経路案内システム及び経路案内方法
【課題】交差点の案内を適正に行うことができるようにする。
【解決手段】案内交差点における所定の陸標を伴う交差点の案内を行う案内処理手段と、運転者が前記案内処理手段による案内のとおりに車両を走行させたかどうかを判断する走行判断処理手段と、該走行判断処理手段による判断結果に基づいて、前記案内交差点における所定の陸標の優先度を設定する優先度設定処理手段とを有する。案内処理手段による案内のとおりに車両を走行させたかどうかが判断され、案内処理手段による案内のとおりに車両を走行させたかどうかの判断結果に基づいて陸標の優先度が設定されるので、探索経路を容易に認識することができるようになり、交差点の案内を適正に行うことができる。
【解決手段】案内交差点における所定の陸標を伴う交差点の案内を行う案内処理手段と、運転者が前記案内処理手段による案内のとおりに車両を走行させたかどうかを判断する走行判断処理手段と、該走行判断処理手段による判断結果に基づいて、前記案内交差点における所定の陸標の優先度を設定する優先度設定処理手段とを有する。案内処理手段による案内のとおりに車両を走行させたかどうかが判断され、案内処理手段による案内のとおりに車両を走行させたかどうかの判断結果に基づいて陸標の優先度が設定されるので、探索経路を容易に認識することができるようになり、交差点の案内を適正に行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、経路案内システム及び経路案内方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、ナビゲーション装置においては、例えば、ＧＰＳ（グローバルポジショニングシステム）によって車両の現在の位置、すなわち、現在地が検出されるとともに、ジャイロセンサによって検出された車両の旋回角に基づいて、車両の方位、すなわち、自車方位が検出され、データ記録部から地図データが読み出され、表示部に地図画面が形成され、該地図画面に、現在地を表す自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位が表示されるようになっている。したがって、操作者である運転者は、前記地図画面に表示された自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【０００３】
また、運転者が目的地を入力し、探索条件を設定すると、該探索条件に基づいて、経路探索処理が行われ、前記地図データに従って現在地で表される出発地から目的地までの経路が探索される。そして、探索された経路、すなわち、探索経路は前記地図画面に自車位置と共に表示され、経路案内が行われる。したがって、運転者は表示された探索経路に沿って車両を走行させることができる。
【０００４】
ところで、探索経路上で右左折する必要がある交差点、すなわち、案内交差点が存在する場合、車両が案内交差点より所定の距離だけ手前の経路を案内する地点、すなわち、経路案内地点に到達すると、地図画面の所定の領域に交差点拡大図が形成され、該交差点拡大図による経路案内が行われる。そして、前記交差点拡大図に、案内交差点の周辺の地図、探索経路、案内交差点において目印になる施設等の陸標が表示されるとともに、交差点の案内が行われる（例えば、特許文献１参照。）。
【０００５】
図２は従来のナビゲーション装置における交差点の案内の例を示す図である。
【０００６】
図において、ｃ１は案内交差点、ｒ１、ｒ２は該案内交差点ｃ１で交差する道路、Ｒｔ１は探索経路、ｈは道路ｒ１のセンタライン、ｋ１〜ｋ３は走行車線側の車線、ｋ４〜ｋ６は反対車線側の車線、ｗ１は自車である車両である。前記案内交差点ｃ１の先の走行車線側の角（左側の角）に、例えば、陸標Ｃで表される所定のＣコンビニエンスストアがあり、前記案内交差点ｃ１の先の反対車線側の角（右側の角）に、例えば、陸標Ｇで表される所定のＧガソリンスタンドがある。
【０００７】
そして、ＣコンビニエンスストアよりＧガソリンスタンドが著名な場合、車両ｗ１が経路案内地点に到達すると、図示されない音声出力部は、案内交差点ｃ１について、例えば、「まもなく左方向です。Ｇガソリンスタンドが目印です。」のように音声による交差点の案内を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
【特許文献１】特開平９−２８７９６１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置においては、前記案内交差点ｃ１には、先の走行車線側の角にＣコンビニエンスストアがあり、特に、車線ｋ１を走行している場合には、車両ｗ１に近いＣコンビニエンスストアについて音声による交差点の案内が行われる方が、探索経路Ｒｔ１を認識しやすい。この場合、交差点の案内を適正に行うことが困難になってしまう。
【００１０】
本発明は、前記従来のナビゲーション装置の問題点を解決して、交差点の案内を適正に行うことができる経路案内システム及び経路案内方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
そのために、本発明の経路案内システムにおいては、案内交差点における所定の陸標を伴う交差点の案内を行う案内処理手段と、運転者が前記案内処理手段による案内のとおりに車両を走行させたかどうかを判断する走行判断処理手段と、該走行判断処理手段による判断結果に基づいて、前記案内交差点における所定の陸標の優先度を設定する優先度設定処理手段とを有する。
【発明の効果】
【００１２】
本発明によれば、運転者が案内処理手段による案内のとおりに車両を走行させたかどうかが判断され、運転者が案内処理手段による案内のとおりに車両を走行させたかどうかの判断結果に基づいて、前記案内交差点における所定の陸標の優先度が設定されるので、探索経路を容易に認識することができるようになり、交差点の案内を適正に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明の第１の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示す図である。
【図２】従来のナビゲーション装置における交差点の案内の例を示す図である。
【図３】本発明の第１の実施の形態における交差点案内処理手段の動作を示すメインフローチャートである。
【図４】本発明の第１の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図５】本発明の第１の実施の形態における交差点誘導処理のサブルーチンを示す図である。
【図６】本発明の第１の実施の形態における交差点の案内の例を示す第１の図である。
【図７】本発明の第１の実施の形態における交差点の案内の例を示す第２の図である。
【図８】本発明の第１の実施の形態における交差点の案内の例を示す第３の図である。
【図９】本発明の第２の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図１０】本発明の第３の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図１１】本発明の第４の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図１２】本発明の第５の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図１３】本発明の第６の実施の形態における優先度設定情報作成処理手段の動作を示すフローチャートである。
【図１４】本発明の第６の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図１５】本発明の第６の実施の形態における交差点誘導処理のサブルーチンを示す図である。
【図１６】本発明の第７の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図１７】本発明の第７の実施の形態における交差点誘導処理のサブルーチンを示す図である。
【図１８】本発明の第７の実施の形態における交差点の案内の例を示す図である。
【図１９】本発明の第８の実施の形態における交差点案内処理手段の動作を示すメインフローチャートである。
【図２０】本発明の第８の実施の形態における交差点誘導処理のサブルーチンを示す図である。
【図２１】本発明の第８の実施の形態における優先度設定情報取得処理のサブルーチンを示す図である。
【図２２】本発明の第８の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図２３】本発明の第８の実施の形態における交差点の案内の例を示す図である。
【図２４】本発明の第９の実施の形態における案内出力処理のサブルーチンを示す図である。
【図２５】本発明の第１０の実施の形態における案内出力処理のサブルーチンを示す図である。
【図２６】本発明の第１１の実施の形態における案内出力処理のサブルーチンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【００１５】
図１は本発明の第１の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示す図である。
【００１６】
図において、１４は情報端末、例えば、車両に搭載された車載装置としてのナビゲーション装置、６３はネットワーク、５１は情報提供者としての情報センタであり、前記ナビゲーション装置１４、ネットワーク６３、情報センタ５１等によってナビゲーションシステムが構成される。
【００１７】
前記ナビゲーション装置１４は、現在地を検出する現在地検出部としてのＧＰＳセンサ１５、地図データのほかに各種の情報が記録された情報記録部としてのデータ記録部１６、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部１７、自車方位を検出する方位検出部としての方位センサ１８、操作者である運転者が操作することによって所定の入力を行うための第１の入力部としての操作部３４、図示されない画面に表示された画像によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第１の出力部としての表示部３５、音声によって所定の入力を行うための第２の入力部としての音声入力部３６、音声によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第２の出力部としての音声出力部３７、及び通信端末として機能する送受信部としての通信部３８を備え、前記ナビゲーション処理部１７に、ＧＰＳセンサ１５、データ記録部１６、方位センサ１８、操作部３４、表示部３５、音声入力部３６、音声出力部３７及び通信部３８が接続される。
【００１８】
また、前記ナビゲーション処理部１７には、車両の前方を監視する前方監視装置４８、道路の車線を区分する表示線を認識する表示線認識装置４９、車両の周辺を監視する周辺監視装置５０等が接続される。
【００１９】
さらに、前記ナビゲーション処理部１７には、車両情報検出部としてのセンサ部４０が接続され、該センサ部４０は、車両を側方に移動させるための運転者によるウインカレバーの操作を検出する車両側方移動操作検出部としてのウインカセンサ４１、運転者によるアクセルペダルの操作を検出するエンジン負荷検出部としてのアクセルセンサ４２、運転者によるブレーキペダルの操作を検出する制動検出部としてのブレーキセンサ４３、車速を検出する車速検出部としての車速センサ４４、運転者による加速要求を表すスロットル開度を検出するスロットル開度検出部としてのスロットル開度センサ４５、運転者による操舵部材としてのステアリングの操作を検出する操舵検出部としてのステアリングセンサ４６、及び運転者がシフトレバー等の変速操作部を操作することによって選択されたレンジを検出する変速操作検出部としてのシフトポジションセンサ４７を備える。また、該シフトポジションセンサ４７は、ニュートラルレンジ（Ｎ）、前進レンジ（Ｄ）、ローレンジ（Ｌ）、後進レンジ（Ｒ）及びパーキングレンジ（Ｐ）が選択されたことを検出する。なお、前記ウインカセンサ４１、アクセルセンサ４２、ブレーキセンサ４３、ステアリングセンサ４６、シフトポジションセンサ４７等によって運転者による車両の操作情報を検出する運転者操作情報検出部が構成される。
【００２０】
前記ＧＰＳセンサ１５は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することによって地球上における現在地を検出し、併せて時刻を検出する。本実施の形態においては、現在地検出部としてＧＰＳセンサ１５が使用されるようになっているが、該ＧＰＳセンサ１５に代えて図示されない距離センサ、ステアリングセンサ、高度計等を単独で、又は組み合わせて使用することもできる。また、前記方位センサ１８としてジャイロセンサ、地磁気センサ等を使用することができる。
【００２１】
前記データ記録部１６は、地図データファイルから成る地図データベースを備え、該地図データベースに地図データが記録される。該地図データには、交差点に関する交差点データ、ノードに関するノードデータ、道路リンクに関する道路データ、探索用に加工された探索データ、施設に関する施設データ等が含まれる。また、前記データ記録部１６には、所定の情報を音声出力部３７によって出力するためのデータも記録される。
【００２２】
さらに、前記データ記録部１６には、統計データファイルから成る統計データベース、走行履歴データファイルから成る走行履歴データベース等が形成され、前記統計データファイルに統計データが、前記走行履歴データファイルに走行履歴データが、いずれも実績データとして記録される。
【００２３】
前記統計データは、過去に提供された交通情報の実績、すなわち、履歴を表す履歴情報であり、情報提供者としてのＶＩＣＳ（登録商標：Ｖｅｈｉｃｌｅ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ ａｎｄ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ Ｓｙｓｔｅｍ）センタ等の図示されない道路交通情報センタ等によって過去に提供された交通情報、及び国土交通省によって提供された道路交通センサスによる交通量を表すデータ（以下「道路交通センサス情報」という。）、国土交通省によって提供された道路時刻表情報、及び情報センタ５１が複数の車両（自車又は他車）から収集した走行履歴データであるプローブデータを単独で、又は組み合わせて使用し、必要に応じて、加工し、統計処理を施すことによって作成される。なお、前記統計データにおいて、前記履歴情報に、渋滞状況を予測する渋滞予測情報等を加えることもできる。その場合、前記統計データを作成するに当たり、履歴情報に、日時、曜日、天候、各種イベント、季節、施設の情報（デパート、スーパーマーケット等の大型の施設の有無）等の詳細な条件が加えられる。
【００２４】
前記統計データのデータ項目には、過去に車両が走行した経路、すなわち、各走行経路を構成する各道路リンクについてのリンク番号データ（ＩＤ）、走行方向を表す方向フラグ、情報の種類を表す情報種別、所定のタイミングごとの渋滞の度合いを表す渋滞度、前記各道路リンクを走行したときの、所定のタイミングごとの所要時間を表すリンク所要時間、該リンク所要時間の各曜日ごとの平均的なデータ（例えば、曜日平均データ）等から成る。
【００２５】
なお、本実施の形態において、渋滞度は、渋滞の度合いを表す渋滞指標として使用され、渋滞、混雑及び非渋滞の別で表される。
【００２６】
また、走行履歴データは、車両の走行の実績、すなわち、走行経路における走行実績を表すデータ（走行データ）に基づいて算出され、蓄積される。そして、前記走行履歴データのデータ項目は、各道路リンクを走行したときの、所定のタイミングごとのリンク所要時間、各道路リンクを走行したときの、所定のタイミングごとの渋滞度等から成る。
【００２７】
なお、前記データ記録部１６は、前記各種のデータを記録するために、ハードディスク、ＣＤ、ＤＶＤ、光ディスク等の図示されないディスクを備えるほかに、各種のデータを読み出したり、書き込んだりするための読出・書込ヘッド等の図示されないヘッドを備える。前記データ記録部１６にメモリカード等を使用することができる。
【００２８】
本実施の形態においては、前記データ記録部１６に、前記地図データベース、統計データベース、走行履歴データベース等が配設されるようになっているが、情報センタ５１において、前記地図データベース、統計データベース、走行履歴データベース等を配設することもできる。
【００２９】
また、前記ナビゲーション処理部１７は、ナビゲーション装置１４の全体の制御を行う制御装置としての、かつ、演算装置としてのＣＰＵ３１、該ＣＰＵ３１が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるＲＡＭ３２、制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、経路案内等を行うための各種のプログラムが記録されたＲＯＭ３３、各種のデータ、プログラム等を記録するために使用される図示されないフラッシュメモリを備える。
