説明

画像形成装置

【課題】現像剤収容容器の有無を検出する収容容器有無検出手段を不要した場合であっても、現像剤収容容器の種類に応じた制御が可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置に交換自在に装着され、記憶手段を有する純正品、前記画像形成装置に同梱される記憶手段を有しない純正品あるいはその他の製品のいずれかからなり、少なくともトナーを含む現像剤を収容した現像剤収容容器と、前記現像剤収容容器の記憶手段に記憶された情報の少なくとも読み取りが可能か否かを判定する読取可否判定手段と、前記画像形成装置が未使用か否かを判定する未使用判定手段と、前記読取可否判定手段によって情報の読み取りが不可であると判定されるか、又は前記未使用判定手段によって画像形成装置が未使用であると判定された場合に、前記現像剤収容容器が前記画像形成装置に装着されているか否かをユーザに確認せしめる装着確認手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記画像形成装置では、ユーザの利便性等を考慮して、少なくともトナーを収容した現像剤カートリッジを画像形成装置本体に対して着脱自在に構成し、画像形成装置を新たに購入して使用を開始する際や、画像形成装置を使用して現像剤カートリッジが空になった場合など、新しい現像剤カートリッジを画像形成装置本体に装着するように構成されている。
【0003】
上記現像剤カートリッジとしては、画像形成装置の製造メーカが、当該画像形成装置に専用の現像剤カートリッジとして製造・販売する所謂純正品以外にも、他の製造メーカが上記画像形成装置に適合させて製造・販売する現像剤カートリッジなど、種々の現像剤カートリッジが流通している。
【0004】
ところで、上記画像形成装置において、純正品としての現像剤カートリッジ以外に、他の現像剤カートリッジが使用された場合でも、当該現像剤カートリッジに対応した制御を可能とする技術としては、例えば、特許第4293229号公報等に開示されたものが既に提案されている。
【0005】
この特許第4293229号公報に係る画像形成装置は、記憶装置を備える純正のトナーカートリッジ、画像形成装置本体と同梱されるトナーカートリッジであって記憶装置を備えない純正のトナーカートリッジ及びその他のトナーカートリッジのそれぞれに対応し、前記各トナーカートリッジに収容されるトナーを用いて画像形成を行う画像形成装置であって、
画像形成を行う際に、画像形成に関する値をカウントするカウント手段と、
トナーカートリッジの有無を検出するカートリッジ有無検出手段と、
前記トナーカートリッジが備える記憶装置のデータを読み取る読取装置と、
装填されたトナーカートリッジの種類に応じて画像形成装置が有する各装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記カートリッジ有無検出手段でトナーカートリッジが有ると判断した場合において、
前記カウント手段のカウントした値が所定値を超え、かつ前記読取装置によりトナーカートリッジから所定のデータが読み取れない場合には、前記その他のトナーカートリッジに対応した制御を行い、その他の場合には、前記純正のトナーカートリッジに対応した制御を行うように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4293229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、現像剤収容容器の有無を検出する収容容器有無検出手段を不要した場合であっても、現像剤収容容器の種類に応じた制御が可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、請求項1に記載された発明は、画像形成装置に交換自在に装着され、記憶手段を有する純正品、前記画像形成装置に同梱される記憶手段を有しない純正品あるいはその他の製品のいずれかからなり、少なくともトナーを含む現像剤を収容した現像剤収容容器と、
前記現像剤収容容器の記憶手段に記憶された情報の少なくとも読み取りが可能か否かを判定する読取可否判定手段と、
前記画像形成装置が未使用か否かを判定する未使用判定手段と、
前記読取可否判定手段によって情報の読み取りが不可であると判定されるか、又は前記未使用判定手段によって画像形成装置が未使用であると判定された場合に、前記現像剤収容容器が前記画像形成装置に装着されているか否かをユーザに確認せしめる装着確認手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0009】
また、請求項2に記載された発明は、画像形成装置に交換自在に装着され、記憶手段を有する純正品、前記画像形成装置に同梱される記憶手段を有しない純正品あるいはその他の非純正品のいずれかからなり少なくともトナーを含む現像剤を収容した現像剤収容容器と、
前記現像剤収容容器の記憶手段に記憶された情報の少なくとも読み取りが可能か否かを判定する読取可否判定手段と、
前記現像剤収容容器が空状態であるか否かを判定する現像剤空判定手段と、
前記画像形成装置が未使用か否かを判定する未使用判定手段と、
前記読取可否判定手段によって情報の読み取りが不可であると判定され、且つ前記未使用判定手段によって画像形成装置が未使用であると判定された場合、又は前記読取可否判定手段によって情報の読み取りが不可であると判定され、且つ前記現像剤空判定手段によって前記現像剤収容容器が空状態であると判定された場合に、前記現像剤収容容器が前記画像形成装置に装着されているか否かをユーザに確認せしめる装着確認手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記画像形成装置に同梱される記憶手段を有しない現像剤収容容器から供給される現像剤の量を計量する現像剤供給量計量手段を備え、
前記現像剤空判定手段によって前記現像剤収容容器が空状態であると判定され、且つ前記現像剤供給量計量手段によって計量された現像剤の量が予め定められた値以上である場合に、前記同梱される現像剤収容容器が空状態であると判定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、現像剤収容容器の有無を検出する収容容器有無検出手段を不要した場合であっても、現像剤収容容器の種類に応じた制御が可能となる。
【0012】
また、請求項2に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、現像剤収容容器の有無を検出する収容容器有無検出手段を不要した場合であっても、現像剤収容容器が空状態の場合も含めて、現像剤収容容器の種類に応じた制御が可能となる。
【0013】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、同梱された現像剤収容容器が空状態であるか否かを精度良く判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置の制御回路を示すブロック図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る現像装置を適用した画像形成装置としてのタンデム型のカラープリンタを示す構成図である。
【図3】図3はこの発明の実施の形態1に係る現像装置を適用した画像形成装置としてのタンデム型のカラープリンタの画像形成部を示す構成図である。
【図4】図4はこの発明の実施の形態1に係る現像装置を適用した画像形成装置としてのタンデム型のカラープリンタを示す外観斜視図である。
【図5】図5はこの発明の実施の形態1に係る現像装置を適用した画像形成装置としてのタンデム型のカラープリンタを示すカバーを開いた状態の外観斜視図である。
【図6】図6はこの発明の実施の形態1に係る現像装置を適用した画像形成装置としてのタンデム型のカラープリンタを示すカバーを開いた状態の外観斜視図である。
【図7】図7はこの発明の実施の形態1に係る現像装置を示す断面構成図である。
【図8】図8はこの発明の実施の形態1に係る現像装置の展開構成図である。
【図9】図9はこの発明の実施の形態1に係る現像装置の展開構成図である。
【図10】図10はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置に使用されるトナーカートリッジを示す斜視構成図である。
【図11】図11はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置に使用されるトナーカートリッジを示す斜視構成図である。
【図12】図12はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置におけるトナーカートリッジの様々な使用態様を示す図である。
