説明

符号化ビームを使用して物体を検査するための装置

X線又は他の放射ビームを使用した物体の検査の技術、特に、符号化放射ビームを用いて物体を照明し、物体によって散乱された及び/又は物体を通して伝達された放射線を検出することによって物体を検査するための装置及び方法を提供する。物体を検査するための装置は、物体の被検査領域を照明するために扇ビーム又はフラッドビームを利用する。可動マスクの形態を取ることができる変調器は、被検査領域の各セグメントが所定の時間的シーケンスに従って変動する放射線量を受け取るようにビームを動的に符号化する。物体からの放射線を受け取る後方散乱検出器又は任意的な透過検出器によって生成され得られる信号は、被検査領域の画像を構成することができるように、空間情報を再生するために復号される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にX線又は他の放射ビームを使用した物体の検査に関し、より詳細には、符号化された放射ビームを用いて物体を照明し、物体によって散乱された及び/又は物体を通して伝達された放射線を検出することによって物体を検査するための装置及び方法に関する。
【0002】
関連出願への相互参照
本出願は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている2006年10月24日出願の「符号化ビーム結像システム」という名称の米国特許仮出願出願番号第60/853,876号の「35 U.S.C.§119(e)」の下での優先権恩典を請求するものである。
【背景技術】
【0003】
走査式X線結像システムは、通常は、パッケージ、荷物、貨物コンテナ及び車両の検査のために使用される。市販の走査式X線結像システムは、フライイングスポットシステムとライン走査システムの2つの種類に大きく分類ことができる。フライイングスポットシステムは、関連の物体上で迅速に走査される放射線の「ペンシル」ビームを採用する。このようなシステムは、透過放射線及び後方散乱放射線のいずれか又は両方を測定することができる。ペンシルビームは、(2つの直交する方向における)コリメーションによって形成される。というのは、必要なエネルギ範囲のX線を集束させる実用的な方法が利用できないからである。ペンシルビームの形成は、利用可能な線源放射束のごく僅かな小部分(一般的に1パーセントよりも遥かに少ない)を除いて全てを除外するので、フライイングスポットシステムは、満足できる分解能及びSN比を有する画像を生成するために高電力のX線源を必要とする。
【0004】
ライン走査システムは、検査中の物体を照明する放射線の「扇形」ビームと、物体を通して伝達された放射線を測定するセグメント化された検出器とを利用する。市販のライン走査システムは、利用可能な線源放射束の遙かに大きな部分を使用して有利ではあるが、後方散乱放射線から画像を生成することがほぼ不可能であり、従って、それらの使用は、線源及び検出器を被検査物体の両側(相対する側)に配置することが実際的な場合、及び軽元素で構成されたターゲットの検出が最重要ではない場合の用途に限られる。
【0005】
従来技術は、後方散乱結像機能を維持しながらライン走査システムの比較的効率的な線源の使用法を利用することを試みるX線結像システムを開示するいくつかの文献を含んでいる。そのような文献の代表的な例は、扇とペンシルの形状の間で照明ビームを迅速に交替する特別な形状にされたチョッパホイールを教示しているAdams他の米国特許第6,453,007号と、扇ビームを周期的に中断する回転ビームストップに適応させたライン走査結像システムを教示しているSmithの米国特許第6,269,142号とを含む。Ca11erame他の米国特許出願公開第2002/0031202号で説明された別の手法では、被検査物体は、ペンシルビームの走査された組又は区画に分割された扇ビームを用いて照らされ、各ペンシルビーム又は扇ビーム区画は、固有の特徴的振動数を有する変調によって符号化される。このようにして、物体の被検査区域の同時に照らされたピクセルサイズの各セグメントは、検出器信号内の異なる特徴的振動数と関連付けることができ、検出器信号が復調され(例えば、フィルタバンクを使用することにより)、空間情報が取り戻されて被検査領域の画像が構成される。
【0006】
符号化開口結像法は、当業技術で公知であり、γ線及びX線天文学、放射性物質管理、核医学、及び非合焦性放射線を伴う他の用途で使用されている。典型的な構成では、1つ又はそれよりも多くの線源が、ピクセル化した(セグメント化された又はそうでなければ位置感応性の)放射線検出器上に符号化マスクを通してパターンを投射する。線源の画像は、次に、復号アルゴリズムによって投射パターンから再構成される。符号化開口結像法は、大面積高開放性(一般的にマスク面積の約50%まで)の符号化マスクを通して放射線を検出器に到達させることによって、(「ピンホール」結像のような他の公知の結像法に対して)感度を改善する可能性を有する。符号化及び復号化の数学的技術は、十分に確立されており、例えば、Fenimore他の米国特許第4,209,780号、Chiou他の米国特許第5,606,165号、及びLanza他の米国特許第6,737,652号、並びにFenimore他著「均一に冗長なアレイを備えた符号化開口結像法」、応用光学、17(3):337−347(1978年)に説明されている。均一冗長アレイ(URA)、修正均一冗長アレイ(MURA)、プロダクト・アレイ、m−シーケンス、pn−シーケンス、及びアダマール差集合を含む(非限定的に)様々な符号化法が利用可能である。