【００３０】
本実施の形態においては、前記ＲＯＭ３３に各種のプログラムを記録し、前記データ記録部１６に各種のデータを記録することができるが、プログラム、データ等をディスク等に記録することもできる。この場合、ディスク等から前記プログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリに書き込むことができる。したがって、ディスク等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。また、ナビゲーション装置１４が車両に搭載された図示されない自動変速機の制御を行うための自動変速機制御装置と接続されている場合には、該自動変速機制御装置の制御用のプログラム、データ等も前記ディスク等に記録することができる。さらに、通信部３８を介して前記プログラム、データ等を受信し、ナビゲーション処理部１７のフラッシュメモリに書き込むこともできる。
【００３１】
前記操作部３４は、運転者が操作することによって、走行開始時の現在地を修正したり、出発地及び目的地を入力したり、通過点を入力したり、通信部３８を作動させたりするためのものであり、前記操作部３４として、表示部３５とは独立に配設されたキーボード、マウス等を使用することができる。また、前記操作部３４として、前記表示部３５に形成された画面に画像で表示された各種のキー、スイッチ、ボタン等の画像操作部をタッチ又はクリックすることによって、所定の入力操作を行うことができるようにしたタッチパネルを使用することができる。
【００３２】
前記表示部３５としてはディスプレイを使用することができる。そして、表示部３５に形成された各種の画面に、現在地を表す自車位置、地図、探索経路、該探索経路に沿った案内情報、交通情報等を表示したり、探索経路における次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向を表示したりすることができるだけでなく、前記画像操作部、操作部３４、音声入力部３６等の操作案内、操作メニュー、キーの案内を表示したり、ＦＭ多重放送の番組等を表示したりすることができる。
【００３３】
また、音声入力部３６は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができる。さらに、音声出力部３７は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声出力部３７から、前記探索経路、案内情報、交通情報等が、例えば、音声合成装置によって合成された音声で出力される。
【００３４】
前記通信部３８は、前記道路交通情報センタから送信された現況の交通情報、一般情報等の各種の情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するためのビーコンレシーバ、ＦＭ放送局を介してＦＭ多重放送として受信するためのＦＭ受信機等を備える。なお、前記交通情報には、渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況情報等が含まれ、一般情報には、ニュース、天気予報等が含まれる。なお、前記ビーコンレシーバ及びＦＭ受信機は、ユニット化されてＶＩＣＳレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【００３５】
また、前記交通情報は、情報の種別を表す情報種別、メッシュとしての２次メッシュを特定するための２次メッシュ番号、二つの地点（例えば、交差点）間を連結する道路リンクを特定し、かつ、上り／下りの別を表すリンク番号データ、該リンク番号データに対応させて提供される情報の内容を表すリンク情報を含み、例えば、交通情報が渋滞情報である場合、前記リンク情報は、前記道路リンクの始点から渋滞の先頭までの距離を表す渋滞先頭データ、渋滞度、渋滞区間を前記渋滞の先頭から渋滞の末尾までの距離を表す渋滞長、リンク所要時間等から成る。
【００３６】
そして、通信部３８は、前記情報センタ５１から交通情報、一般情報等の各種の情報を受信することもできる。
【００３７】
そのために、前記情報センタ５１は、サーバ５３、該サーバ５３に接続された通信部５７及び情報記録部としてのデータベース（ＤＢ）５８等を備え、前記サーバ５３は、制御装置としての、かつ、演算装置としてのＣＰＵ５４、ＲＡＭ５５、ＲＯＭ５６等を備える。また、前記データベース５８に、前記データ記録部１６に記録された各種のデータと同様のデータ、例えば、前記地図データ、統計データ、走行履歴データ等を記録する。さらに、情報センタ５１は、複数の車両（自車又は他車）から収集した走行履歴データをリアルタイムに提供することができる。
【００３８】
そして、前記前方監視装置４８は、レーザレーダ、ミリ波レーダ等のレーダ又は超音波センサ等、又はそれらの組合せから成り、自車周辺情報として車間距離、車間時間、先行車に対する接近速度、一時停止箇所（非優先道路から優先道路への進入箇所、踏切、赤信号が点滅する交差点等）に対する接近速度、障害物に対する接近速度等を算出し、先行車、一時停止箇所、障害物等を監視する。また、前記周辺監視装置５０は、自車周辺情報として車両の周辺、例えば、前方、側方又は後方の交差点、路上標識、信号機、建造物等の被撮影物をＣＣＤ、Ｃ−ＭＯＳ等のカメラによって撮影し、撮影された被撮影物の画像の画像データを処理して交差点の状態、周辺の車両の寸法、周辺の車両の位置、周辺の車両数、表示線の位置、停止線位置、路上標識位置、信号機の色等を判断して車両の周辺を監視する。
【００３９】
なお、前記ナビゲーションシステム、ナビゲーション処理部１７、ＣＰＵ３１、５４、サーバ５３等は、各種のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。また、データ記録部１６、ＲＡＭ３２、５５、ＲＯＭ３３、５６、データベース５８、フラッシュメモリ等によって記録媒体が構成される。そして、演算装置として、ＣＰＵ３１、５４に代えてＭＰＵ等を使用することもできる。
【００４０】
次に、前記構成のナビゲーションシステムを経路案内システムとして使用したときの基本動作について説明する。
【００４１】
まず、運転者によって操作部３４が操作され、ナビゲーション装置１４が起動されると、ＣＰＵ３１の図示されないナビ初期化処理手段は、ナビ初期化処理を行い、ＧＰＳセンサ１５によって検出された現在地、方位センサ１８によって検出された自車方位等を読み込むとともに、各種のデータを初期化する。なお、前記ＣＰＵ３１の図示されないマッチング処理手段は、マッチング処理を行い、読み込まれた現在地の軌跡、及び現在地の周辺の道路を構成する各道路リンクの形状、配列等に基づいて、現在地がいずれの道路リンク上に位置するかの判定を行うことによって、現在地を特定する。
【００４２】
続いて、ＣＰＵ３１の図示されない基本情報取得処理手段は、基本情報取得処理を行い、前記地図データを、データ記録部１６から読み出して取得するか、又は通信部３８を介して情報センタ５１等から受信して取得する。なお、地図データを情報センタ５１から取得する場合、前記基本情報取得処理手段は、受信した地図データをフラッシュメモリにダウンロードする。また、地図データを通信部３８を介して取得する際にプログラムを併せて取得することもできる。
【００４３】
そして、前記ＣＰＵ３１の図示されない表示処理手段は、表示処理を行い、前記表示部３５に各種の画面を形成する。例えば、表示処理手段の道路地図表示処理手段は、道路地図表示処理を行い、表示部３５に地図画面を形成し、該地図画面に自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位を表示する。したがって、運転者は、前記自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【００４４】
また、運転者が操作部３４を操作して目的地を入力すると、ＣＰＵ３１の図示されない目的地設定処理手段は、目的地設定処理を行い、目的地を設定する。なお、必要に応じて出発地を入力し、設定することもできる。また、あらかじめ所定の地点を登録しておき、登録された地点を目的地として設定することができる。続いて、運転者が操作部３４を操作して探索条件を入力すると、ＣＰＵ３１の図示されない探索条件設定処理手段は、探索条件設定処理を行い、探索条件を設定する。
【００４５】
このようにして、目的地及び探索条件が設定されると、ＣＰＵ３１の図示されない経路探索処理手段は、経路探索処理を行い、前記現在地、目的地、探索条件等を読み込むとともに、データ記録部１６から探索データ等を読み出し、現在地、目的地及び探索データに基づいて、現在地で表される出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。この場合、各道路リンクごとに付与されたリンクコストの合計が最も小さい経路が探索経路とされる。
【００４６】
続いて、前記ＣＰＵ３１の図示されない案内処理手段は、案内処理を行い、運転者に探索経路の案内、すなわち、経路案内を行う。そのために、前記案内処理手段の経路表示処理手段は、経路表示処理を行い、前記経路データを読み込み、該経路データに従って前記地図画面に探索経路を表示する。この場合、必要に応じて、前記案内処理手段の音声出力処理手段は、音声出力処理を行い、音声出力部３７から探索経路を音声で出力して経路案内を行う。
【００４７】
なお、情報センタ５１において経路探索処理を行うことができる。その場合、ＣＰＵ３１は現在地、目的地、探索条件等を情報センタ５１に送信する。該情報センタ５１は、現在地、目的地、探索条件等を受信すると、ＣＰＵ５４の図示されない経路探索処理手段は、ＣＰＵ３１と同様の経路探索処理を行い、データベース５８から探索データ等を読み出し、現在地、目的地及び探索データに基づいて、出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。続いて、ＣＰＵ５４の図示されない送信処理手段は、送信処理を行い、前記経路データをナビゲーション装置１４に送信する。したがって、ナビゲーション装置１４において、前記基本情報取得処理手段が情報センタ５１からの経路データを受信すると、前記案内処理手段は、前述されたような経路案内を行う。
【００４８】
そして、探索経路上に案内交差点が存在する場合、車両が案内交差点より所定の距離Ｌ１（例えば、Ｘ１〔ｍ〕）だけ手前の経路案内地点に到達すると、前記案内処理手段の交差点拡大図表示処理手段は、交差点拡大図表示処理を行い、地図画面の所定の領域に交差点拡大図を形成し、交差点拡大図による経路案内を行い、前記交差点拡大図に、案内交差点の周辺の地図、探索経路、案内交差点において目印になる施設等の陸標を表示する。また、前記音声出力処理手段は、音声出力部３７に指示し、例えば、「この先Ｘ〔ｍ〕で左方向です。」のような音声による経路案内を行う。
【００４９】
続いて、前記案内処理手段の交差点案内処理手段は、交差点案内処理を行い、交差点の案内を行う。
【００５０】
図３は本発明の第１の実施の形態における交差点案内処理手段の動作を示すメインフローチャート、図４は本発明の第１の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図、図５は本発明の第１の実施の形態における交差点誘導処理のサブルーチンを示す図、図６は本発明の第１の実施の形態における交差点の案内の例を示す第１の図、図７は本発明の第１の実施の形態における交差点の案内の例を示す第２の図、図８は本発明の第１の実施の形態における交差点の案内の例を示す第３の図である。
【００５１】
図６〜８において、ｃ１は案内交差点、ｒ１、ｒ２は該案内交差点ｃ１で交差する道路、Ｒｔ１は探索経路、ｈ１は前記道路ｒ１のセンタライン、ｋ１〜ｋ３は走行車線側の車線、ｋ４〜ｋ６は反対車線側の車線、ｗ１は自車である車両である。前記案内交差点ｃ１の先の走行車線側の角（左側の角）に第１の施設として、例えば、陸標Ｃで表される所定のＣコンビニエンスストアがあり、前記案内交差点ｃ１の先の反対車線側の角（右側の角）に第２の施設として、例えば、陸標Ｇで表される所定のＧガソリンスタンドがある。
【００５２】
まず、前記交差点案内処理手段の交差点判定処理手段は、交差点判定処理を行い、車両ｗ１が更に走行し、案内交差点ｃ１に接近したかどうかを、車両ｗ１が案内交差点ｃ１より所定の距離Ｌ２（Ｌ２＜Ｌ１）（例えば、Ｘ２〔ｍ〕）だけ手前の交差点を案内する地点、すなわち、交差点案内地点に到達したかどうかをによって判断する。そして、車両ｗ１が案内交差点ｃ１に接近すると、前記交差点案内処理手段の優先度設定情報取得処理手段は、優先度設定情報取得処理を行い、案内交差点ｃ１における陸標Ｃ、Ｇについて優先度を設定するための情報を表す優先度設定情報としての車両ｗ１の走行状況、本実施の形態においては、車両ｗ１が走行している車線を読み込むことによって取得する。
【００５３】
続いて、前記交差点案内処理手段の優先度設定処理手段は、優先度設定処理を行い、車両ｗ１が路肩寄りの車線ｋ１を走行しているかどうかを判断する。図６に示されるように、路肩寄りの車線ｋ１を走行している場合、陸標Ｃの優先度を高くし、図７及び８に示されるように、センタラインｈ１側の車線ｋ２、ｋ３を走行している場合、陸標Ｇの優先度を高くする。
【００５４】
なお、本実施の形態において、前記各優先度は数値で表され、あらかじめ各陸標Ｃ、Ｇごとに同じ初期値が設定される。したがって、前記優先度設定処理において、前記初期値は、所定の値を加算したり、乗算したり、所定の関数で変換したりすることによって変更され、設定される。また、本実施の形態においては、各陸標Ｃ、Ｇごとに同じ初期値が設定されるようになっているが、必要に応じて初期値をあらかじめ異ならせて設定することができる。
【００５５】
続いて、前記交差点案内処理手段の交差点誘導処理手段は、交差点誘導処理を行い、案内交差点ｃ１の各陸標Ｃ、Ｇについて前記優先度を読み込み、前記交差点誘導処理手段の案内出力処理手段は、案内出力処理を行い、音声出力部３７（図１）に指示し、案内交差点ｃ１及び優先度の高い陸標について音声による交差点の案内を行う。陸標Ｃの優先度が高い場合、例えば、「まもなく左方向です。Ｃコンビニエンスストアが目印です。」のような、陸標Ｃの名称を伴う交差点の案内が行われ、陸標Ｇの優先度が高い場合、例えば、「まもなく、左方向です。Ｇガソリンスタンドが目印です。」のような陸標Ｇの名称を伴う交差点の案内が行われる。
【００５６】
このように、本実施の形態においては、車両ｗ１がどの車線を走行しているかによって陸標の優先度が設定され、優先度の高い陸標で交差点の案内が行われるので、探索経路を認識しやすくすることができる。したがって、交差点の案内を適正に行うことができる。
【００５７】
次に、図３のフローチャートについて説明する。
ステップＳ１ 案内交差点ｃ１に接近するのを待機する。
ステップＳ２ 優先度設定情報取得処理を行う。
ステップＳ３ 優先度設定処理を行う。
ステップＳ４ 交差点誘導処理を行い、処理を終了する。
【００５８】
次に、図４のフローチャートについて説明する。
ステップＳ３−１ 路肩寄りの車線ｋ１を走行しているかどうかを判断する。路肩寄りの車線ｋ１を走行している場合はステップＳ３−２に、走行していない場合はステップＳ３−３に進む。
ステップＳ３−２ 走行車線側の陸標Ｃの優先度を高くし、リターンする。
ステップＳ３−３ 反対車線側の陸標Ｇの優先度を高くし、リターンする。
【００５９】
次に、図５のフローチャートについて説明する。
ステップＳ４−１ 優先度を読み込む。
ステップＳ４−２ 案内出力処理を行い、リターンする。
【００６０】
ところで、本実施の形態においては、図７に示されるように、車両ｗ１が車線ｋ２を走行している場合、陸標Ｇの優先度を高くするようになっているが、道路ｒ１に渋滞が発生している場合において、例えば、車両ｗ１の車高が低く、しかも、前方の右側の車線ｋ３をトラック等の車高の高い他の車両が走行していると、陸標Ｇが長い時間にわたって他の車両にかくれてしまう。したがって、車両ｗ１が交差点案内地点に到達しても、交差点の案内が行われない。
【００６１】
そこで、道路ｒ１に渋滞が発生している場合に、他の陸標で交差点の案内を行うことができるようにした本発明の第２の実施の形態について説明する。
【００６２】
図９は本発明の第２の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【００６３】
この場合、前記優先度設定情報取得処理手段は、優先度設定情報取得処理を行い、優先度設定情報としての車両ｗ１（図８）の走行状況、本実施の形態においては、車両ｗ１が走行している道路ｒ１の現況の交通情報を読み込むことによって取得する。
【００６４】