【図13】図13はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置におけるトナーカートリッジの様々な使用態様を示す図である。
【図14】図14はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置におけるトナーカートリッジの様々な使用態様を示す図である。
【図15】図15はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置におけるトナーカートリッジの様々な使用態様を示す図である。
【図16】図16はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置におけるトナーカートリッジの様々な使用態様を示す図である。
【図17】図17はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置の制御プログラムを示すフローチャートである。
【図18】図18はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置の制御プログラムのうち、同梱のトナーカートリッジのトナー残量判定処理を示すフローチャートである。
【図19】図19はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置の制御プログラムのうち、トナーカートリッジの装着確認処理を示すフローチャートである。
【図20】図20はトナーカートリッジからのトナー供給処理を示すフローチャートである。
【図21】図21は制御回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図22】図22は制御回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図23】図23は制御回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図24】図24は制御回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図25】図25は制御回路の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム型のカラープリンタを示す構成図である。また、図3は同カラープリンタの画像形成部を示す構成図である。
【0017】
このカラープリンタは、図2に示すように、パーソナルコンピュータや図示しない画像読取装置等から出力される画像データ、あるいは電話回線やLAN等を介して送られてくる画像データに応じて、フルカラーやモノクロの画像を出力するものである。
【0018】
このカラープリンタの本体1は、図4乃至図6に示すように、略直方体状に形成されており、当該カラープリンタ本体1の正面には、記録用紙の給紙等を行うための正面カバー28が開閉自在に設けられているとともに、その一側面には、現像剤収容容器としてのトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kの交換等を行うための側面カバー29が開閉自在に設けられている。また、カラープリンタ本体1の上部には、画像が形成された記録用紙を排出する排出トレイ22が一体的に形成されている。
【0019】
上記カラープリンタ本体1の内部には、図2に示すように、パーソナルコンピュータ(PC)2や図示しない画像読取装置等から送られてくる画像データに対して、必要に応じて、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の予め定められた画像処理を施す画像処理部3が配置されているとともに、カラープリンタ全体の動作を制御する制御部4が配置されている。
【0020】
そして、上記の如く画像処理部3で予め定められた画像処理が施された画像データは、同じく画像処理部3によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の画像データに変換され、次に述べるように、カラープリンタ本体1の内部に設けられた画像出力部5によってフルカラー画像やモノクロ画像として出力される。
【0021】
上記カラープリンタ本体1の内部には、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット(画像形成部)6Y、6M、6C、6Kが、第1色目のイエロー(Y)の画像形成ユニット6Yが相対的に高く、最終色の黒(K)の画像形成ユニット6Kが相対的に低くなるように、水平方向に対して予め定められた角度(例えば、約10度)だけ傾斜した状態で一定の間隔を隔てて並列的に配置されている。なお、上記画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの傾斜角度は、約10度に限定されるものではなく、これよりも大きな角度であっても小さな角度であっても良いことは勿論である。
【0022】
このように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kを、予め定められた角度だけ傾斜した状態で配置することにより、これら4つの画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kを水平に配置した場合と比較して、画像形成ユニット6Y、6M、6C、6K間の距離を短く設定することができ、カラープリンタ本体1の幅を小さくしてより一層の小型化が可能となる。
【0023】
これらの4つの画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kは、基本的に、形成する画像の色以外は同様に構成されており、図2及び図3に示すように、大別して、図示しない駆動手段により矢印A方向に沿って予め定められた速度で回転駆動される像保持体としての感光体ドラム8と、この感光体ドラム8の表面を一様に帯電する一次帯電用の帯電ロール9と、当該感光体ドラム8の表面に予め定められた色に対応した画像データに応じて画像を露光して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる画像露光装置7と、感光体ドラム8上に形成された静電潜像を予め定められた色のトナーで現像する現像装置10と、感光体ドラム8の表面を清掃するクリーニング装置11とから構成されている。
【0024】
上記感光体ドラム8としては、例えば、直径30mm程度のドラム状に形成され、表面に有機光導電体(OPC)等からなる感光体層を被覆したものが用いられ、図示しない駆動モータにより矢印A方向に沿って予め定められた速度で回転駆動される。
【0025】
また、上記帯電ロール9としては、例えば、芯金の表面に合成樹脂や合成ゴムからなり電気抵抗を調整した導電層を被覆したロール状の帯電器が用いられ、この帯電ロール9の芯金には、予め定められた帯電バイアスが印加される。
【0026】
上記画像露光装置7は、図2に示すように、4つの画像形成ユニット6Y、6M、6C、6K毎にそれぞれ個別に配置されており、各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kに設けられた画像露光装置7としては、LED発光素子を予め定められたピッチ(例えば、600dpi〜1200dpi)で感光体ドラム8の軸方向に沿って直線状に配置したLED発光素子アレイと、当該LED発光素子アレイの各LED発光素子から出射された光を感光体ドラム8上にスポット状に結像するロッドレンズアレイとを備えたものが用いられる。また、上記画像露光装置7は、図2及び図3に示すように、下方から感光体ドラム8上に画像を走査露光するように構成されている。
【0027】
なお、上記画像露光装置7としてLED発光素子アレイからなるものを用いた場合には、画像露光装置を大幅に小型化することができ望ましいが、画像露光装置7としては、LED発光素子アレイからなるものに限らず、レーザービームを各感光体ドラム8の軸方向に沿って偏向走査するものなどを用いても良い。この場合には、例えば、4つの画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kに対して1つの画像露光装置7が配置される。
【0028】
上記画像処理部3からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kに個別に設けられた画像露光装置7Y、7M、7C、7Kに、対応する色の画像データが順次出力され、これらの画像露光装置7Y、7M、7C、7Kから画像データに応じて出射された光束は、対応する感光体ドラム8Y、8M、8C、8Kの表面に走査露光され、画像データに応じた静電潜像が形成される。上記感光体ドラム8Y、8M、8C、8K上に形成された静電潜像は、現像装置10Y、10M、10C、10Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0029】
