説明

経路案内システム、経路案内装置及び経路案内方法

【課題】屋内で歩行者を誘導するための案内情報を提供する。
【解決手段】端末装置と、経路案内装置と、を備える経路案内システムであって、前記経路案内装置は、複数の部屋を識別する情報、及び、前記各部屋と前記各部屋に隣接する前記部屋との間の接続点を識別する情報を含む地図情報を保持し、前記複数の部屋及び前記複数の接続点の各組み合わせに対応付けられ、方向が定義された案内情報配置点を識別する情報を保持し、前記案内情報配置点に対応付けられた案内写真のデータを保持し、前記端末装置から、前記端末装置の位置を示す情報、及び、目的地を示す情報を受信すると、前記地図情報に基づいて、前記端末装置の位置から前記目的地に至る経路を探索し、前記経路が経由する部屋、前記経路が経由する接続点、及び、前記経路の方向に対応する前記案内情報配置点に対応付けられた前記案内写真のデータを前記端末装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内外シームレスに利用可能な空間情報管理技術、及びそれを利用した経路探索技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーション又は携帯電話を用いた歩行者向けナビゲーションなど、利用者の位置を利用して経路探索などを行うサービスが普及している。これらは屋外での利用が主であり、利用者位置はGPS(Global Positioning System)衛星の電波の受信によって測位される。利用者は車載端末又は携帯端末上で目的地を設定することによって、現在位置から所望の目的地までの経路を探索することができる。
【0003】
GPS受信機を搭載して携帯端末の現在位置を測位する技術はカーナビゲーション及び携帯電話を用いたナビゲーションシステムで実用化されており、測位精度の向上も図られている。しかし、GPS受信機を用いる技術は、GPS衛星からの信号を受信できるエリアにいなければ利用できないため、駅構内、地下街又はビル内部など屋内における測位には適していない。これに対して、建物内部にGPS衛星信号と等価な信号を発生させる設備を設置する手法、又は、無線LAN、携帯電話基地局もしくはTV信号を利用した測位技術が近年開発されており、これらによって屋内においても利用者位置を測位することが可能になりつつある。
【0004】
そのため、歩行者向けナビゲーションにおいて、屋外だけではなく、駅構内、地下街、又は複雑なビル内部など屋内においても地図表示及び目的地までの経路を分かりやすく案内することができるナビゲーションシステムが期待されている。
【0005】
一般的な屋外のナビゲーションシステムでは、道路ネットワーク上の交差点がノード、ノード間の線がリンクとして扱われ、ノードデータ、リンクデータ、及び、リンク上を移動するためのコストデータなどから構成された地図データがデータベース化されている。このため、出発地と目的地のノードが指定されれば、ダイクストラ法などを利用して経路探索を行うことができる。ダイクストラ法を用いた経路探索の方法の概略及び道路ネットワークのノード・リンクに関しては特許文献1に開示されている。
【0006】
一方、屋内における歩行者ナビゲーションを行うために、携帯電話などに付属するカメラを利用して撮影された実写映像に案内矢印を重畳する方法が特許文献2に開示されている。
【0007】
特許文献3には、屋外環境において道路の交差点ごとに写真を配置し、その写真を用いて経路誘導を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−165681号公報
【特許文献2】特開2006−101013号公報
【特許文献3】特開2004−279398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一般的な屋外のカーナビゲーションの場合、自動車が通行しうる経路は道路に限定される。ところが、屋内における歩行者ナビゲーションを行う場合、歩行者は、部屋、広場又は改札口の前など、広がりのある空間内を通行できることが多いため、歩行経路が一意に定まらない。そのため屋外で利用者が道路上を移動する場合とは異なり、歩行経路を線で表現することが難しい。また、展示会場又は複合施設内での店舗配置のように、レイアウトが頻繁に変更される場所も多い。このように、屋内空間を対象とした歩行者ナビゲーションを提供する場合、広がりのある複雑な空間内での歩行者経路の表現、及び、頻繁に変更するレイアウトに対応した誘導方法が必要となる。
【0010】
上記の特許文献2には、このような問題に対応するための方法が開示されている。ただし、この方法には、利用者が進行方向を見失う度に写真撮影を行わなければならないために手間がかかるという問題がある。さらに、案内矢印を正しく重畳するために現地にマーカを設置しなければならないため、準備に多くのコストがかかるという問題もある。
【0011】
一方、特許文献3に開示された方法は、屋外環境における経路誘導に関する。前述の通り、屋内環境では広がりのある空間を扱わなければならないため、この方法は屋内に適さないという問題がある。
【0012】
本願は上記の点に鑑みてなされた発明に関するものであり、屋内環境でも適切な経路誘導を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ネットワークに接続される端末装置と、前記ネットワークに接続される経路案内装置と、を備える経路案内システムであって、前記端末装置は、前記端末装置の位置を測定する測位装置と、前記ネットワークに接続される第1インターフェースと、を備え、前記経路案内装置は、前記ネットワークに接続される第2インターフェースと、前記第2インターフェースに接続されるプロセッサと、前記プロセッサに接続されるメモリと、を備え、複数の部屋を識別する情報、及び、前記各部屋と前記各部屋に隣接する前記部屋との間の、人が通行する接続点を識別する情報を含む地図情報を保持し、前記複数の部屋及び前記複数の接続点の各組み合わせに対応付けられ、方向が定義された一つ以上の案内情報配置点を識別する情報を保持し、前記一つ以上の案内情報配置点のいずれかに対応付けられた一つ以上の案内写真のデータを保持し、前記端末装置から、前記測位装置によって測定された前記端末装置の位置を示す情報、及び、目的地を示す情報を受信すると、前記地図情報に基づいて、前記端末装置の位置から前記目的地に至る経路を探索し、前記経路が経由する部屋、前記経路が経由する接続点、及び、前記経路の方向に対応する前記一つ以上の案内情報配置点に対応付けられた前記一つ以上の案内写真のデータを前記端末装置に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施形態によれば、屋内を移動する歩行者に対して正確な経路誘導を行うことができる。さらに、誘導のためのデータを整備するコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態の屋内経路案内システムの基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の屋内経路案内システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の屋内経路案内システムの動作の全体を示すフローチャートである。
【図4A】本発明の実施形態の屋内経路案内システムにおいて実行される案内情報配置点生成処理の説明図である。
【図4B】本発明の実施形態の屋内経路案内システムにおいて実行される案内写真収集処理の説明図である。
【図4C】本発明の実施形態の屋内経路案内システムにおいて実行される経路案内処理の説明図である。
【図5】本発明の実施形態において使用される屋内地図の説明図である。
【図6A】本発明の実施形態の形状データテーブルの説明図である。
【図6B】本発明の実施形態のノードデータテーブルの説明図である。
【図6C】本発明の実施形態のリンクデータテーブルの説明図である。
【図7】本発明の実施形態の案内情報配置点の説明図である。
【図8】本発明の実施形態の案内情報配置点DBの説明図である。
【図9】本発明の実施形態の案内写真DBの説明図である。
【図10】本発明の実施形態の案内情報更新部が実行する案内情報配置点生成処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態の案内写真収集部が実行する案内写真収集処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態の案内情報配置点入力受付処理において表示される画面の説明図である。
【図13】本発明の実施形態において実行される経路案内処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の経路案内部によって実行される案内情報提示処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態において表示される案内情報提示画面の例を示す説明図である。
【図16】本発明の実施形態において表示される案内情報提示画面の別の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態の屋内経路案内システムの基本構成を示すブロック図である。
【0018】
本実施形態の屋内経路案内システムは、屋内経路案内装置100、一つ以上の案内画像撮影装置120、一つ以上の移動体端末130及びそれらを相互に接続するネットワーク110を備える。
【0019】
屋内経路案内装置100は、移動体端末130を保有する利用者に建物内の経路案内情報を提供する。経路案内が提供される建物は、どのような種類のものであってもよいが、例えば、駅、地下街、又はショッピングセンター等である。本実施形態の屋内経路案内装置100は、経路案内情報として案内写真を提供する。このような機能を実現するために、屋内経路案内装置100は、案内写真収集部101、案内情報更新部102、経路案内部103、経路探索部104、案内写真データベース(DB)105、案内情報配置点DB106及び屋内地図DB107を備える。これらの各部が実行する処理、各DBに格納されるデータ、及び、これらを実現するためのハードウェア構成については後述する。
【0020】
案内画像撮影装置120は、案内写真DB105に格納されるべき写真を撮影するために用いられる。例えば、経路案内情報の提供が開始される前に、屋内経路案内システムを構築又は管理する作業員が案内画像撮影装置120を用いて必要な案内写真を撮影してもよい。さらに、経路案内情報の提供が開始された後に、不足している又は不適切な案内写真を補うために、経路案内情報の利用者が案内画像撮影装置120を用いて新たな案内写真を撮影してもよい。写真の撮影及び格納は、案内写真収集部101によって管理される。
【0021】
移動体端末130は、移動体端末130自身の位置を測定し、その位置情報に適合する経路案内情報を屋内経路案内装置100から取得し、取得した経路案内情報を、移動体端末130を保有する利用者に提供する。
【0022】
