説明

画像表示システムとその製造方法

【課題】 画像表示システムとその製造方法を提供する。
【解決手段】 薄膜トランジスタアレイ基板を含む画像表示システムであって、薄膜トランジスタアレイを有する基板、及び前記基板上に形成されたアモルファスシリコン層を含む、少なくとも1つの前記基板に平行の方向に流れる電流を有する受光素子を含む画像表示システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT−LCDs)を含む画像表示システムに関し、特に、アモルファスシリコン層を含む少なくとも1つの受光素子(light−sensing element)を含むTFTアレイ基板とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)装置は、通常、下基板、上基板とその間に設置された液晶層を含む。上基板は、通常カラーフィルター共通電極を含む。下基板は、周知のTFTアレイ基板である。例えば、LCD表示装置の環境光センサ、タッチセンサと、画像センサなどの更なる機能をサポートするために、受光素子が表示装置のTFTアレイ基板に提供される。
【0003】
図1は、受光素子を組み込んだ従来のLCD装置に用いられるTFTアレイ基板10を示している。TFTアレイ基板10は、その上に形成された任意選択の緩衝層14を有する透明基板12を含む。駆動領域40と画素領域50は、TFTアレイ基板10上に定義される。n型TFT60、p型TFT70と、感光素子(light−sensing device)80は、TFTアレイ基板10の駆動領域40に提供され、n型TFT85と蓄積コンデンサ90は、TFTアレイ基板10の画素領域50に提供される。
【0004】
駆動領域40の感光素子80は、横方向に連結されたpドープ領域16D、非ドーピング領域16A、nドープ領域16Cと、もう1つのnドープ領域16Bで形成され、よってPIN−Nフォトダイオードとして作用する。導電接触体24が提供されて層間絶縁膜20とゲート絶縁膜18を通過して形成され、pドープ領域16Dとnドープ領域16Bにそれぞれ物理的に接触する。感光素子80の層間絶縁膜20上の透明導電層30は、ゲート電極として作用し、PNN−Nによって電流を変調する。この透明導電層はまた、環境光をPNN−Nセンサ素子に届けさせる。感光素子80は、例えば表示装置の環境光センサ、タッチセンサと、画像センサなどの機能を提供する。
【0005】
図1は、駆動領域40に配置された感光素子80を示しており、それは、その特定機能によって駆動領域40または画素領域50のどちらかに位置することができる。例えば、省電力などの機能には、受光素子は駆動領域に設置され、例えば画像センサまたは光学式タッチセンサなどの機能には、受光素子アレイは画素領域に設置される。感光素子80とTFT60、70と、85は、受光素子を組み込んだ従来の表示装置に用いられたTFTアレイ基板10に同時に製作されることができるが、いくつかの技術的な欠点を有する。例えば、感光素子80がタッチセンサ、または画像センサなどの機能の画素領域に設置された時、画素のいくつかの領域を占有し、画素透過領域または開口率を減少する。また、低温ポリシリコン(LTPS)層がn型TFT60と85と、p型TFT70のチャネル層を形成するために用いられた時、PNN−N感光素子80もポリシリコン層で形成されることができる。ポリシリコン層の感光性は非常に悪く、環境光に対する感受性はディスプレイのバックライトの存在のために、更に減少される。アモルファスシリコン膜の感光性は、ポリシリコン膜より桁違いに高いため、アモルファスシリコンの感光層の使用が好まれる。しかし、下記で説明されるように、使用時間とともに低下する感光性は、アモルファスシリコン層にとっては大きな問題である。感光素子80は、フォトダイオード(またはフォトトランジスタ)で形成されることから、透明基板12に平行の方向に流れる電流を有する。電流密度値は電流が小さい断面積を流れるために高く、そこに用いられる活性層の厚さによって決まる。信頼性の問題は、アモルファスシリコンTFTの受光素子には特に深刻である。アモルファスシリコンのシリコン水素結合は、中程度に高い電流密度でも壊れるため、使用時間とともに感光性を著しく低下させる。
【0006】
よって、表示装置の改善された受光構造(light sensing structure)を組み込んだTFTアレイ基板が必要である。この受光構造は、高い感光性と高い信頼性を有する必要があり、TFTアレイの製造プロセスに対して多くの追加のプロセスのステップを必要とせずに形成されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
画像表示システムとその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
