説明

画像形成装置

【課題】電気的負荷に印加すべき電圧が目標レベルをオーバーシュートすることを抑制可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、半導体スイッチ素子145Aの制御入力側の電圧レベルをバイアス回路149によって、当該半導体スイッチ素子145Aをオンさせる側にシフトさせつつ、制御部65からの制御電圧を、ボルテージフォロワ143を介して、半導体スイッチ素子145Aの制御入力側に与える構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、例えばシート材を搬送するためのベルトと、クリーニング機構とを備えたものがある(下記特許文献1)。このクリーニング機構は、例えば上記ベルトに接触するクリーニングローラ、クリーニングシャフト、シャント方式の印加回路及び制御部を備える。このシャント方式の印加回路は、例えば変圧器及びシャント回路を有し、第1クリーニング電圧及び第2クリーニング電圧を出力する。そして、クリーニングローラは、上記第1クリーニング電圧を与えられることでベルト上の付着物(着色剤やシート材の破片など)を電気的に吸引し、クリーニングシャフトは上記第2クリーニング電圧を与えられることでクリーニングローラの付着物を電気的に吸引する。制御部は、第2クリーニング電圧が所定の第2目標レベルに近づくように変圧器の生成電圧を変更しつつ、第1クリーニング電圧が所定の第1目標レベルに近づくようにシャント回路に流れる電流レベルを変更する。
【特許文献1】特開2008−58475公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上述したシャント方式の印加回路では、一般に、変圧器の制御に対して、シャント回路の制御が遅れる。このため、特に印加回路の起動時には、第1クリーニング電圧が第2クリーニング電圧に引きずられるようにして第1目標レベルをオーバーシュートしてしまい、電圧制御の精度低下を招くという問題があった。なお、このような問題は、シャント方式の印加回路に限らず、半導体スイッチ素子のオンオフにより生成電圧を制御する構成であれば同様に生じ得る。
【0004】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、電気的負荷に印加すべき電圧が目標レベルをオーバーシュートすることを抑制可能な画像形成装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための手段として、第1発明に係る画像形成装置は、電気的負荷と、半導体スイッチ素子を有し、当該半導体スイッチ素子のオンオフに応じた電圧を前記電気的負荷に印加する印加回路と、前記印加回路の印加電圧が目標レベルに近づくように前記半導体スイッチ素子をオンオフさせるための制御電圧を出力する制御部と、前記半導体スイッチ素子の制御入力側の電圧レベルを、当該半導体スイッチ素子をオンさせる側にシフトさせるバイアス回路と、前記制御部の出力側と前記半導体スイッチ素子の制御入力側との間に設けられるボルテージフォロワと、を備える。
【0006】
本発明は、半導体スイッチ素子のオンオフにより印加回路の印加電圧を制御する構成を有する画像形成装置を対象とする。ここで、一般に、半導体スイッチ素子は、制御入力側への電圧レベルに対し、いわゆる不感帯領域を有する。この不感帯領域は、半導体スイッチ素子の閾値電圧未満のレベル領域であり、このレベル領域では半導体スイッチ素子はオンしない。このため、制御入力側への電圧が、この不感帯領域内にあるときの応答遅れが、電気的負荷への印加電圧が目標レベルをオーバーシュートする要因の1つであると考えられる。
そこで、本発明は、半導体スイッチ素子の制御入力側の電圧レベルをバイアス回路により、当該半導体スイッチ素子をオンさせる側にシフトさせつつ、制御部からの制御電圧を、ボルテージフォロワを介して半導体スイッチ素子の制御入力側に与える構成である。制御部からの制御電圧は、ボルテージフォロワにより、バイアス回路のバイアス電圧分だけ、半導体スイッチ素子をオンさせる側にシフトされて半導体スイッチ素子の制御入力側に与えられる。このため、半導体スイッチ素子の制御入力側への電圧のレベル領域と、不感帯領域との重なる範囲が狭まり、印加回路の印加電圧が目標レベルをオーバーシュートすることを抑制できる。
【0007】
第2の発明に係る画像形成装置は、電気的負荷と、半導体スイッチ素子を有し、当該半導体スイッチ素子のオンオフに応じた電圧を前記電気的負荷に印加する印加回路と、前記印加回路の印加電圧が目標レベルに近づくように前記半導体スイッチ素子をオンオフさせるための制御電圧を出力する制御部と、を備え、前記制御部は、前記半導体スイッチ素子をオンさせる側にシフトさせた電圧レベルを、初期値として前記制御電圧の出力を開始する。
本発明によれば、半導体スイッチ素子の制御入力側の電圧レベルを、当該半導体スイッチ素子をオンさせる側にシフトさせた電圧レベルを、初期値として制御電圧を半導体スイッチ素子に出力し始める。これにより、制御電圧のレベル領域と、不感帯領域との重なる範囲が狭まり、印加回路の印加電圧が目標レベルをオーバーシュートすることを抑制できる。
