画像情報通報システム
【課題】通報システムにおいて、緊急通報センタからの事故状況質問等の呼びかけに対して事故車側の運転者が応答できない程の重大な事故であっても、救急・救命効果を高めることができる。
【解決手段】移動物体の一部と移動物体の周囲を撮影する撮像装置1429、1430と、移動物体1433に加わる衝撃を検出する衝撃センサ1401と、その検出結果に応じて衝撃検出時の前後の映像信号を記録保持する記録装置とを有し、救急通報センタへその保持された映像信号を送信する。
【解決手段】移動物体の一部と移動物体の周囲を撮影する撮像装置1429、1430と、移動物体1433に加わる衝撃を検出する衝撃センサ1401と、その検出結果に応じて衝撃検出時の前後の映像信号を記録保持する記録装置とを有し、救急通報センタへその保持された映像信号を送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データ変換送信装置に関し、特に、複数の送信フレームバッファを有する画像データ変換送信装置からネットワークを介して複数の画像受信装置に画像データを送信する画像データ変換送信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術を用いた緊急情報通報装置(緊急通報装置)のブロック構成例を図7に示す。図8は、図7に示した緊急通報装置を搭載した移動物体、例えば自動車の外観を説明する図である。また、図9に従来の技術を用いた緊急通報システムの構成例を示す。
【0003】
図7において、1fは衝撃センサである。この衝撃センサ1fは自動車先端に取り付けられている。2はエアバッグ装置、3はGPS受信装置で、3aはGPS受信装置3のアンテナである。
【0004】
ここで、もし、衝撃センサ1fが衝撃を検出すると、その検出結果によりエアバッグ装置2が作動して自動車内の搭乗者の受ける衝撃を軽減し保護すると共に、エアバッグ作動情報2aを出力する。一方、GPS受信装置3からは、GPS装置による測位結果としての自動車の位置情報・時刻情報3bが出力される。それらエアバッグ作動情報2aおよび位置情報・時刻情報3bは緊急通報制御装置4へ伝達されて、検出された衝撃を伴う事故の発生と、その事故発生時の自動車位置とを通報するための通報信号4aが生成される。その通報信号4aは携帯電話機5に供給され、携帯電話機5により自動的に送信がなされて、図9に示すセンタ局、例えば、緊急情報センタ30’へ無線通信でもって、あるいは通信ネットワーク32を介して通報される。
【0005】
緊急情報センタ30’では、受信された通報信号4aによって、自動車における事故の発生とその位置とを確認し、さらに、携帯電話5を介して、搭乗者、特に運転者から事故状況説明を受ける。そして、それら確認内容や説明内容に基づいて、パトロールカー・救急車・消防自動車・レッカー車等の中から事故現場に派遣すべき緊急自動車を選定しその派遣を手配する。
【0006】
ここで、もし、緊急情報センタ30’へ携帯電話5を介して運転者からの応答が無くて事故状況説明を受けられない場合は、「運転者の意識不明(意識障害)が生じたなどの重大事故」が発生したと判断されて、その判断によって、先ずパトロールカーの派遣が手配される。そして、パトロールカーにより確認された事故現地の状況に応じて、救急車・消防自動車・レッカー車等の緊急自動車の派遣が手配される。
【0007】
また、もしエアバッグ作動情報2aが出力されなくても、運転者などが緊急通報スイッチ6を操作することによって、エアバッグ作動情報2a出力時と同様に緊急通報することが出来る。
【0008】
このシステムの導入により、事故発生等の緊急事態発生時に公衆電話や非常電話を探すことなく緊急通報が可能となり、搭乗者の気が動転していたり、搭乗者が見知らぬ場所であっても緊急情報センタ30’側で迅速に事故位置特定が可能なので、救急・救命効果が高まる。
【0009】
また、特開平9−297838号公報では、例えば、上述のような衝撃を伴う事故が起こった結果として損傷を受けた事故車の画像を撮像し、その撮像画像を予め登録してあった損傷のない状態の自動車を撮像した登録画像と比較して、その比較により得られた差異を基にその損害に応じた損害保険の査定金額を算出するとした技術が記載されている。しかしながら、この技術では、査定対象がただ一台の事故車の状況のみを基に損害保険の査定金額を算出しているに過ぎず、例えば、複数の車両が関係した事故であっては、双方の責任割合が決まらないと査定金額が決まらないことになり、ただ一台の損傷程度を撮像した画像であっては、その責任割合を算出することはできない。
【0010】
また、「NTTDoCoMoテクニカルジャーナル」pp.18‐22,2000年10月1日発行と、「ITS産業・経済2001」pp.54‐60,2001年5月1日発行には、携帯電話を使用して自動車の事故発生時の緊急通報サービスの例が示されている。米国特許第5,933,080には自動車からMayday Center(救難センタ)へ事故発生を通報することが示されている。特開平11−165661には、車両の運転状態に関する情報を基地局に送信することが開示されている。特開2000−205890には、事故発生情報をコールセンタヘ通報することが開示されている。特開2001−243579には、事故発生時に搭乗者の情報を監視センタヘ通報することが開示されている。これらの文献に記載の通報システムは、運転者や事故車両に係わる識別情報(文字情報)を所定のステーションヘ送信することは開示されているが、事故車から撮影した事故前後の映像を記録して、その映像を緊急通報センタに送信することについてはまったく開示されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
人命に関わるような重大な交通事故においては、事故発生から救急車到着までの時間が救急・救命効果を左右することは広く知られている通りであり、従来の公衆電話や非常電話に依った通報に比べると大幅に通報効果が改善された上述の通報システムにおいても、もし、事故自動車の運転者が応答不能であるような重大事故であったとしたら、その重大事故への迅速かつ最適な対応を行うことができない場合がある。
【0012】
また、上述した特開平9−297838号公報に記載された従来の技術では、査定対象がただ一台の事故車の状況のみを基に損害保険の査定金額を算出しているに過ぎず、例えば、複数の車両が関係した事故であっては、双方の責任割合が決まらないと査定金額が決まらないことになり、ただ一台の損傷程度を撮像した画像であっては、その責任割合を算出することはできない。
【0013】
本発明の第1の目的は、通報システムにおいて、運転者が緊急情報センタからの事故状況質問の呼びかけに応答できないほどの「重大事故」における救急・救命効果をより高めることができるようにすることである。さらに、本発明の第2の目的は、事故発生前後の状況を迅速・的確に緊急情報センタ側で把握することによって、交通事故の発生原因を究明するための映像・音声記録を取得できるようにすることである。
【0014】
さらに、本発明の第3の目的は、事故発生前後の状況を迅速・的確に損害保険会社側で把握することによって、交通事故の発生原因が即座に究明できるようにすることである。
さらに、本発明の第4の目的は、事故発生後の携帯電話の信用情報発信機能を一時的に制限するようにして、携帯電話から送信される信用情報の確度(信用度)をより高められるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本例に係る画像情報通報システムでは、撮像手段と、撮像手段により得られた画像データを送信する画像データ送信手段とを備えた画像情報通報システムであって、信号機点灯色情報を受信する受信手段と、前記信号機点灯色情報に基づいて信号機点灯パターン表示を前記画像データの関連する信号機自体が撮像されているであろう位置付近に重畳する重畳手段と、を備えるように構成される。
【0016】
また、上記目的を達成するため、本例に係る画像情報通報システムでは、撮像装置により得られた画像データを送信する画像データ送信手段を備えた画像情報通報システムであって、信号機点灯色情報を受信する受信手段と、前記信号機点灯色情報に基づいて信号機点灯パターン表示を前記画像データの関連する信号機自体が撮像されているであろう位置付近に重畳する重畳手段と、を備えるように構成される。
【発明の効果】
【0017】
上述のように、本発明によれば、運転者が応答不能な重大事故においても迅速且つ的確な救急・救命活動が可能となって、対応遅れによる負傷者の重症化や甚だしきは生命の喪失を未然に防止できるばかりでなく、交通事故発生前後の映像・音声記録の取得によって、事故防止策の検討用や交通事故損害賠償責任の判定用に供することが出来る。
【0018】
また、第2の実施例によれば、交通事故損害賠償責任の判定に際して、双方の運転者が自分の進路の信号が緑信号で進入許可が指示されていたと相反する主張をする傾向にあり、そのように主張が異なっていたとしても、責任の無い側が無用の負担を強いられるという不合理が防止でき、また、事故発生原因究明のためにも、その効果がより高いシステムを実現することが出来る。
【0019】
また、第3の実施例によれば、交通事故損害賠償責任の判定や、事故発生原因究明の分析用としての効果がより高い。
また、本発明によれば、事故発生前後の状況を迅速・的確に損害保険会社側で把握することによって、交通事故の発生原因が即座に究明できる。
【0020】
さらに、本発明によれば、事故発生後の携帯電話の信用情報発信機能を一時的に制限するようにして、携帯電話から送信される信用情報の確度をより高められるようにできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施の形態について図を用いて説明する。図1は移動物体、例えば自動車に搭載された、本発明の緊急情報通信装置(緊急通信装置)のブロック構成例を示す図である。図2は、図1に示した自動車の外観を説明する図である。また、図10に本発明の通報システムの全体構成例を示す。
【0022】
図1において、1401f、1401Rは衝撃センサである。この衝撃センサ1401fは自動車前部に取り付けられている。また、衝撃センサ1401rは自動車後部に取り付けられている。1402はエアバッグ装置、1420はGPS受信装置、1432はGPS受信装置1420のアンテナである。
【0023】
もし、衝撃センサ1401fが衝撃を検出し、その衝撃度が所定値以上であるとするとエアバッグ装置1402が作動し、搭乗者の受ける衝撃を軽減し保護すると共に、エアバッグ作動情報2aを出力する。一方、GPS受信装置1420からは、自動車の位置情報・時刻情報3bが出力される。それらエアバッグ作動情報2aおよび位置情報・時刻情報3bは緊急通報制御装置4’へ伝達されて、検出された衝撃を伴う事故発生とその事故発生時の自動車位置とを通報するための通報信号4aが生成される。その通報信号4aは携帯電話機1421に供給され、携帯電話機1421により自動的に送信がなされて、図10に示すセンタ局、例えば、緊急情報センタ(通報業務センタ)30へ通報される。
【0024】
緊急情報センタ30では、受信された通報信号4aによって、自動車における事故の発生とその位置とを確認し、さらに、携帯電話1421を介して、搭乗者、特に運転者から事故状況説明を受ける。そして、それら確認内容や説明内容に基づいて、パトロールカー・救急車・消防自動車・レッカー車等の中から事故現場に派遣すべき緊急自動車を選定しその派遣を手配する。
【0025】
以上の動作は、後部の衝撃センサ1401rが衝撃を検出し、その検出結果により衝撃信号1raが出力され緊急通報制御装置4’へ伝達された場合も同様な動作を行う。
1429は撮像装置、例えば、テレビジョンカメラ(TVカメラ)である。TVカメラ1429は、自動車前面に取り付けられている。7f’はそのTVカメラ1429の視野を表している。また、1430はTVカメラである。TVカメラ1430は、自動車後面に取り付けられている。7r’はそのTVカメラ1430の視野を表す。これら視野7f’、7r’の下辺には自らの自動車の一部が視野に入るように、それらTVカメラの撮像方向がセットされているとしてもよい。そうすることで、自動車に発生した衝撃の原因が、その一部を撮像した映像の様子からより詳しく確認することが可能となる。TVカメラ1429、1430により自動車前後をそれぞれ撮像して得られた映像信号7fa、7raと、自動車内外の音声信号(図示せず)とは、それぞれ循環記録装置1417に供給され記録される。
【0026】
循環記録装置1417としては、所定の期間、例えば20秒間分の所定の映像信号、音声信号、その他、本発明に係わる信号情報の記録を可能とする。この循環記録装置1417は、不揮発性メモリを用いるとしてもよい。20秒間記録後は、より古い記録部分から順次削除し、その削除された記録領域に新しい映像を記録していく動作を繰り返すものとする。そして、エアバッグ作動信号2aや衝撃信号1raに基づいて緊急通報制御装置4’から送出される記録停止指令信号4bを受信すると、循環記録装置1417は10秒後に繰り返し記録動作を停止するものとする。
【0027】
この停止動作によって、循環記録装置1417にはエアバッグ作動信号2aや衝撃信号1raが緊急通報制御装置4’に到来する10秒前から、その到来の10秒後までの映像信号および音声信号が記録されたまま保持される。
【0028】
循環記録装置1417は厳重に封印されることで、前記の動作によって得られた記録内容が改竄されないようにしてもよい。また、一度記録停止指令信号4bを受信すると新たな書込が出来なくなるように構成してもよい。これによって、事故時の状況証拠が確実に保存され、警察や保険会社の調査資料の作成に役立てるデータを提供できる。
【0029】
緊急情報センタ30からの携帯電話1421を介しての運転者への事故状況問い合わせに対して、例えば11秒以上経過しても自動車1433の運転者からの応答が無い場合は、緊急情報センタ30側で、運転者が意識不明であるなどの重大事故が発生したと判断される。そして、緊急情報センタ30側から自動車1433へ、循環記録装置1417の記録内容を再生して送信するように指示するための信号が送られる。自動車1433では、その指示信号を携帯電話機1421によって受信することで、緊急通報制御装置4’から循環記録装置1417に再生指令信号4cが送出されて、その指令信号4cによって循環記録装置1417に収録されている映像・音声信号が出力される。循環記録装置1417から出力された再生信号8faは、緊急通報制御装置4’でGPS受信装置1420から得られる位置情報・時刻情報3bが重畳され、携帯電話機1421に送出されて緊急情報センタ30に送信される。なお、センタ30側からの指示信号の受信に依らないで、例えば、衝撃検出してから所定時間経過後に、自動的に、循環記録装置1417から出力された再生信号8faが緊急情報センタ30に送信されるとしてもよい。
【0030】
緊急情報センタ30では、受信した映像信号および音声信号を用いて事故現場の状況が判断される。そして、その判断の結果に応じて、パトロールカー・救急車・消防自動車・レッカー車等から事故現場に派遣すべき最適の緊急自動車を選定しその派遣を手配することができる。
【0031】
もし、エアバッグ作動信号2aや衝撃信号1raが出力されなくても、運転者などが手動通報スイッチ(ボタン)1416を操作することによってそれら信号出力時と同様に通報することが出来る。また、緊急情報センタ30の要求に応じて再生指令スイッチ8fbを運転者などが操作することにより、循環記録装置1417の再生信号8faを緊急情報センタ30へ送出することも出来る。
【0032】
また、TVカメラ1429、1430からの映像信号と自動車内外の音声を録音して得られた音声信号が、循環記録装置1417が再生状態にあるときモニタ端子8fcから出力される。そのため、その端子に接続されたモニタ(図示せず)のモニタ表示を見ることでTVカメラ1429、1430の画角を確認したり、携帯電話を介さずに自動車内で映像を得ることができる。
【0033】
図1において、点線1412で囲った部分は、車両に搭載しやすいように、一つのユニットあるいはモジュールとして構成することができる。但し、場合によっては、点線1412内の一つあるいはそれ以上のブロックを複数のユニットで構成することもできる。
【0034】
図4は本発明の第2の実施例のブロック構成を示す図で、図1と同一のものについては同一の参照符号を付してある。図6の(A)と(B)は、本発明の通報システムの一例における交通信号装置とその交通信号装置に接続された撮像装置のブロック構成例を示す図である。
【0035】
図6の(A)と(B)において、9n,9e,9w,9sは信号機である。その信号機9n,9e,9w,9sは、交差点で交差する各道路上を走行しながらその交差点に接近する自動車に対して、例えば、その自動車がその交差点の手前の所定地点で所定期間停止するか否かの制動制御を行うための信号を表示できるようにする。図6の(B)は交差点とその交差点の信号機9n,9e,9w,9sの配置と走行中の2台の自動車1433、1381の様子の一例である。図6の(B)においては、交差点は東西南北の各方向から延びる道路が交差し、左側通行の場合を仮定している。9nが北進する車両が交差点に進入して良いか否かを指示する信号機で、信号機9eは東進、信号機9sは南進、信号機9wは西進の各方向に向かっている車両にそれぞれ指示する信号機である。また、自動車1433は北進する車両で、図4に示した本発明を有する移動物体である。自動車1381は西進する車両である。信号機の個数は4台に限らず、交差点に応じて異なってよい。
【0036】
さらに、図6Aの9bは信号機制御器で、例えば、その交差点の全信号機を制御する。9cは送信機で、各信号機9n,9e,9w,9sの交通信号制御に係わる制御情報、例えば、点灯色情報を信号機制御装置9bから受け取り、交差点周辺に無線送信する。9dは送信アンテナである。これら、信号機9n,9e,9w,9s、信号機制御装置9b、送信機9cおよび送信アンテナ9dにより交通信号装置が構成されている。
【0037】
さらに、図6の(A)において、7aは撮像装置である。この撮像装置7aは、交通信号装置の指示により自動車が制動を行う可能性のある範囲、例えば、交差点手前の前記所定地点から交差点内にかけての所定範囲の状況を俯瞰撮像する。この撮像装置7aで撮像された映像信号は、この図の例では送信機9cへ入力されて、上述の点灯色情報と同様に交差点周辺に無線送信されるようになっている。
【0038】
また、撮像装置7aで、交差点に流入する車両および交差点内の交通状況を撮像した俯瞰映像は、GPSアンテナ9f、GPS受信機9gで受信された日時分秒の時刻信号および当該交差点の位置情報9hと共に、送信機9c、送信アンテナ9dを介して送出されるとしてもよい。
【0039】
信号制御装置9bから得られる交通信号機点灯情報とGPS受信機9gから得られる交差点位置情報はデータとして送信機9c・送信アンテナ9dから送信され、受信側で処理されて利用されるが、図4の場合と同様にパターン発生器(図示せず)・文字発生器(図示せず)と混合器(図示せず)でパターン化されて、図3の場合と同様に俯瞰映像の各信号機設置場所に重畳して送信される場合もある。
【0040】
ここで、図4に示す第2の実施例においては、上述の第1の実施例に示したブロック構成の外に、受信機1419と受信アンテナ1431と交通信号灯パターン発生器11と映像混合器12と文字映像発生器13とが搭載されている。この受信機1419は、信号機点灯色情報や撮像装置7aで得られた映像信号を含む送信信号を送信機9cから受信する。そして、受信機1419で受信された信号のうち、点灯色情報信号は交通信号灯パターン発生器11に入力され、そこで交通信号灯パターン信号が形成され、さらに、その交通信号灯パターン信号が映像混合器12で前面のTVカメラ1429からの映像信号における、関連する信号機9n自体が撮像されているであろう位置付近に重畳されるようにした信号が得られ、循環記録装置1417に記録される。一方、受信機10で受信された映像信号は、TVカメラ7fからの映像信号に関連づけて循環記録装置8に記録される。なお、受信機1419の代わりに、携帯電話機1421が送信機9cからの送信信号を受信できるようにしても良く、その場合、その送信信号を携帯電話機1421から交通信号灯パターン発生器11に入力できるようにすることで、受信機1419を無くすることもできる。
【0041】
さらに、図4において、文字映像発生器13は、GPS受信装置1420から得られる位置情報・時刻情報3bからそれら情報を表す文字パターン信号を生成する。そして、その文字パターン信号は映像混合器12で前面TVカメラ1429からの映像信号にある余白の部分に重畳される。そして、その重畳後の映像信号は、循環記録装置1417に記録される。なお、上述の交通信号灯パターン信号の重畳と文字パターン信号の重畳とは、それぞれ独立して施されるとしてもよい。
【0042】
ここで、それら重畳後の映像信号による画像表示の一例を、図3に示す。この図において、例えば、自動車1433に搭載されたTVカメラ1429から撮像した車の前方の画像であって、その自動車1433の一部分が撮像されると共に、自動車1433が交差点に差し掛かろうとしている場合の画像が示されている。さらに、画像の右側から赤信号(信号機9wにおける停止指示信号)を無視した別の自動車1381が交差点内に進入してくる場合を示している。(左側通行の道路)
さらに、11n、11w、11s、11eは、それぞれ交差点に至る4方向の道路を交差点に向けて走行する自動車1433に対し、それぞれそれらの制動を指示するための信号機9n,9w,9s,9eの点灯パターン表示である。さらに、13aは、文字映像発生器13で発生された文字パターン信号により表示された時刻表示の一例である。ここで、これら点灯パターン表示は、交通信号灯パターン信号によって表示されていて、その交通信号灯パターン信号は、上述の交通信号灯パターン発生器11によって発生し、映像混合器12でTVカメラ1429からの映像信号に重畳される。この例では、点灯パターン表示11nが自動車1433の制動を指示するための信号機9nに係わる。
【0043】
そして、この点灯パターン表示11nは、この画像の撮像時点での自動車1433の交差点への進入許可を指示しているパターン例を示している。一方、点灯パターン表示11wが自動車1381の制動を指示するための信号機9wに係わる。そして、この点灯パターン表示11wは、この画像の撮像時点での自動車1381の交差点への進入禁止を指示しているパターン例を示している。そのため、このような画像が撮像された後に自動車1433と自動車1381とが衝突して衝撃が発生し、図3に示す画像を表示するための映像信号が自動車1433の循環記録装置1417に保持された場合、その保持された映像信号を、図10に示すようなセンタ30に送信し、そのセンタ30が備えたモニタ37で再生表示することで、この例ではその衝突事故原因が自動車1381の交差点進入禁止違反であることが容易に確認できるものである。さらに、年月日時分秒の時刻表示を行った俯瞰映像が同様に加わることによって、より容易に確認することができる。
【0044】
ここで、図40を用いて交通信号装置の動作例を説明する。ステップ5200で、各信号機を所定の制御タイミングに応じて点灯制御する。次にステップ5201で、信号機の制御状態を示す信号機制御信号である点灯色情報信号と、交差点に設置された信号機の配置を表す信号機情報信号とを送信する。そして、それらステップが繰り返し行われる。
【0045】
この信号機情報信号は、図41に示すように、交差点に配置されたすべての信号機の設置台数と、それぞれの信号機の信号に従うべき車両の進行方向とを示す情報が含まれている。さらに、図41の信号機情報の例では、各信号機に対応する交通信号灯パターン映像を自動車1433の前面カメラ1429で撮像された映像画面上に重畳する場合の重畳位置情報を有している。図6の(B)に示す北進する自動車1433に対して、指示する信号機は信号機9nである。そのため、信号機情報信号に応じて信号機9nの交通信号灯パターン映像11n(図3)が映像画面(図3)のセンタ上部に表示される。そして、信号機9eの交通信号灯パターン映像11eが映像画面の右部に、信号機9sの交通信号灯パターン映像11sが映像画面の下部に、信号機9wの交通信号灯パターン映像11wが映像画面の左部にそれぞれ表示される。
【0046】
次に、図42を用いて対象車両である自動車1433の動作例を説明する。ステップ5300で自動車1433が進行する方向の図6の(A)の交通信号装置からの信号が所定レベル以上か否かを判断し、もし所定レベル以上で有れば、交差点に接近したことになり、ステップ5301へ移る。所定レベル未満の場合は、再度、ステップ5300を行う。ステップ5301では、その交通信号装置からの信号である点灯色情報信号と信号機情報信号とを受信する。次に、ステップ5302で、GPS受信装置1420により自動車1433の進行方向(図6の(B)の例では北)を検出する。次に、ステップ5303で、交通信号装置からの信号情報の内、信号機構成情報とステップ5302で検出した進行方向情報とに応じて、TVカメラ1429で撮像された映像に合わせて表示する各信号機の制御内容を示す信号機の点灯パターン表示の個数と位置とを決定する。
【0047】
さらに、ステップ5304で、決定された位置に、交通信号装置からの点灯色情報信号に基づいて、TVカメラ1429の撮像タイミングに応じた信号機の点灯パターン表示を、その撮像された映像信号と関連づけて循環記録装置1417に記録する。そして、ステップ5305で、循環記録装置1417の記録動作が停止されたか否かを判断し、もし停止されていないと判断した場合はステップ5300へ戻り、停止されたと判断した場合はこの処理を終了する。
【0048】
なお、上述の動作例では、先ずステップ5300で交通信号装置からの信号が所定レベル以上と判断されたらステップ5301以降の動作を行うとしたが、そのステップ5300の代わりに、車載のGPS受信機1420から得られる自車位置を車載の電子地図上にマッピングしたり、あるいは、送信機9c・送信アンテナ9dを介してGPS受信機9fから得られる交差点位置情報データと、車載のGPS受信機1420から得られる自車位置データを対比することによって、自車から交差点迄の距離を測定し、その測定距離が所定の長さ以下であるか否かを判断するとしても良い。そして、それが所定の長さ以下であると判断されたらステップ5301以降の動作を行うとしもよい。
【0049】
なお、図3では、TVカメラ1429から交差点までかなりの距離があれば、前方の信号機9nがTVカメラ1429の視野内に入って撮像され、それにより信号機9nの点灯色が確認できるが、より交差点に近づくと前方の信号機9nはTVカメラ1429の視野外となるので、本発明のように、TVカメラ1429の映像と事故直前の信号機点灯色情報とを関連づけながら重畳して確認できるようにしたことにより、極めて容易に、かつ、より確実に信号機の点灯色を確認することができる。
【0050】
なお、TVカメラ1430によっても、同様に自動車後部に衝撃が生じるような場合に、上述の場合と同様に確認することが出来る。
なお、この第2の実施例によれば、上述の第1の実施例の作用効果に加えて、循環記録装置1417にはエアバッグ作動信号2aや衝撃信号1raが到来する前の、例えば10秒前から、その到来した後の、例えば10秒後までの映像・音声信号が、時々刻々の各信号機の点灯色情報とともに記録保持されることになる。そのため、その保持された映像信号によって、より的確な交通事故発生原因究明が可能となる。また、受信した信号機点灯色情報を利用して、赤信号の見落としによる交差点への誤進入に対して事前に警告を発する警告装置を移動物体に設けて、その警告装置によって事故を未然に防ぐための警告を運転者へ発するようにしたり、あるいは、その警告に連動して自動車の制動装置を動作させて事故を回避させるようにすることも可能である。
【0051】
図5は本発明の第3の実施例のブロック構成を示す図で、図1と同一のものについては同一の参照符号を付してある。この図において、自動車の運行状況に関する装置である、、例えば、自動車の速度を示すスピードメータや、自動車の転進の度合いを制御する制動装置であるステアリングホイールや、自動車の速度を減ずるための減速機の動作を制御するブレーキペダルなどの運転用機器17において、それらの状態や状況、すなわち運行状況・制動動作状況をモニタする装置を有し、その運転用機器17から得られる各種モニタ情報(運行状況・制動動作状況モニタ情報)、例えば、車速・操舵角・停止灯点灯などの運転情報17aが、ドライブ・レコーダ1411に供給されて運転管理などに利用される。それと共に、それら運転情報17aに応じて運転情報パターン発生器19によって車速・操舵角・停止灯点灯パターン信号が生成され、映像混合器12で前面TVカメラ1429により撮像された映像の余白部に重畳される。そして、その重畳により余白部に車速・操舵角・停止灯点灯パターンが表示されるようにした映像信号が、循環記録装置1417に供給され記録される。
【0052】
なお、上述の自動車1433に、その自動車に搭乗する搭乗者の状況を確認するためのセンサ装置を設けて、そのセンサ装置の出力結果に応じて循環記録装置1417に記録されるとしてもよい。そのセンサ装置としては、例えば、搭乗者を撮像する撮像装置であってもよいし、上述の携帯電話機を用いるとしてもよい。
【0053】
以上のようにして、映像信号を循環記録装置1417に記録することで、それら記録された映像信号をセンタ30へ送信することができる。
