して上記シャッタを閉じる閉塞位置と開く開放位置とに開閉動作させるように、上記シャッタと上記二次転写ユニットとの双方に当接しており、
上記シャッタを開閉動作させた際にこのシャッタの開放位置から閉塞位置を経て再度開放位置、または上記シャッタの閉塞位置から開放位置を経て再度閉塞位置までの移動に要する開閉所要時間を計測する計測手段と、
上記シャッタの開放位置から閉塞位置を経て再度開放位置、または上記シャッタの閉塞位置から開放位置を経て再度閉塞位置までの移動に要する予め定めた基準開閉所要時間を記憶する記憶手段と、
上記計測手段により計測された開閉所要時間と上記記憶手段に記憶された基準開閉所要時間とに基づいて上記離接機構部の動作不良を判定する判定手段と
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
上記離接機構部は、上記光学センサによる基準トナー像の検知時に、上記シャッタを開放位置まで開動作させるとともに、上記転写ベルトに対し上記転写機構部を離間させるように上記二次転写ユニットを離間動作させていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、
上記判定手段は、上記開閉所要時間と上記基準開閉所要時間に所定値を加算した許容時間とに基づいて上記離接機構部の動作不良を判定していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
上記離接機構部は、上記シャッタと上記二次転写ユニットとの双方に当接するカム面を有する偏心カムを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
上記光学センサにより検知される基準トナー像としては、基準パターンであるレジストマークが適用されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
上記請求項4または請求項5に記載の画像形成装置において、
上記離接機構部は、
上記偏心カムを回転させる駆動手段と、
上記駆動手段と上記偏心カムとの間に設けられ、上記偏心カムの回転または停止を切り換えるクラッチと
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
上記判定手段によって上記離接機構部が動作不良であると判定されたとき、その旨を表示する表示手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の画像形成装置において、
上記判定手段によって上記離接機構部が動作不良であると判定されたとき、上記クラッチの不良であると特定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
上記判定手段によって上記離接機構部が動作不良であると判定されたとき、その不良内容を記憶する記憶部を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
上記光学センサとしては、発光素子と受光素子とを備えた反射型の光学センサが適用されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10に記載の画像形成装置において、
上記シャッタは、閉塞位置まで閉動作させた状態で上記転写ベルトに対し離間していることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−175840(P2010−175840A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18524(P2009−18524)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】