ネットワーク110は、案内画像撮影装置120と屋内経路案内装置100との間のデータ転送、及び、移動体端末130と屋内経路案内装置100との間のデータ転送のための経路を提供する。ネットワーク110は、いかなる種類のデータ転送経路を提供してもよい。例えば、ネットワーク110は、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、又は携帯電話網であってもよい。あるいは、ネットワーク110は、USB(Universal Serial Bus)等の規格に準拠するデータ転送経路であってもよいし、データを格納したメモリカードのような記憶媒体をユーザが手動で移動させることによって実現されるデータ転送経路であってもよい。
【0023】
ネットワーク110は、単一のネットワークであってもよいが、互いに独立した(又は種類の異なる)複数のネットワークによって実現されてもよい。ネットワーク110が複数の種類のネットワークによって実現される場合、例えば、案内画像撮影装置120及び移動体端末130がそれぞれ異なる種類のネットワークに接続されてもよいし、一つの案内画像撮影装置120又は移動体端末130が複数の種類のネットワークに接続されてもよい。
【0024】
図2は、本発明の実施形態の屋内経路案内システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0025】
本実施形態の屋内経路案内装置100は、相互に接続されたプロセッサ201、メインメモリ202、入力装置203、出力装置204、インターフェース(I/F)205及び記憶装置206を備える計算機である。
【0026】
プロセッサ201は、メインメモリ202に格納されたプログラムを実行する。
【0027】
メインメモリ202は、例えば半導体メモリであり、プロセッサ201によって実行されるプログラム及びプロセッサ201によって参照されるデータを格納する。具体的には、記憶装置206に格納されたプログラム及びデータの少なくとも一部が、必要に応じてメインメモリ202にコピーされる。
【0028】
入力装置203は、ユーザ又はシステム管理者からの入力を受ける。入力装置203は、例えばキーボード又はマウス等を含んでもよい。
【0029】
出力装置204は、ユーザ又はシステム管理者に情報を出力する。出力装置204は、例えば液晶ディスプレイのような画像表示装置であってもよい。
【0030】
I/F205は、ネットワーク110に接続され、案内画像撮影装置120及び移動体端末130と通信するインターフェースである。
【0031】
記憶装置206は、例えばハードディスク装置(HDD)又はフラッシュメモリのような不揮発性の記憶装置である。本実施形態の記憶装置206には、少なくとも、案内写真収集部101、案内情報更新部102、経路案内部103、経路探索部104、案内写真DB105、案内情報配置点DB106及び屋内地図DB107が格納される。
【0032】
案内写真収集部101、案内情報更新部102、経路案内部103及び経路探索部104は、プロセッサ201によって実行されるプログラムである。以下の説明においてこれらの各部が実行する処理は、実際にはプロセッサ201によって実行される。
【0033】
案内画像撮影装置120は、測位装置221、撮影装置222、I/F223及び入出力装置224を備える。
【0034】
測位装置221は、その測位装置221の位置(すなわち、案内画像撮影装置120の位置)を測定する装置であり、例えば、GPS(Global Positioning System)信号を用いる測位装置、無線LAN信号を用いる測位装置、又は、UWB(Ultra Wide Band)信号を用いる測位装置であってもよい。
【0035】
なお、案内画像撮影装置120のユーザ(すなわち作業員又は経路案内情報の利用者)は、入出力装置224を用いて、案内画像撮影装置120の位置を手動で入力してもよい。その場合、案内画像撮影装置120は測位装置221を備えなくてもよい。
【0036】
撮影装置222は、案内写真を撮影し、その写真の画像情報を含むデジタルデータを出力する。
【0037】
I/F223は、ネットワーク110に接続され、ネットワーク110を介した屋内経路案内装置100との間のデータ転送を実現するインターフェースである。例えばネットワーク110が無線LANである場合、I/F223は無線LANのインターフェースである。例えばメモリカードを用いたデータ転送が実行される場合、I/F223はメモリカードリーダ・ライタである。案内画像撮影装置120は、撮影装置222によって出力された案内写真のデータを、I/F223及びネットワーク110を介して屋内経路案内装置100に送信する。
【0038】
入出力装置224は、ユーザに情報を提供する表示装置(図示省略)及びユーザからの情報の入力を受ける入力装置(図示省略)の少なくとも一方を含む。表示装置は、例えば液晶表示装置のような画像表示装置であり、撮影した案内写真等を表示してもよい。入力装置は、例えば操作ボタン、キーボード、又はポインティングデバイス(例えばマウス、カーソル移動キー又はタッチパネル等)を含んでもよい。ユーザは、入力装置を操作して案内画像撮影装置120の位置を入力してもよい。あるいは、ユーザは、入力装置を操作して、後述する案内情報配置点を選択してもよい。
【0039】
なお、案内画像撮影装置120は、さらに、上記の各部を制御するプロセッサ等を備えてもよいが、それらについての図示及び説明は省略する。
【0040】
案内画像撮影装置120は、例えば、GPS測位機能を備えたデジタルカメラであってもよいし、GPS測位機能及び写真撮影機能を備えた携帯電話機であってもよい。
【0041】
移動体端末130は、測位装置231、表示装置232、I/F233及び入力装置234を備える。
【0042】
測位装置231は、その測位装置231の位置(すなわち、移動体端末130の位置)を測定する装置である。測位装置231は、測位装置221と同様のものであってもよい。後述するように、屋内経路案内装置100は、移動体端末130に屋内経路案内情報を提供するために、移動体端末130の位置情報を取得する必要がある。このため、測位装置231によって取得された位置情報は、屋内経路案内装置100に送信される。
【0043】
ここで、屋内における測位方法について説明する。測位装置231を例として説明するが、測位装置221についても同様である。
【0044】
屋内であっても、測位装置231がGPS衛星からの信号を受信できる場合は、そのGPS衛星信号を用いて測位することができる。しかし、通常、GPS衛星からの信号は屋内に届かないことが多い。このような場合、屋内で通常のGPS衛星信号を用いた測位をすることができない。このため、システム管理者は、建物内の各部屋にGPS衛星信号と等価な信号を送信する装置を設置してもよい。この場合、測位装置231は、その信号に基づいて測位することができる。
【0045】
一方、無線LAN又はUWBの場合、各部屋に複数の基地局(図示省略)を設置し、測位装置231が送信した測位信号を各基地局が受信した時刻に基づいて、測位装置231の位置を測定することができる。このような測位は、環境側の装置(すなわち基地局又はその基地局に接続された装置)によって実行される。このため、移動体端末130が環境側の装置から測位結果として位置情報を取得し、その位置情報を屋内経路案内装置100に送信してもよいし、環境側の装置が屋内経路案内装置100に移動体端末130の位置情報を直接送信してもよい。
【0046】
ただし、このような測位方法によって十分な測位精度を得るためには複数の基地局を互いに十分に離して設置する必要があるため、通常は精度が不足する場合が多い。加えて、このような測位は高いコストを要する。このため、測位装置231がどの基地局と通信しているか(すなわち、どの基地局のエリア内にあるか)、を示す情報に基づいて、その測位装置231がどの部屋にあるかを特定してもよい。
【0047】
上記のように、いずれの測位方法を採用した場合も、屋内での測位に高い精度を期待することはできない。本実施形態は、測位装置231がどの部屋にあるかを測定することはできるが、その部屋の中のどの位置にあるかを測定することはできない、ということを前提とする。
【0048】
表示装置232は、屋内経路案内情報を表示する。本実施形態の表示装置232は、少なくとも、屋内経路案内装置100から受信した案内写真を表示する画像表示装置(例えば液晶表示装置等)を含む。さらに、表示装置232は、案内情報を音声として出力するスピーカ等を含んでもよい。
【0049】
I/F233は、ネットワーク110に接続され、ネットワーク110を介した屋内経路案内装置100との間のデータ転送を実現するインターフェースである。移動体端末130は、I/F233及びネットワーク110を介して、測位の結果(すなわち自らの位置を示す情報)を屋内経路案内装置100に送信し、屋内経路案内装置100から案内写真のデータを含む屋内経路案内情報を受信する。
【0050】
入力装置234は、移動体端末130のユーザからの情報の入力を受ける装置であり、例えば操作ボタン、キーボード、又はポインティングデバイスを含んでもよい。ユーザは、入力装置234を操作して、目的地を指定し、屋内経路案内の開始を要求してもよい。あるいは、ユーザは、入力装置234を操作して、後述する案内情報配置点を選択してもよい。
【0051】
なお、移動体端末130は、さらに、上記の各部を制御するプロセッサ等を備えてもよいが、それらについての図示及び説明は省略する。
【0052】
移動体端末130は、例えば、無線LANによる通信機能を備えた小型のパーソナルコンピュータであってもよいし、GPS測位機能を備えた携帯電話機であってもよい。
【0053】
案内画像撮影装置120及び移動体端末130は、それぞれ別の装置によって実現されてもよいが、一つの装置によって実現されてもよい。例えば、移動体端末130がGPS測位機能及び写真撮影機能を備えた携帯電話機である場合、その移動体端末130は、測位装置231、表示装置232、I/F233及び入力装置234に加えてさらに撮影装置222を備え、案内画像撮影装置120として使用されてもよい。
【0054】
図3は、本発明の実施形態の屋内経路案内システムの動作の全体を示すフローチャートである。
【0055】
屋内地図DBが整備された後に、図3に示す処理が開始される。
【0056】
最初に、案内情報配置点が生成される(ステップ301)。次に、案内写真が収集される(ステップ302)。最後に、歩行者の誘導が行われる(ステップ303)。以下、各ステップの処理について説明する。
【0057】
図4Aは、本発明の実施形態の屋内経路案内システムにおいて実行される案内情報配置点生成処理(ステップ301)の説明図である。
【0058】
案内情報配置点生成処理(ステップ301)は、屋内地図DB107が整備された後、典型的には、屋内地図DB107が整備された直後に実行される。
【0059】
ステップ301において、案内情報更新部102は、整備された屋内地図DB107を参照して、案内情報配置点を生成し、生成された案内情報配置点を示す情報を案内情報配置点DB106に格納する(ステップ401)。屋内地図DB107及び生成された案内情報配置点の例については後述する(図5〜図9参照)。
