説明

画像計測装置及びコンピュータプログラム

【課題】計測結果が計測対象物のどの部分のどの計測結果であるのかを使用者が的確に把握することができる画像計測装置及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】撮像手段で取得した計測対象物の画像を表示し、表示された画像上で特徴画像、及び計測位置の指定を受け付ける。指定を受け付けた特徴画像と、計測位置及び該計測位置を示す寸法線の表示位置を表す、特徴画像に対する相対位置に関する情報とを記憶しておく。新たに取得した計測対象物の画像と記憶してある特徴画像とを照合し、計測対象物の画像の姿勢及び位置に関する情報を特定する。姿勢及び位置が特定された計測対象物の画像に対して計測位置を設定し、該計測位置のエッジ部分を検出して、所定の物理量を計測する。記憶された寸法線を表示する特徴画像に対する相対位置に関する情報に基づいて、計測位置を示す寸法線及び計測結果を所定の位置に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測対象物の載置された状態に依存することなく、計測結果を見やすく表示することができる画像計測装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、計測対象物の形状を計測する装置として、計測対象物に光を照射し、照射した光の透過光又は反射光を受光レンズにより、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)等の撮像素子に結像させて画像を取得し、取得した画像をコンピュータにて演算処理することにより計測対象物の形状を計測する画像計測装置が多々開発されている。
【0003】
計測対象物の画像は、受光レンズによって計測対象物に対して極めて正確な相似形となる。画像上の寸法を受光レンズの倍率でキャリブレーションすることにより、画像上の寸法に基づいて実際の計測対象物の寸法を計測することができる。したがって、画像上の計測対象物の形状を正確に特定することにより、実物の計測対象物の形状を正確に計測することができる。画像上の計測対象物の形状の特定は、計測対象物と背景画像との境界部分(以下、エッジ部分)を検出することにより行われる。図17は、従来の画像上で指定されるエッジ検出領域の例示図である。図18は、従来のエッジ点に基づいて最小二乗法によって特定する形状の例示図である。図19は、従来のエッジ点を幾何学図形にフィッティングして得られる円を説明するための模式図である。
【0004】
画像上でエッジを検出する場合、図17に示すように、エッジ部分周辺をマウス等のポインティングデバイスにてクリック操作又はドラッグ操作で囲む等してエッジ検出領域を指定する。エッジ部分は、計測対象物の画素と背景画像の画素との輝度値変化が激しい箇所であり、コンピュータは、指定された領域の画像データの中で例えば隣接する画素間の輝度差が所定の値より大きい箇所(画素間)を、図17に示すように複数のエッジ点として取得する。取得した複数のエッジ点は、最小二乗法のような回帰分析法により、図18に示すように直線等の幾何学図形にフィッティングされ、例えばフィッティングされた直線をエッジとして検出する。直線が点であっても同様に検出することができ、円形状についても直線と同様、図19に示すように隣接する画素間の輝度値変化が激しい箇所を複数のエッジ点として取得し、最小二乗法等によって幾何学図形にフィッティングされ、例えばフィッティングされた円をエッジとして検出することができる。
【0005】
計測対象物自体の大きさ、計測対象部分の大きさは様々である。したがって、人が手に持つことができる程度のサイズ(数mm〜100mm角程度のサイズ)の計測対象物を、数mm角の視野しか有していない計測装置にて計測を実行する場合、計測対象物の全体像を一括して把握することができない。この場合、例えば特許文献1に開示されているXYステージ等を移動させることにより、視野に対して計測対象物を相対的に移動させ、必要な部分を視野内に移動してから計測している。
【0006】
例えば同一の視野内に収まらない2つの直線間の距離を計測する場合、まず一方の直線エッジを指定し、XYステージを移動させて他方の直線エッジを指定する。指定された直線エッジ間の距離を、表示画像内位置及びXYステージの移動量から算出して計測する。
【0007】
画像計測装置では、計測された計測結果が、計測対象物のどの部分のどの計測値であるのかを把握することが難しい。そこで従来は、例えば特許文献1に示すように、計測対象物の画像を表示画面にて表示するとともに、幾何寸法の計測のために指定された計測箇所に応じた寸法線も表示することにより、使用者はどの幾何寸法の計測結果が表示されているのか容易に確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−132740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した特許文献1も含めて、従来の画像計測装置では、計測対象物が視野に収まる場合には、計測結果が計測対象物のどの部分のどの計測値であるのか、使用者は容易に把握することができる。しかし、計測対象物が視野に収まらない場合には、計測対象物の全体像を表示することができず、計測結果が計測対象物のどの部分をどのように計測した計測値であるのか把握することが困難であり、使用者が計測対象部分を直感的に把握することが難しいという問題点があった。
【0010】
例えば、検出したエッジ部分を計測対象物とは別の画面上で表示し、別画面にて寸法線及び計測結果を表示する装置も存在する。しかし、計測対象物の全体像を表示することができないことには変わりは無く、計測対象物の形状が複雑である場合には、結局計測結果が計測対象物のどの部分をどのように計測した計測値であるのか把握することが困難であることには変わりは無い。
【0011】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、計測結果が計測対象物のどの部分の計測値であるのかを使用者が的確に把握することができ、計測対象物の画像の姿勢、位置等に左右されず、計測結果が計測対象物のどの部分の計測結果であるのかを使用者が目視で確認することができる画像計測装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために第1発明に係る画像計測装置は、計測対象物を載置するステージと対向して、計測対象物の画像を取得する撮像手段が配置してある画像計測装置において、前記撮像手段で取得した前記計測対象物の画像を表示する表示手段と、表示された画像上の任意の部分画像を特徴画像として指定を受け付ける特徴画像指定受付段と、表示された画像上で、計測対象物の計測位置の指定を受け付ける計測位置指定受付手段と、前記特徴画像指定受付手段で指定を受け付けた特徴画像と、前記計測位置指定受付手段で指定を受け付けた計測位置及び該計測位置を示す寸法線を表示する表示位置を表す、前記特徴画像に対する相対位置に関する情報とを記憶する相対位置記憶手段と、前記撮像手段により新たに取得された計測対象物の画像と記憶してある特徴画像とを照合し、新たに取得した計測対象物の画像の姿勢及び位置に関する情報を特定する姿勢/位置特定手段と、前記相対位置記憶手段に記憶された特徴画像に対する計測位置の相対位置に関する情報に基づいて、姿勢及び位置が特定された計測対象物の画像に対して計測位置を設定し、該計測位置のエッジ部分を検出するエッジ部分検出手段と、検出したエッジ部分に基づいて所定の物理量を計測する計測手段と、前記相対位置記憶手段に記憶された寸法線の表示位置を表す、特徴画像に対する相対位置に関する情報に基づいて、計測位置を示す寸法線及び計測結果を所定の位置に表示する計測結果表示手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、第2発明に係る画像計測装置は、第1発明において、前記相対位置記憶手段は、前記計測結果を表示する表示位置も前記特徴画像に対する相対位置に関する情報として記憶するようにしてあり、前記計測結果表示手段は、前記相対位置記憶手段に記憶された特徴画像に対する前記計測結果を表示する表示位置の相対位置に関する情報に基づいて、前記計測結果を所定の位置に表示するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