上記各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの感光体ドラム8Y、8M、8C、8K上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの上方にわたって傾斜した状態で配置された無端ベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト12上に、4つの一次転写ロール13Y、13M、13C、13Kによって順次多重に一次転写される。
【0030】
この中間転写ベルト12は、複数のロールによって張架された無端ベルト状部材であって、当該ベルト状部材の下辺走行領域が、その走行方向に沿った下流側が相対的に低く、且つ上流側が相対的に高くなるように、水平方向に対して傾斜した状態で配置されている。
【0031】
即ち、上記中間転写ベルト12は、図2に示すように、二次転写部の背面支持ロールとしての機能を兼ね備えた駆動ロール15と、従動ロール14との間に予め定められた張力で掛け回されており、図示しない定速性に優れた駆動モータによって回転駆動される駆動ロール15により、矢印B方向に沿って予め定められた速度で循環駆動される。上記中間転写ベルト12としては、例えば、可撓性を有するポリイミドやポリアミドイミド等の合成樹脂フィルムによって無端ベルト状に形成したものが用いられる。上記中間転写ベルト12は、その下辺走行領域において、各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの感光体ドラム8Y、8M、8C、8Kと接触するように配置されている。
【0032】
また、上記中間転写ベルト12には、図2に示すように、当該中間転写ベルト12の走行領域の低位側端部に配置され、中間転写ベルト12上に一次転写されたトナー像を記録媒体16上に二次転写する二次転写手段としての二次転写ロール17が、駆動ロール15によって張架された中間転写ベルト12の表面に接触するように配置されている。
【0033】
上記中間転写ベルト12上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、駆動ロール15に中間転写ベルト12を介して接触する二次転写ロール17によって、記録媒体としての記録用紙16上に二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙16は、鉛直方向の上方に位置する定着装置18へと搬送される。上記二次転写ロール17は、駆動ロール15の側方に中間転写ベルト12を介して圧接しており、鉛直方向の下方から上方に搬送される記録用紙16上に、各色のトナー像を一括して二次転写するようになっている。
【0034】
上記二次転写ロール17としては、例えば、ステンレス等の金属からなる芯金の外周に、導電剤を添加した合成ゴム材料等の導電性弾性体からなる弾性体層を予め定められた厚さに被覆したものが用いられる。
【0035】
そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙16は、定着装置18の加熱ロール19及び加圧ベルト(又は加圧ロール)20によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、排出ロール21によってプリンタ本体1の上端部に設けられた排出トレイ22上に画像面を下にした状態で排出される。
【0036】
上記記録用紙16は、図2に示すように、プリンタ本体1内の底部に配置された給紙トレイ23から予め定められたサイズ及び材質のものが、給紙ロール24及び用紙分離ロール25により一枚ずつ分離された状態で給紙され、レジストロール26まで搬送されて停止される。そして、上記給紙トレイ23から供給された記録用紙16は、中間転写ベルト12上のトナー像と同期して回転駆動されるレジストロール26によって中間転写ベルト12の二次転写位置へと送り出される。上記記録用紙16としては、普通紙以外にも、表面又は表裏両面にコーティング処理が施されたコート紙等の厚紙なども供給可能となっており、コート紙からなる記録用紙16には、写真画像なども出力される。
【0037】
なお、トナー像の一次転写工程が終了した感光体ドラム8の表面は、図2及び図3に示すように、クリーニング装置11によって残留トナーが除去されて、次の画像形成工程に備える。また、トナー像の二次転写工程が終了した中間転写ベルト12の表面は、図2に示すように、駆動ロール15の下流側の近傍に設けられたベルトクリーニング装置27によって残留トナー等が除去されて、次の画像形成工程に備える。
【0038】
図7はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム型のカラープリンタに用いられる現像装置を示す断面構成図である。なお、この現像装置は、例えば、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を使用するものが用いられるが、トナーのみからなる一成分現像剤を使用するものを用いても良い。
【0039】
この現像装置10は、図7に示すように、下部ハウジング31と上部ハウジング32とを備えており、上部ハウジング32の一側の上端部には、開口部33が設けられているとともに、当該開口部33には、現像剤保持体としての現像ロール34が配設されている。この現像ロール34は、内部に固定した状態で配設されたマグネットロール35と、当該マグネットロール35の外周に矢印方向に沿って回転可能に配設された現像スリーブ36とから構成されている。
【0040】
また、上記現像ロール34の下方には、上部ハウジング32と組み合わされた下部ハウジング31から構成され、例えば、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤37を収容する空間としての現像剤収容室38が設けられている。上部ハウジング32の内部には、現像ロール34の表面に供給される現像剤37の量を規制する現像剤規制部材39が、現像ロール34の回転方向の下流側であって開口部33の近傍に、現像ロール34の表面に対して予め定められた間隙を介して配設されている。この現像剤規制部材39は、例えば、磁性を利用して現像ロール34の表面に供給される現像剤37の量を規制するように構成されており、例えば、ニッケル等の磁性材料によって予め定められた直径を有する円柱形状に形成されている。
【0041】
一方、上記下部ハウジング31の内部には、トナーとキャリアからなる二成分現像剤37が収容されているとともに、当該現像剤37を攪拌しつつ搬送することにより、現像剤37を現像ロール34の表面に供給する第1の現像剤攪拌搬送部材としての第1の攪拌搬送オーガー40と、現像剤37を攪拌しつつ搬送する第2の現像剤攪拌搬送部材としての第2の攪拌搬送オーガー41とが配設されている。上記下部ハウジング31の内部で構成される現像剤収容室38は、第1の攪拌搬送オーガー40が収容される第1の現像剤攪拌搬送部材収容室としての第1の攪拌搬送オーガー収容室42と、第2の攪拌搬送オーガー41が収容される第2の現像剤攪拌搬送部材収容室としての第2の攪拌搬送オーガー収容室43とに、仕切り壁52によって区画されている。
【0042】
また、上記第1及び第2の攪拌搬送オーガー40、41は、図8に示すように、円柱形状に形成された回転軸44、45と、当該回転軸44、45の外周に螺旋状に形成された攪拌搬送用の羽根46、47とから構成されており、互いに反対方向に現像剤37を攪拌しつつ搬送するように構成されている。
【0043】
上記第1及び第2の攪拌搬送オーガー40、41は、図8に示すように、その回転軸44、45の一端部に取り付けられたギア48、49によって回転駆動される。
【0044】
上記現像装置10の内部には、図9に示すように、第2の攪拌搬送オーガー41の軸方向に沿った一端部側(図9中、手前側)に延設された現像剤供給用のオーガー50によって、後述するトナーカートリッジから少なくともトナーを含む新しい現像剤37が供給される。この現像剤供給用オーガー50の端部には、必要に応じて、現像剤37が漏れるのを防止する漏れ防止用の羽根51が一体的に設けられる。
【0045】
また、上記現像装置10には、図7に示すように、下部ハウジング31の底部に、二成分現像剤37のトナー濃度(又はトナーの量)を検出する透磁率センサ等からなるトナー検知手段としてのトナーセンサ55が設けられている。
【0046】
なお、感光体ドラム8上、もしくは中間転写ベルト12上に光学的濃度検知可能なトナーセンサを設けて、トナーパッチを形成して、当該トナーパッチの濃度を感光体ドラム8上で検知したり、中間転写ベルト12上で検知して、トナー濃度を検出してもよい。
【0047】
