組み込みアーム歪みセンサ
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)が、手動で位置付けることが可能な関節アーム部と、第1の端部に装着された測定デバイスと、AACMMの構造的コンポーネントであって、軸方向を有する、構造的コンポーネントと、構造的コンポーネントに結合された、それぞれが受感軸を有する少なくとも3つの歪みゲージセンサであって、各歪みゲージセンサの受感軸が、軸方向に対してほぼ平行に向きを決められ、各歪みゲージセンサが、軸方向に垂直な横断面によってほぼ横切られ、アナログ歪みゲージ信号を生成し、歪みゲージセンサが、構造的コンポーネントと横断面の両方の上に存在する任意の点の曲げ歪みを判定するのに十分なデータを提供するように配置される、歪みゲージセンサと、位置信号を受信し、測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、座標測定機に関し、より具体的には、可搬型の関節アーム座標測定機の構造的コンポーネントの歪みを測定するように構成された歪みゲージセンサを有する可搬型の関節アーム座標測定機に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2010年1月20日に出願した仮出願第61/296,555号の利益を主張するものであり、この仮出願の内容は、その全体を本願に引用して援用する。
【0003】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)は、部品の製造または生産のさまざまな段階(例えば、機械加工)の間に部品の寸法を迅速かつ正確に確認するニーズが存在する部品の製造または生産に広く使用されている。可搬型のAACMMは、特に、比較的複雑な部品の寸法の測定を実行するのにかかる時間量の中で、知られている据え付け式のまたは固定式の、コストが高く、使用するのが比較的難しい測定設備と比べて大きな改善を示す。通常、可搬型のAACMMのユーザは、単純に、測定されるべき部品または物体の表面に沿ってプローブを導く。次に、測定データが記録され、ユーザに提供される。場合によっては、データは、視覚的な形態、例えば、コンピュータスクリーン上の3次元(3D)の形態でユーザに提供される。その他の場合、データは、数字の形態でユーザに提供され、例えば、穴の直径を測定するとき、テキスト「直径=1.0034」がコンピュータスクリーン上に表示される。
【0004】
先行技術の可搬型の関節アームCMMの一例が、同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘582号特許は、一端に支持基部を、他端に測定プローブを有する手動操作式の関節アームCMMを備える3D測定システムを開示する。同一出願人による米国特許第5,611,147(‘147)号は、類似の関節アームCMMを開示しており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘147号特許においては、関節アームCMMは、プローブ端の追加的な回転軸を含むいくつかの特徴を含み、それによって、2−2−2軸構成または2−2−3軸構成(後者は7軸アームである)のどちらかを有するアームを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,402,582号明細書
【特許文献2】米国特許第5,611,147号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
必要とされるのは、AACMMに関連する歪みを測定することができる装置および方法である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な実施形態は、空間内の物体の座標を測定するための可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)であって、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、第1の端部に近接するアームセグメントを含む複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが、位置信号を生成する少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、アーム部と、第1の端部に装着された測定デバイスと、AACMMの構造的コンポーネントであって、軸方向を有する、構造的コンポーネントと、構造的コンポーネントに結合された、それぞれが受感軸を有する少なくとも3つの歪みゲージセンサであって、各歪みゲージセンサの受感軸が、軸方向に対してほぼ平行に向きを決められ、各歪みゲージセンサが、軸方向に垂直な横断面によってほぼ横切られ、アナログ歪みゲージ信号を生成し、歪みゲージセンサが、構造的コンポーネントと横断面の両方の上に存在する任意の点の曲げ歪みを判定するのに十分なデータを提供するように配置される、歪みゲージセンサと、位置信号を受信し、測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路とを含む、関節アーム座標測定機(AACMM)を含む。
【0008】
さらなる例示的な実施形態は、関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための方法であって、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、それぞれが少なくとも1つの軸受カートリッジに装着された複数の接続されたアームセグメントを含み、複数の接続されたアームセグメントが、第1の端部に近接するアームセグメントを含み、各アームセグメントが、位置信号を生成する少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、アーム部、前記第1の端部に装着された測定デバイス、関節アーム座標測定機の構造的コンポーネントであって、軸方向を有する、構造的コンポーネント、構造的コンポーネントに配置された少なくとも第1の歪みゲージセンサであって、各歪みゲージセンサが、アナログ歪みゲージ信号を生成する、少なくとも第1の歪みゲージセンサを設けるステップと、アナログ歪みゲージ信号の組み合わせを少なくとも1つのデジタル歪みゲージ信号に変換するステップと、位置信号および少なくとも1つのデジタル歪みゲージ信号を受信する電子回路に、少なくとも1つの軸受カートリッジのうちの少なくとも1つを通じて少なくとも1つのデジタル歪みゲージ信号を送信するステップと、測定デバイスの位置に対応するデータを提供および記憶するステップと、少なくとも1つのデジタル歪みゲージ信号を記憶するステップとを含む、方法を含む。
【0009】
ここで図面を参照して、本開示の範囲全体に関して限定的であると解釈されるべきでなく、要素がいくつかの図で同様に付番されている例示的な実施形態が示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】図1Aおよび1Bを含む、本発明のさまざまな態様の実施形態を中に有する可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)の斜視図である。
【図1B】図1Aおよび1Bを含む、本発明のさまざまな態様の実施形態を中に有する可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)の斜視図である。
【図2A】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図2B】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図2C】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図2D】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図3A】一緒に作られた図3Aおよび3Bを含む、一実施形態による、図2の電子データ処理システムの詳細な特徴を示す構成図である。
【図3B】一緒に作られた図3Aおよび3Bを含む、一実施形態による、図2の電子データ処理システムの詳細な特徴を示す構成図である。
【図4】AACMMのコンポーネントの曲げを示す、図1のAACMMの概略図である。
【図5】AACMMの構造的コンポーネントに配置された例示的な歪みゲージセンサの図である。
【図6】例示的な実施形態による、歪みを検出するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的な実施形態は、測定結果を補償して精度を向上させるか、または修正措置の必要性をオペレータに警告するかのいずれかのために、可搬型の関節アーム座標測定機のアームセグメントの歪みを測定するためのシステムおよび方法を含む。
【0012】
図1Aおよび1Bは、本発明のさまざまな実施形態による可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)100を全体的に示し、関節アームは、座標測定機の一種である。図1Aおよび1Bに示されるように、例示的なAACMM100は、一端でAACMM100のアーム部104に結合された測定プローブ筐体102を有する6または7軸関節測定デバイスを含み得る。アーム部104は、軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第1の群110によって第2のアームセグメント108に結合された第1のアームセグメント106を含む。軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第2の群112は、第2のアームセグメント108を測定プローブ筐体102に結合する。軸受カートリッジ(例えば、3つの軸受カートリッジ)の第3の群114は、第1のアームセグメント106を、AACMM100のアーム部104の他端に配置された基部116に結合する。軸受カートリッジの各群110、112、114は、関節による動作の複数の軸を提供する。また、測定プローブ筐体102は、AACMM100の第7の軸部のシャフト(例えば、AACMM100の第7の軸内の測定デバイス、例えば、プローブ118の動作を決定するエンコーダシステムを含むカートリッジ)を含み得る。AACMM100を使用する際、基部116は、通常、作業台に固定される。
【0013】
各軸受カートリッジの群110、112、114の中の各軸受カートリッジは、通常、エンコーダシステム(例えば、光学式の角度エンコーダシステム)を含む。エンコーダシステム(すなわち、トランスデューサ)は、基部116に対するプローブ118の位置(および、ひいては、特定の基準系、例えば、局所または大域基準系におけるAACMM100によって測定されている物体の位置)をすべてが一緒になって示すそれぞれのアームセグメント106、108および対応する軸受カートリッジの群110、112、114の位置を示す。アームセグメント106、108は、例えば、これに限定されないが、炭素複合材料などの好適な剛性のある材料で作製され得る。関節による動作の6つまたは7つの軸(すなわち、自由度)を有する可搬型のAACMM100は、オペレータによって簡単に扱われ得るアーム部104を提供しながら、オペレータが基部116周りの360度の領域内の所望の位置にプローブ118を位置付けることを可能にする利点をもたらす。しかし、2つのアームセグメント106、108を有するアーム部104の例は例示を目的とするものであり、特許請求される発明はそのように限定されるべきでないことを理解されたい。AACMM100は、軸受カートリッジによって一緒に結合された任意の数のアームセグメント(および、ひいては、6つもしくは7つを超えるか、または6つもしくは7つ未満の関節による動作の軸または自由度)を持つ可能性がある。
【0014】
プローブ118は、測定プローブ筐体102に取り外し可能なように取り付けられ、測定プローブ筐体102は、軸受カートリッジの群112に接続される。ハンドル126は、例えば、クイック接続インターフェース(quick−connect interface)により測定プローブ筐体102に対して取り外し可能である。ハンドル126は、別のデバイス(例えば、レーザラインプローブ、バーコードリーダ)で置き換えられることができ、それによって、オペレータが同じAACMM100で異なる測定デバイスを使用することを可能にする利点をもたらす。例示的な実施形態において、プローブ筐体102は、接触式の測定デバイスであり、測定されるべき物体に物理的に接触する、ボール形の、タッチセンシティブな、湾曲した、および伸長式のプローブを含むがこれらに限定されない異なるチップ118を有する可能性がある取り外し可能なプローブ118を収容する。その他の実施形態において、測定は、例えば、レーザラインプローブ(LLP)などの非接触式のデバイスによって実行される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースを使用してLLPで置き換えられる。その他の種類の測定デバイスが、追加的な機能を提供するために取り外し可能なハンドル126を置き換える可能性がある。そのような測定デバイスの例は、例えば、1つ以上の照明、温度センサ、熱スキャナ、バーコードスキャナ、プロジェクタ、ペイントスプレーヤ、カメラなどを含むがこれらに限定されない。
【0015】
図1Aおよび1Bに示されるように、AACMM100は、軸受カートリッジの群112から測定プローブ筐体102を取り外すことなしにアクセサリまたは機能が変更されることを可能にする利点をもたらす取り外し可能なハンドル126を含む。図2に関して以下でより詳細に検討されるように、取り外し可能なハンドル126は、電力およびデータが、ハンドル126、およびプローブ端に配置された対応する電子機器とやりとりされることを可能にする電気コネクタも含み得る。
【0016】