また、第3発明に係る画像計測装置は、第1又は第2発明において、前記寸法線及び/又は前記計測結果を表示する位置の変更を受け付ける表示位置変更手段を備えることを特徴とする。
【0015】
また、第4発明に係る画像計測装置は、第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、所定の公差範囲内であるか否かを判定する対象となる前記計測結果の指定を受け付ける計測結果指定受付手段と、該計測結果指定受付手段で指定を受け付けた計測結果の表示態様を変更する表示態様変更手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
また、第5発明に係る画像計測装置は、第4発明において、前記計測結果指定受付手段で指定を受け付けた計測結果が所定の公差範囲内であるか否かを判定する計測結果判定手段を備え、前記表示態様変更手段は、該計測結果判定手段で所定の公差範囲内であると判定された場合、前記計測結果の表示態様を変更するようにしてあることを特徴とする。
【0017】
また、第6発明に係る画像計測装置は、第1乃至第5発明のいずれか1つにおいて、前記計測結果が表示範囲外にて表示されている部分が存在するか否かを判断する表示状態判断手段を備え、前記計測結果表示手段は、該表示状態判断手段で表示範囲外にて表示されている部分が存在すると判断した場合、前記計測結果の表示位置を表示範囲内へ移動させて表示するようにしてあることを特徴とする。
【0018】
また、第7発明に係る画像計測装置は、第1乃至第6発明のいずれか1つにおいて、前記計測結果の表示位置の傾斜角度を検出する表示角度検出手段と、検出した傾斜角度が所定角度以上であるか否かを判断する傾斜角度判断手段とを備え、前記計測結果表示手段は、該傾斜角度判断手段で傾斜角度が所定角度以上であると判断した場合、前記計測結果を上下反転して表示するようにしてあることを特徴とする。
【0019】
また、第8発明に係る画像計測装置は、第1発明において、表示された計測位置を示す寸法線及び計測結果の表示位置を表す、計測対象物の画像に対する相対位置に関する情報を、計測対象物の画像の姿勢及び位置に対応付けて記憶する計測結果表示位置記憶手段を備え、前記計測結果表示手段は、前記計測結果表示位置記憶手段に記憶された寸法線及び計測結果の表示位置を表す、計測対象物の画像に対する相対位置に関する情報に基づいて、前記姿勢/位置特定手段で特定した計測対象物の画像の姿勢及び位置に関する情報を変更して表示するようにしてあることを特徴とする。
【0020】
次に、上記目的を達成するために第9発明に係るコンピュータプログラムは、計測対象物を載置するステージと対向して、計測対象物の画像を取得する撮像手段が配置してある画像計測装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、前記画像計測装置を、前記撮像手段で取得した前記計測対象物の画像を表示する表示手段、表示された画像上の任意の部分画像を特徴画像として指定を受け付ける特徴画像指定受付段、表示された画像上で、計測対象物の計測位置の指定を受け付ける計測位置指定受付手段、前記特徴画像指定受付手段で指定を受け付けた特徴画像と、前記計測位置指定受付手段で指定を受け付けた計測位置及び該計測位置を示す寸法線を表示する表示位置を表す、前記特徴画像に対する相対位置に関する情報とを記憶する相対位置記憶手段、前記撮像手段により新たに取得された計測対象物の画像と記憶してある特徴画像とを照合し、新たに取得した計測対象物の画像の姿勢及び位置に関する情報を特定する姿勢/位置特定手段、前記相対位置記憶手段に記憶された特徴画像に対する計測位置の相対位置に関する情
報に基づいて、姿勢及び位置が特定された計測対象物の画像に対して計測位置を設定し、該計測位置のエッジ部分を検出するエッジ部分検出手段、検出したエッジ部分に基づいて所定の物理量を計測する計測手段、及び前記相対位置記憶手段に記憶された寸法線の表示位置を表す、特徴画像に対する相対位置に関する情報に基づいて、計測位置を示す寸法線及び計測結果を所定の位置に表示する計測結果表示手段として機能させることを特徴とする。
【0021】
また、第10発明に係るコンピュータプログラムは、第9発明において、前記相対位置記憶手段を、前記計測結果を表示する表示位置も前記特徴画像に対する相対位置に関する情報として記憶する手段として機能させ、前記計測結果表示手段を、前記相対位置記憶手段に記憶された特徴画像に対する前記計測結果を表示する表示位置の相対位置に関する情報に基づいて、前記計測結果を所定の位置に表示する手段として機能させることを特徴とする。
【0022】
また、第11発明に係るコンピュータプログラムは、第9又は第10発明において、前記画像計測装置を、前記寸法線及び/又は前記計測結果を表示する位置の変更を受け付ける表示位置変更手段として機能させることを特徴とする。
【0023】
また、第12発明に係るコンピュータプログラムは、第9乃至第11発明のいずれか1つにおいて、前記画像計測装置を、所定の公差範囲内であるか否かを判定する対象となる前記計測結果の指定を受け付ける計測結果指定受付手段、及び該計測結果指定受付手段で指定を受け付けた計測結果の表示態様を変更する表示態様変更手段として機能させることを特徴とする。
【0024】
また、第13発明に係るコンピュータプログラムは、第12発明において、前記画像計測装置を、前記計測結果指定受付手段で指定を受け付けた計測結果が所定の公差範囲内であるか否かを判定する計測結果判定手段として機能させ、前記表示態様変更手段を、該計測結果判定手段で所定の公差範囲内であると判定された場合、前記計測結果の表示態様を変更する手段として機能させることを特徴とする。
【0025】
また、第14発明に係るコンピュータプログラムは、第9乃至第13発明のいずれか1つにおいて、前記画像計測装置を、前記計測結果が表示範囲外にて表示されている部分が存在するか否かを判断する表示状態判断手段として機能させ、前記計測結果表示手段を、該表示状態判断手段で表示範囲外にて表示されている部分が存在すると判断した場合、前記計測結果の表示位置を表示範囲内へ移動させて表示する手段として機能させることを特徴とする。
【0026】
また、第15発明に係るコンピュータプログラムは、第9乃至第14発明のいずれか1つにおいて、前記画像計測装置を、前記計測結果の表示位置の傾斜角度を検出する表示角度検出手段、及び検出した傾斜角度が所定角度以上であるか否かを判断する傾斜角度判断手段として機能させ、前記計測結果表示手段を、該傾斜角度判断手段で傾斜角度が所定角度以上であると判断した場合、前記計測結果を上下反転して表示する手段として機能させることを特徴とする。
【0027】
また、第16発明に係るコンピュータプログラムは、第9発明において、前記画像計測装置を、表示された計測位置を示す寸法線及び計測結果の表示位置を表す、計測対象物の画像に対する相対位置に関する情報を、計測対象物の画像の姿勢及び位置に対応付けて記憶する計測結果表示位置記憶手段として機能させ、前記計測結果表示手段を、前記計測結果表示位置記憶手段に記憶された寸法線及び計測結果の表示位置を表す、計測対象物の画像に対する相対位置に関する情報に基づいて、前記姿勢/位置特定手段で特定した計測対象物の画像の姿勢及び位置に関する情報を変更して表示する手段として機能させることを特徴とする。
【0028】