【0008】
第3の発明に係る画像形成装置は、電気的負荷と、半導体スイッチ素子を有し、当該半導体スイッチ素子のオンオフに応じた電圧を前記電気的負荷に印加する印加回路と、前記印加回路の印加電圧が目標レベルに近づくように前記半導体スイッチ素子をオンオフさせるための制御電圧を出力する制御部と、前記半導体スイッチ素子の制御入力側の電圧レベルを、当該半導体スイッチ素子をオンさせる側にシフトさせるバイアス回路と、を備え、前記制御部は、前記バイアス回路のバイアス電圧に応じた電圧レベルを、初期値として前記制御電圧の出力を開始する。
【0009】
本発明によれば、半導体スイッチ素子の制御入力側の電圧レベルをバイアス回路により、当該半導体スイッチ素子をオンさせる側にシフトさせつつ、そのバイアス回路のバイアス電圧に応じた電圧レベルを、初期値として制御電圧を半導体スイッチ素子に出力し始める。これにより、制御電圧のレベル領域と、不感帯領域との重なる範囲が狭まり、印加回路の印加電圧が目標レベルをオーバーシュートすることを抑制できる。
【0010】
第4の発明は、第3の発明の画像形成装置であって、前記制御部は、前記制御電圧が、前記バイアス電圧以下になることを制限する構成である。
本発明によれば、制御部による制御中に不感帯領域に入ることを抑制できる。
【0011】
第5の発明は、第1から第4のいずれか一つの発明の画像形成装置であって、前記印加回路による前記電気的負荷への電圧印加動作の開始前に動作させるべき先行動作回路と、前記先行動作回路の起動に基づき前記半導体スイッチ素子がオンすることを許可する許可回路と、を備える。
この発明によれば、先行動作回路の起動に基づき、印加回路による電圧印加動作をコントロールできる。
【0012】
第6の発明は、第5の発明の画像形成装置であって、感光体と、前記感光体を帯電させる帯電器が有するグリッドと、前記電気的負荷としての転写部材と、前記印加回路としての第1電圧生成回路と、を備え、前記先行動作回路は、前記グリッドに印加するグリッド電圧を生成する第2電圧生成回路である。
この発明によれば、グリッド電圧に基づき、第1電圧生成回路に対する制御の入り切りをコントロールできる。
【0013】
第7の発明は、第1から第5のいずれか一つの発明の画像形成装置であって、被クリーニング体と、前記被クリーニング体上の付着物をクリーニングするための、前記電気的負荷としての第1クリーニング部材と、前記第1クリーニング部材の付着物をクリーニングするための第2クリーニング部材と、を備え、前記印加回路は、前記第2クリーニング部材に第2クリーニング電圧を印加する電圧生成回路と、前記半導体スイッチ素子を有するシャント回路とを含み、当該シャント回路を介して前記第1クリーニング部材に前記印加電圧としての第1クリーニング電圧を印加する構成である。
シャント方式の印加回路では、第1クリーニング電圧が第2クリーニング電圧に引きずられるようにして第1目標レベルをオーバーシュートしてしまうが、本発明を適用することにより、そのオーバーシュートを抑制できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電気的負荷に印加すべき電圧が目標レベルをオーバーシュートすることを抑制することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1〜図5を参照しつつ説明する。
(プリンタの全体構成)
図1は、本実施形態のプリンタ1(本発明の「画像形成装置」の一例)の内部構成を表す概略断面図である。以下の説明では、各構成要素について、色毎に区別する場合は各部の符号にY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),B(ブラック)の添え字を付し、区別しない場合は添え字を省略する。
【0016】
プリンタ1は、給紙部3と、画像形成部5と、搬送機構7と、定着部9と、高圧制御装置11、を備え、例えば外部から入力される画像データに応じた1または複数色(本実施形態ではイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色)のトナーTからなるトナー像を、シート材15(用紙、OHPシートなど)に形成する。更に、プリンタ1は、クリーニング機構13を備える。
【0017】
給紙部3は、プリンタ1の最下部に設けられており、シート材15を収容するトレイ17と、ピックアップローラ19とを備える。トレイ17に収容されたシート材15は、ピックアップローラ19により1枚ずつ取り出され、搬送ローラ21,レジストレーションローラ23を介して搬送機構7に送られる。
【0018】
搬送機構7は、シート材15を搬送するためのものである。この搬送機構7は、ベルト27が、駆動ローラ29と従動ローラ31との間に架け渡された構成になっている。駆動ローラ29が回動すると、ベルト27は、感光体39と対向する側の表面が、図1中の右方向から左方向へ移動する。これにより、レジストレーションローラ23から送られてきたシート材15が、画像形成部5下へと搬送される。また、搬送機構7は、4つの転写ローラ33を備える。