さまざまな実施形態において、軸受カートリッジの各群110、112、114は、AACMM100のアーム部104が複数の回転軸周りを動くことを可能にする。述べられたように、各軸受カートリッジの群110、112、114は、例えばアームセグメント106、108の対応する回転軸と同軸上にそれぞれが配置された、例えば光学式の角度エンコーダなどの対応するエンコーダシステムを含む。光学式のエンコーダシステムは、本明細書において以下でより詳細に説明されるように、例えば、対応する軸周りのアームセグメント106、108のそれぞれのアームセグメントの回転する(スイベルの)または横の(蝶番の)動きを検出し、AACMM100内の電子データ処理システムに信号を送信する。それぞれの個々の処理されていないエンコーダのカウントが信号として電子データ処理システムに別々に送信され、電子データ処理システムにおいて、そのカウントは測定データへとさらに処理される。同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されているような、AACMM100自体から分離した位置計算機(例えば、シリアルボックス)は必要とされない。
【0017】
基部116は、装着デバイスまたは取り付けデバイス120を含み得る。取り付けデバイス120は、AACMM100が、例えば、検査台、マシニングセンタ、壁、または床などの所望の位置に取り外し可能なように取り付けられることを可能にする。一実施形態において、基部116は、AACMM100が移動されているときにオペレータが基部116を持つのに都合の良い位置を提供するハンドル部122を含む。一実施形態において、基部116は、折りたたむとディスプレイスクリーンなどのユーザインターフェースが見えるようになる可動式のカバー部124をさらに含む。
【0018】
一実施形態によれば、可搬型のAACMM100の基部116は、2つの主要なコンポーネント、すなわち、AACMM100内のさまざまなエンコーダシステムからのデータ、および3次元(3D)位置計算をサポートするためのその他のアームパラメータを表すデータを処理する基部処理システムと、比較的完全な計測機能が外部コンピュータへの接続を必要とせずにAACMM100内で実施されることを可能にする、搭載オペレーティングシステム、タッチスクリーンディスプレイ、および常駐アプリケーションソフトウェアを含むユーザインターフェース処理システムとを含む電子データ処理システムを含むまたは収容する。
【0019】
一実施形態によれば、可搬型のAACMM100の基部116は、2つの主要なコンポーネント、すなわち、AACMM100内のさまざまなエンコーダシステムからのデータ、および3次元(3D)位置計算をサポートするためのその他のアームパラメータを表すデータを処理する基部処理システムと、比較的完全な計測機能が外部コンピュータへの接続を必要とせずにAACMM100内で実施されることを可能にする、搭載オペレーティングシステム、タッチスクリーンディスプレイ、および常駐アプリケーションソフトウェアを含むユーザインターフェース処理システムとを含む電子データ処理システムを含むまたは収容する。
【0020】
図2は、一実施形態による、AACMM100で利用される電子機器の構成図である。図2に示される実施形態は、基部処理システムを実装するための基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、電力を供給するための基部電源基板206と、Bluetoothモジュール232と、基部傾斜基板208とを含む電子データ処理システム210を含む。ユーザインターフェース基板202は、ユーザインターフェース、表示、および本明細書において説明されるその他の機能を実行するアプリケーションソフトウェアを実行するためのコンピュータプロセッサを含む。
【0021】
図2に示されるように、電子データ処理システム210は、1つ以上のアームバス218を介して上述の複数のエンコーダシステムと通信している。図2に示された実施形態において、各エンコーダシステムは、エンコーダデータを生成し、エンコーダアームバスインターフェース214と、エンコーダデジタル信号プロセッサ(DSP)216と、エンコーダ読み取りヘッドインターフェース234と、温度センサ212とを含む。歪みセンサなどのその他のデバイスが、アームバス218に装着され得る。
【0022】
さらに図2に示されているのは、アームバス218と通信しているプローブ端電子機器230である。プローブ端電子機器230は、プローブ端DSP228と、温度センサ212と、一実施形態においてはクイック接続インターフェースによってハンドル126またはLLP242に接続するハンドル/LLPインターフェースバス240と、プローブインターフェース226とを含む。クイック接続インターフェースは、LLP242およびその他のアクセサリによって使用されるデータバス、制御線、および電源バスへのハンドル126によるアクセスを可能にする。一実施形態において、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースから取り外されることができ、測定は、ハンドル/LLPインターフェースバス240を介してAACMM100のプローブ端電子機器230と通信するレーザラインプローブ(LLP)242によって実行される可能性がある。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置され、エンコーダは、軸受カートリッジの群110、112、114に配置される。プローブインターフェース226は、1−wire(登録商標)通信プロトコル236を実施する、Maxim Integrated Products,Inc.から販売されている製品を含む任意の好適な通信プロトコルによってプローブ端DSP228に接続することができる。
【0023】
図3は、一実施形態による、AACMM100の電子データ処理システム210の詳細な特徴を示す構成図である。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、基部電源基板206と、Bluetoothモジュール232と、基部傾斜モジュール208とを含む。
【0024】
図3に示される実施形態において、基部プロセッサ基板204は、図中に示されるさまざまな機能ブロックを含む。例えば、基部プロセッサ機能302は、AACMM100からの測定データの収集をサポートするために利用され、アームバス218およびバス制御モジュール機能308を介して処理されていないアームデータ(例えば、エンコーダシステムのデータ)を受信する。メモリ機能304は、プログラムおよび静的なアーム構成データを記憶する。基部プロセッサ基板204は、LLP242などの任意の外部ハードウェアデバイスまたはアクセサリと通信するための外部ハードウェアオプションポート機能310も含む。リアルタイムクロック(RTC)およびログ306と、バッテリパックインターフェース(IF)316と、診断ポート318とが、図3に示される基部プロセッサ基板204の実施形態の機能にやはり含まれる。
【0025】
また、基部プロセッサ基板204は、外部(ホストコンピュータ)および内部(ディスプレイプロセッサ202)デバイスとのすべての有線および無線データ通信を管理する。基部プロセッサ基板204は、(例えば、米国電気電子学会(IEEE)1588などのクロック同期規格を用いて)イーサネット機能320を介してイーサネットネットワークと、LAN機能322を介して無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と、およびパラレル・シリアル通信(PSC)機能314を介してBluetoothモジュール232と通信する能力を有する。基部プロセッサ基板204は、ユニバーサルシリアルバス(USB)デバイス312への接続も含む。
【0026】
基部プロセッサ基板204は、上述の‘582号特許のシリアルボックスで開示されたようないかなる前処理も必要とせずに測定データへと処理するために、処理されていない測定データ(例えば、エンコーダシステムのカウント、温度の読み取り値)を送信および収集する。基部プロセッサ204は、RS485インターフェース(IF)326を介してユーザインターフェース基板202のディスプレイプロセッサ328に処理されたデータを送信する。一実施形態において、基部プロセッサ204は、処理されていない測定データを外部コンピュータにやはり送信する。
【0027】
ここで図3のユーザインターフェース基板202を参照すると、基部プロセッサによって受信された角度および位置データが、AACMM100内の自律的な計測システムを提供するためにディスプレイプロセッサ328で実行されるアプリケーションによって利用される。アプリケーションは、これらに限定されないが、特徴の測定、手引きおよび訓練のグラフィックス、遠隔診断、温度の修正、さまざまな動作の特徴の制御、さまざまなネットワークへの接続、ならびに測定された物体の表示などの機能をサポートするためにディスプレイプロセッサ328で実行され得る。ディスプレイプロセッサ328および液晶ディスプレイ(LCD)338(例えば、タッチスクリーンLCD)ユーザインターフェースとともに、ユーザインターフェース基板202は、セキュアデジタル(SD)カードインターフェース330と、メモリ332と、USBホストインターフェース334と、診断ポート336と、カメラポート340と、音声/映像インターフェース342と、ダイヤルアップ/セルモデム344と、全地球測位システム(GPS)ポート346とを含むいくつかのインターフェースオプションを含む。
【0028】
図3に示される電子データ処理システム210は、環境データを記録するための環境レコーダ362を有する基部電源基板206も含む。また、基部電源基板206は、AC/DCコンバータ358およびバッテリ充電器制御360を用いて、電子データ処理システム210に電力を供給する。基部電源基板206は、集積回路間(inter−integrated circuit)(I2C)シリアルシングルエンドバス354を用いて、およびDMAシリアル周辺インターフェース(DMA serial peripheral interface)(DSPI)356を介して基部プロセッサ基板204と通信する。基部電源基板206は、基部電源基板206に実装された入力/出力(I/O)拡張機能364を介して傾斜センサおよび無線周波数識別(RFID)モジュール208に接続される。
【0029】
別個のコンポーネントとして示されているが、その他の実施形態において、これらのコンポーネントのすべてまたは一部は、図3に示された位置とは異なる位置に物理的に配置される、および/または図3に示された方法とは異なる方法で組み合わされた機能である可能性がある。例えば、一実施形態において、基部プロセッサ基板204およびユーザインターフェース基板202は、1つの物理的な基板に組み合わされる。
【0030】
図4は、第1のアームセグメント106の曲げの誇張された図を示す。AACMM100のコンポーネント(例えば、第1のアームセグメント106および第2のアームセグメント108)の曲げおよびねじれは、重力、カウンタバランスばね(counter balance spring)、またはオペレータによるAACMM100の操作によって生じる可能性がある。基部プロセッサ基板204によって実行される運動学モデル計算がこれらの力を考慮に入れない場合、その運動学モデル計算は、点の座標を計算するときに、アームセグメントの曲げまたはねじれを十分に勘案しない可能性がある。アームの曲げ歪みを直接測定することによって、AACMM100に加えられた力の影響が、運動学モデル計算に含められ、それによって、AACMM100の測定精度を向上させることができる。
【0031】
図5を参照すると、歪みゲージセンサ500が、アームセグメント106、108、軸受カートリッジの群110、112、114、またはAACMM100のその他の機械的コンポーネントを含み得る構造的部品510に装着されている。歪みゲージセンサ500は、構造的部品510に、例えばエポキシ樹脂で接着されるか、またはその他の好適な方法で接続され得る。歪みゲージセンサ500の、この例では円筒形をしている構造的部品510の四分円状の特定の取り付け構成は、その取り付け構成が、AACMMのアームセグメントに見られる2種類の歪み−曲げ歪みおよび軸歪み−を区別する方法を提供し、加えて、アームセグメントの曲げの方向を判定するので特に好ましい。図5のアームセグメントに関して、歪みゲージセンサ500は、外面に取り付けられるか、内面に取り付けられるか、または構造的部品510の材料に組み込まれる可能性がある。
【0032】
ビーム(beam)の軸方向は、ビームの長軸である。横断方向は、軸方向に垂直である。力は、ビームに対して軸方向および横断方向に加えられ得る。歪みεは、長さの変化dLの対応する長さLに対する比:ε=dL/Lとして定義される。ビームの軸歪みは、軸方向に沿った−つまり、曲げのないビームの伸長または収縮によって生じる。ビームの曲げ歪みは、図4に示されたようなビームの曲げによって生じる。曲げ歪みは、横断方向に沿ってビームに力を加えることによって、または軸方向に沿って、ただしビームの中立軸をはずしてビームに力を加えることによって生じる可能性がある。まっすぐな円筒状に対称的なビームに関しては、中立軸は、円筒の中心に沿って延びる。
【0033】
第1の歪みゲージセンサがビームの最上部に配置され、第2の歪みゲージセンサがビームの最下部に配置される場合、歪みゲージセンサおよび中立軸を通る垂直な平面内に存在するあらゆる力によって、曲げ歪みを軸歪みと区別することができる。例えば、上部センサと下部センサの両方によって測定される歪みが同じ量だけ減少する場合、垂直な断面に沿った歪みは、圧縮的であり、もっぱら軸歪みである。一方、上部センサの歪みが特定の量の正の歪みであり、下部センサの歪みが同じ量の負の歪みである場合、ビームの上部が伸び、ビームの下部が収縮しており、垂直な断面に沿った歪みは、もっぱら曲げ歪みである。2つの歪みゲージセンサをビーム上に180度離して配置することによって、2つの歪みゲージセンサの読み取り値から曲げ歪みおよび軸歪みの量を計算することができる。
【0034】