図10はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのカラープリンタに使用されるトナーカートリッジを示す斜視構成図である。
【0048】
このトナーカートリッジ60Y、60M、60Cは、図10(a)に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のトナーカートリッジ共に同じ形状である縦方向に沿って細長い直方体状に形成されているが、黒(K)色のトナーカートリッジ60Kは、図5に示すように、カラーのトナーカートリッジ60Y、60M、60Cに比べて幅が大きく形成されており、多くの量の現像剤を収容可能となっている。上記トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kの内部には、少なくともトナーを含む現像剤が収容されており、図示しない現像剤供給部材を駆動モータによって予め定められたタイミングで回転駆動することにより、当該トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kの図示しない供給口から対応する現像装置10Y、10M、10C、10Kに現像剤を供給可能となっている。また、上記駆動モータの駆動時間を累積的にカウントすることにより、トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kから現像装置10Y、10M、10C、10Kに供給された現像剤の量が計量されるように構成されている。上記駆動モータの駆動時間を累積的にカウントするカウンタは、画像形成装置に同梱される記憶手段を有しない現像剤収容容器から供給される現像剤の量を計量する現像剤供給量計量手段としての機能を備えている。このカウンタは、当然のことながら、画像形成装置に同梱される現像剤収容容器以外の現像剤収容容器から供給される現像剤の量をも計量可能であるが、同梱される現像剤収容容器は、後述するように、空状態になる以前に、画像形成装置から着脱されて使用される可能性があるため、特に、同梱される現像剤収容容器に対して有効である。
【0049】
また、上記トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kには、図10(a)に示すように、その上端部に記憶手段としてのメモリ素子61が装着されており、このメモリ素子61は、その上端面に形成された電極端子62を介してプリンタ本体1側の図示しない電極と接続されることにより、当該メモリ素子61に記憶されたトナーや現像剤に関する情報等を外部から読み出したり、必要に応じて情報を書き込み可能となっている。上記メモリ素子61には、上述した駆動モータの駆動時間を累積的にカウントするカウンタのカウント値が予め定められたタイミングで記憶され、メモリ素子61を備えた現像剤収容容器から供給される現像剤の量をも計量するようになっている。
【0050】
なお、上記メモリ素子61としては、電極端子62を介した接触方式に限らず、RFID(Radio Frequency Identification)方式等のように、無線を介して通信可能に構成され、非接触状態で情報の読み取りや書き込みが可能に構成されたものを用いても勿論良い。また、上記メモリ素子61は、当該メモリ素子61に記憶された情報を外部から少なくとも読み取り可能に構成されていれば良く、必ずしも外部から情報を書き込み可能でなくとも良い。
【0051】
また、上記トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kとしては、図10(a)に示すように、メモリ素子61を備えた通常使用する純正品としてのトナーカートリッジ以外に、図10(b)及び図11に示すように、カラープリンタに同梱されるメモリ素子61を備えない純正品としてのトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kが用意されている。なお、上記トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kとしては、画像形成装置の製造メーカから提供されるもの以外にも、他の製造メーカから提供される場合があり、この他の製造メーカから提供される製品(非純正品)としてのトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kは、メモリ素子61を備えているものと、メモリ素子61を備えていないものとがあるが、メモリ素子61に記憶された情報によって純正品と識別が可能となっている。
【0052】
図1はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのカラープリンタの制御回路を示すブロック図である。
【0053】
図において、100はカラープリンタのメインコントローラを示すものであり、このメインコントローラ100は、図1に示すように、カラープリンタの動作を制御する制御手段としてのCPU101と、カラープリンタの動作を制御するためのパラメータ等を記憶するRAM102と、カラープリンタの動作を制御するプログラムやメモリ素子61を備えない純正品としてのトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kに収容されたトナーに関する情報等を記憶するROM103と、CPU101を外部の機器と接続するための入出力インターフェース104とを備えている。また、上記メインコントローラ100のCPU101は、入出力インターフェース104を介して、カラープリンタの動作状態等を表示するとともに、ユーザが画像形成条件を入力する入出力装置(GUI)105の液晶画面を備えたタッチパネル等からなるディスプレイパネル106と接続されており、このディスプレイパネル106には、カラープリンタを制御するためのメッセージや、トナーカートリッジに関する情報等を含むカラープリンタの状態を示すメッセージなどが表示される。
【0054】
また、CPU101は、同梱トナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’K又はトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kから供給されたトナーの量に基づいて、同梱トナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’K又はトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kからのトナーの供給量及びトナー残量をカウントし、その結果をRAM102に記憶する。
【0055】
さらに、CPU101は、カラープリンタの電源が最初に投入されたことを検知して、カラープリンタが未使用状態であることを判定する。
【0056】
さらに、上記メインコントローラ100のCPU101は、入出力インターフェース104を介して、トナーカートリッジ60Y〜60Kに設けられたメモリ素子61と接続されており、このメモリ素子61に記憶された情報を読み取ったり、必要に応じて、当該メモリ素子61に情報を書き込み可能となっている。
【0057】
また、上記メインコントローラ100のCPU101は、入出力インターフェース104を介して、現像装置10に設けられたトナーセンサ55と接続されており、このトナーセンサ55によって検知されたトナー濃度等の情報が入力されるように構成されている。
【0058】
このように、上記CPU101は、現像剤収容容器の記憶手段に記憶された情報の少なくとも読み取りが可能か否かを判定する読取可否判定手段や、前記画像形成装置が未使用か否かを判定する未使用判定手段、前記読取可否判定手段によって情報の読み取りが不可であると判定されるか、又は前記未使用判定手段によって画像形成装置が未使用であると判定された場合に、前記現像剤収容容器が前記画像形成装置に装着されているか否かをユーザに確認せしめる装着確認手段としての機能など種々の機能を、予めROM103に記憶されたプログラムに基づいて実現する手段を構成している。
【0059】
以上の構成において、この実施の形態に係るカラープリンタでは、次のようにして、現像剤収容容器の有無を検出する収容容器有無検出手段を不要した場合であっても、現像剤収容容器の種類に応じた制御が可能となっている。
【0060】
すなわち、上記カラープリンタは、図11に示すように、購入時、当該カラープリンタにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kが同梱されており、これらのトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kを図5に示すようにプリンタ本体1に装着することにより、カラープリンタを直ちに使用することが可能となっている。
【0061】