【0019】
画像形成部5は、4個の現像ユニット37Y,37M,37C,37Bを有する。各現像ユニット37は、感光体39、帯電器41と、露光装置43と、ユニットケース45とを備える。
【0020】
感光体39は、例えば、アルミニウム製の基材上に、正帯電性の感光層が形成されたものであり、このアルミニウム製の基材がプリンタ1のグランドラインに接地されている。帯電器41は、いわゆるスコロトロン型の帯電器であり、帯電ワイヤ41A及びグリッド41Bを有する(図6参照)。この帯電ワイヤ41Aに高電圧を印加し、グリッド41Bにグリッド電圧V5を印加することにより、感光体39の表面がほぼグリッド電圧と同電位(例えば+700V)に帯電される。
【0021】
露光装置43は、感光体39の回転軸方向に沿って一列状に並んだ複数の発光素子(例えばLED)を有し、これらの複数の発光素子を、外部より入力される画像データの1色分に応じて発光制御することにより、感光体39の表面に静電潜像を形成する。
【0022】
ユニットケース45は、各色のトナーT(本実施形態では、例えば正帯電性の非磁性1成分トナー)を収納するとともに、現像手段としての現像ローラ47を有する。現像ローラ47が、トナーTを「+」(正極性)に帯電させ、均一な薄層として感光体39上へ供給することにより上記静電潜像を現像してトナー象を形成する。
【0023】
上記各転写ローラ33は、上記各感光体39との間でベルト27を挟む位置に配置されている。各転写ローラ33は、図示しない負電圧の電源により、感光体39との間にトナーTの帯電極性とは逆極性の転写電圧(例えば−10〜−15μA)が印加されて、感光体39上に形成された上記トナー像をシート材15に転写する。その後、当該シート材15は、搬送機構7により定着部9へと搬送され、この定着部9にてトナー像が熱定着され、プリンタ1の上面に排出される。
【0024】
(クリーニング機構の構成)
図2は、クリーニング機構13の構成図である。クリーニング機構13は、搬送機構7の下方に設けられ、ベルト27(本発明の「被クリーニング体」の一例)上の付着物(ベルト27に残存したトナーTやシート材の破片(紙粉)など)をクリーニングする。以下、付着物としてトナーTを例に挙げて説明する。クリーニング機構13は、クリーニングローラ51(本発明の「電気的負荷、第1クリーニング部材」の一例)、回収ローラ53(本発明の「第2クリーニング部材」の一例)、バックアップローラ55、クリーニングブレード57、貯留ボックス59を有する。
【0025】
クリーニングローラ51は、ベルト27の幅方向に延びた軸部材51Aの周囲にシリコーンからなる発泡材が設けられた構成になっている。バックアップローラ55は、金属製であって、クリーニングローラ51との間でベルト27を挟んで対向するように配置されていると共に、グランドライン側に電気的に接続されている。
【0026】
クリーニングローラ51は、ベルト27に接触しながら、その接触部分においてベルト27とは反対方向に移動するように回転駆動される。そして、クリーニングローラ51に与えられる第1クリーニング電圧V1(トナーTの極性とは逆極性の電圧)が、第1目標レベルVT1(例えば−1200V)になると、ベルト27に付着したトナーTをクリーニングローラ51に電気的に吸引し、ベルト27表面をクリーニングすることができる。
【0027】
また、回収ローラ53は、金属製(例えば、鉄材にNiメッキが施された構成、あるいはステンレス材からなる構成等)であって、クリーニングローラ51に接触している。回収ローラ53に与えられる第2クリーニング電圧V2(絶対値が上記第1クリーニング電圧V1よりも大きい)が、第2目標レベルVT2(例えば−1600V)になると、クリーニングローラ51に付着したトナーTを回収ローラ53に電気的に吸引し、当該トナーTを回収することができる。
【0028】
クリーニングブレード57は、例えばゴム製であって、回収ローラ53に当接しており、回収ローラ53に付着しているトナーTを掻き取る。掻き取られたトナーTは貯留ボックス59に貯留される。
【0029】
(高圧制御装置の構成)
上記高圧制御装置11は、転写ローラ33、現像ローラ47、帯電器41、クリーニング機構13など、プリンタ1に備えられた各電気的負荷への印加電圧を生成する。
【0030】
図3は、高圧制御装置11のうち、クリーニング機構13への印加電圧(第1クリーニング電圧V1,第2クリーニング電圧V2)を生成する構成部分が図示されている。高圧制御装置11は、印加回路63と、PWM(Pulse Width Modulation。パルス幅変調)制御回路65(本発明の「制御部」の一例)を備える。なお、PWM制御回路65は、CPUを内蔵して構成されたものでも、特定用途向け集積回路(ASIC)として構成されたものでもよい。
【0031】
印加回路63は、シャント方式を採用した2出力タイプであり、上述した第1クリーニング電圧V1と第2クリーニング電圧V2とを出力する。具体的には、印加回路63は、主として、電圧生成回路67とシャント回路69とを有する。