AACMM100に関して、各アームセグメント106、108は、そのアームセグメントの長軸周りに回転する能力を有する。その結果、アームセグメントのうちの1つに(例えば、カウンタバランスばねによって)加えられる力は、任意の方向である可能性がある。アームセグメント106、108のうちの1つに対する力または歪みの影響を予測するためには、2つの歪みゲージセンサをアームセグメント上に180度離して配置することは十分でない。むしろ、アームセグメントの断面の任意の点における軸歪みおよび曲げ歪みを見つけるために、少なくとも3つの歪みゲージセンサ500が、アームセグメント上に適切に配置されなければならない。一実施形態において、アームセグメント106、108は、円筒状の管であり、3つの歪みゲージセンサ500が、アームセグメントのうちの1つの外面に配置される。3つの歪みゲージセンサは120度離され、軸方向に垂直な平面にほぼ位置を合わせられる。この構成によって、3つの歪みゲージセンサ500は、断面の平面上の、管のあちこちの任意の位置における軸歪みおよび曲げ歪みを計算するのに十分な情報を提供する。3つの歪みゲージセンサ500は、120度離して配置される必要はないが、3つの歪みゲージのすべての配置が所望の情報をもたらすわけではない。例えば、3つの歪みゲージセンサのうちの2つは、180度離して配置されると、1つの平面−中立軸と、180度離れた2つの歪みゲージセンサとを含む平面に関してしか軸歪みおよび曲げ歪みついての情報をもたらさないので、180度離して配置されることはできない。
【0035】
一実施形態において、構造的コンポーネントは、円筒状の管の形態であるアームセグメント106、108を含む。円筒状の管の外面上の3つ以上の歪みゲージセンサ500は、それらの歪みゲージセンサが軸方向に垂直な平面によって横切られるように配置される。この配置により、曲げ歪みが、構造的コンポーネントと横断面の両方の上に存在する各点について計算され得る。曲げ歪みが極端な正の値および極端な負の値を持つ(横断面の位置における)管の外側の位置を選択することによって、曲げの方向および大きさが、計算され得る。構造的要素のそれぞれに関する曲げの方向および大きさをトランスデューサ(例えば、角度エンコーダ)の読み取り値と組み合わせることによって、測定デバイスの全体的な変位が、AACMM100の局所基準系において計算され得る。変位は、例えば、アームセグメントに加えられた力の結果としてのプローブ118のプローブチップの変位である可能性がある。
【0036】
歪みゲージセンサ500は、抵抗式、音響式、容量式、誘導式、機械式、光学式、圧電抵抗式、または半導体式である可能性がある。一実施形態において、歪みゲージセンサ500は、弾性のある裏材(例えば、薄いポリイミド)に張り合わされている金属箔の形態を有する抵抗式である。箔の金属は、自己温度補償(STC)コンスタンタン合金である可能性がある。自己温度補償は、コンスタンタン合金の適切な処理によって、特に冷間加工によって実現され、その結果、コンスタンタンゲージ配線は、広い温度範囲にわたり、熱によって引き起こされる歪みが非常に小さい。一実施形態において、構造的部品510は、低いCTEを有する炭素繊維複合材で作製された中空の管であるアームセグメント106、108を含む。歪みゲージセンサの箔の金属は、同様の低いCTEを有するように選択されたコンスタンタン合金(またはその他の合金)である。箔のパターンは、平行線のジグザグなパターンである可能性があり、したがって、平行線の方向の少量の応力が、箔のパターンの有効長にわたる歪みを増幅する。平行線の方向は、歪みゲージセンサの感度方向(sensitive direction)と呼ばれる。歪みゲージセンサ500の箔のパターンの平行線は、構造的部品510の軸方向に対して平行に配置される。一実施形態において、STC歪みゲージの歪みの読み取り値の精度は、STC歪みゲージの製造元によって提供される曲線または多項式に基づく補正係数を適用することによってさらに改善される。
【0037】
歪みゲージ500は、例えば、温度センサ212付近の回路基板に配置され得るホイートストンブリッジ回路に配置される可能性がある。一実施形態の構成において、歪みゲージセンサ500は、4つの抵抗器の回路網における1つの抵抗を提供する。その他の3つの抵抗は、温度によってほとんど変化しない抵抗を有する固定の抵抗器によって与えられる。代替的な実施形態においては、180度離された2つの歪みセンサが、ホイートストンブリッジの4つの抵抗の回路網における2つの抵抗を提供する。ホイートストンブリッジは、電子機器から歪みゲージセンサ500まで延びる配線の寄生抵抗の影響を排除するために3線式回路網で構成され得る。一実施形態において、ホイートストンブリッジからの信号が、アナログ・デジタルコンバータ回路に送信され、アナログ・デジタルコンバータ回路において、ホイートストンブリッジからのアナログ信号が、デジタル歪みゲージ信号に変換される。デジタル歪みゲージ信号のすべては、アームバス218に乗せられる。
【0038】
以上の検討はビームの、および特にアームセグメント106、108のような円筒形をしたビームの歪みの影響について考えたが、歪みゲージセンサ500は、その他の構造の歪みを発見するために使用され得る。考慮されている特定の構造が軸方向周りに対称的でない場合、歪みゲージの読み取り値の意味を適切に解釈するためにさらなる分析を行うことが必要である可能性がある。例えば、複雑な構造的コンポーネントにおいては、特定の構造の詳細なCADモデルを用いてコンピュータ上で実行される有限要素解析(FEA)が、4つの歪みゲージの読み取り値に基づいて軸歪みおよび曲げ歪みを発見するために使用され得る。そのような場合、3つではなく4つ以上の歪みゲージが、必要とされる可能性がある。
【0039】
歪みゲージから得られた読み取り値は、AACMM100の測定の精度を向上させるか、または修正措置が取られる必要があることを示すためにオペレータに警告を与えるかのいずれかのために使用され得る。最高の精度のために、歪みゲージの読み取り値は、エンコーダの読み取り値と相互に関連付けられる。これは、エンコーダの読み取り値と同じ瞬間に歪みゲージの読み取り値を取り込むことによってなされ得る。一実施形態において、読み取り値は、アームバス218内のバスを介して送信された取り込み信号に応答して、歪みゲージおよびエンコーダを含むAACMM100のセンサのすべてによって取り込まれ得る。例えば、歪みゲージセンサ500は、オペレータの関与なしに、AACMM100の位置を補正するための歪みデータをリアルタイムで(例えば、〜1000点/秒)提供することができる。
【0040】
また、歪みゲージ監視システムからのデータが、可聴的警告または視覚的警告のいずれかの形態でオペレータに直接的なフィードバックを与えるために使用され得る。そのような警告は、特に曲げ歪みに関して、歪みゲージの読み取り値が、定められた(予測された)値から所定の値を超えて逸脱するときに発せられる可能性がある。これらの警告は、測定技術を教え、改善するように設計されたアプリケーションソフトウェアによって補足され得る。例示的な実施形態において、可視的警告は、歪みのひどさを表すカラーまたはグレースケール530を示す、構造的部品510の視覚的表示520を含み得る。
【0041】
曲げ歪みおよび軸歪みの影響を勘案する、AACMM100に関する単純だが効果的な運動学モデルを得るために、FEAを使用してAACMM100に対する力の影響を観察することが有用である可能性がある。そのようなFEAの例が、図5の上部の挿入図520に示されている。この挿入図において、異なる量の歪み(または応力)は、グレースケール値によって示されている。示された例において、歪みは、領域530に最も集中している。さらなる改良として、空間内のアームセグメントの向きに応じてカウンタバランスばねによって加えられる力を測定するために実験が行われ得る。これらの力の値は、FEAの分析を改善するために使用され得る。
【0042】
FEAの主目的は、AACMM100の運動学モデルの比較的単純だが正確な形態を定めるのを支援することである。運動学モデルの形態が定められると、大量のデータが、収集され、モデルに当てはまる。モデルに対する最良の数値パラメータの値を選択するために最適化方法が使用される。データを収集するステップと、最適なパラメータ値を求めるステップの組み合わせは、補償または校正と呼ばれる。データの収集は、アームセグメントがさまざまな向きに動かされる間にネスト(nest)に固定されたプローブの座標を測定することを含み得る。座標の値は動かないプローブチップに関しては一定でなければならないので、アームセグメントの異なる向きに対するプローブの読み取り値の差を最小化するようにパラメータ値が選択され得る。データの収集は、既知の長さの1つ以上の人工物上の点の間の距離を測定することも含み得る。
【0043】
上述のように、歪みゲージセンサ500は、外面に配置されるか、内面に配置されるか、または構造的部品510の材料に組み込まれる可能性がある。最後のケースでは、歪みゲージセンサ500が、関節を接続する管510の炭素繊維に組み込まれ得る。製造プロセスにおいて、概して、炭素繊維織物が、マンドレルに巻きつけられ、歪みゲージセンサ500が、最後の巻きつけを終える前に据え付けられ、それによって、歪みゲージセンサ500を保護し、それらの歪みゲージセンサ500を部品に組み込むことができる。歪みゲージセンサ500をアームの管510の両端に、管510の外周に90度離して配置する(すなわち、直行するように配置される)ことによって、管の変形が、図5の応力の図に示されたように最も大きな変形が発生する嵌合するコンポーネントの接着接合部付近の歪みゲージの領域内で十分に特徴づけられ得る。
【0044】
図6は、AACMM100が、オペレータがブロック640において測定することおよび表示することを選択する限り、ブロック610において継続的に歪みを測定し、ブロック620においてAACMM100のアームモデルに適切な補正を行い、ブロック630において継続的に測定値を表示することができることを示す、例示的な実施形態による歪みを測定するための方法600の流れ図である。
【0045】
技術的効果および利点は、AACMM100の構造的部品510の歪みを継続的に測定する能力を含む。したがって、オペレータは、測定中に歪みを考慮に入れるため、または修正措置を取るために、AACMM100が測定中に何らかの歪みにさらされているかどうかを知ることができる。
【0046】
当業者に理解されるであろうように、本発明の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本発明の態様は、すべてハードウェアの実施形態、すべてソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはすべてが概して本明細書において「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」と呼ばれることがあるソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせる実施形態の形態をとる可能性がある。さらに、本発明の態様は、コンピュータ可読プログラムコードを具現化する1つ以上のコンピュータ可読媒体で具現化されるコンピュータプログラム製品の形態をとる可能性がある。
【0047】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが、利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読ストレージ媒体である可能性がある。コンピュータ可読ストレージ媒体は、これらに限定されないが、例えば、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線、もしくは半導体システム、装置、もしくはデバイス、またはこれらの任意の好適な組み合わせである可能性がある。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、以下、すなわち、1つ以上の配線を有する電気的な接続、持ち運び可能なコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read−only memory)(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、持ち運び可能なコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気式ストレージデバイス、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含む。本明細書の文脈においては、コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のための、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスに関連するプログラムを含むかまたは記憶することができる任意の有形の媒体である可能性がある。
【0048】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドで、または搬送波の一部としてコンピュータ可読プログラムコードを具現化する伝播されるデータ信号を含み得る。そのような伝播される信号は、電磁的、光学的、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含むがそれらに限定されないさまざまな形態のうちの任意の形態をとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読ストレージ媒体ではなく、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のための、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスに関連するプログラムを伝達、伝播、または搬送することができる任意のコンピュータ可読媒体である可能性がある。
【0049】
コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体を用いて送信され得る。
【0050】