そして、第１の実施の形態と同様に、優先度設定処理手段は、車両ｗ１が路肩寄りの車線ｋ１を走行しているかどうかを判断し、路肩寄りの車線ｋ１を走行している場合、走行車線側の陸標Ｃの優先度を高くし、センタラインｈ１側の車線ｋ２、ｋ３を走行している場合、反対車線側の陸標Ｇの優先度を高くする。
【００６５】
続いて、優先度設定処理手段は、前記現況の交通情報に基づいて、道路ｒ１に渋滞が発生しているかどうかを判断する。そして、道路ｒ１に渋滞が発生している場合、優先度設定処理手段の優先度変更処理手段は、優先度変更処理を行い、前記周辺監視装置５０（図１）によって監視された周辺の車両の寸法、周辺の車両の位置等に基づいて、優先度を変更する。
【００６６】
例えば、前の車両の寸法が大きい場合において、路肩寄りの車線ｋ１を走行しているときに、陸標Ｇの優先度を高くし、センタラインｈ１側の車線ｋ２、ｋ３を走行しているときに、陸標Ｃの優先度を高くする。なお、変更する対象となる陸標を表す看板等が高い位置に取り付けられている場合には、優先度を変更する必要はない。この場合、看板等が高い位置に取り付けられているかどうかは、各陸標ごとにデータを付加することによって判断したり、周辺監視装置５０によって監視したりすることができる。
【００６７】
このように、現況の交通情報に基づいて道路ｒ１に渋滞が発生しているかどうかを判断し、渋滞が発生している場合に、優先度が変更されるので、探索経路を認識しやすくすることができる。したがって、交差点の案内を適正に行うことができる。
【００６８】
次に、図９のフローチャートについて説明する。
ステップＳ３−１１ 路肩寄りの車線ｋ１を走行しているかどうかを判断する。路肩寄りの車線ｋ１を走行している場合はステップＳ３−１２に、走行していない場合ステップＳ３−１３に進む。
ステップＳ３−１２ 走行車線側の陸標Ｃの優先度を高くする。
ステップＳ３−１３ 反対車線側の陸標Ｇの優先度を高くする。
ステップＳ３−１４ 渋滞が発生しているかどうかを判断する。渋滞が発生している場合はステップＳ３−１５に進み、発生していない場合はリターンする。
ステップＳ３−１５ 優先度変更処理を行い、リターンする。
【００６９】
ところで、運転者があらかじめ固有の優先度設定情報として各種の情報を設定し、該情報に従って優先度を設定することができる。
【００７０】
次に、運転者が固有の優先度設定情報として所定の地域を地域情報として設定したときの優先度設定処理手段の動作について説明する。
【００７１】
図１０は本発明の第３の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【００７２】
この場合、運転者は車両を購入したとき、車載装置としてのナビゲーション装置１４（図１）を取り付けたとき等に、運転者にとって土地勘の優れている地域を表す地域情報を設定し、情報記録部としてのデータ記録部１６に記録し、登録する。
【００７３】
したがって、前記優先度設定情報取得処理手段は、データ記録部１６を参照して地域情報を読み込むことによって取得し、前記優先度設定処理手段は、前記地域情報の地域内に多く存在する施設等の陸標の優先度を高くし、地域情報の地域外に多く存在する施設等の陸標の優先度を低くする。
【００７４】
例えば、所定の都道府県に在住する運転者は、在住する都道府県において、土地勘に優れていて、前記都道府県を本拠地とする施設等の陸標についての認識度が高い。したがって、他の都道府県において車両を走行させる場合に、前記施設の数がわずかであっても、前記陸標について容易に認識することができる。そこで、在住する都道府県を本拠地とする施設等の陸標の優先度を高くし、他の都道府県を本拠地とする施設等の陸標の優先度を低くする。
【００７５】
このように、認識度が高い陸標の優先度が高く、認識度が低い陸標の優先度が低くされるので、探索経路を認識しやすくすることができる。したがって、交差点の案内を適正に行うことができる。
【００７６】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップＳ３−２１ 地域情報が設定されているかどうかを判断する。地域情報が設定されている場合はステップＳ３−２２に進み、設定されていない場合はリターンする。
ステップＳ３−２２ 地域情報に基づいて優先度を設定し、リターンする。
【００７７】
次に、運転者が固有の優先度設定情報として所定の色を色情報として設定したときの優先度設定処理手段の動作について説明する。
【００７８】
図１１は本発明の第４の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【００７９】
この場合、運転者は車両を購入したとき、車載装置としてのナビゲーション装置１４（図１）を取り付けたとき等に、運転者にとって印象の強い色を表す色情報を設定し、情報記録部としてのデータ記録部１６に記録し、登録する。
【００８０】
したがって、前記優先度設定情報取得処理手段は、データ記録部１６を参照して色情報を読み込むことによって取得し、前記優先度設定処理手段は、色情報と一致するか、又はほぼ一致する色の陸標の優先度を高くし、色情報と異なる色の陸標の優先度を低くする。
【００８１】
このように、認識度が高い色の陸標の優先度が高く、認識度が低い色の陸標の優先度が低くされるので、探索経路を認識しやすくすることができる。したがって、交差点の案内を適正に行うことができる。
【００８２】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップＳ３−３１ 色情報が設定されているかどうかを判断する。色情報が設定されている場合はステップＳ３−３２に進み、設定されていない場合はリターンする。
ステップＳ３−３２ 色情報に基づいて優先度を設定し、リターンする。
【００８３】
前記第３、第４の実施の形態においては、運転者が、固有の優先度設定情報として所定の地域、所定の色等を設定することができるようになっているが、固有の優先度設定情報として、運転者にとって得意なジャンルの施設、例えば、駅をジャンル情報として設定することができる。その場合、前記優先度設定処理手段は、データ記録部１６を参照し、設定されたジャンル情報を読み込み、ジャンル情報と一致する施設の陸標の優先度を高くし、ジャンル情報と異なる施設の陸標の優先度を低くする。
【００８４】
次に、時間帯に応じて優先度を変更するようにした本発明の第５の実施の形態について説明する。
【００８５】
図１２は本発明の第５の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【００８６】
この場合、第１の実施の形態と同様に、優先度設定情報取得処理手段は、優先度設定情報取得処理を行い、第１の優先度設定情報としての車両ｗ１（図８）の走行状況、本実施の形態においては、車両ｗ１が走行している車線を読み込むことによって取得する。そして、優先度設定処理手段は、例えば、車両ｗ１が路肩寄りの車線ｋ１を走行しているかどうかを判断し、路肩寄りの車線ｋ１を走行している場合、走行車線側の陸標Ｃの優先度を高くし、センタラインｈ１側の車線ｋ２、ｋ３を走行している場合、反対車線側の陸標Ｇの優先度を高くする。
【００８７】
ところで、陸標の施設が店舗等である場合、営業時間外は看板の照明が消灯されることが多く、その場合、通常は、認識しやすい陸標であっても、夜間の特定の時間帯において照明が消灯された後の看板は陸標として認識するのが困難になってしまう。
【００８８】
そこで、本実施の形態においては、設定された陸標の優先度を時間帯に応じて変更するようにしている。
【００８９】
そのために、優先度設定情報取得処理手段は、現在地検出部としてのＧＰＳセンサ１５（図１）から第２の優先度設定情報としての時刻を読み込むことによって取得する。そして、前記優先度設定処理手段の時間帯判定処理手段は、時間帯判定処理を行い、前記時刻に基づいて時間帯を判定する。続いて、前記優先度設定処理手段の優先度変更処理手段は、優先度変更処理を行い、業種ごとに特定の時間帯の優先度を変更する。前記優先度変更処理手段は、例えば、コンビニエンスストアについては２４時間営業の店舗が多いので、深夜の時間帯の優先度を高くし、飲食店等については、２４時頃までの営業の店舗が多いので、２４時より後の優先度を低くする。
【００９０】
なお、データ記録部１６において高性能のデータベースを利用している場合は、店舗ごとの営業時間をデータベースに記録することができる。その場合、優先度変更処理手段は、前記データベースを参照し、時刻ごとに優先度を変更する。
【００９１】
このように、時間帯に応じて優先度を変更することができるので、照明の点灯、消灯等に関係なく、探索経路を認識しやすくすることができる。したがって、交差点の案内を適正に行うことができる。
【００９２】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップＳ３−４１ 路肩寄りの車線ｋ１を走行しているかどうかを判断する。路肩寄りの車線ｋ１を走行している場合はステップＳ３−４２に、走行していない場合ステップＳ３−４３に進む。
ステップＳ３−４２ 走行車線側の陸標Ｃの優先度を高くする。
ステップＳ３−４３ 反対車線側の陸標Ｇの優先度を高くする。
ステップＳ３−４４ 時間帯判定処理を行う。
ステップＳ３−４５ 優先度変更処理を行い、リターンする。
【００９３】
次に、自車の走行実績を表す走行履歴データに基づいて優先度を設定するようにした本発明の第６の実施の形態について説明する。
【００９４】
図１３は本発明の第６の実施の形態における優先度設定情報作成処理手段の動作を示すフローチャート、図１４は本発明の第６の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図、図１５は本発明の第６の実施の形態における交差点誘導処理のサブルーチンを示す図である。
【００９５】
ところで、過去に通過した地域（以下「通過地域」という。）、過去に目的地として設定された施設（以下「目的地施設」という。）、過去に立ち寄った施設（以下「立寄り施設」という。）は、走行履歴データとして情報記録部としてのデータ記録部１６（図１）に記録される。
【００９６】
そして、走行履歴データに基づいて通過地域の施設、目的地施設及び立寄り施設の各施設について、施設の利用頻度を表す評価指数を算出し、データ記録部１６に優先度設定情報として記録するとともに、前記評価指数に基づいて優先度を変更する。
【００９７】
この場合、前記交差点案内処理手段の優先度設定情報作成処理手段は、データ記録部１６に記録された通過地域を通過したり、目的地施設を目的地として設定したり、立寄り施設に立ち寄ったりするたびに、評価指数をインクリメントする。なお、該評価指数は、通過地域の通過回数、目的地施設の設定回数、立寄り施設の立寄り回数等が多いほど高くなる。
【００９８】
次に、前記優先度設定情報取得処理手段は、前記優先度設定情報取得処理を行い、データ記録部１６を参照して評価指数を読み込むことによって取得する。続いて、前記優先度設定処理手段は、データ記録部１６を参照し、データ記録部１６に記録された優先度を読み出すとともに、前記評価指数を読み込み、評価指数が高い施設ほど陸標の優先度を高く、評価指数が低い施設ほど陸標の優先度を低く設定する。そして、前記優先度設定処理手段は、設定された優先度をデータ記録部１６に記録する。
【００９９】
なお、前記第３の実施の形態においては、運転者は車両を購入したとき、車載装置としてのナビゲーション装置１４を取り付けたとき等に、土地勘の優れている地域を地域情報として設定し、データ記録部１６に記録し、登録するようになっているが、土地勘の優れている地域以外の地域においても、所定の地域を繰り返し通過すると、通過地域内の施設、通過地域内の道路沿いの施設の陸標に精通することが考えられる。そこで、通過地域内の施設の陸標の優先度が高くされる。
【０１００】
また、例えば、運転者が特定のペットショップを目的地として設定することが多い場合、又は特定のペットショップに立ち寄ることが多い場合、運転者は、前記特定のペットショップの陸標を容易に認識することができると予測されるので、前記特定のペットショップの評価指数が高くされ、陸標の優先度が高くされる。
【０１０１】
さらに、例えば、運転者が各所のペットショップを目的地として設定することが多い場合、又は各所のペットショップに立ち寄ることが多い場合、運転者は、ペット好きで動物に関する店舗の陸標を容易に認識することができると予測されるので、ペットショップの評価指数が高くされ、陸標の優先度が高くされる。
【０１０２】
続いて、前記交差点誘導処理手段は、交差点誘導処理を行い、データ記録部１６から優先度を読み込み、前記交差点誘導処理手段の案内出力処理手段は、案内出力処理を行い、第２の出力部としての音声出力部３７に指示し、案内交差点及び優先度の高い陸標について音声による交差点の案内を行う。
【０１０３】
このように、走行履歴データに基づいて、通過地域の通過回数、目的地施設の設定回数、立寄り施設の立寄り回数等が多いほど、陸標の優先度が高くされるので、探索経路を認識しやすくすることができる。したがって、交差点の案内を適正に行うことができる。
【０１０４】
また、各陸標の優先度は、データ記録部１６に記録され、ナビゲーション装置１４をリセットしない限り、走行履歴データが蓄積されるのに伴って更新されるので、陸標の優先度を最適化することができる。なお、前記優先度は自動的に蓄積されるので、運転者の操作性を向上させることができる。
【０１０５】
次に、図１３のフローチャートについて説明する。
ステップＳ１１ 施設が目的地として設定されたかどうかを判断する。施設が目的地として設定された場合はステップＳ１４に、設定されていない場合はステップＳ１２に進む。
ステップＳ１２ 施設に立ち寄ったかどうかを判断する。施設に立ち寄った場合はステップＳ１４に、立ち寄っていない場合はステップＳ１３に進む。
ステップＳ１３ 施設を通過したかどうかを判断する。施設を通過した場合はステップＳ１４に進み、通過していない場合は処理を終了する。
ステップＳ１４ 施設の評価指数をインクリメントし、処理を終了する。
【０１０６】
次に、図１４のフローチャートについて説明する。
ステップＳ３−５１ 優先度を読み出す。
ステップＳ３−５２ 評価指数に基づいて優先度を設定する。
ステップＳ３−５３ 優先度を記録し、リターンする。
【０１０７】
次に、図１５のフローチャートについて説明する。
ステップＳ４−１１ 優先度を読み出す。
ステップＳ４−１２ 案内出力処理を行い、リターンする。
【０１０８】
ところで、案内交差点において、所定の陸標で交差点の案内を行ったときに、運転者が交差点の案内のとおりに車両を走行させなかった場合、交差点の案内で使用された陸標は、誤って認識されたか、認識するのが困難であったかが考えられる。
【０１０９】
そこで、所定の案内交差点における各陸標の位置ごとに、認識のしやすさを表す陸標位置係数を優先度設定情報として作成し、データ記録部１６に記録するとともに、前記陸標位置係数に基づいて優先度を変更するようにした本発明の第７の実施の形態について説明する。
【０１１０】
図１６は本発明の第７の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図、図１７は本発明の第７の実施の形態における交差点誘導処理のサブルーチンを示す図、図１８は本発明の第７の実施の形態における交差点の案内の例を示す図である。
【０１１１】
図１８において、ｃ１は案内交差点、ｒ１、ｒ２は該案内交差点ｃ１で交差する道路、Ｒｔ１は探索経路、Ｒｔ２は実際に車両が走行した経路、すなわち、走行経路、ｗ１は自車である車両である。前記案内交差点ｃ１の先の走行車線側の角（左側の角）に陸標ｍ１で表される第１の施設が、前記案内交差点ｃ１の先の反対車線側の角（右側の角）に陸標ｍ２で表される第２の施設が、前記案内交差点ｃ１の手前の走行車線側の角（左側の角）に陸標ｍ３で表される第３の施設が、前記案内交差点ｃ１の手前の反対車線側の角（右側の角）に陸標ｍ４で表される第４の施設があり、前記優先度設定情報作成処理手段は、優先度設定情報作成処理を行い、各陸標ｍ１〜ｍ４ごとに陸標位置係数を優先度設定情報として作成し、情報記録部としてのデータ記録部１６（図１）に記録する。
【０１１２】
そして、前記優先度設定情報取得処理手段は、優先度設定情報取得処理を行い、データ記録部１６から陸標位置係数を読み出し、前記優先度設定処理手段は陸標位置係数に基づいて優先度を設定する。
【０１１３】
ところで、前記陸標位置係数は、例えば、前記案内交差点ｃ１の場合、各陸標ｍ１〜ｍ４ごとに設定され、所定の陸標で交差点の案内を行ったときに、運転者が正確に探索経路Ｒｔ１に沿って車両ｗ１を走行させたかどうかに基づいて変更され、運転者が正確に探索経路Ｒｔ１に沿って車両ｗ１を走行させた場合、前記交差点の案内に使用された陸標の陸標位置係数を高くし、運転者が正確に探索経路Ｒｔ１に沿って車両ｗ１を走行させることができなかった場合、前記交差点の案内に使用された陸標の陸標位置係数を低くする。
【０１１４】