そのため、上記カラープリンタを購入したユーザは、購入時、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kをプリンタ本体1に装着してカラープリンタの使用を開始するのが通常であるが、ユーザによっては、次に説明するような種々の使用態様によって使用することが考えられる。
【0062】
第1に、カラープリンタを購入したユーザは、図12(a)に示すように、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kをプリンタ本体1に装着してカラープリンタの使用を開始し、当該同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kが空になった場合に、空になったトナーカートリッジを別途購入した純正品としてのメモリ素子61を備えたトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kと交換して使用するようになっている。この場合、上記同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kのトナー残量を検知するトナー残量カウンタのカウント値は、予め設定された範囲内となる。
【0063】
また、ユーザは、図12(b)に示すように、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kをプリンタ本体1に装着してカラープリンタの使用を開始し、当該同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kが空になる以前に、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kを一旦取り外し、その後に同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kをプリンタ本体1に再度装着して、当該同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kを使用して空になった場合に、空になったトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kを純正品としてのメモリ素子61を備えたトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kと交換して使用する場合がある。
【0064】
この場合、プリンタ本体1は、トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kの着脱を検知する手段を備えていないため、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kが途中で着脱されたか否かを判定することができず、図12(a)の場合と区別することができないが、本操作による不具合はなく、しかもトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kのトナー残量を検知するトナー残量カウンタのカウント値は、予め設定された範囲内となる。
【0065】
さらに、ユーザは、図12(c)に示すように、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kをプリンタ本体1に装着してカラープリンタの使用を開始し、当該同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kが空になる以前に、ユーザが同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kを取り外し、純正品としてのメモリ素子61を備えたトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kをプリンタ本体1に装着して使用したり、図12(d)に示すように、ユーザが同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kを取り外したままの状態で使用したり、図12(e)に示すように、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kを一旦取り外したままの状態で使用した後に、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kを再度装着して使用する場合なども考えられる。
【0066】
この場合には、図12(c)に示すように、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kが空になる以前に、純正品としてのメモリ素子61を備えたトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kと交換されると、プリンタ本体1は、トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kのメモリ素子61に記憶された情報を読み出し可能となるため、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kが純正品としてのメモリ素子61を備えたトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kと交換されたこと、及び交換されたトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kが純正品としてのメモリ素子61を備えたものであることを判定することができる。
【0067】
ただし、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kが空になる以前に交換されているため、当該同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kには、トナーが残っており、再度使用される可能性があり、プリンタ本体1は、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kのトナー残量を検知して管理する必要がある。
【0068】
また、カラープリンタを購入したユーザは、図13(a)に示すように、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kをプリンタ本体1に装着するのを忘れて、プリンタ本体1にトナーカートリッジを装着しないままの状態でカラープリンタの使用を開始することが考えられる。なお、この場合であっても、現像装置10Y、10M、10C、10Kには、図7に示すように、予め定められた量のトナーを含む現像剤37が収容されているため、画像形成動作が可能である。
【0069】
この場合には、トナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kからプリンタ本体1の現像装置10Y、10M、10C、10Kにトナーが供給されないため、画像濃度が次第に低下し、想定されるカウンタのカウント値に到達する以前にトナー空検知状態に至る。
【0070】
この時点で、プリンタ本体1は、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kが装着されていないか、あるいは取り外されたと判定することができる。
【0071】
さらに、カラープリンタを購入したユーザは、図13(b)に示すように、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kをプリンタ本体1に装着するのを忘れて、プリンタ本体1にトナーカートリッジを装着しないままの状態でカラープリンタの使用を開始した後、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kをプリンタ本体1に装着して使用する場合が考えられる。
【0072】
この場合には、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kがプリンタ本体1に装着されていない期間は、トナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kからプリンタ本体1の現像装置10Y、10M、10C、10Kにトナーが供給されないため、画像濃度が次第に低下していく可能性があるが、トナー残量なしが検知される以前に、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kをプリンタ本体1に装着すると、画像濃度が一旦復帰し、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kが空になった時点で、トナー空検知状態となる。
【0073】
