説明

積層型デカップリングキャパシタを有する半導体装置

【課題】積層型デカップリングキャパシタを有する半導体装置を提供することにある。
【解決手段】互いに異なった層に形成されたトランジスタを有する半導体装置において、前記記トランジスタを積層して製造する場合に使用される絶縁膜と前記絶縁膜を境界にして上下部層に存在する導電層を用いて形成され、第1,2ライン間に互いに並列連結されたデカップリングキャパシタからなる積層型キャパシタクラスタを複数個備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路に係るもので、特に積層型デカップリングキャパシタを有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パーソナルコンピューター及び電子通信機器などのような電子的システムの高性能化に応じて、メモリとして搭載されるSRAMなどのような半導体メモリ装置も日々に高速化且つ高集積化されている。したがって、半導体メモリ素子の製造者らは、メモリセル領域内のメモリセルを縮小された臨界寸法に合うように配置する努力だけでなく、メモリセルを動作させるために必要な周辺回路の効率的配置及び製造にも多くの努力をしている。なぜならば、メモリセル領域に隣接した周辺回路の配置技術も高集積化を決定するために重要な要因として作用するからである。
【0003】
通常、チップ内の周辺回路領域に配置されるデカップリングキャパシタは、パワーとグラウンドなどのようなオペレーティングサプライ間に存在する様々なノイズをフィルタリングするために使用される必須部品である。そのようなデカップリングキャパシタが周辺回路領域に配置される場合、制限された面積内でより大きいキャパシタを有することが要求される。
【0004】
本分野によく知られたように、簡単なデカップリングキャパシタはMOS形態のキャパシタである。MOSトランジスタのゲート酸化膜は誘電膜として用いられ、シリコン基板に形成された拡散不純物領域が第1電極として用いられる場合、前記ゲート酸化膜の上部に多結晶シリコンで形成されるゲート層は第2電極として用いられることができる。
【0005】
制限された面積内で一層大きいキャパシタンスを得るための試みが幾つかの先行技術で見られる。前記先行技術中の一つは2000年9月26日付でShirleyらに付与された米国特許第6,124,163号(特許文献1)に開示されている。このような特許技術は、図4に示すように、DRAMと半導体メモリ装置において具現された多層デカップリングキャパシタの構造が示されている。
【0006】
従来技術による多層デカップリングキャパシタの断面構造を示す図4を参照すると、基板層と第1,2,3ポリシリコン層が多層デカップリングキャパシタを形成するためにキャパシタの電極として使用されている。ここで、第1ポリシリコン電極はメモリセル領域内に形成されるセルトランジスタのゲート電極を堆積工程(deposition process)で製造するときに同一工程で一緒に製造されることができるが、第2ポリシリコン電極62,64,72,74と第3ポリシリコン電極60,70はメモリセル領域で行われる製造工程とは別の工程により周辺回路領域内で形成される。即ち、第2ポリシリコン電極62,64,72,74と第3ポリシリコン電極60,70は前記メモリセル領域をマスキングした状態で別の堆積工程により形成される。また、前記第2ポリシリコン電極の場合にはn+領域76,78,82とコンタクトされるためのフロー工程が必要である。そこで、半導体メモリ装置を製造するための全体工程のステップ数が増加するに従い、製品のコストが上昇するという問題があった。
【0007】
図5はMOSトランジスタの製造時に一緒に製造されるMOSキャパシタのレイアウト示している。アクティブ領域2の上部にはゲートポリシリコン領域4が形成される。ここで、アクティブ領域2はn+型またはp+型不純物がドーピングされた領域として第1電極を形成し、ゲートポリシリコン領域4はp+型またはn+型不純物がドーピングされた領域として第2電極を形成する。この場合、キャパシタの誘電膜(誘電層)はアクティブ領域2が形成された基板とゲートポリシリコン領域4との間に挟まれたゲート酸化膜となる。MOS形態のデカップリングキャパシタがパワーノイズを除去するために使用される場合、ゲートポリシリコン領域4はコンタクトCN1を通じて金属ライン6と電気的に連結され、アクティブ領域2はコンタクトCN2を通じて金属ライン9,10,8と連結される。金属ライン6が動作電源電圧VDDを伝達するパワーラインの場合、パワーノイズを除去しパワーの信頼性を図るために金属ライン8は接地電圧GNDを伝達するグラウンドラインとなる。