【0060】
図4Bは、本発明の実施形態の屋内経路案内システムにおいて実行される案内写真収集処理(ステップ302)の説明図である。
【0061】
案内写真収集処理(ステップ302)は、本実施形態の屋内経路案内システムが経路案内サービス(具体的には屋内経路案内情報の提供)を開始する前に、作業員が案内写真を撮影し、案内写真DB105に格納する処理である。
【0062】
ステップ302において、案内写真収集部101は、案内情報配置点DB106から読み出した案内情報配置点を示す情報を案内画像撮影装置120に送信する(ステップ411)。案内画像撮影装置120は、ネットワーク110を介して案内情報配置点を示す情報を受信すると、案内情報配置点を示す情報(例えばアイコン)を入出力装置224に表示する。案内画像撮影装置120を使用する作業者は、この案内情報配置点に対応付けられるべき案内写真を撮影する。案内画像撮影装置120は、撮影した案内写真の画像データを、ネットワーク110を介して屋内経路案内装置100に送信する(ステップ412)。案内写真収集部101は、受信した案内写真の画像データを、案内情報配置点を示す情報と関連付けて案内写真DB105に格納する(ステップ413)。案内写真収集処理の詳細については後述する(図11及び図12参照)。
【0063】
図4Cは、本発明の実施形態の屋内経路案内システムにおいて実行される経路案内処理(ステップ303)の説明図である。
【0064】
経路案内処理(ステップ303)は、経路案内サービスが開始された後に、移動体端末130を保有するサービス利用者を誘導するために、屋内経路案内情報を提供する処理である。
【0065】
ステップ303において、移動体端末130は、利用者からの入力に従って、経路案内の開始要求を屋内経路案内装置100に送信する(ステップ421)。この開始要求には、測位装置231によって測位された移動体端末130の現在位置を示す情報、及び、利用者によって指定された目的地の位置を示す情報が含まれる。ただし、環境側の装置が移動体端末130の位置を測定した場合、その測位結果を含む位置情報を移動体端末130が環境側の装置から取得して、屋内経路案内装置100に送信してもよいし、環境側の装置が屋内経路案内装置100に直接送信してもよい。
【0066】
経路案内の開始要求を受信した屋内経路案内装置100の経路探索部104は、屋内地図DB107を参照して経路探索を実行する(ステップ422)。経路探索は、ダイクストラ法など、ノードとリンクを利用して最短経路を探索する方式によって実現される。経路案内部103は、経路探索結果を用いて案内画面を描画する。具体的には、経路案内部103は、案内写真を含む案内画面のデータを作成し、そのデータを移動体端末130に送信する(ステップ423)。移動体端末130は、受信したデータに基づいて、案内写真を含む案内画面を表示装置232に表示する。案内情報更新部102は、経路案内部103による案内の結果に基づいて、案内写真の評価を更新する(ステップ424)。経路案内処理の詳細については後述する(図13以降)。
【0067】
図5は、本発明の実施形態において使用される屋内地図の説明図である。
【0068】
屋内空間は基本的に多角形に分割され、その図形形状、座標及び属性情報が図形データとして管理される。多角形に分割された空間の間の接続点(例えばドア等)も、点として、図形形状、座標及び属性情報が同様に管理される。さらに、屋外道路と同様に、経路探索に必要なネットワーク構造はノードデータ及びリンクデータとして管理される。ノードはそれぞれ屋内空間の多角形又は接続点に関連付けられており、リンクはノード間の移動軌跡に関連付けられている。もし空間同士が隣接していても、それらの空間が壁をはさんで隣接しているためにそれらの間を直接移動することができない場合、それらの空間の間の空間接続点は存在せず、よってその空間接続点に至るリンクも存在しない。
【0069】
図5に示す屋内地図の例は、互いに隣接した多角形(図5の例では四角形)501、502及び503を含む。多角形501、502及び503は、それぞれ、部屋ノード511、512及び513と関連付けられる。多角形501、502及び503の形状、大きさ及び配置は、部屋ノード511、512及び513に対応する実際の部屋の形状、大きさ及び配置に相似することが望ましいが、地図を見る利用者がそれらの部屋を識別しやすいように、誇張又は単純化されてもよい。以下の説明において、部屋ノード511、512及び513に対応する実際の部屋を、部屋511、512及び513とも記載する。
【0070】
図5の例において、部屋511、512及び513は互いに隣接する。部屋511と512との間には、接続点(例えばドア等)がある。図5に示す接続点ノード521は、部屋511と512との間の接続点に対応する。さらに、図5において、部屋ノード511と接続点ノード521とがリンク531によって結合され、接続点ノード521と部屋ノード512とがリンク532によって結合されている。これらは、利用者が接続点ノード521に対応する接続点を通って部屋511と512との間を行き来できることを示す。
【0071】
なお、以下の説明において、接続点ノード521に対応する実際の接続点(例えばドア等)を接続点521とも記載する。他の接続点についても同様である。
【0072】
同様に、部屋511と513との間にも、別の接続点がある。図5には、接続点ノード522、部屋ノード511と接続点ノード522とを結合するリンク533、及び、接続点ノード522と部屋ノード513とを結合するリンク534が示される。これらは、利用者が接続点522を通って部屋511と513との間を行き来できることを示す。
【0073】
一方、部屋ノード512と513との間には、接続点ノードがない。これは、部屋512と513とが例えばドアのない壁等によって隔てられているために、利用者が部屋512と513との間を直接行き来できないことを示す。利用者が部屋512と513との間を行き来したい場合、部屋511を経由する必要がある。
【0074】
さらに図5の例では、部屋511と、図5に示した領域の外部との境界に、接続点ノード523があり、部屋ノード511と接続点ノード523とがリンク535によって結合されている。これは、利用者が図5に表示された領域の外部と部屋511との間を、接続点523を通って行き来できることを示す。
【0075】
なお、各部屋ノードは、典型的には壁によって囲まれた部屋に対応付けられ、各接続点ノードは、隣接する二つの部屋をつなぐドアに対応付けられるが、このような対応付けは一例に過ぎない。すなわち、部屋ノードは、建物内のどのような領域と対応付けられてもよい。例えば、部屋ノードは、駅構内のプラットフォーム、切符売り場、広場、休憩所、それらに通じる通路又は階段等に対応付けられてもよいし、ショッピングセンター内の店舗又はブース等に対応付けられてもよい。本実施形態において使用する「部屋」は、上記のような種々の領域を包含する概念である。
【0076】
同様に、接続点ノードは、ドア以外の接続点に対応付けられてもよい。本実施形態において接続点とは、隣接する二つの部屋の間の、人が通行可能な開口である。例えば、隣接する二つの部屋がそれぞれ階段及び通路であり、それらが壁等によって仕切られていない場合であっても、その階段と通路の境界が接続点として接続点ノードに対応付けられてもよい。
【0077】
次に、図6A〜図6Cを参照して、屋内地図DB107に格納されるデータの例を説明する。
【0078】
屋内地図DB107は、屋内空間の形状を表すデータを含む形状データテーブル600、ネットワーク構造を示すノードデータテーブル610及びリンクデータテーブル620を含む。
【0079】
図6Aは、本発明の実施形態の形状データテーブル600の説明図である。
【0080】
形状データテーブルは、ノードに関連付けられた図形(すなわち部屋ノードに関連付けられた多角形又は接続点ノードに関連付けられた点等)を一意に識別する図形ID601、図形の種別(すなわち多角形又は点等)を示す種別602、及び、図形の座標値のリストである座標列603から構成される。図形が多角形である場合、その多角形の頂点の数と同数の座標値のリストが座標列603として管理される。図形が点(すなわち空間接続点)である場合、その点の座標値のみが座標列603として管理される。
【0081】
なお、接続点は、実際にはドアのように空間内のある範囲を占める領域であるが、屋内地図DB107においては上記のように点として扱われる。
【0082】
図6Bは、本発明の実施形態のノードデータテーブル610の説明図である。
【0083】
ノードデータテーブル610はノードに関する情報を記録した表形式の構造であり、ノードIDによって識別される一つの行に一つのノードに関する情報が格納される。
【0084】
ノードデータテーブル610は、ノードを一意に識別するノードID611、ノードに関連付けられた図形を一意に識別する図形ID、図形に関連付けられた屋内空間の種別を表すノード種別、及び、当該ノードが存在するエリアを表すエリア種別から構成される。
【0085】
図6Cは、本発明の実施形態のリンクデータテーブル620の説明図である。
【0086】
リンクデータテーブル620はリンクに関する情報を記録した表形式の構造であり、リンクID621にて識別される一つの行に一つのリンクに関する情報が格納される。
【0087】
リンクデータテーブル620は、リンクを一意に識別するリンクID621、当該リンクの端点ノードを識別する始点ノード(From)622及び終点ノード(To)623、並びに、当該リンクをたどって端点ノード間を移動するためのコストを示すコスト624から構成される。
【0088】
ここで、屋内地図データの具体例を、図5及び図6A〜図6Cを参照して説明する。
【0089】
図6A〜図6Cに示す具体的なデータ例は、図5に示す屋内地図を表現するためのデータの一部である。例えば、接続点ノード523、部屋ノード511及び接続点ノード521のノードIDがそれぞれ「N001」、「N002」及び「N003」である場合、それらがノードID611としてノードデータテーブル610に格納される。
【0090】
図6Bの例では、ノードID「N002」に対応する図形ID612、ノード種別613及びエリア種別614として、それぞれ「0002」、「部屋」及び「建物A 3F」が格納されている。これらは、ノード511に関連付けられた図形が「0002」によって識別されること、ノード511が部屋ノードであること、及び、ノード511に対応する部屋が建物Aの3階にあることを示す。
【0091】
一方、ノードID「N003」に対応する図形ID612、ノード種別613及びエリア種別614として、それぞれ「0003」、「接続点」及び「建物A 3F」が格納されている。これらは、ノード521に関連付けられた図形が「0003」によって識別されること、ノード521が接続点ノードであること、及び、ノード521に対応する接続点が建物Aの3階にあることを示す。
【0092】
図6Aの例では、図形ID「0002」に対応する種別602及び座標列603として、それぞれ「Polygon」及び「(x1,y1,z1),(x2,y2,z2)・・・」が格納されている。これらは、ノード511に対応する部屋が多角形(図5の例では多角形501)として地図上に表現されること、及び、その多角形の頂点の座標が(x1,y1,z1)及び(x2,y2,z2)等であることを示す。