ただし、この場合には、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kのトナー残量を検知するトナー残量カウンタのカウント値は、予め設定された範囲を越えた値となることが予想される。
【0074】
このとき、プリンタ本体1では、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kのトナー残量を検知するトナー残量カウンタのカウント値が、予め設定された範囲を越えた値となっているため、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kが一旦取り外された後に再度装着されて使用された履歴があること、及び同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kは、トナーが空となっているため、再度使用されるケースはないと判定することができる。
【0075】
又、カラープリンタを購入したユーザは、図13(c)に示すように、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kをプリンタ本体1に装着せずに、最初から純正品としてのメモリ素子61を備えたトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kをプリンタ本体1に装着して使用することが考えられる。
【0076】
この場合、プリンタ本体1側には、動作上何ら問題はないが、プリンタに同梱されたトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kが無駄になったり、予期せぬ状態で同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kが使用される可能性があるため、トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kに設けられたメモリ素子61に記憶された情報の読み出しが可能か否かにかかわらず、ユーザに同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kがプリンタ本体1に装着されているか否かを確認せしめるのが望ましい。
【0077】
なお、その他にユーザによっては、図14〜図16に示すように、同梱のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kが不本位に着脱されるなど、様々な使用態様で使用される可能性がある。
【0078】
上記カラープリンタでは、次に示すように、上述したような種々の使用のされ方がなされた場合でも、プリンタ本体1に装着されたトナーカートリッジの種類に応じた種々の制御が可能となっている。
【0079】
すなわち、カラープリンタは、図11に示すように、当該カラープリンタを購入したときに、カラープリンタを梱包した箱体の中に、カラープリンタで使用するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のメモリ素子61を備えていないトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kが同梱されており、購入したカラープリンタを直ちに使用することが可能となっている。
【0080】
ただし、上記カラープリンタに同梱されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kは、当然のことながら、カラープリンタの製造メーカが提供するものであり、各トナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’K内のトナーの種類や材質、あるいは収容量等は、予め既知である。そのため、カラープリンタに同梱されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kには、図10(b)に示すように、記憶手段としてのメモリ素子61が取り付けられていない。また、カラープリンタのROM103には、図1に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の同梱トナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kのトナー等に関する情報が予め記憶されている。
【0081】
そこで、上記カラープリンタを購入したユーザは、図6に示すように、プリンタ本体1の側面カバー29を開けて、図5に示すように、同梱されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナーカートリッジ60’Y、60’M、60’C、60’Kを予め定められた位置に装着する。
【0082】
そして、上記カラープリンタの電源を投入すると、カラープリンタのCPU101は、図17に示すように、ROM103に予め記憶された制御プログラムに基づいて、同梱トナーカートリッジ残量判定処理やトナーカートリッジ装着確認処理等の予め定められた処理を実行した後に、プリント動作を実行する。
【0083】
まず、CPU101は、図18に示すように、同梱トナーカートリッジ残量判定処理を実行する。なお、上記CPU101が実行する処理は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kに対して同様に行なわれるが、ここでは、イエロー(Y)色のトナーカートリッジ60Yを例に説明する。
【0084】
この同梱トナーカートリッジ残量判定処理では、CPU101は、図18に示すように、同梱トナーカートリッジ60’Yが空か否かを判定する情報eが1であり、且つ、同梱トナーカートリッジ60’Yのトナー量をカウントするカウンタ情報fが予め定められた閾値以上であるか否かを判定する(ステップ201)。ここで、同梱トナーカートリッジ60’Yが空か否かを判定する情報eは、e=0が空でなく、e=1が空の場合をそれぞれ示している。
【0085】
そして、CPU101は、トナーカートリッジ60’Yが空か否かを判定する情報eが1であって、且つ同梱トナーカウンタ情報fが予め定められた閾値以上であると判定した場合には、同梱トナーカートリッジ60’Yの残量情報gを1に設定して(ステップ202)、当該同梱トナー残量判定処理を終了する。ここで、同梱トナーカートリッジの残量情報gは、g=0が空でなく、g=1が空の場合をそれぞれ示している。
【0086】
また、CPU101は、トナーカートリッジ60’Yが空か否かを判定する情報eが1でないか、又は同梱トナーカウンタ情報fが予め定められた閾値未満であると判定した場合には、同梱トナー残量情報gを0に設定して(ステップ203)、当該同梱トナー残量判定処理を終了する。
【0087】
その後、CPU101は、図17のステップ102に示すように、トナーカートリッジ装着確認処理を実行する。
【0088】
このトナーカートリッジ装着確認処理において、CPU101は、図19に示すように、装置使用履歴情報Pが0か否か、つまりカラープリンタが未使用状態(P=0)か、カラープリンタが既に使用されている(P=1)かを判定し(ステップ301)、カラープリンタを購入して最初に電源を入れた状態では、当然、カラープリンタが未使用状態(P=0)であるため、装着確認手段の結果aを0に設定した後(ステップ302)、トナーカートリッジ60Yと通信が可能か否かのトナー通信判定情報cが0か否かを判定する(ステップ303)。ここで、同梱トナーカートリッジ60’Yには、メモリ素子61が装着されていないため、図22に示すように、トナー通信判定情報cは0(通信不可)である。
【0089】
上記CPU101は、図19に示すように、トナーカートリッジ60Yと通信が可能か否かのトナー通信判定情報cが0であると判定した場合、つまりトナーカートリッジ60Yと通信が可能でないと判定した場合は、図12〜図16に示すように、同梱のトナーカートリッジ60’Yがプリンタ本体1に装着されていると判定するが、トナーカートリッジ60’Yがプリンタ本体1に装着されていない場合も考えられるため、この実施の形態では、念のため、図1に示すディスプレイパネル106に「トナーカートリッジが装着されているか否かを確認してください。動作を開始してもよろしいですか?」といったメッセージを表示して、図19に示すように、装着確認手段としてのディスプレイパネル106によって、ユーザに同梱のトナーカートリッジ60’Yが装着されていることを確認せしめる(ステップ304)。
【0090】
そして、CPU101は、ユーザがディスプレイパネル106のOKボタンを操作したか否かを判定し(ステップ305)、ユーザがディスプレイパネル106のOKボタンを操作した場合には、図19に示すように、装着確認手段の結果aを1に設定し(ステップ306)、当該トナーカートリッジの装着確認処理を終了する。