なお、図3に示す車速・操舵角・停止灯点灯パターン14aはその重畳された映像信号によるパターン表示の例を示しており、本実施例によれば、TVカメラの映像と関連づけながら、事故直前の信号機点灯色情報や自動車運転情報を同時に確認することができる。
【0054】
なお、上述の説明にこだわらず、本発明では、様々な構成を付加したものを本発明の範ちゅうと見なすことができ、例えば、GPS受信装置以外の測位手段から位置情報・時刻情報を単独または組み合わせて取得する場合や、循環記録装置・再生指令スイッチ・モニタ端子をTVカメラや緊急通報制御装置に一括または分散して収納したり、また、前面TVカメラを道路の白線検知用や前方自動車車間距離計測用としても用いることができる。あるいは、後面TVカメラを車庫入れや駐車の際の後方確認用としても用いることができる。さらに、信号機点灯色情報受信機10を、信号見落とし警告用としても用いることができる。また、位置情報・時刻情報、信号機点灯色情報、運転情報を、パターン化・文字化せずにデータのまま循環記録装置に供給し記録するとしても良い。
【0055】
なお、移動物体としては、地上走行のみならず、水上や空中などを移動する物体であってもよい。また、無線送信設備としては携帯無線電話にこだわらずに様々な通信設備を用いたとしても、本発明の通報システムを実現することが出来る。
【0056】
なお、本発明は、衝撃センサ1401fまたは衝撃センサ1401rのいずれか一方の検出結果に応じて映像信号7faおよび映像信号7raの記録保持を行うとしてもよいし、衝撃センサ1401fの検出結果に応じては映像信号7faを記録保持し、衝撃センサ1401rの検出結果に応じては映像信号7raを記録保持するというようにそれらを相互に独立に動作させるとしても良い。
【0057】
なお、エアバッグ装置1402は搭乗者のみならず自動車の搭載物を保護するための装置であっても良い。
さらに、本発明の実施の形態について図を用いて、より詳細に説明する。図11〜図39で、図1〜図10での参照番号と同じ番号のものは基本的に同一のものを示す。図11は、本発明が適用された救急システムの、関係者および関係組織を図式化して説明するための概略説明図である。
【0058】
緊急通報センタ1301は、個人や法人あるいは団体との間で、指定した人あるいは指定した自動車(移動物体)が事故にあった場合の緊急対応処理サービスを提供することについて契約をする。契約で指定されたサービス対象の人あるいは自動車についての識別情報は緊急通報センタ1301に登録されている。識別情報は、氏名や住所、免許証の番号、携帯電話の番号、車両の登録番号あるいはその他の識別符号などである。図11〜図13で説明する実施例では、緊急通報センタ1301により事故時の緊急対応処理サービスを受ける対象は、自動車の運転者1410と、その運転者1410が運転する自動車1433である。以下、この運転者1410を対象運転者と称し、対象運転者1410が運転している自動車1433を対象自動車(対象車両)と称する。また、対象運転者1410は損害保険会社 A 1341と自動車1433での運転中に発生した事故について損害保険の契約をしているものとする。対象自動車1433と衝突事故を起こした相手の自動車1381とその運転者1382は、事故にあった場合の緊急対応処理サービスを受ける対象として登録されていないものとする。以下、これら自動車1381とその運転者1382を、相手側自動車(相手側車両)と相手側運転者と称する。
【0059】
この図の例では、対象運転者1410の対象自動車1433と相手運転者1382の相手側自動車1381とが事故を起こすことで生じる種々の相互関係が示されている。「対象運転者」とは、緊急通報センタの通報サービスを受ける対象となる人のことで、本例の場合には、自動車保険の被保険者でもある。すなわち、この事故の発生が対象運転者1410から緊急通報センタ(通報業務センタ)1301へ通報される。緊急通報センタ1301はその通報時に伝達された事故車両の位置情報を地図会社(地図情報会社)1361へ送信し、地図会社1361からその位置情報に応じた地図情報が緊急通報センタ1301へ送信される。緊急通報センタ1301は地図情報を基に事故発生地点の地名や地番を確認し、必要があれば、その地名や地番に対応した警察組織と消防組織のいずれか一方あるいは両方へ出動要請を行う。
【0060】
また、緊急通報センタ1301は対象運転者1410と保険契約を結んでいる損害保険会社 A 1341へ事故発生通報を行う。損害保険会社 A 1341はロードサービス会社 A 1331や警備会社1321へその事故現場への出動を依頼する。なお、これら出動依頼は、必要に応じて緊急通報センタ1301から依頼される場合もある。
【0061】
さらに、緊急通報センタ1301は対象運転者1410側から事故発生通報があったことに応じて、異常発生通知を携帯電話会社1351へ出力する。
以上のように出動要請や異常発生通知があったことで、警察または消防組織1311から対象運転者1410に対して緊急車両やヘリコプタなどによる出動が行われ、また、ロードサービス会社 A 1331や警備会社1321からも警備員やレッカー車等が出動される。
【0062】
異常発生通知を受け取った携帯電話会社1351は、対象運転者1410が用いる携帯電話機のメモリ内に記録されている信用情報の送信機能を制限するようにする。そのため、携帯電話会社1351からその携帯電話機に対してその制限を行うための制御信号が送信され、その携帯電話の信用情報送信が停止される。「信用情報」とは、携帯電話の所有者が携帯電話を使用して受けるサービス、例えばインターネットバンキングやインターネットショッピングなどで使用する個人暗証番号やクレジットカードの番号などである。これらの番号は、携帯電話のメモリ中に保存されていることがあり、その場合は、いかなるときでも、他人によって読み取られないようにセキュリティが保持される必要がある。
【0063】
損害保険会社 A 1341は、事故発生通報に関する事故についての保険業務を行う。例えば、相手側運転者1382と契約を行っている損害保険会社 B
1371との補償交渉を行い、対象運転者1410への保険適用連絡、およびこの事故に係わる保険料の割引等級の変更の通知等を行う。
【0064】
図12は、図11に示す救急システムの情報伝達の一例を説明するための図である。
この図において、先ず、事故の発生が対象運転者1410から緊急通報センタ1301へ通報される。その後、上述したように、緊急通報センタ1301から、地図会社1361、警察または消防組織1311、損害保険会社 A 1341、ロードサービス会社 A 1331、警備会社1321、携帯電話会社1351の各連絡先へ、位置情報送信や出動要請や事故発生通報や出動依頼や異常発生通知などの通信を行う。なお、図12に示された緊急通報センタ1301からの各連絡先への通信順序は一例であり、外のどんな順序であってもよい。
【0065】
図13は、本発明のさらに他の実施例を示し、通信ネットワークを用いたシステムの一構成例を示す図である。この図において、対象運転者1410は、対象車両1433に搭乗している。この図の例では、この対象車両(登録車両)1433と相手側運転者1382が搭乗した相手側車両1381とが事故を起こした場合について説明している。また、対象車両1433には、衝撃センサ1401とGPSアンテナ1432と車載装置1412と携帯電話機1421とが搭載されている。「対象車両」とは、通報サービスを受ける対象の車両であり、緊急通報センタへ事故発生通報を行う。
【0066】
対象車両1433に搭載された携帯電話機1421は通信ネットワーク1300を介して緊急通報センタ1301の送受信装置1302と通信を行う。緊急通報センタ1301は、地図会社1361あるいは警察あるいは消防組織1311あるいは損害保険会社 A 1341あるいは警備会社1321やロードサービス会社 A 1331あるいは携帯電話会社1351とも通信ネットワーク1300を介して相互に通信を行う。また、携帯電話会社1351は携帯電話機1421と通信を行うこともできる。また、損害保険会社 A 1341と損害保険会社 B 1371との間も、通信ネットワーク1300を介して通信を行うことができる。
【0067】
緊急通報センタ1301は、通信ネットワーク1300を介して通信を行うための送受信装置1302を備え、その送受信装置1302には操作者が通話を行うための通話器1303が接続されている。送受信装置1302、各種制御を行う制御装置1305、各種ファイルや動作プログラム・ソフトウェア等を記録する記録装置1306、操作者のための入出力動作を行うための表示装置1307は、信号バス1304を介して相互に接続されている。
【0068】
警察あるいは消防組織1311および損害保険会社 A 1341に関しても、この図の例では緊急通報センタ1301と同様に、送受信装置1312,1342、通話装置1313,1342、制御装置1315,1345、記録装置1316,1346、表示装置1317,1347、信号バス1314,1344をそれぞれ備える。
【0069】
また、警備会社1321およびロードサービス会社 A 1331は、それぞれ通信ネットワーク1300を介して通信を行うための送受信装置1322,1332と通話装置1323,1333とを備える。また、携帯電話会社1351は、通信ネットワーク1300と接続されたネットワーク制御を行うことが可能な制御装置1355と、その制御装置1355に接続された表示装置1357とを備える。
【0070】
図14は、本発明を移動物体に搭載した一実施例のブロック構成を示す図である。この図において、移動物体とは、対象運転者1410が搭乗した対象車両1433である。対象車両1433には、対象車両1433に加わった衝撃エネルギーを検出する衝撃センサ1401と、その衝撃センサ1401が所定量以上の衝撃、例えば、ブレーキ操作による減速度よりも大きな減速度が外部から加わったような衝撃を検出した場合に、搭乗者保護のために動作するエアバッグ装置1402を備える。
【0071】
対象車両1433は、さらに、対象運転者(登録運転者)1410が操作する制動装置としてステアリングホイール1409とブレーキペダル1406とを備え、それら制動装置の動作状態を検出するセンサとしてハンドル(ステアリング)操作角度を検出するハンドル操作角センサ1408と、ブレーキペダル操作状態を検出するブレーキペダル操作状態センサ1405とを有する。また、対象車両1433のタイヤ(ホイール)1403の回転速度を検出するようにした車速センサ1404を有する。なお、車速を検出するセンサとしては、タイヤ1403の回転速度を検出するものだけでなく、車軸やエンジン回転自体の回転数等に応じて算出するようにしたものでもよい。また、加速度センサ1400を有し、その加速度センサ1400で検出された、対象車両1433に作用した加速度に応じて車速のみならずその走行状態を検出するとしても良い。
【0072】
上述の衝撃センサ1401、車速センサ1404、ブレーキペダル操作状態センサ1405、ハンドル操作角センサ1408、加速度センサ1400からそれぞれ出力されるセンサ信号は、対象車両1433の動作状態を記録するためのドライブ・レコーダ1411へ入力され、各センサ信号の値が検出時刻と対応づけながら記録される。それとともに、それらセンサ信号は、車載装置1412のCPU1413へ入力されてそれぞれ信号処理される。
【0073】
なお、上述の各種センサのほかに、対象車両1433の所定部分、例えば、搭乗者が搭乗する室内での熱量(熱検出量)や温度を検出するための熱・温度センサ(以下、熱センサと称す)1407を有する。それにより、異常な発熱、例えば、車両火災が発生した場合などの熱量(熱検出量)の増加や温度上昇を検出することで、あるいは、急激な気温低下等によって車内温度が搭乗者の体温維持に支障を来す温度まで低下した場合などの温度低下を検出することで、より広範囲な異常状態を検出することができる。熱・温度センサ1407から出力されるセンサ信号も上述のセンサ信号と同様に車載装置1412のCPU1413へ入力され信号処理される。
【0074】
対象車両1433に搭載された車載装置1412は、移動物体で異常が発生した場合に、その移動物体から緊急通報センタ1301へ通報を行うための装置の主要部分を構成している。この車載装置1412には、さらに、手動操作で押し下げすることにより緊急通報センタ1301へ通報を行えるようにした手動通報ボタン1415、緊急通報動作状態などの車載装置1412の状態を表示するためのインジケータ1416、信号バス1414、信号バス1414を介して相互に接続されたCPU1413と映像音声データ記録装置1417と記録装置1418と無線機1419とGPS受信装置1420とを備える。
【0075】
このうち、映像音声データ記録装置1417は前述した循環記録装置であり、これにはTVカメラ1429とTVカメラ1430とが接続され、それらTVカメラで撮像されて得られた映像信号が映像音声データ記録装置1417へ入力され記録される。なお、TVカメラ1429は対象車両1433の前方向を撮像するためのものであり、かつ、対象車両1433の前部の一部が撮像される。また、TVカメラ1430は対象車両1433の後ろ方向を撮像するためのものであり、かつ、対象車両1433の後部の一部が撮像される。また、無線機1419には通信アンテナ1431が接続される。この無線機1419は、交通信号装置からの信号を受信する。その受信信号には、交通信号装置の信号機制御信号やその交通信号装置が設置された交差点等交通路の様子を撮像した映像信号が含まれている。その受信した信号機制御信号や交通路撮像の映像信号は、記録装置1418へ入力されてそこで記録される。さらに、GPS受信装置1420にはGPSアンテナ1432が接続される。GPS受信装置1420は、GPS衛星から送信された基準信号を受信することにより、対象車両1433の基準信号受信時の位置を示す緯度情報、経度情報、高度情報、さらに、時刻情報を生成し、それら生成された情報が記録装置1418へ入力されて記録される。
【0076】
記録装置1418には、対象車両1433に対応する「緊急通報サービス契約番号」が記録される。また、緊急通報センタ1301を呼び出すための通信ダイアル番号(電話ダイアル信号)である「通報先電話ダイアル番号」が記録されていてもよい。
【0077】
さらに、車載装置1412には、アダプタ1428を備え、このアダプタ1428を介して車載装置1412と携帯電話機1421とが接続されて、それらの間で相互にデータを送受信する。なお、アダプタ1428としては、無線通信機能を用いて車載装置1412と携帯電話機1421とをワイヤレスで通信接続できるようにしてもよい。
【0078】
携帯電話機1421は、操作者の入出力動作用のキーボタン1425と表示装置1422とを有し、さらに、送受信用のアンテナ1424を備えた送受信装置1423を有する。上述の携帯電話機1421の各部はCPU1426に接続されてそれにより制御される。CPU1426はアダプタ1428を介して車載装置1412と接続される。また、CPU1426には、記憶装置1427が接続され、この記憶装置1427には各種ファイルや動作プログラム・ソフトウェア等が記録される。なお、この記憶装置1427には、携帯電話機1421が呼び出されるための通信ダイアル番号(電話ダイアル番号)である「携帯電話ダイアル番号(自局電話ダイアル番号)」が記録される。また、緊急通報センタ1301の「通報先電話ダイアル番号」が記録されていてもよい。
【0079】
図15は、図14に示す本発明の動作フロー図の一例を示す図である。まずステップ1501で、移動物体の車載装置1412のCPU1413は、衝撃センサ1401が衝撃を検出したかあるいは手動通報ボタン1415が押し下げられたかを判断し、「No」の場合は判断動作を繰り返す。もし、その判断で「Yes」と判断された場合はステップ1502へ移る。ステップ1502で、その衝撃検出後の所定時刻、例えば、その検出から10秒後に映像音声データ記録装置1417の記録動作を停止する。そうすることで、TVカメラ1429,1430からの映像信号と、交通信号装置から無線機1419を介して送られた映像信号とについて、その衝撃発生時点前後に撮像された映像の映像信号が、映像音声データ記録装置1417に記録保持されるようにする。
【0080】
なお、この図の例では、ステップ1501およびステップ1502で衝撃センサ1401の検出内容に応じた動作でもって記録保持されると説明したが、それに代わり、熱センサ1407の検出内容に応じて記録保持動作するとしてもよい。
【0081】
さらにステップ1502で、車載装置1412から携帯電話1421を介して、前記記録された「通報先電話ダイアル番号」の呼出先である緊急通報センタ1301へダイアルする。そうすることで、通信ネットワーク1300を介してその携帯電話機1421と緊急通報センタ1301とで通信回線が確立するようにする。そして、通信回線が確立した後、それらの間で相互にデータ通信が行われ、対象車両1433側からは、携帯電話機1421を介して「緊急通報サービス契約番号」や「携帯電話ダイアル番号」やGPS受信装置から得られた異常発生時の位置情報や時間情報である「異常発生時位置情報」や「異常発生時刻情報」等が送信される。
【0082】
次にステップ1503では、緊急通報センタ1301から音声通話を行うための動作を行うための、音声通話モードにするよう要求があるか否かが判断される。もし、センタ1301から音声通話モードにする要求がなかった場合は、ステップ1505へ移る。もし、センタ1301から音声通話モードにする要求があった場合は、ステップ1504へ移る。ステップ1504では、センタ1301の通話装置1303と携帯電話機1421間で音声通話を行える音声通話モードとする。そして、その音声通話でもって、対象車両1433に搭乗した対象運転者1410とセンタ1301の音声通話操作者とが会話を行うことにより事故状況等や事故対策予定等を確認し合うことができる。また、音声通話モードとなった後に、所定時間以上対象車両1433側から搭乗者等の音声連絡が無いときには、センタ1301の音声通話操作者が、事故による搭乗者等の意識不明状態の可能性が高いと判断することができる。そして、その判断に基づいて、センタ1301の音声通話操作者は、以後の迅速な警察および消防組織1311への出動要請を行うことができる。
【0083】
なお、この実施例では、センタ1301側の音声通話操作者が通話装置1303を用いて、対象運転者1410との通話を行うとしたが、それに限らずに、センタ1301側に対象運転者1410との通話を行ったり上述の可能性を判断することが可能な人工知能(図示せず)を備え、その人工知能を送受信装置1302と接続する。そして、その人工知能が上述の音声通話操作者と同様に、対象運転者1410との通話を行こない、上述の判断を行うとしてもよい。この人工知能は、コンピュータとそのコンピュータで実行されるソフトウェアと、そのコンピュータと周辺機器とを接続する入出力インタフェース、マン−マシン・インタフェース、およびセンサなどから構成される。
【0084】
次に、ステップ1505では、緊急通報センタ1301からの映像データの送信要求、すなわち、ステップ1502で記録保持された、衝撃発生時点前後のTVカメラ1429,1430からの映像信号と交通信号装置からの映像信号を緊急通報センタ1301へ送信するよう要求があるか否かが判断される。なお、この送信要求は、ステップ1502でのデータ通信内容や、ステップ1504の音声通話内容に鑑み、記録された映像信号を対象車両1433側からセンタ1301側へ送信する必要があるとセンタ1301側で判断された場合に、センタ1301から送信要求信号がされることで行われる。もし、センタ1301から記録映像データをセンタ1301へ送信するよう要求が無かった場合は、このフローの処理を終わる。もし、センタ1301から記録映像データをセンタ1301へ送信するよう要求が有った場合は、ステップ1506へ移る。ステップ1506で車載装置1412の映像音声データ記録装置1417に記録された映像信号を、携帯電話機1421を介して緊急通報センタ1301へ送信する。そして、このフローの処理を終わる。
【0085】
図16は、本発明に係わる緊急通報センタ1301の動作フロー図の一例の前半部分を示す図である。また、図17は、図16に係わる緊急通報センタ1301の動作フロー図の一例の後半部分を示す図である。図16で示されるフロー図において、まず、ステップ1601で、緊急通報センタ1301の制御装置1305は、対象車両1433とセンタ1301との間で通信回線が確立したか否かを判断する。通信ネットワーク1300を介して緊急通報センタ1301と対象車両1433の携帯電話機1421間で通信回線が確立されたことにより緊急通報があると判断する。いま、その判断が「No」の場合は判断動作を繰り返す。もし、その判断で「Yes」と判断された場合はステップ1602へ移る。ステップ1602で、緊急センタ1301の送受信機1302は、その確立された通信回線でもって、車載装置1412の記録装置1418に保持された「緊急通報サービス契約番号」および携帯電話機1421の「携帯電話ダイアル番号」をIDデータ信号として受信し、あるいは、「自動通報/手動通報識別情報」を受信する。その受信された信号は、送受信機1302から信号バス1304を介して記録装置1306に記録されると共に、ステップ1603で制御装置1305によりその受信信号のIDデータ信号が確認され、その確認されたIDデータ信号に関連する情報であって、記録装置1306における緊急通報サービス契約内容データベースに予め保持されている関連情報と、その受信した信号とが比較される。
【0086】
次にステップ1604で、受信した携帯電話機1421の「携帯電話ダイアル番号」に関連の携帯電話会社1351に対し、その「携帯電話ダイアル番号」とその「携帯電話ダイアル番号」の携帯電話機1421に事故が発生したこととを通報する。なお、この通報を受け取った携帯電話会社1351では、例えば、金融取引等に係わる信用情報をその携帯電話機が保持している場合に、通信ネットワーク1300において、あるいは、その「携帯電話ダイアル番号」を有する携帯電話機1421において、その信用情報を携帯電話機の外部に発信したり表示装置に表示したりする動作を一時的に禁止するための制御を行う。なお、この通報は、ステップ1603で携帯電話機1421からのIDデータが確認されたことに応答して自動的に通報番号として送信されるか、あるいは、オペレータ(音声通話操作者)が口頭で、電話でもって伝える。
【0087】
次にステップ1605で、センタ1301側から携帯電話機1421側へ音声通話モードに切り替わるように要求するための信号を送信する。そして、ステップ1606でその要求信号に応じて携帯電話機1421あるいは車載装置1412により音声通話モードが確立した場合は、対象車両1433に搭乗した対象運転者1410とセンタ1301の音声通話操作者とが会話を行うことが可能な動作状態となる。次に、ステップ1607で、センタ1301の音声通話操作者からの呼びかけに対して対象運転者1410から、あるいは他の搭乗者等から音声で応答があった場合には、次のステップ1608でその応答のあった通話者の本人名の確認とパスワード確認とが音声で行われる。
【0088】
そして、ステップ1609で、音声で確認された通話者の名前が、緊急通報センタ1301の記録装置1306における緊急通報サービス契約内容データベースに保持されている、そのIDデータ信号に対応の登録運転者氏名リストの中に登録されている名前であった場合は、次のステップ1610で音声通話により事故状況を確認し合うことなどによって、音声通話操作者がその事故に関する対処方法を策定する。そして、その策定された対処方法に基づき、次のステップ1611で、記録映像データを入手する必要があるか否かが判断される。もし記録映像データを入手する必要がないと判断されれば、次の記号Aのフローへ続き、もし、入手する必要が有ると判断されれば、次の記号Bのフローへ続く。
【0089】
なお、上述のステップ1607において、もし運転者等からの応答がなかった場合、また、上述のステップ1609において、もし通話者の名前が登録運転者氏名リストに登録されていなかった場合は、いずれの場合も記号Bのフローへ続く事になる。
【0090】
そして、図17で示されるフロー図において、記号Bから続く処理としては、まず、ステップ1612で、対象車両1433側で保持している映像信号の送信を要求するための要求信号を、緊急センタ1301の送受信装置1302から、通信ネットワーク1300を介して携帯電話機1421へ送信する。そして、ステップ1613で、携帯電話機1421で受信した要求信号に応じて車載装置1412の映像音声データ記録装置1417に記録された映像信号が、携帯電話機1421を介して送信される。そして、その送信された映像信号を緊急センタ1301の送受信機1302で受信する。さらに、ステップ1614で、送受信機1302で受信した映像信号を信号バス1304を介して記録装置1306に記録すると共に、表示装置1307でその映像信号に基づいた画像を表示することで、その映像信号の内容を確認して、その確認結果に応じて対処法を策定あるいは再び策定する。そして、そのステップ1614の次には、以下に説明する記号Aから続く処理を行うこととなる。
【0091】
記号Aから続く処理としては、ステップ1615で、今までの処理に応じて策定された対処方法に基いて各種処理を実行するものである。次に、このステップ1615での処理の内容についてより詳細に説明する。ステップ1615の処理は、オペレータあるいはコンピュータ(人工知能)により実行される。
【0092】
図18は、図17に示すステップ1615における緊急通報センタ1301の動作の流れを、より詳細に説明する動作フロー図の一例の前半部分を示す図である。また、図19は、図18に係わる動作フロー図の一例の後半部分を示す図である。図18で示されるフロー図において、まず、ステップ1801で、対象車両1433側から受信し記録した「位置情報」に応じた地図情報が、記録装置1306にすでに記録されているか否かを検索する。次にステップ1802で、もし、記録された地図情報があると判断された場合は、ステップ1805へ移る。もし、記録された地図情報が無かったと判断された場合は、ステップ1803へ移る。ステップ1803で、送受信装置1302から記録装置1306へ記録した「位置情報」を、通信ネットワーク1300を介して地図会社1361へ送信する。そして、ステップ1804で、地図会社1361から通信ネットワーク1300を介して送信された地図情報を送受信装置1302で受信し、その受信した地図情報を信号バス1304を介して記録装置1306へ入力し記録すると共に、表示装置1307でその情報に基づいた地図を表示する。そして、ステップ1805で、地図情報会社1361から受信した地図情報または記録装置1306に前から保持されていた地図情報から、前記「位置情報」に関連する地名および地番を抽出し、その抽出された地名および地番を表示装置1307で表示する。
【0093】
次に、ステップ1806で、上述の策定した対処方法に基づき、警察又は消防組織に出動要請する必要があるか否かが判断され、もし出動要請する必要が有ると判断されれば、ステップ1807へ移る。ステップ1807で、緊急通報センタ1301の記録装置1306に記録されている情報、例えば、「位置情報」、「異常発生時刻情報」、「映像データ」等を併せた出動要請信号を、通信ネットワーク1300を介して警察または消防組織1311へ送信する。あるいは、音声通話による通報も行う。なお、警察組織および消防組織のいずれか一方に通報するとしてもよく、その両方に通報するとしてもよい。
【0094】
また、ステップ1808で、上述の策定した対処方法に基づき、ロードサービス会社に出動要請する必要があるか否かが判断され、もし出動要請する必要が有ると判断されれば、ステップ1809へ移る。ステップ1809で、緊急通報センタ1301の記録装置1306に記録されている、「位置情報」、「異常発生時刻情報」、等を併せた出動要請信号を、通信ネットワーク1300を介して例えばロードサービス会社 A 1331へ送信する。あるいは、音声通話による通報も行う。
【0095】
また、図19に示す記号Cに続くステップ1810で、上述の策定した対処方法に基づき、警備会社に出動要請する必要があるか否かが判断され、もし出動要請する必要が有ると判断されれば、ステップ1811へ移る。ステップ1811で、緊急通報センタ1301の記録装置1306に記録されている、「位置情報」、「異常発生時刻情報」、等を併せた出動要請信号を、通信ネットワーク1300を介して例えば警備会社1321へ送信する。あるいは、音声通話による通報も行う。
【0096】
つぎに、ロードサービス会社や警備会社にそれぞれ出動要請してあった場合は、ステップ1812乃至ステップ1815に示すように、ロードサービス会社 A 1331や警備会社1321からそれぞれ通信ネットワーク1300を介して送信された出動結果報告を送受信装置1302で受信し、信号バス1304を介して記録装置1306へ入力し記録する。
【0097】
図20は、本発明を用いた通報システムを警察組織あるいは消防組織1311に適用した場合の動作フロー図の一例を示す図である。
図20で示されるフロー図において、まず、ステップ2001で、警察組織あるいは消防組織1311の制御装置1315は、緊急通報センタ1301から出動要請(または、出動要請信号の受信)があるか否かを判断する。例えば、通信ネットワーク1300を介して警察組織あるいは消防組織1311と緊急通報センタ1301間で通信回線が確立され、その通信回線を通して出動要請信号を受信することによって、出動要請があると判断する。いま、その判断が「No」の場合は判断動作を繰り返す。もし、その判断で「Yes」と判断された場合はステップ2002へ移る。ステップ2002で、警察組織あるいは消防組織1311の送受信機1312は、その確立された通信回線でもって、緊急センタ1301の記録装置1306に保持された、その出動要請に係わる情報、例えば、「位置情報」、「異常発生時刻情報」、「映像データ」等を受信する。そして、ステップ2003で、その受信した情報を基に、その出動要請に係わる事故の状況が把握される。