本発明の態様のオペレーションを実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++、C#などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの通常の手続き型プログラミング言語とを含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述され得る。プログラムコードは、すべてユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータ上で部分的に、ユーザのコンピュータ上で部分的にかつ遠隔のコンピュータ上で部分的に、またはすべて遠隔のコンピュータもしくはサーバ上で実行され得る。後者の場合、遠隔のコンピュータが、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され得るか、または外部コンピュータへの接続が(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)行われ得る。
【0051】
本発明の態様が、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/または構成図を参照して説明されている。流れ図および/または構成図の各ブロックと、流れ図および/または構成図のブロックの組み合わせとは、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解されるであろう。
【0052】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施するための手段をもたらすように、多目的コンピュータ、専用コンピュータ、または機械を製造するためのその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに与えられ得る。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施する命令を含む製品をもたらすように、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスを特定の方法で機能させることができるコンピュータ可読媒体に記憶される可能性もある。
【0053】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置で実行される命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施するためのプロセスを提供するように、コンピュータで実施されるプロセスを生成するために一連のオペレーションのステップがコンピュータ、その他のプログラム可能な装置、またはその他のデバイスで実行されるようにするために、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスにロードされる可能性もある。
【0054】
図面の流れ図および構成図は、本発明のさまざまな実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品のあり得る実装のアーキテクチャ、機能、およびオペレーションを示す。その際、流れ図または構成図の各ブロックは、(1つ以上の)規定された論理的な機能を実装するための1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、またはコードの一部を表す可能性がある。一部の代替的な実装において、ブロックで示された機能が、図面に示された順序とは異なる順序で行われ得ることにも留意されたい。例えば、連続で示された2つのブロックが、実際には実質的に同時に実行される可能性があり、またはそれらのブロックは、関連する機能に応じて逆順に実行される場合もあり得る。構成図および/または流れ図の各ブロックと、構成図および/または流れ図のブロックの組み合わせとは、規定された機能もしくは動作を実行する専用のハードウェアに基づくシステム、または専用のハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実装され得ることも認識されるであろう。
【0055】
本発明が例示的な実施形態を参照して説明されたが、本発明の範囲を逸脱することなくさまざまな変更が行われる可能性があり、均等物が本発明の要素の代替とされる可能性があることが当業者に理解されるであろう。さらに、特定の状況または構成要素を本発明の教示に適合させるために、本発明の本質的な範囲を逸脱することなく多くの修正が行われ得る。したがって、本発明は本発明を実施するための考えられる最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を含むことが意図される。さらに、用語「第1」、「第2」などの使用はいかなる順序または重要度も表さず、むしろ用語「第1」、「第2」などはある要素を別の要素と区別するために使用される。その上、用語「a」、「an」などの使用は量の限定を表さず、むしろ言及される項目の少なくとも1つの存在を表す。
【技術分野】
【0001】
本開示は、座標測定機に関し、より具体的には、可搬型の関節アーム座標測定機の構造的コンポーネントの歪みを測定するように構成された歪みゲージセンサを有する可搬型の関節アーム座標測定機に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2010年1月20日に出願した仮出願第61/296,555号の利益を主張するものであり、この仮出願の内容は、その全体を本願に引用して援用する。
【0003】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)は、部品の製造または生産のさまざまな段階(例えば、機械加工)の間に部品の寸法を迅速かつ正確に確認するニーズが存在する部品の製造または生産に広く使用されている。可搬型のAACMMは、特に、比較的複雑な部品の寸法の測定を実行するのにかかる時間量の中で、知られている据え付け式のまたは固定式の、コストが高く、使用するのが比較的難しい測定設備と比べて大きな改善を示す。通常、可搬型のAACMMのユーザは、単純に、測定されるべき部品または物体の表面に沿ってプローブを導く。次に、測定データが記録され、ユーザに提供される。場合によっては、データは、視覚的な形態、例えば、コンピュータスクリーン上の3次元(3D)の形態でユーザに提供される。その他の場合、データは、数字の形態でユーザに提供され、例えば、穴の直径を測定するとき、テキスト「直径=1.0034」がコンピュータスクリーン上に表示される。
【0004】
先行技術の可搬型の関節アームCMMの一例が、同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘582号特許は、一端に支持基部を、他端に測定プローブを有する手動操作式の関節アームCMMを備える3D測定システムを開示する。同一出願人による米国特許第5,611,147(‘147)号は、類似の関節アームCMMを開示しており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘147号特許においては、関節アームCMMは、プローブ端の追加的な回転軸を含むいくつかの特徴を含み、それによって、2−2−2軸構成または2−2−3軸構成(後者は7軸アームである)のどちらかを有するアームを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,402,582号明細書
【特許文献2】米国特許第5,611,147号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
必要とされるのは、AACMMに関連する歪みを測定することができる装置および方法である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な実施形態は、空間内の物体の座標を測定するための可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)であって、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、第1の端部に近接するアームセグメントを含む複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが、位置信号を生成する少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、アーム部と、第1の端部に装着された測定デバイスと、AACMMの構造的コンポーネントであって、軸方向を有する、構造的コンポーネントと、構造的コンポーネントに結合された、それぞれが受感軸を有する少なくとも3つの歪みゲージセンサであって、各歪みゲージセンサの受感軸が、軸方向に対してほぼ平行に向きを決められ、各歪みゲージセンサが、軸方向に垂直な横断面によってほぼ横切られ、アナログ歪みゲージ信号を生成し、歪みゲージセンサが、構造的コンポーネントと横断面の両方の上に存在する任意の点の曲げ歪みを判定するのに十分なデータを提供するように配置される、歪みゲージセンサと、位置信号を受信し、測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路とを含む、関節アーム座標測定機(AACMM)を含む。
【0008】
さらなる例示的な実施形態は、関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための方法であって、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、それぞれが少なくとも1つの軸受カートリッジに装着された複数の接続されたアームセグメントを含み、複数の接続されたアームセグメントが、第1の端部に近接するアームセグメントを含み、各アームセグメントが、位置信号を生成する少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、アーム部、前記第1の端部に装着された測定デバイス、関節アーム座標測定機の構造的コンポーネントであって、軸方向を有する、構造的コンポーネント、構造的コンポーネントに配置された少なくとも第1の歪みゲージセンサであって、各歪みゲージセンサが、アナログ歪みゲージ信号を生成する、少なくとも第1の歪みゲージセンサを設けるステップと、アナログ歪みゲージ信号の組み合わせを少なくとも1つのデジタル歪みゲージ信号に変換するステップと、位置信号および少なくとも1つのデジタル歪みゲージ信号を受信する電子回路に、少なくとも1つの軸受カートリッジのうちの少なくとも1つを通じて少なくとも1つのデジタル歪みゲージ信号を送信するステップと、測定デバイスの位置に対応するデータを提供および記憶するステップと、少なくとも1つのデジタル歪みゲージ信号を記憶するステップとを含む、方法を含む。
【0009】
ここで図面を参照して、本開示の範囲全体に関して限定的であると解釈されるべきでなく、要素がいくつかの図で同様に付番されている例示的な実施形態が示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】図1Aおよび1Bを含む、本発明のさまざまな態様の実施形態を中に有する可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)の斜視図である。
【図1B】図1Aおよび1Bを含む、本発明のさまざまな態様の実施形態を中に有する可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)の斜視図である。
【図2A】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図2B】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図2C】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図2D】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図3A】一緒に作られた図3Aおよび3Bを含む、一実施形態による、図2の電子データ処理システムの詳細な特徴を示す構成図である。
【図3B】一緒に作られた図3Aおよび3Bを含む、一実施形態による、図2の電子データ処理システムの詳細な特徴を示す構成図である。
【図4】AACMMのコンポーネントの曲げを示す、図1のAACMMの概略図である。
【図5】AACMMの構造的コンポーネントに配置された例示的な歪みゲージセンサの図である。
【図6】例示的な実施形態による、歪みを検出するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的な実施形態は、測定結果を補償して精度を向上させるか、または修正措置の必要性をオペレータに警告するかのいずれかのために、可搬型の関節アーム座標測定機のアームセグメントの歪みを測定するためのシステムおよび方法を含む。
【0012】
図1Aおよび1Bは、本発明のさまざまな実施形態による可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)100を全体的に示し、関節アームは、座標測定機の一種である。図1Aおよび1Bに示されるように、例示的なAACMM100は、一端でAACMM100のアーム部104に結合された測定プローブ筐体102を有する6または7軸関節測定デバイスを含み得る。アーム部104は、軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第1の群110によって第2のアームセグメント108に結合された第1のアームセグメント106を含む。軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第2の群112は、第2のアームセグメント108を測定プローブ筐体102に結合する。軸受カートリッジ(例えば、3つの軸受カートリッジ)の第3の群114は、第1のアームセグメント106を、AACMM100のアーム部104の他端に配置された基部116に結合する。軸受カートリッジの各群110、112、114は、関節による動作の複数の軸を提供する。また、測定プローブ筐体102は、AACMM100の第7の軸部のシャフト(例えば、AACMM100の第7の軸内の測定デバイス、例えば、プローブ118の動作を決定するエンコーダシステムを含むカートリッジ)を含み得る。AACMM100を使用する際、基部116は、通常、作業台に固定される。