第1発明及び第9発明では、撮像手段で取得した計測対象物の画像を表示し、表示された画像上の任意の部分画像を特徴画像として指定を受け付け、計測対象物の計測位置の指定を受け付ける。指定を受け付けた特徴画像と、計測位置及び該計測位置を示す寸法線を表示する表示位置を表す、特徴画像に対する相対位置に関する情報とを記憶しておく。撮像手段により新たに取得された計測対象物の画像と記憶してある特徴画像とを照合し、新たに取得した計測対象物の画像の姿勢及び位置に関する情報を特定する。記憶された特徴画像に対する計測位置の相対位置に関する情報に基づいて、姿勢及び位置が特定された計測対象物の画像に対して計測位置を設定し、該計測位置のエッジ部分を検出して、所定の物理量を計測する。記憶された寸法線の表示位置を表す、特徴画像に対する相対位置に関する情報に基づいて、計測位置を示す寸法線及び計測結果を所定の位置に表示する。指定を受け付けた特徴画像と、計測位置及び該計測位置を示す寸法線を表示する表示位置を特徴画像に対する相対位置に関する情報として記憶しておくことにより、計測対象物の画像と特徴画像とを照合して、計測対象物の画像の姿勢及び位置、並びに計測位置及び該計測位置を示す寸法線を表示する表示位置を計測対象物の画像に対する相対位置として定めることができる。したがって、計測対象物の画像の姿勢、位置等に左右されず、計測結果が計測対象物のどの部分の計測値であるのかを使用者が目視で確認することができる。
【0029】
第2発明及び第10発明では、計測結果を表示する表示位置も特徴画像に対する相対位置に関する情報として記憶しておき、記憶された特徴画像に対する計測結果を表示する表示位置の相対位置に関する情報に基づいて、計測結果を所定の位置に表示する。これにより、計測結果の表示についても、計測対象物の画像の姿勢、位置等に左右されず、計測対象物の画像に応じて表示する位置を変えることができるので、計測結果が計測対象物のどの部分の計測結果であるのかを使用者が目視で確認することができる。
【0030】
第3発明及び第11発明では、寸法線及び/又は計測結果を表示する位置の変更を受け付けることにより、寸法線及び/又は計測結果を表示する位置が視野から外れる場合であっても、視野内に収まるように表示する位置を変更することができ、計測結果が計測対象物のどの部分の計測結果であるのかを使用者が目視で確認することができる。
【0031】
第4発明及び第12発明では、所定の公差範囲内であるか否かを判定する対象となる計測結果の指定を受け付け、指定を受け付けた計測結果の表示態様を変更することにより、計測結果が公差範囲内に収まっているか否かを判定する対象となる計測結果を表示態様の相違により容易に確認することができる。したがって、公差範囲内に収まるよう精度が要求されている計測結果を目視で確認することができる。
【0032】
第5発明及び第13発明では、指定を受け付けた計測結果が所定の公差範囲内であるか否かを判定し、所定の公差範囲内であると判定された場合、計測結果の表示態様を変更することにより、適正と考えられる一定範囲内の計測結果であるか否かを計測結果の表示態様により容易に確認することができる。したがって、適正である計測結果と適正ではない計測結果とを目視で確認することができ、計測対象物のどの部分の計測結果が適正でないのか、容易に確認することができるので、再計測が容易となる。
【0033】
第6発明及び第14発明では、計測結果が表示範囲外にて表示されている部分が存在する場合、計測結果の表示位置を表示範囲内へ移動させて表示することにより、計測結果の表示を確実に目視で確認することが可能となる。
【0034】
第7発明及び第15発明では、計測結果の表示位置の傾斜角度を検出し、検出した傾斜角度が所定角度以上である場合、計測結果を上下反転して表示することにより、計測対象物がどのような角度でステージに載置された場合であっても、計測結果を目視で確認し易いように表示することができる。
【0035】
第8発明及び第16発明では、表示された計測位置を示す寸法線及び計測結果の表示位置を表す、計測対象物の画像に対する相対位置に関する情報を、計測対象物の画像の姿勢及び位置に対応付けて記憶しておき、記憶された寸法線及び計測結果の表示位置を表す、計測対象物の画像に対する相対位置に関する情報に基づいて、特定した計測対象物の画像の姿勢及び位置に関する情報を変更して表示することにより、計測対象物がどのような角度でステージに載置された場合であっても、記憶してある寸法線及び計測結果の位置に関する情報等に基づいた表示位置に合わせて回転させて表示することができる。
【発明の効果】
【0036】
上記構成によれば、指定を受け付けた特徴画像と、計測位置及び該計測位置を示す寸法線を表示する表示位置を特徴画像に対する相対位置に関する情報として記憶しておくことにより、計測対象物の画像と特徴画像とを照合して、計測対象物の画像の姿勢及び位置、並びに計測位置及び該計測位置を示す寸法線を表示する表示位置を計測対象物の画像に対する相対位置として定めることができる。したがって、計測対象物の画像の姿勢、位置等に左右されず、計測結果が計測対象物のどの部分の計測値であるのかを使用者が目視で確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像計測装置の本体部分を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る画像計測装置の構成を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る画像計測装置の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る画像計測装置の制御ユニットの機能を示す機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る画像計測装置の制御ユニットのCPUの特徴画像記憶処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】計測対象物の画像と視野範囲との関係及び計測結果の表示位置との関係を示す模式図である。
【図7】特徴画像及び計測位置の指定の受付方法を示す模式図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る画像計測装置の制御ユニットのCPUの画像計測処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】特徴画像と計測対象物の画像とのマッチング処理の例示図である。
【図10】計測位置及び寸法線の表示方法を示す模式図である。
【図11】計測結果が表示範囲外へはみ出した場合の寸法線及び/又は計測結果の表示位置を変更する方法を説明する模式図である。
【図12】計測結果を上下反転して表示する場合の表示位置を変更する方法を説明する模式図である。
【図13】本発明の実施の形態2に係る画像計測装置の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る画像計測装置の制御ユニットの機能を示す機能ブロック図である。
【図15】本発明の実施の形態2に係る画像計測装置の制御ユニットのCPUの画像計測処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】寸法線及び計測結果の表示方法を示す模式図である。
【図17】従来の画像上で指定されるエッジ検出領域の例示図である。
【図18】従来のエッジ点に基づいて最小二乗法によって特定する形状の例示図である。
【図19】従来のエッジ点を幾何学図形にフィッティングして得られる円を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態に係る画像計測装置について、図面に基づいて具体的に説明する。
【0039】
(実施の形態1) 図1は、本発明の実施の形態1に係る画像計測装置の本体部分2を示す斜視図であり、図2は、本発明の実施の形態1に係る画像計測装置1の構成を示す模式図である。図2に示すように本実施の形態1に係る画像計測装置1は、本体部分2と制御ユニット3とで構成されており、本体部分2にて撮像された画像データを制御ユニット3にて演算処理して、所望の形状の寸法等を計測する。