【0007】
中性子活性化γ線放出及びX線後方散乱に対する従来的な符号化開口結像法の直接的な用途は、それぞれ、Lanzaの米国特許第5,930,314号、及びFaustの米国特許出願公開第2004/0218714号に提案されている。従来的な符号化開口結像法による後方散乱検出は、利用可能な線源放射束の効率的使用ために、線源が検査区域全体を同時に照らすことを許容する。この方法については、ピクセル化した検出器が必要とされ、高システム性能のためには、それらの検出器は、大きな面積と細かいセグメント化を持たなければならない。
【0008】
従来技術には、従来的な符号化開口結像法に対するいくつかの変形が説明されている。Huang他の米国特許第5,940,468号は、被検査物体を照明する扇ビームの使用を教示しており、物体と対応する大面積検出器との間の後方散乱放射線経路に複数の大面積符号化マスクが挿入される。この手法は、利用可能な線源放射束の使用を効率的にするが、その大面積検出器を1つの軸線に沿って細かくセグメント化する必要がある。Ne1son他の米国特許第6,950,495号は、広面積放射線源に基づくビーム符号化手法を教示しており、ここでは、被検査物体の画像が、異なる線源パターンへの一連の後方散乱応答から復号される。この手法は、変調された線源放射線が被検査物体に行く途中でピンホール開口を通過する必要があるために、利用可能な線源放射束の使用を不満足なものにする。更に、Ne1son他の手法を実施するのに必要である広面積線源は、過度にかさばり、重く、複雑で費用がかかることになると考えられている。最後に、Jupp他の米国特許第7,136,453号は、ラスター走査方式で平面区域の上を移動する線源スポットを備えた静止符号化マスクを使用する後方散乱結像システムを教示している。このシステムは、一般的に、利用可能な線源放射束の使用を効率的にして、セグメント化された検出器を必要としないが、この一般的説明のシステムは、特に、走査した容積の周囲における構造体からの後方散乱、線源スポットが走査された時に線源スポットからマスクのいずれか特定の部分及び被検査物体のいずれか特定の部分までの経路長の変動、線源光線の入射角度の変動に伴う符号化マスクの口径食、及び近視野の視差を含む、いくつかのファクタにより画像を歪める傾向があると考えられている。更に、Jupp他の手法によって要求されるX線源の走査は、困難であり、かつ実施に費用がかかると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許仮出願出願番号第60/853,876号
【特許文献2】米国特許第6,453,007号
【特許文献3】米国特許第6,269,142号
【特許文献4】米国特許出願公開第2002/0031202号
【特許文献5】米国特許第4,209,780号
【特許文献6】米国特許第5,606,165号
【特許文献7】米国特許第6,737,652号
【特許文献8】米国特許第5,930,314号
【特許文献9】米国特許出願公開第2004/0218714号
【特許文献10】米国特許第5,940,468号
【特許文献11】米国特許第6,950,495号
【特許文献12】米国特許第7,136,453号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Fenimore他著「均一に冗長なアレイを備えた符号化開口結像法」、応用光学、17(3):337−347(1978年)
【非特許文献2】Gottesman他著「符号化開口結像法のためのバイナリアレイの新しい群」、応用光学、28(20):4344−4352(1989年)
【非特許文献3】Fenimore著「符号化開口結像法:均一に冗長なアレイの予想性能」、応用光学、17(22):3562−3570(1978年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上の背景に対して、利用可能な線源放射束の使用を効率的にし、セグメント化した検出器を必要とせず、従来技術手法に関連した画像の歪み問題を回避又は低減し、製造が法外に困難又は高価でない結像装置に対する必要性が当業技術に残っている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一般的に、本発明の代表的な実施形態に従って構成された検査装置は、照明放射線のビームを発生させるための放射線源と、放射線源と被検査物体の間で放射線経路に位置決めされた変調器と、物体の被検査領域から発せられる放射線を受け取るように位置決めされた少なくとも1つの検出器と、被検査区域の画像を発生させるために少なくとも1つの検出器によって生成された一連の信号を処理するためのプロセッサとを含む。変調器は、被検査領域のピクセルサイズの各セグメントが、セグメントの位置に関する情報の回復を可能にするように選択された所定の時間的シーケンスに従って変動する放射線量を受け取るように、非調和的な動的(時間変動性)方法でビームを空間的に変調するように作動可能である。本明細書で使用される用語「非調和的」は、各セグメントの時間的照明シーケンスがそれに関連する固有な特徴的振動数を有する必要がないことを意味する。