【0098】
また、ステップ2004では、損害保険会社から出動状況連絡要請があるか否かが判断される。例えば、通信ネットワーク1300を介して損害保険会社 A 1341と警察組織あるいは消防組織1311間で通信回線が確立され、その通信回線を通して出動状況連絡要請信号を受信することによって、出動状況連絡要請があると判断される。もし連絡要請があると判断された場合は、ステップ2005で、出動状況連絡要請元の損害保険会社、この例では、損害保険会社 A 1341へ、上述の通信回線あるいは再度通信回線確立を行った回線を介して、その出動状況連絡のための情報を送信する。
【0099】
なお、ステップ2006では、緊急通報センタ1301から受信した出動要請に係わる情報や、出動結果とに基づいて、その事故の原因調査分析を行い、その事故に関する事故調査書を作成する。
【0100】
また、ステップ2007では、損害保険会社から事故関連情報、例えば、事故調査書の内容情報についての回答要請があるか否かが判断される。例えば、通信ネットワーク1300を介して損害保険会社 A 1341と警察組織あるいは消防組織1311間で通信回線が確立され、その通信回線を通して事故関連情報回答要請信号を受信することによって、事故関連情報回答要請があると判断される。もし回答要請があると判断された場合は、ステップ2008で、この例では、損害保険会社 A 1341へ、上述の通信回線あるいは再度通信回線確立を行った回線を介して、その事故関連情報を送信する。
【0101】
図21は、本発明を用いた通報システムを警備会社1321に適用した場合の動作フロー図の一例を示す図である。
図21で示されるフロー図において、まず、ステップ2101で、緊急通報センタ1301あるいは損害保険会社 A 1341から出動要請があるか否かが判断される。例えば、通信ネットワーク1300を介して緊急通報センタ1301と警備会社1321間で、あるいは、損害保険会社 A 1341と警備会社1321間で通信回線が確立され、その通信回線を通して出動要請信号を受信することによって、出動要請があると判断する。いま、その判断が「No」の場合は判断動作を繰り返す。もし、その判断で「Yes」と判断された場合はステップ2102へ移る。ステップ2102で、警備会社1321の送受信機1322は、その確立された通信回線でもって、緊急センタ1301の記録装置1306に保持された、その出動要請に係わる情報、例えば、「位置情報」、「異常発生時刻情報」等を受信する。そして、ステップ2103で、その受信した情報を基に、その出動要請に係わる事故の状況が把握され、その事故状況に応じた警備のための出動を行う。そして、ステップ2104で、出動要請元、この例では、緊急通報センタ1301あるいは損害保険会社 A 1341へ、上述の通信回線あるいは再度通信回線確立を行った回線を介して、その出動結果連絡のための情報を送信する。
【0102】
図22は、本発明を用いた通報システムをロードサービス会社 A 1331に適用した場合の動作フロー図の一例を示す図である。
図22で示されるフロー図において、まず、ステップ2201で、緊急通報センタ1301あるいは損害保険会社 A 1341から出動要請があるか否かが判断される。例えば、通信ネットワーク1300を介して緊急通報センタ1301とロードサービス会社 A 1331間で、あるいは、損害保険会社 A 1341とロードサービス会社 A 1331間で通信回線が確立され、その通信回線を通して出動要請信号を受信することによって、出動要請があると判断する。いま、その判断が「No」の場合は判断動作を繰り返す。もし、その判断で「Yes」と判断された場合はステップ2202へ移る。ステップ2202で、ロードサービス会社 A 1331の送受信機1332は、その確立された通信回線でもって、緊急センタ1301の記録装置1306に保持された、その出動要請に係わる情報、例えば、「位置情報」、「異常発生時刻情報」等を受信する。そして、ステップ2203で、その受信した情報を基に、その出動要請に係わる事故の状況が把握され、その事故状況に応じたロードサービス、例えば、事故車の牽引移動サービス等のための出動を行う。そして、ステップ2204で、出動要請元、この例では、緊急通報センタ1301あるいは損害保険会社 A 1341へ、上述の通信回線あるいは再度通信回線確立を行った回線を介して、その出動結果連絡のための情報を送信する。出動結果連絡は、出動した事実と、出動時刻や出動車両台数あるいは出動現場での事故状況と事故処理の内容などについて連絡することである。
【0103】
図23は、本発明を用いた通報システムを損害保険会社に適用した場合の動作フロー図の一例の先頭部分を示す図である。また、図24は、図23に係わる動作フロー図の一例の中間部分を示す図で、図25は、図23および図24に係わる動作フロー図の一例の残り部分を示す図である。以下、対象車両1433に関して保険業務を担う損害保険会社 A 1341の動作内容について説明する。図23で示されるフロー図において、まず、ステップ2301で損害保険会社 A 1341の制御装置1345は、緊急通報センタ1301から事故発生通報があるか否かを判断する。例えば、通信ネットワーク1300を介して緊急通報センタ1301の送受信装置1302と損害保険会社 A 1341の送受信装置1342間で通信回線が確立され、その通信回線を通して所定の事故発生通報信号が受信されたことで事故発生通報があると判断する。そして、その判断が「No」の場合は判断動作を繰り返す。
【0104】
もし、その判断で「Yes」と判断された場合はステップ2302へ移る。ステップ2302で、その確立された通信回線を通して送受信装置1324でもって、緊急通報センタ1301の記録装置1406に保持された各種情報、例えば、「緊急通報サービス契約番号」あるいはそれに対応した対象車両1433独自の「ナンバープレート番号」や「対象自動車保険証券番号」、および携帯電話機1421の「携帯電話ダイアル番号」、さらに、対象車両1433側から送信された「位置情報」、「異常発生時刻情報」、「映像データ」などを、受信信号として緊急通報センタ1301から受信する。その受信信号は、信号バス1344を介して記録装置1346に記録される。そして、ステップ2303で制御装置1345によりその受信信号の内容が、記録装置1346における損害保険契約内容データベースに保持されている関連情報と比較されるとともに、受信情報内容を基に事故の状況把握も行われる。
【0105】
そして、それら状況把握や損害保険契約内容の確認等の検討結果に応じて、ステップ2304乃至、図24のステップ2310に示すように、警察あるいは消防組織やロードサービス会社や警備会社に出動要請を行う。そのため、出動要請信号を、それぞれ通信ネットワーク1300を介して警察あるいは消防組織1311やロードサービス会社 A 1341や警備会社1321へ送信する。なお、これら動作は、図18のステップ1806から図19のステップ1811迄について、前記説明した動作と同様である。
【0106】
すなわち、ステップ2304で、上述の検討結果に基づき、警察又は消防組織に出動要請する必要があるか否かが判断され、もし出動要請する必要が有ると判断されれば、ステップ2305へ移る。ステップ2305で、緊急通報センタ1301から受信した情報、例えば、「位置情報」、「異常発生時刻情報」、「映像データ」等を併せた出動要請信号を、通信ネットワーク1300を介して警察または消防組織1311へ送信する。あるいは、音声通話による通報も行う。なお、警察組織および消防組織のいずれか一方に通報するとしてもよく、その両方に通報するとしてもよい。なお、ステップ2306で、警察あるいは消防組織から、出動状況結果の報告を受信する。
【0107】
また、ステップ2307で、上述の検討結果に基づき、ロードサービス会社に出動要請する必要があるか否かが判断され、もし出動要請する必要が有ると判断されれば、ステップ2308へ移る。ステップ2308で、緊急通報センタ1301から受信した情報、例えば、「位置情報」、「異常発生時刻情報」、等を併せた出動要請信号を、通信ネットワーク1300を介して例えばロードサービス会社 A 1331へ送信する。あるいは、音声通話による通報も行う。
【0108】
また、図24のステップ2309で、上述の策定した対処方法に基づき、警備会社に出動要請する必要があるか否かが判断され、もし出動要請する必要が有ると判断されれば、ステップ2310へ移る。ステップ2310で、緊急通報センタ1301から受信した情報、例えば、「位置情報」、「異常発生時刻情報」、等を併せた出動要請信号を、通信ネットワーク1300を介して例えば警備会社1321へ送信する。あるいは、音声通話による通報も行う。
【0109】
そして、ロードサービス会社や警備会社にそれぞれ出動要請してあった場合は、ステップ2311乃至ステップ2314に示すように、ロードサービス会社 A 1331や警備会社1321からそれぞれ通信ネットワーク1300を介して送信された出動結果報告を送受信装置1342で受信し、信号バス1344を介して記録装置1346へ入力し記録する。
【0110】
さらに、図25のステップ2315乃至ステップ2320では、損害保険会社 A 1341が必要に応じて緊急通報センタ1301あるいは警察あるいは消防組織1311から、それぞれ事故関連情報を入手する場合の動作について説明している。
【0111】
まず、ステップ2315で、緊急通報センタ1301へ事故関連情報を要求するか否かが判断される。もし、入手する必要が有ると判断された場合は、ステップ2316で、緊急センタ1301側で保持している事故関連情報の送信を要求するための要求信号を、損害保険会社 A 1341の送受信装置1342から、通信ネットワーク1300を介して緊急センタ1301の送受信装置1302へ送信する。そして、ステップ2317で、緊急センタ1301の送受信装置1302で受信した要求信号に応じて緊急センタ1301の記録装置1306に記録された事故関連情報が、送受信装置1302を介して送信される。そして、その送信された情報を損害保険会社 A 1341の送受信装置1342で受信する。その受信した事故関連情報は、損害保険会社 A 1341の送受信装置1342から信号バス1344を介して記録装置1346に入力され記録されると共に、表示装置1347でその内容が表示される。
【0112】
また、ステップ2318で、警察あるいは消防組織1311へ事故原因等の事故関連情報を要求するか否かが判断される。もし、入手する必要が有ると判断された場合は、ステップ2319で、警察あるいは消防組織1311側で保持している事故関連情報の送信を要求するための要求信号を、損害保険会社 A 1341の送受信装置1342から、通信ネットワーク1300を介して警察あるいは消防組織1311の送受信装置1312へ送信する。そして、ステップ2320で、警察あるいは消防組織1311の送受信装置1312で受信した要求信号に応じて警察あるいは消防組織1311の記録装置1316に記録された事故関連情報が、送受信装置1312を介して送信される。そして、その送信された情報を損害保険会社 A 1341の送受信装置1342で受信する。その受信した事故関連情報は、損害保険会社 A 1341の送受信装置1342から信号バス1344を介して記録装置1346に入力され記録されると共に、表示装置1347でその内容が表示される。
【0113】
そして、次のステップ2321で、受信した事故関連情報、受信した記録映像信号、記録装置1346で保持している損害保険契約内容データベースにおける関連情報等に基いて、相手車両1381側の交渉相手、例えば、損害保険会社 B 1371との補償交渉を行い、また、その事故に関する損害額の査定処理や保健割引等級変更の決定を行い、次のステップ2322で、それらステップ2321で処理された保険業務処理内容に基づいた各種通知、例えば割り引き等級変更通知等を、通信ネットワーク1300を介して対象運転者1410へ送信する。あるいは、音声通話でもって通知するとしてもよい。なお、ステップ2304、2307、2309、2311、2315、および2318の判定処理はオペレータあるいはコンピュータ(人工知能)が行うものである。
【0114】
図26は、本発明を適用した救急システムの情報伝達の外の一例を説明するためのフロー図である。
この図において、関係者および関係組織として、最上段の左から対象運転者1410、緊急通報センタ1301、警察または消防組織1311である警察署または消防署、損害保険会社 A 1341、ロードサービス会社 A 1331の名称を列記してある。さらに、各関係者および関係組織ごとの動作内容をその各名称の下部に列記している。さらに、それら動作内容間を矢印でもって接続することで、それら接続された動作内容間の関係を示している。そうすることで、各関係者および関係組織相互の情報伝達の関係を説明している。
【0115】
図27は、本発明に係わる緊急通報センタ1301の記録装置1306のデータファイルの構成図を示す。ここで記録装置1306には、契約者、例えば、対象運転者1410と緊急通報センタ1301との緊急通報サービス契約当初からその関連情報を保持しているデータファイルが登録されている。このようなデータファイルとしては、「緊急通報サービス契約データファイル」1306−1および「通報電話データファイル」1306−2および「車両使用者データファイル」1306−3等がある。また、対象運転者1410からの事故発生通報時以降に受信されまたは発生するデータを保持するデータファイルとしては、「通報着信日時分秒データファイル」1306−4および「通報地点データファイル」1306−5および「受信映像・音声データファイル」1306−6などが登録されている。
【0116】
図28は、本発明に係わる損害保険会社 A 1341の記録装置1346のデータファイル図を示す。ここで、記録装置1346には、契約者、例えば、対象運転者1410と損害保険会社 A 1341との損害保険契約当初からその関連情報を保持しているデータファイルが登録されている。このようなデータファイルとしては、「損害保険データファイル」1346−1および「車検証記載内容データファイル」1346−2および「車両使用者データファイル」1346−3等がある。また、対象運転者1410からの事故発生通報時以降に受信されまたは発生するデータを保持するデータファイルとしては、「通報着信日時分秒データファイル」1346−4および「通報地点データファイル」1346−5および「受信映像・音声データファイル」1346−6などが登録されている。
【0117】
図29の(A)と(B)は、本発明に係わる緊急通報センタ1301における操作者の入出力装置に用いられる表示装置1307の入出力画面例を示す図である。この図において、対象車両1433側から緊急通報センタ1301への事故発生通報がなされた場合の入出画面例を示している。図29の上図と下図は共に表示装置1307の入出力画面例である。これらの図において一部の表示内容は共通して表示されている。また、いずれか一方の図に表示されてあり、他方に表示されていない表示内容もある。それら上図に示す画面と下図に示す画面とは切り換えて表示できるようになっている。また、それら上図または下図ごとに図示する表示内容の組合せ以外の、別の組合せでもって画面表示するとしてもよく、例えば、全ての表示内容を同時に画面表示するとしてもよい。また、それら表示内容をスクロール表示でもって切り換えることが可能であるとしてもよい。これら表示切り替え機能は、全ての入出力画面例で同様に機能させることができる。
【0118】
図29の(A)と(B)に示す例では、表示内容が7個の表示ウインドウ、すなわち、「通報詳細」、「対象車両登録情報」、「受信映像」、「緊急出動要請」、「保険会社」、「警備会社」、「ロードサービス」ごとに表示される。
【0119】
図29(A)の「通報詳細」ウインドウ3391では、上述の事故発生通報動作により対象車両1433側から送信された「自動通報/手動通報識別情報」に基づいて、その通報が自動で行われたのか手動で行われたのかどうかを表示する。また、通報が着信した時刻を検出してその検出結果を記録装置1306に記録することで、それにより通報着信時間を表示する。さらに、その通報に関連して受信され、記録装置1306に記録された携帯電話機1421の「携帯電話ダイアル番号」により通報電話ダイアル番号を表示する。さらに、受信され、記録装置1306に記録された「位置情報(異常発生時位置情報)」により通報地点緯度経度情報を表示する。さらに、音声通話モードで確認された通話人の名前を自己申告通報者名として入力するか、または音声認識することで、その入力されまたは音声認識した結果により得られた名前を記録装置1306に記録すると共に表示し、かつ、その入力されまたは音声認識した結果により得られた名前が記録装置1306に記録された、その通報関連の対象車両1433に関する登録運転者氏名リストに登録されているか否かを検出し、その検出結果を、有りまたは無しと表示する。
【0120】
同様に通話人本人が携帯電話を介して口頭あるいはキーにより入力したパスワードが正しいか否かの確認結果を入力し、その入力された良否結果を記録装置1306に記録すると共に表示する。さらに、「異常時発生位置情報」に関連した地図情報を検索して、その検索結果に応じた地図を表示する。なお、地図情報入手ボタン3306を操作することで、図30にしめす「地図情報入手」ウインドウ3491が表示され、これにより地図情報検索を行うことができる。さらに、地図情報によって抽出された通報地点の地名と番地とが表示される。なお、音声通話による対象運転者1410とセンタ1301の音声通話操作者の会話内容を音声認識によりテキスト変換して通報ダイアログ・リストにそのテキストを表示する。また、音声通話による会話を録音し、その音声を録音再生ボタン3308を操作することで再生可能である。
【0121】
図29(B)の「対象車両登録情報」ウインドウ3392では、上述の通報に関連して、予め記録装置1306に記録された通報サービスの対象となる対象車両1433に関する各種登録情報が表示される。その各種登録情報としては、「緊急通報サービス契約番号」、「契約状況」、「盗難連絡」の有無、「車両登録番号」、「車種」、「車体色」、「所有者氏名」、「所有者連絡先」および「登録運転者名リスト」がある。
【0122】
図29(B)の「受信映像」ウインドウ3393では、対象車両1433側から送信された映像・音声データに基いて、その映像内容が表示される。この図の例では、対象車両1433のTVカメラ1429で撮像された前方向映像を前方映像ボタン3304を操作することで選択表示している。なお、信号機点灯色や運転情報や対象車両の前部も表示されている。また、画面右手に相手車両を撮像した映像も表示されている。この映像情報は逆再生ボタン3301や順再生ボタン3302を操作することによって動画像として再生できる。また、一次停止ボタン3303によって好みの映像内容でもって静止させた映像を表示することもできる。なお、この「受信映像」ウインドウ3393が図29の(A)と(B)とに、共通して表示されている。このように、異常発生時前後の対象車両1433の一部が撮像された映像を含む映像を、遠隔の緊急通報センタで即座に確認することができるので、その確認内容に応じて、より適切な通報業務内容を迅速に選択し、より効果的な業務に集中して行うことができるようになる。
【0123】
図29(B)の「緊急出動要請」ウインドウ3394では、データベースに予め記録されてある出動要請先の警察署や消防署を「異常発生位置情報」に応じてそれぞれ選択し、該選択された警察署や消防署の名称を表示する。そして、その表示内容を確認した後、その警察署や消防署でよければ情報送信ボタン3309や3310を操作することで、図31の「情報送信」ウインドウ3591が表示され、それを用いて出動要請することができる。なお、緊急通信センタ1301と出動要請先との送受信データや、音声通話によるセンタ1301の音声通話操作者と出動要請先との音声連絡を音声認識することによりテキスト変換して得た会話内容を、要請連絡ログ・リストにテキスト表示できる。
【0124】
図29(A)の「保険会社」ウインドウ3395では、その事故通報に関連した予め記録されている損害保険会社の名称を表示し、その表示内容を確認した後、情報送信ボタン3309を操作することで、図31の「情報送信」ウインドウ3591が表示され、それを用いて事故通報することができる。なお、緊急通信センタ1301と通報先の損害保険会社との送受信データや、音声通話によるセンタ1301の音声通話操作者と通報先との音声連絡を入力したり音声認識したりすることによりテキスト変換して得た会話内容を、連絡ログ・リストにテキスト表示できる。
【0125】
図29(B)の「警備会社」ウインドウ3396および「ロードサービス」ウインドウ3397では、それぞれ警備会社候補検索ボタン3311やロードサービス会社候補検索ボタン3312を操作することで、それぞれ図32や図33の各候補検索ウインドウ3691、3791が表示されて、それを用いて出動要請することができる。なお、データベースに予め記録されている「保険会社優先連絡の指示有り/無し」の有無がそれぞれ表示され、その表示に応じて、警備会社やロードサービス会社に連絡する前に損害保険会社に連絡する必要があることを確認できる。
【0126】
図30は、本発明に係わる緊急通報センタ1301における入出力装置に用いられる表示装置1307の入出力画面例を示す図である。
図30に示す「地図情報入手」ウインドウ3491は、上述のように図29(A)の「通報詳細」ウインドウ3391の地図入手ボタン3306を操作することで表示される。このウインドウ3491により、地図情報検索を行う。すなわち、記録装置1306に記録されたセンタ内地図情報データベースの中から「異常発生時位置情報」に関連する地図情報を検索する。その検索により、もし関連する地図情報が見つからない場合は、地図情報会社接続ボタン3401を操作することで、緊急通報センタ1301と地図会社(地図情報会社)1361との間で通信ネットワーク1300を介して通信回線を確立する。確立した通信回線を通して通信を開始し、まず、緊急通報センタ1301の記録装置1306に記録された「異常発生時位置情報」を地図会社1361へ送信する。地図会社1361では、受信した「異常発生時位置情報」に関連する地図情報を、保有する地図データベースの中から検索する。そして、検索された地図情報が、地図会社1361から送信され、緊急通報センタ1301で受信される。その受信がなされた後に、上述の通信回線確立が解消され、通信が終了する。
【0127】
そして、ウインドウ3491の「地図情報会社からの入手結果」表示領域に、受信した地図情報が表示される。なお、その地図情報を受信することで、自動的にその地図情報を、送信した「異常発生時位置情報」に関連づけながら緊急通信センタ1301の記録装置1306に、センタ内の地図情報データベースの追加データとして記録するとしてもよい。また、「地図情報会社からの入手結果」表示領域に表示されている地図情報表示を、「センタ内地図情報データベースからの検索結果」表示領域にドラッグ操作することで、同じく追加データとして記録するとしてもよい。動作が終了した場合は、OKボタン3402を操作してこのウインドウ3491を閉じる。
【0128】
図31は、本発明に係わる緊急通報センタ1301における入出力装置に用いられる表示装置1307の入出力画面例を示す図である。
この図に示す「情報送信」ウインドウ3591は、上述のように「緊急出動要請」ウインドウ3394の情報送信ボタン3309や3310、「保険会社」ウインドウ3395の情報送信ボタン3307を操作することで表示される。このウインドウ3591により、情報送信動作を行う。すなわち、映像含データ通信ボタン3501あるいは映像無しデータ通信ボタン3502を操作することで、緊急通報センタ1301と警察署、消防署、保険会社のいずれか一つとの間で通信ネットワーク1300を介して通信回線を確立する。確立した通信回線を通して通信を開始し、所定の情報を送受信する。なお、情報送受信中およびその前後で、相互に音声通話動作が可能としてもよい。ここで、映像3505は、音声通話の相手側の音声通話者を撮像した画像を受信して表示しているもので、これにより相手の通話者の顔かたちを確認しながら通話することができる。情報送受信や音声通話動作が終了した場合は、OKボタン3504を操作してこのウインドウ3591を閉じる。また、処理を途中で終了させる場合は、キャンセルボタン3503を操作して、処理動作を中断させ、ウインドウ3591を閉じることもできる。
【0129】
図32は、本発明に係わる緊急通報センタ1301における入出力装置に用いられる表示装置1307の入出力画面例を示す図である。
この図に示す「警備会社候補検索」ウインドウ3691は、上述のように「警備会社」ウインドウ3396の警備会社候補検索ボタン3311を操作することで表示される。このウインドウ3691により、出動要請する警備会社を決定し、その決定された警備会社への連絡動作を行う。すなわち、その事故通報に応じて警備会社の候補が検索される。そして検索された候補となる警備会社の名称と、その候補に対応する連絡ボタンとが表示される。図32では、3候補を列記し表示した例を示している。先ず、、予め記録されているデータベースの中から対象車両1433に応じて契約された警備会社である契約警備会社の名称が検索されて表示され、それに応じた連絡ボタン3601が表示される。次に、「異常時発生位置情報」に応じて、例えば、その位置情報に示す位置の近くに存する警備会社を代行可能警備会社として、予め記録されているデータベースの中から、あるいは、後述するようにネットワークを介して他社のサイトに存する関連情報の中から検索する。
【0130】
そして、その検索された警備会社の名称とそれに応じた連絡ボタン3602が表示される。同様に、他の代行可能警備会社として検索された警備会社の名称とそれに応じた連絡ボタン3603が表示される。なお、代行可能警備会社を検索する場合、緊急通報センタ1301とその警備会社間で通信回線を確立し、緊急通報センタ1301から代行可能か否かを問合わせるための送信を行い、警備会社からその問い合わせに対する返事を受信してもよい。そうすることで、その返事の内容により、その警備会社が代行可能か否かを判断し、その判断結果に応じて「警備会社候補検索」ウインドウ3691にその警備会社をリストアップするか否かを、さらに決定するとしてもよい。
【0131】
そして、それら連絡ボタン3601乃至3603のうち、出動要請対象とする警備会社に対応する連絡ボタンを操作する。そうすることで、緊急通報センタ1301と警備会社の間で通信ネットワーク1300を介して通信回線を確立し情報を送受信する。あるいは、音声通話でもって連絡する。情報送受信や音声通話動作が終了した場合は、OKボタン3604を操作してこのウインドウ3691を閉じる。
【0132】
図33は、本発明に係わる緊急通報センタ1301における入出力装置に用いられる表示装置1307の入出力画面例を示す図である。
この図に示す「ロードサービス会社候補検索」ウインドウ3791は、上述のように「ロードサービス会社」ウインドウ3397のロードサービス会社候補検索ボタン3312を操作することで表示される。このウインドウ3791により、出動要請するロードサービス会社を決定し、その決定されたロードサービス会社への連絡動作を行う。すなわち、その事故通報に応じてロードサービス会社の候補が検索される。そして検索された候補となるロードサービス会社の名称と、その候補に対応する連絡ボタンとが表示される。図33では、3候補を列記し表示した例を示している。先ず、対象車両1433に応じて契約されたロードサービス会社である契約サービス会社の名称が、予め記録されたデータベースから検索されて表示され、それに応じた連絡ボタン3701が表示される。
【0133】
次に、「異常時発生位置情報」に応じて、例えば、その位置情報に示す位置の近くに存するロードサービス会社を代行可能サービス会社として、予め記録されている中から、あるいは、後述するようにネットワークを介して他社のサイトに存する関連情報の中から検索する。そして、その検索されたロードサービス会社の名称とそれに応じた連絡ボタン3702が表示される。同様に、他の代行可能サービス会社として検索されたロードサービス会社の名称とそれに応じた連絡ボタン3703が表示される。なお、代行可能サービス会社を検索する場合、緊急通報センタ1301とそのロードサービス会社間で通信回線を確立し、緊急通報センタ1301から代行可能か否かを問合わせるための送信を行い、ロードサービス会社からその問い合わせに対する返事を受信してもよい。そうすることで、その返事の内容により、そのロードサービス会社が代行可能か否かを判断し、その判断結果に応じて「ロードサービス会社候補検索」ウインドウ3791にそのロードサービス会社をリストアップするか否かを、さらに決定するとしてもよい。
【0134】
そして、それら連絡ボタン3701乃至3703のうち、出動要請対象とするロードサービス会社に対応する連絡ボタンを操作する。そうすることで、緊急通報センタ1301とロードサービス会社の間で通信ネットワーク1300を介して通信回線を確立し情報を送受信する。あるいは、音声通話でもって連絡する。情報送受信や音声通話動作が終了した場合は、OKボタン3704を操作してこのウインドウ3791を閉じる。