【0008】
図5に示されるデカップリングキャパシタはメモリセル領域のトランジスタを製造する際、同一の工程で周辺回路領域内で一緒に製造されるが、平面的に配置された単一キャパシタなので、デカップリングキャパシタンスが図4の場合に比べ顕著に小さく、第1,2電極間のショートの際にデカップリング作用を喪失しうるとの問題点があった。つまり、図5のMOSタイプデカップリングキャパシタは高集積半導体素子では一層小さいキャパシタンスを有する点から、その採用に制限が従う。
【0009】
半導体素子の駆動速度が速くなり、且つPCBでのリアクタンス(L成分)の値が大きくなるに従い、デカップリングキャパシタの容量値は増加されるべきであるが、チップの全体面積が漸次減っている趨勢において、限定された面積で大容量のキャパシタを具現する技術は重要である。
【0010】
最近、半導体メモリ装置の高集積化要求に応じて製造工程技術が飛躍的に発展するに従い、SRAMの場合にメモリセル領域内のメモリセルトランジスタが平面的配置から脱皮してスタック型として製造される技術が開発されている。特許文献2、3にはメモリセルトランジスタをスタックタイプに積層する製造技術が提示される。例えば、シングルスタック型メモリセルを製造する場合、メモリセルを構成する6個のMOSトランジスタのうち4個のN型MOSトランジスタ(プルダウン及びパストランジスタ)は半導体基板層に形成され、2個のP型MOSトランジスタ(負荷トランジスタ)は前記N型MOSトランジスタのゲート電極上に絶縁的に形成された他の基板層、例えば、チャンネルシリコン層で形成されることができる。
【0011】
そのようなスタック型メモリセルを有する半導体メモリでは高集積化に従う高速及び低電力動作をも伴うので、各種信号ノイズ及びパワーノイズの除去が一層要求されることにより、制限した面積で一層大きいキャパシタンスを有することができるデカップリング改善対策が切実に求められている。
【特許文献1】米国特許第6,124,163号
【特許文献2】大韓民国特許出願第2004−2080号
【特許文献3】大韓民国特許出願第2004−2088号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明の第1目的は、上述のような従来の問題点を解決することができる半導体素子を提供することにある。
【0013】
本発明の第2の目的は、メモリセル領域に隣接した周辺回路領域を一層小さい占有面積で具現できる半導体素子を提供することにある。
【0014】
本発明の第3の目的は、スタックメモリセルを採用する半導体メモリにおいて制限したサイズ内で一層効率的なキャパシタンスを有することができる半導体素子を提供することにある。
【0015】
本発明の第4の目的は、スタックメモリセルを採用する半導体素子において積層型デカップリングキャパシタを有することができる半導体素子を提供することにある。
【0016】
本発明の第5の目的は、互いに並列に連結された積層型キャパシタクラスタを複数個で有することができる半導体素子を提供することにある。
【0017】
本発明の第6の目的は、シングルスタックまたはダブルスタックメモリセルを採用する半導体メモリにおいて別の追加工程なしにデカップリングキャパシタを効率的に製造することができる方法を提供することにある。
【0018】
本発明の第7の目的は、半導体メモリのセル形成領域に隣接した周辺回路領域の配置面積を最小化または減少させることができるデカップリングキャパシタの配置構造を提供することにある。
【0019】
本発明の第8の目的は、積層型SRAMのセルを採用する半導体メモリ装置において、パワーラインまたは各種レファレンス信号ラインに含まれるノイズを効率的に除去することができる効果的なデカップリングキャパシタの積層構造及び製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
このような目的を達成するため本発明の好適な実施形態による、互いに異なった層に形成されたトランジスタを有する半導体装置は、前記トランジスタを積層構造として製造する場合に使用される絶縁膜と該絶縁膜を境界にして上下部層に存在する導電層を用いて形成され、第1,2ライン間に互いに並列連結されたデカップリングキャパシタからなる積層型キャパシタクラスタを備えることを特徴とする。
【0021】