【0032】
(1)電圧生成回路
電圧生成回路67は、回収ローラ53に印加する第2クリーニング電圧V2を生成する電源回路であり、PWM信号平滑回路71、トランスドライブ回路73、昇圧・平滑整流回路75を備えている。PWM信号平滑回路71は、PWM制御回路65のPWMポート65AからのPWM信号S1を受けて平滑しトランスドライブ回路73に与える。トランスドライブ回路73は、自励巻線73Aを有し、受けたPWM信号S1に基づき、昇圧・平滑整流回路75の1次側巻線77Aに発振電流を流すよう構成されている。
【0033】
昇圧・平滑整流回路75は、トランス(変圧器)77、ダイオード79、平滑コンデンサ81などを備えている。トランス77は、1次側巻線77A,2次側巻線77Bを備えている。2次側巻線77Bの一端は、ダイオード79及び第2出力端子TB2を介して回収ローラ53のローラ軸に電気的に接続される。また、平滑コンデンサ81及び放電抵抗83がそれぞれ2次側巻線77Bに並列に接続されている。このような構成により、1次側巻線77Aの発振電圧が、昇圧・平滑整流回路75にて昇圧及び整流され、回収ローラ53のローラ軸に第2クリーニング電圧V2として印加される。
【0034】
また、電圧生成回路67には、その第2クリーニング電圧V2を検出するためのフィードバック抵抗R1、R2が設けられており、この分圧電圧に応じた検出信号S2がPWM制御回路65のA/Dポート65Bに与えられる。PWM制御回路65は、この検出信号S2に基づき、第2クリーニング電圧V2が設定された目標レベル(第2目標レベル)になるように上記PWM信号S1のデューティ比を適宜変更して、定電圧制御を実行する。以下、このように、第2クリーニング電圧V2を、第2目標レベルVT2になるように電圧生成回路67を制御することを、「第2制御」という。また、PWM信号S1のデューティ比に応じてトランスドライブ回路73に与えられる電圧を、「第2制御電圧」という。なお、フィードバック抵抗R2は、グランドラインではなく正極性電位(本実施形態ではプラス5[V])ラインに電気的に接続されている。これにより、上記A/Dポート65Bに負極性電圧が与えられることを防止できる。
【0035】
(2)シャント回路
シャント回路69は、クリーニングローラ51に印加する第1クリーニング電圧V1を、上記第2クリーニング電圧V2に基づき生成する。シャント回路69は、主として、電流制御回路91及びフォトカプラ93(本発明の「半導体スイッチ素子」の一例)を備える。
【0036】
電流制限回路91は、クリーニングローラ51に電気的に接続される第1出力端子TB1と上記第2出力端子TB2との間に接続された、電流調整素子としてのトランジスタ95を有する。より具体的には、トランジスタ95は、pnp型であり、コレクタが第2出力端子TB2側に接続され、エミッタが第1出力端子TB1側に接続され、ベースが入力抵抗97を介してフォトカプラ93に接続されている。これにより、フォトカプラ93がオフのときトランジスタ95はオンし、フォトカプラ93がオンするとトランジスタ95はオフする。
【0037】
また、トランジスタ95のエミッタには、第1クリーニング電圧V1を検出するためのフィードバック抵抗R3,R4が設けられており、この分圧電圧に応じた検出信号S3がPWM制御回路65のA/Dポート65Dに与えられる。なお、フィードバック抵抗R4は、グランドラインではなく正極性電位(本実施形態ではプラス5[V])ラインに電気的に接続されている。これにより、上記A/Dポート65Dに負極性電圧が与えられることを防止できる。
【0038】
電流制御回路91は、フォトカプラ93を介してPWM制御回路65のPWMポート65Cに接続されている。電流制御回路91は、このPWMポート65Cから出力されるPWM信号S4に応じてトランジスタ95のベース電位が変更されることで、トランジスタ95に流れる電流の電流量、換言すれば、トランジスタ95の抵抗値を調整する。PWM制御回路65は、上記検出信号S3に基づき、第1クリーニング電圧V1が設定された目標レベル(第1目標レベル)になるように上記PWM信号S4のディーティ比を適宜変更して、定電圧制御を実行する。以下、このように、第1クリーニング電圧V1を、第1目標レベルVT1になるようにシャント回路69を制御することを、「第1制御」という。また、PWM信号S4のデューディ比に応じてフォトカプラ93に与えられる電圧を、「第1制御電圧」という。
【0039】
(3)バイアス回路
また、フォトカプラ93の制御入力側と、正極性電位(本実施形態ではプラス5[V])ラインとの間に、バイアス回路101を構成するバイアス抵抗103が電気的に接続されている。これにより、PWM制御回路65からPWM信号S4が出力される前から、フォトカプラ93の制御入力側の電圧レベルは、バイアス回路101によるバイアス電圧(本実施形態では例えば0.6[v])分だけ嵩上げされることになる。
【0040】
(PWM制御回路による電圧制御処理)