画像表示システムの1つの実施例は、薄膜トランジスタアレイを有する基板と、前記基板上に形成されたアモルファスシリコン層を含む少なくとも1つの前記基板に平行の方向に流れる電流を有する受光素子を含む薄膜トランジスタアレイ基板を含む。
【0009】
画像表示システムを形成する方法の1つの実施例は、薄膜トランジスタアレイを有する基板を提供するステップを含む。下電極は前記基板上に形成される。アモルファス層を含む受光素子は、前記下基板上に形成される。上電極は前記受光素子上に形成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】表示装置の従来のTFTアレイ基板を示している。
【図2】本発明の実施例に基づいたTFTアレイ基板の製造の中間段階の断面図である。
【図3】本発明の実施例に基づいたTFTアレイ基板の製造の中間段階の断面図である。
【図4】本発明の実施例に基づいたTFTアレイ基板の製造の中間段階の断面図である。
【図5】本発明の実施例に基づいたTFTアレイ基板の製造の中間段階の断面図である。
【図6】本発明のもう1つの実施例に基づいたTFTアレイ基板を示している。
【図7】本発明のもう1つの実施例に基づいたTFTアレイ基板を示している。
【図8】本発明のもう1つの実施例に基づいたTFTアレイ基板を示している。
【図9】本発明のもう1つの実施例に基づいたTFTアレイ基板を示している。
【図10】本発明のもう1つの実施例に基づいたTFTアレイ基板を示している。
【図11】本発明のもう1つの実施例に基づいたTFTアレイ基板を示している。
【図12】本発明のもう1つの実施例に基づいたTFTアレイ基板を示している。
【図13】本発明のもう1つの実施例に基づいたTFTアレイ基板を示している。
【図14】本発明の実施例に基づいたTFTアレイ基板を含む画像表示システムを概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明についての目的、特徴、長所が一層明確に理解されるよう、以下に実施形態を例示し、図面を参照にしながら、詳細に説明する。
【実施例】
【0012】
本明細書では、例えば“上を覆う基板”、“層の上方”、または“膜上”などの表現は、中間層の存在に関係なく、ベース層の表面に対して単に相対的な位置関係を意味している。よって、これらの表現は、層の直接接触だけでなく、1つまたは1つ以上の積層の非接触状態を示す可能性もある。
【0013】
画像表示システムを形成する新しい方法が提供される。少なくとも1つの受光素子が提供されたTFTアレイ基板を有する画像表示システムと、本発明の模範的なTFTアレイ基板の中間段階の製造が図2〜図5で説明される。TFTアレイ基板のさまざまな実施例が図6〜図11で述べられる。簡素化のために、その上に製造されるいくつかのTFTのみが説明される。
【0014】
図2を参照下さい。透明基板102上に任意選択的に形成された緩衝層104を有する駆動領域140と画素領域150を含む、実質的に形成されたTFTアレイ基板100が提供される。一般的に緩衝層104は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、またはその組み合わせを含むことができ、酸化ケイ素層と窒化ケイ素層の積層であることができる。透明基板102は、例えば、ガラス、プラスチック、またはセラミック基板などの透明絶縁材料、または例えば金属または金属合金などの非透明な基板を含むことができる。プラスチック基板は、例えば、ポリエチレン・テレフタレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸塩、またはポリスチレンの少なくとも1つの単層、または多層膜を含むことができる。
【0015】
図2に示されるように、TFTアレイ基板100は、TFTアレイ基板100の駆動領域140に例えばn型TFT160とp型TFT170などの複数の電子素子と、TFTアレイ基板100の画素領域150にn型TFT180と蓄積コンデンサ190が提供される。上述の電子素子は、層間絶縁膜112によって適合して覆われ、層間絶縁膜112に適当な材料は、絶縁酸化膜、窒化膜、またはその組み合わせを含むことができる。模範的な材料は、窒化ケイ素と酸化ケイ素を含むことができる。
【0016】
図2では、駆動領域140のn型TFT160と画素領域150に形成されたn型TFT180の両方は、n型ドープ半導体層を含む一対のソース/ドレイン領域106Bを含む活性層、ソース/ドレイン領域106Bの間に形成された真性半導体層のチャネル領域106A、チャネル領域106Aとソース/ドレイン領域106Bの間に形成されたn型ドープ半導体層を含む軽ドープソース/ドレイン領域106C(LDD領域)、例えばソース/ドレイン領域106Bとチャネル領域106AとLDD領域106C上を覆う酸化ケイ素層のゲート絶縁層108と、ゲート絶縁層108の一部を覆うゲート電極110Aで形成される。
