画像形成装置
【課題】通常は、出力原稿の大半を占めるモノクロに対応するようにし、カラー出力は真に必要なときにすることができ、これにより、不要な各色の濃度調整、位置ずれ補正を行わないようにし、不要なトナー消費、調整時間の発生を抑制するとともに、ユニット劣化を防止し、効率的にカラー画像形成が行える画像形成装置を提供する。
【解決手段】モードスイッチ60は、装置電源をオフにする電源オフモード位置と、電源オン位置であるモノクロモード位置と、同じく電源オン位置であるフルカラーモード位置のいずれかに設定可能である。モノクロモードに設定されている時は、モノクロモード以外の作像に必要な部分への電力供給が遮断される。カラー作像ユニットにおける現像剤濃度センサ24、光学センサ75、光学センサ85からの検出値又は感光体・現像モータ25からの動作信号とROMに記憶された所定値とを比較し、カラー作像ユニットの故障を判断する。故障の時はモノクロモードに切り換えるように表示する。
【解決手段】モードスイッチ60は、装置電源をオフにする電源オフモード位置と、電源オン位置であるモノクロモード位置と、同じく電源オン位置であるフルカラーモード位置のいずれかに設定可能である。モノクロモードに設定されている時は、モノクロモード以外の作像に必要な部分への電力供給が遮断される。カラー作像ユニットにおける現像剤濃度センサ24、光学センサ75、光学センサ85からの検出値又は感光体・現像モータ25からの動作信号とROMに記憶された所定値とを比較し、カラー作像ユニットの故障を判断する。故障の時はモノクロモードに切り換えるように表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、これらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては省エネルギー化の要求が高まる中で、画像形成装置の消費電力低減が求められている。特にフルカラー印刷においては、トナー使用量が多く、また駆動ユニットが多いため、ブラック作像(モノクロモード)よりもより多くの電力が必要となる。
特許文献1には、トナーやインク等の高価な消耗品の節約を確実に行え、さらには、簡単な操作で利用者の意図に沿った複写物が得られる画像形成装置を提供するため、原稿画像を検知して自動的にカラー/モノクロの出力を切り換えて印刷を行う方式が提案されている。
さらに、自動モード切換手段の他に、自動モード切換手段による切り換えに優先してモノクロモードに強制切り換えする優先モード切換手段が設けられている。優先モード切換手段のオン・オフは操作パネル上で行うようになっている。
特許文献2には、主電源スイッチの表面をカバーで覆い、不要なスイッチ操作が行われないようにした構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載された方式のように、カラーモード、モノクロモードの切り換えを操作パネルや原稿検知をもとに行うと、当然のことながら、その時々の原稿に応じてカラーモード、モノクロモードの切り換えがなされることになる。
従って、常にカラー出力できるように備える必要がある。そのためには各色の濃度調整や位置ずれ補正を常時万全の状態にしなければならない。
一方、通常、出力画像の大半は、モノクロであり、カラー出力はわずかである。つまり、わずかなカラー出力を取れるようにするために従来のカラー画像形成装置は頻繁に各色の濃度調整や位置ずれ調整をしていたのである。
【0004】
このような濃度調整、位置ずれ補正にはそれなりの時間がかかり、この時間はマシンを使用することができない。さらに、これらの調整には各色のトナーを消費し、各色の画像形成ユニットを駆動させる必要があり、そのトナー消費、ユニット駆動によるユニット部品の劣化、消費電力の増大は意外に大きなものとなっていた。
特に、近年、オフセット印刷機に取って代わるような大量出力を行うカラープロダクトプリンティングマシンが出てきたが、このような分野ではユニット部品の長寿命化やトナー消費、電力消費の低減、位置ずれ補正にともなうマシン使用不可時間の低減が従来以上に求められるようになってきている。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、カラーモード、モノクロモードの切り換えを主電源スイッチと一体的に構成したスイッチにより行うようにし、通常は出力原稿の大半を占めるモノクロに対応するようにして、不要な各色濃度調整、位置ずれ補正を行わないようにする。
換言すれば、カラー出力が真に必要なときのみカラーモードとなるように設定できるようにして、各色濃度調整、位置ずれ補正を効率的に行う。
電源ONと同時にフルカラーモードかモノクロモードかを選択することにより、モノクロモードの場合は従来行ってきた立ち上げ時のフルカラー用のプロセスコントロールを行わないで済む。また、主電源スイッチと併用することで電源ON・OFF及びモード切り換えを簡易な構成にできる。
こうして、不要なトナー消費、調整時間、ユニット劣化を防止し、効率的にカラーマシンを使用できるようにすることを本発明は主な目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、作像モードとしてモノクロモードとフルカラーモードとを有し、主電源スイッチによって装置の電源のオン・オフを行う画像形成装置において、前記主電源スイッチと、モノクロモードとフルカラーモードとに選択的に手動で切り換えるモード切換手段とを一つのモードスイッチとして一体的に設け、該モードスイッチがモノクロモードに設定されている時は、モノクロモード以外の作像に必要な部分への電力供給を遮断する構成を有しているとともに、フルカラーモード時に動作するカラー作像ユニットの故障を検知するフルカラー故障検知手段を有していることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記モードスイッチは、前記画像形成装置の電源をオフにする電源オフモード位置と、電源オン位置であるモノクロモード位置と、同じく電源オン位置であるフルカラーモード位置のいずれかに設定可能であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、フルカラーモード時にカラー作像ユニットの故障が発生した場合、モノクロモードへのモード切り換えを促すメッセージ表示することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記フルカラー故障検知手段は、現像剤の濃度を検知する現像剤濃度検知センサからの信号、トナーの付着量を検知するトナー付着量検知センサからの信号、前記像担持体を回転駆動するモータの制御信号、現像モータの制御信号のうち少なくとも1つ以上の信号に基づいて故障か否かを判断することを特徴とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1つに記載の画像形成装置において、電源、モノクロモード及びフルカラーモードのオン・オフを行うモード切換機構と、前記モードスイッチの切り換え位置を検知して前記モード切換機構を制御する制御手段とを有していることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、前記カラー作像ユニットの故障が発生した場合、自動的にモノクロモードへ切り換えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記カラー作像ユニットの寿命を検知するフルカラー寿命検知手段を備え、フルカラーモード時に前記カラー作像ユニットが寿命に達し、フルカラーモードでの印刷が不可能になった場合、モノクロモードへの切り換えを促すメッセージを表示することを特徴とする。
【0009】
請求項8に記載の発明は、請求項5又は6に記載の画像形成装置において、前記カラー作像ユニットの寿命を検知するフルカラー寿命検知手段を備え、フルカラーモード時に前記カラー作像ユニットが寿命に達し、フルカラーモードでの印刷が不可能になった場合、自動的にモノクロモードへ切り換えることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の画像形成装置において、前記フルカラー寿命検知手段は、作像印刷枚数又は作像動作時間を計測するカウンタであることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1つに記載の画像形成装置において、モノクロモードがオン時は前記カラー作像ユニットの一部がセットされていなくてもモノクロモードでの印刷は可能であることを特徴とする。
【0010】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか1つに記載の画像形成装置において、モノクロモードがオン時は前記カラー作像ユニットにトナーを補給するためのカラートナーボトルがセットされていなくてもモノクロモードでの印刷が可能であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか1つに記載の画像形成装置において、ブラックを含む各色に対応した複数の像担持体と、前記各像担持体上に形成された潜像を顕像化する現像剤を収容し前記各像担持体に対応して設けられた複数の現像装置と、顕像化されたトナー像が転写される中間転写体とを有し、ブラック以外の色に対応する前記像担持体及び前記現像装置は顕像化されたトナー像を前記中間転写体に転写すべく配置され、ブラックに対応する前記像担持体及び前記現像装置は前記中間転写体とは独立して配置され、前記中間転写体及びブラックに対応する前記像担持体にそれぞれ接触しつつ記録媒体を搬送する転写搬送手段を有し、ブラックに対応する前記像担持体上のトナー像は記録媒体へ直接転写し、記録媒体に、ブラックに対応する前記像担持体上のトナー像と前記中間転写体上のトナー像を重ねて転写することが可能であって、モノクロモード以外の作像に必要な部分には、前記中間転写体を含むことを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の画像形成装置において、前記中間転写体上に作像されたトナー像の付着状態を検知するセンサを備え、モノクロモードでの印刷ジョブ中に、前記モードスイッチがモノクロモード位置からフルカラーモード位置に切り換えられた場合、スイッチ切り換え後のモノクロモードでの印刷ジョブ中にカラー作像ユニットの調整動作を行い、該調整動作は、前記中間転写体上にカラーのトナー像を作像し、前記センサでの検知結果を作像条件にフィードバックすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、通常は、出力原稿の大半を占めるモノクロに対応するようにし、カラー出力は真に必要なときにするようにできる。これにより、不要な各色の濃度調整、位置ずれ補正を行わないようにすることができ、不要なトナー消費、調整時間の発生を抑制するとともに、ユニット劣化を防止し、効率的にカラー画像形成が行える画像形成装置とすることができる。
また、故障や寿命、あるいはカラー作像ユニットやトナーボトルがセットされていないことによるダウンタイムを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の制御ブロック図である。
【図2】故障検知の制御動作を示すフローチャートである。
【図3】寿命検知の制御動作を示すフローチャートである。
【図4】モードスイッチを示す斜視図である。
【図5】モードスイッチが電源オフモード位置に設定された状態の概要水平断面図である。
【図6】モードスイッチがモノクロモード位置に設定された状態の概要断水平面図である。
