説明

省電力機能付き車載用電源制御装置

【課題】動作モードの切り替え必要時ごとのスイッチ操作を不要とし、通常モードから省電力モードへの切り替えや省電力モードから通常モードへの切り替えを確実に行う。
【解決手段】車両に搭載した機器への電源供給を制御する電源制御装置を備え、前記電源制御装置はエンジン停止時における動作モードとして、少なくともスマートキー制御手段、セキュリティ制御手段への電源供給を継続する通常モードと、前記スマートキー制御手段あるいは/およびセキュリティ制御手段への電源供給を停止する省電力モードを設け、特定した地域、特定した時間、および特定したドア閉鎖挙動であることが検知されると、前記省電力モードから前記通常モードに自動的に切り替えられる設定とされ、あるいは前記通常モードから省電力モードに自動的に切り替えられる設定とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は省電力機能付き車載用電源制御装置に関し、詳しくは、通常モードから省電力モードへの切り替えや省電力モードから通常モードへの切り替えが自動的に行われるものである。
【背景技術】
【0002】
近年、イモビライザ制御手段やスマートキー制御手段、セキュリティ制御手段などを備えた車両が増加しているが、駐車中に作動させる前記制御手段の電流消費によってバッテリ上がり等の問題が生じる場合がある。そこで、車両を長期に渡って輸送、保管する場合にバッテリ上がりを防止し、かつ特別な作業や操作をしなくてもエンジンを作動可能とするために、特開2006−37396号公報(特許文献1)では、モード切替スイッチをオン/オフすることにより、スマートキー制御手段、セキュリティ制御手段、イモビライザ制御手段のすべてを作動させる通常モードからイモビライザ制御手段のみを作動させる省電力モードに、動作モードを切り替えることが可能な車載制御装置を提案している。
【0003】
しかし、動作モードを切り替える手段は前記モード切替スイッチのオン/オフ操作のみであり、切り替え必要時ごとのスイッチ操作が煩わしいと共に、操作ミスや操作忘れ等によって動作モードの切り替えが確実に行われない場合もあり、省電力性、セキュリティ性、利便性を共に高めることが難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−37396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、動作モードの切り替え必要時ごとのスイッチ操作を不要とし、通常モードから省電力モードへの切り替えや省電力モードから通常モードへの切り替えを確実に行って省電力性、セキュリティ性、利便性を共に高めることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、車両に搭載した機器への電源供給を制御する電源制御装置を備え、
前記電源制御装置はエンジン停止時における動作モードとして、少なくともスマートキー制御手段、セキュリティ制御手段への電源供給を継続する通常モードと、前記スマートキー制御手段あるいは/およびセキュリティ制御手段への電源供給を停止する省電力モードを設け、
特定した地域、特定した時間、および特定したドア閉鎖挙動であることが検知されると、前記省電力モードから前記通常モードに自動的に切り替えられる設定とされ、あるいは前記通常モードから省電力モードに自動的に切り替えられる設定とされていることを特徴とする省電力機能付き車載用電源制御装置を提供している。
【0007】
前記のように、本発明の省電力機能付き車載用電源制御装置(以下、電源制御装置という)では、特定した地域、特定した時間、特定したドア閉鎖挙動であることを検知すると、動作モードが省電力モードから通常モードに、あるいは通常モードから省電力モードに自動的に切り替えられる設定とされている。よって、従来のような動作モードを切り替えるためのスイッチ操作を必要とすることなく、通常モードから省電力モードへの切り替えや省電力モードから通常モードへの切り替えを確実に行うことができるため、省電力性、セキュリティ性、利便性を共に高めることができる。
【0008】
例えば、基準モードは省電力モードとし、
前記特定した地域は危険地域であり、該特定した地域はカーナビゲーションの地図上で乗員が予め指定した地域、乗員の所在地で指定した地域、およびデータ管理センターが指定した地域であり、前記特定した地域では前記省電力モードを通常モードに自動的に切り替えて、前記スマートキー制御手段およびセキュリティ制御手段へ電源を供給している。
【0009】
前記構成によれば、例えば、乗員が予めカーナビゲーションの地図上で所定地域を危険地域として指定し、電源制御装置側に設けた記憶装置に前記指定した危険地域を記憶させておくことで、前記電源制御装置がナビゲーション制御装置からの情報に基づき車両が前記記憶装置に記憶された危険地域に入ったと判断すれば、イグニッション電源OFF後、動作モードを省電力モードから通常モードに切り替えてスマートキー制御手段およびセキュリティ制御手段に電源供給させることが可能となる。これにより、予め指定した危険地域に車両が入ると、エンジン停止後に動作モードが通常モードに自動的に切り替わるため、セキュリティ性や利便性が高められる。また、危険地域以外では省電力モードとしているため、省電力化も促進することができる。