前記積層型キャパシタクラスタの1つは少なくとも3個のデカップリングキャパシタを有し、前記第1ラインが電源電圧ラインである場合に前記第2ラインは接地電圧ラインであるか、または前記第1ラインが信号ラインである場合に前記第2ラインは接地電圧ラインであることができる。
【0022】
好ましくは、前記デカップリングキャパシタが3個である場合、第1デカップリングキャパシタはMOSトランジスタのゲート酸化膜を第1誘電膜層として形成され、第2デカップリングキャパシタは前記MOSトランジスタ上に位置した第1チャンネルシリコン層の上部に形成された第1トップゲート絶縁膜を第2誘電膜層として形成され、第3デカップリングキャパシタは前記第1トップゲート絶縁膜上に位置した第2チャンネルシリコン層の上部に形成された第2トップゲート絶縁膜を第3誘電膜層として形成されることができる。
【0023】
また、前記デカップリングキャパシタが5個である場合、第1デカップリングキャパシタはMOSトランジスタのゲート酸化膜を第1誘電膜層として形成され、第2デカップリングキャパシタは前記MOSトランジスタのゲート電極上に形成された層間絶縁膜を第2誘電膜層として形成され、第3デカップリングキャパシタは前記層間絶縁膜上に位置した第1チャンネルシリコン層の上部に形成された第1トップゲート絶縁膜を第3誘電膜層として形成され、第4デカップリングキャパシタは前記第1トップゲート絶縁膜上に位置した第1トップゲートの上部に形成された層間絶縁膜を第4誘電膜層として形成され、第5デカップリングキャパシタは前記第4誘電膜層の上部に位置した第2チャンネルシリコン層の上部に形成された第2トップゲート絶縁膜を第5誘電膜層として形成されることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、スタックメモリセルを採用する半導体メモリにおいて制限されたサイズ内で一層効率的なキャパシタンスを有する半導体素子を提供できるとの効果がある。
【0025】
また、シングルまたはダブルスタックメモリセルを採用する半導体メモリにおいて別の追加工程なしに互いに並列連結された複数の積層型キャパシタクラスタを有する半導体素子が提供されることにより、製造費用を減少させ、且つ半導体メモリのセル形成領域に隣接した周辺回路領域の配置面積を最小化または減少させることができるとの効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
上述の本発明の目的及びそのほかの目的、特徴、そして、利点は、添付図を参照して以下に記述される本発明の詳しく且つ好ましい実施形態の説明により一層明確になるだろう。図面において互いに同一ないし類似な部分は説明及び理解の便意上同一ないし類似な符号で記載されることに留意されたい。
【0027】
デザインルールが約80ナノメーター(nm)以下の設計においては、通常、フルCMOS SRAMセルを構成する6個のトランジスタは同一層に配置されずに互いに異なった層に配置されうる。SRAMセルのセルピッチがフォトリソグラフィ工程の解像度限界付近まで縮小される場合、周辺回路領域に配置されるデカップリングキャパシタもそれに従い縮小されることが求められる。しかし、デカップリングキャパシタのサイズが縮小される場合には、一般にはキャパシタンス値減少してしまうので、キャパシタンス値が大幅に減少しないようにしながらサイズだけを減少させることができるテクニックが必要とされる。
【0028】
本発明の第1実施形態では図1及び図2のようにダブルスタック型のデカップリングキャパシタの構造が提供される。
【0029】
図1は本発明の第1実施形態としての積層型デカップリングキャパシタのレイアウトを示す。図2は図1に示す積層型デカップリングキャパシタの断面図である。
【0030】
図1及び図2を参照すると、アクティブ領域30の上部にはゲートポリシリコン層42が形成され、その上部には順次第1チャンネルシリコン層45、第2チャンネルシリコン層60、及び第1金属層80が互いに絶縁されて形成される。
【0031】
ダブルスタック型メモリセルを有する半導体メモリの場合、第1チャンネルシリコン層45と第2チャンネルシリコン層60はトランジスタ形成用基板として使用される。ダブルスタック型メモリセルにおいてゲートポリシリコン層42はプルダウントランジスタのゲート電極を形成するために使用され、第1チャンネルシリコン層45の上部に形成される第1トップゲート層51は負荷トランジスタのゲート電極を形成するために使用されることができる。また、第2チャンネルシリコン層60の上部に形成される第2トップゲート層63はパストランジスタのゲート電極を形成するために使用されることができる。