【0040】
図1に示すように、本体部分2では、中央部近傍に光を透過する載置部211を有するステージ21を備えており、本体部分2に、載置部211を中心に回転することが可能に、支持部212を
介して連結されている。計測対象物20を載置部211の上に載置し、操作パネル29にて所望の操作の指定を受け付けることにより、アーム部28の上方に配置されている撮像部30により計測対象物20が撮像され、計測結果を表示装置27に表示する。
【0041】
図2に示すように、本体部分2では、載置された計測対象物20を移動させるステージ21を挟んで2組の照明装置22、24が設置されている。まずステージ21上の計測対象物20を上方から照らすリング状の落射照明装置22が受光レンズユニット23に設置されている。落射照明装置22で照射された光は、計測対象物20の表面で反射して、受光レンズユニット23へ戻ってくる。これにより、計測対象物20の表面の凹凸、パターン等を撮像することができる。
【0042】
また、ステージ21の下方には、計測対象物20を下方から照らす透過照明装置24が設置されている。透過照明装置24は、少なくとも光源241、反射機構242及びレンズ243で構成されており、光源241から照射された光を反射機構242にてステージ21側へ反射させ、レンズ243にてステージ21に対して略直交する方向の平行光へと変換する。これにより、計測対象物20が存在しない位置の光のみ透過して撮像することができる。
【0043】
受光レンズユニット23は、少なくとも受光レンズ231、ビームスプリッタ232、高倍側結像レンズ部233、低倍側結像レンズ部236を備えている。高倍側結像レンズ部233は、結像するためのスリット234及び高倍側結像レンズ235で構成され、低倍側結像レンズ部236は、結像するためのスリット237及び低倍側結像レンズ238で構成されている。ビームスプリッタ232は、受光レンズ231からの光を二方向に分岐するプリズムである。例えばキューブ型、プレート型を使用することができる。キューブ型ビームスプリッタは、プレート型と比較して、ビームスプリッタを通過した光が屈折することがないので光軸がずれず、分岐角度のアライメント調整が容易なため好ましい。
【0044】
図2では、落射照明装置22から照射された光が計測対象物20で反射した光及び透過照明装置24から照射されて計測対象物20を透過した光を、高倍側結像レンズ部233及び低倍側結像レンズ部236へ誘導する一例を示している。ビームスプリッタ232により分岐された二方向の光は、低倍側結像レンズ部236及び高倍側結像レンズ部233の双方へ誘導される。
【0045】
高倍側撮像装置25は、高倍側結像レンズ部233へ誘導された光をCCD、CMOS等の撮像素子251で結像させ、高倍画像データとして制御ユニット3へ送信する。同様に低倍側撮像装置26は、低倍側結像レンズ部236へ誘導された光をCCD、CMOS等の撮像素子261で結像させ、低倍画像データとして制御ユニット3へ送信する。上述の受光レンズ231及びビームスプリッタ232による二分岐光学系の構成により、光学系を機械的に切り替えることなく高倍画像データと低倍画像データとを同時に取得することができる。両画像データは電子的に切り替えて1つの画面上に表示することができ、また2つの画面上に別個に同時に表示することもできる。
【0046】
図3は、本発明の実施の形態1に係る画像計測装置1の制御ユニット3の構成を示すブロック図である。図3に示すように本実施の形態1に係る画像計測装置1の制御ユニット3は、少なくともCPU(中央演算装置)33、RAM34、ディスク等の記憶装置35、通信装置36及び上述したハードウェアを接続する内部バス37で構成されている。内部バス37を介して、入力装置であるマウス32、キーボード31、出力装置である表示装置27にも接続されている。
【0047】
CPU33は、内部バス37を介して制御ユニット3の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶装置35に記憶されているコンピュータプログラムに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。RAM34は、例えばSRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラムの実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラムの実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
【0048】
また、高倍側撮像装置25及び低倍側撮像装置26で撮像された両画像データは、高倍画像データ及び低倍画像データを互いに位置合わせをした状態で記憶装置35に記憶される。ここで、低倍画像と高倍画像とは、同じ受光レンズ231からの光をビームスプリッタ232で二方向に分岐した光のうちの各々一方向の光を高倍側結像レンズ235又は低倍側結像レンズ238を通して撮像素子251、261に結像させて得られているので、同軸で撮像されている。すなわち、低倍画像の視野中心と高倍画像の視野中心とが一致するように撮像されている。
【0049】
記憶装置35は、特徴画像記憶部351及び相対位置記憶部352も備えている。特徴画像記憶部351は、計測対象物20ごとに特徴を示す特徴画像データを記憶する。記憶してある特徴画像データと取得した画像データとをマッチング処理することによって、計測対象物20がステージ21上でどのような姿勢及び位置で載置されたか把握することができる。相対位置記憶部352は、指定を受け付けた計測位置及び該計測位置を示す寸法線の表示位置を表す、特徴画像に対する相対位置に関する情報として記憶する。記憶した相対位置に関する情報に基づいて、計測対象物20の画像の姿勢及び位置が特定された時点で、計測位置及び寸法線を表示する相対位置が定まる。もちろん、特徴画像記憶部351及び相対位置記憶部352を一体化させて記憶しても良い。
【0050】
通信装置36は内部バス37に接続されており、通信線を介して高倍側撮像装置25、低倍側撮像装置26に接続され、高倍側撮像装置25、低倍側撮像装置26で撮像された画像データを受信する。また、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワークに接続されることにより、外部のコンピュータ等ともデータ送受信を行うことが可能となる。なお、記憶装置35に記憶されているコンピュータプログラムは、通信装置36を介して外部コンピュータからダウンロードされる。
【0051】
図4は、本発明の実施の形態1に係る画像計測装置1の制御ユニット3の機能を示す機能ブロック図である。図4において、画像データ取得部331は、低倍側撮像装置26にて撮像した低倍画像の低倍画像データ、及び低倍画像と同軸で高倍側撮像装置25にて撮像した高倍画像の高倍画像データを取得する。取得した両画像データは、記憶装置35に記憶される。
【0052】
表示部332は、取得した低倍画像データ又は高倍画像データを表示装置27に表示し、特徴画像指定受付部333は、表示装置27に表示されている計測対象物20の画像に対して、特徴的な部分を示す画像と考えられる部分画像の領域指定を受け付ける。領域指定の受付方法は特に限定されるものではなく、例えばマウス32等のドラッグ操作等により、特徴的な部分を示す画像と考えられる部分画像を含む矩形領域の指定を受け付け、指定を受け付けた矩形領域内に含まれる部分画像は、計測対象物20の特徴画像として記憶装置35の特徴画像記憶部351に記憶される。
【0053】
計測位置指定受付部334は、表示装置27に表示されている計測対象物20の画像に対して、計測位置の指定を受け付ける。計測位置の指定の受付方法は特に限定されるものではなく、例えばマウス32等のドラッグ操作等によりエッジ部分近傍の領域指定を受け付ける。なお、公差の適正範囲の指定を受け付ける公差指定受付部346を備えても良い。公差の適正範囲の指定の受付方法は特に限定されるものではなく、例えば設定画面からキーボード31等の打鍵により指定を受け付けても良い。