図4は、電圧制御処理を示すフローチャートである。プリンタ1に電源が投入されると、PWM制御回路65は、電圧生成回路67を起動させて、電圧制御処理を実行する。まずS101で第1目標レベルVT1及び第2目標レベルVT2を設定し、S103でPWM信号S1、S4の出力を開始する。このときは、PWM信号S1のデューティ比(PWM値)の初期値は、第2制御電圧が0[v]に対応する値である。一方、PWM信号S4のデューティ比(PWM値)の初期値は、第1制御電圧が0.6[v]に対応する値(本発明の「バイアス回路に応じた電圧レベル」の一例)であり、この値は上記バイアス回路101による上記バイアス電圧とほぼ同じである。
【0041】
次にS105で上記検出信号S3、S2に応じたフィードバック値V1FB、V2FB(第1クリーニング電圧V1、第2クリーニング電圧V2の検出値)を取得し、上述した第1制御及び第2制御を実行する。具体的には、S107で第2フィードバック値V2FBが、第2目標レベルVT2の下限値VT2minを下回る場合は(S107:YES)、S109で、現在の第2制御電圧に単位電圧ΔVを加算するように、PWM信号S1のPWM値を変更してS115に進む。なお、本実施形態では、電圧レベルのマイナス方向の限界を「上限」とし、ゼロ[v]に近づく方向の限界を「下限」としている(図5参照)。
【0042】
一方、第2フィードバック値V2FBが、下限値VT2min以上であり(S107:NO)、且つ第2目標レベルVT2の上限値VT2maxを上回る場合は(S111:YES)、S113で、現在の第2制御電圧から単位電圧ΔVを減算するように、PWM信号S1のPWM値を変更してS115に進む。なお、第2フィードバック値V2FBが第2目標レベルVT2の許容範囲(上限値VT2max、下限値VT2min)内にある場合は(S107:NO、且つS111:NO)、PWM信号S1のPWM値を変更せずにS115に進む。
【0043】
S115では、第1フィードバック値V1FBが、第1目標レベルVT1の下限値VT1minを下回る場合は(S115:YES)、S117で、現在の第1制御電圧に単位電圧ΔVを加算するように、PWM信号S4のPWM値を変更してS127に進む。
【0044】
一方、第1フィードバック値V1FBが、下限値VT1min以上であり(S115:NO)、且つ第1目標レベルVT1の上限値VT1maxを上回る場合は(S119:YES)、S121で、現在の第1制御電圧から単位電圧ΔVを減算するように、PWM信号S4のPWM値を変更する。そして、S123で、この減算後の第1制御電圧が上記バイアス電圧以下になるかどうかを判断し、バイアス電圧以下でなければ(S123:NO)、S127に進む。
【0045】
これに対して、この減算後の第1制御電圧が上記バイアス電圧以下になる場合は、S125で、第1制御電圧が上述した初期値(0.6[v])になるように、PWM信号S4のPWM値を変更してS127に進む。なお、第1フィードバック値V1FBが第1目標レベルVT1の許容範囲(上限値VT1max、下限値VT1min)内にある場合は(S115:NO、且つS119:NO)、PWM信号S4のPWM値を変更せずにS127に進む。
【0046】
S127では、所定時間(例えば1[ms])待機した後に、所定のクリーニング期間が終了していなければ(S129:NO)、S105に戻り、終了すればS129:YES)、本電圧制御処理を終了する。
【0047】
(本実施形態の効果)
(1)図5は、各制御電圧と各クリーニング電圧との関係を示したグラフである。上記フォトカプラ93では、閾値電圧(0.6[v] フォトカプラ93が有するダイオードの順方向電圧)以下が不感帯領域である。フォトカプラ93の制御入力側の電圧レベル(第1制御電圧)がこの閾値電圧以上のレベルになるまでフォトカプラ93はオンしない。このため、フォトカプラ93の制御入力側への電圧レベルが、この不感帯領域内にあるときの応答遅れが、第1クリーニング電圧V1が第1目標レベルVT1をオーバーシュートする要因の1つであると考えられる。
【0048】
これに対し、本実施形態によれば、フォトカプラ93の制御入力側の電圧レベルを、バイアス回路101のバイアス電圧分だけ嵩上げしつつ、そのバイアス回路101のバイアス電圧に応じた電圧レベルを、初期値として第1制御電圧をフォトカプラ93に出力し始める(図4のS103)。これにより、第1制御電圧の使用レベル領域と、不感帯領域との重なる範囲が狭まり、第1クリーニング電圧V1が第1目標レベルVT1をオーバーシュートすることを抑制できる。
【0049】
上述したように印加回路63はシャント方式を採用しているため、第1クリーニング電圧V1が第2クリーニング電圧V2に引きずられる。このため、第1クリーニング電圧V1の第1目標レベルVT1に対するオーバーシュートがより顕著に現れる。従って、特に本実施形態の構成が有効である。
【0050】
また、PWM制御回路65は、第1制御電圧がバイアス電圧以下になることを制限する(図4のS125)から、第1制御中において、第1制御電圧が不感帯領域に入ることによる応答遅れを抑制できる。
【0051】
<実施形態2>