【0013】
検査装置のより特定的な実施形態によれば、放射線源は、固定扇ビームプロファイルを形成するように平行化された固定位置X線チューブである。変調器は、典型的には扇ビーム内に位置決めされた回転ホイール又はバレルの形態の可動マスクの形態を取る。可動マスクは、あらゆる特定のマスク位置において扇ビーム自体が個別の「オン」及び「オフ」扇形の所定パターンに分割されることになるように、孔又はスロットのパターンから成る1次元符号化アレイを有する。ある一定の実施形態では、符号化アレイは、1つ又は一連の均一冗長アレイ又は修正均一冗長アレイに対応することができる。任意的な透過検出器は、検査対象の反対側の扇ビームの平面を遮る。1つ又はそれよりも多くのセグメント化されない検出器が、被検査物体からの後方散乱放射線を遮る。マスクが位置間でシフトされると、検出器は、密度の空間的変動及び物体の組成を明らかにする変化する放射線信号を測定する。検出器からの信号は、可動マスクの少なくとも1符号化アレイ長にわたって記録され、次に、任意的な透過像及び後方散乱像の各単一走査ラインを復号するためにデジタル処理される。検査物体が扇ビームの平面に対して垂直な方向に少ない増分量で移動されるので、画像の付加的な走査ラインが、こうして完全な像が得られるまで取得され処理される。
【0014】
検査装置の別の特定的な実施形態によれば、固定位置放射線源は、平行化されて2次元の広い角度分散を有するフラッドビームを形成する。2次元符号化アレイを有するマスクは、平面にするか又は円筒形に形成することができ、線源と被検査物体の間でフラッドビームに挿入される。マスクは、検査の進行中にマスクが平行移動(すなわち、ラスター走査)され、及び/又は補完的なマスク位置の全組を通して回転することができるように2次元に可動である。任意的な透過検出器は、検査対象の反対側のフラッドビームを遮り、1つ又はそれよりも多くのセグメント化されない検出器は、物体からの後方散乱放射線を遮る。符号化マスクがその様々な位置を通してシフトされる際に、検出器からの信号が記録される。検査対象は、記録処理中に(結像システムに対して)静止したままである。記録された信号は、次に、任意的な透過及び後方散乱像を復号するためにデジタル処理される。この実施形態の変形では、2次元符号化マスクは、上述のマスクを単一方向に平行移動又は回転させることによって全組の補完マスク位置を生成するように設計される。符号化マスクは、離散的なインクリメントで、又は一定の連続運動によって位置から位置に進めることができる。
【0015】
本発明の実施形態は、セグメント化されない検出器を使用した後方散乱及び透過結像との適合性、及び利用可能な線源放射束の効率的使用という利点を有する。本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細説明と添付図面を精査すれば明らかになるであろう。
【0016】
添付図面には、以下の内容が説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】被検査物体が変調扇ビームで照らされる本発明の第1の実施形態に従って構成された物体を検査するための装置の象徴的な図である。
【図2】1次元符号化パターンの例を示す図である。
【図3A】物体の被検査領域の照明に対してマスク位置をシフトする効果を示す象徴的な図である。
【図3B】物体の被検査領域の照明に対してマスク位置をシフトする効果を示す象徴的な図である。
【図4】被検査物体が変調フラッドビームで照らされる本発明の第2の実施形態に従って構成された物体を検査するための装置の象徴的な図である。
【図5】2次元符号化パターンの例を示す図である。
【図6】図5の符号化パターンを使用して完全なオーバーラップを可能にするようにマスクを直交する2つの次元へ平行移動するための2次元マスクを示す図である。
【図7】スクロール型の2次元符号化パターンの例を示す図である。
【図8】図7の符号化パターンを使用したディスク形回転可能マスクを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の第1の例示的実施形態に係る、物体105を検査するための装置100の象徴的な図である。物体105の被検査領域115を照明するように位置決めされた放射線源110は、固定位置X線チューブ120の形態を取ることができ、固定ビームコリメータ125内に位置決めされて像分解能要件を満足させるほど十分に電子陽極点を小さな直径になるように集束させることが可能である。このX線チューブ120及びコリメータ125の配列は、一方の横軸(図の平面に垂直)に狭い角分散、及び他方の横軸135に広い角分散(通常45度から90度)を有する放射線の扇ビーム130を構成する。以下に説明するように、扇ビーム130は、像構成処理中、物体105の移動方向に対して横方向の平面を形成する。
【0019】