【図7】モードスイッチがフルカラーモード位置に設定された状態の概要水平断面図である。
【図8】モードスイッチの変形例を示す図である。
【図9】トグルタイプのモードスイッチを示す図で、電源オフモード位置に設定された状態の概要縦断面図である。
【図10】同モードスイッチ位置に設定された状態の概要縦断面図である。
【図11】同フルカラーモード位置に設定された状態の概要縦断面図である。
【図12】第2の実施形態に係るモード切り換え構成を示すブロック図である。
【図13】第2の実施形態における故障検知の制御動作を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施形態におおける寿命検知の制御動作を示すフローチャートである。
【図15】第3の実施形態における制御動作を示すフローチャートである。
【図16】第4の実施形態における制御動作を示すフローチャートである。
【図17】カラー作像ユニットにおける色ずれ調整及び濃度調整の構成を示す概要平面図である。
【図18】画像形成装置の概要構成図である。
【図19】カラー作像ユニットの構成を示す図である。
【図20】モノクロ作像ユニットの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。第1の実施形態を図1乃至図11及び図18乃至図20に基づいて説明する。
まず図18乃至図20に基づいて、各実施形態に共通の画像形成装置100の構成及び動作の概要を説明する。図18に示すように、画像形成装置100は、イエロー、シアン、マゼンタ(以下、Y、C、Mと略する)の3つの画像形成ユニットが中間転写体としての中間転写ベルト7に沿って並置されたタンデム方式であり、中間転写ベルト7に当接して転写材搬送手段としての転写材搬送ベルト8が設置されている。
Y、M、Cの3つの画像形成ユニットと中間転写ベルト7は、「モノクロモード以外の作像に必要な部分」である。
モノクロ作像ユニットとしてのブラックKの画像形成ユニットは、転写材搬送ベルト8の中間転写ベルト当接位置(2次転写部)よりも記録紙(記録媒体、転写材、転写紙ともいう)10の移動方向の下流位置に独立して設けられており、ブラックの画像形成ユニットの像が記録紙に直接転写されるように配置されている。
【0014】
図19に、イエロー、シアン、マゼンタ各色に用いられるカラー画像形成ユニット(カラー作像ユニット)を示す。いずれの作像ユニットでも同様の構成であるので、この図においては、色の区別を示すY、C、Mの表示を省略する。カラー画像形成ユニットは、潜像担持体である感光体1、感光体1表面に電荷を与える帯電装置2、レーザーおよびLEDアレイなどの光源により露光光51を照射して潜像を形成する露光装置5、トナーを潜像に供給してトナー像を形成する現像装置3、トナー像転写後の感光体1表面のクリーニングをするクリーニング装置4、感光体1表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置6をそれぞれ備えている。
帯電装置2は、帯電ローラ2aと、クリーニングローラ2aを有している。現像装置3は、現像ローラ3a、現像剤攪拌搬送部材3b、3d、ドクタブレード3cを有している。クリーニング装置4はクリーニングブレード4aを有している。潤滑剤塗布装置6は、ブラシローラ6a、固形潤滑剤6b、付勢部材6cを有している。
クリーニング装置4はブレードタイプのものであるが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、ファーブラシローラ、磁気ブラシクリーニング方式であっても良い。これらは一体化されてプロセスカートリッジを構成し、画像形成装置から着脱可能な構成となっている。
【0015】
図20に、ブラックに用いられるカラー画像形成ユニット(以下、Y、M、Cのカラー画像形成ユニットと区別するために「モノクロ作像ユニット」という)を示す。なお、Y、M、Cのカラー画像形成ユニットと中間転写ベルト7及びその駆動構成を含めて「カラー作像ユニット」という。
Y、M、Cのカラー画像形成ユニットとの構成上の違いは、潤滑剤塗布装置がないことと、クリーニング装置4Kから現像装置3Kを連結するリサイクルトナー搬送部材3K1を備えていることである。
リサイクルトナー搬送部材3K1によりクリーニング装置4Kで回収されたブラックトナーを再び現像装置3Kへ戻すことで再利用することができる。リサイクルトナー搬送部材3K1内部には搬送用のコイル等を備えても良い。
【0016】
図18に基づいて画像形成装置100の動作(フルカラーモード)を説明する。
スキャナ30で読み取られた原稿、ファクシミリなどの受信データ、又はコンピュータから送信されるカラー画像情報は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと略する)の各色に色分解され、各色の版のデータが形成され、各色の画像形成ユニットの露光装置5に送られる。
均一に帯電された感光体1は、露光装置5によって、画像部を露光され、現像装置3によってトナー像が作られる。なお。Kの露光は独立の露光装置52で露光するようになっているが、露光装置5から露光するようにしても良い。
中間転写ベルト7を挟んで、各カラー感光体1と対向する位置には、感光体1上に形成されたトナー像を中間転写ベルト7上に一次転写する一次転写ローラ71がそれぞれ配置されている。一次転写ローラ71は図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。これにより感光体1Y、1C、1M上に形成されたカラートナー像は、タイミングを合わせて中間転写ベルト7上に転写され、色重ねされたカラートナー像が中間転写ベルト7上に形成される。
【0017】
中間転写ベルト7のローラ72で支持された部分の外側には、転写材搬送ベルト8が内部のローラ81によって当接されている。ローラ81は図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。ローラ72に電圧を印加しても良い。
画像形成装置本体の下部には、転写紙10を載置して2次転写部(中間転写ベルト7と転写材搬送ベルト8の接触部位)に向けて転写紙を送り出す給紙装置20と、ピックアップローラ21が備えられている。用紙はレジストローラ対22まで送り出されて止まっているが、所定のタイミングでレジストローラ対22の回転により転写材搬送ベルト8上に転写紙が送り出される。転写紙は電圧を印加した吸着ローラ23にて転写材搬送ベルト8上に吸着させられ、中間転写ベルト7との当接部まで搬送される。
ローラ72とローラ81で挟まれた中間転写ベルト7と転写材搬送ベルト8の接触部において、中間転写ベルト7上のカラートナー像が転写紙10に転写される。
中間転写ベルト7のローラ73で支持された部分の外側には、二次転写後の中間転写ベルト7の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置74が設けられている。
【0018】
転写材搬送ベルト8内部のブラック感光体1Kと対向する位置にあるローラ82は、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。これにより感光体1K上に作られたブラックトナー像は、転写材搬送ベルト8によって搬送されたカラー画像が形成された記録紙10に直接転写される。転写材搬送ベルト8の搬送面は転写材搬送ベルトクリーニング装置83でクリーニングされる。
転写材搬送ベルト8の上方(用紙搬送方向下流)には、転写紙上のトナー像を転写紙に半永久的に定着させる定着装置9が備えられている。定着装置9は、内部にハロゲンヒータを有する定着ローラ91と加圧ローラ92からなり、それぞれのローラが対向、圧接されている。その当接領域をトナー像が通過することで用紙上のトナー像は定着され、カラー画像が形成される。カラー画像を定着された転写紙10は、排紙ローラ対95により、スキャナ30の下側の空間(胴内空間)に位置する装置上面をなす排紙部96に排出される。
図18において、符号12Y、12M、12C、12Kは、各色の現像装置3にトナーを補充するトナータンク(トナーボトル)を示している。
【0019】
次にモノクロモードでの画像形成動作を説明する。
読み取られたブラック画像のデータに基づいて、露光装置52から、感光体1K上の画像部が露光され、現像装置3Kによってトナー像が作られる。該トナー像は、転写材搬送ベルト8によって搬送される記録紙10上に直接転写され、定着装置9により定着され、モノクロ画像が形成される。
なお、モノクロ画像形成時は、中間転写ベルト7と転写材搬送ベルト8の接触部は図示しない機構により解除されて離間しており、YCMの各画像形成ユニット、及び中間転写ベルト7は動作しない。このため、YCMの各画像形成ユニット、及び中間転写ベルト7の長寿命化を図ることができる。
【0020】
図18において、符号75、84はトナー像の濃度を検知する光学センサをそれぞれ示している。光学センサ75は、中間転写ベルト7に対向する位置であって、中間転写ベルトに対向する最下流の感光体より下流で転写材搬送ベルト8に当接する位置よりも上流の位置に配置されている。
光学センサ75は中間転写ベルト7の移動方向と直交する幅方向(主走査方向)に複数設置されている。本実施形態では後述するように、中央、左右の3つの位置に取り付けられている。光学センサ75は光出射部と光受光部とからなり、光出射部から射出され中間転写ベルト7から反射した光を受光部にて検知するようになっている。ここで反射光としては正反射光と拡散反射光の2種類を受光できるような2つの受光部を備えている。これにより反射特性から、各色トナーの付着量やトナー付着位置を算出することが可能となる。
光学センサ75により、カラーステーションであるY、C、Mのそれぞれのトナー付着量と位置ズレ量を検知することが可能である。
一方、光学センサ84は、転写材搬送ベルト8に対向する記録媒体搬送方向の下流の位置であって、転写材搬送ベルト8と中間転写ベルト7とが当接する位置よりも下流の位置に配置されている。
光学センサ84は転写材搬送ベルト8の移動方向と直交する幅方向(主走査方向)に複数設置されている。本実施形態では中央、左右の3つの位置に取り付けられている。光学センサ84においてはカラーステーションであるY、C、MおよびKステーションの全ての色を含めたトナー付着量と位置ズレ量を検知することが可能である。
図18において、符号15は手差しトレイを、60は主電源スイッチを兼ねたモードスイッチを示している。
【0021】
以下、モードスイッチ60の構成及び機能について詳細に説明する。
図4に示すように、モードスイッチ60は、主電源スイッチと、モノクロモードとフルカラーモードとに選択的に手動で切り換えるモード切換手段とが一体に構成されたハードスイッチである。
図4(a)はモードスイッチ60の左側を押し込んだ状態を示しており、これは従来の主電源スイッチによるオフと同じ電源オフモード位置である。図4(b)はモノクロモード位置を示しており、1つの電源オンモード位置である。図4(c)はフルカラーモード位置を示しており、これも1つの電源オンモード位置である。
図4(a)において、符号62は装置側板(図4(b)、(c)では省略)を示している。
【0022】
図5に示すように、モードスイッチ60は、軸66により図示しないブラケットを介して装置側板62に回転自在に支持されており、且つ、各設定位置ではスナップフィット的に位置決めされるようになっている。
フルカラーモード位置側は扇形の厚肉形状を有しており、その周面には導電部68が形成されている。導電部68に対向する装置本体側には、接続端子70a、70b、70cが設けられており、導電部68は接続端子70a、70c間を電気的に接続する長さを有している。