図6は実施形態2を示す。前記実施形態1との相違は、主として電気的負荷及び印加回路にあり、その他の点は前記実施形態1と同様である。従って、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0052】
(高圧制御装置の構成)
図6は、高圧制御装置11のうち、転写ローラ33(本発明の「転写部材」の一例)、帯電器41の帯電ワイヤ41A及びグリッド41Bへの印加電圧(転写電圧V3,帯電電圧V4、グリッド電圧V5)を生成する構成部分が図示されている。高圧制御装置11は、転写回路111(本発明の「第1電圧生成回路」の一例)、帯電回路113(本発明の「先行動作回路、第2電圧生成回路」の一例)、及び、PWM制御回路115(本発明の「制御部」の一例)を備える。なお、PWM制御回路115は、CPUを内蔵して構成されたものでも、特定用途向け集積回路(ASIC)として構成されたものでもよい。
【0053】
(1)帯電回路
帯電回路113は、PWM信号平滑回路117、グリッド電圧設定回路119、トランスドライブ回路121、昇圧・平滑整流回路123を備えている。PWM信号平滑回路117は、PWM制御回路115のPWMポート115AからのPWM信号S6を受けて平滑しトランスドライブ回路121に与える。トランスドライブ回路121は、自励巻線121Aを有し、受けたPWM信号S6に基づき、昇圧・平滑整流回路123のトランス125に発振電流を流す。このような構成により、トランス125の発振電圧が昇圧及び整流され、帯電ワイヤ41Aに帯電電圧V4として印加される。
【0054】
また、グリッド電圧設定回路119は、オペアンプ127を有し、このオペアンプ127の正端子に、PWM信号平滑回路117からのPWM信号S6が与えられ、負端子に分圧回路129による所定の分圧電圧が与えられている。また、オペアンプ127の出力は、コンデンサ131及び抵抗133を介して負端子に帰還するようになっている。グリッド41Bは、検出抵抗135を介してグランドラインに接続されている。
【0055】
PWM制御回路115は、検出抵抗135の端子電圧に応じた検出信号S7を、A/Dポート115Dから読み取り、グリッド電圧V5を把握する。そして、このグリッド電圧V5を目標レベル(例えば+700V)に近付けるように、上記PWM信号S6のデューティ比を適宜変更して、定電圧制御を実行する。
【0056】
(2)転写回路
転写回路111は、PWM信号平滑回路141、ボルテージフォロワ143、トランスドライブ回路145、昇圧・平滑整流回路147を備えている。PWM信号平滑回路141は、PWM制御回路115のPWMポート115BからのPWM信号S8を受けて平滑し、ボルテージフォロワ143を介してトランスドライブ回路145に与える。ボルテージフォロワ143は、オペアンプの出力側と入力側とをボルテージ接続した構成になっている。
【0057】
トランスドライブ回路145は、第1トランジスタ145A(本発明の「半導体スイッチ素子」の一例)、第2トランジスタ145B(本発明の「許可回路」の回路要素の一例)、自励巻線145Cを有する。第1トランジスタ145A及び第2トランジスタ145Bは、正極性電位(本実施形態ではプラス5[V])ラインと自励巻線145Cとの間に直列接続されている。第2トランジスタ145Bは、帯電回路113が起動し、平滑後のPWM信号S6を受けることでオンする。第1トランジスタ145Aは、第2トランジスタ145Bがオンすることを条件に、オンが許可される。
【0058】
また、第1トランジスタ145Aのコレクタとベースとの間には、バイアス回路149を構成するバイアス抵抗151が接続されている。これにより、第2トランジスタ145Bがオンすると、PWM制御回路115からPWM信号S8が出力される前から、第1トランジスタ145Aのベース電圧レベルは、バイアス回路149によるバイアス電圧(本実施形態では例えば0.6[v])分だけ嵩上げされることになる。
【0059】
トランスドライブ回路145は、ボルテージフォロワ143を介して受けたPWM信号S8に基づき、昇圧・平滑整流回路147のトランス153に発振電流を流す。このような構成により、トランス153の発振電圧が昇圧及び整流され、転写ローラ33に転写電圧V3として印加される。転写回路111の出力側は検出抵抗155,157を介してグランドラインに接続されている。
【0060】
PWM制御回路115は、検出抵抗155,157の分圧電圧に応じた検出信号S9を、A/Dポート115Cから読み取り、転写電流レベルを把握する。そして、この転写電流を目標レベルに近付けるように、上記PWM信号S8のデューティ比を適宜変更して、定電流制御を実行する。PWM信号S8のデューティ比に応じてボルテージフォロワ143に与えられる電圧を、「第3制御電圧」という。
【0061】
(本実施形態の効果)