【0093】
一方、図形ID「0003」に対応する種別602及び座標列603として、それぞれ「Point」及び「(x1,y1,z1)」が格納されている。これらは、ノード521に対応する接続点(たとえばドア)が点として地図上に表現されること、及び、その点の座標が(x1,y1,z1)であることを示す。
【0094】
図6Cの例において、リンクデータテーブル620は、リンクID621の値「L002」に対応する二つの行、すなわち行625及び行626を含む。行625の始点ノード622、終点ノード623及びコスト624として、それぞれ、「N002」、「N003」及び「13」が格納されている。これらは、ノード511とノード521とを結合するリンク531の、ノード511からノード521への方向のコストが「13」であることを示す。一方、行626の始点ノード622、終点ノード623及びコスト624として、それぞれ、「N003」、「N002」及び「10」が格納されている。これらは、リンク531のノード521からノード511への方向のコストが「10」であることを示す。このように、一つのリンクのコストが向きによって異なる場合がある。
【0095】
上記のノード及びリンクは、関連付けられている空間上の形状が屋外の場合と異なるものの、任意のノードを始点とし、当該始点のノードIDを用いてノードデータを検索すると、ノードに接続されたリンクIDの一覧を取得することができる。さらにこの取得したリンクIDを用いてリンクデータを検索すると、その接続先のノードIDが取得できる。この手順を繰り返すことで、任意のノードからノードまでの経路を探索することができる。ノード及びリンクをたどる手順は、前述のダイクストラ法又はその他の既存の方式がいくつも存在するが、ノード及びリンクを利用する探索方式であれば、いずれの方法も使用することができる。
【0096】
なお、これらの図に示した構成は一例に過ぎず、地図を矩形に分割し管理するためのメッシュIDなど、本実施例にて例示されない公知の機能を実現するための情報を付加してもよい。
【0097】
なお、上記の図5及び図6A〜図6Cは、ドア等の接続点を接続点ノードとして表現する例を示したが、ドア等の接続点がリンクとして表現されてもよい。その場合、表示された屋内地図は、図5に示すように接続点ノードを含むかわりに、部屋ノードとそれに隣接する部屋ノードとを接続するリンクを含む。例えば、部屋ノード511と部屋ノード512との間が一つのリンク(図示省略)によって結合され、そのリンクによって、部屋511と部屋512とを接続するドアが表現される。
【0098】
図7は、本発明の実施形態の案内情報配置点の説明図である。
【0099】
図7には、例として、図5に示した屋内地図に表示された部屋ノード511とその周囲の接続点ノードとを結合するリンクに対応する案内情報配置点を示す。各案内情報配置点は、経路案内サービスの利用者に提供される案内情報と対応付けられる(ステップ302)。以下、案内情報として案内写真が提供される例を示すが、案内情報が案内写真以外の情報を含んでもよい。
【0100】
例えば、部屋ノード511と接続点ノード523とを結合するリンク535に対応する三つの案内情報配置点、すなわち案内情報配置点701、702及び703が定義される。
【0101】
同様に、部屋ノード511と、接続点ノード523以外の接続点ノードとを結合する各リンクに対応する案内情報配置点が定義される。例えば、部屋ノード511と接続点ノード524とを結合するリンク536に対応する三つの案内情報配置点、すなわち案内情報配置点704、705及び706がさらに定義される。
【0102】
さらに、図7では省略されているが、部屋511以外の部屋のリンクに対応する案内情報配置点も定義される。
【0103】
ここで、案内情報配置点と案内写真との対応付けについて説明する。
【0104】
複数の部屋を経由して目的地に至る経路が探索され、その経路に沿って利用者を目的地まで誘導するためには、利用者を、現在いる部屋と経路上の次の部屋とを接続する接続点に誘導する必要がある。案内写真を用いてこの誘導を実現するには、少なくとも、部屋の内側から、接続点を含む範囲を撮影した案内写真(以下、第1の案内写真とも記載する)を表示する必要がある。このような案内写真が表示されれば、利用者は、その写真に写った接続点と同じ外観の接続点を探し、その接続点の方向に進むことができる。
【0105】
本実施形態では、さらに確実な誘導を実現するため、上記の第1の案内写真を撮影した地点より接続点に近い地点から接続点を含む範囲を撮影した案内写真(以下、第2の案内写真とも記載する)、及び、接続点から見える部屋の内側の少なくとも一部を撮影した案内写真(以下、第3の案内写真とも記載する)が表示される。
【0106】
なお、前述のように、実際の各接続点は、点ではなく、空間内のある範囲を占める領域である。上記の第1の案内写真及び第2の案内写真は、接続点の領域の少なくとも一部を含む範囲を撮影したものである。
【0107】
例えば、図7において、接続点523から部屋511に入り、接続点524から部屋511を出る経路が探索された場合、部屋511に入った利用者を接続点524まで誘導する必要がある。このため、屋内経路案内装置100は、接続点523から部屋511に入った利用者に、接続点523から見える部屋511の内側の少なくとも一部を撮影した第3の案内写真を提供する。利用者は、この第3の案内写真と、実際に接続点523から見える光景とを照合することによって、自分が正しい部屋(すなわち目的地に至る経路上の部屋)に入ったことを確認することができる。
【0108】
さらに、屋内経路案内装置100は、部屋511の内側から接続点524を含む範囲を撮影した第1及び第2の案内写真を利用者に提示する。利用者は、第1の案内写真に写った接続点524を実際の部屋511内で探し、接続点524を発見すると、その方向に進むことができる。さらに、利用者は、接続点524に近づいたら第2の案内写真を参照して、その接続点524が正しい接続点(すなわち目的地に至る経路上の接続点)であることを確認することができる。
【0109】
上記の例において、第3の案内写真、第1の案内写真及び第2の案内写真は、それぞれ、案内情報配置点701、706及び705に対応付けられる。
【0110】
上記とは逆の方向の経路、すなわち、接続点524から部屋511に入り、接続点523から部屋511を出る経路が探索された場合、部屋511に入った利用者を接続点523まで誘導する必要がある。この場合、屋内経路案内装置100は、接続点524から見える部屋511の内側の少なくとも一部を撮影した第3の案内写真、部屋511の内側から接続点523を含む範囲を撮影した第1及び第2の案内写真を利用者に提示する。部屋511に入った利用者は、これらの案内写真を参照することによって、接続点523に進むことができる。
【0111】
上記の例において、第3の案内写真、第1の案内写真及び第2の案内写真は、それぞれ、案内情報配置点704、703及び702に対応付けられる。
【0112】
上記のような案内写真を用いた誘導を各部屋において行うことによって、利用者を目的地まで適切に誘導することができる。
【0113】
なお、典型的には、第1の案内写真は部屋の中心又はその付近から接続点の方向を撮影した写真、第2の案内写真は、部屋の内側の、接続点の付近から接続点の方向を撮影した写真、第3の案内写真は接続点又はその付近から部屋の中心の方向を撮影した写真である。以下、このような典型的な案内写真を例として説明する。
【0114】
上記のような案内情報配置点及び案内写真を管理する具体的な方法について、図8及び図9を参照して説明する。
【0115】
図8は、本発明の実施形態の案内情報配置点DB106の説明図である。
【0116】
案内情報配置点DB106は、案内情報配置点に関する情報を記録する表形式のデータ構造を有する。案内情報配置点ID801によって識別される一つの行に一つの案内情報配置点に関する情報が格納される。
【0117】
案内情報配置点DB106は、案内情報配置点ID801、ノードID802、方向803及びリンクID804を含む。
【0118】
案内情報配置点ID801は、各案内情報配置点を一意に識別する。
【0119】
ノードID802は、各案内情報配置点に対応するノードを識別する。
【0120】
方向803は、各案内情報配置点に定義された方向を示す。方向803の値「順」は順方向を、「逆」は逆方向を意味する。ここで、順方向とは、各案内情報配置点に対応するノードから、その案内情報配置点に対応するリンクに沿って、そのリンクの先のノードに向かう方向であり、逆方向とは順方向の逆の方向である。
【0121】
リンクID804は、各案内情報配置点に対応するリンクを識別する。
【0122】
図8には、例として、図7に示した案内情報配置点の一部に関するデータを示す。なお、図8に示すノードID802及びリンクID804の値は、図6A〜図6Cに示した値に対応する。
【0123】
案内情報配置点ID801の値「0001」、「0002」及び「0003」は、それぞれ、図7に示した案内情報配置点701、702及び703を識別する。
【0124】
案内情報配置点ID「0001」に対応するノードID802、方向803及びリンクID804として、それぞれ、「N001」、「順」及び「L001」が格納されている。これらは、案内情報配置点701が、ノード523及びリンク535に対応する順方向の案内情報配置点であること、すなわち、ノード523及びリンク535における順方向の案内写真に対応付けられることを示す。この場合、案内情報配置点701は、接続点523(例えばドア等)から、部屋511の方向(例えば部屋511の中心の方向)を撮影した第3の案内写真に対応付けられる。
【0125】
同様に、案内情報配置点ID「0002」に対応するノードID802、方向803及びリンクID804として、それぞれ、「N001」、「逆」及び「L001」が格納されている。これらは、案内情報配置点702が、ノード523及びリンク535に対応する逆方向の案内情報配置点であること、すなわち、ノード523及びリンク535における逆方向の案内写真に対応付けられることを示す。この場合、案内情報配置点702は、接続点523の付近(ただし、部屋511の内側)から、接続点523の方向を撮影した第2の案内写真に対応付けられる。
【0126】
案内情報配置点ID「0003」に対応するノードID802、方向803及びリンクID804として、それぞれ、「N002」、「順」及び「L001」が格納されている。これらは、案内情報配置点703が、ノード511及びリンク535に対応する順方向の案内情報配置点であること、すなわち、ノード511及びリンク535における順方向の案内写真に対応付けられることを示す。この場合、案内情報配置点703は、部屋511から(例えば部屋511の中心から)、接続点523の方向を撮影した第1の案内写真に対応付けられる。
【0127】
部屋ノード511と、接続点ノード523以外の接続点ノードとの間の案内情報配置点も、詳細は省略するが、上記と同様に定義される。