扇ビーム130は、ビーム経路に位置決めされた変調器140によって空間的及び時間的に変調される。変調器140は、可動マスク145として実施され、このマスク145は、適切な物質から構成され、かつ、マスク145の完全な領域に当たる扇ビーム130の部分が物体105の対応するセグメントを照明することを妨げるように、放射線源110によって放出された波長において実質的に不透明である適切な厚みに構成されている(本明細書では、用語「セグメント」は、物体105の被検査領域の一部を形成する個別の領域を指す)。マスク145は、一連の開口(又は透過窓)150に適応されており、これにより、扇ビームのいくつか個別の扇形155が出てきて、かつマスク145の任意の所定位置で物体105の被検査領域115の対応するセグメントの照明を可能にする。以下に更に説明するように、開口150は、(マスク145の隣接する不透明な領域に関連して)1次元符号化アレイ160を形成するように配列されかつ寸法設定される。典型的な実施例では、符号化アレイ160は、約50%の開放区域を有し、そのためにマスク145の任意の位置で物体105を照明するために全扇ビーム放射束の約半分を使用することができる。セグメント化されるか又はセグメント化されない場合がある任意的な透過検出器165は、物体105の反対側で扇ビームの平面と交わる。少なくとも1つのセグメント化されない後方散乱検出器170は、物体105の手前側に位置決めされ、物体105から後方散乱された放射線を受ける。本明細書で使用される後方散乱放射線は、被検査物体105によって(コンプトン散乱のように)非コヒーレントに及び(レイリー散乱のように)コヒーレントに散乱された線源放射線の両方、並びに線源放射線によって励起された検査対象内の原子の蛍光X線(XRF)を含むものと考えられ、後方散乱検出器170は、これらの種類の後方散乱放射線の1つ又はそれ以上を検査することができる。後方散乱検出器170及び任意的な透過検出器165は、被検査領域115の画像を構成するための信号を処理するプロセッサ180に受け取った放射線の強度を表す信号を伝達する。後方散乱検出器170は、好ましくは、実用上できるだけ大きな能動被検査領域を含むように構成され、これにより後方散乱放射線の大きな部分を検査することができる。本発明のある実施例は、2つ又はそれ以上の非セグメント化後方散乱検出器を含むアレイを利用することができるが、セグメント化された後方散乱検出器を利用する従来技術手法とは対照的に、被検査物体の像の空間分解能は、後方散乱検出器の大きさ及び/又は数によって決定されない。
【0020】
マスク145は、中心軸線を有する円筒(又はループ又はチェーンのような他の連続面)として構成することができ、マスクは、中心軸線周りの(索引付けられた)一連の離散的な回転位置にシフトされる。代替的に、マスク145は、連続する(索引付けられていない)方法で回転させることができる。図示のように、マスク145は、ステッパモータ又はボイスコイルモータのようないずれか適切な搬送機構(図示せず)によって、マスクと機械的に協働して制御可能に回転させることができる。代替的に、マスク145は、平面形状を取ることができ、その場合、適切な搬送機構によってマスクが一連の離散的な搬送位置に軸線135と平行に漸進的にシフトされる。マスク145内の開口150のパターンは、満足な像分解能及びSN比を得るように選択されたシーケンスに従う。従来技術(例えば、その全開示内容が参照により本明細書に組み込まれているGottesman他著「符号化開口結像法のためのバイナリアレイの新しい群」、応用光学、28(20):4344−4352(1989年)を参照)は、1次元及び2次元均一冗長アレイ(URA)及び修正均一冗長アレイ(MURA)を生じさせるための技術を詳述しており、これらアレイは、像視野にわたって均一なノイズ応答をもたらす開放区域の大きな部分(全スペースの約50%)と「ユニモジュラー」である復号機能とを含む符号化開口結像用途の最適特性を有する。図2は、長さ37の線形MURAパターン内に配列された1組の開口150から成る符号化アレイ160の例を表している。また、URA及びMURAパターンを有するマスクは、マスクパターンの周期的なシフトが均一な応答を維持する特性を有する。また、上述のGottesman他の文献は、各URA又はMURAと関連する復号機能を発生させる方法と、像を生成するために符号化データに復号機能を適用する方法とを説明している。適切な1次元及び/又は2次元符号化アレイを発生させるために採用することができる他の方法は、プロダクトアレイ、m−シーケンス、pn−シーケンス、及びアダマール差集合を含み、これら全てが従来技術に詳細に説明されている。
【0021】
マスク145は、符号化アレイ160又はこの符号化アレイの周期的なシフトが扇ビーム130を任意の瞬間に変調するように、位置決めされかつ寸法設定される。符号化アレイ160の長さは、変調器140において、扇ビーム130の弧の範囲に適合するか又はそれを超えなければならない。円筒形マスク(例えば、マスク145)の完全な回転、又は平面マスクの完全な平行移動シフトは、符号化アレイパターンの1つ又はいくつかの繰返しを含むことができるが、マスク145の任意の1つの位置において扇ビーム130の使用可能部分を符号化するために、マスクの1つのアレイ長さまでが許容される。
【0022】