接続端子70a、70bが電気的に接続されると、モノクロモードでの印刷に必要なモノクロ作像ユニット(BW作像系)のみに電力供給がなされ、モノクロモード以外の作像に必要な部分、すなわち、カラー作像ユニット及び中間転写ベルト7への電力供給が遮断される。符号71は電源を示している。
また、モノクロモードに設定された場合、フルカラーモード時に比べて線速が速く設定されるとともに、定着目標温度が低く設定される。
接続端子70a、70cが電気的に接続されると、フルカラーモードでの印刷に必要なフルカラー作像ユニット(BW作像系+FC作像系)に電力供給がなされる。ここで、「FC作像系」とは、ブラックを除くY、M、Cのカラー作像ユニットを指す。
【0023】
図5は、モードスイッチ60が電源オフモード位置に設定された状態を示している。これは従来の主電源スイッチによる電源オフ状態に相当する。
モードスイッチ60をモノクロモード位置に設定(切り換えと同義)すると、図6に示すように、導電部68により接続端子70a、70bが電気的に接続され、モノクロモードでの印刷に必要なモノクロ作像ユニット(BW作像系)のみに電力供給がなされ、モノクロモード以外の作像に必要な部分への電力供給が遮断される。従って、モードスイッチ60により、モノクロ作像ユニット及びカラー作像ユニットへの給電を管理することができる。
上記画像形成装置の構成に基づいて具体的に説明すると、モードスイッチ60をモノクロモードに設定された場合、Y、M、Cの3つの画像形成ユニットや中間転写ベルト7等を駆動するための電力供給は遮断される。モノクロモード時は各色の位置ずれ調整や、ブラック以外の画像濃度の調整などを行わないようになっている。これにより、不要な動作による電力消費やブラック以外のトナー消費を減らすことができる。
モードスイッチ60をフルカラーモード位置に設定すると、図7に示すように、従来の主電源スイッチによるオン状態と同様に、BW作像系及びFC作像系に電力供給がなされる。
フルカラーモード時は従来の画像形成装置と同様に定期的に各色の位置ずれ調整や、画像濃度の調整(プロセスコントロール)などが行われる。
【0024】
図8に示すように、モノクロモード位置とフルカラーモード位置との間を電源オフモード位置とし、モノクロモードからフルカラーモードへ切り換えるとき、及びフルカラーモードからモノクロモードへの切り換えるときは、電源オフモード位置を経由する構成としてもよい。
図8(a)はモノクロモード位置に設定された状態を、(b)は電源オフモード位置に設定された状態を、(c)はフルカラーモード位置に設定された状態を示している。
このようにすれば、モノクロモードとフルカラーモードとでは、電源オフモードから電源を投入するときに反対方向の操作を行う必要があるため、モノクロモード、フルカラーモードを意識的に選択する構成とすることができる。
【0025】
モードスイッチとしては、図9乃至図11に示すように、トグル方式としてもよい。
図9に示すように、モードスイッチ76は、軸77を介して装置側板78に回転自在に設けられた円筒部79と、上下方向に操作される操作部80とを有している。円筒部79には導電部85が設けられ、装置側板78には接続端子86a、86b、86cが設けられている。導電部85は接続端子86a、86c間を電気的に接続する長さを有している。
図9は電源オフモード位置(PO)を、図10はモノクロ作像ユニットのみがオンするモノクロモード位置(BW−ON)を、図11はモノクロ作像ユニット及びカラー作像ユニットがオンするフルカラーモード位置(FC−ON)を示している。
モードスイッチ76による電力供給態様の変化は上記と同様であるので省略する。
【0026】
図1に本実施形態における制御ブロック図を示す。
画像形成装置100の制御手段37は、CPU、I/Oインターフェース、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータである。制御手段37はモードスイッチ60、76がどの位置にあるかを図示しない接続回路又は位置センサによって把握できるようになっている。
画像形成装置100には制御手段37を介して、有線方式(LAN等)又は無線方式(無線LAN、Bluetooth、IrDA等)でパーソナルコンピュータ(以下、単に「PC」という)125が通信可能に接続されている。
【0027】
フルカラー故障検知手段について以下に説明する。フルカラー故障検知手段とは、黒色以外の作像装置における故障を検知する手段であって、装置の動作異常を検知するものである。検知手段としては、現像装置内の現像剤の濃度を検知する現像剤濃度センサ24、中間転写ベルト7に対向して配置されたトナー付着量センサとしての光学センサ75、感光体1に対するトナー付着量センサとしての光学センサ85、感光体および現像モータ25の動作信号がある。
制御手段37のROMには、これらの検出値や動作信号について故障と判断するための所定値が予め記憶されている。
上記各検出値のうちどれか一つでも所定値を超えた場合には、制御手段37はカラー作像ユニットの故障と判断する。
現像剤濃度センサ24、光学センサ75、光学センサ27について、予め決められたタイミングで検知した結果を出力し、その出力値により濃度調整動作を行っている。検知タイミングは電源ON、通紙枚数ごと、プリント信号入出力時、濃度が濃かった時、薄かった時、等である。数回(条件により異なる)の調整でも、正常な動作が得られない場合は、異常として表示する。
後述するように、異常検知時にはメッセージ表示手段を介してその旨をユーザに通知するようになっている。メッセージ表示手段としては画像形成装置本体の操作パネルやPC125の画面上におけるダイアログ表示などでもよい。
【0028】
フルカラー寿命検知手段について以下に説明する。フルカラー寿命検知手段とは、黒色以外の作像装置(感光体、現像装置、現像剤など)における寿命を検知する手段であって、装置の寿命を検知するものである。検知手段としては、感光体・現像モータ25の駆動時間から動作距離を計測する距離カウンタ26や、出力枚数をカウントする枚数カウンタ27などである。
制御手段37のROMには、所定の寿命距離および枚数の閾値が記憶されている。
これらのカウンタ値と、所定の寿命距離および枚数の閾値とを比較することで、これらのカウンタ値が所定値や閾値を超えた場合には、制御手段37はカラー作像ユニットの寿命と判断する。
なお、寿命検知時にはメッセージ表示手段を介してその旨をユーザに通知するようになっている。メッセージ表示手段としては画像形成装置本体の操作パネルやPC125の画面上におけるダイアログ表示などでもよい。
また、制御手段37には、カラー作像ユニットの装着の有無を検知するカラー作像ユニット検知センサ28、トナーボトルの装着の有無を検知するトナーボトル29から検知信号が送信されるようになっている。
【0029】
図2に基づいて、フルカラー故障検知動作を説明する。
制御手段37は、YMCのカラー作像ユニットにおける現像剤濃度センサ24、光学センサ75、光学センサ85からの検出値又は感光体・現像モータ25からの動作信号とROMに記憶された所定値(閾値)とを比較し、カラー作像ユニットの故障を判断する。
いずれかについて故障と判断された場合には、モードスイッチ60又は76がフルカラーモードに設定されているか否かをチェックし、フルカラーモードに設定されている場合には、上記メッセージ表示手段を介して、例えば「カラー作像ユニットが故障です。モノクロモードに切り換えて下さい。」なる旨の表示をし、ユーザにモードスイッチの切り換えを促す。
その後、ユーザがモードスイッチをモノクロモードに切り換えたか否かをチェックし、切り換えた場合にはモノクロモードでの設定となる。切り換えなかった場合には、画像形成動作を停止する。
このようにすることで、ユーザのニーズに合わせて選択することができ、生産性を向上させることができるとともに、画像品質の維持ができる。
フルカラー故障検知は、上記複数の検知手段のうち1つの検知手段の検知値に基づいて行ってもよく、複数の検知手段の検知値に基づいて行ってもよい。
【0030】
図3に基づいて、フルカラー寿命検知動作を説明する。
制御手段37は、距離カウンタ26のカウント値(時間)に基づいてカラー作像ユニットの感光体・現像モータ25の動作距離を算出し、これを過去の通算動作距離に加算して通算距離を更新し、これと所定の寿命距離とを比較する。
あるいは、カラー作像ユニットについての枚数カウンタ27のカウント値(枚数)と枚数の閾値とを比較する。
いずれかについて寿命と判断された場合には、モードスイッチ60又は76がフルカラーモードに設定されているか否かをチェックし、フルカラーモードに設定されている場合には、上記メッセージ表示手段を介して、例えば「カラー作像ユニットが寿命です。モノクロモードに切り換えて下さい。」なる旨の表示をし、ユーザにモードスイッチの切り換えを促す。
その後、ユーザがモードスイッチをモノクロモードに切り換えたか否かをチェックし、切り換えた場合にはモノクロモードでの設定となる。切り換えなかった場合には、画像形成動作を停止する。
このようにすることで、ユーザのニーズに合わせて選択することができ、生産性を向上させることができるとともに、画像品質の維持ができる。
フルカラー寿命検知は、上記複数の検知手段のうち1つの検知手段の検知値に基づいて行ってもよく、複数の検知手段の検知値に基づいて行ってもよい。
【0031】
図12乃至図14に基づいて第2の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する。
第1の実施形態では、モードスイッチ自体が直接電気接点の機能を有する構成としたが、本実施形態ではモードスイッチによる切り換え位置を検知してモード切換機構を介して切り換える構成を有している。
図12に示すように、本実施形態におけるモードスイッチ87は、上記実施形態におけるモードスイッチ60、76と構成は同様であるが、カラー作像ユニット及びモノクロ作像ユニットに接続されておらず、制御手段37はモードスイッチ87がどの位置にあるかを図示しない接続回路又は位置センサによって把握できるようになっている。なお、図12では、図1で示した他の制御要素は省略している。
モード切換機構89は、ステッピングモータ40と、ステッピングモータ40の回転軸に固定されたピニオン41と、ピニオン41に噛み合うラック42と、ラック42のホームポジションを検知するHPセンサ43を有している。ラック42は図示しないガイドにより直線移動が可能となっている。
モノクロ作像ユニットのスイッチ44と、カラー作像ユニットのスイッチ45は、通常は開いたオフ状態にあり、ラック42が当接して押圧されることにより閉じるようになっている。
【0032】
図12は、モードスイッチ87が電源オフモード位置にある状態を示している。モードスイッチ87がモノクロモード位置に設定されると、制御手段37はラック42がBW−ON(モノクロモードオン)位置に位置するようにステッピングモータ40を駆動する。ラック42がBW−ON位置に移動すると、モノクロ作像ユニットのスイッチ44が閉じ、モノクロ作像ユニットのみに電力供給がなされる。カラー作像ユニットへの電力供給は遮断されている。ここでは、BW作像系とFC作像系のそれぞれに電源71を設けているが、共通の電源を使用する接続構成としてもよい。
モードスイッチ87がフルカラーモード位置に設定されたときは、制御手段37はラック42がFC−ON(フルカラーモードオン)位置に位置するようにステッピングモータ40を駆動する。ラック42がFC−ON位置に移動すると、モノクロ作像ユニットのスイッチ44と、カラー作像ユニットのスイッチ45とが共に閉じた状態となり、全作像ユニット(フルカラー作像ユニット)への電力供給がなされる。
【0033】