(1)本実施形態によれば、第1トランジスタ145Aのベース電圧レベルをバイアス回路149により嵩上げしつつ、第3制御電圧を、ボルテージフォロワ143を介して第1トランジスタ145Aのベース側に与える構成である。第3制御電圧は、ボルテージフォロワ143により、バイアス電圧分だけ、第1トランジスタ145Aをオンさせる側にシフトされて、そのベース側に与えられる。このため、第3制御電圧の使用レベル領域に対応する、第1トランジスタ145Aのベース電圧のレベル領域と、不感帯領域との重なる範囲が狭まり、転写電流が目標レベルをオーバーシュートすることを抑制できる。しかも、上記実施形態1とは異なり、バイアス電圧に応じた電圧レベルではなく、ゼロ[v]を初期値として第3制御電圧を出力し始めることができる。
【0062】
(2)また、画像形成過程において、帯電回路113は、転写回路111よりも先に起動する。そして、帯電回路113の起動により第2トランジスタ145Bがオンすると、第1トランジスタ145Aがオンすることが許可されて転写回路111に対する制御が可能となる一方で、帯電回路113が停止すると転写回路111に対する制御が不能になる。このように、帯電回路113のグリッド電圧により、転写回路111に対する制御の入り切りをコントロールできる。
【0063】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。特に、各実施形態の構成要素のうち、最上位の発明の構成要素以外の構成要素は、付加的な要素なので適宜省略可能である。
(1)上記実施形態1では、ベルト27をクリーニングするクリーニング機構13を例に挙げて説明したが、本発明は、例えば転写後、感光体39上に残存したトナーをクリーニングするクリーニング機構にも適用することができる。この場合、感光体39の表面部材が本発明の「被クリーニング体」の一例である。
【0064】
(2)上記実施形態1では、クリーニング機構13は、負極性のクリーニング電圧を利用する構成であったが、例えばトナーが負帯電性であれば、正極性のクリーニング電圧を利用する構成になる。このような構成でも本発明を適用することができる。
【0065】
(3)上記実施形態1において、図3のバイアス回路101を取り除いて、図4に示す制御処理を実行しても、制御電圧が不感帯領域に入るのを抑制することができる。
【0066】
(4)上記実施形態2では、転写回路111の入り切りを、帯電回路113のグリッド電圧に基づきコントロールする構成であったが、本発明はこれに限定されない。例えば次の構成であってもよい。
A.現像ローラ47に印加する現像電圧を生成する現像回路の入り切りを、帯電回路のグリッド電圧に基づきコントロールする構成
B.ベルトクリーニング機構13に印加するクリーニング電圧を生成するクリーナ回路(例えば実施形態1の印加回路63)の入り切りを、帯電回路のグリッド電圧に基づきコントロールする構成
C.転写後、感光体39上に残存したトナーをクリーニングするクリーニング機構、および、印加回路を有する画像形成装置において、帯電回路の入り切りを、上記印加回路がクリーニング機構に印加するクリーニング電圧に基づきコントロールする構成
D.ベルトクリーニング機構13に印加するクリーニング電圧を生成するクリーナ回路(例えば実施形態1の印加回路63)の入り切りを、搬送機構7の駆動回路の駆動電圧に基づきコントロールする構成
E.上記した現像回路、感光体39のクリーニング機構の印加回路、帯電回路の入り切りを、搬送機構7の駆動回路や、感光体39等の回転駆動回路の駆動電圧に基づきコントロールする構成
【0067】
(5)上記実施形態2では、第2トランジスタ145Bがオンするときに、バイアス回路149のバイアス電圧が発生する構成であったが、本発明はこれに限られない。第2トランジスタ145Bのオンオフにかかわらず、バイアス電圧を発生させる構成であってもよい。例えば、図6の構成では、バイアス抵抗151を、正極性電位(本実施形態ではプラス5[V])ラインと、第1トランジスタ145Aのベースとの間に接続すればよい。但し、上記実施形態2の構成であれば、帯電回路113の停止中の消費電力を抑えることができる。
【0068】
(6)上記各実施形態では、バイアス回路によるシフト量(バイアス電圧)を、フォトカプラ93や第1トランジスタ145Aの閾値電圧(0.6[v])と同等レベルに設定したが、本発明はこれに限定されない。例えば0.5[v]などであってもよい。要するに、半導体スイッチ素子をオンさせる側にシフトさせるバイアス電圧であれば、不感体領域による影響を抑制できる。
【0069】
(7)上記実施形態では、電圧生成回路67、転写回路111、帯電回路113は、トランスを備えて高電圧を出力する構成であったが、例えば、チャージポンプ回路を備える構成であってもよい。要するに、高電圧を出力できる電源回路であればよい。
【0070】
(8)上記実施形態のプリンタ1は、複数色のトナーを有するカラープリンタであったが、1色のトナーのみを有する単色(例えばモノクロ)プリンタであってもよい。また、プリンタ1は、複数の発光素子を発光制御することにより感光体39を露光する露光装置43を備える構成であったが、例えばレーザ光によって露光するレーザプリンタであってもよい。要するに、電子写真方式の画像形成装置であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施形態1に係るプリンタの概略断面図