そのために、前記交差点誘導処理手段は、交差点誘導処理を行い、前記データ記録部１６から案内交差点ｃ１の各陸標ｍ１〜ｍ４の陸標位置係数を読み出す。続いて、前記交差点誘導処理手段の案内出力処理手段は、案内出力処理を行い、優先度が最も高い陸標で交差点の案内を行い、車両ｗ１が案内交差点ｃ１を通過すると、前記交差点誘導処理手段のルート外れ判定処理手段は、ルート外れ判定処理を行い、運転者が正確に探索経路Ｒｔ１に沿って車両ｗ１を走行させたかどうかをルート外れが発生しなかったかどうかによって判断する。
【０１１５】
そして、前記交差点誘導処理手段の陸標位置判定処理手段は、交差点の案内を行う際に使用された陸標がどれであるかを判断し、前記交差点誘導処理手段の陸標位置係数変更処理手段は、陸標位置係数変更処理を行い、運転者が正確に探索経路Ｒｔ１に沿って車両ｗ１を走行させた場合に、使用された陸標について、陸標位置係数を変更して高くし、図１８に示されるように、運転者が正確に探索経路Ｒｔ１に沿って車両ｗ１を走行させることができず、走行経路Ｒｔ２を走行してしまった場合に、使用された陸標について、陸標位置係数を変更して低くする。例えば、陸標ｍ４が使用された場合、陸標ｍ４の陸標位置係数が小さくされ、その結果、陸標ｍ４の優先度が低くされる。
【０１１６】
なお、所定の陸標の陸標位置係数が変更されたときに、他の陸表の陸標位置係数も変更することができる。例えば、陸標ｍ４が使用された場合、陸標ｍ４の陸標位置係数が小さくされるが、陸標ｍ２の陸標位置係数をわずかに小さくし、陸標ｍ３の陸標位置係数を大きくし、陸標ｍ１の陸標位置係数をわずかに大きくすることができる。
【０１１７】
続いて、前記交差点誘導処理手段の陸標位置係数記録処理手段は、陸標位置係数記録処理を行い、陸標位置係数を記録する。
【０１１８】
このように、本実施の形態においては、案内交差点ｃ１の各陸標ごとに、認識のしやすさを表す陸標位置係数が作成され、該陸標位置係数に基づいて優先度が設定されるので、案内交差点ｃ１において運転者が陸標を認識しやすい位置、及び運転者が陸標を認識するのが困難な位置を学習することができる。したがって、探索経路Ｒｔ１を認識しやすくすることができるので、交差点の案内を適正に行うことができる。
【０１１９】
次に、図１６のフローチャートについて説明する。
ステップＳ３−６１ 陸標位置係数に基づいて優先度を設定し、リターンする。
【０１２０】
次に、図１７のフローチャートについて説明する。
ステップＳ４−２１ 陸標位置係数を読み出す。
ステップＳ４−２２ 案内出力処理を行う。
ステップＳ４−２３ 案内交差点ｃ１を通過するのを待機する。
ステップＳ４−２４ ルート外れ判定処理を行う。
ステップＳ４−２５ 陸標位置判定処理を行う。
ステップＳ４−２６ 陸標位置係数変更処理を行う。
ステップＳ４−２７ 陸標位置係数記録処理を行い、リターンする。
【０１２１】
次に、所定の案内交差点における各陸標ごとに、優先度をデータ記録部１６に記録するとともに、運転者が交差点の案内のとおりに車両ｗ１を走行させたかどうかに基づいて、優先度を変更するようにした本発明の第８の実施の形態について説明する。
【０１２２】
図１９は本発明の第８の実施の形態における交差点案内処理手段の動作を示すメインフローチャート、図２０は本発明の第８の実施の形態における交差点誘導処理のサブルーチンを示す図、図２１は本発明の第８の実施の形態における優先度設定情報取得処理のサブルーチンを示す図、図２２は本発明の第８の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図、図２３は本発明の第８の実施の形態における交差点の案内の例を示す図である。
【０１２３】
図２３において、ｃ１は案内交差点、ｒ１、ｒ２は該案内交差点ｃ１で交差する道路、Ｒｔ１は探索経路、Ｒｔ２は走行経路、ｈ１は前記道路ｒ１のセンタライン、ｗ１は自車である車両である。前記案内交差点ｃ１の先の走行車線側の角（左側の角）に、陸標Ｃで表されるＣコンビニエンスストアがあり、前記案内交差点ｃ１の先の反対車線側の角（右側の角）に、陸標Ｇで表されるＧガソリンスタンドがある。この場合、前記案内交差点ｃ１に存在する各陸標Ｃ、Ｇごとに優先度が設定され、情報記録部としてのデータ記録部１６（図１）に記録される。
【０１２４】
そして、車両ｗ１が案内交差点ｃ１に接近すると、交差点案内処理手段の交差点誘導処理手段は、交差点誘導処理を行い、前記データ記録部１６から案内交差点ｃ１における陸標Ｃ、Ｇの優先度を読み出し、前記交差点誘導処理手段の案内出力処理手段は、案内出力処理を行い、優先度が最も高い陸標で交差点の案内を行う。
【０１２５】
続いて、交差点案内処理手段の優先度設定情報取得処理手段は、優先度設定情報取得処理を行い、車両ｗ１が案内交差点ｃ１を通過するのを待機し、前記優先度設定情報取得処理手段のルート外れ判定処理手段は、ルート外れ判定処理を行い、運転者が正確に探索経路Ｒｔ１に沿って車両ｗ１を走行させたかどうかをルート外れが発生しなかったかどうかによって判断する。続いて、ルート外れが発生すると、優先度設定情報取得処理手段は、ルート外れの発生を優先度設定情報として取得し、ルート外れが発生したことを表すフラグをオンにする。
【０１２６】
次に、交差点案内処理手段の優先度設定処理手段は、優先度設定処理を行い、データ記録部１６から案内交差点ｃ１における陸標Ｃ、Ｇの優先度を読み出し、フラグがオンであるかどうかを判断する。そして、フラグがオンである場合、優先度設定処理手段は、交差点の案内で使用された陸標の優先度を低くする。
【０１２７】
すなわち、図２３に示されるように、運転者が正確に探索経路Ｒｔ１に沿って車両ｗ１を走行させることができず、走行経路Ｒｔ２に沿って車両ｗ１を走行させてしまった場合に、使用された陸標について、陸標位置係数を変更して低くする。例えば、陸標Ｃが使用された場合、陸標Ｃの優先度が低くされる。
【０１２８】
このようにして、各陸標Ｃ、Ｇの優先度が設定されると、続いて、前記優先度設定処理手段は、各陸標Ｃ、Ｇの優先度をデータ記録部１６に記録する。
【０１２９】
なお、所定の陸標の優先度が変更されたときに、他の陸標の優先度も変更することができる。例えば、陸標Ｃの優先度が低くされたときに、陸標Ｇの優先度を高くすることができる。
【０１３０】
このように、本実施の形態においては、案内交差点ｃ１の各陸標ごとに優先度が設定されるので、案内交差点ｃ１において運転者が認識しやすい陸標、及び運転者が認識するのが困難な陸標を学習することができる。したがって、探索経路Ｒｔ１を認識しやすくすることができるので、交差点の案内を適正に行うことができる。
【０１３１】
次に、図１９のフローチャートについて説明する。
ステップＳ２１ 案内交差点ｃ１に接近するのを待機する。
ステップＳ２２ 交差点誘導処理を行う。
ステップＳ２３ 優先度設定情報取得処理を行う。
ステップＳ２４ 優先度設定処理を行い、処理を終了する。
【０１３２】
次に、図２０のフローチャートについて説明する。
ステップＳ２２−１ 優先度を読み出す。
ステップＳ２２−２ 案内出力処理を行い、リターンする。
【０１３３】
次に、図２１のフローチャートについて説明する。
ステップＳ２３−１ 案内交差点ｃ１を通過するのを待機する。
ステップＳ２３−２ ルート外れが発生したかどうかを判断する。ルート外れが発生した場合はステップＳ２３−３に進み、発生していない場合はリターンする。
ステップＳ２３−３ フラグをオンにし、リターンする。
【０１３４】
次に、図２２のフローチャートについて説明する。
ステップＳ２４−１ 優先度を読み出す。
ステップＳ２４−２ フラグがオンであるかどうかを判断する。フラグがオンである場合はステップＳ２４−３に、オンでない場合はステップＳ２４−４に進む。
ステップＳ２４−３ 交差点の案内時の陸標の優先度を低くする。
ステップＳ２４−４ 優先度を記録し、リターンする。
【０１３５】
ところで、所定の案内交差点に複数の陸標が存在していて、各陸標のうちの優先度が最も高い陸標が存在する場合には、該優先度が最も高い陸標で交差点の案内が行われることになるが、優先度が最も高い陸標が存在しない場合でも、探索経路を容易に認識することができるようにした第９の実施の形態について説明する。
【０１３６】
図２４は本発明の第９の実施の形態における案内出力処理のサブルーチンを示す図である。
【０１３７】
この場合、交差点誘導処理手段の案内出力処理手段は、案内出力処理を行い、優先度が最も高い陸標があるかどうかを判断し、優先度が最も高い陸標が存在する場合、該優先度が最も高い陸標で交差点の案内を行う。また、優先度が最も高い陸標が存在しない場合、案内出力処理手段は、他の陸標が存在するかどうかを判断し、他の陸標が存在する場合、該他の陸標のうちの所定の陸標の優先度を、例えば、第１の実施の形態のような方法で設定して、優先度が次に高い陸標を決定し、該陸標の識別情報としての、かつ、付加情報として陸標の主要な色を表す色情報を取得する。
【０１３８】
続いて、案内出力処理手段は、第２の出力部としての音声出力部３７（図１）に指示し、優先度が次に高い陸標について、陸標の名称及び色情報で音声による交差点の案内を行う。例えば、優先度が次に高い陸標が所定のコンビニエンスストアの陸標であり、看板が黄色である場合、「まもなく左方向です。黄色い看板のＣコンビニエンスストアが目印です。」のような交差点の案内が行われる。
【０１３９】
また、他に陸標が存在しない場合、案内出力処理手段は陸標での交差点の案内を行わない。
【０１４０】
本実施の形態においては、陸標の付加情報として色情報が使用されるようになっているが、色情報のほかに、形状を表す形状情報、文字を表す文字情報等を使用することができる。
【０１４１】
このように、優先度が最も高い陸標が存在しない場合でも、陸標の特徴で交差点の案内が行われるので、探索経路を認識しやすくすることができる。したがって、交差点の案内を適正に行うことができる。
【０１４２】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップＳ４−２−１ 優先度が最も高い陸標が存在するかどうかを判断する。優先度が最も高い陸標が存在する場合はステップＳ４−２−２に、存在しない場合はステップＳ４−２−３に進む。
ステップＳ４−２−２ 優先度が最も高い陸標で交差点の案内を行い、リターンする。
ステップＳ４−２−３ 他の陸標が存在するかどうかを判断する。他の陸標が存在する場合はステップＳ４−２−４に、存在しない場合はステップＳ４−２−６に進む。
ステップＳ４−２−４ 陸標の色情報を取得する。
ステップＳ４−２−５ 陸標の名称及び色情報で交差点の案内を行い、リターンする。
ステップＳ４−２−６ 陸標で交差点の案内を行わず、リターンする。
【０１４３】
次に、本発明の第１０の実施の形態について説明する。
【０１４４】
図２５は本発明の第１０の実施の形態における案内出力処理のサブルーチンを示す図である。
【０１４５】
この場合、交差点誘導処理手段の案内出力処理手段は、案内出力処理を行い、優先度が最も高い陸標が存在するかどうかを判断し、優先度が最も高い陸標が存在する場合、該優先度が最も高い陸標で交差点の案内を行う。また、優先度が最も高い陸標が存在しない場合、案内出力処理手段は、他の陸標が存在するかどうかを判断し、他の陸標が存在する場合、該他の陸標のうちの所定の陸標の優先度を、例えば、第１の実施の形態のような方法で設定して、優先度が次に高い陸標を決定し、案内交差点における識別情報としての、かつ、付加情報としての、陸標の位置を表す位置情報を取得する。
【０１４６】
続いて、案内出力処理手段は、第２の出力部としての音声出力部３７（図１）に指示し、優先度が次に高い陸標について、陸標の名称及び位置情報で音声による交差点の案内を行う。例えば、優先度が次に高い陸標が所定のコンビニエンスストアの陸標であり、該所定のコンビニエンスストアの陸標が案内交差点の先の左側の角に存在している場合、「まもなく左方向です。左前方のＣコンビニエンスストアが目印です。」のような交差点の案内が行われる。
【０１４７】
また、他の陸標が存在しない場合、案内出力処理手段は陸標での交差点の案内を行わない。
【０１４８】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップＳ４−２−１１ 優先度が最も高い陸標が存在するかどうかを判断する。優先度が最も高い陸標が存在する場合はステップＳ４−２−１２に、存在しない場合はステップＳ４−２−１３に進む。
ステップＳ４−２−１２ 優先度が最も高い陸標で交差点の案内を行い、リターンする。
ステップＳ４−２−１３ 他の陸標が存在するかどうかを判断する。他の陸標が存在する場合はステップＳ４−２−１４に、存在しない場合はステップＳ４−２−１６に進む。
ステップＳ４−２−１４ 陸標の位置情報を取得する。
ステップＳ４−２−１５ 陸標の名称及び位置情報で交差点の案内を行い、リターンする。
ステップＳ４−２−１６ 陸標で交差点の案内を行わず、リターンする。
【０１４９】
次に、本発明の第１１の実施の形態について説明する。
【０１５０】
図２６は本発明の第１１の実施の形態における案内出力処理のサブルーチンを示す図である。
【０１５１】
この場合、運転者は車両を購入したとき、車載装置としてのナビゲーション装置１４（図１）を取り付けたとき等に、識別情報としての、かつ、付加情報としての印象の強い色を表す色情報を設定し、情報記録部としてのデータ記録部１６に記録し、登録する。
【０１５２】
そして、交差点誘導処理手段の案内出力処理手段は、案内出力処理を行い、優先度が最も高い陸標が存在するかどうかを判断し、優先度が最も高い陸標が存在する場合、該優先度が最も高い陸標で交差点の案内を行う。また、優先度が最も高い陸標が存在しない場合、案内出力処理手段は、他の陸標が存在するかどうかを判断し、他の陸標が存在する場合、案内交差点においてあらかじめ設定された色情報の陸標が存在するかどうかを判断し、設定された色情報の陸標が存在する場合、第２の出力部としての音声出力部３７に指示し、陸標の名称及び色情報で音声による交差点の案内を行う。
【０１５３】
このように、優先度が最も高い陸標が存在しない場合でも、案内交差点における陸標の色情報で交差点の案内が行われるので、探索経路を認識しやすくすることができる。したがって、交差点の案内を適正に行うことができる。
【０１５４】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップＳ４−２−２１ 優先度が最も高い陸標が存在するかどうかを判断する。優先度が最も高い陸標が存在する場合はステップＳ４−２−２２に、存在しない場合はステップＳ４−２−２３に進む。
ステップＳ４−２−２２ 優先度が最も高い陸標で交差点の案内を行い、リターンする。
ステップＳ４−２−２３ 他の陸標が存在するかどうかを判断する。他の陸標が存在する場合はステップＳ４−２−２４に、存在しない場合はリターンする。
ステップＳ４−２−２４ 設定された色情報の陸標が存在するかどうかを判断する。設定された色情報の陸標が存在する場合はステップＳ４−２−２５に、存在しない場合はリターンする。
ステップＳ４−２−２５ 陸標の名称及び色情報で交差点の案内を行い、リターンする。
【０１５５】
本実施の形態においては、あらかじめ色情報を設定し、設定された色情報の陸標が存在するかどうかを判断し、設定された色情報の陸標が存在する場合に、該色情報の陸標について交差点の案内を行うようになっているが、あらかじめ付加情報として、特定の施設のジャンル、店舗名等を設定し、設定されたジャンル、店舗名等の陸標が存在するかどうかを判断し、設定されたジャンル、店舗名等の陸標が存在する場合に、該ジャンル、店舗名等の陸標について交差点の案内を行うこともできる。
【０１５６】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【０１５７】
１４ ナビゲーション装置
３１ ＣＰＵ
５１ 情報センタ
６３ ネットワーク
ｃ１ 案内交差点
【技術分野】
【０００１】
本発明は、経路案内システム及び経路案内方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、ナビゲーション装置においては、例えば、ＧＰＳ（グローバルポジショニングシステム）によって車両の現在の位置、すなわち、現在地が検出されるとともに、ジャイロセンサによって検出された車両の旋回角に基づいて、車両の方位、すなわち、自車方位が検出され、データ記録部から地図データが読み出され、表示部に地図画面が形成され、該地図画面に、現在地を表す自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位が表示されるようになっている。したがって、操作者である運転者は、前記地図画面に表示された自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【０００３】