図13に基づいて、本実施形態におけるフルカラー故障検知動作を説明する。
故障と判断された場合には、モードスイッチ87がフルカラーモードに設定されているか否かをチェックし、フルカラーモードに設定されている場合には、制御手段37はステッピングモータ40を駆動してモードスイッチ87をモノクロモードに自動的に切り換える。これにより、モノクロモードでの画像形成が実行される。
図示しないが、モノクロモードに切り換えた後に、上記メッセージ表示手段を介して、例えば「カラー作像ユニットが故障であるため、モノクロモードでの印刷しかできません。」なる旨の表示をしてもよい。
自動的に切り換えることにより、故障によるダウンタイムを無くし、生産性を向上させることができる。
フルカラー寿命検知動作を図14に示す。上記と同様に、寿命と判断された場合には、モードスイッチ87がフルカラーモードに設定されているか否かをチェックし、フルカラーモードに設定されている場合には、制御手段37はステッピングモータ40を駆動してモードスイッチ87をモノクロモードに自動的に切り換える。これにより、モノクロモードでの画像形成が実行される。
図示しないが、切り換えた後に、上記メッセージ表示手段を介して、例えば「カラー作像ユニットが寿命で使用できないため、モノクロモードでの印刷しかできません。」なる旨の表示をする。
自動的に切り換えることにより、寿命によるダウンタイムを無くし、生産性を向上させることができる。
【0034】
図15に基づいて第3の実施形態を説明する。
制御手段37は、カラー作像ユニット検知センサ28からの信号に基づいてカラー作像ユニットが装着されているか否かをチェックし、装着されている場合には、モノクロモード、フルカラーモードのいずれも実施可能な通常の画像形成となる。
カラー作像ユニット検知センサ28はYMC個々に設けられており、いずれか1つの色のユニットが装着されていない場合は装着されていないと判断される。
カラー作像ユニットが装着されていない場合は、モードスイッチ87がフルカラーモードに設定されているか否かをチェックし、フルカラーモードに設定されている場合には、画像形成動作を停止し、「カラー作像ユニットが装着されていません。」なる旨の表示を行う。
モードスイッチ87がモノクロモードに設定されている場合には、モノクロモードでの作像が可能となる。
カラー作像ユニットがメンテナンス等によって装着されていなくても、モノクロモードでの印刷が可能となり、カラー作像ユニットについての部品交換やメンテナンスが終わるまで待つことによるダウンタイムを低減でき、生産性の向上を図ることができる。
【0035】
図16に基づいて第4の実施形態を説明する。
制御手段37は、色別のトナーボトル検知センサ29からの信号に基づいてカラートナーボトルがセットされているか否かをチェックし、YMC全てセットされている場合には、モノクロモード、フルカラーモードのいずれも実施可能な通常の画像形成となる。
YMCのうち1つでもセットされていない場合はセットされていないと判断される。
カラートナーボトルがセットされていない場合は、モードスイッチ87がフルカラーモードに設定されているか否かをチェックし、フルカラーモードに設定されている場合には、画像形成動作を停止し、「カラートナーボトルがセットされていません。」なる旨の表示を行う。
モードスイッチ87がモノクロモードに設定されている場合には、モノクロモードでの作像が可能となる。
カラートナーボトルがセットされていなくても、モノクロモードでの印刷が可能となり、カラートナーボトルの交換が終わるまで待つことによるダウンタイムを低減でき、生産性の向上を図ることができる。
【0036】
上述のように、本実施形態に係る画像形成装置は、モノクロ作像ユニットがカラー作像ユニットから独立して設けられているので、モノクロモードで印刷中にカラー作像ユニットの調整動作が可能となる。
カラー作像ユニットにおける調整動作は、中間転写ベルト7上に、YCMのカラートナーによって階調パターンなどの画像濃度測定パターンおよび色ずれパターンなどの位置情報パターンを作像し、光学センサ75で反射による付着量および作像位置を検知することによりなされる。
【0037】
カラー作像ユニットの色ずれ調整及び濃度調整動作を図17に基づいて説明する。
上述したように、光学センサ75は、中間転写ベルト7の移動方向と直交する幅方向に、センサホルダ56を介して3箇所に設けられており、光学センサ75の位置に合わせて中間転写ベルト7上に形成される諧調性(例えばベルト移動方向に段階的に濃くなる)を持つ各色のトナーパターンPy、Pc、Pmを検知できるようになっている。
トナーパターンの反射率よりトナー付着量を算出し、画像形成時の付着量が適正になるように画像形成条件を調整したり(プロセスコントロール)、色ずれ量を検出して、各色の露光位置を調整するのがカラー作像ユニットにおける画像調整モードである。
【0038】
モノクロ作像ユニットがカラー作像ユニットと共に並置された一般的なタンデム型の画像形成装置では、トナーパターンの形成は、Py、Pc、Pmと共に、ブラックのPkも同時に形成される。
モノクロモードでの印刷と並行してカラー作像ユニットの調整を行うことで、次のフルカラーモードでの印刷ジョブまでの立ち上げを速くすることができ、生産性が向上する。
【0039】
上記各実施形態では、カラー作像ユニットから独立したモノクロ作像ユニットが2次転写部の下流に配置された構成を例示したが、モノクロ作像ユニットが上流に配置された構成においても同様に実施することができる。
また、上記各実施形態では、モノクロ作像ユニットがカラー作像ユニットから独立した画像形成装置を例示したが、モノクロ作像ユニットがカラー作像ユニットと共に並置された従来のタンデム型の画像形成装置(中間転写方式、直接転写方式の双方を含む)においても同様に実施することができる。上記のようにモノクロ作像ユニットを独立した配置構成とすれば、モノクロモード時、中間転写ベルト7を「モノクロモード以外の作像に必要な部分」として電力供給の対象から外すことができるので、省電力の効果は大きい。
また、上記各実施形態では、感光体に静電潜像を形成する電子写真方式の画像形成装置の適用について例示したが、インクジェット方式等の画像形成装置においても同様に実施できる。
【符号の説明】
【0040】
1 像担持体としての感光体
7 中間転写体としての中間転写ベルト
8 転写材搬送手段としての転写材搬送ベルト
24 フルカラー故障検知手段としての現像剤濃度センサ
25 フルカラー故障検知手段としての感光体・現像モータ
26 フルカラー寿命検知手段としての距離カウンタ
27 フルカラー寿命検知手段としての枚数カウンタ
37 制御手段
60、76、87 モードスイッチ
75 フルカラー故障検知手段としての光学センサ
85 フルカラー故障検知手段としての光学センサ
89 モードモード切換機構
【先行技術文献】
【特許文献】
【0041】
【特許文献1】特開2006−138930号公報
【特許文献2】特開2004−341947号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、これらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては省エネルギー化の要求が高まる中で、画像形成装置の消費電力低減が求められている。特にフルカラー印刷においては、トナー使用量が多く、また駆動ユニットが多いため、ブラック作像(モノクロモード)よりもより多くの電力が必要となる。
特許文献1には、トナーやインク等の高価な消耗品の節約を確実に行え、さらには、簡単な操作で利用者の意図に沿った複写物が得られる画像形成装置を提供するため、原稿画像を検知して自動的にカラー/モノクロの出力を切り換えて印刷を行う方式が提案されている。
さらに、自動モード切換手段の他に、自動モード切換手段による切り換えに優先してモノクロモードに強制切り換えする優先モード切換手段が設けられている。優先モード切換手段のオン・オフは操作パネル上で行うようになっている。
特許文献2には、主電源スイッチの表面をカバーで覆い、不要なスイッチ操作が行われないようにした構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載された方式のように、カラーモード、モノクロモードの切り換えを操作パネルや原稿検知をもとに行うと、当然のことながら、その時々の原稿に応じてカラーモード、モノクロモードの切り換えがなされることになる。
従って、常にカラー出力できるように備える必要がある。そのためには各色の濃度調整や位置ずれ補正を常時万全の状態にしなければならない。
一方、通常、出力画像の大半は、モノクロであり、カラー出力はわずかである。つまり、わずかなカラー出力を取れるようにするために従来のカラー画像形成装置は頻繁に各色の濃度調整や位置ずれ調整をしていたのである。
【0004】
このような濃度調整、位置ずれ補正にはそれなりの時間がかかり、この時間はマシンを使用することができない。さらに、これらの調整には各色のトナーを消費し、各色の画像形成ユニットを駆動させる必要があり、そのトナー消費、ユニット駆動によるユニット部品の劣化、消費電力の増大は意外に大きなものとなっていた。
特に、近年、オフセット印刷機に取って代わるような大量出力を行うカラープロダクトプリンティングマシンが出てきたが、このような分野ではユニット部品の長寿命化やトナー消費、電力消費の低減、位置ずれ補正にともなうマシン使用不可時間の低減が従来以上に求められるようになってきている。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、カラーモード、モノクロモードの切り換えを主電源スイッチと一体的に構成したスイッチにより行うようにし、通常は出力原稿の大半を占めるモノクロに対応するようにして、不要な各色濃度調整、位置ずれ補正を行わないようにする。
換言すれば、カラー出力が真に必要なときのみカラーモードとなるように設定できるようにして、各色濃度調整、位置ずれ補正を効率的に行う。
電源ONと同時にフルカラーモードかモノクロモードかを選択することにより、モノクロモードの場合は従来行ってきた立ち上げ時のフルカラー用のプロセスコントロールを行わないで済む。また、主電源スイッチと併用することで電源ON・OFF及びモード切り換えを簡易な構成にできる。
こうして、不要なトナー消費、調整時間、ユニット劣化を防止し、効率的にカラーマシンを使用できるようにすることを本発明は主な目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、作像モードとしてモノクロモードとフルカラーモードとを有し、主電源スイッチによって装置の電源のオン・オフを行う画像形成装置において、前記主電源スイッチと、モノクロモードとフルカラーモードとに選択的に手動で切り換えるモード切換手段とを一つのモードスイッチとして一体的に設け、該モードスイッチがモノクロモードに設定されている時は、モノクロモード以外の作像に必要な部分への電力供給を遮断する構成を有しているとともに、フルカラーモード時に動作するカラー作像ユニットの故障を検知するフルカラー故障検知手段を有していることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記モードスイッチは、前記画像形成装置の電源をオフにする電源オフモード位置と、電源オン位置であるモノクロモード位置と、同じく電源オン位置であるフルカラーモード位置のいずれかに設定可能であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、フルカラーモード時にカラー作像ユニットの故障が発生した場合、モノクロモードへのモード切り換えを促すメッセージ表示することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記フルカラー故障検知手段は、現像剤の濃度を検知する現像剤濃度検知センサからの信号、トナーの付着量を検知するトナー付着量検知センサからの信号、前記像担持体を回転駆動するモータの制御信号、現像モータの制御信号のうち少なくとも1つ以上の信号に基づいて故障か否かを判断することを特徴とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1つに記載の画像形成装置において、電源、モノクロモード及びフルカラーモードのオン・オフを行うモード切換機構と、前記モードスイッチの切り換え位置を検知して前記モード切換機構を制御する制御手段とを有していることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、前記カラー作像ユニットの故障が発生した場合、自動的にモノクロモードへ切り換えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記カラー作像ユニットの寿命を検知するフルカラー寿命検知手段を備え、フルカラーモード時に前記カラー作像ユニットが寿命に達し、フルカラーモードでの印刷が不可能になった場合、モノクロモードへの切り換えを促すメッセージを表示することを特徴とする。