符号化アレイ160は、マスク145が動くと、物体105の被検査領域のいくつかのセグメントが符号化シーケンスに応じて変動する放射線量を受け取るように、扇ビーム130を周期的に変調する。マスク145の遮蔽された(完全な)領域に空間的に対応するセグメントは、(開口150に対応する時に受け取る量に対して)少ない量の擬似的な放射線(遮蔽された領域に隣接した開口150を通して伝達された擬似的な放射線、又は装置100の他の面から反射又は散乱した擬似的な放射線)を受け取ることができるのに注意されたい。マスク145の移動の効果を図3A及び図3Bに示している。図3Aは、マスク145が最初の回転位置にある時の物体105の被検査領域のセグメント305上に投射された照明パターンを表している(これは、この場合、物体105と完全な扇ビーム130との交差によって形成される狭いバンドが構成される)。図3Bに示すように、マスク145が1つ分の位置だけ回転的にシフトされると、照明パターンは、回転の方向に進められる。物体105の被検査領域の各セグメントは、セグメントに対するマスク145の位置に対応した位相シフトで照明の符号化シーケンスを受け取る。各セグメントが符号化シーケンスに従って変動する放射線量を受け取ると、物体105から出る放射線(例えば、後方散乱及び/又は透過放射線)は、後方散乱検出器170及び任意的な透過検出器165に当たり、これらは受け取った放射線の強度を表す信号を発生する。検出器応答は、マスクの動きの少なくとも1つの全サイクルにわたって記録され、そして、プロセッサ180は、各検出器の時間応答に適切な復号機能を適用し、被検査領域(すなわち、ライン走査)の像を生成する。次に、物体105の隣接領域の画像(ライン走査)を取得するために、物体105は、扇ビーム130の平面に対して、新しい位置まで矢印185によって表示された方向に(例えば、コンベヤにより)進められる。物体105の完全な像が構成されるまで、照明、検査、記録、及び前進が交替するステップがいくつか繰返し実行される。この像は、例えば、オペレータがリアルタイムで見るためにモニタ上に表示するか、又は後で見て解析するために保存することができる。
【0023】
Ca11erame他の文献に説明された手法とは対照的に、本発明の実施形態は、検出器信号から空間情報を再生するために、固有な特徴的周波数を有する空間的に変化する照明シーケンスの使用に依存していないことを理解すべきである。実際には、異なるセグメント305が照明を受け取るシーケンスは、いくつかの同一周波数を共有するかもしれない(及び典型的には共有する)。このように、変調器140は、ビーム130の非調和的変調を提供すると考えることができる。
【0024】
図4は、第2の実施形態に従って構成された検査装置400を表しており、この検査装置は、図1の実施形態に関連して説明した扇ビームではなく、「フラッドビーム」(すなわち、2つの直交する横断方向に広がる照明ビーム)を採用しており、これにより、放射線源の利用可能な放射束のうち実質的により大きな部分が利用される。この実施形態では、放射線源405が提供され、この放射線源は、X線チューブ410と、X線チューブ410の周りに配列されたコリメータ415とを有し、放射線が2方向に広がる面に広い角度散乱を有するフラッドビーム420として放出される。フラッドビーム420は、変調器422を通過し、この変調器は、像を符号化するために必要なビームパターンを完全に補完するように、2つの直交する軸線430及び435の方向に平行移動することができる2次元マスク425を含む(例えば、平行移動は、マスク425と機械的に共同した2つ又はそれよりも多くのステッパモータを使用する)。代替の実施例では、マスク425は、円筒として形成することができ、照明シーケンスは、マスクの回転及び平行移動の両方に影響を受ける。少なくとも1つの非セグメント化の後方散乱検出器440は、物体450から散乱された放射線を受け取るように位置決めされる。任意的な透過検出器455は、セグメント化されてもされなくてもよく、物体450を通して伝達された放射線を受け取るように位置決めされる。完全な透過像を生成するために、任意的な透過検出器455は、完全にフラッドビームを遮るように十分に大きくなければならない(しかし、透過放射線ではなく前方散乱又は前方放出放射線が検査される場合は、より小さな検出器を採用することができることに注意されたい)。後方散乱検出器440及び任意的な透過検出器455は、受け取った放射線の強度を表す信号をプロセッサ460に伝達し、プロセッサは、この信号を処理して被検査領域の2次元画像を構成する。物体450との交差位置におけるフラッドビーム420の寸法が、物体450の対応する寸法を超える場合(すなわち、被検査領域が物体450の全部を取り囲む場合)、物体450を静止状態に保ったまま物体450の完全な像を取得することができ、そうでなければ、物体450の全範囲にわたって(2次元)被検査領域を走査するように、物体450がフラッドビーム420に対する異なる位置に保持されていくつかの部分的な画像を発生し、完全な画像を生成するためにこれら部分的な画像を組み合わせることにより、完全な像を構成することができる。照明、検出、検出器応答の記録、及び2次元画像の復号(及び、必要に応じてビームに対する物体の再位置決め)のシーケンスは、図1に関連して説明した扇ビームシステムを採用して画像が取得されるシーケンスに対してほぼ類似した方法で行われる。図1の実施形態と同様に、変調器422は、ビーム420の非調和的変調を提供する。というのは、装置400が、検出器信号から空間情報を再生するために、固有の特徴的周波数を有する空間的に変化する照明シーケンスの使用に依存していないからである。
【0025】