また、運転者が目的地を入力し、探索条件を設定すると、該探索条件に基づいて、経路探索処理が行われ、前記地図データに従って現在地で表される出発地から目的地までの経路が探索される。そして、探索された経路、すなわち、探索経路は前記地図画面に自車位置と共に表示され、経路案内が行われる。したがって、運転者は表示された探索経路に沿って車両を走行させることができる。
【０００４】
ところで、探索経路上で右左折する必要がある交差点、すなわち、案内交差点が存在する場合、車両が案内交差点より所定の距離だけ手前の経路を案内する地点、すなわち、経路案内地点に到達すると、地図画面の所定の領域に交差点拡大図が形成され、該交差点拡大図による経路案内が行われる。そして、前記交差点拡大図に、案内交差点の周辺の地図、探索経路、案内交差点において目印になる施設等の陸標が表示されるとともに、交差点の案内が行われる（例えば、特許文献１参照。）。
【０００５】
図２は従来のナビゲーション装置における交差点の案内の例を示す図である。
【０００６】
図において、ｃ１は案内交差点、ｒ１、ｒ２は該案内交差点ｃ１で交差する道路、Ｒｔ１は探索経路、ｈは道路ｒ１のセンタライン、ｋ１〜ｋ３は走行車線側の車線、ｋ４〜ｋ６は反対車線側の車線、ｗ１は自車である車両である。前記案内交差点ｃ１の先の走行車線側の角（左側の角）に、例えば、陸標Ｃで表される所定のＣコンビニエンスストアがあり、前記案内交差点ｃ１の先の反対車線側の角（右側の角）に、例えば、陸標Ｇで表される所定のＧガソリンスタンドがある。
【０００７】
そして、ＣコンビニエンスストアよりＧガソリンスタンドが著名な場合、車両ｗ１が経路案内地点に到達すると、図示されない音声出力部は、案内交差点ｃ１について、例えば、「まもなく左方向です。Ｇガソリンスタンドが目印です。」のように音声による交差点の案内を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
【特許文献１】特開平９−２８７９６１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置においては、前記案内交差点ｃ１には、先の走行車線側の角にＣコンビニエンスストアがあり、特に、車線ｋ１を走行している場合には、車両ｗ１に近いＣコンビニエンスストアについて音声による交差点の案内が行われる方が、探索経路Ｒｔ１を認識しやすい。この場合、交差点の案内を適正に行うことが困難になってしまう。
【００１０】
本発明は、前記従来のナビゲーション装置の問題点を解決して、交差点の案内を適正に行うことができる経路案内システム及び経路案内方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
そのために、本発明の経路案内システムにおいては、案内交差点における所定の陸標を伴う交差点の案内を行う案内処理手段と、運転者が前記案内処理手段による案内のとおりに車両を走行させたかどうかを判断する走行判断処理手段と、該走行判断処理手段による判断結果に基づいて、前記案内交差点における所定の陸標の優先度を設定する優先度設定処理手段とを有する。
【発明の効果】
【００１２】
本発明によれば、運転者が案内処理手段による案内のとおりに車両を走行させたかどうかが判断され、運転者が案内処理手段による案内のとおりに車両を走行させたかどうかの判断結果に基づいて、前記案内交差点における所定の陸標の優先度が設定されるので、探索経路を容易に認識することができるようになり、交差点の案内を適正に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明の第１の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示す図である。
【図２】従来のナビゲーション装置における交差点の案内の例を示す図である。
【図３】本発明の第１の実施の形態における交差点案内処理手段の動作を示すメインフローチャートである。
【図４】本発明の第１の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図５】本発明の第１の実施の形態における交差点誘導処理のサブルーチンを示す図である。
【図６】本発明の第１の実施の形態における交差点の案内の例を示す第１の図である。
【図７】本発明の第１の実施の形態における交差点の案内の例を示す第２の図である。
【図８】本発明の第１の実施の形態における交差点の案内の例を示す第３の図である。
【図９】本発明の第２の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図１０】本発明の第３の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図１１】本発明の第４の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図１２】本発明の第５の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図１３】本発明の第６の実施の形態における優先度設定情報作成処理手段の動作を示すフローチャートである。
【図１４】本発明の第６の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図１５】本発明の第６の実施の形態における交差点誘導処理のサブルーチンを示す図である。
【図１６】本発明の第７の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図１７】本発明の第７の実施の形態における交差点誘導処理のサブルーチンを示す図である。
【図１８】本発明の第７の実施の形態における交差点の案内の例を示す図である。
【図１９】本発明の第８の実施の形態における交差点案内処理手段の動作を示すメインフローチャートである。
【図２０】本発明の第８の実施の形態における交差点誘導処理のサブルーチンを示す図である。
【図２１】本発明の第８の実施の形態における優先度設定情報取得処理のサブルーチンを示す図である。
【図２２】本発明の第８の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図２３】本発明の第８の実施の形態における交差点の案内の例を示す図である。
【図２４】本発明の第９の実施の形態における案内出力処理のサブルーチンを示す図である。
【図２５】本発明の第１０の実施の形態における案内出力処理のサブルーチンを示す図である。
【図２６】本発明の第１１の実施の形態における案内出力処理のサブルーチンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【００１５】
図１は本発明の第１の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示す図である。
【００１６】
図において、１４は情報端末、例えば、車両に搭載された車載装置としてのナビゲーション装置、６３はネットワーク、５１は情報提供者としての情報センタであり、前記ナビゲーション装置１４、ネットワーク６３、情報センタ５１等によってナビゲーションシステムが構成される。
【００１７】
前記ナビゲーション装置１４は、現在地を検出する現在地検出部としてのＧＰＳセンサ１５、地図データのほかに各種の情報が記録された情報記録部としてのデータ記録部１６、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部１７、自車方位を検出する方位検出部としての方位センサ１８、操作者である運転者が操作することによって所定の入力を行うための第１の入力部としての操作部３４、図示されない画面に表示された画像によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第１の出力部としての表示部３５、音声によって所定の入力を行うための第２の入力部としての音声入力部３６、音声によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第２の出力部としての音声出力部３７、及び通信端末として機能する送受信部としての通信部３８を備え、前記ナビゲーション処理部１７に、ＧＰＳセンサ１５、データ記録部１６、方位センサ１８、操作部３４、表示部３５、音声入力部３６、音声出力部３７及び通信部３８が接続される。
【００１８】
また、前記ナビゲーション処理部１７には、車両の前方を監視する前方監視装置４８、道路の車線を区分する表示線を認識する表示線認識装置４９、車両の周辺を監視する周辺監視装置５０等が接続される。
【００１９】
さらに、前記ナビゲーション処理部１７には、車両情報検出部としてのセンサ部４０が接続され、該センサ部４０は、車両を側方に移動させるための運転者によるウインカレバーの操作を検出する車両側方移動操作検出部としてのウインカセンサ４１、運転者によるアクセルペダルの操作を検出するエンジン負荷検出部としてのアクセルセンサ４２、運転者によるブレーキペダルの操作を検出する制動検出部としてのブレーキセンサ４３、車速を検出する車速検出部としての車速センサ４４、運転者による加速要求を表すスロットル開度を検出するスロットル開度検出部としてのスロットル開度センサ４５、運転者による操舵部材としてのステアリングの操作を検出する操舵検出部としてのステアリングセンサ４６、及び運転者がシフトレバー等の変速操作部を操作することによって選択されたレンジを検出する変速操作検出部としてのシフトポジションセンサ４７を備える。また、該シフトポジションセンサ４７は、ニュートラルレンジ（Ｎ）、前進レンジ（Ｄ）、ローレンジ（Ｌ）、後進レンジ（Ｒ）及びパーキングレンジ（Ｐ）が選択されたことを検出する。なお、前記ウインカセンサ４１、アクセルセンサ４２、ブレーキセンサ４３、ステアリングセンサ４６、シフトポジションセンサ４７等によって運転者による車両の操作情報を検出する運転者操作情報検出部が構成される。
【００２０】
前記ＧＰＳセンサ１５は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することによって地球上における現在地を検出し、併せて時刻を検出する。本実施の形態においては、現在地検出部としてＧＰＳセンサ１５が使用されるようになっているが、該ＧＰＳセンサ１５に代えて図示されない距離センサ、ステアリングセンサ、高度計等を単独で、又は組み合わせて使用することもできる。また、前記方位センサ１８としてジャイロセンサ、地磁気センサ等を使用することができる。
【００２１】
前記データ記録部１６は、地図データファイルから成る地図データベースを備え、該地図データベースに地図データが記録される。該地図データには、交差点に関する交差点データ、ノードに関するノードデータ、道路リンクに関する道路データ、探索用に加工された探索データ、施設に関する施設データ等が含まれる。また、前記データ記録部１６には、所定の情報を音声出力部３７によって出力するためのデータも記録される。
【００２２】
さらに、前記データ記録部１６には、統計データファイルから成る統計データベース、走行履歴データファイルから成る走行履歴データベース等が形成され、前記統計データファイルに統計データが、前記走行履歴データファイルに走行履歴データが、いずれも実績データとして記録される。
【００２３】
前記統計データは、過去に提供された交通情報の実績、すなわち、履歴を表す履歴情報であり、情報提供者としてのＶＩＣＳ（登録商標：Ｖｅｈｉｃｌｅ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ ａｎｄ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ Ｓｙｓｔｅｍ）センタ等の図示されない道路交通情報センタ等によって過去に提供された交通情報、及び国土交通省によって提供された道路交通センサスによる交通量を表すデータ（以下「道路交通センサス情報」という。）、国土交通省によって提供された道路時刻表情報、及び情報センタ５１が複数の車両（自車又は他車）から収集した走行履歴データであるプローブデータを単独で、又は組み合わせて使用し、必要に応じて、加工し、統計処理を施すことによって作成される。なお、前記統計データにおいて、前記履歴情報に、渋滞状況を予測する渋滞予測情報等を加えることもできる。その場合、前記統計データを作成するに当たり、履歴情報に、日時、曜日、天候、各種イベント、季節、施設の情報（デパート、スーパーマーケット等の大型の施設の有無）等の詳細な条件が加えられる。
【００２４】
前記統計データのデータ項目には、過去に車両が走行した経路、すなわち、各走行経路を構成する各道路リンクについてのリンク番号データ（ＩＤ）、走行方向を表す方向フラグ、情報の種類を表す情報種別、所定のタイミングごとの渋滞の度合いを表す渋滞度、前記各道路リンクを走行したときの、所定のタイミングごとの所要時間を表すリンク所要時間、該リンク所要時間の各曜日ごとの平均的なデータ（例えば、曜日平均データ）等から成る。
【００２５】
なお、本実施の形態において、渋滞度は、渋滞の度合いを表す渋滞指標として使用され、渋滞、混雑及び非渋滞の別で表される。
【００２６】
また、走行履歴データは、車両の走行の実績、すなわち、走行経路における走行実績を表すデータ（走行データ）に基づいて算出され、蓄積される。そして、前記走行履歴データのデータ項目は、各道路リンクを走行したときの、所定のタイミングごとのリンク所要時間、各道路リンクを走行したときの、所定のタイミングごとの渋滞度等から成る。
【００２７】
なお、前記データ記録部１６は、前記各種のデータを記録するために、ハードディスク、ＣＤ、ＤＶＤ、光ディスク等の図示されないディスクを備えるほかに、各種のデータを読み出したり、書き込んだりするための読出・書込ヘッド等の図示されないヘッドを備える。前記データ記録部１６にメモリカード等を使用することができる。
【００２８】
本実施の形態においては、前記データ記録部１６に、前記地図データベース、統計データベース、走行履歴データベース等が配設されるようになっているが、情報センタ５１において、前記地図データベース、統計データベース、走行履歴データベース等を配設することもできる。
【００２９】
また、前記ナビゲーション処理部１７は、ナビゲーション装置１４の全体の制御を行う制御装置としての、かつ、演算装置としてのＣＰＵ３１、該ＣＰＵ３１が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるＲＡＭ３２、制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、経路案内等を行うための各種のプログラムが記録されたＲＯＭ３３、各種のデータ、プログラム等を記録するために使用される図示されないフラッシュメモリを備える。
【００３０】
本実施の形態においては、前記ＲＯＭ３３に各種のプログラムを記録し、前記データ記録部１６に各種のデータを記録することができるが、プログラム、データ等をディスク等に記録することもできる。この場合、ディスク等から前記プログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリに書き込むことができる。したがって、ディスク等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。また、ナビゲーション装置１４が車両に搭載された図示されない自動変速機の制御を行うための自動変速機制御装置と接続されている場合には、該自動変速機制御装置の制御用のプログラム、データ等も前記ディスク等に記録することができる。さらに、通信部３８を介して前記プログラム、データ等を受信し、ナビゲーション処理部１７のフラッシュメモリに書き込むこともできる。
【００３１】
前記操作部３４は、運転者が操作することによって、走行開始時の現在地を修正したり、出発地及び目的地を入力したり、通過点を入力したり、通信部３８を作動させたりするためのものであり、前記操作部３４として、表示部３５とは独立に配設されたキーボード、マウス等を使用することができる。また、前記操作部３４として、前記表示部３５に形成された画面に画像で表示された各種のキー、スイッチ、ボタン等の画像操作部をタッチ又はクリックすることによって、所定の入力操作を行うことができるようにしたタッチパネルを使用することができる。
【００３２】
前記表示部３５としてはディスプレイを使用することができる。そして、表示部３５に形成された各種の画面に、現在地を表す自車位置、地図、探索経路、該探索経路に沿った案内情報、交通情報等を表示したり、探索経路における次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向を表示したりすることができるだけでなく、前記画像操作部、操作部３４、音声入力部３６等の操作案内、操作メニュー、キーの案内を表示したり、ＦＭ多重放送の番組等を表示したりすることができる。
【００３３】