【図2】クリーニング機構の構成図
【図3】クリーニング機構への印加電圧を生成する部分の構成図
【図4】PWM制御回路が実行する制御処理を示すフローチャート
【図5】各制御電圧と各クリーニング電圧との関係を示したグラフ
【図6】転写ローラ、帯電ワイヤ、及び、グリッドへの印加電圧を生成する部分の構成図
【符号の説明】
【0072】
1...プリンタ(画像形成装置)
27...ベルト(被クリーニング体)
33...転写ローラ(転写部材)
39...感光体
41B...グリッド
51...クリーニングローラ(第1クリーニング部材)
53...回収ローラ(第2クリーニング部材)
63...印加回路
65,115...PWM制御回路(制御部)
67...電圧生成回路
69...シャント回路
93...フォトカプラ(半導体スイッチ素子)
101,149...バイアス回路
111...転写回路(第1電圧生成回路)
113...帯電回路(先行動作回路、第2電圧生成回路)
143...ボルテージフォロワ
145A...第1トランジスタ(半導体スイッチ素子)
145B...第2トランジスタ(許可回路の回路要素)
V1...第1クリーニング電圧(印加電圧)
V2...第2クリーニング電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的負荷と、
半導体スイッチ素子を有し、当該半導体スイッチ素子のオンオフに応じた電圧を前記電気的負荷に印加する印加回路と、
前記印加回路の印加電圧が目標レベルに近づくように前記半導体スイッチ素子をオンオフさせるための制御電圧を出力する制御部と、
前記半導体スイッチ素子の制御入力側の電圧レベルを、当該半導体スイッチ素子をオンさせる側にシフトさせるバイアス回路と、
前記制御部の出力側と前記半導体スイッチ素子の制御入力側との間に設けられるボルテージフォロワと、を備える、画像形成装置。
【請求項2】
電気的負荷と、
半導体スイッチ素子を有し、当該半導体スイッチ素子のオンオフに応じた電圧を前記電気的負荷に印加する印加回路と、
前記印加回路の印加電圧が目標レベルに近づくように前記半導体スイッチ素子をオンオフさせるための制御電圧を出力する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記半導体スイッチ素子をオンさせる側にシフトさせた電圧レベルを、初期値として前記制御電圧の出力を開始する、画像形成装置。
【請求項3】
電気的負荷と、
半導体スイッチ素子を有し、当該半導体スイッチ素子のオンオフに応じた電圧を前記電気的負荷に印加する印加回路と、
前記印加回路の印加電圧が目標レベルに近づくように前記半導体スイッチ素子をオンオフさせるための制御電圧を出力する制御部と、
前記半導体スイッチ素子の制御入力側の電圧レベルを、当該半導体スイッチ素子をオンさせる側にシフトさせるバイアス回路と、を備え、
前記制御部は、前記バイアス回路のバイアス電圧に応じた電圧レベルを、初期値として前記制御電圧の出力を開始する、画像形成装置。
【請求項4】
請求項3記載の画像形成装置であって、
前記制御部は、前記制御電圧が、前記バイアス電圧以下になることを制限する構成である。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記印加回路による前記電気的負荷への電圧印加動作の開始前に動作させるべき先行動作回路と、
前記先行動作回路の起動に基づき前記半導体スイッチ素子がオンすることを許可する許可回路と、を備える。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置であって、
感光体と、
前記感光体を帯電させる帯電器が有するグリッドと、
前記電気的負荷としての転写部材と、
前記印加回路としての第1電圧生成回路と、を備え、
前記先行動作回路は、前記グリッドに印加するグリッド電圧を生成する第2電圧生成回路である。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
被クリーニング体と、
前記被クリーニング体上の付着物をクリーニングするための、前記電気的負荷としての第1クリーニング部材と、
前記第1クリーニング部材の付着物をクリーニングするための第2クリーニング部材と、を備え、
前記印加回路は、前記第2クリーニング部材に第2クリーニング電圧を印加する電圧生成回路と、前記半導体スイッチ素子を有するシャント回路とを含み、当該シャント回路を介して前記第1クリーニング部材に前記印加電圧としての第1クリーニング電圧を印加する構成である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−39451(P2010−39451A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−205892(P2008−205892)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】