【0010】
また、前記構成によれば、例えば、乗員が行った場所でその地域が危険と判断した場合には、カーナビゲーション地図上での現在位置(乗員の所在地)を危険地域として指定し、電源制御装置側の記憶装置に前記指定した危険地域を記憶させておくことも可能である。これにより、次回その場所に行った際には、電源制御装置がナビゲーション制御装置からの情報に基づき車両が前記記憶装置に記憶された危険地域に入ったと判断して、エンジン停止後に動作モードを省電力モードから通常モードに自動的に切り替えることができる。このように、行った場所毎で危険地域のデータを蓄積させていくことで、セキュリティ性を一層高めることができ、利便性も高められる。
【0011】
さらに、前記構成によれば、例えば、データ管理センターが指定した危険地域(盗難多発地域や人通りの多い地域等)の情報をナビゲーション制御装置が取得してカーナビゲーションの地図上に前記取得した危険地域を登録すると共に、電源制御装置側の記憶装置にも前記危険地域を記憶させておくことで、前記電源制御装置がナビゲーション制御装置からの情報に基づき車両が前記記憶装置に記憶された危険地域に入ったと判断すれば、イグニッション電源OFF後、動作モードを省電力モードから通常モードに切り替えてスマートキー制御手段およびセキュリティ制御手段に電源供給させることが可能となる。これにより、データ管理センターが指定した危険地域に車両が入ると、エンジン停止後に動作モードが通常モードに自動的に切り替わるため、セキュリティ性や利便性が高められる。
【0012】
なお、基準モードを通常モードとし、前記特定した地域をカーナビゲーションの地図上で乗員が予め指定した安全地域、乗員の所在地で指定した安全地域とし、前記特定した地域では前記通常モードを省電力モードに切り替えて、前記スマートキー制御手段およびセキュリティ制御手段への電源供給を停止させるようにしてもよい。これにより、指定した安全地域に車両が入ると、エンジン停止後に動作モードが省電力モードに自動的に切り替わるため、省電力性と利便性を両立させることができる。また、安全地域外での動作モードは通常モードとしているため、セキュリティ性も維持される。
【0013】
また、基準モードは通常モードとし、
前記特定した時間が夜間であり、あるいは前記特定したドア閉鎖挙動がキーをキーシリンダに直接差し込む挙動であり、
前記特定した時間あるいは特定したドア閉鎖挙動時に前記通常モードを省電力モードに自動的に切り替えて、前記スマートキー制御手段への電源供給を停止している。
【0014】
前記構成によれば、例えば、車を使用しない夜間(例えば22時〜翌朝5時)を前記特定した時間として前記電源制御装置に登録しておくことで、前記電源制御装置がナビゲーション制御装置からの時間情報に基づき現在の時刻が前記特定した時間内にあると判断すれば、イグニッション電源OFF後、動作モードを通常モードから省電力モードに切り替えてスマートキー制御手段への電源供給を停止させることが可能となる。これにより、特定した時間内では、エンジン停止後に動作モードが省電力モードに自動的に切り替わるため、省電力性と利便性を両立させることができる。また、省電力モードといってもセキュリティ制御手段への電源供給は停止させないのでセキュリティ性も維持することができる。
【0015】
また、前記構成によれば、例えば、キーシリンダに直接鍵を差し込む挙動を前記特定したドア閉鎖挙動として前記電源制御装置に登録しておくことで、キーシリンダに直接鍵が差し込まれキーシリンダスイッチのONを前記電源制御装置が検知した場合には、イグニッション電源OFF後、動作モードを通常モードから省電力モードに切り替えてスマートキー制御手段への電源供給を停止させることが可能となる。これにより、乗員は帰宅後などにキーシリンダに直接鍵を差し込む挙動を行うだけで動作モードが省電力モードに自動的に切り替わるため、省電力性と利便性を両立させることができる。なお、特定したドア閉鎖挙動は前記キーシリンダに直接鍵を差し込む挙動に限られるものではなく、ドアノブを上げながらドアを閉める等の挙動を特定したドア閉鎖挙動としてもよい。
【発明の効果】
【0016】
前述したように、本発明の省電力機能付き車載用電源制御装置では、特定した地域、特定した時間、特定したドア閉鎖挙動であることを検知すると、動作モードが省電力モードから通常モードに、あるいは通常モードから省電力モードに自動的に切り替えられる設定とされているため、従来のような動作モードを切り替えるためのスイッチ操作を必要とすることなく、通常モードから省電力モードへの切り替えや省電力モードから通常モードへの切り替えを確実に行うことができる。よって、省電力性、セキュリティ性、利便性を共に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態の電源制御装置のブロック図である。