【0091】
一方、上記CPU101は、図19に示すように、トナーカートリッジ60Yと通信が可能か否かのトナー通信判定情報cが0でなく1であると判定した場合(ステップ303)、つまりトナーカートリッジ60Yと通信が可能である場合は、同梱のトナーカートリッジ60’Yではなく、メモリ素子61を備えた純正品としてのトナーカートリッジ60Yがプリンタ本体1に装着されていると判断して、ディスプレイパネル106に「同梱のトナーカートリッジではありません。同梱のトナーカートリッジを装着してください。」とのメッセージを表示して、ユーザに同梱のトナーカートリッジ60’Yの装着を促すメッセージを表示して(ステップ307)、ステップ301に戻る。
【0092】
その後、CPU101は、ステップ301に戻り、装置使用履歴情報Pが0か否か、つまりカラープリンタが未使用状態(P=0)か、カラープリンタが既に使用されている(P=1)かを判定し(ステップ301)、カラープリンタを購入して最初に電源を入れた状態では、当然、カラープリンタが未使用状態(P=0)であるため、装着確認手段の結果aを0に設定した後(ステップ302)、トナーカートリッジ60Yと通信が可能か否かのトナー通信判定情報cが0か否かを再度判定する(ステップ303)。
【0093】
ここで、ユーザがトナーカートリッジ60Yを同梱のトナーカートリッジ60’Yと交換した場合には、 図19に示すように、トナーカートリッジ60Yと通信が可能か否かのトナー通信判定情報cが0となる。
【0094】
上記CPU101は、図19に示すように、トナーカートリッジ60Yと通信が可能か否かのトナー通信判定情報cが0であると判定した場合、上述したように、ステップ304〜306の動作を実行する。
【0095】
また、上記CPU101は、図19に示すように、ステップ301において、装置使用履歴情報Pが0か否か、つまりカラープリンタが未使用状態(P=0)か、カラープリンタが既に使用されている(P=1)かを判定し(ステップ301)、カラープリンタが既に使用されている状態である場合には、カラープリンタが使用状態(P=1)となり、トナーカートリッジ60Yの空検知情報eが1か否かを判定し(ステップ308)、トナーカートリッジ60Yの空検知情報eが1でない場合には、つまり、トナーカートリッジ60Yが空でない場合には、トナーカートリッジ60Yとの通信判定情報cが0か否かを判定する(ステップ309)。
【0096】
そして、CPU101は、トナーカートリッジ60Yとの通信判定情報cが0である場合には、トナーカートリッジ装着確認処理を直ちに終了し、トナーカートリッジ60Yとの通信判定情報cが1である場合には、トナーカートリッジ60Yの装着確認手段の結果aを1にして(ステップ306)、トナーカートリッジの装着確認処理を終了する。
【0097】
また、上記CPU101は、図19に示すように、ステップ308において、トナーカートリッジの空検知情報eが1であると判定すると、装着確認手段の結果aを0に設定した後(ステップ310)、トナー通信判定情報cが0か1かを判定する(ステップ311)。
【0098】
そして、CPU101は、トナー通信判定情報cが0である場合、つまりトナーカートリッジ60Yと通信が可能でない場合は、同梱トナーカートリッジ60’Yのトナー残量情報gが0か否かを判定し(ステップ312)、同梱トナーカートリッジ60’Yのトナー残量情報gが0である場合、つまり、同梱トナーカートリッジ60’Yにトナー残量がある場合には、念のため、図1に示すディスプレイパネル106に「トナーカートリッジが装着されているか否かを確認してください。動作を開始してもよろしいですか?」といったメッセージを表示して、ユーザに同梱のトナーカートリッジ60Yが装着されていることを確認せしめる(ステップ304)。
【0099】
その後、CPU101は、上述したように、ユーザがディスプレイパネル106のOKボタンを操作したか否かを判定し(ステップ305)、ユーザがディスプレイパネル106のOKボタンを操作した場合には、図19に示すように、装着確認手段の結果aを1に設定して(ステップ306)、当該トナーカートリッジの装着確認処理を終了する。
【0100】
一方、CPU101は、図19に示すように、トナーセンサ55の検知結果から、同梱トナーカートリッジ60’Yのトナー残量情報gが1であると判定された場合、つまり、同梱トナーカートリッジ60’Yにトナー残量がない場合には、図1に示すディスプレイパネル106に、図19に示すように「トナーカートリッジが装着されていないか、トナーがなくなりました。新しいトナーカートリッジに交換してください。」といったメッセージを表示して、ユーザにトナーカートリッジ60Yの交換を促すようになっている(ステップ313)。
【0101】
その後、ユーザによって新しいメモリ素子61を備えたトナーカートリッジ60Yと交換されると、CPU101は、トナーカートリッジが交換されたと判定し(ステップ314)、トナーカートリッジ60Yの装着確認手段の結果aは1となり(ステップ306)、当該トナーカートリッジ装着の確認処理を終了する。
【0102】
その後、図20に示すように、当該トナーカートリッジ60Yから対応する現像装置10Yにトナーを供給し、現像装置10Y内のトナー濃度をトナーセンサ55によって直接的に検知するか、又は感光体ドラム8上にトナーパッチを形成して、当該トナーパッチの濃度を中間転写ベルト12上に転写した状態で間接的に検知し、トナーカートリッジ60Yが交換されて使用可能な状態になったか否かを判定する(ステップ402)。
【0103】
CPU101は、現像装置10Y内のトナー濃度が予め定められた値に達したことを検知して、トナーカートリッジ60Yが使用可能状態と判定すると、制御処理を終了し、図示しない印刷動作に移行する。
【0104】
一方、CPU101は、現像装置10Y内のトナー濃度が予め定められた値に達せず、トナーカートリッジが空であると判定すると、当該トナーカートリッジ60Yからのトナー供給処理を終了し、ステップ101に戻る。
【0105】
また、上記CPU101は、図19に示すように、ステップ311において、トナー通信判定情報cが0か1かを判定し、トナー通信判定情報cが1である場合、つまりトナーカートリッジ60Yと通信が可能である場合は、メモリ素子61を備えたトナーカートリッジ60Yが装着されていると判定して、図1に示すディスプレイパネル106に「トナーが無くなりました。新しいトナーカートリッジと交換してください。」といったメッセージを表示して、ユーザに新しいトナーカートリッジ60Yと交換することを促す(ステップ315)。
【0106】
その後、ユーザによってメモリ素子61を備えたトナーカートリッジ60Yと交換されると(ステップ314)、CPU101は、トナーカートリッジ60Yの装着確認手段の結果aを1と判定して(ステップ306)、当該トナーカートリッジ装着確認処理を終了する。
【0107】
次に、CPU101は、図17に示すように、トナーカートリッジ60Yの装着確認手段の結果aが1であり、且つトナーカートリッジ60Yの空検知情報eが1であるか否かを判定し(ステップ103)、トナーカートリッジ60Yの装着確認手段の結果aが1でなく、又はトナーカートリッジ60Yの空検知情報eが1でない場合には、当該処理を終了する。
【0108】
また、CPU101は、図17に示すように、トナーカートリッジ60Yの装着確認手段の結果aが1であり、且つトナーカートリッジ60Yの空検知情報eが1であると判定している場合、つまり、トナーカートリッジ60Yが空であり、且つトナーカートリッジ60Yが新規に交換されている場合には、トナー供給処理を実行し(ステップ401)、使用可能な状態であるか判定し(ステップ402)、処理を終了する。
【0109】
図20は上記トナーカートリッジからのトナー供給処理を示すフローチャートである。
【0110】
このトナーカートリッジからのトナー供給処理では、CPU101は、図20に示すように、図示しないトナー供給用のモータを駆動してトナーカートリッジ60Yから現像装置10Yへのトナー供給処理を実施し(ステップ401)、トナーセンサ55からの信号に基づいて現像装置10Y内のトナー濃度が予め定められた値以上に復帰したか否かを判定する(ステップ402)。
【0111】
そして、上記CPU101は、図20に示すように、現像装置10Y内のトナー濃度が復帰したと判定した場合には、トナーカートリッジ60Yのトナー空検知情報eを0に設定して(ステップ403)、トナーカートリッジ60Y内のトナーが空でないと判定して、当該トナーカートリッジ60Yからのトナー供給処理を終了する。
【0112】
一方、上記CPU101は、トナー供給処理を実行しても現像装置10Y内のトナー濃度が復帰しないと判定した場合には、トナーカートリッジ60Y内のトナーが空であると判定して、当該トナーカートリッジ60Yからのトナー供給処理を終了し、ステップ101に戻る。