マスク425は、2次元符号化アレイ470を形成する開口又は透過窓465のパターンに適応されている。符号化アレイ470は、上述のGottesman他の文献によって説明した正方形MURA手法により生成することができる。正方形MURA手法によって生成された符号化パターンの例が図5に示されている。このような場合、可動マスクは、2つの平行移動方向のそれぞれにおいてアレイ区域に完全重複部を加えたものを覆うほど十分に大きくなければならない。従って、マスクは、アレイの約4倍の面積を有する。図6は、図5の符号化パターンに基づいて本方法で設計されたマスク425を表している。
【0026】
図4の検査装置に対する変形例では、一方向だけに平行移動又は回転するように設計された2次元マスクを利用する。図7は、6×6ピクセルアレイに対するスクロール形の符号化パターンを示しており、これは平らな矩形、連続するバンド、又は平らなディスクの形態の2次元マスクとして構成することができる。m×nピクセル画像アレイに対するスクロール形の符号化パターンは、長さlの符号化シーケンスから構成することができ、lは、m*nよりも大きく、アレイ幅mと互いに素である。長さlの符号化シーケンスは、上述のGottesman他による文献に説明されているような線形URA又は線形MURA(図2は、この種の符号化パターンを表す)であるか、又は、バイナリシーケンスのl個の固有巡回置換の組が反転可能なl×l行列を決定し、その逆行列(復号行列)がユニモジュラー(すなわち、その要素が全て同じ大きさを有し、符号だけ異なる)であるという必須の特性を有するいくつかのバイナリシーケンスのいずれかとすることができる。このようなバイナリシーケンスは、平方剰余集合、アダマール差集合、巡回差集合、双子素数集合、又は疑似ノイズシーケンスから導出することができる。符号化パターンは、合計l個のラインに対して、長さlの符号化シーケンスをスクロール幅mにわたって繰返し適用し、必要に応じて次のラインの開始点に巻き付けることによって形成される。完全なマスクパターンは、こうしてm*lの次元を有する。マスクが連続バンドのように終点から開始点まで巻かれない場合、最初の(n−1)行を、重複に適合させるためにパターンの終点で繰り返す必要がある。
【0027】
図8は、6×6ピクセルの扇形画像アレイに対するスクロール形の符号化パターンを使用したディスク形マスク805の設計を示している。各開口810は、マスク回転のある一定の離散的な増分に対して、孔座標が所定のグリッドと整列するように、寸法、形状、及び配列が決められている。この特定の設計では、全ての開口810は、大きさと形状が同一である。
【0028】
単一方向に平行移動又は回転するように設計されたマスクは、インクリメント式よりもむしろ連続的なマスク運動を容易にする。放射線源及び検出器の連続作動と組み合わされた連続マスク運動は、通常は、運動の方向に沿ったある一定の程度の画像のぼけをもたらすことになる。マスクの進みと同期した離散的パルス又はバーストによる放射線源の作動は、ぼけ効果を低減又は排除することができる。代替的に、検出器は、マスクの進みと同期してゲート制御でオン及びオフとすることができる。
【0029】
本発明の実施形態によって採用される符号化開口結像技術が、代替の結像技術に対して信号対雑音比(SN比)の有意な改善を意味することが認められるであろう。Fenimore(「符号化開口結像法:均一に冗長なアレイの予想性能」、応用光学、17(22):3562−3570(1978年))は、同等分解能を有するピンホールカメラシステムに対する、URAベースの符号化開口システムのSNRの改善(「多重化の利点」)を計算するための公式を呈示している。同じ公式は、同等分解能及び線源強度を有するフライイングスポットシステムに対する、MURA又はURAベースの符号化ビームシステムの多重化の利点を説明している。
【0030】
上述の実施形態は、非制限的な例として呈示したものである。開示した実施形態に対して、本発明が多くの可能な修正と変形を含むことに注意すべきである。例えば、開示した実施形態は、被検査物体に問い合わせするためにX線ビームを利用するが、代替の実施例は、電磁スペクトル(例えば、ガンマ線、UV放射線、可視光線)のどこかに位置する放射線、粒子ビーム(例えば、中性子ビーム)、又は更に超音波又は音響ビームを利用することができる。更に、ビームは、上述の開示された可動マスク配列の代わりに、いずれか適切な装置又は装置の組合せによって空間的及び時間的に変調してもよい。一例では、変調器は、シャッター付き開口の1次元又は2次元アレイの形態を取ることができ、各開口は、特定のシーケンスに従って開閉がプログラムされている関連のシャッターを有する。別の例によれば、マスクは、符号化ビームを得るために放射線反射媒体(例えば、熱分解グラファイト)の要素で構成されたパターンを有する構造体と取り替えることができる。そのような設計では、反射媒体の符号化パターンは、マスクに対する符号化パターンの単なる補完に過ぎない。更に別の例では、変調器は、中心軸線の周りで回転可能な円筒形ドラム状構造を取ることができ、このドラムは、中心軸線とほぼ平行に延びる反射性及び非反射性材料の一連の表面を有する。
【0031】
ある一定の形式の照明ビームの場合、変調器を放射線源と一体化することが有利であろう。そのような一体化構造の一例では、線源/変調器は、放射線エミッタのアレイの形態を取ることができ、各エミッタの出力は、得られる合成ビームが任意の所定時において規定の空間的分布を有するように、(LEDプロジェクタと同様の方法で)独立に変調される。