【0032】
ダブルスタック型メモリセルの場合、メモリセルを形成するトランジスタが3つの層に分けて配置されるため、平面的サイズは約1/2ないし1/3倍に減る。本発明の好適な実施形態では、そのようなダブルスタック型メモリセルを製造するためにときに使用される第1,2トップゲート層と第1,2チャンネルシリコン層をデカップリングキャパシタの電極として適切に活用される。即ち、メモリセル領域と周辺回路領域との全体に1つの同一の導電層を形成した後に用途別にパターニングして、前記導電層がメモリセル領域では基板またはゲート電極として機能するようにし、周辺回路領域ではデカップリングキャパシタの電極として機能するようにする。
【0033】
図1及び図2に図示される積層型キャパシタクラスタは、半導体メモリ装置のメモリセルのトランジスタを積層構造で製造する場合に使用される絶縁膜40,50,61と該絶縁膜を境界にして上下部層に存在する導電層30,42,45,51,60,63を用いて形成され、第1,2ライン(図面ではVDD,GND)間に互いに並列連結されたデカップリングキャパシタC1,C2,C3からなる。また、図面において抵抗を減少させるためにタングステンなどのような高融点金属物質との反応により作られた金属シリサイド膜64、ハードマスク膜65、及びタングステンコンタクト66が示される。
【0034】
図面では単に1つのキャパシタクラスタを示したが、これは便意上のことで、実質的にチップの周辺回路領域内に複数のキャパシタクラスタが形成されてパワーラインだけでなく各種レファレンス信号と連結されるのが好ましい。また、前記第1ラインが電源電圧VDDラインである場合、前記第2ラインは接地電圧GNDラインとして説明されたが、例えば、前記第1ラインを半導体装置の各種信号を伝達する信号ラインに、前記第2ラインを接地電圧ラインにそれぞれ変更することができる。
【0035】
本発明で使用される用語“クラスタ”は互いに連結された2個以上のキャパシタの群を意味し、並列または直列の形態をすべて含む意味である。
【0036】
図示するように、1つのキャパシタクラスタが3個のデカップリングキャパシタを基本構成として有する場合、図2に示される第1デカップリングキャパシタC1はMOSトランジスタのゲート酸化膜40を第1誘電膜として形成される。そして、第2デカップリングキャパシタC2は前記MOSトランジスタの上部に位置した第1チャンネルシリコン層45の上部に形成された第1トップゲート絶縁膜50を第2誘電膜層として形成され、第3デカップリングキャパシタC3は第1トップゲート絶縁膜50上に位置した第2チャンネルシリコン層60の上部に形成された第2トップゲート絶縁膜61を第3誘電膜層として形成される。
【0037】
図面において、第1デカップリングキャパシタC1の第1電極(図面では下部電極)はn+型不純物がドーピングされたアクティブ領域30となり、第2電極(図面では上部電極)はp+型不純物がドーピングされたゲートポリシリコン層42となる。第2デカップリングキャパシタC2の第1電極(図面では下部電極)は第1チャンネルシリコン層45になり、第2電極(図面では上部電極)は第1トップゲート51になる。第3デカップリングキャパシタC3の第1電極(図面では下部電極)は第2チャンネルシリコン層60になり、第2電極(図面では上部電極)は第2トップゲート63になる。
【0038】
デカップリングキャパシタがパワーノイズを除去するために使用される場合、接地電圧GNDにはアクティブ領域30、第1トップゲート51、及び第2チャンネルシリコン層60が連結され、電源電圧VDDにはゲートポリシリコン層42、第1チャンネルシリコン層45、及び第2トップゲート63が連結されうる。
【0039】
ここで、第1,2トップゲート絶縁膜50,61は、例えば、TEOS、シリコンジオキシド、シリコン窒化膜、またはそれら材質のうち選択された材質の組合膜で形成されることができる。キャパシタの誘電物質として高誘電定数(高誘電率)を有する他の材質は本分野で通常の知識を有したものにとって明らかになるだろう。また、使用されたポリシリコン層は導電的にドープされ、ポリシリコン層の表面層は通常使用されるシリサイド、例えば、チタニウムシリサイド、タングステンシリサイドでシリサイド化されることができる。
【0040】