【0128】
図9は、本発明の実施形態の案内写真DB105の説明図である。
【0129】
案内写真DB105は、案内情報配置点と案内写真とを対応付ける情報を含む。具体的には、案内写真DB105は、案内情報配置点ID901、評価点902及び写真ファイル名903を含む。
【0130】
案内情報配置点ID901は、各案内情報配置点を識別するものであり、図8に示したものと対応する。
【0131】
評価点902は、各案内写真の評価を示す指標、すなわち、各案内写真が、利用者を誘導するための案内情報としてどの程度適切であるかを示す指標である。一つの案内情報配置点に複数の案内写真が対応付けられている場合、複数の案内写真のうち最も適切と思われるものが評価点902に基づいて選択され、案内情報として利用者に提示(具体的には、表示装置232によって表示)される。本実施形態では、評価点902の値が大きいほど、案内情報として適切であると判定される。この評価点902の参照及び更新については後述する。
【0132】
写真ファイル名903は、各案内情報配置点に対応付けられた案内写真のファイル名を示す。
【0133】
例えば、図9において、案内情報配置点ID901の値「0001」に対応する評価点902及び写真ファイル名903としてそれぞれ「100」及び「001/photo00001.jpg」が格納されている。これは、案内情報配置点701に、ファイル名が「001/photo00001.jpg」である案内写真が対応付けられ、その評価点が「100」であることを示す。この案内写真は、図8を参照して説明したように、接続点523から、部屋511の方向(例えば部屋511の中心の方向)を撮影したものである。
【0134】
図9では省略されているが、さらに別の案内写真が案内情報配置点701に対応付けられ、その別の案内写真の評価点902の値が「100」より大きい場合、案内情報配置点701に対応する案内写真として、その別の案内写真が利用者に提示される。
【0135】
なお、上記のような案内情報配置点の定義は一例に過ぎず、上記の案内情報配置点の一部のみが定義されてもよいし、上記以外の案内情報配置点がさらに定義されてもよい。
【0136】
図10は、本発明の実施形態の案内情報更新部102が実行する案内情報配置点生成処理を示すフローチャートである。
【0137】
図10に示す処理は、図3のステップ301において実行される。この処理が開始されると、案内情報更新部102は最初に、リンクデータテーブル620を参照して、リンクの一覧を取得する(ステップ1001)。
【0138】
次に、案内情報更新部102は、ノードデータテーブル610を参照して、ステップ1001で取得されたリンクの両端のノードの情報を取得する(ステップ1002)。
【0139】
次に、案内情報更新部102は、ステップ1002で情報が取得されたノードのうち部屋ノードについて、順方向の案内情報配置点を追加する(ステップ1003)。
【0140】
例えば、図8に示すように、リンク535の両端のノードである部屋ノード511及び接続点ノード523の情報がステップ1002において取得された場合、部屋ノード511に対応付けられた順方向の案内情報配置点703が追加される。具体的には、ノードID802、方向803及びリンクID804としてそれぞれ「N002」、「順」及び「L001」を含むレコードが案内情報配置点DB106に追加され、その案内情報配置点に一意の識別子(図8の例では案内情報配置点ID「0003」)が付与される。
【0141】
次に、案内情報更新部102は、ステップ1002で情報が取得されたノードのうち接続点ノードについて、順方向及び逆方向の案内情報配置点を追加する(ステップ1004)。
【0142】
例えば、図8に示すように、リンク535の両端のノードである部屋ノード511及び接続点ノード523の情報が取得された場合、接続点ノード523に対応付けられた順方向の案内情報配置点701及び逆方向の案内情報配置点702が追加される。具体的には、ノードID802、方向803及びリンクID804としてそれぞれ「N001」、「順」及び「L001」を含むレコード、並びに、「N001」、「逆」及び「L001」を含むレコードが案内情報配置点DB106に追加され、それらの案内情報配置点に一意の識別子(図8の例では「0001」及び「0002」)が付与される。
【0143】
以上で案内情報配置点生成処理が終了する。
【0144】
図11は、本発明の実施形態の案内写真収集部101が実行する案内写真収集処理を示すフローチャートである。
【0145】
図11に示す処理は、図3のステップ302において実行される。この処理が開始されると、案内写真収集部101は最初に、案内情報配置点入力受付処理を実行する(ステップ1101)。これによって、いずれかの案内情報配置点を示す情報が入力される。
【0146】
次に、案内写真収集部101は、案内写真を受信し、案内写真DB105に格納する(ステップ1102)。
【0147】
次に、案内写真収集部101は、案内写真の追加が終了したか否かを判定する(ステップ1103)。まだ案内写真の追加が終了していない(言い換えると、まだ案内写真が対応付けられていない案内情報配置点がある)と判定された場合、案内写真収集部101は、ステップ1101以降の処理を再び実行する。一方、案内写真の追加が終了したと判定された場合、案内写真収集部101は案内写真収集処理を終了する。
【0148】
なお、ステップ1103は、例えば作業員が複数の案内情報配置点に対応する複数の案内写真を収集する場合に実行されるが、例えば経路を誘導される利用者が、欠落している案内写真を補充するために(又は不適切な案内写真を置き換えるために)新たな案内写真を撮影する場合には、実行されなくてもよい。
【0149】
上記の各ステップの処理の詳細については、図12を参照して後述する。
【0150】
図12は、本発明の実施形態の案内情報配置点入力受付処理(ステップ1101)において表示される画面の説明図である。
【0151】
図12に示す画面は、案内画像撮影装置120の入出力装置224に表示される。作業員又は利用者は、この画面に基づいて案内写真を撮影することができる。この画面は、図12の例において、地図表示領域1201及び写真表示領域1202を含む。
【0152】
地図表示領域1201には、これから撮影しようとする案内写真に対応する案内情報配置点を含む領域の地図が表示される。案内画像撮影装置120が測位装置221を備える場合、それによる測位結果に基づいて、案内画像撮影装置120の現在位置を含む領域の地図が表示されてもよい。あるいは、作業者又は利用者が入出力装置224を用いて指定した領域の地図が表示されてもよい。
【0153】
さらに、地図表示領域1201には、一つ以上の案内情報配置点が表示される。例えば、作業者が特定の目的地まで利用者を誘導するための案内写真を撮影しようとする場合、その目的地までの経路上の案内情報配置点のうち、その目的地に向かう方向に対応するものが表示される。利用者自身が新たな案内写真を撮影して追加しようとする場合も同様である。
【0154】
図12には、例として、破線で示す経路1203が目的地までの経路として探索された場合の画面を示す。経路探索及び表示は、例えば、後述する方法によって実行される(図13〜図15参照)。案内画像撮影装置120が部屋511内にある場合、探索された経路のうち、部屋511内の経路が矢印1204によって表示されてもよい。矢印1204は、利用者がどの経路をどの方向に進むべきかを示す。そして、探索された経路上の案内情報配置点のうち、探索された方向に対応するものが、アイコン1205、1206及び1207として表示される。
【0155】
なお、案内画像撮影装置120が部屋511にあることは、測位装置221の測位結果に基づいて判定されてもよいし、作業員又は利用者が入出力装置224から入力した位置情報に基づいて判定されてもよい。
【0156】
例えば、図12のように、接続点ノード523からリンク535を経由して部屋ノード511に至り、さらに部屋ノード511からリンク536を経由して接続点ノード524に至る経路(すなわち、接続点523から部屋511に入り、その後、接続点524から部屋511を出る経路)が探索された場合、探索された経路及びその方向には、案内情報配置点701、706及び705が対応する。案内情報配置点701は、接続点ノード523及びリンク535に対応する順方向の案内情報配置点である。案内情報配置点706は、部屋ノード511及びリンク536に対応する順方向の案内情報配置点である。案内情報配置点705は、接続点ノード524及びリンク536に対応する逆方向の案内情報配置点である。アイコン1205、1206及び1207は、それぞれ、案内情報配置点701、706及び705に対応する。
【0157】
作業員又は利用者が入出力装置224を操作していずれかのアイコンを選択すると、そのアイコンに対応する案内情報配置点に対応付けられた案内写真が写真表示領域1202に表示される。まだ案内写真に対応付けられていない案内情報配置点(図12の例では案内情報配置点706)のアイコン1206が選択された場合、図12に示すように、その地点の写真がないことを示すメッセージが写真表示領域1202に表示される。まだ案内写真に対応付けられていない案内情報配置点706のアイコン1206として、案内写真に対応付けられた案内情報配置点のアイコン(例えばアイコン1205)とは異なるシンボル(例えば、異なる色又は異なる図形)が表示されてもよい。
【0158】
ここで、図11の各ステップにおける処理の具体的な例を、図12を参照して説明する。
【0159】
ステップ1101において、案内写真収集部101は、図12に示す画面を表示するために必要な情報を案内画像撮影装置120に送信する。この情報には、案内画像撮影装置120の現在位置を含む領域の地図データ、その現在位置周辺の案内情報配置点を識別する情報、及び、各案内情報配置点に対応付けられた案内写真の画像データ等が含まれる。
【0160】
作業員又は利用者は、図12に示す画面を参照して、これから案内写真を追加しようとする案内情報配置点のアイコンを選択する。作業員又は利用者は、例えば、まだ案内写真と対応付けられていない案内情報配置点のアイコンを選択してもよいし、不適切な案内写真と対応付けられた案内情報配置点のアイコンを選択してもよい。ここでは、図12に示すように、まだ案内写真と対応付けられていない案内情報配置点706のアイコン1206が選択された場合について説明する。この選択は、作業員又は利用者が入出力装置224に含まれる入力装置(例えばタッチパネル等)を操作することによって入力される。
【0161】
上記のようにまだ案内写真と対応付けられていない案内情報配置点706のアイコン1206が選択された場合、その地点の写真がないことを示すメッセージに加えて、写真のアップロードを促すメッセージ(図12の例では、「アップロードする」)が表示される。
【0162】