【0032】
本発明の別の実施例では、放射線ビームを形成するためのコリメータ構造は、(図1及び図4に表したような)X線チューブと変調器の間ではなく、変調器(例えば、可動マスク)と被検査物体の間に配置してもよい。
【0033】
上述したように、用語「後方散乱放射線」は、被検査物体によって非コヒーレントに(コンプトン散乱として)及びコヒーレントに(レイリー散乱として)、その両方で散乱された線源放射線、並びに線源放射線によって励起された被検査物体内の原子のX線蛍光(XRF)を含むように意図されている。後方散乱検出器がエネルギ分散機能又はエネルギ選択性濾過機能を含む場合、被検査物体の表面内又は表面上の特定の化学元素又は1組の元素を選択的に画像化することが原理的に可能である。可動符号化マスクを用いて線源照明を符号化し、続いて検出信号から画像を復号する方法は、上述の符号化ビーム検査システムのような結像XRFシステムと同じである。本発明の実施形態では、1つ又はそれよりも多くの検出器は、被検査物体(XRFを通じてこの物体から放出された放射線を含むように形成されている)から散乱された放射線を受け取って検出するために、物体の裏側(すなわち、線源及び変調器とは反対の側)に順方向に配列することができることに更に注意されたい。本明細書の検出器はまた、被検査物体の表面内又は表面上の特定の化学元素又は1組の元素を選択的に結像させるためにエネルギ分散機能又はエネルギ選択性濾過機能を含むことができる。
【0034】
ある実施形態では、装置の大きさを小さくし、車両又は搬送コンテナのような関連の物体のその場検査をもたらすために、共通の筐体に検査装置の2つ又はそれよりも多くの構成要素を組み合わせることが望ましい場合がある。一例では、線源、変調器、検出器、及びプロセッサ構成要素を単一ハウジングに一体化することにより、移動式検査装置を構成することができる。
【0035】
本発明をある一定の例示的実施形態の詳細説明に関して説明したが、以上の説明は、特許請求の範囲によって規定された本発明の範囲を例示するものであり、制限するようには意図されていないことはあまねく理解されるものとする。他の態様、利点、及び修正も、以下の特許請求の範囲内である。
【符号の説明】
【0036】
100 検査装置
105 物体
110 放射線源
115 被検査領域
120 X線チューブ
125 コリメータ
130 扇ビーム
140 変調器
145 マスク
150 開口
160 符号化アレイ
165 透過検出器
170 後方散乱検出器
180 プロセッサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を検査するための装置であって、
少なくとも1つの横断方向に沿って広がった照明ビームを発生させるための放射線源と、
前記放射線源と物体の間で前記照明ビームの経路に配置され、前記物体の被検査領域の各セグメントが、所定の時間的シーケンスに従って変動する放射線量を受け取るように、非調和的に時間変動する方法で前記照明ビームを空間的に変調するための変調器と、
前記被検査領域上への前記照明ビームの衝突に応答して前記物体から出る放射線を受け取るように位置決めされた少なくとも1つの検出器と、
前記少なくとも1つの検出器に連結され、前記少なくとも1つの検出器によって発生した信号のシーケンスを処理して前記被検査領域の画像を構成するためのプロセッサと、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記変調器は、透明及び不透明区域の符号化アレイを有するマスクと、前記照明ビームに対して前記符号化アレイを繰返しシフトするか又は連続して移動させるための搬送機構と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記符号化アレイは、1次元アレイであることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記マスクは連続平面として形成され、前記搬送機構は前記マスクを前記放射線源の周りに回転させるように構成されることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記符号化アレイは、2次元アレイであることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記搬送機構は、前記照明ビームの伝播の軸線に対して実質的に横断方向である第1及び第2の軸線方向に前記マスクを平行移動させる段階、又は前記マスクを平行移動及び回転させる段階のうちの一方を実行するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記符号化アレイは前記マスクの周りに周方向に配置され、前記搬送機構は前記マスクを回転させるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記符号化アレイは、1つ又は一連の均一冗長アレイ又は修正均一冗長アレイを含むことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記透明区域の合計は、前記符号化アレイの全区域の約50パーセントであることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記照明ビームは、第1の方向に沿って広がった扇ビームであることを特徴とする請求項1乃至請求項4、請求項8、及び請求項9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記被検査領域が前記物体又はその関連の部分にわたって漸進的に走査されるように、前記第1の方向に対してほぼ直交する方向に前記物体を移動させるためのコンベヤを更に含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記照明ビームは、第1及び第2の方向に沿って広がったフラッドビームであることを特徴とする請求項1及び請求項5乃至請求項9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記照明ビームは、電磁放射線ビームであることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記照明ビームは、X線ビームであることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記照明ビームは、粒子ビームであることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの検出器は、前記物体によって後方散乱された放射線を受け取るように位置決めされていることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記物体を通して伝達された又は前記物体によって順方向に散乱された放射線を受け取るように位置決めされた第2の検出器を更に含むことを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの検出器はエネルギ分散型検出器を含み、前記プロセッサは前記物体における特定の元素又は特定の元素の組の分布の画像を構築するように構成されていることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つの検出器は、選択された組の特定の元素の放射特性を優先的に選択するように構成されることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記変調器は、反射性及び非反射性材料のパターンによって形成された符号化アレイが配置された可動表面を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項21】
物体を検査する方法であって、
少なくとも1つの横断方向に沿って広がった照明ビームを発生させるステップと、
物体の被検査領域の各セグメントが、所定の時間的シーケンスに従って変動する放射線量を受け取るように、非調和的に時間変動する方法で前記照明ビームを空間的に変調するステップと、
前記被検査領域上への前記照明ビームの衝突に応答して前記物体から出る放射線を受け取って、受け取った放射線の強度を表す信号のシーケンスを発生させるステップと、
前記信号のシーケンスを処理して前記被検査領域の画像を構成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記ビームを空間的に変調する前記ステップは、透明及び不透明区域の符号化アレイを有するマスクを前記照明ビームに対して繰返しシフトするか又は連続して移動させるステップを含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記被検査領域が前記物体又はその関連の部分にわたって漸進的に走査されるように、前記物体を繰返し移動させるステップを更に含むことを特徴とする請求項21及び請求項22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
放射線を受け取る前記ステップは、前記物体によって後方散乱された放射線を受け取るステップを含むことを特徴とする請求項21乃至請求項23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記信号のシーケンスを処理する前記段階は、特定の元素又は特定の元素の組に特有な1つ又はそれよりも多くの波長又はエネルギを有する放射線を識別するステップ、及び前記物体における前記特定の元素又は特定の元素の組の分布の画像を構成するステップを含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−507811(P2010−507811A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534843(P2009−534843)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/082428
【国際公開番号】WO2008/127385
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(508019894)サーモ ニトン アナライザーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (12)
【Fターム(参考)】