【図2】第1実施形態において乗員がカーナビゲーションの地図上で所定地域を危険地域として指定している概略図である。
【図3】第1実施形態での電源制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態において乗員がカーナビゲーションの地図上での現在位置を危険地域として指定している概略図である。
【図5】第3実施形態の電源制御装置のブロック図である。
【図6】第4実施形態での電源制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】第5実施形態の電源制御装置のブロック図である。
【図8】第5実施形態での電源制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】第6実施形態の電源制御装置のブロック図である。
【図10】第6実施形態での電源制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は第1実施形態を示している。本実施形態の省電力機能付き車載用電源制御装置10(以下、電源制御装置10という)は車両に搭載した機器への電源供給を制御するものであり、図1に示すように、電源制御装置10はリレー10a、CPU10b、送受信部10c、メモリ10dを備えている。電源制御装置10のリレー10aは、バッテリ12と機器であるスマートキー制御手段13、セキュリティ制御手段14との間に介在させており、スマートキー制御手段13にはスマートセンサ15を接続し、前記セキュリティ制御手段14にはセキュリティセンサ16を接続している。リレー10aがCPU10bからの信号を受けてバッテリ12とスマートキー制御手段13、セキュリティ制御手段14との接続、遮断を行うことによって、スマートキー制御手段13、セキュリティ制御手段14への電源供給/電源供給停止を可能にしている。また、電源制御装置10のCPU10bは記憶装置11と接続していると共に、送受信部10cを介してナビゲーション制御装置17と接続している。
なお、スマートキー制御手段13は、乗員が携帯する携帯機が所定の検知範囲内に存在したことをスマートセンサ15が検知するとドアの開錠を行い、セキュリティ制御手段14は、車内への侵入等をセキュリティセンサ16が検知すると警報音等により異常発生を知らせるものである。
【0019】
また、CPU(図示せず)、送受信部(図示せず)を備えたナビゲーション制御装置17を、イグニッションスイッチ23を介してバッテリ12と接続していると共に、タッチパネル18、表示装置19、GPSアンテナ20、地図CD−ROM21、記憶装置22と接続してカーナビゲーションシステムを形成している。なお、ナビゲーション制御装置17はイグニッション電源で駆動している一方、電源制御装置10は常時電源で駆動している。
【0020】
第1実施形態では、エンジン停止時においてスマートキー制御手段13およびセキュリティ制御手段14への電源供給を停止する省電力モードを基準モードとしている。また、
図2に示すように、危険と判断される所定地域Aを乗員がタッチパネル18搭載の表示装置19に表示された地図上で危険地域として予め指定することで、該所定地域Aを危険地域として電源制御装置10側の記憶装置11に記憶させている。
なお、図示しないがイモビライザ制御手段は、通常モード、省電力モードに関わらず電源供給されるようにしている。
【0021】
以下、電源制御装置10の動作を図3のフローチャートに基づき説明する。まず、電源制御装置10のCPU10bがナビゲーション制御装置17のCPUと通信しナビゲーション制御装置17がGPS30から取得した車両の現在位置情報を取得する(ステップ1)。続いて、車両が記憶装置11に記憶された危険地域内に入ったか否かを判断する(ステップ2)。危険地域内に入ったと判断された場合(YES)には、イグニッションスイッチ23がOFFになっているか否かを判断し(ステップ3)、イグニッションスイッチ23がOFFと判断された場合(YES)には、CPU10bは通常モードに移行する指令、即ち、スマートキー制御手段13およびセキュリティ制御手段14に電源供給を行う指令をリレー10aに出す(ステップ4)。一方、車両が危険地域内に入っていると判断されない場合(NO)や、イグニッションスイッチ23がOFFと判断されない場合(NO)には省電力モードが維持され(ステップ5)、ステップ1に戻る。
【0022】
これにより、予め指定した危険地域に車両が入ると、乗員は何ら操作しなくてもエンジン停止後に動作モードが通常モードに自動的に切り替わるため、セキュリティ性や利便性が高められる。また、危険地域以外では省電力モードとしているため、省電力化も促進することができる。
【0023】