【0017】
また、駆動領域140のp型TFT170は、p型ドープ半導体層を含むソース/ドレイン領域106Dを含む活性層、ソース/ドレイン領域106Dの間に形成された真性半導体層のチャネル領域106A、例えばソース/ドレイン領域106Dとチャネル領域106A上を覆う酸化ケイ素層のゲート絶縁層108と、ゲート絶縁層108の一部を覆うゲート電極110Bで形成される。
【0018】
また、画素領域150に提供された蓄積コンデンサ190は、n型ドープ半導体層を含む第1電極で形成され、n型TFT180のソース/ドレイン領域106Bの一部としても形成される。第1電極は、ゲート絶縁層108によって覆われる。第2電極110Cは、第1電極の一部の上に形成され、その間にあるゲート絶縁層108の一部は、蓄積コンデンサの蓄積領域として機能することができる。
【0019】
例えばn型TFT160と180、p型TFT170と、基板102上の蓄積コンデンサ190の電子素子の製造は、よく知られており、従来のTFTと蓄積コンデンサの製造技術によって形成されることができる。よって、簡素化のため、ここではより詳細に説明されない。活性層は、ポリシリコン、アモルファスシリコン、結晶シリコン、酸化亜鉛、または金属酸化膜半導体を含むことができる。
【0020】
次に、図3では、開口を有するフォトレジスト層(図示せず)が形成され、層間絶縁膜112上に定義される。層間絶縁膜112は、フォトレジスト層をマスクとして用いてエッチングされる。複数のコンタクトホールOP1は、このように駆動領域140と画素領域150のソース/ドレイン領域106Bと106Dの1つを露出するように形成され、複数のコンタクトホールOP2は、このように層間絶縁膜112をエッチングすることで駆動領域140のゲート電極110Aと110Bの1つを露出するように形成される。層間絶縁膜112のエッチングプロセスは、ウェットエッチングまたはドライエッチングプロセスを含むことができる。フォトレジスト層は、コンタクトホールOP1とOP2の形成後、除去される。
【0021】
次に、例えば金属層などの導電層(図示せず)が層間絶縁膜112の上に形成され、コンタクトホールOP1とOP2を充填する。導電層(図示せず)は、続いて、従来のフォトリソグラフィーとエッチングプロセス(図示せず)によってパターン化される。よって、コンタクトホールOP1/OP2に形成されたプラグ部分とコンタクトホールOP1/OP2に隣接した層間絶縁膜112の部分の上に形成された線部分を含む導電部材114/116を含む。導電部材118も画素領域150の蓄積コンデンサ190の上を覆う層間絶縁膜112の一部の上に形成される。
【0022】
図4では、受光素子130が画素領域150の導電部材118の一部の上に形成される。受光素子130は、導電部材118の上に逐次堆積された第1層122、第2層124と、第3層126を含む3層の複合構造のように示されている。第1層122、第2層124と、第3層126は、NIPまたはPIN構造で形成されることができ、このNは、n型シリコン層、Iは、非ドープのシリコン層と、Pは、p型シリコン層である。第1層122、第2層124と、第3層126の形成は、まず3つのシリコン層の逐次堆積を行い、選択的にエッチングして受光素子130を形成する。第1層122と第3層126のドーピングは、その堆積中に現場(in−situ)達成、またはその堆積後に行なわれる適当なドーパントを組み込んだ追加のイオン注入プロセスによって達成されることができる。受光素子130の形成後、例えば窒化ケイ素またはポリイミドなどの材料の平坦化層または保護層128がTFTアレイ基板100の上に形成され、n型TFT160と180、p型TFT170、蓄積コンデンサ190と、受光素子130を覆って実質的に平坦な表面を有するTFTアレイ基板100を提供する。
【0023】
図5では、開口132と134が続いて画素領域の平坦化層128の部分に形成され、受光素子130の上面とn型TFT180の導電部材114をそれぞれ露出する。透明導電層(図示せず)が堆積され、パターン化されて画素電極136と上電極136Aを形成する。画素電極136と上電極136Aは、開口132と134の各それぞれに適合して充填される。よって、それによって露出されたn型TFT180の導電部材114と、受光素子130の上面の部分にそれぞれ物理的に接触する。透明導電層は、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、または酸化亜鉛(ZnO)の単独、または組み合わせのいずれかであることができる。さまざまな実施例に基づいて、透明電極はスパッタリング、電子ビーム蒸着、熱蒸発、または化学気相蒸着プロセスなどのプロセスによって形成されることができる。
【0024】