アクティブ領域30はタングステンコンタクト75を通じてメタルゼロ層71に連結され、メタルゼロ層71は接地電圧GNDに連結される。ここで、メタルゼロ層71は、例えば、タングステンなどのような材質で形成される金属ダマシン層であることができる。図1に示される第1コンタクトCO1はタングステンコンタクト75とメタルゼロ層71に連結されるメタルコンタクトをともに示したものである。微細パターンの形成に適合するように使用される金属ダマシン工程の細部は本分野で広く知られているため、ダマシン工程に対する具体的説明は省略される。
【0041】
選択的エピタキシャル成長層43の上部に形成された第1チャンネルシリコン層45は第2デカップリングキャパシタC2の下部電極として機能するためにタングステンコンタクト74を通じてメタルゼロ層72に連結され、メタルゼロ層72は電源電圧VDDに連結される。
【0042】
他の選択的エピタキシャル成長層54の上部に形成された第2チャンネルシリコン層60は第3デカップリングキャパシタC3の下部電極として機能するためにメタルコンタクト82を通じてメタルワン層(M1)80に連結され、メタルワン層80はアルミニウムなどのような材質の金属で形成され、これは接地電圧80に連結される。図1に示される第2コンタクトCO2はネストコンタクトNCとメタルコンタクトMCを共に示す。メタルコンタクトMCはメタルワン層(M1)80に連結されるコンタクトであり、ネストコンタクトNCはメタルコンタクトMCの下部に形成される他のコンタクトで、第2チャンネルシリコン層60の上部または側部と電気的に接触されるコンタクトプラグを有する。
【0043】
図2の構造は周辺回路領域及びフィールド領域であり、n型MOSキャパシタからなる第1デカップリングキャパシタC1の上部にCS1層45とTG1層52を用いて形成された第2デカップリングキャパシタC2と、CS2層60とTG2層63を電極層として用いて形成された第3デカップリングキャパシタC2が積層された構造を有し、CS1層45はVDD、TG1層52はGNDでバイアシングされ、CS2層60はGND、TG2層63はVDDでバイアシングされるため、つまり、図面上に図示された3個のキャパシタが互いに並列に連結されたものと同一な等価回路として表れる。
【0044】
そこで、ダブルスタックメモリセルを採用する半導体メモリにおいて別の追加工程なしに互いに並列に連結された3個のデカップリングキャパシタがメモリセルの製造とともに効率的に製造され、デカップリングキャパシタが形成される周辺回路領域の配置面積が平面的に最小化される。
【0045】
図3は本発明の他の実施形態としての積層型デカップリングキャパシタの断面構造図であって、一層大きい容量のキャパシタクラスタを得るために、図2の場合に比べて2つのデカップリングキャパシタが追加形成された構造を示す。図3においても、図2のようにダブルスタックメモリセルを採用する半導体メモリの場合であるが、図2とは異なってMOS層の第1層にp型MOSトランジスタが形成される。
【0046】
図3を参照すると、5つのデカップリングキャパシタC1−C5が電源電圧VDDと接地電圧VSSとの間に連結されたスタック構造が図示される。
【0047】
最下部層のデカップリングキャパシタC1はPMOSキャパシタで構成され、CS1(45)、TG1(52)、CS2(60)、T2(63)のバイアスが図2とは異なって提供される。
【0048】
図3において、第1デカップリングキャパシタC1はMOSトランジスタのゲート酸化膜40を第1誘電膜層として形成され、第2デカップリングキャパシタC2は前記MOSトランジスタのゲート電極42上に形成された層間絶縁膜44を第2誘電膜層として形成され、第3デカップリングキャパシタC3は層間絶縁膜44上に位置した第1チャンネルシリコン層45の上部に形成された第1トップゲート絶縁膜50を第3誘電膜層として形成され、第4デカップリングキャパシタC4は第1トップゲート絶縁膜50上に位置した第1トップゲート52の上部に形成された層間絶縁膜56を第4誘電膜層として形成され、第5デカップリングキャパシタC5は第4誘電膜層上に位置した第2チャンネルシリコン層60の上部に形成された第2トップゲート絶縁膜61を第5誘電膜層として形成される。
【0049】
ここで、アクティブ領域31はVDD、ゲートポリシリコン層42はGND、CS1(45)はVDD、TG1(52)はGNDでバイアシングされ、CS2(60)はVDD、TG2(63)はGNDでバイアシングされる。
【0050】
図3の構成において、メモリセル領域には第1層に負荷トランジスタが形成され、その上部には順次フルダウントランジスタ及びパストランジスタが積層されるか、またはパストランジスタ及びフルダウントランジスタが積層されることができる。