また、音声入力部３６は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができる。さらに、音声出力部３７は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声出力部３７から、前記探索経路、案内情報、交通情報等が、例えば、音声合成装置によって合成された音声で出力される。
【００３４】
前記通信部３８は、前記道路交通情報センタから送信された現況の交通情報、一般情報等の各種の情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するためのビーコンレシーバ、ＦＭ放送局を介してＦＭ多重放送として受信するためのＦＭ受信機等を備える。なお、前記交通情報には、渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況情報等が含まれ、一般情報には、ニュース、天気予報等が含まれる。なお、前記ビーコンレシーバ及びＦＭ受信機は、ユニット化されてＶＩＣＳレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【００３５】
また、前記交通情報は、情報の種別を表す情報種別、メッシュとしての２次メッシュを特定するための２次メッシュ番号、二つの地点（例えば、交差点）間を連結する道路リンクを特定し、かつ、上り／下りの別を表すリンク番号データ、該リンク番号データに対応させて提供される情報の内容を表すリンク情報を含み、例えば、交通情報が渋滞情報である場合、前記リンク情報は、前記道路リンクの始点から渋滞の先頭までの距離を表す渋滞先頭データ、渋滞度、渋滞区間を前記渋滞の先頭から渋滞の末尾までの距離を表す渋滞長、リンク所要時間等から成る。
【００３６】
そして、通信部３８は、前記情報センタ５１から交通情報、一般情報等の各種の情報を受信することもできる。
【００３７】
そのために、前記情報センタ５１は、サーバ５３、該サーバ５３に接続された通信部５７及び情報記録部としてのデータベース（ＤＢ）５８等を備え、前記サーバ５３は、制御装置としての、かつ、演算装置としてのＣＰＵ５４、ＲＡＭ５５、ＲＯＭ５６等を備える。また、前記データベース５８に、前記データ記録部１６に記録された各種のデータと同様のデータ、例えば、前記地図データ、統計データ、走行履歴データ等を記録する。さらに、情報センタ５１は、複数の車両（自車又は他車）から収集した走行履歴データをリアルタイムに提供することができる。
【００３８】
そして、前記前方監視装置４８は、レーザレーダ、ミリ波レーダ等のレーダ又は超音波センサ等、又はそれらの組合せから成り、自車周辺情報として車間距離、車間時間、先行車に対する接近速度、一時停止箇所（非優先道路から優先道路への進入箇所、踏切、赤信号が点滅する交差点等）に対する接近速度、障害物に対する接近速度等を算出し、先行車、一時停止箇所、障害物等を監視する。また、前記周辺監視装置５０は、自車周辺情報として車両の周辺、例えば、前方、側方又は後方の交差点、路上標識、信号機、建造物等の被撮影物をＣＣＤ、Ｃ−ＭＯＳ等のカメラによって撮影し、撮影された被撮影物の画像の画像データを処理して交差点の状態、周辺の車両の寸法、周辺の車両の位置、周辺の車両数、表示線の位置、停止線位置、路上標識位置、信号機の色等を判断して車両の周辺を監視する。
【００３９】
なお、前記ナビゲーションシステム、ナビゲーション処理部１７、ＣＰＵ３１、５４、サーバ５３等は、各種のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。また、データ記録部１６、ＲＡＭ３２、５５、ＲＯＭ３３、５６、データベース５８、フラッシュメモリ等によって記録媒体が構成される。そして、演算装置として、ＣＰＵ３１、５４に代えてＭＰＵ等を使用することもできる。
【００４０】
次に、前記構成のナビゲーションシステムを経路案内システムとして使用したときの基本動作について説明する。
【００４１】
まず、運転者によって操作部３４が操作され、ナビゲーション装置１４が起動されると、ＣＰＵ３１の図示されないナビ初期化処理手段は、ナビ初期化処理を行い、ＧＰＳセンサ１５によって検出された現在地、方位センサ１８によって検出された自車方位等を読み込むとともに、各種のデータを初期化する。なお、前記ＣＰＵ３１の図示されないマッチング処理手段は、マッチング処理を行い、読み込まれた現在地の軌跡、及び現在地の周辺の道路を構成する各道路リンクの形状、配列等に基づいて、現在地がいずれの道路リンク上に位置するかの判定を行うことによって、現在地を特定する。
【００４２】
続いて、ＣＰＵ３１の図示されない基本情報取得処理手段は、基本情報取得処理を行い、前記地図データを、データ記録部１６から読み出して取得するか、又は通信部３８を介して情報センタ５１等から受信して取得する。なお、地図データを情報センタ５１から取得する場合、前記基本情報取得処理手段は、受信した地図データをフラッシュメモリにダウンロードする。また、地図データを通信部３８を介して取得する際にプログラムを併せて取得することもできる。
【００４３】
そして、前記ＣＰＵ３１の図示されない表示処理手段は、表示処理を行い、前記表示部３５に各種の画面を形成する。例えば、表示処理手段の道路地図表示処理手段は、道路地図表示処理を行い、表示部３５に地図画面を形成し、該地図画面に自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位を表示する。したがって、運転者は、前記自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【００４４】
また、運転者が操作部３４を操作して目的地を入力すると、ＣＰＵ３１の図示されない目的地設定処理手段は、目的地設定処理を行い、目的地を設定する。なお、必要に応じて出発地を入力し、設定することもできる。また、あらかじめ所定の地点を登録しておき、登録された地点を目的地として設定することができる。続いて、運転者が操作部３４を操作して探索条件を入力すると、ＣＰＵ３１の図示されない探索条件設定処理手段は、探索条件設定処理を行い、探索条件を設定する。
【００４５】
このようにして、目的地及び探索条件が設定されると、ＣＰＵ３１の図示されない経路探索処理手段は、経路探索処理を行い、前記現在地、目的地、探索条件等を読み込むとともに、データ記録部１６から探索データ等を読み出し、現在地、目的地及び探索データに基づいて、現在地で表される出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。この場合、各道路リンクごとに付与されたリンクコストの合計が最も小さい経路が探索経路とされる。
【００４６】
続いて、前記ＣＰＵ３１の図示されない案内処理手段は、案内処理を行い、運転者に探索経路の案内、すなわち、経路案内を行う。そのために、前記案内処理手段の経路表示処理手段は、経路表示処理を行い、前記経路データを読み込み、該経路データに従って前記地図画面に探索経路を表示する。この場合、必要に応じて、前記案内処理手段の音声出力処理手段は、音声出力処理を行い、音声出力部３７から探索経路を音声で出力して経路案内を行う。
【００４７】
なお、情報センタ５１において経路探索処理を行うことができる。その場合、ＣＰＵ３１は現在地、目的地、探索条件等を情報センタ５１に送信する。該情報センタ５１は、現在地、目的地、探索条件等を受信すると、ＣＰＵ５４の図示されない経路探索処理手段は、ＣＰＵ３１と同様の経路探索処理を行い、データベース５８から探索データ等を読み出し、現在地、目的地及び探索データに基づいて、出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。続いて、ＣＰＵ５４の図示されない送信処理手段は、送信処理を行い、前記経路データをナビゲーション装置１４に送信する。したがって、ナビゲーション装置１４において、前記基本情報取得処理手段が情報センタ５１からの経路データを受信すると、前記案内処理手段は、前述されたような経路案内を行う。
【００４８】
そして、探索経路上に案内交差点が存在する場合、車両が案内交差点より所定の距離Ｌ１（例えば、Ｘ１〔ｍ〕）だけ手前の経路案内地点に到達すると、前記案内処理手段の交差点拡大図表示処理手段は、交差点拡大図表示処理を行い、地図画面の所定の領域に交差点拡大図を形成し、交差点拡大図による経路案内を行い、前記交差点拡大図に、案内交差点の周辺の地図、探索経路、案内交差点において目印になる施設等の陸標を表示する。また、前記音声出力処理手段は、音声出力部３７に指示し、例えば、「この先Ｘ〔ｍ〕で左方向です。」のような音声による経路案内を行う。
【００４９】
続いて、前記案内処理手段の交差点案内処理手段は、交差点案内処理を行い、交差点の案内を行う。
【００５０】
図３は本発明の第１の実施の形態における交差点案内処理手段の動作を示すメインフローチャート、図４は本発明の第１の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図、図５は本発明の第１の実施の形態における交差点誘導処理のサブルーチンを示す図、図６は本発明の第１の実施の形態における交差点の案内の例を示す第１の図、図７は本発明の第１の実施の形態における交差点の案内の例を示す第２の図、図８は本発明の第１の実施の形態における交差点の案内の例を示す第３の図である。
【００５１】
図６〜８において、ｃ１は案内交差点、ｒ１、ｒ２は該案内交差点ｃ１で交差する道路、Ｒｔ１は探索経路、ｈ１は前記道路ｒ１のセンタライン、ｋ１〜ｋ３は走行車線側の車線、ｋ４〜ｋ６は反対車線側の車線、ｗ１は自車である車両である。前記案内交差点ｃ１の先の走行車線側の角（左側の角）に第１の施設として、例えば、陸標Ｃで表される所定のＣコンビニエンスストアがあり、前記案内交差点ｃ１の先の反対車線側の角（右側の角）に第２の施設として、例えば、陸標Ｇで表される所定のＧガソリンスタンドがある。
【００５２】
まず、前記交差点案内処理手段の交差点判定処理手段は、交差点判定処理を行い、車両ｗ１が更に走行し、案内交差点ｃ１に接近したかどうかを、車両ｗ１が案内交差点ｃ１より所定の距離Ｌ２（Ｌ２＜Ｌ１）（例えば、Ｘ２〔ｍ〕）だけ手前の交差点を案内する地点、すなわち、交差点案内地点に到達したかどうかをによって判断する。そして、車両ｗ１が案内交差点ｃ１に接近すると、前記交差点案内処理手段の優先度設定情報取得処理手段は、優先度設定情報取得処理を行い、案内交差点ｃ１における陸標Ｃ、Ｇについて優先度を設定するための情報を表す優先度設定情報としての車両ｗ１の走行状況、本実施の形態においては、車両ｗ１が走行している車線を読み込むことによって取得する。
【００５３】
続いて、前記交差点案内処理手段の優先度設定処理手段は、優先度設定処理を行い、車両ｗ１が路肩寄りの車線ｋ１を走行しているかどうかを判断する。図６に示されるように、路肩寄りの車線ｋ１を走行している場合、陸標Ｃの優先度を高くし、図７及び８に示されるように、センタラインｈ１側の車線ｋ２、ｋ３を走行している場合、陸標Ｇの優先度を高くする。
【００５４】
なお、本実施の形態において、前記各優先度は数値で表され、あらかじめ各陸標Ｃ、Ｇごとに同じ初期値が設定される。したがって、前記優先度設定処理において、前記初期値は、所定の値を加算したり、乗算したり、所定の関数で変換したりすることによって変更され、設定される。また、本実施の形態においては、各陸標Ｃ、Ｇごとに同じ初期値が設定されるようになっているが、必要に応じて初期値をあらかじめ異ならせて設定することができる。
【００５５】
続いて、前記交差点案内処理手段の交差点誘導処理手段は、交差点誘導処理を行い、案内交差点ｃ１の各陸標Ｃ、Ｇについて前記優先度を読み込み、前記交差点誘導処理手段の案内出力処理手段は、案内出力処理を行い、音声出力部３７（図１）に指示し、案内交差点ｃ１及び優先度の高い陸標について音声による交差点の案内を行う。陸標Ｃの優先度が高い場合、例えば、「まもなく左方向です。Ｃコンビニエンスストアが目印です。」のような、陸標Ｃの名称を伴う交差点の案内が行われ、陸標Ｇの優先度が高い場合、例えば、「まもなく、左方向です。Ｇガソリンスタンドが目印です。」のような陸標Ｇの名称を伴う交差点の案内が行われる。
【００５６】
このように、本実施の形態においては、車両ｗ１がどの車線を走行しているかによって陸標の優先度が設定され、優先度の高い陸標で交差点の案内が行われるので、探索経路を認識しやすくすることができる。したがって、交差点の案内を適正に行うことができる。
【００５７】
次に、図３のフローチャートについて説明する。
ステップＳ１ 案内交差点ｃ１に接近するのを待機する。
ステップＳ２ 優先度設定情報取得処理を行う。
ステップＳ３ 優先度設定処理を行う。
ステップＳ４ 交差点誘導処理を行い、処理を終了する。
【００５８】
次に、図４のフローチャートについて説明する。
ステップＳ３−１ 路肩寄りの車線ｋ１を走行しているかどうかを判断する。路肩寄りの車線ｋ１を走行している場合はステップＳ３−２に、走行していない場合はステップＳ３−３に進む。
ステップＳ３−２ 走行車線側の陸標Ｃの優先度を高くし、リターンする。
ステップＳ３−３ 反対車線側の陸標Ｇの優先度を高くし、リターンする。
【００５９】
次に、図５のフローチャートについて説明する。
ステップＳ４−１ 優先度を読み込む。
ステップＳ４−２ 案内出力処理を行い、リターンする。
【００６０】
ところで、本実施の形態においては、図７に示されるように、車両ｗ１が車線ｋ２を走行している場合、陸標Ｇの優先度を高くするようになっているが、道路ｒ１に渋滞が発生している場合において、例えば、車両ｗ１の車高が低く、しかも、前方の右側の車線ｋ３をトラック等の車高の高い他の車両が走行していると、陸標Ｇが長い時間にわたって他の車両にかくれてしまう。したがって、車両ｗ１が交差点案内地点に到達しても、交差点の案内が行われない。
【００６１】
そこで、道路ｒ１に渋滞が発生している場合に、他の陸標で交差点の案内を行うことができるようにした本発明の第２の実施の形態について説明する。
【００６２】
図９は本発明の第２の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【００６３】
この場合、前記優先度設定情報取得処理手段は、優先度設定情報取得処理を行い、優先度設定情報としての車両ｗ１（図８）の走行状況、本実施の形態においては、車両ｗ１が走行している道路ｒ１の現況の交通情報を読み込むことによって取得する。
【００６４】
そして、第１の実施の形態と同様に、優先度設定処理手段は、車両ｗ１が路肩寄りの車線ｋ１を走行しているかどうかを判断し、路肩寄りの車線ｋ１を走行している場合、走行車線側の陸標Ｃの優先度を高くし、センタラインｈ１側の車線ｋ２、ｋ３を走行している場合、反対車線側の陸標Ｇの優先度を高くする。
【００６５】
続いて、優先度設定処理手段は、前記現況の交通情報に基づいて、道路ｒ１に渋滞が発生しているかどうかを判断する。そして、道路ｒ１に渋滞が発生している場合、優先度設定処理手段の優先度変更処理手段は、優先度変更処理を行い、前記周辺監視装置５０（図１）によって監視された周辺の車両の寸法、周辺の車両の位置等に基づいて、優先度を変更する。
【００６６】
例えば、前の車両の寸法が大きい場合において、路肩寄りの車線ｋ１を走行しているときに、陸標Ｇの優先度を高くし、センタラインｈ１側の車線ｋ２、ｋ３を走行しているときに、陸標Ｃの優先度を高くする。なお、変更する対象となる陸標を表す看板等が高い位置に取り付けられている場合には、優先度を変更する必要はない。この場合、看板等が高い位置に取り付けられているかどうかは、各陸標ごとにデータを付加することによって判断したり、周辺監視装置５０によって監視したりすることができる。
【００６７】
このように、現況の交通情報に基づいて道路ｒ１に渋滞が発生しているかどうかを判断し、渋滞が発生している場合に、優先度が変更されるので、探索経路を認識しやすくすることができる。したがって、交差点の案内を適正に行うことができる。
【００６８】
次に、図９のフローチャートについて説明する。
ステップＳ３−１１ 路肩寄りの車線ｋ１を走行しているかどうかを判断する。路肩寄りの車線ｋ１を走行している場合はステップＳ３−１２に、走行していない場合ステップＳ３−１３に進む。
ステップＳ３−１２ 走行車線側の陸標Ｃの優先度を高くする。
ステップＳ３−１３ 反対車線側の陸標Ｇの優先度を高くする。
ステップＳ３−１４ 渋滞が発生しているかどうかを判断する。渋滞が発生している場合はステップＳ３−１５に進み、発生していない場合はリターンする。
ステップＳ３−１５ 優先度変更処理を行い、リターンする。
【００６９】
ところで、運転者があらかじめ固有の優先度設定情報として各種の情報を設定し、該情報に従って優先度を設定することができる。
【００７０】
次に、運転者が固有の優先度設定情報として所定の地域を地域情報として設定したときの優先度設定処理手段の動作について説明する。
【００７１】
図１０は本発明の第３の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【００７２】