図5に示されるように、受光素子130の上の上電極136Aと導電部材118は、感光素子195を形成し、表示素子の例えば環境光センサ、タッチセンサ、画像センサ、発電及び/またはメモリ内蔵技術(memory−in−pixel)などの機能を提供する。
【0025】
図5に示された模範的なTFTアレイ基板100は、いくつかの有利な特徴を有する。感光素子195が蓄積コンデンサ190の上の領域に提供されることから、画素領域150の開口率は、減少されない。また、感光素子195が積層構造で形成されることから、その電流流路がTFTアレイ基板100の表面に垂直するため、電流密度が減少された、より信頼性のある感光素子195を提供する。また、感光素子195の受光素子130がアモルファス材料のサブ層(sub−layers)で形成されることから、ポリシリコン材料の感光層を用いた時に比べ、受光素子の感受性は増加されることができ、低温ポリシリコン(LTPS)プロセスを用いてTFT160、170と、180を形成する時、影響を受けない。また、受光素子130は、一般的に不透明な電極層118と110Cによってディスプレイのバックライトから遮蔽されるため、感光層からの受光信号は、主に環境光の強度を測定する。これは、タッチセンサと環境光センサなどの機能の受光精度を改善する。太陽電池のようなアプリケーションには、透明な材料の電極118と110Cを製作するか、バックライトからの光子が受光素子130に届くのに十分な薄さにしてバックライトからの発電を足すことが有用である。他の実施例では、受光素子は、蓄積コンデンサ領域の上方でない場所(図示せず)の画素領域に形成されることができる。この場合、開口率は影響を受けるが上述のその他の利点はそのままである。
【0026】
図6は、もう1つの模範的なTFTアレイ基板100の新しい断面を示している。この実施例では、感光素子195は、導電部材118の上に逐次堆積された第1層122’と第2層124’の堆積構造を含む2層受光素子130’で形成される。第1層122と第2層124は、堆積NI、IN、PI、またはIP構造で形成されることができ、このNは、n型シリコン層、Iは、非ドープのシリコン層と、Pは、p型シリコン層である。
【0027】
図7は、もう1つの模範的なTFTアレイ基板100の新しい断面を示している。この実施例では、感光素子195は、駆動領域140の場所に形成される。感光素子195は、図5で示された構造に類似の構造で形成され、層間絶縁膜112の上に配置される。
【0028】
図2〜7に示されたTFTは、トップゲート構造のTFTとして表示されるがこれに限定されるものではない。図2〜7に示されたTFTは、ボトムゲート構造のTFTで部分的にまたは完全に置き換えられることができる。図8と図9は、図6と図7にそれぞれ示されたのと類似した、もう1つの模範的なTFTアレイ基板100の新しい断面を示している。これらの実施例では、感光素子195は、図6と図7に示されたのと類似した構造で形成され、ゲート絶縁層108の上に直接配置される。図8に示されるように、画素領域150に形成された感光素子195を有する模範的なTFTアレイ基板が示されている。感光素子195は、図9に示されるように駆動領域140に提供されることもできる。図8と図9に示されたTFT160、170と、180と、感光素子195の構成要素は、図6と図7に示されたのと同じ参照番号を有する。
【0029】
図8と図9に示されたボトムゲート構造のTFT160、170と、180を有するTFTアレイ基板100の製造が下記に示される。
【0030】
薄膜トランジスタ(e.g. TFT160/170/180)のゲート(e.g.ゲート電極110A/110B/110C)が基板102の上に形成される。第1誘電体層(e.g. ゲート絶縁層108)がゲート上に形成される。ソース/ドレイン領域(106B/106D)の活性層(e.g. チャネル領域106Aと106B/106Dからなる層)は、第1誘電体層に形成される。第1導電層(図示せず)は、活性層と第1誘電体層の上に形成され、続いてパターン化されて下電極(e.g.下電極118)とソース/ドレイン電極(e.g. ソース/ドレイン電極114)を形成し、ソース/ドレイン領域に接触する。続いて受光素子(e.g. 受光素子130)が下電極上に形成される。続いて第2誘電体層(e.g. 保護層128)が第1誘電体層と受光素子の上に形成される。第2誘電体層の第1開口(e.g. 開口132)と第2開口(e.g. 開口134)は、ソース/ドレイン電極と受光素子をそれぞれ露出する。第2導電層は、第2誘電体層と第1開口と第2開口の上に形成され、続いてパターン化されて上電極(e.g. 上電極136A)を形成し、画素電極(画素電極136)がソース/ドレイン電極に接触する。
【0031】