【0054】
姿勢/位置特定部335は、取得した計測対象物20の画像データと特徴画像記憶部351に記憶してある特徴画像とをマッチング処理(照合)して、計測対象物20の画像の姿勢及び位置に関する情報を特定する。エッジ部分検出部336は、相対位置記憶部352に記憶された特徴画像に対する計測位置の相対位置に関する情報に基づいて、姿勢及び位置が特定された計測対象物20の画像に対して計測位置を設定して、設定された計測位置のエッジ部分を検出し、計測部337は、特定された計測対象物20の画像の姿勢及び位置に関する情報、及び検出されたエッジ部分に基づいて、所定の物理量を計測する。
【0055】
計測結果表示部338は、相対位置記憶部352に記憶された計測位置及び寸法線の表示位置を表す、特徴画像に対する相対位置に関する情報に基づいて、計測位置を示す寸法線及び計測結果を所定の位置に表示する。なお、相対位置記憶部352に、計測対象物20の画像に対する、計測結果を表示する相対位置に関する情報も記憶しておき、姿勢/位置特定部335にて特定した計測対象物20の画像の姿勢及び位置、並びに計測対象物20の画像に対する計測結果を表示する相対位置に関する情報に基づいて、計測結果を所定の位置に表示しても良い。これにより、計測対象物20の画像の姿勢及び位置に応じて計測結果の表示位置を変更することができる。
【0056】
表示位置変更部339は、寸法線及び/又は計測結果を表示する位置の変更を受け付ける。表示する位置の変更の受付方法は、特に限定されるものではなく、例えばマウス32等のドラッグ操作等により受け付ける。
【0057】
また、計測結果指定受付部340は、所定の公差範囲内であるか否かを判定する対象となる計測結果の指定を受け付ける。計測結果の指定の受付方法は、特に限定されるものではなく、例えばマウス32等のクリック操作等により計測結果の表示位置の指定を受け付けても良いし、計測結果を計測する計測位置の指定を受け付けても良い。
【0058】
計測結果判定部341は、指定を受け付けた計測結果が所定の公差範囲内であるか否かを判定する。表示態様変更部342は、計測結果指定受付部340にて指定を受け付けた計測結果、及び計測結果判定部341にて公差範囲内であると判定された計測結果の表示態様を変更する。例えば表示色を変更する、強調表示する等の表示態様の変更により、公差範囲内であると判定された計測結果を使用者が目視で確認することができる。
【0059】
表示状態判断部343は、計測結果が表示範囲外にて表示されている部分が存在するか否かを判断する。計測結果表示部338は、表示状態判断部343にて計測結果が表示範囲外にて表示されている部分が存在すると判断した場合、計測結果の表示位置を表示範囲内へ移動させて表示する。これにより、計測結果を使用者が目視で確認することができる。
【0060】
表示角度検出部344は、計測結果の表示位置の傾斜角度を検出し、傾斜角度判断部345は、表示角度検出部344にて検出した傾斜角度が所定角度以上であるか否かを判断する。計測結果表示部338は、傾斜角度判断部345にて傾斜角度が所定角度以上であると判断した場合、計測結果を上下反転して表示する。
【0061】
図5は、本発明の実施の形態1に係る画像計測装置1の制御ユニット3のCPU33の特徴画像記憶処理の手順を示すフローチャートである。制御ユニット3のCPU33は、低倍側撮像装置26にて撮像した低倍画像の低倍画像データ、及び低倍画像と同軸で高倍側撮像装置25にて撮像した高倍画像の高倍画像データを取得する(ステップS501)。取得した両画像データは、記憶装置35に記憶される。
【0062】
CPU33は、高倍画像データが視野範囲内にて表示することが可能であるか否かを判断し(ステップS502)、CPU33が、高倍画像データが視野範囲内にて表示することが可能であると判断した場合(ステップS502:YES)、CPU33は、高倍画像データを表示装置27に表示し(ステップS503)、CPU33が、高倍画像データが視野範囲内にて表示することが不可能であると判断した場合(ステップS502:NO)、CPU33は、
低倍画像データを表示装置27に表示する(ステップS504)。
【0063】
図6は、計測対象物20の画像と視野範囲との関係及び計測結果の表示位置との関係を示す模式図である。図6(a)に示すように計測対象物20の画像(画像データ)を取得した場合、図6(b)に示すように計測対象物20の画像データに対して視野範囲61が狭い場合、例えば高倍画像データを表示する場合等には、計測対象物20のどの部分が表示されているのか不明確になる。そこで、計測対象物20の画像データに対して視野範囲61が十分に広い場合、例えば低倍画像データを表示する場合等には、図6(c)に示すように計測対象物20の全体像が視野範囲61内に収まる。
【0064】
そして、図6(c)に示すように、視野範囲61内に全体像が表示されている計測対象物20に対して、マウス32等のドラッグ操作等により計測領域62の指定を受け付けることで、計測対象物20の全体像を見ながら計測領域62を指定することができる。したがって、どの部分を計測しているのか使用者が目視で確認しつつ指定することができ、誤った部分について計測することを未然に防止することができる。
【0065】
図5に戻って、制御ユニット3のCPU33は、表示された低倍画像上又は高倍画像上にて、特徴的な部分を示す画像と考えられる特徴画像を含む矩形領域の指定を受け付ける(ステップS505)。特徴画像を含む矩形領域の指定の受付方法は特に限定されるものではなく、例えばマウス32等のドラッグ操作等により、特徴画像を含む矩形領域の指定を受け付け、指定を受け付けた矩形領域内に含まれる部分画像を、計測対象物20の特徴画像として記憶装置35の特徴画像記憶部351に記憶すれば良い。
【0066】
CPU33は、表示された低倍画像上又は高倍画像上にて、計測位置の指定を受け付ける(ステップS506)。計測位置の指定の受付方法は特に限定されるものではなく、例えばマウス32等のドラッグ操作等によりエッジ部分近傍の領域指定を受け付ける。なお、ステップS506にて公差の適正範囲の指定を受け付けても良い。公差の適正範囲の指定の受付方法は特に限定されるものではなく、例えば設定画面からキーボード31等の打鍵により指定を受け付けても良い。また、計測結果が表示された状態で、マウス32等のクリック操作等により計測位置の指定を受け付け、指定を受け付けた計測位置ごとに公差の適正範囲の指定を受け付けても良い。
【0067】
CPU33は、指定を受け付けた特徴画像と、指定を受け付けた計測位置及び該計測位置を示す寸法線の表示位置を表す、特徴画像に対する相対位置に関する情報とを、それぞれ特徴画像記憶部351及び相対位置記憶部352に記憶する(ステップS507)。
【0068】
図7は、特徴画像及び計測位置の指定の受付方法を示す模式図である。図7(a)は、特徴画像を含む矩形領域71及び計測位置72、72、・・・の指定の受付方法を示す例示図であり、図7(b)は、指定を受け付けて特徴画像記憶部351に記憶される特徴画像の例示図であり、図7(c)は、指定を受け付けた計測位置72、72、・・・、寸法線73、73、・・・及び計測結果74、74、・・・の表示位置の指定を受け付けて相対位置記憶部352に記憶される相対位置に関する情報の例示図である。
【0069】
図7(a)に示すように、まず矩形領域71の指定を受け付けることにより図7(b)に示すような特徴画像を切り出し、特徴画像記憶部351に記憶する。特徴画像記憶部351には、特徴画像の画像データだけではなく、計測対象物20の画像に対する矩形領域71の相対位置の座標、回転角度等も記憶される。
【0070】