この場合、運転者は車両を購入したとき、車載装置としてのナビゲーション装置１４（図１）を取り付けたとき等に、運転者にとって土地勘の優れている地域を表す地域情報を設定し、情報記録部としてのデータ記録部１６に記録し、登録する。
【００７３】
したがって、前記優先度設定情報取得処理手段は、データ記録部１６を参照して地域情報を読み込むことによって取得し、前記優先度設定処理手段は、前記地域情報の地域内に多く存在する施設等の陸標の優先度を高くし、地域情報の地域外に多く存在する施設等の陸標の優先度を低くする。
【００７４】
例えば、所定の都道府県に在住する運転者は、在住する都道府県において、土地勘に優れていて、前記都道府県を本拠地とする施設等の陸標についての認識度が高い。したがって、他の都道府県において車両を走行させる場合に、前記施設の数がわずかであっても、前記陸標について容易に認識することができる。そこで、在住する都道府県を本拠地とする施設等の陸標の優先度を高くし、他の都道府県を本拠地とする施設等の陸標の優先度を低くする。
【００７５】
このように、認識度が高い陸標の優先度が高く、認識度が低い陸標の優先度が低くされるので、探索経路を認識しやすくすることができる。したがって、交差点の案内を適正に行うことができる。
【００７６】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップＳ３−２１ 地域情報が設定されているかどうかを判断する。地域情報が設定されている場合はステップＳ３−２２に進み、設定されていない場合はリターンする。
ステップＳ３−２２ 地域情報に基づいて優先度を設定し、リターンする。
【００７７】
次に、運転者が固有の優先度設定情報として所定の色を色情報として設定したときの優先度設定処理手段の動作について説明する。
【００７８】
図１１は本発明の第４の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【００７９】
この場合、運転者は車両を購入したとき、車載装置としてのナビゲーション装置１４（図１）を取り付けたとき等に、運転者にとって印象の強い色を表す色情報を設定し、情報記録部としてのデータ記録部１６に記録し、登録する。
【００８０】
したがって、前記優先度設定情報取得処理手段は、データ記録部１６を参照して色情報を読み込むことによって取得し、前記優先度設定処理手段は、色情報と一致するか、又はほぼ一致する色の陸標の優先度を高くし、色情報と異なる色の陸標の優先度を低くする。
【００８１】
このように、認識度が高い色の陸標の優先度が高く、認識度が低い色の陸標の優先度が低くされるので、探索経路を認識しやすくすることができる。したがって、交差点の案内を適正に行うことができる。
【００８２】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップＳ３−３１ 色情報が設定されているかどうかを判断する。色情報が設定されている場合はステップＳ３−３２に進み、設定されていない場合はリターンする。
ステップＳ３−３２ 色情報に基づいて優先度を設定し、リターンする。
【００８３】
前記第３、第４の実施の形態においては、運転者が、固有の優先度設定情報として所定の地域、所定の色等を設定することができるようになっているが、固有の優先度設定情報として、運転者にとって得意なジャンルの施設、例えば、駅をジャンル情報として設定することができる。その場合、前記優先度設定処理手段は、データ記録部１６を参照し、設定されたジャンル情報を読み込み、ジャンル情報と一致する施設の陸標の優先度を高くし、ジャンル情報と異なる施設の陸標の優先度を低くする。
【００８４】
次に、時間帯に応じて優先度を変更するようにした本発明の第５の実施の形態について説明する。
【００８５】
図１２は本発明の第５の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図である。
【００８６】
この場合、第１の実施の形態と同様に、優先度設定情報取得処理手段は、優先度設定情報取得処理を行い、第１の優先度設定情報としての車両ｗ１（図８）の走行状況、本実施の形態においては、車両ｗ１が走行している車線を読み込むことによって取得する。そして、優先度設定処理手段は、例えば、車両ｗ１が路肩寄りの車線ｋ１を走行しているかどうかを判断し、路肩寄りの車線ｋ１を走行している場合、走行車線側の陸標Ｃの優先度を高くし、センタラインｈ１側の車線ｋ２、ｋ３を走行している場合、反対車線側の陸標Ｇの優先度を高くする。
【００８７】
ところで、陸標の施設が店舗等である場合、営業時間外は看板の照明が消灯されることが多く、その場合、通常は、認識しやすい陸標であっても、夜間の特定の時間帯において照明が消灯された後の看板は陸標として認識するのが困難になってしまう。
【００８８】
そこで、本実施の形態においては、設定された陸標の優先度を時間帯に応じて変更するようにしている。
【００８９】
そのために、優先度設定情報取得処理手段は、現在地検出部としてのＧＰＳセンサ１５（図１）から第２の優先度設定情報としての時刻を読み込むことによって取得する。そして、前記優先度設定処理手段の時間帯判定処理手段は、時間帯判定処理を行い、前記時刻に基づいて時間帯を判定する。続いて、前記優先度設定処理手段の優先度変更処理手段は、優先度変更処理を行い、業種ごとに特定の時間帯の優先度を変更する。前記優先度変更処理手段は、例えば、コンビニエンスストアについては２４時間営業の店舗が多いので、深夜の時間帯の優先度を高くし、飲食店等については、２４時頃までの営業の店舗が多いので、２４時より後の優先度を低くする。
【００９０】
なお、データ記録部１６において高性能のデータベースを利用している場合は、店舗ごとの営業時間をデータベースに記録することができる。その場合、優先度変更処理手段は、前記データベースを参照し、時刻ごとに優先度を変更する。
【００９１】
このように、時間帯に応じて優先度を変更することができるので、照明の点灯、消灯等に関係なく、探索経路を認識しやすくすることができる。したがって、交差点の案内を適正に行うことができる。
【００９２】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップＳ３−４１ 路肩寄りの車線ｋ１を走行しているかどうかを判断する。路肩寄りの車線ｋ１を走行している場合はステップＳ３−４２に、走行していない場合ステップＳ３−４３に進む。
ステップＳ３−４２ 走行車線側の陸標Ｃの優先度を高くする。
ステップＳ３−４３ 反対車線側の陸標Ｇの優先度を高くする。
ステップＳ３−４４ 時間帯判定処理を行う。
ステップＳ３−４５ 優先度変更処理を行い、リターンする。
【００９３】
次に、自車の走行実績を表す走行履歴データに基づいて優先度を設定するようにした本発明の第６の実施の形態について説明する。
【００９４】
図１３は本発明の第６の実施の形態における優先度設定情報作成処理手段の動作を示すフローチャート、図１４は本発明の第６の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図、図１５は本発明の第６の実施の形態における交差点誘導処理のサブルーチンを示す図である。
【００９５】
ところで、過去に通過した地域（以下「通過地域」という。）、過去に目的地として設定された施設（以下「目的地施設」という。）、過去に立ち寄った施設（以下「立寄り施設」という。）は、走行履歴データとして情報記録部としてのデータ記録部１６（図１）に記録される。
【００９６】
そして、走行履歴データに基づいて通過地域の施設、目的地施設及び立寄り施設の各施設について、施設の利用頻度を表す評価指数を算出し、データ記録部１６に優先度設定情報として記録するとともに、前記評価指数に基づいて優先度を変更する。
【００９７】
この場合、前記交差点案内処理手段の優先度設定情報作成処理手段は、データ記録部１６に記録された通過地域を通過したり、目的地施設を目的地として設定したり、立寄り施設に立ち寄ったりするたびに、評価指数をインクリメントする。なお、該評価指数は、通過地域の通過回数、目的地施設の設定回数、立寄り施設の立寄り回数等が多いほど高くなる。
【００９８】
次に、前記優先度設定情報取得処理手段は、前記優先度設定情報取得処理を行い、データ記録部１６を参照して評価指数を読み込むことによって取得する。続いて、前記優先度設定処理手段は、データ記録部１６を参照し、データ記録部１６に記録された優先度を読み出すとともに、前記評価指数を読み込み、評価指数が高い施設ほど陸標の優先度を高く、評価指数が低い施設ほど陸標の優先度を低く設定する。そして、前記優先度設定処理手段は、設定された優先度をデータ記録部１６に記録する。
【００９９】
なお、前記第３の実施の形態においては、運転者は車両を購入したとき、車載装置としてのナビゲーション装置１４を取り付けたとき等に、土地勘の優れている地域を地域情報として設定し、データ記録部１６に記録し、登録するようになっているが、土地勘の優れている地域以外の地域においても、所定の地域を繰り返し通過すると、通過地域内の施設、通過地域内の道路沿いの施設の陸標に精通することが考えられる。そこで、通過地域内の施設の陸標の優先度が高くされる。
【０１００】
また、例えば、運転者が特定のペットショップを目的地として設定することが多い場合、又は特定のペットショップに立ち寄ることが多い場合、運転者は、前記特定のペットショップの陸標を容易に認識することができると予測されるので、前記特定のペットショップの評価指数が高くされ、陸標の優先度が高くされる。
【０１０１】
さらに、例えば、運転者が各所のペットショップを目的地として設定することが多い場合、又は各所のペットショップに立ち寄ることが多い場合、運転者は、ペット好きで動物に関する店舗の陸標を容易に認識することができると予測されるので、ペットショップの評価指数が高くされ、陸標の優先度が高くされる。
【０１０２】
続いて、前記交差点誘導処理手段は、交差点誘導処理を行い、データ記録部１６から優先度を読み込み、前記交差点誘導処理手段の案内出力処理手段は、案内出力処理を行い、第２の出力部としての音声出力部３７に指示し、案内交差点及び優先度の高い陸標について音声による交差点の案内を行う。
【０１０３】
このように、走行履歴データに基づいて、通過地域の通過回数、目的地施設の設定回数、立寄り施設の立寄り回数等が多いほど、陸標の優先度が高くされるので、探索経路を認識しやすくすることができる。したがって、交差点の案内を適正に行うことができる。
【０１０４】
また、各陸標の優先度は、データ記録部１６に記録され、ナビゲーション装置１４をリセットしない限り、走行履歴データが蓄積されるのに伴って更新されるので、陸標の優先度を最適化することができる。なお、前記優先度は自動的に蓄積されるので、運転者の操作性を向上させることができる。
【０１０５】
次に、図１３のフローチャートについて説明する。
ステップＳ１１ 施設が目的地として設定されたかどうかを判断する。施設が目的地として設定された場合はステップＳ１４に、設定されていない場合はステップＳ１２に進む。
ステップＳ１２ 施設に立ち寄ったかどうかを判断する。施設に立ち寄った場合はステップＳ１４に、立ち寄っていない場合はステップＳ１３に進む。
ステップＳ１３ 施設を通過したかどうかを判断する。施設を通過した場合はステップＳ１４に進み、通過していない場合は処理を終了する。
ステップＳ１４ 施設の評価指数をインクリメントし、処理を終了する。
【０１０６】
次に、図１４のフローチャートについて説明する。
ステップＳ３−５１ 優先度を読み出す。
ステップＳ３−５２ 評価指数に基づいて優先度を設定する。
ステップＳ３−５３ 優先度を記録し、リターンする。
【０１０７】
次に、図１５のフローチャートについて説明する。
ステップＳ４−１１ 優先度を読み出す。
ステップＳ４−１２ 案内出力処理を行い、リターンする。
【０１０８】
ところで、案内交差点において、所定の陸標で交差点の案内を行ったときに、運転者が交差点の案内のとおりに車両を走行させなかった場合、交差点の案内で使用された陸標は、誤って認識されたか、認識するのが困難であったかが考えられる。
【０１０９】
そこで、所定の案内交差点における各陸標の位置ごとに、認識のしやすさを表す陸標位置係数を優先度設定情報として作成し、データ記録部１６に記録するとともに、前記陸標位置係数に基づいて優先度を変更するようにした本発明の第７の実施の形態について説明する。
【０１１０】
図１６は本発明の第７の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図、図１７は本発明の第７の実施の形態における交差点誘導処理のサブルーチンを示す図、図１８は本発明の第７の実施の形態における交差点の案内の例を示す図である。
【０１１１】
図１８において、ｃ１は案内交差点、ｒ１、ｒ２は該案内交差点ｃ１で交差する道路、Ｒｔ１は探索経路、Ｒｔ２は実際に車両が走行した経路、すなわち、走行経路、ｗ１は自車である車両である。前記案内交差点ｃ１の先の走行車線側の角（左側の角）に陸標ｍ１で表される第１の施設が、前記案内交差点ｃ１の先の反対車線側の角（右側の角）に陸標ｍ２で表される第２の施設が、前記案内交差点ｃ１の手前の走行車線側の角（左側の角）に陸標ｍ３で表される第３の施設が、前記案内交差点ｃ１の手前の反対車線側の角（右側の角）に陸標ｍ４で表される第４の施設があり、前記優先度設定情報作成処理手段は、優先度設定情報作成処理を行い、各陸標ｍ１〜ｍ４ごとに陸標位置係数を優先度設定情報として作成し、情報記録部としてのデータ記録部１６（図１）に記録する。
【０１１２】
そして、前記優先度設定情報取得処理手段は、優先度設定情報取得処理を行い、データ記録部１６から陸標位置係数を読み出し、前記優先度設定処理手段は陸標位置係数に基づいて優先度を設定する。
【０１１３】
ところで、前記陸標位置係数は、例えば、前記案内交差点ｃ１の場合、各陸標ｍ１〜ｍ４ごとに設定され、所定の陸標で交差点の案内を行ったときに、運転者が正確に探索経路Ｒｔ１に沿って車両ｗ１を走行させたかどうかに基づいて変更され、運転者が正確に探索経路Ｒｔ１に沿って車両ｗ１を走行させた場合、前記交差点の案内に使用された陸標の陸標位置係数を高くし、運転者が正確に探索経路Ｒｔ１に沿って車両ｗ１を走行させることができなかった場合、前記交差点の案内に使用された陸標の陸標位置係数を低くする。
【０１１４】
そのために、前記交差点誘導処理手段は、交差点誘導処理を行い、前記データ記録部１６から案内交差点ｃ１の各陸標ｍ１〜ｍ４の陸標位置係数を読み出す。続いて、前記交差点誘導処理手段の案内出力処理手段は、案内出力処理を行い、優先度が最も高い陸標で交差点の案内を行い、車両ｗ１が案内交差点ｃ１を通過すると、前記交差点誘導処理手段のルート外れ判定処理手段は、ルート外れ判定処理を行い、運転者が正確に探索経路Ｒｔ１に沿って車両ｗ１を走行させたかどうかをルート外れが発生しなかったかどうかによって判断する。
【０１１５】
そして、前記交差点誘導処理手段の陸標位置判定処理手段は、交差点の案内を行う際に使用された陸標がどれであるかを判断し、前記交差点誘導処理手段の陸標位置係数変更処理手段は、陸標位置係数変更処理を行い、運転者が正確に探索経路Ｒｔ１に沿って車両ｗ１を走行させた場合に、使用された陸標について、陸標位置係数を変更して高くし、図１８に示されるように、運転者が正確に探索経路Ｒｔ１に沿って車両ｗ１を走行させることができず、走行経路Ｒｔ２を走行してしまった場合に、使用された陸標について、陸標位置係数を変更して低くする。例えば、陸標ｍ４が使用された場合、陸標ｍ４の陸標位置係数が小さくされ、その結果、陸標ｍ４の優先度が低くされる。
【０１１６】
なお、所定の陸標の陸標位置係数が変更されたときに、他の陸表の陸標位置係数も変更することができる。例えば、陸標ｍ４が使用された場合、陸標ｍ４の陸標位置係数が小さくされるが、陸標ｍ２の陸標位置係数をわずかに小さくし、陸標ｍ３の陸標位置係数を大きくし、陸標ｍ１の陸標位置係数をわずかに大きくすることができる。
【０１１７】
続いて、前記交差点誘導処理手段の陸標位置係数記録処理手段は、陸標位置係数記録処理を行い、陸標位置係数を記録する。
【０１１８】
このように、本実施の形態においては、案内交差点ｃ１の各陸標ごとに、認識のしやすさを表す陸標位置係数が作成され、該陸標位置係数に基づいて優先度が設定されるので、案内交差点ｃ１において運転者が陸標を認識しやすい位置、及び運転者が陸標を認識するのが困難な位置を学習することができる。したがって、探索経路Ｒｔ１を認識しやすくすることができるので、交差点の案内を適正に行うことができる。
【０１１９】
次に、図１６のフローチャートについて説明する。
ステップＳ３−６１ 陸標位置係数に基づいて優先度を設定し、リターンする。
【０１２０】
次に、図１７のフローチャートについて説明する。
ステップＳ４−２１ 陸標位置係数を読み出す。
ステップＳ４−２２ 案内出力処理を行う。
ステップＳ４−２３ 案内交差点ｃ１を通過するのを待機する。