【0135】
図34は、発明に係わる警察組織または消防組織1311における操作者の入出力装置に用いられる表示装置1317の入出力画面例を示す図である。この図の例では、緊急通報センタ1301から出動要請がなされた場合の入出力画面例を示しており、表示内容が4個の表示ウインドウ、すなわち、「出動要請詳細」、「受信画像」、「到達経路現況」、「事故調書作成データ」ごとに表示される。
【0136】
「出動要請詳細」ウインドウ3891では、出動を要請するものの氏名、例えば緊急通報センタ1301のセンタ名前が表示される。さらに、その要請者からの要請信号を着信した時刻や、要請者の連絡先である電話ダイアル番号等が表示される。さらに、要請者である緊急通報センタ1301から送信された地図情報や事故地点地名および地番が受信され、その地図情報に応じた地図と、その事故地点地名および地番とが表示される。
【0137】
「受信画像」ウインドウ3892では、出動要請者である緊急通報センタ1301から送信された映像・音声データが受信され、その映像・音声データに応じて映像内容等が表示される。この例では、上述の図29における「受信映像」ウインドウ3393の表示と同様であるため説明を省略する。このように、異常発生時前後の対象車両1433の一部が撮像された映像を含む映像を、遠隔の警察組織または消防組織で即座に確認することができるので、その確認内容に応じて、より適切な事故対応業務内容や救急救命業務内容を迅速に選択し、より効果的な業務に集中して行うことができるようになる。
【0138】
「到達経路現況」ウインドウ3893では、さらに、事故現場と出動元となる警察署あるいは消防署の位置とを表示するための地図を表示する。さらに、この地図には、別の道路状況データを用いて、現在時点の道路状況、例えば、渋滞箇所の表示を行うようにする。そうすることで、各警察署または消防署所在地から事故地点までの最適経路を検索することができる。ここで、道路状況データとしては、通信回線1300を介して、図示していない道路交通情報センタ等で作成されたものを受信するとしてもよい。
【0139】
「事故調書作成データ」ウインドウ3894では、各種出動記録や入手情報等を組み合わせて事故調書のためのデータが作成され、表示される。
図35は、本発明に係わる損害保険会社 A 1341における操作者の入出力操作に用いられる表示装置1347の入出力画面例を示す図である。この図の例では、緊急通報センタ1301から事故通報がなされた場合の入出力画面例を示しており、表示内容が7個の表示ウインドウ、すなわち、「通報詳細」、「保険内容」、「事故状況詳細」、「出動要請」、「出動報告」、「警察・消防」、「補償交渉」ごとに表示される。
【0140】
「通報詳細」ウインドウ3991では、通報者である緊急通報センタ1301から送信され、通信ネットワーク1300を介して所定の事故発生通報信号が損害保険会社 A 1341の送受信装置1342で受信されることで、その受信時刻を通報着信時刻として表示すると共に、損害保険会社 A 1341の記録装置1346にその通報着信時刻を入力し記録する。さらに、その事故発生通報信号に含まれて送られてきた緊急通報センタ1301のセンタ名を、通報者名として表示すると共に、記録装置1346にその通報者名を入力し記録する。同様に、その通報者に係わる通報電話ダイアル番号についても表示すると共に記録装置1346に入力し記録する。
【0141】
「保険内容」ウインドウ3992では、緊急通報センタ1301から送信され、通信ネットワーク1300を介して受信した対象車両1433に係わる「緊急通報サービス契約番号」あるいはそれに対応した独自の「ナンバープレート番号」や「対象自動車保険証券番号」等を、記録装置1346に入力し記録して、それら記録された情報を基に記録装置1346における損害保険契約内容データベースに保持されている関連情報の中から、対象車両保険証券番号や被保険者氏名や被保険者連絡先や登録運転者氏名リストを抽出してそれら抽出された各情報を表示する。
【0142】
「事故状況詳細」ウインドウ3993では、緊急通報センタ1301から送信された記録映像信号を、通信ネットワーク1300を介して送受信装置1342で受信し、信号バス1344を介して記録装置1346へ入力し記録することで、その記録映像信号による映像内容が、上述の図29や図34における受信映像表示と同様に表示される。このように、異常発生時前後の対象車両1433の一部が撮像された映像を含む映像を、遠隔の損害保険会社で即座に確認することができるので、その確認内容に応じて、より適切な保険業務内容を迅速に選択し、より効果的な業務に集中して行うことができるようになる。
【0143】
さらに、事故状況に関連する情報として、緊急通報センタ1301から送信され、通信ネットワーク1300を介して、運転者名、事故発生時刻、事故発生地点番地、事故地点地図が、送受信装置1342で受信され、それぞれ記録装置1346に入力され記録されることで、それらが表示される。
【0144】
なお、上述の受信された運転者名は、予め記録装置1346に記録されている登録運転者名リストにリストアップされているか否かが検出される。そして、その検出結果によって、損害保険会社 A 1341における損害保険業務が一部変更されて、より効率的な業務を行うことができるようにしてもよい。
【0145】
さらに、「事故状況詳細」ウインドウ3993には、記録映像信号を映像解析してその映像信号に撮像された被写体像をそれぞれ検出し、その検出された被写体像ごとの撮像対象物の相対関係を検出する機能を起動させるための映像解析実行ボタン3901と、その映像解析の結果を表示するための表示領域とを表示する。なお、記録装置1346に記録された映像信号を基に、その記録装置1646に保持された映像解析プログラム・ソフトウェアに従って制御装置1345がデータ処理を行い、その処理結果が記録装置1346に格納されることで、この映像解析処理が実行されるものである。ここで、映像解析実行ボタン3901を操作することで、図36の「映像解析実行」ウインドウ4091が表示されて、それを用いて解析動作が実行される。
【0146】
ここで、この映像解析動作の具体例を、図43〜図45を用いて説明する。図43,44は本発明に係わる損害保険会社の映像解析動作フローの一例を示す図である。ステップ5001で緊急通報センタ1301から映像情報とそのほかの情報、例えば、対象車両1433の位置情報、時刻情報、移動方向情報、移動速度情報、ハンドル角度情報(ステアリング角度情報)を受信する。そして、受信した情報を記録装置1346へ記録する。なお、ステップ5001の映像情報受信は、図23のステップ2302で行われる記録映像データ受信と同じものである。そして、ステップ5002で、記録された映像情報のうちの1フレーム分の映像情報を読み出して制御装置1345での情報処理に用いられるようにする。
【0147】
そして、ステップ5003で、読み出されたフレーム映像に係わる撮像時点における、対象車両1433の位置情報、時刻情報、移動方向情報、移動速度情報、ハンドル角度情報を同様に読み出す。そして、ステップ5004で、読み出されたフレーム映像に対して輪郭検出処理を行う。その検出結果として得られた輪郭に応じて、その輪郭に囲まれるべき映像領域を判定する。そして、ステップ5005で、判定された映像領域をそのフレーム映像情報に関連づけて記録する。以上のステップ5002からステップ5005までの動作を、すべてのフレーム映像情報、または所定のフレーム映像情報について実施したかがステップ5006で判断されるまで、その動作が各フレーム映像に対して行われる。
【0148】
次に、ステップ5007で、前記判定され記録された映像領域と、その映像領域が関係するフレーム映像以外のフレーム映像に関連づけて記録された領域との相関をとる。そして、ステップ5008で、もし、その相関の強さが所定の強さ以上であったと判定された場合は、ステップ5009へ移り、そうでない場合はステップ5010へ移る。ステップ5009では、相関をとった映像領域同士を、同一物体の表示領域であることを示す領域セットにそれぞれ登録する。このとき、両方の映像領域がまだ領域セットに登録されていない場合は、新たに領域セットを作成してそれに登録する。また、一方の映像領域がすでに領域セットに登録されている場合は、その領域セットに他方の映像領域を登録する。そして、ステップ5010で、記録されたすべての映像領域について相関をとったか否かを判断し、まだ相関をとっていない映像領域がある場合はステップ5007へ移りその領域についてステップ5008とステップ5009の動作を行う。
【0149】
ステップ5010で記録されたすべての映像領域について相関をとったと判断された場合は、ステップ5011へ移る。そして、ステップ5011で、領域セットに登録された映像領域のうち、最大面積の領域に係わるフレーム映像の撮像時点が、その領域セットに関わる物体が最も対象車両1433に接近する時点であると判定する。そして、ステップ5012で、その判定された時点の時刻が、対象車両1433の衝突検出時刻と同じかあるいはほぼ同じであるかが判断され、もしそうであれば、ステップ5013へ移り、もしそうでなければステップ5014へ移る。ステップ5013では、その領域セットに関わる物体が対象車両1433と衝突したものと衝突判定する。そして、ステップ5014で、すべての領域セットについてステップ5011の時刻比較を行ったか否かが判定され、もしそうであればステップ5015へ移り、もしそうでなければステップ5011へ戻る。そして、ステップ5015で、その衝突判定結果に応じて、あるいは、領域セットに関わる物体相互、あるいは、領域セットに関わる物体と対象車両1433が撮像された領域との相互関係に応じて、事故解析を行う。例えば、所定良識セットに関わる物体を相手車両1381と認識する。認識された相手車両1381の交差点進入から対象車両1433に衝突するまでの時間を計測する。認識された相手車両1381とその交差点進入時の従うべき信号機の指示が交差点進入を許していたのか否かを判定する。
【0150】
図45は対象車両1433からの複数フレーム画像からなる映像情報の内容を、そのフレーム画像の表示画面列で表したものである。この図では、映像情報のフレーム画像のうち一部を表示したものであり、表示画面5100が最も最初に撮影され記録されたフレーム映像の表示画面、表示画面5101がその約6秒後に撮影され記録されたフレーム映像の表示画面、表示画面5102が衝突検出された時点に撮影され記録されたフレーム映像の表示画面で、表示画面5105がその衝突検出された時点の10秒後に最後に撮影され記録されたフレーム映像の表示画面である。なお、この例では、表示画面5102から、表示画面5103、その1フレーム期間後に撮像されたフレーム映像の表示画面5104、さらにその1フレーム期間後に撮像されたフレーム映像の表示画面5105までの撮像された情景は変化が無くほぼ同じ情景であって、特に、対象車両1433と相手車両1381との位置関係が変化していない情景であるとする。
【0151】
この図において、表示画面5100では相手車両1381に関する映像領域が領域a1のように撮像されている。同様に、表示画面5101では領域a2、表示画面5102では領域a3、表示画面5105では領域a4のように撮像されており、上述した解析動作によっては、これら領域a1、a2、a3、a4は同一の領域セットである相手車両1381に関する領域セットに登録される。また、対象車両1433の前部についても、領域b1、b2、b3、b4が対象車両前部に関わる領域セットに登録される。
【0152】
そして、相手車両1381に関する領域セットに登録される領域の中で、領域b3が他の領域と比較されて、最大の面積を有する領域であって、さらに、同じ最大面積の領域が複数有る場合の最初の最大面積の領域であることから、この領域b3に係わるフレーム映像の撮像時点が対象車両1433に相手車両1381が最も接近した最初の時点であると判定される。さらに、そのフレーム映像が撮像された時点が、映像情報の撮像開始10秒後で、かつ、撮像停止10秒前であることから衝撃検出された時点と同じであると判定される。従って、それら判定から、対象車両1433と相手車両1381とが衝突したと判定される。
【0153】
以上のように映像情報を受信し、映像解析できることで、その映像情報や解析結果に基いて、事故発生のごく初期からその事故状況を把握でき、その把握した状況に応じた各種確認作業等の保険業務をより効率的に行うことができる。
【0154】
「出動要請」ウインドウ3994では、警備会社およびロードサービス会社について、それぞれ出動要請ボタン3902や3903を操作することで、図37の出動要請サブウインドウ4191が表示されて、それを用いてそれぞれ出動要請することができる。
【0155】
「出動報告」ウインドウ3995では、出動要請した警備会社やロードサービス会社から送信され通信ネットワーク1300を介して送受信装置1342で受信した各出動結果報告を記録装置1346に記録すると共に表示する。
【0156】
「警察・消防」ウインドウ3996では、警察または消防機構1311と損害保険会社 A 1341との間で、通信ネットワーク1300を介して送受信された通信内容を記録装置1346に記録すると共に表示する。
【0157】
「補償交渉」ウインドウ3997では、損害保険会社 B 1371と損害保険会社 A 1341との間で、通信ネットワーク1300を介して送受信された通信内容、特に、補償交渉の内容を記録装置1346に記録すると共に表示する。
【0158】
図36は、本発明に係わる損害保険会社 A 1341における入出力装置に用いられる表示装置1347の入出力画面例を示す図で、特に、映像解析を実行するための「映像解析実行」ウインドウ4091の一例を示したものである。この図において、上述の図35における「事故状況詳細」ウインドウ3993と同様な内容である、受信画像、事故発生時刻、事故発生地点番地、事故地点地図を表示している。さらに、この図において、解析動作を実行するための、自動解析ボタン4001およびカスタム解析ボタン4002が表示されており、これらボタンのいずれかを操作することによって、映像解析が行われる。
【0159】
また、「出動要請」ウインドウ3994では、警備会社およびロードサービス会社について、それぞれ出動要請ボタン3902や3903を操作することで、図37の出動要請ウインドウ4191が表示されて、それを用いてそれぞれ出動要請することができる。
【0160】
図37は、本発明に係わる損害保険会社 A 1341における入出力動作に用いられる表示装置1347の入出力画面例を示す図である。
この図に示す「出動要請サブ」ウインドウ4191は、上述のように「出動要請」ウインドウ3994の出動要請ボタン3902や3903を操作することで表示される。このウインドウ4191により、出動要請動作を行う。すなわち、データ通信ボタン4101を操作することで、損害保険会社 A 1341と警備会社またはロードサービス会社の間で通信ネットワーク1300を介して通信回線を確立する。確立した通信回線を通して通信を開始し、所定の情報を送受信する。なお、情報送受信中およびその前後で、相互に音声通話動作が可能としてもよい。ここで、映像4104は、音声通話の相手側の音声通話者を撮像した画像を表示しているもので、これにより相手の通話者の顔かたちを確認しながら通話することができる。情報送受信や音声通話動作が終了した場合は、OKボタン4103を操作してこのウインドウ4191を閉じる。また、処理を途中で終了させる場合は、キャンセルボタン4102を操作して、処理動作を中断させ、ウインドウ4191を閉じることもできる。
【0161】
図38は、本発明に係わる携帯電話会社1351における表示装置1357の入出力画面例を示す図である。この図において、通報者である緊急通報センタ1301から送信され、通信ネットワーク1300を介して所定の異常発生通報信号が制御装置1355で受信された場合に、この図に示す「信用情報停止」ウインドウ4291が表示される。このウインドウ4291により、信用情報停止動作を確認することができる。すなわち、異常発生通報信号の受信時刻を通報着信時刻として表示する。また、受信した異常発生通報信号に含まれて送信されてきた緊急通報センタ1301のセンタ名を通報会社名として表示する。同様に、通報電話ダイアル番号についても表示すると共に、その異常発生元の対象携帯電話機1421の電話ダイアル番号も同様に受信し表示する。さらに、異常検出時刻も同様に受信し表示する。さらに、異常検出内容も同様に受信し表示する。制御装置1355は、上述の異常発生通報信号を受信すると、携帯電話会社1351の制御装置1355と対象携帯電話機1421の間で通信ネットワーク1300を介して通信回線を確立する。確立した通信回線を通して通信を開始し、制御装置1355から対象携帯電話機1421へ機能制限制御信号が送信される。そして、その機能制限制御信号を対象携帯電話機1421が受信することにより、その対象携帯電話機1421の送信機能のうち、信用情報の送信機能が動作しないように対象携帯電話機1421の機能が制限される。あるいは、通信ネットワーク1300における携帯電話機1421に係わるデータ伝送機能のうち、対象携帯電話機1421からの信用情報の出力を行わせるための機能が動作しないように通信ネットワーク1300の機能が制限される。そして、ウインドウ4291にその機能停止を開始した時刻である信用情報送出停止の開始時刻を表示する。
【0162】
以上説明したように、信用情報送出機能が停止された後、その機能停止を解除するために、このウインドウ4291に解除確認ボタン4201を設けてある。そして、その機能停止を解除する場合は、解除確認ボタン4201を操作することで、図39に示す「信用情報送信停止 解除確認」ウインドウ4391が表示される。
【0163】
なお、上述の例では、緊急通報センタ1301が携帯電話会社1351へ異常発生通報信号を送信するとしたが、異常状態となった対象の携帯電話機1421自体から異常発生通報信号を携帯電話会社1351へ送信するとしてもよい。
【0164】
図39は、本発明に係わる携帯電話会社1351における表示装置1357の他の入出力画面例を示す図である。
この図に示す「信用情報送信停止 解除確認」ウインドウ4391は、上述のように「信用情報送信停止」ウインドウ4291の解除確認ボタン4201を操作することで表示される。このウインドウ4391により、信用情報送出機能停止の解除動作を行う。すなわち、確認完了・停止ボタン4301を操作することで、携帯電話会社1351の制御装置1355と対象携帯電話機1421の間で通信ネットワーク1300を介して通信回線を確立する。確立した通信回線を通して通信を開始し、制御装置1355から対象携帯電話機1421へ機能制限解除信号が送信される。そして、その機能制限解除信号を対象携帯電話機1421が受信することにより、対象携帯電話機1421の信用情報の送信機能が回復し動作するよう、機能制限がなくされる。あるいは、通信ネットワーク1300における携帯電話機1421に係わるデータ伝送機能のうち対象携帯電話機1421からの信用情報の出力を行わせるための機能が回復し動作動作するよう、通信ネットワーク1300の機能制限がなくされる。なお、通信回線が確立して通信が開始された後、所定期間は対象携帯電話機1421の通信機能がモニタリングされ、さらに、音声通話が対象携帯電話機1421側と携帯電話会社1351側とで行われるようにされる。ここで、音声通話経過時間を計測表示する。所定時間経過の後まで、対象携帯電話機1421側の音声通話者が発生しないとした場合は、停止解除動作を断念して、「停止継続」ボタン4302を操作することで、停止解除動作を行う前の状態に戻して機能が制限されるままとする。一方、停止機能解除動作や音声通話動作が終了した場合は、OKボタン4303を操作してこのウインドウ4391を閉じる。
【0165】
ここで、映像4304は、音声通話の相手側の音声通話者を撮像した画像を受信して表示しているもので、これにより相手の通話者の顔かたちを確認しながら通話することができる。なお、この画像が表示されるのは、対象携帯電話機1421側にその音声通話者を撮像する撮像カメラをそなえている場合である。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本発明の緊急情報通報装置の第1の実施例のブロック構成を示す図。
【図2】図1に示す緊急情報通報装置を搭載した移動物体の外観を説明する図。
【図3】本発明に係わる映像信号による画像表示の一例を示す図。
【図4】本発明の第2の実施例のブロック構成を示す図。
【図5】本発明の第3の実施例のブロック構成を示す図。
【図6】本発明の通報システムの一例における交通信号装置とその交通信号装置に接続された撮像装置のブロック構成例を示す図。
【図7】従来の緊急情報通報装置のブロック構成例を示す図。
【図8】図7に示した緊急通報装置を搭載した移動物体の外観を説明する図。
【図9】従来の緊急情報通報システムの構成例を示す図。
【図10】本発明の緊急情報通報システムの構成例を示す図。
【図11】本発明を適用した救急システムの関係者および関係組織の連携を図式化して説明するための概略説明図である。
【図12】図11に示す救急システムの情報伝達の一例を説明するための図である。
【図13】本発明のさらに他の実施例を示し、通信ネットワークを用いたシステムの一構成例を示す図である。
【図14】本発明を移動物体に搭載した一実施例のブロック構成を示す図である。
【図15】図14に示す本発明の動作フロー図の一例を示す図である。
【図16】本発明に係わる緊急通報センタの動作フロー図の一例の前半部分を示す図である。
【図17】図16に係わる緊急通報センタの動作フロー図の一例の後半部分を示す図である。
【図18】図17に示すステップ1615における動作の流れを、より詳細に説明する動作フロー図の一例の前半部分を示す図である。
【図19】図18に係わる動作フロー図の一例の後半部分を示す図である。
【図20】本発明を用いた通報システムを警察組織あるいは消防組織に適用した場合の動作フロー図の一例を示す図である。
【図21】本発明を用いた通報システムを警備会社に適用した場合の動作フロー図の一例を示す図である。
【図22】本発明を用いた通報システムをロードサービス会社に適用した場合の動作フロー図の一例を示す図である。
【図23】本発明を用いた通報システムを損害保険会社に適用した場合の動作フロー図の一例であり、そのの先頭部分を示すフロー図である。
【図24】図23に係わる動作フロー図の中間部分を示すフロー図である。
【図25】図23および図24に係わる動作フロー図の後ろの部分を示すフロー図である。
【図26】本発明を適用した救急システムの情報伝達の他の一例を説明するための図である。
【図27】本発明に係わる緊急通報センタの記録装置のデータファイルの構成図を示す。
【図28】本発明に係わる損害保険会社の記録装置のデータファイルの構成図を示す。
【図29】本発明に係わる緊急通報センタにおける入出力装置に用いられる表示装置の入出力画面例を示す図である。
【図30】本発明に係わる緊急通報センタにおける入出力装置に用いられる表示装置の他の入出力画面例を示す図である。
【図31】本発明に係わる緊急通報センタにおける入出力装置に用いられる表示装置の他の入出力画面例を示す図である。
【図32】本発明に係わる緊急通報センタにおける入出力装置に用いられる表示装置の他の入出力画面例を示す図である。
【図33】本発明に係わる緊急通報センタにおける入出力装置に用いられる表示装置の他の入出力画面例を示す図である。
【図34】本発明に係わる警察組織または消防組織における入出力装置に用いられる表示装置入出力画面例を示す図である。
【図35】本発明に係わる損害保険会社における入出力装置に用いられる表示装置の入出力画面例を示す図である。
【図36】本発明に係わる損害保険会社における入出力装置に用いられる表示装置の他の入出力画面例を示す図である。
【図37】本発明に係わる損害保険会社における入出力装置に用いられる表示装置の他の入出力画面例を示す図である。
【図38】本発明に係わる携帯電話会社における表示装置の入出力画面例を示す図である。
【図39】本発明に係わる携帯電話会社における表示装置の他の入出力画面例を示す図である。
【図40】本発明に関わる交通信号装置の動作フローチャートの一例を示す図である。
【図41】本発明に関わる交通信号装置から送信される信号機情報の一例を説明するテーブルを示す図である。
【図42】本発明に関わる自動車が信号機情報信号を受信してそれを処理する動作フローチヤートの一例を示す図である。
【図43】本発明に関わる映像解析動作のフローチャートの一例であり、その前半部分を示すフロー図である。
【図44】図43に係わる動作フロー図の後半部分を示すフロー図である。
【図45】本発明により対象自動車から撮影し記録されたフレーム画像を時系列に表示したフレーム画像列の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0167】
1f,1r:衝撃センサ、2:エアバッグ装置、3:GPS受信装置、4:緊急通報制御装置、5:携帯電話機、6:緊急通報スイッチ、7a:TVカメラ、9n,9e,9s,9w:信号機、9b:信号機制御装置、9c:送信機、9d:送信アンテナ、9f:アンテナ、9g:GPS受信装置、10a:受信アンテナ、11:交通信号灯パターン発生器、12:映像混合器、11n,11w,11s,11e:点灯パターン表示、13:文字映像パターン発生器、13a:時刻表示、17:運転用機器、19:運転情報パターン発生器、30,30’:センタ局(緊急情報センタ)、31,34:アンテナ、32:通信ネットワーク、33:中継局、35:受信装置、36:記録装置、37:モニタ、1300:通信ネットワーク、1301:緊急通報センタ、1311:警察あるいは消防組織、1321:警備会社、1331:ロードサービス会社A、1341:損害保険会社A、1351:携帯電話会社、1361:地図会社、1371:損害保険会社B、1302,1312,1322,1332,1342:送受信装置、1303,1313,1323,1333,1343:通話装置、1304,1314,1344:信号バス、1305,1315,1345,1355:制御装置、1306,1316,1346:記録装置、1307,1317,1347,1357:表示装置、1381:相手側車両、1382:相手側運転者、1400:加速度センサ、1401,1401f,1401r:衝撃センサ、1402:エアバッグ装置、1403:タイヤ、1404:車速センサ、1405:ブレーキペダル操作状態センサ、1406:ブレーキペダル、1407:熱・温度センサ、1408:ハンドル操作確度センサ、1409:ハンドル、1410:対象運転者、1411:ドライブ・レコーダ、1412:車載装置、1413:CPU(中央演算処理装置)、1414:信号バス、1415:手動通報ボタン、1416:インジケータ、1417:映像音声データ記録装置、1418:記録装置、1419:無線機、1420:GPS受信装置、1421:携帯電話機、1422:表示装置、1423:送受信装置、1424:アンテナ、1425:キーボタン、1426:CPU、1427:記憶装置、1428:アダプタ、1429,1430:TVカメラ、1431:通信アンテナ、1432:GPSアンテナ、1433:対象車両、3301:逆再生ボタン、3302:順再生ボタン、3303:一次停止ボタン、3304:前方映像ボタン、3305:後方映像ボタン、3306:地図情報入手ボタン、3307:情報送信ボタン、3308:録音再生ボタン、3309:情報送信ボタン、3310:情報送信ボタン、3311:警備会社候補検索ボタン、3312:ロードサービス会社候補検索ボタン、3401:地図情報会社接続ボタン、3402,3504,3604,3704,4003,4103,4303:OKボタン、3501:映像含データ通信ボタン、3502:映像無しデータ送信ボタン、3503,4102:キャンセルボタン、3601,3602,3603,3701,3702,3703:連絡先ボタン、3901:映像解析ボタン、3902,3903:出動要請ボタン、4001:自動解析ボタン、4002:カスタム解析ボタン、4101:データ通信ボタン、4201:解除確認ボタン、4301:確認完了・停止解除ボタン、4302:停止継続ボタン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データ変換送信装置に関し、特に、複数の送信フレームバッファを有する画像データ変換送信装置からネットワークを介して複数の画像受信装置に画像データを送信する画像データ変換送信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術を用いた緊急情報通報装置(緊急通報装置)のブロック構成例を図7に示す。図8は、図7に示した緊急通報装置を搭載した移動物体、例えば自動車の外観を説明する図である。また、図9に従来の技術を用いた緊急通報システムの構成例を示す。
【0003】
図7において、1fは衝撃センサである。この衝撃センサ1fは自動車先端に取り付けられている。2はエアバッグ装置、3はGPS受信装置で、3aはGPS受信装置3のアンテナである。
【0004】