【0009】
請求項8に記載の発明は、請求項5又は6に記載の画像形成装置において、前記カラー作像ユニットの寿命を検知するフルカラー寿命検知手段を備え、フルカラーモード時に前記カラー作像ユニットが寿命に達し、フルカラーモードでの印刷が不可能になった場合、自動的にモノクロモードへ切り換えることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の画像形成装置において、前記フルカラー寿命検知手段は、作像印刷枚数又は作像動作時間を計測するカウンタであることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1つに記載の画像形成装置において、モノクロモードがオン時は前記カラー作像ユニットの一部がセットされていなくてもモノクロモードでの印刷は可能であることを特徴とする。
【0010】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか1つに記載の画像形成装置において、モノクロモードがオン時は前記カラー作像ユニットにトナーを補給するためのカラートナーボトルがセットされていなくてもモノクロモードでの印刷が可能であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか1つに記載の画像形成装置において、ブラックを含む各色に対応した複数の像担持体と、前記各像担持体上に形成された潜像を顕像化する現像剤を収容し前記各像担持体に対応して設けられた複数の現像装置と、顕像化されたトナー像が転写される中間転写体とを有し、ブラック以外の色に対応する前記像担持体及び前記現像装置は顕像化されたトナー像を前記中間転写体に転写すべく配置され、ブラックに対応する前記像担持体及び前記現像装置は前記中間転写体とは独立して配置され、前記中間転写体及びブラックに対応する前記像担持体にそれぞれ接触しつつ記録媒体を搬送する転写搬送手段を有し、ブラックに対応する前記像担持体上のトナー像は記録媒体へ直接転写し、記録媒体に、ブラックに対応する前記像担持体上のトナー像と前記中間転写体上のトナー像を重ねて転写することが可能であって、モノクロモード以外の作像に必要な部分には、前記中間転写体を含むことを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の画像形成装置において、前記中間転写体上に作像されたトナー像の付着状態を検知するセンサを備え、モノクロモードでの印刷ジョブ中に、前記モードスイッチがモノクロモード位置からフルカラーモード位置に切り換えられた場合、スイッチ切り換え後のモノクロモードでの印刷ジョブ中にカラー作像ユニットの調整動作を行い、該調整動作は、前記中間転写体上にカラーのトナー像を作像し、前記センサでの検知結果を作像条件にフィードバックすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、通常は、出力原稿の大半を占めるモノクロに対応するようにし、カラー出力は真に必要なときにするようにできる。これにより、不要な各色の濃度調整、位置ずれ補正を行わないようにすることができ、不要なトナー消費、調整時間の発生を抑制するとともに、ユニット劣化を防止し、効率的にカラー画像形成が行える画像形成装置とすることができる。
また、故障や寿命、あるいはカラー作像ユニットやトナーボトルがセットされていないことによるダウンタイムを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の制御ブロック図である。
【図2】故障検知の制御動作を示すフローチャートである。
【図3】寿命検知の制御動作を示すフローチャートである。
【図4】モードスイッチを示す斜視図である。
【図5】モードスイッチが電源オフモード位置に設定された状態の概要水平断面図である。
【図6】モードスイッチがモノクロモード位置に設定された状態の概要断水平面図である。
【図7】モードスイッチがフルカラーモード位置に設定された状態の概要水平断面図である。
【図8】モードスイッチの変形例を示す図である。
【図9】トグルタイプのモードスイッチを示す図で、電源オフモード位置に設定された状態の概要縦断面図である。
【図10】同モードスイッチ位置に設定された状態の概要縦断面図である。
【図11】同フルカラーモード位置に設定された状態の概要縦断面図である。
【図12】第2の実施形態に係るモード切り換え構成を示すブロック図である。
【図13】第2の実施形態における故障検知の制御動作を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施形態におおける寿命検知の制御動作を示すフローチャートである。
【図15】第3の実施形態における制御動作を示すフローチャートである。
【図16】第4の実施形態における制御動作を示すフローチャートである。
【図17】カラー作像ユニットにおける色ずれ調整及び濃度調整の構成を示す概要平面図である。
【図18】画像形成装置の概要構成図である。
【図19】カラー作像ユニットの構成を示す図である。
【図20】モノクロ作像ユニットの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。第1の実施形態を図1乃至図11及び図18乃至図20に基づいて説明する。
まず図18乃至図20に基づいて、各実施形態に共通の画像形成装置100の構成及び動作の概要を説明する。図18に示すように、画像形成装置100は、イエロー、シアン、マゼンタ(以下、Y、C、Mと略する)の3つの画像形成ユニットが中間転写体としての中間転写ベルト7に沿って並置されたタンデム方式であり、中間転写ベルト7に当接して転写材搬送手段としての転写材搬送ベルト8が設置されている。
Y、M、Cの3つの画像形成ユニットと中間転写ベルト7は、「モノクロモード以外の作像に必要な部分」である。
モノクロ作像ユニットとしてのブラックKの画像形成ユニットは、転写材搬送ベルト8の中間転写ベルト当接位置(2次転写部)よりも記録紙(記録媒体、転写材、転写紙ともいう)10の移動方向の下流位置に独立して設けられており、ブラックの画像形成ユニットの像が記録紙に直接転写されるように配置されている。
【0014】
図19に、イエロー、シアン、マゼンタ各色に用いられるカラー画像形成ユニット(カラー作像ユニット)を示す。いずれの作像ユニットでも同様の構成であるので、この図においては、色の区別を示すY、C、Mの表示を省略する。カラー画像形成ユニットは、潜像担持体である感光体1、感光体1表面に電荷を与える帯電装置2、レーザーおよびLEDアレイなどの光源により露光光51を照射して潜像を形成する露光装置5、トナーを潜像に供給してトナー像を形成する現像装置3、トナー像転写後の感光体1表面のクリーニングをするクリーニング装置4、感光体1表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置6をそれぞれ備えている。
帯電装置2は、帯電ローラ2aと、クリーニングローラ2aを有している。現像装置3は、現像ローラ3a、現像剤攪拌搬送部材3b、3d、ドクタブレード3cを有している。クリーニング装置4はクリーニングブレード4aを有している。潤滑剤塗布装置6は、ブラシローラ6a、固形潤滑剤6b、付勢部材6cを有している。
クリーニング装置4はブレードタイプのものであるが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、ファーブラシローラ、磁気ブラシクリーニング方式であっても良い。これらは一体化されてプロセスカートリッジを構成し、画像形成装置から着脱可能な構成となっている。
【0015】
図20に、ブラックに用いられるカラー画像形成ユニット(以下、Y、M、Cのカラー画像形成ユニットと区別するために「モノクロ作像ユニット」という)を示す。なお、Y、M、Cのカラー画像形成ユニットと中間転写ベルト7及びその駆動構成を含めて「カラー作像ユニット」という。
Y、M、Cのカラー画像形成ユニットとの構成上の違いは、潤滑剤塗布装置がないことと、クリーニング装置4Kから現像装置3Kを連結するリサイクルトナー搬送部材3K1を備えていることである。
リサイクルトナー搬送部材3K1によりクリーニング装置4Kで回収されたブラックトナーを再び現像装置3Kへ戻すことで再利用することができる。リサイクルトナー搬送部材3K1内部には搬送用のコイル等を備えても良い。
【0016】
図18に基づいて画像形成装置100の動作(フルカラーモード)を説明する。
スキャナ30で読み取られた原稿、ファクシミリなどの受信データ、又はコンピュータから送信されるカラー画像情報は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと略する)の各色に色分解され、各色の版のデータが形成され、各色の画像形成ユニットの露光装置5に送られる。
均一に帯電された感光体1は、露光装置5によって、画像部を露光され、現像装置3によってトナー像が作られる。なお。Kの露光は独立の露光装置52で露光するようになっているが、露光装置5から露光するようにしても良い。
中間転写ベルト7を挟んで、各カラー感光体1と対向する位置には、感光体1上に形成されたトナー像を中間転写ベルト7上に一次転写する一次転写ローラ71がそれぞれ配置されている。一次転写ローラ71は図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。これにより感光体1Y、1C、1M上に形成されたカラートナー像は、タイミングを合わせて中間転写ベルト7上に転写され、色重ねされたカラートナー像が中間転写ベルト7上に形成される。
【0017】
中間転写ベルト7のローラ72で支持された部分の外側には、転写材搬送ベルト8が内部のローラ81によって当接されている。ローラ81は図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。ローラ72に電圧を印加しても良い。
画像形成装置本体の下部には、転写紙10を載置して2次転写部(中間転写ベルト7と転写材搬送ベルト8の接触部位)に向けて転写紙を送り出す給紙装置20と、ピックアップローラ21が備えられている。用紙はレジストローラ対22まで送り出されて止まっているが、所定のタイミングでレジストローラ対22の回転により転写材搬送ベルト8上に転写紙が送り出される。転写紙は電圧を印加した吸着ローラ23にて転写材搬送ベルト8上に吸着させられ、中間転写ベルト7との当接部まで搬送される。