ステップＳ４−２４ ルート外れ判定処理を行う。
ステップＳ４−２５ 陸標位置判定処理を行う。
ステップＳ４−２６ 陸標位置係数変更処理を行う。
ステップＳ４−２７ 陸標位置係数記録処理を行い、リターンする。
【０１２１】
次に、所定の案内交差点における各陸標ごとに、優先度をデータ記録部１６に記録するとともに、運転者が交差点の案内のとおりに車両ｗ１を走行させたかどうかに基づいて、優先度を変更するようにした本発明の第８の実施の形態について説明する。
【０１２２】
図１９は本発明の第８の実施の形態における交差点案内処理手段の動作を示すメインフローチャート、図２０は本発明の第８の実施の形態における交差点誘導処理のサブルーチンを示す図、図２１は本発明の第８の実施の形態における優先度設定情報取得処理のサブルーチンを示す図、図２２は本発明の第８の実施の形態における優先度設定処理のサブルーチンを示す図、図２３は本発明の第８の実施の形態における交差点の案内の例を示す図である。
【０１２３】
図２３において、ｃ１は案内交差点、ｒ１、ｒ２は該案内交差点ｃ１で交差する道路、Ｒｔ１は探索経路、Ｒｔ２は走行経路、ｈ１は前記道路ｒ１のセンタライン、ｗ１は自車である車両である。前記案内交差点ｃ１の先の走行車線側の角（左側の角）に、陸標Ｃで表されるＣコンビニエンスストアがあり、前記案内交差点ｃ１の先の反対車線側の角（右側の角）に、陸標Ｇで表されるＧガソリンスタンドがある。この場合、前記案内交差点ｃ１に存在する各陸標Ｃ、Ｇごとに優先度が設定され、情報記録部としてのデータ記録部１６（図１）に記録される。
【０１２４】
そして、車両ｗ１が案内交差点ｃ１に接近すると、交差点案内処理手段の交差点誘導処理手段は、交差点誘導処理を行い、前記データ記録部１６から案内交差点ｃ１における陸標Ｃ、Ｇの優先度を読み出し、前記交差点誘導処理手段の案内出力処理手段は、案内出力処理を行い、優先度が最も高い陸標で交差点の案内を行う。
【０１２５】
続いて、交差点案内処理手段の優先度設定情報取得処理手段は、優先度設定情報取得処理を行い、車両ｗ１が案内交差点ｃ１を通過するのを待機し、前記優先度設定情報取得処理手段のルート外れ判定処理手段は、ルート外れ判定処理を行い、運転者が正確に探索経路Ｒｔ１に沿って車両ｗ１を走行させたかどうかをルート外れが発生しなかったかどうかによって判断する。続いて、ルート外れが発生すると、優先度設定情報取得処理手段は、ルート外れの発生を優先度設定情報として取得し、ルート外れが発生したことを表すフラグをオンにする。
【０１２６】
次に、交差点案内処理手段の優先度設定処理手段は、優先度設定処理を行い、データ記録部１６から案内交差点ｃ１における陸標Ｃ、Ｇの優先度を読み出し、フラグがオンであるかどうかを判断する。そして、フラグがオンである場合、優先度設定処理手段は、交差点の案内で使用された陸標の優先度を低くする。
【０１２７】
すなわち、図２３に示されるように、運転者が正確に探索経路Ｒｔ１に沿って車両ｗ１を走行させることができず、走行経路Ｒｔ２に沿って車両ｗ１を走行させてしまった場合に、使用された陸標について、陸標位置係数を変更して低くする。例えば、陸標Ｃが使用された場合、陸標Ｃの優先度が低くされる。
【０１２８】
このようにして、各陸標Ｃ、Ｇの優先度が設定されると、続いて、前記優先度設定処理手段は、各陸標Ｃ、Ｇの優先度をデータ記録部１６に記録する。
【０１２９】
なお、所定の陸標の優先度が変更されたときに、他の陸標の優先度も変更することができる。例えば、陸標Ｃの優先度が低くされたときに、陸標Ｇの優先度を高くすることができる。
【０１３０】
このように、本実施の形態においては、案内交差点ｃ１の各陸標ごとに優先度が設定されるので、案内交差点ｃ１において運転者が認識しやすい陸標、及び運転者が認識するのが困難な陸標を学習することができる。したがって、探索経路Ｒｔ１を認識しやすくすることができるので、交差点の案内を適正に行うことができる。
【０１３１】
次に、図１９のフローチャートについて説明する。
ステップＳ２１ 案内交差点ｃ１に接近するのを待機する。
ステップＳ２２ 交差点誘導処理を行う。
ステップＳ２３ 優先度設定情報取得処理を行う。
ステップＳ２４ 優先度設定処理を行い、処理を終了する。
【０１３２】
次に、図２０のフローチャートについて説明する。
ステップＳ２２−１ 優先度を読み出す。
ステップＳ２２−２ 案内出力処理を行い、リターンする。
【０１３３】
次に、図２１のフローチャートについて説明する。
ステップＳ２３−１ 案内交差点ｃ１を通過するのを待機する。
ステップＳ２３−２ ルート外れが発生したかどうかを判断する。ルート外れが発生した場合はステップＳ２３−３に進み、発生していない場合はリターンする。
ステップＳ２３−３ フラグをオンにし、リターンする。
【０１３４】
次に、図２２のフローチャートについて説明する。
ステップＳ２４−１ 優先度を読み出す。
ステップＳ２４−２ フラグがオンであるかどうかを判断する。フラグがオンである場合はステップＳ２４−３に、オンでない場合はステップＳ２４−４に進む。
ステップＳ２４−３ 交差点の案内時の陸標の優先度を低くする。
ステップＳ２４−４ 優先度を記録し、リターンする。
【０１３５】
ところで、所定の案内交差点に複数の陸標が存在していて、各陸標のうちの優先度が最も高い陸標が存在する場合には、該優先度が最も高い陸標で交差点の案内が行われることになるが、優先度が最も高い陸標が存在しない場合でも、探索経路を容易に認識することができるようにした第９の実施の形態について説明する。
【０１３６】
図２４は本発明の第９の実施の形態における案内出力処理のサブルーチンを示す図である。
【０１３７】
この場合、交差点誘導処理手段の案内出力処理手段は、案内出力処理を行い、優先度が最も高い陸標があるかどうかを判断し、優先度が最も高い陸標が存在する場合、該優先度が最も高い陸標で交差点の案内を行う。また、優先度が最も高い陸標が存在しない場合、案内出力処理手段は、他の陸標が存在するかどうかを判断し、他の陸標が存在する場合、該他の陸標のうちの所定の陸標の優先度を、例えば、第１の実施の形態のような方法で設定して、優先度が次に高い陸標を決定し、該陸標の識別情報としての、かつ、付加情報として陸標の主要な色を表す色情報を取得する。
【０１３８】
続いて、案内出力処理手段は、第２の出力部としての音声出力部３７（図１）に指示し、優先度が次に高い陸標について、陸標の名称及び色情報で音声による交差点の案内を行う。例えば、優先度が次に高い陸標が所定のコンビニエンスストアの陸標であり、看板が黄色である場合、「まもなく左方向です。黄色い看板のＣコンビニエンスストアが目印です。」のような交差点の案内が行われる。
【０１３９】
また、他に陸標が存在しない場合、案内出力処理手段は陸標での交差点の案内を行わない。
【０１４０】
本実施の形態においては、陸標の付加情報として色情報が使用されるようになっているが、色情報のほかに、形状を表す形状情報、文字を表す文字情報等を使用することができる。
【０１４１】
このように、優先度が最も高い陸標が存在しない場合でも、陸標の特徴で交差点の案内が行われるので、探索経路を認識しやすくすることができる。したがって、交差点の案内を適正に行うことができる。
【０１４２】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップＳ４−２−１ 優先度が最も高い陸標が存在するかどうかを判断する。優先度が最も高い陸標が存在する場合はステップＳ４−２−２に、存在しない場合はステップＳ４−２−３に進む。
ステップＳ４−２−２ 優先度が最も高い陸標で交差点の案内を行い、リターンする。
ステップＳ４−２−３ 他の陸標が存在するかどうかを判断する。他の陸標が存在する場合はステップＳ４−２−４に、存在しない場合はステップＳ４−２−６に進む。
ステップＳ４−２−４ 陸標の色情報を取得する。
ステップＳ４−２−５ 陸標の名称及び色情報で交差点の案内を行い、リターンする。
ステップＳ４−２−６ 陸標で交差点の案内を行わず、リターンする。
【０１４３】
次に、本発明の第１０の実施の形態について説明する。
【０１４４】
図２５は本発明の第１０の実施の形態における案内出力処理のサブルーチンを示す図である。
【０１４５】
この場合、交差点誘導処理手段の案内出力処理手段は、案内出力処理を行い、優先度が最も高い陸標が存在するかどうかを判断し、優先度が最も高い陸標が存在する場合、該優先度が最も高い陸標で交差点の案内を行う。また、優先度が最も高い陸標が存在しない場合、案内出力処理手段は、他の陸標が存在するかどうかを判断し、他の陸標が存在する場合、該他の陸標のうちの所定の陸標の優先度を、例えば、第１の実施の形態のような方法で設定して、優先度が次に高い陸標を決定し、案内交差点における識別情報としての、かつ、付加情報としての、陸標の位置を表す位置情報を取得する。
【０１４６】
続いて、案内出力処理手段は、第２の出力部としての音声出力部３７（図１）に指示し、優先度が次に高い陸標について、陸標の名称及び位置情報で音声による交差点の案内を行う。例えば、優先度が次に高い陸標が所定のコンビニエンスストアの陸標であり、該所定のコンビニエンスストアの陸標が案内交差点の先の左側の角に存在している場合、「まもなく左方向です。左前方のＣコンビニエンスストアが目印です。」のような交差点の案内が行われる。
【０１４７】
また、他の陸標が存在しない場合、案内出力処理手段は陸標での交差点の案内を行わない。
【０１４８】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップＳ４−２−１１ 優先度が最も高い陸標が存在するかどうかを判断する。優先度が最も高い陸標が存在する場合はステップＳ４−２−１２に、存在しない場合はステップＳ４−２−１３に進む。
ステップＳ４−２−１２ 優先度が最も高い陸標で交差点の案内を行い、リターンする。
ステップＳ４−２−１３ 他の陸標が存在するかどうかを判断する。他の陸標が存在する場合はステップＳ４−２−１４に、存在しない場合はステップＳ４−２−１６に進む。
ステップＳ４−２−１４ 陸標の位置情報を取得する。
ステップＳ４−２−１５ 陸標の名称及び位置情報で交差点の案内を行い、リターンする。
ステップＳ４−２−１６ 陸標で交差点の案内を行わず、リターンする。
【０１４９】
次に、本発明の第１１の実施の形態について説明する。
【０１５０】
図２６は本発明の第１１の実施の形態における案内出力処理のサブルーチンを示す図である。
【０１５１】
この場合、運転者は車両を購入したとき、車載装置としてのナビゲーション装置１４（図１）を取り付けたとき等に、識別情報としての、かつ、付加情報としての印象の強い色を表す色情報を設定し、情報記録部としてのデータ記録部１６に記録し、登録する。
【０１５２】
そして、交差点誘導処理手段の案内出力処理手段は、案内出力処理を行い、優先度が最も高い陸標が存在するかどうかを判断し、優先度が最も高い陸標が存在する場合、該優先度が最も高い陸標で交差点の案内を行う。また、優先度が最も高い陸標が存在しない場合、案内出力処理手段は、他の陸標が存在するかどうかを判断し、他の陸標が存在する場合、案内交差点においてあらかじめ設定された色情報の陸標が存在するかどうかを判断し、設定された色情報の陸標が存在する場合、第２の出力部としての音声出力部３７に指示し、陸標の名称及び色情報で音声による交差点の案内を行う。
【０１５３】
このように、優先度が最も高い陸標が存在しない場合でも、案内交差点における陸標の色情報で交差点の案内が行われるので、探索経路を認識しやすくすることができる。したがって、交差点の案内を適正に行うことができる。
【０１５４】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップＳ４−２−２１ 優先度が最も高い陸標が存在するかどうかを判断する。優先度が最も高い陸標が存在する場合はステップＳ４−２−２２に、存在しない場合はステップＳ４−２−２３に進む。
ステップＳ４−２−２２ 優先度が最も高い陸標で交差点の案内を行い、リターンする。
ステップＳ４−２−２３ 他の陸標が存在するかどうかを判断する。他の陸標が存在する場合はステップＳ４−２−２４に、存在しない場合はリターンする。
ステップＳ４−２−２４ 設定された色情報の陸標が存在するかどうかを判断する。設定された色情報の陸標が存在する場合はステップＳ４−２−２５に、存在しない場合はリターンする。
ステップＳ４−２−２５ 陸標の名称及び色情報で交差点の案内を行い、リターンする。
【０１５５】
本実施の形態においては、あらかじめ色情報を設定し、設定された色情報の陸標が存在するかどうかを判断し、設定された色情報の陸標が存在する場合に、該色情報の陸標について交差点の案内を行うようになっているが、あらかじめ付加情報として、特定の施設のジャンル、店舗名等を設定し、設定されたジャンル、店舗名等の陸標が存在するかどうかを判断し、設定されたジャンル、店舗名等の陸標が存在する場合に、該ジャンル、店舗名等の陸標について交差点の案内を行うこともできる。
【０１５６】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【０１５７】
１４ ナビゲーション装置
３１ ＣＰＵ
５１ 情報センタ
６３ ネットワーク
ｃ１ 案内交差点
【特許請求の範囲】
【請求項１】
案内交差点における所定の陸標を伴う交差点の案内を行う案内処理手段と、運転者が前記案内処理手段による案内のとおりに車両を走行させたかどうかを判断する走行判断処理手段と、該走行判断処理手段による判断結果に基づいて、前記案内交差点における所定の陸標の優先度を設定する優先度設定処理手段とを有することを特徴とする経路案内システム。
【請求項２】
運転者が正確に探索経路に沿って車両を走行させたかどうかを判断するルート外れ判定処理手段を有するとともに、前記走行判断処理手段は、ルート外れ判定処理手段による判定結果に基づいて、運転者が前記案内処理手段による案内のとおりに車両を走行させたかどうかを判断する請求項１に記載の経路案内システム。
【請求項３】
案内交差点における経路案内を行う経路案内システムによる経路案内方法において、案内交差点における所定の陸標を伴う交差点の案内を行い、運転者が前記案内のとおりに車両を走行させたかどうかを判断し、運転者が前記案内のとおりに車両を走行させたかどうかの判断結果に基づいて、前記案内交差点における所定の陸標の優先度を設定することを特徴とする経路案内方法。
【請求項１】
案内交差点における所定の陸標を伴う交差点の案内を行う案内処理手段と、運転者が前記案内処理手段による案内のとおりに車両を走行させたかどうかを判断する走行判断処理手段と、該走行判断処理手段による判断結果に基づいて、前記案内交差点における所定の陸標の優先度を設定する優先度設定処理手段とを有することを特徴とする経路案内システム。
【請求項２】
運転者が正確に探索経路に沿って車両を走行させたかどうかを判断するルート外れ判定処理手段を有するとともに、前記走行判断処理手段は、ルート外れ判定処理手段による判定結果に基づいて、運転者が前記案内処理手段による案内のとおりに車両を走行させたかどうかを判断する請求項１に記載の経路案内システム。
【請求項３】
案内交差点における経路案内を行う経路案内システムによる経路案内方法において、案内交差点における所定の陸標を伴う交差点の案内を行い、運転者が前記案内のとおりに車両を走行させたかどうかを判断し、運転者が前記案内のとおりに車両を走行させたかどうかの判断結果に基づいて、前記案内交差点における所定の陸標の優先度を設定することを特徴とする経路案内方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【公開番号】特開２０１０−２１７１９６（Ｐ２０１０−２１７１９６Ａ）
【公開日】平成２２年９月３０日（２０１０．９．３０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１１６５２３（Ｐ２０１０−１１６５２３）
【出願日】平成２２年５月２０日（２０１０．５．２０）
【分割の表示】特願２００５−９４２６２（Ｐ２００５−９４２６２）の分割
【原出願日】平成１７年３月２９日（２００５．３．２９）
【出願人】（０００１００７６８）アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年９月３０日（２０１０．９．３０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年５月２０日（２０１０．５．２０）
【分割の表示】特願２００５−９４２６２（Ｐ２００５−９４２６２）の分割
【原出願日】平成１７年３月２９日（２００５．３．２９）
【出願人】（０００１００７６８）アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Ｆターム（参考）】
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