【0013】
各軸受カートリッジの群110、112、114の中の各軸受カートリッジは、通常、エンコーダシステム(例えば、光学式の角度エンコーダシステム)を含む。エンコーダシステム(すなわち、トランスデューサ)は、基部116に対するプローブ118の位置(および、ひいては、特定の基準系、例えば、局所または大域基準系におけるAACMM100によって測定されている物体の位置)をすべてが一緒になって示すそれぞれのアームセグメント106、108および対応する軸受カートリッジの群110、112、114の位置を示す。アームセグメント106、108は、例えば、これに限定されないが、炭素複合材料などの好適な剛性のある材料で作製され得る。関節による動作の6つまたは7つの軸(すなわち、自由度)を有する可搬型のAACMM100は、オペレータによって簡単に扱われ得るアーム部104を提供しながら、オペレータが基部116周りの360度の領域内の所望の位置にプローブ118を位置付けることを可能にする利点をもたらす。しかし、2つのアームセグメント106、108を有するアーム部104の例は例示を目的とするものであり、特許請求される発明はそのように限定されるべきでないことを理解されたい。AACMM100は、軸受カートリッジによって一緒に結合された任意の数のアームセグメント(および、ひいては、6つもしくは7つを超えるか、または6つもしくは7つ未満の関節による動作の軸または自由度)を持つ可能性がある。
【0014】
プローブ118は、測定プローブ筐体102に取り外し可能なように取り付けられ、測定プローブ筐体102は、軸受カートリッジの群112に接続される。ハンドル126は、例えば、クイック接続インターフェース(quick−connect interface)により測定プローブ筐体102に対して取り外し可能である。ハンドル126は、別のデバイス(例えば、レーザラインプローブ、バーコードリーダ)で置き換えられることができ、それによって、オペレータが同じAACMM100で異なる測定デバイスを使用することを可能にする利点をもたらす。例示的な実施形態において、プローブ筐体102は、接触式の測定デバイスであり、測定されるべき物体に物理的に接触する、ボール形の、タッチセンシティブな、湾曲した、および伸長式のプローブを含むがこれらに限定されない異なるチップ118を有する可能性がある取り外し可能なプローブ118を収容する。その他の実施形態において、測定は、例えば、レーザラインプローブ(LLP)などの非接触式のデバイスによって実行される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースを使用してLLPで置き換えられる。その他の種類の測定デバイスが、追加的な機能を提供するために取り外し可能なハンドル126を置き換える可能性がある。そのような測定デバイスの例は、例えば、1つ以上の照明、温度センサ、熱スキャナ、バーコードスキャナ、プロジェクタ、ペイントスプレーヤ、カメラなどを含むがこれらに限定されない。
【0015】
図1Aおよび1Bに示されるように、AACMM100は、軸受カートリッジの群112から測定プローブ筐体102を取り外すことなしにアクセサリまたは機能が変更されることを可能にする利点をもたらす取り外し可能なハンドル126を含む。図2に関して以下でより詳細に検討されるように、取り外し可能なハンドル126は、電力およびデータが、ハンドル126、およびプローブ端に配置された対応する電子機器とやりとりされることを可能にする電気コネクタも含み得る。
【0016】
さまざまな実施形態において、軸受カートリッジの各群110、112、114は、AACMM100のアーム部104が複数の回転軸周りを動くことを可能にする。述べられたように、各軸受カートリッジの群110、112、114は、例えばアームセグメント106、108の対応する回転軸と同軸上にそれぞれが配置された、例えば光学式の角度エンコーダなどの対応するエンコーダシステムを含む。光学式のエンコーダシステムは、本明細書において以下でより詳細に説明されるように、例えば、対応する軸周りのアームセグメント106、108のそれぞれのアームセグメントの回転する(スイベルの)または横の(蝶番の)動きを検出し、AACMM100内の電子データ処理システムに信号を送信する。それぞれの個々の処理されていないエンコーダのカウントが信号として電子データ処理システムに別々に送信され、電子データ処理システムにおいて、そのカウントは測定データへとさらに処理される。同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されているような、AACMM100自体から分離した位置計算機(例えば、シリアルボックス)は必要とされない。
【0017】
基部116は、装着デバイスまたは取り付けデバイス120を含み得る。取り付けデバイス120は、AACMM100が、例えば、検査台、マシニングセンタ、壁、または床などの所望の位置に取り外し可能なように取り付けられることを可能にする。一実施形態において、基部116は、AACMM100が移動されているときにオペレータが基部116を持つのに都合の良い位置を提供するハンドル部122を含む。一実施形態において、基部116は、折りたたむとディスプレイスクリーンなどのユーザインターフェースが見えるようになる可動式のカバー部124をさらに含む。
【0018】
一実施形態によれば、可搬型のAACMM100の基部116は、2つの主要なコンポーネント、すなわち、AACMM100内のさまざまなエンコーダシステムからのデータ、および3次元(3D)位置計算をサポートするためのその他のアームパラメータを表すデータを処理する基部処理システムと、比較的完全な計測機能が外部コンピュータへの接続を必要とせずにAACMM100内で実施されることを可能にする、搭載オペレーティングシステム、タッチスクリーンディスプレイ、および常駐アプリケーションソフトウェアを含むユーザインターフェース処理システムとを含む電子データ処理システムを含むまたは収容する。
【0019】
一実施形態によれば、可搬型のAACMM100の基部116は、2つの主要なコンポーネント、すなわち、AACMM100内のさまざまなエンコーダシステムからのデータ、および3次元(3D)位置計算をサポートするためのその他のアームパラメータを表すデータを処理する基部処理システムと、比較的完全な計測機能が外部コンピュータへの接続を必要とせずにAACMM100内で実施されることを可能にする、搭載オペレーティングシステム、タッチスクリーンディスプレイ、および常駐アプリケーションソフトウェアを含むユーザインターフェース処理システムとを含む電子データ処理システムを含むまたは収容する。
【0020】
図2は、一実施形態による、AACMM100で利用される電子機器の構成図である。図2に示される実施形態は、基部処理システムを実装するための基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、電力を供給するための基部電源基板206と、Bluetoothモジュール232と、基部傾斜基板208とを含む電子データ処理システム210を含む。ユーザインターフェース基板202は、ユーザインターフェース、表示、および本明細書において説明されるその他の機能を実行するアプリケーションソフトウェアを実行するためのコンピュータプロセッサを含む。
【0021】
図2に示されるように、電子データ処理システム210は、1つ以上のアームバス218を介して上述の複数のエンコーダシステムと通信している。図2に示された実施形態において、各エンコーダシステムは、エンコーダデータを生成し、エンコーダアームバスインターフェース214と、エンコーダデジタル信号プロセッサ(DSP)216と、エンコーダ読み取りヘッドインターフェース234と、温度センサ212とを含む。歪みセンサなどのその他のデバイスが、アームバス218に装着され得る。
【0022】
さらに図2に示されているのは、アームバス218と通信しているプローブ端電子機器230である。プローブ端電子機器230は、プローブ端DSP228と、温度センサ212と、一実施形態においてはクイック接続インターフェースによってハンドル126またはLLP242に接続するハンドル/LLPインターフェースバス240と、プローブインターフェース226とを含む。クイック接続インターフェースは、LLP242およびその他のアクセサリによって使用されるデータバス、制御線、および電源バスへのハンドル126によるアクセスを可能にする。一実施形態において、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースから取り外されることができ、測定は、ハンドル/LLPインターフェースバス240を介してAACMM100のプローブ端電子機器230と通信するレーザラインプローブ(LLP)242によって実行される可能性がある。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置され、エンコーダは、軸受カートリッジの群110、112、114に配置される。プローブインターフェース226は、1−wire(登録商標)通信プロトコル236を実施する、Maxim Integrated Products,Inc.から販売されている製品を含む任意の好適な通信プロトコルによってプローブ端DSP228に接続することができる。
【0023】
図3は、一実施形態による、AACMM100の電子データ処理システム210の詳細な特徴を示す構成図である。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、基部電源基板206と、Bluetoothモジュール232と、基部傾斜モジュール208とを含む。
【0024】
図3に示される実施形態において、基部プロセッサ基板204は、図中に示されるさまざまな機能ブロックを含む。例えば、基部プロセッサ機能302は、AACMM100からの測定データの収集をサポートするために利用され、アームバス218およびバス制御モジュール機能308を介して処理されていないアームデータ(例えば、エンコーダシステムのデータ)を受信する。メモリ機能304は、プログラムおよび静的なアーム構成データを記憶する。基部プロセッサ基板204は、LLP242などの任意の外部ハードウェアデバイスまたはアクセサリと通信するための外部ハードウェアオプションポート機能310も含む。リアルタイムクロック(RTC)およびログ306と、バッテリパックインターフェース(IF)316と、診断ポート318とが、図3に示される基部プロセッサ基板204の実施形態の機能にやはり含まれる。
【0025】
また、基部プロセッサ基板204は、外部(ホストコンピュータ)および内部(ディスプレイプロセッサ202)デバイスとのすべての有線および無線データ通信を管理する。基部プロセッサ基板204は、(例えば、米国電気電子学会(IEEE)1588などのクロック同期規格を用いて)イーサネット機能320を介してイーサネットネットワークと、LAN機能322を介して無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と、およびパラレル・シリアル通信(PSC)機能314を介してBluetoothモジュール232と通信する能力を有する。基部プロセッサ基板204は、ユニバーサルシリアルバス(USB)デバイス312への接続も含む。
【0026】
基部プロセッサ基板204は、上述の‘582号特許のシリアルボックスで開示されたようないかなる前処理も必要とせずに測定データへと処理するために、処理されていない測定データ(例えば、エンコーダシステムのカウント、温度の読み取り値)を送信および収集する。基部プロセッサ204は、RS485インターフェース(IF)326を介してユーザインターフェース基板202のディスプレイプロセッサ328に処理されたデータを送信する。一実施形態において、基部プロセッサ204は、処理されていない測定データを外部コンピュータにやはり送信する。
【0027】
ここで図3のユーザインターフェース基板202を参照すると、基部プロセッサによって受信された角度および位置データが、AACMM100内の自律的な計測システムを提供するためにディスプレイプロセッサ328で実行されるアプリケーションによって利用される。アプリケーションは、これらに限定されないが、特徴の測定、手引きおよび訓練のグラフィックス、遠隔診断、温度の修正、さまざまな動作の特徴の制御、さまざまなネットワークへの接続、ならびに測定された物体の表示などの機能をサポートするためにディスプレイプロセッサ328で実行され得る。ディスプレイプロセッサ328および液晶ディスプレイ(LCD)338(例えば、タッチスクリーンLCD)ユーザインターフェースとともに、ユーザインターフェース基板202は、セキュアデジタル(SD)カードインターフェース330と、メモリ332と、USBホストインターフェース334と、診断ポート336と、カメラポート340と、音声/映像インターフェース342と、ダイヤルアップ/セルモデム344と、全地球測位システム(GPS)ポート346とを含むいくつかのインターフェースオプションを含む。
【0028】
図3に示される電子データ処理システム210は、環境データを記録するための環境レコーダ362を有する基部電源基板206も含む。また、基部電源基板206は、AC/DCコンバータ358およびバッテリ充電器制御360を用いて、電子データ処理システム210に電力を供給する。基部電源基板206は、集積回路間(inter−integrated circuit)(I2C)シリアルシングルエンドバス354を用いて、およびDMAシリアル周辺インターフェース(DMA serial peripheral interface)(DSPI)356を介して基部プロセッサ基板204と通信する。基部電源基板206は、基部電源基板206に実装された入力/出力(I/O)拡張機能364を介して傾斜センサおよび無線周波数識別(RFID)モジュール208に接続される。
【0029】