作業員又はユーザが、撮影装置222を用いて、案内情報配置点706に対応する案内写真を撮影し、アップロードを促すメッセージに応答すると、案内画像撮影装置120は、撮影された案内写真の画像データ、及び、選択された案内情報配置点706を識別する情報を屋内経路案内装置100に送信する。案内情報配置点706に対応する案内写真とは、部屋511の中心又はその付近から接続点524の方向を撮影した写真である。アップロードを促すメッセージへの応答は、例えば、表示された当該メッセージを、入力装置を用いて選択することによって実行される。
【0163】
ステップ1102において、案内写真収集部101は、上記のように送信された画像データ等を受信し、案内写真DB105に格納する。具体的には、案内写真収集部101は、格納されたデータのファイル名と、それに対応する案内情報配置点706の識別子とを含む新たなレコードを案内写真DB105に追加する。
【0164】
地図表示領域1201に表示された全てのアイコンに対応する案内情報配置点への案内写真の対応付けが終了した場合、ステップ1103において、案内写真の追加が完了したと判定される。
【0165】
仮に、上記とは逆方向の経路、すなわち、接続点ノード524から部屋ノード511を経て接続点ノード523に至る経路が探索された場合、案内情報配置点702、703及び704に対応するアイコン1205、1206及び1207が表示される。
【0166】
なお、図12に示すように特定の目的地に至る経路上の案内情報配置点が表示されてもよいが、特定の経路とは関係なく複数の案内情報配置点が表示されてもよい。例えば、案内情報の提供が開始される前に、システムを管理する作業員が網羅的に案内写真を撮影する場合、図7に示すように、部屋に含まれる全ての案内情報配置点が表示されてもよい。その場合、作業員は、表示に従って各案内情報配置点に対応する地点に移動して、案内写真を撮影する。
【0167】
図13は、本発明の実施形態において実行される経路案内処理を示すフローチャートである。
【0168】
図13に示す処理は、図3のステップ303において実行される。この処理が開始されると、最初に、経路案内部103が、目的地及び現在地を取得する(ステップ1301)。具体的には、例えば、利用者が移動体端末130に目的地を入力すると、移動体端末130は、その目的地を示す情報と、測位装置231によって取得された移動体端末130の現在地を示す情報と、を屋内経路案内装置100に送信する。これらの情報は、例えば、目的地及び現在地の座標値を含む。経路案内部103は、ステップ1301においてこれらの情報を受信する。
【0169】
次に、経路探索部104が、取得された現在地から目的地までの経路を探索する(ステップ1302)。この探索は、ダイクストラアルゴリズム又はa*アルゴリズムなどの公知のアルゴリズムを用いて実行される。
【0170】
次に、経路案内部103が、取得した現在地に基づいて、移動体端末130が目的地に到着したか否かを判定する(ステップ1303)。
【0171】
ステップ1303において、移動体端末130が目的地に到着していないと判定された場合、経路案内部103は、案内情報提示処理を実行する(ステップ1304)。これは、少なくとも案内写真を含む案内情報を利用者に提示する処理である。この処理の詳細については、図14を参照して後述する。
【0172】
次に、経路案内部103は、現在地更新処理を実行する(ステップ1305)。具体的には、経路案内部103は、新たな現在地を示す情報の受信を待つ。
【0173】
移動体端末130から新たな現在地を示す情報を受信した場合、経路案内部103は、ステップ1303に戻り、受信した新たな現在地に基づいて、目的地に到着したか否かを判定する。
【0174】
なお、ステップ1305において経路案内部103は、現在地更新処理のかわりに写真更新処理を実行してもよい。写真更新処理については後述する(図16参照)。
【0175】
ステップ1303において、移動体端末130が目的地に到着したと判定された場合、次に、案内情報更新部102が案内情報更新処理を実行する(ステップ1306)。具体的には、案内情報更新部102は、これまでの処理における各案内写真の評価点902の加点又は減点を、案内写真DB105に反映させる。ただし、後述するステップ1403又は1405において直ちに評価点902の加点又は減点が案内写真DB105に反映された場合、ステップ1306は実行されなくてもよい。
【0176】
以上で経路案内処理が終了する。
【0177】
図14は、本発明の経路案内部103によって実行される案内情報提示処理を示すフローチャートである。
【0178】
図14に示す処理は、図13のステップ1304において実行される。
【0179】
図14に示す処理が開始されると、経路案内部103は最初に、移動体端末130の現在地を示す情報に基づいて、移動体端末130が現在位置する部屋に対応する部屋ノードIDを取得する(ステップ1401)。ここで取得された部屋ノードIDを、以下の説明において現在地ノードIDと記載する。
【0180】
次に、経路案内部103は、探索された経路に現在地ノードIDが含まれているか否かを判定する(ステップ1402)。
【0181】
探索された経路に現在地ノードIDが含まれていないことは、移動体端末130が経路を外れたこと、言い換えると、屋内経路案内装置100が、移動体端末130を保有する利用者の誘導に失敗したことを意味する。この場合、直前に提示された案内写真が不適切であったことが、失敗の原因である可能性がある。
【0182】
ここで、不適切な案内写真とは、例えば、不鮮明な写真、本来撮影されるべき方向とは異なる方向が撮影された写真、又は、別の部屋で撮影された写真など、利用者の適切な誘導を妨げる写真を意味する。
【0183】
このため、ステップ1402において、現在地ノードIDが探索された経路に含まれていないと判定された場合、経路案内部103は、直前に提示された案内写真に関する評価点902を減点する(ステップ1403)。そして、経路案内部103は、経路探索部104に経路の再探索を要求する(ステップ1404)。経路探索部104は、現在地ノードIDについて、ステップ1302と同様の処理を実行する。経路の再探索が終了すると、処理はステップ1406に進む。
【0184】
一方、ステップ1402において、探索された経路に現在地ノードIDが含まれていると判定された場合、その時点で利用者の誘導は成功している。この場合、直前に提示された案内写真が適切であったと考えられる。このため、経路案内部103は、直前に提示された案内写真に関する評価点902を加点する(ステップ1405)。
【0185】
なお、経路案内部103は、ステップ1403又はステップ1405において評価点902を直ちに減点又は加点してもよいが、これらのステップでは減点又は加点すべき点数のみを保持し、後でステップ1306において保持された点数を減点又は加点してもよい。
【0186】
次に、経路案内部103は、リンクデータテーブル620を参照して、探索された経路上のリンクのうち、始点ノード622及び終点ノード623の一方が現在地ノードIDと一致するリンクを検索する(ステップ1406)。この検索によって取得されたリンクのリンクIDを、以下、表示対象リンクIDと記載する。
【0187】
次に、経路案内部103は、案内情報配置点DB106を参照して、リンクID804の値が表示対象リンクIDと一致するレコードの案内情報配置点ID801の値を取得する(ステップ1407)。以下、取得された案内情報配置点IDを必要案内情報IDと記載する。例えば、図12に点線で示す経路1203が探索され、かつ、移動体端末130が部屋511内にある場合、この経路上のリンク535及び536に対応し、かつ、経路1203の方向(すなわち矢印1204が示す方向)に整合する案内情報配置点701、705及び706の識別子が必要案内情報IDとして取得される。
【0188】
次に、経路案内部103は、案内写真DB105を参照して、案内情報配置点ID901の値が必要案内情報IDと一致するレコードを特定し、そのレコードの写真ファイル名903によって識別される案内写真の画像データを取得する(ステップ1408)。案内情報配置点ID901の値が必要案内情報IDと一致するレコードが複数存在する場合、評価点902の値が最も大きいレコードが特定される。
【0189】
次に、経路案内部103は、取得した画像データに基づいて案内画面を生成し、その案内画面のデータを移動体端末130に送信する(ステップ1409)。
【0190】
以上で案内情報提示処理が終了する。
【0191】
図15は、本発明の実施形態において表示される案内情報提示画面の例を示す説明図である。
【0192】
移動体端末130の表示装置232には、図15に示すように、地図表示領域1501及び写真表示領域1502からなる案内情報提示画面が表示される。地図表示領域1501及び写真表示領域1502は、それぞれ、図12に示す地図表示領域1201及び写真表示領域1202と同様である。図15には、経路探索処理(ステップ1302)の結果、図12と同様に、点線で示すリンク及びノードを矢印1204の方向に進む経路1203が探索され、その経路及び方向に対応する案内情報配置点のアイコン1205、1206及び1207が表示された例を示す。アイコン1205、1206及び1207は、それぞれ、案内情報配置点701、706及び705に対応する。
【0193】
この例において、利用者が入力装置234を操作してアイコン1205を選択した場合、案内情報配置点701に対応付けられた案内写真1503が写真表示領域1502に表示される。この案内写真1503は、接続点523から部屋511の中心方向を撮影した写真である。利用者は、案内写真1503と、実際に自分が見た部屋511内の光景とを照合することによって、自分が正しい部屋(すなわち目的地に至る経路上の部屋)に入ったことを知り、さらに、自分が進むべき方向(すなわち、案内写真1503と同様の光景が見える方向)を知ることができる。
【0194】
利用者は、部屋511の中心付近に到達したときに、アイコン1206を選択してもよい。すると、移動体端末130は、案内情報配置点706に対応付けられた案内写真(図示省略)を写真表示領域1502に表示する。この案内写真は、部屋511の中心又はその付近から、経路上の接続点524の方向を撮影した写真である。利用者は、表示された案内写真と、実際に自分が部屋511内から見た光景とを照合することによって、自分が進むべき接続点524の方向(すなわち、表示された案内写真と同様の光景が見える方向)を知ることができる。表示された写真に接続点524が写っていれば、利用者は、接続点524の方向に進むことができる。
【0195】
利用者は、接続点524の付近に到達したときに、アイコン1207を選択してもよい。すると、移動体端末130は、案内情報配置点705に対応付けられた案内写真(図示省略)を写真表示領域1502に表示する。この案内写真は、接続点524の付近から、その接続点524の方向を撮影した写真である。利用者は、表示された案内写真と、実際に自分が見た接続点524の光景とを照合することによって、自分が進むべき接続点524を確認することができる。
【0196】
なお、上記のような複数のアイコンに対応する複数の案内写真の画像データは、あらかじめまとめて屋内経路案内装置100から移動体端末130に送信され、移動体端末130内に保持されていてもよい。その場合、移動体端末130は、アイコンの選択に対応する案内写真の画像データを読み出し、表示装置232に表示する。この場合、経路案内部103は、ステップ1408で取得された全ての必要案内情報IDに対応する案内写真の画像データをステップ1409において送信してもよい。