ここで、もし、衝撃センサ1fが衝撃を検出すると、その検出結果によりエアバッグ装置2が作動して自動車内の搭乗者の受ける衝撃を軽減し保護すると共に、エアバッグ作動情報2aを出力する。一方、GPS受信装置3からは、GPS装置による測位結果としての自動車の位置情報・時刻情報3bが出力される。それらエアバッグ作動情報2aおよび位置情報・時刻情報3bは緊急通報制御装置4へ伝達されて、検出された衝撃を伴う事故の発生と、その事故発生時の自動車位置とを通報するための通報信号4aが生成される。その通報信号4aは携帯電話機5に供給され、携帯電話機5により自動的に送信がなされて、図9に示すセンタ局、例えば、緊急情報センタ30’へ無線通信でもって、あるいは通信ネットワーク32を介して通報される。
【0005】
緊急情報センタ30’では、受信された通報信号4aによって、自動車における事故の発生とその位置とを確認し、さらに、携帯電話5を介して、搭乗者、特に運転者から事故状況説明を受ける。そして、それら確認内容や説明内容に基づいて、パトロールカー・救急車・消防自動車・レッカー車等の中から事故現場に派遣すべき緊急自動車を選定しその派遣を手配する。
【0006】
ここで、もし、緊急情報センタ30’へ携帯電話5を介して運転者からの応答が無くて事故状況説明を受けられない場合は、「運転者の意識不明(意識障害)が生じたなどの重大事故」が発生したと判断されて、その判断によって、先ずパトロールカーの派遣が手配される。そして、パトロールカーにより確認された事故現地の状況に応じて、救急車・消防自動車・レッカー車等の緊急自動車の派遣が手配される。
【0007】
また、もしエアバッグ作動情報2aが出力されなくても、運転者などが緊急通報スイッチ6を操作することによって、エアバッグ作動情報2a出力時と同様に緊急通報することが出来る。
【0008】
このシステムの導入により、事故発生等の緊急事態発生時に公衆電話や非常電話を探すことなく緊急通報が可能となり、搭乗者の気が動転していたり、搭乗者が見知らぬ場所であっても緊急情報センタ30’側で迅速に事故位置特定が可能なので、救急・救命効果が高まる。
【0009】
また、特開平9−297838号公報では、例えば、上述のような衝撃を伴う事故が起こった結果として損傷を受けた事故車の画像を撮像し、その撮像画像を予め登録してあった損傷のない状態の自動車を撮像した登録画像と比較して、その比較により得られた差異を基にその損害に応じた損害保険の査定金額を算出するとした技術が記載されている。しかしながら、この技術では、査定対象がただ一台の事故車の状況のみを基に損害保険の査定金額を算出しているに過ぎず、例えば、複数の車両が関係した事故であっては、双方の責任割合が決まらないと査定金額が決まらないことになり、ただ一台の損傷程度を撮像した画像であっては、その責任割合を算出することはできない。
【0010】
また、「NTTDoCoMoテクニカルジャーナル」pp.18‐22,2000年10月1日発行と、「ITS産業・経済2001」pp.54‐60,2001年5月1日発行には、携帯電話を使用して自動車の事故発生時の緊急通報サービスの例が示されている。米国特許第5,933,080には自動車からMayday Center(救難センタ)へ事故発生を通報することが示されている。特開平11−165661には、車両の運転状態に関する情報を基地局に送信することが開示されている。特開2000−205890には、事故発生情報をコールセンタヘ通報することが開示されている。特開2001−243579には、事故発生時に搭乗者の情報を監視センタヘ通報することが開示されている。これらの文献に記載の通報システムは、運転者や事故車両に係わる識別情報(文字情報)を所定のステーションヘ送信することは開示されているが、事故車から撮影した事故前後の映像を記録して、その映像を緊急通報センタに送信することについてはまったく開示されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
人命に関わるような重大な交通事故においては、事故発生から救急車到着までの時間が救急・救命効果を左右することは広く知られている通りであり、従来の公衆電話や非常電話に依った通報に比べると大幅に通報効果が改善された上述の通報システムにおいても、もし、事故自動車の運転者が応答不能であるような重大事故であったとしたら、その重大事故への迅速かつ最適な対応を行うことができない場合がある。
【0012】
また、上述した特開平9−297838号公報に記載された従来の技術では、査定対象がただ一台の事故車の状況のみを基に損害保険の査定金額を算出しているに過ぎず、例えば、複数の車両が関係した事故であっては、双方の責任割合が決まらないと査定金額が決まらないことになり、ただ一台の損傷程度を撮像した画像であっては、その責任割合を算出することはできない。
【0013】
本発明の第1の目的は、通報システムにおいて、運転者が緊急情報センタからの事故状況質問の呼びかけに応答できないほどの「重大事故」における救急・救命効果をより高めることができるようにすることである。さらに、本発明の第2の目的は、事故発生前後の状況を迅速・的確に緊急情報センタ側で把握することによって、交通事故の発生原因を究明するための映像・音声記録を取得できるようにすることである。
【0014】
さらに、本発明の第3の目的は、事故発生前後の状況を迅速・的確に損害保険会社側で把握することによって、交通事故の発生原因が即座に究明できるようにすることである。
さらに、本発明の第4の目的は、事故発生後の携帯電話の信用情報発信機能を一時的に制限するようにして、携帯電話から送信される信用情報の確度(信用度)をより高められるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本例に係る画像情報通報システムでは、撮像手段と、撮像手段により得られた画像データを送信する画像データ送信手段とを備えた画像情報通報システムであって、信号機点灯色情報を受信する受信手段と、前記信号機点灯色情報に基づいて信号機点灯パターン表示を前記画像データの関連する信号機自体が撮像されているであろう位置付近に重畳する重畳手段と、を備えるように構成される。
【0016】
また、上記目的を達成するため、本例に係る画像情報通報システムでは、撮像装置により得られた画像データを送信する画像データ送信手段を備えた画像情報通報システムであって、信号機点灯色情報を受信する受信手段と、前記信号機点灯色情報に基づいて信号機点灯パターン表示を前記画像データの関連する信号機自体が撮像されているであろう位置付近に重畳する重畳手段と、を備えるように構成される。
【発明の効果】
【0017】
上述のように、本発明によれば、運転者が応答不能な重大事故においても迅速且つ的確な救急・救命活動が可能となって、対応遅れによる負傷者の重症化や甚だしきは生命の喪失を未然に防止できるばかりでなく、交通事故発生前後の映像・音声記録の取得によって、事故防止策の検討用や交通事故損害賠償責任の判定用に供することが出来る。
【0018】
また、第2の実施例によれば、交通事故損害賠償責任の判定に際して、双方の運転者が自分の進路の信号が緑信号で進入許可が指示されていたと相反する主張をする傾向にあり、そのように主張が異なっていたとしても、責任の無い側が無用の負担を強いられるという不合理が防止でき、また、事故発生原因究明のためにも、その効果がより高いシステムを実現することが出来る。
【0019】
また、第3の実施例によれば、交通事故損害賠償責任の判定や、事故発生原因究明の分析用としての効果がより高い。
また、本発明によれば、事故発生前後の状況を迅速・的確に損害保険会社側で把握することによって、交通事故の発生原因が即座に究明できる。
【0020】
さらに、本発明によれば、事故発生後の携帯電話の信用情報発信機能を一時的に制限するようにして、携帯電話から送信される信用情報の確度をより高められるようにできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施の形態について図を用いて説明する。図1は移動物体、例えば自動車に搭載された、本発明の緊急情報通信装置(緊急通信装置)のブロック構成例を示す図である。図2は、図1に示した自動車の外観を説明する図である。また、図10に本発明の通報システムの全体構成例を示す。
【0022】
図1において、1401f、1401Rは衝撃センサである。この衝撃センサ1401fは自動車前部に取り付けられている。また、衝撃センサ1401rは自動車後部に取り付けられている。1402はエアバッグ装置、1420はGPS受信装置、1432はGPS受信装置1420のアンテナである。
【0023】
もし、衝撃センサ1401fが衝撃を検出し、その衝撃度が所定値以上であるとするとエアバッグ装置1402が作動し、搭乗者の受ける衝撃を軽減し保護すると共に、エアバッグ作動情報2aを出力する。一方、GPS受信装置1420からは、自動車の位置情報・時刻情報3bが出力される。それらエアバッグ作動情報2aおよび位置情報・時刻情報3bは緊急通報制御装置4’へ伝達されて、検出された衝撃を伴う事故発生とその事故発生時の自動車位置とを通報するための通報信号4aが生成される。その通報信号4aは携帯電話機1421に供給され、携帯電話機1421により自動的に送信がなされて、図10に示すセンタ局、例えば、緊急情報センタ(通報業務センタ)30へ通報される。
【0024】
緊急情報センタ30では、受信された通報信号4aによって、自動車における事故の発生とその位置とを確認し、さらに、携帯電話1421を介して、搭乗者、特に運転者から事故状況説明を受ける。そして、それら確認内容や説明内容に基づいて、パトロールカー・救急車・消防自動車・レッカー車等の中から事故現場に派遣すべき緊急自動車を選定しその派遣を手配する。
【0025】
以上の動作は、後部の衝撃センサ1401rが衝撃を検出し、その検出結果により衝撃信号1raが出力され緊急通報制御装置4’へ伝達された場合も同様な動作を行う。
1429は撮像装置、例えば、テレビジョンカメラ(TVカメラ)である。TVカメラ1429は、自動車前面に取り付けられている。7f’はそのTVカメラ1429の視野を表している。また、1430はTVカメラである。TVカメラ1430は、自動車後面に取り付けられている。7r’はそのTVカメラ1430の視野を表す。これら視野7f’、7r’の下辺には自らの自動車の一部が視野に入るように、それらTVカメラの撮像方向がセットされているとしてもよい。そうすることで、自動車に発生した衝撃の原因が、その一部を撮像した映像の様子からより詳しく確認することが可能となる。TVカメラ1429、1430により自動車前後をそれぞれ撮像して得られた映像信号7fa、7raと、自動車内外の音声信号(図示せず)とは、それぞれ循環記録装置1417に供給され記録される。
【0026】
循環記録装置1417としては、所定の期間、例えば20秒間分の所定の映像信号、音声信号、その他、本発明に係わる信号情報の記録を可能とする。この循環記録装置1417は、不揮発性メモリを用いるとしてもよい。20秒間記録後は、より古い記録部分から順次削除し、その削除された記録領域に新しい映像を記録していく動作を繰り返すものとする。そして、エアバッグ作動信号2aや衝撃信号1raに基づいて緊急通報制御装置4’から送出される記録停止指令信号4bを受信すると、循環記録装置1417は10秒後に繰り返し記録動作を停止するものとする。
【0027】
この停止動作によって、循環記録装置1417にはエアバッグ作動信号2aや衝撃信号1raが緊急通報制御装置4’に到来する10秒前から、その到来の10秒後までの映像信号および音声信号が記録されたまま保持される。
【0028】
循環記録装置1417は厳重に封印されることで、前記の動作によって得られた記録内容が改竄されないようにしてもよい。また、一度記録停止指令信号4bを受信すると新たな書込が出来なくなるように構成してもよい。これによって、事故時の状況証拠が確実に保存され、警察や保険会社の調査資料の作成に役立てるデータを提供できる。
【0029】
緊急情報センタ30からの携帯電話1421を介しての運転者への事故状況問い合わせに対して、例えば11秒以上経過しても自動車1433の運転者からの応答が無い場合は、緊急情報センタ30側で、運転者が意識不明であるなどの重大事故が発生したと判断される。そして、緊急情報センタ30側から自動車1433へ、循環記録装置1417の記録内容を再生して送信するように指示するための信号が送られる。自動車1433では、その指示信号を携帯電話機1421によって受信することで、緊急通報制御装置4’から循環記録装置1417に再生指令信号4cが送出されて、その指令信号4cによって循環記録装置1417に収録されている映像・音声信号が出力される。循環記録装置1417から出力された再生信号8faは、緊急通報制御装置4’でGPS受信装置1420から得られる位置情報・時刻情報3bが重畳され、携帯電話機1421に送出されて緊急情報センタ30に送信される。なお、センタ30側からの指示信号の受信に依らないで、例えば、衝撃検出してから所定時間経過後に、自動的に、循環記録装置1417から出力された再生信号8faが緊急情報センタ30に送信されるとしてもよい。
【0030】
緊急情報センタ30では、受信した映像信号および音声信号を用いて事故現場の状況が判断される。そして、その判断の結果に応じて、パトロールカー・救急車・消防自動車・レッカー車等から事故現場に派遣すべき最適の緊急自動車を選定しその派遣を手配することができる。
【0031】
もし、エアバッグ作動信号2aや衝撃信号1raが出力されなくても、運転者などが手動通報スイッチ(ボタン)1416を操作することによってそれら信号出力時と同様に通報することが出来る。また、緊急情報センタ30の要求に応じて再生指令スイッチ8fbを運転者などが操作することにより、循環記録装置1417の再生信号8faを緊急情報センタ30へ送出することも出来る。
【0032】
また、TVカメラ1429、1430からの映像信号と自動車内外の音声を録音して得られた音声信号が、循環記録装置1417が再生状態にあるときモニタ端子8fcから出力される。そのため、その端子に接続されたモニタ(図示せず)のモニタ表示を見ることでTVカメラ1429、1430の画角を確認したり、携帯電話を介さずに自動車内で映像を得ることができる。
【0033】
図1において、点線1412で囲った部分は、車両に搭載しやすいように、一つのユニットあるいはモジュールとして構成することができる。但し、場合によっては、点線1412内の一つあるいはそれ以上のブロックを複数のユニットで構成することもできる。
【0034】
図4は本発明の第2の実施例のブロック構成を示す図で、図1と同一のものについては同一の参照符号を付してある。図6の(A)と(B)は、本発明の通報システムの一例における交通信号装置とその交通信号装置に接続された撮像装置のブロック構成例を示す図である。
【0035】
図6の(A)と(B)において、9n,9e,9w,9sは信号機である。その信号機9n,9e,9w,9sは、交差点で交差する各道路上を走行しながらその交差点に接近する自動車に対して、例えば、その自動車がその交差点の手前の所定地点で所定期間停止するか否かの制動制御を行うための信号を表示できるようにする。図6の(B)は交差点とその交差点の信号機9n,9e,9w,9sの配置と走行中の2台の自動車1433、1381の様子の一例である。図6の(B)においては、交差点は東西南北の各方向から延びる道路が交差し、左側通行の場合を仮定している。9nが北進する車両が交差点に進入して良いか否かを指示する信号機で、信号機9eは東進、信号機9sは南進、信号機9wは西進の各方向に向かっている車両にそれぞれ指示する信号機である。また、自動車1433は北進する車両で、図4に示した本発明を有する移動物体である。自動車1381は西進する車両である。信号機の個数は4台に限らず、交差点に応じて異なってよい。
【0036】
さらに、図6Aの9bは信号機制御器で、例えば、その交差点の全信号機を制御する。9cは送信機で、各信号機9n,9e,9w,9sの交通信号制御に係わる制御情報、例えば、点灯色情報を信号機制御装置9bから受け取り、交差点周辺に無線送信する。9dは送信アンテナである。これら、信号機9n,9e,9w,9s、信号機制御装置9b、送信機9cおよび送信アンテナ9dにより交通信号装置が構成されている。
【0037】
さらに、図6の(A)において、7aは撮像装置である。この撮像装置7aは、交通信号装置の指示により自動車が制動を行う可能性のある範囲、例えば、交差点手前の前記所定地点から交差点内にかけての所定範囲の状況を俯瞰撮像する。この撮像装置7aで撮像された映像信号は、この図の例では送信機9cへ入力されて、上述の点灯色情報と同様に交差点周辺に無線送信されるようになっている。
【0038】
また、撮像装置7aで、交差点に流入する車両および交差点内の交通状況を撮像した俯瞰映像は、GPSアンテナ9f、GPS受信機9gで受信された日時分秒の時刻信号および当該交差点の位置情報9hと共に、送信機9c、送信アンテナ9dを介して送出されるとしてもよい。
【0039】
信号制御装置9bから得られる交通信号機点灯情報とGPS受信機9gから得られる交差点位置情報はデータとして送信機9c・送信アンテナ9dから送信され、受信側で処理されて利用されるが、図4の場合と同様にパターン発生器(図示せず)・文字発生器(図示せず)と混合器(図示せず)でパターン化されて、図3の場合と同様に俯瞰映像の各信号機設置場所に重畳して送信される場合もある。
【0040】
ここで、図4に示す第2の実施例においては、上述の第1の実施例に示したブロック構成の外に、受信機1419と受信アンテナ1431と交通信号灯パターン発生器11と映像混合器12と文字映像発生器13とが搭載されている。この受信機1419は、信号機点灯色情報や撮像装置7aで得られた映像信号を含む送信信号を送信機9cから受信する。そして、受信機1419で受信された信号のうち、点灯色情報信号は交通信号灯パターン発生器11に入力され、そこで交通信号灯パターン信号が形成され、さらに、その交通信号灯パターン信号が映像混合器12で前面のTVカメラ1429からの映像信号における、関連する信号機9n自体が撮像されているであろう位置付近に重畳されるようにした信号が得られ、循環記録装置1417に記録される。一方、受信機10で受信された映像信号は、TVカメラ7fからの映像信号に関連づけて循環記録装置8に記録される。なお、受信機1419の代わりに、携帯電話機1421が送信機9cからの送信信号を受信できるようにしても良く、その場合、その送信信号を携帯電話機1421から交通信号灯パターン発生器11に入力できるようにすることで、受信機1419を無くすることもできる。
【0041】
さらに、図4において、文字映像発生器13は、GPS受信装置1420から得られる位置情報・時刻情報3bからそれら情報を表す文字パターン信号を生成する。そして、その文字パターン信号は映像混合器12で前面TVカメラ1429からの映像信号にある余白の部分に重畳される。そして、その重畳後の映像信号は、循環記録装置1417に記録される。なお、上述の交通信号灯パターン信号の重畳と文字パターン信号の重畳とは、それぞれ独立して施されるとしてもよい。
【0042】
ここで、それら重畳後の映像信号による画像表示の一例を、図3に示す。この図において、例えば、自動車1433に搭載されたTVカメラ1429から撮像した車の前方の画像であって、その自動車1433の一部分が撮像されると共に、自動車1433が交差点に差し掛かろうとしている場合の画像が示されている。さらに、画像の右側から赤信号(信号機9wにおける停止指示信号)を無視した別の自動車1381が交差点内に進入してくる場合を示している。(左側通行の道路)
さらに、11n、11w、11s、11eは、それぞれ交差点に至る4方向の道路を交差点に向けて走行する自動車1433に対し、それぞれそれらの制動を指示するための信号機9n,9w,9s,9eの点灯パターン表示である。さらに、13aは、文字映像発生器13で発生された文字パターン信号により表示された時刻表示の一例である。ここで、これら点灯パターン表示は、交通信号灯パターン信号によって表示されていて、その交通信号灯パターン信号は、上述の交通信号灯パターン発生器11によって発生し、映像混合器12でTVカメラ1429からの映像信号に重畳される。この例では、点灯パターン表示11nが自動車1433の制動を指示するための信号機9nに係わる。
【0043】
そして、この点灯パターン表示11nは、この画像の撮像時点での自動車1433の交差点への進入許可を指示しているパターン例を示している。一方、点灯パターン表示11wが自動車1381の制動を指示するための信号機9wに係わる。そして、この点灯パターン表示11wは、この画像の撮像時点での自動車1381の交差点への進入禁止を指示しているパターン例を示している。そのため、このような画像が撮像された後に自動車1433と自動車1381とが衝突して衝撃が発生し、図3に示す画像を表示するための映像信号が自動車1433の循環記録装置1417に保持された場合、その保持された映像信号を、図10に示すようなセンタ30に送信し、そのセンタ30が備えたモニタ37で再生表示することで、この例ではその衝突事故原因が自動車1381の交差点進入禁止違反であることが容易に確認できるものである。さらに、年月日時分秒の時刻表示を行った俯瞰映像が同様に加わることによって、より容易に確認することができる。
【0044】
ここで、図40を用いて交通信号装置の動作例を説明する。ステップ5200で、各信号機を所定の制御タイミングに応じて点灯制御する。次にステップ5201で、信号機の制御状態を示す信号機制御信号である点灯色情報信号と、交差点に設置された信号機の配置を表す信号機情報信号とを送信する。そして、それらステップが繰り返し行われる。
【0045】
この信号機情報信号は、図41に示すように、交差点に配置されたすべての信号機の設置台数と、それぞれの信号機の信号に従うべき車両の進行方向とを示す情報が含まれている。さらに、図41の信号機情報の例では、各信号機に対応する交通信号灯パターン映像を自動車1433の前面カメラ1429で撮像された映像画面上に重畳する場合の重畳位置情報を有している。図6の(B)に示す北進する自動車1433に対して、指示する信号機は信号機9nである。そのため、信号機情報信号に応じて信号機9nの交通信号灯パターン映像11n(図3)が映像画面(図3)のセンタ上部に表示される。そして、信号機9eの交通信号灯パターン映像11eが映像画面の右部に、信号機9sの交通信号灯パターン映像11sが映像画面の下部に、信号機9wの交通信号灯パターン映像11wが映像画面の左部にそれぞれ表示される。
【0046】
次に、図42を用いて対象車両である自動車1433の動作例を説明する。ステップ5300で自動車1433が進行する方向の図6の(A)の交通信号装置からの信号が所定レベル以上か否かを判断し、もし所定レベル以上で有れば、交差点に接近したことになり、ステップ5301へ移る。所定レベル未満の場合は、再度、ステップ5300を行う。ステップ5301では、その交通信号装置からの信号である点灯色情報信号と信号機情報信号とを受信する。次に、ステップ5302で、GPS受信装置1420により自動車1433の進行方向(図6の(B)の例では北)を検出する。次に、ステップ5303で、交通信号装置からの信号情報の内、信号機構成情報とステップ5302で検出した進行方向情報とに応じて、TVカメラ1429で撮像された映像に合わせて表示する各信号機の制御内容を示す信号機の点灯パターン表示の個数と位置とを決定する。
【0047】
さらに、ステップ5304で、決定された位置に、交通信号装置からの点灯色情報信号に基づいて、TVカメラ1429の撮像タイミングに応じた信号機の点灯パターン表示を、その撮像された映像信号と関連づけて循環記録装置1417に記録する。そして、ステップ5305で、循環記録装置1417の記録動作が停止されたか否かを判断し、もし停止されていないと判断した場合はステップ5300へ戻り、停止されたと判断した場合はこの処理を終了する。
【0048】
なお、上述の動作例では、先ずステップ5300で交通信号装置からの信号が所定レベル以上と判断されたらステップ5301以降の動作を行うとしたが、そのステップ5300の代わりに、車載のGPS受信機1420から得られる自車位置を車載の電子地図上にマッピングしたり、あるいは、送信機9c・送信アンテナ9dを介してGPS受信機9fから得られる交差点位置情報データと、車載のGPS受信機1420から得られる自車位置データを対比することによって、自車から交差点迄の距離を測定し、その測定距離が所定の長さ以下であるか否かを判断するとしても良い。そして、それが所定の長さ以下であると判断されたらステップ5301以降の動作を行うとしもよい。
【0049】
なお、図3では、TVカメラ1429から交差点までかなりの距離があれば、前方の信号機9nがTVカメラ1429の視野内に入って撮像され、それにより信号機9nの点灯色が確認できるが、より交差点に近づくと前方の信号機9nはTVカメラ1429の視野外となるので、本発明のように、TVカメラ1429の映像と事故直前の信号機点灯色情報とを関連づけながら重畳して確認できるようにしたことにより、極めて容易に、かつ、より確実に信号機の点灯色を確認することができる。
【0050】
なお、TVカメラ1430によっても、同様に自動車後部に衝撃が生じるような場合に、上述の場合と同様に確認することが出来る。
なお、この第2の実施例によれば、上述の第1の実施例の作用効果に加えて、循環記録装置1417にはエアバッグ作動信号2aや衝撃信号1raが到来する前の、例えば10秒前から、その到来した後の、例えば10秒後までの映像・音声信号が、時々刻々の各信号機の点灯色情報とともに記録保持されることになる。そのため、その保持された映像信号によって、より的確な交通事故発生原因究明が可能となる。また、受信した信号機点灯色情報を利用して、赤信号の見落としによる交差点への誤進入に対して事前に警告を発する警告装置を移動物体に設けて、その警告装置によって事故を未然に防ぐための警告を運転者へ発するようにしたり、あるいは、その警告に連動して自動車の制動装置を動作させて事故を回避させるようにすることも可能である。
【0051】
図5は本発明の第3の実施例のブロック構成を示す図で、図1と同一のものについては同一の参照符号を付してある。この図において、自動車の運行状況に関する装置である、、例えば、自動車の速度を示すスピードメータや、自動車の転進の度合いを制御する制動装置であるステアリングホイールや、自動車の速度を減ずるための減速機の動作を制御するブレーキペダルなどの運転用機器17において、それらの状態や状況、すなわち運行状況・制動動作状況をモニタする装置を有し、その運転用機器17から得られる各種モニタ情報(運行状況・制動動作状況モニタ情報)、例えば、車速・操舵角・停止灯点灯などの運転情報17aが、ドライブ・レコーダ1411に供給されて運転管理などに利用される。それと共に、それら運転情報17aに応じて運転情報パターン発生器19によって車速・操舵角・停止灯点灯パターン信号が生成され、映像混合器12で前面TVカメラ1429により撮像された映像の余白部に重畳される。そして、その重畳により余白部に車速・操舵角・停止灯点灯パターンが表示されるようにした映像信号が、循環記録装置1417に供給され記録される。
【0052】
なお、上述の自動車1433に、その自動車に搭乗する搭乗者の状況を確認するためのセンサ装置を設けて、そのセンサ装置の出力結果に応じて循環記録装置1417に記録されるとしてもよい。そのセンサ装置としては、例えば、搭乗者を撮像する撮像装置であってもよいし、上述の携帯電話機を用いるとしてもよい。
【0053】
以上のようにして、映像信号を循環記録装置1417に記録することで、それら記録された映像信号をセンタ30へ送信することができる。
なお、図3に示す車速・操舵角・停止灯点灯パターン14aはその重畳された映像信号によるパターン表示の例を示しており、本実施例によれば、TVカメラの映像と関連づけながら、事故直前の信号機点灯色情報や自動車運転情報を同時に確認することができる。
【0054】
なお、上述の説明にこだわらず、本発明では、様々な構成を付加したものを本発明の範ちゅうと見なすことができ、例えば、GPS受信装置以外の測位手段から位置情報・時刻情報を単独または組み合わせて取得する場合や、循環記録装置・再生指令スイッチ・モニタ端子をTVカメラや緊急通報制御装置に一括または分散して収納したり、また、前面TVカメラを道路の白線検知用や前方自動車車間距離計測用としても用いることができる。あるいは、後面TVカメラを車庫入れや駐車の際の後方確認用としても用いることができる。さらに、信号機点灯色情報受信機10を、信号見落とし警告用としても用いることができる。また、位置情報・時刻情報、信号機点灯色情報、運転情報を、パターン化・文字化せずにデータのまま循環記録装置に供給し記録するとしても良い。
【0055】
なお、移動物体としては、地上走行のみならず、水上や空中などを移動する物体であってもよい。また、無線送信設備としては携帯無線電話にこだわらずに様々な通信設備を用いたとしても、本発明の通報システムを実現することが出来る。
【0056】
なお、本発明は、衝撃センサ1401fまたは衝撃センサ1401rのいずれか一方の検出結果に応じて映像信号7faおよび映像信号7raの記録保持を行うとしてもよいし、衝撃センサ1401fの検出結果に応じては映像信号7faを記録保持し、衝撃センサ1401rの検出結果に応じては映像信号7raを記録保持するというようにそれらを相互に独立に動作させるとしても良い。
【0057】
なお、エアバッグ装置1402は搭乗者のみならず自動車の搭載物を保護するための装置であっても良い。
さらに、本発明の実施の形態について図を用いて、より詳細に説明する。図11〜図39で、図1〜図10での参照番号と同じ番号のものは基本的に同一のものを示す。図11は、本発明が適用された救急システムの、関係者および関係組織を図式化して説明するための概略説明図である。