別個のコンポーネントとして示されているが、その他の実施形態において、これらのコンポーネントのすべてまたは一部は、図3に示された位置とは異なる位置に物理的に配置される、および/または図3に示された方法とは異なる方法で組み合わされた機能である可能性がある。例えば、一実施形態において、基部プロセッサ基板204およびユーザインターフェース基板202は、1つの物理的な基板に組み合わされる。
【0030】
図4は、第1のアームセグメント106の曲げの誇張された図を示す。AACMM100のコンポーネント(例えば、第1のアームセグメント106および第2のアームセグメント108)の曲げおよびねじれは、重力、カウンタバランスばね(counter balance spring)、またはオペレータによるAACMM100の操作によって生じる可能性がある。基部プロセッサ基板204によって実行される運動学モデル計算がこれらの力を考慮に入れない場合、その運動学モデル計算は、点の座標を計算するときに、アームセグメントの曲げまたはねじれを十分に勘案しない可能性がある。アームの曲げ歪みを直接測定することによって、AACMM100に加えられた力の影響が、運動学モデル計算に含められ、それによって、AACMM100の測定精度を向上させることができる。
【0031】
図5を参照すると、歪みゲージセンサ500が、アームセグメント106、108、軸受カートリッジの群110、112、114、またはAACMM100のその他の機械的コンポーネントを含み得る構造的部品510に装着されている。歪みゲージセンサ500は、構造的部品510に、例えばエポキシ樹脂で接着されるか、またはその他の好適な方法で接続され得る。歪みゲージセンサ500の、この例では円筒形をしている構造的部品510の四分円状の特定の取り付け構成は、その取り付け構成が、AACMMのアームセグメントに見られる2種類の歪み−曲げ歪みおよび軸歪み−を区別する方法を提供し、加えて、アームセグメントの曲げの方向を判定するので特に好ましい。図5のアームセグメントに関して、歪みゲージセンサ500は、外面に取り付けられるか、内面に取り付けられるか、または構造的部品510の材料に組み込まれる可能性がある。
【0032】
ビーム(beam)の軸方向は、ビームの長軸である。横断方向は、軸方向に垂直である。力は、ビームに対して軸方向および横断方向に加えられ得る。歪みεは、長さの変化dLの対応する長さLに対する比:ε=dL/Lとして定義される。ビームの軸歪みは、軸方向に沿った−つまり、曲げのないビームの伸長または収縮によって生じる。ビームの曲げ歪みは、図4に示されたようなビームの曲げによって生じる。曲げ歪みは、横断方向に沿ってビームに力を加えることによって、または軸方向に沿って、ただしビームの中立軸をはずしてビームに力を加えることによって生じる可能性がある。まっすぐな円筒状に対称的なビームに関しては、中立軸は、円筒の中心に沿って延びる。
【0033】
第1の歪みゲージセンサがビームの最上部に配置され、第2の歪みゲージセンサがビームの最下部に配置される場合、歪みゲージセンサおよび中立軸を通る垂直な平面内に存在するあらゆる力によって、曲げ歪みを軸歪みと区別することができる。例えば、上部センサと下部センサの両方によって測定される歪みが同じ量だけ減少する場合、垂直な断面に沿った歪みは、圧縮的であり、もっぱら軸歪みである。一方、上部センサの歪みが特定の量の正の歪みであり、下部センサの歪みが同じ量の負の歪みである場合、ビームの上部が伸び、ビームの下部が収縮しており、垂直な断面に沿った歪みは、もっぱら曲げ歪みである。2つの歪みゲージセンサをビーム上に180度離して配置することによって、2つの歪みゲージセンサの読み取り値から曲げ歪みおよび軸歪みの量を計算することができる。
【0034】
AACMM100に関して、各アームセグメント106、108は、そのアームセグメントの長軸周りに回転する能力を有する。その結果、アームセグメントのうちの1つに(例えば、カウンタバランスばねによって)加えられる力は、任意の方向である可能性がある。アームセグメント106、108のうちの1つに対する力または歪みの影響を予測するためには、2つの歪みゲージセンサをアームセグメント上に180度離して配置することは十分でない。むしろ、アームセグメントの断面の任意の点における軸歪みおよび曲げ歪みを見つけるために、少なくとも3つの歪みゲージセンサ500が、アームセグメント上に適切に配置されなければならない。一実施形態において、アームセグメント106、108は、円筒状の管であり、3つの歪みゲージセンサ500が、アームセグメントのうちの1つの外面に配置される。3つの歪みゲージセンサは120度離され、軸方向に垂直な平面にほぼ位置を合わせられる。この構成によって、3つの歪みゲージセンサ500は、断面の平面上の、管のあちこちの任意の位置における軸歪みおよび曲げ歪みを計算するのに十分な情報を提供する。3つの歪みゲージセンサ500は、120度離して配置される必要はないが、3つの歪みゲージのすべての配置が所望の情報をもたらすわけではない。例えば、3つの歪みゲージセンサのうちの2つは、180度離して配置されると、1つの平面−中立軸と、180度離れた2つの歪みゲージセンサとを含む平面に関してしか軸歪みおよび曲げ歪みついての情報をもたらさないので、180度離して配置されることはできない。
【0035】
一実施形態において、構造的コンポーネントは、円筒状の管の形態であるアームセグメント106、108を含む。円筒状の管の外面上の3つ以上の歪みゲージセンサ500は、それらの歪みゲージセンサが軸方向に垂直な平面によって横切られるように配置される。この配置により、曲げ歪みが、構造的コンポーネントと横断面の両方の上に存在する各点について計算され得る。曲げ歪みが極端な正の値および極端な負の値を持つ(横断面の位置における)管の外側の位置を選択することによって、曲げの方向および大きさが、計算され得る。構造的要素のそれぞれに関する曲げの方向および大きさをトランスデューサ(例えば、角度エンコーダ)の読み取り値と組み合わせることによって、測定デバイスの全体的な変位が、AACMM100の局所基準系において計算され得る。変位は、例えば、アームセグメントに加えられた力の結果としてのプローブ118のプローブチップの変位である可能性がある。
【0036】
歪みゲージセンサ500は、抵抗式、音響式、容量式、誘導式、機械式、光学式、圧電抵抗式、または半導体式である可能性がある。一実施形態において、歪みゲージセンサ500は、弾性のある裏材(例えば、薄いポリイミド)に張り合わされている金属箔の形態を有する抵抗式である。箔の金属は、自己温度補償(STC)コンスタンタン合金である可能性がある。自己温度補償は、コンスタンタン合金の適切な処理によって、特に冷間加工によって実現され、その結果、コンスタンタンゲージ配線は、広い温度範囲にわたり、熱によって引き起こされる歪みが非常に小さい。一実施形態において、構造的部品510は、低いCTEを有する炭素繊維複合材で作製された中空の管であるアームセグメント106、108を含む。歪みゲージセンサの箔の金属は、同様の低いCTEを有するように選択されたコンスタンタン合金(またはその他の合金)である。箔のパターンは、平行線のジグザグなパターンである可能性があり、したがって、平行線の方向の少量の応力が、箔のパターンの有効長にわたる歪みを増幅する。平行線の方向は、歪みゲージセンサの感度方向(sensitive direction)と呼ばれる。歪みゲージセンサ500の箔のパターンの平行線は、構造的部品510の軸方向に対して平行に配置される。一実施形態において、STC歪みゲージの歪みの読み取り値の精度は、STC歪みゲージの製造元によって提供される曲線または多項式に基づく補正係数を適用することによってさらに改善される。
【0037】
歪みゲージ500は、例えば、温度センサ212付近の回路基板に配置され得るホイートストンブリッジ回路に配置される可能性がある。一実施形態の構成において、歪みゲージセンサ500は、4つの抵抗器の回路網における1つの抵抗を提供する。その他の3つの抵抗は、温度によってほとんど変化しない抵抗を有する固定の抵抗器によって与えられる。代替的な実施形態においては、180度離された2つの歪みセンサが、ホイートストンブリッジの4つの抵抗の回路網における2つの抵抗を提供する。ホイートストンブリッジは、電子機器から歪みゲージセンサ500まで延びる配線の寄生抵抗の影響を排除するために3線式回路網で構成され得る。一実施形態において、ホイートストンブリッジからの信号が、アナログ・デジタルコンバータ回路に送信され、アナログ・デジタルコンバータ回路において、ホイートストンブリッジからのアナログ信号が、デジタル歪みゲージ信号に変換される。デジタル歪みゲージ信号のすべては、アームバス218に乗せられる。
【0038】
以上の検討はビームの、および特にアームセグメント106、108のような円筒形をしたビームの歪みの影響について考えたが、歪みゲージセンサ500は、その他の構造の歪みを発見するために使用され得る。考慮されている特定の構造が軸方向周りに対称的でない場合、歪みゲージの読み取り値の意味を適切に解釈するためにさらなる分析を行うことが必要である可能性がある。例えば、複雑な構造的コンポーネントにおいては、特定の構造の詳細なCADモデルを用いてコンピュータ上で実行される有限要素解析(FEA)が、4つの歪みゲージの読み取り値に基づいて軸歪みおよび曲げ歪みを発見するために使用され得る。そのような場合、3つではなく4つ以上の歪みゲージが、必要とされる可能性がある。
【0039】
歪みゲージから得られた読み取り値は、AACMM100の測定の精度を向上させるか、または修正措置が取られる必要があることを示すためにオペレータに警告を与えるかのいずれかのために使用され得る。最高の精度のために、歪みゲージの読み取り値は、エンコーダの読み取り値と相互に関連付けられる。これは、エンコーダの読み取り値と同じ瞬間に歪みゲージの読み取り値を取り込むことによってなされ得る。一実施形態において、読み取り値は、アームバス218内のバスを介して送信された取り込み信号に応答して、歪みゲージおよびエンコーダを含むAACMM100のセンサのすべてによって取り込まれ得る。例えば、歪みゲージセンサ500は、オペレータの関与なしに、AACMM100の位置を補正するための歪みデータをリアルタイムで(例えば、〜1000点/秒)提供することができる。
【0040】
また、歪みゲージ監視システムからのデータが、可聴的警告または視覚的警告のいずれかの形態でオペレータに直接的なフィードバックを与えるために使用され得る。そのような警告は、特に曲げ歪みに関して、歪みゲージの読み取り値が、定められた(予測された)値から所定の値を超えて逸脱するときに発せられる可能性がある。これらの警告は、測定技術を教え、改善するように設計されたアプリケーションソフトウェアによって補足され得る。例示的な実施形態において、可視的警告は、歪みのひどさを表すカラーまたはグレースケール530を示す、構造的部品510の視覚的表示520を含み得る。
【0041】
曲げ歪みおよび軸歪みの影響を勘案する、AACMM100に関する単純だが効果的な運動学モデルを得るために、FEAを使用してAACMM100に対する力の影響を観察することが有用である可能性がある。そのようなFEAの例が、図5の上部の挿入図520に示されている。この挿入図において、異なる量の歪み(または応力)は、グレースケール値によって示されている。示された例において、歪みは、領域530に最も集中している。さらなる改良として、空間内のアームセグメントの向きに応じてカウンタバランスばねによって加えられる力を測定するために実験が行われ得る。これらの力の値は、FEAの分析を改善するために使用され得る。
【0042】
FEAの主目的は、AACMM100の運動学モデルの比較的単純だが正確な形態を定めるのを支援することである。運動学モデルの形態が定められると、大量のデータが、収集され、モデルに当てはまる。モデルに対する最良の数値パラメータの値を選択するために最適化方法が使用される。データを収集するステップと、最適なパラメータ値を求めるステップの組み合わせは、補償または校正と呼ばれる。データの収集は、アームセグメントがさまざまな向きに動かされる間にネスト(nest)に固定されたプローブの座標を測定することを含み得る。座標の値は動かないプローブチップに関しては一定でなければならないので、アームセグメントの異なる向きに対するプローブの読み取り値の差を最小化するようにパラメータ値が選択され得る。データの収集は、既知の長さの1つ以上の人工物上の点の間の距離を測定することも含み得る。
【0043】
上述のように、歪みゲージセンサ500は、外面に配置されるか、内面に配置されるか、または構造的部品510の材料に組み込まれる可能性がある。最後のケースでは、歪みゲージセンサ500が、関節を接続する管510の炭素繊維に組み込まれ得る。製造プロセスにおいて、概して、炭素繊維織物が、マンドレルに巻きつけられ、歪みゲージセンサ500が、最後の巻きつけを終える前に据え付けられ、それによって、歪みゲージセンサ500を保護し、それらの歪みゲージセンサ500を部品に組み込むことができる。歪みゲージセンサ500をアームの管510の両端に、管510の外周に90度離して配置する(すなわち、直行するように配置される)ことによって、管の変形が、図5の応力の図に示されたように最も大きな変形が発生する嵌合するコンポーネントの接着接合部付近の歪みゲージの領域内で十分に特徴づけられ得る。
【0044】
図6は、AACMM100が、オペレータがブロック640において測定することおよび表示することを選択する限り、ブロック610において継続的に歪みを測定し、ブロック620においてAACMM100のアームモデルに適切な補正を行い、ブロック630において継続的に測定値を表示することができることを示す、例示的な実施形態による歪みを測定するための方法600の流れ図である。
【0045】
技術的効果および利点は、AACMM100の構造的部品510の歪みを継続的に測定する能力を含む。したがって、オペレータは、測定中に歪みを考慮に入れるため、または修正措置を取るために、AACMM100が測定中に何らかの歪みにさらされているかどうかを知ることができる。
【0046】