他の実施例では、画素領域150及び/または駆動領域140の適当な場所で、TFTアレイ基板100の上に直列または並列接続された複数の感光素子195を形成することが有用である。図10に示されるように、直列接続された2つの感光素子195を表す構造が示されている。これらの2つの感光素子195は、ここでは保護層128に形成された複数の開口132Aを有する画素領域150に形成され、感光素子195の下電極118の部分をそれぞれ露出する。複数の上電極136は、保護層128の上に提供され、先の感光素子195の下電極118に接触される。図10に示されたこれらの2つの感光素子195は、図11の実施例に示されるように、それらの下電極と上電極をそれぞれ接続することで並列接続されることもできる。例えば光センサ、タッチセンサと、環境光センサアプリケーションなどのアプリケーションには、直列接続された上記に示された感光素子195は、個別の受光素子によって提供された光電流が同じままで、直列接続された感光素子195の数の増加にともなって、その暗電流を減少することができるため、その感光性を改善する。例えば、ピクセルアプリケーションの太陽電池またはメモリのようなアプリケーションには、直列接続された上記に示された感光素子195も直列接続された感光素子195の数の増加にともなって、増加された開回路電圧を提供する。直列接続された感光素子は、開回路電圧が同じままで増加された光電流を提供する。
【0032】
図12は、画素領域150に提供された感光素子195を有する図5、図6と、図8に示された模範的なTFTアレイ基板100の概略上面図である。図13は、駆動領域140に提供された感光素子195を有する図7と図9に示された模範的なTFTアレイ基板100の概略上面図である。同様に、1つまたは1つ以上の感光素子195は、図12と図13に示されたTFTアレイ基板100の上にそれぞれ提供されることができる。
【0033】
図14は、画像表示システムの実施例を概略的に表しており、この場合、表示パネル300または電子装置500として実現され、表示パネル300内に組み込まれる。図14に示されるように、表示パネル300は、例えば、図5、図6、図7、図8と、図9に示されたTFTアレイ基板100のTFTアレイ基板を含む。表示パネル300は、さまざまな電子装置(この場合、電子装置500)で適用できる。
【0034】
一般的に、電子装置500は、表示パネル300と入力ユニット400を含むことができる。また、入力ユニット400は、ディスプレイパネル100に動作可能なように接続され、入力信号(e.g. 画像信号)を表示パネル300に提供して画像を発生する。電子装置500は、携帯電話、デジタルカメラ、PDA、ノート型パソコン、デスクトップ型パソコン、TV、カーディスプレイ、ポータブルDVDプレーヤー、全地球測位システム(GPS)、デジタルフォトフレーム、または航空機ディスプレイなどであることができる。
【0035】
以上、本発明の好適な実施例を例示したが、これは本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限りにおいては、当業者であれば行い得る少々の変更や修飾を付加することが可能である。従って、本発明が請求する保護範囲は、特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0036】
10 TFTアレイ基板
12 透明基板
14 緩衝層
16A 非ドーピング領域
16B nドープ領域
16C nドープ領域
16D pドープ領域
18 ゲート絶縁膜
20 層間絶縁膜
24 導電接触体
40 駆動領域
50 画素領域
60 n型TFT
70 p型TFT
80 感光素子
85 n型TFT
90 蓄積コンデンサ
100 TFTアレイ基板
102 透明基板
104 緩衝層
108 ゲート絶縁層
110A ゲート電極
110B ゲート電極
110C ゲート電極
112 層間絶縁膜
114、116導電部材
118 導電部材
122 第1層
122’ 第1層
124’ 第2層
124 第2層
126 第3層
128 保護層
130 受光素子
130’ 2層受光素子
132、134 開口
132A 開口
136 画素電極
136A 上電極
140 駆動領域
150 画素領域
160 n型TFT
106A チャネル領域
106B ソース/ドレイン領域
106C LDD領域
106D ソース/ドレイン領域
170 p型TFT
180 n型TFT
190 蓄積コンデンサ
195 感光素子
OP1、OP2 コンタクトホール
300 表示パネル
400 入力ユニット
500 電子装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜トランジスタアレイ基板を含む画像表示システムであって、
薄膜トランジスタアレイを有する基板、及び
前記基板上に形成されたアモルファスシリコン層を含む、少なくとも1つの前記基板に平行の方向に流れる電流を有する受光素子を含む画像表示システム。
【請求項2】