【0058】
緊急通報センタ1301は、個人や法人あるいは団体との間で、指定した人あるいは指定した自動車(移動物体)が事故にあった場合の緊急対応処理サービスを提供することについて契約をする。契約で指定されたサービス対象の人あるいは自動車についての識別情報は緊急通報センタ1301に登録されている。識別情報は、氏名や住所、免許証の番号、携帯電話の番号、車両の登録番号あるいはその他の識別符号などである。図11〜図13で説明する実施例では、緊急通報センタ1301により事故時の緊急対応処理サービスを受ける対象は、自動車の運転者1410と、その運転者1410が運転する自動車1433である。以下、この運転者1410を対象運転者と称し、対象運転者1410が運転している自動車1433を対象自動車(対象車両)と称する。また、対象運転者1410は損害保険会社 A 1341と自動車1433での運転中に発生した事故について損害保険の契約をしているものとする。対象自動車1433と衝突事故を起こした相手の自動車1381とその運転者1382は、事故にあった場合の緊急対応処理サービスを受ける対象として登録されていないものとする。以下、これら自動車1381とその運転者1382を、相手側自動車(相手側車両)と相手側運転者と称する。
【0059】
この図の例では、対象運転者1410の対象自動車1433と相手運転者1382の相手側自動車1381とが事故を起こすことで生じる種々の相互関係が示されている。「対象運転者」とは、緊急通報センタの通報サービスを受ける対象となる人のことで、本例の場合には、自動車保険の被保険者でもある。すなわち、この事故の発生が対象運転者1410から緊急通報センタ(通報業務センタ)1301へ通報される。緊急通報センタ1301はその通報時に伝達された事故車両の位置情報を地図会社(地図情報会社)1361へ送信し、地図会社1361からその位置情報に応じた地図情報が緊急通報センタ1301へ送信される。緊急通報センタ1301は地図情報を基に事故発生地点の地名や地番を確認し、必要があれば、その地名や地番に対応した警察組織と消防組織のいずれか一方あるいは両方へ出動要請を行う。
【0060】
また、緊急通報センタ1301は対象運転者1410と保険契約を結んでいる損害保険会社 A 1341へ事故発生通報を行う。損害保険会社 A 1341はロードサービス会社 A 1331や警備会社1321へその事故現場への出動を依頼する。なお、これら出動依頼は、必要に応じて緊急通報センタ1301から依頼される場合もある。
【0061】
さらに、緊急通報センタ1301は対象運転者1410側から事故発生通報があったことに応じて、異常発生通知を携帯電話会社1351へ出力する。
以上のように出動要請や異常発生通知があったことで、警察または消防組織1311から対象運転者1410に対して緊急車両やヘリコプタなどによる出動が行われ、また、ロードサービス会社 A 1331や警備会社1321からも警備員やレッカー車等が出動される。
【0062】
異常発生通知を受け取った携帯電話会社1351は、対象運転者1410が用いる携帯電話機のメモリ内に記録されている信用情報の送信機能を制限するようにする。そのため、携帯電話会社1351からその携帯電話機に対してその制限を行うための制御信号が送信され、その携帯電話の信用情報送信が停止される。「信用情報」とは、携帯電話の所有者が携帯電話を使用して受けるサービス、例えばインターネットバンキングやインターネットショッピングなどで使用する個人暗証番号やクレジットカードの番号などである。これらの番号は、携帯電話のメモリ中に保存されていることがあり、その場合は、いかなるときでも、他人によって読み取られないようにセキュリティが保持される必要がある。
【0063】
損害保険会社 A 1341は、事故発生通報に関する事故についての保険業務を行う。例えば、相手側運転者1382と契約を行っている損害保険会社 B
1371との補償交渉を行い、対象運転者1410への保険適用連絡、およびこの事故に係わる保険料の割引等級の変更の通知等を行う。
【0064】
図12は、図11に示す救急システムの情報伝達の一例を説明するための図である。
この図において、先ず、事故の発生が対象運転者1410から緊急通報センタ1301へ通報される。その後、上述したように、緊急通報センタ1301から、地図会社1361、警察または消防組織1311、損害保険会社 A 1341、ロードサービス会社 A 1331、警備会社1321、携帯電話会社1351の各連絡先へ、位置情報送信や出動要請や事故発生通報や出動依頼や異常発生通知などの通信を行う。なお、図12に示された緊急通報センタ1301からの各連絡先への通信順序は一例であり、外のどんな順序であってもよい。
【0065】
図13は、本発明のさらに他の実施例を示し、通信ネットワークを用いたシステムの一構成例を示す図である。この図において、対象運転者1410は、対象車両1433に搭乗している。この図の例では、この対象車両(登録車両)1433と相手側運転者1382が搭乗した相手側車両1381とが事故を起こした場合について説明している。また、対象車両1433には、衝撃センサ1401とGPSアンテナ1432と車載装置1412と携帯電話機1421とが搭載されている。「対象車両」とは、通報サービスを受ける対象の車両であり、緊急通報センタへ事故発生通報を行う。
【0066】
対象車両1433に搭載された携帯電話機1421は通信ネットワーク1300を介して緊急通報センタ1301の送受信装置1302と通信を行う。緊急通報センタ1301は、地図会社1361あるいは警察あるいは消防組織1311あるいは損害保険会社 A 1341あるいは警備会社1321やロードサービス会社 A 1331あるいは携帯電話会社1351とも通信ネットワーク1300を介して相互に通信を行う。また、携帯電話会社1351は携帯電話機1421と通信を行うこともできる。また、損害保険会社 A 1341と損害保険会社 B 1371との間も、通信ネットワーク1300を介して通信を行うことができる。
【0067】
緊急通報センタ1301は、通信ネットワーク1300を介して通信を行うための送受信装置1302を備え、その送受信装置1302には操作者が通話を行うための通話器1303が接続されている。送受信装置1302、各種制御を行う制御装置1305、各種ファイルや動作プログラム・ソフトウェア等を記録する記録装置1306、操作者のための入出力動作を行うための表示装置1307は、信号バス1304を介して相互に接続されている。
【0068】
警察あるいは消防組織1311および損害保険会社 A 1341に関しても、この図の例では緊急通報センタ1301と同様に、送受信装置1312,1342、通話装置1313,1342、制御装置1315,1345、記録装置1316,1346、表示装置1317,1347、信号バス1314,1344をそれぞれ備える。
【0069】
また、警備会社1321およびロードサービス会社 A 1331は、それぞれ通信ネットワーク1300を介して通信を行うための送受信装置1322,1332と通話装置1323,1333とを備える。また、携帯電話会社1351は、通信ネットワーク1300と接続されたネットワーク制御を行うことが可能な制御装置1355と、その制御装置1355に接続された表示装置1357とを備える。
【0070】
図14は、本発明を移動物体に搭載した一実施例のブロック構成を示す図である。この図において、移動物体とは、対象運転者1410が搭乗した対象車両1433である。対象車両1433には、対象車両1433に加わった衝撃エネルギーを検出する衝撃センサ1401と、その衝撃センサ1401が所定量以上の衝撃、例えば、ブレーキ操作による減速度よりも大きな減速度が外部から加わったような衝撃を検出した場合に、搭乗者保護のために動作するエアバッグ装置1402を備える。
【0071】
対象車両1433は、さらに、対象運転者(登録運転者)1410が操作する制動装置としてステアリングホイール1409とブレーキペダル1406とを備え、それら制動装置の動作状態を検出するセンサとしてハンドル(ステアリング)操作角度を検出するハンドル操作角センサ1408と、ブレーキペダル操作状態を検出するブレーキペダル操作状態センサ1405とを有する。また、対象車両1433のタイヤ(ホイール)1403の回転速度を検出するようにした車速センサ1404を有する。なお、車速を検出するセンサとしては、タイヤ1403の回転速度を検出するものだけでなく、車軸やエンジン回転自体の回転数等に応じて算出するようにしたものでもよい。また、加速度センサ1400を有し、その加速度センサ1400で検出された、対象車両1433に作用した加速度に応じて車速のみならずその走行状態を検出するとしても良い。
【0072】
上述の衝撃センサ1401、車速センサ1404、ブレーキペダル操作状態センサ1405、ハンドル操作角センサ1408、加速度センサ1400からそれぞれ出力されるセンサ信号は、対象車両1433の動作状態を記録するためのドライブ・レコーダ1411へ入力され、各センサ信号の値が検出時刻と対応づけながら記録される。それとともに、それらセンサ信号は、車載装置1412のCPU1413へ入力されてそれぞれ信号処理される。
【0073】
なお、上述の各種センサのほかに、対象車両1433の所定部分、例えば、搭乗者が搭乗する室内での熱量(熱検出量)や温度を検出するための熱・温度センサ(以下、熱センサと称す)1407を有する。それにより、異常な発熱、例えば、車両火災が発生した場合などの熱量(熱検出量)の増加や温度上昇を検出することで、あるいは、急激な気温低下等によって車内温度が搭乗者の体温維持に支障を来す温度まで低下した場合などの温度低下を検出することで、より広範囲な異常状態を検出することができる。熱・温度センサ1407から出力されるセンサ信号も上述のセンサ信号と同様に車載装置1412のCPU1413へ入力され信号処理される。
【0074】
対象車両1433に搭載された車載装置1412は、移動物体で異常が発生した場合に、その移動物体から緊急通報センタ1301へ通報を行うための装置の主要部分を構成している。この車載装置1412には、さらに、手動操作で押し下げすることにより緊急通報センタ1301へ通報を行えるようにした手動通報ボタン1415、緊急通報動作状態などの車載装置1412の状態を表示するためのインジケータ1416、信号バス1414、信号バス1414を介して相互に接続されたCPU1413と映像音声データ記録装置1417と記録装置1418と無線機1419とGPS受信装置1420とを備える。
【0075】
このうち、映像音声データ記録装置1417は前述した循環記録装置であり、これにはTVカメラ1429とTVカメラ1430とが接続され、それらTVカメラで撮像されて得られた映像信号が映像音声データ記録装置1417へ入力され記録される。なお、TVカメラ1429は対象車両1433の前方向を撮像するためのものであり、かつ、対象車両1433の前部の一部が撮像される。また、TVカメラ1430は対象車両1433の後ろ方向を撮像するためのものであり、かつ、対象車両1433の後部の一部が撮像される。また、無線機1419には通信アンテナ1431が接続される。この無線機1419は、交通信号装置からの信号を受信する。その受信信号には、交通信号装置の信号機制御信号やその交通信号装置が設置された交差点等交通路の様子を撮像した映像信号が含まれている。その受信した信号機制御信号や交通路撮像の映像信号は、記録装置1418へ入力されてそこで記録される。さらに、GPS受信装置1420にはGPSアンテナ1432が接続される。GPS受信装置1420は、GPS衛星から送信された基準信号を受信することにより、対象車両1433の基準信号受信時の位置を示す緯度情報、経度情報、高度情報、さらに、時刻情報を生成し、それら生成された情報が記録装置1418へ入力されて記録される。
【0076】
記録装置1418には、対象車両1433に対応する「緊急通報サービス契約番号」が記録される。また、緊急通報センタ1301を呼び出すための通信ダイアル番号(電話ダイアル信号)である「通報先電話ダイアル番号」が記録されていてもよい。
【0077】
さらに、車載装置1412には、アダプタ1428を備え、このアダプタ1428を介して車載装置1412と携帯電話機1421とが接続されて、それらの間で相互にデータを送受信する。なお、アダプタ1428としては、無線通信機能を用いて車載装置1412と携帯電話機1421とをワイヤレスで通信接続できるようにしてもよい。
【0078】
携帯電話機1421は、操作者の入出力動作用のキーボタン1425と表示装置1422とを有し、さらに、送受信用のアンテナ1424を備えた送受信装置1423を有する。上述の携帯電話機1421の各部はCPU1426に接続されてそれにより制御される。CPU1426はアダプタ1428を介して車載装置1412と接続される。また、CPU1426には、記憶装置1427が接続され、この記憶装置1427には各種ファイルや動作プログラム・ソフトウェア等が記録される。なお、この記憶装置1427には、携帯電話機1421が呼び出されるための通信ダイアル番号(電話ダイアル番号)である「携帯電話ダイアル番号(自局電話ダイアル番号)」が記録される。また、緊急通報センタ1301の「通報先電話ダイアル番号」が記録されていてもよい。
【0079】
図15は、図14に示す本発明の動作フロー図の一例を示す図である。まずステップ1501で、移動物体の車載装置1412のCPU1413は、衝撃センサ1401が衝撃を検出したかあるいは手動通報ボタン1415が押し下げられたかを判断し、「No」の場合は判断動作を繰り返す。もし、その判断で「Yes」と判断された場合はステップ1502へ移る。ステップ1502で、その衝撃検出後の所定時刻、例えば、その検出から10秒後に映像音声データ記録装置1417の記録動作を停止する。そうすることで、TVカメラ1429,1430からの映像信号と、交通信号装置から無線機1419を介して送られた映像信号とについて、その衝撃発生時点前後に撮像された映像の映像信号が、映像音声データ記録装置1417に記録保持されるようにする。
【0080】
なお、この図の例では、ステップ1501およびステップ1502で衝撃センサ1401の検出内容に応じた動作でもって記録保持されると説明したが、それに代わり、熱センサ1407の検出内容に応じて記録保持動作するとしてもよい。
【0081】
さらにステップ1502で、車載装置1412から携帯電話1421を介して、前記記録された「通報先電話ダイアル番号」の呼出先である緊急通報センタ1301へダイアルする。そうすることで、通信ネットワーク1300を介してその携帯電話機1421と緊急通報センタ1301とで通信回線が確立するようにする。そして、通信回線が確立した後、それらの間で相互にデータ通信が行われ、対象車両1433側からは、携帯電話機1421を介して「緊急通報サービス契約番号」や「携帯電話ダイアル番号」やGPS受信装置から得られた異常発生時の位置情報や時間情報である「異常発生時位置情報」や「異常発生時刻情報」等が送信される。
【0082】
次にステップ1503では、緊急通報センタ1301から音声通話を行うための動作を行うための、音声通話モードにするよう要求があるか否かが判断される。もし、センタ1301から音声通話モードにする要求がなかった場合は、ステップ1505へ移る。もし、センタ1301から音声通話モードにする要求があった場合は、ステップ1504へ移る。ステップ1504では、センタ1301の通話装置1303と携帯電話機1421間で音声通話を行える音声通話モードとする。そして、その音声通話でもって、対象車両1433に搭乗した対象運転者1410とセンタ1301の音声通話操作者とが会話を行うことにより事故状況等や事故対策予定等を確認し合うことができる。また、音声通話モードとなった後に、所定時間以上対象車両1433側から搭乗者等の音声連絡が無いときには、センタ1301の音声通話操作者が、事故による搭乗者等の意識不明状態の可能性が高いと判断することができる。そして、その判断に基づいて、センタ1301の音声通話操作者は、以後の迅速な警察および消防組織1311への出動要請を行うことができる。
【0083】
なお、この実施例では、センタ1301側の音声通話操作者が通話装置1303を用いて、対象運転者1410との通話を行うとしたが、それに限らずに、センタ1301側に対象運転者1410との通話を行ったり上述の可能性を判断することが可能な人工知能(図示せず)を備え、その人工知能を送受信装置1302と接続する。そして、その人工知能が上述の音声通話操作者と同様に、対象運転者1410との通話を行こない、上述の判断を行うとしてもよい。この人工知能は、コンピュータとそのコンピュータで実行されるソフトウェアと、そのコンピュータと周辺機器とを接続する入出力インタフェース、マン−マシン・インタフェース、およびセンサなどから構成される。
【0084】
次に、ステップ1505では、緊急通報センタ1301からの映像データの送信要求、すなわち、ステップ1502で記録保持された、衝撃発生時点前後のTVカメラ1429,1430からの映像信号と交通信号装置からの映像信号を緊急通報センタ1301へ送信するよう要求があるか否かが判断される。なお、この送信要求は、ステップ1502でのデータ通信内容や、ステップ1504の音声通話内容に鑑み、記録された映像信号を対象車両1433側からセンタ1301側へ送信する必要があるとセンタ1301側で判断された場合に、センタ1301から送信要求信号がされることで行われる。もし、センタ1301から記録映像データをセンタ1301へ送信するよう要求が無かった場合は、このフローの処理を終わる。もし、センタ1301から記録映像データをセンタ1301へ送信するよう要求が有った場合は、ステップ1506へ移る。ステップ1506で車載装置1412の映像音声データ記録装置1417に記録された映像信号を、携帯電話機1421を介して緊急通報センタ1301へ送信する。そして、このフローの処理を終わる。
【0085】
図16は、本発明に係わる緊急通報センタ1301の動作フロー図の一例の前半部分を示す図である。また、図17は、図16に係わる緊急通報センタ1301の動作フロー図の一例の後半部分を示す図である。図16で示されるフロー図において、まず、ステップ1601で、緊急通報センタ1301の制御装置1305は、対象車両1433とセンタ1301との間で通信回線が確立したか否かを判断する。通信ネットワーク1300を介して緊急通報センタ1301と対象車両1433の携帯電話機1421間で通信回線が確立されたことにより緊急通報があると判断する。いま、その判断が「No」の場合は判断動作を繰り返す。もし、その判断で「Yes」と判断された場合はステップ1602へ移る。ステップ1602で、緊急センタ1301の送受信機1302は、その確立された通信回線でもって、車載装置1412の記録装置1418に保持された「緊急通報サービス契約番号」および携帯電話機1421の「携帯電話ダイアル番号」をIDデータ信号として受信し、あるいは、「自動通報/手動通報識別情報」を受信する。その受信された信号は、送受信機1302から信号バス1304を介して記録装置1306に記録されると共に、ステップ1603で制御装置1305によりその受信信号のIDデータ信号が確認され、その確認されたIDデータ信号に関連する情報であって、記録装置1306における緊急通報サービス契約内容データベースに予め保持されている関連情報と、その受信した信号とが比較される。
【0086】
次にステップ1604で、受信した携帯電話機1421の「携帯電話ダイアル番号」に関連の携帯電話会社1351に対し、その「携帯電話ダイアル番号」とその「携帯電話ダイアル番号」の携帯電話機1421に事故が発生したこととを通報する。なお、この通報を受け取った携帯電話会社1351では、例えば、金融取引等に係わる信用情報をその携帯電話機が保持している場合に、通信ネットワーク1300において、あるいは、その「携帯電話ダイアル番号」を有する携帯電話機1421において、その信用情報を携帯電話機の外部に発信したり表示装置に表示したりする動作を一時的に禁止するための制御を行う。なお、この通報は、ステップ1603で携帯電話機1421からのIDデータが確認されたことに応答して自動的に通報番号として送信されるか、あるいは、オペレータ(音声通話操作者)が口頭で、電話でもって伝える。
【0087】
次にステップ1605で、センタ1301側から携帯電話機1421側へ音声通話モードに切り替わるように要求するための信号を送信する。そして、ステップ1606でその要求信号に応じて携帯電話機1421あるいは車載装置1412により音声通話モードが確立した場合は、対象車両1433に搭乗した対象運転者1410とセンタ1301の音声通話操作者とが会話を行うことが可能な動作状態となる。次に、ステップ1607で、センタ1301の音声通話操作者からの呼びかけに対して対象運転者1410から、あるいは他の搭乗者等から音声で応答があった場合には、次のステップ1608でその応答のあった通話者の本人名の確認とパスワード確認とが音声で行われる。
【0088】
そして、ステップ1609で、音声で確認された通話者の名前が、緊急通報センタ1301の記録装置1306における緊急通報サービス契約内容データベースに保持されている、そのIDデータ信号に対応の登録運転者氏名リストの中に登録されている名前であった場合は、次のステップ1610で音声通話により事故状況を確認し合うことなどによって、音声通話操作者がその事故に関する対処方法を策定する。そして、その策定された対処方法に基づき、次のステップ1611で、記録映像データを入手する必要があるか否かが判断される。もし記録映像データを入手する必要がないと判断されれば、次の記号Aのフローへ続き、もし、入手する必要が有ると判断されれば、次の記号Bのフローへ続く。
【0089】
なお、上述のステップ1607において、もし運転者等からの応答がなかった場合、また、上述のステップ1609において、もし通話者の名前が登録運転者氏名リストに登録されていなかった場合は、いずれの場合も記号Bのフローへ続く事になる。
【0090】
そして、図17で示されるフロー図において、記号Bから続く処理としては、まず、ステップ1612で、対象車両1433側で保持している映像信号の送信を要求するための要求信号を、緊急センタ1301の送受信装置1302から、通信ネットワーク1300を介して携帯電話機1421へ送信する。そして、ステップ1613で、携帯電話機1421で受信した要求信号に応じて車載装置1412の映像音声データ記録装置1417に記録された映像信号が、携帯電話機1421を介して送信される。そして、その送信された映像信号を緊急センタ1301の送受信機1302で受信する。さらに、ステップ1614で、送受信機1302で受信した映像信号を信号バス1304を介して記録装置1306に記録すると共に、表示装置1307でその映像信号に基づいた画像を表示することで、その映像信号の内容を確認して、その確認結果に応じて対処法を策定あるいは再び策定する。そして、そのステップ1614の次には、以下に説明する記号Aから続く処理を行うこととなる。
【0091】
記号Aから続く処理としては、ステップ1615で、今までの処理に応じて策定された対処方法に基いて各種処理を実行するものである。次に、このステップ1615での処理の内容についてより詳細に説明する。ステップ1615の処理は、オペレータあるいはコンピュータ(人工知能)により実行される。
【0092】
図18は、図17に示すステップ1615における緊急通報センタ1301の動作の流れを、より詳細に説明する動作フロー図の一例の前半部分を示す図である。また、図19は、図18に係わる動作フロー図の一例の後半部分を示す図である。図18で示されるフロー図において、まず、ステップ1801で、対象車両1433側から受信し記録した「位置情報」に応じた地図情報が、記録装置1306にすでに記録されているか否かを検索する。次にステップ1802で、もし、記録された地図情報があると判断された場合は、ステップ1805へ移る。もし、記録された地図情報が無かったと判断された場合は、ステップ1803へ移る。ステップ1803で、送受信装置1302から記録装置1306へ記録した「位置情報」を、通信ネットワーク1300を介して地図会社1361へ送信する。そして、ステップ1804で、地図会社1361から通信ネットワーク1300を介して送信された地図情報を送受信装置1302で受信し、その受信した地図情報を信号バス1304を介して記録装置1306へ入力し記録すると共に、表示装置1307でその情報に基づいた地図を表示する。そして、ステップ1805で、地図情報会社1361から受信した地図情報または記録装置1306に前から保持されていた地図情報から、前記「位置情報」に関連する地名および地番を抽出し、その抽出された地名および地番を表示装置1307で表示する。
【0093】
次に、ステップ1806で、上述の策定した対処方法に基づき、警察又は消防組織に出動要請する必要があるか否かが判断され、もし出動要請する必要が有ると判断されれば、ステップ1807へ移る。ステップ1807で、緊急通報センタ1301の記録装置1306に記録されている情報、例えば、「位置情報」、「異常発生時刻情報」、「映像データ」等を併せた出動要請信号を、通信ネットワーク1300を介して警察または消防組織1311へ送信する。あるいは、音声通話による通報も行う。なお、警察組織および消防組織のいずれか一方に通報するとしてもよく、その両方に通報するとしてもよい。
【0094】
また、ステップ1808で、上述の策定した対処方法に基づき、ロードサービス会社に出動要請する必要があるか否かが判断され、もし出動要請する必要が有ると判断されれば、ステップ1809へ移る。ステップ1809で、緊急通報センタ1301の記録装置1306に記録されている、「位置情報」、「異常発生時刻情報」、等を併せた出動要請信号を、通信ネットワーク1300を介して例えばロードサービス会社 A 1331へ送信する。あるいは、音声通話による通報も行う。
【0095】
また、図19に示す記号Cに続くステップ1810で、上述の策定した対処方法に基づき、警備会社に出動要請する必要があるか否かが判断され、もし出動要請する必要が有ると判断されれば、ステップ1811へ移る。ステップ1811で、緊急通報センタ1301の記録装置1306に記録されている、「位置情報」、「異常発生時刻情報」、等を併せた出動要請信号を、通信ネットワーク1300を介して例えば警備会社1321へ送信する。あるいは、音声通話による通報も行う。
【0096】
つぎに、ロードサービス会社や警備会社にそれぞれ出動要請してあった場合は、ステップ1812乃至ステップ1815に示すように、ロードサービス会社 A 1331や警備会社1321からそれぞれ通信ネットワーク1300を介して送信された出動結果報告を送受信装置1302で受信し、信号バス1304を介して記録装置1306へ入力し記録する。
【0097】
図20は、本発明を用いた通報システムを警察組織あるいは消防組織1311に適用した場合の動作フロー図の一例を示す図である。
図20で示されるフロー図において、まず、ステップ2001で、警察組織あるいは消防組織1311の制御装置1315は、緊急通報センタ1301から出動要請(または、出動要請信号の受信)があるか否かを判断する。例えば、通信ネットワーク1300を介して警察組織あるいは消防組織1311と緊急通報センタ1301間で通信回線が確立され、その通信回線を通して出動要請信号を受信することによって、出動要請があると判断する。いま、その判断が「No」の場合は判断動作を繰り返す。もし、その判断で「Yes」と判断された場合はステップ2002へ移る。ステップ2002で、警察組織あるいは消防組織1311の送受信機1312は、その確立された通信回線でもって、緊急センタ1301の記録装置1306に保持された、その出動要請に係わる情報、例えば、「位置情報」、「異常発生時刻情報」、「映像データ」等を受信する。そして、ステップ2003で、その受信した情報を基に、その出動要請に係わる事故の状況が把握される。
【0098】
また、ステップ2004では、損害保険会社から出動状況連絡要請があるか否かが判断される。例えば、通信ネットワーク1300を介して損害保険会社 A 1341と警察組織あるいは消防組織1311間で通信回線が確立され、その通信回線を通して出動状況連絡要請信号を受信することによって、出動状況連絡要請があると判断される。もし連絡要請があると判断された場合は、ステップ2005で、出動状況連絡要請元の損害保険会社、この例では、損害保険会社 A 1341へ、上述の通信回線あるいは再度通信回線確立を行った回線を介して、その出動状況連絡のための情報を送信する。
【0099】
なお、ステップ2006では、緊急通報センタ1301から受信した出動要請に係わる情報や、出動結果とに基づいて、その事故の原因調査分析を行い、その事故に関する事故調査書を作成する。
【0100】
また、ステップ2007では、損害保険会社から事故関連情報、例えば、事故調査書の内容情報についての回答要請があるか否かが判断される。例えば、通信ネットワーク1300を介して損害保険会社 A 1341と警察組織あるいは消防組織1311間で通信回線が確立され、その通信回線を通して事故関連情報回答要請信号を受信することによって、事故関連情報回答要請があると判断される。もし回答要請があると判断された場合は、ステップ2008で、この例では、損害保険会社 A 1341へ、上述の通信回線あるいは再度通信回線確立を行った回線を介して、その事故関連情報を送信する。
【0101】
図21は、本発明を用いた通報システムを警備会社1321に適用した場合の動作フロー図の一例を示す図である。