【0113】
その後、上記カラープリンタでは、図2に示すように、パーソナルコンピュータ2等から送られてくる画像データに基づいて、フルカラーやモノクロのプリント動作が実行される。
【0114】
図12及び図22はカラープリンタ本体1に図12(a)(b)に示すように同梱トナーカートリッジが装着された状態でプリント動作が実行された後、同梱トナーカートリッジが空となり、メモリ素子61を備えたトナーカートリッジ60と交換されて使用された場合の制御回路の動作を示すタイミングチャートである。
【0115】
上記カラープリンタでは、図5に示すように、プリンタ本体1に同梱のトナーカートリッジが装着されて使用されるが、当該カラープリンタは、トナーカートリッジが装着されたことを検知する手段を備えていないため、図19のステップ305に示すように、ユーザに同梱のトナーカートリッジが装着されているか否かを確認する確認動作が実行される。
【0116】
そして、CPU101は、ユーザによってトナーカートリッジの装着が確認されると、装着確認手段の結果aが1となる。
【0117】
上記同梱のトナーカートリッジから現像装置にトナーが供給されると、CPU101は、同梱のトナーカートリッジ60’からのトナーの供給量をカウントし、プリンタ本体1側のRAM102にカウンタ情報を累積的に記憶する。
【0118】
また、CPU101は、図21及び図22に示すように、同梱のトナーカートリッジ60’から現像装置10に供給されるトナーの供給量を累積的にカウントし、当該カウント値が予め定めされた値(規定値)以上であり、かつトナー空検知手段としても機能するCPU101が、同梱のトナーカートリッジ60’が空状態であると判定すると、同梱トナーカートリッジ60’の残量情報を、空状態(0)とする。
【0119】
そして、CPU101は、図21及び図22に示すように、同梱のトナーカートリッジ60’から現像装置10に供給されるトナー供給量の累積的カウント値が予め定めされた値(規定値)以上であり、かつ同梱のトナーカートリッジ60’の残量情報が空状態(0)であると判定すると、装着確認手段としても機能するCPU101は、図19のステップ313に示すように、ユーザにトナーカートリッジ60’の確認及び交換を促し、ユーザによってメモリ素子61を備えたトナーカートリッジ60と交換される。
【0120】
すると、CPU101は、図21及び図22に示すように、トナーカートリッジ60のメモリ素子61からデータの読み取り等の通信が可能となるため、純正品としてのトナーカートリッジ60が装着されたと判定し、当該トナーカートリッジ60から供給されるトナーの量等を管理する。
【0121】
一方、ユーザによっては、図23に示すように、同梱のトナーカートリッジ60’が空状態となる以前に、純正品としてのトナーカートリッジ60と交換されて、純正品としてのトナーカートリッジ60が使用される場合がある。
【0122】
この場合、CPU101は、図23に示すように、純正品としてのトナーカートリッジ60と通信可能となった時点で、同梱のトナーカートリッジ60’が空状態となる以前に、純正品としてのトナーカートリッジ60と交換されたと判定することができ、しかも、同梱のトナーカートリッジ60’が空状態となっていないため、再度使用される可能性があると判定できる。
【0123】
そこで、CPU101は、図23に示すように、純正品としてのトナーカートリッジ60が空状態となって時点で、トナーカートリッジ60と通信不能となると、トナーカートリッジ60が取り外されたままの状態であるのか、同梱のトナーカートリッジ60’が再度装着されたのか等を判定することができない。
【0124】
そのため、装着確認手段としても機能するCPU101は、図19のステップ313に示すように、ユーザにトナーカートリッジ60’の確認及び交換を促し、ユーザによってトナーカートリッジ60が交換される。
【0125】
その際、ユーザが同梱のトナーカートリッジ60’を再度装着して使用することを選択した場合には、図23に示すように、トナー供給動作が実行され、トナーカートリッジ60’が空状態でないことが判定されれば、同梱のトナーカートリッジ60’を再度装着されたと判定して、同梱のトナーカートリッジ60’のカウントを再開する。
【0126】
また、ユーザによっては、図25に示すように、プリンタの使用を開始する時点で、プリンタに如何なるトナーカートリッジ60も装着せずに、図19のステップ305においてOKボタンを操作し、プリンタを使用することが考えられる。この場合、CPU101は、プリンタに同梱のトナーカートリッジ60’が装着された場合と識別することができないため、同梱のトナーカートリッジ60’のカウントを開始しつつ、プリント動作を実行する。
【0127】
この場合、CPU101は、図25に示すように、プリント動作を開始して暫らくした時点で、トナーカートリッジの空状態を検知するため、装着確認手段としても機能するCPU101は、図19のステップ313に示すように、ユーザにトナーカートリッジ60’の確認及び交換を促し、ユーザによって同梱のトナーカートリッジ60’が装着されて使用される。
【0128】
このケースでは、同梱のトナーカートリッジ60’が最初から装着されて使用された場合と基本的に異ならないが、同梱のトナーカートリッジ60’のカウント値が、予め定めされた値(規定値)の上限を越えているため、同梱のトナーカートリッジ60’が一時取り外された使用された履歴があると判定される。
【0129】
このように判定するのは、上述した使用をされた場合に、同梱のトナーカートリッジ60’に収容されたトナーの充填量に誤りがあったと判定するのを回避するとともに、同梱のトナーカートリッジ60’のカウント値が、予め定められた値(規定値)の上限を大幅に越えている場合には、何らかの形で同梱のトナーカートリッジ60’にトナーが補充されて不本位に使用されたことも判定可能である。
【符号の説明】
【0130】
60Y、60M、60C、60K:トナーカートリッジ、60’Y、60’M、60’C、60’K:同梱のトナーカートリッジ、61:メモリ素子、101:CPU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に交換自在に装着され、記憶手段を有する純正品、前記画像形成装置に同梱される記憶手段を有しない純正品あるいはその他の製品のいずれかからなり、少なくともトナーを含む現像剤を収容した現像剤収容容器と、
前記現像剤収容容器の記憶手段に記憶された情報の少なくとも読み取りが可能か否かを判定する読取可否判定手段と、
前記画像形成装置が未使用か否かを判定する未使用判定手段と、
前記読取可否判定手段によって情報の読み取りが不可であると判定されるか、又は前記未使用判定手段によって画像形成装置が未使用であると判定された場合に、前記現像剤収容容器が前記画像形成装置に装着されているか否かをユーザに確認せしめる装着確認手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像形成装置に交換自在に装着され、記憶手段を有する純正品、前記画像形成装置に同梱される記憶手段を有しない純正品あるいはその他の非純正品のいずれかからなり少なくともトナーを含む現像剤を収容した現像剤収容容器と、
前記現像剤収容容器の記憶手段に記憶された情報の少なくとも読み取りが可能か否かを判定する読取可否判定手段と、
前記現像剤収容容器が空状態であるか否かを判定する現像剤空判定手段と、
前記画像形成装置が未使用か否かを判定する未使用判定手段と、
前記読取可否判定手段によって情報の読み取りが不可であると判定され、且つ前記未使用判定手段によって画像形成装置が未使用であると判定された場合、又は前記読取可否判定手段によって情報の読み取りが不可であると判定され、且つ前記現像剤空判定手段によって前記現像剤収容容器が空状態であると判定された場合に、前記現像剤収容容器が前記画像形成装置に装着されているか否かをユーザに確認せしめる装着確認手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置に同梱される記憶手段を有しない現像剤収容容器から供給される現像剤の量を計量する現像剤供給量計量手段を備え、
前記現像剤空判定手段によって前記現像剤収容容器が空状態であると判定され、且つ前記現像剤供給量計量手段によって計量された現像剤の量が予め定められた値以上である場合に、前記同梱される現像剤収容容器が空状態であると判定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−197611(P2011−197611A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67417(P2010−67417)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】