ローラ72とローラ81で挟まれた中間転写ベルト7と転写材搬送ベルト8の接触部において、中間転写ベルト7上のカラートナー像が転写紙10に転写される。
中間転写ベルト7のローラ73で支持された部分の外側には、二次転写後の中間転写ベルト7の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置74が設けられている。
【0018】
転写材搬送ベルト8内部のブラック感光体1Kと対向する位置にあるローラ82は、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。これにより感光体1K上に作られたブラックトナー像は、転写材搬送ベルト8によって搬送されたカラー画像が形成された記録紙10に直接転写される。転写材搬送ベルト8の搬送面は転写材搬送ベルトクリーニング装置83でクリーニングされる。
転写材搬送ベルト8の上方(用紙搬送方向下流)には、転写紙上のトナー像を転写紙に半永久的に定着させる定着装置9が備えられている。定着装置9は、内部にハロゲンヒータを有する定着ローラ91と加圧ローラ92からなり、それぞれのローラが対向、圧接されている。その当接領域をトナー像が通過することで用紙上のトナー像は定着され、カラー画像が形成される。カラー画像を定着された転写紙10は、排紙ローラ対95により、スキャナ30の下側の空間(胴内空間)に位置する装置上面をなす排紙部96に排出される。
図18において、符号12Y、12M、12C、12Kは、各色の現像装置3にトナーを補充するトナータンク(トナーボトル)を示している。
【0019】
次にモノクロモードでの画像形成動作を説明する。
読み取られたブラック画像のデータに基づいて、露光装置52から、感光体1K上の画像部が露光され、現像装置3Kによってトナー像が作られる。該トナー像は、転写材搬送ベルト8によって搬送される記録紙10上に直接転写され、定着装置9により定着され、モノクロ画像が形成される。
なお、モノクロ画像形成時は、中間転写ベルト7と転写材搬送ベルト8の接触部は図示しない機構により解除されて離間しており、YCMの各画像形成ユニット、及び中間転写ベルト7は動作しない。このため、YCMの各画像形成ユニット、及び中間転写ベルト7の長寿命化を図ることができる。
【0020】
図18において、符号75、84はトナー像の濃度を検知する光学センサをそれぞれ示している。光学センサ75は、中間転写ベルト7に対向する位置であって、中間転写ベルトに対向する最下流の感光体より下流で転写材搬送ベルト8に当接する位置よりも上流の位置に配置されている。
光学センサ75は中間転写ベルト7の移動方向と直交する幅方向(主走査方向)に複数設置されている。本実施形態では後述するように、中央、左右の3つの位置に取り付けられている。光学センサ75は光出射部と光受光部とからなり、光出射部から射出され中間転写ベルト7から反射した光を受光部にて検知するようになっている。ここで反射光としては正反射光と拡散反射光の2種類を受光できるような2つの受光部を備えている。これにより反射特性から、各色トナーの付着量やトナー付着位置を算出することが可能となる。
光学センサ75により、カラーステーションであるY、C、Mのそれぞれのトナー付着量と位置ズレ量を検知することが可能である。
一方、光学センサ84は、転写材搬送ベルト8に対向する記録媒体搬送方向の下流の位置であって、転写材搬送ベルト8と中間転写ベルト7とが当接する位置よりも下流の位置に配置されている。
光学センサ84は転写材搬送ベルト8の移動方向と直交する幅方向(主走査方向)に複数設置されている。本実施形態では中央、左右の3つの位置に取り付けられている。光学センサ84においてはカラーステーションであるY、C、MおよびKステーションの全ての色を含めたトナー付着量と位置ズレ量を検知することが可能である。
図18において、符号15は手差しトレイを、60は主電源スイッチを兼ねたモードスイッチを示している。
【0021】
以下、モードスイッチ60の構成及び機能について詳細に説明する。
図4に示すように、モードスイッチ60は、主電源スイッチと、モノクロモードとフルカラーモードとに選択的に手動で切り換えるモード切換手段とが一体に構成されたハードスイッチである。
図4(a)はモードスイッチ60の左側を押し込んだ状態を示しており、これは従来の主電源スイッチによるオフと同じ電源オフモード位置である。図4(b)はモノクロモード位置を示しており、1つの電源オンモード位置である。図4(c)はフルカラーモード位置を示しており、これも1つの電源オンモード位置である。
図4(a)において、符号62は装置側板(図4(b)、(c)では省略)を示している。
【0022】
図5に示すように、モードスイッチ60は、軸66により図示しないブラケットを介して装置側板62に回転自在に支持されており、且つ、各設定位置ではスナップフィット的に位置決めされるようになっている。
フルカラーモード位置側は扇形の厚肉形状を有しており、その周面には導電部68が形成されている。導電部68に対向する装置本体側には、接続端子70a、70b、70cが設けられており、導電部68は接続端子70a、70c間を電気的に接続する長さを有している。
接続端子70a、70bが電気的に接続されると、モノクロモードでの印刷に必要なモノクロ作像ユニット(BW作像系)のみに電力供給がなされ、モノクロモード以外の作像に必要な部分、すなわち、カラー作像ユニット及び中間転写ベルト7への電力供給が遮断される。符号71は電源を示している。
また、モノクロモードに設定された場合、フルカラーモード時に比べて線速が速く設定されるとともに、定着目標温度が低く設定される。
接続端子70a、70cが電気的に接続されると、フルカラーモードでの印刷に必要なフルカラー作像ユニット(BW作像系+FC作像系)に電力供給がなされる。ここで、「FC作像系」とは、ブラックを除くY、M、Cのカラー作像ユニットを指す。
【0023】
図5は、モードスイッチ60が電源オフモード位置に設定された状態を示している。これは従来の主電源スイッチによる電源オフ状態に相当する。
モードスイッチ60をモノクロモード位置に設定(切り換えと同義)すると、図6に示すように、導電部68により接続端子70a、70bが電気的に接続され、モノクロモードでの印刷に必要なモノクロ作像ユニット(BW作像系)のみに電力供給がなされ、モノクロモード以外の作像に必要な部分への電力供給が遮断される。従って、モードスイッチ60により、モノクロ作像ユニット及びカラー作像ユニットへの給電を管理することができる。
上記画像形成装置の構成に基づいて具体的に説明すると、モードスイッチ60をモノクロモードに設定された場合、Y、M、Cの3つの画像形成ユニットや中間転写ベルト7等を駆動するための電力供給は遮断される。モノクロモード時は各色の位置ずれ調整や、ブラック以外の画像濃度の調整などを行わないようになっている。これにより、不要な動作による電力消費やブラック以外のトナー消費を減らすことができる。
モードスイッチ60をフルカラーモード位置に設定すると、図7に示すように、従来の主電源スイッチによるオン状態と同様に、BW作像系及びFC作像系に電力供給がなされる。
フルカラーモード時は従来の画像形成装置と同様に定期的に各色の位置ずれ調整や、画像濃度の調整(プロセスコントロール)などが行われる。
【0024】
図8に示すように、モノクロモード位置とフルカラーモード位置との間を電源オフモード位置とし、モノクロモードからフルカラーモードへ切り換えるとき、及びフルカラーモードからモノクロモードへの切り換えるときは、電源オフモード位置を経由する構成としてもよい。
図8(a)はモノクロモード位置に設定された状態を、(b)は電源オフモード位置に設定された状態を、(c)はフルカラーモード位置に設定された状態を示している。
このようにすれば、モノクロモードとフルカラーモードとでは、電源オフモードから電源を投入するときに反対方向の操作を行う必要があるため、モノクロモード、フルカラーモードを意識的に選択する構成とすることができる。
【0025】
モードスイッチとしては、図9乃至図11に示すように、トグル方式としてもよい。
図9に示すように、モードスイッチ76は、軸77を介して装置側板78に回転自在に設けられた円筒部79と、上下方向に操作される操作部80とを有している。円筒部79には導電部85が設けられ、装置側板78には接続端子86a、86b、86cが設けられている。導電部85は接続端子86a、86c間を電気的に接続する長さを有している。
図9は電源オフモード位置(PO)を、図10はモノクロ作像ユニットのみがオンするモノクロモード位置(BW−ON)を、図11はモノクロ作像ユニット及びカラー作像ユニットがオンするフルカラーモード位置(FC−ON)を示している。
モードスイッチ76による電力供給態様の変化は上記と同様であるので省略する。
【0026】
図1に本実施形態における制御ブロック図を示す。
画像形成装置100の制御手段37は、CPU、I/Oインターフェース、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータである。制御手段37はモードスイッチ60、76がどの位置にあるかを図示しない接続回路又は位置センサによって把握できるようになっている。
画像形成装置100には制御手段37を介して、有線方式(LAN等)又は無線方式(無線LAN、Bluetooth、IrDA等)でパーソナルコンピュータ(以下、単に「PC」という)125が通信可能に接続されている。
【0027】
フルカラー故障検知手段について以下に説明する。フルカラー故障検知手段とは、黒色以外の作像装置における故障を検知する手段であって、装置の動作異常を検知するものである。検知手段としては、現像装置内の現像剤の濃度を検知する現像剤濃度センサ24、中間転写ベルト7に対向して配置されたトナー付着量センサとしての光学センサ75、感光体1に対するトナー付着量センサとしての光学センサ85、感光体および現像モータ25の動作信号がある。
制御手段37のROMには、これらの検出値や動作信号について故障と判断するための所定値が予め記憶されている。
上記各検出値のうちどれか一つでも所定値を超えた場合には、制御手段37はカラー作像ユニットの故障と判断する。
現像剤濃度センサ24、光学センサ75、光学センサ27について、予め決められたタイミングで検知した結果を出力し、その出力値により濃度調整動作を行っている。検知タイミングは電源ON、通紙枚数ごと、プリント信号入出力時、濃度が濃かった時、薄かった時、等である。数回(条件により異なる)の調整でも、正常な動作が得られない場合は、異常として表示する。
後述するように、異常検知時にはメッセージ表示手段を介してその旨をユーザに通知するようになっている。メッセージ表示手段としては画像形成装置本体の操作パネルやPC125の画面上におけるダイアログ表示などでもよい。
【0028】
フルカラー寿命検知手段について以下に説明する。フルカラー寿命検知手段とは、黒色以外の作像装置(感光体、現像装置、現像剤など)における寿命を検知する手段であって、装置の寿命を検知するものである。検知手段としては、感光体・現像モータ25の駆動時間から動作距離を計測する距離カウンタ26や、出力枚数をカウントする枚数カウンタ27などである。
制御手段37のROMには、所定の寿命距離および枚数の閾値が記憶されている。
これらのカウンタ値と、所定の寿命距離および枚数の閾値とを比較することで、これらのカウンタ値が所定値や閾値を超えた場合には、制御手段37はカラー作像ユニットの寿命と判断する。