図21で示されるフロー図において、まず、ステップ2101で、緊急通報センタ1301あるいは損害保険会社 A 1341から出動要請があるか否かが判断される。例えば、通信ネットワーク1300を介して緊急通報センタ1301と警備会社1321間で、あるいは、損害保険会社 A 1341と警備会社1321間で通信回線が確立され、その通信回線を通して出動要請信号を受信することによって、出動要請があると判断する。いま、その判断が「No」の場合は判断動作を繰り返す。もし、その判断で「Yes」と判断された場合はステップ2102へ移る。ステップ2102で、警備会社1321の送受信機1322は、その確立された通信回線でもって、緊急センタ1301の記録装置1306に保持された、その出動要請に係わる情報、例えば、「位置情報」、「異常発生時刻情報」等を受信する。そして、ステップ2103で、その受信した情報を基に、その出動要請に係わる事故の状況が把握され、その事故状況に応じた警備のための出動を行う。そして、ステップ2104で、出動要請元、この例では、緊急通報センタ1301あるいは損害保険会社 A 1341へ、上述の通信回線あるいは再度通信回線確立を行った回線を介して、その出動結果連絡のための情報を送信する。
【0102】
図22は、本発明を用いた通報システムをロードサービス会社 A 1331に適用した場合の動作フロー図の一例を示す図である。
図22で示されるフロー図において、まず、ステップ2201で、緊急通報センタ1301あるいは損害保険会社 A 1341から出動要請があるか否かが判断される。例えば、通信ネットワーク1300を介して緊急通報センタ1301とロードサービス会社 A 1331間で、あるいは、損害保険会社 A 1341とロードサービス会社 A 1331間で通信回線が確立され、その通信回線を通して出動要請信号を受信することによって、出動要請があると判断する。いま、その判断が「No」の場合は判断動作を繰り返す。もし、その判断で「Yes」と判断された場合はステップ2202へ移る。ステップ2202で、ロードサービス会社 A 1331の送受信機1332は、その確立された通信回線でもって、緊急センタ1301の記録装置1306に保持された、その出動要請に係わる情報、例えば、「位置情報」、「異常発生時刻情報」等を受信する。そして、ステップ2203で、その受信した情報を基に、その出動要請に係わる事故の状況が把握され、その事故状況に応じたロードサービス、例えば、事故車の牽引移動サービス等のための出動を行う。そして、ステップ2204で、出動要請元、この例では、緊急通報センタ1301あるいは損害保険会社 A 1341へ、上述の通信回線あるいは再度通信回線確立を行った回線を介して、その出動結果連絡のための情報を送信する。出動結果連絡は、出動した事実と、出動時刻や出動車両台数あるいは出動現場での事故状況と事故処理の内容などについて連絡することである。
【0103】
図23は、本発明を用いた通報システムを損害保険会社に適用した場合の動作フロー図の一例の先頭部分を示す図である。また、図24は、図23に係わる動作フロー図の一例の中間部分を示す図で、図25は、図23および図24に係わる動作フロー図の一例の残り部分を示す図である。以下、対象車両1433に関して保険業務を担う損害保険会社 A 1341の動作内容について説明する。図23で示されるフロー図において、まず、ステップ2301で損害保険会社 A 1341の制御装置1345は、緊急通報センタ1301から事故発生通報があるか否かを判断する。例えば、通信ネットワーク1300を介して緊急通報センタ1301の送受信装置1302と損害保険会社 A 1341の送受信装置1342間で通信回線が確立され、その通信回線を通して所定の事故発生通報信号が受信されたことで事故発生通報があると判断する。そして、その判断が「No」の場合は判断動作を繰り返す。
【0104】
もし、その判断で「Yes」と判断された場合はステップ2302へ移る。ステップ2302で、その確立された通信回線を通して送受信装置1324でもって、緊急通報センタ1301の記録装置1406に保持された各種情報、例えば、「緊急通報サービス契約番号」あるいはそれに対応した対象車両1433独自の「ナンバープレート番号」や「対象自動車保険証券番号」、および携帯電話機1421の「携帯電話ダイアル番号」、さらに、対象車両1433側から送信された「位置情報」、「異常発生時刻情報」、「映像データ」などを、受信信号として緊急通報センタ1301から受信する。その受信信号は、信号バス1344を介して記録装置1346に記録される。そして、ステップ2303で制御装置1345によりその受信信号の内容が、記録装置1346における損害保険契約内容データベースに保持されている関連情報と比較されるとともに、受信情報内容を基に事故の状況把握も行われる。
【0105】
そして、それら状況把握や損害保険契約内容の確認等の検討結果に応じて、ステップ2304乃至、図24のステップ2310に示すように、警察あるいは消防組織やロードサービス会社や警備会社に出動要請を行う。そのため、出動要請信号を、それぞれ通信ネットワーク1300を介して警察あるいは消防組織1311やロードサービス会社 A 1341や警備会社1321へ送信する。なお、これら動作は、図18のステップ1806から図19のステップ1811迄について、前記説明した動作と同様である。
【0106】
すなわち、ステップ2304で、上述の検討結果に基づき、警察又は消防組織に出動要請する必要があるか否かが判断され、もし出動要請する必要が有ると判断されれば、ステップ2305へ移る。ステップ2305で、緊急通報センタ1301から受信した情報、例えば、「位置情報」、「異常発生時刻情報」、「映像データ」等を併せた出動要請信号を、通信ネットワーク1300を介して警察または消防組織1311へ送信する。あるいは、音声通話による通報も行う。なお、警察組織および消防組織のいずれか一方に通報するとしてもよく、その両方に通報するとしてもよい。なお、ステップ2306で、警察あるいは消防組織から、出動状況結果の報告を受信する。
【0107】
また、ステップ2307で、上述の検討結果に基づき、ロードサービス会社に出動要請する必要があるか否かが判断され、もし出動要請する必要が有ると判断されれば、ステップ2308へ移る。ステップ2308で、緊急通報センタ1301から受信した情報、例えば、「位置情報」、「異常発生時刻情報」、等を併せた出動要請信号を、通信ネットワーク1300を介して例えばロードサービス会社 A 1331へ送信する。あるいは、音声通話による通報も行う。
【0108】
また、図24のステップ2309で、上述の策定した対処方法に基づき、警備会社に出動要請する必要があるか否かが判断され、もし出動要請する必要が有ると判断されれば、ステップ2310へ移る。ステップ2310で、緊急通報センタ1301から受信した情報、例えば、「位置情報」、「異常発生時刻情報」、等を併せた出動要請信号を、通信ネットワーク1300を介して例えば警備会社1321へ送信する。あるいは、音声通話による通報も行う。
【0109】
そして、ロードサービス会社や警備会社にそれぞれ出動要請してあった場合は、ステップ2311乃至ステップ2314に示すように、ロードサービス会社 A 1331や警備会社1321からそれぞれ通信ネットワーク1300を介して送信された出動結果報告を送受信装置1342で受信し、信号バス1344を介して記録装置1346へ入力し記録する。
【0110】
さらに、図25のステップ2315乃至ステップ2320では、損害保険会社 A 1341が必要に応じて緊急通報センタ1301あるいは警察あるいは消防組織1311から、それぞれ事故関連情報を入手する場合の動作について説明している。
【0111】
まず、ステップ2315で、緊急通報センタ1301へ事故関連情報を要求するか否かが判断される。もし、入手する必要が有ると判断された場合は、ステップ2316で、緊急センタ1301側で保持している事故関連情報の送信を要求するための要求信号を、損害保険会社 A 1341の送受信装置1342から、通信ネットワーク1300を介して緊急センタ1301の送受信装置1302へ送信する。そして、ステップ2317で、緊急センタ1301の送受信装置1302で受信した要求信号に応じて緊急センタ1301の記録装置1306に記録された事故関連情報が、送受信装置1302を介して送信される。そして、その送信された情報を損害保険会社 A 1341の送受信装置1342で受信する。その受信した事故関連情報は、損害保険会社 A 1341の送受信装置1342から信号バス1344を介して記録装置1346に入力され記録されると共に、表示装置1347でその内容が表示される。
【0112】
また、ステップ2318で、警察あるいは消防組織1311へ事故原因等の事故関連情報を要求するか否かが判断される。もし、入手する必要が有ると判断された場合は、ステップ2319で、警察あるいは消防組織1311側で保持している事故関連情報の送信を要求するための要求信号を、損害保険会社 A 1341の送受信装置1342から、通信ネットワーク1300を介して警察あるいは消防組織1311の送受信装置1312へ送信する。そして、ステップ2320で、警察あるいは消防組織1311の送受信装置1312で受信した要求信号に応じて警察あるいは消防組織1311の記録装置1316に記録された事故関連情報が、送受信装置1312を介して送信される。そして、その送信された情報を損害保険会社 A 1341の送受信装置1342で受信する。その受信した事故関連情報は、損害保険会社 A 1341の送受信装置1342から信号バス1344を介して記録装置1346に入力され記録されると共に、表示装置1347でその内容が表示される。
【0113】
そして、次のステップ2321で、受信した事故関連情報、受信した記録映像信号、記録装置1346で保持している損害保険契約内容データベースにおける関連情報等に基いて、相手車両1381側の交渉相手、例えば、損害保険会社 B 1371との補償交渉を行い、また、その事故に関する損害額の査定処理や保健割引等級変更の決定を行い、次のステップ2322で、それらステップ2321で処理された保険業務処理内容に基づいた各種通知、例えば割り引き等級変更通知等を、通信ネットワーク1300を介して対象運転者1410へ送信する。あるいは、音声通話でもって通知するとしてもよい。なお、ステップ2304、2307、2309、2311、2315、および2318の判定処理はオペレータあるいはコンピュータ(人工知能)が行うものである。
【0114】
図26は、本発明を適用した救急システムの情報伝達の外の一例を説明するためのフロー図である。
この図において、関係者および関係組織として、最上段の左から対象運転者1410、緊急通報センタ1301、警察または消防組織1311である警察署または消防署、損害保険会社 A 1341、ロードサービス会社 A 1331の名称を列記してある。さらに、各関係者および関係組織ごとの動作内容をその各名称の下部に列記している。さらに、それら動作内容間を矢印でもって接続することで、それら接続された動作内容間の関係を示している。そうすることで、各関係者および関係組織相互の情報伝達の関係を説明している。
【0115】
図27は、本発明に係わる緊急通報センタ1301の記録装置1306のデータファイルの構成図を示す。ここで記録装置1306には、契約者、例えば、対象運転者1410と緊急通報センタ1301との緊急通報サービス契約当初からその関連情報を保持しているデータファイルが登録されている。このようなデータファイルとしては、「緊急通報サービス契約データファイル」1306−1および「通報電話データファイル」1306−2および「車両使用者データファイル」1306−3等がある。また、対象運転者1410からの事故発生通報時以降に受信されまたは発生するデータを保持するデータファイルとしては、「通報着信日時分秒データファイル」1306−4および「通報地点データファイル」1306−5および「受信映像・音声データファイル」1306−6などが登録されている。
【0116】
図28は、本発明に係わる損害保険会社 A 1341の記録装置1346のデータファイル図を示す。ここで、記録装置1346には、契約者、例えば、対象運転者1410と損害保険会社 A 1341との損害保険契約当初からその関連情報を保持しているデータファイルが登録されている。このようなデータファイルとしては、「損害保険データファイル」1346−1および「車検証記載内容データファイル」1346−2および「車両使用者データファイル」1346−3等がある。また、対象運転者1410からの事故発生通報時以降に受信されまたは発生するデータを保持するデータファイルとしては、「通報着信日時分秒データファイル」1346−4および「通報地点データファイル」1346−5および「受信映像・音声データファイル」1346−6などが登録されている。
【0117】
図29の(A)と(B)は、本発明に係わる緊急通報センタ1301における操作者の入出力装置に用いられる表示装置1307の入出力画面例を示す図である。この図において、対象車両1433側から緊急通報センタ1301への事故発生通報がなされた場合の入出画面例を示している。図29の上図と下図は共に表示装置1307の入出力画面例である。これらの図において一部の表示内容は共通して表示されている。また、いずれか一方の図に表示されてあり、他方に表示されていない表示内容もある。それら上図に示す画面と下図に示す画面とは切り換えて表示できるようになっている。また、それら上図または下図ごとに図示する表示内容の組合せ以外の、別の組合せでもって画面表示するとしてもよく、例えば、全ての表示内容を同時に画面表示するとしてもよい。また、それら表示内容をスクロール表示でもって切り換えることが可能であるとしてもよい。これら表示切り替え機能は、全ての入出力画面例で同様に機能させることができる。
【0118】
図29の(A)と(B)に示す例では、表示内容が7個の表示ウインドウ、すなわち、「通報詳細」、「対象車両登録情報」、「受信映像」、「緊急出動要請」、「保険会社」、「警備会社」、「ロードサービス」ごとに表示される。
【0119】
図29(A)の「通報詳細」ウインドウ3391では、上述の事故発生通報動作により対象車両1433側から送信された「自動通報/手動通報識別情報」に基づいて、その通報が自動で行われたのか手動で行われたのかどうかを表示する。また、通報が着信した時刻を検出してその検出結果を記録装置1306に記録することで、それにより通報着信時間を表示する。さらに、その通報に関連して受信され、記録装置1306に記録された携帯電話機1421の「携帯電話ダイアル番号」により通報電話ダイアル番号を表示する。さらに、受信され、記録装置1306に記録された「位置情報(異常発生時位置情報)」により通報地点緯度経度情報を表示する。さらに、音声通話モードで確認された通話人の名前を自己申告通報者名として入力するか、または音声認識することで、その入力されまたは音声認識した結果により得られた名前を記録装置1306に記録すると共に表示し、かつ、その入力されまたは音声認識した結果により得られた名前が記録装置1306に記録された、その通報関連の対象車両1433に関する登録運転者氏名リストに登録されているか否かを検出し、その検出結果を、有りまたは無しと表示する。
【0120】
同様に通話人本人が携帯電話を介して口頭あるいはキーにより入力したパスワードが正しいか否かの確認結果を入力し、その入力された良否結果を記録装置1306に記録すると共に表示する。さらに、「異常時発生位置情報」に関連した地図情報を検索して、その検索結果に応じた地図を表示する。なお、地図情報入手ボタン3306を操作することで、図30にしめす「地図情報入手」ウインドウ3491が表示され、これにより地図情報検索を行うことができる。さらに、地図情報によって抽出された通報地点の地名と番地とが表示される。なお、音声通話による対象運転者1410とセンタ1301の音声通話操作者の会話内容を音声認識によりテキスト変換して通報ダイアログ・リストにそのテキストを表示する。また、音声通話による会話を録音し、その音声を録音再生ボタン3308を操作することで再生可能である。
【0121】
図29(B)の「対象車両登録情報」ウインドウ3392では、上述の通報に関連して、予め記録装置1306に記録された通報サービスの対象となる対象車両1433に関する各種登録情報が表示される。その各種登録情報としては、「緊急通報サービス契約番号」、「契約状況」、「盗難連絡」の有無、「車両登録番号」、「車種」、「車体色」、「所有者氏名」、「所有者連絡先」および「登録運転者名リスト」がある。
【0122】
図29(B)の「受信映像」ウインドウ3393では、対象車両1433側から送信された映像・音声データに基いて、その映像内容が表示される。この図の例では、対象車両1433のTVカメラ1429で撮像された前方向映像を前方映像ボタン3304を操作することで選択表示している。なお、信号機点灯色や運転情報や対象車両の前部も表示されている。また、画面右手に相手車両を撮像した映像も表示されている。この映像情報は逆再生ボタン3301や順再生ボタン3302を操作することによって動画像として再生できる。また、一次停止ボタン3303によって好みの映像内容でもって静止させた映像を表示することもできる。なお、この「受信映像」ウインドウ3393が図29の(A)と(B)とに、共通して表示されている。このように、異常発生時前後の対象車両1433の一部が撮像された映像を含む映像を、遠隔の緊急通報センタで即座に確認することができるので、その確認内容に応じて、より適切な通報業務内容を迅速に選択し、より効果的な業務に集中して行うことができるようになる。
【0123】
図29(B)の「緊急出動要請」ウインドウ3394では、データベースに予め記録されてある出動要請先の警察署や消防署を「異常発生位置情報」に応じてそれぞれ選択し、該選択された警察署や消防署の名称を表示する。そして、その表示内容を確認した後、その警察署や消防署でよければ情報送信ボタン3309や3310を操作することで、図31の「情報送信」ウインドウ3591が表示され、それを用いて出動要請することができる。なお、緊急通信センタ1301と出動要請先との送受信データや、音声通話によるセンタ1301の音声通話操作者と出動要請先との音声連絡を音声認識することによりテキスト変換して得た会話内容を、要請連絡ログ・リストにテキスト表示できる。
【0124】
図29(A)の「保険会社」ウインドウ3395では、その事故通報に関連した予め記録されている損害保険会社の名称を表示し、その表示内容を確認した後、情報送信ボタン3309を操作することで、図31の「情報送信」ウインドウ3591が表示され、それを用いて事故通報することができる。なお、緊急通信センタ1301と通報先の損害保険会社との送受信データや、音声通話によるセンタ1301の音声通話操作者と通報先との音声連絡を入力したり音声認識したりすることによりテキスト変換して得た会話内容を、連絡ログ・リストにテキスト表示できる。
【0125】
図29(B)の「警備会社」ウインドウ3396および「ロードサービス」ウインドウ3397では、それぞれ警備会社候補検索ボタン3311やロードサービス会社候補検索ボタン3312を操作することで、それぞれ図32や図33の各候補検索ウインドウ3691、3791が表示されて、それを用いて出動要請することができる。なお、データベースに予め記録されている「保険会社優先連絡の指示有り/無し」の有無がそれぞれ表示され、その表示に応じて、警備会社やロードサービス会社に連絡する前に損害保険会社に連絡する必要があることを確認できる。
【0126】
図30は、本発明に係わる緊急通報センタ1301における入出力装置に用いられる表示装置1307の入出力画面例を示す図である。
図30に示す「地図情報入手」ウインドウ3491は、上述のように図29(A)の「通報詳細」ウインドウ3391の地図入手ボタン3306を操作することで表示される。このウインドウ3491により、地図情報検索を行う。すなわち、記録装置1306に記録されたセンタ内地図情報データベースの中から「異常発生時位置情報」に関連する地図情報を検索する。その検索により、もし関連する地図情報が見つからない場合は、地図情報会社接続ボタン3401を操作することで、緊急通報センタ1301と地図会社(地図情報会社)1361との間で通信ネットワーク1300を介して通信回線を確立する。確立した通信回線を通して通信を開始し、まず、緊急通報センタ1301の記録装置1306に記録された「異常発生時位置情報」を地図会社1361へ送信する。地図会社1361では、受信した「異常発生時位置情報」に関連する地図情報を、保有する地図データベースの中から検索する。そして、検索された地図情報が、地図会社1361から送信され、緊急通報センタ1301で受信される。その受信がなされた後に、上述の通信回線確立が解消され、通信が終了する。
【0127】
そして、ウインドウ3491の「地図情報会社からの入手結果」表示領域に、受信した地図情報が表示される。なお、その地図情報を受信することで、自動的にその地図情報を、送信した「異常発生時位置情報」に関連づけながら緊急通信センタ1301の記録装置1306に、センタ内の地図情報データベースの追加データとして記録するとしてもよい。また、「地図情報会社からの入手結果」表示領域に表示されている地図情報表示を、「センタ内地図情報データベースからの検索結果」表示領域にドラッグ操作することで、同じく追加データとして記録するとしてもよい。動作が終了した場合は、OKボタン3402を操作してこのウインドウ3491を閉じる。
【0128】
図31は、本発明に係わる緊急通報センタ1301における入出力装置に用いられる表示装置1307の入出力画面例を示す図である。
この図に示す「情報送信」ウインドウ3591は、上述のように「緊急出動要請」ウインドウ3394の情報送信ボタン3309や3310、「保険会社」ウインドウ3395の情報送信ボタン3307を操作することで表示される。このウインドウ3591により、情報送信動作を行う。すなわち、映像含データ通信ボタン3501あるいは映像無しデータ通信ボタン3502を操作することで、緊急通報センタ1301と警察署、消防署、保険会社のいずれか一つとの間で通信ネットワーク1300を介して通信回線を確立する。確立した通信回線を通して通信を開始し、所定の情報を送受信する。なお、情報送受信中およびその前後で、相互に音声通話動作が可能としてもよい。ここで、映像3505は、音声通話の相手側の音声通話者を撮像した画像を受信して表示しているもので、これにより相手の通話者の顔かたちを確認しながら通話することができる。情報送受信や音声通話動作が終了した場合は、OKボタン3504を操作してこのウインドウ3591を閉じる。また、処理を途中で終了させる場合は、キャンセルボタン3503を操作して、処理動作を中断させ、ウインドウ3591を閉じることもできる。
【0129】
図32は、本発明に係わる緊急通報センタ1301における入出力装置に用いられる表示装置1307の入出力画面例を示す図である。
この図に示す「警備会社候補検索」ウインドウ3691は、上述のように「警備会社」ウインドウ3396の警備会社候補検索ボタン3311を操作することで表示される。このウインドウ3691により、出動要請する警備会社を決定し、その決定された警備会社への連絡動作を行う。すなわち、その事故通報に応じて警備会社の候補が検索される。そして検索された候補となる警備会社の名称と、その候補に対応する連絡ボタンとが表示される。図32では、3候補を列記し表示した例を示している。先ず、、予め記録されているデータベースの中から対象車両1433に応じて契約された警備会社である契約警備会社の名称が検索されて表示され、それに応じた連絡ボタン3601が表示される。次に、「異常時発生位置情報」に応じて、例えば、その位置情報に示す位置の近くに存する警備会社を代行可能警備会社として、予め記録されているデータベースの中から、あるいは、後述するようにネットワークを介して他社のサイトに存する関連情報の中から検索する。
【0130】
そして、その検索された警備会社の名称とそれに応じた連絡ボタン3602が表示される。同様に、他の代行可能警備会社として検索された警備会社の名称とそれに応じた連絡ボタン3603が表示される。なお、代行可能警備会社を検索する場合、緊急通報センタ1301とその警備会社間で通信回線を確立し、緊急通報センタ1301から代行可能か否かを問合わせるための送信を行い、警備会社からその問い合わせに対する返事を受信してもよい。そうすることで、その返事の内容により、その警備会社が代行可能か否かを判断し、その判断結果に応じて「警備会社候補検索」ウインドウ3691にその警備会社をリストアップするか否かを、さらに決定するとしてもよい。
【0131】
そして、それら連絡ボタン3601乃至3603のうち、出動要請対象とする警備会社に対応する連絡ボタンを操作する。そうすることで、緊急通報センタ1301と警備会社の間で通信ネットワーク1300を介して通信回線を確立し情報を送受信する。あるいは、音声通話でもって連絡する。情報送受信や音声通話動作が終了した場合は、OKボタン3604を操作してこのウインドウ3691を閉じる。
【0132】
図33は、本発明に係わる緊急通報センタ1301における入出力装置に用いられる表示装置1307の入出力画面例を示す図である。
この図に示す「ロードサービス会社候補検索」ウインドウ3791は、上述のように「ロードサービス会社」ウインドウ3397のロードサービス会社候補検索ボタン3312を操作することで表示される。このウインドウ3791により、出動要請するロードサービス会社を決定し、その決定されたロードサービス会社への連絡動作を行う。すなわち、その事故通報に応じてロードサービス会社の候補が検索される。そして検索された候補となるロードサービス会社の名称と、その候補に対応する連絡ボタンとが表示される。図33では、3候補を列記し表示した例を示している。先ず、対象車両1433に応じて契約されたロードサービス会社である契約サービス会社の名称が、予め記録されたデータベースから検索されて表示され、それに応じた連絡ボタン3701が表示される。
【0133】
次に、「異常時発生位置情報」に応じて、例えば、その位置情報に示す位置の近くに存するロードサービス会社を代行可能サービス会社として、予め記録されている中から、あるいは、後述するようにネットワークを介して他社のサイトに存する関連情報の中から検索する。そして、その検索されたロードサービス会社の名称とそれに応じた連絡ボタン3702が表示される。同様に、他の代行可能サービス会社として検索されたロードサービス会社の名称とそれに応じた連絡ボタン3703が表示される。なお、代行可能サービス会社を検索する場合、緊急通報センタ1301とそのロードサービス会社間で通信回線を確立し、緊急通報センタ1301から代行可能か否かを問合わせるための送信を行い、ロードサービス会社からその問い合わせに対する返事を受信してもよい。そうすることで、その返事の内容により、そのロードサービス会社が代行可能か否かを判断し、その判断結果に応じて「ロードサービス会社候補検索」ウインドウ3791にそのロードサービス会社をリストアップするか否かを、さらに決定するとしてもよい。
【0134】
そして、それら連絡ボタン3701乃至3703のうち、出動要請対象とするロードサービス会社に対応する連絡ボタンを操作する。そうすることで、緊急通報センタ1301とロードサービス会社の間で通信ネットワーク1300を介して通信回線を確立し情報を送受信する。あるいは、音声通話でもって連絡する。情報送受信や音声通話動作が終了した場合は、OKボタン3704を操作してこのウインドウ3791を閉じる。
【0135】
図34は、発明に係わる警察組織または消防組織1311における操作者の入出力装置に用いられる表示装置1317の入出力画面例を示す図である。この図の例では、緊急通報センタ1301から出動要請がなされた場合の入出力画面例を示しており、表示内容が4個の表示ウインドウ、すなわち、「出動要請詳細」、「受信画像」、「到達経路現況」、「事故調書作成データ」ごとに表示される。
【0136】
「出動要請詳細」ウインドウ3891では、出動を要請するものの氏名、例えば緊急通報センタ1301のセンタ名前が表示される。さらに、その要請者からの要請信号を着信した時刻や、要請者の連絡先である電話ダイアル番号等が表示される。さらに、要請者である緊急通報センタ1301から送信された地図情報や事故地点地名および地番が受信され、その地図情報に応じた地図と、その事故地点地名および地番とが表示される。
【0137】
「受信画像」ウインドウ3892では、出動要請者である緊急通報センタ1301から送信された映像・音声データが受信され、その映像・音声データに応じて映像内容等が表示される。この例では、上述の図29における「受信映像」ウインドウ3393の表示と同様であるため説明を省略する。このように、異常発生時前後の対象車両1433の一部が撮像された映像を含む映像を、遠隔の警察組織または消防組織で即座に確認することができるので、その確認内容に応じて、より適切な事故対応業務内容や救急救命業務内容を迅速に選択し、より効果的な業務に集中して行うことができるようになる。
【0138】
「到達経路現況」ウインドウ3893では、さらに、事故現場と出動元となる警察署あるいは消防署の位置とを表示するための地図を表示する。さらに、この地図には、別の道路状況データを用いて、現在時点の道路状況、例えば、渋滞箇所の表示を行うようにする。そうすることで、各警察署または消防署所在地から事故地点までの最適経路を検索することができる。ここで、道路状況データとしては、通信回線1300を介して、図示していない道路交通情報センタ等で作成されたものを受信するとしてもよい。