当業者に理解されるであろうように、本発明の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本発明の態様は、すべてハードウェアの実施形態、すべてソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはすべてが概して本明細書において「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」と呼ばれることがあるソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせる実施形態の形態をとる可能性がある。さらに、本発明の態様は、コンピュータ可読プログラムコードを具現化する1つ以上のコンピュータ可読媒体で具現化されるコンピュータプログラム製品の形態をとる可能性がある。
【0047】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが、利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読ストレージ媒体である可能性がある。コンピュータ可読ストレージ媒体は、これらに限定されないが、例えば、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線、もしくは半導体システム、装置、もしくはデバイス、またはこれらの任意の好適な組み合わせである可能性がある。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、以下、すなわち、1つ以上の配線を有する電気的な接続、持ち運び可能なコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read−only memory)(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、持ち運び可能なコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気式ストレージデバイス、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含む。本明細書の文脈においては、コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のための、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスに関連するプログラムを含むかまたは記憶することができる任意の有形の媒体である可能性がある。
【0048】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドで、または搬送波の一部としてコンピュータ可読プログラムコードを具現化する伝播されるデータ信号を含み得る。そのような伝播される信号は、電磁的、光学的、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含むがそれらに限定されないさまざまな形態のうちの任意の形態をとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読ストレージ媒体ではなく、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のための、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスに関連するプログラムを伝達、伝播、または搬送することができる任意のコンピュータ可読媒体である可能性がある。
【0049】
コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体を用いて送信され得る。
【0050】
本発明の態様のオペレーションを実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++、C#などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの通常の手続き型プログラミング言語とを含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述され得る。プログラムコードは、すべてユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータ上で部分的に、ユーザのコンピュータ上で部分的にかつ遠隔のコンピュータ上で部分的に、またはすべて遠隔のコンピュータもしくはサーバ上で実行され得る。後者の場合、遠隔のコンピュータが、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され得るか、または外部コンピュータへの接続が(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)行われ得る。
【0051】
本発明の態様が、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/または構成図を参照して説明されている。流れ図および/または構成図の各ブロックと、流れ図および/または構成図のブロックの組み合わせとは、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解されるであろう。
【0052】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施するための手段をもたらすように、多目的コンピュータ、専用コンピュータ、または機械を製造するためのその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに与えられ得る。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施する命令を含む製品をもたらすように、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスを特定の方法で機能させることができるコンピュータ可読媒体に記憶される可能性もある。
【0053】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置で実行される命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施するためのプロセスを提供するように、コンピュータで実施されるプロセスを生成するために一連のオペレーションのステップがコンピュータ、その他のプログラム可能な装置、またはその他のデバイスで実行されるようにするために、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスにロードされる可能性もある。
【0054】
図面の流れ図および構成図は、本発明のさまざまな実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品のあり得る実装のアーキテクチャ、機能、およびオペレーションを示す。その際、流れ図または構成図の各ブロックは、(1つ以上の)規定された論理的な機能を実装するための1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、またはコードの一部を表す可能性がある。一部の代替的な実装において、ブロックで示された機能が、図面に示された順序とは異なる順序で行われ得ることにも留意されたい。例えば、連続で示された2つのブロックが、実際には実質的に同時に実行される可能性があり、またはそれらのブロックは、関連する機能に応じて逆順に実行される場合もあり得る。構成図および/または流れ図の各ブロックと、構成図および/または流れ図のブロックの組み合わせとは、規定された機能もしくは動作を実行する専用のハードウェアに基づくシステム、または専用のハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実装され得ることも認識されるであろう。
【0055】
本発明が例示的な実施形態を参照して説明されたが、本発明の範囲を逸脱することなくさまざまな変更が行われる可能性があり、均等物が本発明の要素の代替とされる可能性があることが当業者に理解されるであろう。さらに、特定の状況または構成要素を本発明の教示に適合させるために、本発明の本質的な範囲を逸脱することなく多くの修正が行われ得る。したがって、本発明は本発明を実施するための考えられる最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を含むことが意図される。さらに、用語「第1」、「第2」などの使用はいかなる順序または重要度も表さず、むしろ用語「第1」、「第2」などはある要素を別の要素と区別するために使用される。その上、用語「a」、「an」などの使用は量の限定を表さず、むしろ言及される項目の少なくとも1つの存在を表す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間内の物体の座標を測定するための可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)であって、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、前記第1の端部に近接するアームセグメントを含む複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが、位置信号を生成する少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、アーム部と、
前記第1の端部に装着された測定デバイスと、
AACMMの構造的コンポーネントであって、軸方向を有する、構造的コンポーネントと、
前記構造的コンポーネントに結合された、それぞれが受感軸を有する少なくとも3つの歪みゲージセンサであって、各歪みゲージセンサの前記受感軸が、前記軸方向に対してほぼ平行に向きを決められ、各歪みゲージセンサが、前記軸方向に垂直な横断面によってほぼ横切られ、アナログ歪みゲージ信号を生成し、歪みゲージセンサが、前記構造的コンポーネントと前記横断面の両方の上に存在する任意の点の曲げ歪みを判定するのに十分なデータを提供するように配置される、歪みゲージセンサと、
前記位置信号を受信し、前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路とを含むことを特徴とする関節アーム座標測定機(AACMM)。
【請求項2】
請求項1に記載のAACMMであって、前記アナログ歪みゲージ信号の何らかの組み合わせを複数のデジタル歪みゲージ信号に変換するアナログ・デジタルコンバータ回路であって、前記電子回路が、前記複数のデジタル歪みゲージ信号を受信する、アナログ・デジタルコンバータ回路をさらに含むことを特徴とするAACMM。
【請求項3】
請求項2に記載のAACMMであって、前記電子回路が、前記構造的コンポーネントの最大の曲げの大きさおよび方向を計算することを特徴とするAACMM。
【請求項4】
請求項3に記載のAACMMであって、前記電子回路が、前記測定デバイスの前記位置に対応する提供されたデータを修正するために、前記少なくとも3つの歪みゲージセンサからの前記デジタル歪みゲージ信号を使用することを特徴とするAACMM。
【請求項5】
請求項4に記載のAACMMであって、取り込み信号であって、前記位置信号および前記デジタル歪みゲージ信号が、取り込み信号に応答して収集される、取り込み信号をさらに含むことを特徴とするAACMM。
【請求項6】
請求項4に記載のAACMMであって、補償手順によって得られ、前記電子回路に記憶されるパラメータであって、部分的に、前記アームセグメントの動きに応じた前記AACMMによるデータの収集によって取得される、パラメータをさらに含むことを特徴とするAACMM。
【請求項7】
請求項6に記載のAACMMであって、前記電子回路が、前記測定デバイスの前記位置に対応する前記提供されたデータを修正するために、前記パラメータと、最大の曲げの計算された大きさおよび方向とを使用することを特徴とするAACMM。
【請求項8】
請求項3に記載のAACMMであって、前記構造的コンポーネントが、熱膨張係数を有し、前記歪みゲージセンサが、前記構造的コンポーネントの前記熱膨張係数に合致するように選択されることを特徴とするAACMM。
【請求項9】
請求項3に記載のAACMMであって、第4の歪みゲージセンサをさらに含むことを特徴とするAACMM。
【請求項10】
請求項3に記載のAACMMであって、前記電子回路が、前記歪みゲージ信号に応じて警告を生成することを特徴とするAACMM。
【請求項11】
請求項10に記載のAACMMであって、前記警告が、視覚的警告および可聴的警告のうちの1つであることを特徴とするAACMM。
【請求項12】
請求項10に記載のAACMMであって、前記警告が、前記曲げ歪みが所定の制限範囲外である値を有するときに生成されることを特徴とするAACMM。
【請求項13】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための方法であって、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、それぞれが少なくとも1つの軸受カートリッジに装着された複数の接続されたアームセグメントを含み、前記複数の接続されたアームセグメントが、前記第1の端部に近接するアームセグメントを含み、各アームセグメントが、位置信号を生成する少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、アーム部、前記第1の端部に装着された測定デバイス、前記関節アーム座標測定機の構造的コンポーネントであって、軸方向を有する、構造的コンポーネント、前記構造的コンポーネントに配置された少なくとも第1の歪みゲージセンサであって、各歪みゲージセンサが、アナログ歪みゲージ信号を生成する、少なくとも第1の歪みゲージセンサを設けるステップと、
前記構造的コンポーネント上の第2の歪みゲージセンサおよび前記構造的コンポーネント上の第3の歪みゲージセンサを設けるステップであって、前記第1の歪みゲージセンサ、前記第2の歪みゲージセンサ、および前記第3の歪みゲージセンサが、アナログ歪みゲージ信号を生成する、ステップと、