図4は第2実施形態を示している。第2実施形態では、乗員が行った場所でその地域が危険と判断した場合には、図4に示すように、乗員がタッチパネル18搭載の表示装置19に表示された地図上での現在位置B(乗員の所在地)を危険地域として指定しておくことで、該危険地域を電源制御装置10側の記憶装置11に記憶させている。この点以外は第1実施形態と同様としている。
【0024】
前記構成とすることにより、次回、前記場所Bに行った際には、電源制御装置10のCPU10bがナビゲーション制御装置17からの位置情報に基づき車両が記憶装置11に記憶された危険地域に入ったと判断し、乗員は何ら操作しなくてもエンジン停止後に動作モードを省電力モードから通常モードに自動的に切り替えることができる。このように、行った場所毎で危険地域のデータを蓄積させていくことで、セキュリティ性を一層高めることができ、利便性も高められる。
【0025】
図5は第3実施形態を示している。第3実施形態では、図5に示すように、データ管理センター40が指定した危険地域(盗難多発地域や人通りの多い地域等)の情報をナビゲーション制御装置17がデータ通信アンテナ24を介して取得し、カーナビゲーションの地図上に前記取得した危険地域を登録すると共に、電源制御装置10側の記憶装置11にも前記危険地域を記憶させている。この点以外は第1実施形態と同様としている。
【0026】
前記構成によれば、電源制御装置10がナビゲーション制御装置17からの位置情報に基づき車両が記憶装置11に記憶された危険地域に入ったと判断すれば、イグニッション電源OFF後、動作モードを省電力モードから通常モードに切り替えてスマートキー制御手段13およびセキュリティ制御手段14に電源供給させることが可能となる。これにより、データ管理センター40が指定した危険地域に車両が入ると、乗員は何ら操作しなくてもエンジン停止後に動作モードが通常モードに自動的に切り替わるため、セキュリティ性や利便性が高められる。
【0027】
なお、前記第1〜第3実施形態では基準モードを省電力モードとし、危険地域では通常モードに切り替えているが、この構成に限定されるものではない。例えば、基準モードを通常モードとし、カーナビゲーションの地図上で乗員が予め安全地域を指定したり、現在位置で安全地域を指定したりすることで、前記指定した安全地域ではエンジン停止時に通常モードを省電力モードに切り替えて、前記スマートキー制御手段およびセキュリティ制御手段への電源供給を停止させるようにしてもよい。
【0028】
図6は第4実施形態を示している。第4実施形態では、エンジン停止時においてスマートキー制御手段13およびセキュリティ制御手段14への電源供給を継続する通常モードを基準モードとしている。また、車を使用しない夜間(例えば22時〜翌朝5時)を、スマートキー制御手段13への電流供給を停止する特定した時間として電源制御装置10のメモリ10dに登録しておく。前記した点以外は第1実施形態と同様としている。
【0029】
以下、第4実施形態での電源制限装置10の動作を図6のフローチャートに基づき説明する。まず、電源制御装置10のCPU10bがナビゲーション制御装置17のCPUから現在時刻の情報を取得する(ステップ10)。続いて、現在時刻が特定した時間か否かを判断する(ステップ11)。特定した時間であると判断された場合(YES)には、イグニッションスイッチ23がOFFになっているか否かを判断し(ステップ12)、イグニッションスイッチ23がOFFと判断された場合(YES)には、CPU10bは省電力モードに移行する指令、即ち、スマートキー制御手段13への電流供給を停止する指令をリレー10aに出す(ステップ13)。一方、特定した時間であると判断されない場合(NO)や、イグニッションスイッチ23がOFFと判断されない場合(NO)には通常モードが維持され(ステップ14)、ステップ10に戻る。
【0030】
前記構成によれば、特定した時間内では、乗員は何ら操作しなくてもエンジン停止後に動作モードが省電力モードに自動的に切り替わるため、省電力性と利便性を両立させることができる。また、省電力モードといってもセキュリティ制御手段への電源供給は停止させないのでセキュリティ性も維持することができる。
【0031】
図7および図8は第5実施形態を示している。第5実施形態では、キーシリンダに直接鍵を差し込む挙動を、スマートキー制御手段13への電流供給を停止する特定したドア閉鎖挙動として電源制御装置10のメモリ10dに登録しておく。この点以外は第4実施形態と同様としている。第5実施形態では、図7に示すように、電源制御装置10のCPU10bを入出力部10eを介してキーシリンダスイッチ25と接続している。
【0032】