次に、図7(a)に示すように計測位置72、72、・・・の指定を受け付けることにより、図7(c)に示すように、計測位置及び計測位置を示す寸法線73、73、・・・の表示位置を表す、特徴画像に対する相対位置に関する情報を、相対位置記憶部352に記憶する。相対位置記憶部352には、これら相対位置に関する情報だけでなく、計測位置72、72、・・・、寸法線73、73、・・・の表示位置を表す、計測対象物20の画像に対する相対位置の座標、回転角度等も記憶される。なお、計測結果を表示する計測結果表示位置74、74、・・・についても、図7(c)に示すように相対位置記憶部352に他の要素と同様に記憶しても良い。
【0071】
図8は、本発明の実施の形態1に係る画像計測装置1の制御ユニット3のCPU33の画像計測処理の手順を示すフローチャートである。制御ユニット3のCPU33は、新たに低倍側撮像装置26にて撮像した低倍画像の低倍画像データ、及び低倍画像と同軸で高倍側撮像装置25にて撮像した高倍画像の高倍画像データを取得する(ステップS801)。取得した両画像データは、記憶装置35に記憶される。
【0072】
CPU33は、高倍画像データが視野範囲内にて表示することが可能であるか否かを判断し(ステップS802)、CPU33が、高倍画像データが視野範囲内にて表示することが可能であると判断した場合(ステップS802:YES)、CPU33は、高倍画像データを表示装置27に表示し(ステップS803)、CPU33が、高倍画像データが視野範囲内にて表示することが不可能であると判断した場合(ステップS802:NO)、CPU33は、低倍画像データを表示装置27に表示する(ステップS804)。
【0073】
CPU33は、新たに取得した画像データと特徴画像記憶部351に記憶してある特徴画像とをマッチング処理(照合)し(ステップS805)、計測対象物20の画像の姿勢及び位置に関する情報を特定する(ステップS806)。CPU33は、相対位置記憶部352に記憶された計測位置の特徴画像に対する相対位置に関する情報に基づいて、姿勢及び位置が特定された計測対象物20の画像に対して計測位置を設定して、設定された計測位置のエッジ部分を検出する(ステップS807)。
【0074】
図9は、特徴画像と計測対象物20の画像とのマッチング処理の例示図である。図9(a)は、新たに取得した画像データの例示図であり、図9(b)は、特徴画像記憶部351に記憶されている特徴画像の例示図である。
【0075】
図9(a)に示すように、新たに計測対象物20の画像データを取得した場合、図9(b)に示す特徴画像91と一致する部分画像を取得した画像データから探索する。特徴画像91と一致する部分画像が探索された場合、該部分画像に対する矩形領域71を特定する。特徴画像記憶部351には、計測対象物20の画像に対する矩形領域71の相対位置の座標、相対的な回転角度等も記憶されており、相対位置記憶部352には、計測位置72、72、・・・、寸法線73、73、・・・の表示位置を表す、計測対象物20の画像に対する相対位置の座標、回転角度等も記憶されているので、矩形領域71が特定されることにより、計測対象物20のどの部分が計測位置であるのか正確に特定することができ、所望のエッジ部分を検出することができる。
【0076】
図8に戻って、制御ユニット3のCPU33は、検出したエッジ部分に基づいて所定の物理量を計測する(ステップS808)。計測する所定の物理量とは、長さ、直径、角度等である。CPU33は、相対位置記憶部352に記憶された寸法線の表示位置を表す、特徴画像に対する相対位置に関する情報に基づいて、計測位置を示す寸法線及び計測結果を所定の位置に表示する(ステップS809)。
【0077】
図10は、計測位置及び寸法線の表示方法を示す模式図である。図10(a)に示すように、計測位置62、62、・・・について計測された所定の物理量、例えば長さ、直径、角度等は、特定された計測対象物20の画像の姿勢及び位置、並びに相対位置記憶部352に記憶された特徴画像に対する寸法線63、63、・・・を表示する相対位置に関する情報に基づいて、所定の位置に計測結果64として表示される。
【0078】
なお、計測位置62及び寸法線63の表示位置は、特徴画像との相対位置として記憶していることから、例えば図10(b)に示すように計測対象物20が任意の位置にてステージ21上の載置された場合であっても、特定された計測対象物20の姿勢及び位置に対応して計測位置62及び寸法線63の表示位置を移動及び回転させ、図10(c)に示すように見やすい位置に計測結果64を表示することができる。したがって、使用者が適当に計測対象物20をステージ21上に載置した場合であっても、計測位置62及び寸法線63を計測対象物20の画像の姿勢及び位置に合わせて移動及び回転させて表示することができ、記憶した計測位置62にて計測した計測結果64を見やすい位置に表示することができる。
【0079】
また、相対位置記憶部352に、特徴画像に対する計測結果64を表示する相対位置に関する情報も記憶しておき、制御ユニット3のCPU33が、特定された計測対象物20の画像の姿勢及び位置、並びに特徴画像に対する計測結果64を表示する相対位置に関する情報に基づいて、計測結果64を所定の位置に表示しても良い。これにより、計測対象物20の画像の姿勢及び位置に応じて計測結果64の表示位置を変更することができる。
【0080】
このように、寸法線63及び計測結果64の表示位置が自動的に特定される場合、計測対象物20の載置方法によっては、計測結果64が表示範囲外にはみ出すおそれがある。表示範囲外にはみ出した場合、使用者は計測結果64を知ることができず、目視で確認することができない。
【0081】
そこで、本実施の形態1では、寸法線63及び/又は計測結果64を表示する位置の変更を受け付けることにより、寸法線63及び/又は計測結果64を表示範囲内へ移動させて表示するので、使用者が目視で確認することができるようになる。もちろん、CPU33が、計測結果64が表示範囲外にて表示されている部分が存在するか否かを判断し、表示範囲外にて表示されている部分が存在すると判断した場合、CPU33が、計測結果64の表示位置を表示範囲内へ移動させて表示するようにしても良い。図11は、計測結果64が表示範囲外へはみ出した場合の寸法線63及び/又は計測結果64の表示位置を変更する方法を説明する模式図である。
【0082】
図11(a)に示すように計測対象物20が表示画面上の上方に位置するように載置された場合、計測対象物20の上辺の長さを示す寸法線63及び計測結果64は、視野範囲61外の領域81にて表示され、使用者が目視で確認することができない。そこで、CPU33は、視野範囲61外にて寸法線63及び計測結果64を表示する領域81が存在するか否かを判断し、存在すると判断した場合には、図11(b)に示すように、寸法線63の高さを減少させ、計測結果64が視野範囲61内に収まるように表示位置を変更する。もちろん、使用者がマウス32等のドラッグ操作等により明示的に移動しても良い。
【0083】
また、計測対象物20のステージ21上の載置方法によっては、計測結果64が上下反転して表示され、計測結果64として表示された計測値が読みにくくなる場合も生じうる。そこで、本実施の形態1では、計測結果64の表示位置の傾斜角度を検出し、検出した傾斜角度が所定角度以上である場合には、計測結果64を上下反転して表示することにより、使用者にとって常に確認し易い計測値として計測結果64を表示することができるようにした。図12は、計測結果64を上下反転して表示する場合の表示位置を変更する方法を説明する模式図である。
【0084】
図12(a)に示すように、例えば計測対象物20の画像が、記憶した計測対象物20の特徴画像に対して、画面に向かって時計回り又は反時計回りに90度以上回転した場合、計測結果64の数値は上下逆に表示されることから、使用者にとっては確認しづらい表示態様となる。そこで、CPU33が、計測対象物20の画像が、画面に向かって時計回り又は反時計回りに90度以上回転していると判断した場合、図12(b)に示すように計測結果64を上下反転
して表示することにより、使用者が計測結果64を目視で確認しやすくなる。
【0085】