それぞれが受感軸を有する前記第1の歪みゲージセンサ、前記第2の歪みゲージセンサ、および前記第3の歪みゲージセンサを前記構造的コンポーネントに結合するステップであって、各歪みゲージセンサの前記受感軸が、前記軸方向に対してほぼ平行に向きを決められる、ステップと、
各歪みゲージセンサを前記構造的コンポーネント上に、前記構造的コンポーネントの前記軸方向に垂直な横断面によってほぼ横切られるように配置するステップと、
前記第1の歪みゲージセンサ、前記第2の歪みゲージセンサ、および前記第3の歪みゲージセンサを、前記構造的コンポーネントと前記横断面の両方の上に存在する任意の点の曲げ歪みを判定するのに十分なデータを提供するように配置するステップと、
前記アナログ歪みゲージ信号の組み合わせを少なくとも1つのデジタル歪みゲージ信号に変換するステップと、
前記位置信号および前記少なくとも1つのデジタル歪みゲージ信号を受信する電子回路に、前記少なくとも1つの軸受カートリッジのうちの少なくとも1つを通じて前記少なくとも1つのデジタル歪みゲージ信号を送信するステップと、
前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供および記憶するステップと、
前記少なくとも1つのデジタル歪みゲージ信号を記憶するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項13に記載の方法であって、前記構造的コンポーネントの最大の曲げの大きさおよび方向を計算するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項14に記載の方法であって、前記測定デバイスの前記位置に対応する提供されたデータを修正するために、複数の前記デジタル歪みゲージ信号を使用するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項15に記載の方法であって、
取り込み信号を提供するステップと、
前記取り込み信号に応答して前記位置信号および前記デジタル歪みゲージ信号を収集するステップとをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項16に記載の方法であって、補償手順によってパラメータを取得するステップであって、前記パラメータが、部分的に、前記アームセグメントの動きに応じた前記関節アーム座標測定機によるデータの収集によって取得される、ステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項17に記載の方法であって、前記測定デバイスの前記位置に対応する前記提供されたデータを修正するために、前記パラメータと、構造的要素の最大の曲げの計算された大きさおよび方向とを使用するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項13に記載の方法であって、前記構造的コンポーネントの熱膨張係数に合致するように各歪みゲージセンサの熱膨張係数を選択するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項13に記載の方法であって、前記歪みゲージ信号に応じて警告を生成するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項20に記載の方法であって、前記警告が、視覚的警告および可聴的警告のうちの1つであることを特徴とする方法。
【請求項22】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項14に記載の方法であって、前記曲げ歪みが所定の制限範囲外である値を有するときに、前記歪みゲージ信号に応じて警告を生成するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項1】
空間内の物体の座標を測定するための可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)であって、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、前記第1の端部に近接するアームセグメントを含む複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが、位置信号を生成する少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、アーム部と、
前記第1の端部に装着された測定デバイスと、
AACMMの構造的コンポーネントであって、軸方向を有する、構造的コンポーネントと、
前記構造的コンポーネントに結合された、それぞれが受感軸を有する少なくとも3つの歪みゲージセンサであって、各歪みゲージセンサの前記受感軸が、前記軸方向に対してほぼ平行に向きを決められ、各歪みゲージセンサが、前記軸方向に垂直な横断面によってほぼ横切られ、アナログ歪みゲージ信号を生成し、歪みゲージセンサが、前記構造的コンポーネントと前記横断面の両方の上に存在する任意の点の曲げ歪みを判定するのに十分なデータを提供するように配置される、歪みゲージセンサと、
前記位置信号を受信し、前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路とを含むことを特徴とする関節アーム座標測定機(AACMM)。
【請求項2】
請求項1に記載のAACMMであって、前記アナログ歪みゲージ信号の何らかの組み合わせを複数のデジタル歪みゲージ信号に変換するアナログ・デジタルコンバータ回路であって、前記電子回路が、前記複数のデジタル歪みゲージ信号を受信する、アナログ・デジタルコンバータ回路をさらに含むことを特徴とするAACMM。
【請求項3】
請求項2に記載のAACMMであって、前記電子回路が、前記構造的コンポーネントの最大の曲げの大きさおよび方向を計算することを特徴とするAACMM。
【請求項4】
請求項3に記載のAACMMであって、前記電子回路が、前記測定デバイスの前記位置に対応する提供されたデータを修正するために、前記少なくとも3つの歪みゲージセンサからの前記デジタル歪みゲージ信号を使用することを特徴とするAACMM。
【請求項5】
請求項4に記載のAACMMであって、取り込み信号であって、前記位置信号および前記デジタル歪みゲージ信号が、取り込み信号に応答して収集される、取り込み信号をさらに含むことを特徴とするAACMM。
【請求項6】
請求項4に記載のAACMMであって、補償手順によって得られ、前記電子回路に記憶されるパラメータであって、部分的に、前記アームセグメントの動きに応じた前記AACMMによるデータの収集によって取得される、パラメータをさらに含むことを特徴とするAACMM。
【請求項7】
請求項6に記載のAACMMであって、前記電子回路が、前記測定デバイスの前記位置に対応する前記提供されたデータを修正するために、前記パラメータと、最大の曲げの計算された大きさおよび方向とを使用することを特徴とするAACMM。
【請求項8】
請求項3に記載のAACMMであって、前記構造的コンポーネントが、熱膨張係数を有し、前記歪みゲージセンサが、前記構造的コンポーネントの前記熱膨張係数に合致するように選択されることを特徴とするAACMM。
【請求項9】
請求項3に記載のAACMMであって、第4の歪みゲージセンサをさらに含むことを特徴とするAACMM。
【請求項10】
請求項3に記載のAACMMであって、前記電子回路が、前記歪みゲージ信号に応じて警告を生成することを特徴とするAACMM。
【請求項11】
請求項10に記載のAACMMであって、前記警告が、視覚的警告および可聴的警告のうちの1つであることを特徴とするAACMM。
【請求項12】
請求項10に記載のAACMMであって、前記警告が、前記曲げ歪みが所定の制限範囲外である値を有するときに生成されることを特徴とするAACMM。
【請求項13】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための方法であって、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、それぞれが少なくとも1つの軸受カートリッジに装着された複数の接続されたアームセグメントを含み、前記複数の接続されたアームセグメントが、前記第1の端部に近接するアームセグメントを含み、各アームセグメントが、位置信号を生成する少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、アーム部、前記第1の端部に装着された測定デバイス、前記関節アーム座標測定機の構造的コンポーネントであって、軸方向を有する、構造的コンポーネント、前記構造的コンポーネントに配置された少なくとも第1の歪みゲージセンサであって、各歪みゲージセンサが、アナログ歪みゲージ信号を生成する、少なくとも第1の歪みゲージセンサを設けるステップと、
前記構造的コンポーネント上の第2の歪みゲージセンサおよび前記構造的コンポーネント上の第3の歪みゲージセンサを設けるステップであって、前記第1の歪みゲージセンサ、前記第2の歪みゲージセンサ、および前記第3の歪みゲージセンサが、アナログ歪みゲージ信号を生成する、ステップと、
それぞれが受感軸を有する前記第1の歪みゲージセンサ、前記第2の歪みゲージセンサ、および前記第3の歪みゲージセンサを前記構造的コンポーネントに結合するステップであって、各歪みゲージセンサの前記受感軸が、前記軸方向に対してほぼ平行に向きを決められる、ステップと、
各歪みゲージセンサを前記構造的コンポーネント上に、前記構造的コンポーネントの前記軸方向に垂直な横断面によってほぼ横切られるように配置するステップと、
前記第1の歪みゲージセンサ、前記第2の歪みゲージセンサ、および前記第3の歪みゲージセンサを、前記構造的コンポーネントと前記横断面の両方の上に存在する任意の点の曲げ歪みを判定するのに十分なデータを提供するように配置するステップと、
前記アナログ歪みゲージ信号の組み合わせを少なくとも1つのデジタル歪みゲージ信号に変換するステップと、
前記位置信号および前記少なくとも1つのデジタル歪みゲージ信号を受信する電子回路に、前記少なくとも1つの軸受カートリッジのうちの少なくとも1つを通じて前記少なくとも1つのデジタル歪みゲージ信号を送信するステップと、
前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供および記憶するステップと、
前記少なくとも1つのデジタル歪みゲージ信号を記憶するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項13に記載の方法であって、前記構造的コンポーネントの最大の曲げの大きさおよび方向を計算するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項14に記載の方法であって、前記測定デバイスの前記位置に対応する提供されたデータを修正するために、複数の前記デジタル歪みゲージ信号を使用するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項15に記載の方法であって、
取り込み信号を提供するステップと、
前記取り込み信号に応答して前記位置信号および前記デジタル歪みゲージ信号を収集するステップとをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項16に記載の方法であって、補償手順によってパラメータを取得するステップであって、前記パラメータが、部分的に、前記アームセグメントの動きに応じた前記関節アーム座標測定機によるデータの収集によって取得される、ステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項17に記載の方法であって、前記測定デバイスの前記位置に対応する前記提供されたデータを修正するために、前記パラメータと、構造的要素の最大の曲げの計算された大きさおよび方向とを使用するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項13に記載の方法であって、前記構造的コンポーネントの熱膨張係数に合致するように各歪みゲージセンサの熱膨張係数を選択するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項13に記載の方法であって、前記歪みゲージ信号に応じて警告を生成するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項20に記載の方法であって、前記警告が、視覚的警告および可聴的警告のうちの1つであることを特徴とする方法。
【請求項22】
関節アーム座標測定機(AACMM)の歪みを測定するための請求項14に記載の方法であって、前記曲げ歪みが所定の制限範囲外である値を有するときに、前記歪みゲージ信号に応じて警告を生成するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図1B】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2013−517507(P2013−517507A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550054(P2012−550054)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/021276
【国際公開番号】WO2011/090902
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.イーサネット
【出願人】(598064510)ファロ テクノロジーズ インコーポレーテッド (60)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/021276
【国際公開番号】WO2011/090902
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.イーサネット
【出願人】(598064510)ファロ テクノロジーズ インコーポレーテッド (60)
【Fターム(参考)】
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