【0197】
あるいは、移動体端末130は、アイコンが選択されるたびに、そのアイコンに対応する案内写真の画像データの送信を屋内経路案内装置100に要求してもよい。この場合、屋内経路案内装置100は、要求に応じて案内写真の画像データを移動体端末130に送信する。
【0198】
ただし、複数の案内写真があらかじめまとめて送信された後、図14のステップ1402において誘導に失敗したと判定された場合、経路案内部103は、複数の案内写真のうち誘導の失敗の原因となった案内写真を特定する必要がある。通常は、誘導に失敗したと判定される直前に利用者が参照した案内写真が、失敗の原因であると推定される。このため、経路案内部103は、最新の現在地を取得する直前に表示装置232に表示されていた案内写真を識別する情報(例えば写真ファイル名903)を、ステップ1403を実行する前に移動体端末130に問い合わせる。この問い合わせを受信した移動体端末130は、最新の現在地を取得する直前に表示装置232に表示されていた案内写真を特定し、その案内写真を識別する情報を経路案内部103に応答する。経路案内部103は、ステップ1403において、受信した応答によって識別される案内写真に対応する評価点902を減点する。
【0199】
具体的には、例えば、経路案内部103は、ステップ1403の前にステップ1404を実行してもよい。ステップ1404において、経路案内部103は、経路の再探索を要求し、さらに、上記のような移動体端末130への問い合わせを実行する。その後、ステップ1403において評価点902が減点され、処理はステップ1406に進む。
【0200】
図16は、本発明の実施形態において表示される案内情報提示画面の別の例を示す説明図である。
【0201】
図16に示す案内情報提示画面は、写真表示領域1502に写真切替ボタン1601が表示されることを除いて、図15に示すものと同じである。写真切替ボタン1601は、写真表示領域1502に表示されている写真以外の写真の表示を要求するために使用される。
【0202】
例えば、利用者が案内写真1503を見ても自分が進むべき方向を把握できない可能性がある。その原因として、案内写真1503が不適切であることが考えられる。このように案内写真が不適切であると利用者自身が判断した場合、利用者は、入力装置234を用いて写真切替ボタン1601を操作することによって、他の案内写真(図16の例では、案内情報配置点701に対応付けられた複数の案内写真のうち、現在表示されている写真以外の写真)の表示を要求することができる。
【0203】
具体的には、移動体端末130は、写真切替ボタン1601が操作されると、他の案内写真の表示要求を屋内経路案内装置100に送信する。
【0204】
この場合、経路案内部103は、経路案内処理(図13)のステップ1305において、現在地更新処理又は写真更新処理の少なくとも一方を実行する。具体的には、ステップ1305において、経路案内部103は、新たな現在地を示す情報及び他の案内写真の表示要求の少なくとも一方の受信を待つ。
【0205】
移動体端末130から新たな現在地を示す情報を受信した場合の現在地更新処理は、既に図13を参照して説明したとおりである。
【0206】
移動体端末130から他の案内写真の表示要求を受信した場合、経路案内部103は、ステップ1305において、写真更新処理を実行する。すなわち、経路案内部103は、表示要求を送信した時点で移動体端末130に表示されていた案内画面の評価点902を減点する。そして、処理はステップ1303に戻る。この場合、経路案内部103は、次のステップ1304において、要求された案内情報配置点(図16の例では案内情報配置点701)に対応する別の案内写真の画像データを移動体端末130に送信する。
【0207】
ステップ1305において写真更新処理が実行され、処理がステップ1303に戻った後、ステップ1304において案内情報提示処理が実行される場合、現在地は変更されていないため、ステップ1402において現在地ノードIDが経路上にあると判定される。ただし、この場合、直前に表示された案内写真が不適切であるため、ステップ1405における評価点の加点は実行されない。この場合、経路案内部103は、少なくとも、ステップ1408において、要求された案内情報配置点に対応する複数の案内写真のうち、直前に表示されたもの以外の画像データを取得する。一般に、評価点902の値が大きい案内写真が優先的に表示されるため、ステップ1408では、直前に表示された案内写真の次に評価点902の値が大きい案内写真の画像データが取得されてもよい。
【0208】
このように、利用者は、案内写真がわかりにくいと感じた場合、わかりやすい案内写真が表示されるまで、案内写真の変更を要求することができる。これによって、よりわかりやすい案内写真を用いて利用者を誘導することができる。さらに、利用者が案内写真の変更を要求することによって、わかりにくいと評価された案内写真の評価点が減点される。このため、その後に別の利用者が同じ経路を誘導される場合にも、よりわかりやすい案内写真が優先的に表示されるようになる。
【0209】
以上、本発明の実施形態によれば、屋内空間において利用者の正確な位置及び向きを特定できない場合であっても、利用者の位置情報及び利用者からの要求に応じて適切な案内写真を表示することによって、適切に利用者を誘導することができる。さらに、利用者の誘導に失敗した場合、又は、利用者が案内写真をわかりにくいと感じた場合、そのことが案内写真の評価に反映される。評価が高い案内写真を優先的に表示することによって、より適切な経路誘導が実現される。
【0210】
なお、上記の実施形態は一例に過ぎず、本発明には、構成又は処理手順などの異なる各種の変形がありうる。
【符号の説明】
【0211】
100 屋内経路案内装置
101 案内写真収集部
102 案内情報更新部
103 経路案内部
104 経路探索部
105 案内写真データベース(DB)
106 案内情報配置点DB
107 屋内地図DB
110 ネットワーク
120 案内画像撮影装置
130 移動体端末
511〜513 部屋ノード
521〜524 接続点ノード
531〜536 リンク
701〜706 案内情報配置点
1205〜1207 アイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続される端末装置と、前記ネットワークに接続される経路案内装置と、を備える経路案内システムであって、
前記端末装置は、前記端末装置の位置を測定する測位装置と、前記ネットワークに接続される第1インターフェースと、を備え、
前記経路案内装置は、
前記ネットワークに接続される第2インターフェースと、前記第2インターフェースに接続されるプロセッサと、前記プロセッサに接続されるメモリと、を備え、
複数の部屋を識別する情報、及び、前記各部屋と前記各部屋に隣接する前記部屋との間の、人が通行する接続点を識別する情報を含む地図情報を保持し、
前記複数の部屋及び前記複数の接続点の各組み合わせに対応付けられ、方向が定義された一つ以上の案内情報配置点を識別する情報を保持し、
前記一つ以上の案内情報配置点のいずれかに対応付けられた一つ以上の案内写真のデータを保持し、
前記端末装置から、前記測位装置によって測定された前記端末装置の位置を示す情報、及び、目的地を示す情報を受信すると、前記地図情報に基づいて、前記端末装置の位置から前記目的地に至る経路を探索し、
前記経路が経由する部屋、前記経路が経由する接続点、及び、前記経路の方向に対応する前記一つ以上の案内情報配置点に対応付けられた前記一つ以上の案内写真のデータを前記端末装置に送信することを特徴とする経路案内システム。
【請求項2】
前記経路案内システムは、さらに、前記案内写真を撮影する案内画像撮影装置を備え、
前記経路案内装置は、
前記案内写真がまだ対応付けられていない前記案内情報配置点を識別する情報を前記案内画像撮影装置に送信し、
前記案内情報配置点に対応する案内写真のデータを前記案内画像撮影装置から受信すると、前記受信した案内写真のデータを、前記案内情報配置点を識別する情報と対応付けて保持することを特徴とする請求項1に記載の経路案内システム。
【請求項3】
前記部屋及び前記接続点の一つの組み合わせに一つ以上の前記案内情報配置点が対応付けられ、
前記一つ以上の案内情報配置点は、第1の案内情報配置点、第2の案内情報配置点及び第3の案内情報配置点の少なくとも一つを含み、
前記第1の案内情報配置点には、前記部屋の内側から、前記接続点を含む範囲を撮影した第1の案内写真が対応付けられ、
前記第2の案内情報配置点には、前記部屋の内側の、前記第1の写真を撮影した地点より前記接続点に近い地点から前記接続点を含む範囲を撮影した第2の案内写真が対応付けられ、
前記第3の案内情報配置点には、前記接続点から見える前記部屋の内側の少なくとも一部を撮影した第3の案内写真が対応付けられることを特徴とする請求項2に記載の経路案内システム。
【請求項4】
前記複数の部屋は第1の部屋を含み、
前記複数の接続点は、前記第1の部屋と前記第1の部屋に隣接する第2の部屋とを接続する第1の接続点を含み、
前記経路案内装置は、
前記探索された経路が、前記第1の接続点から前記第1の部屋に入る経路を含む場合、前記第1の部屋及び前記第1の接続点の組み合わせに対応付けられた前記第3の案内情報配置点を特定し、前記特定された第3の案内情報配置点に対応付けられた前記第3の案内写真のデータを前記端末装置に送信し、
前記探索された経路が、前記第1の接続点を通って前記第1の部屋を出る経路を含む場合、前記第1の部屋及び前記第1の接続点の組み合わせに対応付けられた前記第1の案内情報配置点及び前記第2の案内情報配置点を特定し、前記特定された第1の案内情報配置点及び第2の案内情報配置点に対応付けられた前記第1の案内写真及び前記第2の案内写真のデータを前記端末装置に送信することを特徴とする請求項3に記載の経路案内システム。
【請求項5】
前記経路案内装置は、さらに、前記各案内写真に対応する評価点を保持し、
前記各案内情報配置点に複数の前記案内写真が対応付けられ、
前記経路案内装置は、
前記各案内情報配置点に対応付けられた前記複数の案内写真のうち、最も高い前記評価点に対応する案内写真のデータを送信し、
前記案内写真のデータを送信した後、前記端末装置から前記端末装置の位置を示す情報を受信すると、前記端末装置が前記探索された経路から外れたか否かを判定し、
前記端末装置が前記探索された経路から外れたと判定された場合、前記送信された案内写真に対応する前記評価点を減点し、さらに、前記端末装置の位置から前記目的地に至る経路を探索することを特徴とする請求項3に記載の経路案内システム。
【請求項6】
前記経路案内装置は、さらに、前記各案内写真に対応する評価点を保持し、
前記各案内情報配置点に複数の前記案内写真が対応付けられ、
前記経路案内装置は、
前記各案内情報配置点に対応付けられた前記複数の案内写真のうち、最も高い前記評価点に対応する案内写真のデータを送信し、