以下、第5実施形態での電源制御装置10の動作を図8のフローチャートに基づき説明する。まず、電源制御装置10のCPU10bがキーシリンダスイッチ25の状態を取得する(ステップ20)。続いて、キーをキーシリンダに差し込んで施錠したか否か(キーシリンダスイッチ25がONか否か)を判断する(ステップ21)。キーシリンダに差し込んで施錠したと判断された場合(YES)には、イグニッションスイッチがOFFになっているか否かを判断し(ステップ22)、イグニッションスイッチがOFFと判断された場合(YES)には、CPU10bは省電力モードに移行する指令、即ち、スマートキー制御手段13への電流供給を停止する指令をリレー10aに出す(ステップ23)。一方、キーをキーシリンダに差し込んで施錠したと判断されない場合(NO)や、イグニッションスイッチがOFFと判断されない場合(NO)には通常モードが維持され(ステップ24)、ステップ20に戻る。
【0033】
前記構成によれば、乗員は帰宅後などにキーシリンダに直接鍵を差し込んでドアを施錠するだけで動作モードが省電力モードに自動的に切り替わるため、省電力性と利便性を両立させることができる。
【0034】
図9および図10は第6実施形態を示している。第6実施形態では、ドアノブを上げながらドアを閉める挙動を、スマートキー制御手段13およびセキュリティ制御手段14への電流供給を停止する特定したドア閉鎖挙動とする点以外は第5実施形態と同様としている。第6実施形態では、図9に示すように、電源制御装置10のCPU10bを入出力部10eを介してドアスイッチ26およびロックポジションスイッチ27と接続している。
【0035】
以下、第6実施形態での電源制御装置10の動作を図10のフローチャートに基づき説明する。まず、電源制御装置10のCPU10bがドアスイッチ26の状態を取得する(ステップ30)と共にロックポジションスイッチ27の状態を取得する(ステップ31)。続いて、ドアノブを上げながらドアを閉めたか否か(ドアスイッチ26およびロックポジションスイッチ27がONか否か)を判断する(ステップ32)。ドアノブを上げながらドアを閉めたと判断された場合(YES)には、イグニッションスイッチがOFFになっているか否かを判断し(ステップ33)、イグニッションスイッチがOFFと判断された場合(YES)には、CPU10bは省電力モードに移行する指令、即ち、スマートキー制御手段13およびセキュリティ制御手段14への電流供給を停止する指令をリレー10aに出す(ステップ34)。一方、ドアノブを上げながらドアを閉めたと判断されない場合(NO)や、イグニッションスイッチがOFFと判断されない場合(NO)には通常モードが維持され(ステップ35)、ステップ30に戻る。
【0036】
前記構成によれば、乗員は帰宅後などにドアノブを上げながらドアを閉める挙動を行うだけで動作モードが省電力モードに自動的に切り替わるため、省電力性と利便性を両立させることができる。
【符号の説明】
【0037】
10 電源制御装置
11 記憶装置
12 バッテリ
13 スマートキー制御手段
14 セキュリティ制御手段
17 ナビゲーション制御装置
18 タッチパネル
19 表示装置
20 GPSアンテナ
23 イグニッションスイッチ
24 データ通信アンテナ
25 キーシリンダスイッチ
26 ドアスイッチ
27 ロックポジションスイッチ
40 データ管理センター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載した機器への電源供給を制御する電源制御装置を備え、
前記電源制御装置はエンジン停止時における動作モードとして、少なくともスマートキー制御手段、セキュリティ制御手段への電源供給を継続する通常モードと、前記スマートキー制御手段あるいは/およびセキュリティ制御手段への電源供給を停止する省電力モードを設け、
特定した地域、特定した時間、および特定したドア閉鎖挙動であることが検知されると、前記省電力モードから前記通常モードに自動的に切り替えられる設定とされ、あるいは前記通常モードから省電力モードに自動的に切り替えられる設定とされていることを特徴とする省電力機能付き車載用電源制御装置。
【請求項2】
基準モードは省電力モードとし、
前記特定した地域は危険地域であり、該特定した地域はカーナビゲーションの地図上で乗員が予め指定した地域、乗員の所在地で指定した地域、およびデータ管理センターが指定した地域であり、前記特定した地域では前記省電力モードを通常モードに自動的に切り替えて、前記スマートキー制御手段およびセキュリティ制御手段へ電源を供給している請求項1に記載の省電力機能付き車載用電源制御装置。
【請求項3】
基準モードは通常モードとし、
前記特定した時間が夜間であり、あるいは前記特定したドア閉鎖挙動がキーをキーシリンダに直接差し込む挙動であり、
前記特定した時間あるいは特定したドア閉鎖挙動時に前記通常モードを省電力モードに自動的に切り替えて、前記スマートキー制御手段への電源供給を停止している請求項1に記載の省電力機能付き車載用電源制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−179263(P2011−179263A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45890(P2010−45890)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】