なお、寿命検知時にはメッセージ表示手段を介してその旨をユーザに通知するようになっている。メッセージ表示手段としては画像形成装置本体の操作パネルやPC125の画面上におけるダイアログ表示などでもよい。
また、制御手段37には、カラー作像ユニットの装着の有無を検知するカラー作像ユニット検知センサ28、トナーボトルの装着の有無を検知するトナーボトル29から検知信号が送信されるようになっている。
【0029】
図2に基づいて、フルカラー故障検知動作を説明する。
制御手段37は、YMCのカラー作像ユニットにおける現像剤濃度センサ24、光学センサ75、光学センサ85からの検出値又は感光体・現像モータ25からの動作信号とROMに記憶された所定値(閾値)とを比較し、カラー作像ユニットの故障を判断する。
いずれかについて故障と判断された場合には、モードスイッチ60又は76がフルカラーモードに設定されているか否かをチェックし、フルカラーモードに設定されている場合には、上記メッセージ表示手段を介して、例えば「カラー作像ユニットが故障です。モノクロモードに切り換えて下さい。」なる旨の表示をし、ユーザにモードスイッチの切り換えを促す。
その後、ユーザがモードスイッチをモノクロモードに切り換えたか否かをチェックし、切り換えた場合にはモノクロモードでの設定となる。切り換えなかった場合には、画像形成動作を停止する。
このようにすることで、ユーザのニーズに合わせて選択することができ、生産性を向上させることができるとともに、画像品質の維持ができる。
フルカラー故障検知は、上記複数の検知手段のうち1つの検知手段の検知値に基づいて行ってもよく、複数の検知手段の検知値に基づいて行ってもよい。
【0030】
図3に基づいて、フルカラー寿命検知動作を説明する。
制御手段37は、距離カウンタ26のカウント値(時間)に基づいてカラー作像ユニットの感光体・現像モータ25の動作距離を算出し、これを過去の通算動作距離に加算して通算距離を更新し、これと所定の寿命距離とを比較する。
あるいは、カラー作像ユニットについての枚数カウンタ27のカウント値(枚数)と枚数の閾値とを比較する。
いずれかについて寿命と判断された場合には、モードスイッチ60又は76がフルカラーモードに設定されているか否かをチェックし、フルカラーモードに設定されている場合には、上記メッセージ表示手段を介して、例えば「カラー作像ユニットが寿命です。モノクロモードに切り換えて下さい。」なる旨の表示をし、ユーザにモードスイッチの切り換えを促す。
その後、ユーザがモードスイッチをモノクロモードに切り換えたか否かをチェックし、切り換えた場合にはモノクロモードでの設定となる。切り換えなかった場合には、画像形成動作を停止する。
このようにすることで、ユーザのニーズに合わせて選択することができ、生産性を向上させることができるとともに、画像品質の維持ができる。
フルカラー寿命検知は、上記複数の検知手段のうち1つの検知手段の検知値に基づいて行ってもよく、複数の検知手段の検知値に基づいて行ってもよい。
【0031】
図12乃至図14に基づいて第2の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する。
第1の実施形態では、モードスイッチ自体が直接電気接点の機能を有する構成としたが、本実施形態ではモードスイッチによる切り換え位置を検知してモード切換機構を介して切り換える構成を有している。
図12に示すように、本実施形態におけるモードスイッチ87は、上記実施形態におけるモードスイッチ60、76と構成は同様であるが、カラー作像ユニット及びモノクロ作像ユニットに接続されておらず、制御手段37はモードスイッチ87がどの位置にあるかを図示しない接続回路又は位置センサによって把握できるようになっている。なお、図12では、図1で示した他の制御要素は省略している。
モード切換機構89は、ステッピングモータ40と、ステッピングモータ40の回転軸に固定されたピニオン41と、ピニオン41に噛み合うラック42と、ラック42のホームポジションを検知するHPセンサ43を有している。ラック42は図示しないガイドにより直線移動が可能となっている。
モノクロ作像ユニットのスイッチ44と、カラー作像ユニットのスイッチ45は、通常は開いたオフ状態にあり、ラック42が当接して押圧されることにより閉じるようになっている。
【0032】
図12は、モードスイッチ87が電源オフモード位置にある状態を示している。モードスイッチ87がモノクロモード位置に設定されると、制御手段37はラック42がBW−ON(モノクロモードオン)位置に位置するようにステッピングモータ40を駆動する。ラック42がBW−ON位置に移動すると、モノクロ作像ユニットのスイッチ44が閉じ、モノクロ作像ユニットのみに電力供給がなされる。カラー作像ユニットへの電力供給は遮断されている。ここでは、BW作像系とFC作像系のそれぞれに電源71を設けているが、共通の電源を使用する接続構成としてもよい。
モードスイッチ87がフルカラーモード位置に設定されたときは、制御手段37はラック42がFC−ON(フルカラーモードオン)位置に位置するようにステッピングモータ40を駆動する。ラック42がFC−ON位置に移動すると、モノクロ作像ユニットのスイッチ44と、カラー作像ユニットのスイッチ45とが共に閉じた状態となり、全作像ユニット(フルカラー作像ユニット)への電力供給がなされる。
【0033】
図13に基づいて、本実施形態におけるフルカラー故障検知動作を説明する。
故障と判断された場合には、モードスイッチ87がフルカラーモードに設定されているか否かをチェックし、フルカラーモードに設定されている場合には、制御手段37はステッピングモータ40を駆動してモードスイッチ87をモノクロモードに自動的に切り換える。これにより、モノクロモードでの画像形成が実行される。
図示しないが、モノクロモードに切り換えた後に、上記メッセージ表示手段を介して、例えば「カラー作像ユニットが故障であるため、モノクロモードでの印刷しかできません。」なる旨の表示をしてもよい。
自動的に切り換えることにより、故障によるダウンタイムを無くし、生産性を向上させることができる。
フルカラー寿命検知動作を図14に示す。上記と同様に、寿命と判断された場合には、モードスイッチ87がフルカラーモードに設定されているか否かをチェックし、フルカラーモードに設定されている場合には、制御手段37はステッピングモータ40を駆動してモードスイッチ87をモノクロモードに自動的に切り換える。これにより、モノクロモードでの画像形成が実行される。
図示しないが、切り換えた後に、上記メッセージ表示手段を介して、例えば「カラー作像ユニットが寿命で使用できないため、モノクロモードでの印刷しかできません。」なる旨の表示をする。
自動的に切り換えることにより、寿命によるダウンタイムを無くし、生産性を向上させることができる。
【0034】
図15に基づいて第3の実施形態を説明する。
制御手段37は、カラー作像ユニット検知センサ28からの信号に基づいてカラー作像ユニットが装着されているか否かをチェックし、装着されている場合には、モノクロモード、フルカラーモードのいずれも実施可能な通常の画像形成となる。
カラー作像ユニット検知センサ28はYMC個々に設けられており、いずれか1つの色のユニットが装着されていない場合は装着されていないと判断される。
カラー作像ユニットが装着されていない場合は、モードスイッチ87がフルカラーモードに設定されているか否かをチェックし、フルカラーモードに設定されている場合には、画像形成動作を停止し、「カラー作像ユニットが装着されていません。」なる旨の表示を行う。
モードスイッチ87がモノクロモードに設定されている場合には、モノクロモードでの作像が可能となる。
カラー作像ユニットがメンテナンス等によって装着されていなくても、モノクロモードでの印刷が可能となり、カラー作像ユニットについての部品交換やメンテナンスが終わるまで待つことによるダウンタイムを低減でき、生産性の向上を図ることができる。
【0035】
図16に基づいて第4の実施形態を説明する。
制御手段37は、色別のトナーボトル検知センサ29からの信号に基づいてカラートナーボトルがセットされているか否かをチェックし、YMC全てセットされている場合には、モノクロモード、フルカラーモードのいずれも実施可能な通常の画像形成となる。
YMCのうち1つでもセットされていない場合はセットされていないと判断される。
カラートナーボトルがセットされていない場合は、モードスイッチ87がフルカラーモードに設定されているか否かをチェックし、フルカラーモードに設定されている場合には、画像形成動作を停止し、「カラートナーボトルがセットされていません。」なる旨の表示を行う。
モードスイッチ87がモノクロモードに設定されている場合には、モノクロモードでの作像が可能となる。
カラートナーボトルがセットされていなくても、モノクロモードでの印刷が可能となり、カラートナーボトルの交換が終わるまで待つことによるダウンタイムを低減でき、生産性の向上を図ることができる。
【0036】
上述のように、本実施形態に係る画像形成装置は、モノクロ作像ユニットがカラー作像ユニットから独立して設けられているので、モノクロモードで印刷中にカラー作像ユニットの調整動作が可能となる。
カラー作像ユニットにおける調整動作は、中間転写ベルト7上に、YCMのカラートナーによって階調パターンなどの画像濃度測定パターンおよび色ずれパターンなどの位置情報パターンを作像し、光学センサ75で反射による付着量および作像位置を検知することによりなされる。
【0037】
カラー作像ユニットの色ずれ調整及び濃度調整動作を図17に基づいて説明する。
上述したように、光学センサ75は、中間転写ベルト7の移動方向と直交する幅方向に、センサホルダ56を介して3箇所に設けられており、光学センサ75の位置に合わせて中間転写ベルト7上に形成される諧調性(例えばベルト移動方向に段階的に濃くなる)を持つ各色のトナーパターンPy、Pc、Pmを検知できるようになっている。
トナーパターンの反射率よりトナー付着量を算出し、画像形成時の付着量が適正になるように画像形成条件を調整したり(プロセスコントロール)、色ずれ量を検出して、各色の露光位置を調整するのがカラー作像ユニットにおける画像調整モードである。
【0038】
モノクロ作像ユニットがカラー作像ユニットと共に並置された一般的なタンデム型の画像形成装置では、トナーパターンの形成は、Py、Pc、Pmと共に、ブラックのPkも同時に形成される。
モノクロモードでの印刷と並行してカラー作像ユニットの調整を行うことで、次のフルカラーモードでの印刷ジョブまでの立ち上げを速くすることができ、生産性が向上する。
【0039】
上記各実施形態では、カラー作像ユニットから独立したモノクロ作像ユニットが2次転写部の下流に配置された構成を例示したが、モノクロ作像ユニットが上流に配置された構成においても同様に実施することができる。
また、上記各実施形態では、モノクロ作像ユニットがカラー作像ユニットから独立した画像形成装置を例示したが、モノクロ作像ユニットがカラー作像ユニットと共に並置された従来のタンデム型の画像形成装置(中間転写方式、直接転写方式の双方を含む)においても同様に実施することができる。上記のようにモノクロ作像ユニットを独立した配置構成とすれば、モノクロモード時、中間転写ベルト7を「モノクロモード以外の作像に必要な部分」として電力供給の対象から外すことができるので、省電力の効果は大きい。
また、上記各実施形態では、感光体に静電潜像を形成する電子写真方式の画像形成装置の適用について例示したが、インクジェット方式等の画像形成装置においても同様に実施できる。
【符号の説明】
【0040】
1 像担持体としての感光体
7 中間転写体としての中間転写ベルト
8 転写材搬送手段としての転写材搬送ベルト