もちろん計測結果64を上下反転して表示することに限定されるものではなく、使用者が確認し易い表示態様で計測結果64を表示することができさえすれば良い。例えば図12(c)に示すように、計測結果64を上下反転するのではなく、画面の横方向に整列して表示しても良い。
【0086】
さらに、計測対象物20の画像自体も回転させて、計測結果64を表示しても良い。すなわち図12(d)に示すように、計測対象物20の画像と寸法線63及び計測結果64を一体として相対位置関係を記憶しておき、CPU33が、計測対象物20の画像が記憶した計測対象物20の特徴画像に対して画面に向かって時計回り又は反時計回りに90度以上回転していると判断した場合、記憶してある特徴画像と同じ方向まで計測対象物20の画像、寸法線63、計測結果64を一体として回転させることにより、より確認し易い表示態様で計測結果64を表示することができる。
【0087】
その他、CPU33が、計測結果64が公差範囲内であるか否かを判定し、CPU33が、公差範囲内であると判定した計測結果64については、計測結果64の表示態様を変更しても良い。例えば表示色を変更する、強調表示する等の表示態様の変更により、公差範囲内に収まらなかった計測結果64を使用者が目視で確認することができる。なお、公差範囲内であるか否かを判定する対象となる計測結果64について計測結果64の表示態様を変更しても良いことは言うまでもない。
【0088】
以上のように本実施の形態1によれば、指定を受け付けた特徴画像と、計測位置及び該計測位置を示す寸法線の表示位置を表す、特徴画像に対する相対位置に関する情報として記憶しておくことにより、計測対象物20の画像と特徴画像とをマッチング処理して、計測対象物20の画像の姿勢及び位置、並びに計測位置62、62、・・・及び該計測位置62、62、・・・を示す寸法線63、63、・・・の表示位置を表す、計測対象物20の画像に対する相対位置として定めることができる。したがって、計測対象物20の画像の姿勢、位置等に左右されず、計測結果64、64、・・・が計測対象物20のどの部分の計測値であるのかを使用者が目視で確認することができる。
【0089】
(実施の形態2) 本発明の実施の形態2に係る画像計測装置1の構成は、実施の形態1と同様であることから、同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。本実施の形態2は、表示された計測位置を示す寸法線及び計測結果の表示位置に関する情報を、計測対象物20の画像の姿勢及び位置に対応付けて記憶しておき、計測対象物20の画像を、表示した寸法線、計測結果、計測の基礎となった計測位置に応じて表示する点で実施の形態1とは相違する。
【0090】
図13は、本発明の実施の形態2に係る画像計測装置1の制御ユニット3の構成を示すブロック図である。図13に示すように本実施の形態2に係る画像計測装置1の制御ユニット3のハードウェア構成も、実施の形態1と同様であることから、同一の符号を付することにより、詳細な説明は省略する。
【0091】
記憶装置35は、特徴画像記憶部351、相対位置記憶部352に加えて、計測結果表示位置記憶部353を備えている。計測結果表示位置記憶部353は、計測対象物20の画像の姿勢、位置、計測位置及び寸法線の表示位置を表す、計測対象物20の画像に対する相対位置に関する情報を記憶する。記憶した相対位置に関する情報に基づいて、計測対象物20の画像の姿勢及び位置に関する情報が特定された時点で、対応する計測位置及び寸法線を表示する相対位置が定まる。もちろん計測結果を表示する位置についても相対位置に関する情報を記憶しても良い。
【0092】
図14は、本発明の実施の形態2に係る画像計測装置1の制御ユニット3の機能を示す機能ブロック図である。図14において、画像データ取得部331は、低倍側撮像装置26にて撮像した低倍画像の低倍画像データ、及び低倍画像と同軸で高倍側撮像装置25にて撮像した高倍画像の高倍画像データを取得する。取得した両画像データは、記憶装置35の特徴画像記憶部351に記憶される。
【0093】
表示部332は、取得した低倍画像データ又は高倍画像データを表示装置27に表示し、特徴画像指定受付部333は、表示装置27に表示されている計測対象物20の画像に対して、特徴的な部分を示す画像と考えられる部分画像の領域指定を受け付ける。領域指定の受付方法は特に限定されるものではなく、例えばマウス32等のドラッグ操作等により、特徴的な部分を示す画像と考えられる部分画像を含む矩形領域の指定を受け付け、指定を受け付けた矩形領域内に含まれる部分画像は、計測対象物20の特徴画像として記憶装置35の特徴画像記憶部351に記憶される。
【0094】
計測位置指定受付部334は、表示装置27に表示されている計測対象物20の画像に対して、計測位置の指定を受け付ける。計測位置の指定の受付方法は特に限定されるものではなく、例えばマウス32等のドラッグ操作等によりエッジ部分近傍の領域指定を受け付ける。なお、公差の適正範囲の指定を受け付ける公差指定受付部346を備えても良い。公差の適正範囲の指定の受付方法は特に限定されるものではなく、例えば設定画面からキーボード31等の打鍵により指定を受け付けても良い。
【0095】
姿勢/位置特定部335は、取得した計測対象物20の画像データと特徴画像記憶部351に記憶してある特徴画像とをマッチング処理(照合)して、計測対象物20の画像の姿勢及び位置に関する情報を特定する。エッジ部分検出部336は、相対位置記憶部352に記憶された特徴画像に対する計測位置の相対位置に関する情報に基づいて、姿勢及び位置が特定された計測対象物20の画像に対して計測位置を設定して、設定された計測位置のエッジ部分を検出し、計測部337は、特定された計測対象物20の画像の姿勢及び位置に関する情報、及び検出されたエッジ部分に基づいて、所定の物理量を計測する。
【0096】
計測結果表示部338は、相対位置記憶部352に記憶された計測位置及び寸法線の表示位置を表す、特徴画像に対する相対位置に関する情報に基づいて、計測位置を示す寸法線及び計測結果を所定の位置に表示する。そして、表示されている計測対象物20の特徴画像に対応付けて、寸法線、計測結果の表示位置を表す、計測対象物20に対する相対位置に関する情報を計測結果表示位置記憶部353に記憶する。
【0097】
図15は、本発明の実施の形態2に係る画像計測装置1の制御ユニット3のCPU33の画像計測処理の手順を示すフローチャートである。制御ユニット3のCPU33は、相対位置記憶部352に記憶された寸法線の表示位置を表す、特徴画像に対する相対位置に関する情報に基づいて、計測位置を示す寸法線及び計測結果を所定の位置に表示し(図8のステップS809)、表示した寸法線、計測結果及び該計測対象物20の画像の表示位置を、計測位置及び寸法線の表示位置を表す、計測対象物20の画像に対する相対位置に関する情報として計測結果表示位置記憶部353に記憶する(ステップS1501)。
【0098】
CPU33は、新たに低倍側撮像装置26にて撮像した低倍画像の低倍画像データ、及び低倍画像と同軸で高倍側撮像装置25にて撮像した高倍画像の高倍画像データを取得する(ステップS1502)。取得した両画像データは、記憶装置35の特徴画像記憶部351に記憶される。
【0099】
CPU33は、高倍画像データが視野範囲内にて表示することが可能であるか否かを判断し(ステップS1503)、CPU33が、高倍画像データが視野範囲内にて表示することが可能であると判断した場合(ステップS1503:YES)、CPU33は、高倍画像データを表示装置27に表示し(ステップS1504)、CPU33が、高倍画像データが視野範囲内にて表示することが不可能であると判断した場合(ステップS1503:NO)、CPU33は、低倍画像データを表示装置27に表示する(ステップS1505)。
【0100】
CPU33は、新たに取得した画像データと特徴画像記憶部351に記憶してある特徴画像とをマッチング処理(照合)し(ステップS1506)、計測対象物20の画像の姿勢及び位置に関する情報を特定する(ステップS1507)。CPU33は、相対位置記憶部352に記憶された計測位置の特徴画像に対する相対位置に関する情報に基づいて、姿勢及び位置が特定された計測対象物20の画像に対して計測位置を設定して、設定された計測位置のエッジ部分を検出する(ステップS1508)。