【0051】
図3のような構造の製造方法は、トランジスタの形成タイプまたはバイアシングの提供が異なるが、図2の場合と実質的に同一である。
【0052】
上述のように、パワーノイズ及び各種レファレンス信号のノイズを上述のような構造を有するデカップリングキャパシタクラスで除去する場合、制限されたデカップリングキャパシタ面積内で一番効率的な性能が具現できる。
【0053】
本明細書に提示された概念は、種々の応用例に種々の方式により適用することができるのは当該技術の知識を有したものならば誰でも理解できるだろう。提示されたデカップリングキャパシタの個数は本発明による実施形態の一部を表し、より効率的ながら回路設計者に利用可能な多くの別の方法が有り得る。そこで、これに関する詳しい具現は本発明に含まれ、請求項の範囲から外れないものである。
【0054】
例えば、実施形態において変更を加えて、ダブルスタックメモリセルの場合でないシングルスタックメモリセルの場合には第2チャンネルシリコンを用いた電極を省いたままに複数個のスタックキャパシタを適切に形成することができる。また、各電極に連結されるコンタクトはネストコンタクトなどのような多様なコンタクトなどに変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1実施形態としての積層型デカップリングキャパシタのレイアウト図である。
【図2】図1に示す積層型デカップリングキャパシタの断面構造図である。
【図3】本発明の第2実施形態としての積層型デカップリングキャパシタの断面図である。
【図4】従来技術による多層デカップリングキャパシタの断面構造図である。
【図5】通常のMOSキャパシタのレイアウト図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なった層に形成されたトランジスタを有する半導体装置において、
前記記トランジスタを積層構造として製造する場合に使用される絶縁膜と該絶縁膜を境界にして上下部層に存在する導電層を用いて形成され、第1,2ライン間に互いに並列連結されたデカップリングキャパシタからなる積層型キャパシタクラスタを複数個備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記積層型キャパシタクラスタの1つは、少なくとも3つのデカップリングキャパシタを有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1ラインが電源電圧ラインである場合に前記第2ラインは接地電圧ラインであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1ラインが信号ラインである場合に前記第2ラインは接地電圧ラインであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記デカップリングキャパシタが3つである場合、
第1デカップリングキャパシタはMOSトランジスタのゲート酸化膜を第1誘電膜層として形成され、
第2デカップリングキャパシタは前記MOSトランジスタ上に位置した第1チャネルシリコン層の上部に形成された第1トップゲート絶縁膜を第2誘電膜層として形成され、
第3デカップリングキャパシタは前記第1トップゲート絶縁膜上に位置した第2チャンネルシリコン層の上部に形成された第2トップゲート絶縁膜を第3誘電膜層として形成されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記デカップリングキャパシタが5個である場合、
第1デカップリングキャパシタはMOSトランジスタのゲート酸化膜を第1誘電膜層として形成され、
第2デカップリングキャパシタは前記MOSトランジスタのゲート電極上に形成された層間絶縁膜を第2誘電膜層として形成され、
第3デカップリングキャパシタは前記層間絶縁膜上に位置した第1チャンネルシリコン層の上部に形成された第1トップゲート絶縁膜を第3誘電膜層として形成され、
前記第4デカップリングキャパシタは前記第1トップゲート絶縁膜上に位置した第1トップゲートの上部に形成された層間絶縁膜を第4誘電膜層として形成され、