前記受光素子は、堆積NI、IN、PI、またはIP構造で形成され、Nがn型シリコン層、Iが非ドープのシリコン層と、Pがp型シリコン層である請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項3】
前記受光素子の下方の下電極と前記受光素子の上方の上電極を更に含む請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項4】
前記上電極は、透明導電材料を含む請求項3に記載の画像表示システム。
【請求項5】
前記薄膜トランジスタは、微結晶シリコン、アモルファスシリコン、ポリシリコン、酸化亜鉛、または金属酸化膜半導体の活性層を含む請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項6】
前記薄膜トランジスタは、上ゲート構造または下ゲート構造を有する請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項7】
前記基板は、画素領域と駆動領域を含み、前記少なくとも1つの受光素子が前記画素領域、前記駆動領域、または前記画素領域と前記駆動領域の両方に形成される請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項8】
前記画素領域に配置された蓄積コンデンサを更に含み、前記少なくとも1つの受光素子が前記蓄積コンデンサの上に形成される請求項7に記載の画像表示システム。
【請求項9】
複数の受光素子を更に含み、前記受光素子は、直列、または並列に電気的接続される請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項10】
ディスプレイパネルを更に含み、前記薄膜トランジスタアレイ基板は、前記ディスプレイパネルの一部を形成する請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項11】
電子装置を更に含み、前記電子装置は、
前記ディスプレイパネル、及び
前記表示パネルに接続され、前記表示パネルに入力を提供して前記表示パネルに画像を表示させる入力ユニットを含む請求項10に記載の画像表示システム。
【請求項12】
前記電子装置は、携帯電話、デジタルカメラ、PDA、ノート型パソコン、デスクトップ型パソコン、TV、カーディスプレイ、ポータブルDVDプレーヤー、全地球測位システム(GPS)、デジタルフォトフレーム、または航空機ディスプレイを含む請求項11に記載の画像表示システム。
【請求項13】
画像表示システムを形成する方法であって、
薄膜トランジスタアレイを有する基板を提供するステップ、
前記基板上に下電極を形成するステップ、
前記下基板上にアモルファス層を含む受光素子を形成するステップ、及び
前記受光素子上に上電極を形成するステップを含む方法。
【請求項14】
前記基板上にソース/ドレイン領域を有する活性層を形成するステップ、
前記活性層上にゲート絶縁層を形成するステップ、
前記ゲート絶縁層上にゲートを形成し、前記活性層、前記ゲート絶縁層と、前記ゲートが上ゲート構造を有する薄膜トランジスタに形成され、前記薄膜トランジスタ上に誘電体層を形成するステップ、
前記第1誘電体層にコンタクトホールを形成し、前記薄膜トランジスタのソース/ドレイン領域を露出するステップ、
前記第1誘電体層と前記コンタクトホールに第1導電層を形成するステップ、及び
前記導電層をパターン化して、前記ソース/ドレイン領域に接触する前記下電極とソース/ドレイン電極を形成するステップを更に含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記基板上に薄膜トランジスタのゲートを形成するステップ、
前記ゲート上に第1誘電体層を形成するステップ、
前記第1誘電体層に前記ソース/ドレイン領域を有する活性層を形成するステップ、
前記導電層をパターン化して、前記ソース/ドレイン領域に接触する前記下電極とソース/ドレイン電極を形成するステップ、
前記第1誘電体層上に第2誘電体層を形成するステップ、
前記第2誘電体層に第1開口と第2開口を形成し、前記ソース/ドレイン電極と前記受光素子を露出するステップ、
前記第2誘電体層と第2開口と前記第3開口に第2導電層を形成するステップ、及び
前記第2導電層をパターン化して前記ソース/ドレイン電極に接触する前記上電極と画素電極を形成するステップを更に含む請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−271524(P2009−271524A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103850(P2009−103850)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(503141075)統寶光電股▲ふん▼有限公司 (155)
【Fターム(参考)】