【0101】
CPU33は、検出したエッジ部分に基づいて所定の物理量を計測する(ステップS1509)。計測する所定の物理量とは、長さ、直径、角度等である。CPU33は、計測結果表示位置記憶部353に記憶された計測位置及び寸法線の表示位置を表す、計測対象物20の画像に対する相対位置に関する情報に基づいて、計測位置を示す寸法線、計測結果及び計測対象物20の画像を所定の位置に表示する(ステップS1510)。
【0102】
図16は、寸法線及び計測結果の表示方法を示す模式図である。図16(a)に示すように、計測された所定の物理量、例えば長さ、角度、直径等は、計測対象物20の画像の姿勢及び位置、並びに相対位置記憶部352に記憶した、計測対象物20の画像に対する計測位置(計測領域)62及び寸法線63を表示する相対位置に関する情報に基づいて、所定の位置に計測結果64として表示される。
【0103】
次に、表示してある寸法線63、計測位置62、好ましくは計測結果64の表示位置65を計測対象物20の画像との相対位置として記憶する。例えば図16(b)に示すように、図16(a)から計測対象物20を除き、計測結果64の表示を除いた画面イメージとして、計測結果表示位置記憶部353に記憶する。
【0104】
そして、図16(c)に示すように、計測対象物20が任意の位置にてステージ21上に載置された場合、計測対象物20の姿勢及び位置を特定して、対応する特徴画像及び特徴画像に対応する寸法線63、計測位置62、好ましくは計測結果64の表示位置65に合わせて、計測対象物20の画像自体を移動及び回転して表示させる。すなわち、図16(d)に示すように、特徴画像に計測対象物20の画像を重ね合わせるように計測対象物20の画像を移動及び回転させ、記憶した計測位置62にてエッジ部分を自動検出して所定の物理量を自動計測して、計測結果64として表示位置65に表示する。
【0105】
以上のように本実施の形態2によれば、計測対象物20がどのような角度でステージ21上に載置された場合であっても、計測結果表示位置記憶部353に記憶した計測位置及び寸法線の表示位置を表す、計測対象物20の画像に対する相対位置に関する情報に基づいて計測対象物20の画像を回転させ、計測された計測結果を所定の位置に表示することができる。また、同じ計測対象物20については、新たに計測位置の指定を受け付けることなく、必要な物理量を自動的に計測することも可能となる。
【0106】
なお、本発明は上記実施の形態1及び2に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変形、置換等が可能であることは言うまでもない。例えば、画像計測装置1が、本体部分2と外部コンピュータとで構成されており、本体部分2にて撮像して取得された画像データを外部コンピュータにて演算処理して、所望の形状の寸法等を計測しても良い。また、制御ユニット3を本体部分2に内蔵しても良いことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0107】
1 画像計測装置 2 本体部分 3 制御ユニット 20 計測対象物 21 ステージ 25 高倍側撮像装置 26 低倍側撮像装置 27 表示装置 31 キーボード 32 マウス 33 CPU 34 RAM 35 記憶装置 36 通信装置 37 内部バス 351 特徴画像記憶部 352 相対位置記憶部 353 計測
結果表示位置記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象物を載置するステージと対向して、計測対象物の画像を取得する撮像手段が配置してある画像計測装置において、
前記撮像手段で取得した前記計測対象物の画像を表示する表示手段と、
表示された画像上で、計測対象物の計測位置の指定を受け付ける計測位置指定受付手段と、
前記計測位置指定受付手段で指定を受け付けた計測位置の計測結果に対する公差の指定を受け付ける公差指定受付手段と、
前記計測位置指定受付手段で指定を受け付けた計測位置及び該計測位置を示す寸法線を表示する表示位置を表す、前記計測対象物に対する相対位置に関する情報とを記憶する相対位置記憶手段と、
前記撮像手段により新たに取得された計測対象物の画像の姿勢及び位置に関する情報を特定する姿勢/位置特定手段と、
前記相対位置記憶手段に記憶された情報に基づいて、姿勢及び位置が特定された計測対象物の画像に対して計測位置を設定し、該計測位置のエッジ部分を検出するエッジ部分検出手段と、
検出したエッジ部分に基づいて所定の物理量を計測する計測手段と、
前記計測手段により計測された計測結果が前記公差指定受付手段で指定された公差範囲内であるか否かを判定する計測結果判定手段と、
前記相対位置記憶手段に記憶された寸法線の表示位置を表す情報に基づいて、計測位置を示す寸法線及び計測結果を所定の位置に表示するとともに、前記計測結果判定手段による判定にて、前記計測結果が公差範囲内であると判定された計測結果を、公差範囲外と判定された計測結果とは異なる表示態様で表示する計測結果表示手段と
を備えることを特徴とする画像計測装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記ステージと対向して配置された撮像手段の前方に取り付けられており、
前記ステージの下方に、前記画像計測装置を操作するための操作部が設けられ、
前記撮像部及び表示手段とを備える上部と、前記ステージ及び操作部とを備える下部とがアーム部により接続されていることを特徴とする請求項1に記載の画像計測装置。
【請求項3】
前記撮像手段は、
前記計測対象物からの光を二方向に分岐するビームスプリッタと、
該ビームスプリッタにより分岐された二方向の光の内、一方の光を撮像素子に結像させる低倍側結像レンズと、
他方の光を撮像素子に結像させる高倍側結像レンズとを備え、
高倍画像データと低倍画像データをと同時に取得可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像計測装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記高倍画像データと低倍画像データを切り替えて1つの画面上に表示する表示モードと、2つの画面上に同時に表示する表示モードとを備えることを特徴とする請求項3に記載の画像計測装置。
【請求項5】
前記高倍側結像レンズは、前記表示手段の後方に延びる水平方向に光軸が配置され、
前記低倍側結像レンズは、前記ステージと直交する方向に延びる垂直方向に光軸が配置され、
前記撮像手段は、前記ビームスプリッタにより反射された光を前記高倍側結像レンズにより撮像素子に結像させて高倍画像データを取得し、前記ビームスプリッタを透過した光を前記低倍側結像レンズにより撮像素子に結像させて低倍画像データを取得することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像計測装置。
【請求項6】
前記公差指定受付手段は、マウス等のクリック操作等により計測位置の指定を受け付け、指定を受け付けた計測位置ごとに公差の適正範囲の指定を受け付けることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−29518(P2013−29518A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−206392(P2012−206392)
【出願日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【分割の表示】特願2009−13346(P2009−13346)の分割
【原出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】