第5デカップリングキャパシタは前記第4誘電膜層上に位置した第2チャンネルシリコン層の上部に形成された第2トップゲート絶縁膜を第5誘電膜層として形成されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体装置はシングルスタックメモリセルを複数有するSRAMであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記半導体装置はダブルスタックメモリセルを複数有するSRAMであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記ダブルスタックメモリセルは、プルダウントランジスタ、負荷トランジスタ、及びパストランジスタがそれぞれ異なった層に配置されるように積層されたセル構造を有することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記ダブルスタックメモリセルは、負荷トランジスタ、プルダウントランジスタ、及びパストランジスタがそれぞれ異なった層に順次に配置されるように積層されたセル構造を有することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記ダブルスタックメモリセルは、負荷トランジスタ、パストランジスタ、及びプルダウントランジスタがそれぞれ異なった層に順次に配置されるように積層されたセル構造を有することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記シングルスタックメモリセルは、パストランジスタとプルダウントランジスタを下部層に形成し、負荷トランジスタを上部層に形成したセル構造を有することを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記上下部層に存在する導電層は前記トランジスタのそれぞれの基板層及びゲート層と同一であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項14】
互いに異なった層に形成されるトランジスタをメモリセルとして有する半導体メモリ装置において、
メモリセル領域内で第1基板層と該第1基板層の上部に形成された第2基板層とに分けて形成された第1,2型トランジスタをメモリセルとして有するメモリセルアレイと、
前記メモリセル領域とは分離された周辺回路領域内で前記第1,2型トランジスタを積層構造として製造する場合に使用される絶縁膜と該絶縁膜を境界に上下部層に存在する導電層を用いて形成され、第1,2ライン間に互いに並列連結されたデカップリングキャパシタからなる積層型キャパシタクラスタと、を備えることを特徴とする半導体メモリ装置。
【請求項15】
前記積層型キャパシタクラスタの1つは少なくとも2個のデカップリングキャパシタを有することを特徴とする請求項14に記載の半導体メモリ装置。
【請求項16】
前記第1ラインが電源電圧ラインである場合に前記第2ラインは接地電圧ラインであることを特徴とする請求項14に記載の半導体メモリ装置。
【請求項17】
前記第1,2ラインのうち少なくとも1つは前記半導体メモリ装置の動作に必要な信号を伝達する信号伝達ラインであることを特徴とする請求項14に記載の半導体メモリ装置。
【請求項18】
前記メモリセルがシングルスタックSRAMセルである場合、
パストランジスタとプルダウントランジスタは前記第1基板層に形成され、
負荷トランジスタは前記第2基板層に形成されたセル構造を有することを特徴とする請求項14に記載の半導体メモリ装置。
【請求項19】
互いに異なった層に形成されたトランジスタをメモリセルとして有する半導体メモリ装置において、
メモリセル領域内で第1基板層と該第1基板層の上部に順次形成された第2及び第3基板層に分けて形成されたトランジスタをメモリセルとして有するメモリセルアレイと、
前記メモリセル領域とは分離された周辺回路領域内で前記トランジスタを積層構造として製造する場合に使用される絶縁膜と該絶縁膜を境界にして上下部層に存在する導電層を用いて形成され、第1,2ライン間に互いに並列連結されたデカップリングキャパシタからなる積層型キャパシタクラスタと、を備えることを特徴とする半導体メモリ装置。
【請求項20】
前記積層型キャパシタクラスタの1つは少なくとも3個のデカップリングキャパシタを有することを特徴とする請求項19に記載の半導体メモリ装置。
【請求項21】
前記第1ラインが電源電圧ラインである場合に前記第2ラインは接地電圧ラインであることを特徴とする請求項19に記載の半導体メモリ装置。
【請求項22】
前記第1,2ラインの中少なくとも1つは前記半導体メモリ装置の動作に必要な信号を伝達する信号伝達ラインであることを特徴とする請求項19に記載の半導体メモリ装置。