前記案内写真のデータを送信した後、前記端末装置から前記案内写真の変更要求を受信すると、前記送信された案内写真に対応する前記評価点を減点し、さらに、前記案内情報配置点に対応付けられた複数の前記案内写真のうち、前記送信された案内写真以外の案内写真のデータを前記端末装置に送信することを特徴とする請求項3に記載の経路案内システム。
【請求項7】
前記経路案内装置は、前記地図情報に基づいて、前記部屋及び前記接続点の組み合わせを検索し、前記検索された各組み合わせに対応する一つ以上の前記案内情報配置点を定義し、前記定義された案内情報配置点を識別する情報を保持することを特徴とする請求項3に記載の経路案内システム。
【請求項8】
前記端末装置は、第1表示装置及び入力装置をさらに備え、
前記第1表示装置が前記一つ以上の案内情報配置点に対応する一つ以上のアイコンを表示し、
前記入力装置が前記一つ以上の案内情報配置点のうち一つの指定を入力された場合、前記第1表示装置が、前記経路案内装置から受信したデータに基づいて、前記指定された案内情報配置点に対応する前記案内写真を表示することを特徴とする請求項1に記載の経路案内システム。
【請求項9】
前記端末装置は、第1表示装置及び入力装置をさらに備え、
前記第1表示装置は、
前記第1の部屋及び前記第1の接続点を含む地図を表示し、
前記経路案内装置から前記第3の案内写真のデータが送信された場合、前記第3の案内情報配置点に対応するアイコンを前記第1の接続点に対応付けて表示し、
前記経路案内装置から前記第1の案内写真及び前記第2の案内写真のデータが送信された場合、前記第1の案内情報配置点に対応するアイコンを前記第1の部屋に対応付けて表示し、前記第2の案内情報配置点に対応するアイコンを前記第1の接続点に対応付けて表示し、
前記入力装置が前記表示されたアイコンのうち一つの指定を入力された場合、前記指定されたアイコンに対応する前記案内情報配置点に対応する前記案内写真を表示することを特徴とする請求項4に記載の経路案内システム。
【請求項10】
前記案内画像撮影装置は、第2表示装置を備え、
前記第2表示装置が、前記案内写真がまだ対応付けられていない前記案内情報配置点に対応するアイコンとして、前記案内写真が対応付けられた前記案内情報配置点に対応するアイコンと異なる形態のアイコンを表示することを特徴とする請求項2に記載の経路案内システム。
【請求項11】
ネットワークに接続される経路案内装置であって、
前記経路案内装置は、
前記ネットワークに接続されるインターフェースと、前記インターフェースに接続されるプロセッサと、前記プロセッサに接続されるメモリと、を備え、
複数の部屋を識別する情報、及び、前記各部屋と前記各部屋に隣接する前記部屋との間の、人が通行する接続点を識別する情報を含む地図情報を保持し、
前記複数の部屋及び前記複数の接続点の各組み合わせに対応付けられ、方向が定義された一つ以上の案内情報配置点を識別する情報を保持し、
前記一つ以上の案内情報配置点のいずれかに対応付けられた一つ以上の案内写真のデータを保持し、
前記ネットワークに接続された端末装置から、前記端末装置の位置を示す情報、及び、目的地を示す情報を受信すると、前記地図情報に基づいて、前記端末装置の位置から前記目的地に至る経路を探索し、
前記経路が経由する部屋、前記経路が経由する接続点、及び、前記経路の方向に対応する前記一つ以上の案内情報配置点に対応付けられた前記一つ以上の案内写真のデータを前記端末装置に送信することを特徴とする経路案内装置。
【請求項12】
前記経路案内装置は、
前記案内写真がまだ対応付けられていない前記案内情報配置点を識別する情報を案内画像撮影装置に送信し、
前記案内情報配置点に対応する案内写真のデータを前記案内画像撮影装置から受信すると、前記受信した案内写真のデータを、前記案内情報配置点を識別する情報と対応付けて保持することを特徴とする請求項11に記載の経路案内装置。
【請求項13】
前記部屋及び前記接続点の一つの組み合わせに一つ以上の前記案内情報配置点が対応付けられ、
前記一つ以上の案内情報配置点は、第1の案内情報配置点、第2の案内情報配置点及び第3の案内情報配置点の少なくとも一つを含み、
前記第1の案内情報配置点には、前記部屋の内側から、前記接続点を含む範囲を撮影した第1の案内写真が対応付けられ、
前記第2の案内情報配置点には、前記部屋の内側の、前記第1の写真を撮影した地点より前記接続点に近い地点から前記接続点を含む範囲を撮影した第2の案内写真が対応付けられ、
前記第3の案内情報配置点には、前記接続点から見える前記部屋の内側の少なくとも一部を撮影した第3の案内写真が対応付けられることを特徴とする請求項12に記載の経路案内装置。
【請求項14】
前記経路案内装置は、さらに、前記各案内写真に対応する評価点を保持し、
前記各案内情報配置点に複数の前記案内写真が対応付けられ、
前記経路案内装置は、
前記各案内情報配置点に対応付けられた前記複数の案内写真のうち、最も高い前記評価点に対応する案内写真のデータを送信し、
前記案内写真のデータを送信した後、前記端末装置から前記端末装置の位置を示す情報を受信すると、前記端末装置が前記探索された経路から外れたか否かを判定し、
前記端末装置が前記探索された経路から外れたと判定された場合、前記送信された案内写真に対応する前記評価点を減点し、さらに、前記端末装置の位置から前記目的地に至る経路を探索することを特徴とする請求項13に記載の経路案内装置。
【請求項15】
前記経路案内装置は、さらに、前記各案内写真に対応する評価点を保持し、
前記各案内情報配置点に複数の前記案内写真が対応付けられ、
前記経路案内装置は、
前記各案内情報配置点に対応付けられた前記複数の案内写真のうち、最も高い前記評価点に対応する案内写真のデータを送信し、
前記案内写真のデータを送信した後、前記端末装置から前記案内写真の変更要求を受信すると、前記送信された案内写真に対応する前記評価点を減点し、さらに、前記案内情報配置点に対応付けられた複数の前記案内写真のうち、前記送信された案内写真以外の案内写真のデータを前記端末装置に送信することを特徴とする請求項13に記載の経路案内装置。
【請求項16】
ネットワークに接続される端末装置と、前記ネットワークに接続される経路案内装置と、を備える経路案内システムにおいて実行される経路案内方法であって、
前記端末装置は、前記端末装置の位置を測定する測位装置と、前記ネットワークに接続される第1インターフェースと、を備え、
前記経路案内装置は、
前記ネットワークに接続される第2インターフェースと、前記第2インターフェースに接続されるプロセッサと、前記プロセッサに接続されるメモリと、を備え、
複数の部屋を識別する情報、及び、前記各部屋と前記各部屋に隣接する前記部屋との間の、人が通行する接続点を識別する情報を含む地図情報を保持し、
前記複数の部屋及び前記複数の接続点の各組み合わせに対応付けられ、方向が定義された一つ以上の案内情報配置点を識別する情報を保持し、
前記一つ以上の案内情報配置点のいずれかに対応付けられた一つ以上の案内写真のデータを保持し、
前記経路案内方法は、
前記端末装置から、前記測位装置によって測定された前記端末装置の位置を示す情報、及び、目的地を示す情報を受信すると、前記経路案内装置が、前記地図情報に基づいて、前記端末装置の位置から前記目的地に至る経路を探索する第1手順と、
前記経路案内装置が、前記経路が経由する部屋、前記経路が経由する接続点、及び、前記経路の方向に対応する前記一つ以上の案内情報配置点に対応付けられた前記一つ以上の案内写真のデータを前記端末装置に送信する第2手順と、を含むことを特徴とする経路案内方法。
【請求項17】
前記経路案内システムは、さらに、前記案内写真を撮影する案内画像撮影装置を備え、
前記経路案内方法は、さらに、
前記経路案内装置が、前記案内写真がまだ対応付けられていない前記案内情報配置点を識別する情報を前記案内画像撮影装置に送信する第3手順と、
前記案内情報配置点に対応する案内写真のデータを前記案内画像撮影装置から受信すると、前記経路案内装置が、前記受信した案内写真のデータを、前記案内情報配置点を識別する情報と対応付けて保持する第4手順と、を含むことを特徴とする請求項16に記載の経路案内方法。
【請求項18】
前記部屋及び前記接続点の一つの組み合わせに一つ以上の前記案内情報配置点が対応付けられ、
前記一つ以上の案内情報配置点は、第1の案内情報配置点、第2の案内情報配置点及び第3の案内情報配置点の少なくとも一つを含み、
前記第1の案内情報配置点には、前記部屋の内側から、前記接続点を含む範囲を撮影した第1の案内写真が対応付けられ、
前記第2の案内情報配置点には、前記部屋の内側の、前記第1の写真を撮影した地点より前記接続点に近い地点から前記接続点を含む範囲を撮影した第2の案内写真が対応付けられ、
前記第3の案内情報配置点には、前記接続点から見える前記部屋の内側の少なくとも一部を撮影した第3の案内写真が対応付けられることを特徴とする請求項17に記載の経路案内方法。
【請求項19】
前記経路案内装置は、さらに、前記各案内写真に対応する評価点を保持し、
前記各案内情報配置点に複数の前記案内写真が対応付けられ、
前記第2手順は、前記経路案内装置が、前記各案内情報配置点に対応付けられた前記複数の案内写真のうち、最も高い前記評価点に対応する案内写真のデータを送信する手順を含み、
前記方法は、さらに、
前記経路案内装置が、前記案内写真のデータを送信した後、前記端末装置から前記端末装置の位置を示す情報を受信すると、前記端末装置が前記探索された経路から外れたか否かを判定する手順と、
前記端末装置が前記探索された経路から外れたと判定された場合、前記経路案内装置が、前記送信された案内写真に対応する前記評価点を減点する手順と、を含み、
前記端末装置が前記探索された経路から外れたと判定された場合、前記第1手順が再び実行されることを特徴とする請求項18に記載の経路案内方法。
【請求項20】
前記経路案内装置は、さらに、前記各案内写真に対応する評価点を保持し、
前記各案内情報配置点に複数の前記案内写真が対応付けられ、
前記第2手順は、前記経路案内装置が、前記各案内情報配置点に対応付けられた前記複数の案内写真のうち、最も高い前記評価点に対応する案内写真のデータを送信する手順を含み、
前記方法は、さらに、
前記経路案内装置が、前記案内写真のデータを送信した後、前記端末装置から前記案内写真の変更要求を受信すると、前記送信された案内写真に対応する前記評価点を減点する手順と、
前記経路案内装置が、前記案内情報配置点に対応付けられた複数の前記案内写真のうち、前記送信された案内写真以外の案内写真のデータを前記端末装置に送信する手順と、を含むことを特徴とする請求項18に記載の経路案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−286271(P2010−286271A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138328(P2009−138328)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、総務省、ユビキタス空間情報技術の研究開発 委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】