24 フルカラー故障検知手段としての現像剤濃度センサ
25 フルカラー故障検知手段としての感光体・現像モータ
26 フルカラー寿命検知手段としての距離カウンタ
27 フルカラー寿命検知手段としての枚数カウンタ
37 制御手段
60、76、87 モードスイッチ
75 フルカラー故障検知手段としての光学センサ
85 フルカラー故障検知手段としての光学センサ
89 モードモード切換機構
【先行技術文献】
【特許文献】
【0041】
【特許文献1】特開2006−138930号公報
【特許文献2】特開2004−341947号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作像モードとしてモノクロモードとフルカラーモードとを有し、主電源スイッチによって装置の電源のオン・オフを行う画像形成装置において、
前記主電源スイッチと、モノクロモードとフルカラーモードとに選択的に手動で切り換えるモード切換手段とを一つのモードスイッチとして一体的に設け、該モードスイッチがモノクロモードに設定されている時は、モノクロモード以外の作像に必要な部分への電力供給を遮断する構成を有しているとともに、フルカラーモード時に動作するカラー作像ユニットの故障を検知するフルカラー故障検知手段を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記モードスイッチは、前記画像形成装置の電源をオフにする電源オフモード位置と、電源オン位置であるモノクロモード位置と、同じく電源オン位置であるフルカラーモード位置のいずれかに設定可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
フルカラーモード時にカラー作像ユニットの故障が発生した場合、モノクロモードへのモード切り換えを促すメッセージ表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記フルカラー故障検知手段は、現像剤の濃度を検知する現像剤濃度検知センサからの信号、トナーの付着量を検知するトナー付着量検知センサからの信号、前記像担持体を回転駆動するモータの制御信号、現像モータの制御信号のうち少なくとも1つ以上の信号に基づいて故障か否かを判断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
電源、モノクロモード及びフルカラーモードのオン・オフを行うモード切換機構と、前記モードスイッチの切り換え位置を検知して前記モード切換機構を制御する制御手段とを有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
前記カラー作像ユニットの故障が発生した場合、自動的にモノクロモードへ切り換えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記カラー作像ユニットの寿命を検知するフルカラー寿命検知手段を備え、フルカラーモード時に前記カラー作像ユニットが寿命に達し、フルカラーモードでの印刷が不可能になった場合、モノクロモードへの切り換えを促すメッセージを表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項5又は6に記載の画像形成装置において、
前記カラー作像ユニットの寿命を検知するフルカラー寿命検知手段を備え、フルカラーモード時に前記カラー作像ユニットが寿命に達し、フルカラーモードでの印刷が不可能になった場合、自動的にモノクロモードへ切り換えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の画像形成装置において、
前記フルカラー寿命検知手段は、作像印刷枚数又は作像動作時間を計測するカウンタであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
モノクロモードがオン時は前記カラー作像ユニットの一部がセットされていなくてもモノクロモードでの印刷は可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
モノクロモードがオン時は前記カラー作像ユニットにトナーを補給するためのカラートナーボトルがセットされていなくてもモノクロモードでの印刷が可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
ブラックを含む各色に対応した複数の像担持体と、前記各像担持体上に形成された潜像を顕像化する現像剤を収容し前記各像担持体に対応して設けられた複数の現像装置と、顕像化されたトナー像が転写される中間転写体とを有し、ブラック以外の色に対応する前記像担持体及び前記現像装置は顕像化されたトナー像を前記中間転写体に転写すべく配置され、ブラックに対応する前記像担持体及び前記現像装置は前記中間転写体とは独立して配置され、前記中間転写体及びブラックに対応する前記像担持体にそれぞれ接触しつつ記録媒体を搬送する転写搬送手段を有し、ブラックに対応する前記像担持体上のトナー像は記録媒体へ直接転写し、記録媒体に、ブラックに対応する前記像担持体上のトナー像と前記中間転写体上のトナー像を重ねて転写することが可能であって、
モノクロモード以外の作像に必要な部分には、前記中間転写体を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12に記載の画像形成装置において、
前記中間転写体上に作像されたトナー像の付着状態を検知するセンサを備え、モノクロモードでの印刷ジョブ中に、前記モードスイッチがモノクロモード位置からフルカラーモード位置に切り換えられた場合、スイッチ切り換え後のモノクロモードでの印刷ジョブ中にカラー作像ユニットの調整動作を行い、該調整動作は、前記中間転写体上にカラーのトナー像を作像し、前記センサでの検知結果を作像条件にフィードバックすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
作像モードとしてモノクロモードとフルカラーモードとを有し、主電源スイッチによって装置の電源のオン・オフを行う画像形成装置において、
前記主電源スイッチと、モノクロモードとフルカラーモードとに選択的に手動で切り換えるモード切換手段とを一つのモードスイッチとして一体的に設け、該モードスイッチがモノクロモードに設定されている時は、モノクロモード以外の作像に必要な部分への電力供給を遮断する構成を有しているとともに、フルカラーモード時に動作するカラー作像ユニットの故障を検知するフルカラー故障検知手段を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記モードスイッチは、前記画像形成装置の電源をオフにする電源オフモード位置と、電源オン位置であるモノクロモード位置と、同じく電源オン位置であるフルカラーモード位置のいずれかに設定可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
フルカラーモード時にカラー作像ユニットの故障が発生した場合、モノクロモードへのモード切り換えを促すメッセージ表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記フルカラー故障検知手段は、現像剤の濃度を検知する現像剤濃度検知センサからの信号、トナーの付着量を検知するトナー付着量検知センサからの信号、前記像担持体を回転駆動するモータの制御信号、現像モータの制御信号のうち少なくとも1つ以上の信号に基づいて故障か否かを判断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
電源、モノクロモード及びフルカラーモードのオン・オフを行うモード切換機構と、前記モードスイッチの切り換え位置を検知して前記モード切換機構を制御する制御手段とを有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
前記カラー作像ユニットの故障が発生した場合、自動的にモノクロモードへ切り換えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記カラー作像ユニットの寿命を検知するフルカラー寿命検知手段を備え、フルカラーモード時に前記カラー作像ユニットが寿命に達し、フルカラーモードでの印刷が不可能になった場合、モノクロモードへの切り換えを促すメッセージを表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項5又は6に記載の画像形成装置において、
前記カラー作像ユニットの寿命を検知するフルカラー寿命検知手段を備え、フルカラーモード時に前記カラー作像ユニットが寿命に達し、フルカラーモードでの印刷が不可能になった場合、自動的にモノクロモードへ切り換えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の画像形成装置において、
前記フルカラー寿命検知手段は、作像印刷枚数又は作像動作時間を計測するカウンタであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
モノクロモードがオン時は前記カラー作像ユニットの一部がセットされていなくてもモノクロモードでの印刷は可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
モノクロモードがオン時は前記カラー作像ユニットにトナーを補給するためのカラートナーボトルがセットされていなくてもモノクロモードでの印刷が可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
ブラックを含む各色に対応した複数の像担持体と、前記各像担持体上に形成された潜像を顕像化する現像剤を収容し前記各像担持体に対応して設けられた複数の現像装置と、顕像化されたトナー像が転写される中間転写体とを有し、ブラック以外の色に対応する前記像担持体及び前記現像装置は顕像化されたトナー像を前記中間転写体に転写すべく配置され、ブラックに対応する前記像担持体及び前記現像装置は前記中間転写体とは独立して配置され、前記中間転写体及びブラックに対応する前記像担持体にそれぞれ接触しつつ記録媒体を搬送する転写搬送手段を有し、ブラックに対応する前記像担持体上のトナー像は記録媒体へ直接転写し、記録媒体に、ブラックに対応する前記像担持体上のトナー像と前記中間転写体上のトナー像を重ねて転写することが可能であって、
モノクロモード以外の作像に必要な部分には、前記中間転写体を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12に記載の画像形成装置において、
前記中間転写体上に作像されたトナー像の付着状態を検知するセンサを備え、モノクロモードでの印刷ジョブ中に、前記モードスイッチがモノクロモード位置からフルカラーモード位置に切り換えられた場合、スイッチ切り換え後のモノクロモードでの印刷ジョブ中にカラー作像ユニットの調整動作を行い、該調整動作は、前記中間転写体上にカラーのトナー像を作像し、前記センサでの検知結果を作像条件にフィードバックすることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−141434(P2011−141434A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2112(P2010−2112)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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