【0139】
「事故調書作成データ」ウインドウ3894では、各種出動記録や入手情報等を組み合わせて事故調書のためのデータが作成され、表示される。
図35は、本発明に係わる損害保険会社 A 1341における操作者の入出力操作に用いられる表示装置1347の入出力画面例を示す図である。この図の例では、緊急通報センタ1301から事故通報がなされた場合の入出力画面例を示しており、表示内容が7個の表示ウインドウ、すなわち、「通報詳細」、「保険内容」、「事故状況詳細」、「出動要請」、「出動報告」、「警察・消防」、「補償交渉」ごとに表示される。
【0140】
「通報詳細」ウインドウ3991では、通報者である緊急通報センタ1301から送信され、通信ネットワーク1300を介して所定の事故発生通報信号が損害保険会社 A 1341の送受信装置1342で受信されることで、その受信時刻を通報着信時刻として表示すると共に、損害保険会社 A 1341の記録装置1346にその通報着信時刻を入力し記録する。さらに、その事故発生通報信号に含まれて送られてきた緊急通報センタ1301のセンタ名を、通報者名として表示すると共に、記録装置1346にその通報者名を入力し記録する。同様に、その通報者に係わる通報電話ダイアル番号についても表示すると共に記録装置1346に入力し記録する。
【0141】
「保険内容」ウインドウ3992では、緊急通報センタ1301から送信され、通信ネットワーク1300を介して受信した対象車両1433に係わる「緊急通報サービス契約番号」あるいはそれに対応した独自の「ナンバープレート番号」や「対象自動車保険証券番号」等を、記録装置1346に入力し記録して、それら記録された情報を基に記録装置1346における損害保険契約内容データベースに保持されている関連情報の中から、対象車両保険証券番号や被保険者氏名や被保険者連絡先や登録運転者氏名リストを抽出してそれら抽出された各情報を表示する。
【0142】
「事故状況詳細」ウインドウ3993では、緊急通報センタ1301から送信された記録映像信号を、通信ネットワーク1300を介して送受信装置1342で受信し、信号バス1344を介して記録装置1346へ入力し記録することで、その記録映像信号による映像内容が、上述の図29や図34における受信映像表示と同様に表示される。このように、異常発生時前後の対象車両1433の一部が撮像された映像を含む映像を、遠隔の損害保険会社で即座に確認することができるので、その確認内容に応じて、より適切な保険業務内容を迅速に選択し、より効果的な業務に集中して行うことができるようになる。
【0143】
さらに、事故状況に関連する情報として、緊急通報センタ1301から送信され、通信ネットワーク1300を介して、運転者名、事故発生時刻、事故発生地点番地、事故地点地図が、送受信装置1342で受信され、それぞれ記録装置1346に入力され記録されることで、それらが表示される。
【0144】
なお、上述の受信された運転者名は、予め記録装置1346に記録されている登録運転者名リストにリストアップされているか否かが検出される。そして、その検出結果によって、損害保険会社 A 1341における損害保険業務が一部変更されて、より効率的な業務を行うことができるようにしてもよい。
【0145】
さらに、「事故状況詳細」ウインドウ3993には、記録映像信号を映像解析してその映像信号に撮像された被写体像をそれぞれ検出し、その検出された被写体像ごとの撮像対象物の相対関係を検出する機能を起動させるための映像解析実行ボタン3901と、その映像解析の結果を表示するための表示領域とを表示する。なお、記録装置1346に記録された映像信号を基に、その記録装置1646に保持された映像解析プログラム・ソフトウェアに従って制御装置1345がデータ処理を行い、その処理結果が記録装置1346に格納されることで、この映像解析処理が実行されるものである。ここで、映像解析実行ボタン3901を操作することで、図36の「映像解析実行」ウインドウ4091が表示されて、それを用いて解析動作が実行される。
【0146】
ここで、この映像解析動作の具体例を、図43〜図45を用いて説明する。図43,44は本発明に係わる損害保険会社の映像解析動作フローの一例を示す図である。ステップ5001で緊急通報センタ1301から映像情報とそのほかの情報、例えば、対象車両1433の位置情報、時刻情報、移動方向情報、移動速度情報、ハンドル角度情報(ステアリング角度情報)を受信する。そして、受信した情報を記録装置1346へ記録する。なお、ステップ5001の映像情報受信は、図23のステップ2302で行われる記録映像データ受信と同じものである。そして、ステップ5002で、記録された映像情報のうちの1フレーム分の映像情報を読み出して制御装置1345での情報処理に用いられるようにする。
【0147】
そして、ステップ5003で、読み出されたフレーム映像に係わる撮像時点における、対象車両1433の位置情報、時刻情報、移動方向情報、移動速度情報、ハンドル角度情報を同様に読み出す。そして、ステップ5004で、読み出されたフレーム映像に対して輪郭検出処理を行う。その検出結果として得られた輪郭に応じて、その輪郭に囲まれるべき映像領域を判定する。そして、ステップ5005で、判定された映像領域をそのフレーム映像情報に関連づけて記録する。以上のステップ5002からステップ5005までの動作を、すべてのフレーム映像情報、または所定のフレーム映像情報について実施したかがステップ5006で判断されるまで、その動作が各フレーム映像に対して行われる。
【0148】
次に、ステップ5007で、前記判定され記録された映像領域と、その映像領域が関係するフレーム映像以外のフレーム映像に関連づけて記録された領域との相関をとる。そして、ステップ5008で、もし、その相関の強さが所定の強さ以上であったと判定された場合は、ステップ5009へ移り、そうでない場合はステップ5010へ移る。ステップ5009では、相関をとった映像領域同士を、同一物体の表示領域であることを示す領域セットにそれぞれ登録する。このとき、両方の映像領域がまだ領域セットに登録されていない場合は、新たに領域セットを作成してそれに登録する。また、一方の映像領域がすでに領域セットに登録されている場合は、その領域セットに他方の映像領域を登録する。そして、ステップ5010で、記録されたすべての映像領域について相関をとったか否かを判断し、まだ相関をとっていない映像領域がある場合はステップ5007へ移りその領域についてステップ5008とステップ5009の動作を行う。
【0149】
ステップ5010で記録されたすべての映像領域について相関をとったと判断された場合は、ステップ5011へ移る。そして、ステップ5011で、領域セットに登録された映像領域のうち、最大面積の領域に係わるフレーム映像の撮像時点が、その領域セットに関わる物体が最も対象車両1433に接近する時点であると判定する。そして、ステップ5012で、その判定された時点の時刻が、対象車両1433の衝突検出時刻と同じかあるいはほぼ同じであるかが判断され、もしそうであれば、ステップ5013へ移り、もしそうでなければステップ5014へ移る。ステップ5013では、その領域セットに関わる物体が対象車両1433と衝突したものと衝突判定する。そして、ステップ5014で、すべての領域セットについてステップ5011の時刻比較を行ったか否かが判定され、もしそうであればステップ5015へ移り、もしそうでなければステップ5011へ戻る。そして、ステップ5015で、その衝突判定結果に応じて、あるいは、領域セットに関わる物体相互、あるいは、領域セットに関わる物体と対象車両1433が撮像された領域との相互関係に応じて、事故解析を行う。例えば、所定良識セットに関わる物体を相手車両1381と認識する。認識された相手車両1381の交差点進入から対象車両1433に衝突するまでの時間を計測する。認識された相手車両1381とその交差点進入時の従うべき信号機の指示が交差点進入を許していたのか否かを判定する。
【0150】
図45は対象車両1433からの複数フレーム画像からなる映像情報の内容を、そのフレーム画像の表示画面列で表したものである。この図では、映像情報のフレーム画像のうち一部を表示したものであり、表示画面5100が最も最初に撮影され記録されたフレーム映像の表示画面、表示画面5101がその約6秒後に撮影され記録されたフレーム映像の表示画面、表示画面5102が衝突検出された時点に撮影され記録されたフレーム映像の表示画面で、表示画面5105がその衝突検出された時点の10秒後に最後に撮影され記録されたフレーム映像の表示画面である。なお、この例では、表示画面5102から、表示画面5103、その1フレーム期間後に撮像されたフレーム映像の表示画面5104、さらにその1フレーム期間後に撮像されたフレーム映像の表示画面5105までの撮像された情景は変化が無くほぼ同じ情景であって、特に、対象車両1433と相手車両1381との位置関係が変化していない情景であるとする。
【0151】
この図において、表示画面5100では相手車両1381に関する映像領域が領域a1のように撮像されている。同様に、表示画面5101では領域a2、表示画面5102では領域a3、表示画面5105では領域a4のように撮像されており、上述した解析動作によっては、これら領域a1、a2、a3、a4は同一の領域セットである相手車両1381に関する領域セットに登録される。また、対象車両1433の前部についても、領域b1、b2、b3、b4が対象車両前部に関わる領域セットに登録される。
【0152】
そして、相手車両1381に関する領域セットに登録される領域の中で、領域b3が他の領域と比較されて、最大の面積を有する領域であって、さらに、同じ最大面積の領域が複数有る場合の最初の最大面積の領域であることから、この領域b3に係わるフレーム映像の撮像時点が対象車両1433に相手車両1381が最も接近した最初の時点であると判定される。さらに、そのフレーム映像が撮像された時点が、映像情報の撮像開始10秒後で、かつ、撮像停止10秒前であることから衝撃検出された時点と同じであると判定される。従って、それら判定から、対象車両1433と相手車両1381とが衝突したと判定される。
【0153】
以上のように映像情報を受信し、映像解析できることで、その映像情報や解析結果に基いて、事故発生のごく初期からその事故状況を把握でき、その把握した状況に応じた各種確認作業等の保険業務をより効率的に行うことができる。
【0154】
「出動要請」ウインドウ3994では、警備会社およびロードサービス会社について、それぞれ出動要請ボタン3902や3903を操作することで、図37の出動要請サブウインドウ4191が表示されて、それを用いてそれぞれ出動要請することができる。
【0155】
「出動報告」ウインドウ3995では、出動要請した警備会社やロードサービス会社から送信され通信ネットワーク1300を介して送受信装置1342で受信した各出動結果報告を記録装置1346に記録すると共に表示する。
【0156】
「警察・消防」ウインドウ3996では、警察または消防機構1311と損害保険会社 A 1341との間で、通信ネットワーク1300を介して送受信された通信内容を記録装置1346に記録すると共に表示する。
【0157】
「補償交渉」ウインドウ3997では、損害保険会社 B 1371と損害保険会社 A 1341との間で、通信ネットワーク1300を介して送受信された通信内容、特に、補償交渉の内容を記録装置1346に記録すると共に表示する。
【0158】
図36は、本発明に係わる損害保険会社 A 1341における入出力装置に用いられる表示装置1347の入出力画面例を示す図で、特に、映像解析を実行するための「映像解析実行」ウインドウ4091の一例を示したものである。この図において、上述の図35における「事故状況詳細」ウインドウ3993と同様な内容である、受信画像、事故発生時刻、事故発生地点番地、事故地点地図を表示している。さらに、この図において、解析動作を実行するための、自動解析ボタン4001およびカスタム解析ボタン4002が表示されており、これらボタンのいずれかを操作することによって、映像解析が行われる。
【0159】
また、「出動要請」ウインドウ3994では、警備会社およびロードサービス会社について、それぞれ出動要請ボタン3902や3903を操作することで、図37の出動要請ウインドウ4191が表示されて、それを用いてそれぞれ出動要請することができる。
【0160】
図37は、本発明に係わる損害保険会社 A 1341における入出力動作に用いられる表示装置1347の入出力画面例を示す図である。
この図に示す「出動要請サブ」ウインドウ4191は、上述のように「出動要請」ウインドウ3994の出動要請ボタン3902や3903を操作することで表示される。このウインドウ4191により、出動要請動作を行う。すなわち、データ通信ボタン4101を操作することで、損害保険会社 A 1341と警備会社またはロードサービス会社の間で通信ネットワーク1300を介して通信回線を確立する。確立した通信回線を通して通信を開始し、所定の情報を送受信する。なお、情報送受信中およびその前後で、相互に音声通話動作が可能としてもよい。ここで、映像4104は、音声通話の相手側の音声通話者を撮像した画像を表示しているもので、これにより相手の通話者の顔かたちを確認しながら通話することができる。情報送受信や音声通話動作が終了した場合は、OKボタン4103を操作してこのウインドウ4191を閉じる。また、処理を途中で終了させる場合は、キャンセルボタン4102を操作して、処理動作を中断させ、ウインドウ4191を閉じることもできる。
【0161】
図38は、本発明に係わる携帯電話会社1351における表示装置1357の入出力画面例を示す図である。この図において、通報者である緊急通報センタ1301から送信され、通信ネットワーク1300を介して所定の異常発生通報信号が制御装置1355で受信された場合に、この図に示す「信用情報停止」ウインドウ4291が表示される。このウインドウ4291により、信用情報停止動作を確認することができる。すなわち、異常発生通報信号の受信時刻を通報着信時刻として表示する。また、受信した異常発生通報信号に含まれて送信されてきた緊急通報センタ1301のセンタ名を通報会社名として表示する。同様に、通報電話ダイアル番号についても表示すると共に、その異常発生元の対象携帯電話機1421の電話ダイアル番号も同様に受信し表示する。さらに、異常検出時刻も同様に受信し表示する。さらに、異常検出内容も同様に受信し表示する。制御装置1355は、上述の異常発生通報信号を受信すると、携帯電話会社1351の制御装置1355と対象携帯電話機1421の間で通信ネットワーク1300を介して通信回線を確立する。確立した通信回線を通して通信を開始し、制御装置1355から対象携帯電話機1421へ機能制限制御信号が送信される。そして、その機能制限制御信号を対象携帯電話機1421が受信することにより、その対象携帯電話機1421の送信機能のうち、信用情報の送信機能が動作しないように対象携帯電話機1421の機能が制限される。あるいは、通信ネットワーク1300における携帯電話機1421に係わるデータ伝送機能のうち、対象携帯電話機1421からの信用情報の出力を行わせるための機能が動作しないように通信ネットワーク1300の機能が制限される。そして、ウインドウ4291にその機能停止を開始した時刻である信用情報送出停止の開始時刻を表示する。
【0162】
以上説明したように、信用情報送出機能が停止された後、その機能停止を解除するために、このウインドウ4291に解除確認ボタン4201を設けてある。そして、その機能停止を解除する場合は、解除確認ボタン4201を操作することで、図39に示す「信用情報送信停止 解除確認」ウインドウ4391が表示される。
【0163】
なお、上述の例では、緊急通報センタ1301が携帯電話会社1351へ異常発生通報信号を送信するとしたが、異常状態となった対象の携帯電話機1421自体から異常発生通報信号を携帯電話会社1351へ送信するとしてもよい。
【0164】
図39は、本発明に係わる携帯電話会社1351における表示装置1357の他の入出力画面例を示す図である。
この図に示す「信用情報送信停止 解除確認」ウインドウ4391は、上述のように「信用情報送信停止」ウインドウ4291の解除確認ボタン4201を操作することで表示される。このウインドウ4391により、信用情報送出機能停止の解除動作を行う。すなわち、確認完了・停止ボタン4301を操作することで、携帯電話会社1351の制御装置1355と対象携帯電話機1421の間で通信ネットワーク1300を介して通信回線を確立する。確立した通信回線を通して通信を開始し、制御装置1355から対象携帯電話機1421へ機能制限解除信号が送信される。そして、その機能制限解除信号を対象携帯電話機1421が受信することにより、対象携帯電話機1421の信用情報の送信機能が回復し動作するよう、機能制限がなくされる。あるいは、通信ネットワーク1300における携帯電話機1421に係わるデータ伝送機能のうち対象携帯電話機1421からの信用情報の出力を行わせるための機能が回復し動作動作するよう、通信ネットワーク1300の機能制限がなくされる。なお、通信回線が確立して通信が開始された後、所定期間は対象携帯電話機1421の通信機能がモニタリングされ、さらに、音声通話が対象携帯電話機1421側と携帯電話会社1351側とで行われるようにされる。ここで、音声通話経過時間を計測表示する。所定時間経過の後まで、対象携帯電話機1421側の音声通話者が発生しないとした場合は、停止解除動作を断念して、「停止継続」ボタン4302を操作することで、停止解除動作を行う前の状態に戻して機能が制限されるままとする。一方、停止機能解除動作や音声通話動作が終了した場合は、OKボタン4303を操作してこのウインドウ4391を閉じる。
【0165】
ここで、映像4304は、音声通話の相手側の音声通話者を撮像した画像を受信して表示しているもので、これにより相手の通話者の顔かたちを確認しながら通話することができる。なお、この画像が表示されるのは、対象携帯電話機1421側にその音声通話者を撮像する撮像カメラをそなえている場合である。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本発明の緊急情報通報装置の第1の実施例のブロック構成を示す図。
【図2】図1に示す緊急情報通報装置を搭載した移動物体の外観を説明する図。
【図3】本発明に係わる映像信号による画像表示の一例を示す図。
【図4】本発明の第2の実施例のブロック構成を示す図。
【図5】本発明の第3の実施例のブロック構成を示す図。
【図6】本発明の通報システムの一例における交通信号装置とその交通信号装置に接続された撮像装置のブロック構成例を示す図。
【図7】従来の緊急情報通報装置のブロック構成例を示す図。
【図8】図7に示した緊急通報装置を搭載した移動物体の外観を説明する図。
【図9】従来の緊急情報通報システムの構成例を示す図。
【図10】本発明の緊急情報通報システムの構成例を示す図。
【図11】本発明を適用した救急システムの関係者および関係組織の連携を図式化して説明するための概略説明図である。
【図12】図11に示す救急システムの情報伝達の一例を説明するための図である。
【図13】本発明のさらに他の実施例を示し、通信ネットワークを用いたシステムの一構成例を示す図である。
【図14】本発明を移動物体に搭載した一実施例のブロック構成を示す図である。
【図15】図14に示す本発明の動作フロー図の一例を示す図である。
【図16】本発明に係わる緊急通報センタの動作フロー図の一例の前半部分を示す図である。
【図17】図16に係わる緊急通報センタの動作フロー図の一例の後半部分を示す図である。
【図18】図17に示すステップ1615における動作の流れを、より詳細に説明する動作フロー図の一例の前半部分を示す図である。
【図19】図18に係わる動作フロー図の一例の後半部分を示す図である。
【図20】本発明を用いた通報システムを警察組織あるいは消防組織に適用した場合の動作フロー図の一例を示す図である。
【図21】本発明を用いた通報システムを警備会社に適用した場合の動作フロー図の一例を示す図である。
【図22】本発明を用いた通報システムをロードサービス会社に適用した場合の動作フロー図の一例を示す図である。
【図23】本発明を用いた通報システムを損害保険会社に適用した場合の動作フロー図の一例であり、そのの先頭部分を示すフロー図である。
【図24】図23に係わる動作フロー図の中間部分を示すフロー図である。
【図25】図23および図24に係わる動作フロー図の後ろの部分を示すフロー図である。
【図26】本発明を適用した救急システムの情報伝達の他の一例を説明するための図である。
【図27】本発明に係わる緊急通報センタの記録装置のデータファイルの構成図を示す。
【図28】本発明に係わる損害保険会社の記録装置のデータファイルの構成図を示す。
【図29】本発明に係わる緊急通報センタにおける入出力装置に用いられる表示装置の入出力画面例を示す図である。
【図30】本発明に係わる緊急通報センタにおける入出力装置に用いられる表示装置の他の入出力画面例を示す図である。
【図31】本発明に係わる緊急通報センタにおける入出力装置に用いられる表示装置の他の入出力画面例を示す図である。
【図32】本発明に係わる緊急通報センタにおける入出力装置に用いられる表示装置の他の入出力画面例を示す図である。
【図33】本発明に係わる緊急通報センタにおける入出力装置に用いられる表示装置の他の入出力画面例を示す図である。
【図34】本発明に係わる警察組織または消防組織における入出力装置に用いられる表示装置入出力画面例を示す図である。
【図35】本発明に係わる損害保険会社における入出力装置に用いられる表示装置の入出力画面例を示す図である。
【図36】本発明に係わる損害保険会社における入出力装置に用いられる表示装置の他の入出力画面例を示す図である。
【図37】本発明に係わる損害保険会社における入出力装置に用いられる表示装置の他の入出力画面例を示す図である。
【図38】本発明に係わる携帯電話会社における表示装置の入出力画面例を示す図である。
【図39】本発明に係わる携帯電話会社における表示装置の他の入出力画面例を示す図である。
【図40】本発明に関わる交通信号装置の動作フローチャートの一例を示す図である。
【図41】本発明に関わる交通信号装置から送信される信号機情報の一例を説明するテーブルを示す図である。
【図42】本発明に関わる自動車が信号機情報信号を受信してそれを処理する動作フローチヤートの一例を示す図である。
【図43】本発明に関わる映像解析動作のフローチャートの一例であり、その前半部分を示すフロー図である。
【図44】図43に係わる動作フロー図の後半部分を示すフロー図である。
【図45】本発明により対象自動車から撮影し記録されたフレーム画像を時系列に表示したフレーム画像列の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0167】
1f,1r:衝撃センサ、2:エアバッグ装置、3:GPS受信装置、4:緊急通報制御装置、5:携帯電話機、6:緊急通報スイッチ、7a:TVカメラ、9n,9e,9s,9w:信号機、9b:信号機制御装置、9c:送信機、9d:送信アンテナ、9f:アンテナ、9g:GPS受信装置、10a:受信アンテナ、11:交通信号灯パターン発生器、12:映像混合器、11n,11w,11s,11e:点灯パターン表示、13:文字映像パターン発生器、13a:時刻表示、17:運転用機器、19:運転情報パターン発生器、30,30’:センタ局(緊急情報センタ)、31,34:アンテナ、32:通信ネットワーク、33:中継局、35:受信装置、36:記録装置、37:モニタ、1300:通信ネットワーク、1301:緊急通報センタ、1311:警察あるいは消防組織、1321:警備会社、1331:ロードサービス会社A、1341:損害保険会社A、1351:携帯電話会社、1361:地図会社、1371:損害保険会社B、1302,1312,1322,1332,1342:送受信装置、1303,1313,1323,1333,1343:通話装置、1304,1314,1344:信号バス、1305,1315,1345,1355:制御装置、1306,1316,1346:記録装置、1307,1317,1347,1357:表示装置、1381:相手側車両、1382:相手側運転者、1400:加速度センサ、1401,1401f,1401r:衝撃センサ、1402:エアバッグ装置、1403:タイヤ、1404:車速センサ、1405:ブレーキペダル操作状態センサ、1406:ブレーキペダル、1407:熱・温度センサ、1408:ハンドル操作確度センサ、1409:ハンドル、1410:対象運転者、1411:ドライブ・レコーダ、1412:車載装置、1413:CPU(中央演算処理装置)、1414:信号バス、1415:手動通報ボタン、1416:インジケータ、1417:映像音声データ記録装置、1418:記録装置、1419:無線機、1420:GPS受信装置、1421:携帯電話機、1422:表示装置、1423:送受信装置、1424:アンテナ、1425:キーボタン、1426:CPU、1427:記憶装置、1428:アダプタ、1429,1430:TVカメラ、1431:通信アンテナ、1432:GPSアンテナ、1433:対象車両、3301:逆再生ボタン、3302:順再生ボタン、3303:一次停止ボタン、3304:前方映像ボタン、3305:後方映像ボタン、3306:地図情報入手ボタン、3307:情報送信ボタン、3308:録音再生ボタン、3309:情報送信ボタン、3310:情報送信ボタン、3311:警備会社候補検索ボタン、3312:ロードサービス会社候補検索ボタン、3401:地図情報会社接続ボタン、3402,3504,3604,3704,4003,4103,4303:OKボタン、3501:映像含データ通信ボタン、3502:映像無しデータ送信ボタン、3503,4102:キャンセルボタン、3601,3602,3603,3701,3702,3703:連絡先ボタン、3901:映像解析ボタン、3902,3903:出動要請ボタン、4001:自動解析ボタン、4002:カスタム解析ボタン、4101:データ通信ボタン、4201:解除確認ボタン、4301:確認完了・停止解除ボタン、4302:停止継続ボタン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、撮像手段により得られた画像データを送信する画像データ送信手段とを備えた画像情報通報システムであって、
信号機点灯色情報を受信する受信手段と、
前記信号機点灯色情報に基づいて信号機点灯パターン表示を前記画像データの関連する信号機自体が撮像されているであろう位置付近に重畳する重畳手段と、
を備えた特徴とする画像情報通報システム。
【請求項2】
撮像装置により得られた画像データを送信する画像データ送信手段を備えた画像情報通報システムであって、
信号機点灯色情報を受信する受信手段と、
前記信号機点灯色情報に基づいて信号機点灯パターン表示を前記画像データの関連する信号機自体が撮像されているであろう位置付近に重畳する重畳手段と、
を備えた特徴とする画像情報通報システム。
【請求項1】
撮像手段と、撮像手段により得られた画像データを送信する画像データ送信手段とを備えた画像情報通報システムであって、
信号機点灯色情報を受信する受信手段と、
前記信号機点灯色情報に基づいて信号機点灯パターン表示を前記画像データの関連する信号機自体が撮像されているであろう位置付近に重畳する重畳手段と、
を備えた特徴とする画像情報通報システム。
【請求項2】
撮像装置により得られた画像データを送信する画像データ送信手段を備えた画像情報通報システムであって、
信号機点灯色情報を受信する受信手段と、
前記信号機点灯色情報に基づいて信号機点灯パターン表示を前記画像データの関連する信号機自体が撮像されているであろう位置付近に重畳する重畳手段と、
を備えた特徴とする画像情報通報システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
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【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
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【図22】
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【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【公開番号】特開2006−120137(P2006−120137A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−284321(P2005−284321)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【分割の表示】特願2002−42405(P2002−42405)の分割
【原出願日】平成14年2月19日(2002.2.19)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【分割の表示】特願2002−42405(P2002−42405)の分割
【原出願日】平成14年2月19日(2002.2.19)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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