【請求項23】
前記メモリセルがダブルスタックSRAMセルである場合、
プルダウントランジスタは前記第1基板層に形成され、
負荷トランジスタは前記第2基板層に形成され、
パストランジスタは前記第3基板層に形成されたセル構造を有することを特徴とする請求項19に記載の半導体メモリ装置。
【請求項24】
前記メモリセルがダブルスタックSRAMセルである場合、
負荷トランジスタは前記第1基板層に形成され、
フルダウントランジスタは前記第1基板層に形成され、
パストランジスタは前記第3基板層に形成されたセル構造を有することを特徴とする請求項19に記載の半導体メモリ装置。
【請求項25】
前記デカップリングキャパシタが3個で形成される場合、
第1デカップリングキャパシタは前記プルダウントランジスタのゲート酸化膜を第1誘電膜層として形成され、
第2デカップリングキャパシタは前記負荷トランジスタのゲート絶縁膜を第2誘電膜層として形成され、
第3デカップリングキャパシタは前記パストランジスタのゲート絶縁膜を第3誘電膜層として形成されることを特徴とする請求項23に記載の半導体メモリ装置。
【請求項26】
前記負荷トランジスタ及び前記パストランジスタは互いに異なったチャンネルシリコン層にそれぞれ形成されることを特徴とする請求項25に記載の半導体メモリ装置。
【請求項27】
前記デカップリングキャパシタが5個である場合、
第1デカップリングキャパシタは前記負荷トランジスタのゲート酸化膜を第1誘電膜層として形成され、
第2デカップリングキャパシタは前記負荷トランジスタのゲート電極上に形成される層間絶縁膜を第2誘電膜層として形成され、
第3デカップリングキャパシタは前記プルダウントランジスタのゲート絶縁膜を第3誘電膜層として形成され、
第4デカップリングキャパシタは前記プルダウントランジスタのゲート電極上に形成される層間絶縁膜を第4誘電膜層として形成され、
第5デカップリングキャパシタは前記パストランジスタのゲート絶縁膜を第5誘電膜層として形成されることを特徴とする請求項24に記載の半導体メモリ装置。
【請求項28】
前記周辺回路領域内で、前記第1,2,3基板層は、接地電圧、電源電圧、接地電圧でそれぞれ順次バイアシングされ、
前記プルダウントランジスタ、負荷トランジスタ、及びパストランジスタのゲートは、電源電圧、接地電圧、電源電圧でそれぞれ順次バイアシングされることを特徴とする請求項23に記載の半導体メモリ装置。
【請求項29】
前記周辺回路領域内で、前記第1,2,3基板層は全て電源電圧でバイアシングされ、
前記負荷トランジスタ、プルダウントランジスタ、及びパストランジスタの各ゲートは全て接地電圧でバイアシングされることを特徴とする請求項27に記載の半導体メモリ装置。
【請求項30】
メモリセル領域内で、第1基板層と該第1基板層の上部に順次形成された第2及び第3基板層に分けて形成されたトランジスタをメモリセルとして有するメモリセルアレイを備えた半導体メモリ装置におけるデカップリングキャパシタの形成方法において、
前記メモリセル領域とは分離された周辺回路領域内で、前記トランジスタを積層構造として製造する場合に使用される絶縁膜と該絶縁膜を境界にして上下部層に存在する導電層を用いて、第1,2ライン間に互いに並列連結されるデカップリングキャパシタを前記メモリセルの積層構造に対応するように積層して形成することを特徴とするデカップリングキャパシタの形成方法。
【請求項31】
前記第1ラインが電源電圧ラインである場合に前記第2ラインは接地電圧ラインであることを特徴とする請求項30に記載のデカップリングキャパシタの形成方法。
【請求項32】
前記第1,2ラインのうち少なくと1つは前記半導体メモリ装置の動作に必要な信号を伝達する信号伝達ラインであることを特徴とする請求項30に記載のデカップリングキャパシタの形成方法。
【請求項33】
積層構造のトランジスタを有する半導体装置において、積層構造のシリコン層及びゲート層がそれぞれの絶縁膜を介して電源電圧と接地電圧にバイアシングされた積層型キャパシタを複数有することを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−270101(P2006−270101A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−79541(P2006−79541)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】